JPH099956A - 変異微生物及び該微生物を用いた2,6− ナフタレンジカルボン酸の製造法 - Google Patents
変異微生物及び該微生物を用いた2,6− ナフタレンジカルボン酸の製造法Info
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- JPH099956A JPH099956A JP18326095A JP18326095A JPH099956A JP H099956 A JPH099956 A JP H099956A JP 18326095 A JP18326095 A JP 18326095A JP 18326095 A JP18326095 A JP 18326095A JP H099956 A JPH099956 A JP H099956A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 スフィンゴモナス属菌由来の変異微生物(例
えば、Sphingomonas paucimobilis M200-9)を用い、
2,6−ジメチルナフタレンを含有する有機溶媒と培地
からなる二相系培養液において培養し、あるいはまた、
2,6−ジメチルナフタレンを含有する有機溶媒と培地
および/又は緩衝液からなる二相系反応液において反応
させ、2,6−ナフタレンジカルボン酸を生成もしくは
変換させる。 【効果】 本変異微生物は、変換能が大幅に向上してい
るため、2,6−ナフタレンジカルボン酸の生産を効率
よく行うことができる。
えば、Sphingomonas paucimobilis M200-9)を用い、
2,6−ジメチルナフタレンを含有する有機溶媒と培地
からなる二相系培養液において培養し、あるいはまた、
2,6−ジメチルナフタレンを含有する有機溶媒と培地
および/又は緩衝液からなる二相系反応液において反応
させ、2,6−ナフタレンジカルボン酸を生成もしくは
変換させる。 【効果】 本変異微生物は、変換能が大幅に向上してい
るため、2,6−ナフタレンジカルボン酸の生産を効率
よく行うことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸生産菌由来の変異微生物、及び該微生物の休止
菌体または菌体由来の酵素を用いて2,6−ジメチルナ
フタレンを酸化し、2,6−ナフタレンジカルボン酸を
製造する方法に関する。
ルボン酸生産菌由来の変異微生物、及び該微生物の休止
菌体または菌体由来の酵素を用いて2,6−ジメチルナ
フタレンを酸化し、2,6−ナフタレンジカルボン酸を
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2,6−ナフタレンジカルボン酸あるい
は、そのエステル誘導体は高機能性樹脂原料、液晶原
料、ポリアミド系医薬品原料、染料顔料用として有用な
化合物であり、現在数種の化学合成法により生産されて
いる。特にポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂と
しての用途は、80〜90%とも言われており、現在の
ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂に比べ、耐
熱温度で約35℃、破断強度も25%高い他、二次転移
点、結晶化速度、軟化点、溶融粘度等に対し、優れた性
能を有するものとして大量生産化が期待されている。し
かしながら、2,6−ジメチルナフタレンを原料とした
化学合成法は、高温反応であるため官能基の転移が起こ
り易く、純度の高い2,6−ナフタレンジカルボン酸が
得られにくい上、高温高圧条件を必要とし、大量のエネ
ルギーを消費することや環境汚染等の問題もあった。
は、そのエステル誘導体は高機能性樹脂原料、液晶原
料、ポリアミド系医薬品原料、染料顔料用として有用な
化合物であり、現在数種の化学合成法により生産されて
いる。特にポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂と
しての用途は、80〜90%とも言われており、現在の
ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂に比べ、耐
熱温度で約35℃、破断強度も25%高い他、二次転移
点、結晶化速度、軟化点、溶融粘度等に対し、優れた性
能を有するものとして大量生産化が期待されている。し
かしながら、2,6−ジメチルナフタレンを原料とした
化学合成法は、高温反応であるため官能基の転移が起こ
り易く、純度の高い2,6−ナフタレンジカルボン酸が
得られにくい上、高温高圧条件を必要とし、大量のエネ
ルギーを消費することや環境汚染等の問題もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題を解決す
る方法として、近年、微生物を用いた微生物酸化法の研
究が進められている。微生物を触媒とする酸化法は、常
温常圧で反応させることができる上、官能基の転移が起
こらないため、副産物の生成がほとんどないという優れ
