JP2014023330A - 駆動装置、駆動装置の調整装置、駆動装置の調整方法、撮像装置 - Google Patents

駆動装置、駆動装置の調整装置、駆動装置の調整方法、撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】停止中の振動アクチュエータの消費電力を低減することができる駆動装置、駆動装置の調整装置、駆動装置の調整方法、撮像装置を提供する。
【解決手段】駆動装置30は、振動体22に設けられた圧電体24に交番信号を印加して、振動体を振動させて駆動力を発生する振動アクチュエータ20を制御する駆動装置30であって、圧電体に印加する交番信号の周波数fを変化させて、振動アクチュエータの駆動速度を制御する速度制御部31を備え、速度制御部は、交番信号の周波数を、振動アクチュエータを駆動状態から停止状態に変化させる周波数f0よりも高周波側となる停止周波数fsに変化させて、振動アクチュエータを停止させること、を特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、駆動装置、駆動装置の調整装置、駆動装置の調整方法、撮像装置に関するものである。
従来、振動アクチュエータの駆動装置は、振動アクチュエータに入力する交番信号のオンオフにより、振動アクチュエータの駆動状態と停止状態とを切り替えていたため、停止や駆動開始時等において圧電体等から突発音が発生する場合があった。そのため、振動アクチュエータの駆動装置は、その突発音を回避するために、交番信号の駆動周波数を変化させることによって振動アクチュエータを制御していた(例えば、特許文献1)。
しかし、特許文献1の駆動装置は、振動アクチュエータの制御中は常に電力が供給されている状態となるため、消費電力が高くなるという問題があった。
特開2011−004279号公報
本発明の課題は、停止中の振動アクチュエータの消費電力を低減することができる駆動装置、駆動装置の調整装置、駆動装置の調整方法、撮像装置を提供することである。
前記課題を解決するために、第1の発明は、振動体(22)に設けられた圧電体(24)に交番信号を印加して、前記振動体を振動させて駆動力を発生する振動アクチュエータ(20)を制御する駆動装置(30)であって、前記圧電体に印加する交番信号の周波数(f)を変化させて、前記振動アクチュエータの駆動速度を制御する速度制御部(31)を備え、前記速度制御部は、前記交番信号の周波数を、前記振動アクチュエータを駆動状態から停止状態に変化させる周波数(f0)よりも高周波側となる停止周波数(fs)に変化させて、前記振動アクチュエータを停止させること、を特徴とする駆動装置である。
第2の発明は、第1の発明の駆動装置(30)において、前記振動アクチュエータ(20)の消費電力を検出する消費電力検出部(33)を備え、前記速度制御部(31)は、前記消費電力検出部で検出した消費電力に基づいて、前記停止周波数(fs)を検出すること、を特徴とする駆動装置である。
第3の発明は、第2の発明の駆動装置(30)において、前記消費電力検出部(33)は、前記消費電力として前記振動アクチュエータ(20)に供給される電力の電流値(I)を検出すること、を特徴とする駆動装置である。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの駆動装置(30)において、前記停止周波数(fs)を記憶する記憶部(36)を備えること、を特徴とする駆動装置である。
第5の発明は、記憶部(336)を有した第1の発明の駆動装置(330)に装着される駆動装置の調整装置(340)であって、前記駆動装置の前記速度制御部(331)に接続され、前記圧電体(24)に印加する交番信号の周波数を、前記振動アクチュエータ(20)を駆動状態から停止状態に変化させる周波数(f0)よりも高周波側に変化させる駆動信号を送信する調整制御部(341)を備え、前記調整制御部は、前記駆動装置を制御して、送信した駆動信号に基づいて前記圧電体に印加する交番信号の周波数を変化させて、前記振動アクチュエータを停止させる停止周波数(fs)を検出させ、検出した停止周波数を前記記憶部(336)に記憶させること、を特徴とする駆動装置の調整装置である。
第6の発明は、第5の発明の駆動装置の調整装置(340)において、前記駆動装置(330)に電力を供給する電源部(342)と、前記電源部の消費電力を検出する消費電力検出部(343)とを備え、前記調整制御部(341)は、前記消費電力検出部で検出した消費電力の情報を前記速度制御部(331)に出力し、前記消費電力の情報に基づいて前記停止周波数(fs)を検出させること、を特徴とする駆動装置の調整装置である。
第7の発明は、第6の発明の駆動装置の調整装置(340)において、前記消費電力検出部(433)は、前記消費電力として前記電源部(342)から供給される電力の電流値(I)を検出すること、を特徴とする駆動装置の調整装置である。
