JP2009233515A - 圧電素子の駆動装置、電子機器、および、圧電素子駆動周波数の制御方法 - Google Patents

圧電素子の駆動装置、電子機器、および、圧電素子駆動周波数の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回路規模が小さくても実用的に十分な精度で圧電素子に対し共振周波数での駆動を行う。
【解決手段】トランス2と、トランス2の1次側に入力される制御信号CSに追従して周波数が変化する駆動信号DSをトランス2の2次側で発生させ、圧電素子PZに印加する駆動回路3と、コントローラ5とを有する。コントローラ5は、制御信号CSの周波数を所定の周波数範囲FR内で複数回変化させて、当該周波数を変化させるごとに圧電素子PZのインピーダンス変化に応じた検出電位Vdetを検出し、検出電位Vdetの推移に基づいて圧電素子PZの共振周波数frを求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、駆動周波数が可変できる圧電素子の駆動装置と、圧電素子を流体ポンプに用いた電子機器と、圧電素子駆動周波数の制御方法とに関する。
液体の噴霧器や各種アクチュエータに好適な圧電素子の駆動回路が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
この駆動回路は、トランスの1次巻線にスイッチングのためのトランジスタを接続し、2次巻線に圧電素子を接続し、トランジスタのスイッチング動作により、圧電素子の駆動電圧を発生、制御する回路である。
また、圧電素子を用いた超音波モータの駆動回路として、1次側をトランジスタ等でスイッチングしても2次側に正弦波の駆動電圧を発生させるために、圧電素子と並列共振する共振回路を有する駆動回路が知られている(例えば特許文献3参照)。
これらの特許文献1〜3には、トランスの2次側に圧電素子を含む共振回路を形成し、その共振周波数近傍で圧電素子を駆動することが記載されている。
共振周波数近傍の駆動では、効率がよく低消費電力となるため好ましい。
ところが、圧電素子(圧電振動子)は、例えば特許文献1に記載されているように、温度等によって共振点が変化し、このため温度等の変化に共振点を追従させる必要がある。
そこで、特許文献1、2では、トランスの2次側の電圧と電流の位相比較によって、共振点の変化に対応した駆動周波数の制御を行う。
特許第2618685号公報 特許第3115618号公報 特許第2976489号公報
ところが、位相比較による駆動周波数の制御は、位相比較のための回路規模が大きく、このことがコスト増の要因となっている。
本発明は、回路規模が小さくても実用的に十分な精度で圧電素子に対し共振周波数での駆動を行える、圧電素子の駆動装置を提供するものである。また、本発明は、この圧電素子駆動を流体ポンプの駆動に適用した電子機器を提供するものである。さらに、本発明は、簡単な操作手順でも実用的に十分な精度で行える圧電素子駆動周波数の制御方法を提供するものである。
本発明の一形態(第1形態)に関わる圧電素子の駆動装置は、トランスと、前記トランスの1次側に入力される制御信号に追従して周波数が変化する駆動信号を前記トランスの2次側で発生させ、当該駆動信号を圧電素子に印加する駆動回路と、前記制御信号の周波数を所定の周波数範囲内で複数回変化させて、当該周波数を変化させるごとに前記圧電素子のインピーダンス変化を検出し、当該インピーダンス変化の推移に基づいて前記圧電素子の共振周波数を求め、求めた共振周波数が得られるように前記制御信号の周波数を制御する制御回路と、を有する。
本発明の他の形態(第2形態)に関わる圧電素子の駆動装置は、上記第1形態において、前記制御回路は、前記制御信号の周波数を前記所定の周波数範囲内で複数回変化させて得られた複数の検出値で、最大値と最小値の差が所定の基準値以上のときは前記複数の検出値の推移に基づいて前記圧電素子の共振周波数を求め、前記差が前記基準値未満のときは前記複数の検出値を無効にする。
本発明の他の形態(第3形態)に関わる圧電素子の駆動装置は、上記第2形態において、前記制御回路は、前記差が基準値以上の場合に、前記最小値が所定の閾値以上のときは当該最小値が得られた前記制御信号の周波数を前記共振周波数と推定する。
本発明の他の形態(第4形態)に関わる圧電素子の駆動装置は、上記第3形態において、前記制御回路は、前記差が基準値以上の場合に、前記最小値が所定の閾値未満のときは、隣り合う検出値間を直線または近似曲線で結んで検出値の軌跡を求め、当該検出値の軌跡が前記閾値の一定レベルを示す直線と交差する交差点が2つのときは、当該2つの交差点に対応する2つの周波数の平均値を前記共振周波数と推定し、前記交差点が3以上のときは、当該3以上の交差点にそれぞれが対応する3以上の周波数で、最小の周波数と次に小さい周波数の平均値を前記共振周波数と推定する。
本発明の他の形態(第5形態)に関わる圧電素子の駆動装置は、上記第3形態において、前記制御回路は、前記差が基準値以上の場合に、前記最小値が複数存在するときは、当該複数の最小値がそれぞれ対応する複数の周波数の中で最小の周波数を前記共振周波数と推定する。
本発明の他の形態(第6形態)に関わる圧電素子の駆動装置は、上記第1形態において、前記制御回路は、前記制御信号の周波数を前記所定の周波数範囲内で複数回変化させて得られた複数の検出値で、最小値が得られた前記制御信号の周波数を前記共振周波数と推定する。
本発明の他の形態(第7形態)に関わる圧電素子の駆動装置は、上記第6形態において、前記制御回路は、前記最小値が複数存在するときは、当該複数の最小値がそれぞれ対応する複数の周波数の中で最小の周波数を前記共振周波数と推定する。
本発明の他の形態(第8形態)に関わる圧電素子の駆動装置は、上記第1形態において、前記制御回路は、前記制御信号の周波数を前記所定の周波数範囲内で複数回変化させて得られた複数の検出値で、最小値が所定の閾値未満のときは、隣り合う検出値間を直線または近似曲線で結んで検出値の軌跡を求め、当該検出値の軌跡が前記閾値の一定レベルを示す直線と交差する交差点が2つのときは、当該2つの交差点に対応する2つの周波数の平均値を前記共振周波数と推定し、前記交差点が3以上のときは、当該3以上の交差点にそれぞれが対応する3以上の周波数で、最小の周波数と次に小さい周波数の平均値を前記共振周波数と推定する。
本発明の他の形態(第9形態)に関わる圧電素子の駆動装置は、上記第2形態において、前記制御回路は、前記複数の検出値が無効となった場合に、前記周波数範囲を変更して前記インピーダンス変化の検出を再度行い、当該周波数範囲の変更とインピーダンス変化の検出を、最大値と最小値の差が所定の基準値以上となる前記複数の検出値が得られるまで繰り返す。
本発明の他の形態(第10形態)に関わる圧電素子の駆動装置は、上記第9形態において、前記周波数範囲を選択可能な周波数帯域が予め決められており、前記制御回路は、選択されて既に前記インピーダンス変化の検出が行われた全ての前記周波数範囲によって、前記周波数帯域に含まれる周波数全てが選択された場合は、前記圧電素子の駆動を中止して異常警告のための指令を出力する。
本発明の他の形態(第11形態)に関わる圧電素子の駆動装置は、上記第1形態において、前記制御回路は、前記制御信号の周波数を所定の周波数範囲で複数回変化させて前記共振周波数を求め、求めた共振周波数が得られるように前記制御信号の周波数を制御する動作を、所定時間の経過ごとに繰り返す。
本発明の他の形態(第12形態)に関わる圧電素子の駆動装置は、上記第11形態において、温度検出素子を有し、前記制御回路は、前記温度検出素子の検出温度に応じて、前記制御信号の周波数を制御する動作を繰り返すときの前記所定時間を変更する。
本発明の他の形態(第13形態)に関わる圧電素子の駆動装置は、上記第1形態において、前記制御回路は、前記制御信号の振幅を一定としたときに前記圧電素子のインピーダンスに応じた値をとる前記駆動信号の電圧レベルの変化を検出する。
本発明の他の形態(第14形態)に関わる電子機器は、圧電素子と、当該圧電素子の圧電体で、または、当該圧電体とともに振動する振動部材で、一方の面が塞がれたポンプ室とを有し、前記ポンプ室の流体吸入口から吸い込んだ流体を吐出口から排出するポンプと、2次側に前記圧電素子が接続されたトランスと、前記トランスの1次側に入力される制御信号に追従して周波数が変化する駆動信号を前記2次側で発生させ、当該駆動信号を前記圧電素子に印加する駆動回路と、前記制御信号の周波数を所定の周波数範囲内で複数回変化させて、当該周波数を変化させるごとに前記圧電素子のインピーダンス変化を検出し、当該インピーダンス変化の推移に基づいて前記圧電素子の共振周波数を求め、求めた共振周波数が得られるように前記制御信号の周波数を制御する制御回路と、を有する。
本発明の他の形態(第15形態)に関わる圧電素子駆動周波数の制御方法は、圧電素子を含む共振回路の共振周波数に応じた周波数に、前記圧電素子を駆動するための駆動信号の周波数を制御する圧電素子駆動周波数の制御方法であって、前記駆動信号の周波数を所定の周波数範囲内で複数回変化させるステップと、前記周波数を変化させるごとに前記圧電素子のインピーダンス変化を検出するステップと、複数の検出値の推移に基づいて前記共振周波数を求めるステップと、求めた前記共振周波数が得られるように前記駆動信号の周波数を決定するステップと、を含む。
