JP4861958B2 - 高圧燃料ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は内燃機関の燃料噴射弁に高圧燃料を圧送する高圧燃料ポンプに関し、ことに電磁駆動機構によって駆動される吐出弁に関する。
特開平10−318060号公報には、吐出通路に設けた弁を双方向弁とし、蓄圧装置(コモンレール)内の燃料圧力の異常高圧時にこの弁を開いて高圧燃料を圧送ポンプまで逆流させる安全弁として機能させる高圧燃料ポンプが記載されている。
特開平10−318060号公報
しかしながら、上記従来例では、吐出容量を制御するために電磁駆動型の弁機構がもう一つ必要で、このため、実際の製品として自動車の装着したとき、電力消費が大きくて燃費が悪くなる原因になる。
本発明の目的はこの問題を解決するために、電磁駆動型の吐出弁機構を、吐出容量の制御にも使用できるようにすることにある。
本発明は上記目的を達成するために、制御装置からの信号に基づいて吐出弁の弁体の動きを制御する電磁ソレノイド機構を設けるも、ソレノイドの通電が遮断されている際、吐出弁の弁体がスプリングにより開弁位置にあり、吐出通路を開放しているように構成した。
このように構成した本発明では、通常時は、この電磁駆動型の吐出弁の閉弁時期を信号によって制御して吐出容量を制御し、蓄圧装置(コモンレール)内の燃料圧力の異常高圧時にはこの弁を開いたままにしておくことで、安全弁として機能させることができ、一つの電磁駆動機構で吐出容量制御と安全弁機能を達成することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明が実施される高圧燃料ポンプの第一の断面図を示す。
図2は、本発明が実施される高圧燃料ポンプの第二の断面図を示す。
図3は、本発明が実施される高圧燃料ポンプの吐出ジョイント位置別案を示す。
図4は、本発明が実施される燃料系システム図を示す。
図5は、従来の方式の燃圧挙動説明図を示す。
図6は、本発明が実施される高圧燃料ポンプの燃圧挙動説明図を示す。
図7は、本発明が実施された場合の効果を示す流量特性説明図を示す。
まず、高圧燃料ポンプの基本動作に就いて図1及び図2を用いて説明する。
低圧燃料ポンプにより燃料タンクから圧送された低圧燃料が、レギュレータにより調圧され、吸入ジョイント2に導入される。フィルタ2bを内部通路2aに圧入保持した前記吸入ジョイント2は、ポンプボディ1に固定されており、前記内部通路2aは、ポンプボディ1に設けられた吸入通路1aと連通している。前記吸入通路1aには、ダンパ室1aaが形成され、低圧燃料の圧力脈動を吸収するダンパ3が格納される。ダンパ室1aaを経由した低圧燃料は、吸入弁4に導入される。吸入弁4は弁体4aがスプリング4bによりシート4cに押し付けられることで燃料の流通方向を制限する逆止弁として機能する。また前記ポンプボディ1には、エンジンのカムシャフトに形成された高圧燃料ポンプ駆動用カムにより往復運動するプランジャ5を円周隙間をもって往復動自在に係留するシリンダ6が固定されており、前記プランジャ5の往復運動により容積変化する加圧室1cが形成されている。前記吸入弁4を介して加圧室1cに導入された低圧燃料は、プランジャ5が上死点方向へ移動することで昇圧する。加圧室1cで昇圧した高圧燃料は吐出弁7を介して、吐出ジョイント8へ圧送される。吐出ジョイント8は、前記ポンプボディ1に結合され、またねじ部8aを形成することで、高圧配管との結合を可能にしている。吐出ジョイント8から高圧配管Fへ吐出された高圧燃料は、コモンレールを介して燃料噴射弁Hからエンジンの燃焼室へ直接噴射される。前記吐出弁7はソレノイド7dにより閉弁タイミングを制御可能であり、ECUからの信号により前記閉弁タイミングは制御される。
