JP3295624B2 - 可変吐出量高圧ポンプ - Google Patents

可変吐出量高圧ポンプ

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JP3295624B2
JP3295624B2 JP27515097A JP27515097A JP3295624B2 JP 3295624 B2 JP3295624 B2 JP 3295624B2 JP 27515097 A JP27515097 A JP 27515097A JP 27515097 A JP27515097 A JP 27515097A JP 3295624 B2 JP3295624 B2 JP 3295624B2
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牧野  正晃
榎本  滋郁
康弘 堀内
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Soken Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ディーゼ
ル機関のコモンレール噴射システムにおいて、コモンレ
ール内に高圧流体を圧送するために用いられる可変吐出
量高圧ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル機関に燃料を噴射するシステ
ムの1つとして、コモンレール噴射システムが知られて
いる。コモンレール噴射システムでは、各気筒に連通す
る共通の蓄圧配管(コモンレール)が設けられ、ここに
可変吐出量高圧ポンプによって必要な流量の高圧燃料を
圧送供給することにより、蓄圧配管の燃料圧力を一定に
保持している。蓄圧配管内の高圧燃料は所定のタイミン
グでインジェクタにより各気筒に噴射される(例えば、
特開昭64−73166号公報等)。
【0003】図15は、このような用途に用いられる可
変吐出量高圧ポンプの一例を示すもので、シリンダ91
内には図示しないカムによって駆動されるプランジャ9
2が往復動自在に嵌挿され、シリンダ91の内壁面とプ
ランジャ92の上端面とで圧力室93を形成している。
該圧力室93の上方には電磁弁94が取り付けられてお
り、電磁弁94は、その内部に形成された低圧流路95
と圧力室93の間を開閉する弁体96を有している。
【0004】弁体96は、コイル97に通電しない図示
の状態で開弁位置にあり、燃料は、プランジャ92の下
降時に、図略の低圧供給ポンプより低圧流路95、弁体
96周りの間隙を経て圧力室93内に導入される。コイ
ル97に通電すると弁体96は上方へ吸引され、その略
円錐状の先端部がシート部98に着座して閉弁する。同
時に、プランジャ92の上昇によって、圧力室93内の
燃料が加圧され、圧力室93の側壁に設けた流路99よ
り蓄圧配管へ圧送される。
【0005】ところで、プランジャ92の上昇中は、圧
力室93内の燃料圧により弁体96に閉弁方向の力が作
用するため、弁体96は一度閉弁すると、コイル97へ
の通電を停止しても開弁しない。このため、上記構成の
可変吐出量高圧ポンプでは、蓄圧配管へ送る流量の制御
を、閉弁時期を制御する、いわゆるプレストローク制御
にて行っている。すなわち、プランジャ92が上昇行程
に移った後、直ちに閉弁せず、圧力室93内の燃料が所
定量となるまで開弁状態を保持して、余剰の燃料を低圧
流路95側へ逃がし、しかる後、閉弁して加圧を開始す
ることで、必要量の加圧流体を蓄圧配管へ圧送してい
る。
【0006】ところが、エンジンの回転数の上昇に伴
い、ポンプの送油率が高くなると、弁体96が閉弁信号
とは無関係に閉弁(自閉)するという問題が生ずる。こ
れは、プランジャ92の上昇時、弁体96が、下端面に
圧力室93内の燃料の動圧を直接受けること、弁体96
とシート部98の間の間隙より低圧流路95へ向けて流
れる燃料の絞り効果により閉弁方向の力を受けること等
によるもので、流量制御が適切になされないおそれがあ
る。
【0007】この対策としては、弁体96の作動ストロ
ークを大きくするか、弁体96の復帰用スプリング力を
大きくすることが考えられるが、いずれの場合も、閉弁
応答性の低下につながる。閉弁応答性を維持するために
はコイルに通電する電力を多大にしたり、体格を大きく
して電磁弁の吸引力を増加させる必要があり、電磁弁の
電力コスト、製作コストの上昇を招くという問題があっ
た。
【0008】また、上記構成の可変吐出量高圧ポンプで
は、圧力室93への流路の開閉を電磁弁94で行ってお
り、閉弁信号に対し弁体96が着座して流路を閉鎖する
までに一定の時間を要することから、通常、この作動応
答時間を予め計算して閉弁タイミングを制御している。
ところが、エンジンの回転数が上昇し、ポンプの送油率
が高くなると、開閉動作が間に合わなくなり、十分な制
御ができなくなるおそれがあった。
【0009】そこで、本発明者等は、エンジンの回転数
が上昇し、ポンプの送油率が高い状態でも、蓄圧配管へ
圧送する流量制御が容易かつ確実にでき、しかも装置の
大型化や電力の増大を伴わないこと、また、流路の開閉
に電磁弁を用いることによる応答遅れ等の不具合を解消
することを目的として、以下に示す吸入量調量式の可変
吐出量高圧ポンプを提案した(特願平8−195653
号)。
【0010】この可変吐出量高圧ポンプは、図16に示
すように、圧力室110の上流に、圧力室110への低
圧燃料の吸入時にのみ開放される逆止弁112を設ける
とともに、その上流に、圧力室110へ吸入される低圧
燃料の流量を制御する電磁弁111を設けたものであ
る。電磁弁111は、弁体111aが開弁している間、
