JP2001346336A5 - - Google Patents
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Description
【発明の名称】電子機器および電子機器の制御方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】発電を行う発電手段と、
前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電手段と、
前記蓄電手段に蓄えられた電気エネルギーにより駆動される一または複数のモータと、
通常駆動パルス信号を出力することにより前記モータの駆動制御を行うパルス駆動制御手段と、
前記発電により磁界が発生したか否かを検出する発電磁界検出手段と、
前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力する補正駆動パルス出力手段と、を備え、
前記発電磁界検出手段は、前記発電手段の発電により前記蓄電手段に充電電流が流れる充電状態にある場合に、前記発電による磁界が発生したものとして判別を行う充電状態判別手段を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】発電を行う発電手段と、
前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電手段と、
前記蓄電手段に蓄えられた電気エネルギーにより駆動される一または複数のモータと、
通常駆動パルス信号を出力することにより前記モータの駆動制御を行うパルス駆動制御手段と、
前記発電により磁界が発生したか否かを検出する発電磁界検出手段と、
前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力する補正駆動パルス出力手段と、を備え、
前記発電磁界検出手段は、前記蓄電手段が過充電防止状態にある場合に、前記発電手段に流れる過充電防止電流により前記発電による磁界が発生したものとして判別を行う過充電防止電流発生判別手段を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項3】請求項1または請求項2記載の電子機器において、
前記発電磁界検出手段は、前記発電手段から出力される発電電流の値が予め定めた発電電流値を越えたか否かを判別する発電電流判別手段を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項4】請求項1または請求項2記載の電子機器において、
前記発電磁界検出手段は、前記発電手段から出力される発電電流に基づいて前記蓄電手段の蓄電電圧を算出し、前記蓄電電圧が予め定めた基準蓄電電圧を超えたか否かを判別する蓄電電圧判別手段を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項5】請求項1または請求項2記載の電子機器において、
前記発電手段は、一対の出力端子を有し、
前記発電手段の出力端子の電圧と前記蓄電手段の端子電圧に対応する所定の電圧とを比較し、比較結果信号を出力する比較手段と、
前記比較結果信号に基づいて前記出力端子の電圧が前記蓄電手段の端子電圧を上回る場合に発電電流が流れ得る状態に相当する発電検出信号を出力する発電検出手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の電子機器において、
前記発電磁界検出手段は、前記蓄電手段の充電経路とは異なる経路を介して前記充電とは並行して前記発電により磁界が発生したか否かを判別することを特徴とする電子機器。
【請求項7】請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電子機器において、
前記モータの回転の有無を検出する回転検出手段を備え、
前記補正駆動パルス出力手段は、前記回転検出手段により前記モータが非回転状態であると検出された場合に第1のタイミングで第1補正駆動パルスを出力する第1補正駆動パルス出力手段と、前記発電磁界検出手段により磁界が発生したと検出された場合、かつ、前記回転検出手段により前記モータが回転状態であると検出した場合に前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングで第2補正駆動パルスを出力する第2補正駆動パルス出力手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項8】請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電子機器において、
前記モータの回転の有無を検出する回転検出手段を備え、
前記補正駆動パルス出力手段は、前記回転検出手段により前記モータが非回転状態であると検出した場合に第1の実効電力を有する第1補正駆動パルスを出力する第1補正駆動パルス出力手段と、前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合、かつ、前記回転検出手段により前記モータが回転状態であると検出した場合に前記第1の実効電力よりも大きな第2の実効電力を有する第2補正駆動パルスを出力する第2補正駆動パルス出力手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項9】請求項8記載の電子機器において、
前記第1補正駆動パルスおよび前記第2補正駆動パルスの出力タイミングは同一の出力タイミングとされることを特徴とする電子機器。
【請求項10】請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電子機器において、
前記補正駆動パルス出力手段は、前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出されてから予め定めた所定時間が経過するまで、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力することを特徴と する電子機器。
【請求項11】請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電子機器において、
前記モータの回転の有無を検出する回転検出手段と、
前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合に前記回転検出手段の動作を禁止する回転検出禁止手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項12】請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電子機器において、
前記モータの回転の有無を検出する回転検出手段を備え、
前記補正駆動パルス出力手段は、前記回転検出手段の判別結果に拘わらず、前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記補正駆動パルス信号を前記モータに出力する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項13】請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の電子機器において、
前記発電磁界検出手段は、予め定めた所定期間中に前記発電による磁界が発生したか否かを検出することを特徴とする電子機器。
【請求項14】請求項13記載の電子機器において、
前記所定期間は、前記パルス駆動制御手段による今回の通常駆動パルス信号出力開始タイミングと次回の前記通常駆動パルス信号の出力開始タイミングとの間の期間中の期間として定められることを特徴とする電子機器。
【請求項15】請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の電子機器において、
前記補正駆動パルス出力手段は、前記通常駆動パルス信号に代えて前記補正駆動パルス信号を前記モータに出力することを特徴とする電子機器。
【請求項16】請求項7記載の電子機器において、
前記第1補正駆動パルス及び前記第2補正駆動パルスは同一であることを特徴とする電子機器。
【請求項17】請求項7ないし請求項12のいずれかに記載の電子機器において、
前記発電磁界検出手段は、予め定めた所定期間中に前記発電による磁界が発生したか否かを検出するとともに、前記所定期間の開始タイミングを前記回転検出手段における回転検出開始タイミングに設定したことを特徴とする電子機器。
【請求項18】請求項13または請求項17記載の電子機器において、
前記所定期間は、前記発電磁界検出手段の検出ディレイ時間に対応する期間を含めて定められていることを特徴とする電子機器。
【請求項19】請求項1ないし請求項18のいずれかに記載の電子機器において、
当該電子機器周辺の高周波磁界または交流磁界を検出する外部磁界検出手段を備え、
前記補正駆動パルス出力手段は、前記外部磁界検出手段の判別結果に拘わらず、前記発電磁界検出手段により前記所定期間中に発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記補正駆動パルス信号を前記モータに出力する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項20】請求項1ないし請求項19のいずれかに記載の電子機器において、
前記モータ周辺の高周波磁界あるいは交流磁界を検出する外部磁界検出手段と、
前記発電磁界検出手段により前記所定期間中に発電による磁界が発生したと検出された場合に前記外部磁界検出手段の動作を禁止する磁界検出禁止手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項21】請求項1ないし請求項20のいずれかに記載の電子機器において、
前記モータの駆動状態に基づいて前記通常駆動パルスの実効電力を下げるべくデューティ比を順次下げ、より好適なデューティ比に設定するデューティ比設定手段と、
前記発電磁界検出手段により前記所定期間中に発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記デューティ比設定手段における前記デューティ比の変更を禁止しあるいは予め定めた初期デューティ比にリセットさせるデューティ比制御手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項22】請求項1ないし請求項21のいずれかに記載の電子機器において、
前記電子機器は、計時動作を行う計時手段を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項23】発電を行う発電装置と、前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電装置と、前記蓄電装置に蓄えられた電気エネルギーにより駆動されるモータと、を備えた電子機器の制御方法において、
通常駆動パルス信号を出力することにより前記モータの駆動制御を行うパルス駆動制御工程と、
前記発電により磁界が発生したか否かを検出する発電磁界検出工程と、
前記発電磁界検出工程において発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力する補正駆動パルス出力工程と、を備え、
前記発電磁界検出工程は、前記発電装置の発電により前記蓄電装置に充電電流が流れる充電状態にある場合に、前記発電による磁界が発生したものとして判別を行う充電状態判別工程を備えたことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項24】発電を行う発電装置と、前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電装置と、前記蓄電装置に蓄えられた電気エネルギーにより駆動されるモータと、を備えた電子機器の制御方法において、
通常駆動パルス信号を出力することにより前記モータの駆動制御を行うパルス駆動制御工程と、
前記発電により磁界が発生したか否かを検出する発電磁界検出工程と、
前記発電磁界検出工程において発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力する補正駆動パルス出力工程と、を備え、
前記発電磁界検出工程は、前記蓄電装置が過充電防止状態にある場合に、前記発電装置に流れる過充電防止電流により前記発電による磁界が発生したものとして判別を行う過充電防止電流発生判別工程を備えたことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項25】請求項23または請求項24記載の電子機器の制御方法において、
前記発電磁界検出工程は、予め定めた所定期間中に前記発電による磁界が発生したか否かを検出することを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項26】請求項25記載の電子機器の制御方法において、
前記所定期間は、前記パルス駆動制御工程における今回の通常駆動パルス信号出力開始タイミングと次回の前記通常駆動パルス信号の出力開始タイミングとの間の期間中の期間として定められることを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項27】請求項25記載の電子機器の制御方法において、
前記所定期間は、前記発電磁界検出工程における検出ディレイ時間に対応する期間を含めて定められていることを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項28】請求項23ないし請求項27のいずれかに記載の電子機器の制御方法において、
前記補正駆動パルス出力工程は、前記通常駆動パルス信号に代えて前記補正駆動パルス信号を前記モータに出力することを特徴とする電子機器の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器及びその制御方法に係り、好ましくは携帯用の電子式計時装置などのように蓄電装置及び駆動用モータを内蔵した電子機器及びその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、腕時計タイプなどの小型の電子時計に太陽電池などの発電装置を内蔵し、電池交換なしに動作するものが実現されている。これらの電子時計においては、発電装置で発生した電力をいったん大容量コンデンサなどに充電する機能を備えており、発電が行われないときはコンデンサから放電される電力で時刻表示が行われるようになっている。このため、電池なしでも長時間安定した動作が可能であり、電池の交換の手間あるいは電池の廃棄上の問題などを考慮すると、今後、多くの電子時計に発電装置が内蔵されるものと期待されている。
【0003】
このような発電装置を内蔵した電子時計として、国際公開WO98/41906号公報記載の発電装置付電子時計がある。
この発電装置付電子時計においては、回転検出タイミングにおいて発電の有無を検出し、発電を検出した場合には、モータの回転検出結果に拘わらず、補正駆動パルスを出力する構成を採ることにより、モータの確実な回転を確保するようにされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例においては、モータの回転検出タイミングにおいて発電の有無を検出していたため、当該タイミング以前から発電が継続的になされていた場合には、通常モータ駆動パルスが出力された後に補正駆動パルスが出力されるため、通常モータ駆動パルスの電力を余計に消費してしまうという問題点があった。
また、整流回路の後段に発電動作検出回路を設けていたため、二次電源の充電経路に発電動作検出回路が設けられていることとなり、発電検出を行う際には、充電を停止する必要があり、充電効率が悪くなってしまうという問題点があった。
【0005】
さらにモータ駆動異常を招く発電量を実測により予め定めるため、発電機、モータ、機構構造が変わるとその都度実測により基準となる発電量を設定する必要があるという問題点があった。
また、二次電源の蓄電電圧によって充電電流量が変化するため、発電装置より発生する交流磁界の大きさは二次電源の蓄電電圧によって異なることとなる。
しかしながら、上記従来例においては、発電検出をするに際し、二次電源への充電経路を遮断してしまうため、二次電源の蓄電電圧が高い場合、すなわち、二次電源に充電電流が流れにくいため交流磁界が発生しにくい場合にモータを正常に駆動できる状況にも拘わらず補正駆動パルスを出力してしまい、無駄に電力を消費してしまうという問題点があった。
【0006】
さらに上記従来例においては、二次電源への過充電を防止するための過充電防止回路が動作している場合には、発電動作検出回路の検出結果が発電状態に固定されるため、発電装置が非発電状態で、発電装置の交流磁界が発生しておらず、モータを正常に駆動できる状況であっても補正駆動パルスを出力してしまい、無駄に電力を消費してしまうという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、発電機を有する電気機のモータの駆動を確実に行い、無駄な消費電力を低減し、充電効率を低下させることがないとともに、発電機、モータなどの構成の変化の影響を受けることなく発電状態を検出することが可能な電子機器及びその制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明が採用する電子機器の構成は、発電を行う発電手段と、前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電手段と、前記蓄電手段に蓄えられた電気エネルギーにより駆動される一または複数のモータと、通常駆動パルス信号を出力することにより前記モータの駆動制御を行うパルス駆動制御手段と、前記発電により磁界が発生したか否かを検出する発電磁界検出手段と、前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力する補正駆動パルス出力手段と、を備え、前記発電磁界検出手段は、前記発電手段の発電により前記蓄電手段に充電電流が流れる充電状態にある場合に、前記発電による磁界が発生したものとして判別を行う充電状態判別手段を備えたことを特徴としている。
【0008】
本発明が採用する電子機器の他の構成は、発電を行う発電手段と、前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電手段と、前記蓄電手段に蓄えられた電気エネルギーにより駆動される一または複数のモータと、通常駆動パルス信号を出力することにより前記モータの駆動制御を行うパルス駆動制御手段と、前記発電により磁界が発生したか否かを検出する発電磁界検出手段と、前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力する補正駆動パルス出力手段と、を備え、前記発電磁界検出手段は、前記蓄電手段が過充電防止状態にある場合に、前記発電手段に流れる過充電防止電流により前記発電による磁界が発生したものとして判別を行う過充電防止電流発生判別手段を備えたことを特徴としている。
【0009】
上記電子機器の構成において、前記発電磁界検出手段は、前記発電手段から出力される発電電流の値が予め定めた発電電流値を越えたか否かを判別する発電電流判別手段を備えたことを特徴としている。
【0010】
上記電子機器の構成において、前記発電磁界検出手段は、前記発電手段から出力される発電電流に基づいて前記蓄電手段の蓄電電圧を算出し、前記蓄電電圧が予め定めた基準蓄電電圧を超えたか否かを判別する蓄電電圧判別手段を備えたことを特徴としている。
【0011】
上記電子機器の構成において、前記発電手段は、一対の出力端子を有し、前記発電手段の出力端子の電圧と前記蓄電手段の端子電圧に対応する所定の電圧とを比較し、比較結果信号を出力する比較手段と、前記比較結果信号に基づいて前記出力端子の電圧が前記蓄電手段の端子電圧を上回る場合に発電電流が流れ得る状態に相当する発電検出信号を出力する発電検出手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
上記電子機器の構成において、前記発電磁界検出手段は、前記蓄電手段の充電経路とは異なる経路を介して前記充電とは並行して前記発電により磁界が発生したか否かを判別することを特徴としている。
【0013】
上記電子機器の構成において、前記モータの回転の有無を検出する回転検出手段を備え、
前記補正駆動パルス出力手段は、前記回転検出手段により前記モータが非回転状態であると検出された場合に第1のタイミングで第1補正駆動パルスを出力する第1補正駆動パルス出力手段と、前記発電磁界検出手段により磁界が発生したと検出された場合、かつ、前記回転検出手段により前記モータが回転状態であると検出した場合に前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングで第2補正駆動パルスを出力する第2補正駆動パルス出力手段と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
上記電子機器の構成において、前記モータの回転の有無を検出する回転検出手段を備え、前記補正駆動パルス出力手段は、前記回転検出手段により前記モータが非回転状態であると検出した場合に第1の実効電力を有する第1補正駆動パルスを出力する第1補正駆動パルス出力手段と、前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合、かつ、前記回転検出手段により前記モータが回転状態であると検出した場合に前記第1の実効電力よりも大きな第2の実効電力を有する第2補正駆動パルスを出力する第2補正駆動パルス出力手段と、を備えたことを特徴としている。
【0015】
上記電子機器の構成において、前記第1補正駆動パルスおよび前記第2補正駆動パルスの出力タイミングは同一の出力タイミングとされることを特徴としている。
【0016】
上記電子機器の構成において、前記補正駆動パルス出力手段は、前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出されてから予め定めた所定時間が経過するまで、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力することを特徴としている。
【0017】
上記電子機器の構成において、前記モータの回転の有無を検出する回転検出手段と、前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合に前記回転検出手段の動作を禁止する回転検出禁止手段と、を備えたことを特徴としている。
【0018】
上記電子機器の構成において、前記モータの回転の有無を検出する回転検出手段を備え、前記補正駆動パルス出力手段は、前記回転検出手段の判別結果に拘わらず、前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記補正駆動パルス信号を前記モータに出力する、ことを特徴としている。
【0019】
上記電子機器の構成において、前記発電磁界検出手段は、予め定めた所定期間中に前記発電による磁界が発生したか否かを検出することを特徴としている。
【0020】
上記電子機器の構成において、前記所定期間は、前記パルス駆動制御手段による今回の通常駆動パルス信号出力開始タイミングと次回の前記通常駆動パルス信号の出力開始タイミングとの間の期間中の期間として定められることを特徴としている。
【0021】
上記電子機器の構成において、前記所定期間は、前記発電磁界検出手段の検出ディレイ時間に対応する期間を含めて定められていることを特徴としている。
【0022】
上記電子機器の構成において、前記補正駆動パルス出力手段は、前記通常駆動パルス信号に代えて前記補正駆動パルス信号を前記モータに出力することを特徴としている。
【0023】
上記電子機器の構成において、前記第1補正駆動パルス及び前記第2補正駆動パルスは同一であることを特徴としている。
【0024】
上記電子機器の構成において、前記発電磁界検出手段は、予め定めた所定期間中に前記発電による磁界が発生したか否かを検出するとともに、前記所定期間の開始タイミングを前記回転検出手段における回転検出開始タイミングに設定したことを特徴としている。
【0025】
上記電子機器の構成において、前記所定期間は、前記発電磁界検出手段の検出ディレイ時間に対応する期間を含めて定められていることを特徴としている。
【0026】
上記電子機器の構成において、当該電子機器周辺の高周波磁界を検出する高周波磁界検出手段を備え、前記補正駆動パルス出力手段は、前記高周波磁界検出手段の判別結果に拘わらず、前記発電磁界検出手段により前記所定期間中に発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記補正駆動パルス信号を前記モータに出力する、ことを特徴としている。
【0027】
上記電子機器の構成において、当該電子機器周辺の交流磁界を検出する外部磁界検出手段を備え、前記補正駆動パルス出力手段は、前記外部磁界検出手段の判別結果に拘わらず、前記発電磁界検出手段により前記所定期間中に発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記補正駆動パルス信号を前記モータに出力する、ことを特徴としている。
【0028】
上記電子機器の構成において、前記モータ周辺の高周波磁界あるいは交流磁界を検出する外部磁界検出手段と、前記発電磁界検出手段により前記所定期間中に発電による磁界が発生したと検出された場合に前記外部磁界検出手段の動作を禁止する磁界検出禁止手段と、を備えたことを特徴としている。
【0029】
上記電子機器の構成において、前記モータの駆動状態に基づいて前記通常駆動パルスの実効電力を下げるべくデューティ比を順次下げ、より好適なデューティ比に設定するデューティ比設定手段と、前記発電磁界検出手段により前記所定期間中に発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記デューティ比設定手段における前記デューティ比の変更を禁止しあるいは予め定めた初期デューティ比にリセットさせるデューティ比制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0030】
上記電子機器の構成において、前記電子機器は、携帯用であることを特徴としている。
【0031】
上記電子機器の構成において、前記電子機器は、計時動作を行う計時手段を備えたことを特徴としている。
【0032】
上記課題を解決するため、本発明が採用する電子機器の制御方法は、発電を行う発電装置と、前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電装置と、前記蓄電装置に蓄えられた電気エネルギーにより駆動されるモータと、を備えた電子機器の制御方法において、通常駆動パルス信号を出力することにより前記モータの駆動制御を行うパルス駆動制御工程と、前記発電により磁界が発生したか否かを検出する発電磁界検出工程と、前記発電磁界検出工程において発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力する補正駆動パルス出力工程と、を備え、前記発電磁界検出工程は、前記発電装置の発電により前記蓄電装置に充電電流が流れる充電状態にある場合に、前記発電による磁界が発生したものとして判別を行う充電状態判別工程を備えたことを特徴としている。
【0033】
本発明が採用する電子機器の他の制御方法は、発電を行う発電装置と、前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電装置と、前記蓄電装置に蓄えられた電気エネルギーにより駆動されるモータと、を備えた電子機器の制御方法において、通常駆動パルス信号を出力することにより前記モータの駆動制御を行うパルス駆動制御工程と、前記発電により磁界が発生したか否かを検出する発電磁界検出工程と、前記発電磁界検出工程において発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力する補正駆動パルス出力工程と、を備え、前記発電磁界検出工程は、前記蓄電装置が過充電防止状態にある場合に、前記発電装置に流れる過充電防止電流により前記発電による磁界が発生したものとして判別を行う過充電防止電流発生判別工程を備えたことを特徴としている。
【0034】
上記制御方法において、前記発電磁界検出工程は、予め定めた所定期間中に前記発電による磁界が発生したか否かを検出することを特徴としている。
【0035】
上記制御方法において、前記所定期間は、前記パルス駆動制御工程における今回の通常駆動パルス信号出力開始タイミングと次回の前記通常駆動パルス信号の出力開始タイミングとの間の期間中の期間として定められることを特徴としている。
【0036】
上記制御方法において、前記所定期間は、前記発電磁界検出工程における検出ディレイ時間に対応する期間を含めて定められていることを特徴としている。
【0037】
上記制御方法において、前記補正駆動パルス出力工程は、前記通常駆動パルス信号に代えて前記補正駆動パルス信号を前記モータに出力することを特徴としている。
【0038】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
[1] 第1実施形態
[1.1] 全体構成
図1に、第1実施形態の電子機器である計時装置1の概略構成を示す。
計時装置1は、腕時計であって、使用者は装置本体に連結されたベルトを手首に巻き付けて使用するようになっている。
計時装置1は、大別すると、交流電力を発電する発電部Aと、発電部Aからの交流電圧を整流するとともに蓄電し、その蓄電電圧をさらに昇降圧した電圧によって各構成部分へ電力を給電する電源部Bと、発電部Aの発電状態を検出し、検出結果に基づいて装置全体を制御する制御部Cと、指針を駆動する運針機構Dと、制御部Cからの制御信号に基づいて運針機構Dを駆動する駆動部Eと、を備えて構成されている。
【0039】
この場合において、制御部Cは、発電部Aの発電状態に応じて、運針機構Dを駆動して時刻表示を行う表示モードと、運針機構Dへの給電を停止して電力を節電する節電モードとを切り換えるようになっている。また、節電モードから表示モードへの移行は、ユーザが計時装置1を手に持ってこれを振ることによって、強制的に移行されるようになっている。以下、各構成部分について説明する。なお、制御部Cについては機能ブロックを用いて後述する。
まず、発電部Aは、大別すると、発電装置40と、ユーザの腕の動きなどを捉えて装置内で旋回し、運動エネルギーを回転エネルギーに変換する回転錘45と、回転錘の回転を発電に必要な回転数に変換(増速)して発電装置40側に伝達する増速用ギア46と、を備えている。
【0040】
発電装置40は、回転錘45の回転が増速用ギア46を介して発電用ロータ43に伝達され、発電用ロータ43が発電用ステータ42の内部で回転することにより、発電用ステータ42に接続された発電コイル44に誘起された電力を外部に出力する電磁誘導型の交流発電装置として機能している。
したがって、発電部Aは、使用者の生活に関連したエネルギーを利用して発電を行い、その電力を用いて計時装置1を駆動できるようになっている。
次に、電源部Bは、整流回路103と、蓄電装置(大容量コンデンサ)104と、昇降圧回路113と、を備えて構成されている。
昇降圧回路113は、複数のコンデンサ113a、113bおよび113cを用いて多段階の昇圧および降圧ができるようになっており、制御部Cからの制御信号φ11によって駆動部Eに供給する電圧を調整することができる。また、電源部Bは、Vdd(高電位側)を基準電位(GND)に取り、VTKN(低電位側)を電源電圧として生成している。
【0041】
