JP2010163888A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010163888A
JP2010163888A JP2009004809A JP2009004809A JP2010163888A JP 2010163888 A JP2010163888 A JP 2010163888A JP 2009004809 A JP2009004809 A JP 2009004809A JP 2009004809 A JP2009004809 A JP 2009004809A JP 2010163888 A JP2010163888 A JP 2010163888A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
valve body
metering valve
pressure
pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009004809A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Hoshiko
晋 星子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Toyota Motor Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2009004809A priority Critical patent/JP2010163888A/ja
Publication of JP2010163888A publication Critical patent/JP2010163888A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】吸入調量弁の弁体摺動不良により指令値入力の変化に追従し得る応答性を失うことを防止し、燃料供給制御のロバスト性に優れた内燃機関の燃料供給装置を提供する。
【解決手段】エンジン1の燃料を吸入し吐出するフィードポンプ10と、フィードポンプ10から吐出される燃料を吸入し加圧して吐出する加圧ポンプ20と、フィードポンプ10から吐出される燃料の加圧ポンプ20への吸入量を調節するよう駆動される調量弁体31および信号Ivの入力に応じて調量弁体31を駆動する電磁駆動部32を有する吸入調量弁30とを備えた内燃機関の燃料供給装置において、加圧ポンプ20で加圧された燃料の圧力Pcaを受圧し、その圧力Pcaが通常圧力範囲内から外れたとき、これに応動して、燃料の圧力Pcaを通常圧力範囲内に復帰させる側に調量弁体31を操作する弁体操作部材51を設けている。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の燃料供給装置に関し、特に、フィードポンプで汲み上げた燃料を加圧ポンプによって高圧に加圧して燃料噴射弁に供給するとともに、フィードポンプから加圧ポンプへの燃料の吸入量を吸入調量弁によって調節するようにした内燃機関の燃料供給装置に関する。
気筒内に高圧の燃料を噴射させる内燃機関、例えばディーゼルエンジンにおいて、高圧燃料をコモンレール内に蓄圧・貯留して各気筒の燃料噴射弁に均等な圧力で燃料を供給するようにしたコモンレール方式の燃料供給装置が多用されており、フィードポンプおよび加圧ポンプを共にエンジン出力により駆動しながら、加圧ポンプへの吸入量を吸入調量弁により可変制御することで、コモンレール内の燃料圧力をエンジンの運転状態に応じた目標燃料圧力に追従させる制御がなされている。このような内燃機関の燃料供給装置燃料においては、良好な燃料供給状態を維持するために吸入調量弁の動作不良(摺動不良やそれによる応答遅れ、さらには固着故障等)を防止する必要がある。
従来のこの種の内燃機関の燃料供給装置としては、例えばコモンレール内の実燃料圧力が目標燃料圧力(目標レール圧)より低く、電磁式流量制御弁からなる調量弁の電磁指令値が一定値を上回っているときに、実燃料圧力(実レール圧)の今回検出値を前回検出値と比較してポンプ故障診断を実行するものが知られている。この装置では、例えば2系統の常閉型の電磁式流量制御弁を用いる場合に調量弁の電磁指令値の今回検出値と前回検出値との圧力偏差が一定値を上回っていると、少なくとも1系統の電磁式流量制御弁に全閉固着故障が生じていると判定し、噴射量制限やエンジン停止等といった異常時の処理が実行される。また、常閉型の電磁弁と常開型の電磁弁とを併用する場合に、それらの電磁指令値とエンジンの運転状態に応じた閾値との偏差値が判定値以下となるときには、少なくとも1系統の電磁弁に中間・全開固着故障が生じていると判定するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
また、加圧ポンプへの燃料の吸入量を調節する調量弁の弁体にその吸入量により変化する軸方向推力が生じるのを防止すべく、調量弁に対する燃料の流入・流出方向と調量弁体の変位方向とを直交させ、調量弁体の常時円滑な動きを確保するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−344573号公報 特開2001−304067号公報
しかしながら、上述のような従来の内燃機関の燃料供給装置にあっては、加圧ポンプへの燃料の吸入量を調節する吸入調量弁が、エンジンの運転状態に応じた目標レール圧と実レール圧との乖離量に応じた電磁指令値によって制御され、実レール圧を目標レール圧に一致させるようにフィードバック制御されるところ、吸入調量弁がその弁体の摺動不良により電磁指令値の変化に追従し得る高応答性能を失ってしまうことを確実に防止するのは困難であり、燃料供給制御のロバスト性が低下してしまうという問題があった。
例えば、吸入調量弁の弁体が静止した状態から駆動されるとき、特にエンジン始動時のように一定時間以上停止した後であってエンジンが比較的低温で始動されるときに、調量弁の弁体の摺動不良が発生し易いという問題があった。
また、吸入調量弁の弁体が全開固着に陥った状態で、高圧に加圧されコモンレール側に供給された燃料の圧力が過度に高圧となった場合に、燃料噴射弁による噴射量制限ではコモンレール圧を十分に抑えることが困難になったり、あるいは、吸入調量弁の弁体が全閉固着に陥ってしまうことでコモンレール圧が燃料弁の噴射制御に要求される一定値に達しない状態に陥った場合に、燃料噴射弁による噴射ができなくなったりすることで、エンジンストールあるいは始動不良に陥ってしまう可能性があった。
