JP3801748B2 - コモンレール式燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コモンレール(蓄圧配管)内に蓄圧された高圧燃料をインジェクタによりディーゼルエンジンの各気筒へ噴射するコモンレール式燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンに燃料を噴射するシステムの1つとして、コモンレール式燃料噴射制御装置が知られている。コモンレール式燃料噴射制御装置では、各気筒に連通する共通の蓄圧配管(コモンレール)が設けられ、ここに可変吐出量高圧ポンプによって必要な流量の高圧燃料を圧送供給することにより、蓄圧配管の燃料圧力を一定に保持している。蓄圧配管内の高圧燃料は所定のタイミングでインジェクタにより各気筒に噴射される(例えば、特開昭64−73166号公報等)。
【0003】
図17は、コモンレール式燃料噴射制御装置の可変吐出量高圧ポンプの一例を示すもので、シリンダ91内には図示しないカムによって駆動されるプランジャ92が往復動自在に嵌挿され、シリンダ91の内壁面とプランジャ92の上端面とで圧力室93を形成している。該圧力室93の上方には電磁弁94が取り付けられており、電磁弁94は、その内部に形成された低圧流路95と圧力室93の間を開閉する弁体96を有している。
【0004】
弁体96は、コイル97に通電しない図示の状態で開弁位置にあり、燃料は、プランジャ92の下降時に、図略の低圧供給ポンプより低圧流路95、弁体96周りの間隙を経て圧力室93内に導入される。コイル97に通電すると弁体96は上方へ吸引され、その略円錐状の先端部がシート部98に着座して閉弁する。同時に、プランジャ92の上昇によって、圧力室93内の燃料が加圧され、圧力室93の側壁に設けた流路99より図略のコモンレールへ圧送される。
【0005】
ところで、プランジャ92の上昇中は、圧力室93内の燃料圧により弁体96に閉弁方向の力が作用するため、弁体96は一度閉弁すると、コイル97への通電を停止しても開弁しない。このため、上記構成の可変吐出量高圧ポンプでは、蓄圧配管へ送る流量の制御を、閉弁時期を制御する、いわゆるプレストローク制御にて行っている。すなわち、プランジャ92が上昇行程に移った後、直ちに閉弁せず、圧力室93内の燃料が所定量となるまで開弁状態を保持して、余剰の燃料を低圧流路95側へ逃がし、しかる後、閉弁して加圧を開始することで、必要量の加圧流体をコモンレールへ圧送している。
【0006】
ところが、エンジンの回転数の上昇に伴い、ポンプの送油率が高くなると、弁体96が閉弁信号とは無関係に閉弁(自閉)するという問題が生ずる。これは、プランジャ92の上昇時、弁体96が、下端面に圧力室93内の燃料の動圧を直接受けること、弁体96とシート部98の間の間隙より低圧流路95へ向けて流れる燃料の絞り効果により閉弁方向の力を受けること等によるもので、流量制御が適切になされないおそれがある。
【0007】
この対策としては、弁体96の作動ストロークを大きくするか、弁体96の復帰用スプリング力を大きくすることが考えられるが、いずれの場合も、閉弁応答性の低下につながる。閉弁応答性を維持するためにはコイルに通電する電力を多大にしたり、体格を大きくして電磁弁の吸引力を増加させる必要があり、電磁弁の電力コスト、製作コストの上昇を招くという問題があった。
【0008】
また、上記構成の可変吐出量高圧ポンプでは、圧力室93への流路の開閉を電磁弁94で行っており、閉弁信号に対し弁体96が着座して流路を閉鎖するまでに一定の時間を要することから、通常、この作動応答時間を予め計算して閉弁タイミングを制御している。ところが、エンジンの回転数が上昇し、ポンプの送油率が高くなると、開閉動作が間に合わなくなり、十分な制御ができなくなるおそれがあった。
【0009】
そこで、本発明者等は、エンジンの回転数が上昇し、ポンプの送油率が高い状態でも、蓄圧配管へ圧送する流量制御が容易かつ確実にでき、しかも装置の大型化や電力の増大を伴わないことを目的として、低圧流路と圧力室との間を開閉する弁体と、低圧流路から圧力室へ吸入される低圧燃料の流量を制御する弁体を別々に設けた可変吐出量高圧ポンプを提案した(特願平8−195653号)。
【0010】
この構成を図18に示すと、ポンプハウジング100内にはドライブシャフト101が挿通保持されており、このドライブシャフト101と一体に回転するフィードポンプ102によって、低圧燃料が低圧流路103、104より、燃料溜まり105に流入するようになしてある。
【0011】
上記ドライブシャフト101の右端部には、インナーカム106が一体に形成されており、このインナーカム106内には、ヘッド107の左端部が挿通位置している。該ヘッド107の左端部内には、4個の摺動孔108が放射状に形成され(図ではこのうち2個のみを示す)、各摺動孔108内にはプランジャ109が往復動自在に支持されている。これらプランジャ109の内側端面と摺動孔108の内壁とで圧力室110が形成され、導入される燃料をプランジャ109の往復動によって加圧するようになしてある。
【0012】