圧力室110方向へ低圧燃料を流し、この燃料の圧力に
よって逆止弁112のボール状の弁体112aが下方へ
移動する。圧力室110はシリンダ110aの内壁面と
プランジャ110bの上端面とで形成され、カム110
cの回転によってプランジャ110bが上下動する。こ
のように、低圧流路と圧力室の間を開閉する弁体と、低
圧流路から圧力室へ吸入される低圧燃料の流量を制御す
る弁体を別々に設けることで、プレストローク制御にお
ける自閉の問題が解消される。
【0011】図17はこれを応用したもので、圧力室1
10を放射状に配置した4本のプランジャ109の端面
間に形成している。図中、ポンプハウジング100内に
はドライブシャフト101が挿通保持されており、この
ドライブシャフト101と一体に回転するフィードポン
プ102によって、低圧燃料が低圧流路103、104
より、燃料溜まり105に流入するようになしてある。
上記ドライブシャフト101の右端部には、インナーカ
ム106が一体に形成されており、このインナーカム1
06内には、ヘッド107の左端部が挿通位置してい
る。
【0012】該ヘッド107の左端部内には、4個のシ
リンダたる摺動孔108が放射状に形成され(図ではこ
のうち2個のみを示す)、各摺動孔108内に上記プラ
ンジャ109が往復動自在に支持されている。これらプ
ランジャ109の内側端面と摺動孔108の内壁とで上
記圧力室110が形成され、導入される燃料をプランジ
ャ109の往復動によって加圧するようになしてある。
上記燃料溜まり105より圧力室110に至る流路に
は、上流側から、流量制御用の電磁弁111および逆止
弁112が配設されている。逆止弁112は電磁弁11
1が開弁している間、流入する燃料の圧力で開弁し、電
磁弁111が閉弁し、加圧開始されると閉弁する。
【0013】しかして、電磁弁111により予め必要な
流量を圧力室110内に供給すると、逆止弁112によ
り低圧燃料の加圧開始時より圧送終了時まで圧力室11
0への流路が閉鎖される。この時、電磁弁111には最
大の圧力でもフィード圧(約15気圧)しか作用しない
ので、電磁弁111の体格を大きくする必要がなく、小
型化、低コスト化が可能となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図1
6、17の構成の可変吐出量高圧ポンプにおいて、圧力
室110への燃料の吸入が終了し、圧送を開始する時
に、逆止弁112の閉弁動作が速やかに行われないこと
があるという問題が生じた。これは、逆止弁112が加
圧燃料の圧力によって閉弁する構成であるためで、電磁
弁111が閉弁して吸入が終了しても、逆止弁112は
閉弁しておらず、電磁弁111から圧力室110へ至る
流路は連通している。そして、プランジャ109が上昇
し、加圧が開始されても、電磁弁111が閉弁している
ため、圧力室110から逆止弁112方向への流れが発
生せず、逆止弁112に閉弁方向の油撃力が作用しにく
い。このため、逆止弁の閉弁動作が確実に行われずに加
圧圧送がなされないおそれがあるばかりか、本来、フィ
ード圧(約15気圧)以上の圧力が作用しないはずの電
磁弁111に、高圧がかかるおそれがあり、その耐久性
を低下させるおそれがあった。
【0015】しかして、本発明の目的は、逆止弁の閉弁
動作を確実に行うことができ、電磁弁に高圧がかかるこ
とを防止して、信頼性を向上させることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明請求項1の構成に
おいて、可変吐出量高圧ポンプは、内燃機関に設けられ
る蓄圧配管内の高圧燃料をインジェクタにより所定のタ
イミングで各気筒に噴射するコモンレール噴射システム
において、上記蓄圧配管内の燃料圧力を所定圧力に保持
すべく必要流量の高圧燃料を圧送供給するために設けら
れる。そして、シリンダ内に往復運動可能に嵌挿される
プランジャと、上記シリンダの内壁面と上記プランジャ
の端面とで形成される圧力室を有し、該圧力室内に低圧
流路より導入される低圧燃料を、上記プランジャの往復
運動によって加圧して高圧流路へ圧送するようになして
ある。また、上記低圧流路から上記圧力室へ供給される
低圧燃料の流量を制御する電磁弁と、上記電磁弁と上記
圧力室の間に設けられ、上記低圧流路から上記圧力室方
向へのみ低圧燃料を流入させる逆止弁とを備えている。
上記逆止弁のバルブシート部上流の流路は、絞り流路に
よって、上記プランジャの背圧と同圧であるポンプ内部
空間、あるいは低圧燃料の貯蔵タンクに至るリターン流
路に連通している。
【0017】ポンプ内部空間はほぼ大気圧であるため
圧送開始時、燃料が加圧され始めると、圧力差によって
燃料が一瞬この絞り流路から抜ける。これを利用して、
圧力室から逆止弁方向への流れを発生させることがで
き、逆止弁の弁体に閉弁方向への油撃力を作用させて、
閉弁動作を速やかにかつ確実に行うことができる。ま
た、仮に、逆止弁にシール不良等が生じても、上記絞り
流路から燃料が抜けるので、電磁弁に直接高圧がかかる
ことを防止でき、信頼性を向上させることができる。上
記絞り流路をポンプ内部空間に連通させる代わりに、低
圧燃料の貯蔵タンクに至るリターン流路に連通させても
よく、同様の効果が得られる。
【0018】請求項2の構成では、上記逆止弁のバルブ
シート部上流の流路を、上記逆止弁と上記電磁弁との間
を連通する流路とし、加圧燃料の圧送開始時に、燃料が
上記逆止弁のバルブシート部上流の流路から上記絞り流
路を経て抜けるようにする。このようにすると、圧送開
始時の加圧燃料が抜けるため、電磁弁に高圧が作用する
ことががない。また、請求項3の構成では、上記逆止弁