た特徴を有している。
る方法として、近年、微生物を用いた微生物酸化法の研
究が進められている。微生物を触媒とする酸化法は、常
温常圧で反応させることができる上、官能基の転移が起
こらないため、副産物の生成がほとんどないという優れ
た特徴を有している。
【0004】そこで、2,6−ジメチルナフタレンの両
メチル基末端酸化能を有し、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸への大量変換が可能となるバイオリアクターが構
築できれば、省エネルギーや環境調和型の化学品製造プ
ロセスとして、石油産業および石油化学産業にとって有
用性は極めて大きくなることから、そしてさらに最近で
は、 シュードモナス属細菌を用いた発酵法による2,6−
ナフタレンジカルボン酸の製造方法(特開平3−800
91号公報)や、 アルキルナフタレン化合物のアルキル基に対して酸化
力を有する微生物を利用した、ナフタレンジカルボン酸
の製造方法(特開平5−15365号公報)、及び、 2,6−ジメチルナフタレンを溶解した有機溶媒と水
性培地からなる有機溶媒介在型二相系培地で培養し、
2,6−ナフタレンジカルボン酸を製造する方法が提案
されている。
メチル基末端酸化能を有し、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸への大量変換が可能となるバイオリアクターが構
築できれば、省エネルギーや環境調和型の化学品製造プ
ロセスとして、石油産業および石油化学産業にとって有
用性は極めて大きくなることから、そしてさらに最近で
は、 シュードモナス属細菌を用いた発酵法による2,6−
ナフタレンジカルボン酸の製造方法(特開平3−800
91号公報)や、 アルキルナフタレン化合物のアルキル基に対して酸化
力を有する微生物を利用した、ナフタレンジカルボン酸
の製造方法(特開平5−15365号公報)、及び、 2,6−ジメチルナフタレンを溶解した有機溶媒と水
性培地からなる有機溶媒介在型二相系培地で培養し、
2,6−ナフタレンジカルボン酸を製造する方法が提案
されている。
【0005】しかし、前記、の方法では省エネルギ
ー、環境保全型の生産法としては好ましいものである
が、生産を行う反応条件は水系であり、しかも変換基質
としての2,6−ジメチルナフタレンは水に不溶性で、
いわゆる固−液反応系であるため変換基質の供給量に限
界が生じ、かつ供給量の制御も困難で効率的な連続的生
産化の点において、未だ問題を内包している。また一
方、前記の方法は、上記、の問題点を解決しうる
発明であるが、唯一、2,6−ジメチルナフタレンから
2,6−ナフタレンジカルボン酸への変換率が乏しく、
この点に課題が残っている。
ー、環境保全型の生産法としては好ましいものである
が、生産を行う反応条件は水系であり、しかも変換基質
としての2,6−ジメチルナフタレンは水に不溶性で、
いわゆる固−液反応系であるため変換基質の供給量に限
界が生じ、かつ供給量の制御も困難で効率的な連続的生
産化の点において、未だ問題を内包している。また一
方、前記の方法は、上記、の問題点を解決しうる
発明であるが、唯一、2,6−ジメチルナフタレンから
2,6−ナフタレンジカルボン酸への変換率が乏しく、
この点に課題が残っている。
【0006】
【課題を解決するための手段】係る状況に鑑み、本発明
者らは前記課題を解決すべく、鋭意検討を重ね有効な変
換菌の育種を実施した結果、変換能の向上した変異微生
物の取得に成功し、加えて、該微生物を用いた有機溶媒
介在型二相系における、効果的な2,6−ナフタレンジ
カルボン酸の製造法を確立し、本発明を成すに至った。
者らは前記課題を解決すべく、鋭意検討を重ね有効な変
換菌の育種を実施した結果、変換能の向上した変異微生
物の取得に成功し、加えて、該微生物を用いた有機溶媒
介在型二相系における、効果的な2,6−ナフタレンジ
カルボン酸の製造法を確立し、本発明を成すに至った。
【0007】本発明は、2,6−ジメチルナフタレンの
両メチル基末端酸化能を有し、かつ有機溶媒介在型二相
系において生育もしくは反応可能な微生物を、変異誘発
処理し選抜して得た変換能の向上した微生物を用いるこ
とにより、従来の有機溶媒介在型二相系による製造法と
比べ、更に効率的な、2,6−ジメチルナフタレンから
2,6−ナフタレンジカルボン酸を製造する方法を提供
するものである。
両メチル基末端酸化能を有し、かつ有機溶媒介在型二相
系において生育もしくは反応可能な微生物を、変異誘発
処理し選抜して得た変換能の向上した微生物を用いるこ
とにより、従来の有機溶媒介在型二相系による製造法と
比べ、更に効率的な、2,6−ジメチルナフタレンから
2,6−ナフタレンジカルボン酸を製造する方法を提供
するものである。
【0008】即ち、本発明の変異微生物は、スフィンゴ
モナス・パウチモビリス(Sphingomonas paucimobili
s)A−7(FERM P−13632)株に、ニトロ
ソグアニジン(1−Methyl−3−nitro−1
−nitrosoguanidine,以下、NTGと