本発明の他の形態(第16形態)に関わる圧電素子駆動周波数の制御方法は、上記第15形態において、前記共振周波数を求めるステップでは、前記複数の検出値で最大値と最小値の差を求め、前記差を所定の基準値と比較し、前記比較の結果、前記差が前記所定の基準値以上のときは前記複数の検出値の推移に基づいて前記圧電素子の共振周波数を求め、前記差が前記所定の基準値未満のときは前記複数の検出値を無効とする。
本発明の他の形態(第17形態)に関わる圧電素子駆動周波数の制御方法は、上記第15形態において、前記共振周波数を求めるステップでは、前記駆動信号の周波数を前記所定の周波数範囲内で複数回変化させて得られた複数の検出値で、最小値が得られた前記駆動信号の周波数を前記共振周波数と推定する。
本発明の他の形態(第18形態)に関わる圧電素子駆動周波数の制御方法は、上記第15形態において、前記共振周波数を求めるステップでは、前記駆動信号の周波数を前記所定の周波数範囲内で複数回変化させて得られた複数の検出値で、最小値が所定の閾値未満のときは、隣り合う検出値間を直線または近似曲線で結んで検出値の軌跡を求め、当該検出値の軌跡が前記閾値の一定レベルを示す直線と交差する交差点が2つのときは、当該2つの交差点に対応する2つの周波数の平均値を前記共振周波数と推定し、前記交差点が3以上のときは、当該3以上の交差点にそれぞれが対応する3以上の周波数で、最小の周波数と次に小さい周波数の平均値を前記共振周波数と推定する。
本発明の他の形態(第19形態)に関わる圧電素子駆動周波数の制御方法は、上記第15形態において、前記駆動信号の周波数を変化させる際に、トランスの1次側に制御信号を与えたときに、前記制御信号に追従して周波数および振幅が変化する前記駆動信号を、前記トランスの2次側に接続される前記圧電素子に供給することとし、前記制御信号を介して前記駆動信号の周波数を変化させ、前記制御回路は、前記制御信号の振幅を一定としたときに前記圧電素子のインピーダンスに応じた値をとる前記駆動信号の電圧レベルの変化を検出する。
この駆動装置は、トランスの1次側に制御信号を入力すると、その制御信号に追従して周波数が変化する駆動信号が、トランスの2次側に発生する。トランスの2次側には圧電素子が接続され、かつ、圧電素子を含む共振回路が形成されている。共振回路の共振周波数と駆動信号の周波数とがほぼ一致すると共振回路が高効率で動作する。
このため制御回路は、共振周波数がトランスの2次側の駆動信号で得られるように、以下のようにして、制御信号の周波数を制御する。
本発明では、この周波数の変化範囲として「所定の周波数範囲」が決められており、制御回路は、この範囲内で制御信号の周波数を変化させる。変化させる周波数ステップ等は任意である。また、所定の周波数範囲を変化させることもできる(第9形態参照)。
制御回路は、制御信号の周波数を上記範囲内で変化させるたびに圧電素子のインピーダンス変化を検出する。制御回路は、このインピーダンス変化から圧電素子の共振周波数を求める。そして、制御回路は、求めた共振周波数が得られるように制御信号の周波数を制御する。
例えば、第13形態のように、駆動信号の電圧レベルの変化から圧電素子のインピーダンス変化を検出できる。つまり、制御信号の振幅を一定として、その周波数を変化させると、駆動信号の電圧レベルが変化するが、この変化は圧電素子のインピーダンスの変化を表す。例えば、制御信号によって与えられる入力パワーが同じであっても、圧電素子のインピーダンスが最小のときに駆動電圧の電圧レベルが最大となって最も大きな駆動電流が圧電素子に流れる。よって、駆動電圧の電圧レベルから、圧電素子のインピーダンスが最小のときが分かり、そのとき圧電素子が共振周波数付近で駆動される。
所定の周波数範囲に対し非常に細かなステップで制御信号の周波数を変化させれば、ほぼ共振周波数と一致した周波数の検出ができる。ただし、周波数範囲の大きさにもよるが、ステップが細かいほど時間がかかることがある。よって、本発明の第2形態以下では、次の簡易的な方法によって共振周波数を推定する。
まず、第2形態では設定した周波数範囲が適正であるかを、検出値の最大値と最小値の差で調べる。共振周波数付近では検出値の変化が急峻であるため、共振周波数を含んで周波数範囲が設定されているときは、この差がある程度大きな値となる。よって、共振周波数を含んでいるかを調べるのに適切な値の基準値を設け、上記差が基準値以上のときは周波数範囲が適正、基準値未満のときは周波数範囲が不適正として、不適正の場合は検出値を無効とする。
なお、現在設定している周波数範囲における上記差が基準値未満となって現在の検出値が無効となった場合、周波数範囲を変更して再度、インピーダンス変化の検出を行ってもよい(第9形態)。第9形態では、この周波数範囲の変更とインピーダンス変化の検出を、最大値と最小値の差が所定の基準値以上となる複数の検出値が得られるまで繰り返す。
この場合、さらに、第10形態のように周波数範囲を選択可能な周波数帯域が予め決めておき、これ以上選択できない場合、故障の可能性があるため、制御回路は駆動を中止して異常警告のための命令を出力するようにしてもよい。
第1の周波数推定手法では、第2形態の周波数範囲の適正/不適正の判断で上記差が基準値以上(範囲が適正)の場合(第3形態)、あるいは、第2形態の判断を経ることなく(第6形態)、得られた複数の検出値で、最小値が得られた制御信号の周波数を共振周波数と推定する。第3形態では最小値が所定の閾値以上のときに、この手法を適用している。
例えば、通常、共振周波数では検出値が、ある値以下となるという大まかな目安として、この閾値を用いることができる。検出ポイントが粗くて複数の検出値全てが閾値より大きい場合でも、最小の検出値付近が共振周波数に近いと推測できる等の理由から、第3形態では、最小値によって共振周波数を推定している。ただし、第6形態のように、閾値とは無関係に最小値によって共振周波数を推定しても構わない。
第1の周波数推定手法で、同じ値の最小値が複数存在する場合、当該複数の最小値がそれぞれ対応する複数の周波数の中で最小の周波数を共振周波数と推定する(第7形態)。
複数の最小値が存在する場合、その何れに対して共振周波数が最も近いかは未知である。その一方で、周波数が小さいほど制御信号を発生させるときの消費電力が小さく、また、圧電素子の駆動周波数が共振点からずれているときは、そのずれ量が同じなら周波数が小さい方が圧電素子等で消費される電力の面で有利である。第7形態は、共振周波数に最も近いかは未知であるにしても、少なくとも、共振周波数までのずれ量が同じなら周波数は低い方が低消費電力であることを考慮して、その分、より低消費電力になる可能性が高い周波数を選択するという趣旨である。
第2の周波数推定手法では、第2形態の周波数範囲の適正/不適正の判断で上記差が基準値以上(範囲が適正)で、かつ、最小値が閾値未満の場合(第4形態)、あるいは、第2形態の判断を経ることなく閾値との比較で最小値が閾値未満の場合(第8形態)に、検出値が閾値と同じになる点の数に応じて以下のようにして共振周波数の推定を行う。
ここで検出値が閾値と同じになることは、例えば検出ポイントが粗い場合などでは求めることができないので、検出値を直線または近似曲線で結んで検出値の軌跡を求める。そして、この軌跡が閾値の一定レベルを示す直線と交差する交差点を求める。検出値の最小値が閾値以下の場合、この交差点は2つ以上存在する。交差点が2つのときは、当該2つの交差点に対応する2つの周波数の平均値を共振周波数と推定する。一方、交差点が3以上存在するときは、当該3以上の交差点にそれぞれが対応する3以上の周波数で、最小の周波数とつぎに小さい周波数の平均値を共振周波数と推定する。この周波数の低い側を選ぶ趣旨は、第7形態と同様である。
共振周波数は時間とともにずれる特性があるため、第11形態では共振周波数を求めることと、求めた共振周波数に基づく制御信号の周波数制御を所定時間の経過ごとに行う。
また、第12形態では、温度検出素子を設け、温度に応じて上記所定時間を変更する。例えば、温度が上がるほど所定時間を短くして、共振周波数に応じた周波数制御の頻度を上げるとよい。
本発明によれば、回路規模が小さくても実用的に十分な精度で圧電素子に対し共振周波数での駆動を行える、圧電素子の駆動装置を提供することができる。また、この圧電素子駆動を流体ポンプの駆動に適用した電子機器を提供することができる。さらに、簡単な操作手順でも実用的に十分な精度で行える圧電素子駆動周波数の制御方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
《第1実施形態》
本実施形態は、本発明の「圧電素子の駆動装置」の実施形態に関する。
<装置構成>
図1に、圧電素子PZの駆動装置のブロック図を示す。
図1に図解する駆動装置1は、電磁結合トランス2と、駆動回路(DRV.)3と、マイクロコンピュータなどからなり「制御回路」としてのコントローラ5と、と、温度検出回路(T_DET)8と、ディスプレイ9とを有する。
ここで圧電素子PZの駆動のために駆動装置1において必須の構成は、電磁結合トランス2、駆動回路3およびコントローラ5であり、温度検出回路8およびディスプレイ9は任意の構成である。