のバルブシート部上流の流路が、上記逆止弁と上記電磁
弁との間を連通する流路であり、上記電磁弁が閉弁され
た時の上記プランジャの往復運動による加圧圧送によっ
て、加圧燃料が上記逆止弁、上記逆止弁のバルブシート
部上流の流路から上記絞り流路を経て抜けるようにす
る。上記プランジャの上昇により、上記圧力室から絞り
流路への燃料流れが一瞬発生し、上記逆止弁を閉弁する
ことができるため、電磁弁に高圧が作用することが確実
に防止できる。
【0019】請求項4の構成では、これら請求項1ない
し3の逆止弁を、上記圧力室と上記電磁弁の間の流路を
開閉するための弁体、および該弁体を閉弁方向に付勢す
るリターンスプリングを有する構造とする。この時、吸
入が終了すると、スプリングのばね力により逆止弁は直
ちに閉弁動作に入るので、絞り流路による油撃力の作用
と相まって、速やかに閉弁させることができる。よっ
て、圧送開始時に確実に閉弁を終了させることができ、
また、逆止弁のシール不良等が生じた場合に電磁弁に高
圧がかかることを防止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の可変吐出量高圧ポ
ンプをディーゼルエンジンのコモンレール噴射システム
に適用した第1の実施の形態を図面に基づいて説明す
る。図2はシステム図で、エンジンEには各気筒の燃焼
室に対応する複数のインジェクタIが配設され、これら
インジェクタIは各気筒共通の高圧蓄圧配管いわゆるコ
モンレールRに接続されている。インジェクタIからエ
ンジンEの各燃焼室への燃料の噴射は、噴射制御用電磁
弁B1のON−OFFにより制御され、電磁弁B1が開
弁している間、コモンレールR内の燃料がインジェクタ
IによりエンジンEに噴射される。従って、コモンレー
ルRには連続的に燃料噴射圧に相当する高い所定圧の燃
料が蓄圧される必要があり、そのために供給配管R1、
吐出弁B2を経て、本発明の可変吐出量高圧ポンプPが
接続される。
【0021】この可変吐出量高圧ポンプPはフィードポ
ンプP1を内蔵する構成となっており、このフィードポ
ンプP1によって貯蔵用タンクである燃料タンクTから
吸い上げた燃料を高圧に加圧し、コモンレールR内の燃
料を高圧に制御するものである。コモンレールRには、
コモンレール圧力を検出する圧力センサS1が配設され
ており、システムを制御する制御手段となる電子制御ユ
ニットECUは、この圧力センサS1からの信号が予め
負荷や回転数に応じて設定した最適値となるように、可
変吐出量高圧ポンプPの吐出量を決定して吐出制御装置
P2に制御信号を出力する。電子制御ユニットECUに
は、さらに、エンジン回転数センサS2(カム軸に接続
されたカップリングKから後述する図11に示すような
欠け歯信号(NEパルス)を検出する)、TDC(上死
点)センサS3、スロットルセンサS4、温度センサS
5により、回転数、TDCの位置、アクセル開度、温度
の情報が入力され、電子制御ユニットECUは、これら
の信号により判別されるエンジン状態に応じた最適の噴
射時期、噴射量(噴射期間)を決定して、噴射制御用電
磁弁B1に制御信号を出力する。
【0022】次に、図1〜5により上記可変吐出量高圧
ポンプPの詳細について説明する。図1において、ポン
プハウジング1内にはベアリングD2、ブッシュD1を
介してドライブシャフトDが回転可能に支持されてお
り、このドライブシャフトDには、燃料タンクT(図2
参照)からインレットバルブB3を介して燃料を吸い上
げて低圧流路となるフィード流路11に圧送供給するベ
ーン式のフィードポンプP1が連結されている。上記ド
ライブシャフトDの右端部には、インナーカム13が一
体に形成されており、該インナーカム13は上記ドライ
ブシャフトDとともにエンジンの回転数の1/2の速度
で回転するようになしてある。このインナーカム13が
回転すると、半月状の板P11を介して上記フィードポ
ンプP1のロータP12が回転し、その回転により燃料
タンクT内の燃料が、上記インレットバルブB3より図
示しない流路を通って上記フィードポンプP1内空間
(ロータP12とケーシングP13とカバーP14、1
5とに囲まれた空間)に導入される。導入された燃料
は、ロータP12の回転に伴い、該ロータP12に配設
されたベーンP16によってフィード流路11に圧送さ
れる。
【0023】フィード流路11の燃料は下記に示すよう
にコモンレールRへの圧送用として使用されるだけでな
く、しぼりsよりポンプ内に流入し、ポンプ内部の潤滑
にも使用される。潤滑された燃料はバルブVより出て燃
料タンクTにもどされる。また、ポンプ内部の圧力はほ
とんど大気圧となるようにバルブVにより調整されてい
る。
【0024】ポンプハウジング1の右端開口にはヘッド
Hが嵌着されており、該ヘッドHは左端中央部が突出し
て上記インナーカム13内に挿通位置している。図3に
示すように、このヘッドHの左端中央部には、複数のシ
リンダたる摺動孔2が設けてあり、これら複数の摺動孔
2内にはそれぞれプランジャ21が往復動自在かつ摺動
自在に支持されている。各プランジャ21の外側端部に
はシュー21aが設けられ、各シュー21aにカムロー
ラ22が回転自在に保持されている。
【0025】上記インナーカム13は、このカムローラ
22の外周に摺接するように配置されており、上記イン
ナーカム13の内周面には、等間隔で配置された複数の
カム山を有するカム面13aが形成してある。各プラン
ジャ21の内方側端面と各摺動孔2の内壁面との間に形
成される空間は、圧力室23となしてある。しかして、
ドライブシャフトDと一体となったカム13が回転する
と、プランジャ21が摺動孔2内を往復動し、圧力室2
3内の燃料を加圧する。ここでは4本のプランジャ21