次に吐出弁7の構造、及び基本動作について詳細に説明する。吐出弁7は弁体7aと、
弁体7aが着座するシート7b、及び弁体7aをシート7bから遠ざける方向(開弁方向)にばね力が働くよう構成されたリターンスプリング7cを内蔵している。また、前記弁体7aの外周には弁体7aを磁力により動作せしめるためのソレノイド7dが設けられている。前記ソレノイド7dへの通電がない場合、前記弁体7aは、リターンスプリング7cによりシート7bから離れ、吐出弁7は開弁状態を維持する。通常、プランジャ5が下死点から上死点へ移動する間は前記ソレノイド7dへの通電はせず、開弁状態を維持している前記吐出弁7を介し、プランジャ5の工程容積のほとんどは吐出弁7から吐出ジョイント8a内の吐出通路8a2を通って高圧配管へと吐出される。インジェクタの噴射がない状態では、前記吐出弁7の下流側(以降高圧配管側と称す)は閉空間となるため吐出された容積分、燃料圧力は上昇する。一方、プランジャ5が上死点から下死点へ移動する間も、前記ソレノイド7dへの通電がない場合は、高圧配管側から加圧室1cへ高圧燃料が逆流する。この間、加圧室1cへ逆流した燃料容積分、高圧配管側圧力は低下する。プランジャ5が上死点から下死点へ移動する途中で前記ソレノイド7dへ通電すると、電磁力及び逆流する高圧燃料の流体力により前記弁体7aはシート7b方向へ移動する。弁体7aがシート7bへ接触した時点で、発生する差圧により弁体7aはシート7bへ押し付けられ前記高圧燃料の逆流は終了する。更にプランジャ5が下死点方向へ移動すると、加圧室1c内の圧力は低下し吸入弁4が開弁する。吸入弁4が開弁した時点から、プランジャ5が下死点まで移動する間の工程容積分、吸入弁4から新たな低圧燃料が加圧室1c内に流入する。よって、前記ソレノイド7dへの通電タイミングを必要に応じて変化させることで吐出容量を変化させることができる。また、一旦加圧室1cから高圧配管側へと吐出された高圧燃料は、再び加圧室1cへ流入しプランジャ5を押し下げるよう作用するため、上死点から吐出弁7が閉弁するまでの間、プランジャ5の上昇工程即ち加圧工程で要した仕事量の一部を回収できる。更に本容量制御方式によると、高回転時にフューエルカット制御された場合、即ち高圧燃料ポンプが全量吐出運転している際に、燃料噴射弁の噴射が停止された場合でも、前記ソレノイド7dへの通電を遮断することで吐出弁7を、必要な期間開弁保持することができる。この間プランジャ5が往復動しても、高圧燃料は前記吐出弁7を介して前記加圧室1cと高圧配管側を行き来するだけで、高圧配管側の圧力が上昇することはない。その上、前記プランジャ5外径とシリンダ6内径により形成された円周隙間eにより、加圧室1cと吸入通路1aは常に連通しているため、高圧配管側燃料は吸入通路1aへ移動、高圧配管側圧力は徐々に低下することになる。また、エンジン停止後、一定時間吐出弁7を開弁保持することも可能となるため、高圧配管側圧力を短時間で低下させることができる。よって、本実施例では必要なときに高圧配管側圧力を低下させること、即ち減圧制御が可能となる。即ち、低エミッションに寄与することができる。
吐出ジョイント8aの内部には、吐出通路8a2が形成されており、この内部にプランジャロッド7a1が軸方向に往復動可能に保持されている。プランジャロッド7a1の先端には吐出弁7aが一体に形成されている。プランジャロッド7a1後端は、軸受8a5で支承されている。軸受8a5は、吐出ジョイント8aの内周に圧入固定されており、中心にプランジャロッド7a1の挿通孔を有し、そのまわりに複数個の燃料通路が穿孔されている。プランジャロッド7a1の中間位置には、磁性材製のコア8a3が固定されている。吐出ジョイント8a−コア8a3−プランジャロッド7a1−規制部材8a4(後述する)−吐出弁ハウジングによって形成される磁路を通って磁束が発生すると、コア8a3はリターンスプリング7cの力に抗して規制部材8a4の位置まで図面右方に移動し、この時吐出弁7aはシート7bに当接して吐出口を閉塞する。