JP5874462B2 - 振動アクチュエータの駆動装置、レンズ鏡筒 - Google Patents
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Description
しかし、特許文献1の駆動装置は、振動アクチュエータの制御中は常に電力が供給されている状態となるため、消費電力が高くなるという問題があった。
第2の発明は、振動体(22)に設けられた圧電体(24)に位相の異なる2相の交番信号を印加して、前記振動体を振動させて駆動力を発生する振動アクチュエータ(20)の駆動を制御する振動アクチュエータの駆動装置(30)であって、前記圧電体に印加する2相の交番信号の周波数(f)を変化させて、前記振動アクチュエータの駆動速度(n)を制御する速度制御部(31a)と、前記振動アクチュエータが停止しているか否かを判定する停止判定部(31b)とを備え、前記速度制御部は、前記停止判定部が前記振動アクチュエータが停止していると判定した場合に、前記圧電体に印加する前記交番信号の周波数を、電気的共振周波数(fc)に近づくように変化させること、を特徴とする振動アクチュエータの駆動装置である。
第3の発明は、第2の発明の振動アクチュエータの駆動装置(30)において、前記速度制御部(31a)は、前記停止判定部(31b)が前記振動アクチュエータ(20)が停止していると判定した場合に、前記圧電体(24)に印加する前記交番信号の周波数(f)を、上げる方向に変化させること、を特徴とする振動アクチュエータの駆動装置である。
第4の発明は、第2の発明の振動アクチュエータの駆動装置(30)において、前記速度制御部(31a)は、前記停止判定部(31b)が前記振動アクチュエータ(20)が停止していると判定した場合に、前記圧電体(24)に印加する前記交番信号の周波数(f)を、前記振動アクチュエータが停止状態から駆動を開始する周波数(fα)に変化させること、を特徴とする振動アクチュエータの駆動装置である。
第5の発明は、第2の発明の振動アクチュエータの駆動装置(30)において、前記速度制御部(31a)は、前記停止判定部(31b)が前記振動アクチュエータ(20)が停止していると判定した場合に、前記圧電体(24)に印加する前記交番信号の周波数(f)を、前記電気的共振周波数(fc)に変化させること、を特徴とする振動アクチュエータの駆動装置である。
第6の発明は、第2の発明から第5の発明までのいずれかの振動アクチュエータの駆動装置(30)において、前記電気的共振周波数(fc)は、前記圧電体(24)の静電容量(C)と、前記圧電体に交番信号を印加する駆動回路(32)のインダクタンス(L)との共振周波数であること、を特徴とする振動アクチュエータの駆動装置である。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかの振動アクチュエータの駆動装置(30)において、前記振動アクチュエータ(20)の駆動速度(n)を検出する速度検出部(34)を備え、前記速度制御部(31a)は、前記圧電体(24)に印加する2相の交番信号の位相差(p)を変化させて、前記振動アクチュエータの駆動速度を制御し、前記停止判定部(31b)は、前記圧電体に印加する2相の交番信号の位相差の状態と、前記速度検出部によって検出される駆動速度の情報とに基づいて、前記振動アクチュエータが停止したか否かを判定すること、を特徴とする振動アクチュエータの駆動装置である。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかの振動アクチュエータの駆動装置(30)と、前記振動アクチュエータの駆動装置によって駆動される振動アクチュエータ(20)と、前記振動アクチュエータによって駆動される光学部材(11)と、を備えるレンズ鏡筒(10)である。
以上、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明したが、これに限定されるものではない。なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成に代替してもよい。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施形態のカメラ1の全体構成を説明する概略図である。