上記燃料溜まり105より圧力室110に至る流路には、上流側から、流量制御用の電磁弁111および逆止弁112が配設されている。逆止弁112は電磁弁111が開弁している間、流入する燃料の圧力で開弁し、電磁弁111が閉弁すると閉弁する。しかして、電磁弁111により予め必要な流量を圧力室110内に供給すると、逆止弁112により低圧燃料の加圧開始時より圧送終了時まで圧力室110への流路が閉鎖されるので、電磁弁111には最大の圧力でもフィード圧(約15気圧)しか作用しない。よって、電磁弁111の体格を大きくする等の必要がなく、コスト低減が可能となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記可変吐出量高圧ポンプは、上記4本のプランジャ109が同時に往復動して圧力室110内の燃料を加圧する構成となっており、加圧燃料の圧送に必要な駆動トルクが大きい。図9(a)は、上記構成の可変吐出量高圧ポンプにおいて、プランジャ109を4本とし、インナーカム106の内周面に4個のカム山を形成した場合の最大駆動トルク(最大吐出量における駆動トルク)を示したものである。インナーカム109、すなわちドライブシャフト101の1回転につき、4回の圧送が行われ、圧送期間が約45°、吸入期間は約45°で間欠的に圧送が行われる。この時、最大駆動トルクは50Nmであり、この場合、インナーカム106と一体のドライブシャフト101を回転駆動するためにタイミングベルトを用いると、タイミングベルトの耐久性が不十分となることが懸念される。
【0014】
この対策として、本発明者等は、さらに、圧力室を4本のプランジャのそれぞれに対応して設け、プランジャが2本づつ交互に圧送する構成としたことで、駆動トルクのピーク値を低くすることを可能にした可変吐出量高圧ポンプを提案した(特願平9ー150233号)。この可変吐出量高圧ポンプによれば、駆動トルクのピーク値が大幅に低減し、これに起因するタイミングベルトの耐久性の低下は回避される。しかしながら、タイミングベルトの共振振動数と駆動トルクの発生振動数が一致すると、タイミングベルトが共振して大きく振動することが判明し、この近傍で長時間運転することにより、タイミングベルトの耐久性を低下させるおそれが生じた。
【0015】
しかして、本発明の目的は、可変吐出量高圧ポンプの駆動に伴うタイミングベルトの共振を防止し、タイミングベルトの耐久性の低下を防止できるコモンレール式燃料噴射制御装置を実現することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明請求項1において、コモンレール式燃料噴射制御装置は、高圧燃料を蓄圧するコモンレールと、該コモンレール内の高圧燃料をエンジンの各気筒へ噴射するためのインジェクタと、上記コモンレールに加圧燃料を吐出しコモンレール圧を所定の高圧とするための可変吐出量高圧ポンプと、この可変吐出量高圧ポンプをエンジンと連結し、エンジンの回転数に応じた回転数で駆動するタイミングベルトを備えている。上記可変吐出量高圧ポンプは、吐出量が最大である時にトルク変動が小さくなる構成としてある。そして、上記コモンレールを燃料を排出するためのリリーフ流路に接続し、該リリーフ流路を開放してコモンレール圧を減圧するためのコモンレール圧減圧用電磁弁を設けるとともに、上記タイミングベルトの共振振動数に相当するエンジン回転数域における、上記可変吐出量高圧ポンプの吐出量をトルク変動が少なくなるように制御し、かつ上記コモンレール圧減圧用電磁弁によって上記リリーフ流路への燃料の排出量を調節することによりコモンレール圧を所定圧に制御する制御手段を設けたものである。
【0017】
タイミングベルトの共振は、駆動トルクの発生が間欠的に起こり、この発生振動数がタイミングベルトの共振振動数に一致した場合に起こる。よって、これを防止するには、駆動トルクの変動が小さくなるようにするのがよく、上記制御手段は、タイミングベルトが共振するエンジン回転数付近においては、可変吐出量高圧ポンプの吐出量を最大量として、駆動トルクの変動を抑制する。この時、コモンレール圧の吐出量による制御はできなくなるが、吐出量が最大であるので、コモンレール圧減圧用電磁弁からのリリーフ量を調節して、コモンレール圧を所定の高圧に制御できる。しかして、タイミングベルトの共振を防止して耐久性を十分高くし、しかもコモンレール圧の制御性を確保することができる。
【0018】
請求項2の構成では、上記可変吐出量高圧ポンプを、シリンダ内に往復運動可能に嵌挿されたプランジャと、該プランジャを上記シリンダ内で往復運動させるカムと、上記シリンダの内壁面と上記プランジャの端面とで形成され、低圧流路より導入される低圧燃料を上記プランジャの往復運動によって加圧する複数の圧力室と、上記複数の圧力室と上記低圧流路との間の連通、遮断を切り替え、低圧燃料を上記複数の圧力室に分配する分配手段と、上記低圧流路から上記複数の圧力室への低圧燃料の吸入量を調節して上記コモンレールへ吐出される加圧燃料の量を制御するコモンレール圧加圧用電磁弁と、上記コモンレール圧加圧用電磁弁と上記複数の圧力室との間に設けられ、上記低圧流路から上記複数の圧力室方向へのみ低圧燃料を流入させる逆止弁とで構成する。
【0019】
上記構成の可変吐出量高圧ポンプによれば、複数の圧力室に吸入される燃料を独立に加圧し、交互に圧送することができるので、最大吐出量のピーク値が低く、しかもトルク変動が小さくなるような圧送特性を容易に実現することができる。
【0020】
