JP4327438B2 - 電子時計 - Google Patents

電子時計 Download PDF

Info

Publication number
JP4327438B2
JP4327438B2 JP2002315199A JP2002315199A JP4327438B2 JP 4327438 B2 JP4327438 B2 JP 4327438B2 JP 2002315199 A JP2002315199 A JP 2002315199A JP 2002315199 A JP2002315199 A JP 2002315199A JP 4327438 B2 JP4327438 B2 JP 4327438B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
driving
electronic timepiece
source
drive source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002315199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004150904A (ja
Inventor
賢二 鈴木
貴之 小坂
幸司 似鳥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Priority to JP2002315199A priority Critical patent/JP4327438B2/ja
Publication of JP2004150904A publication Critical patent/JP2004150904A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4327438B2 publication Critical patent/JP4327438B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electromechanical Clocks (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、時刻情報を表示する指針を駆動する第1の駆動源と、時刻情報以外の情報を表示する表示部材を駆動する第2の駆動源とを備えた付加機能付きの電子時計に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子時計に、モータにより時針、分針、秒針を駆動して時刻情報を表示するとともに、年月日や曜日といった暦情報や、センサーを用いてセンシングされた環境情報などの時刻以外の情報を、別のモータによりその表示部材を駆動して表示するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このような従来の電子時計800を、図12、図13および図14を用いて説明する。
【0004】
表輪列530の一部分に、表輪列530の回転位置を検出する24時接点532が設けられている。24時間車550が24時接点バネ552を有する。24時接点バネ552は2つの24時接点バネ端子552aおよび552bを有する。回路ブロック534には、24時接点バネ端子552aおよび552bの先端部の回転する軌跡に沿った円周部分の一部分に対応して24時接点バネ端子用パターン(図示せず)が設けられている。24時接点バネ552は回路ブロック534の24時接点バネ端子用パターン(図示せず)と接触可能に配置されている。24時間車550は筒車554と噛み合い、1日に1回転する。筒車554は12時間に1回転し、筒車554に取り付けた時針(図示せず)により「時」を表示する。日回し車196は地板112に回転可能に組込まれている。日回し車196は日送り減速輪列560を構成する。超音波モータ132の超音波ロータ192の超音波カナ192bは、日回し車196の日回し歯車196aと噛み合う。超音波ロータ192を含む超音波モータ132は日送りモータ562を構成する。日送りつめ198が日回し車196に設けられ、日回し車196の回転により、同時に回転する。31枚の日車歯110aを有する日車110が地板112に回転可能に組込まれている。「1」から「31」の数字(図示せず)が日車110の表示面110cに設けられている。日車押さえ118が日車110を回転可能に支持する。
【0005】
この電子時計800は日ジャンパ116を備えている。日ジャンパ116の規正部116aが日車歯110aを規正する。日回し車196は日回し車接点バネ556を有する。日回し車接点バネ556は、は、2つの日回し車接点バネ端子556aおよび556bを有する。回路ブロック534には、日回し車接点バネ端子556aおよび556bの先端部の回転する軌跡に沿った円周部分の一部分に対応して日回し車接点バネ端子用パターン(図示せず)が設けられている。日回し車接点バネ556は、回路ブロック534の日回し車接点バネ端子用パターン(図示せず)と接触可能に配置されている。日回し車接点バネ556は、日送り接点564を構成する。
【0006】
ここで、午前零時の時点で24時接点バネ552は回路ブロック534の24時接点バネ端子用パターン(図示せず)と接触する。このとき24時接点バネ552が出力する検出信号により、回路ブロック534は超音波モータ132の超音波ロータ192を回転させる。超音波ロータ192の回転により、日回し車196が回転し、日送りつめ198により日車110を回転させる。これにより、日付の表示を変えることができる。日車110が360°/31、すなわち1/31回転だけ回転すると、日回し車接点バネ556が回路ブロック534の日回し車接点端子用パターン(図示せず)と接触する。このときに日回し車接点バネ556が出力する検出信号により、回路ブロック534は超音波モータ132の超音波ロータ192の回転を停止させる。
【0007】
【特許文献1】
特開平10―300868号公報(第8−9頁、第11−13図)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術として上で述べた電子時計800は、時刻情報を表示する指針を駆動するステッピングモータと、日付情報を表示する日車を駆動する超音波モータとから構成されている。しかし、このように時刻情報以外の情報、すなわち、年、月、日や曜日などの暦情報やセンサーを用いて測定される環境情報や生体情報などを視認性よく表示するためには、時刻情報とは別の表示形態、すなわち針以外の表示部材を用いて表示する方がよい。代表としては、日付を表示する日車である。
【0009】
しかし、針以外であって、より視認性を確保できる表示部材は、一般的にサイズ的にも大きなものとなる。そのため、時刻情報を表示する指針より重い負荷を駆動することになり、その駆動を受け持つ駆動源には大きい出力が要求され、電力的(特に電流)には針駆動のためのステッピングモータより、大きなものが必要となる。
【0010】
一方、電子時計では、腕に装着する電子機器であるためサイズ上の制約から、より小型の電池が好まれる。しかし、指針より大きな負荷が搭載される電子時計では、やむなく大きな電池や大電流が取り出せる電池を使っているのが現状である。それでも、大きな負荷を駆動しつづけたりすると電源電圧が急降下して、CPUが暴走したりICが正規の動作をしなくなったりして、暦情報や環境情報などの付加的な情報はもとより、最も重要な時刻情報までもが狂ってしまう、という問題が起こる。
【0011】