称す。)を突然変異誘発剤として用い、フルクトースを
生育炭素源として無機塩寒天培地上において、2,6−
ジメチルナフタレンの資化能低下株、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸様蛍光色検出あるいは2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸様固形物蓄積株を選抜することで取得す
ることができる。
モナス・パウチモビリス(Sphingomonas paucimobili
s)A−7(FERM P−13632)株に、ニトロ
ソグアニジン(1−Methyl−3−nitro−1
−nitrosoguanidine,以下、NTGと
称す。)を突然変異誘発剤として用い、フルクトースを
生育炭素源として無機塩寒天培地上において、2,6−
ジメチルナフタレンの資化能低下株、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸様蛍光色検出あるいは2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸様固形物蓄積株を選抜することで取得す
ることができる。
【0009】更に詳しくは、スフィンゴモナス・パウチ
モビリス A−7株をNTG溶液(400,200,100,50,μ
g/ml 0.05M燐酸緩衝液(pH7.0))と
0.05M燐酸緩衝液を1:1(ml)に混合した溶液
で変異誘発処理する。変異誘発処理した菌は、遠心分離
により回収し、0.05M燐酸緩衝液で2回洗浄した
後、KF寒天培地に播く。これを30℃で3〜5日間培
養した後、以下のスクリーニングに供する。
モビリス A−7株をNTG溶液(400,200,100,50,μ
g/ml 0.05M燐酸緩衝液(pH7.0))と
0.05M燐酸緩衝液を1:1(ml)に混合した溶液
で変異誘発処理する。変異誘発処理した菌は、遠心分離
により回収し、0.05M燐酸緩衝液で2回洗浄した
後、KF寒天培地に播く。これを30℃で3〜5日間培
養した後、以下のスクリーニングに供する。
【0010】1)2,6−ジメチルナフタレン資化欠損
株選抜のネガティブスクリーニング:コロニーを形成し
ている菌株をKF及びK寒天培地にレプリカし、2,6
−ジメチルナフタレンを噴霧し培養する。K寒天培地で
未生育な株、およびKF寒天培地で生育する株を選択。
株選抜のネガティブスクリーニング:コロニーを形成し
ている菌株をKF及びK寒天培地にレプリカし、2,6
−ジメチルナフタレンを噴霧し培養する。K寒天培地で
未生育な株、およびKF寒天培地で生育する株を選択。
【0011】2)蛍光及び目視によるポジティブスクリ
ーニング:コロニーを形成している菌株をKF寒天培地
にレプリカし、2,6−ジメチルナフタレンを噴霧し培
養する。トランスイルミネーターでUVを当て蛍光色を
観察するか、または直接蓄積物の目視観察をし、陽性で
ある株を選択する。得られたコロニーを単離し、それぞ
れの菌株について2,6−ナフタレンジカルボン酸の生
産能力を確認することにより、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸生産微生物を選抜する。
ーニング:コロニーを形成している菌株をKF寒天培地
にレプリカし、2,6−ジメチルナフタレンを噴霧し培
養する。トランスイルミネーターでUVを当て蛍光色を
観察するか、または直接蓄積物の目視観察をし、陽性で
ある株を選択する。得られたコロニーを単離し、それぞ
れの菌株について2,6−ナフタレンジカルボン酸の生
産能力を確認することにより、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸生産微生物を選抜する。
【0012】上記分離用培地として、炭素源以外は一般
的な培地成分を使用することができる。即ち、蒸留水ま
たはイオン交換水1リットルに対し、窒素源としては、
例えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、炭酸ア
ンモニウム、酢酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿
素等を、無機塩類としては、例えば、カリウム、ナトリ
ウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、マンガン、銅等
の各塩類を使用できる。又、培養条件は、一般に生物が
死滅しない培養条件であれば良く、例えばpH約3〜
9、温度約15〜40℃で好気的に行われる。
的な培地成分を使用することができる。即ち、蒸留水ま
たはイオン交換水1リットルに対し、窒素源としては、
例えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、炭酸ア
ンモニウム、酢酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿
素等を、無機塩類としては、例えば、カリウム、ナトリ
ウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、マンガン、銅等
の各塩類を使用できる。又、培養条件は、一般に生物が
死滅しない培養条件であれば良く、例えばpH約3〜
9、温度約15〜40℃で好気的に行われる。
【0013】得られた微生物の2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸の生産能力の確認は、それぞれの微生物を、変
換基質(原料)として2,6−ジメチルナフタレンを添
加した液体培地中で上記と同様の条件で培養し、培養液
の上清を適当な分析手法、例えば高速液体クロマトグラ
フ(HPLC)、ガスクロマトグラフ(GC)、核磁気
共鳴スペクトル(NMR)、赤外線吸収スペクトル(I
R)、紫外線吸収スペクトル(UV)等を用いて分析・
同定すれば良い。
ルボン酸の生産能力の確認は、それぞれの微生物を、変
換基質(原料)として2,6−ジメチルナフタレンを添
加した液体培地中で上記と同様の条件で培養し、培養液
の上清を適当な分析手法、例えば高速液体クロマトグラ
フ(HPLC)、ガスクロマトグラフ(GC)、核磁気
共鳴スペクトル(NMR)、赤外線吸収スペクトル(I
R)、紫外線吸収スペクトル(UV)等を用いて分析・
同定すれば良い。
【0014】本発明では、以上のスクリーニングによっ
て得られた微生物の内の一株を、スフィンゴモナス・パ
ウチモビリス M200−9(Sphingomonas paucimobi
lisM200-9)株と命名し、工業技術院生命工学工業技術
研究所に寄託した(FERMP−14980)。
て得られた微生物の内の一株を、スフィンゴモナス・パ
ウチモビリス M200−9(Sphingomonas paucimobi
lisM200-9)株と命名し、工業技術院生命工学工業技術
研究所に寄託した(FERMP−14980)。
【0015】次に本発明の変異微生物を用いた2,6−
ナフタレンジカルボン酸の製造方法について説明する。
ナフタレンジカルボン酸の製造方法について説明する。
【0016】本発明の二相系培養液および二相系反応液
に用いる有機溶媒は、本微生物が生育可能で2,6−ジ
メチルナフタレンを溶解し資化されないものであれば、
特に制限するものではない。
に用いる有機溶媒は、本微生物が生育可能で2,6−ジ
メチルナフタレンを溶解し資化されないものであれば、
特に制限するものではない。
【0017】培地成分としては、炭素源及び変換基質と
して2,6−ジメチルナフタレンを含有すること以外
は、本微生物の生育が良好であれば他の培地成分は特に
制限されない。即ち、生育基質としての窒素源では、例
えばアンモニア、塩化アンモニウム、燐酸アンモニウ
ム、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモ
ニウム、硝酸アンモニウム、尿素等を、無機塩類として
は、例えば、カリウム、ナトリウム、鉄、マグネシウ
ム、マンガン、銅、カルシウム、コバルト等の各塩類が
使用できる。又、炭素源としては、2,6−ジメチルナ
フタレン以外に、サリチル酸、2−メチルナフタレン、
アントラセン、グルコース、フラクトース、デンプン等
を補助基質として添加することも可能である。
して2,6−ジメチルナフタレンを含有すること以外
は、本微生物の生育が良好であれば他の培地成分は特に
制限されない。即ち、生育基質としての窒素源では、例
えばアンモニア、塩化アンモニウム、燐酸アンモニウ
ム、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモ
ニウム、硝酸アンモニウム、尿素等を、無機塩類として
は、例えば、カリウム、ナトリウム、鉄、マグネシウ
ム、マンガン、銅、カルシウム、コバルト等の各塩類が
使用できる。又、炭素源としては、2,6−ジメチルナ
フタレン以外に、サリチル酸、2−メチルナフタレン、
アントラセン、グルコース、フラクトース、デンプン等
を補助基質として添加することも可能である。
【0018】培養条件は、本微生物が死滅せず増殖可能
であれば良く、例えば培養温度は、約10〜40℃、よ
り好ましくは20〜35℃、培地のpHは約3〜9、よ
り好ましくはpH4〜7の範囲で、約1〜30日間好気
的に培養すれば良い。
であれば良く、例えば培養温度は、約10〜40℃、よ
り好ましくは20〜35℃、培地のpHは約3〜9、よ
り好ましくはpH4〜7の範囲で、約1〜30日間好気
的に培養すれば良い。
【0019】得られた培養菌体は、そのまま酵素源とし
て使用することができるが、遠心分離等の操作により固
液分離して得た菌体を用いることが好ましい。さらに菌
体をpHが適正な範囲に調整された燐酸緩衝液等の緩衝
液で洗浄し、該溶液に懸濁して使用することもできる。
又、菌体由来の酵素は、常法により精製することがで
き、これらの休止菌体、菌体処理物あるいは酵素を用い
て生産する場合は、基質を含有した有機溶媒と培地およ
び/または緩衝液からなる反応液により、前記と同様の
培養条件下で反応を行うことができる。更に、本発明の
変異微生物による、休止菌体、菌体処理物あるいは酵素
