JPH0622775A - 微生物によるメナジオンの製造方法 - Google Patents
微生物によるメナジオンの製造方法Info
- Publication number
- JPH0622775A JPH0622775A JP17817192A JP17817192A JPH0622775A JP H0622775 A JPH0622775 A JP H0622775A JP 17817192 A JP17817192 A JP 17817192A JP 17817192 A JP17817192 A JP 17817192A JP H0622775 A JPH0622775 A JP H0622775A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- methyl
- naphthol
- reaction
- menadione
- rhodococcus
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】微生物を用いて、2−メチルナフタレンから高
収率、高選択率でメナジオンを製造する方法。 【構成】ロドコッカス(Rhodococcus)属s
p.M192が、2−メチルナフタレンを2−メチル−
1−ナフトールに変換し、さらにメナジオンへと高収
率、高選択率で変換する。さらにこの菌株の2−メチル
−1−ナフトール生産能を高める培養方法、炭素源、反
応補助炭素源、メチル基酸化阻害物質を用いることによ
って2−メチル−1−ナフトールを効率良く生産して、
これをメナジオンに変換させるメナジオンの製造方法を
提供する。
収率、高選択率でメナジオンを製造する方法。 【構成】ロドコッカス(Rhodococcus)属s
p.M192が、2−メチルナフタレンを2−メチル−
1−ナフトールに変換し、さらにメナジオンへと高収
率、高選択率で変換する。さらにこの菌株の2−メチル
−1−ナフトール生産能を高める培養方法、炭素源、反
応補助炭素源、メチル基酸化阻害物質を用いることによ
って2−メチル−1−ナフトールを効率良く生産して、
これをメナジオンに変換させるメナジオンの製造方法を
提供する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微生物によるメナジオ
ンの製造方法に関する。メナジオンはビタミンK3 作用
を有し血液の凝固を促進する脂溶性ビタミンで抗出血性
作用を有する事から重要な生理活性物質である。
ンの製造方法に関する。メナジオンはビタミンK3 作用
を有し血液の凝固を促進する脂溶性ビタミンで抗出血性
作用を有する事から重要な生理活性物質である。
【0002】
【従来の技術】メナジオンの製造法としては有機化学的
合成法が知られているが、原料の入手が困難な上、コス
ト高であり、さらに過酸化水素を酸化剤としてクロム酸
触媒法により行われるため、公害源として指摘されてい
る。
合成法が知られているが、原料の入手が困難な上、コス
ト高であり、さらに過酸化水素を酸化剤としてクロム酸
触媒法により行われるため、公害源として指摘されてい
る。
【0003】一方、微生物による化学品の生産はコスト
高で、生産性が低いとされて来たが、近年、エイ.ヨシ
カワ、エス.ヨシダおよびアイ.テラオ著、バイオ・イ
ンダストリー( BIO INDUSTRY)、7巻、106 頁(1990)
で、ベンゼンをフェノールへ、フェノールをハイドロキ
ノンへと酸化するモノオキシゲナーゼの存在が報告さ
れ、工業化の可能性も検討されている。
高で、生産性が低いとされて来たが、近年、エイ.ヨシ
カワ、エス.ヨシダおよびアイ.テラオ著、バイオ・イ
ンダストリー( BIO INDUSTRY)、7巻、106 頁(1990)
で、ベンゼンをフェノールへ、フェノールをハイドロキ
ノンへと酸化するモノオキシゲナーゼの存在が報告さ
れ、工業化の可能性も検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
背景のもと、石油留分やコールタール留分に含まれ、メ
ナジオンに構造が似ている安価な2−メチルナフタレン
から微生物変換によってメナジオンが生産供給出来れば
産業上の利点は極めて高いと考えられ、このため新規な
バイオプロセスによるメナジオンの製造方法を提供する
ことを目的とする。
背景のもと、石油留分やコールタール留分に含まれ、メ
ナジオンに構造が似ている安価な2−メチルナフタレン
から微生物変換によってメナジオンが生産供給出来れば
産業上の利点は極めて高いと考えられ、このため新規な
バイオプロセスによるメナジオンの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる目的
にかなう微生物を検索した結果、ロドコッカス(Rho
dococcus)属に属し、2−メチルナフタレンを
2−メチル−1−ナフトールに変換し、さらにメナジオ
ンへと変換する菌株を見いだした。さらにこの菌株の2
−メチル−1−ナフトール生産能を高める培養方法、炭
素源、反応補助炭素源、メチル基酸化阻害物質を新規に
発見することによって2−メチル−1−ナフトールを効
率良く生産して、これをメナジオンに変換させるメナジ
オンの製造方法を完成するにいたった。
にかなう微生物を検索した結果、ロドコッカス(Rho
dococcus)属に属し、2−メチルナフタレンを
2−メチル−1−ナフトールに変換し、さらにメナジオ
ンへと変換する菌株を見いだした。さらにこの菌株の2
−メチル−1−ナフトール生産能を高める培養方法、炭
素源、反応補助炭素源、メチル基酸化阻害物質を新規に
発見することによって2−メチル−1−ナフトールを効
率良く生産して、これをメナジオンに変換させるメナジ
オンの製造方法を完成するにいたった。
【0006】本発明は、2−メチル−ナフタレンを、微
生物Rhodococcus sp.(ロドコッカス・エスピー)M19
2を用いて変換せしめ、メナジオンを生産するメナジオ
ンの製造方法を提供する。
生物Rhodococcus sp.(ロドコッカス・エスピー)M19
2を用いて変換せしめ、メナジオンを生産するメナジオ
ンの製造方法を提供する。
【0007】また、微生物Rhodococcus sp.(ロドコッカ
ス・エスピー) M192を用いて、2−メチルナフタレ
ンを2−メチル−1−ナフトールに変換する方法を提供
する。
ス・エスピー) M192を用いて、2−メチルナフタレ
ンを2−メチル−1−ナフトールに変換する方法を提供