次に、運針機構Dについて説明する。運針機構Dに用いられているステッピングモータ10は、パルスモータ、ステッピングモータ、階動モータあるいはデジタルモータなどとも称され、デジタル制御装置のアクチュエータとして多用されている、パルス信号によって駆動されるモータである。近年、携帯に適した小型の電子装置あるいは情報機器用のアクチュエータとして小型、軽量化されたステッピングモータが多く採用されている。このような電子装置の代表的なものが電子時計、時間スイッチ、クロノグラフといった計時装置である。
【0042】
本例のステッピングモータ10は、駆動部Eから供給される駆動パルスによって磁力を発生する駆動コイル11と、この駆動コイル11によって励磁されるステータ12と、さらに、ステータ12の内部において励磁される磁界により回転するロータ13を備えている。また、ステッピングモータ10は、ロータ13がディスク状の2極の永久磁石によって構成されたPM型(永久磁石回転型)で構成されている。ステータ12には、駆動コイル11で発生した磁力によって異なった磁極がロータ13回りのそれぞれの相(極)15および16に発生するように磁気飽和部17が設けられている。また、ロータ13の回転方向を規定するために、ステータ12の内周の適当な位置には内ノッチ18が設けられており、コギングトルクを発生させてロータ13が適当な位置に停止するようにしている。
ステッピングモータ10のロータ13の回転は、かなを介してロータ13に噛合された五番車51、四番車52、三番車53、二番車54、日の裏車55および筒車56からなる輪列50によって各針に伝達される。四番車52の軸には秒針61が接続され、二番車54には分針62が接続され、さらに、筒車56には時針63が接続されている。ロータ13の回転に連動してこれらの各針によって時刻が表示される。輪列50には、さらに、年月日などの表示を行うための伝達系など(不図示)を接続することももちろん可能である。
【0043】
次に、駆動部Eは制御部Cの制御の基にステッピングモータ10に様々な駆動パルスを供給する。より詳細には、制御部Cからそれぞれのタイミングで極性およびパルス幅の異なる制御パルスを印加することにより、駆動コイル11に極性の異なる駆動パルスを供給したり、あるいは、ロータ13の回転検出用および磁界検出用の誘起電圧を励起する検出用のパルスを供給したりすることができるようになっている。
【0044】
[1.2] 制御系の機能構成
次に制御系の機能構成について説明する。
[1.2.1] 制御系の概要機能構成
まず、図2を参照して第1実施形態の制御系の概要機能構成について説明する。図2において、符号A〜Eは、図1に示した発電部A、電源部B、制御部C、運針機構Dおよび駆動部Eにそれぞれ対応している。
計時装置1は、交流発電を行う発電部101と、発電部101の発電電圧SKに基づいて発電検出を行い発電検出結果信号SAを出力する発電検出回路102と、発電部101から出力される交流電流を整流して直流電流に変換する整流回路103と、整流回路103から出力される直流電流により蓄電する蓄電装置104と、蓄電装置104の蓄電電圧を昇降圧してその電圧を出力する昇降圧回路113と、昇降圧回路113から出力される蓄電装置104の蓄電電圧を昇降圧した電圧により動作し、計時制御を行うべく通常モータ駆動パルスSIを出力し、発電機交流磁界検出の検出タイミングを指示するための発電機交流磁界検出タイミング信号SBを出力し、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力タイミングを表す高周波磁界検出タイミング信号SSP0を出力し、交流磁界検出用パルス信号SP11、SP12の出力タイミングを表す交流磁界検出タイミング信号SSP12を出力し、回転検出用パルス信号SP2の出力タイミングを表す回転検出タイミング信号SSP2を出力する計時制御回路105と、発電検出結果信号SA及び発電交流磁界検出タイミング信号SBに基づいて発電機交流磁界検出を行い、発電機交流磁界検出結果信号SCを出力する発電機交流磁界検出回路106と、発電機交流磁界検出結果信号SCに基づいて通常モータ駆動パルスのデューティダウンを制御するための通常モータ駆動パルスデューティダウン信号SHを出力するデューティダウン用カウンタ107と、高周波磁界検出結果信号SE、交流磁界検出結果信号SF、及び回転検出結果信号SGに基づいて補正駆動パルスSJを出力するか否かを判別し、必要に応じて補正駆動パルスSJを出力する補正駆動パルス出力判断回路108と、通常モータ駆動パルスSIあるいは補正駆動パルスSJに基づいてパルスモータ10を駆動するためのモータ駆動パルスSLを出力するモータ駆動回路109と、発電機交流磁界検出結果信号SC及びモータ駆動回路109から出力される誘起電圧信号SDに基づいて高周波磁界を検出して高周波磁界検出結果信号SEを出力する高周波磁界検出回路110と、発電機交流磁界検出結果信号SC及びモータ駆動回路109から出力される誘起電圧信号SDに基づいて交流磁界を検出し交流磁界検出結果信号SFを出力する交流磁界検出回路111と、モータ駆動回路109から出力される誘起電圧信号SDに基づいてモータ10が回転したか否かを検出し、回転検出結果信号SGを出力する回転検出回路112と、を備えて構成されている。
【0045】
[1.2.2] 発電検出回路周辺の構成
図3にこのような検出ディレイが発生する発電検出回路の周辺の回路構成例を示す。
図3においては、発電検出回路102と、発電検出回路102の周辺回路として、交流発電を行う発電部101と、発電部101から出力される交流電流を整流して直流電流に変換する整流回路103と、整流回路103から出力される直流電流により蓄電する蓄電装置104と、を図示している。
発電検出回路102は、後述の第1コンパレータCOMP1及び第2コンパレータCOMP2の出力の論理積の否定をとって出力するNAND回路201と、NAND回路201の出力をR−C積分回路を用いて平滑化して発電検出結果信号SAとして出力する平滑化回路202と、を備えて構成されている。
この場合において、発電検出回路102は、発電部101の出力端子AG1(あるいはAG2)の電圧と蓄電装置(蓄電手段)の端子電圧とを直接比較することにより発電を検出しているが、蓄電装置の端子電圧に代えて端子電圧に対応する所定の電圧と比較するように構成することも可能である。例えば、蓄電装置の端子電圧に所定のオフセットを加算(減算)した電圧や、端子電圧を電圧増幅した電圧などの蓄電装置の端子電圧を表す電圧であれば適宜用いることが可能である。また、逆に出力端子AG1(あるいはAG2)の電圧に代えて同様に出力端子AG1(あるいはAG2)の電圧に対応する電圧を用いるように構成することも可能である。
【0046】
整流回路103は、発電部101の一方の出力端子AG1の電圧を基準電圧Vddと比較することにより第1トランジスタQ1のオン/オフ制御を行って能動整流を行わせるための第1コンパレータCOMP1と、発電部101の他方の出力端子AG2の電圧を基準電圧Vddと比較することにより第2トランジスタQ2を第1トランジスタと交互にオン/オフすることにより能動整流を行わせるための第2コンパレータCOMP2と、発電部101の端子AG2の端子電圧V2が予め定めた閾値電圧を越えるとオン状態となる第3トランジスタQ3と、発電部101の端子AG1の端子電圧V1が予め定めた閾値電圧を越えるとオン状態となる第4トランジスタQ4と、を備えて構成されている。
まず、充電動作について説明する。
発電部101が発電を開始すると、発電電圧が両出力端子AG1、AG2に給電される。この場合、出力端子AG1端子電圧V1と出力端子AG2の端子電圧V2は、位相が反転している。
出力端子AG1の端子電圧V1が閾値電圧を越えると、第4トランジスタQ4がオン状態となる。この後、端子電圧V1が上昇し、電源VDDの電圧を越えると、第1コンパレータCOMP1の出力は"L"レベルとなり、第1トランジスタQ1がオンすることとなる。
一方、出力端子AG2の端子電圧V2は閾値電圧を下回っているので、第3トランジスタQ3はオフ状態であり、端子電圧V2は電源VDDの電圧未満であり、第2コンパレータCOMP2の出力は"H"レベルであり、第2トランジスタQ2はオフ状態である。
【0047】
したがって、第1トランジスタQ1がオン状態となる期間において、「端子AG1→第1トランジスタ→電源VDD→蓄電装置104→電源VTKN→第4トランジスタQ4」の経路で発電電流が流れ、蓄電装置104に電荷が充電される。
この後、端子電圧V1が下降すると、出力端子AG1の端子電圧V1は電源VDDの電圧未満となり、第1コンパレータCOMP1の出力が"H"レベルとなって、第1トランジスタQ1はオフ状態となり、出力端子AG1の端子電圧V1は第4トランジスタQ4の閾値電圧を下まわることとなり、トランジスタQ4もオフ状態となる。
一方、出力端子AG2の端子電圧V2が閾値電圧を越えると、第3トランジスタQ3がオン状態となる。この後、端子電圧V2がさらに上昇し、電源VDDの電圧を越えると、第2コンパレータCOMP2の出力は"L"レベルとなり、第2トランジスタQ2がオンすることとなる。
したがって、第2トランジスタQ2がオン状態となる期間において、「端子AG2→第2トランジスタQ2→電源VDD→蓄電装置104→電源VTKN→第3トランジスタQ3」の経路で発電電流が流れ、蓄電装置104に電荷が充電されることとなる。
【0048】
上述したように、発電電流が流れる際には、第1コンパレータCOMP1あるいは第2コンパレータCOMP2の出力はいずれかが"L"レベルとなっている。
そこで、発電検出回路102のNAND回路201は、第1コンパレータCOMP1及び第2コンパレータCOMP2の出力の論理積の否定をとることにより、発電電流が流れている状態で"H"レベルの信号を平滑化回路202に出力することとなる。
この場合において、NAND回路201の出力はスイッチングノイズを含むこととなるので、平滑回路202は、NAND回路201の出力をR−C積分回路を用いて平滑化して発電検出結果信号SAとして出力するのである。
ところで、このような発電検出回路102は、構造上、検出信号は検出ディレイを含んでいるため、これを考慮しなければ、検出漏れに伴ってモータが正常に回転しないこととなる。そこで、本実施形態においては、検出ディレイを考慮して、モータを正常に回転させている。
【0049】
[1.2.3] 制御系の詳細機能構成
次に制御系の詳細機能構成について図4を参照して説明する。
まず、図4を参照して計時制御回路105の構成及び動作について説明する。
計時制御回路105は、計時制御回路105全体を制御する計時制御部105Aと、一方の入力端子に計時制御部105Aから出力された通常モータ駆動パルスK11が入力され、他方の入力端子に高周波磁界検出結果信号SEの反転信号または交流磁界検出結果信号SFの反転信号が入力され、両入力信号の論理積をとって通常モータ駆動パルスSIとして出力するAND回路105Bと、第1の入力端子に計時制御部105Aの回転検出タイミング制御信号SCSP2が入力され、第2の入力端子に回転検出結果信号SGの反転信号が入力され、第3の入力端子に高周波磁界検出結果信号SEあるいは交流磁界検出結果信号SFの反転信号が入力され、全入力信号の論理積をとって回転検出タイミング信号SSP2を出力するAND回路105Cと、一方の入力端子に交流磁界検出タイミング制御信号SCSP12が入力され、他方の入力端子に高周波磁界検出結果信号SEあるいは交流磁界検出結果信号SFの反転信号が入力されるAND回路105Dと、一方の入力端子に高周波磁界検出タイミング制御信号SCSP0が入力され、他方の入力端子に高周波磁界検出結果信号SEあるいは交流磁界検出結果信号SFの反転信号が入力されるAND回路105Eと、を備えて構成されている。
【0050】
次に計時制御回路105の概要動作を説明する。
計時制御部105Aは、所定のタイミングで通常モータ駆動パルスK11をAND回路105Bに出力する。
この結果、AND回路105Bは、高周波磁界検出回路110から出力される高周波磁界検出結果信号SEが"L"レベル、かつ、交流磁界検出回路111から出力される交流磁界検出結果信号SFが"L"レベルの場合、すなわち、高周波磁界及び交流磁界のいずれも検出されなかった場合に、通常モータ駆動パルスSI(=通常モータ駆動パルスK11)をモータ駆動回路109に出力することとなる。
また、計時制御部105Aは、所定のタイミングで"H"レベルとなる回転検出タイミング制御信号SCSP2をAND回路105Cに出力する。
この結果、AND回路105Cは、回転検出結果信号SGが"L"レベルであり、高周波磁界検出回路110から出力される高周波磁界検出結果信号SEが"L"レベル、かつ、交流磁界検出回路111から出力される交流磁界検出結果信号SFが"L"レベルの場合、すなわち、高周波磁界および交流磁界のいずれも検出されず、かつ、"L"レベルの回転検出結果信号SGが出力されている場合に、回転検出タイミング制御信号SCSP2に基づいて回転検出を行わせるべく"H"レベルの回転検出タイミング信号SSP2を回転検出回路112に出力することとなる。
【0051】
さらに、計時制御部105Aは、所定のタイミングで"H"レベルとなる交流磁界検出タイミング制御信号SCSP12をAND回路105Dに出力する。
この結果、AND回路105Dは、高周波磁界検出回路110から出力される高周波磁界検出結果信号SEが"L"レベル、かつ、交流磁界検出回路111から出力される交流磁界検出結果信号SFが"L"レベルの場合、すなわち、高周波磁界および交流磁界のいずれも検出されていない場合に、交流磁界検出タイミング制御信号SCSP12に基づいて交流磁界検出を行わせるべく"H"レベルの磁界検出タイミング信号SSP12を高周波磁界検出回路110および交流磁界検出回路111に出力することとなる。
さらにまた、計時制御部105Aは、所定のタイミングで"H"レベルとなる高周波磁界検出タイミング制御信号SCSP0をAND回路105Eに出力する。
この結果、AND回路105Eは、高周波磁界検出回路110から出力される高周波磁界検出結果信号SEが"L"レベル、かつ、交流磁界検出回路111から出力される交流磁界検出結果信号SFが"L"レベルの場合、すなわち、高周波磁界および交流磁界のいずれも検出されていない場合に、高周波磁界検出タイミング制御信号SCSP0に基づいて高周波磁界検出を行わせるべく"H"レベルの高周波磁界検出タイミング信号SSP0を高周波磁界検出回路110および交流磁界検出回路111に出力することとなる。
【0052】
続いて、図4を参照して発電機交流磁界検出回路106の構成および動作について説明する。
発電機交流磁界検出回路106は、一方の入力端子に発電検出結果信号SAが入力され、他方の入力端子にSBが入力され、両入力信号の論理積をとって出力するAND回路106Aと、セット端子SにAND回路106Aの出力信号が入力され、リセット端子Rに検出結果リセット信号FEGLが入力され、出力端子Qから発電機交流磁界検出結果信号SCを出力するラッチ回路106Bと、を備えて構成されている。
次に発電機交流磁界検出回路106の概要動作を説明する。
計時制御部105Aは、所定のタイミングで"H"レベルとなる発電機交流磁界検出タイミング信号SBをAND回路106Aに出力する。
この結果、AND回路106Aは、発電機交流磁界検出タイミングにおいて、発電が検出されることにより発電検出結果信号SAが"H"レベルとなった場合には、発電機により交流磁界が発生しているとみなして、"H"レベルの出力信号をラッチ回路106Bに出力する。
【0053】
そして、ラッチ回路106Bは、次に検出結果リセット信号FEGLが"H"レベルとなり、検出結果がリセットされるまで、発電機による交流磁界を検出した場合に相当する"H"レベルの発電機交流磁界検出結果信号SCをデューティダウン用カウンタ107並びに高周波磁界検出回路110および交流磁界検出回路111に出力することとなる。
【0054】
次に図4を参照してデューティダウン用カウンタ107の構成および動作について説明する。
デューティダウン用カウンタ107は、一方の入力端子に発電機交流磁界検出結果信号SCが入力され、他方の入力端子にリセット制御信号RSが入力され、両入力信号の論理和をとって出力するOR回路107Aと、クロック端子CLKに計時制御回路105からのクロック信号CKが入力され、出力端子Qから通常モータ駆動パルスデューティダウン信号SHを出力する1/nカウンタ107Bと、を備えて構成されている。
【0055】
次にデューティダウン用カウンタ107の動作を説明する。
計時制御部105Aは、所定のクロック信号CKを1/nカウンタ107Bのクロック端子CLKに出力する。
この結果、1/nカウンタ107Bは、クロック信号CKを1/nして、カウントを行い、カウント結果を通常モータ駆動パルスデューティダウン信号SHとして出力端子Qより計時制御部105Aに出力する。
一方、OR回路107Aは、計時制御部105Aから"H"レベルのリセット制御信号RSが出力されるか、あるいは、発電機交流磁界検出回路106から"H"レベルの発電機交流磁界検出結果信号SCが出力されると、1/nカウンタ107Bのカウント値をリセットすべく、"H"レベルの出力信号を出力することとなる。
すなわち、デューティダウン用カウンタ107は、計時制御部105Aからリセット制御信号RSが入力され、あるいは、発電機交流磁界検出回路106から"H"レベルの発電機交流磁界検出結果信号SCが入力された場合には、デューティダウンを行わないように動作することとなる。
【0056】
次に図4を参照して回転検出回路112の構成および動作について説明する。
回転検出回路112は、第1の反転入力端子にパルスモータ10の一方の入力端子が接続され、第2の反転入力端子にパルスモータ10の他方の入力端子が接続され、非反転入力端子に比較基準電圧Vcomが入力され、計時制御回路から出力される回転検出タイミング信号SSP2に対応するタイミングで動作状態となり、原回転検出結果信号SG0を出力する回転検出コンパレータ112Aと、一方の入力端子に回転検出タイミング信号SSP2が入力され、他方の入力端子に原回転検出結果信号SG0が入力され、両入力信号の論理積をとって出力するAND回路112Bと、セット端子SにAND回路によりゲートされた原回転検出結果信号SG0が入力され、リセット端子Rに計時制御回路105が出力した検出結果リセット信号FEGLが入力され、出力端子Qから回転検出結果信号SGを出力するラッチ回路112Cと、を備えて構成されている。
【0057】
次に回転検出回路112の動作について説明する。
計時制御回路105のAND回路105Cが高周波磁界および交流磁界のいずれも検出されず、かつ、"L"レベルの回転検出結果信号SGが出力されている場合に、回転検出タイミング制御信号SCSP2に基づいて回転検出を行わせるべく"H"レベルの回転検出タイミング信号SSP2を出力すると、回転検出コンパレータ112Aは動作状態となる。
これに伴い、回転検出コンパレータ112Aは、第1の反転入力端子あるいは第2の反転入力端子の信号電圧レベルを比較基準電圧Vcomと比較し、パルスモータ10の回転検出時に"H"レベルの原回転検出結果信号SG0をAND回路112Bに出力する。
これによりAND回路112Bは、回転検出タイミング信号SSP2が"H"レベルとなり、かつ、原回転検出結果信号SG0が"H"レベルの場合に、すなわち、回転検出タイミングにおいて、パルスモータ10の回転に起因する起電力が発生した場合に、回転を検出した場合に相当する"H"レベルの出力信号をラッチ回路112Cに出力する。
この結果、ラッチ回路112Cの出力端子Qは、パルスモータ10の回転を検出してから、次の検出結果リセット信号FEGLが"H"レベルとなって検出結果がリセットされるまで、"H"レベルの回転検出結果信号SGを出力することとなる。
【0058】
次に図4を参照して高周波磁界検出回路110および交流磁界検出回路111の構成および動作について説明する。
高周波磁界検出回路110および交流磁界検出回路111は、同一回路で実現されており、高周波磁界検出回路110(および交流磁界検出回路111)は、入力端子にパルスモータ10の一方の入力端子が接続され、入力信号を反転して出力する第1磁界検出用インバータ110Aと、入力端子にパルスモータ10の他方の入力端子が接続され、入力信号を反転して出力する第2磁界検出用インバータ110Bと、一方の入力端子に第1磁界検出用インバータの出力信号が入力され、他方の入力端子に第2磁界検出用インバータの出力信号が入力され、両入力信号の論理和をとって出力するOR回路110Cと、一方の入力端子に後述する高周波/交流磁界検出タイミング信号SSP012が入力され、他方の入力端子にOR回路110Cの出力信号が入力され、両入力信号の論理積をとって出力するAND回路110Dと、一方の入力端子に発電機交流磁界検出結果信号SCが入力され、他方の入力端子にAND回路110Dの出力信号が入力され、両入力信号の論理和をとって出力するOR回路110Eと、セット端子SにOR回路110Eの出力信号が入力され、リセット端子Rに計時制御回路105が出力した検出結果リセット信号FEGLが入力され、高周波磁界検出結果信号SE(あるいは交流磁界検出結果信号SF)を出力するラッチ回路110Fと、一方の入力端子に高周波磁界検出タイミング信号SSP0が入力され、他方の入力端子に交流磁界検出タイミング信号SSP12が入力され、両入力信号の論理和をとって高周波/交流磁界検出タイミング信号SSP012として出力するOR回路110Hと、を備えて構成されている。
【0059】
次に高周波磁界検出回路110を例として動作を説明するが、交流磁界検出回路111の動作については、検出タイミングおよび検出対象が異なるだけで他は同様である。
第1磁界検出用インバータ110Aは、パルスモータ10の一方の入力端子の電圧レベルが"L"レベルとなると、"H"レベルの出力信号をOR回路110Cに出力する。
同様に第2磁界検出用インバータ110Bは、パルスモータ10の他方の入力端子の電圧レベルが"L"レベルとなると、"H"レベルの出力信号をOR回路110Cに出力する。
この結果、OR回路110Cは、パルスモータ10のいずれかの入力端子の電圧レベルが"L"レベルとなるタイミングで"H"レベルの出力信号をAND回路110Dに出力する。
また、OR回路110Hは、高周波磁界検出タイミングには、"H"レベルの高周波磁界検出タイミング信号SSP0が入力され、交流磁界検出タイミングには、"H"レベルの交流磁界検出タイミング信号SSP12が入力される。従って、OR回路110Hは、高周波磁界検出タイミングあるいは交流磁界検出タイミングにおいて、"H"レベルの高周波/交流磁界検出タイミング信号SSP012をAND回路110Dに出力する。
【0060】
AND回路110Dは、高周波/交流磁界検出タイミング信号SSP012が"H"レベルとなり、かつ、OR回路110Cの出力信号が"H"レベルの場合に、すなわち、高周波磁界検出タイミング(あるいは交流磁界検出タイミング)において、パルスモータ10周辺に高周波磁界(あるいは交流磁界)が発生した場合に、高周波磁界(あるいは交流磁界)を検出した場合に相当する"H"レベルの出力信号をOR回路110Eに出力する。
OR回路110Eは、高周波磁界(あるいは交流磁界)を検出した場合に相当する"H"レベルのAND回路110Dの出力信号が入力された場合あるいは発電機による交流磁界を検出した場合に相当する"H"レベルの発電機交流磁界検出結果信号SCが入力された場合に、高周波磁界(あるいは交流磁界)を検出した場合に相当する出力信号をラッチ回路110Fに出力する。
この結果、ラッチ回路110Fの出力端子Qは、パルスモータ10周辺の高周波磁界(あるいは交流磁界)を検出してから、次の検出結果リセット信号FEGLが"H"レベルとなって検出結果がリセットされるまで、"H"レベルの高周波磁界検出結果信号SE(あるいは交流磁界検出結果信号SFを出力することとなる。
【0061】
次に図4を参照して補正駆動パルス出力判断回路108の構成および動作について説明する。
補正駆動パルス出力判断回路108は、一方の入力端子に高周波磁界検出結果信号SEおよび交流磁界検出結果信号SFが入力され、他方の入力端子に回転検出結果信号SGの反転信号が入力されるOR回路108Aと、一方の入力端子に補正駆動パルスP2+Prが入力され、他方の入力端子にOR回路108Aの出力信号が入力され、両入力信号の論理積をとって補正駆動パルスSJをモータ駆動回路109に出力するAND回路108Bと、を備えて構成されている。
次に補正駆動パルス出力判断回路108の動作について説明する。
OR回路108Aは、高周波磁界が検出された場合に"H"レベルの高周波磁界検出結果信号SEが入力され、あるいは、交流磁界が検出された場合に"H"レベルの交流磁界検出結果信号SFが入力された場合、並びに、パルスモータ10の回転が検出されず"L"レベルの回転検出結果信号SGが入力された場合に、"H"レベルの出力信号をAND回路108Bに出力する。
AND回路108Bは、補正駆動パルスP2+Prが入力され、かつ、OR回路108Aから"H"レベルの出力信号が入力された場合に補正駆動パルスP2+Prを補正駆動パルスSJとしてモータ駆動回路109に出力することとなる。
すなわち、補正駆動パルス出力判断回路108は、高周波磁界が検出された場合、交流磁界が検出された場合およびパルスモータ10の非回転を検出した場合に、補正駆動パルスP2+Prを補正駆動パルスSJとして出力することとなる。
【0062】
[1.4]
次に図5の処理フローチャートを参照して計時装置1の動作を説明する。
まず、計時装置1のリセットタイミングあるいは前回の駆動パルス出力から1秒経過したか否かを判別する(ステップS1)。
ステップS1の判別において、1秒が経過していない場合には、駆動パルスを出力すべきタイミングではないので、待機状態となる。
ステップS1の判別において、1秒が経過した場合には、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出されたか否かを判別する(ステップS2)。より具体的には、発電検出回路102は、蓄電装置104の蓄電電圧変動に基づいて発電部101において蓄電装置104を蓄電するのに充分な発電が行われているか否かについての発電検出を行い、発電検出結果信号SAを発電機交流磁界検出回路106に出力することとなる。
【0063】
[1.4.1] 高周波磁界検出用パルスSP0の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合の処理
ステップS2の判別において、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合には(ステップS2;Yes)、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する(ステップS7)。
この場合において、デューティダウンカウンタがカウントされるということは、次のパルスモータ駆動タイミングにおいて、より低いデューティ比の通常モータ駆動パルスK11で駆動を行うことを意味するが、蓄電装置104を充電可能な発電による発電部101からの交流磁界により、当該通常モータ駆動パルスK11によればパルスモータを駆動することができず、補正駆動パルスが出力されやすくなる。
【0064】
そこで、デューティダウンカウンタをリセットし、あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止して、次のパルスモータ駆動タイミングにおける、通常モータ駆動パルスK11のデューティ比が低くなるのを防止するのである。
次に高周波磁界検出用パルスSP0の出力を停止する(ステップS8)。
続いて、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する処理を行うが(ステップS9)、この処理は後述するステップS3の判別がYesである場合のために設けられている処理であり、ステップS7において、既に処理が行われているので、実際には何も処理はなされない。
次に交流磁界検出用パルスSP11及び交流磁界検出用パルスSP12の出力を停止する(ステップS10)。
続いて、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する処理を行うが(ステップS11)、この処理は後述するステップS4の判別がYesである場合のために設けられている処理であり、ステップS7において、既に処理が行われているので、実際には何も処理はなされない。
【0065】
次に通常駆動モータパルスK11の出力を停止(あるいは中断)する(ステップS12)。
続いて、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する処理を行うが(ステップS13)、この処理は後述するステップS5の判別がYesである場合のために設けられている処理であり、ステップS7において、既に処理が行われているので、実際には何も処理はなされない。
次に回転検出用パルスSP2の出力を停止する(ステップS14)。
そして補正駆動パルスP2+Prを出力する(ステップS15)。この場合において、実体的にパルスモータ10を駆動するのは補正駆動パルスP2であり、補正駆動パルスPrは、駆動後のロータの回転後の振動を抑制して安定状態に素早く移行させるためのものである。
次に補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEを出力する(ステップS16)。
【0066】
ここで、消磁パルスPEの役割について説明する。
本来は、発電機の漏れ磁束によりモータ駆動コイルに誘起電圧が発生するはずである。
しかしながら、交流磁界検出パルスに基づく交流磁界検出電圧が閾値を越えた場合には、補正駆動パルスP2+Prが印加されると、この補正駆動パルスP2+Prは実効電力が大きく、残留磁束によりモータ駆動コイルに誘起電圧が発生しなくなってしまう。
また、パルスモータの非回転時の回転検出パルスSP2による検出電圧は閾値を越えないのが正常な状態であるが、補正駆動パルスP2+Prが印加された後の残留磁束による影響で、発電機の漏れ磁束が検出電圧に重畳されて閾値を越えて、誤って回転時の検出電圧とされてしまう場合がある。
そこで、これらの影響をなくすべく、残留磁束を補正駆動パルスP2+Prと逆極性を有する消磁パルスPEを印加することにより消去するのである。
この場合において、消磁パルスPEを出力するタイミングは、外部磁界検出タイミング直前とするのがより効果的である。
また、消磁パルスPEのパルス幅はロータが回転しない程度の狭(短)パルスであり、さらなる消磁効果を上げるためには複数の間欠パルスとするのが望ましい。
【0067】
消磁パルスPEの出力終了後には、デューティダウンカウンタのカウントを再開し(ステップS17)、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する。
そして再び処理をステップS1に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0068】
[1.4.2] 交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合の処理
ステップS2の判別において、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力中には発電検出回路102による蓄電装置104を充電可能な発電が検出されなかった場合には(ステップS2;No)、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出されたか否かを判別する(ステップS3)。
ステップS3の判別において、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合には(ステップS3;Yes)、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する(ステップS9)。
【0069】
次に交流磁界検出用パルスSP11及び交流磁界検出用パルスSP12の出力を停止する(ステップS10)。
