JP3949018B2 - 共重合ポリエステル組成物、製法および繊維 - Google Patents

共重合ポリエステル組成物、製法および繊維 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は共重合ポリエステル組成物およびそれを紡糸してなる繊維に関し、更に詳しくは、ソフトな風合や高収縮性と高度な難燃性とを併せ持ち、かつくすみのない色相にも優れた共重合ポリエステル組成物および繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルに代表されるテレフタル酸の低級アルキルエステルと、トリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)とを重縮合反応させて得られるポリトリメチレンテレフタレートは、低弾性率(ソフトな風合い)、優れた弾性回復性、易染性といったポリアミドに類似した性質と、良好な耐光性、熱セット性、寸法安定性といったポリエチレンテレフタレートに類似した性能を併せ持つ画期的なポリマーであり、その特徴を活かしてカーペット、ブラシ、テニスガット等に応用されている(特開平第9−3724号公報、特開平第8−173244号公報、特開平第5−262862号公報など)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリトリメチレンテレフタレートは他の多くの化学繊維と同様、可燃性である。近年の人命尊重、火災予防等の観点から難燃化の要望が高まっており、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を衣料用繊維またはカーテンや室内カバーを中心とする非衣料用として使用するには十分とはいえない。このような欠点を補うため、従来、難燃化技術として、成形後、リン、ハロゲン系難燃剤を付与する後加工法、成形時に添加するブレンド法が知られている。
【0004】
しかしながら、これらはいずれも剤を付与しているに過ぎないので耐久性の点で問題があった。これに対しては、難燃剤を重合工程で共重合する方法が公知である(特開平第6−136666号公報参照)。しかし、単に難燃剤を共重合するとリンに由来する着色のため、くすみのある色相に劣ったポリエステルとなり、実用上の問題点があった。そのため、風合と難燃性と色相とを三位一体で満足するポリエステルが求められていた。
【0005】
本発明の目的の一つは、上記従来技術が有していた問題点を解消し、高収縮性と難燃性とに加えて色相も良好な改質ポリエステルおよび繊維を提供することにある。本願発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために、ポリトリメチレンテレフタレートに特定の可溶性チタンを含有させることで、くすみが取れ、色相に優れるばかりでなく、難燃性を高度に付与したポリメチレンテレフタレートが得られることを発見、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の一態様によれば、下記一般式(I)式で表されるリン化合物をリン原子として0.5〜3.0重量%共重合した共重合ポリエステルを含む共重合ポリエステル組成物であって、
当該共重合ポリエステルを構成するジオール残基のうち少なくとも80モル%がトリメチレングリコール残基であり、
当該共重合ポリエステルを構成するジカルボン酸残基のうち少なくとも80モル%がテレフタル酸残基であり、
当該共重合ポリエステル組成物中に、チタン化合物を、当該共重合ポリエステル中の全ジカルボン酸残基の100モル部を基準として、チタン金属元素として2〜10ミリモル部、当該共重合ポリエステル組成物中に溶解して含有する
共重合ポリエステル組成物を提供する。
【0008】
【化2】
Figure 0003949018
【0009】
(式中、R1は炭素数が1〜6のアルキル基またはアリール基、Rは炭素数が1〜10のアルキレン基、R2,R3はそれぞれ炭素数が1〜21の範囲であるアルキル基、アリール基、モノヒドロキシアルキル基または水素原子を表す。)
前記チタン化合物が下記一般式(II)で表される化合物に由来するものであること、
Ti(OR64・・・・(II)
(式中、R6は互いに同じでも異なってもよい、アルキル基またはフェニル基を示す。)
Col−Lが65以上かつ限界酸素指数(LOI値)が24以上であることが好ましい。また、用途としては繊維が好ましい。
【0010】
また、本発明の他の一態様によれば、上記の共重合ポリエステル組成物の製造方法であって、
エステル化反応またはエステル交換反応の開始前に原料チタン化合物を添加し、
エステル化反応またはエステル交換反応が実質的に終了した時点から、重縮合反応の初期までの間にリン化合物を添加する、
共重合ポリエステル組成物の製造方法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明における共重合ポリエステルは、構成するジオール残基のうち少なくとも80モル%がトリメチレングリコール残基であり、当該共重合ポリエステルを構成するジカルボン酸残基のうち少なくとも80モル%がテレフタル酸残基であることが必要である。この範囲内にあると、ポリトリメチレンテレフタレートに特有のソフトな風合いや弾性を実現することができる。