する。
【0008】さらに、前記微生物Rhodococcus sp.(ロド
コッカス・エスピー) M192が、休止菌体反応を行う
2−メチルナフタレンを2−メチル−1−ナフトールに
変換する方法を提供する。
コッカス・エスピー) M192が、休止菌体反応を行う
2−メチルナフタレンを2−メチル−1−ナフトールに
変換する方法を提供する。
【0009】また、メナジオンの製造方法は、前記微生
物Rhodococcus sp.(ロドコッカス・エスピー) M192
が、メチルエチルケトン、1−プロパノール、2−プロ
パノール、2−ブタノール、エタノールの中から選択さ
れた少なくとも1種の物質を炭素源として培養された菌
体であるのが好ましく、前記2−メチルナフタレンを変
換する際に、1−プロパノール、メチルエチルケトン、
エタノール、2−プロパノール、2−ブタノールの中か
ら選択された少なくとも1種の物質を反応補助炭素源と
して使用するのがよい。
物Rhodococcus sp.(ロドコッカス・エスピー) M192
が、メチルエチルケトン、1−プロパノール、2−プロ
パノール、2−ブタノール、エタノールの中から選択さ
れた少なくとも1種の物質を炭素源として培養された菌
体であるのが好ましく、前記2−メチルナフタレンを変
換する際に、1−プロパノール、メチルエチルケトン、
エタノール、2−プロパノール、2−ブタノールの中か
ら選択された少なくとも1種の物質を反応補助炭素源と
して使用するのがよい。
【0010】また、前記2−メチルナフタレンを変換す
る際に、N,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウ
ム塩3水和物またはエチルキサントゲン酸カリウムを添
加して行うのが好ましい。
る際に、N,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウ
ム塩3水和物またはエチルキサントゲン酸カリウムを添
加して行うのが好ましい。
【0011】さらに、得られた2−メチル−1−ナフト
ールを酸化させるメナジオンの製造方法を提供する。
ールを酸化させるメナジオンの製造方法を提供する。
【0012】また、Rhodococcus sp.(ロドコッカス・エ
スピー)M192である微生物を提供する。
スピー)M192である微生物を提供する。
【0013】本発明で使用される菌株は表1の培地Aと
培地Bを用いて自然界より新たに分離した菌株である。
本発明者は、茨城県の土壌から目的とする微生物を分離
した。
培地Bを用いて自然界より新たに分離した菌株である。
本発明者は、茨城県の土壌から目的とする微生物を分離
した。
【0014】本発明の方法は、以下の記載に限定される
ものではないが、以下に好適な1例を説明する。
ものではないが、以下に好適な1例を説明する。
【0015】本発明の方法は、まず土壌より分離した菌
株を液体培地5mlで試験管中28℃で培養し、生育度
(OD610 )=約1.0まで増殖させた後、培養液を褐
色細管(φ10×10.5mm)に移し、休止菌体反応
を行った。培養液を約1500×gで15分間遠心して
集菌し、菌体を0.02%MgSO4 ・7H2 Oを含む
25mMりん酸カリウム緩衝液(pH7.0)で2回洗
浄した後、同緩衝液1mlに懸濁し、100mMの2−
メチルナフタレンおよびメチルエチルケトンを含む混液
または100mMの2−メチルナフタレンおよびエタノ
ールを含む混液を10μl入れ、2−メチルナフタレン
の濃度を1mMとした。これを攪拌後、28℃で24時
間振動して反応させた後、1−ブタノールを1ml添加
して反応を停止させ、これを十分に攪拌して抽出した。
この抽出液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC,
シマズ LC−10A)で分析した。また、各物質の定
量はあらかじめ濃度の分かっている標準サンプルをHP
LCで測定して使用した。
株を液体培地5mlで試験管中28℃で培養し、生育度
(OD610 )=約1.0まで増殖させた後、培養液を褐
色細管(φ10×10.5mm)に移し、休止菌体反応
を行った。培養液を約1500×gで15分間遠心して
集菌し、菌体を0.02%MgSO4 ・7H2 Oを含む
25mMりん酸カリウム緩衝液(pH7.0)で2回洗
浄した後、同緩衝液1mlに懸濁し、100mMの2−
メチルナフタレンおよびメチルエチルケトンを含む混液
または100mMの2−メチルナフタレンおよびエタノ
ールを含む混液を10μl入れ、2−メチルナフタレン
の濃度を1mMとした。これを攪拌後、28℃で24時
間振動して反応させた後、1−ブタノールを1ml添加
して反応を停止させ、これを十分に攪拌して抽出した。
この抽出液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC,
シマズ LC−10A)で分析した。また、各物質の定
量はあらかじめ濃度の分かっている標準サンプルをHP
LCで測定して使用した。
【0016】さらに、大量の菌体を使用する休止菌体反
応には以下の培養を行った。土壌より分離した菌株を液
体培地5mlで試験管中28℃で24時間振盪培養し
て、これを前培養とした後、次に500ml容振盪フラ
スコに同じ培地100mlを入れ、前培養液を1ml植
菌して28℃で3日間振盪培養した。この培養菌体を以
下の休止菌体反応に使用した。
応には以下の培養を行った。土壌より分離した菌株を液
体培地5mlで試験管中28℃で24時間振盪培養し
て、これを前培養とした後、次に500ml容振盪フラ
スコに同じ培地100mlを入れ、前培養液を1ml植
菌して28℃で3日間振盪培養した。この培養菌体を以
下の休止菌体反応に使用した。
【0017】休止菌体反応は、生存しているが増殖しな
い状態にした菌体を利用して、外界から得られた物質を
利用して目的とする新たな化合物を得る反応で、本発明
では、微生物ロドコッカス・エスピー192の休止菌体
を用いて、2−メチルナフタレンを2−メチル−1−ナ
フトールに変換する。
い状態にした菌体を利用して、外界から得られた物質を
利用して目的とする新たな化合物を得る反応で、本発明
では、微生物ロドコッカス・エスピー192の休止菌体
を用いて、2−メチルナフタレンを2−メチル−1−ナ
フトールに変換する。
【0018】まず培養液を4℃、8000×gで15分
間遠心して集菌し、菌体を緩衝液で2回洗浄し、リン酸
カリウム緩衝液でOD610 =10になるように懸濁し