そこで、本発明では、信頼性の高い付加機能付きの電子時計を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、電源と、時刻情報を表示する指針と、指針を駆動するための第1の駆動源と、時刻情報以外の情報を表示する表示部材と、表示部材を駆動するための第2の駆動源とからなる電子時計において、第1の駆動源の駆動および第2の駆動源の駆動を禁止するか否かを規定するためにあらかじめ設定された少なくとも2つ以上の基準電圧値と、少なくとも2つ以上の基準電圧値により電源の電圧レベルを少なくとも3つ以上に分割してできる電圧領域と、電源の電圧が前記少なくとも3つ以上の電圧領域のどこにあるかを検出するための電圧検出回路と、電圧検出回路からの出力信号に基づいて第1の駆動源および第2の駆動源を駆動制御するための制御回路と、から構成されている電子時計であることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、電源の電圧レベルに基づき駆動源を駆動制御するにあたり、その基準電圧値が少なくとも2つ以上設けられて少なくとも3つ以上の電圧領域に合わせた、すなわち電源の状況に合わせた最適な駆動が実現できるので、電源から過度な電流と取り出すことで生じる電源へのダメージを抑制して急激な電圧降下を回避する効果が得られ、電源電圧の降下に起因する表示部材の途中止まり、さらには電子時計を制御するCPUや論理回路の暴走や誤動作などを回避することが可能になる。その結果、信頼性の高い電子時計が実現できる。
【0014】
また、本発明は、前記の電子時計において、第1の駆動源および第2の駆動源の両方の駆動が禁止されない第1の電圧領域と、第2の駆動源の駆動のみを禁止する第2の電圧領域と、第1の駆動源の駆動と第2の駆動源の駆動の両方を禁止する第3の電圧領域と、から構成された電子時計であることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、電力消費とともに電源の電圧が低下してきても、第2の電圧領域にあるうちは、駆動電流が大きい第2の駆動源のみ駆動を禁止して、駆動電流が小さい第1の駆動源は通常に駆動できる。すなわち、前記発明による効果である信頼性の確保に加えて、電源の状態に合わせた最善の情報提供が実現できる。
【0016】
また、本発明は、前記の電子時計において、第2の駆動源は、所定の動作を1回のみ駆動する場合と、所定の動作を間欠的もしくは連続的に複数回駆動する場合とがあり、第2の駆動源の駆動が禁止されない第1の電圧領域と、第2の駆動源を、所定の動作を間欠的もしくは連続的に複数回駆動することのみを禁止する第2の電圧領域と、第2の駆動源の駆動を禁止する第3の電圧領域と、から構成される電子時計であることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、電力消費とともに電源の電圧が低下してきても、第2の電圧領域にあるうちは、駆動電流が大きい第2の駆動源の複数回駆動のみをを禁止して、駆動電力が比較的少なくて済む第2の駆動源の1回駆動であれば駆動できる。すなわち、請求項1の発明による効果である信頼性の確保に加えて、電源の状態に合わせた最善の情報提供が実現できる。
【0018】
また、本発明は、前記の電子時計において、第2の駆動源は、所定の動作を1回のみ駆動する場合と、所定の動作を間欠的もしくは連続的に複数回駆動する場合とがあり、第1の駆動源および前記第2の駆動源の両方とも駆動が禁止されない第1の電圧領域と、第2の駆動源を、所定の動作を間欠的もしくは連続的に複数回駆動することのみを禁止する第2の電圧領域と、第1の駆動源の駆動と前記第2の駆動源の駆動の両方を禁止する第3の電圧領域と、からなる電子時計であることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、電力消費とともに電源の電圧が低下してきても、第2の電圧領域にあるうちは、駆動電流が大きい第2の駆動源の複数回駆動のみをを禁止して、駆動電力が比較的少なくて済む第2の駆動源の1回駆動および第1の駆動源の駆動はできる。すなわち、前記発明による効果である信頼性の確保に加えて、電源の状態に合わせた最善の情報提供が実現できる。
【0020】
また、本発明は、前記の電子時計において、前記制御回路は、前記電源の電圧が前記少なくとも3つ以上の電圧領域のどの電圧領域にあるかを前記第2の駆動源の駆動を行う直前に前記電圧検出回路から得る電子時計であることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、大きな電流が必要となる第2の駆動源の駆動時の直前に電圧検出回路を用いて、いずれの電圧領域にあるかを検知するので、より確実な判断とそれに基づく駆動制御が可能になり、前記発明による効果をより一層、効果的なものにできる。
【0022】
また、本発明は、前記の電子時計において、前記制御回路は、電源の電圧が前記少なくとも3つ以上の電圧領域のどの電圧領域にあるかを一定時間間隔おきに電圧検出回路から得る電子時計であることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、前記発明の効果に加えて、システム化が簡素化できる。
【0024】
また、本発明は、前記の電子時計において、制御回路は、一定時間間隔おきと、第2の駆動源の駆動を行う直前とに電源の電圧が少なくとも3つ以上の電圧領域のどの電圧領域にあるかを電圧検出回路から得る電子時計であることを特徴とする
この発明によれば、前記発明による効果に加えて、いずれの電圧領域にあるかを検知する機会が増えるため、より一層信頼性が高まる。
【0025】
また、本発明は、前記の電子時計において、電源の電圧が前記少なくとも3つ以上の電圧領域のどの電圧領域にあるかにかかわらず、第2の駆動源の駆動が行なわれている期間には第1の駆動源の駆動を禁止する電子時計であることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、前記発明による効果に加え、2つの駆動源が同時に駆動されることがなくなるため、急激な電圧降下が起こりにくくなる効果が得られ、より一層信頼性が高まる。
【0027】
また、本発明は、前記の電子時計において、第2の駆動源として圧電モータもしくは圧電アクチュエータを用いていることが特徴となっている。
【0028】
この発明によれば、小型で高出力が得られる駆動源を採用しているため、前記発明の効果に加え、電子時計が小型化できるという効果が得られる。
【0029】
また、本発明は、前記の電子時計において、時刻情報以外の情報を表示する表示部材は日付情報を表示するための日車である電子時計であることを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、前記発明の効果が日付機能付き電子時計でも得られる。
【0031】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>
図1から図8を用いて、本発明の実施の形態1について詳細に説明する。
【0032】
図1は、実施の形態1の電子時計100の構成を説明する図である。電子時計100は、時刻情報以外の情報として暦情報の1つである日付を表示する機能を持っており、本発明における表示部材としての日車10と、日車10を駆動するためのものであって本発明における第2の駆動源としての超音波モータ20と、時刻情報を表示する時針・分針・秒針からなる指針40と、指針40を駆動するためのものであって本発明における第1の駆動源としてのステッピングモータ30と、ステッピングモータ30の動力を指針40に伝達するための歯車列31と、電子時計100の全体をコントロールするためのものであって、超音波モータ20の駆動回路61およびステッピングモータ30の駆動回路62を内蔵した制御回路60と、電源としての電池90と、あらかじめ設定された第1の基準電圧値104および第2の基準電圧値105と電池90の電圧レベルとを比較することで電池90の電圧が第1の電圧領域107、第2の電圧領域108、第3の電圧領域108のいずれの電圧領域かを検出するための電圧検出回路70と、源信としての水晶発振器80と、上述の日車10や超音波モータ20や制御回路60をはじめとする電子時計100を構成する部材や要素を組み付けるための地板50とから構成されている。ここで、第1の電圧領域107は、電圧レベルが第1の基準電圧値104より高い領域であり、第2の電圧領域108は、電圧レベルが第1の基準電圧値104以下でかつ第2の基準電圧値105より高い領域であり、第3の電圧領域109は、第2の基準電圧値105以下の領域である。なお、図示していないが、日車10の表面には1から31の数字が印刷されており、電子時計100の文字盤(図示せず)に設けられた日窓から日付情報をユーザーに提供する。