【0012】
ジカルボン酸残基を形成するための原料としては、テレフタル酸やその誘導体とトリメチレングリコールやその誘導体とを使用することができる。また、本発明におけるポリエステルはポリトリメチレンテレフタレート特性を損なわない範囲で他のポリエステル成分を共重合してもよい。
【0013】
共重合していてもよい他の成分を例示すれば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、スルホイソフタル酸テトラブチルホスホニウム塩、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン酸、ドデカン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチレングリコール二量体、平均分子量400〜3500のポリアルキレングリコール等やその誘導体を挙げることができる。これらは一種を単独で用いても、2種以上を併用してもどちらでもよい。
【0014】
本発明における共重合ポリエステルでは、上記式(I)で表されるリン化合物がリン原子として0.5〜3.0重量%共重合されている必要がある。
【0015】
式中、R2、R3はそれぞれ炭素数が1〜21の範囲であるアルキル基、アリール基、モノヒドロキシアルキル基または水素原子を表すが、炭素数が21を越えるとエステル交換反応によってポリエステルと共重合することが困難となり、実質的にブレンド型難燃剤と同じく耐久性に劣るものとなり、好ましくない。
【0016】
1は炭素数が1〜6のアルキル基またはアリール基を表すが、炭素数が6を越えると剤の熱安定性が劣るようになるため、好ましくない。
【0017】
Rは炭素数が1〜10のアルキレン基を表すが、炭素数が10を越えると、このR部の熱安定性が劣るようになり、ポリエステルが着色するため、好ましくない。
【0018】
本発明に係るリン化合物の好ましい具体例としては、たとえば、(2−カルボキシエチル)メチルホスフィン酸、(2−カルボキシエチル)メチルホスフィン酸エチレングリコールエステル、(2−カルボキシエチル)エチルホスフィン酸、(2−メトキシカルボニルエチル)メチルホスフィン酸、[2−β−ヒドロキシエトキシカルボニル]エチル]メチルホスフィン酸、(2−メトキシカルボニルエチル)メチルホスフィン酸メチル等を挙げることができる。これらは単独で用いても、併用してもよく、またはこれらの化合物をさらに縮合させたものでもよい。
【0019】
本発明に係るリン化合物の共重合量は全共重合ポリエステルの重量を基準として、リン元素として0.5〜3.0重量%の範囲であることが必要である。共重合量が0.5重量%未満であると、難燃効果に乏しくなり、3.0重量%を越えると得られる繊維の物性が劣るようになるため好ましくない。好ましい共重合量は0.6〜2.0重量%の範囲である。共重合していることは、融点で確認することができる。
【0020】
本発明に係るリン化合物をポリエステルに共重合するには、ポリエステル製造の任意の段階で添加すればよいが、重縮合後期の段階で添加すると重縮合反応時間が延長するので、エステル化反応またはエステル交換反応が実質的に終了した時点から、重縮合反応の初期までの間に添加することが望ましい。具体的には、エステル化反応またはエステル交換反応における水または留出成分が理論量留出してから、重縮合反応における真空反応の開始までを指す。また、本発明に係るリン化合物は予めジオール成分あるいは他の溶媒中に分散・溶解させておいてもよく、さらにはジオール成分とあらかじめ加熱反応した後添加してもよい。
【0021】
本発明においては、チタン化合物が、当該共重合ポリエステル組成物中に溶解して含有されていることが必要である。当該共重合ポリエステル組成物中に溶解していることは、ポリマーを溶融し、透明薄膜を作製し、チタン由来の析出粒子が存在しないことで確認することができる。
【0022】
本発明に係るチタン化合物としては特に限定されず、ポリエステル重合触媒として活性を有する一般的な化合物に由来するものでよく、たとえば、原料チタン化合物としての酢酸チタンに由来するものなどが挙げられる。特に好ましくは、下記(II)で表される化合物に由来するものである。
【0023】
Ti(OR64 …(II)
式中、R6は互いに同じでも異なってもよいアルキル基またはフェニル基を示す。一般式(II)で表される原料チタン化合物として好ましいものを例示すれば、テトライソプロポキシチタン、テトラプロポシキチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラフェノキシチタンなどが好ましく用いられる。
【0024】
なお、ここで、「由来するもの」とは、たとえば「酢酸チタンに由来するもの」の場合には、重合の途中に酢酸チタンを添加した結果、ポリエステル中に存在または生成するチタン化合物を意味する。
【0025】
本発明に係るチタン化合物の含有量は、当該共重合ポリエステル中の全ジカルボン酸残基の100モル部を基準として、チタン金属元素として2〜10ミリモル部である。2ミリモル部未満であると、ポリエステルの生産性が低下し、目標の分子量のポリエステルが得られず、10ミリモル部を越えると、チタン化合物の分解活性が表出し、熱安定性が逆に劣るようになり好ましく無い。
