JP2579595B2 - 新規微生物および該微生物を用いた2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法 - Google Patents
新規微生物および該微生物を用いた2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フザリウム属又はアス
ペルギルス属に属する新規微生物、および該微生物を用
いて2,6−ジメチルナフタレンを酸化し、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸を製造する方法に関する。
ペルギルス属に属する新規微生物、および該微生物を用
いて2,6−ジメチルナフタレンを酸化し、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2,6−ナフタレンジカルボン酸あるい
は、そのエステル誘導体は高機能性樹脂原料、液晶原
料、ポリアミド系医薬品原料、染料顔料用として有用な
化合物であり、現在数種の化学合成法により生産されて
いる。特にポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂と
しての用途は、80〜90%とも言われており、現在の
ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂に比べ、耐
熱温度で約35℃、破断強度も約25℃高い他、二次転
移点、結晶化速度、軟化点、溶融粘度等に対し、優れた
性能を有するものとして大量生産化が期待されている。
しかしながら、2,6−ジメチルナフタレンを原料とし
た化学合成法は、高温反応であるため官能基の転移が起
こり易く、純度の高い2,6−ナフタレンジカルボン酸
が得られにくい上、高温高圧条件を必要とし、大量のエ
ネルギーを消費することや環境汚染等の問題点もあっ
た。
は、そのエステル誘導体は高機能性樹脂原料、液晶原
料、ポリアミド系医薬品原料、染料顔料用として有用な
化合物であり、現在数種の化学合成法により生産されて
いる。特にポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂と
しての用途は、80〜90%とも言われており、現在の
ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂に比べ、耐
熱温度で約35℃、破断強度も約25℃高い他、二次転
移点、結晶化速度、軟化点、溶融粘度等に対し、優れた
性能を有するものとして大量生産化が期待されている。
しかしながら、2,6−ジメチルナフタレンを原料とし
た化学合成法は、高温反応であるため官能基の転移が起
こり易く、純度の高い2,6−ナフタレンジカルボン酸
が得られにくい上、高温高圧条件を必要とし、大量のエ
ネルギーを消費することや環境汚染等の問題点もあっ
た。
【0003】これらの問題点を解決する方法として、近
年、微生物を用いた微生物酸化法の研究が進められてい
る。微生物を触媒とする酸化法は、常温常圧で反応させ
ることができる上、官能基の転移が起こらないため、副
産物の生成がほとんどないという優れた特徴を有してい
る。
年、微生物を用いた微生物酸化法の研究が進められてい
る。微生物を触媒とする酸化法は、常温常圧で反応させ
ることができる上、官能基の転移が起こらないため、副
産物の生成がほとんどないという優れた特徴を有してい
る。
【0004】しかし、これまでの報告では、フラボバ
クテリウム属等の微生物を用いて、2,6−ジメチルナ
フタレンを酸化しても、一方のメチル基しか酸化され
ず、2,6−ナフタレンジカルボン酸は検出されなかっ
た。(E.A.BARNSLEY,APPLIED A
ND ENVIRONMENTAL MICROBIO
LOGY 54,428〜433,1988)。又、
ノカルディア属細菌による、糖質との共酸化による2,
6−ナフタレンジカルボン酸の確認の報告(G.K.S
KRYABIN,et al.,DOKL.AKAD.
NAUK.USSR 202,973〜974,197
2)があるが、収量が低く定性的な研究にとどまってい
るというものであった。
クテリウム属等の微生物を用いて、2,6−ジメチルナ
フタレンを酸化しても、一方のメチル基しか酸化され
ず、2,6−ナフタレンジカルボン酸は検出されなかっ
た。(E.A.BARNSLEY,APPLIED A
ND ENVIRONMENTAL MICROBIO
LOGY 54,428〜433,1988)。又、
ノカルディア属細菌による、糖質との共酸化による2,
6−ナフタレンジカルボン酸の確認の報告(G.K.S
KRYABIN,et al.,DOKL.AKAD.