請求項3の構成では、上記分配手段を、上記低圧流路に連通する流路を有し、該流路に連通する少なくとも1つの分配溝を外周面に設けた分配ロータとし、該分配ロータの外周に上記複数の圧力室のそれぞれに至る流路を配置して、上記分配ロータの回転に伴って上記分配溝と上記複数の圧力室への流路の間を連通、遮断するようにする。このような分配ロータを用いることで、各圧力室への燃料の供給を制御性よく行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のコモンレール式燃料噴射制御装置の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1のシステム図において、エンジンEには各気筒の燃焼室に対応する複数のインジェクタIが配設され、これらインジェクタIは各気筒共通の高圧蓄圧配管いわゆるコモンレールRに接続されている。インジェクタIからエンジンEの各燃焼室への燃料の噴射は、噴射量制御用電磁弁B1のON−OFFにより制御され、電磁弁B1が開弁している間、コモンレールR内の燃料がインジェクタIによりエンジンEに噴射される。従って、コモンレールRには連続的に燃料噴射圧に相当する高い所定圧の燃料が蓄圧される必要があり、そのために高圧流路である供給配管R1、吐出弁B2を介して、可変吐出量高圧ポンプPが接続される。また、コモンレールRはリリーフ流路R2によって燃料タンクTと接続されており、コモンレール圧減圧電磁弁B3によってコモンレールR内の燃料をリリーフし、燃料タンクTにもどすように構成されている。
【0022】
この可変吐出量高圧ポンプPは、燃料タンクTからフィードポンプP1を経て吸入される低圧燃料を高圧に加圧し、コモンレールR内の燃料を高圧に制御するものである。コモンレールRには、コモンレール圧力を検出する圧力センサS1が配設されており、システムを制御する制御手段たる電子制御ユニットECUは、この圧力センサS1からの信号が予め負荷や回転数に応じて設定した最適値となるように、可変吐出量高圧ポンプPの吐出量、およびコモンレール圧減圧電磁弁B3によってコモンレールRからリリーフする燃料量を制御する。さらに、電子制御ユニットECUには、エンジン回転角センサS2、負荷センサS3より、回転数、負荷の情報が入力され、電子制御ユニットECUは、これらの信号により判別されるエンジン状態に応じた最適の噴射時期、噴射量(噴射期間)を決定して噴射量制御用電磁弁B1に制御信号を出力する。
【0023】
次に、図2により上記可変吐出量高圧ポンプPの詳細について説明する。図において、ポンプハウジング1内には、エンジンE(図1参照)によってエンジンの1/2の回転と同期して回転駆動されるドライブシャフトDが挿通保持されており、このドライブシャフトDには低圧燃料供給用のベーン式フィードポンプP1が連結されている。フィードポンプP1はドライブシャフトDと一体に回転し、燃料タンクT(図1参照)から燃料を吸入して低圧に加圧した燃料を低圧流路11、12、フィルター51、ヘッド14内の低圧流路13を通して燃料溜まり52に送出している。フィードポンプP1の燃料吐出側と燃料吸入側とは、吐出圧力が調節できるように図示しない圧力調整弁を介して接続されている。このように本実施の形態では、可変吐出量高圧ポンプPは図1に示したフィードポンプP1を内蔵する構成となっている。
【0024】
上記ドライブシャフトDは、ベアリングD1、D2を介してポンプハウジング1に回転可能に支持されており、その右端部にインナーカム8が一体に形成されている。ポンプハウジング1の右端開口にはヘッド14が嵌着されており、該ヘッド14は左端中央部が突出して上記インナーカム8内に挿通位置している。このヘッド14の左端中央部内には、詳細を後述する分配ロータ70と逆止弁4が配設されている。ヘッド14の右端部には、圧力室への低圧燃料の吸入量を調節して上記コモンレールへ吐出される加圧燃料の量を制御するコモンレール圧加圧用電磁弁6が配設され、該コモンレール圧加圧用電磁弁6は、ハウジング61外周に設けたフランジ63に図示しないボルトを挿通することによって固定されている。このコモンレール圧加圧用電磁弁6と逆止弁4、および分配ロータ70とで上記図1における吐出制御装置P2を構成している。なお、本実施の形態においては、ドライブシャフトDとインナーカム8は一体となっているが、これらを別体にして継手で連結してもよい。
【0025】
上記可変吐出量高圧ポンプPの駆動は、図3に示すタイミングベルト53によって行われる。可変吐出量高圧ポンプPは、ドライブシャフトDのネジ部54(図2参照)に、ポンプタイミングプーリー55を固定するようにしてあり、上記タイミングベルト53は、このポンプタイミングプーリー55外周に懸架される。カムシャフトタイミングプーリー56はエンジンのカムシャフトに、クランクシャフトタイミングプーリー57はエンジンのクランクシャフトに、それぞれ固定されており、クランクシャフトタイミングプーリー57は、エンジンのクランクシャフトの回転力を上記タイミングベルト53を介して上記ポンプタイミングプーリー55およびカムシャフトタイミングプーリー56に伝達し、これらプーリー55、56を回転駆動している。図の58および59はアイドラーであり、このうちアイドラー59は、スプリング60のバネ力によってタイミングベルト53に張力を付与し、タイミングベルト53がたわまないようにしている。
【0026】