また、図1においては、コントローラ5が、アナログからデジタルへの変換ポート(ADP、以下、ADポート5Aという)と、所定のデューティ比を有する所定周波数の制御信号CSを発生し、停止制御等を行うタイマパルスユニット(TPU)5Bとを有する。タイマパルスユニット5Bは、出力する制御信号CSに対し、デューティ比の制御、周波数(周期)の制御を行うことができ、また、コントローラ5に対する外部からの指示、または、コントローラ5自身の判断によって、制御信号CSの停止制御を行うことができるように構成されている。
図1は、温度検出回路8からの検出温度に応じて、制御信号CSの停止制御、周波数制御を行うことができる構成の例を示すものである。
このような機能のタイマパルスユニット5Bは、ハードウエアにより実現してもよいし、また、コントローラ5を制御するプログラムにより規定された機能としてソフトウエアにより実現してもよい。
ハードウエアで実現する場合、例えば、2進アップカウンタ、コンパレータおよびレジスタ等からタイマパルスユニット5Bを構成してよい。ソフトウエアで実現する場合、コントローラ5をDSP等のプログラムにより実行制御されるコンピュータベースのICデバイスで構成し、その機能によりタイマパルスユニット5Bを実現してよい。
駆動回路3は、電磁結合トランス2に対して、その1次側の巻線を、制御信号CSに応じて駆動し、2次側に接続されている圧電素子PZに駆動信号DSを印加する回路である。駆動信号DSは、以下、駆動電圧Vdと表記することもある。駆動信号DSは、駆動周波数にもよるが、例えば数十[kHz]の交流信号であり、これにより圧電素子PZが交流駆動される。
図1に示す構成においては、駆動信号DSがADポート5Aによりアナログの直流電圧に変換された後、その電圧レベルがデジタルデータとして読み取られる。
図2は、電磁結合トランス2、駆動回路3等の、より詳細な構成例を示す回路図である。
以下、図1および図2を参照して各構成を説明する。
電磁結合トランス2は、図2に示すように、1次巻線W1と2次巻線W2、ならびに、2つの巻線間に設けられた1以上の比透磁率をもつ磁性材2Aを有し、1次および2次巻線W1,W2は磁性材2Aによって電気的、磁気的に結合されている。電磁結合トランス2は、1次巻線W1と2次巻線W2の巻線数の比率(巻線比)が、所定の値に設定されている。
電磁結合トランス2の1次巻線W1に駆動回路3が接続され、電磁結合トランス2の2次巻線W2に圧電素子PZが接続されている。
図2は、いわゆる2スイッチ構成の駆動回路3を例示する。
図示例の駆動回路3は、それぞれトランジスタ等から形成される2つのスイッチSW1,SW2を有する。スイッチSW1,SW2は、それぞれ、操作片を2つの接点の何れかに切り替えるスイッチである。スイッチSW1の操作片は電源電圧Vccに接続され、スイッチSW2の操作片は電源電圧の基準となる電圧、例えば接地電圧GNDに接続されている。
スイッチSW1,SW2の各々は、1次巻線W1の一方端に接続される第1接点P1と、1次巻線W1の他方端に接続される第2接点P2とを有し、接点の切り替えを差動的に行う。図2に示すように、スイッチSW1の操作片が第1接点P1に接続されて電源電圧Vccの供給状態にあるときは、スイッチSW2の操作片が第2接点P2に接続されて接地電圧GNDの供給状態にある。逆に、スイッチSW1の操作片の接続先が第2接点P2に切り替えられて接地電圧GNDの供給状態に推移すると、これとほぼ同時に、スイッチSW2の操作片の接続先が第1接点P1に切り替えられて電源電圧Vccの供給状態に推移する。
このような2接点スイッチをトランジスタで実現する場合、駆動回路3は4つのトランジスタを、いわゆるHブリッジ構成で接続させるとよい。Hブリッジ構成は、例えば、スイッチSW1を差動的にオンとオフが動作する2つのPMOSトランジスタで形成し、スイッチSW2を差動的に動作する2つのNMOSトランジスタで形成することにより実現できる。
スイッチSW1,SW2の制御は、コントローラ5から出力される、所定のデューティ比の制御信号CSにより行われる。
制御信号CSの制御パルスがハイレベル(以下、“H”と表記)のときに、例えば図2に示すような接続状態となる。これにより、当該制御パルスが“H”をとる短い期間だけ、1次巻線W1においてスイッチSW1側からスイッチSW2側に電流が流れる。この電流を、以下、「正電流I(+)」と表記する。制御パルスがオフするローレベル(以下、“L”と表記)になると、スイッチSW1,SW2は共にオフして、1次巻線W1はハイインピーダンス状態となる。
次の制御パルスが入力されると、駆動回路3は図2とは反対の接続状態となり、1次巻線W1に流れる電流の向きが反転する。このときの電流を、以下、「負電流I(-)」と表記する。制御パルスがオフすると、スイッチSW1,SW2は共にオフして、1次巻線W1はハイインピーダンス状態となる。
以上の動作が繰り返されることにより、1次巻線W1に正電流I(+)と負電流I(-)が、それぞれ所定の短い時間だけ交互に流れ、正電流I(+)が流れる期間と負電流I(-)が流れる期間の間に、電流が流れない期間をもつ断続的な電流駆動が行われる。
なお、図2のように1つの制御信号CSで駆動回路3を駆動する場合、駆動回路3内に、2つのスイッチSW1,SW2を、各入力パルスに対して交互に動作させる機能を回路的に実現するとよい。この機能を駆動回路3内で回路的に実現した場合、駆動回路3の規模が大きくなるため、この方法は余り現実的ではない。
そこで、図1に示すコントローラ5内のタイマパルスユニット5Bにおいて、位相が180度異なる2つの制御信号を発生して、この2つの制御信号により、図2に示す駆動回路3を制御してもよい。
この場合、駆動回路3は、第1制御信号(以下、CS1により表記)でスイッチSW1,SW2による正電流I(+)駆動を制御し、第2制御信号(以下、CS2により表記)でスイッチSW1,SW2による負電流I(-)駆動を制御する。これにより、駆動回路3は簡単な回路で形成でき、上述したと同様に、1次巻線W1を正電流I(+)と負電流I(-)で交互に、かつ、断続的に駆動できる。
なお、図1内のタイマパルスユニット5Bで発生する制御信号CSを、図2に示す2値パルスに代えて、例えば接地電圧GNDなどの中間レベルを中心に、正側のパルスと負側のパルスが交互に断続的に出現する3値パルスに変更し、これにより駆動回路3を駆動してもよい。
図2に示す構成では、図1のADポート5Aが有する交流−直流変換の機能を、圧電素子PZに外付けされる検波回路7により実現する実施例を示している。
この実施例における検波回路7は、電磁結合トランス2の2次巻線W2に出現する圧電素子PZの駆動電圧Vdを検出する回路である。
検出回路構成は任意であるが、例えば図2に示すような簡単な半波整流回路で検波回路7を実現できる。
図2に示す検波回路7は、3つの抵抗R71〜R73、ダイオードD7およびキャパシタC7により構成されている。
2次巻線W2および圧電素子PZと並列に、抵抗R71とダイオードD7と抵抗R72の直列回路を接続し、抵抗R72と並列にキャパシタC7と抵抗R73を接続している。ダイオードD7のカソードから出力(検出電位Vdet)が取り出される。
ダイオードD7のアノード電位がカソード電位よりある程度高いときはダイオードD7に順方向の電流が流れるため、この電流が流れる期間にキャパシタC7が充電され、検出電位Vdetが出力に出現する。アノードとカソードの電位差が減少に転じると、大きな抵抗R73を介して非常にゆっくりとした放電が行われ、これによって検出電位Vdetの波形が平滑化される(ほぼ一定となる)。この平滑化は、アノードとカソードの電位差が小さくなってダイオードD7に電流が流れなくなり、さらにアノードとカソードの電位が逆転してダイオードD7が逆バイアスされる期間中も続けられる。次に、カソード電位に対してアノード電位がある程度高い期間に再びなると、再度、キャパシタC73の充電が開始されるが、この2回目以降の充電は、その直前の平滑化時の放電による僅かな電位ドロップを補う程度である。
以後、同様にして平滑化と、平滑時の電位ドロップを補う程度の僅かな充電が繰り返されるため、検出電位Vdetとして、ほぼ一定の直流に近い波形の電圧が得られる。検出電位Vdetの大きさ(直流電圧レベル)は、2次巻線W2に出現する駆動電圧の振幅に比例している。
このようにして得られた検出電位Vdetは、コントローラ5に入力され、内部のADポート5Aで検出電位がデジタル値として読み取られる。
なお、図2に例示する検出回路7は、2次巻線W2の一方端と他方端との間を抵抗分割して、その一方の抵抗R72と並列にキャパシタC7や抵抗R73などの平滑化回路を接続させたが、2次巻線W2の一方端と基準電圧(例えばGND電圧)との間を抵抗分割して、その基準電圧側の抵抗と並列に平滑化回路を形成してもよい。また、適宜、2次巻線W2に直列に抵抗を挿入し、あるいは、2次巻線W2と基準電圧間に抵抗を接続するなど、回路に関する種々の変形が可能である。
第1実施形態においては、温度検出回路8は任意の構成なので、その詳細は、温度検出回路8が必須の第2実施形態で説明する。
