JP4304244B2 - 油水分離剤及び油水分離方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油水分離剤及び油水分離方法に関し、更に詳しくは、油環境汚染における油除去処理に用いる油水分離剤及び油水分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の油水分離剤は各種の合成高分子からなっており、タンカー事故等で実際の使用例もあるが、細胞毒性、特にDNA(遺伝子)毒性が高く環境生態系並びに人の安全性に懸念が持たれているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記の問題に鑑み、人と環境生態系に優しく安全である油水分離能を有する油水分離剤及びそれを用いる油水分離方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題達成のために鋭意努力した結果、特定の微生物群が、従来知られていない高分子物質を生産すること、又、それらの特定微生物群を混合して複合的培養若しくは複合培養すると、その高分子物質が培地中に著量生産・蓄積されること、そして、より優れた油水分離能活性を有すること等の知見を得た。本発明はこの知見に基づいて完成された。
【0005】
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(11)の特性を有し、且つ油水分離能を有する高分子物質(以下、APR−3という。)の生産能(以下、APR−3生産能という。)を有するブルセラsp.KYM−1株(FERM P−11333)、コマモナス・テストステロニーKYM−4株(FERM P−11336)、サルモネラsp.KYM−5株(FERM P−11337)、セルロモナス・セルランスKYM−7株(FERM P−11358)又はアグロバクテリウム・ツメファシエンスKYM−8株(FERM P−16806)をサイアミン含有培地に培養して、得られる培養物を主成分とすることを特徴とする油水分離剤を提供する。
(1)糖含有量(フェノール・硫酸法):(64±2)重量%
(2)アミノ糖(エルソン・モーガン法):検出されない。
(3)ウロン酸(カルバゾール・硫酸法):検出されない。
(4)蛋白質(ニンヒドリン法):検出されない。
(5)元素分析:炭素C=(40±2)%、水素H=(6±1)%、窒素N、リンP及び硫黄Sは痕跡。
(6)構成する糖及び有機酸の組成(モル比):ガラクトース1、グルコース(5.6±0.1)、コハク酸(0.6±0.1)、ピルビン酸(2.5±0.1)。
(7)分子量:2×106以上。
(8)粘度(ビスメトロン回転粘度計、SS−2ローター、25℃、回転数3〜60rpm、溶媒は純水、H型APR−3の0.5重量%濃度溶液):(9,000±1,000)cP。
(9)溶媒溶解性:水に可溶、アルカリに易溶、メタノール、エタノール及びアセトンに不溶。
(10)比旋光度(20℃):−17〜−15°
(11)IRスペクトル吸収帯(cm-1):2,700〜3,700、1,730、1,600、1,400、1,160。
【0006】
又、本発明は、2)以下の(1)〜(11)の特性を有し、且つ油水分離能を有する高分子物質(以下、APR−3という。)の生産能(以下、APR−3生産能という。)を有するセルロモナス・セルランスKYM−7株(FERM P−11358)とアグロバクテリウム・ツメファシエンスKYM−8株(FERM P−16806)との少なくとも2株を含む複合微生物をサイアミン含有培地に培養して、得られる培養物を主成分とすることを特徴とする油水分離剤を提供する。
(1)糖含有量(フェノール・硫酸法):(64±2)重量%
(2)アミノ糖(エルソン・モーガン法):検出されない。
(3)ウロン酸(カルバゾール・硫酸法):検出されない。
(4)蛋白質(ニンヒドリン法):検出されない。
(5)元素分析:炭素C=(40±2)%、水素H=(6±1)%、窒素N、リンP及び硫黄Sは痕跡。
(6)構成する糖及び有機酸の組成(モル比):ガラクトース1、グルコース(5.6±0.1)、コハク酸(0.6±0.1)、ピルビン酸(2.5±0.1)。
(7)分子量:2×10 6 以上。
(8)粘度(ビスメトロン回転粘度計、SS−2ローター、25℃、回転数3〜60rpm、溶媒は純水、H型APR−3の0.5重量%濃度溶液):(9,000±1,000)cP。
(9)溶媒溶解性:水に可溶、アルカリに易溶、メタノール、エタノール及びアセトンに不溶。
(10)比旋光度(20℃):−17〜−15°
(11)IRスペクトル吸収帯(cm -1 ):2,700〜3,700、1,730、1,600、1,400、1,160。
【0007】