規制部材8a4とコア8a3とは、実際は衝突しないように設計されており、吐出弁7aの閉塞は妨げない。規制部材8a4は磁路形成部材として機能すると共に、プランジャロッド7a1の中間軸受として機能する。吐出弁ハウジングとポンプボディ1とは、接合部81で溶接接合され、大気との間がシールされる。かくして、プランジャロッド7a1は吐出ジョイント8aの中心に支承され、ソレノイドは吐出ジョイント8aの外周に固定される。
次に、本実施例を適用した場合の燃圧挙動について説明する。吸入弁の開閉タイミングを制御することで、加圧室へ流入した低圧燃料の一部を吸入通路側へ逆流させ(スピルさせ)容量制御を行う従来の方式では、吸入通路側の圧力脈動(ΔPs)は、吸入工程で発生する圧力低下(ΔP1)と、逆流時即ちスピル工程で発生する圧力上昇(ΔP2)の和(ΔPs=ΔP1+ΔP2)となる。一方、本実施例の高圧燃料ポンプの場合は、吸入弁4を逆流するスピル工程は無く、必要な量の燃料(エンジンが要求する燃料流量+高圧配管側の圧力維持に必要な燃料流量)のみ加圧室1cへ吸入すればよいので、発生する吸入通路側の圧力脈動は吸入工程で発生する圧力低下分(ΔP1′)のみとなる(ΔPs=ΔP1′)。また上記従来の方式では、吸入工程では上死点から下死点までプランジャが移動する際のフルストローク分の容積変化(=工程容積Vth)が吸入通路に生じるが、本実施例の場合は必要な量のみ吸入すればよく、吸入通路1aに生じる容積変化を最小限に止めることが可能となる。よって同じ理論吐出量(=工程容積Vth)を有する高圧燃料ポンプでも吸入通路側に生じる圧力脈動は、従来の方式よりも本実施例の方が小さくなる(ΔP1′≦ΔP1)。即ち、本実施例の場合、スピル工程による圧力上昇分を排除できる点、吸入工程時必要な量の燃料のみ吸入すれば良い点、以上の2点により従来の方式よりも吸入通路1aに生じる圧力脈動を小さくすることが可能となる。また、実施例のなかでも、図3に示すようプランジャ5を段付き形状とし前記プランジャ5が往復動する際に容積変化を生ずるバランス室1dを設ける構造のものは、プランジャ5が上死点から下死点まで移動する際、或いは下死点から上死点まで移動する際、バランス室1dの容積は前記プランジャ5のφDと小径φdの差により変化する。即ち、プランジャ5の上死点から下死点までのストロークをLとすると、このときの容積変化量Vbは、Vb=π×L×(D2−d2)/4となる。前記容積変化Vbは、前記バランス室1dと連通している吸入通路1aの容積変化を誘発することから、吸入工程においては、プランジャ5が上死点から下死点へ移動する際の工程容積Vthの一部を前記バランス室1dの容積変化Vbが補填することとなる。よって、実質、吸入通路1aに生じる容積変化VsはVs=Vth−Vbとなり、吸入通路1aに生じる脈動の一部を低減することが可能となる。但し、プランジャ5が下死点から上死点に移動する際、即ち加圧工程においては、従来の方式のようなスピル工程は無くバランス室の容積変化Vbが、そのまま吸入通路1aの容積変化となって現れる。よって、バランス室1dの容積変化Vbを設定する際、前記ダンパ3の脈動減衰特性が劣る回転数領域、或いは最も使用頻度の高い燃料噴射領域での吸入量を、前記バランス室1dの容積変化Vbに設定するのが効果的である。