に対し4つのカム山を形成しており、カム1回転につき
4回の圧送を行うようにしている。なお、図3はプラン
ジャ21が最上昇位置(最内方)にある状態を示してい
る。
【0026】なお、従来の可変吐出量高圧ポンプでは、
プランジャ21をインナーカム13に常時押し付けるス
プリングを配設することが多いが、本発明の可変吐出量
高圧ポンプは吸入量制御方式であり、吸入量が少量の時
にプランジャ21が最下降点まで下降すると、圧力室2
3の減圧によるキャビテーションの発生のおそれがあ
る。このため、本発明ではスプリングを設けておらず、
プランジャ21の往復動は、圧送時はドライブシャフト
Dの回転によるカムリフトで、吸入時は低圧燃料の圧力
(フィード圧)によって行う。よって吸入量が少ない場
合には、低圧燃料の供給分だけしかプランジャ21はカ
ム13方向に移動せず、カムローラ22とインナーカム
13が離れるようになしてある。
【0027】図4(a)のように、ヘッドHの右端部に
は、ストッパ41、逆止弁4を介して、ロックアダプタ
5が組み付けられている。このロックアダプタ5とポン
プハウジング1との間には、燃料溜まり12が形成さ
れ、ロックアダプタ5の右端部には、圧力室23へのフ
ィード燃料の流入量を制御する電磁弁6が配設されてい
る。上記ロックアダプタ5には、上記燃料溜まり12に
連通する流路51が形成され、該流路51は、電磁弁6
の左端部外周に形成される燃料溜まり52に連通してい
る。この時、ポンプ内に設けられた上記フィードポンプ
P1からフィード流路11、燃料溜まり12、流路5
1、燃料溜まり52に至る流路が低圧流路を構成する。
また、上記逆止弁4と電磁弁6とで上記図2における吐
出制御装置P2を構成している。
【0028】上記逆止弁4は、上記圧力室23と上記電
磁弁6の間に位置するボディ42を左右方向に貫通する
流路43と、該流路43を開閉する弁体44を有する。
上記流路43は、途中で上記圧力室23方向(図の左
方)に拡径してバルブシート部たる円錐状のシート面4
5を形成している。なお、弁体44の右半部は、図4
(b)に示すように外周に複数の溝を有しており、この
溝に沿って燃料が流れるようになしてある。しかして、
上記電磁弁6が開弁し、上記流路43に燃料が流入する
と、燃料の圧力で弁体44が開弁する。
【0029】上記ストッパ41は、板面の複数箇所に連
通孔41a、41bを有している。これら連通孔41
a、41bを介して、上記流路43と圧力室23との間
を燃料が流通可能であり、また、圧送開始時には、スト
ッパ41中央部の連通孔41bにより、弁体44が圧力
室23より逆流する燃料の動圧を受けやすいようにして
ある。これらストッパ41、逆止弁4は、逆止弁4の右
方より、外周にねじ部を形成したロックアダプタ5を螺
着することにより、ヘッドHとロックアダプタ5の間に
挟持される。
【0030】図5(a)、(b)は電磁弁6の詳細を示
すもので、電磁弁6は、コイル62を内蔵するハウジン
グ61と、その左端部に嵌合固定されるバルブボディ7
1を有し、ハウジング61の外周に設けたフランジ63
にて上記ロックアダプタ5の上面にボルト固定される
(図1、4参照)。この時、バルブボディ71は上記ロ
ックアダプタ5の中央部を貫通して上記逆止弁4に対向
する。バルブボディ71と逆止弁4の間には、逆止弁4
の流路43に連通する流路43aが形成される。
【0031】図5(a)において、バルブボディ71
は、軸方向中央部に形成したシリンダ72内に、ニード
ル弁73を左右方向に摺動可能に保持している。ニード
ル弁73の左端部周りには環状の流路74aが形成さ
れ、該流路74aの側方には、上記燃料溜まり52(図
4)に連通する流路74bが開口し、左方には、上記流
路43aに連通する流路74cが開口している(図4参
照)。流路74cの開口端部には、バルブシート部たる
略円錐状のシート面75が形成してあり、ニードル弁7
3の略円錐状の先端部がこのシート面75に着座して上
記流路74a、74c間を閉鎖するようになしてある。
【0032】ここで、ニードル弁73は、摺動部73a
径(φd1 )と、シートエッジ部73b(閉弁時のシー
ト面75との当接端縁)の直径(φd2 )とが等しくな
るようにする。この時、ニードル弁73には、ニードル
弁73周りの流路74a内に供給されるフィード燃料に
よる油圧作用力は発生しない。また、流路74b内に
は、通常、フィルタ76を設けており、ニードル弁73
とシート面75の間に異物が入って常時開弁状態になる
ことを防止している。このフィルタ76は、例えば金属
メッシュよりなり、その目開きがニードル弁73開弁時
の最大リフト時の流路面積よりも小さくなっていればよ
い。なお、フィルタ76は、流路74b内に限らず、燃
料タンクTから電磁弁6に至る低圧流路のどこに設置し
てもよい。
【0033】上記ニードル弁73の右端にはアーマチャ
64が圧入固定してあり、アーマチャ64は、ステータ
65と一定の間隔(l2 )で対向している。該ステータ
65の外周には上記コイル62が配され、ステータ65
内部に設けたスプリング室66内にはスプリング67が
配設されて、上記アーマチャ64を図の左方に付勢して
いる。
【0034】しかして、コイル62に通電しない図5
(a)の状態では、上記アーマチャ64と一体のニード
ル弁73が、スプリング67力により左方に付勢され、
その先端部がボルブボディ71のシート面75に着座
(閉弁)し、圧力室23(図1)への連通路となる流路
74cを閉鎖する。このように、電磁弁6を、非通電状
態で閉弁する構成とすることで、コイルの破損時に燃料
の圧送が行われないようにする効果がある。