を用いて反応に供する場合は、活性の優れた菌体、例え
ば前培養処理において対数増殖期にあるような菌体を用
いることでも、より生産性を上げることができる。
て使用することができるが、遠心分離等の操作により固
液分離して得た菌体を用いることが好ましい。さらに菌
体をpHが適正な範囲に調整された燐酸緩衝液等の緩衝
液で洗浄し、該溶液に懸濁して使用することもできる。
又、菌体由来の酵素は、常法により精製することがで
き、これらの休止菌体、菌体処理物あるいは酵素を用い
て生産する場合は、基質を含有した有機溶媒と培地およ
び/または緩衝液からなる反応液により、前記と同様の
培養条件下で反応を行うことができる。更に、本発明の
変異微生物による、休止菌体、菌体処理物あるいは酵素
を用いて反応に供する場合は、活性の優れた菌体、例え
ば前培養処理において対数増殖期にあるような菌体を用
いることでも、より生産性を上げることができる。
【0020】本発明の変異微生物は、2,6−ジメチル
ナフタレンによって大きな阻害を受け難いため、これを
多量に添加することが可能であるが、その代謝産物であ
る2,6−ナフタレンジカルボン酸が増加してくると、
培養系もしくは反応系が阻害を受け変換能が低下するた
め、培養液又は反応液を交換する等の、阻害を解除する
操作を加えることがより好ましい。
ナフタレンによって大きな阻害を受け難いため、これを
多量に添加することが可能であるが、その代謝産物であ
る2,6−ナフタレンジカルボン酸が増加してくると、
培養系もしくは反応系が阻害を受け変換能が低下するた
め、培養液又は反応液を交換する等の、阻害を解除する
操作を加えることがより好ましい。
【0021】本発明では、前培養処理菌体を集菌後、燐
酸緩衝液(KH2PO4/Na2HPO4)に懸濁し、基質
を含有する有機溶媒と培地および/または同燐酸緩衝液
からなる反応液中で反応させるか、又は反応後に菌体を
再度集菌して、交換された同反応液中にて反応させるこ
とで、より優れた効率的な2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸の生産を達成することができる。
酸緩衝液(KH2PO4/Na2HPO4)に懸濁し、基質
を含有する有機溶媒と培地および/または同燐酸緩衝液
からなる反応液中で反応させるか、又は反応後に菌体を
再度集菌して、交換された同反応液中にて反応させるこ
とで、より優れた効率的な2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸の生産を達成することができる。
【0022】又、2,6−ジメチルナフタレンから2,
6−ナフタレンジカルボン酸を生産する工程はバッチ式
でも良いが、適当なろ過材を利用した反応液の連続抜き
出し及び供給システムを備えた、バイオリアクター等を
用いればより効率的に行うことができる。さらに、本菌
体、その処理物又は酵素を、例えばアルギン酸カルシウ
ム、ポリアクリルアミド法、ポリウレタン樹脂法、光架
橋性樹脂法等を用いて通常の固定化法に従って固定化し
反応させることもできる。
6−ナフタレンジカルボン酸を生産する工程はバッチ式
でも良いが、適当なろ過材を利用した反応液の連続抜き
出し及び供給システムを備えた、バイオリアクター等を
用いればより効率的に行うことができる。さらに、本菌
体、その処理物又は酵素を、例えばアルギン酸カルシウ
ム、ポリアクリルアミド法、ポリウレタン樹脂法、光架
橋性樹脂法等を用いて通常の固定化法に従って固定化し
反応させることもできる。
【0023】培養液又は反応液中の2,6−ナフタレン
ジカルボン酸は、常法に従い精製すれば良い。即ち、培
養液又は反応液を加えて酸性化することにより、2,6
−ナフタレンジカルボン酸を回収することができる。さ
らに溶剤抽出等の方法により回収することも可能であ
り、クロマトグラフィー等公知の精製方法を適宜併用す
ることができる。
ジカルボン酸は、常法に従い精製すれば良い。即ち、培
養液又は反応液を加えて酸性化することにより、2,6
−ナフタレンジカルボン酸を回収することができる。さ
らに溶剤抽出等の方法により回収することも可能であ
り、クロマトグラフィー等公知の精製方法を適宜併用す
ることができる。
【0024】本発明の製造方法は、2,6−ジメチルナ
フタレンの両メチル基を酸化することのできる、2,6
−ナフタレンジカルボン酸生産菌由来で、かつ2,6−
ジメチルナフタレンから2,6−ナフタレンジカルボン
酸への変換能を向上させた、生産速度の極めて高い2,
6−ナフタレンジカルボン酸生産菌を育種したことで、
初めて達成することができたものである。
フタレンの両メチル基を酸化することのできる、2,6
−ナフタレンジカルボン酸生産菌由来で、かつ2,6−
ジメチルナフタレンから2,6−ナフタレンジカルボン
酸への変換能を向上させた、生産速度の極めて高い2,
6−ナフタレンジカルボン酸生産菌を育種したことで、
初めて達成することができたものである。
【0025】
【実施例】以下に本発明を具体的に説明するが、本発明
はこれら実施例に限定されるものではない。