上記コモンレール圧加圧用電磁弁6は、図4の如く、コイル62を内蔵するハウジング61と、その左端部内に嵌装固定されるバルブボディ68を有し、バルブボディ68に設けたシリンダ69内に、弁体73を摺動可能に保持している。弁体73の左端部周りには環状の流路74aが形成され、該流路74aは流路74bにて上記燃料溜まり52に連通するとともに、流路74cにて、上記分配ロータ70に至る流路72に連通している。
【0027】
上記弁体73の右端にはアーマチャ64が圧入固定してあり、アーマチャ64は、ステータ65と一定の間隔で対向している。該ステータ65の外側には上記コイル62が配され、ステータ65内部に設けたスプリング室66内にはスプリング67が配設されて、上記アーマチャ64を図の左方に付勢している。
【0028】
流路74cの開口端には略円錐状のシート面75が形成してあり、上記コイル62に通電しない図示の状態で、弁体73の先端部がこのシート面75に着座して上記流路74a、74c間を閉鎖するようになしてある。コイル62へ通電するとアーマチャ64が吸引され、これと一体の弁体73先端部がシート面75から離れて、流路74a、74c間を開放する。このように、コモンレール圧加圧用電磁弁6を、非通電状態で閉弁する構成とすることで、コイル62の破損時に燃料の圧送が行われないようにする効果がある。
【0029】
上記コモンレール圧加圧用電磁弁6の上流には、図2のようにフィルター51が配設されており、万一、シート面75と弁体73の間に異物が噛み込むと、常に流路74a、74c間は開放された状態となる。つまり、常時、圧送が行われてしまうため、本実施の形態においては、例えば、弁体73のリフト量を0.2mmとし、フィルター51の目開きをこれより小さい0.15mmとして、異物の噛み込みを防止している。
【0030】
図4において、ヘッド14の上記左端中央部には、内部に圧力室を形成するシリンダたる摺動孔2が複数形成してある。図5に示すように、本実施の形態では、等間隔で配置した4個の摺動孔2内に、4本のプランジャ21a〜21dをそれぞれ摺動孔2内に往復動自在かつ摺動自在に支持せしめている。各摺動孔2の内壁とプランジャ21a〜21dの内側端面との間に形成される空間は、それぞれ圧力室23a〜23dとなしてある。また、各プランジャ21a〜21dの外側端部にはシュー24a〜24dが設けられ、各シュー24a〜24dにカムローラ22a〜22dが回転自在に保持されている。
【0031】
上記インナーカム8は、このカムローラ22a〜22dの外周に摺接するように配置されており、その内周面は、複数のカム山を有するカム面81となしてある。ここではカム山を等間隔で2つ形成している(図のプランジャ21b、21d対向する位置)。しかして、ドライブシャフトDと一体となったインナーカム8が回転すると、プランジャ21a〜21dがシリンダ2内を往復動し、プランジャ21a、21cとプランジャ21b、22dとが交互に上昇して圧力室23a〜23d内の燃料を加圧する。このように、本実施の形態においては、プランジャを等間隔で4本配置し、インナーカム8の内周面に等間隔で2個のカム山を形成している。このようにプランジャの本数に対してカム山の個数を少なくすることで、最大トルクの低減がより効果的にできる。
【0032】
図4において、上記圧力室23a〜23dの左方に形成したシリンダ40内に、分配手段たる分配ロータ70が回転自在に保持され、該分配ロータ70の外周には、複数個の逆止弁4が配設してある。本実施の形態ではこの逆止弁を4個としてあり、上記圧力室23a〜23dに至る流路途中にそれぞれ設けてある。ヘッド14の左方にはシューガイド30が配設され、図示しないボルトによってヘッド14に固定されている。上記分配ロータ70は、ピン80(図2参照)によって、ドライブシャフトDに連結しており、該ドライブシャフトDとともに回転運動するようになしてある。分配ロータ70とシューガイド30の間には、ワッシャ76が挿入されており、分配ロータ70とワッシャ76間、ワッシャ76とシューガイド30間が回転すべりするようになっている。
【0033】
上記分配ロータ70は、図の上下方向に延びる流路78と、該流路78の中間部に一端が連通し、他端が上記流路72に連通する流路71とを有している。図6のように、上記流路78の上下端には2個の分配溝77が形成してあり、分配ロータ70の回転によって、逆止弁4内の流路41に至るフィードポート82a〜82dに燃料を供給するようになしてある。このフィードポート82a〜82dと分配溝77との連通、遮断の状態については後述する。
【0034】
なお、圧力室23a〜23d内の燃料が加圧されると、ヘッド14の圧力室23a〜23d近傍は圧力によって変形するが、図4のように、分配ロータ70は、プランジャ21a〜21dの軸線から十分に離れたところに配置されているため、分配ロータ70とヘッド14との回転が妨げられるようなことはない。
【0035】
各逆止弁4は内部に流路41を形成したボデー42を有し、ボデー42はヘッド14内に圧入固定してある。上記流路41は、途中で上記圧力室23a〜23d方向(図の右方)に拡径して円錐状のシート面45をなし、弁体としてのボール44が着座して流路41を閉鎖するようになしてある。ボール44の右方にはこれを閉弁方向に付勢するスプリング47が配設してあり、その右方には、ヘッド14とボデー42間に挟持されてシム43が配設されている。圧力室23a〜23dへ燃料が吸入される吸入工程時において、逆止弁4のボール44は、スプリング47のバネ力に抗して開弁し、燃料が流路46から圧力室23a〜23dへ供給される。プランジャ21a〜21dの圧送工程時には、スプリング47のバネ力でボール44がシート面45に着座し、逆止弁4は閉弁している。