【0035】コイル62への通電によりアーマチャ64
が吸引され、スプリング67のスプリング力に抗して右
方に移動すると、これと一体のニードル弁73先端部が
シート面75から離れて(開弁)、低圧流路と圧力室2
3の間を開放する(図5(b))。この時のリフト量
(l1 )は、ニードル弁73の右端面73cと、これに
対向して設けたシム68との間の距離によって決まる
(図5(a))。なお、アーマチャ64とステータ65
の距離(l2 )は、閉弁時はl1 +0.05、開弁時は
0.05となる。
【0036】また、図5(b)において、ニードル弁7
3の先端部のなす角度θ1 は、バルブボディ71のシー
ト面75のなす角度θ2 より1°程度大きくしてある。
これにより、閉弁時のシートエッジ部の密着性が向上
し、磨耗が防止できる。
【0037】なお、開弁時にはアーマチャ64が右方に
移動し、その分だけスプリング室66の容積が減少する
ので、スプリング室66内の燃料が移動できるよう、ス
プリング室66を他の部分と連通させる必要がある。本
実施の形態では、ニードル弁73の内部にこれを左右方
向に貫通する流路77、78を設け、スプリング室66
とニードル弁73左方の流路74cを連通している。こ
れにより、スプリング室66内の燃料が移動できると同
時に、開弁時に流路74cの圧力が上昇してもスプリン
グ室66と流路74cは同じ圧力となるため、ニードル
弁73には油圧力が作用せず、ニードル弁73の作動不
良が防止できる。
【0038】本発明の特徴は、図4に示すように、上記
逆止弁4のバルブシート部たるシート面45上流の流
路、ここでは、上記逆止弁4のボディ42と上記電磁弁
6のバルブボディ71の間に形成される流路43aを、
ロックアダプタ5内に設けた絞り流路53により、ヘッ
ドHに設けられた環状溝M1、流路M2を介してポンプ
内部の空間に連通したことにある。上記絞り流路53
は、上記流路43aの上端面に接続される端部を、小径
の絞り部53aとなしており、加圧燃料の圧送開始時
に、少量の燃料がこの絞り部53aより上記絞り流路5
3、環状溝M1、流路M2を経てポンプ内部の空間に抜
けるようにすることで、逆止弁4の閉弁方向への流れを
形成する。
【0039】ところで、圧力室23へのフィード燃料の
吸入時、フィード燃料は、電磁弁6の流路74cから流
路43a、逆止弁の流路43を経て圧力室23へと流れ
るだけでなく、上記流路43aから上記絞り流路53を
経て、ポンプ内部へも流出するが、絞り流路53は、絞
り部53aの流路面積を十分小さくすることで、圧力室
23への必要な流量を確保することができる。具体的に
は、上記絞り部53aの流路面積を、逆止弁4の弁体4
4が開弁した時のバルブシート部の開口面積の10分の
1以下となるようにするのがよい。
【0040】しかして、電磁弁6が開弁すると燃料溜ま
り52より上記流路43に燃料が流入し、燃料の圧力で
弁体44が開弁すると、逆止弁4のシート面45、スト
ッパ41内の流路41c、ヘッドH内の流路23aを経
て上記圧力室23へ流入する。加圧燃料は、摺動孔2か
らヘッドH内の流路23a、吐出孔24より、ヘッドH
壁に固定した吐出弁3を経て、蓄圧配管である上記コモ
ンレールR(図2)に圧送される。吐出弁3は弁体31
とこれを閉弁方向に付勢するリターンスプリング32を
有し、加圧燃料が所定圧を越えるとリターンスプリング
32のスプリング力に抗してこれを開弁して高圧流路で
ある吐出流路33に吐出するようになしてある。
【0041】次に、図6により本実施の形態の可変吐出
量高圧ポンプPの作動について説明する。図6には、イ
ンナーカム13およびプランジャ21のリフトを展開図
で示しており、プランジャ21のシリンダたる摺動穴2
の半径中心方向への移動が展開図の上方への移動に相当
し、プランジャ21の放射方向への移動が展開図の下方
への移動に相当する。図6(b)〜(c)は燃料の吸入
行程を示すもので、燃料の圧送が終了した後、すなわ
ち、プランジャ21がインナーカム13の回転により摺
動穴2内を半径中心方向に移動してカムリフトの最上昇
点(図6(b))に達した後に流量制御用電磁弁6が開
弁するように、この電磁弁6に通電することで開始され
る。通電によりニードル弁73が開弁すると、フィード
ポンプP1(図2)から供給される低圧燃料は、フィー
ド流路11、燃料溜まり12、流路51、燃料溜まり5
2、流路74b、74a、74c、43aを順次通過し
て、逆止弁4内の流路43に流入する。逆止弁4は、吸
入時は図のように開弁しており、燃料は、弁体44とシ
ート面45の間隙よりストッパ41の連通孔41aを経
て圧力室23内に導入される。この時、導入される燃料
によってプランジャ21は下方(放射方向)に押し下げ
られる。この行程を吸入行程といい、この行程ではカム
ローラ22とインナーカム13は摺接している。
【0042】図2の電子制御ユニットECUからの制御
信号により流量制御用電磁弁6の通電が停止されると、
ニードル弁73が閉弁して圧力室23への流路を閉鎖
し、吸入は終了する(図6(c))。吸入が終了すると
プランジャ21はそれ以上、下方に押し下げられないの
でカムローラ22とインナーカム13は離れる(図6
(d))。この時、逆止弁4の弁体44は、図1に示す
ように開弁状態にある。
【0043】図6(e)〜(f)は燃料の圧送行程を示
すものである。吸入終了後、インナーカム13の回転に
伴いプランジャ21が再び上昇(半径方向外方への移
動)を開始すると、同時に、一瞬、加圧燃料がストッパ
の流路41a、逆止弁4内の流路43を介して流路43
a、絞り流路53、環状溝M1、流路M2を介して抜け
る。このため、逆止弁4の弁体44が、ストッパ41の