次に、本実施例を適用した場合の高圧配管側に生じる圧力脈動について説明する。吸入弁の開閉タイミングを制御することで、加圧室へ流入した低圧燃料の一部を吸入通路側へ逆流させ(スピルさせ)容量制御を行う従来の方式では、高圧配管側に生じる圧力脈動(ΔPd)は、加圧工程で発生する圧力上昇(ΔPd1)となる。即ち、燃料噴射弁が噴射する際の圧力降下(ΔPinj)分を昇圧するのでΔPd=ΔPd1=ΔPinjとなる。但し、前記圧力脈動(ΔPd)は、高圧燃料ポンプのカム1山当りの吐出量と燃料噴射弁の噴射量が同じ場合、また高圧燃料ポンプの吐出タイミングと、燃料噴射弁の噴射量タイミングが同期している場合である。前記タイミングが同期しない場合、上記高圧配管側の燃料圧力はΔPd1は増加する。本実施例の高圧燃料ポンプの場合は、前記プランジャ5が下死点から上死点へ移動(工程容積Vth)することで、高圧配管内圧力はΔPd1上昇するが、一度高圧配管内へ吐出された燃料の内、不必要な燃料は、プランジャ5が上死点から下死点へ移動する際、前記リターンスプリング7cにより開弁保持された吐出弁7を介して加圧室1cへと逆流する。よって逆流する際に、逆流容積(Vr)分、高圧配管内圧力は降下(ΔPdr)する。即ち、本実施例における高圧配管側圧力脈動(ΔPd)は、加圧工程で発生する圧力上昇(ΔPd1)と、高圧燃料が加圧室1cへと逆流する際の圧力降下(ΔPr)と、燃料噴射弁が噴射する際の圧力降下(ΔPinj)からΔPd=ΔPd1=ΔPr+ΔPinjとなる。よって、本実施例における高圧配管側の圧力脈動は、ΔPr分従来の方式よりも大きくなるポテンシャルを有しているため、高圧燃料ポンプの吐出タイミングと燃料噴射弁の噴射タイミングを合せる、エンジンの気筒数と高圧燃料ポンプを駆動するカムの山数を合せる等の脈動低減策を組み合わせることが望ましい。即ち、理想的には、加圧工程で吐出される燃料容積(Vd),加圧室1cへの逆流容積(Vr),燃料噴射弁の噴射量(Vi)の関係はVd=Vr+Viであることが高圧配管側の圧力脈動を抑えるためには有効である。
次に、本実施例を適用した場合の製造上の利点を説明する。本実施例によれば、前記吸入弁4を電磁弁にする必要はなく簡便な構成要素、即ち、弁体4aをスプリング4bによりシート4cに押し付けるだけで構成できる。従って、前記ポンプボディ1に形成される前記吐出弁7取り付け孔1e、或いは前記シリンダ6取り付け孔(プランジャ5の同軸上)1fの同軸上に、前記吸入弁4の取り付け孔1gを形成することが可能となる。特に、前記ダンパ室1aaと前記加圧室1cを連通する位置に前記吸入弁4の取り付け孔1gを形成することで加工時間を低減することが可能となるばかりではなく、小型化にも寄与する。この際、前記シリンダ6取り付け孔(プランジャ5の同軸上)1fの同軸上に、前記吸入弁4を配置する場合は、前記ダンパ室1aaを形成する部材に直接吸入ジョイント2を取り付けることが、前記ポンプボディ1の加工時間を低減する上で有利となる。また本実施例の場合、図3に示すよう吐出ジョイントは吐出弁7と同軸に配置していなくても成立する。さらに、従来の方式のように高圧配管側の異常昇圧を防ぐ目的でリリーフ弁を設定した燃料システムでも適用可能である。合せて、吸入弁の開閉タイミングを変えて流量制御を行う方式の高圧燃料ポンプでも成立する。本実施例によれば、従来のリリーフ弁を高圧ポンプ内部或いは、コモンレールに配置した方式のものより、特に高回転側の流量低下、即ちリリーフ弁からの洩れはなく、高効率での吐出が可能となる。
本実施例によれば以下のような従来の技術問題点をも解消することができる。
特開平10−339231号公報のように、複数個のプランジャを有する多筒式高圧燃料ポンプに安全弁を組み込み、安全弁の出口を吸入流路に接続する方式においては、複数個のプランジャが代わる代わる燃料を高圧吐出するので、高圧燃料ポンプ内の吐出流路部で発生する圧力脈動は、比較的小さい。したがって、内燃機関が正常動作を行っている限りにおいては、吐出流路内の圧力脈動により、安全弁の入口・出口の圧力差が開弁圧力以上に上昇することは無く、安全弁が開くことはない。