【0033】
図2は、電子時計100の縦断面図であって、日車10を駆動する超音波モータ20の構造を説明する図である。超音波モータ20は、アルミニウム合金の円盤形状の振動体21と、振動体21の下面に接着されて振動体21に振動を励振させるための円盤形状の圧電素子22と、振動体21に発生する振動を抑制しないように振動の節である中心で支持する軸26と、軸26を固定して超音波モータ20を地板50に組み付ける支持板27と、振動体21に生じる振動によって駆動されるロータ24と、ロータ24を振動体21に所定の圧力で圧接させるための加圧バネ25とから構成される。振動体21の表面上には、振動から駆動力を取り出すための突起23が設けられている。ロータ24は加圧バネ25により突起23に圧接され、振動体21の振動に伴う突起23の力がロータ24に摩擦により伝達される。これにより、ロータ24が回転する。圧電素子22の表面からのリード線28aおよび28bと、圧電素子22の裏面から振動体21、軸26を介して支持板27から取り出されるリード線28cは、駆動回路61に接続される。ロータ24は、振動体21を支持する軸26を案内として回転する。また、ロータ24の上部に設けたピボットで、加圧バネ25を受ける。この加圧バネ25は、日車押さえ95に一体的に設けられている。ロータ24の外周には歯形24aが形成されており、日車10の内周側に設けられた歯形10aと噛み合い、超音波モータ20の動力が日車10に伝達される。また、日車10は、日車押さえ95により上下方向の動きを規制される。
【0034】
なお、ここではステッピングモータ30、歯車31、指針40は図示していないが、簡単にそのシステムを説明する。ステッピングモータ30は、コイルをもつステ−タと磁石をもつロータから構成される。コイルに所定のパルス電圧を印加すると、ロータは180度回転する。水晶発振器80は、32768Hzの信号を生成し、制御回路60に内蔵された分周回路(図示なし)にて1Hzのクロック信号が作られる。この1Hzのクロック信号に同期してステッピングモータ30が駆動される。ロータの180度/ステップの動作は、減速比1/30の歯車列31で6度/ステップに減速され、指針40の1つである秒針を駆動する。すなわち、秒針は1秒間で6度づつ回転する。さらに、歯車列31は、秒針から分針さらには時針へと所定の減速比で動力を伝達して時刻情報を表示している。
【0035】
つぎに、図3から図7を用いては、超音波モータ20の原理を説明する。
【0036】
図3は、超音波モータ20の一構成要素である圧電素子22および振動体21の構成を説明する上面概略図である。 振動体21は円盤状の金属であって、本実施の形態ではアルミニウム合金で作製されている。振動体21の表面に設けられた6本の突起23は圧電素子22の圧電効果によって振動体21に発生させた振動エネルギをロータ24の動力に変換するためのものである。円盤形状の振動体21に接着された円盤形状の圧電素子22には12等分割された電極221が設けられている。図中の+、−は圧電素子22の厚み方向の分極方向を示しており、+、+、―、―、+、+、−、−と2つずつ分極処理の方向が反転している。突起23は、振動体21の表面上に、圧電素子22の電極221の境界の1つおきの位置に配置され、合計6本の突起23が設けられている。また、電極221は1つおきに電極221aおよび221bに分けられ2組のグループを構成している。圧電素子22のリード線28aおよび28bは、それぞれ電極221aおよび221bに接続されている。
【0037】
図4は、圧電素子22および振動体21の構成を説明する縦断面図である。
【0038】
また、図5は、圧電素子22の具体的な電極構造図である。
【0039】
圧電素子22の一方の表面上には、円周方向に12等分した大きさの電極221が設けられており、1つおきに2組の電極221aと221bに分けられている。さらに、電極221aおよび電極221bは、それぞれ内周側と外周側に形成された短絡用電極223aおよび223bでそれぞれ6つずつ短絡されて2つの組を形成している。さらに、圧電素子22の裏面側には、全面の電極222が形成されている。圧電素子22は、この全面電極222の側を、振動体21に接着する。なお、電極222へのリードは振動体21および振動体21を支持する軸26を通して支持板27からリード線28cで取り出される。リード線28a、28b、およびリード線28cは、それぞれ駆動回路60に接続されている。圧電素子22の電極は真空蒸着法で形成されている。
【0040】
図6は、超音波モータ20の動作を説明する概略図である。圧電素子22の電極221のうち、電極221aと全面電極222の間に、圧電素子22を接着した振動体21の共振周波数近傍の交番電圧を印加することにより、圧電効果により振動体21には円周方向に3波長分の屈曲定在波振動は発生する。これは、221aの電極は6枚であり、その分極処理の方向が交互に反転しているためである。また、電極221aの代わりに電極221bを用いると、振動体21には同様の屈曲定在波振動が発生する。しかし、発生する屈曲定在波振動の位置は、空間的に1/4波長分ずれ、振動体21の表面に設けられた突起23との相対的な位置関係がかわる。どちらの場合も、突起23は屈曲定在波振動の腹と節の中間に位置し、弓なり状の軌跡を描いて運動を行い、その上側から圧接されるロータ24は突起23から一方向の力を受けて回転する。また、その突起23の弓なり状の運動の向きが、電極221aを用いる場合と221bを用いる場合とで反対方向になるので、ロータ24の回転方向の切り換えが可能になる(図aと図bの比較)。また、ロータ24は、突起23と大きな摩擦が働くように、摩擦係数の大きなエンジニアリングプラスチックでできている。
【0041】
図7は、超音波モータ20の駆動回路61の構成図である。この駆動回路61は、制御回路60に内蔵されている。超音波モータ20の駆動回路61は、圧電素子22が接着された振動体21を用いて自励発振回路を構成したもので、振動体21を自励発振させて駆動するものである。圧電素子22の2組の電極221aおよび221bのそれぞれに対して、出力端子が接続されたドライブ用の2つのバッファ62aおよび62bを備えている。圧電素子22の裏面に設けられた全面電極222からの出力信号を振動体21を介してインバータ62に入力される。インバータ62は、圧電素子22および振動体21の振動情報を増幅して、制限抵抗64を介して2つのバッファ62aおよび62bに入力される。インバータ62の入出力端子に対して帰還抵抗63が並列接続され、この帰還抵抗63は、インバータ62の動作点を電池90の電圧の1/2レベルに保たせている。また、一端を設置するとともに他端をバッファ62a、62bの入力端子および制限抵抗64に接続したコンデンサ66は、制限抵抗64とフィルタ回路を構成する。また、一端を設置するとともに他端をインバータ62の入力端子および圧電素子22の全面電極222(振動体21)に接続したコンデンサ65を備えている。ここで、コンデンサ66と制限抵抗64から構成されるフィルタ回路とコンデンサ66により、回路内の移相量が決定され、自励発振の発振ポイントが決まる。なお、インバータ62およびバッファ62a、62bは、それぞれ入出力端子の他に制御端子を有しており、制御端子へ入力されるH/L信号により能動状態と非能動状態にコントロールできるトライ・ステート構成をとっている。具体的には、制御端子にLレベルの信号が入力されると、出力端子は高インピーダンス状態になり、インバータやバッファとしての機能を果たさなくなる(非能動状態)。逆にHレベルの信号が制御端子に入力されると、インバータ62は反転増幅器としての機能を果たし、バッファ62aおよび62bは非反転増幅器としての機能を果たす。この超音波モータ20は、圧電素子22に設けられた2組の電極221aと221bのどちらを用いて振動体21を励振するかによって回転方向を切り換える。したがって、2つのバッファ62aと62bのどちらを能動状態にするのかで回転方向が切り換わる。より具体的には、バッファ62aあるいは62bのどちらか一方とインバータ62を能動状態にすることで超音波モータ20が自励振駆動で駆動される。 また、超音波モータ20の駆動回路61の前段には、起動/停止信号発生手段82と切換回路83とから構成されている。起動/停止信号発生手段82は、制御回路60からの信号に基づき起動/停止信号を発生する。切換回路83は、起動/停止信号からインバータ62およびバッファ62a、62bの各制御端子へ入力すべきH/L信号を生成する。