コントローラ5は、制御信号CSの周波数を制御することにより、電磁結合トランス2から出力される駆動電圧Vdの周波数(駆動周波数)を制御する第1の機能を、少なくとも有する。また、必須ではないが、コントローラ5は、制御信号CSのデューティ比を制御することにより、電磁結合トランス2から出力される駆動電圧Vdの振幅を制御する第2の機能を有する。
第1の機能の詳細は後述する。
<駆動電圧制御>
第2の機能(駆動電圧制御)に関し、コントローラ5は、圧電素子PZの駆動力を強める(または弱める)指令を外部から受け取る(または検出温度等から自己判断する)と、この指令に含まれる制御量だけ制御信号CSのデューティ比を変化させる。このとき検波回路7を有することから、制御信号CSのデューティ比を変化させた結果が、電磁結合トランス2の2次巻線W2に出現する駆動電圧Vdに正確に反映されたかをコントローラ5が確認できる。コントローラ5は、この確認の結果、デューティ比の変化が不十分あるいは過度に行われたことを知ることから、その知った情報を基に所望の駆動電圧Vdにするために制御信号CSのデューティ比を微調整できる。
なお、ディーティ比によって駆動電圧が変化することは、後述する動作において説明する。
<共振周波数変更>
次に、共振周波数変更のための構成を説明する。
制御信号CSにより制御される駆動回路3は、電磁結合トランス2の1次巻線W1に電流を流すオン状態、電流を流さないオフ状態を、入力される上記制御信号CSにより規定される所定の周波数で繰り返し1次巻線W1に設定するように動作する。このとき例えば、上記オン状態が制御パルスのハイレベル(“H”)に、上記オフ状態が制御パルスのローレベル(“L”)に対応する。
ここで電磁結合トランス2の1次側電流駆動の周波数(周期T)を電流駆動周波数と定義する。電流駆動周波数は、電磁結合トランス2の2次側で形成され圧電素子PZを含む共振回路の共振周波数に、望ましくは一致するように設定される。ここで電流駆動周波数が共振周波数と完全に一致しなくても動作は可能であるが、圧電素子PZの印加電圧波形を正弦波にして、効率良い駆動を行うには、電流駆動周波数が共振周波数と一致することが望ましい。
このための構成として、図2に示すように、リアクタンス素子4を電磁結合トランス2の2次巻線W2に並列接続している。
電磁結合トランス2の1次側の電流駆動を、上記オン状態とオフ状態を繰り返すことにより断続的に行うと、1次側の駆動回路3で消費される電力は、持続時間が短いパルス電流による電力消費の時間平均であるため、比較的小さくてすむ。
パルス電流が電磁結合トランス2の1次側に一度印加されると、2次側の共振回路の共振現象により、圧電素子PZに交流電圧(駆動電圧Vd)が印加され、そのままオフ状態に放置すると該交流電圧は次第に減衰する。この減衰は、共振回路(巻線回路)の銅損等でエネルギーが失われるため生じる。本実施形態では、望ましくは、電磁結合トランス2の2次側で圧電素子PZに与えられる交流電圧において正負のそれぞれで波高値が減衰する前の短い時間の間だけ、1次側から次のパルス電流によるエネルギー補充を行い、これが周期的に繰り返される。ただし、圧電素子PZに与えられる交流電圧がある程度減衰してから短い時間だけ周期的にエネルギー補充を行ってもよい。
本実施形態では、上記共振回路から外(例えばGND線)への放電経路がなく、実質的に外への放電は行われない。共振回路の銅損等でエネルギーが失われることを1次側からの間欠的な電流駆動で補うことは既に述べたが、そのエネルギー損失を全て1次側から必要最小限補う。
以上より、極めて効率的な動作が可能で、低消費電力である。
圧電素子PZは、用途に応じて等価的な容量値の大きさが決まり、コントローラ5が発生する制御信号CSの周波数(電流駆動周波数)を変更するだけでは、当該電流駆動周波数と、共振回路の共振周波数を一致させる、あるいは、ほぼ等しくすることは困難な場合がある。
共振周波数付近での駆動のためには、電流駆動周波数と、各共振回路の共振周波数を一致させる、あるいは、ほぼ等しくするために、共振回路にリアクタンス素子4を追加するとよい。リアクタンス素子4は、圧電素子PZの等価回路におけるキャパシタンス成分および電磁結合トランス2のインダクタンス成分と(電流)駆動周波数で並列共振する共振回路を構成している。
共振回路へのリアクタンス素子4の追加は、図2に示すように圧電素子PZと並列にコンデンサを接続することで達成される。あるいは、圧電素子PZと並列または直列にインダクタを接続してもよい。
なお、リアクタンス素子4の追加は必須でなく、圧電素子PZの大きさや材料と、これに伴って決まる等価回路の定数の大きさによってはリアクタンス素子4がなくても、単に、電磁結合トランス2の2次側に圧電素子PZを接続しただけでも共振周波数付近での駆動が可能な場合もある。
図3(A)〜図3(E)は、図2の回路の動作波形図である。図4は、圧電素子PZの等価回路図である。
圧電素子PZは、図4に示すように、直列接続の容量C1とインダクタンスL1と抵抗R1とを有するとともに、それらに並列な容量C0を有してなる等価回路として表すことができる。
このとき圧電素子PZ1の等価容量成分(主にC1)とリアクタンス素子4としての容量C(図2)との合成容量、ならびに、圧電素子PZの等価インダクタンス成分(L1)と第2巻線コイルW21との合成インダクタンスにより共振回路の共振周波数が決められる。
駆動回路3は、2相駆動の場合、図1に示すタイマパルスユニット5Bから出力される第2制御信号CS2が“L”で第1制御信号CS1が“H”となると、図2に示すように、スイッチSW1が電源電圧Vccへの接続状態、スイッチSW2が接地電圧GNDへの接続状態となるため、正電流I(+)が1次巻線W1に流れる。
また、第1制御信号CS1が“L”の状態で第2制御信号CS2が“H”になると、向きが反対の負電流I(-)が1次巻線W1に流れる。
第1制御信号CS1の“H”の期間は、図3(A)に示すように、一定の半周期T/2より短い時間(ON(+)で表示)だけ持続するパルスで規定され、このパルスが一定の周期Tで繰り返される。
第2制御信号CS2の“H”の期間は、図3(B)に示すように、第1制御信号CS1のパルスと180度位相が異なる同一周期Tのパルスの、短い持続時間(ON(-)で表示)により規定される。2つのパルスの持続時間(いわゆるパルス幅)は異なってもよいが、ここでは同じとする。
以下、第1制御信号CS1のパルス持続時間を「正電流駆動時間、または、ON(+)時間」、第2制御信号CS2のパルス持続時間を「負電流駆動時間、または、ON(-)時間」と称する。
ON(+)時間と次のON(-)時間との間、当該ON(-)時間と次のON(+)時間との間には、それぞれ、1次巻線W1に電流が流れない一定のオフ状態の期間が存在する。
オフ状態の期間は、図2に示すスイッチSW1,SW2が共にオフしていることから、1次巻線W1の両端から駆動回路3を見てハイインピーダンス状態となる。よって、オフ状態の期間にはトランジスタのオフリーク程度しか電流が流れないため、実質的に消費電力はゼロに等しい。
図3(C)は、正電流I(+)と負電流I(-)の大きさ(絶対値:|I|)を示す波形図である。
パルスをオンして電流が流れ始め、続いて飽和するが、図3(C)の例では、その飽和時点でパルスをオフするようにON(+)時間、ON(-)時間が決められている。また、未飽和領域では電流値が減少し、入力電力は低下する。一方、飽和後は、それ以上パルス幅を長くしても動作的に余り意味がなく、電力消費が増えるだけである。よって、ON(+)時間とON(-)時間をそれぞれ最大で電流飽和の時間付近に設定することが望ましい。
1次巻線W1の両端の電圧を、図2の接地電圧GNDへの接続が制御される端を基準とした電源電圧Vccへの接続が制御される端の電圧(1次側電圧Vi)と定義し、その波形を図3(D)に示す。
トランジスタのオン抵抗が無視できるとすると、ON(+)時間の1次側電圧Vi(+)、ON(-)時間の1次側電圧Vi(-)は、ともにほぼ電源電圧Vccの大きさ(例えば5[V]程度)となる。この間欠的な短い時間の電圧は、強制的に1次側の動作で1次巻線W1に設定される。一方、その間のオフ期間は1次巻線W1に対し1次側の電圧強制力が解除されるが、2次側の影響で共振回路の共振周波数に依存した電圧が1次側にも現れる。
1次側電圧Viと2次側電圧(駆動電圧Vd)の波高値の比率は、電磁結合トランス2の巻線比によって決められる。
この動作では、前述したように電流駆動周波数(1次側電圧Vi(+)とVi(-)の設定を繰り返す動作の周波数)と、共振回路の共振周波数がほぼ一致している場合、図3(D)のように1次側電圧Viの波形がほぼ正弦波となる。このため圧電素子の駆動がスムーズで効率的であり、望ましい。
完全に周波数が一致していない場合、間欠的な1次側の電圧設定時に1次側電圧Viの波形の不連続点が生じるが、動作周波数自体は1次側の電流駆動周波数で決まるため、一定の周波数で圧電素子を駆動すること自体は可能である。ただし、この場合、駆動のスムーズさは失われ、効率としても低下する。
コントローラ5が制御信号CSのデューティ比を変化させると、そのデューティ比に応じて図3(C)に示す正電流I(+)および負電流I(-)の高さ(電圧の絶対値)が変わるため、その分だけ、図3(E)に示す駆動電圧Vdの波高値も変化する。
<共振周波数のずれ>
ところで、例えば環境温度等の要因によって、共振周波数がずれることがある。すると、電磁結合トランスの2次側共振回路が低消費電力駆動の動作点からはずれ、消費電力が極端に大きくなる。また、デューティ比制御で想定している振幅が得られなくなり、圧電素子PZの制御精度が低下する。
図5に、温度上昇による影響を示す。図5は、検波回路7(または、交流−直流変換機能を有するADポート5A)から出力される検出電位Vdetの周波数依存性のグラフである。
定常状態の温度、例えば室温(25[℃])では、コントローラ5が出力する制御信号CSの周波数fが上がると、一般的な傾向では、検出電位Vdetでモニタされている電磁結合トランス2の出力電圧(駆動電圧Vd)の時間平均された振幅も上昇し、より大きな駆動力が圧電素子PZに与えられる。しかし、ある周波数f0より低い周波数領域では、リアクタンス素子4を含む電磁結合トランス2の2次側の共振回路において、インダクタンス成分より容量成分が支配的になることに起因して、周波数fの上昇とともに駆動電圧Vdの平均的振幅(検出電位Vdet)も低下する。
よって、図5に示すように検出電位Vdetの周波数依存特性のカーブは、周波数f0で最小の値をとる。この周波数f0は共振回路の共振周波数に対応しており、この周波数f0で駆動装置1は最も効率がよい省電力駆動を行う。
ところが、温度が上昇すると、図5に破線で示すカーブのように検出電位Vdetの最小点(高効率ポイント)が低周波側にシフトする現象が観測される。
したがって、一定の周波数f0で、かつ、一定のディーティ比で、制御信号CS(2相駆動の場合は、第1制御信号CS1および第2制御信号CS2)が設定され、これにより圧電素子PZが駆動されている最中に温度が上昇すると、図5の例では、駆動電圧Vdの平均的な振幅レベルが上昇し、圧電素子PZに必要以上の駆動力が加わってしまう。
<周波数サーチ制御>
このような温度等による影響で共振周波数がずれる現象に適応させる目的で、本実施形態では、周波数サーチを行い、そのサーチ結果に基づいて制御信号CSの周波数を共振点付近の駆動となるように制御する周波数サーチ制御を実行する。
この制御の実行は、検出電位Vdetを用いたコントローラ5が行う。具体的な制御の手法を、以下に種々述べるが、この手順はコントローラ5が実行するプログラムのシーケンスとして与えられる。
本実施形態における周波数サーチ制御は、電磁結合トランス2と駆動回路3に対してコントローラ5が行う制御であって、「制御信号CSの周波数を所定の周波数範囲FR内で複数回変化させて、当該周波数を変化させるごとに圧電素子PZのインピーダンス変化を検出し、当該インピーダンス変化の推移に基づいて圧電素子PZの共振周波数frを求め、求めた共振周波数frが得られるように制御信号CSの周波数を制御する」ことを特徴とする。
図6に、制御のフローチャートを示す。
図6に示す制御では、任意の事項であるが、上記特徴に対応する基本制御に加えて、周波数範囲FRの設定が有効であったかを検出値の最大値と最小値の差を所定の基準値と比較する制御と、その比較の結果等に基づいて周波数範囲FRを変更する制御と、周波数範囲FRを選択可能な周波数帯域内で周波数範囲FR選択の余地がなくなった等の理由から周波数範囲FRの変更ができない場合は異常があるとして警告を発する制御とを行っている。
これらの付加的な任意の制御は、その何れか1つを付加する、任意の2つの制御を選択して付加するなど組み合わせは自由である。
なお、特に断らない限り、図6の制御は図1に示すコントローラ5が実行する。
図6において、処理が開始されると、ステップST1にて、周波数範囲FRおよび制御信号CSの選択周波数fiの初期設定を行う。ここで周波数範囲FRとは、例えば図7に示すように、周波数帯域内で、ある周波数の幅をもった任意の部分的な周波数領域であり、この領域内で図6に示す処理が実行される。選択周波数fiは、周波数範囲FR内の異なる周波数の1つであり、例えば、周波数が小さい方から大きい方へ(その逆でも可能)、周波数範囲FRを(m−1)分割したときの各周波数を意味する。この分割は等分割としてもよいし、等分割でなくてもよい。等分割でない場合、例えば、周波数範囲FRの中心ほど分割幅を細かくするなど規則性があるとよい。
図6では初期値として周波数f1(i=1)が選択される。
図1に示すコントローラ5から周波数f1(i=1)に設定された制御信号CSが出力され、駆動回路3が当該制御信号CSで駆動される(図6のステップST2)。すると、圧電素子PZの駆動信号DSが制御信号CSの周波数f1と所定のデューティ比(固定値)に応じて変化し、圧電素子PZが振動する。
この圧電素子駆動では、制御信号CSが変化してから圧電素子PZの振動が定常状態に安定するまで時間がかかるため、図6における次のステップST3により示す待機時間の経過を設けている。
所定の待機時間が経過すると、図6のステップST4にて、そのとき与えられる圧電素子PZのインピーダンス変化の検出値、例えば検出電位Vdetをコントローラ5がデジタル値として読み取る。読み取った検出値は、コントローラ5内のメモリ(レジスタ等)に一時的に保存しておく。
次のステップST5では、変数iを定数mと比較し、i=mを判定する。現在の変数i=1(<m)であるから、この比較結果(判定)が「NO」となる。
その場合、ステップST6にて変数iをインクリメントして、処理フローがステップST2の前に戻される。
したがって、ステップST5でi=mとなるまでステップST2〜ST6が繰り返される。図7の場合は、m=9であるため、この繰り返しサイクルも9回である。
ステップST5でi=mとなると、処理フローがステップST7に進む。
ステップST7では、コントローラ5が、上記繰り返しサイクルの途中で検出され、メモリに蓄積されている複数の検出値に基づいて、設定されている周波数範囲FRが適正化かを判断する。
具体的には、蓄積されている複数の検出値から最大値Vdet(max)と最小値Vdet(min)を調べ、その差ΔVdetを求める。そして、差ΔVdetを、所定の基準値Vrefと比較する。この比較の結果、差ΔVdetが基準値Vref以上なら、現在設定されている周波数範囲FRは有効であり、この範囲内に共振周波数frが存在するものと仮推定する。一方、差ΔVdetが基準値Vref未満の場合、ステップST7が「NO」となるためステップST8に進む。
ステップST8では、別の周波数範囲FRが所定の周波数帯域内で選択可能かを判断する。この判断は、「選択されて既にインピーダンス変化(例えば検出電位Vdet)の検出が行われた全ての周波数範囲FRによって、周波数帯域に含まれる周波数全てが選択されたか」の判断に対する一例に相当する。
この判断が「NO」の場合、更なる選択が不可能であるため、何らかの異常が生じている可能性があるとして、コントローラ5が図1に示すディスプレイ9に「異常警告」を表示させるなどの処理を行う(ステップST10)。具体的には、圧電素子の駆動を中止して異常警告のための指令を、ディスプレイ9の画像制御部へ出力する。これにより、ユーザに異常を知らせることができる。
一方、ステップST8の判断が「YES」の場合、ステップST9にて周波数範囲FRを変更して、処理フローをステップST1の前に戻す。
よって、ステップST1〜ST9が、ステップST7で共振周波数が含まれる可能性が高い周波数範囲FRが見つかって、処理フローが次のステップST11に抜けるか、または、ステップST8で全ての周波数範囲FR選択がされたことが検出されて異常警告の場合となるまで繰り返される。警告後は、図6に示す処理を終了する。
ステップST11では、差ΔVdetが基準値Vref以上となって共振周波数が含まれる可能性が高い周波数範囲FRで求めた複数の検出値に基づいて、共振周波数frの推定を行う。
共振周波数の推定は、以下の方法を単独で、または、組み合わせて行うことにより実施される。
[第1の推定方法]
この方法では、図9に示す最小値Vdet(min)に対応する制御信号CSの周波数を共振周波数frと推定する。
最小値が複数ある場合は、制御信号CS発生時の消費電力がより小さい、最も小さい周波数の最小値を共振周波数frとしてよい。
なお、制御信号CSの周波数が同じ場合でも、そのデューティ比が異なると共振周波数frが変化する。デューティ比が大きいほど圧電素子PZのインピーダンスが大きくなるからである。このことから、上記最小値とデューティ比とを用いて共振周波数frを推定してもよい。
[第2の推定方法]
この方法では、図10に示すように、例えば共振周波数frがこれ以下であると分かっている閾値Vthを設け、検出点を結んだ軌跡が閾値Vthのレベルを示す直線と交わる2つの交点にそれぞれ対応する制御信号CSの周波数の平均値を共振周波数frと推定する。よって、この方法による共振周波数frは、2つの交点からの距離AとBが等しい周波数となる。
図10には、最小値付近の検出点が2つ存在し、その最小値を共振周波数frとすると、真の共振周波数frとは若干のずれがある。しかし、この方法では、軌跡と閾値Vthの交点から共振周波数frを推定するため、より真値に近い周波数を共振周波数frと推定できる利点がある。
特に図示しないが、共振回路のインピーダンスが容量性と誘導性を繰り返す場合や、使用する圧電素子PZ以外の部材の温度特性などが複雑に関係する場合など、上記第2の推定方法で交点が3以上となることがある。その場合、検出値の最小値との組み合わせで、周波数の平均をとる2つの交点を特定してもよいし、また、最も外側の2つの交点で周波数の平均をとってもよい。
ただし、一般には、共振周波数frは最も小さい側に生じることが多い。また、仮に最も小さい側でなくとも、最も小さい周波数に対応する交点と、その次に小さい周波数の交点とで周波数の平均をとっても、真の共振周波数frに近い周波数を選択できるため、大きな不利益はない。また、この場合、より低周波数での駆動であるため、制御信号CSの発生時の消費電力に限れば最小にできるという利点もある。よって、この最も小さい周波数に対応する交点と、その次に小さい周波数の交点とで周波数の平均をとる方法は、より望ましい。
[ノイズの除去方法]
図6のステップST4では、検出値を得るごとに有効な検出値かどうかを判断することが望ましい。
この方法は、図10に示すように、1つの検出値を得たときは、その検出値が隣接する検出値、例えば1つ前に得た検出値のウインドウW内に入っているかを検討する。このウインドウWは、例えば、検出点Pを中心にインピーダンス変化(Vdet)の幅がプラス側とマイナス側に設定されているものである。
例えば、検出点P3の次に得た検出点P4は、検出点P3のウインドウW3に入っていないのでノイズ等が大きな異常点と判断し、推定の基礎データから除去する。一方、正常な検出点、例えば検出点P6は、検出点P5のウインドウW5に入っているため基礎データに用いられている。
このように検出ごとにノイズ等による異常を吟味すれば、ノイズの影響を除去して共振周波数frがノイズにより誤って推定されることを有効に防止できる。
本実施形態では、図6に示す処理を定期的に実行するとよい。
本実施形態によれば、位相比較といった回路規模が大きくなる方法でなく、簡単に圧電素子のインピーダンス変化から共振周波数を推定できるため、温度等の環境変化に追従して常に効率的で低消費電力な動作点で圧電素子を駆動できるという利益が得られる。
《第2実施形態》
本実施形態では、第1実施形態では図6の処理サイクルを定期的に行っていたが、この処理サイクルの周期を、温度に応じて変化させる。このため、本実施形態では図1に示す温度検出回路8、特に温度検出素子8Aを駆動装置1に備えることが必要である。
温度検出回路8は、圧電素子PZおよびその駆動装置1が設けられた環境温度、例えば、これらが内蔵された電子機器内の温度を常に把握するためも受けられた回路である。温度検出回路8は、温度センサ、あるいは、サーミスタなどの温度に応じて特性が変化するデバイス(温度検出素子8A)を含む。温度検出回路8は、温度検出素子8Aと、電源供給が必要な場合は温度検出素子8Aに電源を供給するとともに、検出した温度そのもの、あるいは、温度に依存する特性変化を示す信号に対し所定の増幅などの処理を行って温度検出信号Stを発生する回路と、を含んで構成してよい。
温度検出回路8が出力した温度検出信号Stはコントローラ5に送られ、内部のADポート5Aで検出電位がデジタル値として読み取られる。
本実施形態では、例えば、図6に示す処理のサイクルを、温度が高くなるほど短い周期で実行するようにコントローラ5が制御する。また、共振周波数frが殆ど変化しないと予想される温度範囲では、処理サイクルの実行をほとんど停止させ、確認のために、時々1回だけ行うようにして、ある温度以上になると、温度が高くなるほど処理サイクルを頻繁に行うようにしてもよい。
本実施形態によれば、温度変化があった場合にのみ周波数スイープ制御を実行し、あるいは、この実行頻度を高めることによって、無駄な電力消費を抑制できるという利点がある。
《第3実施形態》
本実施形態は、第1または第2実施形態に示す駆動回路の適用例として、ポンプ装置を示すものである。本発明のポンプ装置は、エアその他の気体、液体などの流体のポンプ装置として広く適用可能であるが、ここでは、特に、発熱した空冷対象物(例えばIC等の電子デバイス)を空冷する空冷装置、あるいは、細い管に一定の空気流を起こす装置等に応用できるエアポンプ装置を一例として説明する。
エアポンプ装置は、モバイル機器や据え置き機器におけるセット内温度上昇対策システムとして有用である。特にモバイル機器は、筐体が小型であるため、旧来のファン式の空冷装置が配置できない場合がある。
圧電素子を用いたエアポンプ装置(以下、単に、「圧電ポンプ」という)は、小型でエアの排出圧がファン式では得られないほど高くできるという特徴を有するため、モバイル機器のセット内温度上昇対策システムとして特に有用である。
近年、映像音声記録再生装置等の電子装置の高性能化に伴い、装置の消費電力は上昇する傾向にある。また、同時に、小型化を進めたことで、小さな筐体に多くの熱が発生する結果となった。この発生した熱をそのまま放置すれば、内蔵された精密デバイスは熱暴走等を起こす恐れがあり、また装置を使用しているユーザも発熱には敏感であるため、極力、発熱しないようにする必要がある。
しかし、電子装置の筐体は通常密閉されており、何も技術的対策をしなければ、発生した熱は自然に放熱される分しか逃がすことができず、このことが小型化への技術的障害となる。
一般的な電子機器の冷却はファン式の空冷式が多いが、小型の機器には向かないため、共振デバイス(圧電体ユニット)を用いた排熱ポンプを利用する。しかし、例えばノートパソコンなどの比較的大きな機器の排熱に用いる圧電体ユニットと、半導体メモリオーディオ装置などの小型の電子機器に用いられる圧電体ユニットでは、その温度に対する共振周波数の変化が異なる。特に、小型の電子機器では温度変化に敏感に共振周波数が変化しやすい、小型の圧電体ユニットが用いられる傾向がある。また、熱の影響を受けやすいかどうかは、その物体の表面積に比例するため、小型の面積に収納される圧電体ユニットも電子機器の発熱量によって特性が左右されやすい。つまり、体積は寸法の3乗、面積は寸法の2乗で表されるので、小さい(体積)物体ほど、相対的に熱の影響を受けやすいため、小型の電子機器に用いられる圧電体ユニットは共振周波数が変化しやすい。また、小型の圧電体ユニットは、製造時の寸法のばらつきが相対的に大きく、さらに経時変化も加わって、個々のデバイスごとに共振周波数が一定とならないものがある。
よって、そのような要請に応えるために、第1または第2実施形態の周波数スイープ制御が適している。
図12に、圧電ポンプの電子機器内配置を模式的に示す。
図12に図解する電子機器は、静止画または動画を撮影するデジタルカメラ、ゲーム機、携帯電話、音楽や映像の(録画)再生機、コンピュータ、カーナビゲーション装置、その他のマルチメディア機器など、どのようなものでもよい。
図12に示す電子機器100は、その筐体100A内に、回路基板(複数でもよい)101を内蔵し、回路基板101に多数のICその他の回路部品102、電源制御部品103などが高密度で実装されている。
本実施形態の電子機器100は、回路部品102や電源制御部品103などの全ての発熱部品からの放熱を効率的に集めることができる位置、大きさ、形状、材質の、ある程度遮蔽された空間を形成する集熱部104を有している。
集熱部104は、熱伝導率が高い材質から形成され集熱のためのフィン(不図示)を各部品の放熱部分に接触または近接するようにして配置されている。集熱部104内の空間内のエアは、集熱部104のフィンや外壁を通して集められた熱により熱せられる。
筐体100Aの外面に、集熱部104内の空間に連通する吸気口100Bと排気口100Cが設けられている。吸気口100Bおよび排気口100Cの径は数ミリと比較的小さくてよい。吸気口100Bおよび排気口100Cは、手のひらや指で完全には塞がれないように、一段窪んだ箇所や突起の根元などに位置させるなどの工夫がされている。
集熱部104内に、周囲の空間からエアを吸引して排気口100Cに効率よく排気が可能な位置に、「ポンプ装置」としての圧電ポンプPZPが固定されている。
圧電ポンプPZPは、図1に示す圧電素子PZを内蔵し、駆動装置1に接続されている。駆動装置1は回路基板101に実装してよい。また、そのうち温度検出回路8内の温度検出素子8Aは、図12における集熱部104内、排気口100Cの近くなど、個々の部品からの発熱を統合して決まるセット内温度を的確に検出可能な位置に配置される。
圧電ポンプPZPは、このような電子機器100の構造と、その構造内への配置によって、集熱部104内で風を起こし、IC等の発熱体からの熱を強制的にこの風によって放出するエア移送駆動源として機能する。
図13に、圧電ポンプPZPの組み立て図を示す。
図解する圧電ポンプPZPは、「圧電素子PZ」としての圧電体ユニット31、保護リング32、ダイヤフラム33、第1スペーサ34、中板35、第2スペーサ36、天板37を有する。
保護リング32は、例えばステンレス等の腐食に強く高剛性の材料からなり、内部空間を確保するリング形状に形成されている。保護リング32の内部に圧電体ユニット31が収容され、圧電体ユニット31の非振動部分が保護リング32に固定される。保護リング32に対し、ダイヤフラム33を挟んで第1スペーサ34が重ねられる。
第1スペーサ34は、例えばステンレス等の腐食に強く高剛性の材料からなり、内部空間がポンプ室34Aとなるようにリング形状に形成されている。
ダイヤフラム33は、圧電体ユニット31の圧電体が振動するのに合わせて振動する振動部材の一種であり、薄くて変形自在であるが強度的には強い材質のものが望ましい。またダイヤフラム33は、第1スペーサ34との接触面で気密性を高める役目もある。
中央に小さな連通口35Aが空けられた中板35が、第1スペーサ34の上面に重ねられて両者が接触面で気密性が高くなるように固着される。このためポンプ室34Aは、連通口35Aのみで外部に通じることになる。したがって、圧電体ユニット31の圧電体が振動しダイヤフラム33が上下運動すると、ポンプ室34Aの内部容積が拡大と縮小を繰り返すため、連通口35Aからエアが高速で出入りする。
中板35には、さらに、例えばステンレス等の腐食に強く高剛性の第2スペーサ36と天板37が、互いに密着面で気密性が高くなるように固着される。
第2スペーサ36は、例えば四方からエアの吸入経路を確保する内部の空間(4つの通路)が形成されている。4つの通路の先端はほぼ閉じられているが、小さい吸入口が開口している。また、天板37の中央にエアの吐出口37Aが開口している。これにより、吐出口37Aと連通口35Aに連通するベンチュリノズル部36Aが第2スペーサ36の中央部に形成される。
図14(A)および図14(B)は、圧電ポンプPZPの、エアの経路を示す概略断面図である。図14(A)は吸引時、図14(B)は吐出時を示す。
圧電体ユニット31によってゆっくりダイヤフラム33を上下させた場合、吸引によってポンプ室34Aの容積が大きくなり外部から図14(A)に示す経路でエアが入ってくる。また、吐出によってポンプ室34Aの容積が小さくなり内部のエアが、図14(B)のように連通口35A、ベンチュリノズル部36Aを通って吐出口37Aから勢いよく吐き出される。
この吸引と吐出を高速(周波数が20[kHz]またはそれ以上)で繰り返すと、吐出口37Aからはほぼ圧力が一定の連続エア流が噴出する動作となる。この高速駆動では、図14(A)のように吐出口37Aがエアの吸入口になることはなく、専ら吐き出し口として機能する。そのためエアの吸入は、図13に示す第2スペーサ36に形成されている四方の吸入経路の空間とその先端の小さな穴(吸入口)を通して行われる。
図14(C)は、冷却装置として好適な圧電ポンプPZPの概観と、動作時のエア経路を示す図である。
圧電ポンプPZPは、上面視が20[mm]程度、厚さが1[mm]程度の小型の空冷装置として用いることができる。駆動回路は第1実施形態に既に説明した図2に示すものを使用し、20[VP-P]、20[kHz]駆動の場合、吐出口37Aから噴出する連続エア流の静圧が1〜数[Pa]が得られる。
以上のような構造を有し、作用を奏する圧電ポンプPZPは、図1の圧電素子PZに置き換えて適用し、駆動装置1により駆動される。
このとき、図6に示す第1実施形態で説明した周波数スイープ制御を行い、または、第2実施形態の周波数スイープ制御のサイクル周期を温度によって変更する。
とくに、環境によりセット使用状態が異なると、圧電ポンプPZPの負荷は絶えず変動している。このため、駆動周波数を固定化しておくと共振周波数にずれが生じ、有効電力のみならず、無効電力が発生し、圧電振動素子で風を発生させる効率が落ち、かつ圧電ポンプPZP自体も発熱してしまう。
環境変動要因として、環境温度による周波数特性のずれは大きく、このずれを補正して常に最も効率が高い適な動作周波数を制御することは、省電力化において有効である。
以上より、発熱を有効に防止しながら、低消費電力な電子機器を簡単な駆動装置構成によって実現できる。構成が簡単なこと自体も、当該電子機器の低消費電力化に寄与する。
ここで、小型の電子機器では風きり音が問題となる場合がある。
より詳細には、排気口付近では非常に複雑な空気流が形成されているため、排気口からの風切音を低減させる目的で、適切な風量に制御することも必須の機能である。
そこで、本実施形態では、例えば図15に示すように、記録モードと再生モードにおいて、固定風量とするか、温度に依存して風量制御するかの組み合わせを決め、これを風量モード1〜4として規定してもよい。コントローラ5は、記録モード、再生モード、排熱、消費電力等の観点から総合的に、これらの風量モードを適宜切り替える制御を行うことで、排気口からの風切音、デバイス自体の共振音等を装置のマイクから拾うことを有効にできる。
つぎに、第1〜第3実施形態に任意に組み合わせることが可能な変形例を説明する。
<変形例1>
圧電素子PZのインピーダンス変化に対応して変化する検出電位Vdet以外のパラメータを、圧電素子PZから取得してもよい。
<変形例2>
第1実施形態では、周波数帯域内で、その一部である周波数範囲FRを設定して、これを周波数帯域内で変更して共振周波数frを求めた。
しかしながら、温度等が仕様により決められている保証温度範囲などで最大限変化しても共振周波数の変化がある程度小さいなどの特段の事情がある場合は、共振周波数frが含まれる範囲で周波数範囲FRを固定して、この範囲内を1度だけサーチするようにしてもよい。つまり、図6のステップST8とST9を省略して、ステップST7の判断が「NO」の場合にステップST10の「警告」を行うようにしてもよい。
<変形例3>
図6の制御では、周波数を共振周波数fr内で順番に選択して検出値を求めたが、ランダムに選択して複数の検出値を求めてもよい。また、順番に検出値を求めて共振周波数frが存在しそうな範囲を絞ってから、さらに細かく順番に又はランダムに検出値を求めてもよい。
また、図6に示すステップST7の判断で「NO」が続く場合、あるいは、さらにステップST8で「NO」となる場合、いきなりステップST10の警告としないで、周波数のステップを細かくするなどしてから再度、図6の処理を始めからやり直してもよい。
<その他の変形例>
図2に示すリアクタンス素子4は、電磁結合トランス2の1次側巻線W1に、1次巻線W1と並列接続することも可能である。
リアクタンス素子4の耐電圧仕様やリアクタンス値に応じて、リアクタンス素子4を接続する巻線側を、電磁結合トランス2の1次側と2次側の何れにするかを決定すればよい。
駆動回路3の構成は、2点切り替えの2つのスイッチ構成、これを4つのトランジスタにより実現したHブリッジ構成に限らず、1つのトランジスタ(および、逆流防止用のダイオード)による構成でもよい。この場合、2相信号駆動はできないため効率の点では低いが、駆動回路3が簡素化できる利点がある。
周波数変更を、制御パルスを所定の規則で周期的に停止させることで行ってもよい。この停止制御は、コントローラ5が行うか、これとは別に、図1等に示す駆動装置1に停止制御回路を追加することで実現できる。
駆動回路3においてスイッチング動作が行われている期間において、任意の期間、制御パルスの駆動回路3への入力を停止すると、共振回路(巻線回路)の銅損等で失われるエネルギーを電磁結合トランス2の1次側からの間欠的な電流駆動で補う動作が停止するため、停止期間が長いほど入力電力は下がる。このため圧電素子PZの振動エネルギーも低下する。つまり、停止制御を行うと、圧電素子PZの動作(振動エネルギー、あるいは、平均的な振動振幅)を、任意の期間、停止させることで調整することができる。
図2に示す駆動回路3をHブリッジ構成とする場合、2つのPMOSトランジスタと2つのNMOSトランジスタを組み合わせてブリッジ接続する。このような回路は、ディスクリートの電子部品を回路基板に実装させる回路である必要は必ずしもなく、何らかのIC内部に形成することができる。
電磁結合トランス2の1次巻線W1に流れる電流は数十[mA]のオーダーであるから、電磁結合トランス2の巻線の線径は太くする必要はなく、またコア内の磁束密度も大きくはないからコアの断面積も小さくすることができる。
近年では巻線をフィルムに配線パターンをメッキあるいは蒸着工程により形成したシート状巻線もあり、これらを積層化することで小型の多巻線トランスを形成することもできる。これにより小型の多巻線トランスが実現できる。
以上の本実施形態では、携帯機器に適応した、小型かつ低消費電力の圧電素子の駆動装置が実現できる。
第3実施形態では、空冷に適したエア圧電ポンプPZP装置に、本発明の駆動回路を適用した例を述べたが、本発明の適用範囲は、空冷に限らず、液体の冷却媒体(水等)の配管内で冷却媒体に一定の流量を与える圧電ポンプPZP装置としても用いることができる。また、撮像素子等に対し振動を与えて埃を除去する埃除去装置、その他の振動を発生させるアクチュエータに応用できる。
さらに本発明の圧電素子の駆動装置は、液晶等の表示装置画面のタッチセンサにクリック感を与える装置、さらには、電磁結合トランス2の2次巻線回路を2回路に増やすことで、駆動回路3を増やすことなく同相駆動出力と同時に、逆相駆動出力を得ることができるので、逆相駆動による圧電モータへの応用も可能である。
本発明の実施形態に関わる駆動回路の構成を示す回路ブロック図である。 本発明の実施形態に関わる、トランスや駆動回路等の、より詳細な構成例を示す回路図である。 図2に示す回路の動作波形図である。 圧電素子の等価回路図である。 本発明の実施形態に関わり、検出電圧の周波数依存性のグラフである。 本発明の実施形態に関わる圧電素子駆動周波数の制御方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に関わり、周波数範囲の説明図である。 本発明の実施形態に関わり、検出値の有効と無効を周波数範囲ごとに判断するときの説明図である。 本発明の実施形態に関わり、共振周波数の検出方法の説明図である。 本発明の実施形態に関わり、共振周波数の他の検出方法の説明図である。 本発明の実施形態に関わり、ノイズの影響を排除する方法の説明図である。 第3実施形態に関わる電子機器の構造と圧電ポンプの配置を示す図である。 第3実施形態に関わる、空冷装置として用いるエア圧電ポンプ装置の組立図である。 第3実施形態に関わる圧電ポンプのエア経路を示す断面図および斜視図である。 第4実施形態に関わり、風量モードと記録モードおよび再生モードとの関係を規定した図表である。
符号の説明
1…駆動装置、2…電磁結合トランス、3…駆動回路、4…リアクタンス素子、5…コントローラ、7…検波回路、8…温度検出回路、8A…温度検出素子、9…ディスプレイ、100…電子機器、PZ…圧電素子、PZP…圧電ポンプ、W1…1次巻線、W2…2次巻線、CS…制御信号、DS…駆動信号、Vdet…検出電圧、St…温度検出信号、FR…周波数範囲、fr…共振周波数、ΔVdet…最大値と最小値の差

Claims (19)

  1. トランスと、
    前記トランスの1次側に入力される制御信号に追従して周波数が変化する駆動信号を前記トランスの2次側で発生させ、当該駆動信号を圧電素子に印加する駆動回路と、
    前記制御信号の周波数を所定の周波数範囲内で複数回変化させて、当該周波数を変化させるごとに前記圧電素子のインピーダンス変化を検出し、当該インピーダンス変化の推移に基づいて前記圧電素子の共振周波数を求め、求めた共振周波数が得られるように前記制御信号の周波数を制御する制御回路と、
    を有する圧電素子の駆動装置。
  2. 前記制御回路は、前記制御信号の周波数を前記所定の周波数範囲内で複数回変化させて得られた複数の検出値で、最大値と最小値の差が所定の基準値以上のときは前記複数の検出値の推移に基づいて前記圧電素子の共振周波数を求め、前記差が前記基準値未満のときは前記複数の検出値を無効にする
    請求項1に記載の圧電素子の駆動装置。
  3. 前記制御回路は、前記差が基準値以上の場合に、前記最小値が所定の閾値以上のときは当該最小値が得られた前記制御信号の周波数を前記共振周波数と推定する
    請求項2に記載の圧電素子の駆動装置。
  4. 前記制御回路は、前記差が基準値以上の場合に、前記最小値が所定の閾値未満のときは、隣り合う検出値間を直線または近似曲線で結んで検出値の軌跡を求め、当該検出値の軌跡が前記閾値の一定レベルを示す直線と交差する交差点が2つのときは、当該2つの交差点に対応する2つの周波数の平均値を前記共振周波数と推定し、前記交差点が3以上のときは、当該3以上の交差点にそれぞれが対応する3以上の周波数で、最小の周波数と次に小さい周波数の平均値を前記共振周波数と推定する
    請求項3に記載の圧電素子の駆動装置。
  5. 前記制御回路は、前記差が基準値以上の場合に、前記最小値が複数存在するときは、当該複数の最小値がそれぞれ対応する複数の周波数の中で最小の周波数を前記共振周波数と推定する
    請求項3に記載の圧電素子の駆動装置。
  6. 前記制御回路は、前記制御信号の周波数を前記所定の周波数範囲内で複数回変化させて得られた複数の検出値で、最小値が得られた前記制御信号の周波数を前記共振周波数と推定する
    請求項1に記載の圧電素子の駆動装置。
  7. 前記制御回路は、前記最小値が複数存在するときは、当該複数の最小値がそれぞれ対応する複数の周波数の中で最小の周波数を前記共振周波数と推定する
    請求項6に記載の圧電素子の駆動装置。
  8. 前記制御回路は、前記制御信号の周波数を前記所定の周波数範囲内で複数回変化させて得られた複数の検出値で、最小値が所定の閾値未満のときは、隣り合う検出値間を直線または近似曲線で結んで検出値の軌跡を求め、当該検出値の軌跡が前記閾値の一定レベルを示す直線と交差する交差点が2つのときは、当該2つの交差点に対応する2つの周波数の平均値を前記共振周波数と推定し、前記交差点が3以上のときは、当該3以上の交差点にそれぞれが対応する3以上の周波数で、最小の周波数と次に小さい周波数の平均値を前記共振周波数と推定する
    請求項1に記載の圧電素子の駆動装置。
  9. 前記制御回路は、前記複数の検出値が無効となった場合に、前記周波数範囲を変更して前記インピーダンス変化の検出を再度行い、当該周波数範囲の変更とインピーダンス変化の検出を、最大値と最小値の差が所定の基準値以上となる前記複数の検出値が得られるまで繰り返す
    請求項2に記載の圧電素子の駆動装置。
  10. 前記周波数範囲を選択可能な周波数帯域が予め決められており、
    前記制御回路は、選択されて既に前記インピーダンス変化の検出が行われた全ての前記周波数範囲によって、前記周波数帯域に含まれる周波数全てが選択された場合は、前記圧電素子の駆動を中止して異常警告のための指令を出力する
    請求項9に記載の圧電素子の駆動装置。
  11. 前記制御回路は、前記制御信号の周波数を所定の周波数範囲で複数回変化させて前記共振周波数を求め、求めた共振周波数が得られるように前記制御信号の周波数を制御する動作を、所定時間の経過ごとに繰り返す
    請求項1に記載の圧電素子の駆動装置。
  12. 温度検出素子を有し、
    前記制御回路は、前記温度検出素子の検出温度に応じて、前記制御信号の周波数を制御する動作を繰り返すときの前記所定時間を変更する
    請求項11に記載の圧電素子の駆動装置。
  13. 前記制御回路は、前記制御信号の振幅を一定としたときに前記圧電素子のインピーダンスに応じた値をとる前記駆動信号の電圧レベルの変化を検出する
    請求項1に記載の圧電素子の駆動装置。
  14. 圧電素子と、当該圧電素子の圧電体で、または、当該圧電体とともに振動する振動部材で、一方の面が塞がれたポンプ室とを有し、前記ポンプ室の流体吸入口から吸い込んだ流体を吐出口から排出するポンプと、
    2次側に前記圧電素子が接続されたトランスと、
    前記トランスの1次側に入力される制御信号に追従して周波数が変化する駆動信号を前記2次側で発生させ、当該駆動信号を前記圧電素子に印加する駆動回路と、
    前記制御信号の周波数を所定の周波数範囲内で複数回変化させて、当該周波数を変化させるごとに前記圧電素子のインピーダンス変化を検出し、当該インピーダンス変化の推移に基づいて前記圧電素子の共振周波数を求め、求めた共振周波数が得られるように前記制御信号の周波数を制御する制御回路と、
    を有する電子機器。
  15. 圧電素子を含む共振回路の共振周波数に応じた周波数に、前記圧電素子を駆動するための駆動信号の周波数を制御する圧電素子駆動周波数の制御方法であって、
    前記駆動信号の周波数を所定の周波数範囲内で複数回変化させるステップと、
    前記周波数を変化させるごとに前記圧電素子のインピーダンス変化を検出するステップと、
    複数の検出値の推移に基づいて前記共振周波数を求めるステップと、
    求めた前記共振周波数が得られるように前記駆動信号の周波数を決定するステップと、
    を含む圧電素子駆動周波数の制御方法。
  16. 前記共振周波数を求めるステップでは、
    前記複数の検出値で最大値と最小値の差を求め、
    前記差を所定の基準値と比較し、
    前記比較の結果、前記差が前記所定の基準値以上のときは前記複数の検出値の推移に基づいて前記圧電素子の共振周波数を求め、前記差が前記所定の基準値未満のときは前記複数の検出値を無効とする
    請求項15に記載の圧電素子駆動周波数の制御方法。
  17. 前記共振周波数を求めるステップでは、前記駆動信号の周波数を前記所定の周波数範囲内で複数回変化させて得られた複数の検出値で、最小値が得られた前記駆動信号の周波数を前記共振周波数と推定する
    請求項15に記載の圧電素子駆動周波数の制御方法。
  18. 前記共振周波数を求めるステップでは、前記駆動信号の周波数を前記所定の周波数範囲内で複数回変化させて得られた複数の検出値で、最小値が所定の閾値未満のときは、隣り合う検出値間を直線または近似曲線で結んで検出値の軌跡を求め、当該検出値の軌跡が前記閾値の一定レベルを示す直線と交差する交差点が2つのときは、当該2つの交差点に対応する2つの周波数の平均値を前記共振周波数と推定し、前記交差点が3以上のときは、当該3以上の交差点にそれぞれが対応する3以上の周波数で、最小の周波数と次に小さい周波数の平均値を前記共振周波数と推定する
    請求項15に記載の圧電素子駆動周波数の制御方法。
  19. 前記駆動信号の周波数を変化させる際に、トランスの1次側に制御信号を与えたときに、前記制御信号に追従して周波数および振幅が変化する前記駆動信号を、前記トランスの2次側に接続される前記圧電素子に供給することとし、前記制御信号を介して前記駆動信号の周波数を変化させ、
    前記制御回路は、前記制御信号の振幅を一定としたときに前記圧電素子のインピーダンスに応じた値をとる前記駆動信号の電圧レベルの変化を検出する
    請求項15に記載の圧電素子駆動周波数の制御方法。
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