又、本発明は、3)培養物が、2〜2000μg/lのサイアミン濃度を有するサイアミン含有培地で培養して得られる培養物である前記1)又は2)に記載の油水分離剤を提供する。
【0013】
又、本発明は、4)前記1)〜3)の何れかに記載の油水分離剤を油懸濁水と接触させることを特徴とする油水分離方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に実施形態を挙げて本発明を更に詳しく説明する。しかし、本発明はこの実施形態により何ら限定されるものではない。
本発明でいうAPR−3とは、次ぎのの特質を有する高分子物質である。
【0015】
(1)糖含有量(フェノール・硫酸法):(64±2)重量%
(2)アミノ糖(エルソン・モーガン法):検出されない。
(3)ウロン酸(カルバゾール・硫酸法):検出されない。
(4)蛋白質(ニンヒドリン法):検出されない。
(5)元素分析:炭素C=40(±2)%、水素H=6(±1)%、窒素N、リンP及び硫黄Sは痕跡。
(6)構成する糖及び有機酸の組成(モル比):ガラクトース1、グルコース5.6(±0.1)、コハク酸0.6(±0.1)、ピルビン酸2.5(±0.1)。
(7)分子量:2×106以上。
(8)粘度(ビスメトロン回転粘度計、SS−2ローター、25℃、回転数3〜60rpm、溶媒は純水、H型APR−3の05重量%濃度溶液):9,000(±1,000)cP。
(9)溶媒溶解性:水に可溶、アルカリに易溶、メタノール、エタノール及びアセトンに不溶。
(10)比旋光度(20℃):−17〜−15°
(11)IRスペクトル吸収帯(cm-1):2,700〜3,700、1,730、1,600、1,400、1,160。
以上の特性を有する高分子物質は現在まで知られていないので、当該物質は新規物質である。
【0016】
本発明において、油水分離能とは、油懸濁水(海水も含む。)を油相と水相とに分離する能力のことをいう。該油水分離能は次のようにして測定される。
A)油水分離能の活性測定法
サラダ油10gとノニオン系界面活性剤Tween80(和光純薬社製:ソルビタンモノオレアートのエチレンオキシド縮合物)0.5gをビーカー中で2〜3分間超音波処理してサラダ油を乳化させる。この中に撹拌しながら海水を加えて全量を2リットルとし、これを油懸濁水の原水とする。
【0017】
2リットルのビーカーに原水1リットルを移し、pHを10に調整する。この原水0.8リットルを加圧浮上装置(宮本製作所製MS9000)に供給する。更にサンプル液20mlを添加して、室温で内容物を十分に撹拌した後、加圧水を0.3リットル添加する。10〜20分間静置後、水相のCODを重クロム酸カリウム法で測定する。活性はそのCOD値で示される。そして、油水分離能は次式により計算される。
油水分離能=((A−B)/A)×100(%)、但し、A:処理前の COD値、B:処理後のCOD値。
【0018】
本発明の第一の特徴は、APR−3生産能を有する微生物を、サイアミン含有の固体若しくは液体の栄養培地に培養して得られる培養物を主成分として使用する油水分離剤である。 そして、サイアミン含有培地とは、培養開始から、即ち種培養若しくは前培養から、目的の油水分離能を得るまで、固体若しくは液体の栄養培地中にサイアミンが含有していることを意味する。サイアミン濃度は、2〜2000μg/lの濃度、好ましくは5〜1000μg/lの濃度、より好ましくは2〜500μg/l濃度で培地中に含有していればよい。2μg/l以下の場合は油水分離活性が極端に低下する。2000μg/l以上の場合は油水分離剤活性がそれ以上増加しないので、培地にそれ以上含有させることの意味がなくなる。
本発明のサイアミンとは、サイアミン自体、サイアミン塩酸塩等のサイアミンの各種塩類、サイアミンの各種誘導体、サイアミン含有物などをいう。
【0019】
APR−3生産能を有する微生物はAPR−3生産能を有するものであれば、細菌、放線菌、酵母、カビ等のどのような微生物でも使用できる。本発明においては、特にフタル酸を資化できる特性とスライム形成性を目安にスクリーニングして得られたが、スクリーニング方法等に何ら限定されるものではない。
APR−3生産能を有する微生物の特徴は、APR−3生産能を有する微生物の少なくとも1種を含む複数の微生物の混合物(以下、複合微生物という。)からなるものである。複合微生物は、その中の各微生物を少なくとも1種を単離できるものでもよく、単離できないものでもよい。複合微生物自体がAPR−3生産能を有するものであればよい。又、当該複合微生物の中に本発明の微生物以外のものが混入していても、APR−3の生産を阻害しない限り、一向に差し支えない。このような複合微生物を用いて、有用物質を生産するという発想は本発明者らが初めて為したものである。
【0020】
