JP4305394B2 - 内燃機関用燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関用燃料噴射装置に関するもので、特に燃料噴射ノズルから噴射される燃料の噴射圧力を、燃料供給ポンプから圧送された燃料の吐出圧力よりも増圧することが可能な増圧器を備えた増圧ピストン型燃料噴射装置に係わる。
[従来の技術]
近年、例えばディーゼルエンジンの排気ガス浄化の規制が厳しくなり、ディーゼルエンジンの燃焼現象の解明が進んで来ている。これに伴い、エンジンより排出される排気ガスをよりクリーンにするという目的で、黒煙(スモーク)を代表とするディーゼルパティキュレートを低減するためには、燃料噴射ノズルの噴孔部から噴射される燃料を極限まで微粒化することが重要である。この燃料の微粒化を促進するためには、燃料の噴射圧力を高噴射圧化することが有効である。
しかし、自動車等の車両に搭載されるディーゼルエンジン用燃料噴射システムにおける高噴射圧化は限界に近づいており、例えばコモンレール式燃料噴射システムにおいても燃料の噴射圧力の高圧化要求が非常に厳しいものになっており、コモンレール内に高圧燃料を圧送供給するサプライポンプの耐圧限界を超えた値が要求されるようになってきた。そこで、コモンレール内に蓄圧される燃料圧力(コモンレール圧力)よりも、インジェクタからエンジンの気筒に噴射供給される燃料の噴射圧力を増圧させる増圧ピストン型燃料噴射装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
これは、図10に示したように、図示しない燃料噴射ポンプより圧送供給された燃料を蓄圧するコモンレール101と、このコモンレール101から供給される燃料を増圧する増圧器102と、この増圧器102によってコモンレール圧力よりも増圧された高圧燃料を内燃機関の気筒の燃焼室内に噴射する燃料噴射ノズル103と、増圧器102の増圧制御および燃料噴射ノズル103の開閉制御を行う電磁弁105とを備えている。また、増圧器102は、増圧ピストン110とシリンダとの間に液密的に区画された増圧室111、ピストン背圧室112およびピストン制御室113を有している。なお、増圧ピストン110は、ピストン背圧室112内の燃料の油圧力がピストン制御室113内の燃料の油圧力よりも大きくなると、増圧室111内の燃料の油圧力を増圧する側にリフトするように構成されている。
また、燃料噴射ノズル103は、増圧室102から燃料溜まり部内に導入される燃料の油圧力がノズル開弁圧を超えるとノズルニードルが開弁側にリフトするように構成されている。なお、ノズル開弁圧は、ノズル背圧室内の燃料の油圧力にスプリングの付勢力を加えた力に基づいて設定されている。そして、増圧ピストン型燃料噴射装置は、これらの増圧器102、燃料噴射ノズル103および電磁弁105を一体的に設けてインジェクタを構成し、このインジェクタに油圧作動式の2位置3方切替弁104を内蔵している。
この2位置3方切替弁104のスプール弁114は、コモンレール101より吐出された燃料を増圧器102のピストン制御室113内および燃料噴射ノズル103のノズル背圧室内に導入することが可能な第1位置と、増圧器102のピストン制御室113内および燃料噴射ノズル103のノズル背圧室内より流出した燃料を燃料系の低圧側(燃料タンク107)に戻すことが可能な第2位置とを有している。また、2位置3方切替弁104のスプール弁114は、圧力制御室115内の燃料の油圧力が大きい場合、スプリング116の付勢力を伴って第1位置に設定され、また、圧力制御室115内の燃料の油圧力が小さい場合、スプリング116の付勢力に抗して第2位置に設定される。
電磁弁105は、内部に電磁弁室117を有し、2位置3方切替弁104のスプール弁114に作用する、圧力制御室115内の燃料の油圧力を増減制御して2位置3方切替弁104のスプール弁114の位置を切り替えるように構成されている。なお、電磁弁室117内には、アーマチャ119と一体的に動作するバルブ120が収容されている。また、電磁弁105は、バルブ120を開弁方向に駆動するソレノイドコイル121と、バルブ120を閉弁方向に付勢するスプリング122とを有している。
また、インジェクタの内部には、コモンレール101から2位置3方切替弁104の切替弁室123を経由して増圧器102のピストン制御室113内および燃料噴射ノズル103のノズル背圧室内に燃料を導入するための第1燃料導入経路131と、コモンレール101から増圧器102のピストン背圧室112内および増圧器102の増圧室111を経由して燃料噴射ノズル103の燃料溜まり部内に燃料を導入するための第2燃料導入経路132とが形成されている。また、2位置3方切替弁104の切替弁室123よりも燃料流方向の上流側で第1燃料導入経路131から分岐した第1燃料導入経路133は、コモンレール101から2位置3方切替弁104の圧力制御室115内に燃料を導入する。
また、インジェクタの内部には、増圧器102のピストン制御室113および燃料噴射ノズル103のノズル背圧室から2位置3方切替弁104の切替弁室123を経由して燃料タンク107に燃料を戻すための第1燃料排出経路141と、2位置3方切替弁104の圧力制御室115から電磁弁105の電磁弁室117を経由して燃料タンク107に燃料を戻すための第2燃料排出経路142とが形成されている。そして、第2燃料排出経路142の燃料流方向の下流端は、2位置3方切替弁104の切替弁室123よりも燃料流方向の下流側で第1燃料排出経路141に接続されている。そして、第1燃料排出経路141内を流れるリターン燃料と第2燃料排出経路142内を流れるリターン燃料との合流部143よりも燃料流方向の下流側の第1燃料排出経路141は、インジェクタのリークポートを介してリターン配管106に接続されている。このリターン配管106は、増圧器102のピストン制御室113および燃料噴射ノズル103のノズル背圧室より流出したリターン燃料流と電磁弁105の電磁弁室117より流出したリターン燃料流とを合流させて一括して燃料タンク107に戻すための燃料還流管路である。
[従来の技術の不具合]
ところが、特許文献1、2に記載の増圧ピストン型燃料噴射装置においては、増圧器102の作動原理から、(増圧比−1)×燃料噴射量(これに、インジェクタの各摺動部より溢流する静的リーク量と、2位置3方切替弁104と電磁弁105での切り替えリーク量(動的リーク量)が加わる)以上のリターン燃料流量が発生する。このリターン燃料は、燃料噴射期間中にインジェクタのリークポートから流出してリターン配管106を経由して燃料タンク107に戻される。このため、図11に示したように、第1、第2燃料排出経路141、142内およびリターン配管106内に大きな正圧が発生する(以下リターン燃料の圧力変動と呼ぶ)。
すなわち、増圧ピストン型燃料噴射装置においては、リターン燃料流量の増加およびリターン燃料圧力の上昇に伴って、通常のコモンレール式燃料噴射システムに使用されるインジェクタでは問題にならなかったリターン燃料の圧力変動(低圧側圧力変動)が電磁弁105の電磁弁室117に伝わることによって、電磁弁室117から外部への燃料の漏洩を防止するためのOリング等のシール部の使用耐圧限界を超えてしまう可能性があった。そして、燃料噴射ノズル103に電磁弁105のシール部を介してねじ締結により締め付け固定している場合には、電磁弁105のシール部が破損(例えばOリングの切れ等)することによりねじ締結部からの燃料の漏洩が懸念される。これにより、電磁弁105の更なる耐圧性の向上を図る必要があるため、システム全体の価格が上昇してしまうという問題があった。
特開平10−141174号公報(第1−9頁、図1−図10) 特開2002−202021号公報(第1−4頁、図1−図4)
本発明の目的は、安価な構造でありながらも、増圧器または燃料噴射ノズルより流出したリターン燃料流と電磁弁より流出したリターン燃料流とを合流させて一括して燃料系の低圧側に戻すためのリターン配管内におけるリターン燃料の圧力変動から電磁弁を保護することのできる内燃機関用燃料噴射装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、増圧器または燃料噴射ノズルより流出したリターン燃料流と電磁弁より流出したリターン燃料流とを合流させて一括して燃料系の低圧側に戻すためのリターン配管を設けている。これにより、電磁弁が増圧器の増圧制御(具体的には増圧ピストンのリフト量の制御=増圧度の制御)を行うと、増圧器よりリターン燃料が流出する。この増圧器より流出したリターン燃料は、増圧器より流出したリターン燃料流と電磁弁より流出したリターン燃料流とを合流させて一括して燃料系の低圧側に戻すためのリターン配管を経由する。また、電磁弁が燃料噴射ノズルの開閉制御(具体的にはインジェクタの燃料噴射制御=噴射量制御と噴射時期制御)を行うと、燃料噴射ノズルよりリターン燃料が流出する。この燃料噴射ノズルより流出したリターン燃料は、燃料噴射ノズルより流出したリターン燃料流と電磁弁より流出したリターン燃料流とを合流させて一括して燃料系の低圧側に戻すためのリターン配管を経由する。
そして、電磁弁とリターン配管との間に圧力変動伝達防止手段を設置することにより、増圧器または燃料噴射ノズルより流出したリターン燃料の圧力変動がリターン配管から電磁弁に伝わり難くなる。したがって、安価な構造でありながらも、リターン配管内のリターン燃料の圧力変動から、増圧器の増圧制御または燃料噴射ノズルの開閉制御を行う電磁弁を保護することができる。