た。この懸濁液100mlを500ml容褐色振盪フラ
スコに注ぎ、100mMの2−メチルナフタレン/メチ
ルエチルケトン混液または100mMの2−メチルナフ
タレン/エタノール混液を1ml入れ、2−メチルナフ
タレン濃度を1mMとした。これを攪拌後、休止菌体反
応を行った。一定時間反応させた後、1−ブタノール2
0mlを添加して15分間振盪し、反応の停止と生成物
の抽出を行った。抽出液は、HPLCで分析した。
間遠心して集菌し、菌体を緩衝液で2回洗浄し、リン酸
カリウム緩衝液でOD610 =10になるように懸濁し
た。この懸濁液100mlを500ml容褐色振盪フラ
スコに注ぎ、100mMの2−メチルナフタレン/メチ
ルエチルケトン混液または100mMの2−メチルナフ
タレン/エタノール混液を1ml入れ、2−メチルナフ
タレン濃度を1mMとした。これを攪拌後、休止菌体反
応を行った。一定時間反応させた後、1−ブタノール2
0mlを添加して15分間振盪し、反応の停止と生成物
の抽出を行った。抽出液は、HPLCで分析した。
【0019】以上の工程で得られた菌株を、その分類学
的特徴から〔バージェイズ・マニュアル・オブ・システ
マテック・バクテリオロジー 2巻、1472頁(Berg
ey'sManual of Systematic Bacteriology volume 2 )
第1版、1986年〕によりロドコッカス・エスピー
(Rhodococcus sp.)M192と命名し
た。
的特徴から〔バージェイズ・マニュアル・オブ・システ
マテック・バクテリオロジー 2巻、1472頁(Berg
ey'sManual of Systematic Bacteriology volume 2 )
第1版、1986年〕によりロドコッカス・エスピー
(Rhodococcus sp.)M192と命名し
た。
【0020】さらには、本菌は下記のような特徴を有し
ている。 形態 コリネフォーム種 大きさ 2〜3μm×10〜15μm(直径 0.5〜1.2μm) グラム染色 + 胞子の形成 − 運動性 − カタラーゼ + コロニー形態 サーモンピンク/オレンジ オキシターゼ − (48時間) 不透明 定形 グルコースの醗酵性 − 円形 つやのある 表面なめらか 凸面 直径 約0.5mm 生育温度 37℃ + 45℃ −
ている。 形態 コリネフォーム種 大きさ 2〜3μm×10〜15μm(直径 0.5〜1.2μm) グラム染色 + 胞子の形成 − 運動性 − カタラーゼ + コロニー形態 サーモンピンク/オレンジ オキシターゼ − (48時間) 不透明 定形 グルコースの醗酵性 − 円形 つやのある 表面なめらか 凸面 直径 約0.5mm 生育温度 37℃ + 45℃ −
【0021】本菌株は、通商産業省工業技術院微生物工
業技術研究所に、平成4年3月17日付け、Rhodococcu
s sp. M192という識別のための表示で寄託されてお
り、その寄託番号は微工研菌寄第12882号(FER
M P−12882)である。本発明の微生物を培養す
るに当たって用いられる栄養培地は炭素源、窒素源およ
び無機塩からなる細菌の培地に用いられる通常の培地が
用いられる。
業技術研究所に、平成4年3月17日付け、Rhodococcu
s sp. M192という識別のための表示で寄託されてお
り、その寄託番号は微工研菌寄第12882号(FER
M P−12882)である。本発明の微生物を培養す
るに当たって用いられる栄養培地は炭素源、窒素源およ
び無機塩からなる細菌の培地に用いられる通常の培地が
用いられる。
【0022】上記炭素源としては、グルコース、フラク
トース、シュークロース、ラクトース、マンニトール、
ソルビトール、澱粉加水分解物等の糖類、コハク酸、フ
マル酸、クエン酸等の有機酸、エタノール、1−プロパ
ノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタ
ノール、グリセロール、グリセロール−ペプトン、1,
4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、メチル
エチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−n
−プロピルケトン等が使用でき、この中でもメチルエチ
ルケトン、1−プロパノール、2−プロパノール、2−
ブタノール、エタノールはメナジオンの前駆物質である
2−メチル−1−ナフトールの生産量の増大に有効であ
る。さらに、エタノールを用いた場合、休止菌体反応に
おける酸化部位を特異的に選択し、2−メチル−1−ナ
フトールひいてはメナジオンの収率を上げるのに有効で
ある。微生物を培養する際の炭素源の濃度は、培地中
0.2〜10.0重量%であり、好ましくは0.5〜
1.5重量%が良い。
トース、シュークロース、ラクトース、マンニトール、
ソルビトール、澱粉加水分解物等の糖類、コハク酸、フ
マル酸、クエン酸等の有機酸、エタノール、1−プロパ
ノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタ
ノール、グリセロール、グリセロール−ペプトン、1,
4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、メチル
エチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−n
−プロピルケトン等が使用でき、この中でもメチルエチ
ルケトン、1−プロパノール、2−プロパノール、2−
ブタノール、エタノールはメナジオンの前駆物質である
2−メチル−1−ナフトールの生産量の増大に有効であ
る。さらに、エタノールを用いた場合、休止菌体反応に
おける酸化部位を特異的に選択し、2−メチル−1−ナ
フトールひいてはメナジオンの収率を上げるのに有効で
ある。微生物を培養する際の炭素源の濃度は、培地中
0.2〜10.0重量%であり、好ましくは0.5〜
1.5重量%が良い。
【0023】上記窒素源としては硫酸アンモニウム、リ
ン酸アンモニウム、尿素、硝酸アンモニウム、ペプト
ン、肉エキス、麦芽エキス等が用いられ、無機塩類とし
ては、リン酸塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、鉄
塩、その他必要に応じてカルシウム、亜鉛、マンガン、
コバルト、銅、モリブデン、ホウ素、ヨードなどの微量
金属塩が用いられる。さらに、アミノ酸、核酸、チアミ