図2は、実施形態の超音波モータ20の構成を説明する図である。
図3は、実施形態の超音波モータ20に接続される駆動装置30の構成を説明する図である。
なお、図1において、カメラ1の前後方向をX方向とし、左右方向をY方向とし、鉛直方向をZ方向とする。
レンズ鏡筒10は、カメラ筐体2と着脱可能な交換レンズである。レンズ鏡筒10は、レンズ11(光学部材)、カム筒部12、位置検出部13、超音波モータ20(振動アクチュエータ)、駆動装置30(振動アクチュエータの駆動装置)等を備えている。なお、レンズ鏡筒10は、カメラ筐体2と一体型としてもよい。
カム筒部12は、超音波モータ20の回転子21(後述する)と接続されており、超音波モータ20の回転運動を、光軸方向(X方向)への直動運動に変換し、レンズ11を光軸方向(X方向)に移動可能にする。
位置検出部13は、光軸方向(X方向)に移動するレンズ11の位置を検出するエンコーダである。
振動子22は、円環状の弾性体23と、その弾性体23に接合された円環状の圧電素子24(圧電体)とから構成されている。
弾性体23は、回転子21と加圧接触する面に櫛歯が設けられた弾性部材である。
超音波モータ20は、圧電素子24の電極パターンA相、B相に、それぞれ位相の異なる2相の交番信号を印加して、振動子22に進行性の振動波を発生させ、振動子22に加圧接触された回転子21がその振動波に励振されることで、円周方向(正転方向G、反転方向H)に回転する駆動力を発生する。
制御部31は、駆動装置30の各部を統括制御する制御回路であり、例えばCPU等から構成される。制御部31は、記憶部33に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
速度制御部31aは、駆動回路部32を介して超音波モータ20の駆動動作や、回転速度nを制御する。具体的には、速度制御部31aは、超音波モータ20の圧電素子24の各電極パターンA相、B相に入力される交番信号の位相差p及び駆動周波数fを変化させて、超音波モータ20の駆動動作や、回転速度nを制御する。ここで、駆動動作とは、超音波モータ20の回転子21の正転方向Gの回転運動(図2参照)や、反転方向Hの回転運動(図2参照)、停止といった動作をいう。
記憶部33は、駆動装置30の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するための半導体メモリ素子等の記憶装置である。また、記憶部33は、停止時の超音波モータ20に印加する交番信号の駆動周波数の情報を停止周波数fx(後述する)として記憶している。
速度検出部34は、位置検出部13から検出されるレンズ11の位置Wの情報を入力し、その位置Wの情報に基づいて回転子21の回転速度nを検出する。速度検出部34は、検出した回転速度nの情報を制御部31に出力する。
図4は、実施形態の超音波モータ20の特性を示す図である。図4(a)は、超音波モータ20に印加される交番信号の駆動周波数fと回転速度nとの関係を示す図である。図4(b)は、超音波モータ20に印加される交番信号の位相差pと回転速度nとの関係を示す図である。
図4(a)に示すように、超音波モータ20は、駆動周波数fを、frからf0の間を変化させることで、その回転速度nを変化させることができる。具体的には、超音波モータ20は、その駆動周波数fをf0から下げると、回転速度nが上がる特性を有する。例えば、駆動周波数f=f1の場合、回転速度はn=N1となり、f=f2の場合、n=N2となる(f1>f2、N2>N1)。
また、f0は、駆動装置30の駆動回路部32に設けられたトランス(不図示)の2次側巻線のインダクタンスLと振動子22の圧電素子24の静電容量Cとに基づいて、以下の式で求められる電気的な共振周波数fcと一致させることが電力消費低減の面から望ましいため、本実施形態ではf0=fcとする。
fc=1/{2π√(LC)}
記憶部33に記憶される停止周波数fxは、上述したように、停止時における超音波モータ20に印加する交番信号の駆動周波数であるので、その消費電力を低減させるために、上述のf0からfαの間で任意に設定される周波数である。本実施形態では、停止周波数fxは、f0とfαとの中間の周波数、すなわちfx=(f0+fα)/2に設定されている。