続いて、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する処理を行うが(ステップS11)、この処理は後述するステップS4の判別がYesである場合のために設けられている処理であり、ステップS9において、既に処理が行われているので、実際には何も処理はなされない。
次に通常駆動モータパルスK11の出力を停止(あるいは中断)する(ステップS12)。
続いて、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する処理を行うが(ステップS13)、この処理は後述するステップS5の判別がYesである場合のために設けられている処理であり、ステップS9において、既に処理が行われているので、実際には何も処理はなされない。
【0070】
次に回転検出用パルスSP2の出力を停止する(ステップS14)。
そして補正駆動パルスP2+Prを出力する(ステップS15)。この場合において、実体的にパルスモータ10を駆動するのは補正駆動パルスP2であり、補正駆動パルスPrは、駆動後のロータの回転後の振動を抑制して安定状態に素早く移行させるためのものである。
次に補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEを出力する(ステップS16)。
消磁パルスPEの出力終了後には、デューティダウンカウンタのカウントを再開し(ステップS17)、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する。
そして再び処理をステップS1に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0071】
[1.4.3] 通常駆動パルスK11の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合の処理
ステップS3の判別において、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出されなかった場合には(ステップS3;No)、通常駆動パルスK11の出力中に充電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出されたか否かを判別する(ステップS4)。
ステップS4の判別において、通常駆動パルスK11の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合には(ステップS4;Yes)、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する(ステップS11)。
【0072】
次に通常駆動パルスK11の出力を停止(あるいは中断)する(ステップS12)。
続いて、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する処理を行うが(ステップS13)、この処理は後述するステップS5の判別がYesである場合のために設けられている処理であり、ステップS11において、既に処理が行われているので、実際には何も処理はなされない。
次に回転検出用パルスSP2の出力を停止する(ステップS14)。
そして補正駆動パルスP2+Prを出力する(ステップS15)。
次に補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEを出力する(ステップS16)。
消磁パルスPEの出力終了後には、デューティダウンカウンタのカウントを再開し(ステップS17)、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する。
そして再び処理をステップS1に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0073】
[1.4.4] 回転検出パルスSP2の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合の処理
ステップS4の判別において、通常駆動パルスK11の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出されなかった場合には(ステップS4;No)、回転検出パルスSP2の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出されたか否かを判別する(ステップS5)。
ステップS5の判別において、回転検出パルスSP2の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合には(ステップS5;Yes)、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する(ステップS13)。
次に回転検出パルスSP2の出力を停止(あるいは中断)する(ステップS14)。
そして補正駆動パルスP2+Prを出力する(ステップS15)。
次に補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEを出力する(ステップS16)。
消磁パルスPEの出力終了後には、デューティダウンカウンタのカウントを再開し(ステップS17)、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する。
そして再び処理をステップS1に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0074】
[1.4.5] 蓄電装置104を充電可能な発電が検出されなかった場合の処理
高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力中は蓄電装置104を充電可能な発電が検出されず(ステップS2;No)、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中にも蓄電装置104を充電可能な発電が検出されず(ステップS3;No)、通常駆動パルスK11の出力中にも蓄電装置104を充電可能な発電が検出されず(ステップS4;No)、回転検出パルスSP2の出力中にも蓄電装置104を充電可能な発電が検出されなかった場合(ステップS5;No)には、次回の通常駆動パルスK11のデューティを低減することが可能な条件を満たしている場合は今回の通常駆動パルスK11のデューティよりも低減し、あるいはこれ以上デューティを低減することができない、すなわち、予め設定した最低デューティである場合はデューティ比を現状のまま維持するパルス幅制御を行う(ステップS6)。
【0075】
[1.5] 具体的動作例
次に第1実施形態の具体的動作例について図6のタイミングチャートを参照して説明する。
時刻t1において、発電機交流磁界検出タイミング信号SBが"H"レベルとなると、高周波磁界検出用パルスSP0がモータ駆動回路からパルスモータ10に出力される。
そして時刻t2において、第1の極性を有する交流磁界検出用パルスSP11がモータ駆動回路からパルスモータ10に出力される。
その後、時刻t3において、第1の極性とは逆極性の第2の極性を有する交流磁界検出用パルスSP12が出力され、時刻t4において、通常モータ駆動パルスK11の出力が開始される。そして、時刻t5において、発電部101の発電電圧が高電位側電圧VDDを上回ることとなるが、発電検出回路102の検出ディレイにより、発電検出結果信号SAはいまだ"L"レベルのままである。
その後、時刻t6になると、パルスモータ10が回転したか否かを検出すべく、回転検出パルスSP2が出力され、時刻t7において、回転検出パルスSP2の出力は終了する。
【0076】
そして、時刻t8になり、ようやく発電検出結果信号SAが"H"レベルとなる。このとき、発電機交流磁界検出タイミング信号は、検出ディレイを考慮しているので、第1実施形態の場合は時刻t7で"L"レベルとなっていたが、いまだ"H"レベルを維持しているため、発電機交流磁界検出結果信号SCも"H"レベルとなる。
この結果、時刻t9において、発電部の発電電圧が高電位側電圧VDDを再び下回っても発電検出結果信号SA及び発電機交流磁界検出結果信号SCはいまだ双方とも"H"レベルであり、時刻t10において、通常駆動パルスK11よりも実効電力の大きな実効電力を有する補正駆動パルスP2が出力され、パルスモータ10は確実に駆動されることとなる。
その後、時刻t11になると、駆動後のロータの回転後の振動を抑制して安定状態に素早く移行させるための補正駆動パルスPrを出力する。
時刻t12になると、発電検出結果信号SAは時刻t9から検出ディレイ分遅れてようやく"L"レベルとなる。
さらに時刻t13になると、補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEが出力される。
この時刻t13も次の外部磁界検出タイミング(次の高周波磁界検出パルスSP0の出力タイミング)の直前とされている。
このときに出力される消磁パルスPEのパルス幅はロータが回転しない程度の狭(短)パルスであり、さらなる消磁効果を上げるべく、複数(図8は、3パルス)の間欠パルスとしている。
【0077】
そして、時刻t14になると、消磁パルスPEの出力は終了する。この消磁パルスPEの出力終了と同時に検出結果リセット信号FEGLが"H"レベルとなり、発電機交流磁界検出回路106、高周波磁界検出回路110、交流磁界検出回路111および回転検出回路112の各検出結果がリセットされ、発電機交流磁界検出結果信号SCが"L"レベルとなる。
以上の説明のように、発電検出回路102において検出ディレイが存在しても、パルスモータ10を確実に駆動しつつ、不要な消費電力の増加を招かないようにされている。
【0078】
[1.6] 第1実施形態の効果
以上の説明のように、本実施形態によれば、発電検出回路102に検出ディレイが存在する場合であっても、必ず補正駆動パルスが出力される条件が満たされた場合、すなわち、高周波磁界検出パルスSP0の出力中、交流磁界検出パルスSP11、SP12の出力中、通常駆動パルスK11の出力中あるいは回転検出パルスSP2の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合には、出力中のパルスを中断し、当該パルスの出力以降に出力する予定のパルスの出力を停止することとなるので、補正駆動パルスによりモータコイルの確実な回転が保証されるとともに、モータコイルの確実な回転が保証されていれば出力される必要のない各種パルスSP0、SP11、SP12、K11、SP2を出力する必要がなくなりそれらのパルスを出力するための電力を低減することが可能となる。
また、発電検出回路102は、二次電池の充電経路とは別個の経路を介して充電の有無を検出しているため、発電検出処理と実際の充電処理とを並行して行うことが出き、発電検出処理に伴う充電効率を低下させることがない。
【0079】
[1.7] 第1実施形態の変形例
上記説明においては、高周波磁界検出時、交流磁界検出時、非回転検出時において出力される補正駆動パルスと、高周波磁界検出パルス出力中、交流磁界検出パルス出力中、通常駆動パルス出力中あるいは回転検出パルス出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出した場合に出力される補正駆動パルスと、は同一のものとして説明したが、出力タイミングを異ならせたり、実効電力を後者の補正駆動パルスの方を大きくしたりするように構成することも可能である。
【0080】
[2] 第2実施形態
本第2実施形態は、発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出している状態においては、パルスモータの回転検出結果が回転に相当するものであった場合でも当該回転検出結果が充電の影響により誤っているかもしれない点を考慮し、フェイルセーフの考え方に基づいて補正駆動パルスを出力する場合の実施形態である。
【0081】
[2.1] 制御系の機能構成
[2.1.1] 制御系の概要機能構成
次に図7を参照して第2実施形態の制御系の概要機能構成について説明する。
図7において、符号A〜Eは、図1に示した発電部A、電源部B、制御部C、運針機構Dおよび駆動部Eにそれぞれ対応している。
計時装置1は、交流発電を行う発電部101と、発電部101の発電電圧SKに基づいて発電検出を行い発電検出結果信号SAを出力する発電検出回路102と、発電部101から出力される交流電流を整流して直流電流に変換する整流回路103と、整流回路103から出力される直流電流により蓄電する蓄電装置104と、蓄電装置104の蓄電電圧を昇降圧してその電圧を出力する昇降圧回路113と、昇降圧回路113から出力される蓄電装置104の蓄電電圧を昇降圧した電圧により動作し、計時制御を行うべく通常モータ駆動パルスSIを出力し、発電機交流磁界検出の検出タイミングを指示するための発電機交流磁界検出タイミング信号SBを出力し、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力タイミングを表す高周波磁界検出タイミング信号SSP0を出力し、交流磁界検出用パルス信号SP11、SP12の出力タイミングを表す交流磁界検出タイミング信号SSP12を出力し、回転検出用パルス信号SP2の出力タイミングを表す回転検出タイミング信号SSP2を出力する計時制御回路105と、発電検出結果信号SA及び発電交流磁界検出タイミング信号SBに基づいて発電機交流磁界検出を行い、発電機交流磁界検出結果信号SCを出力する発電機交流磁界検出回路106と、発電機交流磁界検出結果信号SCに基づいて通常モータ駆動パルスのデューティダウンを制御するための通常モータ駆動パルスデューティダウン信号SHを出力するデューティダウン用カウンタ107と、発電機交流磁界検出結果信号SC、高周波磁界検出結果信号SE、交流磁界検出結果信号SFおよび回転検出結果信号SGに基づいて補正駆動パルスSJ(=補正駆動パルスP2+Prまたは補正駆動パルスP3+Pr')を出力するか否かを判別し、必要に応じて補正駆動パルスSJを出力する補正駆動パルス出力判断回路108と、通常モータ駆動パルスSIあるいは補正駆動パルスSJに基づいてパルスモータ10を駆動するためのモータ駆動パルスSLを出力するモータ駆動回路109と、高周波磁界検出タイミング信号SSP0及びモータ駆動回路109から出力される誘起電圧信号SDに基づいて高周波磁界を検出して高周波磁界検出結果信号SEを出力する高周波磁界検出回路110と、磁界検出タイミング信号SSP12及びモータ駆動回路109から出力される誘起電圧信号SDに基づいて交流磁界を検出し交流磁界検出結果信号SFを出力する交流磁界検出回路111と、回転検出タイミング信号SSP2及びモータ駆動回路109から出力される誘起電圧信号SDに基づいてモータ10が回転したか否かを検出し、回転検出結果信号SGを出力する回転検出回路112と、を備えて構成されている。
【0082】
[2.1.2] 制御系の詳細機能構成
次に制御系の詳細機能構成について説明するが、図8において、図4の第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図4の第1実施形態と異なる点は、補正駆動パルス出力判断回路108において、補正駆動パルスP2+Prあるいは補正駆動パルスP3+Pr'のいずれを出力するかを判定している点および高周波磁界検出回路110および交流磁界検出回路111に発電機交流磁界検出結果信号SCが入力されなくなった点である。
従って、以下においては、補正駆動パルス出力判断回路、高周波磁界検出回路110および交流磁界検出回路111の構成及び動作についてのみ説明する。
図8を参照して補正駆動パルス出力判断回路108の構成および動作について説明する。
補正駆動パルス出力判断回路108は、一方の入力端子に高周波磁界検出結果信号SEおよび交流磁界検出結果信号SFが入力され、他方の入力端子に回転検出結果信号SGの反転信号が入力されるOR回路108Aと、一方の入力端子に補正駆動パルスP2+Prが入力され、他方の入力端子にOR回路108Aの出力信号が入力され、両入力信号の論理積をとって補正駆動パルスSJをモータ駆動回路109に出力するAND回路108Bと、第1の入力端子に補正駆動パルスP3+Pr'が入力され、第2の入力端子に回転検出結果信号SGが入力され、第3の入力端子に発電機交流磁界検出結果信号SCが入力され、全入力端子の論理積をとって出力するAND回路108Cと、一方の入力端子にAND回路108Cの出力信号が入力され、他方の入力端子にAND回路108Bの出力信号が入力され、両入力信号の論理和をとって補正駆動パルスSJとして出力するOR回路108Dと、を備えて構成されている。
【0083】
次に補正駆動パルス出力判断回路108の動作について説明する。
OR回路108Aは、高周波磁界が検出された場合に"H"レベルの高周波磁界検出結果信号SEが入力され、あるいは、交流磁界が検出された場合に"H"レベルの交流磁界検出結果信号SFが入力された場合、並びに、パルスモータ10の回転が検出されず"L"レベルの回転検出結果信号SGが入力された場合に、"H"レベルの出力信号をAND回路108Bに出力する。
AND回路108Bは、補正駆動パルスP2+Prが入力され、かつ、OR回路108Aから"H"レベルの出力信号が入力された場合に補正駆動パルスP2+PrをOR回路108Dに出力することとなる。
一方、AND回路108Cは、発電機交流磁界が検出されることにより"H"レベルの発電機交流磁界検出結果信号SCが入力され、パルスモータ10の回転が検出された場合に相当する"H"レベルの回転検出結果信号SGが入力され、かつ、補正駆動パルスP3+Pr'が入力された場合に補正駆動パルスP3+Pr'をOR回路108Dに出力することとなる。
この場合において、補正駆動パルスP2+Prおよび補正駆動パルスP3+Pr'は出力される場合であっても、いずれか一方のみが出力されるので、OR回路108Dは、必要に応じて補正駆動パルスP2+Prあるいは補正駆動パルスP3+Pr'をモータ駆動回路109に出力することとなる。
【0084】
すなわち、高周波磁界/交流磁界が検出され、あるいは、パルスモータ10が非回転の場合には、補正駆動パルスP2+Prが補正駆動パルスSJとしてモータ駆動回路109に出力され、発電機交流磁界が検出され、かつ、パルスモータ10の回転が検出された場合に補正駆動パルスP3+Pr'が補正駆動パルスSJとしてモータ駆動回路109に出力されることとなる。
次に図8を参照して高周波磁界検出回路110および交流磁界検出回路111の構成および動作について説明する。
高周波磁界検出回路110および交流磁界検出回路111は、第1実施形態と同様に同一回路で実現されており、高周波磁界検出回路110(および交流磁界検出回路111)は、入力端子にパルスモータ10の一方の入力端子が接続され、入力信号を反転して出力する第1磁界検出用インバータ110Aと、入力端子にパルスモータ10の他方の入力端子が接続され、入力信号を反転して出力する第2磁界検出用インバータ110Bと、一方の入力端子に第1磁界検出用インバータの出力信号が入力され、他方の入力端子に第2磁界検出用インバータの出力信号が入力され、両入力信号の論理和をとって出力するOR回路110Cと、一方の入力端子に後述の高周波/交流磁界検出タイミング信号SSP012が入力され、他方の入力端子にOR回路110Cの出力信号が入力され、両入力信号の論理積をとって出力するAND回路110Dと、セット端子SにAND回路110Dの出力信号が入力され、リセット端子Rに計時制御回路105が出力した検出結果リセット信号FEGLが入力され、高周波磁界検出結果信号SE(あるいは交流磁界検出結果信号SF)を出力するラッチ回路110Gと、一方の入力端子に高周波磁界検出タイミング信号SSP0が入力され、他方の入力端子に交流磁界検出タイミング信号SSP12が入力され、両入力信号の論理和をとって高周波/交流磁界検出タイミング信号SSP012として出力するOR回路110Hと、を備えて構成されている。
【0085】
次に高周波磁界検出回路110を例として動作を説明するが、交流磁界検出回路111の動作については、検出タイミングおよび検出対象が異なるだけで他は同様である。
第1磁界検出用インバータ110Aは、パルスモータ10の一方の入力端子の電圧レベルが"L"レベルとなると、"H"レベルの出力信号をOR回路110Cに出力する。
同様に第2磁界検出用インバータ110Bは、パルスモータ10の他方の入力端子の電圧レベルが"L"レベルとなると、"H"レベルの出力信号をOR回路110Cに出力する。
この結果、OR回路110Cは、パルスモータ10のいずれかの入力端子の電圧レベルが"L"レベルとなるタイミングで"H"レベルの出力信号をAND回路110Dに出力する。
また、OR回路110Hは、高周波磁界検出タイミングには、"H"レベルの高周波磁界検出タイミング信号SSP0が入力され、交流磁界検出タイミングには、"H"レベルの交流磁界検出タイミング信号SSP12が入力される。従って、OR回路110Hは、高周波磁界検出タイミングあるいは交流磁界検出タイミングにおいて、"H"レベルの高周波/交流磁界検出タイミング信号SSP012をAND回路110Dに出力する。
【0086】
AND回路110Dは、高周波/交流磁界検出タイミング信号SSP012が"H"レベルとなり、かつ、OR回路110Cの出力信号が"H"レベルの場合に、すなわち、高周波磁界検出タイミング(あるいは交流磁界検出タイミング)において、パルスモータ10周辺に高周波磁界(あるいは交流磁界)が発生した場合に、高周波磁界(あるいは交流磁界)を検出した場合に相当する"H"レベルの出力信号をラッチ回路110Gのセット端子に出力する。
この結果、ラッチ回路110Gの出力端子Qは、パルスモータ10周辺の高周波磁界(あるいは交流磁界)を検出してから、次の検出結果リセット信号FEGLが"H"レベルとなって検出結果がリセットされるまで、"H"レベルの高周波磁界検出結果信号SE(あるいは交流磁界検出結果信号SFを出力することとなる。
【0087】
[2.2] 動作説明
次に図9の処理フローチャートを参照して計時装置1の動作を説明する。
まず、計時装置1のリセットタイミングあるいは前回の駆動パルス出力から1秒経過したか否かを判別する(ステップS11)。
ステップS11の判別において、1秒が経過していない場合には、駆動パルスを出力すべきタイミングではないので、待機状態となる。
ステップS11の判別において、1秒が経過した場合には、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力中に高周波磁界が検出されたか否かを判別する(ステップS12)。
【0088】
[2.2.1] 高周波磁界検出用パルスSP0の出力中に高周波磁界が検出された場合の処理
ステップS12の判別において、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力中に高周波磁界が検出された場合には(ステップS12;Yes)、高周波磁界検出用パルスSP0の出力を停止する(ステップS23)。
続いて、交流磁界検出用パルスSP11及び交流磁界検出用パルスSP12の出力を停止し(ステップS24)、通常駆動モータパルスK11の出力を停止し(ステップS25)、回転検出用パルスSP2の出力を停止する(ステップS26)。
【0089】
次に補正駆動パルスP2+Prを出力する(ステップS27)。この場合において、実体的にパルスモータ10を駆動するのは補正駆動パルスP2であり、補正駆動パルスPrは、駆動後のロータの回転後の振動を抑制して安定状態に素早く移行させるためのものである。
そして補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEを出力する(ステップS28)。
続いて、パルス幅制御処理において、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する(ステップS29)。
そして再び処理をステップS11に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0090】
[2.2.2] 高周波磁界が検出されず、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に交流磁界が検出された場合の処理
ステップS12の判別において、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力中には高周波磁界が検出されなかった場合には(ステップS12;No)、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に交流磁界が検出されたか否かを判別する(ステップS13)。
ステップS13の判別において、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に交流磁界が検出された場合には(ステップS13;Yes)、交流磁界検出用パルスSP11及び交流磁界検出用パルスSP12の出力を停止し(ステップS24)、通常駆動モータパルスK11の出力を停止し(ステップS25)、回転検出用パルスSP2の出力を停止する(ステップS26)。 次に補正駆動パルスP2+Prを出力する(ステップS27)。
そして補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEを出力する(ステップS28)。
続いて、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する(ステップS29)。
そして再び処理をステップS11に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0091】
[2.2.3] 交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に交流磁界が検出されなかった場合の処理
ステップS13の判別において、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に交流磁界が検出されなかった場合には(ステップS13;No)、通常駆動パルスK11を出力する(ステップS14)。
そして、パルスモータの回転が検出されたか否かを判別する(ステップS15)。
【0092】
[2.2.4] 回転非検出時の動作
ステップS15の判別において、パルスモータの回転が検出されなかった場合には、パルスモータが回転していないことは確実であるので、補正駆動パルスP2+Prを出力する(ステップS27)。
そして補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEを出力する(ステップS28)。
続いて、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する(ステップS29)。
そして再び処理をステップS11に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0093】
[2.2.5] 回転検出時の動作
ステップS15の判別において、パルスモータの回転が検出された場合には、本当にパルスモータが回転しているのか、充電に伴う誤検出であるのか判別できないため、フェイルセーフの考え方に基づいて、パルスモータは回転していないものとみなし、回転検出用パルスSP2の出力を停止する(ステップS16)。
続いて発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出されているか否かを判別する(ステップS17)。
【0094】
[2.2.5.1] 発電検出時の動作
ステップS17の判別において、発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合には(ステップS17;Yes)、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する(ステップS19)。
次に上述した補正駆動パルスP2+Prよりも実効電力の大きな補正駆動パルスP3+Pr'を補正駆動パルスP2+Prの出力タイミングとは異なる予め定めたタイミングで出力する(ステップS20)。
次に補正駆動パルスP3+Pr'の印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP3+Pr'の極性とは逆極性の消磁パルスPE'を出力する(ステップS21)。
消磁パルスPE'の出力終了後には、デューティダウンカウンタのカウントを再開し(ステップS22)、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Pr及び補正駆動パルスP3+Pr'が出力されないように設定する。
そして再び処理をステップS11に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0095】
[2.2.5.2] 発電非検出時の動作
ステップS17の判別において、発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出されなかった場合には(ステップS17;No)、パルス幅制御処理において、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する(ステップS18)。
そして再び処理をステップS11に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0096】
[2.3] 具体的動作例
次に第2実施形態の具体的動作例について図10のタイミングチャートを参照して説明する。
時刻t1において、高周波磁界検出用パルスSP0がモータ駆動回路からパルスモータ10に出力される。
そして時刻t2において、第1の極性を有する交流磁界検出用パルスSP11がモータ駆動回路からパルスモータ10に出力される。
その後、時刻t3において、第1の極性とは逆極性の第2の極性を有する交流磁界検出用パルスSP12が出力され、時刻t4において、通常モータ駆動パルスK11が出力が開始される。
一方、時刻t5において、発電部の発電電圧が高電位側電圧VDDを上回るが、図7に示したような発電検出回路102の検出ディレイにより、発電検出結果信号SAはいまだ"L"レベルのままとなる。
また、時刻t6において発電機交流磁界検出タイミング信号SBは"H"レベルとなる。
【0097】
その後、時刻t7において、回転検出用パルスSP2が出力され、その結果、時刻t8において、パルスモータの回転が検出されたとして回転検出結果信号SGが"H"レベルとなるが、この時点においては、検出ディレイにより発電検出結果信号SAはいまだ"L"レベルであるため、この時点では、補正駆動パルスSJは出力されないこととなる。
そして時刻時刻t9においては、回転検出パルスSP2の出力が完了し、時刻t10において発電検出結果信号SAが"H"レベルとなるが、この時点で回転検出結果信号SGが"H"レベルであるため、時刻t11で出力する補正駆動パルスP2、時刻t12で出力する補正駆動パルスPr、時刻t14で出力する消磁パルスPEに代えて、時刻t16に補正駆動パルスP2よりも実効電力が大きな補正駆動パルスP3、時刻t17に補正駆動パルスPr'を出力し、その後、時刻t18に消磁パルスPEよりも実効電力が大きな消磁パルスPE'を出力することとなる。
なお、補正駆動パルスP2+Prが出力された場合の時刻t15には検出結果リセット信号FEGLが出力され、あるいは補正駆動パルスP3+Pr'が出力された場合の時刻t18の直後においては、検出結果リセット信号FEGL'が出力され、発電機交流磁界検出結果、高周波磁界検出結果、交流磁界検出結果及び回転検出結果はリセットされることとなる。
【0098】
[2.4] 第2実施形態の効果
