JP6022986B2 - 燃料供給システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料供給システムに関し、特に燃料タンク内のリザーバカップから燃料ポンプにより燃料供給するとともに余剰燃料を燃料タンク内に戻すリターン通路を有する燃料供給システムに関する。
車両用の内燃機関(以下、エンジンという)においては、エンジンに供給する燃料の流量をエンジンの運転状態に応じて可変制御する燃料供給システムが多用されている。
このような燃料供給システムでは、燃料タンク内のリザーバカップから燃料ポンプにより燃料を汲み上げるとともに、燃料タンク内に還流される余剰燃料を利用してジェットポンプを作動させることにより、リザーバカップ内に燃料を補充するものが多い。
そのような燃料供給システムとして、例えば燃料タンク内のリザーバカップの内部に燃料ポンプとプレッシャレギュレータを配置し、燃料ポンプからプレッシャレギュレータの背圧室へと延びるリターン通路を、リザーバカップ内からリザーバカップ外のジェットポンプまで延長して、燃料ポンプをバイパスするバイパス通路を構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−132843号公報
しかしながら、上述のような従来の燃料供給システムにあっては、内燃機関に供給される燃料の圧力や流量を切り替えるために複数種の燃料ポンプを用いる必要があり、構成が複雑になったりコスト高になったりしてしまうという問題があった。
また、エンジンの運転を停止する際、いわゆるサイフォン現象により、燃料ポンプおよびリターン通路を通してリザーバカップ内の燃料がリザーバカップ外に流出してしまい、エンジンの始動時に、リザーバカップ内の燃料量が不足してしまう可能性があった。なお、ここにいうサイフォン現象とは、燃料ポンプの作動停止時に高液面となっているリザーバカップ内の燃料が、リザーバカップの周壁を乗り越えて、相対的に低液面となっているリザーバカップ外の燃料中に汲み出される現象である。
上述の2つの問題のうち前者に対しては、例えば吐出能力を変化させ得る燃料ポンプと、内燃機関の燃料消費量が少ないときには燃料ポンプから燃料タンク内への燃料の戻りを十分に許容し、燃料消費量が多かったり高燃圧が要求されたりするときには燃料タンク内への燃料の戻りを制限する機能を有する電磁弁等とを設けることで、システム構成の簡素化やコスト低減を図ることも考えられる。
しかし、その場合でも、サイフォン現象によりリザーバカップ内の燃料が燃料ポンプもしくは電磁弁からリザーバカップ外に流出することで、リザーバカップ内の燃料量がエンジン始動時に必要な量より不足してしまう可能性がある。また、サイフォン現象により、電磁弁から未濾過燃料が管路内に流入すると、電磁弁の異物噛み込み不良が発生することが懸念される。さらに、電磁弁から空気が入り、燃料ポンプからジェットポンプまでの管路内燃料抜けが発生すると、内燃機関の始動性が悪化してしまうことが懸念される。
そこで、本発明は、リザーバカップ内の燃料がサイフォン現象により内燃機関の始動性を低下させる程度に大きく低下することを有効に抑制することのできる燃料供給システムを提供するものである。
上記課題を解決するため、本発明に係る燃料供給システムは、(1)燃料タンク内に配置されるリザーバカップと、前記リザーバカップ内に配置された燃料ポンプと、前記燃料ポンプから吐出される燃料を供給方向に案内する燃料供給通路と、前記燃料ポンプから吐出される燃料の一部を前記燃料タンク内に還流させるリターン通路と、前記リターン通路を通る燃料の前記リザーバカップ内への流入を許容する流入口を有するとともに前記リザーバカップ内への燃料の流入量を制御可能な流入制御機構と、を備えた燃料供給システムであって、前記流入制御機構の前記流入口が、前記リザーバカップ内に貯留される燃料の液面変動範囲内で、前記リザーバカップの高液面側に配置されているものである。
この発明では、リザーバカップ内の液面がわずかに低下すると、流入制御機構の流入口がその液面から露出するか空気を吸い込み可能な状態となり、リザーバカップ内の高液面の燃料がリターン通路を通してリザーバカップ外の低液面の燃料中に汲み出されるサイフォン現象が迅速にかつ的確に抑制される。したがって、サイフォン現象によってリザーバカップ内の燃料が内燃機関の始動性を低下させる程度に大きく低下することが有効に抑制されることになる。なお、ここにいう液面変動範囲は、リザーバカップの内底面近傍の最低液面高さからリザーバカップの周壁の上端近傍の最高液面高さまでの範囲である。
本発明の燃料供給システムにおいては、(2)前記流入制御機構の前記流入口が、前記燃料ポンプの吐出口の高さに対して前記リザーバカップの周壁の上端側に配置されていてもよい。
この場合、流入制御機構の前記流入口は、燃料ポンプの吐出口の高さよりリザーバカップの周壁の上端側に位置することになる。したがって、流入制御機構や燃料ポンプを通したサイフォン現象が有効に抑制される。
本発明の燃料供給システムにおいては、(3)前記燃料ポンプの前記吐出口が、前記リザーバカップの前記周壁の上端より低い位置に配置されており、前記流入制御機構の前記流入口が、前記燃料ポンプの前記吐出口より高い位置に配置されていてもよい。
この場合、流入制御機構の前記流入口が燃料ポンプの吐出口より高い位置に配置されることで、流入制御機構や燃料ポンプを通したサイフォン現象が有効に抑制される。
本発明の燃料供給システムにおいては、(4)前記燃料ポンプの前記吐出口が、前記リザーバカップの前記周壁の上端より高い位置に配置されており、前記流入制御機構の前記流入口が、前記リザーバカップの前記周壁の上端の高さ位置に配置されていてもよい。