【0026】
なお、本発明に係るチタン化合物を得るために使用する原料チタン化合物は、特定の芳香多価カルボン酸と反応させて使用すると、色相上一層好ましい場合が多い。芳香族多価カルボン酸として好ましい例としては、トリメリット酸、ヘミトリメリット酸、ピロメリット酸およびこれらの酸無水物等が挙げられる。上記原料チタン化合物と芳香族多価カルボン酸とを反応させる場合、溶媒中に芳香族多価カルボン酸またはその無水物を溶解しておき、これに別途溶解した原料チタン化合物を滴下し、0〜200℃で30分以上反応させればよい。
【0027】
本発明の共重合ポリエステル組成物は、Col−Lが65以上で、限界酸素指数(LOI値)が24以上とすることが好ましい。L値が65未満であると、得られる繊維の白度も低くなり色相が不十分である。限界酸素指数(LOI値)が24未満では難燃性がポリエステルが難燃用途で使用される分野では不十分である。
【0028】
本発明の共重合ポリエステル組成物がL値65以上およびLOI値24以上とすることにより、ソフトな風合や高収縮性と高度な難燃性とを併せ持ち、かつくすみのない色相を確実に実現できる。
【0029】
本発明における共重合ポリエステル組成物中には、目的の特性を失わない範囲で各種の添加剤、たとえば、艶消し剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤等を共重合、または混合してもよい。
【0030】
本発明における共重合ポリエステル組成物は、重合後、たとえば、水冷バス等の冷却工程を通過後、チップカッターを用いてチップ化されてその後紡糸工程で紡糸するか、あるいは、冷却・チップ化をすること無く、そのまま紡糸機に供して製糸して使用される。
【0031】
共重合ポリエステル組成物から繊維を製造する方法には特に限定はなく、従来公知の溶融紡糸方法を採用すればよい。好ましくは、250℃〜300℃の範囲で紡速400〜5000m/分の範囲で溶融紡糸すると、得られる繊維強度や風合に優れた繊維を安定して生産することができる。またポリエステル繊維を巻き取ってから、あるいは一旦巻き取ることなく連続的に延伸処理することによって延伸糸を得ることができる。
【0032】
本発明の共重合ポリエステル組成物を繊維化する際、紡糸時に使用する口金については制限はなく、円形、異形、中実、中空のいずれも好ましく採用することができる。
【0033】
本発明の共重合ポリエステル組成物繊維の風合を一層高めるために、アルカリ減量等を行っても差し支えない。本発明におけるポリエステル繊維は従来使用される染料で染色することができ、くすみのない鮮明かつ色調に優れた難燃性ポリエステル繊維を得ることができる。また、防汚処理等公知の加工処理を併せて実施しても一向に差し支えなく、衣料用途、非衣料用途に好ましく使用される。
【0034】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、実施例中の主な測定値は以下の方法により求めた。実施例中、「部」は重量部を意味する。
【0035】
(1)固有粘度:
常法に従って、35℃のo−クロロフェノール中にて測定した値から求めた。
【0036】
(2)ポリエステルのカラーL値および彩度:
ポリエステルチップ100gを容器にとり、ミノルタ(株)CHROMOMETER CR−200を用いてカラーL値および彩度Cを測定した。
【0037】
(3)チタン含有量:リガク社製蛍光X線測定装置3270を用いて測定した。
【0038】
(4)LOI値:
JIS K7201記載の方法に準拠して求めた。
【0039】
(5)引張強度、引張伸度:
JIS L1070に記載された方法に準拠して求めた。
【0040】
(6)乾熱収縮率:
150℃に昇温した乾燥機中、20cm長の試験糸を吊るして10分間保持した。該乾熱処理前後の試験糸の長さを測定して乾熱収縮率を求めた。
【0041】
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル180部、1,3−プロパンジオール120部、チタンテトラブトキシド/トリメリット酸1:1反応物0.2部を撹拌機、精溜塔およびメタノール溜出コンデンサーを設けたエステル交換反応器に仕込み、140℃から徐々に昇温し、生成するメタノールを系外に溜出させながらエステル交換反応させた。220℃でエステル交換反応を終了させた。
【0042】
得られた反応生成物を撹拌機およびジオール溜出コンデンサーを設けた別の真空反応器へ移し、10分保持後にリン化合物としての(2−カルボキシエチル)メチルホスフィン酸とトリメチレングリコールとを1:1重量比で150℃、2時間反応させた生成物を18部(リン元素換算で共重合ポリエステルの全重量を基準として1.0重量%)添加し、210℃から260℃まで温度を上げながら、75Paの減圧下重合し、重合時間60分で固有粘度1.0のポリトリメチレンテレフタレートチップを得た。チップ色相はL値66で、彩度で評価した結果、くすみがなく、良好であった。
【0043】