連通孔41a、41bから逆流する燃料により閉弁方向
の力を受けて右方に移動し、シート面45に着座して閉
弁する。そのため、圧力室23内の燃料は、プランジャ
21の上昇とともに圧縮されて高圧となり、所定の圧力
を越えると、吐出弁3の弁体31を復帰用スプリング3
2の付勢力に抗して押し開く。これにより、加圧燃料は
全て吐出弁3より吐出流路33を経てコモンレールR内
に圧送される。なお、流路43aから絞り流路53を介
して連通しているポンプ内部の空間は、ほぼ大気圧であ
るため、この絞り流路53から燃料が流入することはな
い。
【0044】圧力室23内の加圧燃料がすべて吐出弁よ
り吐出されると圧送が終了し、吐出弁3は復帰用スプリ
ング32の復帰力により閉弁する(図6(f))。この
圧送行程中は、圧力室23内の圧力は常に逆止弁4の弁
体44を閉弁する方向に作用するため、上記逆止弁4が
開弁することはない。
【0045】以上、上記構成では、圧力室23への燃料
の吸入量を流量制御用電磁弁6で制御し、圧力室23へ
の流路途中に逆止弁4を設けて、圧力室23へ吸入され
た燃料は全て加圧してコモンレールRへ圧送する吸入量
制御方式としており、簡単な構成で、高圧流路へ圧送す
る流量制御が容易かつ確実にできる。特に、絞り流路5
3を設けて、上記逆止弁4と電磁弁6の間の流路43a
とポンプ内部空間を連通させたので、逆止弁4の弁体4
4に閉弁方向の流れ(油撃力)が作用し、閉弁動作が速
やかにかつ確実に行われる。また、万一、逆止弁がシー
ル不良となった場合、この絞り流路53から加圧燃料が
抜けるため、電磁弁6に高圧がかかるのを防止する効果
もある。よって、簡単な構成で、部品点数を増加させる
ことなく所望の効果が得られ、信頼性に優れる。
【0046】ここで、図6を用いて上記構成の可変吐出
量高圧ポンプPの最適な制御方法について説明する。図
2におけるエンジン回転数センサS2は、ポンプPのカ
ム軸に接続されたカップリングKから図6に示すような
欠け歯信号(NEパルス)を検出できるようになってお
り、欠け歯の位置と、カムリフトの頂点の位置は所定の
角度にある。電子制御ユニットECUは、この欠け歯信
号を基準とし、そこからいくつの角度(もしくは時間)
で通電するかを算出して、電磁弁6の通電開始時期を制
御する。
【0047】図6は、最適な制御を行った場合の、電磁
弁6および逆止弁4の作動と、プランジャ21およびイ
ンナーカム13のリフトの様子を示している。通常、電
磁弁6に通電してからニードル弁73が開弁を開始する
まで、また開弁が終了するまでには、一定の時間t1、
t2を要する。この時間を予め把握しておき(または、
リフトセンサ等により常時検出するようにしてもよ
い)、開弁開始時期がちょうどカムリフトの頂点(図6
(a))になるように、回転数に応じて通電時期を調整
する。
【0048】このようにすれば、吸入行程に入ると同時
に吸入が開始され、プランジャ21は電磁弁6の通電期
間から、通電開始からカムリフト下降開始(図6(b)
の位置)までの時間(t3)を差し引いた角度(もしく
は時間)θだけ下降(放射方向に移動)する。そして、
圧力室23に供給された燃料は、次サイクルの圧送行程
で、プランジャ21の上昇(半径中心方向への移動)と
ともに加圧され、コモンレールRに圧送される。この圧
送工程において、逆止弁4には加圧の圧力が加わるた
め、弁体44が開くことはない。よって、吸入量がすな
わち圧送量となり、コモンレール圧の制御が容易にでき
る。
【0049】吸入量は、電磁弁6の通電期間によって制
御され、通電期間が長ければ吸入量は多くなり、短けれ
ば吸入量は少なくなる。図には吸入量を小、中、大とし
てそれぞれの場合を示している。吸入量が最大の場合、
プランジャ21は最下降点まで下降して最大量の燃料を
吸入、圧送する。吸入量が少ない場合は、プランジャ2
1は吸入量に応じた位置までしか下降せず、圧送量は少
量となる。また、吸入量が少ない場合、プランジャ21
の下降開始時は、カムローラ22とインナーカム13は
摺接しているが、電磁弁6が閉弁するとプランジャ21
が下降を停止するため、カムローラ22とインナーカム
13は離れる。
【0050】図7にこのような制御を行った場合の圧送
量特性を示す。ここでは、あるポンプ回転数の通電期間
から、通電開始からカムリフト下降開始までの時間(t
3)を差し引いた角度をθとしている。角度θの増加と
ともに、圧送量は単調に増加しており、これに基づいて
圧送量(吸入量)の制御が可能であることがわかる。
【0051】従って、図6に示したように、カムリフト
が下降に入った時点で、ニードル弁73が開弁してお
り、吸入中はインナーカム13とカムローラ22が摺接
しながら下降するように、通電時期を制御することで、
吸入量すなわち圧送量の制御性を向上させることができ
る。
【0052】図8は電子制御ユニットECUによる制御
の一例を示すフローチャートである。電子制御ユニット
ECUには、上記図2のシステム図に示したように各セ
ンサから種々の情報が、常時入力されるようになしてあ
り、エンジン回転数センサS2により検出されるNE信
号からエンジン(ポンプ)回転数を、スロットルセンサ
S5により検出されるアクセル開度から目標コモンレー
ル圧(CPTRG)および噴射量(圧送量)を、予め入
力された制御マップに基づいて算出する(ステップ1、
ステップ2)。続いて、ポンプ回転数、圧送量に応じた
電磁弁6の通電開始時期および通電期間(角度か時間も
しくは両方)を算出し(ステップ3)、電磁弁6に通電
する。
【0053】また、電子制御ユニットECUは、圧力セ
ンサS1によりコモンレールR圧力(CPTRT)を常
時検出するようになしてあり、この検出されたコモンレ