【0036】
ここで、上記逆止弁4は、コモンレール圧加圧用電磁弁6から各圧力室23a〜23dへ至る流路の途中に設けられていればよいが、本実施の形態のように、逆止弁4を、分配ロータ70と圧力室23a〜23dの間に設けることが望ましい。この時、高圧部のデッドボリュームを少なくできる利点がある。また、分配ロータ70には、高圧が作用しないため、分配ロータ70とヘッド14との摺動部からの漏れが低減できる。
【0037】
ヘッド14の内部に形成される上記燃料溜まり52内には、上記フィードポンプP1によって約15気圧に加圧された低圧燃料が満たされている。この低圧燃料は、上記燃料溜まり52から、電磁弁6、ヘッド14内の流路72、分配ロータ70内の流路71、逆止弁4を経て、流路15より各圧力室23a〜23dに流入する。圧力室23a〜23dで加圧された燃料は(図2)、ヘッド14壁に設けた吐出孔16よりデリバリバルブ3(図1における吐出弁B2に相当)、供給配管R1を通ってコモンレールRに供給される(図1参照)。その供給の圧力はエンジンEの運転状態によって異なり、200〜1200気圧である。デリバリバルブ3は逆止弁としての機能を持ち、弁体31とこれを閉弁方向に付勢するリターンスプリング32を有し、加圧燃料が所定圧を越えると開弁するようになしてある。
【0038】
なお、図2には、デリバリバルブ3は1つしか示されていないが、図示しない位置に、もう1つのデリバリバルブが設置されている。すなわち、図7に示すように、本実施の形態では、4本のプランジャ21a〜21dが配置されており、ヘッド14とプランジャ21a〜21dに囲まれた4つの圧力室23a〜23dのうち、対向する2つの圧力室23a、23cと、圧力室23b、23dとが、交互に加圧を行う。そこで、圧力室23a、23cを吐出穴16a、16cによってデリバリバルブ3aに、圧力室23b、23dが吐出穴16b、16dによってデリバリバルブ3bに、それぞれ連通させている。各圧力室23a〜23dで加圧された燃料は、これらデリバリバルブ3a、3bから、図2の共通配管R1を通ってコモンレールRに供給される。なお、デリバリバルブ3を4個にして、圧力室23a〜23dのそれぞれと連通する構成としてもよい。
【0039】
次に、図8を用いて上記構成の可変吐出量高圧ポンプPの作動について説明する。図8において、カム8のリフト(a,c)は、図5におけるプランジャ21a、21cに対向する、カム面81上の点81a、81cにおけるリフト量を示す。つまり、インナーカム8が回転することで、点81a、81cにおけるリフト量が変化する。カム8のリフト(b,d)は、同様に、プランジャ21b、21dに対向する、カム面81上の点81b、81dにおけるリフト量を示す。
【0040】
図8(a)点において、インナーカム8(a,c)は吸入工程に入り、フィードポート82a、82cと分配溝77とが連通する(図6に図示の状態)。コモンレール圧加圧用電磁弁6のコイル62への通電は、これに先立って行われ、図8(a)の時点では、電磁弁6の弁体73は開弁している。従って、燃料溜まり52から、流路74c、72、79、78、分配溝77、フィードポート82a、82c、逆止弁4内の流路41、流路15を通って、燃料が圧力室23a、23cにそれぞれ流入する。この時、流入する燃料によって、プランジャ21a、21cはカム面81側に押しつけられ、コモンレール圧加圧用電磁弁6の弁体73が閉弁するまで燃料の吸入が行われる。
【0041】
電子制御ユニットECUからコモンレール圧加圧用電磁弁6のコイル62への通電が遮断されると、電磁弁6の弁体73が閉弁し(図8(b)点)、燃料溜まり52と流路74cの間、すなわち、圧力室23a、23cとの間が遮断される。また、逆止弁4もスプリング47の付勢力によって閉弁する。その後も、インナーカム8のリフト(a,c)は下降し続けるが、吸入が終了すると、プランジャ21a、21cのリフトは停止して、カムローラ22a、22cとインナーカム8は離れる。その後、フィードポート82a、82cと分配溝77との連通は、分配ロータ70の回転によって遮断される(図8(c)点)。このように、弁体73が開弁している間、燃料が吸入され、この量がすなわち圧送量(吐出量)となる。よって、弁体73の開弁角度を調整することで、可変吐出量高圧ポンプPの吐出量を制御することができる。
【0042】
電子制御ユニットECUから、再びコモンレール圧加圧用電磁弁6のコイル62への通電が行われると、電磁弁6の弁体73が開弁するが(図8(d)点)、この時、全てのフィードポート82a〜82dと分配溝77との間は遮断されており、全ての圧力室23a〜23dについて、燃料の吸入は行われない。本実施の形態では、この全てのフィードポート82a〜82dと分配溝77の間が遮断されている期間が、約30°となるようにしており、この間に電磁弁6の弁体73が開弁するように制御する。次いで、図8(e)点で、フィードポート82b、82dと分配溝77とが連通し、インナーカム8(b,d)が吸入行程に入る。以下、プランジャ21a、21cの場合と同様にして、圧力室23b、23dへ燃料の吸入が行われる。
【0043】