APR−3生産能を有する微生物の中でも、好ましいものとして細菌類を挙げることができる。より具体的には、ブルセラ属、ステノトロフォモナス属、ザントモナス属、アシネトバクター属、コマモナス属、サルモネラ属、大腸菌属、オーレオバクテリウム属、セルロモナス属及びアグロバクテリウム属に属する微生物である。
【0021】
上記の属に属する微生物の中でも、特に好ましい菌株として、ブルセラ属に属する微生物としてブルセラsp.KYM−1株を、ステノトロフォモナス又はザントモナスのグループに属する微生物としてKYM−2株を、アシネトバクター属に属する微生物とそてアシネトバクターsp.KYM−3株を、コマモナス属に属する微生物としてコマモナス・テストステロニーと同種かそれに極めて近い種に属するKYM−4株を、サルモネラ属に属する微生物としてサルモネアsp.KYM−5株を、オーレオバクテリウム属に属する微生物としてオーレオバクテリウムsp.KYM−6株を、セルロモナス属に属する微生物としてセルロモナス・セルランスKYM−7株を、そしてアグロバクテリウム属に属する微生物としてアグロバクテリウム・ツメファシエンス若しくはそれに極めて近い種に属するKYM−8株等を挙げることができる。
【0022】
上記の微生物の中でも、KYM−1、KYM−2、KYM−3、KYM−4、KYM−5、KYM−6、KYM−7及びKYM−8の菌株番号が付されたものは、フタル酸資化性及びスライム形成性を指標として、活性汚泥及び土壌からのスクリーニングより、APR−3生産能を有する複合微生物として得られたものである。各々、単離してその性質を調べた結果を下記の表1〜4に示してある。各菌株は、生命工学研究所に寄託され、KYM−1はFERM P−11333、KYM−2はFERM P−11334、KYM−3はFERM P−11335、KYM−4はFERM P−11336、KYM−5はFERM P−11337、KYM−6はFERM P−11357、KYM−7はFERM P−11358、KYM−8はFERM P−16806の番号が付されている。
【0023】
表1
【0024】
表2
【0025】
表3
【0026】
表4
【0027】
上記のKYM菌株を、表1〜4に記載の形態学的及び生理学的性質に基づいて、Bergey's Manual of Systematic Bacteriology(第1巻、第2巻、第3巻、第4巻)に記載の分類基準に従って、同定すると、
KYM−1は、シュドモナス・ファギー(Pseudomonas faagi)、
KYM−2は、ザントモナス・マルトフィリア(Xanthomonas maltophilia)、
KYM−3は、アセネトバクター・カルコアセティカス(Acinetobactor calcoaceticus)、
KYM−4は、ブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、
KYM−5は、ハフニア・アルベイア(Hafnia alveia)、
KYM−6は、コリネバクテリウム・アクアチクム(Corynebacterium aquaticum)、
KYM−7は、セルロモナス・カルタエ(Cellulomonas cartae)、
KYM−8は、アグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)
に属する菌株である。尚、ブルクホルデリア・セパシアは、旧名称シュドモナス・セパシアとされ、ハフニア・アルベイアは、旧名称サルモネラsp.とされ、そしてセルロモナス・カルタエは、旧名称オエルスコビア属とされていた(再分類され現名称となっている)。
【0028】
しかしながら、最近、16S rDNAの塩基配列の相同性から、微生物を発生系統的に同定・分類する方法が行なわれている(日本微生物生態学会報(Bulletin of Japanese Society of Microbial Ecology)、10巻、119〜136ページ、1995年、同報、10巻、31〜42ページ、1995年)。上記の菌株をこの方法で解析しその結果を表5に記載した。表5より同定・分類すると:
【0029】
表5
に属する菌株である。
尚、上記の16S rDNA解析法によると、サルモネラ属と大腸菌属に属する微生物は、同一属の微生物と見做されている。その故に本発明で使用する微生物は、サルモネラ属又は大腸菌属のどちらの属に属する微生物でもよい。
【0030】
以上の結果より、本発明で使用する菌株は、
KYM−1は、ブルセラsp.又はシュドモナス・ファギー、
KYM−2は、ステノトロホモナスsp.又はザントモナス・マルトフィリア、
KYM−3は、アセネトバクター・カルコアセティカス、
KYM−4は、コマモナス・テストステロニー又はブルクホルデリア・セパシア、
KYM−5は、サルモネラsp.又はハフニア・アルベイア、
KYM−6は、オーレオバクテリウムsp.又はコリネバクテリウム・アクアチクム、