この場合、流入制御機構の前記流入口がリザーバカップの周壁の上端の高さ位置に配置されることで、流入制御機構や燃料ポンプを通したサイフォン現象が有効に抑制される。
本発明の燃料供給システムにおいては、(5)前記燃料ポンプの前記吐出口および前記流入制御機構の前記流入口が、それぞれ前記リザーバカップの前記周壁の上端の高さ位置に配置されていてもよい。
この場合、燃料ポンプの吐出口および流入制御機構の流入口がリザーバカップの周壁の上端の高さ位置に配置されることで、燃料ポンプや流入制御機構を通したサイフォン現象が共に有効に抑制されることになる。
本発明の燃料供給システムにおいては、(6)前記リターン通路のうち前記燃料ポンプから前記流入制御機構までの上流側リターン通路区間内に位置するよう、前記燃料ポンプ側から前記流入制御機構側への燃料の流れを許容し、前記流入制御機構側から前記燃料ポンプ側への燃料の流れを制限する一方向弁を配置してもよい。
この場合、流入制御機構側の燃料通路内に空気が入っても、一方向弁から燃料ポンプ側や燃料供給通路側に空気が侵入することが容易かつ確実に防止可能となる。
本発明の燃料供給システムにおいては、(7)前記流入制御機構は、前記リターン通路を通る燃料の前記リザーバカップ内への流入を許容する開弁状態および前記リターン通路を通る燃料の前記リザーバカップ内への流入を制限する閉弁状態に切替え可能な電磁弁を含んで構成されていてもよい。
この構成により、低燃料消費量時に電磁弁を開弁させる一方、高燃料消費量時に電磁弁を閉弁させることで、燃料ポンプの吐出能力の可変制御幅を抑えながらも、燃料供給圧や燃料供給量の可変制御幅を容易に拡大できる。
本発明によれば、リザーバカップ内の液面がわずかに低下すると流入制御機構の流入口が空気を吸い込み得るようにしているので、リザーバカップ内の燃料がサイフォン現象により内燃機関の始動性を低下させる程度に大きく低下することを有効に抑制することのできる燃料供給システムを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る燃料供給システムの概略の全体構成図である。 本発明の第1実施形態に係る燃料供給システムの要部構成図である。 本発明の第2実施形態に係る燃料供給システムの要部構成図である。 本発明の第3実施形態に係る燃料供給システムの要部構成図である。 本発明の第4実施形態に係る燃料供給システムの要部構成図である。 本発明の第5実施形態に係る燃料供給システムの要部構成図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る燃料供給システムを示しており、本発明を内燃機関の燃料供給システムに適用した実施の形態を示している。
まず、その燃料供給システムの構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態の燃料供給システムは、多気筒内燃機関であるエンジン10(燃料消費部)に対してポート噴射用の低圧側燃料を供給する第1燃料供給機構20と、第1燃料供給機構20からの供給燃料を加圧して筒内噴射用の高圧側燃料を供給する第2燃料供給機構30と、エンジン10の作動状態に応じて低圧側燃料の供給圧力を可変制御する燃圧可変機構40と、を備えている。
エンジン10は、自動車に搭載される多気筒の内燃機関、例えば直列4気筒の4サイクルガソリンエンジンである。このエンジン10は、通常は、各気筒11内において燃料、例えばガソリンを消費しつつ図示しないクランク軸から回転動力を出力する燃料消費状態で作動する。また、エンジン10は、減速時やエンジンブレーキ時等において一時的に燃料をほとんど消費しないでクランク軸を回転させる燃料カット状態で作動したり、アイドル運転時等に低燃料消費量で作動したりできるようになっている。
エンジン10の各気筒11にはピストン12が収納され、燃焼室13が画成されるとともに、吸気弁14および図示しない排気弁がそれぞれ所定のタイミングで開閉できるように装着されている。また、エンジン10には、複数の気筒11に対応する複数の点火プラグ15がそれぞれ対応する燃焼室13内に露出するように設けられており、これら点火プラグ15を点火駆動する図外の点火駆動装置や、スロットル開度を可変制御する図示しない電子制御スロットルモータ等が装備されている。
第1燃料供給機構20は、燃料タンク21、フィードポンプ22(燃料ポンプ)、リリーフ弁23、電磁流量制御弁24、低圧燃料配管25、低圧側のデリバリーパイプ26、複数のポート噴射用のインジェクタ27(低圧燃料噴射弁)、リザーバカップ28およびジェットポンプ29を含んで構成されている。
燃料タンク21は、その内方にリザーバカップ28を配置した所定容積のもので、外部から燃料を補給できるようになっている。この燃料タンク21においては、その内底面21dから所定の最高液面高さまでの範囲内における燃料収容領域が、リザーバカップ28内の小容積領域R1とリザーバカップ28外の大容積領域R2とに区画されている。
フィードポンプ22は、燃料タンク21内の燃料を汲み上げて所定のフィード燃圧以上に加圧することができる吐出能力(吐出圧および吐出量)可変タイプのもので、例えば円周流ポンプで構成されている。このフィードポンプ22は、詳細を図示しないが、ポンプ作動用の羽根車と、そのポンプ作動部分を駆動する内蔵モータとを有している。また、フィードポンプ22は、例えばその内蔵モータの駆動電圧と負荷トルクとに応じてポンプ作動用の羽根車の回転速度および回転トルクのうち少なくとも一方を変化させることで、単位時間当りの吐出能力、すなわち吐出圧や吐出量を変化させることができるようになっている。また、フィードポンプ22には、吸入燃料中の異物を捕捉するサクションフィルタ部分と吐出燃料中の異物を捕捉するフューエルフィルタ部分とを結合させた結合フィルタ22fが装着されている。