はこれら実施例に限定されるものではない。
【0026】
【実施例1】 変異微生物の創製・分離 スフィンゴモナス・パウチモビリスA−7株(FERM
P−13632)を10mlのL培地(表1)が入っ
たL字管に植菌し、30℃で一晩前培養を行う。次に、
4本用意した10mlのL培地が入ったL字管に前培養
液を0.1ml(培地に対し1%)ずつ植菌し、30℃
で4時間培養する。培養後、遠心分離により菌体を集菌
し、これを0.05M燐酸緩衝液で2回洗浄する。
P−13632)を10mlのL培地(表1)が入っ
たL字管に植菌し、30℃で一晩前培養を行う。次に、
4本用意した10mlのL培地が入ったL字管に前培養
液を0.1ml(培地に対し1%)ずつ植菌し、30℃
で4時間培養する。培養後、遠心分離により菌体を集菌
し、これを0.05M燐酸緩衝液で2回洗浄する。
【0027】
【表1】
【0028】NTG溶液(400,200,100,50,μg/ml
0.05M燐酸緩衝液(pH7.0))と菌液を1:
1(ml)で混合して菌懸濁液とし、30℃で20時
間、穏やかに振とうする。次いで氷浴中で冷却し、再び
遠心分離して菌体を0.05M燐酸緩衝液で2回洗浄す
る。L字管に入った10mlのL培地に菌体を加え、3
0℃で2.5時間振とう培養する。再び氷浴中で冷却し
ながら、3.3mlの50%グリセロール含有L培地を
適当量菌懸濁液へ添加し、これを10本の試験管に分注
して、−80℃の冷凍庫で保存する。
0.05M燐酸緩衝液(pH7.0))と菌液を1:
1(ml)で混合して菌懸濁液とし、30℃で20時
間、穏やかに振とうする。次いで氷浴中で冷却し、再び
遠心分離して菌体を0.05M燐酸緩衝液で2回洗浄す
る。L字管に入った10mlのL培地に菌体を加え、3
0℃で2.5時間振とう培養する。再び氷浴中で冷却し
ながら、3.3mlの50%グリセロール含有L培地を
適当量菌懸濁液へ添加し、これを10本の試験管に分注
して、−80℃の冷凍庫で保存する。
【0029】翌日この内の1本について、30℃で融解
し、同温度で4時間培養する。培養後、遠心分離により
菌体を集菌し、これを0.05M燐酸緩衝液で2回洗浄
する。0.01%(W/V)2,6−ジメチルナフタレ
ン(固体状)を10mlのK培地に懸濁し、30℃で3
〜6時間培養する。ペニシリンG(4000U/ml保
存液)を培養液中の濃度で200U/mlとなるように
添加し、25℃で一晩、振とう培養する。培養後、遠心
分離により菌体を集菌し、0.05M燐酸緩衝液で2回
洗浄する。次に洗浄後の菌体を同燐酸緩衝液で希釈しK
F寒天培地(表2)に播く。30℃で3日間培養し、出
現したコロニーについて以下のスクリーニング操作を行
う。
し、同温度で4時間培養する。培養後、遠心分離により
菌体を集菌し、これを0.05M燐酸緩衝液で2回洗浄
する。0.01%(W/V)2,6−ジメチルナフタレ
ン(固体状)を10mlのK培地に懸濁し、30℃で3
〜6時間培養する。ペニシリンG(4000U/ml保
存液)を培養液中の濃度で200U/mlとなるように
添加し、25℃で一晩、振とう培養する。培養後、遠心
分離により菌体を集菌し、0.05M燐酸緩衝液で2回
洗浄する。次に洗浄後の菌体を同燐酸緩衝液で希釈しK
F寒天培地(表2)に播く。30℃で3日間培養し、出
現したコロニーについて以下のスクリーニング操作を行
う。
【0030】
【表2】
【0031】1)2,6−ジメチルナフタレン資化欠損
株選抜のネガティブスクリーニング:コロニーを形成し
ている菌株をKF及びK(表2)寒天培地にそれぞれレ
プリカし、2,6−ジメチルナフタレンを噴霧し培養す
る。そしてK寒天培地で未生育な株、およびKF寒天培
地で生育した株を選択する。
株選抜のネガティブスクリーニング:コロニーを形成し
ている菌株をKF及びK(表2)寒天培地にそれぞれレ
プリカし、2,6−ジメチルナフタレンを噴霧し培養す
る。そしてK寒天培地で未生育な株、およびKF寒天培
地で生育した株を選択する。
【0032】2)蛍光及び目視によるポジティブスクリ
ーニング:コロニーを形成している菌株をKF寒天培地
にレプリカし、2,6−ジメチルナフタレンを噴霧し培
養する。トランスイルミネーターでUVを当て蛍光色を
観察するか、または直接蓄積物の目視観察をし、陽性で
ある株を選択する。
ーニング:コロニーを形成している菌株をKF寒天培地
にレプリカし、2,6−ジメチルナフタレンを噴霧し培
養する。トランスイルミネーターでUVを当て蛍光色を
観察するか、または直接蓄積物の目視観察をし、陽性で
ある株を選択する。
【0033】上記の方法により、1)法から6株、2)
法から7株の菌株を生産候補株として選抜し、さらに、
これらの生産候補株について選抜を重ねた結果、生産能
力、交換能において特に優れた菌株として、スフィンゴ
モナス・パウチモビリス M200−9(FERM P
−14980)株を取得するに至った。
法から7株の菌株を生産候補株として選抜し、さらに、
これらの生産候補株について選抜を重ねた結果、生産能
力、交換能において特に優れた菌株として、スフィンゴ