得られたチップを140℃で6時間乾燥した後、260℃、紡糸速度2000m/minで溶融紡糸を行い、55℃で予備加熱し、160℃で熱セットしながら延伸し、83dtex/36フィラメントの繊維を得た。得られた繊維は実用上十分な強度を有し、ソフトな感触であった。LOI値は26であった。また、4日間連続で紡糸を続けた際の断糸率も0回で良好であった。結果を表1に示す。
【0044】
なお、ポリトリメチレンテレフタレート特有のソフトな風合や高収縮性はそのまま維持されていた。リン化合物が共重合していることはTAインスツルメント社製のDSCにより融点降下が起こっていることによって確認した。チタン化合物が共重合ポリエステル組成物中に溶けていることは、溶融プレート中に可視異物が存在しないことによって確認した。
【0045】
[実施例2、3]
リン化合物の種類、量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に実施した。ポリトリメチレンテレフタレート特有のソフトな風合や高収縮性はそのまま維持されていた。4日間連続で紡糸を続けた際の断糸率も0回で良好であった。リン化合物が共重合していることはDSCにより融点降下が起こっていることによって確認した。チタン化合物が共重合ポリエステル組成物中に溶けていることは、溶融プレート中に可視異物が存在しないことによって確認した。
【0046】
[実施例4]
原料チタン化合物をチタンテトラブトキシドをそのまま使用する以外は実施例1と同様に実施した。なお、ポリトリメチレンテレフタレート特有のソフトな風合や高収縮性はそのまま維持されていた。4日間連続で紡糸を続けた際の断糸率も0回で良好であった。リン化合物が共重合していることは、DSCにより融点降下が起こっていることによって確認した。チタン化合物が共重合ポリエステル組成物中に溶けていることは、溶融プレート中に可視異物が存在しないことによって確認した。
【0047】
[比較例1]
テレフタル酸ジメチル180部、1,3−プロパンジオール120部、酢酸マンガン・4水和物0.2部を、撹拌機、精溜塔およびメタノール溜出コンデンサーを設けたエステル交換反応器に仕込み、140℃から徐々に昇温し、生成するメタノールを系外に溜出させながらエステル交換反応させた。220℃でエステル交換反応を終了させた。得られた反応生成物を撹拌機およびジオール溜出コンデンサーを設けた別の真空反応器へ移した。リン化合物を添加せず、重合触媒として三酸化アンチモンを0.06重量部添加し、210℃から260℃まで温度を上げながら、75Paの減圧下重合し、重合時間60分で固有粘度1.0のポリトリメチレンテレフタレートチップを得た。評価結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0003949018
【0049】
【発明の効果】
ソフトな風合や高収縮性と高度な難燃性とを併せ持ち、かつくすみのない色相にも優れた共重合ポリエステル組成物および繊維が得られる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)式で表されるリン化合物をリン原子として0.5〜3.0重量%共重合した共重合ポリエステルを含む共重合ポリエステル組成物であって、
    当該共重合ポリエステルを構成するジオール残基のうち少なくとも80モル%がトリメチレングリコール残基であり、
    当該共重合ポリエステルを構成するジカルボン酸残基のうち少なくとも80モル%がテレフタル酸残基であり、
    当該共重合ポリエステル組成物中に、下記一般式(II)で表されるチタン化合物と芳香族多価カルボン酸との反応生成物を、当該共重合ポリエステル中の全ジカルボン酸残基の100モル部を基準として、チタン金属元素として2〜10ミリモル部、当該共重合ポリエステル組成物中に溶解して含有する
    共重合ポリエステル組成物。
    Figure 0003949018
    (式中、R1は炭素数が1〜6のアルキル基またはアリール基、Rは炭素数が1〜10のアルキレン基、R2,R3はそれぞれ炭素数が1〜21の範囲であるアルキル基、アリール基、モノヒドロキシアルキル基または水素原子を表す。)
    Ti(OR64・・・・(II)
    (式中、R6は互いに同じでも異なってもよい、アルキル基またはフェニル基を示す。)
  2. Col−Lが65以上かつ限界酸素指数(LOI値)が24以上である、請求項1に記載の共重合ポリエステル組成物。
  3. 請求項1または2に記載の共重合ポリエステル組成物を紡糸してなる繊維。
  4. 請求項1または2に記載の共重合ポリエステル組成物の製造方法であって、
    エステル化反応またはエステル交換反応の開始前に下記一般式(II)で表されるチタン化合物と芳香族多価カルボン酸との反応生成物を添加し、
    エステル化反応またはエステル交換反応が実質的に終了した時点から、重縮合反応の初期までの間にリン化合物を添加する、
    共重合ポリエステル組成物の製造方法。
    Ti(OR64・・・・(II)
    (式中、R6は互いに同じでも異なってもよい、アルキル基またはフェニル基を示す。)
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