JP4310029B2 - 改質ポリエステルの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は改質ポリエステルの製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、高収縮性、収縮後の柔軟性、良好な製糸性及び改善された色相を有する改質ポリトリメチレンテレフタレートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレフタル酸又はテレフタル酸ジメチルに代表されるテレフタル酸の低級アルキルエステルと、トリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)とを重縮合反応させて得られるポリトリメチレンテレフタレートは、低弾性率(ソフトな風合い)、優れた弾性回復性、易染性といったポリアミドに類似した性質と、耐光性、熱セット性、寸法安定性、低吸水率といったポリエチレンテレフタレートに類似した性能を併せ持つ画期的なポリマーであり、その特徴を活かしてカーペット、ブラシ、テニスガット等に応用されている(特開平9−3724号公報、特開平8−173244号公報、特開平5−262862号公報)。
【0003】
また、ポリトリメチレンテレフタレートにイソフタル酸成分を共重合し、これを溶融紡糸することで、例えばポリトリメチレンテレフタレート繊維より低温での可染性を付与したポリトリメチレンテレフタレート繊維が得られることは既に知られている(特開平11−12525号公報)。
【0004】
また、出願人は高い収縮性能と収縮後の柔軟性を付与することができることを見出し、先に、平成11年特許願第364478号にて提案している。
【0005】
しかしながら、ポリトリメチレンテレフタレートにイソフタル酸を共重合する場合、溶融粘度の上昇が遅いため、重合時間が長くなり、重合中に黄色味を帯びることがあった。黄色味を帯びたポリマーで繊維を作ると、淡色に染めた場合発色が悪くなる、など実用上問題があった。また熱履歴を長く受けたポリマーは、オリゴマーを多量に含有し、オリゴマーが熱劣化を受けやすいため、製糸化工程でパフォーマンスを低下させる原因となったり、収縮性能や収縮後の柔軟性が十分に発現できなかったりするため、さらに改良を求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術が有していた問題点を解消し、高収縮性、収縮後の柔軟性、良好な製糸性及び改善された色相を有する改質ポリトリメチレンテレフタレートの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、イソフタル酸共重合ポリトリメチレンテレフタレートを公知のバッチ式重合、連続式重合によって得る方法について詳細に検討したが、これらの方法では、前記の課題は十分に解決できなかった。そこでさらに鋭意検討を重ねた結果、トリメチレンテレフタレートポリマーと、イソフタル酸を共重合したポリアルキレンテレフタレートプレポリマーとを高い撹拌効率を有するベント付き押出機を用いて溶融混練したとき、目標とする共重合ポリトリメチレンテレフタレートを製造できる可能性を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の目的は、
ポリトリメチレンテレフタレートと、イソフタル酸成分を0.5〜50モル%共重合したポリアルキレンテレフタレートプレポリマーとを、最終的に得られるポリエステルがトリメチレンテレフタレート単位当たり0.5〜20モル%のイソフタル酸成分を含有するように、別々に、あるいは予め混合してから少なくとも、ニーディングディスク及びローターディスクを有するベント付き2軸押出機に投入し、
該ニーディングディスク又は該ローターディスクのディスク長又はセグメント長(L)、スクリュー径(D)との比L/Dで表したとき、ニーディングディスク及びローターディスクの装着量がそれぞれL/D=1〜30の範囲であり、
該ベント付き2軸押出機中に投入されたポリトリメチレンテレフタレート及び/又はイソフタル酸成分を0.5〜50モル%共重合したポリアルキレンテレフタレートプレポリマーが溶融状態にあるときに、該ベント付き2軸押出機内に窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガスのいずれかの不活性ガスを導入し、次いで、該ポリトリメチレンテレフタレートとプレポリマーとの両者を溶融状態としつつ、該ベント付き2軸押出機中で減圧下にエステル交換反応させることを特徴とする、改質ポリエステルの製造方法によって達成することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において、ポリトリメチレンテレフタレートとは、実質的にテレフタル酸あるいはテレフタル酸ジメチル等のテレフタル酸の低級エステルと1,3−プロパンジオールとの重縮合物である。ここで“実質的に”とは、ポリトリメチレンテレフタレートに、上記成分以外であっても、該トリメチレンテレフタレート単位を基準として5モル%以下であれば共重合していてもよいことを示す。