しかも、吸入調量弁が全閉故障して実コモンレール圧が一定圧に達しない時間が長引くと、燃料噴射弁の噴射自体が実行できず、車両の自走機能が損なわれてしまうため、リンプ機能の確保という観点から望ましくない。
その他、従来のコモンレールにはコモンレール圧の上限圧を規定するリリーフ弁が装着されるばかりか、そのリリーフ弁から低圧側への戻りの通路が必要になっていたため、燃料供給装置の回路構成が複雑になってしまい、コスト高になるという問題もあった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、吸入調量弁がその弁体の摺動不良により指令値入力の変化に追従し得る応答性を失ってしまうことを確実に防止し、燃料供給制御のロバスト性に優れた内燃機関の燃料供給装置を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の燃料供給装置は、上記目的達成のため、(1)内燃機関の燃料を吸入し吐出するフィードポンプと、前記フィードポンプから吐出される燃料を吸入し加圧して吐出する加圧ポンプと、前記フィードポンプから吐出される前記燃料の前記加圧ポンプへの吸入量を調節するよう駆動される調量弁体および信号入力に応じて前記調量弁体を駆動する弁体駆動部を有する吸入調量弁と、を備えた内燃機関の燃料供給装置において、前記加圧ポンプで加圧された燃料の圧力を受圧し、該燃料の圧力が予め設定された通常圧力範囲内から外れたとき該燃料の圧力に応動して、前記燃料の圧力を前記通常圧力範囲内に復帰させる側に前記吸入調量弁の前記調量弁体を操作する弁体操作部材を設けたことを特徴とする。
この構成により、吸入調量弁の調量弁体が全閉または全開の状態で摺動不良に陥ったとしても、燃料の圧力が通常圧力範囲内から外れると、即座に弁体操作部材によって調量弁体が操作され、燃料の圧力が通常圧力範囲内に戻るように吸入量が調整される。したがって、通常圧力範囲を適宜設定することで、燃料の圧力が許容圧力範囲内に維持され得ることになり、吸入調量弁がその弁体の摺動不良により指令値入力変化に追従し得る応答性を失ってしまうことが確実に防止されることになる。
上記(1)記載の構成を有する内燃機関の燃料供給装置においては、(2)前記加圧ポンプで加圧された燃料の圧力が前記通常圧力範囲の上限域に達したとき、前記弁体操作部材が、前記加圧ポンプへの吸入量を減少させる方向に前記吸入調量弁の前記調量弁体を操作することが好ましい。
この構成により、吸入調量弁の調量弁体が全開状態で摺動不良に陥ったとしても、燃料の圧力が通常圧力範囲の上限域に達すると、即座に弁体操作部材によって調量弁体が加圧ポンプへの吸入量を減少させる方向に操作され、燃料の圧力が通常圧力範囲内に戻るように調整されることになる。
上記(2)記載の構成を有する内燃機関の燃料供給装置においては、(3)前記弁体操作部材が、前記吸入調量弁の前記調量弁体の近傍に位置するリリーフ弁の可動弁体と一体に構成され、前記加圧ポンプで加圧された燃料の圧力が前記通常圧力範囲の上限域に達したとき、前記リリーフ弁の可動弁体が開弁方向に変位するとともに、前記弁体操作部材が該可動弁体と一体に変位しながら前記加圧ポンプへの吸入量を減少させる方向に前記吸入調量弁の前記調量弁体を操作するのが好ましい。
この構成により、燃料の圧力が通常圧力範囲の上限域に達すると、リリーフ弁が開弁するとともに、調量弁体が加圧ポンプへの吸入量を減少させる方向に操作され、燃料の圧力が迅速に通常圧力範囲内に戻るよう調整されることになる。
上記(2)、(3)記載の構成を有する内燃機関の燃料供給装置においては、(4)前記吸入調量弁の前記調量弁体が、前記フィードポンプから前記加圧ポンプへの燃料供給通路の一部を開閉するときに軸方向に変位するバルブスプールで構成されており、前記弁体操作部材が、前記調量弁体に対して平行に配置されているのがより好ましい。
この構成により、構成の簡素な弁体操作部材を全開または全閉位置の調量弁体に容易に係合させることができる。
上記(1)記載の構成を有する内燃機関の燃料供給装置においては、(5)前記加圧ポンプで加圧された燃料の圧力が前記通常圧力範囲の下限域に達したとき、前記弁体操作部材が、前記加圧ポンプへの吸入量を増加させる方向に前記吸入調量弁の前記調量弁体を操作するものであっても好ましい。
この構成により、吸入調量弁の調量弁体が全閉状態で摺動不良に陥ったとしても、燃料の圧力が通常圧力範囲の下限域を下回ると、即座に弁体操作部材によって調量弁体が加圧ポンプへの吸入量を増加させる方向に操作され、燃料の圧力が通常圧力範囲内に戻るように調整されることになる。
上記(5)記載の構成を有する内燃機関の燃料供給装置においては、(6)前記弁体操作部材が、前記吸入調量弁の前記調量弁体の開弁方向にばね力を受けるとともに前記加圧ポンプにより加圧された燃料の圧力を前記吸入調量弁の前記調量弁体の閉弁方向に受圧するピストンに連結されているのが好ましい。
この構成により、加圧ポンプにより加圧された燃料の圧力が通常圧力範囲の下限域を下回るときには、弁体操作部材がピストンにより確実に駆動されることになる。
上記(6)記載の構成を有する内燃機関の燃料供給装置においては、(7)前記吸入調量弁の前記調量弁体が、前記フィードポンプから前記加圧ポンプへの燃料供給通路の一部を開閉するときに軸方向に変位するバルブスプールで構成されており、前記弁体操作部材が、前記調量弁体に対して平行に配置されるとともに前記ピストンから前記調量弁体に向って延在する軸状に形成され、前記加圧ポンプにより加圧された燃料が前記ピストン側から前記調量弁体側に漏れ出すのを規制する漏出規制弁体が、前記弁体操作部材に一体的に連結されているのが好ましい。
この構成により、加圧ポンプにより加圧された燃料の圧力が通常圧力範囲の下限域を下回るときには、調量弁体が弁体操作部材を介してピストンにより確実に駆動されるとともに、加圧ポンプにより加圧された燃料が調量弁体側に漏れ出すことが漏出規制弁体によって確実に規制される。