以上の説明のように本第2実施形態によれば、モータ駆動が異常となる場合にのみ、補正駆動パルスを出力する、すなわち、発電検出回路102が蓄電装置104を充電可能な発電を検出しており、パルスモータの回転検出結果が回転に相当するものであった場合には、補正駆動パルスを出力するので、補正駆動パルスによりモータコイルの確実な回
転が保証されるとともに、不必要に補正駆動パルスが出力されることがなくなり、電力消費を低減することができる。
また、発電検出回路102は、二次電池の充電経路とは別個の経路を介して充電の有無を検出しているため、発電検出処理と実際の充電処理とを並行して行うことが出き、発電検出処理に伴う充電効率を低下させることがない。
【0099】
[2.5] 第2実施形態の変形例
上記説明においては、高周波磁界検出時、交流磁界検出時、非回転検出時において出力される補正駆動パルス(P2)に対し、回転検出パルスにより回転検出状態となり、かつ、回転検出パルス出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合に出力される補正駆動パルス(P3)は、実効電力が大きく、出力タイミングも異なるものとして説明したが、実効電力を異ならせ、出力タイミングを同一としたり、出力タイミングを異ならせ、実効電力を同一としたりするように構成することも可能である。
【0100】
[3] 第3実施形態
本第3実施形態は、第1実施形態においては発電検出回路102が発電電圧に基づいて発電検出行っていたのに対し、発電電流を検出して発電検出を行う場合の実施形態である。
図11に、第3実施形態の電子機器である計時装置1の概略構成を示す。
第3実施形態において、第1実施形態と異なる点は、発電部Aの発電電圧SKの電圧/電流変換を行うための電流電圧変換部300および蓄電装置(大容量コンデンサ)104の蓄電電圧が所定の許容電圧を超過した場合に、過充電防止制御信号SLIMに基づいて発電部Aを短絡して、過充電を防止するためのリミッタトランジスタ310を設けた点である。
【0101】
[3.1] 発電検出回路の構成
まず、図12を参照して、発電検出回路102Aの構成について説明する。図12において、図1と同一の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
発電検出回路102Aは、発電部Aの発電電圧Skの電圧/電流変換を行うための電流電圧変換部300と、発電電圧SKの振幅が所定電圧を上回ると"H"レベルとなり、これを下回ると"L"レベルになる電圧検出信号Svを生成する第1検出回路301と、発電継続時間が所定時間を越えると"H"レベルとなり、これを下回ると"L"レベルになる発電継続時間検出信号Stを生成する第2検出回路302と、電圧検出信号Svと発電継続時間検出信号Stとの論理和をとって発電検出結果信号SAとして出力するOR回路303と、を備えて構成されている。
【0102】
この場合において、電流電圧変換部300は、整流回路103と発電部Aとの間に直列に接続された電流検出抵抗Rと、電流検出抵抗Rの両端子の電位差を検出し、発電電圧SKとして出力するオペアンプOPと、充電損失を低減すべく検出タイミング信号SWにより電流非検出時に電流検出抵抗Rを実効的に切り離すためのMOSトランジスタTRSWと、を備えて構成されている。
ここで、オペアンプOPの詳細構成について説明する。
オペアンプOPは、図13に示すように、一対の負荷トランジスタ211、212と、一対の入力トランジスタ群213、214と、出力トランジスタ215と、定電流源216、217と、インバータ218と、を備えて構成される。このうち、負荷トランジスタ211、212および出力トランジスタ215はNチャネル電界効果型により構成されているが、入力トランジスタ群213、214はPチャネル電界効果型のトランジスタにより構成されている。
そして、入力トランジスタ群213、214の各ゲートが、それぞれオペアンプOPの負入力端(−)、正入力端(+)となる一方、出力トランジスタ215のドレインがインバータ218を介して出力端OUTとなっている。
【0103】
この場合において、トランジスタ群213は、同一サイズ、同一能力の二つのトランジスタ213A、213Bが並列接続された構成となっており、トランジスタ群214は、同一サイズ、同一能力のトランジスタ214A、214B、214Cが並列接続された構成となっている。
このような構成とすることにより、正入力端(+)側の方が差動対トランジスタの能力が高くなり、負入力端(−)側の端子電圧を正入力端(+)側の電圧よりも低くしないとトランジスタ213A、213Bはオン状態とならず、オペアンプOP出力が反転することはない。
オペアンプOPにおける検出動作としては、例えば、正入力端(+)側を基準として、正入力端(+)側に高電位側電圧VC1を印加した場合、負入力端(−)側に電圧VC1よりも電圧αだけ低位の電圧VC1−α以下の電圧VC2を印加した場合にのみ、オペアンプOPの出力は反転して"H"レベルを出力することとなる。
【0104】
このような構成において、負荷トランジスタ211、212は、カレントミラー回路となるので、その負荷トランジスタ211、212に流入する各電流値は互いに等しい。したがって、入力トランジスタ群213、214のゲートに印加される電圧差が増幅され、その差に相当する電流差が現れるが、これを途中で受けるトランジスタ211、212は同じ電流値しか受容しないので、その差電流(電圧)は、次第に大きく増幅されてトランジスタ215のゲートに流入することとなる。
この結果、インバータ218の入力端たるトランジスタ215のドレイン電圧は、正入力端(+)たるトランジスタ群214のゲート電流(電圧)が負入力端(−)たるトランジスタ群213のゲート電流(電圧)を少しでも越えると、低位側電圧Vssに大きく振られる一方、そうでなければ、反対に高電位側電圧Vddに大きく振られることとなる。
このようなオペアンプOPによれば、トランジスタ211、212を能動負荷として用いているので、定電流源216、217以外に抵抗を1個も用いないで済む。このため、集積化する場合に極めて有利となる。
【0105】
また、図12においては、蓄電装置104の蓄電電圧が所定の許容電圧を超過した場合に、過充電防止制御信号SLIMに基づいて発電部Aを短絡して、過充電を防止するためのリミッタトランジスタ310も記載している。
この場合において、検出タイミング信号SWは、発電機交流磁界検出タイミング信号SBと同一あるいは発電機交流磁界検出タイミング信号SBに同期した信号であり、図2における計時制御回路105(図11における制御部C相当)から出力され、発電検出回路102Aにおいて、発電検出を行う際に、MOSトランジスタTRSWを発電機交流磁界検出タイミングと同一のタイミングでオフさせるものである。また、過充電防止制御信号SLIMは、図2における計時制御回路105(図11における制御部C相当)から出力され、蓄電装置104の蓄電電圧を検出し、検出した蓄電電圧が予め設定した許容電圧を超えた場合に、リミッタトランジスタ310をオンするように出力される。
【0106】
[3.2] 発電検出回路の動作
次に図12を参照して発電検出回路102Aの動作についてリミッタトランジスタ310の動作をからめて説明する。
[3.2.1] 蓄電装置104の蓄電電圧が所定の許容電圧未満であって、電流検出を行う場合
この場合には、過充電防止制御信号SLIMは"H"レベルであり、リミッタトランジスタ310は、オフ状態となっており、検出タイミング信号SWは"L"レベルであり、MOSトランジスタTRSWはオフ状態となっている。
この結果、発電部Aにおいて発電がなされると、蓄電装置104および整流回路103を介して電流検出抵抗Rに発電電流が流れる。
これにより、発電電流の電流量に応じた電圧差が電流検出抵抗Rの両端子間には生じるので、オペアンプOPは、当該電圧差に応じた発電電圧SKを第1検出回路301および第2検出回路302に出力する。
【0107】
第1検出回路301は、発電電圧SKの振幅が所定電圧を上回ると"H"レベルとなり、これを下回ると"L"レベルになる電圧検出信号Svを生成し、OR回路303に出力する。
また、第2検出回路302は、発電継続時間が所定時間を越えると"H"レベルとなり、これを下回ると"L"レベルになる発電継続時間検出信号Stを生成し、OR回路303に出力する。
これらにより、OR回路303は、電圧検出信号Svと発電継続時間検出信号Stとの論理和をとって発電検出結果信号SAとして出力することとなる。
すなわち、発電検出回路102Aは、発電電流に基づいて、上述したように第1検出回路301あるいは第2検出回路302に設定されているいずれか一方の条件が満足すると、発電状態、すなわち、発電に伴う磁界が発生している可能性がある状態に相当する発電検出結果信号SAを出力することとなる。
【0108】
[3.2.2] 蓄電装置104の蓄電電圧が所定の許容電圧以上であって、電流検出を行う場合
この場合には、過充電防止制御信号SLIMは"L"レベルであり、リミッタトランジスタ310は、オン状態となっており、検出タイミング信号SWは"L"レベルであり、MOSトランジスタTRSWはオフ状態となっている。
この結果、発電部Aにおいて発電がなされると、リミッタトランジスタ310を介して電流検出抵抗Rに発電電流が流れる。
これにより、発電電流の電流量に応じた電圧差が電流検出抵抗Rの両端子間には生じるので、オペアンプOPは、当該電圧差に応じた発電電圧SKを第1検出回路301および第2検出回路302に出力する。
第1検出回路301は、発電電圧SKの振幅が所定電圧を上回ると"H"レベルとなり、これを下回ると"L"レベルになる電圧検出信号Svを生成し、OR回路303に出力する。
【0109】
また、第2検出回路302は、発電継続時間が所定時間を越えると"H"レベルとなり、これを下回ると"L"レベルになる発電継続時間検出信号Stを生成し、OR回路303に出力する。
これらにより、OR回路303は、電圧検出信号Svと発電継続時間検出信号Stとの論理和をとって発電検出結果信号SAとして出力することとなる。
すなわち、発電検出回路102Aは、発電に伴う電流に基づいて、上述したように第1検出回路301あるいは第2検出回路302に設定されているいずれか一方の条件が満足すると、発電状態、すなわち、発電に伴う磁界が発生している可能性がある状態に相当する発電検出結果信号SAを出力することとなる。
従って、通常動作時と同様に、蓄電装置104の蓄電電圧が所定の許容電圧以上の場合、すなわち、過充電防止動作時においても発電検出結果信号SAに基づいて発電部101の発電状態に応じてモータの補正駆動を行うことができる。
【0110】
[3.2.3] 電流検出を行わない場合
この場合には、検出タイミング信号SWは"H"レベルであり、MOSトランジスタTRSWはオン状態となっている。
これにより電流検出抵抗Rは短絡されて、電流検出抵抗Rは充電経路から実効的に切り離される。
この結果、電流検出抵抗Rの両端子間には、電位差が発生せず、電流検出は行われないこととなる。
【0111】
[3.3] 第3実施形態の効果
以上の説明のように、本第3実施形態によれば、発電電流により大容量コンデンサ(蓄電装置)の充電状態あるいは発電部の発電状態を検出することができ、発電部の発電に伴う電流に起因して発生する磁界の影響を受けることなく、モータ駆動制御を行うことができる。
さらに過充電防止状態においても、モータの補正駆動を確実に行うことができる。
さらに発電機交流磁界検出タイミング以外では、電流検出抵抗Rはバイパスされるため、蓄電装置への充電効率を低下させることはない。また、発電機交流磁界検出タイミングにおいても、電流検出抵抗Rを介して蓄電装置へ充電することが可能であり、この点においても必要以上に実質的な充電効率を低下させることはない。このときの電流検出抵抗Rを介しての充電は、予め定めた所定期間においてのみであるため、充電効率の低下への影響はほとんどない。
【0112】
[4] 第4実施形態
前述した第3実施形態においては、過充電防止回路と整流回路とを別個のものとして構成していたが、本第4実施形態は、これらを一体の回路構成とした整流/過充電防止回路を設けた実施形態である。本第4実施形態においては、発電検出回路としては、第1実施形態の発電検出回路102と同一の構成としている。
【0113】
[4.1] 整流/過充電防止回路周辺の構成
図14に整流/過充電防止回路および発電検出回路の周辺の回路構成例を示す。
図14においては、発電部101から出力される交流電流を整流して直流電流に変換するとともに、過充電を防止するための整流/過充電防止回路103Aと、整流/過充電防止回路103Aの周辺回路として、交流発電を行う発電部101と、発電検出回路102と、整流/過充電防止回路103Aから出力される直流電流により蓄電する蓄電装置104と、を図示している。なお、図14において、図3と同様の部分には同一の符号を付す。
整流/過充電防止回路103Aは、発電部101の一方の出力端子AG1の電圧を基準電圧Vddと比較することにより第1トランジスタQ1のオン/オフ制御を行って能動整流を行わせるための第1コンパレータCOMP1と、発電部101の他方の出力端子AG2の電圧を基準電圧Vddと比較することにより第2トランジスタQ2を第1トランジスタと交互にオン/オフすることにより能動整流を行わせるための第2コンパレータCOMP2と、発電部101の出力端子AG1の電圧を基準電圧VTKNと比較することにより第3トランジスタQ3を第2トランジスタQ2と同様のタイミングでオン/オフすることにより能動整流を行わせるための第3コンパレータCOMP3と、発電部101の出力端子AG2の電圧を基準電圧VTKNと比較することにより第4トランジスタQ4を第1トランジスタQ1と同様のタイミングでオン/オフすることにより能動整流を行わせるための第4コンパレータCOMP4と、第1コンパレータCOMP1の出力が一方の入力端子に入力され、他方の入力端子に過充電防止制御信号SLIMの反転信号が入力される第1AND回路AND1と、第2コンパレータCOMP2の出力が一方の入力端子に入力され、他方の入力端子に過充電防止制御信号SLIMの反転信号が入力される第2AND回路AND2と、を備えて構成されている。
【0114】
この場合において、発電部101が非発電状態にある場合には出力端子AG1、AG2の電位はプルアップ抵抗により基準電圧Vddとなっており、安定化されている。
発電検出回路102は、第2実施形態と同様に、第1コンパレータCOMP1及び第2コンパレータCOMP2の出力の論理積の否定をとって出力するNAND回路201と、NAND回路201の出力をR−C積分回路を用いて平滑化して発電検出結果信号SAとして出力する平滑化回路202と、を備えて構成されている。
この場合において、過充電防止制御信号SLIMは、図2における計時制御回路105(図1における制御部C相当)から出力され、蓄電装置104の蓄電電圧を検出し、検出した蓄電電圧が予め設定した許容電圧を超えた場合に、第1AND回路AND1および第2AND回路AND2に"H"レベルの過充電防止制御信号SLIMが出力される。
【0115】
[4.2] 第4実施形態の動作
次に、動作について説明する。
[4.2.1] 通常時
まず、過充電防止制御信号SLIMが"L"レベルである通常時の動作を説明する。 発電部101が発電を開始すると、発電電圧が両出力端子AG1、AG2に給電される。この場合、出力端子AG1端子電圧V1と出力端子AG2の端子電圧V2は、位相が反転している。
端子電圧V2が下降し、電源VTKN未満となると、第4コンパレータCOMP4の出力は"H"レベルとなり、第4トランジスタQ4がオンすることとなる。
これと並行して、端子電圧V1が上昇し、電源VDDの電圧を越えると、第1コンパレータCOMP1の出力は"L"レベルとなる。
このとき、過充電防止制御信号SLIMは"L"レベルであるので、第1AND回路AND1の両入力端子は"L"レベルとなり、第1トランジスタQ1がオンすることとなる。
一方、端子電圧V1は上昇しているので、電源VTKN以上となると、第3コンパレータCOMP3の出力は"L"レベルとなり、第3トランジスタQ3はオフすることとなる。
【0116】
これと並行して、端子電圧V2は下降しているので、電源VDDの電圧未満となって、第2コンパレータCOMP2の出力は"H"レベルとなる。
このとき、過充電防止制御信号SLIMは"L"レベルであるので、第2AND回路AND2の入力端子の一方は"L"レベル、他方は"H"レベルとなり、第22トランジスタQ2はオフすることとなる。
したがって、第1トランジスタQ1および第4トランジスタQ4がオン状態となる期間において、「端子AG1→第1トランジスタQ1→電源VDD→蓄電装置104→電源VTKN→第4トランジスタQ4」の経路で発電電流が流れ、蓄電装置104に電荷が充電される。
同様にして、端子電圧V1が下降し、電源VTKN未満となると、第3コンパレータCOMP3の出力は"H"レベルとなり、第3トランジスタQ3がオンすることとなる。
これと並行して、端子電圧V2が上昇し、電源VDDの電圧を越えると、第2コンパレータCOMP2の出力は"L"レベルとなる。
このとき、過充電防止制御信号SLIMは"L"レベルであるので、第2AND回路AND2の両入力端子は"L"レベルとなり、第2トランジスタQ2がオンすることとなる。
【0117】
一方、端子電圧V2は上昇しているので、電源VTKN以上となると、第4コンパレータCOMP4の出力は"L"レベルとなり、第4トランジスタQ4はオフすることとなる。
これと並行して、端子電圧V1は下降しているので、電源VDDの電圧未満となって、第1コンパレータCOMP1の出力は"H"レベルとなる。
このとき、過充電防止制御信号SLIMは"L"レベルであるので、第1AND回路AND1の入力端子の一方は"L"レベル、他方は"H"レベルとなり、第1トランジスタQ1はオフすることとなる。
したがって、第2トランジスタQ2および第3トランジスタQ3がオン状態となる期間において、「端子AG2→第2トランジスタQ2→電源VDD→蓄電装置104→電源VTKN→第3トランジスタQ3」の経路で発電電流が流れ、蓄電装置104に電荷が充電される。
上述したように、本第5実施形態においても、第2実施形態と同様に、発電電流が流れる際には、第1コンパレータCOMP1あるいは第2コンパレータCOMP2の出力はいずれかが"L"レベルとなっている。
そこで、発電検出回路102のNAND回路201は、第1コンパレータCOMP1及び第2コンパレータCOMP2の出力の論理積の否定をとることにより、発電電流が流れている状態で"H"レベルの信号を平滑化回路202に出力することとなる。
【0118】
この場合において、NAND回路201の出力はスイッチングノイズを含むこととなるので、平滑回路202は、NAND回路201の出力をR−C積分回路を用いて平滑化して発電検出結果信号SAとして出力するのである。
ところで、このような発電検出回路102は、構造上、検出信号は検出ディレイを含んでいるため、これを考慮しなければ、検出漏れに伴ってモータが正常に回転しないこととなる。
そこで、本第4実施形態においても、検出ディレイを考慮して、モータを正常に回転させる必要がある。
他の具体的な動作については、第1実施形態と同様である。
【0119】
[4.2.2] 過充電防止動作時
次に過充電防止制御信号SLIMが"H"レベルである過充電防止動作時の動作を説明する。
この場合においては、第1AND回路AND1および第2AND回路AND2の一方の入力端子は、常に"H"レベルとなり、第1AND回路AND1および第2AND回路AND2の出力は、常に"L"レベルとなる。
この結果、トランジスタQ1およびトランジスタQ2は、常にオン状態となり、発電部101は、両出力端子AG1,AG2がプルアップされて、蓄電装置104は、非充電状態となる。
【0120】
このとき、発電電流の電流量に応じた電圧差がトランジスタQ1およびトランジスタQ2のドレイン−ソース間に発生し、第1コンパレータCOMP1あるいは第2コンパレータCOMP2の出力はいずれかが"L"レベルとなっている。
そこで、発電検出回路102のNAND回路201は、第1コンパレータCOMP1及び第2コンパレータCOMP2の出力の論理積の否定をとることにより、発電電流が流れている状態で"H"レベルの信号を平滑化回路202に出力することとなる。
この場合においても、NAND回路201の出力はスイッチングノイズを含むこととなるので、平滑回路202は、NAND回路201の出力をR−C積分回路を用いて平滑化して発電検出結果信号SAとして出力するのである。
すなわち、発電検出回路102は、発電に伴う電流に基づいて、発電状態、すなわち、発電に伴う磁界が発生している可能性がある状態に相当する発電検出結果信号SAを出力することとなる。
従って、通常動作時と同様に、過充電防止動作時においても発電検出結果信号SAに基づいて発電部101の発電状態に応じてモータの補正駆動を行うことができる。
【0121】
[4.3] 第4実施形態の効果
以上の説明のように、本第4実施形態によれば、発電電流により大容量コンデンサ(蓄電装置)の充電状態あるいは発電部の発電状態を検出することができ、発電部の発電に伴う電流に起因して発生する磁界の影響を受けることなく、モータ駆動制御を行うことができる。
さらに過充電防止状態においても、モータの補正駆動を確実に行うことができる。
【0122】
[4.4] 第4実施形態の変形例
上記説明においては、発電検出回路102は、コンパレータCOMP1とコンパレータCOMP2の出力に基づいて動作する場合を説明したが、本実施形態においては、コンパレータCOMP1〜COMP4のうち少なくともいずれか一つの出力に基づいて動作するように構成することが可能である。
【0123】
[5] 第5実施形態
次に第5実施形態について説明する。
本第5実施形態の全体構成は、上記第1〜第2実施形態と同様であるので、図15を参照して、制御系の詳細機能構成について説明する。
この場合において、図8の第2実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図15の第5実施形態が第2実施形態と異なる点は、発電機交流磁界検出回路106の発電機交流磁界の検出結果に基づいて、補正駆動パルスP2+Prあるいは補正駆動パルスP3+Pr'のいずれを出力するかを判定している点である。
以下においては、発電機交流磁界検出回路106の構成およびその周辺の動作について説明する。
【0124】
発電機交流磁界検出回路106は、一方の入力端子に発電検出結果信号SAが入力され、他方の入力端子にSBが入力され、両入力信号の論理積をとって出力するAND回路106Aと、セット端子SにAND回路106Aの出力信号が入力され、リセット端子Rに後述のカウンタ106Dの出力端子Qの出力信号が入力され、出力端子Qから発電機交流磁界検出結果信号SCを出力するラッチ回路106Bと、一方の入力端子に計時制御回路105からのクロック信号CK2が入力され、他方の入力端子に後述のカウンタ106Dの出力端子Qの出力信号が入力され、両入力信号の論理和をとって出力するOR回路106Cと、クロック端子CLKにOR回路106Cの出力信号が入力され、リセット端子RSTにAND回路106Aの出力信号が入力され、出力端子Qがラッチ回路106Bのリセット端子Rに接続されたカウンタ106Dと、を備えて構成されている。
次に発電機交流磁界検出回路106の概要動作を説明する。
計時制御部105Aは、所定のタイミングで"H"レベルとなる発電機交流磁界検出タイミング信号SBをAND回路106Aに出力する。
この結果、AND回路106Aは、発電機交流磁界検出タイミングにおいて、発電が検出されることにより発電検出結果信号SAが"H"レベルとなった場合には、発電機により交流磁界が発生しているとみなして、"H"レベルの出力信号をラッチ回路106Bのセット端子Sおよびカウンタ106Dのリセット端子に出力する。
【0125】
この結果、カウンタ106Dは、リセット状態となり、その後、発電機交流磁界検出タイミング信号SBが"L"レベルになってから、クロック信号CK2あるいは自己の出力端子Qの出力信号に基づいてカウントを行い、所定時間経過後にカウンタ106Dの出力端子Qが"H"レベルとなり、クロック信号CK2の入力を禁止してラッチ回路106Bをリセットすることとなる。
すなわち、ラッチ回路106Bは、次にカウンタ106Dの出力端子Qの出力信号が"H"レベルとなり、検出結果がカウンタ106Dによりリセットされるまで、発電機による交流磁界を検出した場合に相当する"H"レベルの発電機交流磁界検出結果信号SCをデューティダウン用カウンタ107並びに補正駆動パルス出力判断回路108に出力することとなる。
補正駆動パルス出力判断回路108のOR回路108Aは、高周波磁界が検出された場合に"H"レベルの高周波磁界検出結果信号SEが入力され、あるいは、交流磁界が検出された場合に"H"レベルの交流磁界検出結果信号SFが入力された場合、並びに、パルスモータ10の回転が検出されず"L"レベルの回転検出結果信号SGが入力された場合に、"H"レベルの出力信号をAND回路108Bに出力する。
【0126】
AND回路108Bは、補正駆動パルスP2+Prが入力され、かつ、OR回路108Aから"H"レベルの出力信号が入力された場合に補正駆動パルスP2+PrをOR回路108Dに出力することとなる。
一方、AND回路108Cは、発電機交流磁界が検出されることにより"H"レベルの発電機交流磁界検出結果信号SCが入力され、パルスモータ10の回転が検出された場合に相当する"H"レベルの回転検出結果信号SGが入力され、かつ、補正駆動パルスP3+Pr'が入力された場合に補正駆動パルスP3+Pr'をOR回路108Dに出力することとなる。
この場合において、補正駆動パルスP2+Prおよび補正駆動パルスP3+Pr'は出力される場合であっても、いずれか一方のみが出力されるので、OR回路108Dは、必要に応じて回転検出補正駆動パルスP2+Prあるいは補正駆動パルスP3+Pr'をモータ駆動回路109に出力することとなる。
すなわち、高周波磁界/交流磁界が検出され、あるいは、パルスモータ10が非回転の場合には、補正駆動パルスP2+Prが補正駆動パルスSJとしてモータ駆動回路109に出力され、発電機交流磁界が検出され、かつ、パルスモータ10の回転が検出された場合に補正駆動パルスP3+Pr'が補正駆動パルスSJとしてモータ駆動回路109に出力されることとなる。
【0127】
[6] 実施形態の変形例
[6.1] 第1変形例
以上の各実施形態においては、一つのモータを制御する場合の説明であったが、複数のモータが同一の環境に設置されているとみなせるような場合、例えば、腕時計内に複数のモータを内蔵しているような場合には、一つの発電検出回路(発電機交流磁界検出回路)により複数のモータを同時に制御するように構成することも可能である。
【0128】
[6.2] 第2変形例
以上の実施形態においては、発電電圧に基づいて発電部の発電交流磁界検出を行っていたが、ホール素子などの磁界検出センサを用いて、直接的に発電部の発電磁界を検出し、所定量以上の磁界が検出された場合に、補正駆動パルス制御を行うように構成することも可能である。
この場合においても、蓄電装置が過充電防止状態にあっても、発電部には発電に伴う磁界が発生しているはずであるので、このような場合にもモータの補正駆動を確実に行うことができる。
【0129】
[6.3] 第3変形例
本発明における発電磁界検出手段(実施形態における発電検出回路に相当)において、発電による磁界(以下、発電磁界)が発生したか否かを検出するタイミングは、予め定めた所定期間中の他、発電磁界を検出できるタイミングであれば、いかなるタイミングであっても構わない。
【0130】
[6.4] 第4変形例
上記実施形態においては、発電磁界が検出された場合に通常駆動パルスに代えて補正駆動パルスを出力する構成としていたが、通常駆動パルスの出力を禁止せず、補正駆動パルスの出力に先立って通常駆動パルスを出力する構成とすることも可能である。
この場合においては、補正駆動パルスおよび通常駆動パルスによってモータが駆動されすぎず、正規の位置まで駆動されるように両駆動パルスの極性を考慮する必要がある。すなわち、通常駆動パルスによりモータが回転した後に発電検出がされ、補正駆動パルスが出力された場合であっても、補正駆動パルスの極性を通常駆動パルスの極性と同極性としておけば、モータコイルに流れる電流方向は等しいため、補正駆動パルスの極性は次のモータの回転方向に対応する電流方向に対して逆方向となり、通常駆動パルスによるモータの回転に加えてさらに補正駆動パルスによるモータの回転が生じないからである。
【0131】
[6.5] 第5変形例
本発明の発電手段としては、発電により磁界が発生するものであるならば、どのような形式のものであっても適用が可能である。
【0132】
[6.6] 第6変形例
上記実施形態においては、腕時計型の計時装置を例として説明したが、発電時に磁界が発生し、かつ、モータを備える時計であるならば、いかなる時計においても本発明の適用が可能である。
【0133】
[6.7] 第7変形例
上記実施形態においては、腕時計型の計時装置を例として説明したが、発電時に磁界が発生し、かつ、モータを備える電子機器であれば、本発明の適用が可能である。
例えば、音楽プレーヤ、音楽レコーダ、画像プレーヤおよび画像レコーダ(CD用、MD用、DVD用、磁気テープ用等)あるいはそれらの携帯用機器並びにコンピュータ用周辺機器(フロッピーディスクドライブ、ハードディスクドライブ、MOドライブ、DVDドライブ、プリンタ等)あるいはそれらの携帯用機器等の電子機器であってもかまわない。
【0134】
【発明の効果】
本発明によれば、発電機の発電により蓄電装置に充電電流が流れるような場合に、発電機の発電磁界が発生すると補正駆動パルスが出力されるため、発電磁界の影響を受けることなくモータの駆動が正しく確実に行われる。さらに補正駆動パルスが出力される場合には、通常モータ駆動パルスや、高周波磁界検出用パルスなどの出力が停止されるので、無駄に電力を消費することがなくなる。
【0135】
また、蓄電装置が充電されていない場合であっても、過充電を防止するための過充電防止電流が流れるような状態で発電機の発電がなされた場合にも補正駆動パルスが出力されるため、過充電防止電流に起因する磁界(発電磁界)の影響を受けることなくモータの駆動が正しく確実に行われる。
さらに、発電検出回路は、実際の充電経路とは異なる経路で発電検出を行うため、充電効率の低下を招くことがない。
【0136】
さらにまた、モータ駆動異常を招く発電量を実測により予め定める必要がなく、発電機、モータ、機構構造が変わるとその都度実測により基準となる発電量を設定する必要もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の計時装置の概要構成説明図である。
【図2】第1実施形態の計時装置の概要機能構成ブロック図である。
【図3】第1実施形態の発電検出回路周辺の回路構成を説明する図である。
【図4】第1実施形態の計時装置の詳細機能構成ブロック図である。
【図5】第1実施形態の処理フローチャートである。
【図6】第1実施形態のタイミングチャートである。
【図7】第2実施形態の計時装置の概要機能構成ブロック図である。
【図8】第2実施形態の計時装置の詳細機能構成ブロック図である。
【図9】第2実施形態の処理フローチャートである。
【図10】第2実施形態のタイミングチャートである。
【図11】第3実施形態の計時装置の概要構成説明図である。
【図12】第3実施形態の発電検出回路を説明するためのブロック図である。
【図13】第3実施形態のオペアンプの回路構成例の説明図である。
【図14】第4実施形態の整流/過充電防止回路周辺の回路構成を説明する図である。
【図15】第5実施形態の計時装置の詳細機能構成ブロック図である。
【符号の説明】
A…発電部
B…電源部
C…制御部
D…運針機構
E…駆動部
101…発電部
102…発電検出回路
103…整流回路
104…蓄電装置
105…計時制御回路
106…発電機交流磁界検出回路
107…デューティダウンカウンタ
108…補正駆動パルス出力判断回路
109…モータ駆動回路
110…高周波磁界検出回路
111…交流磁界検出回路