【0010】
ここで、共重合していてもよい他の成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、スルホイソフタル酸テトラブチルホスホニウム塩、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン酸、ドデカン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチレングリコールダイマー、平均分子量400〜20000のポリアルキレングリコール等を挙げることができ、これらは1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせてもよい。
【0011】
また、本発明の製造方法においては、ポリトリメチレンテレフタレートの固有粘度は0.4〜2.0、好ましくは0.5〜1.5、更に好ましくは0.6〜1.2の範囲である。この範囲であれば、強度、紡糸性に優れた繊維を得ることができる。固有粘度が0.4未満の場合は、ポリマーの溶融粘度が低すぎるため紡糸が不安定となり、得られる繊維の強度も低く満足できるものではない。逆に固有粘度が2.0を越える場合は、溶融粘度が高すぎるために紡糸時にメルトフラクチャーや紡糸不良が生じる。
【0012】
本発明において、上記ポリトリメチレンテレフタレートルとエステル交換反応させるのは、イソフタル酸成を0.5〜50モル%共重合したポリアルキレンテレフタレートプレポリマーである(以下、単にプレポリマーと略記することがある。)。
【0013】
該共重合比率は、0.5〜50モル%の範囲であることが必要であり、0.5モル%未満では、本発明が目的とする効果を奏することができず、50モル%を越えると重合反応が極めて進みにくくなる。これらの兼ね合いからから、該共重合率は好ましくは5〜50モル%、更に好ましくは10〜40モル%である。また、プレポリマーの固有粘度は特に制限はないが、ベント付き押出機中での反応性が高くなるという観点から0.1〜1.0の範囲であることが好ましい。
【0014】
本発明の製造方法においてプレポリマーとしては、ポリアルキレンテレフタレートプレポリマーであればいずれも用いることができるが、なかでも、安価な点、物性に優れている点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートからなる群のいずれかよりなるプレポリマーを用いることが好ましい。
【0015】
本発明の製造方法において、プレポリマーは任意の方法によって製造することができ、例えばポリエチレンテレフタレートについて説明すれば、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接反応させるか、テレフタル酸ジメチルのような低級アルキルエステルと反応させて、テレフタル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体を生成させる第1段階の反応、次いで第1段階の反応生成物を重合触媒存在下減圧加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる第2段階の反応によって製造される。この場合、共重合成分であるイソフタル酸成分や添加剤は第1段階の反応の前、後ないし第2段階の反応の前、後半等の任意の段階で添加することができ、一度にあるいは数回に分けて系内へ添加してもよい。
【0016】
本発明の製造方法は、ポリトリメチレンテレフタレートとプレポリマーとを混合し、最終的に得られるポリエステルにおいてイソフタル酸成分がトリメチレンテレフタレート単位当たり0.5〜5モル%の範囲になるように、別々に、あるいは予め混合してベント付き押出機に投入し、該押出機中でエステル交換反応させて、イソフタル酸共重合ポリトリメチレンテレフタレートを得る方法であるが、ここで、ベント付き押出機へのポリトリメチレンテレフタレートとプレポリマーとの投入方法としては、両者をチップ化して別々に該押出機へ供給しても、あるいは予め混合してから該押出機へ供給してもよいし、一方を該押出機内で溶融した状態で他方を添加してもよいし、両者を溶融させた状態で混合してもよい。
【0017】
また、これらのポリマーをベント付き押出機へ供給するにあたり、艶消し剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤等が別途、あるいは同時に添加してもよい。
【0018】
本発明において、ベント付き押出機とは、不活性ガスの投入、ガスの排出、減圧吸引のいずれかが可能であるベント機能を有する押出機である。押出機機能に特に制限はないが、混練性能が高く、短時間に反応が完結できるため、2軸スクリュー型押出機を用いることが好ましい。また、不活性ガスの添加や減圧保持が可能であるようベント機能を2箇所以上有する押出機であることが好ましい。
【0019】