第8の発明は、振動体(22)に設けられた圧電体(24)に交番信号を印加して、前記振動体を振動させて駆動力を発生する振動アクチュエータ(20)を制御する駆動装置(30)の調整方法であって、前記圧電体に印加する交番信号の周波数(f)を、前記振動アクチュエータを駆動状態から停止状態に変化させる周波数(f0)から高周波側へ変化させる周波数変化工程(S104)と、前記周波数変化工程によって変化する周波数に応じて変動する前記振動アクチュエータの消費電力を検出する消費電力検出工程(S105)と、前記消費電力検出工程により検出された前記消費電力に基づいて、前記振動アクチュエータを停止させる停止周波数を検出する停止周波数検出工程(S106,S107)と、を備える駆動装置の調整方法である。
第9の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの駆動装置(30)を備えること、を特徴とする撮像装置(1)である。
以上、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明したが、これに限定されるものではない。なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成に代替してもよい。
本発明によれば、停止中の振動アクチュエータの消費電力を低減することができる。
第1実施形態のカメラ1の全体構成を説明する概略図である。 第1実施形態の超音波モータ20の構成を説明する図である。 第1実施形態の圧電素子24の電極パターンA相、B相の構成を説明する図である。 第1実施形態の超音波モータ20に接続される駆動装置30の構成を説明する図である。 第1実施形態の超音波モータ20の特性を示す図である。 第1実施形態のカメラ1の動画撮影モード開始時の動作を説明するフローチャートである。 第1実施形態の駆動装置30のレンズ11の駆動時の動作を説明するフローチャートである。 第3実施形態の超音波モータ20に接続される駆動装置330と、それに装着される調整装置340との構成を説明する図である。 第3実施形態の調整装置340及び駆動装置330の動作を説明するフローチャートである。 第3実施形態の駆動装置330の初期動作を説明するフローチャートである。 第3実施形態の駆動装置330のレンズ11の駆動時の動作を説明するフローチャートである。
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のカメラ1の全体構成を説明する概略図である。
図2は、第1実施形態の超音波モータ20の構成を説明する図である。
図3は、第1実施形態の圧電素子24の電極パターンA相、B相の構成を説明する図である。
図4は、第1実施形態の超音波モータ20に接続される駆動装置30の構成を説明する図である。
なお、図1において、カメラ1の前後方向をX方向とし、左右方向をY方向とし、鉛直方向をZ方向とする。
カメラ1(撮像装置)は、図1に示すように、撮像素子3を有するカメラ筐体2と、レンズ鏡筒10とを備え、被写体の静止画だけでなく動画も撮影することができるデジタルカメラである。
レンズ鏡筒10は、カメラ筐体2と着脱可能な交換レンズである。レンズ鏡筒10は、レンズ11、カム筒部12、位置検出部13、超音波モータ20(振動アクチュエータ)、駆動装置30等を備えている。なお、レンズ鏡筒10は、カメラ筐体2と一体型としてもよい。
レンズ11は、カム筒部12に保持されており、超音波モータ20の駆動力によって、光軸方向(X方向)に移動して焦点調節を行うフォーカスレンズである。
カム筒部12は、超音波モータ20の回転子21(後述する)と接続されており、超音波モータ20の回転運動を、光軸方向(X方向)への直動運動に変換し、レンズ11を光軸方向(X方向)に移動可能にする。
位置検出部13は、光軸方向(X方向)に移動するレンズ11の位置を検出するセンサであり、例えば磁気センサ(MRセンサ)である。
超音波モータ20は、図2(a)に示すように、円環状の回転式の進行波型超音波モータであり、円環状の回転子21と、回転子21と加圧接触する円環状の振動子22(振動体)とから構成される。
振動子22は、円環状の弾性体23と、その弾性体23に接合された円環状の圧電素子24(圧電体)とから構成されている。
弾性体23は、回転子21と加圧接触する面に櫛歯が設けられた弾性部材である。
圧電素子24は、弾性体23の回転子21との接触面とは反対側の面に接合されており、2相からなる電極パターンA相、B相を有する。電極パターンA相、B相は、図3に示すように、それぞれが円周方向に極性が交互に異なるように分極されている。
超音波モータ20は、図2(a)及び図2(b)に示すように、圧電素子24の電極パターンA相、B相に、それぞれ位相の異なる2相の交番信号を印加して、振動子22に進行性の振動波を発生させ、振動子22に加圧接触された回転子21がその振動波に励振されることで、円周方向(正転方向G、反転方向H)に回転する駆動力を発生する。