ールR圧力(CPTRT)と目標コモンレール圧(CP
TRG)とを比較して(ステップ4)、異なる場合には
補正をする。補正方法としては、(CPTRT−CPT
RG)の計算を行って必要な圧送量増加分を算出し(ス
テップ5)、この増加分に相当する通電期間(開弁角
度)に変更する(ステップ6)。次いで、再び、(CP
TRT=CPTRG)かどうかを判定し(ステップ
7)、(CPTRT=CPTRG)でない場合には、ス
テップ5に戻って(CPTRT=CPTRG)になるま
で繰り返しフィードバック制御する。
【0054】図9に本発明の第2の実施の形態を示す。
上記第1の実施の形態では、絞り流路53を設けること
で逆止弁4の閉弁動作が速やかになされるようにした
が、本実施の形態では、これに代えて、上記逆止弁4に
閉弁用のリターンスプリング47を設けている。該リタ
ーンスプリング47は、ストッパ41の中央部に設けた
スプリング室内に保持されて、弁体44を閉弁方向(図
の右方)に付勢するようになしてある。この構成では、
圧送開始時に、逆止弁の弁体44に油撃を作用させる代
わりに、リターンスプリング47のスプリング力により
強制的に閉弁動作させる。この場合の電磁弁6および逆
止弁4の作動とプランジャリフトとカムリフトの様子を
図10に示す。図のように、吸入工程が終了すると(図
10(c))、スプリング力により速やかに閉弁動作に
入り、確実に閉弁して、これを圧送終了(図10
(f))まで保持することができる。
【0055】図11は本発明の第3の実施の形態であ
る。本実施の形態では、上記第1の実施の形態に示した
絞り流路53を有する構成に加えて、さらに、上記第2
の実施の形態に示したリターンスプリング47を設けた
ものである。この時、逆止弁4の閉弁動作は、上記第2
の実施の形態同様、リターンスプリング47のスプリン
グ力によって行われる。しかも、万一、このリターンス
プリング47が破損した場合には、上記絞り流路53の
作用によって、逆止弁4の弁体44を確実に閉弁動作さ
せることができる。また、逆止弁4がシール不良となっ
た場合に電磁弁6に高圧がかかることを防止できる。
【0056】図12は本発明の第4の実施の形態であ
り、上記第1の実施の形態に示した絞り流路53を、基
本構成の異なる可変吐出量高圧ポンプに適用したもので
ある。。上記各実施の形態では、互いに連通する4個の
摺動孔2内に配設した4本のプランジャ21により1つ
の圧力室23の加圧、圧送を行うようにしたが、本実施
の形態では、4個のシリンダたる摺動孔2(図ではこの
うち2つのみを示す)内にそれぞれ圧力室23を独立に
設け、各圧力室23内に配設した4本のプランジャ21
(図ではこのうち2つのみを示す)が、それぞれ独立に
燃料の加圧を行うようにしている。ここでは4つの圧力
室23のうち、図示される一対の対向する圧力室23
と、図示されないもう一対の対向する圧力室23とが交
互に圧送する構成となしてある。上記一対の圧力室23
はそれぞれ吐出孔24により1つの吐出弁3に接続され
ている。また、第4の実施の形態では、図示していない
が、吐出弁3がもう1つ設けてあり、上記もう一対の圧
力室23が同様に吐出孔24により、このもう1つの吐
出弁3に接続されている。
【0057】上記圧力室23の左方には、その各々に対
応する4個の逆止弁4が設けてあり、これら逆止弁4内
の流路43(図13)と上記電磁弁6に至る流路23a
との連通、遮断を、分配ロータ70で切替えるようにな
してある。分配ロータ70は内部にT字形の流路70a
を有し、この流路70aを介して上記流路23aと逆止
弁4の流路43とを連通させる。図示の状態では、分配
ロータ70の上下の2個の逆止弁4と上記流路23aと
が連通しており、ドライブシャフトDとともに分配ロー
タ70が90°回転すると、図示されない2個の逆止弁
4と上記流路23aとが連通することになる。インナー
カム13は、ここでは対向位置に2個のカム山を有する
形状となしてあり、この時、インナーカム13の回転に
伴い対向する2本のプランジャ21が交互に圧送を行
う。このように構成することで、駆動トルクのピーク値
を低減することができる。
【0058】上記逆止弁4は、図13に示すように、ボ
ディ42内に形成される流路43と、該流路43を開閉
するボール形の弁体44を有している。弁体44の右方
への移動は、ストッパ41で規制されている。上記流路
43へは、その左端外周に設けた環状流路43bを介し
て、上記分配ロータ70の流路70aより燃料が流入
し、燃料の圧力によって上記弁体44が開弁するように
なしてある。ここで、上記流路43の左端部は、その左
方に形成した絞り流路48およびボディ42内空間を介
して、ポンプ内部に連通している。
【0059】上記絞り流路48は、上記第1の実施の形
態における絞り流路53同様の作用を有するものであ
る。圧送開始時には、分配ロータ70により電磁弁6へ
の流路が遮断されているため、分配ロータ70から逆止
弁4のバルブシート部までの間に、ポンプ内部に連通す
る絞り流路48を設け、一瞬、この絞り流路48から燃
料が抜けることを利用して、逆止弁4の閉弁動作を確実
に行うことができる。さらに、図14のように、上記弁
体44を閉弁方向(図の右方)に付勢するリタースプリ
ング47を加えた構成とすれば、閉弁動作をより確実に
行うことができる。
【0060】このように、本発明の構成は、上記第1の
実施の形態に示した基本構成の他、種々の構成の可変吐
出量高圧ポンプに適用することができ、さらに、上記実
施の形態に示したインナーカム式のポンプだけでなく、
列型ポンプ、アウターカム式のポンプ等、吸入調量方式
を利用したポンプであれば、いずれにも適用可能であ
る。