また本発明の製造方法において用いるベント付き押出機には、その混練性能を高めるために少なくともニーディングディスク及び/又はローターディスクが装着されていることが好ましい。ニーディングディスクとは、略楕円形のディスクを数枚、一定の位相でずらしながら組み合わせた混練用のスクリューセグメントであり、スクリューの回転にともなってポリエステルの混合物を細いクリアランスへ通すことで極めて高い剪断力を付与することができる。この結果エステル交換反応をいっそう促進することができる。
【0020】
一方、ローターディスクとは、多角形の稜線を回転軸に対して一定の角度でねじってあるスクリューセグメントであり、クリアランスがセグメントの全位置で一定であるという特徴がある。スクリュー軸に対する稜線のねじりの向きに順送りと逆送りのセグメントがあり、これらを組み合わせることで、高い剪断力を均質に付与することができ、剪断によるポリエステルの劣化を抑制しつつ、再分配反応を進めることが可能となる。
【0021】
ニーディングセグメント及び/又はローターディスクは、所望の再分配反応及び固有粘度等のポリエステル物性の目標により、適切に選ぶことができ、その範囲に特に制限はないが、装着数をディスク又はセグメント長(L)とスクリュー径(D)との比L/Dで表したとき、ニーディングディスク及びローターディスクの装着量はそれぞれ、L/D=1〜30の範囲が好ましく、より好ましくはL/D=2〜20の範囲である。L/Dが上記の範囲にあるときには、十分な混練効果を発揮して、再分配反応がさらに促進される。
【0022】
また、押出機内の温度は供給するポリトリメチレンテレフタレート及びプレポリマーの融点より10〜40℃高い温度に設定すればよく、好ましくは融点より20〜40℃高い温度である。
【0023】
本発明の製造方法においては、ポリトリメチレンテレフタレート及びプレポリマーが溶融混合している領域におけるベント孔の少なくとも一箇所は、真空ポンプ、スチームエジェクター等を用いて減圧下にすることが好ましく、通常は10kPa以下、好ましくは5kPa以下、更に好ましくは1kPa以下であり、重縮合反応の進行と共に生成する水、メタノール等のアルコール、あるいは極少量生成する副反応物であるアリルアルコール、アクロレイン等を留去することが好ましい。
【0024】
また、エステル交換反応の反応時間は1〜60分、特に5〜30分であることが好ましい。通常重縮合反応は90〜250分程度かかるが、本発明の製造方法によれば、上述のような短時間で反応を完結することが可能である。その結果、副生成物が激減すると同時に、色相が改善されたポリマーを得ることができる。ここで、ベント付き押出機のスクリューの回転数は、20〜500rpm程度に設定すればよく、好ましくは50〜300rpmである。ベント付き押出機として2軸型の押出機を用いる場合には、2軸の回転方向は同一方向でも逆方向でもよいが、同一方向の回転とした方が熱劣化を抑える観点から好ましい。
【0025】
本発明の製造方法においては、ベント付き押出機内へ供給されたポリトリメチレンテレフタレート及び/又はプレポリマーが溶融状態にあるときに不活性ガスを添加し、次いで、該ポリトリメチレンテレフタレートとプレポリマーとの両者を溶融状態としつつ、減圧下にエステル交換反応させることが更に好ましい。
【0026】
ここで、不活性ガスのベント付き押出機内への供給・添加方法は、1個所からとしても、複数箇所からとしてもよく、また不活性ガスとしては窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等を挙げることができ、これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもどちらでもよいが、経済性の観点から窒素ガスを用いることが好ましい。
【0027】
更に、これら不活性ガスの添加量は特に制限されないが、改質ポリエステルの製造量に対する不活性ガスの添加量として、該不活性ガスの27℃、大気圧下における体積に換算して、0.001〜100体積倍程度に設定しておくことが好ましい。
【0028】
上記の操作を行うことによって、オリゴマーの生成が抑制されるとともに、既存オリゴマーの除去も促進される結果、熱劣化の発生が抑制され、高収縮性、収縮後の柔軟性、良好な製糸性及び改善された色相を有する、改質ポリエステルを得ることができる。
【0029】
上記の操作によって、トリメチレンテレフタレート単位当たり0.5〜20モル%のイソフタル酸成分が共重合されている改質ポリエステルを得ることができる。なお、共重合比率としては、0.5〜20モル%であり、0.5モル%未満では、高い収縮性を得ることができず、20モル%を越えると熱劣化の影響を避けることができず、耐黄変性、強度が収縮時の柔軟性が低下してしまう。これらのバランスから好ましくは1〜20モル%とすることが好ましく、2〜15モル%とすることが更に好ましく、特に5〜13モル%の範囲とすることが好ましい。
【0030】
次いで、ベント式押出機から押し出された改質ポリエステルは、水冷バス等の冷却工程を通過後に、チップカッターを用いてチップ化するか、あるいは、そのまま紡糸機に繋いでもよい。