駆動装置30は、図4に示すように、超音波モータ20の駆動を制御する装置である。駆動装置30は、制御部31(速度制御部)、駆動回路部32、電流検出部33(消費電力検出部)、電源部34、信号処理部35、記憶部36等を備える。
制御部31は、駆動装置30の各部を統括制御する制御回路であり、例えばCPU等から構成される。制御部31は、記憶部36に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
制御部31は、駆動回路部32、電流検出部33、信号処理部35、記憶部36等に接続される。
制御部31は、駆動回路部32を介して超音波モータ20の駆動動作や、回転速度を制御する。具体的には、制御部31は、超音波モータ20の圧電素子24の各電極パターンA相、B相に印加される交番信号の位相差及び駆動周波数を変化させて、超音波モータ20の駆動動作や、回転速度を制御する。ここで、駆動動作とは、超音波モータ20の回転子21の正転方向Gの回転運動(図2参照)や、反転方向Hの回転運動(図2参照)、停止といった動作をいう。
駆動回路部32は、圧電素子24の各電極パターンA相、B相の電極に接続されており、制御部31から入力した駆動パルス信号に基づいて、所定の位相差及び所定の駆動周波数に設定された交番信号を発生する回路である。駆動回路部32は、圧電素子24のA相の電極パターンに接続されるA相回路部32aと、B相の電極パターンに接続されるB相回路部32bとを有する。
A相回路部32aは、トランス321a、FET(Field Effect Transistor)322a、323a、インバータ324a、ダイオード325a、326a等から構成され、制御部31から送信される駆動パルス信号に基づいて圧電素子24のA相の電極パターンに交番信号を印加する。
B相回路部32bは、トランス321b、FET322b、323b、インバータ324b、ダイオード325b、326b等から構成され、制御部31から送信される駆動パルス信号に基づいて圧電素子24のB相の電極パターンに交番信号を印加する。
駆動回路部32は、A相回路部32a、B相回路部32bのそれぞれに設けられるFET322a、322b、323a、323bのスイッチング動作に基づいて圧電素子24に印加する交番信号の周波数を変化させる。
電流検出部33は、電源部34及び駆動回路部32間に接続され、電源部34から供給される電力の電流値を検出する部分であり、例えば電流検出抵抗や、ホール素子センサを用いた回路から構成される。電流検出部33は、検出した検出電流値を制御部31に出力する。ここで、本実施形態では、超音波モータ20に印加される交番信号の電圧は一定であるので、電流検出部33が、電流値を検出することによって、超音波モータ20の駆動による消費電力を検出することができる。なお、以下の説明において、電流検出部33で検出された検出電流値を、消費電流値と呼ぶ。
電源部34は、駆動回路部32を介して超音波モータ20に電力を供給する電源回路である。
信号処理部35は、位置検出部13に接続され、位置検出部13で検出した検出信号に基づいて、レンズ11の位置情報と、超音波モータ20の回転速度情報とを検出して制御部31に出力する。
記憶部36は、駆動装置30の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するための半導体メモリ素子等の記憶装置である。また、記憶部36は、電流検出部で検出した検出電流値を比較電流値Ic(後述する)として記憶する。
次に、超音波モータ20の特性について説明する。
図5は、第1実施形態の超音波モータ20の特性を示す図である。図5(a)は、超音波モータ20に印加される交番信号の駆動周波数fと、超音波モータ20の回転速度nとの関係を示す図である。図5(b)は、超音波モータ20に印加される交番信号の駆動周波数fと、消費電流値Iとの関係を示す図である。
図5(a)に示すように、超音波モータ20は、駆動周波数fを、fr1からf0の間を変化させることで、その回転速度nを変化させることができる。具体的には、超音波モータ20は、その駆動周波数fをf0から低周波側に変化させると、回転速度nが上がる特性を有する。例えば、駆動周波数f=f1の場合、回転速度はn=n1となり、f=f2の場合、n=n2となる(f1>f2、n2>n1)。
ここで、図5(a)中のfr1は、超音波モータ20の振動子22の機械的な共振周波数である。また、f0は、超音波モータ20の回転子21が駆動状態から停止状態に変化する周波数である。超音波モータ20の制御の安定性等を考慮して駆動周波数fと、fr1との関係は、一般にfr1<fであることが望ましく、超音波モータ20の制御では、図5(a)中のfr1よりも右肩下がりの特性を利用する。
また、超音波モータ20は、駆動周波数fを、f0よりも高周波側の一定の領域(例えば、f=f01)に変化させても停止状態を維持するが、その領域を超えて超音波モータ20の2次的な共振周波数fr2に近づくと(例えば、f=fd)、逆方向に回転を開始する特性を有する。