112…回転検出回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】発電を行う発電手段と、
前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電手段と、
前記蓄電手段に蓄えられた電気エネルギーにより駆動される一または複数のモータと、
通常駆動パルス信号を出力することにより前記モータの駆動制御を行うパルス駆動制御手段と、
前記発電により磁界が発生したか否かを検出する発電磁界検出手段と、
前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力する補正駆動パルス出力手段と、を備え、
前記発電磁界検出手段は、前記発電手段の発電により前記蓄電手段に充電電流が流れる充電状態にある場合に、前記発電による磁界が発生したものとして判別を行う充電状態判別手段を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】発電を行う発電手段と、
前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電手段と、
前記蓄電手段に蓄えられた電気エネルギーにより駆動される一または複数のモータと、
通常駆動パルス信号を出力することにより前記モータの駆動制御を行うパルス駆動制御手段と、
前記発電により磁界が発生したか否かを検出する発電磁界検出手段と、
前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力する補正駆動パルス出力手段と、を備え、
前記発電磁界検出手段は、前記蓄電手段が過充電防止状態にある場合に、前記発電手段に流れる過充電防止電流により前記発電による磁界が発生したものとして判別を行う過充電防止電流発生判別手段を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項3】請求項1または請求項2記載の電子機器において、
前記発電磁界検出手段は、前記発電手段から出力される発電電流の値が予め定めた発電電流値を越えたか否かを判別する発電電流判別手段を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項4】請求項1または請求項2記載の電子機器において、
前記発電磁界検出手段は、前記発電手段から出力される発電電流に基づいて前記蓄電手段の蓄電電圧を算出し、前記蓄電電圧が予め定めた基準蓄電電圧を超えたか否かを判別する蓄電電圧判別手段を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項5】請求項1または請求項2記載の電子機器において、
前記発電手段は、一対の出力端子を有し、
前記発電手段の出力端子の電圧と前記蓄電手段の端子電圧に対応する所定の電圧とを比較し、比較結果信号を出力する比較手段と、
前記比較結果信号に基づいて前記出力端子の電圧が前記蓄電手段の端子電圧を上回る場合に発電電流が流れ得る状態に相当する発電検出信号を出力する発電検出手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の電子機器において、
前記発電磁界検出手段は、前記蓄電手段の充電経路とは異なる経路を介して前記充電とは並行して前記発電により磁界が発生したか否かを判別することを特徴とする電子機器。
【請求項7】請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電子機器において、
前記モータの回転の有無を検出する回転検出手段を備え、
前記補正駆動パルス出力手段は、前記回転検出手段により前記モータが非回転状態であると検出された場合に第1のタイミングで第1補正駆動パルスを出力する第1補正駆動パルス出力手段と、前記発電磁界検出手段により磁界が発生したと検出された場合、かつ、前記回転検出手段により前記モータが回転状態であると検出した場合に前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングで第2補正駆動パルスを出力する第2補正駆動パルス出力手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項8】請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電子機器において、
前記モータの回転の有無を検出する回転検出手段を備え、
前記補正駆動パルス出力手段は、前記回転検出手段により前記モータが非回転状態であると検出した場合に第1の実効電力を有する第1補正駆動パルスを出力する第1補正駆動パルス出力手段と、前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合、かつ、前記回転検出手段により前記モータが回転状態であると検出した場合に前記第1の実効電力よりも大きな第2の実効電力を有する第2補正駆動パルスを出力する第2補正駆動パルス出力手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項9】請求項8記載の電子機器において、
前記第1補正駆動パルスおよび前記第2補正駆動パルスの出力タイミングは同一の出力タイミングとされることを特徴とする電子機器。
【請求項10】請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電子機器において、
前記補正駆動パルス出力手段は、前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出されてから予め定めた所定時間が経過するまで、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力することを特徴と する電子機器。
【請求項11】請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電子機器において、
前記モータの回転の有無を検出する回転検出手段と、
前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合に前記回転検出手段の動作を禁止する回転検出禁止手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項12】請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電子機器において、
前記モータの回転の有無を検出する回転検出手段を備え、
前記補正駆動パルス出力手段は、前記回転検出手段の判別結果に拘わらず、前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記補正駆動パルス信号を前記モータに出力する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項13】請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の電子機器において、
前記発電磁界検出手段は、予め定めた所定期間中に前記発電による磁界が発生したか否かを検出することを特徴とする電子機器。
【請求項14】請求項13記載の電子機器において、
前記所定期間は、前記パルス駆動制御手段による今回の通常駆動パルス信号出力開始タイミングと次回の前記通常駆動パルス信号の出力開始タイミングとの間の期間中の期間として定められることを特徴とする電子機器。
【請求項15】請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の電子機器において、
前記補正駆動パルス出力手段は、前記通常駆動パルス信号に代えて前記補正駆動パルス信号を前記モータに出力することを特徴とする電子機器。
【請求項16】請求項7記載の電子機器において、
前記第1補正駆動パルス及び前記第2補正駆動パルスは同一であることを特徴とする電子機器。
【請求項17】請求項7ないし請求項12のいずれかに記載の電子機器において、
前記発電磁界検出手段は、予め定めた所定期間中に前記発電による磁界が発生したか否かを検出するとともに、前記所定期間の開始タイミングを前記回転検出手段における回転検出開始タイミングに設定したことを特徴とする電子機器。
【請求項18】請求項13または請求項17記載の電子機器において、
前記所定期間は、前記発電磁界検出手段の検出ディレイ時間に対応する期間を含めて定められていることを特徴とする電子機器。
【請求項19】請求項1ないし請求項18のいずれかに記載の電子機器において、
当該電子機器周辺の高周波磁界または交流磁界を検出する外部磁界検出手段を備え、
前記補正駆動パルス出力手段は、前記外部磁界検出手段の判別結果に拘わらず、前記発電磁界検出手段により前記所定期間中に発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記補正駆動パルス信号を前記モータに出力する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項20】請求項1ないし請求項19のいずれかに記載の電子機器において、
前記モータ周辺の高周波磁界あるいは交流磁界を検出する外部磁界検出手段と、
前記発電磁界検出手段により前記所定期間中に発電による磁界が発生したと検出された場合に前記外部磁界検出手段の動作を禁止する磁界検出禁止手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項21】請求項1ないし請求項20のいずれかに記載の電子機器において、
前記モータの駆動状態に基づいて前記通常駆動パルスの実効電力を下げるべくデューティ比を順次下げ、より好適なデューティ比に設定するデューティ比設定手段と、
前記発電磁界検出手段により前記所定期間中に発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記デューティ比設定手段における前記デューティ比の変更を禁止しあるいは予め定めた初期デューティ比にリセットさせるデューティ比制御手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項22】請求項1ないし請求項21のいずれかに記載の電子機器において、
前記電子機器は、計時動作を行う計時手段を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項23】発電を行う発電装置と、前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電装置と、前記蓄電装置に蓄えられた電気エネルギーにより駆動されるモータと、を備えた電子機器の制御方法において、
通常駆動パルス信号を出力することにより前記モータの駆動制御を行うパルス駆動制御工程と、
前記発電により磁界が発生したか否かを検出する発電磁界検出工程と、
前記発電磁界検出工程において発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力する補正駆動パルス出力工程と、を備え、
前記発電磁界検出工程は、前記発電装置の発電により前記蓄電装置に充電電流が流れる充電状態にある場合に、前記発電による磁界が発生したものとして判別を行う充電状態判別工程を備えたことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項24】発電を行う発電装置と、前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電装置と、前記蓄電装置に蓄えられた電気エネルギーにより駆動されるモータと、を備えた電子機器の制御方法において、
通常駆動パルス信号を出力することにより前記モータの駆動制御を行うパルス駆動制御工程と、
前記発電により磁界が発生したか否かを検出する発電磁界検出工程と、
前記発電磁界検出工程において発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力する補正駆動パルス出力工程と、を備え、
前記発電磁界検出工程は、前記蓄電装置が過充電防止状態にある場合に、前記発電装置に流れる過充電防止電流により前記発電による磁界が発生したものとして判別を行う過充電防止電流発生判別工程を備えたことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項25】請求項23または請求項24記載の電子機器の制御方法において、
前記発電磁界検出工程は、予め定めた所定期間中に前記発電による磁界が発生したか否かを検出することを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項26】請求項25記載の電子機器の制御方法において、
前記所定期間は、前記パルス駆動制御工程における今回の通常駆動パルス信号出力開始タイミングと次回の前記通常駆動パルス信号の出力開始タイミングとの間の期間中の期間として定められることを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項27】請求項25記載の電子機器の制御方法において、
前記所定期間は、前記発電磁界検出工程における検出ディレイ時間に対応する期間を含めて定められていることを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項28】請求項23ないし請求項27のいずれかに記載の電子機器の制御方法において、
前記補正駆動パルス出力工程は、前記通常駆動パルス信号に代えて前記補正駆動パルス信号を前記モータに出力することを特徴とする電子機器の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器及びその制御方法に係り、好ましくは携帯用の電子式計時装置などのように蓄電装置及び駆動用モータを内蔵した電子機器及びその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、腕時計タイプなどの小型の電子時計に太陽電池などの発電装置を内蔵し、電池交換なしに動作するものが実現されている。これらの電子時計においては、発電装置で発生した電力をいったん大容量コンデンサなどに充電する機能を備えており、発電が行われないときはコンデンサから放電される電力で時刻表示が行われるようになっている。このため、電池なしでも長時間安定した動作が可能であり、電池の交換の手間あるいは電池の廃棄上の問題などを考慮すると、今後、多くの電子時計に発電装置が内蔵されるものと期待されている。
【0003】
このような発電装置を内蔵した電子時計として、国際公開WO98/41906号公報記載の発電装置付電子時計がある。
この発電装置付電子時計においては、回転検出タイミングにおいて発電の有無を検出し、発電を検出した場合には、モータの回転検出結果に拘わらず、補正駆動パルスを出力する構成を採ることにより、モータの確実な回転を確保するようにされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例においては、モータの回転検出タイミングにおいて発電の有無を検出していたため、当該タイミング以前から発電が継続的になされていた場合には、通常モータ駆動パルスが出力された後に補正駆動パルスが出力されるため、通常モータ駆動パルスの電力を余計に消費してしまうという問題点があった。
また、整流回路の後段に発電動作検出回路を設けていたため、二次電源の充電経路に発電動作検出回路が設けられていることとなり、発電検出を行う際には、充電を停止する必要があり、充電効率が悪くなってしまうという問題点があった。
【0005】
さらにモータ駆動異常を招く発電量を実測により予め定めるため、発電機、モータ、機構構造が変わるとその都度実測により基準となる発電量を設定する必要があるという問題点があった。
また、二次電源の蓄電電圧によって充電電流量が変化するため、発電装置より発生する交流磁界の大きさは二次電源の蓄電電圧によって異なることとなる。
しかしながら、上記従来例においては、発電検出をするに際し、二次電源への充電経路を遮断してしまうため、二次電源の蓄電電圧が高い場合、すなわち、二次電源に充電電流が流れにくいため交流磁界が発生しにくい場合にモータを正常に駆動できる状況にも拘わらず補正駆動パルスを出力してしまい、無駄に電力を消費してしまうという問題点があった。
【0006】
さらに上記従来例においては、二次電源への過充電を防止するための過充電防止回路が動作している場合には、発電動作検出回路の検出結果が発電状態に固定されるため、発電装置が非発電状態で、発電装置の交流磁界が発生しておらず、モータを正常に駆動できる状況であっても補正駆動パルスを出力してしまい、無駄に電力を消費してしまうという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、発電機を有する電気機のモータの駆動を確実に行い、無駄な消費電力を低減し、充電効率を低下させることがないとともに、発電機、モータなどの構成の変化の影響を受けることなく発電状態を検出することが可能な電子機器及びその制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明が採用する電子機器の構成は、発電を行う発電手段と、前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電手段と、前記蓄電手段に蓄えられた電気エネルギーにより駆動される一または複数のモータと、通常駆動パルス信号を出力することにより前記モータの駆動制御を行うパルス駆動制御手段と、前記発電により磁界が発生したか否かを検出する発電磁界検出手段と、前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力する補正駆動パルス出力手段と、を備え、前記発電磁界検出手段は、前記発電手段の発電により前記蓄電手段に充電電流が流れる充電状態にある場合に、前記発電による磁界が発生したものとして判別を行う充電状態判別手段を備えたことを特徴としている。
【0008】
本発明が採用する電子機器の他の構成は、発電を行う発電手段と、前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電手段と、前記蓄電手段に蓄えられた電気エネルギーにより駆動される一または複数のモータと、通常駆動パルス信号を出力することにより前記モータの駆動制御を行うパルス駆動制御手段と、前記発電により磁界が発生したか否かを検出する発電磁界検出手段と、前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力する補正駆動パルス出力手段と、を備え、前記発電磁界検出手段は、前記蓄電手段が過充電防止状態にある場合に、前記発電手段に流れる過充電防止電流により前記発電による磁界が発生したものとして判別を行う過充電防止電流発生判別手段を備えたことを特徴としている。
【0009】
上記電子機器の構成において、前記発電磁界検出手段は、前記発電手段から出力される発電電流の値が予め定めた発電電流値を越えたか否かを判別する発電電流判別手段を備えたことを特徴としている。
【0010】
上記電子機器の構成において、前記発電磁界検出手段は、前記発電手段から出力される発電電流に基づいて前記蓄電手段の蓄電電圧を算出し、前記蓄電電圧が予め定めた基準蓄電電圧を超えたか否かを判別する蓄電電圧判別手段を備えたことを特徴としている。
【0011】
上記電子機器の構成において、前記発電手段は、一対の出力端子を有し、前記発電手段の出力端子の電圧と前記蓄電手段の端子電圧に対応する所定の電圧とを比較し、比較結果信号を出力する比較手段と、前記比較結果信号に基づいて前記出力端子の電圧が前記蓄電手段の端子電圧を上回る場合に発電電流が流れ得る状態に相当する発電検出信号を出力する発電検出手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
上記電子機器の構成において、前記発電磁界検出手段は、前記蓄電手段の充電経路とは異なる経路を介して前記充電とは並行して前記発電により磁界が発生したか否かを判別することを特徴としている。
【0013】
上記電子機器の構成において、前記モータの回転の有無を検出する回転検出手段を備え、
前記補正駆動パルス出力手段は、前記回転検出手段により前記モータが非回転状態であると検出された場合に第1のタイミングで第1補正駆動パルスを出力する第1補正駆動パルス出力手段と、前記発電磁界検出手段により磁界が発生したと検出された場合、かつ、前記回転検出手段により前記モータが回転状態であると検出した場合に前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングで第2補正駆動パルスを出力する第2補正駆動パルス出力手段と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
上記電子機器の構成において、前記モータの回転の有無を検出する回転検出手段を備え、前記補正駆動パルス出力手段は、前記回転検出手段により前記モータが非回転状態であると検出した場合に第1の実効電力を有する第1補正駆動パルスを出力する第1補正駆動パルス出力手段と、前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合、かつ、前記回転検出手段により前記モータが回転状態であると検出した場合に前記第1の実効電力よりも大きな第2の実効電力を有する第2補正駆動パルスを出力する第2補正駆動パルス出力手段と、を備えたことを特徴としている。
【0015】
上記電子機器の構成において、前記第1補正駆動パルスおよび前記第2補正駆動パルスの出力タイミングは同一の出力タイミングとされることを特徴としている。
【0016】
上記電子機器の構成において、前記補正駆動パルス出力手段は、前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出されてから予め定めた所定時間が経過するまで、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力することを特徴としている。
【0017】
上記電子機器の構成において、前記モータの回転の有無を検出する回転検出手段と、前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合に前記回転検出手段の動作を禁止する回転検出禁止手段と、を備えたことを特徴としている。
【0018】
上記電子機器の構成において、前記モータの回転の有無を検出する回転検出手段を備え、前記補正駆動パルス出力手段は、前記回転検出手段の判別結果に拘わらず、前記発電磁界検出手段により発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記補正駆動パルス信号を前記モータに出力する、ことを特徴としている。
【0019】
上記電子機器の構成において、前記発電磁界検出手段は、予め定めた所定期間中に前記発電による磁界が発生したか否かを検出することを特徴としている。
【0020】
上記電子機器の構成において、前記所定期間は、前記パルス駆動制御手段による今回の通常駆動パルス信号出力開始タイミングと次回の前記通常駆動パルス信号の出力開始タイミングとの間の期間中の期間として定められることを特徴としている。
【0021】
上記電子機器の構成において、前記所定期間は、前記発電磁界検出手段の検出ディレイ時間に対応する期間を含めて定められていることを特徴としている。
【0022】
上記電子機器の構成において、前記補正駆動パルス出力手段は、前記通常駆動パルス信号に代えて前記補正駆動パルス信号を前記モータに出力することを特徴としている。
【0023】
上記電子機器の構成において、前記第1補正駆動パルス及び前記第2補正駆動パルスは同一であることを特徴としている。
【0024】
上記電子機器の構成において、前記発電磁界検出手段は、予め定めた所定期間中に前記発電による磁界が発生したか否かを検出するとともに、前記所定期間の開始タイミングを前記回転検出手段における回転検出開始タイミングに設定したことを特徴としている。
【0025】
上記電子機器の構成において、前記所定期間は、前記発電磁界検出手段の検出ディレイ時間に対応する期間を含めて定められていることを特徴としている。
【0026】
上記電子機器の構成において、当該電子機器周辺の高周波磁界を検出する高周波磁界検出手段を備え、前記補正駆動パルス出力手段は、前記高周波磁界検出手段の判別結果に拘わらず、前記発電磁界検出手段により前記所定期間中に発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記補正駆動パルス信号を前記モータに出力する、ことを特徴としている。
【0027】
上記電子機器の構成において、当該電子機器周辺の交流磁界を検出する外部磁界検出手段を備え、前記補正駆動パルス出力手段は、前記外部磁界検出手段の判別結果に拘わらず、前記発電磁界検出手段により前記所定期間中に発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記補正駆動パルス信号を前記モータに出力する、ことを特徴としている。
【0028】
上記電子機器の構成において、前記モータ周辺の高周波磁界あるいは交流磁界を検出する外部磁界検出手段と、前記発電磁界検出手段により前記所定期間中に発電による磁界が発生したと検出された場合に前記外部磁界検出手段の動作を禁止する磁界検出禁止手段と、を備えたことを特徴としている。
【0029】
上記電子機器の構成において、前記モータの駆動状態に基づいて前記通常駆動パルスの実効電力を下げるべくデューティ比を順次下げ、より好適なデューティ比に設定するデューティ比設定手段と、前記発電磁界検出手段により前記所定期間中に発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記デューティ比設定手段における前記デューティ比の変更を禁止しあるいは予め定めた初期デューティ比にリセットさせるデューティ比制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0030】
上記電子機器の構成において、前記電子機器は、携帯用であることを特徴としている。
【0031】
上記電子機器の構成において、前記電子機器は、計時動作を行う計時手段を備えたことを特徴としている。
【0032】
上記課題を解決するため、本発明が採用する電子機器の制御方法は、発電を行う発電装置と、前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電装置と、前記蓄電装置に蓄えられた電気エネルギーにより駆動されるモータと、を備えた電子機器の制御方法において、通常駆動パルス信号を出力することにより前記モータの駆動制御を行うパルス駆動制御工程と、前記発電により磁界が発生したか否かを検出する発電磁界検出工程と、前記発電磁界検出工程において発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力する補正駆動パルス出力工程と、を備え、前記発電磁界検出工程は、前記発電装置の発電により前記蓄電装置に充電電流が流れる充電状態にある場合に、前記発電による磁界が発生したものとして判別を行う充電状態判別工程を備えたことを特徴としている。
【0033】
本発明が採用する電子機器の他の制御方法は、発電を行う発電装置と、前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電装置と、前記蓄電装置に蓄えられた電気エネルギーにより駆動されるモータと、を備えた電子機器の制御方法において、通常駆動パルス信号を出力することにより前記モータの駆動制御を行うパルス駆動制御工程と、前記発電により磁界が発生したか否かを検出する発電磁界検出工程と、前記発電磁界検出工程において発電による磁界が発生したと検出された場合に、前記通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号を前記モータに出力する補正駆動パルス出力工程と、を備え、前記発電磁界検出工程は、前記蓄電装置が過充電防止状態にある場合に、前記発電装置に流れる過充電防止電流により前記発電による磁界が発生したものとして判別を行う過充電防止電流発生判別工程を備えたことを特徴としている。
【0034】
上記制御方法において、前記発電磁界検出工程は、予め定めた所定期間中に前記発電による磁界が発生したか否かを検出することを特徴としている。
【0035】
上記制御方法において、前記所定期間は、前記パルス駆動制御工程における今回の通常駆動パルス信号出力開始タイミングと次回の前記通常駆動パルス信号の出力開始タイミングとの間の期間中の期間として定められることを特徴としている。
【0036】
上記制御方法において、前記所定期間は、前記発電磁界検出工程における検出ディレイ時間に対応する期間を含めて定められていることを特徴としている。
【0037】
上記制御方法において、前記補正駆動パルス出力工程は、前記通常駆動パルス信号に代えて前記補正駆動パルス信号を前記モータに出力することを特徴としている。
【0038】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
[1] 第1実施形態
[1.1] 全体構成
図1に、第1実施形態の電子機器である計時装置1の概略構成を示す。
計時装置1は、腕時計であって、使用者は装置本体に連結されたベルトを手首に巻き付けて使用するようになっている。
計時装置1は、大別すると、交流電力を発電する発電部Aと、発電部Aからの交流電圧を整流するとともに蓄電し、その蓄電電圧をさらに昇降圧した電圧によって各構成部分へ電力を給電する電源部Bと、発電部Aの発電状態を検出し、検出結果に基づいて装置全体を制御する制御部Cと、指針を駆動する運針機構Dと、制御部Cからの制御信号に基づいて運針機構Dを駆動する駆動部Eと、を備えて構成されている。
【0039】
この場合において、制御部Cは、発電部Aの発電状態に応じて、運針機構Dを駆動して時刻表示を行う表示モードと、運針機構Dへの給電を停止して電力を節電する節電モードとを切り換えるようになっている。また、節電モードから表示モードへの移行は、ユーザが計時装置1を手に持ってこれを振ることによって、強制的に移行されるようになっている。以下、各構成部分について説明する。なお、制御部Cについては機能ブロックを用いて後述する。
まず、発電部Aは、大別すると、発電装置40と、ユーザの腕の動きなどを捉えて装置内で旋回し、運動エネルギーを回転エネルギーに変換する回転錘45と、回転錘の回転を発電に必要な回転数に変換(増速)して発電装置40側に伝達する増速用ギア46と、を備えている。
【0040】
発電装置40は、回転錘45の回転が増速用ギア46を介して発電用ロータ43に伝達され、発電用ロータ43が発電用ステータ42の内部で回転することにより、発電用ステータ42に接続された発電コイル44に誘起された電力を外部に出力する電磁誘導型の交流発電装置として機能している。
したがって、発電部Aは、使用者の生活に関連したエネルギーを利用して発電を行い、その電力を用いて計時装置1を駆動できるようになっている。
次に、電源部Bは、整流回路103と、蓄電装置(大容量コンデンサ)104と、昇降圧回路113と、を備えて構成されている。
昇降圧回路113は、複数のコンデンサ113a、113bおよび113cを用いて多段階の昇圧および降圧ができるようになっており、制御部Cからの制御信号φ11によって駆動部Eに供給する電圧を調整することができる。また、電源部Bは、Vdd(高電位側)を基準電位(GND)に取り、VTKN(低電位側)を電源電圧として生成している。
【0041】