【0042】
図8は、電池90の電圧レベルに応じた駆動源を制御する方法を説明する図である。電子時計100は、電圧検出回路70によって電池90の電圧レベルを第1の基準電圧値104および第2の基準電圧値105と比較することで、電池90の電圧レベルが第1の電圧領域107、第2の電圧領域108、第3の電圧領域109のどこにあるかを把握することで、電圧レベルに応じて超音波モータ20ならびにステッピングモータ30の駆動を制御することが特徴となっている。以下、図8を用いて、その制御方法について説明する。
【0043】
グラフの縦軸は電池90の電圧レベル、横軸は時間であり、電池90の放電特性である。放電カーブ101は、電子時計100のシステム全体を制御する制御回路60や水晶発振器80など、電気回路部分のみが動作しているときの放電特性である。重負荷放電カーブ102は、第1の駆動源としての指針40を駆動するステッピングモータ30を駆動させたときの放電特性を表している。すなわち、1秒おきにステッピングモータ30が駆動されるが、ステッピングモータ30を駆動していない間には、放電カーブ101の電圧レベルとなるが、ステッピングモータ30が動作している瞬間には、電池90の端子電圧レベルは、重負荷放電カーブ102の電圧レベルになる。さらに、重負荷放電カーブ103は、日車10を駆動するため超音波モータ20が動作しているときの放電特性である。ステッピングモータ30が動作しているときの重負荷放電カーブ102より、超音波モータ20が動作しているときの重負荷放電カーブ103の方が低い電圧レベルになっている。これは、超音波モータ20の方が駆動電流が大きいためであって、日車10という大きな負荷を駆動するために大出力が必要となるためである。ここでは、電圧レベルが第1の基準電圧値104より高い領域を第1の電圧領域107、電圧レベルが第1の基準電圧値104以下でかつ第2の基準電圧値105より高い領域を第2の電圧領域108、第2の基準電圧値105以下の領域を第3の電圧領域109としている。
【0044】
ここで、電池90の端子電圧のレベルが、ステッピングモータ30および超音波モータ20がともに駆動されておらず、電子時計100のシステム全体を制御する制御回路60や水晶発振器80などの電気回路部分のみが動作しているときの電圧レベル、すなわち放電カーブ101として表される電圧レベルの値が、図中に示した第2の基準電圧値104よりも高い第1の電圧領域107にあるときは、ステッピングモータ30ならびに超音波モータ20の双方を駆動してもIC動作電圧の下限を下回らないことがわかる。すなわち、電池90の端子電圧が第1の電圧領域107にある内は、時刻を表示するための1秒毎の運針ならびに午前0時に日車10を1日分送ることができ、正確な時刻および暦情報をユーザーに提供することができる。
【0045】
しかし、電流消費が進み、放電深度が深まり電池90の端子電圧レベルが第2の電圧基準値104に達すると、すなわちA点に達すると、ステッピングモータ30を駆動しても、すなわち重負荷放電カーブ102の値はIC動作電圧の下限値106には達しないが、超音波モータ20を駆動すると、重負荷放電カーブ103からも分かるとおり、電池90の電圧レベルは、一時的にC点にまで下がり、IC動作電圧の下限値106に達する。この状態で、ICは暴走または誤動作を起こす。さらに、放電深度が増して、B点まで達すると、超音波モータ20はおろか、ステッピングモータ30の駆動だけでも電池90の電圧レベルはD点まで達し、ICの誤動作や暴走に至り、時刻情報や暦情報が狂ってしまう。
【0046】
つまり、電池90の端子電圧の急落により生じるICの誤動作を避けるためには、電池90の端子電圧レベルによっては、駆動源の駆動を禁止する必要がある。電池90の端子の電圧レベルが第1の電圧領域107にあることが電圧検出回路70によって検知されたときには、ステッピングモータ30と超音波モータ20の双方を駆動しても電池90の端子電圧はICの動作電圧の下限値106を下まわらず誤動作を起こさないが、電池90の端子の電圧レベルが第2の電圧領域108にあることが電圧検出回路70によって検知されたときには超音波モータ20の駆動を禁止して、ICの誤動作を回避する。さらには、第3の電圧領域109にあることが検知されたときは、超音波モータ20のみならずステッピングモータ30も駆動を禁止する。これによって、ICの誤動作を生じさせず、電池90を最後まで使い切ることができ招き、時刻と暦の情報を最後まで正確に表示することができる。
【0047】
また、この発明は、低温環境下で電池90の内部抵抗が一時的に高くなり、電池90の端子電圧が上昇して、大電流が取り出せない環境下にあるときには、駆動源の駆動を禁止させ、環境温度が上がって大電流が流せる状態になってから、駆動源を駆動して、時刻や暦情報を修正することが可能となり、一時的な環境温度の変化による誤動作を回避することにも有効となる。
【0048】
ここで、本実施の形態1における電子時計100では、電池90はボタン型リチウムの1次電池を使用しているが、本発明の範囲を制限するものではなく、リチウムイオン電池などの2次電池を用いてもよい。
【0049】
なお、電子時計100における第1の基準電圧値104および第2の基準電圧値は、電池90の放電の温度特性も考慮に入れて実験的にあらかじめ求めて設定したものである。
【0050】
また、電子時計100では、指針40の駆動と日車10の駆動とを同時に行わないよう決めている。すなわち、時刻が午前0時になると、制御回路60は超音波モータ20の駆動回路61に、所定の量だけ動作するよう指令が出される。すなわち、通常の日であれば1日分に相当する量だけ日車10を送る。小の月の月末は2日分送り、閏年の2月末日には3日分あるいは4日分送ることになる。この日車10の送り動作中、すなわち超音波モータ20が動作している期間は、制御回路60はステッピングモータ30の1Hzごとの指針駆動を禁止する。これは、電池90から過度な電流を取り出すことで急激な電圧降下をなるべくさせない、電池90にダメージを与えない、などの理由に基づいた取り扱いである。この場合、超音波モータ20が動作している期間、すなわち運針がストップしている期間は、制御回路60が時間をカウントしており、日車10が所定の量だけ送られ超音波モータ20の動作が終了した後、高速で運針を送り、正確な時刻にあわせる、という手段をとっている。この場合は、ステッピングモータ30は8Hzという高速で運針動作をさせる。以上、説明したように、この発明によって、信頼性の高い電子時計が実現できる。
【0051】
また、電圧検出回路70は、一般的な電子時計で用いられているものと方式、原理は同じものであるため、ここでは説明を省略するが、本発明は、その電圧検出回路70が第1の基準電圧値104および第2の基準電圧値105を持っているおり、それによって分割された第1の電圧領域107、第2の電圧領域108、第3の電圧領域109に応じてステッピングモータ30と超音波モータ20を駆動してもよいか否かを判断する制御回路60とからなっていることが特徴となっている。
【0052】
<実施の形態2>
本発明を適用した実施の形態2としての電子時計200について説明する。電子時計200の構成は、電子時計100とほぼ同じであって、基準電圧値とそれにより分割され電圧領域が異なり、駆動源としてのステッピングモータ30および超音波モータ20の制御方法が異なる。
【0053】