KYM−7は、セルロモナス・セルランス又はセルロモナス・カルタエ、
KYM−8は、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)又はアグロバクテリウム・リゾゲネス
に属する菌株である。
【0031】
本発明において、総合的に検討した結果、
KYM−1株は、ブルセラsp.に属する菌株、
KYM−2株は、ステノトロフォモナス又はザントモナスのグループに属する菌株、
KYM−3株は、アシネトバクターsp.属に属する菌株、
KYM−4株は、コマモナス・テストステロニーと同種かそれに極めて近い種に属する菌株、
KYM−5株は、サルモネラ又は大腸菌のグループに属する菌株(本発明においては簡便化のためサルモネラ属という。)、
KYM−6株は、オーレオバクテリウムsp.に属する菌株、
KYM−7株は、セルロモナス・セルランス若しくはそれに極めて近い種に属する菌株、
KYM−8株は、アグロバクテリウム・ツメファシエンス若しくはそれに極めて近い種に属する菌株
であると判断した。
【0032】
KYM−1〜KYM−7菌株は公知菌株であるが、KYM−8菌株は新規微生物菌株である。以上のことから、本発明の油水分離剤に使用する微生物は、APR−3生産能を有する微生物であればよく、上記のような具体的な菌名をもって制限されるものではない。
【0033】
本発明において、好ましい実施形態として、APR−3生産能を有する微生物を培養するにあたり、APR−3生産能を有する微生物を、少なくとも1種を含む複合微生物を複合的培養若しくは複合培養することである。それ故、複合微生物とは、少なくとも上記の属に属する微生物の中の1種を含む。その中でも特に好ましい実施形態は、少なくともアグロバクテリウム属に属する微生物及び/又はセルロモナス属に属する微生物を含むものである。
【0034】
本発明における複合微生物は、ブルセラsp.KYM−1株、ステノトロフォモナス又はザントモナスのグループに属するKYM−2株、アシネトバクターsp.KYM−3、コマモナス・テストステロニーと同種か極めて近いKYM−4、サルモネラ属に属するいずれかの微生物、オーレオバクテリウム属に属するいずれかの微生物及びセルロモナス属に属するいずれかの微生物からなる群から選ばれる少なくとも1種の微生物と、アグロバクテリウム・ツメファシエンス若しくはそれに極めて近いKYM−8との組合せを含む。
【0035】
若しくは、ブルセラsp.KYM−1株、ステノトロフォモナス又はザントモナスのグループに属するKYM−2株、アシネトバクターsp.KYM−3、コマモナス・テストステロニーと同種か極めて近いKYM−4、サルモネラ属に属するいずれかの微生物及びオーレオバクテリウム属に属するいずれかの微生物からなる群から選ばれる少なくとも1種の微生物と、セルロモナス属に属するKYM−7株との組合せを含む。
【0036】
更に特に好ましい実施形態は、上記の組合せの中でも、サルモネラ属に属するいずれかの微生物がKYM−5株、オーレオバクテリウム属に属するいずれかの微生物がKYM−6株、セルロモナス属に属するいずれかの微生物がKYM−7株である。
【0037】
上記の組合せの詳しい具体例として一例を挙げるならば次の如くである。
(a)KYM−8、KYM−7
(b)KYM−8、KYM−7、KYM−1
(c)KYM−8、KYM−7、KYM−5
(d)KYM−8、KYM−7、KYM−5、KYM−4
(e)KYM−8、KYM−7、KYM−5、KYM−4、KYM−1
(f)KYM−8、KYM−7、KYM−6、KYM−5、KYM−4、
KYM−3、KYM−2、KYM−1
(g)KYM−7、KYM−4
(h)KYM−7、KYM−4、KYM−1
(i)KYM−7、KYM−5、KYM−4、
(j)KYM−7、KYM−5、KYM−4、KYM−1
【0038】
本発明で使用する微生物の中でも、KYM−1株〜KYM−8株の微生物は、単独の状態又は上記のいずれの組合せの複合状態で、寒天培地上でスライムを形成するフロック状態になる。そして、フロック状態のまま、植えつぐことも、保存することもできる。又、便利に種培養菌として用いることもできる。
それで、上記の組合せの微生物の中でも、(f)、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(g)、(h)、(i)及び(j)は各々、R−3菌、R−4菌、R−5菌、R−6菌、R−7菌、R−8菌、R−9菌、R−10菌、R−11菌及びR−12菌と略称される。
【0039】
これらの菌は、寒天培地上でスライムを形成する。しかし、このスライム形成は本発明を何ら限定するものではない。尚、これらの組合せの菌株を用いて培養を行なう場合は、寒天培地上でスライムを形成させ、スライム形成微生物を種菌として用いると便利である。
【0040】