本発明によれば、吸入調量弁の調量弁体が全閉または全開の状態で摺動不良に陥ったとしても、燃料の圧力が通常圧力範囲内から外れると即座に弁体操作部材によって調量弁体が操作され、燃料の圧力が通常圧力範囲内に戻るよう吸入量が調整されるようにしているので、通常圧力範囲を適宜設定することで、燃料の圧力を許容圧力範囲内に維持することができる。その結果、吸入調量弁がその弁体の摺動不良により指令値入力の変化に追従し得る応答性を失ってしまうことを確実に防止し、燃料供給制御のロバスト性に優れた内燃機関の燃料供給装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の燃料供給装置の概略構成図であり、その主要部である高圧燃料供給ポンプを断面で示している。 本発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の燃料供給装置における吸入調量弁の近傍の構成を示す部分断面図で、調量弁の電磁駆動系や詳細部品構成を除いて主要な回路構成のみを示している。 本発明の第2の実施の形態に係る内燃機関の燃料供給装置の要部構成を示すその吸入調量弁の近傍の断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施の形態)
図1および図2は、本発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の燃料供給装置を示す図であり、図1にその主要部である高圧燃料供給ポンプを断面で示し、図2にその吸入調量弁の近傍の構成を部分断面図で示している。なお、図2では、調量弁の電磁駆動系や詳細部品構成を除いて主要な回路構成のみを示している。
まず、構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態の内燃機関の燃料供給装置は、多気筒内燃機関であるディーゼルエンジン1の各気筒2内に燃料を噴射する複数の燃料噴射弁3と、これら燃料噴射弁3に供給される高圧の燃料を蓄圧・貯留するコモンレール4と、このコモンレール4に高圧の燃料を供給する高圧燃料供給ポンプ5と、燃料を貯留する燃料タンク6と、コモンレール4に接続された複数の燃料噴射弁3のうち圧縮行程中の気筒2に対応する燃料噴射弁3を開弁駆動し、その気筒2内にピストン7により画成される燃焼室8に予め設定された噴射タイミングで高圧燃料を噴射させるECU9と、を備えている。
高圧燃料供給ポンプ5は、燃料タンク6内からディーゼルエンジン1の燃料を吸入し吐出するフィードポンプ10と、フィードポンプ10から吐出される燃料を吸入し加圧して吐出する加圧ポンプ20と、フィードポンプ10から吐出される燃料の加圧ポンプ20への吸入量を調節する吸入調量弁30とを含んで構成されている。
フィードポンプ10は、例えば公知のトロコイドポンプからなる機械式の低圧燃料ポンプであり、高圧燃料供給ポンプ5の入力回転軸5aに連動するロータ駆動軸11と、外歯のトロコイド歯形を有しロータ駆動軸11により駆動される外歯ロータ12と、外歯ロータ12に噛合する内歯のトロコイド歯形を有するとともに外歯ロータ12に対し偏心している内歯ロータ13と、吸入ポート14aおよび吐出ポート14bと、を備えている。なお、フィードポンプ10の吐出圧は、フィードポンプ10の吸入ポート14aおよび吐出ポート14bの間に介在するリリーフ弁16によって、リリーフ弁16の設定圧以下に制限されるようになっており、余剰の燃料は吸入ポート14a側に戻される。
加圧ポンプ20は、ポンプハウジング5h内に、放射方向内外に往復移動可能な少なくとも一対のプランジャ21A、21Bと、このプランジャ21A、21Bを駆動するカムシャフト22と、カムシャフト22の偏心カム部分22cに回転自在に外装された軸受リング24と、プランジャ21A、21Bを軸受リング24を介してカムシャフト22の偏心カム部分22cに向って常時押し付ける圧縮コイルばね25A、25Bとを有する公知のものであり、そのポンプハウジング5hとプランジャ21A、21Bの間には、プランジャ21A、21Bの往復移動によって燃料の吸入と加圧および吐出作業とを行う少なくとも1つの加圧室26A、26Bが画成されている。
なお、プランジャ21A、21Bにより加圧室26A、26Bから仕切られたポンプハウジング5hの内部には、カムシャフト22および軸受リング24が収納されるだけでなく、その周囲に、例えば図示しないオリフィスを介して吸入調量弁30を通過した燃料が、図示しない他のオリフィスを介してフィードポンプ10からの吐出燃料がそれぞれ供給されるようになっている。そして、ポンプハウジング5h内の余剰の燃料は、還流通路29を通して燃料タンク6に還流するようになっている。
加圧ポンプ20の加圧室26A、26Bと吸入調量弁30との間には、ポペット弁形の逆止弁27A、27Bが設けられている。これら逆止弁27A、27Bは、吸入調量弁30側より加圧ポンプ20の加圧室26A、26B側が低圧になると開弁し、逆に吸入調量弁30側より加圧室26A、26B側が高圧になると閉弁して、加圧室26A、26Bへの吸入燃料の逆流を阻止することができるようになっている。
また、加圧ポンプ20の加圧室26A、26Bとコモンレール4内の蓄圧室(図示していない)の間には、ばね付のボール形の逆止弁28A、28Bが設けられており、逆止弁28A、28Bは、それぞれ加圧室26A、26B側がコモンレール4内より高圧になると開弁し、逆に加圧室26A、26B側がコモンレール4内より低圧になると閉弁して、加圧室26A、26Bからの吐出燃料の逆流を阻止することができるようになっている。
なお、カムシャフト22の偏心カム部分22cの回転に応動するプランジャ21A、21Bが加圧室26A、26Bを交互に逆位相で膨張および収縮させることから、逆止弁27A、27Bが異なるタイミングで交互に開弁して加圧室26A、26B内に交互に燃料が吸入され、逆止弁27A、27Bが異なるタイミングで交互に閉弁するとき、それらの閉弁期間中に、プランジャ21A、21Bにより加圧室26A、26B内の燃料が加圧されて逆止弁28A、28Bが交互に開弁し、加圧室26A、26Bからコモンレール4内の蓄圧室に高圧の燃料が交互に供給される。
フィードポンプ10と吸入調量弁30の間には、ばね付のボール形の逆止弁41が設けられている。この逆止弁41は、フィードポンプ10から吐出される燃料の圧力が吸入調量弁30の入口ポート30aの燃料の圧力より高圧になると開弁し、逆にフィードポンプ10から吐出される燃料の圧力が吸入調量弁30の入口ポート30a内の燃料の圧力より低圧になると閉弁して、吸入調量弁30側からフィードポンプ10側への燃料の逆流を阻止することができるようになっている。