超音波モータ20は、図5(b)に示すように、駆動周波数がfr1のときに、その消費電流がI=Ir1となり、そこから駆動周波数fを高周波側に変化、例えばf=f2(f2>fr1)に変化させると、消費電流値がI=I2(I2<Ir1)となり、消費電流値Iが減少する特性を有している。
また、超音波モータ20は、駆動状態から停止状態に変化する駆動周波数f=f0において消費電流がI=I0となるが、駆動周波数fをf0から高周波側に変化、例えばf=f01に変化させると、消費電流Iは更に減少し、I=I01(I01<I0)となる特性を有している。更に、駆動周波数fをf01から高周波側に変化、例えばf=fdに変化させると、上述したように、超音波モータ20は、再び回転を開始するので(図5(a)参照)、消費電流がI=Id(Id>I01)となり、f=f01のときよりも増大する特性を有する。
なお、以下の説明において、超音波モータ20が駆動状態から停止状態に変化する駆動周波数を停止開始周波数(f0)と呼び、超音波モータ20が停止状態において消費電流が最も小さい状態の駆動周波数fを停止周波数(fs)と呼ぶ。本実施形態では、図5(b)に示すように、駆動周波数がf=f01のときに最も消費電流が小さい(I=I01)ので、停止周波数は、fs=f01である。
駆動装置30は、上述の特性を利用して、超音波モータ20の停止時における駆動周波数を停止開始周波数f0で停止させるのではなく、停止周波数fsを検出して、その停止周波数fsで超音波モータ20を停止させる。ここで、超音波モータ20の停止開始周波数f0は、設計上予め判明している特性であるので、駆動装置30は、f0の情報を記憶部36に記憶しているものとするが、停止周波数fsは、カメラ1の固体差に応じて変化する特性であるため、カメラ1ごとに検出する必要がある。
次に、カメラ1の電源が投入され、撮影可能状態に移行するときの駆動装置30の初期動作について説明する。図6は、第1実施形態の駆動装置30の初期動作を説明するフローチャートである。
撮影者によってカメラ1に電源が投入されると、図6に示すように、駆動装置30の制御部31は、ステップ(以下、Sという)101において、停止開始周波数f0の交番信号を圧電素子24に印加する。
それから、S102において、制御部31は、停止開始周波数f0における消費電流値I0を電流検出部33によって検出する。
次に、S103において、制御部31は、S102において検出した消費電流値I0を比較電流値Icとして記憶部36に記憶させる。
S104において、制御部31は、超音波モータ20の駆動周波数をf0から高周波側に変化させる(周波数変化工程)。
S105において、制御部31は、f0から高周波側に変化させた駆動周波数fにおける超音波モータ20の消費電流値Iを検出する(消費電力検出工程)。
それから、S106において、制御部31は、検出した消費電流値Iと、記憶部36に記憶させた比較電流値Icとの大小を比較判定する。
検出した消費電流値Iが比較電流値Icよりも小さいと判定した場合(S106:No)、S103に戻り、制御部31は、S105において検出した消費電流値Iを比較電流値Icとして記憶して、再びS104〜S106の動作を繰り返す。ここで、S103が繰り返される度に、直前にS105において検出された消費電流値Iは、比較電流値Icとして上書きで記憶される。
一方、検出した消費電流値Iが比較電流値Icよりも小さくないと判定した場合(S106:Yes)、S107において、制御部31は、駆動周波数fの変化を停止して、直前の比較電流値Icが検出された駆動周波数fを停止周波数fsとし(停止周波数検出工程)、停止周波数fsで超音波モータ20を停止状態にする。
例えば、図5(b)に示すように、S105において、駆動周波数がf=f01における消費電流値I=I01を検出した場合、I01<Ic(=I0)であるので、制御部31は、検出した消費電流値Iが比較電流値Icよりも小さいと判定し(S106:No)、S105で検出した消費電流値I01を比較電流値Ic=I01として記憶する(S103)。
そして、制御部31は、駆動周波数をf01から更に高周波側のf02に変化させ(S104)、f02における消費電流値I02を検出する(S105)。
制御部31は、消費電流値I02と比較電流値Ic(=I01)との大小を比較判定し(S106)、I02>Ic(=I01)であるので、制御部31は、検出した消費電流値Iが比較電流値Icよりも小さくないと判定する(S106:Yes)。そして、制御部31は、駆動周波数fの変化を停止して、直前の比較電流値Ic(=I01)が検出された駆動周波数f01を停止周波数fsとして、停止周波数fsで超音波モータ20を停止状態にする。
以上より、カメラ1は、電源投入後の撮影待機状態において、駆動周波数fを停止周波数fsで超音波モータ20を停止させているので、超音波モータ20の停止中の消費電力を低減させることができる。