図8(c)点から、インナーカム8のリフト(a,c)が開始されるが、インナーカム8のリフトが開始しても、プランジャ21a、21cはすぐにはリフトを開始せず、インナーカム8のカム面81上の点81a、81cのリフト量がプランジャ21a、21cのリフト量となると(図8(f)点)、カムローラ22a、22cがインナーカム8に当接し、カムローラ22a、22cがシュー24a、24cを介してプランジャ21a、21cをリフトさせる。この圧送工程時においては、それぞれの逆止弁4は閉弁しているため、分配ロータ70に高圧が作用することはない。その後、プランジャ21a、21cの上昇とともに上記圧力室23a、23c内の容積が縮小し、圧力室23a、23c内の圧力が次第に高くなる。圧力室23a、23c内の燃料の圧力が所定圧を越えると、吐出孔16、デリバリバルブ3を経て、供給配管R1よりコモンレールRに高圧燃料が供給される(図2)。プランジャ21a、21cのリフトが最大となると(図8(g)点)、圧送が終了する。インナーカム8のリフト(b,d)も同様にして行われる。
【0044】
図8に示したように、上記構成においてプランジャ21a、21cによる圧送と、プランジャ21b、21dによる圧送は、インナーカム8の回転角度で90°づつずれて行われる。図9(b)は、最大吐出量の時の駆動トルクを示したもので、プランジャ21a、21cによる駆動トルクとプランジャ21b、21dによる駆動トルクを合計したもの、すなわち図9(b)の実線と破線を合計したものとなる。このように、上記構成においては、最大吐出量の時に、駆動トルクの変動がごく小さく、また、図9(a)の従来構成に比べて駆動トルクのピーク値が大幅に低減していることがわかる。
【0045】
図10は、最大吐出量の約70%の吐出量の時の駆動トルクであり、この場合も、図10に示す実線と破線を合計したものが駆動トルクとなる。図10に示すように、最大吐出量(全量圧送)でない時には、駆動トルクは間欠的に発生する。エンジン回転数N=2000rpmの時、可変吐出量高圧ポンプPの回転数は1000rpmであり、駆動トルクは約66.7Hzで発生する。この駆動トルクの発生振動数が、タイミングベルト53(図3参照)の共振振動数とほぼ一致する時には、タイミングベルト53の振動の振幅が大きくなり、この共振点付近で長時間運転すると、タイミングベルト53の耐久性を低下させるおそれがある。
【0046】
そこで、本発明では、駆動トルクの発生振動数が、タイミングベルト53の共振振動数付近にある時には、駆動トルクの変動の小さい最大吐出量とし、コモンレール圧の制御を、コモンレール圧減圧用電磁弁B3からリリーフ流路R2に排出される燃料の量を調節することによって行うことで、これを解決する。以下、電子制御ユニットECUによる制御方法について図11〜16を用いて説明する。
【0047】
エンジンEには、図11に示すシグナルロータ17がドライブシャフトDと同軸に取付けられており、このシグナルロータ17の外周面に対向する位置に、図2に示したエンジン回転角センサS2が配設されている。上記シグナルロータ17の外周面には、外周面を4等分する4箇所の欠歯部を除いて56個の突起18が形成されており、エンジン回転角センサS2は、これら突起18が横切る度に検出信号を発生して、電子制御ユニットECUに出力する(図13)。この時、回転角センサS2からは図12(イ)に示すような検出信号が出力され、これを電子制御ユニットECUの波形整形回路37で波形整形することによって、図12(ロ)に示すように、燃料噴射周期と同期した基準信号Aおよび回転角信号Bが得られることになる。
【0048】
一方、電子制御ユニットECUは(図13)、冷却水温センサ33、吸気温センサ34、吸気圧センサ35、負荷センサS3、圧力センサS1から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器36を有し、CPU38は、このA/D変換器36あるいは上記波形整形回路37を介して入力される各センサの検出信号に基づいて、噴射量制御用電磁弁B1、コモンレール圧加圧用電磁弁6、コモンレール圧減圧用電磁弁B3の制御を実行する。電子制御ユニットECUは、さらに、CPU38によって制御処理を実行する際に必要な制御プログラムや各種データが予め記憶されたROM26、CPU38によって制御処理を実行する際に必要なデータが一時的に読み書きされるRAM27、および噴射量制御用電磁弁B1、コモンレール圧加圧用電磁弁6、コモンレール圧減圧用電磁弁B3に各々駆動信号を出力する駆動回路48、49、50を有している。
【0049】
次に、本実施の形態の制御ルーチンを図14〜16を用いて説明する。図14は、エンジン回転角センサS2からNEパルス信号が出力される毎に実行されるNEパルス信号割り込み処理を示すものであり、処理が開始されると、まずステップ201において、前回の割り込み処理が実行されてから今回実行されるまでの時間、すなわち回転角信号のパルス間隔Tpを算出する。次いで、ステップ202において、ステップ201で求めたパルス間隔Tp(n)と、前回の処理の際に求められたパルス間隔Tp(n−1)に定数Kを乗算した値とを大小比較することにより、今回入力された回転角信号が基準信号であるか否かを判断する。これは基準信号入力時には、その間のパルス間隔Tpが通常より2.5倍程度の大きな値となるので、例えば定数Kの値を2.28とし、パルス間隔Tp(n)が前回のパルス間隔Tp(n−1)に対してK倍以上であれば、今回の回転角信号が基準信号であることを検知することができる。このステップ202において回転角信号が基準信号でないと判断された場合には、ステップ203に移行する。