吸入調量弁30は、燃料の加圧ポンプ20への吸入量を調節するよう駆動される調量弁体31と、指令信号である電磁駆動信号Ivの入力に応じて調量弁体31を電磁駆動する電磁駆動部32(弁体駆動部)とを有している。また、吸入調量弁30は、調量弁体31を摺動自在に収納するハウジングスリーブ33をポンプハウジング5h内に嵌入された状態で、高圧燃料供給ポンプ5に一体的に装着されており、ハウジングスリーブ33の図1中の右端部を取り囲むように電磁駆動部32の主要部を構成する電磁コイル34が設けられている。この電磁コイル34は、ECU9内の図示しないドライバ回路を含む出力インターフェース回路に接続されている。なお、電磁コイル34により調量弁体31を軸方向に電磁駆動する電磁駆動部32の詳細構成は公知のものと同様である。
図2に示すように、調量弁体31は、吸入調量弁30の入口ポート30a側に位置する左端側の最も小径の円柱状の第1ランド部31aと、同図中で右端側に位置する2番目に小径の円柱状の第3ランド部31cと、両ランド部31a、31cの間に位置する最大径の円柱状の第2ランド部31bと、これらよりも小径に旋削されたそれぞれ円柱状の軸部31d、31eと、からなるバルブスプールによって構成されている。
また、調量弁体31は、第2ランド部31bの部分で略円筒状のハウジングスリーブ33の内周に摺動自在に支持されるとともに、第1ランド部31aとハウジングスリーブ33の内周面33aとの間に、吸入調量弁30の入口ポート30aに連通する環状通路35を形成している。この環状通路35は、調量弁体31が図2に実線で示すような開弁位置にあるとき、ハウジングスリーブ33に形成された一対の出口ポート36a、36bに連通し、ポンプハウジング5h内に形成された連通路42a、42bに接続されるようになっている。これらの連通路42a、42bは、カムシャフト22の偏心カム部分22cの回転に応動するプランジャ21A、21Bの動きにより逆止弁27A、27Bが交互に開弁させられるとき、フィードポンプ10から吐出され吸入調量弁30により調量される燃料を加圧室26A、26B内に吸入させることができる。
ところで、コモンレール4には燃料圧力センサ71が装着されており、この燃料圧力センサ71の検出情報は、コモンレール4内の燃料圧力であるレール圧としてECU9に取り込まれ、ECU9によりディーゼルエンジン1の運転状態に応じて設定される目標レール圧と比較される。そして、ECU9は、コモンレール4内の燃料の圧力Pcrが目標レール圧と一致するように電磁駆動部32への指令値入力となる電磁コイル34への通電電流を制御し、電磁コイル34により調量弁体31に作用する電磁駆動力(推力)を変化させることで、吸入調量弁30の出口ポート36a、36bの開度を変化させるようになっている。
ECU9は、具体的なハードウェア構成を図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)および不揮発メモリ等のバックアップ用メモリを備え、さらに、A/D変換器等を含む入力インターフェース回路と、ドライバやリレースイッチを含む出力インターフェース回路とを含んで構成されている。このECU9は、ROM内に予め格納された制御プログラムに従い、各種センサ群の検出情報や予めバックアップメモリに格納されている設定値情報に基づいて、さらには他の車載ECU(例えばトランスミッションを制御するECU)と通信を行いながら、例えば燃料圧力センサ71、クランク軸1cの回転角速度を検出するエンジン回転数センサ72、アクセル開度センサ73および冷却水温センサ74のセンサ情報に基づいてコモンレール4の実レール圧[MPa]、エンジン回転数[rpm]、アクセルペダルポジションおよび冷却水温を検出し、ディーゼルエンジン1の運転状態に応じた目標レール圧および吸入調量弁30への指令開度値、燃料噴射弁3の噴射時期および燃料噴射量等を算出し、吸入調量弁30への電磁駆動信号Iv(図1参照)や燃料噴射弁3の電磁弁部(符号なし)への噴射指令信号Iqを適時に出力するようになっている。
吸入調量弁30の調量弁体31は、電磁コイル34への非通電時には、フィードポンプ10から吐出される燃料の圧力により、第1ランド部31aと第2ランド部31bでの受圧面積差に応じて出口ポート36a、36bの開度を拡大する開度拡大方向(図2中で左から右に向う方向)に付勢され、出口ポート36a、36bが最大開度に開放される。
また、吸入調量弁30の調量弁体31は、電磁コイル34への通電時には、その通電電流に応じて発生する調量弁体31の開度縮小方向(開度拡大方向とは反対の方向)への電磁駆動力とフィードポンプ10側からの燃料の圧力による付勢力とに応じて、出口ポート36a、36bの開度を最大開度より減じる位置に変化させる。すなわち、吸入調量弁30は、電磁コイル34への通電状態に応じて変化する可変絞り弁となっている。
一方、吸入調量弁30の電磁駆動部32の近傍には、加圧ポンプ20で加圧された燃料の圧力を間接的に受圧し、燃料の圧力が予め設定された通常圧力範囲内から外れたときにその燃料の圧力に応動して、燃料の圧力を通常圧力範囲内に復帰させる側に吸入調量弁30の調量弁体31を操作する弁体操作部材51が設けられている。
具体的には、図2に示すように、弁体操作部材51は、吸入調量弁30の調量弁体31の近傍に位置するリリーフ弁52の可動弁体53と一体に構成されており、可動弁体53は、ポンプハウジング5h内に形成されたバルブ穴54内に収納されるとともに、調量弁体31から離隔する略円錐状の一端部で円錐面状のバルブシート部55に圧接するよう圧縮コイルばね56によって常時リリーフ弁52の閉弁方向に付勢されている。また、このリリーフ弁52の入口ポート52aには、加圧ポンプ20で加圧されコモンレール4に供給される燃料の圧力Pcaが、加圧室26A、26Bとコモンレール4の間であって逆止弁28A、28Bより下流側から供給されるようになっている(詳細な通路形状は図示していない)。
弁体操作部材51およびリリーフ弁52の可動弁体53は、共に、吸入調量弁30の調量弁体31に対して平行に、例えば調量弁体31と同一軸線上に配置されている。また、弁体操作部材51の大径端部51aは可動弁体53の軸心部に一体に連結され、弁体操作部材51の小径端部51bは吸入調量弁30のハウジングスリーブ33内に出没可能になっている。