次に、運針機構Dについて説明する。運針機構Dに用いられているステッピングモータ10は、パルスモータ、ステッピングモータ、階動モータあるいはデジタルモータなどとも称され、デジタル制御装置のアクチュエータとして多用されている、パルス信号によって駆動されるモータである。近年、携帯に適した小型の電子装置あるいは情報機器用のアクチュエータとして小型、軽量化されたステッピングモータが多く採用されている。このような電子装置の代表的なものが電子時計、時間スイッチ、クロノグラフといった計時装置である。
【0042】
本例のステッピングモータ10は、駆動部Eから供給される駆動パルスによって磁力を発生する駆動コイル11と、この駆動コイル11によって励磁されるステータ12と、さらに、ステータ12の内部において励磁される磁界により回転するロータ13を備えている。また、ステッピングモータ10は、ロータ13がディスク状の2極の永久磁石によって構成されたPM型(永久磁石回転型)で構成されている。ステータ12には、駆動コイル11で発生した磁力によって異なった磁極がロータ13回りのそれぞれの相(極)15および16に発生するように磁気飽和部17が設けられている。また、ロータ13の回転方向を規定するために、ステータ12の内周の適当な位置には内ノッチ18が設けられており、コギングトルクを発生させてロータ13が適当な位置に停止するようにしている。
ステッピングモータ10のロータ13の回転は、かなを介してロータ13に噛合された五番車51、四番車52、三番車53、二番車54、日の裏車55および筒車56からなる輪列50によって各針に伝達される。四番車52の軸には秒針61が接続され、二番車54には分針62が接続され、さらに、筒車56には時針63が接続されている。ロータ13の回転に連動してこれらの各針によって時刻が表示される。輪列50には、さらに、年月日などの表示を行うための伝達系など(不図示)を接続することももちろん可能である。
【0043】
次に、駆動部Eは制御部Cの制御の基にステッピングモータ10に様々な駆動パルスを供給する。より詳細には、制御部Cからそれぞれのタイミングで極性およびパルス幅の異なる制御パルスを印加することにより、駆動コイル11に極性の異なる駆動パルスを供給したり、あるいは、ロータ13の回転検出用および磁界検出用の誘起電圧を励起する検出用のパルスを供給したりすることができるようになっている。
【0044】
[1.2] 制御系の機能構成
次に制御系の機能構成について説明する。
[1.2.1] 制御系の概要機能構成
まず、図2を参照して第1実施形態の制御系の概要機能構成について説明する。図2において、符号A〜Eは、図1に示した発電部A、電源部B、制御部C、運針機構Dおよび駆動部Eにそれぞれ対応している。
計時装置1は、交流発電を行う発電部101と、発電部101の発電電圧SKに基づいて発電検出を行い発電検出結果信号SAを出力する発電検出回路102と、発電部101から出力される交流電流を整流して直流電流に変換する整流回路103と、整流回路103から出力される直流電流により蓄電する蓄電装置104と、蓄電装置104の蓄電電圧を昇降圧してその電圧を出力する昇降圧回路113と、昇降圧回路113から出力される蓄電装置104の蓄電電圧を昇降圧した電圧により動作し、計時制御を行うべく通常モータ駆動パルスSIを出力し、発電機交流磁界検出の検出タイミングを指示するための発電機交流磁界検出タイミング信号SBを出力し、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力タイミングを表す高周波磁界検出タイミング信号SSP0を出力し、交流磁界検出用パルス信号SP11、SP12の出力タイミングを表す交流磁界検出タイミング信号SSP12を出力し、回転検出用パルス信号SP2の出力タイミングを表す回転検出タイミング信号SSP2を出力する計時制御回路105と、発電検出結果信号SA及び発電交流磁界検出タイミング信号SBに基づいて発電機交流磁界検出を行い、発電機交流磁界検出結果信号SCを出力する発電機交流磁界検出回路106と、発電機交流磁界検出結果信号SCに基づいて通常モータ駆動パルスのデューティダウンを制御するための通常モータ駆動パルスデューティダウン信号SHを出力するデューティダウン用カウンタ107と、高周波磁界検出結果信号SE、交流磁界検出結果信号SF、及び回転検出結果信号SGに基づいて補正駆動パルスSJを出力するか否かを判別し、必要に応じて補正駆動パルスSJを出力する補正駆動パルス出力判断回路108と、通常モータ駆動パルスSIあるいは補正駆動パルスSJに基づいてパルスモータ10を駆動するためのモータ駆動パルスSLを出力するモータ駆動回路109と、発電機交流磁界検出結果信号SC及びモータ駆動回路109から出力される誘起電圧信号SDに基づいて高周波磁界を検出して高周波磁界検出結果信号SEを出力する高周波磁界検出回路110と、発電機交流磁界検出結果信号SC及びモータ駆動回路109から出力される誘起電圧信号SDに基づいて交流磁界を検出し交流磁界検出結果信号SFを出力する交流磁界検出回路111と、モータ駆動回路109から出力される誘起電圧信号SDに基づいてモータ10が回転したか否かを検出し、回転検出結果信号SGを出力する回転検出回路112と、を備えて構成されている。
【0045】
[1.2.2] 発電検出回路周辺の構成
図3にこのような検出ディレイが発生する発電検出回路の周辺の回路構成例を示す。
図3においては、発電検出回路102と、発電検出回路102の周辺回路として、交流発電を行う発電部101と、発電部101から出力される交流電流を整流して直流電流に変換する整流回路103と、整流回路103から出力される直流電流により蓄電する蓄電装置104と、を図示している。
発電検出回路102は、後述の第1コンパレータCOMP1及び第2コンパレータCOMP2の出力の論理積の否定をとって出力するNAND回路201と、NAND回路201の出力をR−C積分回路を用いて平滑化して発電検出結果信号SAとして出力する平滑化回路202と、を備えて構成されている。
この場合において、発電検出回路102は、発電部101の出力端子AG1(あるいはAG2)の電圧と蓄電装置(蓄電手段)の端子電圧とを直接比較することにより発電を検出しているが、蓄電装置の端子電圧に代えて端子電圧に対応する所定の電圧と比較するように構成することも可能である。例えば、蓄電装置の端子電圧に所定のオフセットを加算(減算)した電圧や、端子電圧を電圧増幅した電圧などの蓄電装置の端子電圧を表す電圧であれば適宜用いることが可能である。また、逆に出力端子AG1(あるいはAG2)の電圧に代えて同様に出力端子AG1(あるいはAG2)の電圧に対応する電圧を用いるように構成することも可能である。
【0046】
整流回路103は、発電部101の一方の出力端子AG1の電圧を基準電圧Vddと比較することにより第1トランジスタQ1のオン/オフ制御を行って能動整流を行わせるための第1コンパレータCOMP1と、発電部101の他方の出力端子AG2の電圧を基準電圧Vddと比較することにより第2トランジスタQ2を第1トランジスタと交互にオン/オフすることにより能動整流を行わせるための第2コンパレータCOMP2と、発電部101の端子AG2の端子電圧V2が予め定めた閾値電圧を越えるとオン状態となる第3トランジスタQ3と、発電部101の端子AG1の端子電圧V1が予め定めた閾値電圧を越えるとオン状態となる第4トランジスタQ4と、を備えて構成されている。
まず、充電動作について説明する。
発電部101が発電を開始すると、発電電圧が両出力端子AG1、AG2に給電される。この場合、出力端子AG1端子電圧V1と出力端子AG2の端子電圧V2は、位相が反転している。
出力端子AG1の端子電圧V1が閾値電圧を越えると、第4トランジスタQ4がオン状態となる。この後、端子電圧V1が上昇し、電源VDDの電圧を越えると、第1コンパレータCOMP1の出力は"L"レベルとなり、第1トランジスタQ1がオンすることとなる。
一方、出力端子AG2の端子電圧V2は閾値電圧を下回っているので、第3トランジスタQ3はオフ状態であり、端子電圧V2は電源VDDの電圧未満であり、第2コンパレータCOMP2の出力は"H"レベルであり、第2トランジスタQ2はオフ状態である。
【0047】
したがって、第1トランジスタQ1がオン状態となる期間において、「端子AG1→第1トランジスタ→電源VDD→蓄電装置104→電源VTKN→第4トランジスタQ4」の経路で発電電流が流れ、蓄電装置104に電荷が充電される。
この後、端子電圧V1が下降すると、出力端子AG1の端子電圧V1は電源VDDの電圧未満となり、第1コンパレータCOMP1の出力が"H"レベルとなって、第1トランジスタQ1はオフ状態となり、出力端子AG1の端子電圧V1は第4トランジスタQ4の閾値電圧を下まわることとなり、トランジスタQ4もオフ状態となる。
一方、出力端子AG2の端子電圧V2が閾値電圧を越えると、第3トランジスタQ3がオン状態となる。この後、端子電圧V2がさらに上昇し、電源VDDの電圧を越えると、第2コンパレータCOMP2の出力は"L"レベルとなり、第2トランジスタQ2がオンすることとなる。
したがって、第2トランジスタQ2がオン状態となる期間において、「端子AG2→第2トランジスタQ2→電源VDD→蓄電装置104→電源VTKN→第3トランジスタQ3」の経路で発電電流が流れ、蓄電装置104に電荷が充電されることとなる。
【0048】
上述したように、発電電流が流れる際には、第1コンパレータCOMP1あるいは第2コンパレータCOMP2の出力はいずれかが"L"レベルとなっている。
そこで、発電検出回路102のNAND回路201は、第1コンパレータCOMP1及び第2コンパレータCOMP2の出力の論理積の否定をとることにより、発電電流が流れている状態で"H"レベルの信号を平滑化回路202に出力することとなる。
この場合において、NAND回路201の出力はスイッチングノイズを含むこととなるので、平滑回路202は、NAND回路201の出力をR−C積分回路を用いて平滑化して発電検出結果信号SAとして出力するのである。
ところで、このような発電検出回路102は、構造上、検出信号は検出ディレイを含んでいるため、これを考慮しなければ、検出漏れに伴ってモータが正常に回転しないこととなる。そこで、本実施形態においては、検出ディレイを考慮して、モータを正常に回転させている。
【0049】
[1.2.3] 制御系の詳細機能構成
次に制御系の詳細機能構成について図4を参照して説明する。
まず、図4を参照して計時制御回路105の構成及び動作について説明する。
計時制御回路105は、計時制御回路105全体を制御する計時制御部105Aと、一方の入力端子に計時制御部105Aから出力された通常モータ駆動パルスK11が入力され、他方の入力端子に高周波磁界検出結果信号SEの反転信号または交流磁界検出結果信号SFの反転信号が入力され、両入力信号の論理積をとって通常モータ駆動パルスSIとして出力するAND回路105Bと、第1の入力端子に計時制御部105Aの回転検出タイミング制御信号SCSP2が入力され、第2の入力端子に回転検出結果信号SGの反転信号が入力され、第3の入力端子に高周波磁界検出結果信号SEあるいは交流磁界検出結果信号SFの反転信号が入力され、全入力信号の論理積をとって回転検出タイミング信号SSP2を出力するAND回路105Cと、一方の入力端子に交流磁界検出タイミング制御信号SCSP12が入力され、他方の入力端子に高周波磁界検出結果信号SEあるいは交流磁界検出結果信号SFの反転信号が入力されるAND回路105Dと、一方の入力端子に高周波磁界検出タイミング制御信号SCSP0が入力され、他方の入力端子に高周波磁界検出結果信号SEあるいは交流磁界検出結果信号SFの反転信号が入力されるAND回路105Eと、を備えて構成されている。
【0050】
次に計時制御回路105の概要動作を説明する。
計時制御部105Aは、所定のタイミングで通常モータ駆動パルスK11をAND回路105Bに出力する。
この結果、AND回路105Bは、高周波磁界検出回路110から出力される高周波磁界検出結果信号SEが"L"レベル、かつ、交流磁界検出回路111から出力される交流磁界検出結果信号SFが"L"レベルの場合、すなわち、高周波磁界及び交流磁界のいずれも検出されなかった場合に、通常モータ駆動パルスSI(=通常モータ駆動パルスK11)をモータ駆動回路109に出力することとなる。
また、計時制御部105Aは、所定のタイミングで"H"レベルとなる回転検出タイミング制御信号SCSP2をAND回路105Cに出力する。
この結果、AND回路105Cは、回転検出結果信号SGが"L"レベルであり、高周波磁界検出回路110から出力される高周波磁界検出結果信号SEが"L"レベル、かつ、交流磁界検出回路111から出力される交流磁界検出結果信号SFが"L"レベルの場合、すなわち、高周波磁界および交流磁界のいずれも検出されず、かつ、"L"レベルの回転検出結果信号SGが出力されている場合に、回転検出タイミング制御信号SCSP2に基づいて回転検出を行わせるべく"H"レベルの回転検出タイミング信号SSP2を回転検出回路112に出力することとなる。
【0051】
さらに、計時制御部105Aは、所定のタイミングで"H"レベルとなる交流磁界検出タイミング制御信号SCSP12をAND回路105Dに出力する。
この結果、AND回路105Dは、高周波磁界検出回路110から出力される高周波磁界検出結果信号SEが"L"レベル、かつ、交流磁界検出回路111から出力される交流磁界検出結果信号SFが"L"レベルの場合、すなわち、高周波磁界および交流磁界のいずれも検出されていない場合に、交流磁界検出タイミング制御信号SCSP12に基づいて交流磁界検出を行わせるべく"H"レベルの磁界検出タイミング信号SSP12を高周波磁界検出回路110および交流磁界検出回路111に出力することとなる。
さらにまた、計時制御部105Aは、所定のタイミングで"H"レベルとなる高周波磁界検出タイミング制御信号SCSP0をAND回路105Eに出力する。
この結果、AND回路105Eは、高周波磁界検出回路110から出力される高周波磁界検出結果信号SEが"L"レベル、かつ、交流磁界検出回路111から出力される交流磁界検出結果信号SFが"L"レベルの場合、すなわち、高周波磁界および交流磁界のいずれも検出されていない場合に、高周波磁界検出タイミング制御信号SCSP0に基づいて高周波磁界検出を行わせるべく"H"レベルの高周波磁界検出タイミング信号SSP0を高周波磁界検出回路110および交流磁界検出回路111に出力することとなる。
【0052】
続いて、図4を参照して発電機交流磁界検出回路106の構成および動作について説明する。
発電機交流磁界検出回路106は、一方の入力端子に発電検出結果信号SAが入力され、他方の入力端子にSBが入力され、両入力信号の論理積をとって出力するAND回路106Aと、セット端子SにAND回路106Aの出力信号が入力され、リセット端子Rに検出結果リセット信号FEGLが入力され、出力端子Qから発電機交流磁界検出結果信号SCを出力するラッチ回路106Bと、を備えて構成されている。
次に発電機交流磁界検出回路106の概要動作を説明する。
計時制御部105Aは、所定のタイミングで"H"レベルとなる発電機交流磁界検出タイミング信号SBをAND回路106Aに出力する。
この結果、AND回路106Aは、発電機交流磁界検出タイミングにおいて、発電が検出されることにより発電検出結果信号SAが"H"レベルとなった場合には、発電機により交流磁界が発生しているとみなして、"H"レベルの出力信号をラッチ回路106Bに出力する。
【0053】
そして、ラッチ回路106Bは、次に検出結果リセット信号FEGLが"H"レベルとなり、検出結果がリセットされるまで、発電機による交流磁界を検出した場合に相当する"H"レベルの発電機交流磁界検出結果信号SCをデューティダウン用カウンタ107並びに高周波磁界検出回路110および交流磁界検出回路111に出力することとなる。
【0054】
次に図4を参照してデューティダウン用カウンタ107の構成および動作について説明する。
デューティダウン用カウンタ107は、一方の入力端子に発電機交流磁界検出結果信号SCが入力され、他方の入力端子にリセット制御信号RSが入力され、両入力信号の論理和をとって出力するOR回路107Aと、クロック端子CLKに計時制御回路105からのクロック信号CKが入力され、出力端子Qから通常モータ駆動パルスデューティダウン信号SHを出力する1/nカウンタ107Bと、を備えて構成されている。
【0055】
次にデューティダウン用カウンタ107の動作を説明する。
計時制御部105Aは、所定のクロック信号CKを1/nカウンタ107Bのクロック端子CLKに出力する。
この結果、1/nカウンタ107Bは、クロック信号CKを1/nして、カウントを行い、カウント結果を通常モータ駆動パルスデューティダウン信号SHとして出力端子Qより計時制御部105Aに出力する。
一方、OR回路107Aは、計時制御部105Aから"H"レベルのリセット制御信号RSが出力されるか、あるいは、発電機交流磁界検出回路106から"H"レベルの発電機交流磁界検出結果信号SCが出力されると、1/nカウンタ107Bのカウント値をリセットすべく、"H"レベルの出力信号を出力することとなる。
すなわち、デューティダウン用カウンタ107は、計時制御部105Aからリセット制御信号RSが入力され、あるいは、発電機交流磁界検出回路106から"H"レベルの発電機交流磁界検出結果信号SCが入力された場合には、デューティダウンを行わないように動作することとなる。
【0056】
次に図4を参照して回転検出回路112の構成および動作について説明する。
回転検出回路112は、第1の反転入力端子にパルスモータ10の一方の入力端子が接続され、第2の反転入力端子にパルスモータ10の他方の入力端子が接続され、非反転入力端子に比較基準電圧Vcomが入力され、計時制御回路から出力される回転検出タイミング信号SSP2に対応するタイミングで動作状態となり、原回転検出結果信号SG0を出力する回転検出コンパレータ112Aと、一方の入力端子に回転検出タイミング信号SSP2が入力され、他方の入力端子に原回転検出結果信号SG0が入力され、両入力信号の論理積をとって出力するAND回路112Bと、セット端子SにAND回路によりゲートされた原回転検出結果信号SG0が入力され、リセット端子Rに計時制御回路105が出力した検出結果リセット信号FEGLが入力され、出力端子Qから回転検出結果信号SGを出力するラッチ回路112Cと、を備えて構成されている。
【0057】
次に回転検出回路112の動作について説明する。
計時制御回路105のAND回路105Cが高周波磁界および交流磁界のいずれも検出されず、かつ、"L"レベルの回転検出結果信号SGが出力されている場合に、回転検出タイミング制御信号SCSP2に基づいて回転検出を行わせるべく"H"レベルの回転検出タイミング信号SSP2を出力すると、回転検出コンパレータ112Aは動作状態となる。
これに伴い、回転検出コンパレータ112Aは、第1の反転入力端子あるいは第2の反転入力端子の信号電圧レベルを比較基準電圧Vcomと比較し、パルスモータ10の回転検出時に"H"レベルの原回転検出結果信号SG0をAND回路112Bに出力する。
これによりAND回路112Bは、回転検出タイミング信号SSP2が"H"レベルとなり、かつ、原回転検出結果信号SG0が"H"レベルの場合に、すなわち、回転検出タイミングにおいて、パルスモータ10の回転に起因する起電力が発生した場合に、回転を検出した場合に相当する"H"レベルの出力信号をラッチ回路112Cに出力する。
この結果、ラッチ回路112Cの出力端子Qは、パルスモータ10の回転を検出してから、次の検出結果リセット信号FEGLが"H"レベルとなって検出結果がリセットされるまで、"H"レベルの回転検出結果信号SGを出力することとなる。
【0058】
次に図4を参照して高周波磁界検出回路110および交流磁界検出回路111の構成および動作について説明する。
高周波磁界検出回路110および交流磁界検出回路111は、同一回路で実現されており、高周波磁界検出回路110(および交流磁界検出回路111)は、入力端子にパルスモータ10の一方の入力端子が接続され、入力信号を反転して出力する第1磁界検出用インバータ110Aと、入力端子にパルスモータ10の他方の入力端子が接続され、入力信号を反転して出力する第2磁界検出用インバータ110Bと、一方の入力端子に第1磁界検出用インバータの出力信号が入力され、他方の入力端子に第2磁界検出用インバータの出力信号が入力され、両入力信号の論理和をとって出力するOR回路110Cと、一方の入力端子に後述する高周波/交流磁界検出タイミング信号SSP012が入力され、他方の入力端子にOR回路110Cの出力信号が入力され、両入力信号の論理積をとって出力するAND回路110Dと、一方の入力端子に発電機交流磁界検出結果信号SCが入力され、他方の入力端子にAND回路110Dの出力信号が入力され、両入力信号の論理和をとって出力するOR回路110Eと、セット端子SにOR回路110Eの出力信号が入力され、リセット端子Rに計時制御回路105が出力した検出結果リセット信号FEGLが入力され、高周波磁界検出結果信号SE(あるいは交流磁界検出結果信号SF)を出力するラッチ回路110Fと、一方の入力端子に高周波磁界検出タイミング信号SSP0が入力され、他方の入力端子に交流磁界検出タイミング信号SSP12が入力され、両入力信号の論理和をとって高周波/交流磁界検出タイミング信号SSP012として出力するOR回路110Hと、を備えて構成されている。
【0059】
次に高周波磁界検出回路110を例として動作を説明するが、交流磁界検出回路111の動作については、検出タイミングおよび検出対象が異なるだけで他は同様である。
第1磁界検出用インバータ110Aは、パルスモータ10の一方の入力端子の電圧レベルが"L"レベルとなると、"H"レベルの出力信号をOR回路110Cに出力する。
同様に第2磁界検出用インバータ110Bは、パルスモータ10の他方の入力端子の電圧レベルが"L"レベルとなると、"H"レベルの出力信号をOR回路110Cに出力する。
この結果、OR回路110Cは、パルスモータ10のいずれかの入力端子の電圧レベルが"L"レベルとなるタイミングで"H"レベルの出力信号をAND回路110Dに出力する。
また、OR回路110Hは、高周波磁界検出タイミングには、"H"レベルの高周波磁界検出タイミング信号SSP0が入力され、交流磁界検出タイミングには、"H"レベルの交流磁界検出タイミング信号SSP12が入力される。従って、OR回路110Hは、高周波磁界検出タイミングあるいは交流磁界検出タイミングにおいて、"H"レベルの高周波/交流磁界検出タイミング信号SSP012をAND回路110Dに出力する。
【0060】
AND回路110Dは、高周波/交流磁界検出タイミング信号SSP012が"H"レベルとなり、かつ、OR回路110Cの出力信号が"H"レベルの場合に、すなわち、高周波磁界検出タイミング(あるいは交流磁界検出タイミング)において、パルスモータ10周辺に高周波磁界(あるいは交流磁界)が発生した場合に、高周波磁界(あるいは交流磁界)を検出した場合に相当する"H"レベルの出力信号をOR回路110Eに出力する。
OR回路110Eは、高周波磁界(あるいは交流磁界)を検出した場合に相当する"H"レベルのAND回路110Dの出力信号が入力された場合あるいは発電機による交流磁界を検出した場合に相当する"H"レベルの発電機交流磁界検出結果信号SCが入力された場合に、高周波磁界(あるいは交流磁界)を検出した場合に相当する出力信号をラッチ回路110Fに出力する。
この結果、ラッチ回路110Fの出力端子Qは、パルスモータ10周辺の高周波磁界(あるいは交流磁界)を検出してから、次の検出結果リセット信号FEGLが"H"レベルとなって検出結果がリセットされるまで、"H"レベルの高周波磁界検出結果信号SE(あるいは交流磁界検出結果信号SFを出力することとなる。
【0061】
次に図4を参照して補正駆動パルス出力判断回路108の構成および動作について説明する。
補正駆動パルス出力判断回路108は、一方の入力端子に高周波磁界検出結果信号SEおよび交流磁界検出結果信号SFが入力され、他方の入力端子に回転検出結果信号SGの反転信号が入力されるOR回路108Aと、一方の入力端子に補正駆動パルスP2+Prが入力され、他方の入力端子にOR回路108Aの出力信号が入力され、両入力信号の論理積をとって補正駆動パルスSJをモータ駆動回路109に出力するAND回路108Bと、を備えて構成されている。
次に補正駆動パルス出力判断回路108の動作について説明する。
OR回路108Aは、高周波磁界が検出された場合に"H"レベルの高周波磁界検出結果信号SEが入力され、あるいは、交流磁界が検出された場合に"H"レベルの交流磁界検出結果信号SFが入力された場合、並びに、パルスモータ10の回転が検出されず"L"レベルの回転検出結果信号SGが入力された場合に、"H"レベルの出力信号をAND回路108Bに出力する。
AND回路108Bは、補正駆動パルスP2+Prが入力され、かつ、OR回路108Aから"H"レベルの出力信号が入力された場合に補正駆動パルスP2+Prを補正駆動パルスSJとしてモータ駆動回路109に出力することとなる。
すなわち、補正駆動パルス出力判断回路108は、高周波磁界が検出された場合、交流磁界が検出された場合およびパルスモータ10の非回転を検出した場合に、補正駆動パルスP2+Prを補正駆動パルスSJとして出力することとなる。
【0062】
[1.4]
次に図5の処理フローチャートを参照して計時装置1の動作を説明する。
まず、計時装置1のリセットタイミングあるいは前回の駆動パルス出力から1秒経過したか否かを判別する(ステップS1)。
ステップS1の判別において、1秒が経過していない場合には、駆動パルスを出力すべきタイミングではないので、待機状態となる。
ステップS1の判別において、1秒が経過した場合には、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出されたか否かを判別する(ステップS2)。より具体的には、発電検出回路102は、蓄電装置104の蓄電電圧変動に基づいて発電部101において蓄電装置104を蓄電するのに充分な発電が行われているか否かについての発電検出を行い、発電検出結果信号SAを発電機交流磁界検出回路106に出力することとなる。
【0063】
[1.4.1] 高周波磁界検出用パルスSP0の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合の処理
ステップS2の判別において、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合には(ステップS2;Yes)、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する(ステップS7)。
この場合において、デューティダウンカウンタがカウントされるということは、次のパルスモータ駆動タイミングにおいて、より低いデューティ比の通常モータ駆動パルスK11で駆動を行うことを意味するが、蓄電装置104を充電可能な発電による発電部101からの交流磁界により、当該通常モータ駆動パルスK11によればパルスモータを駆動することができず、補正駆動パルスが出力されやすくなる。
【0064】
そこで、デューティダウンカウンタをリセットし、あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止して、次のパルスモータ駆動タイミングにおける、通常モータ駆動パルスK11のデューティ比が低くなるのを防止するのである。
次に高周波磁界検出用パルスSP0の出力を停止する(ステップS8)。
続いて、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する処理を行うが(ステップS9)、この処理は後述するステップS3の判別がYesである場合のために設けられている処理であり、ステップS7において、既に処理が行われているので、実際には何も処理はなされない。
次に交流磁界検出用パルスSP11及び交流磁界検出用パルスSP12の出力を停止する(ステップS10)。
続いて、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する処理を行うが(ステップS11)、この処理は後述するステップS4の判別がYesである場合のために設けられている処理であり、ステップS7において、既に処理が行われているので、実際には何も処理はなされない。
【0065】
次に通常駆動モータパルスK11の出力を停止(あるいは中断)する(ステップS12)。
続いて、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する処理を行うが(ステップS13)、この処理は後述するステップS5の判別がYesである場合のために設けられている処理であり、ステップS7において、既に処理が行われているので、実際には何も処理はなされない。
次に回転検出用パルスSP2の出力を停止する(ステップS14)。
そして補正駆動パルスP2+Prを出力する(ステップS15)。この場合において、実体的にパルスモータ10を駆動するのは補正駆動パルスP2であり、補正駆動パルスPrは、駆動後のロータの回転後の振動を抑制して安定状態に素早く移行させるためのものである。
次に補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEを出力する(ステップS16)。
【0066】
ここで、消磁パルスPEの役割について説明する。
本来は、発電機の漏れ磁束によりモータ駆動コイルに誘起電圧が発生するはずである。
しかしながら、交流磁界検出パルスに基づく交流磁界検出電圧が閾値を越えた場合には、補正駆動パルスP2+Prが印加されると、この補正駆動パルスP2+Prは実効電力が大きく、残留磁束によりモータ駆動コイルに誘起電圧が発生しなくなってしまう。
また、パルスモータの非回転時の回転検出パルスSP2による検出電圧は閾値を越えないのが正常な状態であるが、補正駆動パルスP2+Prが印加された後の残留磁束による影響で、発電機の漏れ磁束が検出電圧に重畳されて閾値を越えて、誤って回転時の検出電圧とされてしまう場合がある。
そこで、これらの影響をなくすべく、残留磁束を補正駆動パルスP2+Prと逆極性を有する消磁パルスPEを印加することにより消去するのである。
この場合において、消磁パルスPEを出力するタイミングは、外部磁界検出タイミング直前とするのがより効果的である。
また、消磁パルスPEのパルス幅はロータが回転しない程度の狭(短)パルスであり、さらなる消磁効果を上げるためには複数の間欠パルスとするのが望ましい。
【0067】
消磁パルスPEの出力終了後には、デューティダウンカウンタのカウントを再開し(ステップS17)、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する。
そして再び処理をステップS1に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0068】
[1.4.2] 交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合の処理
ステップS2の判別において、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力中には発電検出回路102による蓄電装置104を充電可能な発電が検出されなかった場合には(ステップS2;No)、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出されたか否かを判別する(ステップS3)。
ステップS3の判別において、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合には(ステップS3;Yes)、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する(ステップS9)。
【0069】
次に交流磁界検出用パルスSP11及び交流磁界検出用パルスSP12の出力を停止する(ステップS10)。