【0050】
ステップ203では、NEパルス番号Cの値を1だけ増加させ、次のステップ204に移行する。ステップ204の処理は、コモンレール圧加圧用電磁弁6の駆動信号またはコモンレール圧減圧用電磁弁B3の駆動信号をONにするタイミングを検知するための処理であって、C=1でない場合には、そのタイミングではないと判断し、そのまま本ルーチンの処理を終了する。一方、ステップ204にてC=1であると判断された場合、ステップ205に移行し、エンジン回転数Nが、1800rpm<N<2200rpmであるかどうか、すなわち、タイミングベルト53(図3参照)が共振するエンジン回転数近傍かどうかを判断する。そして、ステップ205で、1800rpm<N<2200rpmであると判断された時、すなわち、タイミングベルト53が共振するエンジン回転数近傍であると判断された時は、ステップ206に移行する。
【0051】
ステップ206では、コモンレール圧加圧用電磁弁6の駆動信号がOFFの時は、これをONにする。ステップ207では、後述するコモンレール圧減圧用電磁弁B3の駆動信号処理ルーチンを実行し、本ルーチンの処理を終了する。一方、ステップ205にて1800rpm<N<2200rpmでないと判断された時は、ステップ208に移行し、後述するコモンレール圧加圧用電磁弁6の駆動信号処理ルーチンを実行し、本ルーチンの処理を終了する。なお、上記ステップ202にて回転角信号が基準信号である旨判断された場合は、ステップ209においてNEパルス番号Cの値をクリアし(Cの値を0にする)、次のステップ210で、回転角センサS2からの検出信号に基づき、エンジン回転数Nを算出して、本ルーチンの処理を終了する。
【0052】
図15は、コモンレール圧加圧用電磁弁6の駆動信号処理ルーチンであり、この処理が開始されると、まずステップ301を実行し、コモンレール圧加圧用電磁弁6の駆動信号をONにする(図8(d)参照)。次にステップ302において、冷却水温センサ33、吸気温センサ34、吸気圧センサ35、および負荷センサS3より出力された、エンジンEの運転状態を表す各種検出信号を読み込み、ステップ303に移行する。
【0053】
ステップ303では、エンジン回転数Nおよびステップ302にて読み込まれたエンジンEの運転状態を表す各種検出信号に基づき、目標コモンレール圧力を算出する。つまり、エンジン回転数Nと負荷センサS3によって検出されたアクセルペダルの踏み込み量とをパラメータとして、基本となる目標燃料噴射時期を算出し、その後、この求められた値を冷却水温THV、吸気温Ta、吸気圧Pa等により補正することによって目標コモンレール圧力を決定するのである。
【0054】
次のステップ304では、圧力センサS1より出力された検出信号を読み込み、実コモンレール圧力を算出する。ステップ305では、ステップ303で算出した目標コモンレール圧力とステップ304で算出した実コモンレール圧力を比較し、コモンレール圧力の誤差を算出して、ステップ306に移行する。ステップ306では、コモンレール圧力の誤差に基づいて、コモンレール圧加圧用電磁弁6のON時間を算出し、駆動信号がOFFとなる時刻を設定して、本ルーチンの処理を終了する。ここで、ON時間は、実コモンレール圧力が目標コモンレール圧力より低いほど長く設定される。
【0055】
図16は、コモンレール圧減圧用電磁弁B3の駆動信号処理ルーチンであり、この処理が開始されると、まずステップ401を実行し、コモンレール圧減圧用電磁弁B3の駆動信号をONにする。次にステップ402において、冷却水温センサ33、吸気温センサ34、吸気圧センサ35、および負荷センサS3より出力された、エンジンEの運転状態を表す各種検出信号を読み込み、ステップ403に移行する。
【0056】
ステップ403では、エンジン回転数Nおよびステップ402にて読み込まれたエンジンEの運転状態を表す各種検出信号に基づき、目標コモンレール圧力を算出する。つまり、エンジン回転数Nと負荷センサS3によって検出されたアクセルペダルの踏み込み量とをパラメータとして、基本となる目標燃料噴射時期を算出し、その後、この求められた値を冷却水温THV、吸気温Ta、吸気圧Pa等により補正することによって目標コモンレール圧力を決定する。
【0057】
次のステップ404では、圧力センサS1より出力された検出信号を読み込み、実コモンレール圧力を算出する。ステップ405では、ステップ403で算出した目標コモンレール圧力とステップ404で算出した実コモンレール圧力を比較し、コモンレール圧力の誤差を算出して、ステップ406に移行する。ステップ406では、コモンレール圧力の誤差に基づいて、コモンレール圧減圧用電磁弁B3のON時間を算出し、駆動信号がOFFとなる時刻を設定して、本ルーチンの処理を終了する。ここで、ON時間は、実コモンレール圧力が目標コモンレール圧力より高いほど長く設定される。
【0058】