次に、カメラ1のレンズ11を駆動させる場合における駆動装置30の動作について説明する。図7は、第1実施形態の駆動装置30のレンズ11の駆動時の動作を説明するフローチャートである。
ここで、カメラ1の撮影動作が開始され、超音波モータ20を回転速度n2で、レンズ11を初期位置から特定の位置に移動させる場合における、駆動装置30の動作について説明する。
図7に示すように、S121において、制御部31は、超音波モータ20の駆動周波数fを、停止周波数fsから、超音波モータ20を回転速度n2で回転させる周波数f2に変化させる。ここで、駆動装置30は、超音波モータ20の急激な加減速によりレンズ11の挙動変化等を抑制するために、加速時間、減速時間を設けている。そのため、駆動装置30は、例えば、超音波モータ20の回転速度をn=0からn=n2に変化させるとき、駆動周波数fを、時間とともに段階的にfsからf2へ変化させる。
S122において、制御部31は、信号処理部35を介して入力する位置検出部13の検出信号に基づいて、超音波モータ20の回転速度nを検出し、S123において回転速度nが目標となる回転速度n2に到達したか否かを判定する。
回転速度nが目標回転速度n2に到達したと判定した場合(S123:Yes)、S124に進み、回転速度nが目標回転速度n2に到達していないと判定した場合(S123:No)、S121に戻る。
S124において、制御部31は、駆動周波数fの変化をf2で停止して、超音波モータ20を、回転速度n2の一定速度で回転させる。このとき、レンズ11は、超音波モータ20の回転に伴って、一定の速度で目標位置に向かって移動する。
次に、S125において、制御部31は、位置検出部13の検出信号に基づいて、レンズ11が減速を開始する位置(減速開始位置)に移動したか否かを判定する。
レンズ11が減速開始位置に移動したものと判定した場合(S125:Yes)、S126に進み、減速開始位置に移動していないと判定した場合(S125:No)、S124に戻り、制御部31は、引き続き超音波モータ20を、回転速度n2の一定速度で回転させる。
S126において、制御部31は、超音波モータ20の駆動周波数fをf02から高周波側に変化させ、回転速度nを減速させ、S127において、回転速度がn=0に到達したか否かを判定する。
超音波モータ20の回転速度がn=0に到達したものと判定した場合(S127:Yes)、S128に進み、n=0に到達していないと判定した場合(S127:No)、S126に戻る。
S128において、制御部31は、超音波モータ20の回転速度がn=0のときの消費電流値Iを電流検出部33によって検出する。このとき、レンズ11は、目標位置に停止しており、超音波モータ20の駆動周波数は、f=f0となる。
次に、S129において、制御部31は、S128において検出した消費電流値I0を比較電流値Icとして記憶部36に記憶させる。
S130において、制御部31は、超音波モータ20の駆動周波数fをf0から高周波側に変化させる(周波数変化工程)。
S131において、制御部31は、f0から高周波側に変化させた駆動周波数fにおける超音波モータ20の消費電流値Iを検出する(消費電力検出工程)。
それから、S132において、制御部31は、検出した消費電流値Iと、記憶部36に記憶させた比較電流値Icとの大小を比較判定する。
検出した消費電流値Iが比較電流値Icよりも小さいと判定した場合(S132:No)、S129に戻り、制御部31は、S131において検出した消費電流値Iを比較電流値Icとして記憶して、再びS130〜S132の動作を繰り返す。
一方、検出した消費電流値Iが比較電流値Icよりも小さくないと判定した場合(S132:Yes)、S133において、制御部31は、駆動周波数fの変化を停止して、直前に比較電流値Icが検出された駆動周波数fを停止周波数fsとし、停止周波数fsで超音波モータ20を停止状態にする(停止周波数検出工程)。
以上説明したように、本実施形態の駆動装置30には以下のような効果がある。
(1)駆動装置30は、圧電素子24に印加する交番信号の駆動周波数fを、停止開始周波数f0よりも高い周波数となる停止周波数fsに変化させて、超音波モータ20を停止させるので、制御中における超音波モータ20の停止時の消費電力を低減することができる。これにより、カメラ1の動画撮影時のウォブリング動作等において、特に効果的に消費電力を低減することができる。
また、このようにすることで、超音波モータ20に印加する交番信号を切ることなく超音波モータ20を停止させることができるので、交番信号のオンオフによる圧電素子24等からの突破音の発生を防ぐことができ、カメラ1の動画撮影中等において、突発音が録音されてしまうのを防止することができる。