図9を用いて、本発明の実施の形態1について詳細に説明する。電子時計200では、日車10を連続的に最大30日分送る機能がついている。この機能は、日付情報の入力や修正するときに用いられる。例えば、日付変更線を超えたときに、ユーザーからの入力命令により日付を修正する場合に用いられる。前日の日付に修正する場合は、日車10を早送りして修正する。表示が10日になっているとき、9日にあわせたい場合、日車を11日、12日・・・31日、1日・・・8日、9日といった具合に早送りして修正する。日車10は、超音波モータ20で駆動するが、1日分の量を最大で30倍の量だけ駆動する必要がある。電子時計200では、1日分駆動するたびに0.1秒の休止時間を設けて、また1日分駆動するといった具合で、間欠的に最大30日分を送っている。これは、電池90に対する負担を軽減することが目的であるが、休止時間を設けずに連続的に最大30日分早送りしても構わない。これは、電池に何を使うかよる。重負荷特性に優れえていれば休止時間は必要なくなる場合がある。
【0054】
ここで、間欠的であろうが連続送りであろうが、大電流が流れる超音波モータ20を複数日分駆動すると、電池90の端子電圧レベルは大幅に降下し、IC動作電圧の下限値を割ってしまい、ICの誤動作、さらには時刻や日付情報が狂ってしまう恐れがある。そのため、電子時計200では、電子時計100とは異なる基準電圧値とそれによる電圧領域を設定して最適な駆動源の制御を行なっている。
【0055】
すなわち、あらかじめ電池90の温度に対する重負荷放電特性をも加味した形で実験により求められた第1の基準電圧値203、第2の基準電圧値204、第3の基準電圧値205ならびにそれら3つの基準電圧値により分割される4つの電圧領域を設けていることに特徴がある。すなわち、第1の基準電圧値203より高い第1の電圧領域207、第2の基準電圧値203以下であって第2の基準電圧値204より高い第2の電圧領域208、第2の基準電圧値204以下であって第3の基準電圧値205より高い第3の電圧領域209、第3の基準電圧205以下の第4の電圧領域210である。
【0056】
放電カーブ201は、指針40の駆動を行なうステッピングモータ30も日車10を駆動する超音波モータ20も駆動していな時のもので、電子時計200のシステム全体を制御する制御回路60や水晶発振器80など、電気回路部分のみが動作しているとき電池90の端子電圧を表している。放電カーブ202は、超音波モータ20が駆動されている時のもので、電池90の重負荷放電特性を表している。ここで、超音波モータ20が駆動していない時の電池90の電圧レベルがA点、すなわち第1の電圧領域207にあるときは、日車10を間欠的ではあるが一時に複数日分早送りしても、電池の端子電圧はIC動作電圧の下限値206以上の値を維持しており、特に問題は発生しない。しかし、電池90の電圧レベルがB点、すなわち、第2の電圧領域208にあるとき、超音波モータ20により日車10を複数日分早送りすると、電池90の端子電圧のレベルはIC動作電圧の下限値206を下まわり、ICの誤動作、それによる時刻情報、日付情報が狂ってしまうという問題を生じる。しかし、電圧レベルが第2の電圧領域208にあっても、1日分であれば超音波モータ20を駆動しても問題が発生しないことがわかる。すなわち、1日分であれば、超音波モータ20を駆動しても、IC動作電圧の下限値206を下まわらない。次に、電池90の電圧レベルが、第3の電圧領域209にあるときを考える。第3の電圧領域209にあるときは、超音波モータ20が日車10を1日分駆動されるだけで、電池90の端子電圧はIC動作電圧の下限値206以下まで降下することがわかる。以上のことから、電子時計200では、第1の電圧領域207にあるときは、運針用のステッピングモータ30を日車10の駆動用の超音波モータ20の双方を制約なしで駆動できる。また、第2の電圧領域208にあるときは、日車10の複数日分送りのみを禁止する。さらには第3の電圧領域209にあるときには、日車10の駆動を全く禁止する、といったシステムを構成している。なお、第4の電圧領域210にあるときは、超音波モータ20のみならず、ステッピングモータ30の駆動も禁止する、と設定している。特に、本発明であるこのシステムは、電池90の放電末期や、急激な環境温度の変化が生じたときに信頼性の確保に有効となる。
【0057】
<実施の形態3>
図10は、本発明を適用した実施の形態3の電子時計300の構成を説明する図である。電子時計300は、時刻情報以外の情報として周囲の温度情報を表示する機能を持っており、本発明における表示部材としての温度表示板310と、温度表示板310を駆動するためのものであって本発明における第2の駆動源としての圧電アクチュエータ720と、時刻情報を表示する時針・分針・秒針からなる指針340と、指針340を駆動するためのものであって本発明における第1の駆動源としてのステッピングモータ330と、ステッピングモータ330の動力を指針340に伝達するための歯車列331と、電子時計300の全体をコントロールするためのものであって、圧電アクチュエータ720の駆動回路361およびステッピングモータ330の駆動回路362を内蔵した制御回路360と、電源としての電池390と、あらかじめ設定された第1の基準電圧値104および第2の基準電圧値105と電池390の電圧レベルとを比較することで電池390の電圧が第1の電圧領域107、第2の電圧領域108、第3の電圧領域108のいずれの電圧領域かを検出するための電圧検出回路370と、源信としての水晶発振器380と、上述の温度表示板310や圧電アクチュエータ720や制御回路360をはじめとする電子時計300を構成する部材や要素を組み付けるための地板350とから構成されている。また、圧電アクチュエータ720は、一端を地板350に固定された加圧バネ721により、温度表示板310に動力を伝達するための歯車722に圧接され、歯車722を回転駆動する。歯車722は、その歯形部で温度表示板310と噛み合う。すなわち、圧電アクチュエータ720は歯車722を介して温度表示板310を駆動する。電子時計300は、周囲の温度を検知する温度センサー391を備え、制御回路360は、温度センサー391から温度情報を検知して、圧電アクチュエータ720に温度センサーからの出力に応じた量だけ温度表示板310を駆動する。ここで、温度センサー391には、サーミスターを使って構成されている。温度表示板310は、先の電子時計100における日車10と同様の形状をしたリング形状の薄板であって、その表面には周方向に渡って温度の値としての数字が−20から80まで刻印されている。
【0058】
また、制御回路360には、あらかじめ実験により求めた第1の基準電圧値304と第2の基準電圧値305が格納されている。そこで、第1の基準電圧値304より高い電圧領域を第1の電圧領域307とし、第1の基準電圧値304以下で第2の基準電圧値305より高い電圧領域を第2の電圧領域308とし、さらに第2の基準電圧値305以下の電圧領域を第3の電圧領域309としている。指針駆動をするためのステッピングモータ330および温度表示板310を駆動する圧電アクチュエータ720の制御方法は、電子時計100におけるもとの同じである。第1の基準電圧値304、第2の基準電圧値305は、値そのものは異なるがそれぞれ電子時計100における第1の基準電圧値104、第2の基準電圧値105に対応し、第1の電圧領域307、第2の電圧領域308、第3の電圧領域309は、範囲そのものはことなるがそれぞれ電子時計100における第1の電圧領域107、第2の電圧領域108、第3の電圧領域109に相当している。すなわち、ステッピングモータ330と圧電アクチュエータ720を駆動していない時の電池390の端子電圧レベルが、第1の電圧領域307にある時は、ステッピングモータ330と圧電アクチュエータ720の双方を駆動することが許される。そして、電池390の電圧レベルが、第2の電圧領域308にあることが検知されると、圧電アクチュエータ720のみ駆動が禁止される。すなわち、温度センサー391を用いて周囲の温度を検知しても、表示することを禁止する。さらに、電圧領域309にあることを検知した場合には、圧電アクチュエータ720のみならず、ステッピングモータ330の駆動も禁止する。これによって、大電流を放電することによって起こる急激かつ大幅な電圧降下によって起こるICの誤動作を回避することができ、信頼性の高い電子時計が得られる。
【0059】