リリーフ弁23は、フィードポンプ22から低圧燃料配管25内に吐出される燃料の圧力が予め設定された設定上限圧力に達するまでに上昇したときに開弁し、その燃圧を設定上限圧力以下に制限する安全弁機能を有する圧力制御弁である。ここにいう設定上限圧力とは、この設定上限圧力を超える燃圧になると例えばポート噴射用のインジェクタ27からの燃料漏れを誘発し易くなる程度に高い燃圧である。
図2に示すように、リリーフ弁23は、例えば低圧燃料配管25側からの燃料の排出口(詳細図示せず)を閉止するリリーフ弁体23aおよび弁座23bと、このリリーフ弁体23aを常時閉弁方向に付勢する弁ばね23cとを有しているが、リリーフ弁23のこのような構造自体は、燃料圧力の制限に利用可能な従来の任意のリリーフ弁構造とすることができる。
電磁流量制御弁24は、低圧燃料配管25内(特に後述するリターン通路P2内)を通る燃料が燃料タンク21のリザーバカップ28内に流入するのを許容する開弁状態と、低圧燃料配管25内からリザーバカップ28内への燃料の流入を制限する閉弁状態とに切替え可能な電磁弁である。この電磁流量制御弁24は、エンジン10のアイドル運転時等のように燃料消費量が所定量より少量であるときに非励磁状態となり、余剰の燃料を燃料タンク21内に戻すことができるようになっている。
具体的には、図2に示すように、電磁流量制御弁24は、少なくとも一部に磁性体を含む弁体24vと、この弁体24vを軸方向に可動な状態で保持するとともに低圧燃料配管25側からの燃料をリザーバカップ28内に流入させることができる流入口24aを形成している保持筒部24bとを有している。また、電磁流量制御弁24は、通電により励磁されたとき保持筒部24b内の弁体24vを図2中の上方側である軸方向一方側に付勢することができる電磁コイル24cと、弁体24vが電磁コイル24cにより軸方向一方側に付勢されたとき弁体24vが着座可能な弁座24sとを有している。
そして、電磁流量制御弁24は、電磁コイル24cが励磁されることによって弁体24vが弁座24sに着座したとき、低圧燃料配管25内からリザーバカップ28内への燃料の流入を実質的に阻止する閉弁状態となる。また、電磁流量制御弁24は、電磁コイル24cが非励磁状態となって弁体24vがその弁座24sから離脱したとき、低圧燃料配管25内からリザーバカップ28内へ流入口24aを通して燃料が流入を許容する開弁状態となる。なお、弁体24vは、電磁流量制御弁24の開弁時に保持筒部24bの流入口24aを閉止することなく保持筒部24bの一部に突き当たるようになっている。
このように、電磁流量制御弁24は、低圧燃料配管25内を通る燃料のリザーバカップ28内への流入を許容する流入口24aを有しており、リザーバカップ28内への燃料の流入量を制御可能な流入制御機構を構成している。
この電磁流量制御弁24の流入口24aは、リザーバカップ28内に貯留される燃料の液面変動範囲内でリザーバカップ28の高液面側に、例えばフィードポンプ22の吐出口22aの高さH2(高さ方向の位置)に対してわずかにリザーバカップ28の周壁28eの上端の高さH1(高さ方向の位置)側に配置されている。ここにいう液面変動範囲は、リザーバカップ28の内底面28dの近傍に位置する最低液面高さから、リザーバカップ28の周壁28eの上端の高さH1の近傍に位置する最高液面高さまでの範囲であり、液面変動や表面張力等をも考慮して設定することができる。
なお、本実施形態では、フィードポンプ22の吐出口22aが、リザーバカップ28の周壁28eの上端の高さH1より低い高さH2付近に配置されているので、電磁流量制御弁24の流入口24aがフィードポンプ22の吐出口22aより高い位置に配置されている。しかし、フィードポンプ22の吐出口22aがリザーバカップ28の周壁28eの上端の高さH1に近ければ、フィードポンプ22の吐出口22aより低い高さ位置に配置されてもよい。
低圧燃料配管25は、フィードポンプ22からの供給燃料を低圧側のデリバリーパイプ26に供給できるようになっている。この低圧燃料配管25は、フィードポンプ22から低圧側のデリバリーパイプ26への燃料供給通路P1を形成する供給配管部25aと、フィードポンプ22から燃料タンク21内へのリターン通路P2を形成するリターン配管部25bと、によって構成されている。
ここで、燃料供給通路P1は、フィードポンプ22から吐出される燃料を予め設定された供給方向に案内することで、低圧側のデリバリーパイプ26内に流入させることができる。また、リターン通路P2は、燃料供給通路P1から分岐して燃料タンク21の内底部側に戻るように方向付けられており、フィードポンプ22から吐出される燃料の一部を燃料タンク21内に還流させることができるようになっている。さらに、リターン通路P2は、電磁流量制御弁24に接続しつつフィードポンプ22からリザーバカップ28外に延びる第1リターン通路部P2aと、第1リターン通路部P2aから分岐しつつ流入口24aを形成するよう電磁流量制御弁24からリザーバカップ28内に向かって開口する第2リターン通路部P2bとを有している。
低圧側のデリバリーパイプ26は、フィードポンプ22によって加圧された燃料を低圧燃料配管25を通し導入するとともに所定量の燃料を貯留する金属製のもので、その燃料の圧力に応じて撓むことにより燃圧の脈動を吸収する機能と、ポート噴射用のインジェクタ27からのポート噴射に必要な燃圧を蓄圧する機能とを併有している。