そして、弁体操作部材51は、加圧ポンプ20で加圧された燃料の圧力Pcaが予め設定された通常圧力範囲の上限域に達したとき、可動弁体53と共に加圧ポンプ20への吸入量を減少させる方向、本実施形態では、図1および図2において右から左に向かう開度縮小方向に、吸入調量弁30の調量弁体31を操作するようになっている。
より具体的には、圧縮コイルばね56は、可動弁体53より小径の弁体操作部材51の大径端部51aを取り囲むとともに、ポンプハウジング5hと可動弁体53の間に縮設されており、加圧ポンプ20で加圧された燃料の圧力Pcaが通常圧力範囲の上限域に達したときに、リリーフ弁52の可動弁体53が圧縮コイルばね56による閉弁側への付勢力に抗して開弁方向である図2中の左方側に変位できるように、圧縮コイルばね56の組込み時のばね圧が設定されている。したがって、可動弁体53は、加圧ポンプ20で加圧された燃料の圧力Pcaの上昇により圧縮コイルばね56の付勢力に抗してリリーフ弁52の開弁方向に変位するとき、圧縮コイルばね56を圧縮しながら弁体操作部材51を一体に軸方向変位させ、加圧ポンプ20への吸入量を減少させる吸入調量弁30の開度縮小方向に調量弁体31を操作することができるようになっている。
また、リリーフ弁52は、その可動弁体53の開弁方向への変位量が予め設定された変位量に達するとき、入口ポート52aを低圧側の排出ポート52bに連通させるようになっており、加圧ポンプ20で加圧された燃料の圧力Pca、すなわち逆止弁28A、28Bより下流側(コモンレール4側)の供給燃料圧を、通常圧力範囲の上限域までに制限できるようになっている。なお、リリーフ弁52の低圧側の排出ポート52bは、バルブ穴54に連通する低圧通路54aと共に図示しないオリフィスを介して還流通路29に接続されている。
次に、作用について説明する。
上述のように構成された本実施形態の内燃機関の燃料供給装置では、ディーゼルエンジン1の運転時には、ディーゼルエンジン1からの回転動力により高圧燃料供給ポンプ5が駆動されるとともに、実レール圧と目標レール圧とを一致させるように吸入調量弁30の開度が調整され、コモンレール4に所要の高圧の燃料が供給される。そして、コモンレール4に接続された複数の燃料噴射弁3のうち圧縮行程中の気筒2に対応する燃料噴射弁3が開弁駆動され、噴射時期に達した気筒2内の燃焼室8に運転状態に応じた燃料噴射量の高圧燃料が噴射される。
このような状態においては、従来であれば、何らかの異常により、吸入調量弁30の調量弁体31がハウジングスリーブ33に対して摺動不良状態に陥ってしまい、例えばフィードポンプ10からの燃料の吐出圧の変化に対して、調量弁体31が即座に応動せず、比較的大きな応答遅れが生じることがある。あるいは、電磁駆動部32により調量弁体31に発生させる電磁駆動力では、吸入調量弁30の調量弁体31をハウジングスリーブ33に対して摺動させることができない固着状態が生じ得る。
いま、例えば吸入調量弁30の調量弁体31が出口ポート36a、36bの全開状態でこの固着不良に陥ったとすると、吸入調量弁30の開度が過大の状態となることから、加圧ポンプ20で加圧された燃料の圧力Pcaがコモンレール4の許容レール圧の上限値に近付く程度の高圧の燃料圧力になって予め設定された通常圧力範囲内から外れることになる。
この場合、加圧ポンプ20で加圧された燃料の圧力Pcaが通常圧力範囲の上限域に達すると、リリーフ弁52の可動弁体53が開弁方向に変位し始め、弁体操作部材51によって調量弁体31が即座に開度縮小方向側に十分な液圧操作力で操作される。このときの液圧操作力は、電磁駆動部32により調量弁体31に発生させる電磁駆動力に比べて十分に大きく、摺動不良の調量弁体31を強制的にその摺動不良状態から脱出させることができる。これにより、加圧ポンプ20から吐出される燃料の圧力Pcaが通常圧力範囲内に戻るように、吸入調量弁30を通って加圧ポンプ20に吸入される燃料の吸入量が調節される。したがって、吸入調量弁30がその調量弁体31の固着等の摺動不良によって指令値入力変化に追従し得る応答性を失ってしまうといった従来の問題が確実に解消されることになる。
しかも、可動弁体53が開弁方向に変位し始める通常圧力範囲の上限域を、コモンレール4の許容レール圧の上限値よりある程度低い圧力に設定しておくことで、加圧ポンプ20で加圧された燃料の圧力Pcaがコモンレール4の許容レール圧の上限値以下の許容圧力範囲内に確実に維持され得ることになる。したがって、従来のような圧力リミッタ機能を持つリリーフ弁を設けなくとも、コモンレール4に供給される燃料の圧力Pcaをコモンレール4の許容圧力範囲内に確実に維持することができることになる。
また、本実施形態では、加圧ポンプ20で加圧された燃料の圧力Pcaが通常圧力範囲の上限域に達したとき、弁体操作部材51が加圧ポンプ20への吸入量を減少させる開度縮小方向に調量弁体31を操作するので、吸入調量弁30の調量弁体31が全開状態で瞬間的に摺動不良に陥ったとしても、即座に弁体操作部材51によって調量弁体31が加圧ポンプ20への吸入量を減少させる方向に操作され、調量弁体31が摺動可能な状態に戻る可能性が高いので、それ以降の燃料の圧力Pcaが通常と同様に精度良く制御され得ることになる。
さらに、弁体操作部材51がリリーフ弁52の可動弁体53と一体に構成され、加圧ポンプ20で加圧された燃料の圧力Pcaが通常圧力範囲の上限域に達しても、リリーフ弁52の可動弁体53が開弁方向に変位するとともに弁体操作部材51が加圧ポンプ20への吸入量を減少させる開度縮小方向に調量弁体31を操作するので、燃料の圧力Pcaを迅速に通常圧力範囲内に戻すことができる。
加えて、吸入調量弁30の調量弁体31が、フィードポンプ10から加圧ポンプ20への燃料供給通路の一部を開閉するときに軸方向に変位するバルブスプールで構成され、弁体操作部材51が、調量弁体31と同一軸線上に配置されているので、構成の簡素な弁体操作部材51を全開位置の調量弁体31に容易に係合させることができ、高圧燃料供給ポンプ5の構成が複雑になることもない。