図11は、電子時計300で用いている圧電アクチュエータ720の構造と原理を説明する図である。この圧電アクチュエータ720は共振タイプのアクチュエータであって、2枚の矩形板の圧電素子で構成される。その第1層の圧電素子731の一面全部に電極732を形成し(図11(a))、第2層の圧電素子734には、十文字にほぼ等分割された4つの電極を形成しており、対角の電極同士を短絡して2組の電極群735、736を構成する(図11(c))。さらに、2枚の圧電素子731および734を接合する面には、双方ともに一面全部の電極733(GND用電極)を形成し、接着剤で接合している(図11(b))。また、本実施の形態では、これら電極は真空蒸着法により形成しているが、スパッタ法や印刷法などを用いてもよい。
【0060】
この矩形板の圧電アクチュエータ720は、交番電圧を圧電素子の電極に印加して、縦振動と屈曲振動を同時に発生させてアクチュエータとして用いる。圧電アクチュエータ720の矩形板形状は、圧電アクチュエータ720自体の縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数が接近するように決定されており、その共振点近傍の周波数の交番電圧を印加することで、縦振動と屈曲振動の共振点のずれに基づいて縦振動と屈曲振動の変位に位相差が生まれ、矩形板の圧電アクチュエータ720の側面に楕円軌跡の変位が得られる(図11(d))。そして、このような振動を発生する矩形板の圧電アクチュエータ720を地板50に一端を支持された加圧バネ721により歯車722に圧接させることで、摩擦を介して歯車722に駆動力が伝達される。ここで、歯車722と接触する部位には、耐摩耗性に優れるセラミックスの摺動材チップ723が接着されている。
【0061】
圧電素子731は縦振動を励振させるためのものであって、圧電素子734は屈曲振動を励振させるためのものである。圧電素子734に設けられた2組の電極群735および736はどちらか一方を使用し、電極群735を用いて励振される屈曲振動と電極群736を用いて励振される屈曲振動とは、互いに発生する振動変位の方向が逆転する。すなわち、圧電素子734の2組の電極群735と736の選択により、圧電アクチュエータ720に発生する楕円軌跡の変位方向が逆転する。温度表示板310に動力伝達する歯車722の回転方向は、電極群735および736の切換えにより決定している。圧電アクチュエータ720は、発生力が大きく、このような駆動負荷として大きな温度表示板310の駆動に際して、小型に電子時計を構成できるため有効となるが、先の電子時計100や200における超音波モータ20と同様に、その駆動には大電流が必要となる。そこで、以上説明したように、電池の放電末期や、低温下で電池の内部抵抗が増大している時に、大電流が必要な圧電アクチュエータやその他、大電流が必要となる駆動源を駆動する際に発生するICの誤動作とそれによる表示情報のズレといった問題に、本発明を適用することで、誤動作がない非常に信頼性の高い電子時計が実現できる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電源の電圧レベルに基づき駆動源を駆動制御するにあたり、その基準電圧値が少なくとも2つ以上設けられて少なくとも3つ以上の電圧領域に合わせた、すなわち電源の状況に合わせた最適な駆動が実現できるので、電源から過度な電流と取り出すことで生じる電源へのダメージを抑制して急激な電圧降下を回避する効果が得られ、電源電圧の降下に起因する表示部材の途中止まり、さらには電子時計を制御するCPUや論理回路の暴走や誤動作などを回避することが可能になる。その結果、信頼性の高い電子時計が実現できる。
【0063】
また本発明によれば、電力消費とともに電源の電圧が低下してきても、第2の電圧領域にあるうちは、駆動電流が大きい第2の駆動源のみ駆動を禁止して、駆動電流が小さい第1の駆動源は通常に駆動できる。すなわち、前記発明による効果である信頼性の確保に加えて、電源の状態に合わせた最善の情報提供が実現できる。
【0064】
また本発明によれば、電力消費とともに電源の電圧が低下してきても、第2の電圧領域にあるうちは、駆動電流が大きい第2の駆動源の複数回駆動のみをを禁止して、駆動電力が比較的少なくて済む第2の駆動源の1回駆動であれば駆動できる。すなわち、前記発明による効果である信頼性の確保に加えて、電源の状態に合わせた最善の情報提供が実現できる。
【0065】
また本発明によれば、電力消費とともに電源の電圧が低下してきても、第2の電圧領域にあるうちは、駆動電流が大きい第2の駆動源の複数回駆動のみをを禁止して、駆動電力が比較的少なくて済む第2の駆動源の1回駆動および第1の駆動源の駆動はできる。すなわち、前記発明による効果である信頼性の確保に加えて、電源の状態に合わせた最善の情報提供が実現できる。
【0066】
また本発明によれば、大きな電流が必要となる第2の駆動源の駆動時の直前に電圧検出回路を用いて、いずれの電圧領域にあるかを検知するので、より確実な判断とそれに基づく駆動制御が可能になり、前記発明による効果をより一層、効果的なものにできる。
【0067】
また本発明によれば、前記発明の効果に加えて、システム化が簡素化できる。
【0068】
また本発明によれば、前記発明による効果に加えて、いずれの電圧領域にあるかを検知する機会が増えるため、より一層信頼性が高まる。
【0069】
また本発明によれば、前記発明による効果に加え、2つの駆動源が同時に駆動されることがなくなるため、急激な電圧降下が起こりにくくなる効果が得られ、より一層信頼性が高まる。
【0070】
また本発明によれば、小型で高出力が得られる駆動源を採用しているため、前記発明の効果に加え、電子時計が小型化できるという効果が得られる。
【0071】
また本発明によれば、前記発明の効果が日付機能付き電子時計でも得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態1の電子時計100の構成を説明する図である。
【図2】電子時計100の縦断面図である。
【図3】電子時計100に係る超音波モータ20の圧電素子22および振動体21の構成を説明する上面概略図である。
【図4】超音波モータ20に係る圧電素子22および振動体21の構成を説明する縦断面図である。
【図5】超音波モータ20に係る圧電素子22の具体的な電極構造図である。
【図6】超音波モータ20の動作を説明する概略図である。
【図7】超音波モータ20の駆動回路61の構成図である
【図8】電子時計100に係る電池90の電圧レベルに応じて駆動源を制御する方法を説明する図である。
【図9】本発明を適用した実施の形態2の電子時計200の制御方法を説明する図である。
【図10】本発明を適用した実施の形態3の電子時計300の構成を説明する図である。
【図11】電子時計300に係る圧電アクチュエータ720の構造と原理を説明する図である。
【図12】従来の電子時計の1例である電子時計800のシステムを表すブロック図である。
【図13】従来の電子時計800の平面図である。
【図14】従来の電子時計800の縦断面図である。
【符号の説明】
10 日車
20 超音波モータ
21 振動体
22、731、734 圧電素子
23 突起
24 ロータ
24a 歯形
25 加圧バネ
26 軸
27 支持板
28a、28b、28c リード線
30 ステッピングモータ
31 歯車列
40 指針
50 地板
60 制御回路
61 駆動回路
62 駆動回路
62 インバータ
62a、62b バッファ
63 帰還抵抗
64 制限抵抗
65、66 コンデンサ
70 電圧検出回路
80 水晶発振器
82 起動/停止信号発生手段
83 切換回路
90 電池
95 日車押さえ
100、200、300、800 電子時計
101、102、103、201、202 放電カーブ
104、203 第1の基準電圧値
105、204 第2の基準電圧値
106、206 IC動作電圧の下限値
107、207 第1の電圧領域
108、208 第2の電圧領域
109、209 第3の電圧領域
205 第3の基準電圧値
221、221a、221b、732、733 電極
222 全面の電極
223a、223b 短絡用電極
209 第4の電圧領域
310 温度表示板
391 温度センサー
720 圧電アクチュエータ
735、736 電極群