請求項2に記載の発明によれば、内部に電磁弁室を有する電磁弁を開弁駆動(または閉弁駆動)することにより、油圧作動式の2位置切替弁に作用する燃料の油圧力を増減制御して2位置切替弁の位置を第1位置と第2位置とに切り替えるようにしている。そして、2位置切替弁の位置が第1位置の場合には、燃料噴射ポンプより吐出された燃料が増圧器または燃料噴射ノズルに導入される。また、2位置切替弁の位置が第2位置の場合には、増圧器または燃料噴射ノズルより流出したリターン燃料が第1燃料排出経路を経由して燃料系の低圧側に戻される。
また、電磁弁の電磁弁室から外部への燃料の漏洩を防止するためのシール部を設けている。そして、増圧器または燃料噴射ノズルより流出したリターン燃料流と、電磁弁の電磁弁室より流出したリターン燃料流とを管路的に分離独立して燃料系の低圧側に戻すように構成することで、電磁弁のシール部の使用耐圧限界を超えるようなリターン燃料の圧力変動が電磁弁の電磁弁室内へ伝わらないようになる
求項に記載の発明によれば、増圧器、燃料噴射ノズル、電磁弁および2位置切替弁を一体的に設けたインジェクタの内部に、増圧器または燃料噴射ノズルより流出したリターン燃料流を、リターン配管を経由して燃料系の低圧側に戻すための第1燃料排出経路と、電磁弁の電磁弁室より流出したリターン燃料流を、リターン配管を経由して燃料系の低圧側に戻すための第2燃料排出経路とを形成している。
請求項に記載の発明によれば、インジェクタとリターン配管との間に、第1燃料排出経路の燃料流方向の下流端に接続する第1リターン配管、および第2燃料排出経路の燃料流方向の下流端に接続する第2リターン配管を設置している。そして、第1リターン配管の途中に、第1リターン配管内のリターン燃料の圧力変動を抑制するチェックバルブを設置している。そして、第2リターン配管の燃料流方向の下流端を、チェックバルブよりも燃料流方向の下流側の第1リターン配管またはリターン配管に接続することで、電磁弁(のシール部)の使用耐圧限界を超えるような大きなリターン燃料の圧力変動が電磁弁の電磁弁室内へ伝わり難くなる。
請求項に記載の発明によれば、圧力変動伝達防止手段として、電磁弁の電磁弁室内の圧力上昇を抑制するための圧力変動防止器を設置したことにより、電磁弁の電磁弁室内の圧力上昇を抑えることができるので、安価な構造でありながらも、リターン配管内のリターン燃料の圧力変動から電磁弁を保護することができる。また、請求項に記載の発明によれば、圧力変動伝達防止手段として、リターン配管および第1燃料排出経路から第2燃料排出経路(特に電磁弁の電磁弁室)側への燃料の逆流を防止するための逆止弁を設置したことにより、電磁弁の電磁弁室内の圧力上昇を抑えることができる。
本発明を実施するための最良の形態は、安価な構造でありながらも、増圧器または燃料噴射ノズルより流出したリターン燃料流と電磁弁より流出したリターン燃料流とを合流させて一括して燃料系の低圧側に戻すためのリターン配管内のリターン燃料の圧力変動から電磁弁を保護するという目的を、電磁弁とリターン配管との間に、リターン配管内のリターン燃料の圧力変動が電磁弁に伝わるのを防止するための圧力変動伝達防止手段を設置することで実現した。
比較例1の構成]
図1ないし図は本発明の比較例1および実施例1を示したもので、図1は増圧ピストン型燃料噴射装置の燃料配管系(比較例1)を示した図で、図2はコモンレール式燃料噴射システムの全体構成(比較例1)を示した図で、図3は燃料噴射ノズルの概略構成(比較例1)を示した図で、図4は増圧ピストン型燃料噴射装置の燃料配管系(実施例1)を示した図である。
比較例の内燃機関用燃料噴射装置は、自動車等の車両に搭載されるものであり、例えばディーゼルエンジン等の内燃機関(多気筒ディーゼルエンジン:以下エンジンと呼ぶ)用の燃料噴射システムとして知られるコモンレール式燃料噴射システム(蓄圧式燃料噴射装置)であり、燃料噴射ポンプ(サプライポンプ)1より吐出された燃料をコモンレール2内に蓄圧し、このコモンレール2内に蓄圧された燃料を、エンジンの各気筒毎に対応して搭載された複数個(本例では4個)の電磁式燃料噴射弁(インジェクタ)3を介してエンジンの各気筒の燃焼室内に噴射供給するように構成されている。
また、コモンレール式燃料噴射システムは、図2に示したように、サプライポンプ1の電磁式吸入調量弁(以下電磁弁と呼ぶ)4、コモンレール2に設置された電磁式減圧弁(以下減圧弁と呼ぶ)5、および複数個のインジェクタ3の電磁式油圧制御弁(以下電磁弁と呼ぶ)7を電子制御するエンジン制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)10を備えている。ここで、エンジンは、ピストン8の往復運動を回転運動に変換するクランクシャフト(エンジンの出力軸)を備えている。なお、図1および図2は、エンジンの各気筒のインジェクタ3のうち、1気筒分のインジェクタ3とその燃料配管系のみ詳細に表しており、他の3つのインジェクタ3については、図示を省略している。
比較例のサプライポンプ1は、エンジンのクランクシャフトにより回転駆動されて、燃料タンク9内から図示しないフィードポンプにより汲み上げられた燃料を加圧室内に吸入して加圧する。また、フィードポンプは、燃料タンク9内に貯留された常圧の燃料を、燃料吸入配管11を介してサプライポンプ1の吸入ポートより吸入して内部で加圧して加圧室側に吐出する低圧燃料ポンプである。また、サプライポンプ1は、シリンダ内を摺動するプランジャの往復運動によって加圧室内に吸入した燃料を加圧して高圧化し、加圧室内で昇圧された燃料をサプライポンプ1の吐出ポートよりコモンレール側に吐出する。
ここで、フィードポンプから加圧室に至る燃料吸入経路の途中には、電磁弁4が取り付けられている。この電磁弁4は、図示しないポンプ駆動回路を介してECU10から印加されるポンプ駆動電流によって電子制御されることにより、サプライポンプ1の加圧室内に吸入される燃料吸入量を調量する。これにより、サプライポンプ1の加圧室からコモンレール2内に吐出される燃料吐出量が、エンジンの運転条件(例えばエンジン回転速度、アクセル操作量、指令噴射量等)に対応した最適値に調整され、コモンレール2内の燃料圧力、所謂コモンレール圧力が変更される。
比較例のコモンレール2は、燃料供給配管12を介してサプライポンプ1の吐出ポートに接続されている。このコモンレール2は、サプライポンプ1の吐出ポートより吐出された燃料を蓄圧すると共に、複数個のインジェクタ3に所定の油圧力の燃料を分配供給する蓄圧器である。また、コモンレール2には、各インジェクタ3毎に対応して燃料供給配管13が設けられている。また、コモンレール2には、コモンレール2内の燃料圧力(コモンレール圧力)を検出する燃料圧力センサ(コモンレール圧センサ)14が設置されている。なお、サプライポンプ1より流出した余剰燃料は、リターン配管15を経由して燃料系の低圧側(燃料タンク9)に戻される。
ここで、コモンレール2から燃料タンク9に至るリターン配管16には、減圧弁5が設置されている。この減圧弁5は、減圧弁駆動回路(EDU)を介してECU10から印加される減圧弁駆動電流によって電子制御されることにより、例えば減速時またはエンジン停止時に速やかにコモンレール圧力を高圧から低圧へ減圧させる降圧性能に優れる電磁弁である。なお、減圧弁5の代わりに、コモンレール圧力が限界設定圧力を超えた際に開弁してコモンレール圧力を限界設定圧力以下に抑えるプレッシャリミッタを設置しても良い。
比較例のインジェクタ3は、サプライポンプ1より吐出される燃料の吐出圧力またはコモンレール圧力よりも燃料の噴射圧力を増圧することが可能な増圧器21と、エンジンの各気筒の燃焼室内に燃料噴射を行う燃料噴射ノズル22と、増圧器21の増圧制御および燃料噴射ノズル22の開閉制御を行う電磁弁7とを一体的に設けることで増圧式インジェクタを構成している。これにより、本比較例のコモンレール式燃料噴射システムは、増圧ピストン型燃料噴射装置を構成する。
比較例のインジェクタ3の増圧器21は、図1に示したように、エンジンの各気筒毎に、つまり各インジェクタ3毎に対応して搭載されている。この増圧器21は、コモンレール2と燃料噴射ノズル22との間に設置されている。そして、増圧器21は、ピストン背圧室23、ピストン制御室24および増圧室(容積可変空間)25を有するシリンダと、このシリンダ内に摺動自在に収容された増圧ピストン26とを備えている。
この増圧ピストン26は、シリンダ内部に形成された大径のボア内を油密を保って摺動可能な大径ピストン27と、シリンダ内部に形成された大径のボア内を油密を保って摺動可能な小径プランジャ29とを有し、これらの大径ピストン27と小径プランジャ29との中心軸線を略一致させて一体的に動作可能に設けられている。また、大径ピストン27の図示上端面とシリンダの大径のボアとで囲まれた一方の大径空間は、ピストン背圧室23を形成している。また、大径ピストン27の図示下端面(環状端面)とシリンダの大径のボアとで囲まれた他方の大径空間は、ピストン制御室24を形成している。
また、小径プランジャ29の図示下端面(環状端面)とシリンダの小径のボアとで囲まれた小径空間は、増圧室25を形成している。そして、ピストン制御室24内には、図示しない戻しスプリングが収容されている。この戻しスプリングは、増圧ピストン26の大径ピストン27とシリンダの内壁との間に設けられており、増圧ピストン26のリフト位置を初期位置に戻す側(図示上方)の付勢力を増圧ピストン26に与えるピストン付勢手段として機能する。ここで、増圧ピストン26で加圧される増圧室25内の燃料の油圧力は、大径ピストン27の図示上端面の受圧面積と小径プランジャ29の図示下端面の受圧面積との比(増圧比)に比例した値となる。例えば増圧ピストン26の両端面の受圧面積比が2〜3である場合には、コモンレール2から増圧室25内に100MPaの油圧力が供給されると、増圧室25から燃料噴射ノズル22に200〜300MPaの高圧燃料が導入されることになる。