続いて、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する処理を行うが(ステップS11)、この処理は後述するステップS4の判別がYesである場合のために設けられている処理であり、ステップS9において、既に処理が行われているので、実際には何も処理はなされない。
次に通常駆動モータパルスK11の出力を停止(あるいは中断)する(ステップS12)。
続いて、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する処理を行うが(ステップS13)、この処理は後述するステップS5の判別がYesである場合のために設けられている処理であり、ステップS9において、既に処理が行われているので、実際には何も処理はなされない。
【0070】
次に回転検出用パルスSP2の出力を停止する(ステップS14)。
そして補正駆動パルスP2+Prを出力する(ステップS15)。この場合において、実体的にパルスモータ10を駆動するのは補正駆動パルスP2であり、補正駆動パルスPrは、駆動後のロータの回転後の振動を抑制して安定状態に素早く移行させるためのものである。
次に補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEを出力する(ステップS16)。
消磁パルスPEの出力終了後には、デューティダウンカウンタのカウントを再開し(ステップS17)、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する。
そして再び処理をステップS1に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0071】
[1.4.3] 通常駆動パルスK11の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合の処理
ステップS3の判別において、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出されなかった場合には(ステップS3;No)、通常駆動パルスK11の出力中に充電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出されたか否かを判別する(ステップS4)。
ステップS4の判別において、通常駆動パルスK11の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合には(ステップS4;Yes)、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する(ステップS11)。
【0072】
次に通常駆動パルスK11の出力を停止(あるいは中断)する(ステップS12)。
続いて、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する処理を行うが(ステップS13)、この処理は後述するステップS5の判別がYesである場合のために設けられている処理であり、ステップS11において、既に処理が行われているので、実際には何も処理はなされない。
次に回転検出用パルスSP2の出力を停止する(ステップS14)。
そして補正駆動パルスP2+Prを出力する(ステップS15)。
次に補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEを出力する(ステップS16)。
消磁パルスPEの出力終了後には、デューティダウンカウンタのカウントを再開し(ステップS17)、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する。
そして再び処理をステップS1に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0073】
[1.4.4] 回転検出パルスSP2の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合の処理
ステップS4の判別において、通常駆動パルスK11の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出されなかった場合には(ステップS4;No)、回転検出パルスSP2の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出されたか否かを判別する(ステップS5)。
ステップS5の判別において、回転検出パルスSP2の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合には(ステップS5;Yes)、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する(ステップS13)。
次に回転検出パルスSP2の出力を停止(あるいは中断)する(ステップS14)。
そして補正駆動パルスP2+Prを出力する(ステップS15)。
次に補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEを出力する(ステップS16)。
消磁パルスPEの出力終了後には、デューティダウンカウンタのカウントを再開し(ステップS17)、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する。
そして再び処理をステップS1に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0074】
[1.4.5] 蓄電装置104を充電可能な発電が検出されなかった場合の処理
高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力中は蓄電装置104を充電可能な発電が検出されず(ステップS2;No)、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中にも蓄電装置104を充電可能な発電が検出されず(ステップS3;No)、通常駆動パルスK11の出力中にも蓄電装置104を充電可能な発電が検出されず(ステップS4;No)、回転検出パルスSP2の出力中にも蓄電装置104を充電可能な発電が検出されなかった場合(ステップS5;No)には、次回の通常駆動パルスK11のデューティを低減することが可能な条件を満たしている場合は今回の通常駆動パルスK11のデューティよりも低減し、あるいはこれ以上デューティを低減することができない、すなわち、予め設定した最低デューティである場合はデューティ比を現状のまま維持するパルス幅制御を行う(ステップS6)。
【0075】
[1.5] 具体的動作例
次に第1実施形態の具体的動作例について図6のタイミングチャートを参照して説明する。
時刻t1において、発電機交流磁界検出タイミング信号SBが"H"レベルとなると、高周波磁界検出用パルスSP0がモータ駆動回路からパルスモータ10に出力される。
そして時刻t2において、第1の極性を有する交流磁界検出用パルスSP11がモータ駆動回路からパルスモータ10に出力される。
その後、時刻t3において、第1の極性とは逆極性の第2の極性を有する交流磁界検出用パルスSP12が出力され、時刻t4において、通常モータ駆動パルスK11の出力が開始される。そして、時刻t5において、発電部101の発電電圧が高電位側電圧VDDを上回ることとなるが、発電検出回路102の検出ディレイにより、発電検出結果信号SAはいまだ"L"レベルのままである。
その後、時刻t6になると、パルスモータ10が回転したか否かを検出すべく、回転検出パルスSP2が出力され、時刻t7において、回転検出パルスSP2の出力は終了する。
【0076】
そして、時刻t8になり、ようやく発電検出結果信号SAが"H"レベルとなる。このとき、発電機交流磁界検出タイミング信号は、検出ディレイを考慮しているので、第1実施形態の場合は時刻t7で"L"レベルとなっていたが、いまだ"H"レベルを維持しているため、発電機交流磁界検出結果信号SCも"H"レベルとなる。
この結果、時刻t9において、発電部の発電電圧が高電位側電圧VDDを再び下回っても発電検出結果信号SA及び発電機交流磁界検出結果信号SCはいまだ双方とも"H"レベルであり、時刻t10において、通常駆動パルスK11よりも実効電力の大きな実効電力を有する補正駆動パルスP2が出力され、パルスモータ10は確実に駆動されることとなる。
その後、時刻t11になると、駆動後のロータの回転後の振動を抑制して安定状態に素早く移行させるための補正駆動パルスPrを出力する。
時刻t12になると、発電検出結果信号SAは時刻t9から検出ディレイ分遅れてようやく"L"レベルとなる。
さらに時刻t13になると、補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEが出力される。
この時刻t13も次の外部磁界検出タイミング(次の高周波磁界検出パルスSP0の出力タイミング)の直前とされている。
このときに出力される消磁パルスPEのパルス幅はロータが回転しない程度の狭(短)パルスであり、さらなる消磁効果を上げるべく、複数(図8は、3パルス)の間欠パルスとしている。
【0077】
そして、時刻t14になると、消磁パルスPEの出力は終了する。この消磁パルスPEの出力終了と同時に検出結果リセット信号FEGLが"H"レベルとなり、発電機交流磁界検出回路106、高周波磁界検出回路110、交流磁界検出回路111および回転検出回路112の各検出結果がリセットされ、発電機交流磁界検出結果信号SCが"L"レベルとなる。
以上の説明のように、発電検出回路102において検出ディレイが存在しても、パルスモータ10を確実に駆動しつつ、不要な消費電力の増加を招かないようにされている。
【0078】
[1.6] 第1実施形態の効果
以上の説明のように、本実施形態によれば、発電検出回路102に検出ディレイが存在する場合であっても、必ず補正駆動パルスが出力される条件が満たされた場合、すなわち、高周波磁界検出パルスSP0の出力中、交流磁界検出パルスSP11、SP12の出力中、通常駆動パルスK11の出力中あるいは回転検出パルスSP2の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合には、出力中のパルスを中断し、当該パルスの出力以降に出力する予定のパルスの出力を停止することとなるので、補正駆動パルスによりモータコイルの確実な回転が保証されるとともに、モータコイルの確実な回転が保証されていれば出力される必要のない各種パルスSP0、SP11、SP12、K11、SP2を出力する必要がなくなりそれらのパルスを出力するための電力を低減することが可能となる。
また、発電検出回路102は、二次電池の充電経路とは別個の経路を介して充電の有無を検出しているため、発電検出処理と実際の充電処理とを並行して行うことが出き、発電検出処理に伴う充電効率を低下させることがない。
【0079】
[1.7] 第1実施形態の変形例
上記説明においては、高周波磁界検出時、交流磁界検出時、非回転検出時において出力される補正駆動パルスと、高周波磁界検出パルス出力中、交流磁界検出パルス出力中、通常駆動パルス出力中あるいは回転検出パルス出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出した場合に出力される補正駆動パルスと、は同一のものとして説明したが、出力タイミングを異ならせたり、実効電力を後者の補正駆動パルスの方を大きくしたりするように構成することも可能である。
【0080】
[2] 第2実施形態
本第2実施形態は、発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出している状態においては、パルスモータの回転検出結果が回転に相当するものであった場合でも当該回転検出結果が充電の影響により誤っているかもしれない点を考慮し、フェイルセーフの考え方に基づいて補正駆動パルスを出力する場合の実施形態である。
【0081】
[2.1] 制御系の機能構成
[2.1.1] 制御系の概要機能構成
次に図7を参照して第2実施形態の制御系の概要機能構成について説明する。
図7において、符号A〜Eは、図1に示した発電部A、電源部B、制御部C、運針機構Dおよび駆動部Eにそれぞれ対応している。
計時装置1は、交流発電を行う発電部101と、発電部101の発電電圧SKに基づいて発電検出を行い発電検出結果信号SAを出力する発電検出回路102と、発電部101から出力される交流電流を整流して直流電流に変換する整流回路103と、整流回路103から出力される直流電流により蓄電する蓄電装置104と、蓄電装置104の蓄電電圧を昇降圧してその電圧を出力する昇降圧回路113と、昇降圧回路113から出力される蓄電装置104の蓄電電圧を昇降圧した電圧により動作し、計時制御を行うべく通常モータ駆動パルスSIを出力し、発電機交流磁界検出の検出タイミングを指示するための発電機交流磁界検出タイミング信号SBを出力し、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力タイミングを表す高周波磁界検出タイミング信号SSP0を出力し、交流磁界検出用パルス信号SP11、SP12の出力タイミングを表す交流磁界検出タイミング信号SSP12を出力し、回転検出用パルス信号SP2の出力タイミングを表す回転検出タイミング信号SSP2を出力する計時制御回路105と、発電検出結果信号SA及び発電交流磁界検出タイミング信号SBに基づいて発電機交流磁界検出を行い、発電機交流磁界検出結果信号SCを出力する発電機交流磁界検出回路106と、発電機交流磁界検出結果信号SCに基づいて通常モータ駆動パルスのデューティダウンを制御するための通常モータ駆動パルスデューティダウン信号SHを出力するデューティダウン用カウンタ107と、発電機交流磁界検出結果信号SC、高周波磁界検出結果信号SE、交流磁界検出結果信号SFおよび回転検出結果信号SGに基づいて補正駆動パルスSJ(=補正駆動パルスP2+Prまたは補正駆動パルスP3+Pr')を出力するか否かを判別し、必要に応じて補正駆動パルスSJを出力する補正駆動パルス出力判断回路108と、通常モータ駆動パルスSIあるいは補正駆動パルスSJに基づいてパルスモータ10を駆動するためのモータ駆動パルスSLを出力するモータ駆動回路109と、高周波磁界検出タイミング信号SSP0及びモータ駆動回路109から出力される誘起電圧信号SDに基づいて高周波磁界を検出して高周波磁界検出結果信号SEを出力する高周波磁界検出回路110と、磁界検出タイミング信号SSP12及びモータ駆動回路109から出力される誘起電圧信号SDに基づいて交流磁界を検出し交流磁界検出結果信号SFを出力する交流磁界検出回路111と、回転検出タイミング信号SSP2及びモータ駆動回路109から出力される誘起電圧信号SDに基づいてモータ10が回転したか否かを検出し、回転検出結果信号SGを出力する回転検出回路112と、を備えて構成されている。
【0082】
[2.1.2] 制御系の詳細機能構成
次に制御系の詳細機能構成について説明するが、図8において、図4の第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図4の第1実施形態と異なる点は、補正駆動パルス出力判断回路108において、補正駆動パルスP2+Prあるいは補正駆動パルスP3+Pr'のいずれを出力するかを判定している点および高周波磁界検出回路110および交流磁界検出回路111に発電機交流磁界検出結果信号SCが入力されなくなった点である。
従って、以下においては、補正駆動パルス出力判断回路、高周波磁界検出回路110および交流磁界検出回路111の構成及び動作についてのみ説明する。
図8を参照して補正駆動パルス出力判断回路108の構成および動作について説明する。
補正駆動パルス出力判断回路108は、一方の入力端子に高周波磁界検出結果信号SEおよび交流磁界検出結果信号SFが入力され、他方の入力端子に回転検出結果信号SGの反転信号が入力されるOR回路108Aと、一方の入力端子に補正駆動パルスP2+Prが入力され、他方の入力端子にOR回路108Aの出力信号が入力され、両入力信号の論理積をとって補正駆動パルスSJをモータ駆動回路109に出力するAND回路108Bと、第1の入力端子に補正駆動パルスP3+Pr'が入力され、第2の入力端子に回転検出結果信号SGが入力され、第3の入力端子に発電機交流磁界検出結果信号SCが入力され、全入力端子の論理積をとって出力するAND回路108Cと、一方の入力端子にAND回路108Cの出力信号が入力され、他方の入力端子にAND回路108Bの出力信号が入力され、両入力信号の論理和をとって補正駆動パルスSJとして出力するOR回路108Dと、を備えて構成されている。
【0083】
次に補正駆動パルス出力判断回路108の動作について説明する。
OR回路108Aは、高周波磁界が検出された場合に"H"レベルの高周波磁界検出結果信号SEが入力され、あるいは、交流磁界が検出された場合に"H"レベルの交流磁界検出結果信号SFが入力された場合、並びに、パルスモータ10の回転が検出されず"L"レベルの回転検出結果信号SGが入力された場合に、"H"レベルの出力信号をAND回路108Bに出力する。
AND回路108Bは、補正駆動パルスP2+Prが入力され、かつ、OR回路108Aから"H"レベルの出力信号が入力された場合に補正駆動パルスP2+PrをOR回路108Dに出力することとなる。
一方、AND回路108Cは、発電機交流磁界が検出されることにより"H"レベルの発電機交流磁界検出結果信号SCが入力され、パルスモータ10の回転が検出された場合に相当する"H"レベルの回転検出結果信号SGが入力され、かつ、補正駆動パルスP3+Pr'が入力された場合に補正駆動パルスP3+Pr'をOR回路108Dに出力することとなる。
この場合において、補正駆動パルスP2+Prおよび補正駆動パルスP3+Pr'は出力される場合であっても、いずれか一方のみが出力されるので、OR回路108Dは、必要に応じて補正駆動パルスP2+Prあるいは補正駆動パルスP3+Pr'をモータ駆動回路109に出力することとなる。
【0084】
すなわち、高周波磁界/交流磁界が検出され、あるいは、パルスモータ10が非回転の場合には、補正駆動パルスP2+Prが補正駆動パルスSJとしてモータ駆動回路109に出力され、発電機交流磁界が検出され、かつ、パルスモータ10の回転が検出された場合に補正駆動パルスP3+Pr'が補正駆動パルスSJとしてモータ駆動回路109に出力されることとなる。
次に図8を参照して高周波磁界検出回路110および交流磁界検出回路111の構成および動作について説明する。
高周波磁界検出回路110および交流磁界検出回路111は、第1実施形態と同様に同一回路で実現されており、高周波磁界検出回路110(および交流磁界検出回路111)は、入力端子にパルスモータ10の一方の入力端子が接続され、入力信号を反転して出力する第1磁界検出用インバータ110Aと、入力端子にパルスモータ10の他方の入力端子が接続され、入力信号を反転して出力する第2磁界検出用インバータ110Bと、一方の入力端子に第1磁界検出用インバータの出力信号が入力され、他方の入力端子に第2磁界検出用インバータの出力信号が入力され、両入力信号の論理和をとって出力するOR回路110Cと、一方の入力端子に後述の高周波/交流磁界検出タイミング信号SSP012が入力され、他方の入力端子にOR回路110Cの出力信号が入力され、両入力信号の論理積をとって出力するAND回路110Dと、セット端子SにAND回路110Dの出力信号が入力され、リセット端子Rに計時制御回路105が出力した検出結果リセット信号FEGLが入力され、高周波磁界検出結果信号SE(あるいは交流磁界検出結果信号SF)を出力するラッチ回路110Gと、一方の入力端子に高周波磁界検出タイミング信号SSP0が入力され、他方の入力端子に交流磁界検出タイミング信号SSP12が入力され、両入力信号の論理和をとって高周波/交流磁界検出タイミング信号SSP012として出力するOR回路110Hと、を備えて構成されている。
【0085】
次に高周波磁界検出回路110を例として動作を説明するが、交流磁界検出回路111の動作については、検出タイミングおよび検出対象が異なるだけで他は同様である。
第1磁界検出用インバータ110Aは、パルスモータ10の一方の入力端子の電圧レベルが"L"レベルとなると、"H"レベルの出力信号をOR回路110Cに出力する。
同様に第2磁界検出用インバータ110Bは、パルスモータ10の他方の入力端子の電圧レベルが"L"レベルとなると、"H"レベルの出力信号をOR回路110Cに出力する。
この結果、OR回路110Cは、パルスモータ10のいずれかの入力端子の電圧レベルが"L"レベルとなるタイミングで"H"レベルの出力信号をAND回路110Dに出力する。
また、OR回路110Hは、高周波磁界検出タイミングには、"H"レベルの高周波磁界検出タイミング信号SSP0が入力され、交流磁界検出タイミングには、"H"レベルの交流磁界検出タイミング信号SSP12が入力される。従って、OR回路110Hは、高周波磁界検出タイミングあるいは交流磁界検出タイミングにおいて、"H"レベルの高周波/交流磁界検出タイミング信号SSP012をAND回路110Dに出力する。
【0086】
AND回路110Dは、高周波/交流磁界検出タイミング信号SSP012が"H"レベルとなり、かつ、OR回路110Cの出力信号が"H"レベルの場合に、すなわち、高周波磁界検出タイミング(あるいは交流磁界検出タイミング)において、パルスモータ10周辺に高周波磁界(あるいは交流磁界)が発生した場合に、高周波磁界(あるいは交流磁界)を検出した場合に相当する"H"レベルの出力信号をラッチ回路110Gのセット端子に出力する。
この結果、ラッチ回路110Gの出力端子Qは、パルスモータ10周辺の高周波磁界(あるいは交流磁界)を検出してから、次の検出結果リセット信号FEGLが"H"レベルとなって検出結果がリセットされるまで、"H"レベルの高周波磁界検出結果信号SE(あるいは交流磁界検出結果信号SFを出力することとなる。
【0087】
[2.2] 動作説明
次に図9の処理フローチャートを参照して計時装置1の動作を説明する。
まず、計時装置1のリセットタイミングあるいは前回の駆動パルス出力から1秒経過したか否かを判別する(ステップS11)。
ステップS11の判別において、1秒が経過していない場合には、駆動パルスを出力すべきタイミングではないので、待機状態となる。
ステップS11の判別において、1秒が経過した場合には、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力中に高周波磁界が検出されたか否かを判別する(ステップS12)。
【0088】
[2.2.1] 高周波磁界検出用パルスSP0の出力中に高周波磁界が検出された場合の処理
ステップS12の判別において、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力中に高周波磁界が検出された場合には(ステップS12;Yes)、高周波磁界検出用パルスSP0の出力を停止する(ステップS23)。
続いて、交流磁界検出用パルスSP11及び交流磁界検出用パルスSP12の出力を停止し(ステップS24)、通常駆動モータパルスK11の出力を停止し(ステップS25)、回転検出用パルスSP2の出力を停止する(ステップS26)。
【0089】
次に補正駆動パルスP2+Prを出力する(ステップS27)。この場合において、実体的にパルスモータ10を駆動するのは補正駆動パルスP2であり、補正駆動パルスPrは、駆動後のロータの回転後の振動を抑制して安定状態に素早く移行させるためのものである。
そして補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEを出力する(ステップS28)。
続いて、パルス幅制御処理において、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する(ステップS29)。
そして再び処理をステップS11に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0090】
[2.2.2] 高周波磁界が検出されず、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に交流磁界が検出された場合の処理
ステップS12の判別において、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力中には高周波磁界が検出されなかった場合には(ステップS12;No)、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に交流磁界が検出されたか否かを判別する(ステップS13)。
ステップS13の判別において、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に交流磁界が検出された場合には(ステップS13;Yes)、交流磁界検出用パルスSP11及び交流磁界検出用パルスSP12の出力を停止し(ステップS24)、通常駆動モータパルスK11の出力を停止し(ステップS25)、回転検出用パルスSP2の出力を停止する(ステップS26)。 次に補正駆動パルスP2+Prを出力する(ステップS27)。
そして補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEを出力する(ステップS28)。
続いて、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する(ステップS29)。
そして再び処理をステップS11に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0091】
[2.2.3] 交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に交流磁界が検出されなかった場合の処理
ステップS13の判別において、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に交流磁界が検出されなかった場合には(ステップS13;No)、通常駆動パルスK11を出力する(ステップS14)。
そして、パルスモータの回転が検出されたか否かを判別する(ステップS15)。
【0092】
[2.2.4] 回転非検出時の動作
ステップS15の判別において、パルスモータの回転が検出されなかった場合には、パルスモータが回転していないことは確実であるので、補正駆動パルスP2+Prを出力する(ステップS27)。
そして補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEを出力する(ステップS28)。
続いて、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する(ステップS29)。
そして再び処理をステップS11に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0093】
[2.2.5] 回転検出時の動作
ステップS15の判別において、パルスモータの回転が検出された場合には、本当にパルスモータが回転しているのか、充電に伴う誤検出であるのか判別できないため、フェイルセーフの考え方に基づいて、パルスモータは回転していないものとみなし、回転検出用パルスSP2の出力を停止する(ステップS16)。
続いて発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出されているか否かを判別する(ステップS17)。
【0094】
[2.2.5.1] 発電検出時の動作
ステップS17の判別において、発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合には(ステップS17;Yes)、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する(ステップS19)。
次に上述した補正駆動パルスP2+Prよりも実効電力の大きな補正駆動パルスP3+Pr'を補正駆動パルスP2+Prの出力タイミングとは異なる予め定めたタイミングで出力する(ステップS20)。
次に補正駆動パルスP3+Pr'の印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP3+Pr'の極性とは逆極性の消磁パルスPE'を出力する(ステップS21)。
消磁パルスPE'の出力終了後には、デューティダウンカウンタのカウントを再開し(ステップS22)、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Pr及び補正駆動パルスP3+Pr'が出力されないように設定する。
そして再び処理をステップS11に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0095】
[2.2.5.2] 発電非検出時の動作
ステップS17の判別において、発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出されなかった場合には(ステップS17;No)、パルス幅制御処理において、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する(ステップS18)。
そして再び処理をステップS11に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0096】
[2.3] 具体的動作例
次に第2実施形態の具体的動作例について図10のタイミングチャートを参照して説明する。
時刻t1において、高周波磁界検出用パルスSP0がモータ駆動回路からパルスモータ10に出力される。
そして時刻t2において、第1の極性を有する交流磁界検出用パルスSP11がモータ駆動回路からパルスモータ10に出力される。
その後、時刻t3において、第1の極性とは逆極性の第2の極性を有する交流磁界検出用パルスSP12が出力され、時刻t4において、通常モータ駆動パルスK11が出力が開始される。
一方、時刻t5において、発電部の発電電圧が高電位側電圧VDDを上回るが、図7に示したような発電検出回路102の検出ディレイにより、発電検出結果信号SAはいまだ"L"レベルのままとなる。
また、時刻t6において発電機交流磁界検出タイミング信号SBは"H"レベルとなる。
【0097】
その後、時刻t7において、回転検出用パルスSP2が出力され、その結果、時刻t8において、パルスモータの回転が検出されたとして回転検出結果信号SGが"H"レベルとなるが、この時点においては、検出ディレイにより発電検出結果信号SAはいまだ"L"レベルであるため、この時点では、補正駆動パルスSJは出力されないこととなる。
そして時刻時刻t9においては、回転検出パルスSP2の出力が完了し、時刻t10において発電検出結果信号SAが"H"レベルとなるが、この時点で回転検出結果信号SGが"H"レベルであるため、時刻t11で出力する補正駆動パルスP2、時刻t12で出力する補正駆動パルスPr、時刻t14で出力する消磁パルスPEに代えて、時刻t16に補正駆動パルスP2よりも実効電力が大きな補正駆動パルスP3、時刻t17に補正駆動パルスPr'を出力し、その後、時刻t18に消磁パルスPEよりも実効電力が大きな消磁パルスPE'を出力することとなる。
なお、補正駆動パルスP2+Prが出力された場合の時刻t15には検出結果リセット信号FEGLが出力され、あるいは補正駆動パルスP3+Pr'が出力された場合の時刻t18の直後においては、検出結果リセット信号FEGL'が出力され、発電機交流磁界検出結果、高周波磁界検出結果、交流磁界検出結果及び回転検出結果はリセットされることとなる。
【0098】
[2.4] 第2実施形態の効果
以上の説明のように本第2実施形態によれば、モータ駆動が異常となる場合にのみ、補正駆動パルスを出力する、すなわち、発電検出回路102が蓄電装置104を充電可能な発電を検出しており、パルスモータの回転検出結果が回転に相当するものであった場合には、補正駆動パルスを出力するので、補正駆動パルスによりモータコイルの確実な回