NAUK.USSR 202,973〜974,197
2)があるが、収量が低く定性的な研究にとどまってい
るというものであった。
【0005】さらに最近では、シュードモナス属細菌
を用いて発酵法による2,6−ナフタレンジカルボン酸
の製造方法(特開平3−80091号公報)や、アル
キルナフタレン化合物のアルキル基に対して酸化力を有
する微生物を利用した、ナフタレンジカルボン酸の製造
方法(特開平5−15365号公報)が提案されてい
る。
を用いて発酵法による2,6−ナフタレンジカルボン酸
の製造方法(特開平3−80091号公報)や、アル
キルナフタレン化合物のアルキル基に対して酸化力を有
する微生物を利用した、ナフタレンジカルボン酸の製造
方法(特開平5−15365号公報)が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】微生物を触媒とする酸
化法は、常温常圧で反応させることができる上、副産物
の生成がほとんどないという優れた特徴を有している。
しかし、通常の微生物反応による生産は、生産を行う培
養条件が水系主体であり、しかも変換基質としての2,
6−ジメチルナフタレンは常温で固体、かつ水に不溶性
の、いわゆる固−液反応系であるため、変換基質の供給
量に限界が生じ、かつ供給量の制御も困難で、効率的な
連続的大量生産化の点において問題が残っているといえ
る。さらに、水系の発酵法は、通気攪拌動作において、
微生物の作用による発泡の問題が必ず生じ、それが常に
溶存酸素濃度の低下や通気量及び攪拌速度に制限をもた
らすという問題がつきまとっていた。その対策として、
シリコーンや大豆油などのいわゆる消泡剤を用いている
が、効果が長続きすることはなく、したがって、プロセ
スを必要以上に複雑にしたり、それ自身が生産性向上の
阻害要因となることもあった。
化法は、常温常圧で反応させることができる上、副産物
の生成がほとんどないという優れた特徴を有している。
しかし、通常の微生物反応による生産は、生産を行う培
養条件が水系主体であり、しかも変換基質としての2,
6−ジメチルナフタレンは常温で固体、かつ水に不溶性
の、いわゆる固−液反応系であるため、変換基質の供給
量に限界が生じ、かつ供給量の制御も困難で、効率的な
連続的大量生産化の点において問題が残っているといえ
る。さらに、水系の発酵法は、通気攪拌動作において、
微生物の作用による発泡の問題が必ず生じ、それが常に
溶存酸素濃度の低下や通気量及び攪拌速度に制限をもた
らすという問題がつきまとっていた。その対策として、
シリコーンや大豆油などのいわゆる消泡剤を用いている
が、効果が長続きすることはなく、したがって、プロセ
スを必要以上に複雑にしたり、それ自身が生産性向上の
阻害要因となることもあった。
【0007】本発明の目的は、上記従来技術に基づく水
系発酵法を利用した場合の2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸の製造法の問題点に鑑み、不均一系すなわち大量の
有機溶媒と水性液からなる反応環境を設定し、その反応
系において、出発物質としての2,6−ジメチルナフタ
レンから目的物質としての2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸を直接的に生産することにより、上記課題を克服
し、生産能率が良好な製造方法を提供せんとするもので
ある。
系発酵法を利用した場合の2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸の製造法の問題点に鑑み、不均一系すなわち大量の
有機溶媒と水性液からなる反応環境を設定し、その反応
系において、出発物質としての2,6−ジメチルナフタ
レンから目的物質としての2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸を直接的に生産することにより、上記課題を克服
し、生産能率が良好な製造方法を提供せんとするもので
ある。
【0008】そこで、2,6−ジメチルナフタレンの両
メチル基末端酸化能を有し、かつ有機溶媒介在系におい
ても生育もしくは反応可能であり、かつ酸化反応が阻害
されることのない微生物を見出し、このような微生物へ
有機溶媒に溶解した2,6−ジメチルナフタレンを供給
すれば、有機溶媒介在型液−液反応系により、連続的に
2,6−ナフタレンジカルボン酸への大量変換も可能と
なり、石油産業および石油化学産業にとって有用性大で
あることは明らかである。
メチル基末端酸化能を有し、かつ有機溶媒介在系におい
ても生育もしくは反応可能であり、かつ酸化反応が阻害
されることのない微生物を見出し、このような微生物へ
有機溶媒に溶解した2,6−ジメチルナフタレンを供給
すれば、有機溶媒介在型液−液反応系により、連続的に
2,6−ナフタレンジカルボン酸への大量変換も可能と
なり、石油産業および石油化学産業にとって有用性大で
あることは明らかである。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる状況において、本