(2)駆動装置30は、電流検出部33で検出した消費電流値Iに基づいて停止周波数fsを検出しているので、消費電流値Iが最も低い駆動周波数fを停止周波数fsとすることができ、より効率よく停止中の超音波モータ20の消費電力を低減させることができる。また、駆動周波数fがfd(図5参照)まで変化してしまうのを防止することができ、停止状態の超音波モータ20を誤って駆動させてしまうのを防ぐことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、第1実施形態の図4、図6、図7を参照しながら重複する説明を適宜省略して説明する。
第2実施形態のカメラ1は、第1実施形態のカメラ1と同様の構成(図4参照)を有するが、駆動装置30の制御部31が、検出した停止周波数fsの情報を記憶部36に記憶する点で第1実施形態のカメラ1と相違する。
駆動装置30の初期動作において、制御部31は、停止周波数fsを検出したときに(図6、S107)、検出した停止周波数fsの情報を記憶部36に記憶する。
そして、その後の駆動装置30のレンズ11を移動させる動作において(図7参照)、超音波モータ20を停止させる場合に、駆動装置30は、停止周波数fsを再度検出するといった動作(図7、S128〜S132)を行うことなく、記憶部36から停止周波数fsの情報を読み出して、駆動周波数fをfsに変化させて超音波モータ20を停止状態にする。
以上より、本実施形態の駆動装置30は、第1実施形態の駆動装置30と同様に、停止周波数fsで超音波モータ20を停止させることができるので、停止時の超音波モータ20の消費電力を低減することができる。
また、駆動装置30は、超音波モータ20が停止する度に停止周波数fsを検出する必要がなくなり、制御部31の負担を軽減することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図8は、第3実施形態の超音波モータ20に接続される駆動装置330と、それに装着される調整装置340との構成を説明する図である。
第3実施形態のカメラ301は、図8に示すように、停止周波数fsを検出するために調整装置340が駆動装置330に装着され、駆動装置330が電流検出部を備えていない点で第1実施形態のカメラ1と相違する。
駆動装置330は、制御部331、駆動回路部332、電源部334、信号処理部335、記憶部336等を備える。
調整装置340は、調整制御部341、調整電源部342、電流検出部343等を備えている。調整装置340は、カメラ301の製造段階において駆動装置330に装着され、駆動装置330の制御部331と協働して、超音波モータ20の停止周波数fsを検出し、検出した停止周波数fsを駆動装置330の記憶部336に記憶させる。なお、調整装置340は、カメラ301の出荷段階においては、駆動装置330から取り外される。
調整制御部341は、調整装置340の各部と接続され、調整装置340を統括制御する制御回路であり、例えばCPU等から構成される。調整制御部341は、超音波モータ20に印加される交番信号の駆動周波数fをf0から高周波側に変化させる駆動信号を駆動装置330の制御部331に出力する。
調整電源部342は、調整装置340が駆動装置330に装着されることによって、電流検出部343を介して駆動装置330の駆動回路部332に接続され、超音波モータ20を駆動する電力を供給する電源である。
電流検出部343は、調整電源部342から供給される電力の電流値を検出するセンサである。電流検出部343は、検出した検出電流値(消費電流値)を駆動装置330の制御部331に出力する。
次に、カメラ301の製造時において調整装置340が装着される駆動装置330と、調整装置340との動作について説明する。
図9は、第3実施形態の調整装置340及び駆動装置330の動作を説明するフローチャートである。
調整装置340が、駆動装置330に装着され電源が投入されたら、S401において、調整制御部341は、調整電源部342から駆動回路部332に電力を供給し、電流検出部343の検出信号と、駆動信号とを制御部331に出力する。ここで、調整制御部341は、電流検出部343の検出信号を、停止周波数fsの検出が終了するまで継続して制御部331に出力する。
S402において、駆動装置330の制御部331は、調整装置340から受信した駆動信号に基づいて、駆動周波数fをf0にした交番信号を超音波モータ20に出力させる。
そして、S403において、制御部331は、調整装置340の電流検出部343から入力する検出信号に基づいて、停止開始周波数f0における消費電流値I0を検出する。
次に、S404において、制御部331は、S403において検出した消費電流値I0を比較電流値Icとして記憶部336に記憶させる。
S405において、制御部331は、調整装置340から受信した駆動信号に基づいて、超音波モータ20の駆動周波数をf0から高周波側に変化させる(周波数変化工程)。
S406において、制御部331は、f0から高周波側に変化させた駆動周波数fにおける超音波モータ20の消費電流値Iを検出する(消費電力検出工程)。