比較例のインジェクタ3の燃料噴射ノズル22は、図3に示したように、先端側(図示下端側)に複数個の噴射孔(ノズル噴孔部)31を有するノズルボディと、このノズルボディ内に摺動自在に収容されて、複数個の噴射孔31を開閉するノズルニードル32と、ノズルボディに連結するノズルホルダと、このノズルホルダ内に摺動自在に収容されて、ノズルニードル32と一体的に軸線方向に動作するコマンドピストン33とから構成されている。また、燃料噴射ノズル22には、ノズルニードル32およびコマンドピストン33を複数個の噴射孔31を閉じる側(閉弁方向)に付勢するニードル付勢手段としてのスプリング34が設置されている。
なお、ノズルボディおよびノズルホルダよりなるノズルハウジング35は、エンジンのシリンダブロックまたはシリンダヘッドに(各気筒毎に対応して)取り付けられている。また、ノズルハウジング35には、ノズルニードル32の大径部に複数個の噴射孔31を開く側(開弁方向)の燃料の油圧力を作用させるための燃料溜まり室36と、コマンドピストン33の大径部に複数個の噴射孔31を閉じる側(閉弁方向)の燃料の油圧力を作用させるためのノズル背圧室37と、コモンレール2から増圧器21の増圧室25を経由して燃料溜まり室36内に高圧燃料を導入するための燃料導入通路38とが形成されている。
また、ノズル背圧室37より流出した燃料流と、燃料溜まり室36からノズルニードル32の大径部とノズルハウジング35の摺動孔との間に形成される摺動隙間を経て溢流した燃料と、ノズル背圧室37からコマンドピストン33の大径部とノズルハウジング35の摺動孔との間に形成される摺動隙間を経て溢流した燃料とは、燃料給排通路39を経由して燃料系の低圧側(燃料タンク9)に戻される。ここで、ノズル開弁圧は、ノズル背圧室37内の燃料の油圧力にスプリング34の付勢力を加えた力に基づいて設定することができる。すなわち、ノズル背圧室37内の燃料の油圧力またはスプリング34の付勢力を変更することで、ノズル開弁圧を任意に変更することができる。
比較例のインジェクタ3の電磁弁7は、図1に示したように、油圧作動式の2位置3方切替弁6を伴って電磁式油圧制御弁を構成する。先ず、2位置3方切替弁6は、本発明の油圧作動式の2位置切替弁に相当するもので、圧力制御室41および切替弁室(油路切替室)42を有するハウジングと、このハウジングの摺動孔内に摺動自在に支持されたスプール弁(弁体)43と、このスプール弁43を初期位置側(図示下方側)に付勢する弁体付勢手段としてのスプリング44とによって構成されている。
また、内部に圧力制御室41を形成するハウジングの壁面には、コモンレール2から圧力制御室41内に燃料を導入するための入口ポートと、圧力制御室41から電磁弁7を経由して燃料タンク9に燃料を戻すための出口ポートとが形成されている。また、内部に切替弁室42を形成するハウジングの壁面には、コモンレール2から切替弁室42内に燃料を導入するための入口ポートと、切替弁室42から燃料タンク9に燃料を戻すための出口ポートと、増圧器21のピストン制御室24および燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37と2位置3方切替弁6の切替弁室42とを連通する出入口ポートとが形成されている。
スプール弁43には、切替弁室42を、円筒状の第1連通室と円柱状の第2連通室とに区画するランド(径大部)が設けられている。そして、スプール弁43は、圧力制御室41内の燃料の油圧力と切替弁室42の第1連通室内の燃料の油圧力とが略一致している時に、スプリング44の付勢力によって図示下方に押し下げられて第1位置(初期位置)にセットされる。これにより、入口ポートと出入口ポートとが切替弁室42の第1連通室を介して連通する。また、スプール弁43は、圧力制御室41内の燃料の油圧力とスプリング44の付勢力との総和よりも切替弁室42の第1連通室内の燃料の油圧力が上回ると、切替弁室42の第1連通室内の燃料の油圧力によって図示上方に押し上げられて第2位置(フルリフト位置)にセットされる。これにより、出入口ポートと出口ポートとが切替弁室42の第2連通室を介して連通する。
ここで、本比較例の2位置3方切替弁6においては、固定絞り(入口側オリフィス)45を経てコモンレール2より圧力制御室41内に燃料が導入され、また、固定絞り(出口側オリフィス)46を経て圧力制御室41より電磁弁7の電磁弁室51内に燃料が流出するように構成されている。そして、本比較例では、入口側オリフィス45の絞り径(流路径)よりも出口側オリフィス46の絞り径(流路径)を大きくすることで、圧力制御室41内に導入される燃料の流速よりも圧力制御室41より流出する燃料の流速が速くなるように構成されている。
電磁弁7は、インジェクタ駆動回路(EDU)47を介してECU10から印加されるインジェクタ駆動電流によって電子制御されることにより、増圧器21の増圧制御(ピストン制御室24内の燃料の油圧力の増減制御、増圧ピストン26のリフト量の可変制御)および燃料噴射ノズル22の開閉制御(ノズル背圧室37内の燃料の油圧力の増減制御、ノズルニードル32のリフト量の可変制御)を行う電磁式アクチュエータであって、燃料噴射ノズル22のノズルハウジング35に2位置3方切替弁6を伴ってリテーニングナット48(図9参照)を用いて締め付け固定されている。
電磁弁7は、電磁弁室51を有するハウジングと、このハウジングの摺動孔内に摺動自在に支持されたバルブ(弁体)53と、このバルブ53を弁座に着座する側(第1位置側)に付勢する弁体付勢手段としてのスプリング54と、バルブ53を弁座より離座させる側(第2位置側)に駆動する電磁駆動部とによって構成されている。また、電磁弁7には、電磁弁室51から外部への燃料の漏洩を防止するためのOリング55等のシール部(図9参照)が設置されている。また、内部に電磁弁室51を形成するハウジングの壁面には、2位置3方切替弁6の圧力制御室41と電磁弁室51とを連通する入口ポートと、電磁弁室51と燃料タンク9とを連通する出口ポートとが形成されている。
電磁駆動部は、バルブ53を入口ポート(弁孔)を開く側(開弁方向)に駆動する弁体駆動手段であって、通電されると起磁力を発生するソレノイドコイル56と、このソレノイドコイル56の通電時に磁化されるステータコア57(図9参照)およびアーマチャ58とを有している。なお、ステータコア57には、アーマチャ58を入口ポート(弁孔)を開く側に吸引する吸引部(図示せず)が設けられている。また、アーマチャ58は、バルブ53に一体化されており、バルブ53と一体的に軸線方向に動作する。
ここで、本比較例の電磁弁7は、ソレノイドコイル56への通電が停止(OFF)されると、スプリング54の付勢力によってバルブ53がハウジングの弁座に着座して入口ポートを閉塞する第1位置(初期位置)に位置制御される。また、電磁弁7は、ソレノイドコイル56への通電が実施(ON)されると、アーマチャ58がステータコア57の吸引部に吸引されるため、スプリング54の付勢力に抗してバルブ53がハウジングの弁座より離座して入口ポートを開放する第2位置(フルリフト位置)に位置制御される。この第2位置では、電磁弁室51が入口ポートを介して圧力制御室41に連通し、電磁弁室51が出口ポートを介して燃料タンク9に連通する。
ここで、コモンレール2内に蓄圧された燃料は、コモンレール2から各燃料供給配管13を経由してエンジンの各気筒毎に対応して搭載されたインジェクタ3内部に導入されるように構成されている。そして、インジェクタ3の内部には、図1に示したように、コモンレール2から2位置3方切替弁6の切替弁室42を経由して燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37内に燃料を導入するための第1燃料導入経路(管路、通路、油路)61と、コモンレール2から増圧器21の増圧室25を経由して燃料噴射ノズル22の燃料溜まり室36内に高圧燃料を導入するための第2燃料導入経路(管路、通路、油路)62とが形成されている。
また、第1燃料導入経路61は、2位置3方切替弁6の切替弁室42よりも燃料流方向の下流側(ノズル背圧室37側)にて、第1燃料導入経路61から分岐する第1燃料導入経路63を有している。この第1燃料導入経路63は、コモンレール2から2位置3方切替弁6の切替弁室42を経由して増圧器21のピストン制御室24内に燃料を導入するための管路(通路、油路)である。また、第1燃料導入経路61は、2位置3方切替弁6の切替弁室42よりも燃料流方向の上流側(燃料供給配管13側)にて、第1燃料導入経路61から分岐する第1燃料導入経路64を有している。この第1燃料導入経路64は、コモンレール2から2位置3方切替弁6の圧力制御室41内に燃料を導入するための管路(通路、油路)である。なお、第1燃料導入経路61の途中には、通路断面積(燃料の流量)を絞るための固定絞り(オリフィス)66が介装されている。また、第1燃料導入経路64の途中には、通路断面積(燃料の流量)を絞るための入口側オリフィス45が介装されている。
また、第2燃料導入経路62は、増圧器21の増圧室25よりも燃料流方向の上流側(燃料供給配管13側)にて、第2燃料導入経路62から分岐する第2燃料導入経路65を有している。この第2燃料導入経路65は、コモンレール2から増圧器21のピストン背圧室23内に燃料を導入するための管路(通路、油路)である。なお、第2燃料導入経路62の途中には、増圧器21の増圧室25からコモンレール2側への燃料の逆流を防止するための逆止弁67が介装されている。この逆止弁67は、弁孔を有するバルブボデー、弁孔を開閉する弁体、およびこの弁体を弁孔を閉塞する側に付勢するスプリング等の弁体付勢手段等によって構成されている。