発明者らは前記課題を解決すべく、鋭意検討を重ね、有
効な微生物のスクリーニング法の開発とそれによる効率
的な微生物の探索を実施した結果、有機溶媒に溶解した
2,6−ジメチルナフタレンの両側のメチル基を効率良
く酸化可能な新規微生物を見出し、有機溶媒介在型液−
液反応系による製造法を可能にし、本発明を成すに至っ
た。
発明者らは前記課題を解決すべく、鋭意検討を重ね、有
効な微生物のスクリーニング法の開発とそれによる効率
的な微生物の探索を実施した結果、有機溶媒に溶解した
2,6−ジメチルナフタレンの両側のメチル基を効率良
く酸化可能な新規微生物を見出し、有機溶媒介在型液−
液反応系による製造法を可能にし、本発明を成すに至っ
た。
【0010】すなわち、本発明は、フザリウム属(Fusa
rium)又はアスペルギルス属(Aspergillus)に属し、
有機溶媒に溶解した2,6−ジメチルナフタレンからの
2,6−ナフタレンジカルボン酸生産菌を、2,6−ジ
メチルナフタレンを溶解した有機溶媒と水性培地からな
る有機溶媒介在型二相系(液−液系)で培養または変換
することを特徴とする2,6−ナフタレンジカルボン酸
の製造方法を提供するものである。
rium)又はアスペルギルス属(Aspergillus)に属し、
有機溶媒に溶解した2,6−ジメチルナフタレンからの
2,6−ナフタレンジカルボン酸生産菌を、2,6−ジ
メチルナフタレンを溶解した有機溶媒と水性培地からな
る有機溶媒介在型二相系(液−液系)で培養または変換
することを特徴とする2,6−ナフタレンジカルボン酸
の製造方法を提供するものである。
【0011】本発明の新規微生物は、炭素源として2,
6−ジメチルナフタレンのみを添加した培地にて生育
し、かつ2,6−ナフタレンジカルボン酸を生産する能
力の有無をもって、あるいは有機溶媒に2,6−ジメチ
ルナフタレンのみを溶解したものと培地からなる有機溶
媒介在型培養により生育し、かつ2,6−ナフタレンジ
カルボン酸生産能の有無をもって、スクリーニングする
ことにより分離することができる。
6−ジメチルナフタレンのみを添加した培地にて生育
し、かつ2,6−ナフタレンジカルボン酸を生産する能
力の有無をもって、あるいは有機溶媒に2,6−ジメチ
ルナフタレンのみを溶解したものと培地からなる有機溶
媒介在型培養により生育し、かつ2,6−ナフタレンジ
カルボン酸生産能の有無をもって、スクリーニングする
ことにより分離することができる。
【0012】例えば、全国各地から集めた土壌につい
て、微生物の増殖に必要な成分のうち、炭素源を含まな
い培地(以下、培地という)を試験管に分注し、これを
滅菌したのち土壌を添加し、さらに2,6−ジメチルナ
フタレンあるいは2,6−ジメチルナフタレンを溶解し
た有機溶媒、例えばデカリンを加え培養を行うか、もし
くはスクリーニングの効率上から、不要なバクテリアの
増殖を抑制するため、さらにクロラムフェニコールを添
加して、試験管振とう機等により培養を行う。この培養
液を、別の試験管に予め分注しておいた同様の培地に植
え継ぎした後、2,6−ジメチルナフタレンを添加し、
試験管振とう機等によりさらに培養する。培養後の培養
液を、上記培地もしくは滅菌水等で希釈し、炭素源を含
まない寒天培地等に塗布した後、2,6−ジメチルナフ
タレンを供給してさらに培養する。培養によって得られ
たコロニーを単離し、それぞれの菌株について2,6−
ナフタレンジカルボン酸の生産能力を確認することによ
り、2,6−ナフタレンジカルボン酸の生産微生物を選
抜することができる。
て、微生物の増殖に必要な成分のうち、炭素源を含まな
い培地(以下、培地という)を試験管に分注し、これを
滅菌したのち土壌を添加し、さらに2,6−ジメチルナ
フタレンあるいは2,6−ジメチルナフタレンを溶解し
た有機溶媒、例えばデカリンを加え培養を行うか、もし
くはスクリーニングの効率上から、不要なバクテリアの
増殖を抑制するため、さらにクロラムフェニコールを添
加して、試験管振とう機等により培養を行う。この培養
液を、別の試験管に予め分注しておいた同様の培地に植
え継ぎした後、2,6−ジメチルナフタレンを添加し、
試験管振とう機等によりさらに培養する。培養後の培養
液を、上記培地もしくは滅菌水等で希釈し、炭素源を含
まない寒天培地等に塗布した後、2,6−ジメチルナフ
タレンを供給してさらに培養する。培養によって得られ
たコロニーを単離し、それぞれの菌株について2,6−
ナフタレンジカルボン酸の生産能力を確認することによ
り、2,6−ナフタレンジカルボン酸の生産微生物を選
抜することができる。
【0013】これら微生物の分離用培地としては、炭素
源以外は一般的な培地成分を使用することができる。す
なわち、蒸留水またはイオン交換水1リットルに対し、
窒素源としては、例えば、塩化アンモニウム、硫酸アン
モニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、硝酸
アンモニウム、尿素等を、無機塩類としては、例えばカ
リウム、ナトリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、