それから、S407において、制御部331は、検出した消費電流値Iと、記憶部336に記憶させた比較電流値Icとの大小を比較判定する。
検出した消費電流値Iが比較電流値Icよりも小さいと判定した場合(S407:No)、S404に戻り、制御部331は、S406において検出した消費電流値Iを比較電流値Icとして記憶して、再びS405〜S407の動作を繰り返す。
一方、検出した消費電流値Iが比較電流値Icよりも小さくないと判定した場合(S407:Yes)、S408において、制御部331は、駆動周波数fの変化を停止して、周波数の変化を停止させた旨の信号を調整装置340に出力する。
S409において、調整装置340の調整制御部341は、制御部331に対して、停止周波数fsを検出し、記憶部336に記憶させる旨の指令信号を駆動装置330に出力する。
S410において、駆動装置330の制御部331は、調整装置340から入力した指令信号に基づいて、直前の比較電流値Icが検出された駆動周波数fを停止周波数fsとして検出し(停止周波数検出工程)、その停止周波数fsの情報を記憶部336に記憶する。
停止周波数fsを記憶部336に記憶させたら、調整装置340は、駆動装置330から取り外される。
次に、カメラ301の電源が投入され、撮影可能状態に移行するときの初期動作について説明する。図10は、第3実施形態の駆動装置330の初期動作を説明するフローチャートである。
撮影者によってカメラ301に電源が投入されると、図10に示すように、駆動装置330の制御部331は、S421において、記憶部336から停止周波数fsの情報を読み出す。
そして、S422において、制御部331は、停止周波数fsに設定した交番信号を電源部334から圧電素子24に印加して、停止周波数fsで超音波モータ20を停止状態にする。
次に、カメラ301のレンズ11を駆動する場合における駆動装置330の動作について説明する。図11は、第3実施形態の駆動装置330のレンズ11の駆動時の動作を説明するフローチャートである。
ここで、カメラ301の撮影動作が開始され、超音波モータ20を回転速度n2で、レンズ11を初期位置から特定の位置に移動させる場合における、駆動装置330の動作について説明する。
図11に示すように、S431において、制御部331は、超音波モータ20の駆動周波数fを、停止周波数fsから、超音波モータ20を回転速度n2で回転させる周波数f2に段階的に変化させる。
S432において、制御部331は、信号処理部35を介して入力する位置検出部13の検出信号に基づいて回転速度nを検出し、S433において、回転速度nが目標となる回転速度n2に到達したか否かを判定する。
回転速度nが目標回転速度n2に到達したと判定した場合(S433:Yes)、S434に進み、回転速度nが目標回転速度n2に到達していないと判定した場合(S433:No)、S431に戻る。
S434において、制御部331は、駆動周波数fの変化をf2で停止して、超音波モータ20を、回転速度n2の一定速度で回転させる。このとき、レンズ11は、超音波モータ20の回転に伴って、一定の速度で目標位置に向かって移動する。
次に、S435において、制御部331は、位置検出部13の検出信号に基づいて、レンズ11が減速を開始する位置(減速開始位置)に移動したか否かを判定する。
レンズ11が減速開始位置に移動したものと判定した場合(S435:Yes)、S436に進み、減速開始位置に移動していないと判定した場合(S435:No)、S434に戻り、制御部331は、引き続き超音波モータ20を、回転速度n2の一定速度で回転させる。
S436において、制御部331は、記憶部336から停止周波数fsの情報を読み出す。
そして、S437において、制御部331は、超音波モータ20の駆動周波数fをf2からfsに変化させて超音波モータ20の回転速度nを減速させる。それから、S438において、回転速度がn=0に到達したか否かを判定する。
超音波モータ20の回転速度がn=0に到達したものと判定した場合(S438:Yes)、S439に進み、n=0に到達していないと判定した場合(S438:No)、S437に戻る。なお、超音波モータ20の回転速度がn=0に到達したとき、超音波モータ20の駆動周波数は、f=f0(停止開始周波数)となる(図5(a)参照)。
S439において、制御部331は、超音波モータ20の駆動周波数fが停止周波数fsに到達したか否かを判定する。
超音波モータ20の駆動周波数fがfsに到達したものと判定した場合(S439:Yes)、S440に進み、駆動周波数fがfsに到達していないと判定した場合(S439:No)、S439に戻る。
S440において、制御部331は、駆動周波数fの変化をfsで停止させて、超音波モータ20を停止状態にする。
以上より、本実施形態の調整装置340、駆動装置330には以下のような効果がある。