Claims (7)

  1. 電源と、
    時刻情報を表示する指針と、
    前記指針を駆動するための第1の駆動源と、
    時刻情報以外の情報を表示する表示部材と、
    前記表示部材を駆動するための第2の駆動源と、
    からなる電子時計において、
    前記第1の駆動源の駆動および前記第2の駆動源の駆動を禁止するか否かを規定するためにあらかじめ設定された少なくとも2つ以上の基準電圧値と、
    前記電源の電圧レベルが、前記少なくとも2つ以上の基準電圧値により分割されてできる少なくとも3つ以上の電圧領域と、
    前記電源の電圧が、前記少なくとも3つ以上の電圧領域のどこにあるかを検出するための電圧検出回路と、
    前記電圧検出回路からの出力信号に基づいて前記第1の駆動源および前記第2の駆動源を駆動制御するための制御回路と、
    を有する電子時計であって、
    前記第2の駆動源は、所定の動作を1回のみ駆動する場合と、
    前記所定の動作を間欠的もしくは連続的に複数回駆動する場合とがあり、
    前記第1の駆動源および前記第2の駆動源の両方とも駆動が禁止されない第1の電圧領域と、
    前記第2の駆動源を、所定の動作を間欠的もしくは連続的に複数回駆動することのみを禁止する第2の電圧領域と、
    前記第1の駆動源の駆動と前記第2の駆動源の駆動の両方を禁止する第3の電圧領域と、
    を有することを特徴とする電子時計。
  2. 前記制御回路は、
    前記電源の電圧が前記少なくとも3つ以上の電圧領域のどの電圧領域にあるかを前記第2の駆動源の駆動を行う直前に前記電圧検出回路から得る、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
  3. 前記制御回路は、
    前記電源の電圧が前記少なくとも3つ以上の電圧領域のどの電圧領域にあるかを一定時間間隔おきに前記電圧検出回路から得る、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
  4. 前記制御回路は、
    一定時間間隔おきと、前記第2の駆動源の駆動を行う直前とに前記電源の電圧が前記少なくとも3つ以上の電圧領域のどの電圧領域にあるかを前記電圧検出回路から得る、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
  5. 前記電源の電圧が前記少なくとも3つ以上の電圧領域のどの電圧領域にあるかにかかわらず、前記第2の駆動源の駆動が行なわれている期間には前記第1の駆動源の駆動を禁止する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の電子時計。
  6. 前記第2の駆動源は、
    圧電モータもしくは圧電アクチュエータである、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の電子時計。
  7. 時刻情報以外の情報を表示する前記表示部材は、
    日付情報を表示するための日車である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の電子時計。
JP2002315199A 2002-10-30 2002-10-30 電子時計 Expired - Fee Related JP4327438B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002315199A JP4327438B2 (ja) 2002-10-30 2002-10-30 電子時計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002315199A JP4327438B2 (ja) 2002-10-30 2002-10-30 電子時計