【0031】
かくして、本発明の製造方法に従って得られた改質ポリエステルは、ハンター型色差計より得られるカラーL値が75以上である。ここで、該L値が75.0未満である場合、白度が低くなるため使用に供することができる成形物が得られない。該L値は好ましくは80以上、特に好ましくは83以上である。
【0032】
また、本発明の製造方法に従って製造した改質ポリエステルは、トリメチレンテレフタレート環状ダイマー含有量が、改質ポリエステルを基準として1wt%未満である。該含有量が、1wt%を越えた場合、すなわち改質ポリエステル中に大量のオリゴマーを含む場合には、当然のことながら本発明の目的を達成することができない。該環状ダイマー含有量は、好ましくは0.95wt%未満であり、特に好ましくは、0.90wt%未満である。
【0033】
また、ポリトリメチレンテレフタレート及びプレポリマーには、各種の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲であれば共重合、又は混合してもよい。このような剤としては例えば、艶消し剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤等が挙げられる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定を受けない。なお、実施例中の各値は以下の方法に従って求めた。
(1)固有粘度:
35℃のオルソクロロフェノール中で、常法に従って求めた。
(2)ポリエステルのカラーL値:
ポリエステルチップ100gを容器にとり、ミノルタ(株)CHROMOMETER CR−200を用いてカラーL値を測定した。
(3)環状ダイマー含有量:
ヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホルム(1/1体積比)に溶解し、tosho TSK−GELカラムを装着したWaters社製高速液体クロマトグラフで分析した。
(4)引張強度、引張伸度:
JIS L1070に記載された方法に準拠して求めた。
(5)乾熱収縮率、乾熱後引張強度保持率、引張伸度保持率:
150℃に昇温した乾燥機中、20cm長の試験糸を吊るして10分間保持した。該乾熱処理前後の試験紙の長さを測定して乾熱収縮率を求めた。また、乾熱処理前後の試験糸の引張強度、引張伸度を測定し、引張強度保持率および引張伸度保持率とした。
【0035】
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル180部、1,3−プロパンジオール120部、イソフタル酸ジメチル54部、チタンテトラブトキシド0.2部を、撹拌機、精留塔及びメタノール留出コンデンサーを設けたエステル交換反応器に仕込み、140℃から徐々に昇温して、生成するメタノールを系外に留出させながらエステル交換反応を開始し、220℃にてエステル交換反応を終了させた。得られた反応生成物を撹拌機及びジオール留出コンデンサーを設けた別の減圧反応器へ移し、210℃から260℃まで温度を上げながら、75Paの減圧下、30分間の重合反応を行って、イソフタル酸成分を30モル%共重合したポリトリメチレンテレフタレートのプレポリマー(固有粘度0.3)を得た。
【0036】
重量フィーダーを2つ備え、チップ投入口から下流へ向けてオープンベントを2箇所、ベント孔を2箇所備え、かつニーディングディスクをL/D換算で5、ローターディスクをL/D換算で5を有する同方向回転型二軸押出機に、予め製造しておいたポリトリメチレンテレフタレート(固有粘度0.9)を、一方の重量フィーダーで計量しつつ供給し、265℃で溶融させ、溶融状態にある該ポリトリメチレンテレフタレート中に、上述のプレポリマーを他方の重量フィーダーで計量しつつ供給した。
【0037】
ここで、供給割合は、最終的に得られる改質ポリエステルの共重合比率が10モル%になるように設定し、更に押出機運転中は、供給した2種のポリマーが溶融状態となる部分に設置したオープンベントより、ポリエステル総重量に対して、27℃、大気圧下での体積比率が等倍に相当する体積の窒素を連続的に吹き込みつつ、他方のオープンベントから、押出機内へ供給した窒素を排出して系内を窒素置換した後、押出機に備え付けられたベント孔から吸引を開始して、系内の圧力が20Paとなるように減圧をした。
【0038】
押出機内部のポリマーの平均滞留時間は15分、回転数は200rpmであった。エステル交換反応完結後、得られた改質ポリエステルはストランド状に押し出され、水冷バスで固化された後、チップカッターでチップ化された。
【0039】
得られた改質ポリエステルのチップは、イソフタル酸が10モル%共重合されており、色相にも優れ、固有粘度は0.7であった。カラーL値は77、トリメチレンテレフタレート環状ダイマー含有量は0.95wt%であった。
【0040】