また、インジェクタ3の内部には、図1に示したように、燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37より流出した燃料を、2位置3方切替弁6の切替弁室42を経由して燃料タンク9に戻すための第1燃料排出経路(第1リターン通路、管路、油路)71と、2位置3方切替弁6の圧力制御室41より流出した燃料を、電磁弁7の電磁弁室51を経由して燃料タンク9に戻すための第2燃料排出経路(第2リターン通路、管路、油路)72とが形成されている。また、第1燃料排出経路71は、2位置3方切替弁6の切替弁室42よりも燃料流方向の上流側(ノズル背圧室37側)にて、第1燃料排出経路71に合流する第1燃料排出経路73を有している。この第1燃料排出経路73は、増圧器21のピストン制御室24より流出した燃料を、2位置3方切替弁6の切替弁室42を経由して燃料タンク9に戻すための第1リターン通路(管路、油路)である。
また、第1燃料排出経路71、73は、増圧器21のピストン制御室24および燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37と燃料タンク9とを、電磁弁7の電磁弁室51より迂回させて接続している。また、第2燃料排出経路72は、電磁弁7の電磁弁室51と燃料タンク9とを、第1燃料排出経路71より迂回させて接続している。すなわち、第2燃料排出経路72は、第1燃料排出経路71、73に対して管路的に分離独立して設けられている。また、第2燃料排出経路72の途中には、通路断面積(燃料の流量)を絞るための出口側オリフィス46が介装されている。
また、インジェクタ3には、第1燃料排出経路71の燃料流方向の下流端で開口した第1リークポート、および第2燃料排出経路72の燃料流方向の下流端で開口した第2リークポートが設けられている。この第2リークポートは、第1リークポートに対して管路的に分離独立して設けられている。そして、インジェクタ3の第1リークポートと燃料タンク9との間には、各インジェクタ3より流出した余剰燃料(特に増圧器21のピストン制御室24より流出したリターン燃料および燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37より流出したリターン燃料)を、燃料タンク9内に還流させるための第1リターン配管74が接続されている。
また、インジェクタ3の第2リークポートと燃料タンク9との間には、各インジェクタ3より流出した余剰燃料(特に電磁弁7の電磁弁室51より流出したリターン燃料)を、燃料タンク9内に還流させるための第2リターン配管75が接続されている。この第2リターン配管75は、第1リターン配管74に対して管路的に分離独立して設けられている。なお、第1リターン配管74は、サプライポンプ1より流出してリターン配管15を通過した余剰燃料と、コモンレール2より流出してリターン配管16を通過した余剰燃料と、各インジェクタ3より流出した余剰燃料とを合流させて一括して燃料タンク9内に戻すための燃料排出管路である。この第1リターン配管74の合流部よりも燃料流の上流側(インジェクタ3側)には、第1リターン配管74内のリターン燃料の圧力変動を抑制するためのチェックバルブ76が設置されている。
一方、ECU10には、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記憶装置(ROM、RAM等のメモリ)等の機能を含んで構成される周知のマイクロコンピュータが設けられている。また、燃料圧力センサ14からの検出信号(電圧信号)や、その他の各種センサからのセンサ信号は、A/D変換器でA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。そして、ECU10は、エンジンの運転状態または運転条件に応じた最適な燃料噴射量、燃料噴射時期を演算する。具体的には、クランク角度センサ等の回転速度検出手段(図示せず)によって検出されたエンジン回転速度とアクセル開度センサ等のエンジン負荷検出手段(図示せず)によって検出されたアクセル開度とによって基本噴射量を算出する。
次に、基本噴射量に、エンジン冷却水温や燃料温度等を考慮した噴射量補正量を加味して指令噴射量を算出する。次に、エンジン回転速度とアクセル開度とによって指令噴射時期を算出する。あるいはエンジン回転速度と指令噴射量とによって指令噴射時期を算出する。次に、指令噴射量とコモンレール圧力とによってインジェクタ3の電磁弁7のソレノイドコイル56への通電時間(指令噴射期間)を算出する。なお、コモンレール圧力の代わりに、増圧室25内の燃料の油圧力(燃料の噴射圧力に相当する油圧力)を測定して、電磁弁7のソレノイドコイル56への通電時間(指令噴射期間)を算出しても良い。
比較例1の作用]
次に、本比較例のコモンレール式燃料噴射システムの作用を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
インジェクタ3の電磁弁7のソレノイドコイル56への通電を停止(OFF)すると、電磁弁7のバルブ53がスプリング54の付勢力によってハウジングの弁座に着座して入口ポートを閉塞する第1位置に押し付けられる。このため、コモンレール2内に蓄圧された燃料は、燃料供給配管13から第1燃料導入経路61、64を経由して2位置3方切替弁6の圧力制御室41内に導入される。
一方、2位置3方切替弁6の切替弁室42の第1連通室内には、コモンレール2の燃料供給配管13から第1燃料導入経路61を経由して燃料が導入されており、また、2位置3方切替弁6の圧力制御室41内にも、上述したように、コモンレール2の燃料供給配管13から第1燃料導入経路64を経由して燃料が導入されている。このため、2位置3方切替弁6のスプール弁43の両端面に加わる燃料の油圧力(コモンレール圧力に相当する)が略同一となる。これにより、2位置3方切替弁6のスプール弁43は、圧力制御室41内に設けられたスプリング44の付勢力によって、ハウジングの弁座に着座する第1位置(初期位置)に位置制御される。
このため、2位置3方切替弁6の入口ポートと出入口ポートとが切替弁室42の第1連通室を介して連通する。これにより、コモンレール2内に蓄圧された燃料は、燃料供給配管13から第1燃料導入経路61→切替弁室42の第1連通室→第1燃料導入経路61を経由して燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37内に導入される。さらに、コモンレール2内に蓄圧された燃料は、第1燃料導入経路63を経由して増圧器21のピストン制御室24内に導入される。
一方、増圧器21のピストン背圧室23内には、コモンレール2の燃料供給配管13から第2燃料導入経路62を経由して燃料が導入されており、また、増圧器21のピストン制御室24内にも、上述したように、コモンレール2の燃料供給配管13から第1燃料導入経路61を経由して燃料が導入されている。このため、増圧ピストン26の大径ピストン27の両端面に加わる燃料の油圧力(コモンレール圧力に相当する)が略同一となり、ピストン制御室24内に設けられた戻しスプリングの付勢力によってシリンダの大径のボア内の図示上方側に増圧ピストン26が位置する。
これにより、増圧ピストン26のリフト量は0(初期位置)となる。したがって、増圧ピストン26の小径プランジャ29の図示下端面とシリンダの小径のボアとで囲まれた増圧室25の内容積は、最も広い状態となり、増圧器21の増圧室25内の燃料圧力をコモンレール圧力よりも増圧することはできない。これによって、コモンレール2の燃料供給配管13から第2燃料導入経路62→増圧室25→第2燃料導入経路62を経由して燃料噴射ノズル22の燃料溜まり室36内に導入される燃料の油圧力はコモンレール圧力に維持される。
一方、燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37内には、上述したように、コモンレール2の燃料供給配管13から第1燃料導入経路61を経由して燃料が導入されている。このため、燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37内の燃料の油圧力も、燃料溜まり室36内の燃料の油圧力と同じコモンレール圧力となり、燃料噴射ノズル22のコマンドピストン33およびノズルニードル32は、スプリング34の付勢力によってノズルハウジング35の弁座に押し付けられる。このため、複数の噴射孔31を開くことができず、エンジンの当該気筒の燃焼室内への燃料噴射は実施されない。
そして、エンジンの当該気筒のピストン位置が上死点近傍となり、エンジンの当該気筒の指令噴射時期となったら、インジェクタ3の電磁弁7のソレノイドコイル56への通電(ON)を開始する。すると、ステータコア57およびアーマチャ58が磁化されるため、スプリング54の付勢力に抗してアーマチャ58がステータコア57の吸引部に吸引される。これにより、電磁弁7のバルブ53がスプリング54の付勢力に抗してハウジングの弁座より離座して入口ポートを開放する第2位置(フルリフト位置)に位置制御される。このため、電磁弁7の入口ポートと出口ポートとが電磁弁室51を介して連通する。
これにより、2位置3方切替弁6の圧力制御室41内の燃料は、2位置3方切替弁6の出口ポートから流出して第2燃料排出経路72を経由して、電磁弁7の入口ポートより電磁弁7の電磁弁室51内に流入する。そして、電磁弁7の電磁弁室51内に流入した燃料は、電磁弁7の出口ポートより流出して第2燃料排出経路72を経由して第2リークポートよりインジェクタ3の外部に流出する。そして、インジェクタ3の第2リークポートより流出した燃料は、第2リターン配管75を経由することで、第1燃料排出経路71および第1リターン配管74内を流れるリターン燃料と合流することなく、燃料タンク9に戻される。