(1)調整装置340は、駆動装置330に装着されることによって、駆動装置330に超音波モータ20の停止周波数fsを検出、記憶させているので、第1実施形態の駆動装置30と同様に、駆動装置330は、超音波モータ20を停止周波数fsで停止状態にすることができ、超音波モータ20の停止時における消費電力を低減することができる。
(2)駆動装置30は、調整装置340によって停止周波数fsを検出して記憶部336に記憶しているので、駆動装置330に電流検出部を設ける必要がなく、カメラ301を第1実施形態のカメラ1よりも安価に製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
各実施形態において、消費電力の検出に電流検出部を用いる例で説明したが、これに限定されない。例えば、超音波モータ20に供給される電力が、電圧、電流ともに変動する場合、電流検出部と電圧検出部とを設けて、各検出部の検出値の積から消費電力を検出するようにしてもよい。
1、201、301:カメラ、20:超音波モータ、22:振動子、24:圧電素子、30、230、330:駆動装置、31、231、331:制御部、33、233:電流検出部、34、234、334:電源部、340:調整装置、341:調整制御部、342:調整電源部、343:電流検出部

Claims (9)

  1. 振動体に設けられた圧電体に交番信号を印加して、前記振動体を振動させて駆動力を発生する振動アクチュエータを制御する駆動装置であって、
    前記圧電体に印加する交番信号の周波数を変化させて、前記振動アクチュエータの駆動速度を制御する速度制御部を備え、
    前記速度制御部は、前記交番信号の周波数を、前記振動アクチュエータを駆動状態から停止状態に変化させる周波数よりも高周波側となる停止周波数に変化させて、前記振動アクチュエータを停止させること、
    を特徴とする駆動装置。
  2. 請求項1に記載の駆動装置において、
    前記振動アクチュエータの消費電力を検出する消費電力検出部を備え、
    前記速度制御部は、前記消費電力検出部で検出した消費電力に基づいて、前記停止周波数を検出すること、
    を特徴とする駆動装置。
  3. 請求項2に記載の駆動装置において、
    前記消費電力検出部は、前記消費電力として前記振動アクチュエータに供給される電力の電流値を検出すること、
    を特徴とする駆動装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の駆動装置において、
    前記停止周波数を記憶する記憶部を備えること、
    を特徴とする駆動装置。
  5. 記憶部を有した請求項1に記載の駆動装置に装着される駆動装置の調整装置であって、
    前記駆動装置の前記速度制御部に接続され、前記圧電体に印加する交番信号の周波数を、前記振動アクチュエータを駆動状態から停止状態に変化させる周波数よりも高周波側に変化させる駆動信号を送信する調整制御部を備え、
    前記調整制御部は、前記駆動装置を制御して、送信した駆動信号に基づいて前記圧電体に印加する交番信号の周波数を変化させて、前記振動アクチュエータを停止させる停止周波数を検出させ、検出した停止周波数を前記記憶部に記憶させること、
    を特徴とする駆動装置の調整装置。
  6. 請求項5に記載の駆動装置の調整装置において、
    前記駆動装置に電力を供給する電源部と、
    前記電源部の消費電力を検出する消費電力検出部とを備え、
    前記調整制御部は、前記消費電力検出部で検出した消費電力の情報を前記速度制御部に出力し、前記消費電力の情報に基づいて前記停止周波数を検出させること、
    を特徴とする駆動装置の調整装置。
  7. 請求項6に記載の駆動装置の調整装置において、
    前記消費電力検出部は、前記消費電力として前記電源部から供給される電力の電流値を検出すること、
    を特徴とする駆動装置の調整装置。
  8. 振動体に設けられた圧電体に交番信号を印加して、前記振動体を振動させて駆動力を発生する振動アクチュエータを制御する駆動装置の調整方法であって、
    前記圧電体に印加する交番信号の周波数を、前記振動アクチュエータを駆動状態から停止状態に変化させる周波数から高周波側へ変化させる周波数変化工程と、
    前記周波数変化工程によって変化する周波数に応じて変動する前記振動アクチュエータの消費電力を検出する消費電力検出工程と、
    前記消費電力検出工程により検出された前記消費電力に基づいて、前記振動アクチュエータを停止させる停止周波数を検出する停止周波数検出工程と、
    を備える駆動装置の調整方法。
  9. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の駆動装置を備えること、
    を特徴とする撮像装置。
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