本発明では、上記の本発明の微生物の植えつぎ、連続植えつぎ、又は保存にあたり、使用する培地として、寒天培地などの固体培地、又液体培地のどちらも採用出来る。そして十分な生育量を得ることが出来る。
しかしながら、本培養におけるAPR−3の生産活性を良好に得るには、上記の培地にもサイアミンを含有させるのが好適である。そのサイアミンの濃度は、2〜2000μg/l、好ましくは5〜1000μg/l、より好ましくは5〜500μg/lである。2μg/l以下の場合は、APR−3生産活性が極端に低下する。2000μg/l以上の場合はAPR−3生産活性がそれ以上増加しない。それでそれ以上の含有は意味がないものとなる。
更に良好なAPR−3生産活性を得るには、サイアミン含有培地で培養した菌体を、グリセロール、グルコース、マルトース、トレハロース等の糖類、又DMSO(ジメチルスルホオキシド)等、好ましくは10重量%マルトースを含む液体培地中ないし溶液中又は緩衝液中に保存することが好適である。そしてそれらの糖類の濃度は5〜15重量%である。
保存温度は−100℃〜−20℃、好ましくは−80℃〜−60℃である。
【0041】
本発明において微生物を培養するにあたり、使用する培地は、本発明の微生物の液体又は固体の栄養培地で、且つサイアミンを含有するものであればどのようなものでもよく、特に制限されない。そして、通常の公知の方法に従って調製することができる。例えば、その組成は、炭素源として、デンプン、廃糖蜜、デキストリン、サッカロース、マルトース、マンニット、グルコース及びフラクトース等、窒素源として、硫安、塩安、尿素、肉エキス、ペプトン及び酵母エキス等、無機塩類として、リン酸塩、マグネシウム塩、食塩、鉄塩及びマンガン塩等、ビタミン類としてサイアミン、その他のビタミン類、酵母エキス、コーンステープリカー及び廃糖蜜等が適当量含有していればよい。
【0042】
上記の炭素原の中でもデンプン、マンニットは好ましいものとして挙げることができ、培地中に占める量として0.01〜30重量%、好ましくは、0.1〜20重量%で使用する。pHは5〜9位の範囲に調整すればよい。固体培地又は液体培地の種類は問われない。尚、農産物廃棄物、食品産業廃棄物、発酵廃液及び残渣類、都市ゴミ類等も炭素源、有機窒素源及びビタミン類等として使用することができる。培養は、振盪、通気撹拌等の操作で、20〜40℃で2〜15日間行なえばよい。そして回分或いは連続等の培養方法が採用できる。前培養なしの方法或いは前培養ありの方法等どちらも採用できる。
【0043】
上記のようにして本発明の培養物が得られる。
そして、本発明において、得られた培養物とは培養液自体の他に培養液の各種処理物をも含むものとする。例えば、培養液の濃縮物並びにその乾燥物、培養液から菌体を除いた上澄液並びにその濃縮物並びにその乾燥物、培養液から得られる菌体自体及びその懸濁物若しくはその乾燥物等である。そして、本発明において得られた培養物をそのまま油水分離剤とすることが出来る。又、適当な付加剤又は添加剤等を添加して、油水分離剤とすることもできる。そして、本発明の油水分離剤を油懸濁水に接触させると、効率よく油と水を分離することが出来る。
【0044】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中「%」とあるのは特に断りの無い限り重量基準である。
実施例1:本発明で使用する混合菌であるR−3菌の培養
本発明で使用する菌の種培養及び本培養に用いる培地の組成(%):
デンプン=1%
K2HPO4=0.5%
KH2PO4=0.2%
MgSO4・7H2O=0.02%
(NH4)2SO4=0.05%
ポリペプトン(商標名)(大五栄養化学KK製)=0.2%
サイアミン塩酸塩=200μg/l
水道水=残り
pH=7.0(3N KOHで調整)
殺菌条件:121℃(達温)及び15〜20分間
【0045】
R−3菌を肉汁寒天平板培地に30℃で5日間培養した。当該菌の1白金耳を液体培地80ml(500ml容振盪フラスコ)に添加し、30℃で2日間培養し種培養を調製した。尚、ロータリーシェイカーを用いて当該フラスコを振盪した。当該培養液(60ml)を5リットル容ジャーファメンター(培地3リットル)に添加し、30℃で3リットル/minの通気量で、7日間撹拌(200〜400rpm)しながら培養した。生育度(OD310nmにおける濁度にて測定)、油水分離能及びカオリン凝集活性ともに3日間で最高値に達した。培養液の粘度は最後まで増加した。生育度16.5(310nmにおける濁度測定)、カオリン凝集活性277、粘度1,200(cP)なる培養液を得た。尚、粘度はビスメトロン回転粘度計を用い、SS−2ローター使用し、25℃及び回転数3〜60rpmの条件で測定した。
【0046】
実施例2:APR−3の分離精製