このように、本実施形態の内燃機関の燃料供給装置によれば、吸入調量弁30の調量弁体31が全開状態で摺動不良に陥ったりしても、加圧ポンプ20で加圧された燃料の圧力Pcaが通常圧力範囲内から外れると即座に弁体操作部材51によって調量弁体31が操作され、燃料の圧力Pcaが通常圧力範囲内に戻るよう吸入調量弁30の吸入量調整がなされるようにしているので、前記通常圧力範囲を適宜設定することで、吸入調量弁30がその調量弁体31の摺動不良により指令値入力の変化に追従し得る応答性を失ってしまうようなことを確実に防止して、燃料供給制御のロバスト性(レール圧フィードバック制御の外乱に対する堅牢性・安定性および応答性の良さ)に優れた内燃機関の燃料供給装置を提供することができる。しかも、本実施形態では、従来のような圧力リミッタ機能のリリーフ弁を設けなくとも、コモンレール4に供給される燃料の圧力Pcaをコモンレール4の許容圧力範囲内に確実に維持することができ、コモンレール4上の従来のようなリリーフ弁およびそこからのリターン配管を無くした回路構成の簡素な低コストの内燃機関の燃料供給装置とすることができる。
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る内燃機関の燃料供給装置の要部構成を示している。なお、本実施形態は、吸入調量弁付近の構成を除き、上述の第1の実施の形態と類似する構成を有するものであるので、類似する構成については図1中の対応する構成要素の参照符号を用いて簡単に説明し、図3に基づいてその相違点について詳述する。
本実施形態における内燃機関の燃料供給装置は、上述の第1の実施の形態と同様に、ディーゼルエンジン1の各気筒2内に燃料を噴射する複数の燃料噴射弁3と、これら燃料噴射弁3に供給される高圧の燃料を蓄圧・貯留するコモンレール4と、このコモンレール4に高圧の燃料を供給する高圧燃料供給ポンプ5と、燃料を貯留する燃料タンク6と、コモンレール4に接続された複数の燃料噴射弁3のうち圧縮行程中の気筒2に対応する燃料噴射弁3を開弁駆動し、その気筒2内にピストン7により画成される燃焼室8に予め設定された噴射タイミングで高圧燃料を噴射させるECU9と、を備えている。
また、高圧燃料供給ポンプ5は、ディーゼルエンジン1の燃料を吸入し吐出するフィードポンプ10と、フィードポンプ10から吐出される燃料を吸入し加圧して吐出する加圧ポンプ20と、フィードポンプ10から吐出される燃料の加圧ポンプ20への吸入量を調節するよう駆動される調量弁体31および信号入力に応じて調量弁体31を駆動する電磁駆動部32を有する吸入調量弁30とを含んで構成されている。
ただし、高圧燃料供給ポンプ5は、図3に示すように、吸入調量弁30の近傍の構成において、第1の実施の形態とは相違する。
すなわち、図3に示すように、本実施形態においては、弁体操作部材81が、吸入調量弁30の調量弁体31の入口ポート30a側に配置されている。
この弁体操作部材81は、加圧ポンプ20で加圧された燃料の圧力Pcaが通常圧力範囲の下限域に達したとき、加圧ポンプ20への吸入量を増加させる開度拡大方向(図3中の左から右に向う方向)に吸入調量弁30の調量弁体31を操作するようになっている。
具体的には、弁体操作部材81は、吸入調量弁30の調量弁体31の開弁動作方向に圧縮コイルばね82からのばね力を受けるとともに、加圧ポンプ20により加圧された燃料の圧力Pcaを吸入調量弁30の調量弁体31の閉弁動作方向に受圧するピストン83に連結されている。そして、吸入調量弁30の調量弁体31が、フィードポンプ10から加圧ポンプ20への燃料供給通路の一部を開閉するときに軸方向に変位するバルブスプールで構成されており、弁体操作部材81、調量弁体31に対して平行に配置されるとともにピストン7から調量弁体31に向って延在する軸状に形成されている。
さらに、加圧ポンプ20により加圧された燃料がピストン7側から調量弁体31側に漏れ出すのを規制する双方向逆止弁機能を発揮し得る漏出規制弁体85が、弁体操作部材81に一体的に連結されており、ポンプハウジング5hには、漏出規制弁体85の対向する一対の円錐状部85a、85bおよびその間の軸部85cに対応して一対の円錐面状のシート部86a、86bおよび軸穴部86cが設けられている。
このように構成された本実施形態の内燃機関の燃料供給装置においては、吸入調量弁30の調量弁体31が何らかの理由により全閉状態で摺動不良に陥ったとしても、加圧ポンプ20で加圧された燃料の圧力Pcaが通常圧力範囲の下限域を下回ると、即座に、弁体操作部材81によって調量弁体31が加圧ポンプ20への吸入量を増加させる方向に操作され、コモンレール4に供給される燃料の圧力Pcaが通常圧力範囲内に戻るように調整されることになる。
しかも、加圧ポンプ20により加圧された燃料の圧力Pcaが通常圧力範囲の下限域を下回るときには、弁体操作部材81がピストン7からの十分な推力により確実に駆動されることになる。
さらに、弁体操作部材81が、調量弁体31に対して平行に配置されるとともにピストン7から調量弁体31に向って延在する軸状に形成され、この弁体操作部材81に、加圧ポンプ20により加圧された燃料がピストン7側から調量弁体31側に漏れ出すのを規制する漏出規制弁体85が一体的に連結されているので、加圧ポンプ20により加圧された燃料の圧力Pcaが通常圧力範囲の下限域を下回るときには、調量弁体31が弁体操作部材81を介してピストン7により確実に駆動されるとともに、加圧ポンプ20により加圧された燃料が調量弁体31側に漏れ出すことが漏出規制弁体85によって確実に規制される。
このように、本実施形態の内燃機関の燃料供給装置においても、吸入調量弁30の調量弁体31が全閉状態で摺動不良に陥ったりしても、加圧ポンプ20で加圧された燃料の圧力Pcaが通常圧力範囲内から外れると即座に弁体操作部材81によって調量弁体31が操作され、燃料の圧力Pcaが通常圧力範囲内に戻るよう吸入調量弁30の吸入量調整がなされるので、コモンレール4に供給される燃料の圧力Pcaをコモンレール4の許容圧力範囲内に確実に維持することができる。
その結果、吸入調量弁30がその調量弁体31の摺動不良により指令値入力の変化に追従し得る応答性を失ってしまうといった従来の問題、特にディーゼルエンジン1の冷間始動時に実レール圧Pcrが燃料噴射制御に要する一定の圧力域に達し得ないためになかなか始動できなかったり、エンジンが始動してもすぐに燃料圧力が十分に高まらずエンジンストールを起こしてしまったりするといった問題を確実に防止することができ、燃料供給制御のロバスト性に優れた内燃機関の燃料供給装置を提供することができる。