複数のポート噴射用のインジェクタ27は、エンジン10の複数の気筒11に対応する吸気枝管部に設けられており、それぞれの噴孔部を各気筒11に対応する吸気ポート11a内に露出させている。また、複数のインジェクタ27は、それぞれ低圧側のデリバリーパイプ26に配管接続されるとともに、ECU42からのポート噴射駆動信号により開弁するようECU42側の図示しないドライバ回路に配線接続されている。そして、複数のインジェクタ27がポート噴射駆動信号により順次噴射駆動されるとき、デリバリーパイプ26内に蓄圧・貯留されている燃料が、開弁したいずれかインジェクタ27から吸気ポート11a内に噴射されるようになっている。
リザーバカップ28は、燃料タンク21の内方で、鉛直上方側を開放させる凹状をなしており、その内底面28dを取り囲むように、周壁28eが燃料タンク21の高さH1まで上方に延びつつ周方向に連続して形成されている。なお、燃料タンク21は、その底壁形状によってリザーバカップに対応するサブタンクとその外部のタンク部分とに区分される鞍型その他のものでもよい。すなわち、リザーバカップ28は、燃料タンク21の底壁部分を凹凸にして形成したサブタンクによって構成されてもよい。また、リザーバカップ28内に配置されるフィードポンプ22は、結合フィルタ22fを介してリザーバカップ28の内底面28d上に支持されているが、周壁28eによって支持されてもよい。
ジェットポンプ29は、低圧燃料配管25のリターン配管部25bの先端に設けられたノズル部25nを、燃料タンク21の底部外周に開口しつつ燃料タンク21の内壁上部側に延びるポンプ通路28b内に挿入したものである。このジェットポンプ29は、低圧燃料配管25内にフィード圧で圧送される燃料をリターン配管部25bのノズル部25nからポンプ通路28bの絞り部28c内に噴射させることで、絞り部28cの上流側の燃料を下流側に引き込むように付勢し、リザーバカップ28内に流入させるようになっている。また、ジェットポンプ29は、エンジン10で遂次消費される燃料消費量分だけリザーバカップ28内に燃料を導入できるように構成されている。
ここで、リザーバカップ28に形成されたポンプ通路28bは、リザーバカップ28の内底面28dから周壁28eの上端の高さH1よりわずかに低い高さH2の位置でリザーバカップ28内に開口している。この高さH2は、例えばフィードポンプ22の吐出口22aの開口高さと略同一の高さである。
第2燃料供給機構30は、プランジャ型の燃料加圧ポンプ31、電磁スピル型の吸入制御弁32、高圧燃料配管35、高圧側のデリバリーパイプ36、および、複数の筒内噴射用のインジェクタ37(高圧燃料噴射弁)を含んで構成されている。
燃料加圧ポンプ31は、図示しないプランジャを往復動させて燃料加圧室の容積を変化させることにより、フィードポンプ22で加圧された燃料を高圧燃料配管35を通して燃料加圧室内に吸入するとともに、吸入した燃料を吸入制御弁32の閉弁状態下で加圧して、気筒内直接燃料噴射が可能な程度の高圧で吐出できるようになっている。
吸入制御弁32は、燃料加圧ポンプ31の燃料加圧動作を可能にするよう選択的に励磁駆動され、燃料加圧ポンプ31の燃料加圧室の容積増加期間中に開弁するとともに、燃料加圧ポンプ31の燃料加圧室の容積減少期間中に吐出量(吐出燃料流量)に応じた必要期間だけ閉弁することができる。また、吸入制御弁32は、燃料加圧ポンプ31の燃料加圧動作を不能にするよう、その開弁状態を保持することができるようになっている。
高圧側のデリバリーパイプ36は、燃料加圧ポンプ31により高圧に加圧された燃料を導入して貯留する高剛性の金属製のもので、気筒内直接燃料噴射に必要な高圧の燃料を蓄圧・貯留する機能を有している。
複数の筒内噴射用のインジェクタ37は、それぞれ高圧側のデリバリーパイプ36に配管接続されるとともに、ECU42からの筒内噴射駆動信号により開弁するようECU42側の図示しないドライバ回路に配線接続されている。これらインジェクタ37は、それぞれその開弁時に高圧側のデリバリーパイプ36内に蓄圧・貯留された高圧燃料を筒内噴射駆動信号による所定時間毎の開弁時間比率(デューティ比)に応じて、対応する気筒11内に噴射するようになっている。
なお、燃料加圧ポンプ31は、エンジン10の図示しないクランク軸からの回転動力により駆動されるようになっている。また、電磁スピル型の吸入制御弁32は、例えば非通電時に常時開弁状態となる常開型のものである。
燃圧可変機構40は、第1燃料供給機構20のフィードポンプ22の作動を制御することでシステム供給燃圧を制御することができる燃圧制御回路(図1中にはFPCと記す)41と、燃圧制御回路41を介してフィードポンプ22の吐出能力を可変制御することができるECU42とによって構成されている。この燃圧可変機構40は、車両およびエンジン10の運転状態とドライバからの要求操作入力等に基づいて、フィードポンプ22の吐出能力を可変制御する機能を発揮するようになっている。
燃圧制御回路41は、ECU42からの要求燃圧Pcに応じてフィードポンプ22の駆動電圧を制御することにより、フィードポンプ22の吐出能力(吐出量および吐出圧)を可変制御して、低圧側のデリバリーパイプ26内の燃圧をECU42からの要求燃圧Pcに追従させることができるようになっている。なお、ECU42からの要求燃圧Pcは、車両およびエンジン10の運転状態とドライバからの要求操作入力等に基づいて、ECU42によって算出される。また、低圧側のデリバリーパイプ26内の実燃圧は、低圧側の燃圧センサ65によって検出され、その検知情報がECU42に取り込まれるようになっている。
ECU42は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびバックアップメモリ(例えば、不揮発性メモリまたはバッテリによりバックアップされるRAM)を含んで構成されており、さらに、入力インターフェース回路および出力インターフェース回路等を含んで構成されている。