以上のように、タイミングベルト53が共振するエンジン回転数付近では、コモンレール圧加圧用電磁弁6を常時ONとし、コモンレールRの圧力は、コモンレール圧減圧用電磁弁B3によってコモンレールR内の燃料をリリーフ流路R2に排出することで制御する。この時、可変吐出量高圧ポンプPは最大吐出量となり、駆動トルクは図9(b)に示す実線と破線を合計したものとなる。この最大吐出量においては、図のように、駆動トルクの変動が非常に少ないので、タイミングベルトによる振動は少なくなり、タイミングベルト53の耐久性の問題が解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す燃料噴射制御装置の全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における可変吐出量高圧ポンプの全体断面図である。
【図3】可変吐出量高圧ポンプとエンジンの連結構造を示す図である。
【図4】図2の部分拡大断面図である。
【図5】図2のA−A線断面図である。
【図6】図4のB−B線断面図である。
【図7】第1の実施の形態の可変吐出量高圧ポンプの主要部の概略構成図である。
【図8】第1の実施の形態における可変吐出量高圧ポンプの作動を説明するための図である。
【図9】(a)は従来の可変吐出量高圧ポンプの圧送特性(最大吐出量)を示す図、(b)は本発明の可変吐出量高圧ポンプの圧送特性(最大吐出量)を示す図である。
【図10】本発明の可変吐出量高圧ポンプの圧送特性(吐出量70%)を示す図である。
【図11】エンジンと回転角センサの位置関係を示す図である。
【図12】(イ)は回転角センサの出力信号を示す図、(ロ)は(イ)を波形整形した信号を示す図である。
【図13】電子制御ユニットの構成を示す図である。
【図14】電子制御ユニットの制御ルーチンを示す図である。
【図15】コモンレール圧加圧用電磁弁の駆動信号処理ルーチンを示す図である。
【図16】コモンレール圧減圧用電磁弁の駆動信号処理ルーチンを示す図である。
【図17】従来の可変吐出量高圧ポンプの全体断面図である。
【図18】従来の可変吐出量高圧ポンプの全体断面図である。
【符号の説明】
E エンジン
D ドライブシャフト
I インジェクタ
P 可変吐出量高圧ポンプ
R コモンレール
R1 供給配管
R2 リリーフ流路
B3 コモンレール圧減圧用電磁弁
T 燃料タンク
ECU 電子制御ユニット(制御手段)
1 ポンプハウジング
11、12、13 低圧流路
14 ヘッド
15 流路
16 吐出孔
17 シグナルロータ
2 摺動孔(シリンダ)
21a〜21d プランジャ
22a〜22d カムローラ
23a〜23d 圧力室
3 デリバリバルブ
4 逆止弁
41 流路
44 ボール
45 シート面
47 スプリング
52 燃料溜まり
53 タイミングベルト
6 コモンレール圧加圧用電磁弁
62 コイル
70 分配ロータ(分配手段)
71、72 流路
73 弁体
74a〜74c 流路
75 シート面
76 ワッシャ
77 分配溝
78 流路
8 インナーカム
81 カム面
82a〜82d フィードポート
Claims (3)
- 高圧燃料を蓄圧するコモンレールと、該コモンレール内の高圧燃料をエンジンの各気筒へ噴射するためのインジェクタと、上記コモンレールに加圧燃料を吐出しコモンレール圧を所定の高圧とするための可変吐出量高圧ポンプと、エンジンと上記可変吐出量高圧ポンプとを連結しエンジンの回転数に応じた回転数で可変吐出量高圧ポンプを駆動するタイミングベルトとを備えたコモンレール式燃料噴射制御装置において、上記可変吐出量高圧ポンプを、吐出量が最大である時にトルク変動が小さくなる構成とし、上記コモンレール内の燃料を排出するためのリリーフ流路と、該リリーフ流路を開放してコモンレール圧を減圧するためのコモンレール圧減圧用電磁弁と、上記タイミングベルトの共振振動数に相当するエンジン回転数域において、上記可変吐出量高圧ポンプの吐出量が最大となるようにし、かつ上記コモンレール圧減圧用電磁弁により上記リリーフ流路へ排出される燃料の量を調節することによりコモンレール圧を所定圧に制御する制御手段とを設けたことを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置。
- 上記可変吐出量高圧ポンプが、シリンダ内に往復運動可能に嵌挿されたプランジャと、該プランジャを上記シリンダ内で往復運動させるカムと、上記シリンダの内壁面と上記プランジャの端面とで形成され、低圧流路より導入される低圧燃料を上記プランジャの往復運動によって加圧する複数の圧力室と、上記複数の圧力室と上記低圧流路との間の連通、遮断を切り替え、低圧燃料を上記複数の圧力室に分配する分配手段と、上記低圧流路から上記複数の圧力室への低圧燃料の吸入量を調節して上記コモンレールへ吐出される加圧燃料の量を制御するコモンレール圧加圧用電磁弁と、このコモンレール圧加圧用電磁弁と上記複数の圧力室との間に設けられ、上記低圧流路から上記複数の圧力室方向へのみ低圧燃料を流入させる逆止弁を備えている請求項1記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
- 上記分配手段が、上記低圧流路に連通する流路を有し、該流路に連通する少なくとも1つの分配溝を外周面に設けた分配ロータであり、該分配ロータの外周に上記複数の圧力室のそれぞれに至る流路を配置して、上記分配ロータの回転に伴って上記分配溝と上記複数の圧力室への流路の間を連通、遮断するようになした請求項2記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
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