マンガン、銅等の各塩類等を使用できる。また、前記培
養条件は、一般に微生物が死滅しない培養条件であれば
良く、例えばpH約3〜9,温度約15〜40℃で好気
的に行われる。
源以外は一般的な培地成分を使用することができる。す
なわち、蒸留水またはイオン交換水1リットルに対し、
窒素源としては、例えば、塩化アンモニウム、硫酸アン
モニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、硝酸
アンモニウム、尿素等を、無機塩類としては、例えばカ
リウム、ナトリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、
マンガン、銅等の各塩類等を使用できる。また、前記培
養条件は、一般に微生物が死滅しない培養条件であれば
良く、例えばpH約3〜9,温度約15〜40℃で好気
的に行われる。
【0014】得られた微生物の2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸の生産能力の確認は、それぞれの微生物を、炭
素源として2,6−ジメチルナフタレンを添加した培地
中で、上記と同様の条件で培養した培養液の上清を、適
当な分析手法、例えば高速液体クロマトグラフィー(H
PLC),ガスクロマトグラフィー(GC),核磁気共
鳴スペクトル(NMR)、赤外線吸収スペクトル(I
R),紫外吸収スペクトル(UV)等を用いて分析すれ
ば良い。得られた微生物は同定のための試験を行い、以
下の表1および表2に示す性質を有するものであった。
ルボン酸の生産能力の確認は、それぞれの微生物を、炭
素源として2,6−ジメチルナフタレンを添加した培地
中で、上記と同様の条件で培養した培養液の上清を、適
当な分析手法、例えば高速液体クロマトグラフィー(H
PLC),ガスクロマトグラフィー(GC),核磁気共
鳴スペクトル(NMR)、赤外線吸収スペクトル(I
R),紫外吸収スペクトル(UV)等を用いて分析すれ
ば良い。得られた微生物は同定のための試験を行い、以
下の表1および表2に示す性質を有するものであった。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】本微生物は2,6−ジメチルナフタレンを
単一炭素源として、有機溶媒系でも生育可能であり、か
つ培地中に2,6−ナフタレンジカルボン酸を蓄積する
糸状菌である。このような特性を有した2,6−ナフタ
レンジカルボン酸を生産する糸状菌は、未だ報告されて
いない。
単一炭素源として、有機溶媒系でも生育可能であり、か
つ培地中に2,6−ナフタレンジカルボン酸を蓄積する
糸状菌である。このような特性を有した2,6−ナフタ
レンジカルボン酸を生産する糸状菌は、未だ報告されて
いない。
【0018】以上の菌学的性質より、本発明者らは、Y
II31−3株はフザリウム・ソラニ(Fusarium solan
i)、YII15−2株はアスペルギルス・フラバス(A
spergillus flavus)に属する新菌株であると判定し、
本菌をフザリウム・ソラニYII31−3株、およびア
スペルギルス・フラバスYII15−2株と命名し、工
業技術院生命工学工業技術研究所に寄託した(FERM
P−14295、FERM P−14296)。
II31−3株はフザリウム・ソラニ(Fusarium solan
i)、YII15−2株はアスペルギルス・フラバス(A
spergillus flavus)に属する新菌株であると判定し、
本菌をフザリウム・ソラニYII31−3株、およびア
スペルギルス・フラバスYII15−2株と命名し、工
業技術院生命工学工業技術研究所に寄託した(FERM
P−14295、FERM P−14296)。
【0019】本発明の微生物は、フザリウム・ソラニお
よびアスペルギルス・フラバスに属する、2,6−位の
メチル基の酸化能を有する微生物及びこれらの自然並び
に人工的変異株も包含するものである。
よびアスペルギルス・フラバスに属する、2,6−位の
メチル基の酸化能を有する微生物及びこれらの自然並び
に人工的変異株も包含するものである。
【0020】次に、本発明による2,6−ナフタレンジ
カルボン酸の製造方法を、フザリウム・ソラニYII3
1−3(FERM P−14295)株およびアスペル
ギルス・フラバスYII15−2(FERM P−14
296)株を用いた場合を一例に説明する。
カルボン酸の製造方法を、フザリウム・ソラニYII3
1−3(FERM P−14295)株およびアスペル
ギルス・フラバスYII15−2(FERM P−14
296)株を用いた場合を一例に説明する。
【0021】これらの糸状菌を培養する場合の培地成分
としては、炭素源及び変換基質として2,6−ジメチル
ナフタレンを含有すること以外は、本菌の生育が良好で
あれば他の培地成分は特に制限されない。すなわち、生
育基質として、窒素源では、例えばアンモニア、塩化ア
ンモニウム、燐酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、炭
酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、尿素等を、無機塩類としては、例えばカリウム、ナ
トリウム、鉄、マグネシウム、マンガン、銅、カルシウ
ム、コバルト等の各塩類が使用できる。又、炭素源とし
ては2,6−ジメチルナフタレン以外に、サリチル酸、
2−メチルナフタレン、アントラセン、グルコース、フ
ラクトース、デンプン等を補助基質として添加すること
も可能である。又、糸状菌の場合は、上記生育基質の窒
素源の種類によって、反応性が大きく変わることが有る
ので、より良好な反応性を得るためには、菌種に応じて
窒素源の種類を適切に選択することが好ましい。
としては、炭素源及び変換基質として2,6−ジメチル
ナフタレンを含有すること以外は、本菌の生育が良好で
あれば他の培地成分は特に制限されない。すなわち、生
育基質として、窒素源では、例えばアンモニア、塩化ア
ンモニウム、燐酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、炭
酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、尿素等を、無機塩類としては、例えばカリウム、ナ
トリウム、鉄、マグネシウム、マンガン、銅、カルシウ
ム、コバルト等の各塩類が使用できる。又、炭素源とし
ては2,6−ジメチルナフタレン以外に、サリチル酸、
2−メチルナフタレン、アントラセン、グルコース、フ
ラクトース、デンプン等を補助基質として添加すること
も可能である。又、糸状菌の場合は、上記生育基質の窒
素源の種類によって、反応性が大きく変わることが有る
ので、より良好な反応性を得るためには、菌種に応じて
窒素源の種類を適切に選択することが好ましい。
【0022】有機溶媒介在系培養で用いる2,6−ジメ
チルナフタレンを溶解する溶媒としては、例えば、ヘプ
タン、n−オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、
ドデカン、テトラリン、ヘキシルエーテル、等が使用で
きるが、数日間の培養で揮発減少せず、又、雑菌の繁殖
を抑制する意味から微生物毒性が強すぎず、また弱すぎ
ないもので、かつ、2,6−ジメチルナフタレンを溶解
し資化されないものであれば、上記以外の溶媒も使用す
ることができる。そして、これらの内のいずれか1種以
上を任意に混合し使用しても良い。
チルナフタレンを溶解する溶媒としては、例えば、ヘプ
タン、n−オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、
ドデカン、テトラリン、ヘキシルエーテル、等が使用で
きるが、数日間の培養で揮発減少せず、又、雑菌の繁殖
を抑制する意味から微生物毒性が強すぎず、また弱すぎ
ないもので、かつ、2,6−ジメチルナフタレンを溶解
し資化されないものであれば、上記以外の溶媒も使用す
ることができる。そして、これらの内のいずれか1種以
上を任意に混合し使用しても良い。
【0023】本発明のように、溶媒に2,6−ジメチル
ナフタレンを溶解して供給する方法は、従来の水系培地
に直接2,6−ジメチルナフタレンを供給する、固−液
反応方法に比べ、変換基質の分散性を極めて良好にする
ため菌体との接触が容易になり、溶媒中の変換基質は均
一状態にし易いことから、その供給量を容易に制御する
ことができ、培地のみならず溶媒中の変換基質を効率良
く連続的に、又は間欠的に、自在に供給できるので、連
続式反応が可能となり、2,6−ナフタレンジカルボン
酸の生産効率をより高めることができる。又、本菌では
従来法のように2,6−ジメチルナフタレンを溶媒に溶
解せずに、直接供給しても2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸を製造することができる。
ナフタレンを溶解して供給する方法は、従来の水系培地
に直接2,6−ジメチルナフタレンを供給する、固−液
反応方法に比べ、変換基質の分散性を極めて良好にする
ため菌体との接触が容易になり、溶媒中の変換基質は均
一状態にし易いことから、その供給量を容易に制御する
ことができ、培地のみならず溶媒中の変換基質を効率良
く連続的に、又は間欠的に、自在に供給できるので、連
続式反応が可能となり、2,6−ナフタレンジカルボン
酸の生産効率をより高めることができる。又、本菌では
従来法のように2,6−ジメチルナフタレンを溶媒に溶
解せずに、直接供給しても2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸を製造することができる。
【0024】培養条件は、本菌が死滅せず増殖可能であ
れば良く、例えば培養温度は約10〜40℃、より好ま
しくは約20〜35℃、培地のpHは約3〜9、より好
ましくは4〜7の範囲で、約1〜30日間好気的に培養
又は反応させるのが良い。
れば良く、例えば培養温度は約10〜40℃、より好ま
しくは約20〜35℃、培地のpHは約3〜9、より好
ましくは4〜7の範囲で、約1〜30日間好気的に培養
又は反応させるのが良い。