ン、リボフラビン、p−アミノ安息香酸、ピリドキシ
ン、パントテン酸、ビオチン、葉酸等のビタミン、酵母
エキス、麦芽エキス等成育促進物質も使用される。微生
物の培養はpH5〜8.5、培養温度20〜40℃で1
〜5日間好気的に振盪または通気攪拌培養することによ
って行われる。
ン酸アンモニウム、尿素、硝酸アンモニウム、ペプト
ン、肉エキス、麦芽エキス等が用いられ、無機塩類とし
ては、リン酸塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、鉄
塩、その他必要に応じてカルシウム、亜鉛、マンガン、
コバルト、銅、モリブデン、ホウ素、ヨードなどの微量
金属塩が用いられる。さらに、アミノ酸、核酸、チアミ
ン、リボフラビン、p−アミノ安息香酸、ピリドキシ
ン、パントテン酸、ビオチン、葉酸等のビタミン、酵母
エキス、麦芽エキス等成育促進物質も使用される。微生
物の培養はpH5〜8.5、培養温度20〜40℃で1
〜5日間好気的に振盪または通気攪拌培養することによ
って行われる。
【0024】休止菌体反応は、微生物の培養後、遠心分
離等により培養物を集菌し、リン酸カリウム緩衝液で数
回洗浄した後、休止菌体反応溶液に移してから2−メチ
ルナフタレンを添加することにより行われる。休止菌体
反応溶液は、リン酸カリウム緩衝液等の緩衝液を用いて
行うが酵素阻害物質と反応補助炭素源を添加してもよ
い。
離等により培養物を集菌し、リン酸カリウム緩衝液で数
回洗浄した後、休止菌体反応溶液に移してから2−メチ
ルナフタレンを添加することにより行われる。休止菌体
反応溶液は、リン酸カリウム緩衝液等の緩衝液を用いて
行うが酵素阻害物質と反応補助炭素源を添加してもよ
い。
【0025】さらに該微生物の休止菌体による変換反応
に当たって、メチルエチルケトン、エタノール、1−プ
ロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−
ブタノール、アセトン、酢酸エチル、メチル−n−プロ
ピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、2−メチル−
2−ブタノン等を反応補助炭素源として加えることによ
り、2−メチル−1−ナフトールの生成量は飛躍的に増
加する上、同時に生成する2−ナフトエ酸の副生を抑え
ることを見出した。中でも、1−プロパノール、メチル
エチルケトン、エタノール、2−プロパノール、2−ブ
タノールの効果は大きい。上記反応補助炭素源は、反応
溶液中の濃度で0.5〜1.5重量%で加えるのが好ま
しい。
に当たって、メチルエチルケトン、エタノール、1−プ
ロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−
ブタノール、アセトン、酢酸エチル、メチル−n−プロ
ピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、2−メチル−
2−ブタノン等を反応補助炭素源として加えることによ
り、2−メチル−1−ナフトールの生成量は飛躍的に増
加する上、同時に生成する2−ナフトエ酸の副生を抑え
ることを見出した。中でも、1−プロパノール、メチル
エチルケトン、エタノール、2−プロパノール、2−ブ
タノールの効果は大きい。上記反応補助炭素源は、反応
溶液中の濃度で0.5〜1.5重量%で加えるのが好ま
しい。
【0026】また、2−メチルナフタレンからのメナジ
オン生産の重要な前駆物質である2−メチル−1−ナフ
トールを生成するためには、ナフタレン環の酸化は抑制
せずにメチル基の酸化だけを特異的に抑制する酵素阻害
物質を反応系に添加することは有効であり、N,N−ジ
エチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩3水和物、エチ
ルキサントゲン酸カリウム、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド、p−クロロ安息香酸水銀、酢酸フェニル水銀、
2−メルカプトベンゾチアゾール、塩基性酢酸アルミニ
ウム、セレン化ナトリウムにその効果を見出した。中で
も、N,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩
3水和物(Sodium N,N-diethyldithiocarbamate trihyd
rate) 、エチル化キサントゲン酸カリウムの効果が大き
く、反応補助炭素源の減少にともなって副生する副生成
物の生成を顕著に抑制し、2−メチル−1−ナフトール
の生成を増大させた。この阻害物質は、休止菌体反応溶
液中の濃度で0.001〜0.00001mol/lで
あるのが好ましい。
オン生産の重要な前駆物質である2−メチル−1−ナフ
トールを生成するためには、ナフタレン環の酸化は抑制
せずにメチル基の酸化だけを特異的に抑制する酵素阻害
物質を反応系に添加することは有効であり、N,N−ジ
エチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩3水和物、エチ
ルキサントゲン酸カリウム、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド、p−クロロ安息香酸水銀、酢酸フェニル水銀、
2−メルカプトベンゾチアゾール、塩基性酢酸アルミニ
ウム、セレン化ナトリウムにその効果を見出した。中で
も、N,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩
3水和物(Sodium N,N-diethyldithiocarbamate trihyd
rate) 、エチル化キサントゲン酸カリウムの効果が大き
く、反応補助炭素源の減少にともなって副生する副生成
物の生成を顕著に抑制し、2−メチル−1−ナフトール
の生成を増大させた。この阻害物質は、休止菌体反応溶
液中の濃度で0.001〜0.00001mol/lで
あるのが好ましい。
【0027】休止菌体反応時の微生物の濃度は、休止菌
体反応溶液中、610nmの吸光度で、5以上であるの
が好ましい。添加する2−メチルナフタレンは、反応補
助炭素源との混合物の形態で添加してもよく、好ましい
添加量は、休止菌体反応溶液中の2−メチルナフタレン
の濃度が0.5〜100mMとするのがよい。100m
M超では、反応の阻害が認められる。また、2−メチル
−1−ナフトールを製造する休止菌体反応は、pH6.