実施例1のようにしてR−3菌を培養して得た培養液3リットルを純水12リットルで希釈し、菌体を遠心分離(28,000G及び30min)で除去し、その後、膜濃縮機を使用して2リットルまで濃縮した。当該濃縮液に2倍容のエタノールを添加し、繊維状の沈殿物(APR−3)を析出させた。当該沈殿物を遠心分離で採取し、シリカゲル入りのデシケーターの中で、一晩減圧乾燥した。9.2gの粗APR−3を得た(対デンプン収率=30.5%)。
【0047】
500mgの当該粗APR−3を蒸溜水100mlに溶解した。次、これに2%cetylpyridium chloride(CPC)溶液50mlを撹拌しながら添加し、数時間静置し、APR−3とCPCの複合体の沈殿物を形成させた。当該複合体の沈殿物を遠心分離により集め、0.5モルの食塩水に溶解した。これに2倍容のエタノールを添加し、繊維状の沈殿物を得た。当該沈殿物をエタノール及びアセトンで各々5回洗浄した後、上記のようにして減圧乾燥した。純度検定で98%以上のAPR−3(380mg)のを得た(対デンプン収率=21.0%)。このことから、R−3菌の培養液には約2mg/mlのAPR−3が生産されていることが分かる。
【0048】
上記の純度検定は次のようにして行なった。
上記の如くして精製されたAPR−3を、0.5NのNaOH水溶液で加水分解し、脱アセチル化した。得られた脱アセチル化APR−3について、酢酸セルロース膜を支持体として電気泳動を行った。その結果、当該APR−3は陽極側に移動し、単一のスポットを与えた(図1参照)。よって当該APR−3は純粋なものと判断した。
【0049】
実施例3:APR−3の特質
上記の精製APR−3について分析した。
1.全糖
フェノール・硫酸法により測定した。その結果64(±2)%であった。
2.アミノ糖
エルソン・モーガン法により定性分析を行った。アミノ糖は検出されなかった。
3.ウロン酸
カルバゾル・硫酸法により検出を試みたが、検出されなかった。
【0050】
4.蛋白質
ニンヒドリン法により検出を試みたが、検出されなかった。
5.元素分析
炭素C=40(±2)%、水素H=6(±1)%、窒素N=痕跡、リンP=痕跡、硫黄=痕跡。
【0051】
6.構成糖
上記の精製APR−3を2Mのトリフルオロ酢酸で4時間加水分解した。
定性分析:
当該加水分解物について、次の条件で薄層クロマトグラフィーを行った。その結果、グルコース及びガラクトースのみが検出された。条件:プレート=シリカゲル60(0.5M NaH2PO4)、展開相=イソプロピルアルコール:アセトン:0.1M乳酸(2:2:1 重量比)。
【0052】
定量分析:
上記加水分解物について、TMS誘導体を調製して、次の条件でガスクロマトグフィーによる分析を行った。その結果、APR−3は、ガラクトース1モルに対してグルコース5.6(±0.1)モルの割合で構成されていることが判明した。条件:装置=島津(Shimadzu)GC−15A、検出器=FID、カラム=Hicap-CBPI(OV-1 chemical bonding)キャピラリーカラム。
【0053】
7.構成有機酸
APR−3を、2Nの硫酸溶液で100℃で2時間加水分解した。この加水分解物について、薄層クロマトグラフィーによる定性及び同定分析を次の条件で行なった。その結果コハク酸とピルビン酸が検出された。
【0054】
定性分析:
プレート=セルロースF254S又はシリカゲルF254、展開相=ブタノール:ギ酸:水(4:1.5:1 重量比)又はアミルアルコール:0.25Mアンモニア(2:1 重量比)。
【0055】
定量分析:
APR−3を2Mトリフルオロ酢酸溶液で100℃で4時間加水分解し、その加水分解物をメチル化した。それをガスクロマトグラフィーで定量した。その結果、コハク酸とピルビン酸が、構成糖であるガラクトース1モルに対して各々0.6(±0.1)モル及び2.5(±0.1)モル含まれていることが分かった。
【0056】
8.分子量
脱アセチル化したAPR−3について、トヨパールHW75Fゲルカラムを使用するゲルクロマトグラフィーでAPR−3の分子量を求めた(図2参照)。ブルーデキストランよりも先にAPR−3のピークが出現するので、分子量は2×106以上であると判断された。
【0057】
9.比旋光度
比旋光度は−17〜−15°であった。
10.IRスペクトル
図3に当該スペクトルを示した。2,700〜3,700cm-1に水酸基の吸収、1700cm-1及び1,160cm-1にカルボキシルエステル結合の吸収、そして1,600cm-1及び1,400cm-1にイオン化カルボキシル基の吸収を示した。
【0058】
11.溶媒に対する溶解性
水に可溶、アルカリに易溶、メタノール及びアセトンに不溶であった。
12.粘度特性