図5は、実施形態のウォブリング動作における駆動装置30の駆動パターンを説明するタイミングチャートである。図5は、縦軸が、上から順に超音波モータ20の駆動電圧v、駆動周波数f、位相差p、回転速度n、及び、レンズ11の位置Wを示し、横軸が時間(t1〜t29)を示す。
t5において、速度制御部31aは、ウォブリング動作の開始に伴い、レンズ11の位置WをWiからWbeに移動させるために、超音波モータ20の駆動周波数fをf0からf1へ下げる方向に変化させる。
t8において、速度制御部31aは、超音波モータ20を駆動周波数がf=fxの状態で停止させる。
t10において、速度制御部31aは、圧電素子24に印加する交番信号の位相差pを0度から−90度に徐々に変更する。これにより、超音波モータ20は、反転方向(H方向)に回転し、レンズ11の位置Wは、WbeからWafへ移動する。
そして、レンズ11の位置WがWafに到達するのにあわせて、速度制御部31aは、圧電素子24に印加する交番信号の位相差pを−90度から0度に変更し、超音波モータ20を停止させる。
t12において、速度制御部31aは、超音波モータ20を駆動周波数がf=fxの状態で停止させる。
t14において、速度制御部31aは、超音波モータ20に印加する交番信号の位相差pを0度から+90度に徐々に変更する。これにより、超音波モータ20は、正転方向(G方向)に回転し、レンズ11位置Wは、WafからW0へ移動する。
そして、レンズ11の位置がW0に到達するのにあわせて、速度制御部31aは、圧電素子24に印加する交番信号の位相差pを+90度から0度に変更し、超音波モータ20を停止させる。
t16において、速度制御部31aは、超音波モータ20を駆動周波数がf=fxの状態で停止させる。
以上、t5〜t16において、一連のウォブリング動作が完了となり、駆動装置30は、t17から再び同様の動作を繰り返し行う。
図6は、比較例のウォブリング動作における駆動装置の駆動パターンを説明するタイミングチャートである。図6は、図5と同様に、縦軸が上から順に、超音波モータの駆動電圧v、駆動周波数f、位相差p、回転速度n、及び、レンズの位置Wを示し、横軸が時間(t1〜t29)を示す。
これに対して、本発明の駆動パターンは、上述したように、t8において、速度制御部31aは、駆動周波数をf=fxにして超音波モータ20を停止させており、その点で比較例の駆動パターンと相違している。また、t11〜t13、t15〜t17においても同様である。
図7は、実施形態と比較例の超音波モータの電力消費量を比較する図である。図7は、縦軸が超音波モータの制御によって消費する電力量を示し、横軸が制御時間を示す。
超音波モータ20は、駆動周波数fがf0(=fc)に近いほど、その消費電力が低くなる傾向があるところ、本発明の駆動装置30は、超音波モータ20が停止しているときに、その駆動周波数fをf0に近づくように上げる方向へf=fxに変更している。
一方、従来の駆動装置は、上述したように、超音波モータが停止しているときに、次の動作に備えて、その駆動周波数fをf0から離れる方向であるf1やf2等に変更している。
図7において、制御中における超音波モータの停止時間が長い場合(条件1)と、短い場合(条件2)とについて、それぞれ、本発明の駆動装置30と比較例の駆動装置とによる消費電力を比較した。
図7に示すように、いずれの場合においても、本発明の駆動装置30が比較例の駆動装置よりも消費電力が低くなり、本発明の駆動装置30の超音波モータ20による消費電力の低減の効果が確認することができた。また、制御時間が長くなるほど、停止時間も長くなるので、上述の本発明の消費電力の低減の効果がより顕著になる。
(1)駆動装置30は、超音波モータ20が停止している場合に、圧電素子24に印加する交番信号の駆動周波数fを、電気的な共振周波数fcに近づくように上げる方向へfxに変化させるので、制御中における超音波モータ20の停止時の消費電力を低減することができる。
(2)停止判定部31bは、圧電素子24に印加される交番信号の位相差pの状態と、回転子21の回転速度nに基づいて、超音波モータ20が停止したか否かを判定しているので、速度制御部31aが、超音波モータ20が完全に停止する前に、駆動周波数fを変化させ、超音波モータ20が誤動作してしまうのを回避することができる。