ここで、本比較例の2位置3方切替弁6においては、入口側オリフィス45を経てコモンレール2より圧力制御室41内に燃料が導入され、また、出口側オリフィス46を経て圧力制御室41より電磁弁7の電磁弁室51内に燃料が流出するように構成されている。そして、入口側オリフィス45の絞り径(流路径)よりも出口側オリフィス46の絞り径(流路径)を大きくすることで、圧力制御室41内に導入される燃料の流速よりも圧力制御室41より流出する燃料の流速が速くなるようにして、電磁弁7の開弁動作に対する2位置3方切替弁6の制御応答性を向上させている。これにより、上述したように、2位置3方切替弁6の圧力制御室41内の燃料が速やかに流出するため、2位置3方切替弁6の圧力制御室41内の燃料の油圧力が急速に低下し始める。
その後に、圧力制御室41内の燃料の油圧力とスプリング44の付勢力との総和よりも、切替弁室42の第1連通室内の燃料の油圧力が上回ると、2位置3方切替弁6のスプール弁43が切替弁室42の第1連通室内の燃料の油圧力によってリフトを開始する。これにより、2位置3方切替弁6のスプール弁43がハウジングの弁座より離座する第2位置(フルリフト位置)に位置制御される。このため、2位置3方切替弁6の出入口ポートと出口ポートとが切替弁室42の第2連通室を介して連通する。これにより、燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37内に導入されていた燃料は、ノズル背圧室37より流出して第1燃料排出経路71を経由して2位置3方切替弁6の出入口ポートより2位置3方切替弁6の切替弁室42の第2連通室内に流入する。
さらに、増圧器21のピストン制御室24内に導入されていた燃料は、ピストン制御室24より流出して第1燃料排出経路73を経由した後に、ノズル背圧室37より流出した燃料と合流して2位置3方切替弁6の出入口ポートより2位置3方切替弁6の切替弁室42の第2連通室内に流入する。そして、2位置3方切替弁6の切替弁室42の第2連通室内に流入した燃料は、2位置3方切替弁6の出口ポートより流出して第1燃料排出経路71を経由して第1リークポートよりインジェクタ3の外部に流出する。そして、インジェクタ3の第1リークポートより流出した燃料は、第1リターン配管74を経由することで、第2燃料排出経路72および第2リターン配管75内を流れるリターン燃料と合流することなく、燃料タンク9に戻される。
一方、増圧器21のピストン背圧室23内には、コモンレール2の燃料供給配管13から第2燃料導入経路62を経由して燃料が導入されているため、増圧器21のピストン制御室24より燃料が流出すると、増圧ピストン26の大径ピストン27の両端面に加わる油圧力に圧力差が生じる。そして、ピストン制御室24内の燃料の油圧力に戻しスプリングの付勢力を加えた力が、ピストン背圧室23内の燃料の油圧力よりも小さくなると、増圧ピストン26が図示下方へのリフトを開始する。これにより、電磁弁7のソレノイドコイル56への通電(ON)を開始してから所定の待機時間が経過した後に、増圧室25の内容積が狭くなり始め、増圧室25内の燃料の増圧が開始される。このため、燃料噴射ノズル22の燃料溜まり室36内の燃料の油圧力の上昇が開始される。
その後に、ノズル背圧室37内の燃料の油圧力とスプリング34の付勢力との総和よりも、燃料溜まり室36内の燃料の油圧力が上回ると、燃料噴射ノズル22のコマンドピストン33およびノズルニードル32が燃料溜まり室36内の燃料の油圧力によってリフトを開始し、ノズルニードル32が弁座から離座する。したがって、燃料噴射ノズル22が開弁するため、複数の噴射孔31が開かれて、エンジンの当該気筒の燃焼室内への燃料噴射が開始される。このとき、増圧ピストン26のリフト位置に対応して増圧された高圧燃料がエンジンの当該気筒の燃焼室内へ噴射される。
その後に、指令噴射時期から指令噴射量に対応する指令噴射期間(電磁弁7のソレノイドコイル56への通電時間)が経過した時点で、電磁弁7のソレノイドコイル56への通電を停止(OFF)する。すると、ステータコア57およびアーマチャ58が消磁されるため、スプリング54の付勢力によって、電磁弁7のバルブ53がハウジングの弁座に着座する第1位置(初期位置)に位置制御される。このため、上述したように、2位置3方切替弁6のスプール弁43がスプリング44の付勢力によってハウジングの弁座に着座する第1位置(初期位置)に位置制御される。
これにより、コモンレール2内に蓄圧された燃料は、燃料供給配管13から第1燃料導入経路61→切替弁室42の第1連通室→第1燃料導入経路61、63を経由して増圧器21のピストン制御室24内および燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37内に導入される。そして、ピストン制御室24内にコモンレール圧力が導入され、ピストン制御室24内の燃料の油圧力が上昇し始める。そして、ピストン制御室24内の燃料の油圧力に戻しスプリングの付勢力を加えた力が、ピストン背圧室23内の燃料の油圧力よりも大きくなると、戻しスプリングの付勢力のアシストを受けながら増圧ピストン26のリフト量が小さくなる。
これにより、増圧室25の内容積が拡げられ、増圧室25内の燃料の油圧力が低下し始める。その後に、ノズル背圧室37内の燃料の油圧力とスプリング34の付勢力との総和よりも、燃料溜まり室36内の燃料の油圧力が下回ると、ノズルニードル32が閉弁方向に移動し始め、ノズルニードル32が弁座に着座する。したがって、燃料噴射ノズル22が閉弁するため、ノズルハウジング35の先端側に設けられた複数の噴射孔31が閉じられて、エンジンの当該気筒の燃焼室内への燃料噴射が終了する。
比較例1の特徴]
ここで、インジェクタ3の電磁弁7を開弁駆動すると、燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37より燃料が燃料タンク9側に流出する。このとき、燃料噴射ノズル22の各摺動部より溢流したリーク燃料や、ノズル背圧室37より排出されるリターン燃料の圧力脈動が10MPaの大きさで発生し、リーク燃料やリターン燃料の圧力脈動が電磁弁7の電磁弁室51に影響を及ぼすと、Oリング55の使用耐圧限界(例えば3MPa程度)を超えることになる。このため、従来より一般的なコモンレール式燃料噴射システムに使用されるインジェクタでは、リターン燃料の圧力変動を3MPa程度以下に設定している。この値は、燃料噴射ノズルの各摺動部より溢流したリーク燃料流量と燃料噴射ノズルのノズル背圧室より流出したリターン燃料流量とを電磁弁の電磁弁室に合流させたリターン燃料流量で達成されていた。
なお、上記のリーク燃料流量とは、燃料噴射ノズルの各摺動部、例えば図3の燃料噴射ノズル22においては燃料溜まり部36からノズルニードル32の大径部とノズルハウジング35の摺動孔との摺動隙間を経て図示しないリーク通路内に溢流したリーク燃料流量と、ノズル背圧室37からコマンドピストン33の大径部とノズルハウジング35の摺動孔との摺動隙間を経て図示しないリーク通路内に溢流したリーク燃料流量とを加算した燃料リーク量(インジェクタ静的リーク量)を指す。また、上記のリターン燃料流量とは、電磁弁が開弁駆動されるインジェクタの燃料噴射時に、燃料噴射ノズルのノズル背圧室より流出して燃料系の低圧側である燃料タンクに排出される燃料リーク量(インジェクタ動的リーク量)を指す。
ところが、本比較例のような増圧ピストン型燃料噴射装置では、増圧器21のピストン制御室24および燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37の両方から燃料を排出することで、増圧器21の増圧ピストン26のリフト量および燃料噴射ノズル22のノズルニードル32の開弁時期または開弁期間を制御しているので、一般的なコモンレール式燃料噴射システムに使用されるインジェクタと比べてリターン燃料の流量が著しく増大する。すなわち、上記のリーク燃料流量およびリターン燃料流量に、増圧器21のピストン制御室24より流出するリターン燃料流量が加わる。
このため、一般的なコモンレール式燃料噴射システムに使用されるインジェクタと同様に、図10に示したように、増圧器102のピストン制御室113より流出するリターン燃料流量と、燃料噴射ノズル103のノズル背圧室より流出するリターン燃料流量(各摺動部からのリーク燃料流量を含む)と、電磁弁105の電磁弁室117より流出するリターン燃料流量とを合流部143で合流させて一括して1本のリターン配管106を経由して燃料タンク107に排出するようにすると、図11に示したように、大きなリターン燃料の圧力変動が発生して、電磁弁105のOリング等のシール部の使用耐圧限界(例えば3MPa程度)を超えるという不具合が発生してしまう。
そこで、本比較例のコモンレール式燃料噴射システム(特に増圧ピストン26を内蔵したインジェクタ3)においては、増圧器21のピストン制御室24より流出したリターン燃料流量と燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37より流出したリターン燃料流量(各摺動部からのリーク燃料流量を含む)とを一括して燃料タンク9に排出する第1燃料排出経路71および第1リターン配管74と、電磁弁7の電磁弁室51より流出したリターン燃料流量のみを燃料タンク9に排出する第2燃料排出経路72および第2リターン配管75とを管路的に分離独立して設置(または形成)している。