【0025】2,6−ジメチルナフタレンを単一炭素源
もしくは変換基質として、これら糸状菌を培養し、目的
とする2,6−ナフタレンジカルボン酸を効率よく生産
するためには、2,6−ジメチルナフタレンを、少なく
ともこれら糸状菌が生育するのに必要な量以上を添加す
ることが必要である。本菌は、2,6−ジメチルナフタ
レンによって阻害を大きく受け難いため、これを多量に
添加することが可能であるが、生成する2,6−ナフタ
レンジカルボン酸の量が増加してくると培地のpHが低
下するので、水酸化ナトリウム、アンモニア水、水酸化
カリウム等のアルカリ溶液を供給したり、緩衝能を有す
る成分を供給するか、あるいは予め培地に用いる等して
pHを適正な範囲に調整すれば、より効率良い生産がで
きる。更に上記の条件で菌体を予め培養増殖して集菌
後、これを以下に述べる方法に供しても良い。
もしくは変換基質として、これら糸状菌を培養し、目的
とする2,6−ナフタレンジカルボン酸を効率よく生産
するためには、2,6−ジメチルナフタレンを、少なく
ともこれら糸状菌が生育するのに必要な量以上を添加す
ることが必要である。本菌は、2,6−ジメチルナフタ
レンによって阻害を大きく受け難いため、これを多量に
添加することが可能であるが、生成する2,6−ナフタ
レンジカルボン酸の量が増加してくると培地のpHが低
下するので、水酸化ナトリウム、アンモニア水、水酸化
カリウム等のアルカリ溶液を供給したり、緩衝能を有す
る成分を供給するか、あるいは予め培地に用いる等して
pHを適正な範囲に調整すれば、より効率良い生産がで
きる。更に上記の条件で菌体を予め培養増殖して集菌
後、これを以下に述べる方法に供しても良い。
【0026】得られた菌体培養物は、そのまま酵素源と
して使用することができるが、遠心分離等の操作により
固液分離して得た微生物菌体を用いることが好ましい。
さらに微生物菌体を燐酸緩衝液等の溶液で洗浄し、該溶
液に懸濁して使用することもできる。又、菌体由来の酵
素は、常法により精製することができ、これらの休止菌
体、菌体処理物あるいは酵素を用いて生産する場合は、
前記培養条件下で行うことができる。これら糸状菌を用
いて、2,6−ジメチルナフタレンから2,6−ナフタ
レンジカルボン酸を生産する工程はバッチ式でも良く、
バイオリアクター等を用いても可能である。また、本菌
の菌体、その処理物または酵素を、例えばアルギン酸カ
ルシウム、ポリアクリルアミド法、ポリウレタン樹脂
法、光架橋性樹脂法等を用いて通常の固定化法に従って
固定化することもできる。培養液又は反応液中の2,6
−ナフタレンジカルボン酸は常法に従い精製すれば良
い。すなわち、培養液又は反応液を加えて酸性化するこ
とにより、2,6−ナフタレンジカルボン酸を回収する
ことができる。また、溶剤抽出等の方法により回収する
ことも可能であり、クロマトグラフィー等公知の精製方
法を適宜併用することができる。
して使用することができるが、遠心分離等の操作により
固液分離して得た微生物菌体を用いることが好ましい。
さらに微生物菌体を燐酸緩衝液等の溶液で洗浄し、該溶
液に懸濁して使用することもできる。又、菌体由来の酵
素は、常法により精製することができ、これらの休止菌
体、菌体処理物あるいは酵素を用いて生産する場合は、
前記培養条件下で行うことができる。これら糸状菌を用
いて、2,6−ジメチルナフタレンから2,6−ナフタ
レンジカルボン酸を生産する工程はバッチ式でも良く、
バイオリアクター等を用いても可能である。また、本菌
の菌体、その処理物または酵素を、例えばアルギン酸カ
ルシウム、ポリアクリルアミド法、ポリウレタン樹脂
法、光架橋性樹脂法等を用いて通常の固定化法に従って
固定化することもできる。培養液又は反応液中の2,6
−ナフタレンジカルボン酸は常法に従い精製すれば良
い。すなわち、培養液又は反応液を加えて酸性化するこ
とにより、2,6−ナフタレンジカルボン酸を回収する
ことができる。また、溶剤抽出等の方法により回収する
ことも可能であり、クロマトグラフィー等公知の精製方
法を適宜併用することができる。
【0027】本発明の製造方法は、有機溶媒に溶解した
2,6−ジメチルナフタレンの両側のメチル基を効率良
く酸化可能な微生物を、見出したことで可能となったも
のである。
2,6−ジメチルナフタレンの両側のメチル基を効率良
く酸化可能な微生物を、見出したことで可能となったも
のである。
【0028】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0029】
【実施例1】 有機溶媒耐性2,6−ジメチルナフタレン資化性菌の分
離
離
【0030】クロラムフェニコールを50μg/mlに
なるように添加したYM培地(酵母エキス3g、ペプト
ン5g、麦芽エキス3g、グルコース10g、pH5.
5)を、内径21mmの試験管に8ml入れ、全国各地
から集めた土壌について、薬さじ一杯の土壌を試験管に
添加し、試験管振とう機を用いて30℃、270rpm
で1晩振とう培養を行う。
なるように添加したYM培地(酵母エキス3g、ペプト
ン5g、麦芽エキス3g、グルコース10g、pH5.