しかし、多筒式高圧燃料ポンプは、プランジャ等の部品点数が多く構造も複雑となり、さらには組立て性を考えると、コスト上不利である。そこで、特開2003−343395号公報のように1個のプランジャのみで高圧吐出を行う単筒式高圧燃料ポンプに、多筒式高圧燃料ポンプの場合と同じように安全弁を組み込み、安全弁の出口側を吸入流路に接続した。ところが、1個のプランジャのみで燃料の加圧室への吸入,吐出流路への吐出を行わなくてはならず、多筒式高圧燃料ポンプに比べて単筒式高圧燃料ポンプは高圧燃料ポンプ内の吐出流路で発生する圧力脈動が非常に大きくなる。結果として、吐出流路内の圧力上昇により、安全弁の入口・出口の圧力差が開弁圧以上になってしまい、安全弁は本来ならば開弁してはならない領域において開弁してしまう。この安全弁の誤動作は、高圧燃料ポンプとしての吐出量の低下,エネルギー効率の低下を招いてしまうという問題があった。
また、単筒式高圧燃料ポンプに安全弁を設ける構造のなかでも、吸入弁の開閉時期をソレノイドで制御し、ソレノイドの通電が遮断されている際にスプリングにより吸入弁が閉弁する方式のものでは、断線などによりソレノイドが作動しなくなると常に全量吐出状態となり、吐出側圧力は制御されないまま上昇することとなる。この際の圧力上昇を規定値内に抑えるためには、安全弁の流量増に伴う圧力上昇を抑える必要があるが、ばねによって弁体を座面に押し付ける方式のものでは、流量増に伴って弁体前後の差圧が上昇することは避けられず、上記圧力上昇を避けることは困難である。
さらに、従来の燃料系システムでは吐出側圧力は安全弁により上限を制限することは可能であったが、安全弁の開弁圧以下の圧力領域で圧力を低下させたいとき(噴射弁から燃焼室への燃料漏れを抑えたいとき等)は、意図的に開閉弁可能な電子制御式の安全弁を設ける必要があり、システムコストが高くなるという問題があった。
本実施例では、吐出弁部にソレノイドを設け、吐出弁の弁体挙動をソレノイドに送られる制御信号により制御し、且つソレノイドの通電が遮断された際には、スプリング力等により吐出弁を開弁する構造としている。このため吐出弁下流側の異常昇圧を防ぐ際、或いは吐出弁下流側の減圧が必要な際はソレノイドの電流を遮断、或いは部分的に遮断し吐出弁を開弁状態に維持することで達成する。
このように構成した実施例によれば、従来、燃料噴射弁の故障等により異常高圧が発生した場合、或いは断線等によりソレノイドが制御不能となった場合でも、吐出弁は開弁状態を維持することが出来るため、プランジャの上昇工程で吐出弁を介して高圧配管側へ吐出(昇圧)された燃料は、プランジャの下降工程で加圧室へ逆流する。即ち、加圧室内の圧力と、吸入弁上流側圧力の差圧が、吸入弁の開弁圧を上回るまでは、新たに吸入弁から加圧室へ導入される燃料はなく、高圧燃料ポンプが稼動し続けていても高圧配管側の圧力が上昇することはない。よって、高圧配管側の異常昇圧を防ぐことが可能となる。また、意図的にソレノイドでの通電を遮断、或いは通電時間を短くすることで、加圧室へ逆流した燃料はプランジャとシリンダの隙間を介して低圧側(吸入弁上流側)に開放される。即ち、吐出弁の開弁状態を維持することで、吐出弁を介して加圧室と連通した高圧配管側圧力の減圧制御も可能となる。本発明によれば、吐出弁に安全弁機能を持たせることが出来るため構造が簡単となり、ポンプの小型化,低コスト化に寄与し、且つ吐出側の減圧制御も可能なことから、低エミッションエンジンに好適な高圧燃料ポンプを得ることが出来る。
本発明が実施される高圧燃料ポンプの第一の断面図を示す。 本発明が実施される高圧燃料ポンプの第二の断面図を示す。 本発明が実施される高圧燃料ポンプの吐出ジョイント位置別案を示す。 本発明が実施される燃料系システム図を示す。 従来の方式の燃圧挙動説明図を示す。 本発明が実施される高圧燃料ポンプの燃圧挙動説明図を示す。 本発明が実施された場合の効果を示す流量特性説明図を示す。
符号の説明
1 ポンプボディ
1c 加圧室