ビスメトロン回転粘度計で、SS−2 ローターを使用し、25℃及び回転数3〜60rpmの条件で測定した。対照物質としてザンサンガムを用いた。APR−3はNa型(塩)、Ca型(塩)及びH型(フリー型)にして測定した。ザンサンガム及びAPR−3の濃度は0.5重量%溶液とした。その結果を図4に示した。いずれの型のAPR−3もザンサンガムと同様に、シュードプラスチック流動特性を示した。又、ザンサンガムよりも高粘度であった。
以上の特性を有する高分子物質は、現在まで発見されていないので、新規物質と認定した。
【0059】
実施例4
実施例1で得たAPR−3の粉末について、APR−3溶液(50mg/1ml蒸留水)を調製し、その内の20mlを使用して、上記の油水分離能測定法により測定し、下記表6の通りの結果を得た。
【0060】
表6
表6から分かるように、本発明のAPR−3は油水分離能を有することは明らかである。又、下記の比較例実験の表7から分かるように、公知のロードコッカス・エリスロポレスKR−256−2(FERM P−3923)のものより高活性を有する。
【0061】
比較例1
ロードコッカス・エリスロポレスKR−256−2(FERM P−3923)を、実施例1と同様な条件で培養して得た培養液の上澄液について、膜濃縮により25倍の濃縮を行い、APR−3溶液(50mg/1ml蒸留水)の調製条件と同様なものにした。実施例4と同様の条件で油水分離能を測定し、下記表7の結果を得た。
【0062】
表7
【0063】
実施例5
R−3菌をR−4菌に代えること、及び培地にサイアミンを添加すること(以下、サイアミン含有系という。)並びに添加しないこと(以下、サイアミン非含有系という。)以外は、実施例1と同様に培養し、その培養の経時変化を調べた。その結果を図5及び6に示した。尚、図5はサイアミン含有系のものであり、図6はサイアミン非含有系のものである。図5及び6から分かるように、サイアミン非含有系では培養3日目でカオリン凝集活性は最高値に達し、その後減少傾向を示した。又、粘度(cP)は培養4日目で最高値に達し、その後減少傾向を示した。しかし、サイアミン含有系では、培養3日頃からカオリン凝集活性及び粘度(cP)の増加率が減少するものの、カオリン凝集活性及び粘度(cP)の値が減少することはなかった。尚、活性は培養液の上澄液について測定した。APR−3生産能を有しないが、微生物産生凝集剤を生産することが知られているロードコッカス・エリスロポレスKR−256−2(FERM P−3923)を対照菌株として採用し、R−4菌のサイアミン含有系と同様の条件で培養した。その結果を図7に示した(比較例1参照)。図5、6及び7から分かるように、R−4菌は、カオリン凝集活性及び粘度(cP)が格段に高い培養液を生産すること、又、サイアミン含有系は、非含有系のものより培養液のカオリン凝集活性及び粘度(cP)が高く、且つ培養の安定性が優れているが分かる。尚、生育度は310nmにおける濁度測定によった。
【0064】
実施例6
実施例5において、回分培養を連続的回分培養(回分培養の培養終了時の培養液を種培養液として利用する形式の培養方法)に変えること以外は実施例5と同様に培養した。なお、本実施例では、連続的回分培養方法を採用しているので、種培養は第一回目の培養においては実施例1と同様に行い、接種も実施例1と同様に行ったが、第二回目からは前回培養終了時の培養液を種培養として利用した。そして接種量は10容量%とした。そして、5回、そして各回10日間培養し、得た各回の培養液について油水分離能を測定した。その結果を表7に示した。
【0065】
表8
*COD(mg/l):原水=10.000;無添加=4.020
【0066】
実施例7
R−3菌をR−4菌に代えること、及びサイアミンの濃度を表9に記載のように変えること以外は、実施例1と同様に培養を行って、表9のような結果を得た。サイアミン含有培地のサイアミン濃度が 2〜2000μg/lの範囲の場合に、粘度の高い培養液が得られることが表9から分かる。そして2000μg/l以上になると粘度はそれ以上は増加しない。本発明においては油水分離能の増加と粘度の増加は相関する。よってサイアミン含有培地のサイアミン濃度が 2〜2000μg/lの範囲の場合に油水分離能の高い培養液が得られることが分かる。
【0067】
表9
【0068】
実施例7
R−3菌の代わりに、KYM−1、KYM−4、KYM−5、KYM−7、KYM−8及びそれらを図7に示したような組み合わせた混合菌及び混合菌であるR−3〜R−12を用いて、実施例1と同条件で培養した。そして、図8のような結果を得た。本実施例においては、油水分離能が粘度と相関する故、油水分離能を粘度測定で行った。粘度測定条件は実施例1と同様である。これから、本発明の複合微生物は、APR−3の生産により効果的であることが分かる。そして、KYM−7又は/及びKYM−8を含む複合微生物が特に効果的であることが分かる。
【0069】