5)を、内径21mmの試験管に8ml入れ、全国各地
から集めた土壌について、薬さじ一杯の土壌を試験管に
添加し、試験管振とう機を用いて30℃、270rpm
で1晩振とう培養を行う。
【0031】次に、微生物の増殖に必要な成分のうち炭
素源を含まない培地(BACTO YEASTNITROGENBASE(Difco
社製):以下、YNBという)を、内径21mmの試
験管に4ml入れ、さらに2,6−ジメチルナフタレン
を溶解した有機溶媒、すなわち2,6−ジメチルナフタ
レンを1(w/v)%含有したデカリンを4ml加え、
121℃で20分間滅菌する。
素源を含まない培地(BACTO YEASTNITROGENBASE(Difco
社製):以下、YNBという)を、内径21mmの試
験管に4ml入れ、さらに2,6−ジメチルナフタレン
を溶解した有機溶媒、すなわち2,6−ジメチルナフタ
レンを1(w/v)%含有したデカリンを4ml加え、
121℃で20分間滅菌する。
【0032】冷却後、試験管の培地にクロラムフェニコ
ールを50μg/mlになるように添加し、上記のYM
培地培養液をマイクロピペットを用いて400μl植え
継ぎし、試験管振とう機により更に振とう培養する。
ールを50μg/mlになるように添加し、上記のYM
培地培養液をマイクロピペットを用いて400μl植え
継ぎし、試験管振とう機により更に振とう培養する。
【0033】この培養液を、再度同様のクロラムフェニ
コールを50μg/mlになるように添加した、2,6
−ジメチルナフタレンを含有するデカリンと培地を混合
分注しておいた別の試験管に、マイクロピペットを用い
て40μl植え継ぎし、再び試験管振とう機により振と
う培養する。
コールを50μg/mlになるように添加した、2,6
−ジメチルナフタレンを含有するデカリンと培地を混合
分注しておいた別の試験管に、マイクロピペットを用い
て40μl植え継ぎし、再び試験管振とう機により振と
う培養する。
【0034】この培養液もしくは滅菌水等で希釈した培
養液を、同様のYNB寒天培地に塗布し、2,6−ジメ
チルナフタレンを直接供給してさらに培養した。
養液を、同様のYNB寒天培地に塗布し、2,6−ジメ
チルナフタレンを直接供給してさらに培養した。
【0035】2,6−ジメチルナフタレンを資化し平板
培地上に出現した369株のバクテリアと86株の真菌
類を分離し、さらに、これらの中から糸状菌を選抜し
て、フザリウム・ソラニYII31−3株およびアスペ
ルギルス・フラバスYII15−2株を得た。
培地上に出現した369株のバクテリアと86株の真菌
類を分離し、さらに、これらの中から糸状菌を選抜し
て、フザリウム・ソラニYII31−3株およびアスペ
ルギルス・フラバスYII15−2株を得た。
【0036】
【実施例2】 有機溶媒耐性資化性菌による2,6−ナフタレンジカル
ボン酸の生産
ボン酸の生産
【0037】微生物の増殖に必要な成分のうち窒素源を
含まない培地(BACTO YEAST CORBONBASE(Difco 社
製):以下、YCBという)に硝酸アンモニウム0.5
mg/lまたは硫酸アンモニウム0.5mg/lとなる
ように添加した2種類の培地を調製した。窒素源の種類
を変えて調製した培地各々を、内径21mmの試験管に
4ml入れ、さらに2,6−ジメチルナフタレンを1
(w/v)%含有したデカリンを4ml加え、121℃
で20分間滅菌し、これを有機溶媒介在型培地とした。
別に、有機溶媒介在型培養との効果を比較するために、
有機溶媒を介在させない培養も同時に行った。すなわ
ち、YCB培地に硝酸アンモニウム0.5mg/lとな
るように調製した培地4mlを試験管に採り、これにフ
ィルター滅菌した5(w/v)% 2,6−ジメチルナ
フタレンを含有したジエチルエーテルを0.8ml入
れ、放置してジエチルエーテルを蒸発させ、結晶状の
2,6−ジメチルナフタレンを析出させて、これを有機
溶媒無添加培地(固−液系)とした。
含まない培地(BACTO YEAST CORBONBASE(Difco 社
製):以下、YCBという)に硝酸アンモニウム0.5
mg/lまたは硫酸アンモニウム0.5mg/lとなる
ように添加した2種類の培地を調製した。窒素源の種類
を変えて調製した培地各々を、内径21mmの試験管に
4ml入れ、さらに2,6−ジメチルナフタレンを1
(w/v)%含有したデカリンを4ml加え、121℃
で20分間滅菌し、これを有機溶媒介在型培地とした。
別に、有機溶媒介在型培養との効果を比較するために、
有機溶媒を介在させない培養も同時に行った。すなわ
ち、YCB培地に硝酸アンモニウム0.5mg/lとな
るように調製した培地4mlを試験管に採り、これにフ
ィルター滅菌した5(w/v)% 2,6−ジメチルナ
フタレンを含有したジエチルエーテルを0.8ml入
れ、放置してジエチルエーテルを蒸発させ、結晶状の
2,6−ジメチルナフタレンを析出させて、これを有機
溶媒無添加培地(固−液系)とした。
【0038】実施例1で分離したYII31−3株およ
びYII15−2株について、上記3種の培地にて増殖
生産を試験した。すなわち、予め菌体を培養しておいた
YM培地の培養液から、上記3種の培地2本づつに40
μl植菌し、30℃、270rpmで振とう培養した。
結果を下記表3に示す。
びYII15−2株について、上記3種の培地にて増殖
生産を試験した。すなわち、予め菌体を培養しておいた
YM培地の培養液から、上記3種の培地2本づつに40
μl植菌し、30℃、270rpmで振とう培養した。
結果を下記表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】上記した表3の結果から、本発明のこれら
2菌種は、有機溶媒介在型二相系において、2,6−ジ
メチルナフタレンから2,6−ナフタレンジカルボン酸
の生産能を有していることは明らかで、特に、フザリウ
ム属の糸状菌は従来的な固−液系よりも有機溶媒介在型
二相系において生産性に優れ、二相系培養に、より適し
た菌種であることも確認された。
2菌種は、有機溶媒介在型二相系において、2,6−ジ
メチルナフタレンから2,6−ナフタレンジカルボン酸
の生産能を有していることは明らかで、特に、フザリウ
ム属の糸状菌は従来的な固−液系よりも有機溶媒介在型