これによって、増圧器21のピストン制御室24より流出したリターン燃料流および燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37より流出したリターン燃料流は、電磁弁7の電磁弁室51より流出したリターン燃料流と合流することなく、第1リターン配管74を経由して直接燃料タンク9に戻される。すなわち、増圧器21のピストン制御室24より流出したリターン燃料流および燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37より流出したリターン燃料流と電磁弁7の電磁弁室51より流出したリターン燃料流との合流部を設けない流路構造(管路構造)となる。これにより、インジェクタ3の燃料噴射制御(噴射量制御と噴射時期制御と増圧ピストン26のリフト量の制御)に伴って、増圧器21のピストン制御室24および燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37より流出したリターン燃料の圧力変動、すなわち、第1燃料排出経路71および第1リターン配管74内に発生するリターン燃料の圧力変動が、第2燃料排出経路72および第2リターン配管75を伝播して、電磁弁7の電磁弁室51内に伝わるのを確実に防止することができる。したがって、電磁弁7のOリング等のシール部の使用耐圧限界(例えば3MPa程度)を超えるような大きなリターン燃料の圧力変動が電磁弁7の電磁弁室51内に伝わらないようになるので、安価な構造でありながらも、増圧器21のピストン制御室24および燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37より流出したリターン燃料の圧力変動から電磁弁7のOリング55等のシール部(およびねじ締結部等)を保護することができる。これにより、電磁弁7の更なる耐圧性の向上を図る必要がなくなるため、システム全体の価格を低減することができる。
ここで、本比較例では、増圧器21のピストン制御室24から燃料タンク9に戻されるリターン燃料、および燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37から燃料タンク9に戻されるリターン燃料(リーク燃料を含む)と、電磁弁7の電磁弁室51から燃料タンク9に戻されるリターン燃料とを管路的に分離させて、それぞれ別の第1、第2リターン配管74、75で燃料タンク9に戻すように構成しているが、図7に示したように、第1リターン配管74にチェックバルブ76を設置したシステムに対して、チェックバルブ76と燃料タンク9との間の第1リターン配管74に、第2リターン配管75の出口部を接続させるようにしても良い。この場合には、チェックバルブ76よりも燃料流方向の下流側の第1リターン配管(例えばゴムパイプ部分)74に、電磁弁7の電磁弁室51より流出したリターン燃料が合流するので、第1リターン配管74内のリターン燃料の圧力変動は著しく減衰しており、電磁弁7の電磁弁室51内に大きなリターン燃料の圧力変動は伝わらない。
ここで、第1リターン配管74にチェックバルブ76を設ける目的は、第1リターン配管74内の燃料圧力をリターン燃料の流入後の数msecを除いて、設定圧力以下に安定させ、エンジンの各気筒の燃焼室内への燃料噴射量の低圧側変動による影響を排除することである。そして、チェックバルブ76を設けた第1リターン配管74では、リターン燃料の流入で上昇した圧力によりチェックバルブ76から流入量以上の燃料が流出し、一旦チェックバルブ76よりも燃料流方向の上流側の第1リターン配管74内の燃料圧力は燃料蒸気圧の負圧になる。この負圧は、インジェクタ3の常時リーク燃料によりすぐにチェックバルブ76の開弁圧力まで回復する。以降、次気筒のインジェクタ3のリターン燃料流量の流入まで開弁圧力に保持される(図8参照)。なお、チェックバルブ76の無い第1リターン配管74では、リターン燃料の流入で上昇した燃料圧力が第1リターン配管74を往復し、第1リターン配管74内の燃料圧力は、燃料蒸気圧の負圧と10MPaを超す正圧とを繰り返す(図6参照)
実施例の構成]
図4ないし図6は本発明の実施例を示したもので、図4は増圧ピストン型燃料噴射装置の燃料配管系を示した図で、図5は圧力変動防止器を示した図である。
本実施例のインジェクタ3は、増圧器21、燃料噴射ノズル22、2位置3方切替弁6、電磁弁7等を一体的に設けることで増圧式インジェクタを構成している。これにより、本実施例のコモンレール式燃料噴射システムは、増圧ピストン型燃料噴射装置を構成する。このシステムは、比較例1と異なる構成として、インジェクタ3の内部より流出したリターン燃料を燃料系の低圧側(燃料タンク9)に還流させるためのリターン配管77と、このリターン配管77内のリターン燃料の圧力変動が電磁弁7の電磁弁室51に伝わるのを防止するための圧力変動伝達防止手段とを備えている。
ここで、インジェクタ3の内部には、図4に示したように、燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37より流出した燃料を、2位置3方切替弁6の切替弁室42を経由して燃料タンク9に戻すための第1燃料排出経路71と、2位置3方切替弁6の圧力制御室41より流出した燃料を、電磁弁7の電磁弁室51を経由して燃料タンク9に戻すための第2燃料排出経路72とが形成されている。また、2位置3方切替弁6の切替弁室42よりも燃料流方向の上流側(ノズル背圧室37側)で第1燃料排出経路71に合流する第1燃料排出経路73は、増圧器21のピストン制御室24より流出した燃料を、2位置3方切替弁6の切替弁室42を経由して燃料タンク9に戻す。
そして、本実施例の第2燃料排出経路72の燃料流方向の下流端は、2位置3方切替弁6の切替弁室42よりも燃料流方向の下流側で第1燃料排出経路71に接続している。そして、第1燃料排出経路71内を流れるリターン燃料と第2燃料排出経路72内を流れるリターン燃料との合流部79よりも燃料流方向の下流側の第1燃料排出経路71は、インジェクタ3のリークポートを介してリターン配管77に接続している。このリターン配管77は、インジェクタ3の増圧器21のピストン制御室24および燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37より流出したリターン燃料流(リーク燃料流を含む)と電磁弁7の電磁弁室51より流出したリターン燃料流とを合流させて一括して燃料タンク9に戻すための燃料還流管路である。
また、本実施例の圧力変動伝達防止手段は、電磁弁7の電磁弁室51内の燃料の圧力上昇を、電磁弁7のOリング55の使用耐圧限界(例えば3MPa程度)以下に抑えるための圧力変動防止器17、通路断面積(燃料の流量)を絞る固定絞り(オリフィス)18、および合流部79から電磁弁7の電磁弁室51側への燃料の逆流を防止する逆止弁19等によって構成されている。これらは、電磁弁7の電磁弁室51よりも燃料流方向の下流側と合流部79との間に設置されている。
次に、本実施例の圧力変動防止器17の構造を図4および図5に基づいて簡単に説明する。この圧力変動防止器17は、インジェクタ3の燃料噴射ノズル22のノズルハウジング(特にノズルホルダ)35または電磁弁7のハウジングに一体的に設けられたハウジング(シリンダ)91と、このハウジング91の摺動孔内に摺動自在に収容されたピストン92とによって構成されている。ハウジング91の壁面には、電磁弁7の電磁弁室51よりも燃料流方向の下流側の第2燃料排出経路72に連通する凹状部(空間)が形成されている。この凹状部の開口端には、ピストン92が初期位置以上に図示右方向に移動するのを規制する環状のストッパ93が設けられている。また、ハウジング91には、凹状部の奥側端と外部とを連通する連通路(空気通路)94が形成されている。
ピストン92は、ハウジング91の凹状部を、内部の圧力が大気圧に保たれる第1容積可変室(ピストン室)95と、第2燃料排出経路72に連通する第2容積可変室96とに区画形成するように略コの字状の断面を有している。また、ハウジング91の凹状部内には、ピストン92を第2容積可変室96内の内容積を小さくする側に付勢するピストン付勢手段としてのスプリング97が設置されている。したがって、ハウジング91の摺動孔内に摺動自在に嵌装されたピストン92は、スプリング97によってストッパ93に所定のセット荷重で押し付けられている。そして、ハウジング91とピストン92とにより周囲を囲まれた第1容積可変室95内の圧力は、連通路94により空気の出入りを許し、大気圧に保たれている。また、ハウジング91の内壁面に形成された環状溝98内には、第2容積可変室96から第1容積可変室95への燃料圧力の漏洩を防止するためのバックアップリング付きのOリング99が装着されている。
本実施例の圧力変動防止器17の機能は、インジェクタ3の燃料噴射制御時に、20mm3 /st程度のリターン燃料が第2燃料排出経路72を経由して電磁弁7の電磁弁室51内に流入すると、ピストン92の図示左右方向の受圧面に作用する圧力差に伴ってピストン92がスプリング97の付勢力に抗して図示左方向に移動し、第1容積可変室95内の内容積が狭くなる。これに伴って第2容積可変室96内の内容積が広くなるため、電磁弁7の電磁弁室51から第2燃料排出経路72を経由して第2容積可変室96内にリターン燃料が流入して、第2燃料排出経路72内の燃料圧力が下がる。
これにより、電磁弁室圧力上昇を3MPa程度以下に抑え、次回の当該気筒のインジェクタ3の燃料噴射制御時期までに、電磁弁7の電磁弁室51内に流入した20mm3 /st程度のリターン燃料が、第2燃料排出経路72、合流部79、リターン配管77を経由して燃料タンク9に排出される。以上の構成により、インジェクタ3の燃料噴射制御時に、20mm3 /st程度のリターン燃料が第2燃料排出経路72を経由して電磁弁7の電磁弁室51内に流入しても、電磁弁室圧力上昇を3MPa程度以下に抑えることができる。このため、電磁弁7の電磁弁室51が圧力変動防止器17の付いた一種のアキュムレータとして機能することが確認できる。