ECU42の入力インターフェース回路には、図外のイグニッションスイッチのON/OFF信号が取り込まれるとともに、各種センサ群からのセンサ情報がA/D変換器等を含む入力インターフェース回路を通して取り込まれるようになっている。ECU42の出力インターフェース回路には、図示しないドライバ回路を介してポート噴射用および筒内噴射用のインジェクタ27、37や吸入制御弁32の電磁駆動部(図示せず)が配線接続されるとともに、燃圧制御回路41や電子スロットルモータ、前述の点火装置等が接続されている。
ECU42の入力インターフェース回路に接続される各種センサ群とは、例えばアクセル開度センサ61、エアフローメータ62、クランク角センサ63、水温センサ64および低圧側の燃圧センサ65であるが、その他に、吸気温度センサ、スロットル開度センサ、空燃比センサ、酸素センサ、吸気用カム角センサ、排気用カム角センサ、高圧燃圧センサ等が含まれ得る。
燃圧可変機構40のECU42は、ROM内に格納された制御プログラムを実行することで、公知の電子スロットル制御、燃料噴射量制御、点火時期制御、燃料カット制御等を実行することができる。例えば、ECU42は、エアフローメータ62により検出される吸入空気量とクランク角センサ63により検出されるエンジン回転数とに基づいて燃焼毎に必要な基本噴射量を算出し、さらに、エンジン10の運転状態に応じた各種補正や空燃比フィードバック補正等を施した燃料噴射量を算出する。そして、燃圧可変機構40は、その燃料噴射量に対応する燃料噴射時間だけ対応するインジェクタ27、37を開弁駆動することができる。
また、ECU42は、エンジン10の運転状態に応じて目標燃圧を設定し、例えばエンジン10の冷却水温が所定温度以上の高温となっている状態でエンジン10が始動される高温再始動時や、燃料カット状態から燃料消費状態である通常運転状態への復帰時等に、目標燃圧を特定の高燃圧に設定するようになっている。
一方、ECU42は、例えばエンジン10が専ら部分負荷運転となるモード域にあるときには、そのモード域でのエンジン10の発熱等によって燃料供給経路中に燃料ベーパが生じ難いように、低圧の目標燃圧を設定するようになっている。この低圧側の目標燃圧が設定されるときのフィードポンプ22の駆動電圧は、フィードポンプ22の内部に結合フィルタ22fを通る程度の異物が吸入されたとしても、それによってフィードポンプ22のポンプ作動用の羽根車がロックされない程度に十分な回転トルクを発生させ得るものとなるようになっている。
ECU42は、エンジン10の運転期間中またはイグニッションONの状態下で、所定時間毎に、このような目標燃圧をエンジン10の運転状態やドライバからの加速要求やシフト操作その他の要求操作入力等に応じて設定し、その設定圧値を要求燃圧Pcとして燃圧制御回路41に出力するようになっている。
このECU42からの要求燃圧Pcを入力する燃圧制御回路41は、入力した要求燃圧Pcと燃圧センサ65によって検出されるデリバリーパイプ26内の実燃圧とが一致するように、それらの燃圧間の偏差に応じてフィードポンプ22の駆動電圧を制御する。そして、燃圧制御回路41からの駆動電圧の変化に応じて、フィードポンプ22のポンプ作動用の羽根車の回転速度や回転トルク(勿論、速度とトルクの双方でもよい)が変化し、フィードポンプ22の吐出能力が変化することで、低圧側のデリバリーパイプ26内の燃圧が要求燃圧Pcに追従する方向に変化する。
なお、燃圧制御回路41には、フィードポンプ22の内蔵モータの端子電圧を検出する電圧検出部や、フィードポンプ22の内蔵モータに流れる電流を検出する電流検出部が設けられている。そして、燃圧制御回路41は、ECU42からの要求燃圧Pcと燃圧センサ65により検出される実燃圧との偏差に応じて、フィードポンプ22の内蔵モータに印加する電圧を制御したり、異常診断のためのフィードポンプ22の内蔵モータの作動状態に応じた診断用信号(図1中のDiag信号)をECU42に供給したりすることができるようになっている。この燃圧制御回路41には、バッテリからの電源供給がなされるとともに、ECU42が通信可能に接続されている。また、燃圧制御回路41には、フィードポンプ22の内蔵モータに印加する電圧またはフィードポンプ22の内蔵モータへの供給エネルギを可変制御するための図示しないスイッチング素子等が内蔵されている。
次に、作用について説明する。
上述のように構成された本実施形態においては、第1燃料供給機構20のフィードポンプ22によってリザーバカップ28内の燃料が汲み上げられて、フィード圧に加圧された燃料が吐出口22aから吐出される。そして、フィードポンプ22から吐出された燃料は、低圧燃料配管25の供給配管部25aを通して低圧側のデリバリーパイプ26に供給されるとともに、第2燃料供給機構30にも供給される。
このとき、第1燃料供給機構20では、フィードポンプ22によりフィード圧に加圧された燃料が低圧側のデリバリーパイプ26内に蓄圧・貯留され、いずれかのインジェクタ27が噴射駆動されて開弁するとき、そのインジェクタ27から対応する吸気ポート11a内に燃料が噴射される。
また、第2燃料供給機構30では、ECU42により吸入制御弁32が適時に閉弁状態にされることで、プランジャ型の燃料加圧ポンプ31によって高圧に加圧された燃料が高圧側のデリバリーパイプ36に必要量だけ導入されるとともに、高圧側のデリバリーパイプ36内の高燃圧が所定値に制御される。そして、いずれかのインジェクタ37が噴射駆動されて開弁するとき、そのインジェクタ37から対応する気筒11内に高圧の燃料が直接に噴射される。
さらに、エンジン10のアイドル運転時等のように燃料消費量が所定量より少量であるときには、電磁流量制御弁24が非励磁・開弁状態にされ、フィードポンプ22から吐出される燃料のうち比較的多量(高比率)の余剰の燃料が、低圧燃料配管25のリターン配管部25bを通してジェットポンプ29側に供給されるとともに、電磁流量制御弁24を通して燃料タンク21内にも流入するように、還流される。