二相系において生産性に優れ、二相系培養に、より適し
た菌種であることも確認された。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、2,6−ジメチルナフ
タレンを唯一炭素源もしくは変換基質として溶解した有
機溶媒と、炭素源を含まない培地との有機溶媒介在型培
養系において、生育可能で、または2,6−ジメチルナ
フタレンを唯一炭素源もしくは変換基質として溶解した
有機溶媒と、炭素源を含む培地との有機溶媒介在型培養
系において、2,6−ナフタレンジカルボン酸を生産す
ることができる生産菌、もしくはその休止菌体又は菌体
由来の酵素を用い、2,6−ジメチルナフタレンから
2,6−ナフタレンジカルボン酸を効率よく生産するこ
とができる。
タレンを唯一炭素源もしくは変換基質として溶解した有
機溶媒と、炭素源を含まない培地との有機溶媒介在型培
養系において、生育可能で、または2,6−ジメチルナ
フタレンを唯一炭素源もしくは変換基質として溶解した
有機溶媒と、炭素源を含む培地との有機溶媒介在型培養
系において、2,6−ナフタレンジカルボン酸を生産す
ることができる生産菌、もしくはその休止菌体又は菌体
由来の酵素を用い、2,6−ジメチルナフタレンから
2,6−ナフタレンジカルボン酸を効率よく生産するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:67) (C12P 7/44 C12R 1:67) (C12P 7/44 C12R 1:77) (56)参考文献 特開 平3−80091(JP,A) 特開 平5−15365(JP,A) 特開 平5−103659(JP,A) 特開 平7−184669(JP,A) 特開 平7−194368(JP,A) 米国特許3361546(US,A) 米国特許5030568(US,A)
Claims (4)
- 【請求項1】 2,6−ジメチルナフタレンから2,6
−ナフタレンジカルボン酸を生産することのできる2,
6−ナフタレンジカルボン酸生産菌、フザリウム ソラ
ニ又はアスペルギルス フラバス。 - 【請求項2】 有機溶媒介在系において2,6−ジメチ
ルナフタレンの両メチル基末端酸化能を有する2,6−
ナフタレンジカルボン酸生産菌、フザリウムソラニ又は
アスペルギルス フラバス。 - 【請求項3】 請求項1〜2に記載の生産菌が、フザリ
ウム ソラニYII31−3又はアスペルギルス フラ
バスYII15−2である2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸生産菌。 - 【請求項4】 フザリウム属又はアスペルギルス属に属
する2,6−ナフタレンジカルボン酸生産菌を、2,6
−ジメチルナフタレンを溶解した有機溶媒と、培地から
なる有機溶媒介在型培地において培養し、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸を生産させることを特徴とする2,
6−ナフタレンジカルボン酸あるいはその塩の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13241194A JP2579595B2 (ja) | 1994-05-24 | 1994-05-24 | 新規微生物および該微生物を用いた2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13241194A JP2579595B2 (ja) | 1994-05-24 | 1994-05-24 | 新規微生物および該微生物を用いた2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07313176A JPH07313176A (ja) | 1995-12-05 |
JP2579595B2 true JP2579595B2 (ja) | 1997-02-05 |
Family
ID=15080765
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13241194A Expired - Fee Related JP2579595B2 (ja) | 1994-05-24 | 1994-05-24 | 新規微生物および該微生物を用いた2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2579595B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100731377B1 (ko) * | 2003-12-31 | 2007-06-21 | 주식회사 효성 | 2,6-나프탈렌 디카르복실산을 생산하는 미생물, 이의 제조방법 및 이를 이용한 2,6-나프탈렌 디카르복실산의제조방법 |
KR100660264B1 (ko) * | 2005-12-05 | 2006-12-20 | 주식회사 효성 | 크산틴 옥시다제를 이용한 2,6-나프탈렌 디카르복실산의제조방법 |
KR100792104B1 (ko) * | 2005-12-12 | 2008-01-04 | 주식회사 효성 | 미생물을 이용한 조 나프탈렌 디카르복실산의 정제방법 및상기 방법에 의해 수득된 결정 상태의 2,6-나프탈렌디카르복실산 |
KR20080004041A (ko) * | 2006-07-04 | 2008-01-09 | 주식회사 효성 | 재조합 미생물을 이용한 조 나프탈렌 디카르복실산의 정제방법 |
KR100823411B1 (ko) * | 2006-12-26 | 2008-04-17 | 주식회사 효성 | 미생물을 이용한 조 나프탈렌 디카르복실산의 정제방법 |
-
1994
- 1994-05-24 JP JP13241194A patent/JP2579595B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07313176A (ja) | 1995-12-05 |
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