0〜9.0、反応温度20〜40℃の通気攪拌下で、6
〜80時間行われるのかよい。
体反応溶液中、610nmの吸光度で、5以上であるの
が好ましい。添加する2−メチルナフタレンは、反応補
助炭素源との混合物の形態で添加してもよく、好ましい
添加量は、休止菌体反応溶液中の2−メチルナフタレン
の濃度が0.5〜100mMとするのがよい。100m
M超では、反応の阻害が認められる。また、2−メチル
−1−ナフトールを製造する休止菌体反応は、pH6.
0〜9.0、反応温度20〜40℃の通気攪拌下で、6
〜80時間行われるのかよい。
【0028】休止菌体反応溶液に10〜50v/v %の反
応停止剤1−ブタノールを加えて反応を停止させること
ができる。また、2−メチル−1−ナフトールの分析
は、休止菌体反応後、十分に攪拌して目的物を有機溶媒
を用いて抽出し、この抽出液を高速液体クロマトグラフ
ィーで標準物質との面積比から求めた。
応停止剤1−ブタノールを加えて反応を停止させること
ができる。また、2−メチル−1−ナフトールの分析
は、休止菌体反応後、十分に攪拌して目的物を有機溶媒
を用いて抽出し、この抽出液を高速液体クロマトグラフ
ィーで標準物質との面積比から求めた。
【0029】さらに、本発明の炭素源、反応補助炭素源
および停止剤は、同一の物質を使用してもよく、その場
合は使用量をそれぞれの目的に合わせ上記の使用好適濃
度に適宜調整する。
および停止剤は、同一の物質を使用してもよく、その場
合は使用量をそれぞれの目的に合わせ上記の使用好適濃
度に適宜調整する。
【0030】次に、休止菌体反応停止後、2−メチル−
1−ナフトールからメナジオンへの変換を行う。メナジ
オンへの変換の工程は、エタノールまたは1−ブタノー
ル等の低級アルコールの存在下で、20〜40℃、常圧
で、数時間静置することで、自然酸化させ、メナジオン
に変換することが可能であるが、常法によりサルコミン
触媒を用いてメナジオンに変換することも可能である。
1−ナフトールからメナジオンへの変換を行う。メナジ
オンへの変換の工程は、エタノールまたは1−ブタノー
ル等の低級アルコールの存在下で、20〜40℃、常圧
で、数時間静置することで、自然酸化させ、メナジオン
に変換することが可能であるが、常法によりサルコミン
触媒を用いてメナジオンに変換することも可能である。
【0031】2−メチル−1−ナフトールおよびメナジ
オンの反応液からの単離は、常法により抽出した抽出液
を濃縮した後、エーテルで再抽出し、シリカゲル薄層ク
ロマトグラフィーを行いクロマトグラム上の2−メチル
−1−ナフトールあるいはメナジオンをアセトンで抽出
し結晶化した。
オンの反応液からの単離は、常法により抽出した抽出液
を濃縮した後、エーテルで再抽出し、シリカゲル薄層ク
ロマトグラフィーを行いクロマトグラム上の2−メチル
−1−ナフトールあるいはメナジオンをアセトンで抽出
し結晶化した。
【0032】
【実施例】本発明の2−メチル−1−ナフトールおよび
メナジオンの同定はTLC、元素分析値、融点、UVお
よびIRスペクトル、NMRスペクトル等の結果から2
−メチル−1−ナフトール、メナジオンであることを確
認した。また、定量法としては高速液体クロマトグラフ
ィー法を使用した。以下、実施例および比較例を用い
て、本発明を具体的に説明する。使用した培地の組成
は、下記の表1および表2の通りである。
メナジオンの同定はTLC、元素分析値、融点、UVお
よびIRスペクトル、NMRスペクトル等の結果から2
−メチル−1−ナフトール、メナジオンであることを確
認した。また、定量法としては高速液体クロマトグラフ
ィー法を使用した。以下、実施例および比較例を用い
て、本発明を具体的に説明する。使用した培地の組成
は、下記の表1および表2の通りである。
【0033】 表1 培地の組成 培地A メチルエチルケトン 0.5% NH4 Cl 0.2% (NH4 )2 SO4 0.1% K2 HPO4 0.2% KH2 PO4 0.1% NaCl 0.1% MgCl2 0.02% 微量金属溶液* 0.2% ビタミン混合液** 0.1% 水道水を加えて100%とする ────────────────────────────── (pH 7.0) 培地B 炭素源*** 0.6% NH4 NO3 0.3% K2 HPO4 0.2% KH2 PO4 0.2% NaCl 0.1% MgSO4 ・7H2 O 0.02% 微量金属溶液* 0.2% ビタミン混合物** 0.1% 水道水を加えて100%とする ────────────────────────────── (pH 7.0) 注:* 微量金属溶液 CaCl2 ・2H2 O 100mg ZnCl2 100mg FeCl2 ・nH2 O 100mg MnCl2 ・4H2 O 10mg CoCl2 ・6H2 O 10mg CuCl2 ・2H2 O 10mg NaMoO4 ・2H2 O 10mg Na2 B4 O7 ・10H2 O 10mg KI 10mg 水道水 250ml** ビタミン混合物 チアミン・HCl 10mg リボフラビン 20mg p−アミノ安息香酸 10mg ピリドキシン・HCl 20mg ピリドキサール・HCl 2.0m
g パントテン酸カルシウム 20mg ニコチン酸 10mg ビオチン 1.0m
g 葉酸 1.0m
g 水道水 100ml*** 炭素源:2,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、またはcis−2−ブテン−1,4−ジオー
ル
g パントテン酸カルシウム 20mg ニコチン酸 10mg ビオチン 1.0m
g 葉酸 1.0m
g 水道水 100ml*** 炭素源:2,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、またはcis−2−ブテン−1,4−ジオー
ル
【0034】 表2 培地の組成 培地C グルコース 1.0% ポリペプトン 1.5% 酵母エキス 0.1% K2 HPO4 0.3% NaCl 0.2% MgSO4 ・7H2 O 0.02% 水道水を加えて100%とする ────────────────────────────── (pH 7.0) 培地D 炭素源 1.0% NaNO3 1.0% NH4 Cl 0.2% K2 HPO4 0.7% KH2 PO4 0.3% NaCl 0.2% MgSO4 ・7H2 O 0.2% 微量金属溶液* 0.2% ビタミン混合物 0.2% 水道水を加えて100%とする ────────────────────────────── (pH 7.0) 注:* 微量金属溶液 MnCl2 ・4H2 O 400mg FeCl2 ・nH2 O 350mg ZnCl2 200mg CaCl2 100mg CoCl2 ・6H2 O 20mg CuCl2 ・2H2 O 20mg NaMoO4 ・2H2 O 10mg NaB4 O7 ・10H2 O 10mg 水道水 100ml ビタミン混合物の組成は表1に示す。
【0035】(実施例1)表1の培地Aからメチルエチ
ルケトンを除いた培地100mlを各々5mlづつ試験
管に分注し、120℃、1.2kg/cm2 、30分間
加熱減菌して冷却した後、各々にメチルエチルケトン2
5mgを無菌的に添加した。これにRhodococcus sp.