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004150904A JP2004150904A (ja) 2004-05-27
JP4327438B2 true JP4327438B2 (ja) 2009-09-09

Family

ID=32459272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002315199A Expired - Fee Related JP4327438B2 (ja) 2002-10-30 2002-10-30 電子時計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4327438B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE602005013452D1 (de) 2004-02-26 2009-05-07 Seiko Epson Corp Steuerungseinrichtung, elektronischer apparat, ste steuerungsprogramm für eine elektronischen apparat, aufzeichnungsmedium

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004150904A (ja) 2004-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7078847B2 (en) Piezoelectric actuator, timepiece, and portable device
US7119475B2 (en) Driving method of piezoelectric actuator, driving apparatus of piezoelectric actuator, electronic watch, electronics, control program of piezoelectric actuator, and storage medium
JP4201014B2 (ja) 圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器
JP4529889B2 (ja) 圧電振動体、圧電振動体の調整方法、圧電アクチュエータ、時計、電子機器
JP2007215390A (ja) 圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器
WO2005086337A1 (ja) 圧電アクチュエータ駆動装置、電子機器、その駆動方法、その駆動制御プログラム、そのプログラムを記録した記録媒体
CN101026344A (zh) 压电激励器及其驱动控制方法、以及电子设备
US6088300A (en) Calendar electronic timepiece
JP4848853B2 (ja) 圧電アクチュエータの駆動方法、圧電アクチュエータの駆動装置、電子機器
JP4376342B2 (ja) 電子時計
JP4265493B2 (ja) 圧電アクチュエータの駆動装置、電子機器
JP4923548B2 (ja) 圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器
JP4327438B2 (ja) 電子時計
EP0731514B1 (en) Ultrasonic motor and electronic apparatus provided with ultrasonic motor
JP2002071840A (ja) 電子機器
US6584040B1 (en) Electronic timepiece
JP4476409B2 (ja) 電子機器
JP2002223577A (ja) 圧電アクチュエータ、時計、携帯機器、圧電アクチュエータの設計方法および製造方法
US6582118B1 (en) Electronic timepiece having transmission wheel rotational position detecting apparatus
JP3238578B2 (ja) 超音波モータおよび超音波モータ付電子機器
JP4270058B2 (ja) 圧電アクチュエータの駆動速度調整方法、圧電アクチュエータの駆動装置、電子機器
JP2002262586A (ja) 圧電アクチュエータ、時計および携帯機器
JP2008228375A (ja) 圧電駆動装置、圧電駆動装置の制御方法、電子時計および電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040304

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090317

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090609

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090611

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120619

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091108

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120619

Year of fee payment: 3

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130619

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees