JP5553565B2 - 振動型モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動型モータ制御装置に係り、特に速度制御方法に関するものである。
振動型モータとして、金属等の環状に形成された振動弾性体に電気―機械エネルギー変換素子である圧電素子(電歪素子)を接合した振動子と、振動子表面に加圧接触する接触体で構成したものがある。振動型モータは、圧電素子へ位相の異なる2相の周波電圧を印加することにより振動弾性体の表面に面外振動モードによる振動波(進行性振動波)を形成し、表面に加圧接触する接触体と振動子とを相対的に移動させるものである。
この振動型モータの速度制御方法として圧電素子に印加する2つの周波電圧の位相差(駆動信号位相差)を変化させる方法(位相差制御)がある。この位相差制御は、駆動信号位相差を変化させることによって、移動方向の振動振幅と、移動方向と垂直方向の振動振幅との振幅比変化により振動弾性体の表面の質点の軌跡となる楕円形状が変化することにより速度を制御するものである。
また、振動型モータの別の速度制御方法の一つとして圧電素子に印加する周波電圧の周波数を変化させる方法(周波数制御)がある。この周波数制御は、モータを駆動する駆動周波数を変化させることによって、振動弾性体の表面の質点が描く楕円軌道の直径が変化することにより速度を制御するものである。周波数と速度の関係は駆動周波数が共振周波数となるときに最速となり、駆動周波数が共振周波数から離れる程速度は低下していく。これは駆動周波数が共振周波数に近づくほど振動弾性体の表面の質点が描く楕円軌道の直径が増大するためである。この周波数−速度特性は、共振周波数より高周波数側の方が低周波数側に対し速度変化が緩やかで安定した特性となる性質があり、制御の容易さから共振周波数より高周波数側の周波数領域を用いて制御が行われている。また、共振周波数より高周波数側の周波数領域において周波数を高くしていくと速度が下がっていくが、所定の周波数fmで弾性体と接触体の接触圧に抑制されて駆動力を失い停止する。
更に、振動型モータの特性は、共振周波数よりも低い駆動周波数では、速度が急激に変化してしまい制御性が極めて悪い。そのため、振動型モータを安定して駆動するためには、駆動周波数を共振周波数よりも高く保つ必要がある。しかしながら、振動型モータの特性は温度等の環境条件及び負荷条件により変動し、さらには製造ばらつきがあるため、これらに伴って共振周波数も個々のモータ毎に及びモータの置かれた状況によって異なる。
このような振動型モータの特性を踏まえ、共振周波数よりも高い駆動周波数で安定して制御するための方法が提案されている。特許文献1には、共振周波数よりも低い駆動周波数にならないように、振動型モータの振動状態を検出し、共振周波数よりも高い駆動周波数で駆動するように制御する旨が開示されている。特許文献1では、共振状態と相関性のある、一方の駆動用周波信号と振動検知用電極の出力信号との位相差(振動位相差)を検出することにより振動状態が共振状態に近づいたかを判断している。
特公平7−10189号公報
しかしながら、特許文献1には、振動型モータの駆動速度を周波数により制御する構成において共振周波数を超えないようにすることしか記載されていない。振動型モータの駆動速度を駆動信号位相差によって制御する構成においても、共振周波数の変動やモータ毎の共振周波数のばらつきがあるため、駆動周波数が共振周波数を大幅に下回り、大きな駆動速度の変化をもたらすことがある。
そこで本発明は、駆動速度を駆動信号位相差によって制御する振動型モータの制御装置において、共振周波数の変動やばらつきによって起こり得る大きな速度変動を抑える制御をより簡単に行うための振動型モータの制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、圧電体に対して位相の異なる2つの駆動信号が印加されことによって前記圧電体が振動して駆動力が発生する振動型モータの制御装置であって、前記2つの駆動信号の位相差を制御する位相差制御手段と、前記圧電体に発生する振動を検知する電極から出力される信号と前記2つの駆動信号の一方の駆動信号との位相差を検出する検出手段と、を有し、前記位相差制御手段は、前記振動型モータの駆動速度を変化させる場合に、第1の方向に駆動する場合には0度以上90度以下の範囲を、第1の方向とは反対の第2の方向に駆動する場合には180度以上270度以下の範囲を、前記2つの駆動信号の位相差を変化させる範囲とする、または前記第1の方向に駆動する場合には90度以上180度以下の範囲を、前記第2の方向に駆動する場合には270度以上360度以下の範囲を、前記2つの駆動信号の位相差を変化させる範囲とし、前記位相差制御手段は、前記検出手段で検出された位相差が所定値を越えないように、前記2つの駆動信号の位相差を制御することを特徴とする。
さらに、本発明は、圧電体に対して位相の異なる2つの駆動信号が印加されることによって前記圧電体が振動して駆動力が発生する振動型モータの制御方法であって、前記2つの駆動信号の位相差の制御によって、前記振動型モータの駆動速度の制御を行い、前記位相差の制御は、第1の方向に駆動する場合には0度以上90度以下の範囲を、第1の方向とは反対の第2の方向に駆動する場合には180度以上270度以下の範囲を、前記2つの駆動信号の位相差を変化させる範囲とする、または前記第1の方向に駆動する場合には90度以上180度以下の範囲を、前記第2の方向に駆動する場合には270度以上360度以下の範囲を、前記2つの駆動信号の位相差を変化させる範囲とし、前記圧電体に発生する振動を検知する電極から出力される信号と前記2つの駆動信号の一方の駆動信号との位相差が所定値を越えないように、前記2つの駆動信号の位相差を制御することを特徴とする。
本発明の制御装置は、駆動速度を制御する振動型モータにおいても、駆動周波数によって駆動速度を制御する場合と同様に一定の振動位相差の値を用いて大きな速度変動の可能性を判断することができる。そのため、共振周波数の変動やばらつきによって起こり得る大きな速度駆動を抑える制御をより簡単に行うことができる。
本発明に係る振動型モータ制御装置を示す回路模式図 振動位相差検出の概念図 振動型モータに設けられる圧電素子を示す平面模式図 振動型モータの特性図 振動型モータの特性図 制御例1に係る振動型モータの初期処理を示すフローチャート図 制御例1に係る振動型モータの駆動処理を示すフローチャート図 制御例1に係る振動型モータの速度制御を示すフローチャート図 制御例1に係る振動型モータの加速制御を示すフローチャート図 制御例1に係る振動型モータの減速制御を示すフローチャート図 制御例2に係る振動型モータの初期処理を示すフローチャート図 制御例2に係る振動型モータの駆動処理を示すフローチャート図 制御例2に係る振動型モータの速度制御を示すフローチャート図 制御例2に係る振動型モータの加速制御を示すフローチャート図 制御例2に係る振動型モータの減速制御を示すフローチャート図
以下、図面に基づいて本発明に係る振動型モータ及びその制御装置を説明する。図1は本発明に係る振動型モータ制御装置を示す回路模式図である。
1は振動型モータの制御を司るマイコン、2は電源(バッテリー)、3はレギュレータである。そして、本発明においては、マイコン1が後述する駆動信号位相差を制御する位相差制御手段、駆動周波数を制御する周波数制御手段、及び振動位相差を検出する検出手段に相当する。また、レギュレータ3は、この出力電圧をマイコン1に供給すると同時に後述の位相検出の基準電源としても使用される。
4は振動型モータに印加する電源回路である昇圧型DCDCコンバータである。DCDCコンバータ4はマイコン1によって動作/非動作をコントロールできるように構成されている。
5は電圧制御発振器(VCO)で、マイコン1から入力される周波数データ信号(FREQ)を基に電圧を生成しその電圧に応じた周波電圧を発生する。本実施形態においては周波数データ信号(FREQ)を8ビットデータとし、FREQ=H00のとき駆動周波数fは最大となり、FREQ=HFFのとき駆動周波数fは最小となるものとする。またFREQ=H00のときの駆動周波数fは振動型モータの共振周波数frに対し十分大きな値であるものとする。
6は分周・位相器で、VCO5の周波電圧と所定のクロック信号とマイコン1から入力される位相差データ信号(PDATA)が入力され、位相差データ信号に応じた位相差の2つの矩形波信号(A相、B相)を出力する。この2つの矩形波信号(A相、B相)の位相差のことを駆動信号位相差θkと称し後述する振動状態を検知するための位相差と区別することとする。なお、本実施形態においては駆動信号位相差θkを設定する際にはA相を基準としてB相を変化させている。また、本実施形態においては位相差データ信号(PDATA)を8ビットデータとし、PDATA=H00のとき駆動信号位相差θkは0度(同位相)となり、PDATA=H80のとき駆動信号位相差θkは180度(逆位相)となるものとする。また分周・位相器6はマイコン1から入力される出力許可信号(OUT−EN)により2つの矩形波信号(A相、B相)の出力が許可/禁止される。
7はA相側のインバータ、8はB相側のインバータである。9はA相側の電源を供給するためのNPNトランジスタ、10はB相側の電源を供給するためのNPNトランジスタ、11はA相側のNPNトランジスタ、12はB相側のNPNトランジスタである。分周・位相器6のA相信号がA相側のインバータ7とA相側のNPNトランジスタ11に入力され、インバータ7の出力がNPNトランジスタ9のベースに接続され振動型モータのA相側に電力がシンク/ソースされる構成となっている。同様に分周・位相器6のB相信号がB相側のインバータ8とB相側のNPNトランジスタ12に入力され、インバータ8の出力がNPNトランジスタ10のベースに接続され振動型モータのB相側に電力がシンク/ソースされる構成となっている。
13はA相側コイル、14はB相側コイル、15はA相側コンデンサ、16はB相側コンデンサである。A相側コイル13とA相側コンデンサ15を電源に対し直列接続することによって印加される周波数に応じた昇圧電圧が振動型モータのA相に印加される。同様にB相側コイル14とB相側コンデンサ16を電源に対し直列接続することによって印加される周波数に応じた昇圧電圧が振動型モータのB相に印加される。そしてこれら2つの駆動信号が印加されることによって圧電体が振動し、圧電体の振動によって振動体(ステータ)が励振され、振動体の振動によって移動体(ロータ)が動き、駆動力が発生する。
17は振動型モータのA相側電極、18は振動型モータのB相側電極、19は振動型モータのS相側電極、20は圧電素子(圧電体)、21はGND電極である。
22はレギュレータ3の出力電圧を1/2にするための分圧回路であり、コンパレータのスレッショルド電圧を形成している。
23と24はB相電圧のレベルシフト用の抵抗、25と26はB相電圧用のハイパスフィルター、27と28はS相電圧のレベルシフト用の抵抗、29と30はS相電圧用のハイパスフィルターをそれぞれ構成している。
31はB相用のコンパレータであり、レギュレータ3の電圧にレベルシフトすると同時にB相電圧の波形整形を行っている。32はS相用のコンパレータであり、レギュレータ3の電圧にレベルシフトすると同時にS相電圧の波形整形を行っている。
図2は振動位相差検出の概念を示す図であり、B相側電極18の電圧波形B、S相側電極19の電圧波形S、及び各々の信号をコンパレータ31、32によってディジタル信号Cb、Csに変換した波形を示している。各コンパレータ出力信号Cb、Csをマイコン1に入力し、CbがHになってからCsがHになるまでの期間をマイコン内蔵のタイマー機能により計測することにより2つの信号の位相差を取得することができる。このB相側電極18への駆動電圧とS相側電極19からの出力電圧との位相差を振動位相差θsと称し、前述の駆動信号位相差θkと区別するものとする。
33は振動型モータの回転量と駆動速度(回転速度)を検出するエンコーダである。エンコーダ33は、例えば振動型モータの回転に同期して回転する放射方向に複数のスリットがあいているパルス回転板とフォトインタラプタにより構成した公知の光学式エンコーダである。光学式エンコーダは、フォトインタラプタのLEDから投光された光が受光素子に到達するか遮光されるかに応じて信号が変化するものである。34はエンコーダ33の検出回路でありフォトインタラプタの微弱な出力信号を増幅し波形生成しパルス信号としてマイコン1に入力する。このパルス信号の変化をマイコン1内のカウント機能によりカウントすることにより回転量を検出し、パルス信号のパルス幅をマイコン1内のタイマー機能により時間計測することにより速度を検出する。
次に振動型モータについて図3を用いて説明する。本発明の振動型モータは圧電体と、それに接触している振動体(ステータ)と、振動体に接触している移動体(ロータ)と、から構成される。図3は振動型モータの振動体の面上に配される圧電体(電歪素子)等の電気―機械エネルギー変換素子の配設状態を示す平面模式図である。
図3に示すA1及びB1はそれぞれ図示の位相及び分極関係に振動体上に配される第1と第2の電歪素子群である。またS1は第1の電歪素子群B1に対して45度位相がずれた位置に配されるセンサー用の圧電体(電歪素子)である。これらの電気―機械エネルギー変換素子としての各電歪素子はそれぞれ単独のものを振動体に付しても良いし、一体的に分極処理しても良い。
図1に示すA相側電極17、B相側電極18、S相側電極19は、それぞれ第1の電歪素子群A1、第2の電歪素子群B1、及びセンサー用電歪素子S1に対応する電極である。A相側電極17とB相側電極18に位相の異なる周波電圧が印加されることによりステータの表面に進行性の振動波が形成される。振動体に上記振動波が形成されると、この振動波の状態に応じてセンサー用電歪素子S1が周波電圧を出力しS相側電極19にてこれが検出される。
図4(a)はこの振動型モータの正転時の周波数−振動位相差特性と周波数−回転速度特性を示した図であり、横軸に駆動周波数f、縦軸に振動位相差θs及び回転速度Nを示している。同図において、周波数fは右方が高く、振動位相差θsは下方が小さく、回転速度Nは上方が高くなるものとしている。
図4(a)に示す周波数−回転速度特性は、駆動信号位相差θkを90度とした場合の特性であり、振動型モータは駆動周波数fを高い方から低い方に走査していくことによりある周波数fm(起動周波数)で動き始める。そして、さらに駆動周波数fを低い方に走査していくことにより回転速度が上がる。共振周波数frで最高速となり、それより低い周波数では回転速度Nが急激に変化する特性となっている。従って、制御では駆動周波数fが共振周波数frを下回らないように、振動位相差θsを監視し、θsがある値(ここでは45度)以上となるようにしている。
また周波数−回転速度特性は、振動位相差θsは周波数を低い方に走査していくことにより小さくなる特性となる。この特性は温度等の環境条件及び負荷条件により変化し、さらには振動型モータ毎にばらつきがある。
また図4(b)は駆動信号位相差−回転速度特性と駆動信号位相差−振動位相差特性であり、横軸に駆動信号位相差θkを、縦軸に振動位相差θs及び回転速度Nを示している。同図において、駆動信号位相差θkは右方が0に近く、振動位相差θsは下方が小さく、回転速度Nは上方が高くなるものとしている。
図4(b)に示す駆動信号位相差−回転速度特性は、駆動周波数を図4(a)に示す共振周波数frよりも十分高周波側でかつfmよりも低い周波数f0とした場合の特性である。駆動信号位相差θkを90度とした時に回転速度Nは最大N0となり、駆動信号位相差θkを90度から小さくすると回転速度Nは低下し所定の駆動信号位相差で停止する。この停止時の回転速度Nθminは図4(a)に示す周波数fmでの回転速度Nfminに対し低い回転速度となる。
続いて、駆動信号位相差−振動位相差特性は、駆動信号位相差θkが大きくなるにしたがって、振動位相差θsは小さくなり、駆動信号位相差θkが90度となった時点で振動位相差θsはθs0となる特性を示す。駆動信号位相差θkが0度〜90度の間は回転速度Nの上昇に伴い、振動位相差θsが減少するという、図4(a)の周波数がfmからfrまでの特性と同様の特性を示している。
ここで、振動型モータは、駆動周波数が共振周波数となる状態(共振状態)では、A相側電極17及びB相側電極18の出力信号とS相側電極19の出力信号との関係は、所定の特性を示す。この特性は、振動位相差をA相とB相のどちらの信号とS相信号との位相差にするか、また駆動信号位相差θkを変化させる際のA相信号の位相とB相信号の位相の変化のさせ方によって異なる。
本実施形態では、振動位相差θsはB相とS相との位相差であり、駆動信号位相差θkを変更する際にA相の位相を基準としてB相の位相を変化させている。そのため、振動位相差θsは駆動信号位相差θkの増加に伴って単調減少する特性を示す。一方、本実施形態とは異なり、例えば、駆動信号位相差θkを変更する際にA相の位相を基準としつつ、振動位相差θsをA相とS相との位相差とした場合には、θsがθkの増加に伴って単調増加する特性を示す。また、θk変更の基準をB相にした場合にはこれらの関係が逆転するし、θk変更の際にA相とB相のいずれの位相も変化させる場合には、変化のさせ方によって異なる特性を示す。
図5は駆動周波数fが共振周波数frの場合の、駆動信号位相差θkと回転速度Nの関係と、駆動信号位相差θkと共振状態となる場合の振動位相差(θsrとする)の関係を示す図である。θk−Nの関係からθkが0度〜180度までと、180度〜360度までとで駆動方向が異なることが分かる。また、90度、270度でそれぞれの方向での最高速となる。θk−θsrの特性は、θkが大きくなるに従ってθsが小さくなる特性を示している。ここで、θsrとNの関係に注目すると、Nの増加に伴って、θsrが単調減少する領域と、反対に単調増加する領域があることがわかる。本実施形態では、θkが0度〜90度までと180度〜270度までの領域が回転速度Nの増加に伴ってθsが単調減少する領域である。また、θkが90度〜180度までと270度〜360度までの領域が回転速度Nの増加に伴ってθsも単調増加する領域である。
周波数制御では、駆動信号位相差θkが一定であるので、駆動周波数に応じて変化する振動位相差θsがθsr以上を保つように制御することによって駆動周波数を共振周波数以上の値に保つことができる。一方、位相差制御においては、図5に示すように、駆動信号位相差θkに応じて共振状態となるときの振動位相差θsの値が変化する。そのため、それぞれの駆動信号位相差θkにおいて厳密に共振状態を検知するためには駆動信号位相差θkに応じて検知の基準となる振動位相差θsの値を異ならせる必要がある。しかしながら、これを行うためには周波数制御を行う場合の回路構成や制御に比べて非常に複雑な回路構成や制御が必要である。
そこで本発明では、位相差制御を行う上でも、駆動信号位相差θkの値によらずに一定の振動位相差θsの値(限界振動位相差θslとする)を大きな速度変動の可能性のある状態の判断の基準として用いることができるようにした。より具体的には、B相とS相との位置的位相差が45度となる構成においては、駆動信号位相差θkが0度以上90度以下の範囲を第1の方向(正転方向)への駆動に用い、180度以上270度以下の範囲を第2の方向(逆転方向)への駆動に用いるようにした。
仮に第1の方向への駆動に駆動信号位相差θkが90度以上180度以下となる範囲を用いたとすると、θk=90度のときを基準に限界振動位相差θsl(例えば40度)を設定する必要がある。なぜなら、θk=90度のときが、θsがθslを越えたときの速度変動が最も大きいためである。しかしながら、このように設定した場合、例えばθk=150度では共振状態となるときの振動位相差θsrは15°であるため、大きな速度変動が起こる可能性が低い状態を、該可能性が高い状態と判断することになる。そのため、1つの基準で大きな速度変動が起こる可能性を判断することが困難である。
一方、本発明のように第1の方向への駆動に駆動信号位相差θkが0度以上90度以下となる範囲を用いたとすると、1つの限界振動位相差θslの値を用いて大きな速度変動が起こる可能性が高い状態を判断することができる。なぜなら、例えばθk=60度においては限界振動位相差θsl=45度となった場合には既に共振周波数を下回った駆動周波数で駆動することになるが、下回ったとしてもθk=60度の場合には、周波数−回転速度特性における共振周波数付近の速度変化は緩やかであるため、θk=90度の時ほど大きな速度変化が起きないためである。また、このことは第2の方向への駆動の際にも適用できるため、180度以上270度以下の範囲を位相差制御に用いる方が好ましい。
従って、本実施形態ではθkが0度以上90度以下と、180度以上270度以下の範囲を選択して使用している。
なお、本発明で使用する駆動信号位相差θkの範囲は、例えば0度以上90度以下の範囲を使用するといった場合、この範囲全てを使用しなくてもよく、例えば30度以上90度以下の範囲を使用するものも含むものとする。
また、本実施形態における振動型モータでは、図5に示すように駆動信号位相差θkの増加に伴って振動位相差θsが単調減少する特性を示しているが、駆動信号位相差θkの増加に伴って振動位相差θsも単調増加する特性を示す場合もある。この場合には、第1の方向と、第2の方向に駆動する場合とで、それぞれ駆動信号位相差θkが90度以上180度以下と、270度以上360度以下の範囲を使用するようにすればよい。つまり、θkに対してθsが変化する特性に応じて0度以上90度以下及び180度以上270度以下を駆動信号位相差θkの設定範囲とするか、または90度以上180度以下及び270度以上360度以下をθkの設定範囲とするかを選択すればよい。
次に本発明の振動型モータのより具体的な制御方法の例を説明する。振動型モータの制御は、まず目標速度となるよう加速し、残り駆動量が所定量以下となったら目標速度を徐々に小さくすることにより減速し目標位置となったところで振動型モータの駆動を停止する。本実施形態においては、B相側電極18への駆動電圧とS相側電極19〜の出力電圧との振動位相差θsを検出することにより振動状態を検知し、検知した結果を基に制御手段を選択するものであり以下に詳細を説明する。
振動型モータを駆動するにあたり、目標速度(T−SPD)と駆動量(FOPC)がマイコン内部もしくは外部から指示され、マイコン1はこの指示をトリガに振動型モータの制御を開始する。目標速度(T−SPD)とは、振動型モータを所定の回転速度で制御するための情報であり、前述のパルス信号のパルス幅に対応した情報である。また駆動量(FOPC)は、前述のパルス信号のカウント値に対応した情報である。
(制御例1)
本制御例は、駆動開始から駆動終了までの回転速度を、駆動周波数を一定にしつつ、駆動信号位相差を変化させることによる制御、つまり位相差制御のみによって行う例である。本制御例について、図6から図10を用いて説明する。
<初期処理>
図6を用いて、振動型モータの初期処理のフローを説明する。
[STEP001]
マイコン1はDCDCコンバータ4を動作させ振動型モータを駆動するのに必要な電圧を生成する。
[STEP002]
振動型モータの駆動方向を判別し、CW方向(第1の方向)なら[STEP003]へ、CCW方向(第2の方向)なら[STEP004]へ進む。
[STEP003]
駆動方向がCW方向と判断されたので、駆動信号位相差θkを0度に設定する。
[STEP004]
駆動方向がCCW方向と判断されたので、駆動信号位相差θkを180度に設定する。
[STEP005]
周波数データ(FREQ)を設定することにより駆動周波数fを共振周波数frよりもΔf高い値に設定し、出力許可信号(OUT−EN)をHとすることで2つの矩形波信号(A相、B相)の出力を許可し振動型モータの駆動を開始する。
[STEP006]
初期処理を終了する。
<駆動開始>
図7を用いて、振動型モータの駆動開始のフローを説明する。
[STEP101]
マイコン1内で振動型モータ以外の不図示の通常処理を行う。
[STEP102]
エンコーダ33からの出力を監視して、3パルス以上動いたか否かの判断を行う。動いていれば[STEP103]へ、まだ動いていなければ[STEP105]へ進む。
[STEP103]
[STEP102]で3パルス以上動いていると判断されたので、起動は完了し駆動されている状態と判断し、以下の処理を行う。ここでは、振動位相差θsの取得を行い、結果を保存する。
[STEP104]
[STEP103]で取得したθsの値と、θ1の値(第1の値)を比較する。ここで、θ1は、θ1よりもθsが小さくなると、共振周波数の変動に伴って大きな回転速度の変動の可能性があることを示す限界振動位相差θslのこと。比較の結果θsがθ1よりも小さい場合は[STEP107]へ、大きい場合は[STEP106]へ進む。
[STEP105]
[STEP102]で、3パルス分動いていないと判断されたので、まだ駆動できていないと判断し、駆動信号位相差θkをΔphだけ位相差が大きくなる方へ変更する。3パルス分駆動するまでは、所定時間ごとに駆動信号位相差θkをΔphずつ位相差が大きくなるように変更していく。3パルス分駆動され、完全に駆動が始まったことが確認されるまで、この制御を続ける。
[STEP106]
[STEP104]で、現在の駆動周波数が、共振周波数の変動に伴う大きな速度変動の可能性が低いと判断されたので、速度制御(位相差)を行う。
[STEP107]
[STEP104]で、現在の駆動周波数が、共振周波数の変動に伴う大きな速度変動の可能性が高いと判断されたので、駆動周波数fをΔfだけ高い値へ変更する。このようにθsの値がθ1の値を超えないように制御することによって、共振周波数の変動に伴う大きな速度変動の可能性を低い状態にする。
[STEP108]
振動型モータの駆動中の速度制御に関する処理を終了する。以上の処理を振動型モータが駆動している間に周期的に行うことで、安定した速度制御を実現している。
<速度制御>
図8を用いて、速度制御(位相差)処理のフローを説明する。
[STEP201]
[STEP106]で行う速度制御(位相差)処理の詳細を開始する。
[STEP202]
目標とする速度を演算する。本制御例では、目標とする速度のデータをエンコーダ33の出力信号が切り替わるまでの時間幅のデータとしている。時間幅のデータが小さければ速く、大きければ遅い目標値となる。
[STEP203]
現在の速度を演算する。本制御例ではエンコーダ33の出力信号の切り替わる時間をマイコン1で計測し、現在の速度として保存する。
[STEP204]
ここでは、駆動信号位相差θkの操作量Δphを計算する。目標速度と現在速度の差から、Δphの値を決定している。差が大きければΔphも大きく、小さければΔphも小さな値となるようにしている。
[STEP205]
[STEP202]で演算した目標速度と[STEP203]で演算した現在速度を比較して、現在速度が目標速度よりも遅いと判断された場合は[STEP206]へそれ以外は[STEP207]へ進む。
[STEP206]
目標よりも遅いと判断されたので加速制御を行う。
[STEP207]
目標よりも速いと判断されたので減速制御を行う。
[STEP208]
速度制御の処理を終了する。
<加速制御>
図9を用いて、加速制御のフローを説明する。
[STEP301]
加速制御を開始する。
[STEP302]
駆動信号位相差θkにΔphを加算する。図5で示したように、θkが0度〜90度までの範囲と、180度〜270度までの範囲は、θkを大きくすることで速度も上昇する。
[STEP303]
駆動方向を判定する。CW方向なら[STEP305]へ、CCW方向なら[STEP304]へ進む。
[STEP304]
駆動信号位相差θkが270度に達したかどうかを判断する。270度より大きければ[STEP06]へ、270より小さければ[STEP308]へ進む。
[STEP305]
駆動信号位相差θkが90度に達したかどうかを判断する。90度より大きければ[STEP307]へ、90度以下であれば[STEP308]へ進む。
[STEP306]
駆動信号位相差θkが270度より大きくなってしまったので、駆動信号位相差θkを270度とする。これは、図5に示したように駆動信号位相差が270より大きくなると、回転速度Nが遅くなる特性となっているためである。
[STEP307]
駆動信号位相差θkが90度より大きくなってしまったので、駆動信号位相差θkを90度とする。これは、図5に示したように駆動信号位相差θkが90より大きくなると、回転速度Nが遅くなる特性となっているためである。
[STEP308]
本制御例の加速制御を終了する。
<減速制御>
図10を用いて、減速制御のフローを説明する。
[STEP401]
減速制御を開始する。
[STEP402]
駆動信号位相差θkをΔphだけ小さくする。
[STEP403]
駆動方向を判定する。CW方向なら[STEP405]へ、CCW方向なら[STEP404]へ進む。
[STEP404]
駆動信号位相差θkが180度より小さいかどうかを判断する。180度より小さくなっていれば[STEP406]へ、180度以上ならば[STEP408]へ進む。
[STEP405]
駆動信号位相差θkが270度〜360度の範囲にあるか否かを判断する。0度より小さいということを判断することは不可能なので、ここでは270度〜360度の範囲にあるか否かを判断する。270度〜360度の範囲内、つまり、0度より小さくなっていれば[STEP407]へ、0度以上ならば[STEP408]へ進む。
[STEP406]
駆動信号位相差θkが180度より小さくなってしまったので、駆動信号位相差θkを180度とする。これは、図5に示したように駆動信号位相差θkが180度より小さくなると、反対方向へ動き出す特性となっているためである。
[STEP407]
駆動信号位相差θkが0度より小さくなってしまったので、駆動信号位相差θkを0度とする。これは、図5に示したように駆動信号位相差θkが0度より小さくなると、反対方向へ動き出す特性となっているためである。
[STEP408]
減速制御を終了する。
以上説明してきたように、本制御例では駆動信号位相差θkを、CW方向に駆動する場合には0度以上90度以下の範囲を使用し、CCW方向に駆動する場合には180度以上270度以下を使用する設定としている。
図5に示すように、これら2つの範囲においては、速度が高くなるに従って、駆動周波数が共振周波数となるときの振動位相差θsは小さくなる方へ変化するので、それぞれ1つの限界振動位相差θslを用いて大きな速度変動の可能性を判断することができる。つまり、本発明のように駆動方向によって駆動信号位相差θkの使用範囲を適切に設定することにより、大きな速度変動の可能性の判断をより簡単な制御で行うことがで、回路構成もより簡略化できる。
(制御例2)
本制御例は、駆動開始から駆動終了までを駆動信号位相差の操作と駆動周波数の操作を両方使った制御、つまり位相差制御と周波数制御を併用する例である。本制御例について、図11から図15を用いて説明する。なお、本制御例は、制御例1に記載の処理とほぼ同様の処理を行うため、それらの説明は省略し、異なる点のみを説明する。
<初期処理>
図11を用いて、振動型モータの初期処理のフローを説明する。
[STEP501]、[STEP502]、[STEP505]については、前述の[STEP001]、[STEP002]、[STEP005]と同様の処理を行う。
[STEP503]
駆動方向がCW方向と判断されたので、駆動信号位相差θkを30度に設定する。本制御例では、駆動周波数を制御することによって駆動を開始するため、30度となる。
[STEP504]
駆動方向がCCW方向と判断されたので、駆動信号位相差θkを210度に設定する。同様に、本制御例では、駆動周波数を制御することによって駆動を開始するため、30度となる。
<駆動開始>
図12を用いて、振動型モータの駆動開始のフローを説明する。
[STEP605]以外のステップは、図7に記載の[STEP105]以外のステップと同様である。
[STEP605]
[STEP602]で、3パルス分動いていないと判断されたので、まだ駆動を開始できていないと判断し、駆動周波数fをΔfだけ低い方へ変更する。3パルス分駆動するまでは、所定時間ごとに駆動周波数fをΔfずつ低い周波数へ変更していく。3パルス分駆動され、完全に駆動が始まったことが確認されるまで、この制御を続ける。
<速度制御>
図13を用いて、速度制御処理のフローを説明する。
[STEP704]以外のステップは、図8に記載の[STEP204]以外のステップと同様である。
[STEP704]
ここでは、周波数制御と位相差制御のいずれも行うため、駆動周波数fの操作量Δfと駆動信号位相差θkの操作量Δphを計算する。目標速度と現在速度の差から、Δf及びΔphの値を決定している。差が大きければΔf及びΔphも大きく、小さければΔf及びΔphも小さな値となるようにしている。
<加速制御>
図14を用いて、加速制御のフローについて説明する。
[STEP801]
加速制御を開始する。
[STEP802]
[STEP603]で取得したθsの値と、θ2の値(第2の値)を比較する。ここで、θ2はθ1よりも、駆動信号位相差θkを変化させて回転速度Nが最大でかつ駆動周波数fが共振周波数frとなるときの振動位相差θsの値から離れた値である。比較の結果θsがθ2よりも小さい場合はこれ以降の加速制御をしないで[STEP814]へ、θ2以上の場合は[STEP803]へ進む。
[STEP803]
MODE00で制御中か否かを判断する。ここでMODE00は駆動開始から、駆動信号位相差θkを一定にして、駆動周波数fのみを操作して速度を制御している状態である。MODE00ならば[STEP804]へ、それ以外の状態なら[STEP807]へ進む。
[STEP804]
[STEP603]で取得したθsの値と、θ4の値を比較する。ここで、θ4は、振動型モータの消費電力がある所定の値を超えない振動位相差θsの値である。θ4は、θ2よりも駆動信号位相差θkを変化させて回転速度Nが最大でかつ駆動周波数fが共振周波数frとなるときの振動位相差θsの値から離れている。θ4よりもθsが小さくなると、振動型モータの消費電力が大きくなり、効率の悪い状態と判断される。比較の結果θsがθ4よりも小さい場合は[STEP805]へ、θ4以上の場合は[STEP806]へ進む。
[STEP805]
[STEP804]でθ4よりもθsが小さいと判断されたので、MODE00からMODE01へ移行する。MODE01は、駆動周波数fを固定して、駆動信号位相差θkのみを操作して速度を制御する状態であり、MODE00によって速度が上昇した後に速度制御を行う状態である。CW方向へ駆動時はMODE01では駆動信号位相差θkを30度〜90度までの範囲で操作し、CCW方向駆動時には210度〜270度までの範囲で操作する。
[STEP806]
[STEP804]で、θsがθ4以上であると判断されたので、駆動周波数fをΔfだけ小さくなる値に変更し、消費電力を抑えるようにする。
[STEP807]
MODE01で制御中か否かを判断する。MODE01の場合は[STEP807]へ、それ以外はMODE02である[STEP813]へ進む。MODE02は、位相差駆動信号位相差θkを一定にして、駆動周波数fのみを操作して速度を制御している状態であり、MODE00及びMODE01によって速度が上昇した後に速度制御を行う状態である。
[STEP808]〜[STEP809]
[STEP302]〜[STEP303]と同様である。
[STEP810]
駆動信号位相差θkが270度に達したかどうかを判断する。270度になっていれば[STEP812]へ達していなければ[STEP814]へ進む。
[STEP811]
駆動信号位相差θkが90度に達したかどうかを判断する。90度になっていれば[STEP812]へ達していなければ[STEP814]へ進む。
[STEP812]
MODE01からMODE02へ移行する。MODE01で、回転速度Nが最高となる駆動信号位相差θkまで位相差を変更したので、MODE02では駆動信号位相差θkを固定して駆動周波数fを操作して速度制御を行う。
[STEP813]
[STEP803]でMODE00でないと判断され、[STEP807]ではMODE01でないと判断されたので、ここではMODE02での制御となる。駆動周波数をΔfだけ低い値へ変更する。
[STEP814]
本制御例の加速制御を終了する。
<減速制御>
図15を用いて、減速制御のフローを説明する。
[STEP901]
減速制御を開始する。
[STEP902]
MODE02で制御中か否かを判断する。MODE02ならば[STEP904]へ、それ以外の状態なら[STEP903]へ進む。
[STEP903]
MODE01で制御中か否かを判断する。MODE01ならば[STEP906]へ、それ以外の状態なら[STEP907]へ進む。
[STEP904]
MODE02で制御中と判断されたので、駆動周波数をΔfだけ高い値へ変更する。
[STEP905]
現在の駆動周波数fとF4を比較する。周波数F4はその周波数で駆動信号位相差θkを起動時の30度、または210度とした場合にも、所定の電力量を超えない周波数である。
[STEP906]
[STEP302]と同様である。
[STEP907]
[STEP902]でMODE02でないと判断され、[STEP903]ではMODE01でないと判断されたので、ここではMODE00での制御となる。駆動周波数fをΔfだけ高い値へ変更する。
[STEP908]
MODE02からMODE01へ移行する。MODE02で、F4まで周波数を上げたので、MODE01では周波数を固定して、駆動信号位相差θkを操作して速度を落としていく。
[STEP909]
[STEP303]と同様である。
[STEP910]