この状態においては、電磁流量制御弁24を通して燃料タンク21内にも流入する燃料の流入量が多くなり、ジェットポンプ29によるリザーバカップ28内への燃料の汲み上げ量は少なくなる。したがって、エンジン10の低燃料消費量時にジェットポンプ29によるリザーバカップ28内への燃料の補給量が、フィードポンプ22の比較的少量の燃料吐出量よりさらに少量に抑えられる。
一方、エンジン10の高負荷運転時等のように燃料消費量が多量であるときには、電磁流量制御弁24が励磁されて閉弁状態にされ、フィードポンプ22から吐出される燃料のうち低比率の余剰の燃料が、ジェットポンプ29にのみ供給される還流状態となる。したがって、エンジン10の高燃料消費量時にジェットポンプ29によるリザーバカップ28内への燃料の補給量が、フィードポンプ22の比較的多量の燃料吐出量に応じて十分に増加する。
このように、エンジン10の運転中、エンジン10に要求される運転状態に応じて、リザーバカップ28内でのフィードポンプ22による燃料の汲み上げがなされる一方で、電磁流量制御弁24およびジェットポンプ29の作動によりリザーバカップ28内に燃料が流入する。したがって、リザーバカップ28内の燃料の液面L1は、リザーバカップ28の周壁28eの上端の高さH1付近に維持される。
エンジン10が停止されるときには、フィードポンプ22の作動が停止されてエンジン10への燃料供給が停止されるとともに、電磁流量制御弁24の通電による励磁状態が解かれて電磁流量制御弁24が開弁状態となる。
このエンジン10の停止に際しては、リターン通路P2内の燃料がまだ還流方向に移動しているので、リザーバカップ28内の高液面L1の燃料がリターン通路P2を通してリザーバカップ28外の低液面L2の燃料中に汲み出されるサイフォン現象が発生し得る。
しかし、サイフォン現象が発生してリザーバカップ28内の燃料の液面L1がわずかに低下すると、電磁流量制御弁24の流入口24aがその液面L1から露出するか、空気を吸い込み可能な状態となるので、リザーバカップ28内の燃料がリザーバカップ28外に汲み出されるサイフォン現象が迅速にかつ的確に抑制される。その結果、サイフォン現象によってリザーバカップ28内の燃料がエンジン10の始動性を低下させる程度に大きく低下することが有効に抑制され、エンジン10の始動時にリザーバカップ28内の燃料量が不足してしまうことが防止できることとなる。
特に、本実施形態では、電磁流量制御弁24の流入口24aがフィードポンプ22の吐出口22aより上側となるリザーバカップ28の周壁28eの上端側に位置するので、フィードポンプ22や電磁流量制御弁24を通したサイフォン現象が有効に抑制される。
しかも、電磁流量制御弁24に空気が入るまで未濾過燃料が電磁弁内に流入してしまうが、リザーバカップ28の周壁28eの上端の高さH1付近に配置した電磁流量制御弁24の内方に未濾過燃料が流入し続けることが非常に早期に抑制されることとなる。したがって、未濾過燃料が電磁流量制御弁24から低圧燃料配管25内に流入することによって電磁流量制御弁24に異物噛み込み不良が発生することが、有効に抑制される。
また、本実施形態では、エンジン10の低燃料消費量時には電磁流量制御弁24を開弁させる一方、エンジン10の高燃料消費量時には電磁流量制御弁24を閉弁させるので、フィードポンプ22の吐出能力の可変制御幅を抑えながらも、燃料供給システムとしての燃料供給圧や燃料供給量の可変制御幅を容易にかつ十分に拡大することができる。
このように、本実施形態においては、リザーバカップ28内の液面がわずかに低下すると電磁流量制御弁24の流入口24aが空気を吸い込み得るようにしているので、エンジン10の停止時に電磁流量制御弁24が開弁しても、サイフォン現象によりリザーバカップ28内の燃料がリザーバカップ28外に流出するのを防止することができる。よって、サイフォン現象によりリザーバカップ28内の燃料がエンジン10の始動性を低下させる程度に大きく低下することを有効に抑制することのできる燃料供給システムを提供することができる。
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態に係る燃料供給システムの要部構成を示している。
なお、以下に説明する各実施形態は、上述の第1実施形態と類似する全体構成を有するので、第1実施形態と同一または類似する構成については図1および図2に示した対応する構成要素の符号を用い、以下、第1実施形態との相違点について説明する。
本実施形態においては、リターン通路P2のうちフィードポンプ22から電磁流量制御弁24までの上流側リターン通路区間P2u内に位置するよう、フィードポンプ22側から電磁流量制御弁24側への燃料の流れを許容し、電磁流量制御弁24側からフィードポンプ22側への燃料の流れを制限するチェック弁51(一方向弁)が配置されている。このチェック弁51は、例えば非常に小さい所定の前後差圧分だけフィードポンプ22側が高圧になると開弁し得るが、電磁流量制御弁24の流入口24aから空気が吸い込まれてもチェック弁51の閉弁状態を保持して、チェック弁51よりフィードポンプ22側の燃料供給通路P1内に空気が入ることを阻止できるものである。