モナス・パウチモビリス M200−9(FERM P
−14980)株を取得するに至った。
【0034】次に、取得した本発明の変異微生物、スフ
ィンゴモナス・パウチモビリス M200−9株(以
下、M200−9株と称す。)を一例に実施例を示す。
ィンゴモナス・パウチモビリス M200−9株(以
下、M200−9株と称す。)を一例に実施例を示す。
【0035】
【実施例2】 増殖菌体生産法による2,6−ナフタレンジカルボン酸
生産試験 表2に示すKF培地にM200−9株、および比較のた
め親株であるスフィンゴモナス・パウチモビリスA−7
株を植菌し、30℃、300rpmにて一晩、前培養を
行う。培養後、デカリンに溶解した1%(W/V)2,
6−ジメチルナフタレン溶液5mlとKF培地5mlの
二相系培養液が入ったL字管に前培養液を0.1ml
(培地に対し1%)植菌し、30℃、300rpmにて
7日間の本培養を行った。培養後、本培養液中の2,6
−ナフタレンジカルボン酸の生産量を高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)で測定すると共に、変換率を評
価するためデカリン中の2,6−ジメチルナフタレン残
量を、ガスクロマトグラフィーで測定した。結果を表3
に示した。尚、実施例における変換率は、数1に示す式
によって求めた。
生産試験 表2に示すKF培地にM200−9株、および比較のた
め親株であるスフィンゴモナス・パウチモビリスA−7
株を植菌し、30℃、300rpmにて一晩、前培養を
行う。培養後、デカリンに溶解した1%(W/V)2,
6−ジメチルナフタレン溶液5mlとKF培地5mlの
二相系培養液が入ったL字管に前培養液を0.1ml
(培地に対し1%)植菌し、30℃、300rpmにて
7日間の本培養を行った。培養後、本培養液中の2,6
−ナフタレンジカルボン酸の生産量を高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)で測定すると共に、変換率を評
価するためデカリン中の2,6−ジメチルナフタレン残
量を、ガスクロマトグラフィーで測定した。結果を表3
に示した。尚、実施例における変換率は、数1に示す式
によって求めた。
【0036】
【表3】
【0037】
【数1】
【0038】
【実施例3】 休止菌体反応生産法による2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸生産試験 L培地にM200−9株、および比較のためスフィンゴ
モナス・パウチモビリスA−7株を植菌し、30℃、3
00rpmにて一晩、前培養を行う。培養後、.遠心分
離により集菌し、0.1M燐酸緩衝液(pH7.0)で
1回洗浄した後、同燐酸緩衝液5mlに懸濁する。この
懸濁液とデカリンに溶解した1%(W/V)2,6−ジ
メチルナフタレン溶液5mlとを混合し、L字管にて3
0℃、300rpmで7日間の休止菌体反応を行った。
実施例2と同様に2,6−ナフタレンジカルボン酸の生
産量及びデカリン中の2,6−ジメチルナフタレン残量
を測定した。得られた結果を表4に示した。
ン酸生産試験 L培地にM200−9株、および比較のためスフィンゴ
モナス・パウチモビリスA−7株を植菌し、30℃、3
00rpmにて一晩、前培養を行う。培養後、.遠心分
離により集菌し、0.1M燐酸緩衝液(pH7.0)で
1回洗浄した後、同燐酸緩衝液5mlに懸濁する。この
懸濁液とデカリンに溶解した1%(W/V)2,6−ジ
メチルナフタレン溶液5mlとを混合し、L字管にて3
0℃、300rpmで7日間の休止菌体反応を行った。
実施例2と同様に2,6−ナフタレンジカルボン酸の生
産量及びデカリン中の2,6−ジメチルナフタレン残量
を測定した。得られた結果を表4に示した。
【0039】
【表4】
【0040】上記結果から明らかなように、A−7株と
比較して、生産量及び変換率のいずれもが顕著に向上し
ていることが判った。
比較して、生産量及び変換率のいずれもが顕著に向上し
ていることが判った。
【0041】
【実施例4】 反応液の交換を行った休止菌体反応生産法による2,6
−ナフタレンジカルボン酸生産試験 KF培地を用いて、M200−9株凍結保存菌体から1
0ml、100ml、3リットルと植え継いで、4K2
F培地(表2)20リットルを仕込んだ30リットル容
量のジャーファーメンターに2リットル植菌した。培地
は全て培養前に蒸気滅菌して。温度30℃、通気量20
リットル/分、攪拌速度150rpmの条件で9時間培
養した後、遠心分離機にて菌体を低温(氷温)環境下で
集菌した。
−ナフタレンジカルボン酸生産試験 KF培地を用いて、M200−9株凍結保存菌体から1
0ml、100ml、3リットルと植え継いで、4K2
F培地(表2)20リットルを仕込んだ30リットル容
量のジャーファーメンターに2リットル植菌した。培地
は全て培養前に蒸気滅菌して。温度30℃、通気量20
リットル/分、攪拌速度150rpmの条件で9時間培
養した後、遠心分離機にて菌体を低温(氷温)環境下で
集菌した。
【0042】菌体を0.1Mの燐酸緩衝液(pH6.