(ロドコッカス・エスピー)M192を一白金耳植菌し
て28℃で1日間振盪培養して前培養とした。これを表
2の培地Dから炭素源を除いた培地を500ml容振盪
フラスコに100ml入れて、120℃、1.2kg/
cm2 、30分間加熱減菌して冷却した後、メチルエチ
ルケトン1gを無菌的に添加した後、培地に前培養液を
1ml植菌して28℃で3日間振盪して本培養を行っ
た。
ルケトンを除いた培地100mlを各々5mlづつ試験
管に分注し、120℃、1.2kg/cm2 、30分間
加熱減菌して冷却した後、各々にメチルエチルケトン2
5mgを無菌的に添加した。これにRhodococcus sp.
(ロドコッカス・エスピー)M192を一白金耳植菌し
て28℃で1日間振盪培養して前培養とした。これを表
2の培地Dから炭素源を除いた培地を500ml容振盪
フラスコに100ml入れて、120℃、1.2kg/
cm2 、30分間加熱減菌して冷却した後、メチルエチ
ルケトン1gを無菌的に添加した後、培地に前培養液を
1ml植菌して28℃で3日間振盪して本培養を行っ
た。
【0036】得られた培養液を4℃、8,000×gで
遠心分離して集菌し、リン酸カリウム緩衝液で2回洗浄
した。この菌体を同様の緩衝液100mlにOD610 =
10となるように懸濁して褐色細管に入れ、N,N−ジ
エチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩3水和物 10
-3M,および100mMの2−メチルナフタレン/エタ
ノールを加えて2−メチルナフタレンの濃度が1mM、
反応補助炭素源としてエタノール濃度が1%となるよう
にして、28℃で48時間振盪して反応させた。
遠心分離して集菌し、リン酸カリウム緩衝液で2回洗浄
した。この菌体を同様の緩衝液100mlにOD610 =
10となるように懸濁して褐色細管に入れ、N,N−ジ
エチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩3水和物 10
-3M,および100mMの2−メチルナフタレン/エタ
ノールを加えて2−メチルナフタレンの濃度が1mM、
反応補助炭素源としてエタノール濃度が1%となるよう
にして、28℃で48時間振盪して反応させた。
【0037】生成物の分析は液体クロマトグラフィーで
行ない、12時間で53.2μM、24時間で62.7
μM、48時間で63.1μMの2−メチル−1−ナフ
トールを生成した。
行ない、12時間で53.2μM、24時間で62.7
μM、48時間で63.1μMの2−メチル−1−ナフ
トールを生成した。
【0038】得られた反応液に1−ブタノールを20m
l添加して反応を停止させ、30分間攪拌して抽出し
た。抽出残渣にさらに20mlの1−ブタノールを加え
て同様に抽出し、得られた抽出液を合わせて、減圧下で
5mlまで濃縮した。この濃縮液に水5mlを加えエー
テル20mlに転溶し、エーテル層を分別後減圧下で除
去して16.1mgの粗生成物を得た。これを少量のア
セトンに溶解して、シリカゲル薄層クロマトグラフィー
を行いクロマトグラム上の2−メチル−1−ナフトール
をアセトンで抽出し8.3mgの結晶を得た。
l添加して反応を停止させ、30分間攪拌して抽出し
た。抽出残渣にさらに20mlの1−ブタノールを加え
て同様に抽出し、得られた抽出液を合わせて、減圧下で
5mlまで濃縮した。この濃縮液に水5mlを加えエー
テル20mlに転溶し、エーテル層を分別後減圧下で除
去して16.1mgの粗生成物を得た。これを少量のア
セトンに溶解して、シリカゲル薄層クロマトグラフィー
を行いクロマトグラム上の2−メチル−1−ナフトール
をアセトンで抽出し8.3mgの結晶を得た。
【0039】エタノールに溶解後再結晶を行って得られ
た精製標品の融点は64.5℃、元素分析はC:83.
5%,H:6.4%,O:10.1%(理論値;C:8
3.52%,H:6.37%,O:10.11%)であ
り、そのIRスペクトル、NMRスペクトルはオーセン
チックな2−メチル−1−ナフトールのものとよく一致
した。
た精製標品の融点は64.5℃、元素分析はC:83.
5%,H:6.4%,O:10.1%(理論値;C:8
3.52%,H:6.37%,O:10.11%)であ
り、そのIRスペクトル、NMRスペクトルはオーセン
チックな2−メチル−1−ナフトールのものとよく一致
した。
【0040】この2−メチル−1−ナフトールはエタノ
ールに溶解してガラス容器中で自然酸化により、容易に
メナジオンに変換するが、常法によりサルコミン(Salc
omine)触媒により変換して8.2mgのメナジオンを得
た。
ールに溶解してガラス容器中で自然酸化により、容易に
メナジオンに変換するが、常法によりサルコミン(Salc
omine)触媒により変換して8.2mgのメナジオンを得
た。
【0041】この結晶の融点は106.0℃、元素分析
はC:76.7%,H:4.7%,O:18.6%(理
論値;C:76.73%,H:4.68%,O:18.
58%)であり、そのIRスペクトル、NMRスペクト
ルはオーセンチックなメナジオンのものとよく一致し
た。
はC:76.7%,H:4.7%,O:18.6%(理
論値;C:76.73%,H:4.68%,O:18.
58%)であり、そのIRスペクトル、NMRスペクト
ルはオーセンチックなメナジオンのものとよく一致し
た。
【0042】(実施例2)実施例1に示した反応条件の
中で、N,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム
塩3水和物を無添加として、反応補助炭素源としてメチ
ルエチルケトンを使用して、反応液量を400mlとし
た他は実施例1と全く同じ方法で反応を行い、24時間
で11.9mgの2−メチル−1−ナフトールを得た。
また、2−ナフトエ酸の副生は全く認められなかった。
これを実施例1と同様に処理して11.6mgのメナジ
オンを取得した。
中で、N,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム
塩3水和物を無添加として、反応補助炭素源としてメチ
ルエチルケトンを使用して、反応液量を400mlとし
た他は実施例1と全く同じ方法で反応を行い、24時間
で11.9mgの2−メチル−1−ナフトールを得た。
また、2−ナフトエ酸の副生は全く認められなかった。
これを実施例1と同様に処理して11.6mgのメナジ
オンを取得した。
【0043】(実施例3)実施例2に示した反応条件の
中で、反応補助炭素源を1−プロパノールとした以外は
実施例2と全く同じ条件、方法で反応を行い、24時間
で13.9mgの2−メチル−1−ナフトールを得た。
2−ナフトエ酸の副生は全く認められなかった。同様に
このものを酸化してメナジオン13.4mgを得た。
中で、反応補助炭素源を1−プロパノールとした以外は
実施例2と全く同じ条件、方法で反応を行い、24時間
で13.9mgの2−メチル−1−ナフトールを得た。
2−ナフトエ酸の副生は全く認められなかった。同様に
このものを酸化してメナジオン13.4mgを得た。
【0044】(実施例4)実施例1に示した休止菌体反
応液(緩衝液)の菌体濃度をOD610 =20.0として
N,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩3水
和物10-3Mに変え、エチルキサントゲン酸カリウムを
添加、反応補助炭素源として1−プロパノール1%、反
応液量を400mlとした他は、実施例1と全く同じ方
法で行った。48時間反応終了後の2−メチル−1−ナ
フトールの生成量は14.0mgで、2−ナフトエ酸の
副生は完全に抑えられ全く認められなかった。同様にこ
のものを酸化してメナジオン13.6mgを得た。
応液(緩衝液)の菌体濃度をOD610 =20.0として
N,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩3水
和物10-3Mに変え、エチルキサントゲン酸カリウムを
添加、反応補助炭素源として1−プロパノール1%、反
応液量を400mlとした他は、実施例1と全く同じ方
法で行った。48時間反応終了後の2−メチル−1−ナ
フトールの生成量は14.0mgで、2−ナフトエ酸の
副生は完全に抑えられ全く認められなかった。同様にこ
のものを酸化してメナジオン13.6mgを得た。
【0045】(実施例5)表2の培地Dから炭素源を除
いた培地を30L容ジャーファーメンターに20L仕込
み、120℃、1.2kg/cm2 、30分間スチーム
減菌した。冷却後、メチルエチルケトン200gを無菌
的に添加し、次いで実施例1の培養と同様に28℃、1
80rpm で3日間振盪培養したフラスコ培養母菌400
mlを接種して、28℃、攪拌300rpm 、通気4L/mi
n で3日間培養を行った。培養終了後、5℃、8,00
0×gで10分間遠心分離して集菌し、リン酸カリウム
緩衝液で2回洗浄した。この菌体を同様の緩衝液2lで
OD610 =20となるように懸濁して褐色反応容器に入
れ、エチルキサントゲン酸カリウム0.2Mおよび2−
メチルナフタレン20gを40gの1−プロパノールに
溶解して添加した。28℃、48時間振盪して反応させ
て、以下、得られた反応液に1−ブタノールを400m
l添加して反応を停止させ、30分間攪拌して抽出し
た。抽出残渣にさらに200mlの1−ブタノールを加
えて同様に抽出し、得られた抽出液を合わせて、減圧下
で75mlまで濃縮した。この濃縮液に水200mlを
加えエーテル200mlに転溶し、エーテル層を分別後
減圧下でエーテルを除去して粗生成物23gを得た。こ
れを常法により、ゲルクロマト分離して、精製して2.
6gの2−メチル−1−ナフトールを得た。さらにこれ
を変換してメナジオン2.5gの結晶を得た。
いた培地を30L容ジャーファーメンターに20L仕込
み、120℃、1.2kg/cm2 、30分間スチーム
減菌した。冷却後、メチルエチルケトン200gを無菌
的に添加し、次いで実施例1の培養と同様に28℃、1
80rpm で3日間振盪培養したフラスコ培養母菌400
mlを接種して、28℃、攪拌300rpm 、通気4L/mi
n で3日間培養を行った。培養終了後、5℃、8,00
0×gで10分間遠心分離して集菌し、リン酸カリウム
緩衝液で2回洗浄した。この菌体を同様の緩衝液2lで
OD610 =20となるように懸濁して褐色反応容器に入
れ、エチルキサントゲン酸カリウム0.2Mおよび2−
メチルナフタレン20gを40gの1−プロパノールに
溶解して添加した。28℃、48時間振盪して反応させ
て、以下、得られた反応液に1−ブタノールを400m
l添加して反応を停止させ、30分間攪拌して抽出し
た。抽出残渣にさらに200mlの1−ブタノールを加
えて同様に抽出し、得られた抽出液を合わせて、減圧下
で75mlまで濃縮した。この濃縮液に水200mlを
加えエーテル200mlに転溶し、エーテル層を分別後
減圧下でエーテルを除去して粗生成物23gを得た。こ
れを常法により、ゲルクロマト分離して、精製して2.