なお、上述の各実施形態においては、内燃機関をディーゼルエンジン1としたが、本発明は高圧ポンプの吸入量を調量弁を用いて制御し、燃料噴射弁に高圧燃料を噴射する各種の内燃機関に適用可能であり、特に、バルブの摺動不良や固着を惹起し易い燃料あるいは燃料供給装置において有効である。また、上述の各実施形態では、吸入調量弁の弁体として軸方向に摺動するとともに受圧面積差により軸方向一方側への推力が生じるバルブスプールを用いていたが、これに限定されるものではなく、特許文献2に記載されるように調量弁への燃料の流入出方向とバルブスプールの移動方向が直交するものであってもよく、バルブスプール以外の摺動式あるいは回動式の弁体を用いるものであってもよく、これらの場合、弁体操作部材の操作方向を弁体の変位方向に設定すればよい。さらに、上述の各実施形態ではバルブスプールの軸線上に弁体操作部材を配置していたが、その軸線からオフセットさせた配置も可能である。さらに、吸入調量弁は、弁体を常時全開または全閉方向に付勢するスプリング等の付勢手段を併用するものであってもよいことはいうまでもない。
以上説明したように、本発明に係る内燃機関の燃料供給装置は、吸入調量弁の調量弁体が全閉または全開の状態で摺動不良に陥ったとしても、燃料の圧力が通常圧力範囲内から外れると即座に弁体操作部材によって調量弁体が操作され、燃料の圧力が通常圧力範囲内に戻るよう吸入量が調整されるようにしているので、通常圧力範囲を適宜設定することで、燃料の圧力を許容圧力範囲内に維持することができ、その結果、吸入調量弁がその弁体の摺動不良により指令値入力の変化に追従し得る応答性を失ってしまうことを確実に防止し、燃料供給制御のロバスト性に優れた内燃機関の燃料供給装置を提供することができるという効果を奏するものであり、内燃機関の燃料供給装置に関し、特に、フィードポンプで汲み上げた燃料を加圧ポンプによって高圧に加圧して燃料噴射弁に供給するとともに、フィードポンプから加圧ポンプへの燃料の吸入量を吸入調量弁によって調節するようにした内燃機関の燃料供給装置全般に有用である。
1 ディーゼルエンジン(内燃機関)
3 燃料噴射弁(インジェクタ)
4 コモンレール(高圧燃料の蓄圧貯留手段)
5 高圧燃料供給ポンプ
5h ポンプハウジング
9 ECU
10 フィードポンプ
20 加圧ポンプ
21A、21B プランジャ
26A、26B 加圧室
27A、27B、28A、28B 逆止弁
30 吸入調量弁
30a 入口ポート
31 調量弁体
32 電磁駆動部(弁体駆動部)
34 電磁コイル
36a、36b 出口ポート
41 逆止弁
42a、42b 連通路
51、81 弁体操作部材
51a 大径端部
51b 小径端部
52 リリーフ弁
53 可動弁体
55 バルブシート部
71 燃料圧力センサ
83 ピストン
85 漏出規制弁体
85a、85b 円錐状部
86a、86b シート部
86c 軸穴部
Iv 電磁駆動信号
Iq 噴射指令信号
Pca 加圧ポンプで加圧された燃料の圧力

Claims (7)

  1. 内燃機関の燃料を吸入し吐出するフィードポンプと、前記フィードポンプから吐出される燃料を吸入し加圧して吐出する加圧ポンプと、前記フィードポンプから吐出される前記燃料の前記加圧ポンプへの吸入量を調節するよう駆動される調量弁体および信号入力に応じて前記調量弁体を駆動する弁体駆動部を有する吸入調量弁と、を備えた内燃機関の燃料供給装置において、
    前記加圧ポンプで加圧された燃料の圧力を受圧し、該燃料の圧力が予め設定された通常圧力範囲内から外れたとき該燃料の圧力に応動して、前記燃料の圧力を前記通常圧力範囲内に復帰させる側に前記吸入調量弁の前記調量弁体を操作する弁体操作部材を設けたことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  2. 前記加圧ポンプで加圧された燃料の圧力が前記通常圧力範囲の上限域に達したとき、前記弁体操作部材が、前記加圧ポンプへの吸入量を減少させる方向に前記吸入調量弁の前記調量弁体を操作することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  3. 前記弁体操作部材が、前記吸入調量弁の前記調量弁体の近傍に位置するリリーフ弁の可動弁体と一体に構成され、前記加圧ポンプで加圧された燃料の圧力が前記通常圧力範囲の上限域に達したとき、前記リリーフ弁の可動弁体が開弁方向に変位するとともに、前記弁体操作部材が該可動弁体と一体に変位しながら前記加圧ポンプへの吸入量を減少させる方向に前記吸入調量弁の前記調量弁体を操作することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  4. 前記吸入調量弁の前記調量弁体が、前記フィードポンプから前記加圧ポンプへの燃料供給通路の一部を開閉するときに軸方向に変位するバルブスプールで構成されており、前記弁体操作部材が、前記調量弁体に対して平行に配置されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  5. 前記加圧ポンプで加圧された燃料の圧力が前記通常圧力範囲の下限域に達したとき、前記弁体操作部材が、前記加圧ポンプへの吸入量を増加させる方向に前記吸入調量弁の前記調量弁体を操作することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  6. 前記弁体操作部材が、前記吸入調量弁の前記調量弁体の開弁方向にばね力を受けるとともに前記加圧ポンプにより加圧された燃料の圧力を前記吸入調量弁の前記調量弁体の閉弁方向に受圧するピストンに連結されていることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  7. 前記吸入調量弁の前記調量弁体が、前記フィードポンプから前記加圧ポンプへの燃料供給通路の一部を開閉するときに軸方向に変位するバルブスプールで構成されており、
    前記弁体操作部材が、前記調量弁体に対して平行に配置されるとともに前記ピストンから前記調量弁体に向って延在する軸状に形成され、