具体的には、チェック弁51は、例えば球状の弁体51v、円錐状の弁座51sおよび弁ばね51cを有しており、球状の弁体51vが弁ばね51cによって弁座51sに付勢されている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態においても、リザーバカップ28内の液面L1がわずかに低下すると電磁流量制御弁24の流入口24aが露出するか空気を吸い込み得るようになるので、サイフォン現象によりリザーバカップ28内の燃料がリザーバカップ28外に流出するのを防止することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態においては、電磁流量制御弁24側の第2リターン通路部P2b内に空気が入っても、電磁流量制御弁24からフィードポンプ22側や燃料供給通路P1側に空気が侵入することが、容易かつ確実に防止可能となる。よって、フィードポンプ22からジェットポンプ29までのリターン配管部25b内の燃料抜けによりエンジン10の始動性が悪化することを防止できる。
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態に係る燃料供給システムの要部構成を示している。
本実施形態においては、フィードポンプ22の吐出口22aが、リザーバカップ28の周壁28eの上端の高さH1よりさらに高い高さH3(高さ方向の位置)に配置されている。そして、電磁流量制御弁24の流入口24aは、リザーバカップ28内に貯留される燃料の液面変動範囲内で、高液面側であるリザーバカップ28の周壁28eの上端の高さH1か、そのごく近傍に配置されている。
本実施形態においても、リザーバカップ28内の液面L1がわずかに低下すると電磁流量制御弁24の流入口24aが露出するか空気を吸い込み得るようになるので、サイフォン現象によりリザーバカップ28内の燃料がリザーバカップ28外に流出するのを防止することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態においては、電磁流量制御弁24の流入口24aがリザーバカップ28の周壁28eの上端の高さH1に配置されることで、電磁流量制御弁24を通してリザーバカップ28外に燃料を流出させるサイフォン現象や、フィードポンプ22を通してリザーバカップ28外に燃料を流出させるサイフォン現象が有効に抑制される。
(第4実施形態)
図5は、本発明の第4実施形態に係る燃料供給システムの要部構成を示している。
本実施形態においては、フィードポンプ22の吐出口22aおよび電磁流量制御弁24の流入口24aが、それぞれ、リザーバカップ28内に貯留される燃料の液面変動範囲内で高液面側であるリザーバカップ28の周壁28eの上端の高さH1に配置されている。
したがって、本実施形態においても、リザーバカップ28内の液面L1がわずかに低下すると電磁流量制御弁24の流入口24aが露出するか空気を吸い込み得るようになり、サイフォン現象によりリザーバカップ28内の燃料がリザーバカップ28外に流出するのを防止することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、フィードポンプ22の吐出口22aおよび電磁流量制御弁24の流入口24aがリザーバカップ28の周壁28eの上端の高さH1に配置されるので、フィードポンプ22や電磁流量制御弁24を通したサイフォン現象がより有効に抑制されることになる。
(第5実施形態)
図6は、本発明の第5実施形態に係る燃料供給システムの要部構成を示している。
上述の各実施形態では、電磁流量制御弁24の流入口24aが電磁流量制御弁24の下端、すなわち、第2リターン通路部P2bの下流端に配置されていたが、本発明にいう電磁弁や流量制御弁の流入口は、図6中に示すように、第2リターン通路部P2bの下流端でなく、第2リターン通路部P2bの途中に燃料および空気を通すことができる横穴状の流出口24aとして形成されてもよい。また、図6に示すように、複数の流入口24aが同一または異なる高さ位置に形成されてもよい。
この場合、本発明にいう流入口の高さ位置は、最も上側に位置し空気の導入によるサイフォン現象の抑制に寄与する横穴形状の流入口24aの中心高さとなり、それより下流側の配管等は、リザーバカップ28内に流入する燃料の投入位置を液面L1から離れた液中にする機能を有することとなる。したがって、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上述の各実施形態においては、リターン通路P2を通る燃料のリザーバカップ28内への流入を許容するとともにリザーバカップ28内への燃料の流入量を制御可能な流入制御機構として、電磁流量制御弁24を備えるものとしたが、本発明にいう流入制御機構は、電磁弁や流量制御弁に限定されるものではない。
また、流入制御機構は、弁以外のもの、例えば流下燃料を利用して燃料を上方に汲み上げるジェットポンプであってもよい。その場合、リターン通路P2がジェットポンプ内に向かって開放され、ジェットポンプからリザーバカップ28の外部の燃料中に及ぶ配管が燃料の汲み上げ用の配管となってもよい。本発明にいう流入制御機構は、あるいは、電磁流量制御弁24に代えて絞り孔付きの分岐管で構成することも考えられるが、常時燃料の漏れが生じるものとなるため、流量制御機能を高めるのが望ましい。
また、図1ないし図5中では、低圧側のデリバリーパイプ26への燃料供給通路P1を形成する低圧燃料配管25の供給配管部25aや、フィードポンプ22から燃料タンク21内へのリターン通路P2を形成する低圧燃料配管25のリターン配管部25bをそれぞれパイプ状に図示している。しかし、これら供給配管部25aやリターン配管部25bをリザーバカップ28やその収納容器等に一体に形成してもよいことはいうまでもない。
さらに、上述の各実施形態では、電磁流量制御弁24は、ポンプ非作動時に非通電状態で閉弁するようにしてもよく、それによって電磁流量制御弁24からの未濾過燃料の流入を防止することも可能である。しかし、電磁弁を開弁させて余剰燃料をリターンさせる条件は、エンジン10の燃料消費量が少ないときでも発生頻度が高いので、通電して開弁状態にする設定では、電力消費が増加してしまう。