更に、得られたチップを140℃で6時間乾燥させた後、260℃、紡糸速度2000m/minで溶融紡糸を行って未延伸糸を得た。引き続き、160℃で延伸して、83dtex/36フィラメントの繊維を得た。得られた繊維は強度2.7cN/dtex、引っ張り伸度61%、乾熱収縮率16%でソフトな感触であった。150℃、10分の乾熱処理後の強度保持率は95%、伸度保持率140%であった。また、1週間連続で紡糸を続けた際の断糸率も0回で良好であった。結果を表1、2に示す。
【0041】
[実施例2]
実施例1において、プレポリマーとして、イソフタル酸成分を30モル%共重合したポリエチレンテレフタレートを用いたこと以外は同様の操作を行った。結果を表1、2に示す。
【0042】
[実施例3]
実施例1において、プレポリマーとして、イソフタル酸成分を30モル%共重合したポリブチレンテレフタレートを用いたこと以外は同様の操作を行った。結果を表1、2に示す。
【0043】
[実施例4]
実施例1において、ベント式二軸押出機として、ニーディングディスク及びローターディスクを有さないものを用い、窒素の添加も行わなかったこと以外は同様の操作を行った。結果を表1、2に示す。
【0044】
[比較例1]
テレフタル酸ジメチル188部、1,3−プロパンジオール175部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル8.9部、チタンテトラブトキシド14部、酢酸リチウム2水和塩3部を混合し、220℃でエステル交換反応を終了させ、その後、260℃まで温度を上げながら、26Paの減圧下、180分間の重合反応を行って、イソフタル酸を10モル%共重合したポリトリメチレンテレフタレート(固有粘度0.7)を得た。また、ポリマーのカラーL値は68、トリメチレンテレフタレート環状ダイマーの含有量は1.75wt%であり、若干黄色みを帯びていた。結果を表1、2に示す。
【0045】
【表1】
Figure 0004310029
【0046】
【表2】
Figure 0004310029
【0047】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、ポリトリメチレンテレフタレートとイソフタル酸成分を多量に共重合したポリアルキレンテレフタレートプレポリマーとをベント式押出機の中で短時間に反応させるので、高収縮性、収縮後の柔軟性、良好な製糸性及び改善された色相を有する、改質ポリトリメチレンテレフタレートを提供することができる。

Claims (8)

  1. ポリトリメチレンテレフタレートと、イソフタル酸成分を0.5〜50モル%共重合したポリアルキレンテレフタレートプレポリマーとを、最終的に得られるポリエステルがトリメチレンテレフタレート単位当たり0.5〜20モル%のイソフタル酸成分を含有するように、別々に、あるいは予め混合してから少なくとも、ニーディングディスク及びローターディスクを有するベント付き2軸押出機に投入し、
    該ニーディングディスク又は該ローターディスクのディスク長又はセグメント長(L)、スクリュー径(D)との比L/Dで表したとき、ニーディングディスク及びローターディスクの装着量がそれぞれL/D=1〜30の範囲であり、
    該ベント付き2軸押出機中に投入されたポリトリメチレンテレフタレート及び/又はイソフタル酸成分を0.5〜50モル%共重合したポリアルキレンテレフタレートプレポリマーが溶融状態にあるときに、該ベント付き2軸押出機内に窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガスのいずれかの不活性ガスを導入し、次いで、該ポリトリメチレンテレフタレートとプレポリマーとの両者を溶融状態としつつ、該ベント付き2軸押出機中で減圧下にエステル交換反応させることを特徴とする、改質ポリエステルの製造方法。
  2. ポリアルキレンテレフタレートプレポリマーが、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートからなる群のいずれかよりなるプレポリマーである、請求項1記載の製造方法。
  3. ポリトリメチレンテレフタレートの固有粘度が0.4〜2.0である請求項1又は2に記載の改質ポリエステルの製造方法。
  4. ポリアルキレンテレフタレートプレポリマーの固有粘度が0.1〜1.0である請求項1〜3のいずれかに記載の改質ポリエステルの製造方法。
  5. 10kPa以下の減圧下にエステル化反応させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の改質ポリエステルの製造方法。
  6. 該ベント付き2軸押出機のスクリューの回転数が20〜500rpmである請求項1〜5のいずれかに記載の改質ポリエステルの製造方法。
  7. 該ベント付き2軸押出機の2軸の回転方向が同一方向である請求項1〜6のいずれかに記載の改質ポリエステルの製造方法。
  8. 該不活性ガスの導入量が改質ポリエステルの製造量体積に対して、該不活性ガスの27℃、大気圧下において0.001〜100倍の体積である請求項1〜7のいずれかに記載の改質ポリエステルの製造方法。
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