駆動信号位相差θkが30度に達したかどうかを判断する。30度になっていれば[STEP912]へ、達していなければ[STEP913]へ進む。
[STEP911]
駆動信号位相差θkが210度に達したかどうかを判断する。210度になっていれば[STEP912]へ、達していなければ[STEP913]へ進む。
[STEP912]
MODE00へ移行する。駆動信号位相差θkを操作してCW方向なら30度、CCW方向なら210度に達したので、駆動信号位相差θkを固定して、駆動周波数fを操作して速度を制御する状態へ移行する。
[STEP913]
減速制御を終了する。
以上説明してきたように、本制御例では駆動信号位相差θkを、CW方向に駆動する場合には30度以上90度以下の範囲を使用し、CCW方向に駆動する場合には210度以上270度以下を使用する設定としている。
図5に示すように、これら2つの範囲においては、速度が高くなるに従って、駆動周波数が共振周波数となるときの振動位相差θsは小さくなる方へ変化するので、それぞれ1つの限界振動位相差θslを用いて大きな速度変動の可能性を判断することができる。つまり、本発明のように駆動方向によって駆動信号位相差θkの使用範囲を適切に設定することにより、大きな速度変動の可能性の判断をより簡単な制御で行うことができる。
また、本制御例では、MODE00、MODE02のように周波数制御を行う場合と、MODE01にように位相差制御を行う場合のいずれにおいても、共通の値(θ1、θ2)を用いて、大きな速度変動の可能性がある状態を判断することができる。そのため、より簡単な制御で判断することができ、回路構成も簡略化できる。
以上本発明に係る振動型モータ及びその制御装置を説明したが、本発明は上述の実施形態に記載の構成に限られるものではない。例えば、実施形態では回転型のモータを例に説明してきたが、本発明はリニア型のモータにも適用できる。
1 マイコン
5 VCO
6 分周・位相器
31 B相信号用コンパレータ
32 S相信号用コンパレータ
33 エンコーダ
34 検出回路

Claims (5)

  1. 圧電体に対して位相の異なる2つの駆動信号が印加されことによって前記圧電体が振動して駆動力が発生する振動型モータの制御装置であって、
    前記2つの駆動信号の位相差を制御する位相差制御手段と、
    前記圧電体に発生する振動を検知する電極から出力される信号と前記2つの駆動信号の一方の駆動信号との位相差を検出する検出手段と、を有し、
    前記位相差制御手段は、前記振動型モータの駆動速度を変化させる場合に、第1の方向に駆動する場合には0度以上90度以下の範囲を、第1の方向とは反対の第2の方向に駆動する場合には180度以上270度以下の範囲を、前記2つの駆動信号の位相差を変化させる範囲とする、または前記第1の方向に駆動する場合には90度以上180度以下の範囲を、前記第2の方向に駆動する場合には270度以上360度以下の範囲を、前記2つの駆動信号の位相差を変化させる範囲とし、
    前記位相差制御手段は、前記検出手段で検出された位相差が所定値を越えないように、前記2つの駆動信号の位相差を制御することを特徴とする振動型モータの制御装置。
  2. 前記2つの駆動信号の周波数を制御する周波数制御手段をさらに有し、
    前記周波数制御手段による、前記2つの駆動信号の位相差を一定にしつつ、前記周波数を変化させることによって前記振動型モータの駆動速度を変化させる制御と
    前記位相差制御手段による、前記周波数を一定にしつつ、前記2つの駆動信号の位相差を変化させることによって前記振動型モータの駆動速度を変化させる制御を組み合わせることにより、前記振動型モータの駆動速度を制御することを特徴とする請求項1に記載の振動型モータの制御装置。
  3. 前記周波数制御手段は、前記検出手段で検出された前記位相差が所定値を越えた場合に、前記振動型モータの加速を行わないことを特徴とする請求項2に記載の振動型モータの制御装置。
  4. 前記2つの駆動信号がそれぞれ印加される圧電体と、前記圧電体に発生する振動を検知する電極と、前記圧電体に接触している振動体と、前記振動体に接触している移動体と、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置と、を有することを特徴とする振動型モータ。
  5. 圧電体に対して位相の異なる2つの駆動信号が印加されことによって前記圧電体が振動して駆動力が発生する振動型モータの制御方法であって、
    前記2つの駆動信号の位相差の制御によって、前記振動型モータの駆動速度の制御を行い、
    前記位相差の制御は、第1の方向に駆動する場合には0度以上90度以下の範囲を、第1の方向とは反対の第2の方向に駆動する場合には180度以上270度以下の範囲を、前記2つの駆動信号の位相差を変化させる範囲とする、または前記第1の方向に駆動する場合には90度以上180度以下の範囲を、前記第2の方向に駆動する場合には270度以上360度以下の範囲を、前記2つの駆動信号の位相差を変化させる範囲とし、前記圧電体に発生する振動を検知する電極から出力される信号と前記2つの駆動信号の一方の駆動信号との位相差が所定値を越えないように、前記2つの駆動信号の位相差を制御することを特徴とする振動型モータの制御方法。
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