(4)駆動装置30をレンズ鏡筒10のレンズ11の駆動に用いているので、レンズ11のウォブリング動作等のフォーカス動作において、連続的に駆動する超音波モータ20の消費電力を低減することができる。
(1)実施形態において、記憶部33に記憶される停止周波数fxは、f0とfαとの中間の周波数、すなわちfx=(f0+fα)/2に設定する例を示したが、これに限定されない。
上述したように、fxは、f0からfαの間であれば任意に設定することができるため、例えば、停止周波数をfx=fαに設定することも可能である。こうすることで、超音波モータ20の停止時の消費電力を低減しつつ、かつ、超音波モータ20の停止状態から回転動作への応答時間を早くすることができる。
また、停止周波数をfx=f0に設定すれば、f0=fcであることから、駆動装置30は、超音波モータ20の停止時の消費電力を最も効率よく低減させることができる。
(3)実施形態において、超音波モータ20は、円環状の回転式の進行波型超音波モータである例を示したが、これに限定されない。例えば、棒状の回転式の超音波モータを使用することも可能である。
(5)実施形態において、レンズ鏡筒10の動画撮影時のウォブリング動作を例に説明したが、これに限定されない。他の動作、例えば、静止画撮影時のオートフォーカス動作に用いることも可能であり、本発明と同様の効果を得ることができる。
Claims (7)
- 圧電体に位相の異なる2相の交番信号を印加して、振動体を振動させて駆動力を発生する振動アクチュエータの駆動を制御する振動アクチュエータの駆動装置であって、
前記圧電体に印加する2相の交番信号の周波数を変化させて、前記振動アクチュエータの駆動速度を制御する速度制御部を備え、
前記速度制御部は、前記振動アクチュエータが停止している場合に、前記圧電体に印加する前記交番信号の周波数を、共振周波数に近づくように変化させること、
を特徴とする振動アクチュエータの駆動装置。 - 請求項1に記載の振動アクチュエータの駆動装置において、
前記速度制御部は、前記振動アクチュエータが停止している場合に、前記圧電体に印加する前記交番信号の周波数を、上げる方向に変化させること、
を特徴とする振動アクチュエータの駆動装置。 - 請求項1に記載の振動アクチュエータの駆動装置において、
前記速度制御部は、前記振動アクチュエータが停止している場合に、前記圧電体に印加する前記交番信号の周波数を、前記振動アクチュエータが停止状態から駆動を開始する周波数に変化させること、
を特徴とする振動アクチュエータの駆動装置。 - 請求項1に記載の振動アクチュエータの駆動装置において、
前記速度制御部は、前記振動アクチュエータが停止している場合に、前記圧電体に印加する前記交番信号の周波数を、前記共振周波数に変化させること、
を特徴とする振動アクチュエータの駆動装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータの駆動装置において、
前記共振周波数は、前記圧電体の静電容量と、前記圧電体に交番信号を印加する駆動回路のインダクタンスとの共振周波数であること、
を特徴とする振動アクチュエータの駆動装置。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータの駆動装置において、
前記振動アクチュエータの駆動速度を検出する速度検出部を備え、
前記速度制御部は、前記圧電体に印加する2相の交番信号の位相差を変化させて、前記振動アクチュエータの駆動速度を制御し、
前記圧電体に印加する2相の交番信号の位相差の状態と、前記速度検出部によって検出される駆動速度の情報とに基づいて、前記振動アクチュエータが停止したか否かを判定する停止判定部を備えること、
を特徴とする振動アクチュエータの駆動装置。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータの駆動装置と、
前記振動アクチュエータの駆動装置によって駆動される振動アクチュエータと、
前記振動アクチュエータによって駆動される光学部材と、
を備えるレンズ鏡筒。
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