2 吸入ジョイント
3 ダンパ
4 吸入弁
5 プランジャ
6 シリンダ
7 吐出弁
7a 弁体
7a1 プランジャーロッド
7b シート
7c リターンスプリング
7d ソレノイド
8 吐出ジョイント
8a1,81 シール部
8a2 吐出通路
8a3 電磁可動コア
8a4 ストッパ

Claims (8)

  1. 往復運動するプランジャ、
    当該プランジャを往復動自在に摺動保持するシリンダと、
    前記プランジャが往復動することで容積が変化する加圧室と、
    前記加圧室へ燃料を吸入する吸入流路、
    前記加圧室から前記燃料を吐出する吐出流路、
    前記吸入流路に設けた吸入弁、
    前記吐出流路に設けた吐出弁、
    制御装置からの信号に基づいて前記吐出弁の弁体の動きを制御する電磁ソレノイド機構を備えたものにおいて、
    前記ソレノイドの通電が遮断されている際、前記吐出弁の弁体はスプリングにより開弁位置にあり、吐出通路を開放しており、
    前記ソレノイドの通電が遮断されていて前記吐出弁が開弁している間に、前記プランジャが上死点から下死点に移動する状態においては、前記吐出流路から前記加圧室に高圧燃料の一部が逆流するよう構成されている高圧燃料ポンプ。
  2. 請求項1の高圧燃料ポンプにおいて
    前記ソレノイドにより、前記吐出弁の閉弁時期を制御することで流量制御を行うことを特徴とする請求項1の高圧燃料ポンプ。
  3. 請求項1または2の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記ソレノイドの通電が遮断されている際、前記吐出弁の弁体はスプリングにより開弁 しており、この状態で前記プランジャが前記加圧室の下死点に向かって移動するときは、前記吐出流路から前記加圧室に高圧燃料の逆流を許容し、前記ソレノイドが通電されて前記吐出弁が閉弁された後に前記プランジャが前記加圧室の下死点に向かって移動するときは、前記吸入流路から燃料を吸入するよう構成されている高圧燃料ポンプ。
  4. 請求項1または2の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記ソレノイドが通電されて前記吐出弁が閉弁する際、前記スプリングの力に抗する前記電磁ソレノイド機構の電磁力と前記逆流する高圧燃料の流体力により前記弁体はシート方向へ移動し、前記吐出弁の弁体前後の差圧前記弁体が前記シートに押し付けられるよう構成した高圧燃料ポンプ。
  5. 請求項1または2の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記吐出流路を形成すると共に、高圧配管を結合するための吐出ジョイントを有し、
    前記吐出ジョイントの同軸円周上に、前記ソレノイドのコイルが配置されており、当該コイルの内側に高圧燃料通路が形成されている高圧燃料ポンプ。
  6. 請求項1または2の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記吸入弁と、前記吐出弁が同軸上に配置されたことを特徴とする高圧燃料ポンプ。
  7. 請求項1または2の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記吸入弁と、前記プランジャが同軸上に配置されたことを特徴とする高圧燃料ポンプ。
  8. 請求項5に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記ソレノイドによって操作されるプランジャロッドが前記コイルの中心軸上に配置されており、その先端に前記吐出弁が設けられている高圧燃料ポンプ。
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