    前記加圧ポンプにより加圧された燃料が前記ピストン側から前記調量弁体側に漏れ出すのを規制する漏出規制弁体が、前記弁体操作部材に一体的に連結されていることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の燃料供給装置。
JP2009004809A 2009-01-13 2009-01-13 内燃機関の燃料供給装置 Pending JP2010163888A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009004809A JP2010163888A (ja) 2009-01-13 2009-01-13 内燃機関の燃料供給装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009004809A JP2010163888A (ja) 2009-01-13 2009-01-13 内燃機関の燃料供給装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010163888A true JP2010163888A (ja) 2010-07-29

Family

ID=42580251

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009004809A Pending JP2010163888A (ja) 2009-01-13 2009-01-13 内燃機関の燃料供給装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010163888A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012219758A (ja) * 2011-04-12 2012-11-12 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料供給装置
WO2017194389A1 (en) * 2016-05-10 2017-11-16 Delphi Automotive Systems Luxembourg Sa Fuel pump
WO2020112933A1 (en) * 2018-11-27 2020-06-04 Stanadyne Llc High pressure fuel pump with mechanical pressure regulation

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012219758A (ja) * 2011-04-12 2012-11-12 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料供給装置
WO2017194389A1 (en) * 2016-05-10 2017-11-16 Delphi Automotive Systems Luxembourg Sa Fuel pump
CN109416010A (zh) * 2016-05-10 2019-03-01 德尔福汽车系统卢森堡有限公司 燃料泵
US10648437B2 (en) 2016-05-10 2020-05-12 Delphi Automotive Systems Luxembourg Sa Fuel pump
CN109416010B (zh) * 2016-05-10 2021-03-19 德尔福汽车系统卢森堡有限公司 燃料泵
WO2020112933A1 (en) * 2018-11-27 2020-06-04 Stanadyne Llc High pressure fuel pump with mechanical pressure regulation
US11459988B2 (en) 2018-11-27 2022-10-04 Stanadyne Llc High pressure fuel pump with mechanical pressure regulation

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4964393B2 (ja) 自動車用の直接噴射型燃料供給装置及びコモンレール式燃料噴射装置
JP4353288B2 (ja) 燃料ポンプ
US7971574B2 (en) Backpressure valve and fuel system having the same
JP4305394B2 (ja) 内燃機関用燃料噴射装置
EP1061254B1 (en) Common-rail fuel-injection system
JPH11200990A (ja) 燃料噴射制御装置
JP2004316640A (ja) 燃料供給ポンプ
JP4045594B2 (ja) 蓄圧式燃料噴射装置
JP2006207451A (ja) 燃料ポンプ及びその燃料ポンプに備えられる吐出弁
JP2003113758A (ja) 例えば直噴式である内燃機関を作動させるための、方法、コンピュータプログラム、開ループ制御及び/又は閉ループ制御式制御装置、ならびに燃料システム
JP3819208B2 (ja) 可変吐出量燃料供給装置
US20050115543A1 (en) High-pressure fuel pump for an internal combustion engine
JP2010163888A (ja) 内燃機関の燃料供給装置
JP2003065184A (ja) 内燃機関の作動方法、コンピュータプログラム、制御及び/又は調整装置並びに燃料系
JP5196320B2 (ja) 高圧ポンプ
US8608456B2 (en) High pressure pump
JP5176948B2 (ja) 燃料供給装置、及び、高圧ポンプ
JP4404056B2 (ja) 内燃機関用燃料噴射装置
JP4211733B2 (ja) コモンレール式燃料噴射装置
JP6146365B2 (ja) 燃料供給システム
JP3801748B2 (ja) コモンレール式燃料噴射制御装置
JP2011185164A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4329755B2 (ja) 内燃機関の高圧燃料ポンプ
JP5196321B2 (ja) 燃料供給装置、及び、高圧ポンプ
JP2009068462A (ja) 燃料供給装置