転が保証されるとともに、不必要に補正駆動パルスが出力されることがなくなり、電力消費を低減することができる。
また、発電検出回路102は、二次電池の充電経路とは別個の経路を介して充電の有無を検出しているため、発電検出処理と実際の充電処理とを並行して行うことが出き、発電検出処理に伴う充電効率を低下させることがない。
【0099】
[2.5] 第2実施形態の変形例
上記説明においては、高周波磁界検出時、交流磁界検出時、非回転検出時において出力される補正駆動パルス(P2)に対し、回転検出パルスにより回転検出状態となり、かつ、回転検出パルス出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電が検出された場合に出力される補正駆動パルス(P3)は、実効電力が大きく、出力タイミングも異なるものとして説明したが、実効電力を異ならせ、出力タイミングを同一としたり、出力タイミングを異ならせ、実効電力を同一としたりするように構成することも可能である。
【0100】
[3] 第3実施形態
本第3実施形態は、第1実施形態においては発電検出回路102が発電電圧に基づいて発電検出行っていたのに対し、発電電流を検出して発電検出を行う場合の実施形態である。
図11に、第3実施形態の電子機器である計時装置1の概略構成を示す。
第3実施形態において、第1実施形態と異なる点は、発電部Aの発電電圧SKの電圧/電流変換を行うための電流電圧変換部300および蓄電装置(大容量コンデンサ)104の蓄電電圧が所定の許容電圧を超過した場合に、過充電防止制御信号SLIMに基づいて発電部Aを短絡して、過充電を防止するためのリミッタトランジスタ310を設けた点である。
【0101】
[3.1] 発電検出回路の構成
まず、図12を参照して、発電検出回路102Aの構成について説明する。図12において、図1と同一の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
発電検出回路102Aは、発電部Aの発電電圧Skの電圧/電流変換を行うための電流電圧変換部300と、発電電圧SKの振幅が所定電圧を上回ると"H"レベルとなり、これを下回ると"L"レベルになる電圧検出信号Svを生成する第1検出回路301と、発電継続時間が所定時間を越えると"H"レベルとなり、これを下回ると"L"レベルになる発電継続時間検出信号Stを生成する第2検出回路302と、電圧検出信号Svと発電継続時間検出信号Stとの論理和をとって発電検出結果信号SAとして出力するOR回路303と、を備えて構成されている。
【0102】
この場合において、電流電圧変換部300は、整流回路103と発電部Aとの間に直列に接続された電流検出抵抗Rと、電流検出抵抗Rの両端子の電位差を検出し、発電電圧SKとして出力するオペアンプOPと、充電損失を低減すべく検出タイミング信号SWにより電流非検出時に電流検出抵抗Rを実効的に切り離すためのMOSトランジスタTRSWと、を備えて構成されている。
ここで、オペアンプOPの詳細構成について説明する。
オペアンプOPは、図13に示すように、一対の負荷トランジスタ211、212と、一対の入力トランジスタ群213、214と、出力トランジスタ215と、定電流源216、217と、インバータ218と、を備えて構成される。このうち、負荷トランジスタ211、212および出力トランジスタ215はNチャネル電界効果型により構成されているが、入力トランジスタ群213、214はPチャネル電界効果型のトランジスタにより構成されている。
そして、入力トランジスタ群213、214の各ゲートが、それぞれオペアンプOPの負入力端(−)、正入力端(+)となる一方、出力トランジスタ215のドレインがインバータ218を介して出力端OUTとなっている。
【0103】
この場合において、トランジスタ群213は、同一サイズ、同一能力の二つのトランジスタ213A、213Bが並列接続された構成となっており、トランジスタ群214は、同一サイズ、同一能力のトランジスタ214A、214B、214Cが並列接続された構成となっている。
このような構成とすることにより、正入力端(+)側の方が差動対トランジスタの能力が高くなり、負入力端(−)側の端子電圧を正入力端(+)側の電圧よりも低くしないとトランジスタ213A、213Bはオン状態とならず、オペアンプOP出力が反転することはない。
オペアンプOPにおける検出動作としては、例えば、正入力端(+)側を基準として、正入力端(+)側に高電位側電圧VC1を印加した場合、負入力端(−)側に電圧VC1よりも電圧αだけ低位の電圧VC1−α以下の電圧VC2を印加した場合にのみ、オペアンプOPの出力は反転して"H"レベルを出力することとなる。
【0104】
このような構成において、負荷トランジスタ211、212は、カレントミラー回路となるので、その負荷トランジスタ211、212に流入する各電流値は互いに等しい。したがって、入力トランジスタ群213、214のゲートに印加される電圧差が増幅され、その差に相当する電流差が現れるが、これを途中で受けるトランジスタ211、212は同じ電流値しか受容しないので、その差電流(電圧)は、次第に大きく増幅されてトランジスタ215のゲートに流入することとなる。
この結果、インバータ218の入力端たるトランジスタ215のドレイン電圧は、正入力端(+)たるトランジスタ群214のゲート電流(電圧)が負入力端(−)たるトランジスタ群213のゲート電流(電圧)を少しでも越えると、低位側電圧Vssに大きく振られる一方、そうでなければ、反対に高電位側電圧Vddに大きく振られることとなる。
このようなオペアンプOPによれば、トランジスタ211、212を能動負荷として用いているので、定電流源216、217以外に抵抗を1個も用いないで済む。このため、集積化する場合に極めて有利となる。
【0105】
また、図12においては、蓄電装置104の蓄電電圧が所定の許容電圧を超過した場合に、過充電防止制御信号SLIMに基づいて発電部Aを短絡して、過充電を防止するためのリミッタトランジスタ310も記載している。
この場合において、検出タイミング信号SWは、発電機交流磁界検出タイミング信号SBと同一あるいは発電機交流磁界検出タイミング信号SBに同期した信号であり、図2における計時制御回路105(図11における制御部C相当)から出力され、発電検出回路102Aにおいて、発電検出を行う際に、MOSトランジスタTRSWを発電機交流磁界検出タイミングと同一のタイミングでオフさせるものである。また、過充電防止制御信号SLIMは、図2における計時制御回路105(図11における制御部C相当)から出力され、蓄電装置104の蓄電電圧を検出し、検出した蓄電電圧が予め設定した許容電圧を超えた場合に、リミッタトランジスタ310をオンするように出力される。
【0106】
[3.2] 発電検出回路の動作
次に図12を参照して発電検出回路102Aの動作についてリミッタトランジスタ310の動作をからめて説明する。
[3.2.1] 蓄電装置104の蓄電電圧が所定の許容電圧未満であって、電流検出を行う場合
この場合には、過充電防止制御信号SLIMは"H"レベルであり、リミッタトランジスタ310は、オフ状態となっており、検出タイミング信号SWは"L"レベルであり、MOSトランジスタTRSWはオフ状態となっている。
この結果、発電部Aにおいて発電がなされると、蓄電装置104および整流回路103を介して電流検出抵抗Rに発電電流が流れる。
これにより、発電電流の電流量に応じた電圧差が電流検出抵抗Rの両端子間には生じるので、オペアンプOPは、当該電圧差に応じた発電電圧SKを第1検出回路301および第2検出回路302に出力する。
【0107】
第1検出回路301は、発電電圧SKの振幅が所定電圧を上回ると"H"レベルとなり、これを下回ると"L"レベルになる電圧検出信号Svを生成し、OR回路303に出力する。
また、第2検出回路302は、発電継続時間が所定時間を越えると"H"レベルとなり、これを下回ると"L"レベルになる発電継続時間検出信号Stを生成し、OR回路303に出力する。
これらにより、OR回路303は、電圧検出信号Svと発電継続時間検出信号Stとの論理和をとって発電検出結果信号SAとして出力することとなる。
すなわち、発電検出回路102Aは、発電電流に基づいて、上述したように第1検出回路301あるいは第2検出回路302に設定されているいずれか一方の条件が満足すると、発電状態、すなわち、発電に伴う磁界が発生している可能性がある状態に相当する発電検出結果信号SAを出力することとなる。
【0108】
[3.2.2] 蓄電装置104の蓄電電圧が所定の許容電圧以上であって、電流検出を行う場合
この場合には、過充電防止制御信号SLIMは"L"レベルであり、リミッタトランジスタ310は、オン状態となっており、検出タイミング信号SWは"L"レベルであり、MOSトランジスタTRSWはオフ状態となっている。
この結果、発電部Aにおいて発電がなされると、リミッタトランジスタ310を介して電流検出抵抗Rに発電電流が流れる。
これにより、発電電流の電流量に応じた電圧差が電流検出抵抗Rの両端子間には生じるので、オペアンプOPは、当該電圧差に応じた発電電圧SKを第1検出回路301および第2検出回路302に出力する。
第1検出回路301は、発電電圧SKの振幅が所定電圧を上回ると"H"レベルとなり、これを下回ると"L"レベルになる電圧検出信号Svを生成し、OR回路303に出力する。
【0109】
また、第2検出回路302は、発電継続時間が所定時間を越えると"H"レベルとなり、これを下回ると"L"レベルになる発電継続時間検出信号Stを生成し、OR回路303に出力する。
これらにより、OR回路303は、電圧検出信号Svと発電継続時間検出信号Stとの論理和をとって発電検出結果信号SAとして出力することとなる。
すなわち、発電検出回路102Aは、発電に伴う電流に基づいて、上述したように第1検出回路301あるいは第2検出回路302に設定されているいずれか一方の条件が満足すると、発電状態、すなわち、発電に伴う磁界が発生している可能性がある状態に相当する発電検出結果信号SAを出力することとなる。
従って、通常動作時と同様に、蓄電装置104の蓄電電圧が所定の許容電圧以上の場合、すなわち、過充電防止動作時においても発電検出結果信号SAに基づいて発電部101の発電状態に応じてモータの補正駆動を行うことができる。
【0110】
[3.2.3] 電流検出を行わない場合
この場合には、検出タイミング信号SWは"H"レベルであり、MOSトランジスタTRSWはオン状態となっている。
これにより電流検出抵抗Rは短絡されて、電流検出抵抗Rは充電経路から実効的に切り離される。
この結果、電流検出抵抗Rの両端子間には、電位差が発生せず、電流検出は行われないこととなる。
【0111】
[3.3] 第3実施形態の効果
以上の説明のように、本第3実施形態によれば、発電電流により大容量コンデンサ(蓄電装置)の充電状態あるいは発電部の発電状態を検出することができ、発電部の発電に伴う電流に起因して発生する磁界の影響を受けることなく、モータ駆動制御を行うことができる。
さらに過充電防止状態においても、モータの補正駆動を確実に行うことができる。
さらに発電機交流磁界検出タイミング以外では、電流検出抵抗Rはバイパスされるため、蓄電装置への充電効率を低下させることはない。また、発電機交流磁界検出タイミングにおいても、電流検出抵抗Rを介して蓄電装置へ充電することが可能であり、この点においても必要以上に実質的な充電効率を低下させることはない。このときの電流検出抵抗Rを介しての充電は、予め定めた所定期間においてのみであるため、充電効率の低下への影響はほとんどない。
【0112】
[4] 第4実施形態
前述した第3実施形態においては、過充電防止回路と整流回路とを別個のものとして構成していたが、本第4実施形態は、これらを一体の回路構成とした整流/過充電防止回路を設けた実施形態である。本第4実施形態においては、発電検出回路としては、第1実施形態の発電検出回路102と同一の構成としている。
【0113】
[4.1] 整流/過充電防止回路周辺の構成
図14に整流/過充電防止回路および発電検出回路の周辺の回路構成例を示す。
図14においては、発電部101から出力される交流電流を整流して直流電流に変換するとともに、過充電を防止するための整流/過充電防止回路103Aと、整流/過充電防止回路103Aの周辺回路として、交流発電を行う発電部101と、発電検出回路102と、整流/過充電防止回路103Aから出力される直流電流により蓄電する蓄電装置104と、を図示している。なお、図14において、図3と同様の部分には同一の符号を付す。
整流/過充電防止回路103Aは、発電部101の一方の出力端子AG1の電圧を基準電圧Vddと比較することにより第1トランジスタQ1のオン/オフ制御を行って能動整流を行わせるための第1コンパレータCOMP1と、発電部101の他方の出力端子AG2の電圧を基準電圧Vddと比較することにより第2トランジスタQ2を第1トランジスタと交互にオン/オフすることにより能動整流を行わせるための第2コンパレータCOMP2と、発電部101の出力端子AG1の電圧を基準電圧VTKNと比較することにより第3トランジスタQ3を第2トランジスタQ2と同様のタイミングでオン/オフすることにより能動整流を行わせるための第3コンパレータCOMP3と、発電部101の出力端子AG2の電圧を基準電圧VTKNと比較することにより第4トランジスタQ4を第1トランジスタQ1と同様のタイミングでオン/オフすることにより能動整流を行わせるための第4コンパレータCOMP4と、第1コンパレータCOMP1の出力が一方の入力端子に入力され、他方の入力端子に過充電防止制御信号SLIMの反転信号が入力される第1AND回路AND1と、第2コンパレータCOMP2の出力が一方の入力端子に入力され、他方の入力端子に過充電防止制御信号SLIMの反転信号が入力される第2AND回路AND2と、を備えて構成されている。
【0114】
この場合において、発電部101が非発電状態にある場合には出力端子AG1、AG2の電位はプルアップ抵抗により基準電圧Vddとなっており、安定化されている。
発電検出回路102は、第2実施形態と同様に、第1コンパレータCOMP1及び第2コンパレータCOMP2の出力の論理積の否定をとって出力するNAND回路201と、NAND回路201の出力をR−C積分回路を用いて平滑化して発電検出結果信号SAとして出力する平滑化回路202と、を備えて構成されている。
この場合において、過充電防止制御信号SLIMは、図2における計時制御回路105(図1における制御部C相当)から出力され、蓄電装置104の蓄電電圧を検出し、検出した蓄電電圧が予め設定した許容電圧を超えた場合に、第1AND回路AND1および第2AND回路AND2に"H"レベルの過充電防止制御信号SLIMが出力される。
【0115】
[4.2] 第4実施形態の動作
次に、動作について説明する。
[4.2.1] 通常時
まず、過充電防止制御信号SLIMが"L"レベルである通常時の動作を説明する。 発電部101が発電を開始すると、発電電圧が両出力端子AG1、AG2に給電される。この場合、出力端子AG1端子電圧V1と出力端子AG2の端子電圧V2は、位相が反転している。
端子電圧V2が下降し、電源VTKN未満となると、第4コンパレータCOMP4の出力は"H"レベルとなり、第4トランジスタQ4がオンすることとなる。
これと並行して、端子電圧V1が上昇し、電源VDDの電圧を越えると、第1コンパレータCOMP1の出力は"L"レベルとなる。
このとき、過充電防止制御信号SLIMは"L"レベルであるので、第1AND回路AND1の両入力端子は"L"レベルとなり、第1トランジスタQ1がオンすることとなる。
一方、端子電圧V1は上昇しているので、電源VTKN以上となると、第3コンパレータCOMP3の出力は"L"レベルとなり、第3トランジスタQ3はオフすることとなる。
【0116】
これと並行して、端子電圧V2は下降しているので、電源VDDの電圧未満となって、第2コンパレータCOMP2の出力は"H"レベルとなる。
このとき、過充電防止制御信号SLIMは"L"レベルであるので、第2AND回路AND2の入力端子の一方は"L"レベル、他方は"H"レベルとなり、第22トランジスタQ2はオフすることとなる。
したがって、第1トランジスタQ1および第4トランジスタQ4がオン状態となる期間において、「端子AG1→第1トランジスタQ1→電源VDD→蓄電装置104→電源VTKN→第4トランジスタQ4」の経路で発電電流が流れ、蓄電装置104に電荷が充電される。
同様にして、端子電圧V1が下降し、電源VTKN未満となると、第3コンパレータCOMP3の出力は"H"レベルとなり、第3トランジスタQ3がオンすることとなる。
これと並行して、端子電圧V2が上昇し、電源VDDの電圧を越えると、第2コンパレータCOMP2の出力は"L"レベルとなる。
このとき、過充電防止制御信号SLIMは"L"レベルであるので、第2AND回路AND2の両入力端子は"L"レベルとなり、第2トランジスタQ2がオンすることとなる。
【0117】
一方、端子電圧V2は上昇しているので、電源VTKN以上となると、第4コンパレータCOMP4の出力は"L"レベルとなり、第4トランジスタQ4はオフすることとなる。
これと並行して、端子電圧V1は下降しているので、電源VDDの電圧未満となって、第1コンパレータCOMP1の出力は"H"レベルとなる。
このとき、過充電防止制御信号SLIMは"L"レベルであるので、第1AND回路AND1の入力端子の一方は"L"レベル、他方は"H"レベルとなり、第1トランジスタQ1はオフすることとなる。
したがって、第2トランジスタQ2および第3トランジスタQ3がオン状態となる期間において、「端子AG2→第2トランジスタQ2→電源VDD→蓄電装置104→電源VTKN→第3トランジスタQ3」の経路で発電電流が流れ、蓄電装置104に電荷が充電される。
上述したように、本第5実施形態においても、第2実施形態と同様に、発電電流が流れる際には、第1コンパレータCOMP1あるいは第2コンパレータCOMP2の出力はいずれかが"L"レベルとなっている。
そこで、発電検出回路102のNAND回路201は、第1コンパレータCOMP1及び第2コンパレータCOMP2の出力の論理積の否定をとることにより、発電電流が流れている状態で"H"レベルの信号を平滑化回路202に出力することとなる。
【0118】
この場合において、NAND回路201の出力はスイッチングノイズを含むこととなるので、平滑回路202は、NAND回路201の出力をR−C積分回路を用いて平滑化して発電検出結果信号SAとして出力するのである。
ところで、このような発電検出回路102は、構造上、検出信号は検出ディレイを含んでいるため、これを考慮しなければ、検出漏れに伴ってモータが正常に回転しないこととなる。
そこで、本第4実施形態においても、検出ディレイを考慮して、モータを正常に回転させる必要がある。
他の具体的な動作については、第1実施形態と同様である。
【0119】
[4.2.2] 過充電防止動作時
次に過充電防止制御信号SLIMが"H"レベルである過充電防止動作時の動作を説明する。
この場合においては、第1AND回路AND1および第2AND回路AND2の一方の入力端子は、常に"H"レベルとなり、第1AND回路AND1および第2AND回路AND2の出力は、常に"L"レベルとなる。
この結果、トランジスタQ1およびトランジスタQ2は、常にオン状態となり、発電部101は、両出力端子AG1,AG2がプルアップされて、蓄電装置104は、非充電状態となる。
【0120】
このとき、発電電流の電流量に応じた電圧差がトランジスタQ1およびトランジスタQ2のドレイン−ソース間に発生し、第1コンパレータCOMP1あるいは第2コンパレータCOMP2の出力はいずれかが"L"レベルとなっている。
そこで、発電検出回路102のNAND回路201は、第1コンパレータCOMP1及び第2コンパレータCOMP2の出力の論理積の否定をとることにより、発電電流が流れている状態で"H"レベルの信号を平滑化回路202に出力することとなる。
この場合においても、NAND回路201の出力はスイッチングノイズを含むこととなるので、平滑回路202は、NAND回路201の出力をR−C積分回路を用いて平滑化して発電検出結果信号SAとして出力するのである。
すなわち、発電検出回路102は、発電に伴う電流に基づいて、発電状態、すなわち、発電に伴う磁界が発生している可能性がある状態に相当する発電検出結果信号SAを出力することとなる。
従って、通常動作時と同様に、過充電防止動作時においても発電検出結果信号SAに基づいて発電部101の発電状態に応じてモータの補正駆動を行うことができる。
【0121】
[4.3] 第4実施形態の効果
以上の説明のように、本第4実施形態によれば、発電電流により大容量コンデンサ(蓄電装置)の充電状態あるいは発電部の発電状態を検出することができ、発電部の発電に伴う電流に起因して発生する磁界の影響を受けることなく、モータ駆動制御を行うことができる。
さらに過充電防止状態においても、モータの補正駆動を確実に行うことができる。
【0122】
[4.4] 第4実施形態の変形例
上記説明においては、発電検出回路102は、コンパレータCOMP1とコンパレータCOMP2の出力に基づいて動作する場合を説明したが、本実施形態においては、コンパレータCOMP1〜COMP4のうち少なくともいずれか一つの出力に基づいて動作するように構成することが可能である。
【0123】
[5] 第5実施形態
次に第5実施形態について説明する。
本第5実施形態の全体構成は、上記第1〜第2実施形態と同様であるので、図15を参照して、制御系の詳細機能構成について説明する。
この場合において、図8の第2実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図15の第5実施形態が第2実施形態と異なる点は、発電機交流磁界検出回路106の発電機交流磁界の検出結果に基づいて、補正駆動パルスP2+Prあるいは補正駆動パルスP3+Pr'のいずれを出力するかを判定している点である。
以下においては、発電機交流磁界検出回路106の構成およびその周辺の動作について説明する。
【0124】
発電機交流磁界検出回路106は、一方の入力端子に発電検出結果信号SAが入力され、他方の入力端子にSBが入力され、両入力信号の論理積をとって出力するAND回路106Aと、セット端子SにAND回路106Aの出力信号が入力され、リセット端子Rに後述のカウンタ106Dの出力端子Qの出力信号が入力され、出力端子Qから発電機交流磁界検出結果信号SCを出力するラッチ回路106Bと、一方の入力端子に計時制御回路105からのクロック信号CK2が入力され、他方の入力端子に後述のカウンタ106Dの出力端子Qの出力信号が入力され、両入力信号の論理和をとって出力するOR回路106Cと、クロック端子CLKにOR回路106Cの出力信号が入力され、リセット端子RSTにAND回路106Aの出力信号が入力され、出力端子Qがラッチ回路106Bのリセット端子Rに接続されたカウンタ106Dと、を備えて構成されている。
次に発電機交流磁界検出回路106の概要動作を説明する。
計時制御部105Aは、所定のタイミングで"H"レベルとなる発電機交流磁界検出タイミング信号SBをAND回路106Aに出力する。
この結果、AND回路106Aは、発電機交流磁界検出タイミングにおいて、発電が検出されることにより発電検出結果信号SAが"H"レベルとなった場合には、発電機により交流磁界が発生しているとみなして、"H"レベルの出力信号をラッチ回路106Bのセット端子Sおよびカウンタ106Dのリセット端子に出力する。
【0125】
この結果、カウンタ106Dは、リセット状態となり、その後、発電機交流磁界検出タイミング信号SBが"L"レベルになってから、クロック信号CK2あるいは自己の出力端子Qの出力信号に基づいてカウントを行い、所定時間経過後にカウンタ106Dの出力端子Qが"H"レベルとなり、クロック信号CK2の入力を禁止してラッチ回路106Bをリセットすることとなる。
すなわち、ラッチ回路106Bは、次にカウンタ106Dの出力端子Qの出力信号が"H"レベルとなり、検出結果がカウンタ106Dによりリセットされるまで、発電機による交流磁界を検出した場合に相当する"H"レベルの発電機交流磁界検出結果信号SCをデューティダウン用カウンタ107並びに補正駆動パルス出力判断回路108に出力することとなる。
補正駆動パルス出力判断回路108のOR回路108Aは、高周波磁界が検出された場合に"H"レベルの高周波磁界検出結果信号SEが入力され、あるいは、交流磁界が検出された場合に"H"レベルの交流磁界検出結果信号SFが入力された場合、並びに、パルスモータ10の回転が検出されず"L"レベルの回転検出結果信号SGが入力された場合に、"H"レベルの出力信号をAND回路108Bに出力する。
【0126】
AND回路108Bは、補正駆動パルスP2+Prが入力され、かつ、OR回路108Aから"H"レベルの出力信号が入力された場合に補正駆動パルスP2+PrをOR回路108Dに出力することとなる。
一方、AND回路108Cは、発電機交流磁界が検出されることにより"H"レベルの発電機交流磁界検出結果信号SCが入力され、パルスモータ10の回転が検出された場合に相当する"H"レベルの回転検出結果信号SGが入力され、かつ、補正駆動パルスP3+Pr'が入力された場合に補正駆動パルスP3+Pr'をOR回路108Dに出力することとなる。
この場合において、補正駆動パルスP2+Prおよび補正駆動パルスP3+Pr'は出力される場合であっても、いずれか一方のみが出力されるので、OR回路108Dは、必要に応じて回転検出補正駆動パルスP2+Prあるいは補正駆動パルスP3+Pr'をモータ駆動回路109に出力することとなる。
すなわち、高周波磁界/交流磁界が検出され、あるいは、パルスモータ10が非回転の場合には、補正駆動パルスP2+Prが補正駆動パルスSJとしてモータ駆動回路109に出力され、発電機交流磁界が検出され、かつ、パルスモータ10の回転が検出された場合に補正駆動パルスP3+Pr'が補正駆動パルスSJとしてモータ駆動回路109に出力されることとなる。
【0127】
[6] 実施形態の変形例
[6.1] 第1変形例
以上の各実施形態においては、一つのモータを制御する場合の説明であったが、複数のモータが同一の環境に設置されているとみなせるような場合、例えば、腕時計内に複数のモータを内蔵しているような場合には、一つの発電検出回路(発電機交流磁界検出回路)により複数のモータを同時に制御するように構成することも可能である。
【0128】
[6.2] 第2変形例
以上の実施形態においては、発電電圧に基づいて発電部の発電交流磁界検出を行っていたが、ホール素子などの磁界検出センサを用いて、直接的に発電部の発電磁界を検出し、所定量以上の磁界が検出された場合に、補正駆動パルス制御を行うように構成することも可能である。
この場合においても、蓄電装置が過充電防止状態にあっても、発電部には発電に伴う磁界が発生しているはずであるので、このような場合にもモータの補正駆動を確実に行うことができる。
【0129】
[6.3] 第3変形例
本発明における発電磁界検出手段(実施形態における発電検出回路に相当)において、発電による磁界(以下、発電磁界)が発生したか否かを検出するタイミングは、予め定めた所定期間中の他、発電磁界を検出できるタイミングであれば、いかなるタイミングであっても構わない。
【0130】
[6.4] 第4変形例
上記実施形態においては、発電磁界が検出された場合に通常駆動パルスに代えて補正駆動パルスを出力する構成としていたが、通常駆動パルスの出力を禁止せず、補正駆動パルスの出力に先立って通常駆動パルスを出力する構成とすることも可能である。
この場合においては、補正駆動パルスおよび通常駆動パルスによってモータが駆動されすぎず、正規の位置まで駆動されるように両駆動パルスの極性を考慮する必要がある。すなわち、通常駆動パルスによりモータが回転した後に発電検出がされ、補正駆動パルスが出力された場合であっても、補正駆動パルスの極性を通常駆動パルスの極性と同極性としておけば、モータコイルに流れる電流方向は等しいため、補正駆動パルスの極性は次のモータの回転方向に対応する電流方向に対して逆方向となり、通常駆動パルスによるモータの回転に加えてさらに補正駆動パルスによるモータの回転が生じないからである。
【0131】
[6.5] 第5変形例
本発明の発電手段としては、発電により磁界が発生するものであるならば、どのような形式のものであっても適用が可能である。
【0132】
[6.6] 第6変形例
上記実施形態においては、腕時計型の計時装置を例として説明したが、発電時に磁界が発生し、かつ、モータを備える時計であるならば、いかなる時計においても本発明の適用が可能である。
【0133】
[6.7] 第7変形例
上記実施形態においては、腕時計型の計時装置を例として説明したが、発電時に磁界が発生し、かつ、モータを備える電子機器であれば、本発明の適用が可能である。
例えば、音楽プレーヤ、音楽レコーダ、画像プレーヤおよび画像レコーダ(CD用、MD用、DVD用、磁気テープ用等)あるいはそれらの携帯用機器並びにコンピュータ用周辺機器(フロッピーディスクドライブ、ハードディスクドライブ、MOドライブ、DVDドライブ、プリンタ等)あるいはそれらの携帯用機器等の電子機器であってもかまわない。
【0134】
【発明の効果】
本発明によれば、発電機の発電により蓄電装置に充電電流が流れるような場合に、発電機の発電磁界が発生すると補正駆動パルスが出力されるため、発電磁界の影響を受けることなくモータの駆動が正しく確実に行われる。さらに補正駆動パルスが出力される場合には、通常モータ駆動パルスや、高周波磁界検出用パルスなどの出力が停止されるので、無駄に電力を消費することがなくなる。
【0135】
また、蓄電装置が充電されていない場合であっても、過充電を防止するための過充電防止電流が流れるような状態で発電機の発電がなされた場合にも補正駆動パルスが出力されるため、過充電防止電流に起因する磁界(発電磁界)の影響を受けることなくモータの駆動が正しく確実に行われる。
さらに、発電検出回路は、実際の充電経路とは異なる経路で発電検出を行うため、充電効率の低下を招くことがない。
【0136】
さらにまた、モータ駆動異常を招く発電量を実測により予め定める必要がなく、発電機、モータ、機構構造が変わるとその都度実測により基準となる発電量を設定する必要もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の計時装置の概要構成説明図である。
【図2】第1実施形態の計時装置の概要機能構成ブロック図である。
【図3】第1実施形態の発電検出回路周辺の回路構成を説明する図である。
【図4】第1実施形態の計時装置の詳細機能構成ブロック図である。
【図5】第1実施形態の処理フローチャートである。
【図6】第1実施形態のタイミングチャートである。
【図7】第2実施形態の計時装置の概要機能構成ブロック図である。
【図8】第2実施形態の計時装置の詳細機能構成ブロック図である。
【図9】第2実施形態の処理フローチャートである。
【図10】第2実施形態のタイミングチャートである。
【図11】第3実施形態の計時装置の概要構成説明図である。
【図12】第3実施形態の発電検出回路を説明するためのブロック図である。
【図13】第3実施形態のオペアンプの回路構成例の説明図である。
【図14】第4実施形態の整流/過充電防止回路周辺の回路構成を説明する図である。
【図15】第5実施形態の計時装置の詳細機能構成ブロック図である。
【符号の説明】
A…発電部
B…電源部
C…制御部
D…運針機構
E…駆動部
101…発電部
102…発電検出回路
103…整流回路
104…蓄電装置
105…計時制御回路
106…発電機交流磁界検出回路
107…デューティダウンカウンタ
108…補正駆動パルス出力判断回路
109…モータ駆動回路
110…高周波磁界検出回路
111…交流磁界検出回路
112…回転検出回路
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