また、本実施例では、電磁弁7の電磁弁室51とリターン配管77および合流部79との間に、オリフィス18、および電磁弁7の電磁弁室51への燃料の逆流を阻止する逆止弁19を配置している。この逆止弁19は、弁孔を有するバルブボデー、弁孔を開閉する弁体、およびこの弁体を弁孔を閉塞する側に付勢するスプリング等の弁体付勢手段等によって構成されている。これにより、リターン配管77および合流部79に高い正圧が発生している時には、逆止弁19が開弁しないので、上述の全体としてアキュムレータになっている電磁弁7の電磁弁室51内にインジェクタ3の燃料噴射量の制御用燃料が蓄えられる。
そして、リターン配管77および合流部79内の燃料圧力が燃料蒸気圧に下がり始めると、圧力変動防止器17のスプリング97の付勢力によりピストン92が戻されて、燃料を第2燃料排出経路72、合流部79、リターン配管77を経由して燃料タンク9に排出する。ここで、オリフィス18は、燃料タンク9への燃料の排出中に、上述の燃料蒸気圧の負圧と10MPaを超す正圧とを繰り返す圧力の正圧が作用し、逆止弁19が閉じるまでの時間中に高圧が電磁弁7の電磁弁室51に入ろうとする時その流量を絞り、高圧を電磁弁7の電磁弁室51に伝わり難くする。
[実施例の特徴]
本実施例の増圧ピストン型燃料噴射装置においては、インジェクタ3の増圧器21のピストン制御室24および燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37より流出したリターン燃料流(リーク燃料流を含む)と電磁弁7の電磁弁室51より流出した燃料流とを合流させて一括して燃料系の低圧側(燃料タンク9)に戻すためのリターン配管77と電磁弁7の電磁弁室51との間に、圧力変動防止器17および逆止弁19等を配置することにより、リターン配管77内のリターン燃料の圧力変動が電磁弁7の電磁弁室51へ伝わらないようにしている。したがって、安価な構造でありながらも、リターン配管77内のリターン燃料の圧力変動から電磁弁7のOリング55等のシール部(およびねじ締結部等)を保護することができる。これにより、電磁弁7の更なる耐圧性の向上を図る必要がなくなるため、システム全体の価格を低減することができる。
ここで、図6は、図4の燃料配管系に適用した時のシミュレーション結果を示した図である。この図6から、リターン配管圧力が電磁弁室圧力と分離され、電磁弁室圧力は3MPa程度以下に抑えられているのが分かる。そして、図6のシミュレーション結果には、横軸に時間、第1縦軸に電磁弁室圧力とリターン配管圧力が示されている。また、第2縦軸には、圧力変動防止器17のピストンストロークが示されている。そして、エンジン回転速度は、6000rpmで、インジェクタ3の噴射間隔は、20msである。また、ピストン92は1MPaの圧力に相当する荷重で、20ms以内に元の位置に戻り、戻り時の押し出し圧力が1MPa程度になっているのが分かる。
なお、本実施例では、圧力変動防止器17の第1容積可変室95内に、連通路94を介してインジェクタ3の外部の空気を導入することで、第1容積可変室95内の圧力を大気圧に保つようにしているが、圧力変動防止器17の第1容積可変室95内の空気をバキュームポンプによって吸引することで、第1容積可変室95内の圧力を大気圧よりも低い負圧に保つようにしても良い。この場合には、インジェクタ3の燃料噴射制御時にバキュームポンプを作動させることで、第2容積可変室96内の内容積を大きくして、第2燃料排出経路72内のリターン燃料を第2容積可変室96内に流入させる。これにより、電磁弁室圧力を電磁弁7のOリング55の使用耐圧限界(例えば3MPa程度)以下に抑えることができる。
図7および図8は本発明の実施例を示したもので、図7はコモンレール式燃料噴射システムの燃料配管系を示した図である。
本実施例のインジェクタ3には、第1燃料排出経路71の燃料流方向の下流端で開口した第1リークポート、および第2燃料排出経路72の燃料流方向の下流端で開口した第2リークポートが設けられている。そして、インジェクタ3の第1リークポートと燃料タンク9との間には、各インジェクタ3より流出した余剰燃料(特に増圧器21のピストン制御室24より流出したリターン燃料および燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37より流出したリターン燃料)を、燃料タンク9内に還流させるための第1リターン配管74が接続されている。この第1リターン配管74には、第1リターン配管74内のリターン燃料の圧力変動を抑制するためのチェックバルブ76が設置されている。
また、インジェクタの第2リークポートと燃料タンク9との間には、各インジェクタ3より流出した余剰燃料(特に電磁弁7の電磁弁室51より流出したリターン燃料)を、燃料タンク9内に還流させるための第2リターン配管75が設置されている。この第2リターン配管75の燃料流方向の下流端は、チェックバルブ76よりも燃料流方向の下流側の第1リターン配管(リターン配管77)に接続されている。したがって、リターン配管77は、サプライポンプ1より流出してリターン配管15を通過した余剰燃料と、コモンレール2より流出してリターン配管16を通過した余剰燃料と、各インジェクタ3より流出した余剰燃料とを合流させて一括して燃料タンク9内に戻すための燃料排出管路である。
ここで、図8は、図4の圧力変動防止器17を搭載したインジェクタ3を、図7の燃料配管系に適用した時のシミュレーション結果を示した図である。この図8から、リターン配管圧力が電磁弁室圧力と分離され、電磁弁室圧力は3MPa程度以下に抑えられているのが分かる。そして、図8のシミュレーション結果には、実施例と同様に、横軸に時間、第1縦軸に電磁弁室圧力とリターン配管圧力が示されている。また、第2縦軸には、実施例と同様に、圧力変動防止器17のピストンストロークが示されている。そして、エンジン回転速度は、6000rpmで、インジェクタ3の噴射間隔は、20msである。そして、ピストン92は1MPaの圧力に相当する荷重で、20ms以内に元の位置に戻り、戻り時の押し出し圧力が1MPa程度になっているのが分かる。
図9は本発明の実施例を示したもので、増圧ピストン型燃料噴射装置に使用されるインジェクタの部分構造を示した図である。
本実施例のインジェクタ3は、図示しない増圧器、燃料噴射ノズル22、図示しない2位置3方切替弁、電磁弁7、圧力変動防止器17および逆止弁19等を一体的に設けることで増圧式インジェクタを構成している。これにより、本実施例のコモンレール式燃料噴射システムは、増圧ピストン型燃料噴射装置を構成する。
電磁弁7は、燃料噴射ノズル22のノズルハウジング35に2位置3方切替弁を伴ってリテーニングナット48を用いて締め付け固定されている。このリテーニングナット48は、ノズルハウジング35の外周ねじ部に螺合する内周ねじ部を有している。また、リテーニングナット48は、入口側、出口側オリフィス66a、66bを有するオリフィスプレート49を介して電磁弁7のバルブボデー52の密着面(図示下端面)とノズルハウジング35の密着面(図示上端面)とを所定のねじ締付軸力で密着させる部品である。
また、本実施例のインジェクタ3は、電磁弁7のバルブボデー52と燃料噴射ノズル22のノズルハウジング35との間に電磁弁室51を形成している。また、ノズルハウジング35の外周とリテーニングナット48の内周との間には、電磁弁室51からインジェクタ3の外部への燃料の漏洩を防止するためのOリング(シール部)55が装着されている。また、電磁弁7の電磁駆動部は、ソレノイドコイル56、ステータコア57、アーマチャ58およびハウジング59等によって構成されている。なお、ハウジング59の外周とリテーニングナット48の内周との間には、電磁弁室51からインジェクタ3の外部への燃料の漏洩を防止するためのOリング(シール部)60が装着されている。
また、本実施例のインジェクタ3の内部には、コモンレール2から2位置3方切替弁の切替弁室(図示せず)を経由して燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37内に燃料を導入するための第1燃料導入経路(第1燃料導入通路)61と、コモンレール2から増圧器の増圧室(図示せず)を経由して燃料噴射ノズル22の燃料溜まり室(図示せず)内に高圧燃料を導入するための第2燃料導入経路(第2燃料導入通路)62とが形成されている。また、インジェクタ3の内部には、実施例と同様に、第1燃料導入経路(第1燃料導入通路)63、64および第2燃料導入経路(第2燃料導入通路)65が形成されている。
また、本実施例のインジェクタ3の内部には、燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37より流出した燃料を、2位置3方切替弁の切替弁室を経由してリターン配管77(図4参照)に排出するための第1燃料排出経路(第1燃料排出通路)71と、2位置3方切替弁の圧力制御室(図示せず)より流出した燃料を、電磁弁7の電磁弁室51を経由してリターン配管77に排出するための第2燃料排出経路(第2燃料排出通路)72とが形成されている。また、インジェクタ3の内部には、実施例と同様に、第1燃料排出経路(第1燃料排出通路)73が形成されている。そして、圧力変動防止器17および逆止弁19は、電磁弁7の電磁弁室51よりも燃料流方向の下流側と、第1燃料排出経路71内を流れるリターン燃料と第2燃料排出経路72内を流れるリターン燃料との合流部79との間に設置されている。なお、その合流部79よりも燃料流方向の下流側の第1燃料排出経路71は、インジェクタ3のリークポートを介してリターン配管77に接続している。
[変形例]