【発明の効果】
本発明の微生物菌を、サイアミン含有培地で培養することにより得られる培養液は、サイアミン非含有培地で培養したものより油水分離能が高い。よってその培養液を主成分としてなる油水分離剤は、安価で高活性の油水分離剤として使用できる。それ故に、環境汚染の油水分離処理において、それらの処理を効率よく達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 APR−3の電気泳動パターン。
【図2】 APR−3のゲルクマトグラフィーパターン。
【図3】 APR−3のIRスペクトル。
【図4】 APR−3の粘度特性。
【図5】 R−4菌における、サイアミン含有系の培養の経時変化。
【図6】 R−4菌における、サイアミン非含有系の培養の経時変化。
【図7】 ロードコッカス・エリスロポレスKR−256−2(FERM P−3923)菌株における、サイアミン含有系の培養の経時変化。
【図8】 本発明のKYM−8菌、APR−3生産能を有するKYM各菌及びそれらの混合菌であるR−3〜R−12菌の活性比較。
Claims (4)
- 以下の(1)〜(11)の特性を有し、且つ油水分離能を有する高分子物質(以下、APR−3という。)の生産能(以下、APR−3生産能という。)を有するブルセラsp.KYM−1株(FERM P−11333)、コマモナス・テストステロニーKYM−4株(FERM P−11336)、サルモネラsp.KYM−5株(FERM P−11337)、セルロモナス・セルランスKYM−7株(FERM P−11358)又はアグロバクテリウム・ツメファシエンスKYM−8株(FERM P−16806)をサイアミン含有培地に培養して、得られる培養物を主成分とすることを特徴とする油水分離剤。
(1)糖含有量(フェノール・硫酸法):(64±2)重量%
(2)アミノ糖(エルソン・モーガン法):検出されない。
(3)ウロン酸(カルバゾール・硫酸法):検出されない。
(4)蛋白質(ニンヒドリン法):検出されない。
(5)元素分析:炭素C=(40±2)%、水素H=(6±1)%、窒素N、リンP及び硫黄Sは痕跡。
(6)構成する糖及び有機酸の組成(モル比):ガラクトース1、グルコース(5.6±0.1)、コハク酸(0.6±0.1)、ピルビン酸(2.5±0.1)。
(7)分子量:2×106以上。
(8)粘度(ビスメトロン回転粘度計、SS−2ローター、25℃、回転数3〜60rpm、溶媒は純水、H型APR−3の0.5重量%濃度溶液):(9,000±1,000)cP。
(9)溶媒溶解性:水に可溶、アルカリに易溶、メタノール、エタノール及びアセトンに不溶。
(10)比旋光度(20℃):−17〜−15°
(11)IRスペクトル吸収帯(cm-1):2,700〜3,700、1,730、1,600、1,400、1,160。 - 以下の(1)〜(11)の特性を有し、且つ油水分離能を有する高分子物質(以下、APR−3という。)の生産能(以下、APR−3生産能という。)を有するセルロモナス・セルランスKYM−7株(FERM P−11358)とアグロバクテリウム・ツメファシエンスKYM−8株(FERM P−16806)との少なくとも2株を含む複合微生物をサイアミン含有培地に培養して、得られる培養物を主成分とすることを特徴とする油水分離剤。
(1)糖含有量(フェノール・硫酸法):(64±2)重量%
(2)アミノ糖(エルソン・モーガン法):検出されない。
(3)ウロン酸(カルバゾール・硫酸法):検出されない。
(4)蛋白質(ニンヒドリン法):検出されない。
(5)元素分析:炭素C=(40±2)%、水素H=(6±1)%、窒素N、リンP及び硫黄Sは痕跡。
(6)構成する糖及び有機酸の組成(モル比):ガラクトース1、グルコース(5.6±0.1)、コハク酸(0.6±0.1)、ピルビン酸(2.5±0.1)。
(7)分子量:2×106以上。
(8)粘度(ビスメトロン回転粘度計、SS−2ローター、25℃、回転数3〜60rpm、溶媒は純水、H型APR−3の0.5重量%濃度溶液):(9,000±1,000)cP。
(9)溶媒溶解性:水に可溶、アルカリに易溶、メタノール、エタノール及びアセトンに不溶。
(10)比旋光度(20℃):−17〜−15°
(11)IRスペクトル吸収帯(cm-1):2,700〜3,700、1,730、1,600、1,400、1,160。 - 培養物が、2〜2000μg/lのサイアミン濃度を有するサイアミン含有培地で培養して得られる培養物である請求項1又は2に記載の油水分離剤。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の油水分離剤を油懸濁水と接触させることを特徴とする油水分離方法。
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