本発明の燃料供給システムは、内燃機関以外の燃料消費部にその燃料となる液体を供給する場合にも適用可能である。
以上説明したように、本発明に係る燃料供給システムは、リザーバカップ内の液面がわずかに低下すると流入制御機構の流入口が空気を吸い込み得るようにしているので、リザーバカップ内の燃料がサイフォン現象により内燃機関の始動性を低下させる程度に大きく低下することを有効に抑制することのできる燃料供給システムを提供することができる。このような本発明は、燃料タンク内のリザーバカップから燃料ポンプにより燃料供給するとともに余剰燃料を燃料タンク内に戻すリターン通路を有する燃料供給システム全般に有用である。
10…エンジン(内燃機関)、11…気筒、11a…吸気ポート、20…第1燃料供給機構、21…燃料タンク、22…フィードポンプ(燃料ポンプ)、22a…吐出口、23…リリーフ弁、24…電磁流量制御弁(流入制御機構)、24a…流入口、25…低圧燃料配管、25a…供給配管部、25b…リターン配管部、25n…ノズル部、26…デリバリーパイプ(低圧側のデリバリーパイプ)、27…インジェクタ(ポート噴射用のインジェクタ、低圧燃料噴射弁)、28…リザーバカップ、28b…ポンプ通路、28d…内底面、28e…周壁、29…ジェットポンプ、30…第2燃料供給機構、31…燃料加圧ポンプ、32…吸入制御弁、35…高圧燃料配管、36…デリバリーパイプ(高圧側のデリバリーパイプ)、37…インジェクタ(筒内噴射用のインジェクタ、高圧燃料噴射弁)、40…燃圧可変機構、41…燃圧制御回路、42…ECU(電子制御ユニット)、51…チェック弁(一方向弁)、H1…高さ(リザーバカップの上端の位置、高さ方向の位置)、H2…高さ(吐出口の高さ、高さ方向の位置)、H3…高さ(吐出口の高さ、高さ方向の位置)、L1…液面(リザーバカップ内の液面、高液面)、L2…液面(リザーバカップ外の液面、低液面)、P1…燃料供給通路、P2…リターン通路、P2a…第1リターン通路部、P2b…第2リターン通路部、P2u…上流側リターン通路区間、R1…小容積領域、R2…大容積領域

Claims (7)

  1. 燃料タンク内に配置されるリザーバカップと、前記リザーバカップ内に配置された燃料ポンプと、前記燃料ポンプから吐出される燃料を供給方向に案内する燃料供給通路と、前記燃料ポンプから吐出される燃料の一部を前記燃料タンク内に還流させるリターン通路と、前記リターン通路を通る燃料の前記リザーバカップ内への流入を許容する流入口を有するとともに前記リザーバカップ内への燃料の流入量を制御可能な流入制御機構と、を備えた燃料供給システムであって、
    前記燃料タンク内への前記リターン通路の出口が、前記リザーバカップの外部であって前記リザーバカップの液面変動範囲の低液面側に配置される一方、
    前記燃料ポンプの吐出口が前記リザーバカップの高液面側に配置されており、
    前記流入量制御機構は、前記リターン通路を通る燃料の一部を前記リザーバカップ内に流入させるよう開弁する弁を有するとともに該弁から前記リザーバカップ内への燃料の流入を許容する流入口を有しており、
    前記流入制御機構の前記流入口が、前記リザーバカップの前記液面変動範囲内における前記リザーバカップの高液面側に配置されていることを特徴とする燃料供給システム。
  2. 前記リターン通路の出口に位置するノズル部を有し、該ノズル部から前記燃料タンク内に向けて燃料を噴射しつつ前記リザーバカップの外部の燃料を前記リザーバカップ内に汲み上げるジェットポンプが設けられており、
    前記ジェットポンプの前記ノズルが、前記リザーバカップの前記低液面側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給システム。
  3. 前記燃料ポンプの前記吐出口が、前記リザーバカップの前記周壁の上端より低い位置に配置されており、
    前記流入制御機構の前記流入口が、前記燃料ポンプの前記吐出口より高い位置に配置されていることを特徴とする請求項に記載の燃料供給システム。
  4. 前記燃料ポンプの前記吐出口が、前記リザーバカップの前記周壁の上端より高い位置に配置されており、
    前記流入制御機構の前記流入口が、前記リザーバカップの前記周壁の上端の高さ位置に配置されていることを特徴とする請求項に記載の燃料供給システム。
  5. 前記燃料ポンプの前記吐出口および前記流入制御機構の前記流入口が、それぞれ前記リザーバカップの前記周壁の上端の高さ位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給システム。
  6. 前記リターン通路のうち前記燃料ポンプから前記流入制御機構までの上流側リターン通路区間内に位置するよう、前記燃料ポンプ側から前記流入制御機構側への燃料の流れを許容し、前記流入制御機構側から前記燃料ポンプ側への燃料の流れを制限する一方向弁を配置したことを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちいずれか1の請求項に記載の燃料供給システム。
  7. 前記弁は、前記リターン通路を通る燃料の前記リザーバカップ内への流入を許容する開弁状態および前記リターン通路を通る燃料の前記リザーバカップ内への流入を制限する閉弁状態に切替え可能な電磁弁であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のうちいずれか1の請求項に記載の燃料供給システム。
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