【0061】また、上記各実施の形態においては、絞り
流路をポンプ内部に連通させた構成を示したが、ポンプ
内部でなく、例えば、燃料タンクに至るリターン流路
等、ポンプ外に連通させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す可変吐出量高
圧ポンプの全体断面図である。
【図2】第1の実施の形態の可変吐出量高圧ポンプを含
む燃料噴射システムの全体構成図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】(a)は図1の部分拡大断面図、(b)は
(a)のB−B線断面図である。
【図5】第1の実施の形態で用いた流量制御用電磁弁の
全体断面図で、(a)は閉弁時、(b)は開弁時の状態
を示す。
【図6】第1の実施の形態の可変吐出量高圧ポンプの作
動を説明するための図である。
【図7】第1の実施の形態の可変吐出量高圧ポンプの圧
送量特性を示す図である。
【図8】第1の実施の形態の可変吐出量高圧ポンプの制
御方法を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態における可変吐出量
高圧ポンプの部分拡大断面図である。
【図10】第2の実施の形態の可変吐出量高圧ポンプの
作動を説明するための図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態における可変吐出
量高圧ポンプの部分拡大断面図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態における可変吐出
量高圧ポンプの全体断面図である。
【図13】第4の実施の形態で用いた逆止弁の全体断面
図である。
【図14】逆止弁構成の他の例を示す全体断面図であ
る。
【図15】従来の可変吐出量高圧ポンプの全体断面図で
ある。
【図16】従来の可変吐出量高圧ポンプの全体断面図で
ある。
【図17】従来の可変吐出量高圧ポンプの全体断面図で
ある。
【符号の説明】 P 可変吐出量高圧ポンプ 1 ポンプハウジング 11 フィード流路(低圧流路) 12 燃料溜まり(低圧流路) 13 インナーカム(カム) 2 摺動孔(シリンダ) 21 プランジャ 22 カムローラ 23 圧力室 24 吐出孔 3 吐出弁 31 弁体 32 復帰用スプリング 33 吐出流路(高圧流路) 4 逆止弁 41 ストッパ 41a、41b 連通孔 42 ボディ 43 流路 43a 流路 44 弁体 45 シート面 47 リターンスプリング 48 絞り流路 5 ロックアダプタ 51 流路(低圧流路) 52 燃料溜まり(低圧流路) 53 絞り流路 53a 絞り部 6 流量制御用電磁弁 73 ニードル弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀内 康弘 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (56)参考文献 特開 昭56−98562(JP,A) 特表 平8−505680(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 59/46 F02M 59/36 F02M 59/44

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関に設けられる蓄圧配管内の高圧
    燃料をインジェクタにより所定のタイミングで各気筒に
    噴射するコモンレール噴射システムにおいて、上記蓄圧
    配管内の燃料圧力を所定圧力に保持すべく必要流量の高
    圧燃料を圧送供給するために、シリンダ内に往復運動可
    能に嵌挿されるプランジャと、上記シリンダの内壁面と
    上記プランジャの端面とで形成される圧力室を有し、該
    圧力室内に低圧流路より導入される低圧燃料を、上記プ
    ランジャの往復運動によって加圧して高圧流路へ圧送す
    る可変吐出量高圧ポンプであって、上記低圧流路から上
    記圧力室へ供給される低圧燃料の流量を制御する電磁弁
    と、上記電磁弁と上記圧力室の間に設けられ、上記低圧
    流路から上記圧力室方向へのみ低圧燃料を流入させる逆
    止弁とを備え、かつ上記逆止弁のバルブシート部上流の
    流路を、上記プランジャの背圧と同圧であるポンプ内部
    空間、または低圧燃料の貯蔵タンクに至るリターン流路
    に連通させる絞り流路を設けたことを特徴とする可変吐
    出量高圧ポンプ。
  2. 【請求項2】 上記逆止弁のバルブシート部上流の流路
    が、上記逆止弁と上記電磁弁との間を連通する流路であ
    り、加圧燃料の圧送開始時に、燃料が上記逆止弁のバル
    ブシート部上流の流路から上記絞り流路を経て抜ける請
    求項1記載の可変吐出量高圧ポンプ。
  3. 【請求項3】 上記逆止弁のバルブシート部上流の流路
    が、上記逆止弁と上記電磁弁との間を連通する流路であ
    り、上記電磁弁が閉弁された時の上記プランジャの往復
    運動による加圧圧送によって、加圧燃料が上記逆止弁、
    上記逆止弁のバルブシート部上流の流路から上記絞り流
    路を経て抜ける請求項1記載の可変吐出量高圧ポンプ。
  4. 【請求項4】 上記逆止弁が、上記圧力室と上記電磁弁
    の間の流路を開閉するための弁体、および該弁体を閉弁
    方向に付勢するリターンスプリングを有している請求項
    1ないし3のいずれか記載の可変吐出量高圧ポンプ。
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