本実施例では、ディーゼルエンジン等の内燃機関(エンジン)の各気筒毎に対応して搭載される燃料噴射ノズル22のノズルニードル32のリフト量を制御すると共に、燃料噴射ノズル22毎に対応して搭載される増圧器21の増圧ピストン26のリフト量を制御するアクチュエータとして、油圧作動式の2位置3方切替弁6および電磁弁7等によって構成される電磁式油圧制御弁を用いた例を説明したが、第1燃料導入経路61(または第1燃料導入経路63)上に油圧作動式の2位置開閉弁を設置し、第1燃料排出経路71(または第1燃料排出経路73)上に油圧作動式の2位置開閉弁を設置し、これらの2つの2位置開閉弁の各圧力制御室内の燃料圧力の増減制御を1個または複数個の電磁弁によって実施するようにしても良い。
本実施例では、本発明の内燃機関用燃料噴射装置を、コモンレール式燃料噴射システムに組み込まれて、増圧ピストン26を備えた増圧ピストン型燃料噴射装置に適用した例を説明したが、コモンレール2等の蓄圧器または蓄圧配管を持たず、燃料噴射ポンプから燃料供給配管を経由して直接増圧器21または燃料噴射ノズル22に低圧燃料を圧送供給するタイプの増圧ピストン型燃料噴射装置に適用しても良い。また、低圧燃料を吐出する燃料噴射ポンプ(燃料圧送手段)として、列型燃料噴射ポンプや分配型燃料噴射ポンプを用いても良い。
本実施例では、インジェクタ3の内部に、増圧器21のピストン制御室24より流出したリターン燃料流と燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37より流出したリターン燃料流とを合流させて一括して燃料系の低圧側である燃料タンク9に還流させるための第1燃料排出経路(第1リターン通路)71を形成しているが、インジェクタ3の内部に、増圧器21のピストン制御室24より流出したリターン燃料流と、燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37より流出したリターン燃料流とを管路的に分離独立して燃料タンク9に還流させるための第1燃料排出経路(リターン通路、管路、油路)を形成しても良い。
本実施例では、2位置3方切替弁6の切替弁室42の第1連通室から増圧器21のピストン制御室24内および燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37内に燃料を導入する第1燃料導入経路61と、増圧器21のピストン制御室24および燃料噴射ノズル22のノズル背圧室37より流出したリターン燃料を、2位置3方切替弁6の切替弁室42の第2連通室内に流入させる第1燃料排出経路71とを1本の通路(管路、油路)によって構成しているが、第1燃料導入経路61と第1燃料排出経路71とを管路的に分離独立した2本の通路(管路、油路)によって構成ても良い。
増圧ピストン型燃料噴射装置の燃料配管系を示した構成図である(比較例1)。 コモンレール式燃料噴射システムの全体構成を示した構成図である(比較例1)。 (a)、(b)は燃料噴射ノズルの概略構成を示した断面図である(比較例1)。 増圧ピストン型燃料噴射装置の燃料配管系を示した構成図である(実施例)。 圧力変動防止器を示した断面図である(実施例)。 図4の燃料配管系のシミュレーション結果を示したタイミングチャートである(実施例)。 コモンレール式燃料噴射システムの燃料配管系を示した構成図である(実施例)。 図4のインジェクタを図7の燃料配管系に適用した時のシミュレーション結果を示したタイミングチャートである(実施例)。 インジェクタの部分構造を示した断面図である(実施例)。 インジェクタの燃料導入経路と燃料排出経路を示した構成図である(従来の技術)。 図10のリターン配管内の圧力変動波形を示した説明図である(従来の技術)。
1 サプライポンプ(燃料噴射ポンプ)
2 コモンレール
3 インジェクタ(電磁式燃料噴射弁)
6 インジェクタの2位置3方切替弁(油圧作動式の2位置切替弁)
7 インジェクタの電磁弁(電磁式油圧制御弁)
9 燃料タンク(燃料系の低圧側)
17 圧力変動防止器(圧力変動伝達防止手段)
19 逆止弁(圧力変動伝達防止手段)
21 インジェクタの増圧器
22 インジェクタの燃料噴射ノズル
23 増圧器のピストン背圧室
24 増圧器のピストン制御室
25 増圧器の増圧室
26 増圧器の増圧ピストン
31 燃料噴射ノズルの噴射孔
32 燃料噴射ノズルのノズルニードル
33 燃料噴射ノズルのコマンドピストン
34 燃料噴射ノズルのスプリング(ニードル付勢手段)
35 燃料噴射ノズルのノズルハウジング
36 燃料噴射ノズルの燃料溜まり室
37 燃料噴射ノズルのノズル背圧室
38 燃料噴射ノズルの燃料導入通路
39 燃料噴射ノズルの燃料給排通路
41 2位置3方切替弁の圧力制御室
42 2位置3方切替弁の切替弁室
43 2位置3方切替弁のスプール弁(弁体)
44 2位置3方切替弁のスプリング(弁体付勢手段)
51 電磁弁の電磁弁室
53 電磁弁のバルブ(弁体)
54 電磁弁のスプリング(弁体付勢手段)
55 電磁弁のOリング(シール部)
56 電磁弁のソレノイドコイル(弁体駆動手段)
71 第1燃料排出経路(第1リターン通路)
72 第2燃料排出経路(第2リターン通路)
73 第1燃料排出経路(第1リターン通路)
74 第1リターン配管
75 第2リターン配管
76 チェックバルブ
77 リターン配管
92 圧力変動防止器のピストン
95 圧力変動防止器の第1容積可変室
96 圧力変動防止器の第2容積可変室
97 圧力変動防止器のスプリング(ピストン付勢手段)

Claims (6)

  1. (a)燃料噴射ポンプから供給される燃料を増圧する増圧器と、
    (b)この増圧器で昇圧された燃料を内燃機関の気筒に噴射する燃料噴射ノズルと、
    (c)前記増圧器の増圧制御または前記燃料噴射ノズルの開閉制御を行う電磁弁と、
    (d)前記増圧器または前記燃料噴射ノズルより流出した燃料流と前記電磁弁より流出した燃料流とを合流させて一括して燃料系の低圧側に戻すためのリターン配管と、
    (e)前記電磁弁と前記リターン配管との間に設置されて、前記リターン配管内の圧力変動が前記電磁弁に伝わるのを防止するための圧力変動伝達防止手段
    を備えた内燃機関用燃料噴射装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関用燃料噴射装置において、
    前記燃料噴射ポンプより吐出された燃料を前記増圧器または前記燃料噴射ノズルに導入することが可能な第1位置、および前記増圧器または前記燃料噴射ノズルより流出した燃料を前記燃料系の低圧側に戻すことが可能な第2位置を有する油圧作動式の2位置切替弁を備え、
    前記電磁弁は、内部に電磁弁室を有し、且つこの電磁弁室から外部への燃料の漏洩を防止するためのシール部を有し、前記2位置切替弁に作用する燃料の油圧力を増減制御して前記2位置切替弁の位置を切り替えることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関用燃料噴射装置において、
    前記増圧器、前記燃料噴射ノズル、前記電磁弁および前記2位置切替弁を一体的に設けインジェクタを備え、
    前記インジェクタの内部には、前記増圧器または前記燃料噴射ノズルより流出した燃料流を、前記リターン配管を経由して前記燃料系の低圧側に戻すための第1燃料排出経路と、前記電磁弁室より流出した燃料流を、前記リターン配管を経由して前記燃料系の低圧側に戻すための第2燃料排出経路とが形成されていることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
  4. 請求項に記載の内燃機関用燃料噴射装置において、
    前記インジェクタと前記リターン配管との間に設置されて、前記第1燃料排出経路の燃料流方向の下流端に接続する第1リターン配管と、
    前記インジェクタと前記リターン配管との間に設置されて、前記第2燃料排出経路の燃料流方向の下流端に接続する第2リターン配管と、
    前記第1リターン配管の途中に設置されて、前記第1リターン配管内の圧力変動を抑制するチェックバルブとを備え、
    前記第2リターン配管の燃料流方向の下流端を、前記チェックバルブよりも燃料流方向の下流側の前記第1リターン配管または前記リターン配管に接続したことを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
  5. 請求項4に記載の内燃機関用燃料噴射装置において、
    前記圧力変動伝達防止手段は、前記電磁弁室内の圧力上昇を、前記電磁弁のシール部の使用耐圧限界以下に抑える圧力変動防止器を備え、
    前記圧力変動防止器は、内部に前記第2燃料排出経路内の圧力よりも低い圧力が導入される第1容積可変室、前記第2燃料排出経路に連通する第2容積可変室、前記第1容積可変室と前記第2容積可変室との間に設けられたピストン、およびこのピストンを前記第2容積可変室内の容積を小さくする側に付勢するピストン付勢手段を有していることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
  6. 請求項3ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の内燃機関用燃料噴射装置において、
    前記圧力変動伝達防止手段は、前記リターン配管および前記第1燃料排出経路から前記第2燃料排出経路への燃料の逆流を防止するための逆止弁を備えたことを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
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