6)に懸濁し、同緩衝液で2リットルにメスアップし
た。次にこれを、5リットル容量のミニジャーファーメ
ンターに、全量導入し、デカリンに溶解した1%(W/
V)2,6−ジメチルナフタレン溶液1リットルを加
え、温度20℃、通気量2リットル/分、攪拌速度30
0rpmの条件で休止菌体反応を行った。
6)に懸濁し、同緩衝液で2リットルにメスアップし
た。次にこれを、5リットル容量のミニジャーファーメ
ンターに、全量導入し、デカリンに溶解した1%(W/
V)2,6−ジメチルナフタレン溶液1リットルを加
え、温度20℃、通気量2リットル/分、攪拌速度30
0rpmの条件で休止菌体反応を行った。
【0043】以降24時間後および48時間後に、菌体
を集菌して、新たな0.1Mの燐酸緩衝液(pH6.
6)とデカリンに溶解した1%(W/V)2,6−ジメ
チルナフタレン溶液を用い、上記と同様な操作および条
件で反応を繰り返し、96時間後に反応を終了した。
尚、反応液中の2,6−ナフタレンジカルボン酸の生産
量及び2,6−ジメチルナフタレン残量は反応液交換時
および反応終了時に評価し、96時間後における2,6
−ナフタレンジカルボン酸の総生産量を求めた。一方、
反応液の交換効果を比較するため、反応液を交換するこ
と以外は他の条件と同一にして、無交換における生産試
験を96時間実施した。得られた結果を表5に示した。
を集菌して、新たな0.1Mの燐酸緩衝液(pH6.
6)とデカリンに溶解した1%(W/V)2,6−ジメ
チルナフタレン溶液を用い、上記と同様な操作および条
件で反応を繰り返し、96時間後に反応を終了した。
尚、反応液中の2,6−ナフタレンジカルボン酸の生産
量及び2,6−ジメチルナフタレン残量は反応液交換時
および反応終了時に評価し、96時間後における2,6
−ナフタレンジカルボン酸の総生産量を求めた。一方、
反応液の交換効果を比較するため、反応液を交換するこ
と以外は他の条件と同一にして、無交換における生産試
験を96時間実施した。得られた結果を表5に示した。
【0044】
【表5】
【0045】上記結果から、反応液を交換した生産方法
は、交換しない生産方法に比べて、生産性にすぐれてい
ることが明らかとなった。
は、交換しない生産方法に比べて、生産性にすぐれてい
ることが明らかとなった。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、基質を含有した有機溶
媒と培地および/または緩衝液からなる二相系におい
て、2,6−ナフタレンジカルボン酸生産菌由来の変換
能を向上させた変異微生物、及び該微生物の休止菌体ま
たは菌体由来の酵素を利用することで、2,6−ジメチ
ルナフタレンから2,6−ナフタレンジカルボン酸の生
産を効率よく行うことができ、特に工業的見地からすぐ
れている。
媒と培地および/または緩衝液からなる二相系におい
て、2,6−ナフタレンジカルボン酸生産菌由来の変換
能を向上させた変異微生物、及び該微生物の休止菌体ま
たは菌体由来の酵素を利用することで、2,6−ジメチ
ルナフタレンから2,6−ナフタレンジカルボン酸の生
産を効率よく行うことができ、特に工業的見地からすぐ
れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01)
Claims (6)
- 【請求項1】 スフィンゴモナス属に属し、有機溶媒介
在型二相系において2,6−ジメチルナフタレンの両メ
チル基末端酸化能を有する2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸生産菌由来で、かつ2,6−ナフタレンジカルボン
酸への変換能を向上させたことを特徴とする変異微生
物。 - 【請求項2】 請求項1記載の変異微生物がスフィンゴ
モナス・パウチモビリス M200−9(FERM P
−14980)株であることを特徴とする変異微生物。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の変異微生物を用
い、2,6−ジメチルナフタレンを含有する有機溶媒と
培地からなる二相系培養液において培養し、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸を生成させることを特徴とする
2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法。 - 【請求項4】 請求項1又は2記載の変異微生物を用
い、2,6−ジメチルナフタレンを含有する有機溶媒と
培地からなる二相系培養液において培養し、集菌後、そ
の菌体もしくは休止菌体、又はその処理物もしくは菌体
由来の酵素を用いて、2,6−ジメチルナフタレンを含
有する有機溶媒と培地および/または緩衝液からなる二
相系反応液において反応させ、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸を生成もしくは変換させることを特徴とする
2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法。 - 【請求項5】 請求項3記載の製造法において、二相系
培養液を供給および/または交換して培養することを特
徴とする2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法。 - 【請求項6】 請求項4記載の製造法において、二相系
培養液を供給および/または交換して培養し、および/
または、二相系反応液を供給および/または交換して反
応させることを特徴とする2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18326095A JPH099956A (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 変異微生物及び該微生物を用いた2,6− ナフタレンジカルボン酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18326095A JPH099956A (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 変異微生物及び該微生物を用いた2,6− ナフタレンジカルボン酸の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH099956A true JPH099956A (ja) | 1997-01-14 |
Family
ID=16132560
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18326095A Pending JPH099956A (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 変異微生物及び該微生物を用いた2,6− ナフタレンジカルボン酸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH099956A (ja) |
-
1995
- 1995-06-28 JP JP18326095A patent/JPH099956A/ja active Pending
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