6gの2−メチル−1−ナフトールを得た。さらにこれ
を変換してメナジオン2.5gの結晶を得た。
【0046】(実施例6)実施例1に示した反応条件の
中で、炭素源としてメチルエチルケトンの代わりに同量
のエタノールを加え、N,N−ジエチルジチオカルバミ
ン酸ナトリウム塩3水和物の代わりに、エチルキサント
ゲン酸カリウム10-3Mを添加した他は実施例1と全く
同じ方法で、菌体培養、集菌、変換反応を行い、各々4
2.0μM、58.8μM、65.0μMの2−メチル
−1−ナフトールが生成された。
中で、炭素源としてメチルエチルケトンの代わりに同量
のエタノールを加え、N,N−ジエチルジチオカルバミ
ン酸ナトリウム塩3水和物の代わりに、エチルキサント
ゲン酸カリウム10-3Mを添加した他は実施例1と全く
同じ方法で、菌体培養、集菌、変換反応を行い、各々4
2.0μM、58.8μM、65.0μMの2−メチル
−1−ナフトールが生成された。
【0047】メチルエチルケトンで培養した菌体(実施
例1)では、全酸化物の41%が2−メチル−1−ナフ
トールであったのに対して、エタノールで培養した菌株
は、全酸化物の75%が2−メチル−1−ナフトール
で、その内の10%はメナジオンに変換されていた。
例1)では、全酸化物の41%が2−メチル−1−ナフ
トールであったのに対して、エタノールで培養した菌株
は、全酸化物の75%が2−メチル−1−ナフトール
で、その内の10%はメナジオンに変換されていた。
【0048】(実施例7)実施例2と全く同じ反応条件
で48時間まで反応を行ったところ、2−メチル−1−
ナフトールは0.1mgに減少し、76.2mgの2−
ナフトエ酸が生成した。
で48時間まで反応を行ったところ、2−メチル−1−
ナフトールは0.1mgに減少し、76.2mgの2−
ナフトエ酸が生成した。
【0049】(実施例8)実施例3と全く同じ反応条件
で48時間まで反応を行ったところ、2−メチル−1−
ナフトールは9.4mgに減少し、4.5mgの2−ナ
フトエ酸が認められた。
で48時間まで反応を行ったところ、2−メチル−1−
ナフトールは9.4mgに減少し、4.5mgの2−ナ
フトエ酸が認められた。
【0050】(実施例9)実施例7に阻害剤として、
N,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩3水
和物10-3Mを加えて48時間まで反応を行い12.9
mgの2−メチル−1−ナフトールを得た。また、2−
ナフトエ酸の副生は全く認められなかった。
N,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩3水
和物10-3Mを加えて48時間まで反応を行い12.9
mgの2−メチル−1−ナフトールを得た。また、2−
ナフトエ酸の副生は全く認められなかった。
【0051】(実施例10)実施例8にエチルキサント
ゲン酸カリウム10-3Mを加えて72時間まで反応を行
い、12.1mgの2−メチル−1−ナフトールを得
た。また、2−ナフトエ酸の副生は全く認められなかっ
た。
ゲン酸カリウム10-3Mを加えて72時間まで反応を行
い、12.1mgの2−メチル−1−ナフトールを得
た。また、2−ナフトエ酸の副生は全く認められなかっ
た。
【0052】(比較例1)表2の培地Dの液体培地に炭
素源としてグルコースを加えたものを500ml容振盪
フラスコに100ml入れ、実施例1と同じ前培養液を
1ml植菌して28℃で3日間振盪培養して本培養を行
った。以下、実施例1と同じ条件で菌体を集菌、処理し
て2−メチルナフタレン1mM添加で変換を行い12時
間、24時間、48時間で各々0.4μM、0.3μ
M、0.3μMの2−メチル−1−ナフトールと、81
8.3μM、840.0μM、846.4μMの2−ナ
フトエ酸が生成された。
素源としてグルコースを加えたものを500ml容振盪
フラスコに100ml入れ、実施例1と同じ前培養液を
1ml植菌して28℃で3日間振盪培養して本培養を行
った。以下、実施例1と同じ条件で菌体を集菌、処理し
て2−メチルナフタレン1mM添加で変換を行い12時
間、24時間、48時間で各々0.4μM、0.3μ
M、0.3μMの2−メチル−1−ナフトールと、81
8.3μM、840.0μM、846.4μMの2−ナ
フトエ酸が生成された。
【0053】(比較例2)N,N−ジエチルジチオカル
バミン酸ナトリウム塩3水和物を添加しない以外は実施
例1と全く同じ条件で菌体培養、集菌、変換反応を行
い、12時間、24時間、48時間で各々31.6μ
M、33.9μM、33.6μMの2−メチル−1−ナ
フトールと176.7μM、182.0μM、174.
4μMの2−ナフトエ酸が生成された。
バミン酸ナトリウム塩3水和物を添加しない以外は実施
例1と全く同じ条件で菌体培養、集菌、変換反応を行
い、12時間、24時間、48時間で各々31.6μ
M、33.9μM、33.6μMの2−メチル−1−ナ
フトールと176.7μM、182.0μM、174.
4μMの2−ナフトエ酸が生成された。
【0054】
【発明の効果】本発明の微生物を用いると、2−メチル
ナフタレンから高収率にメナジオンを製造し得る。特
に、2−メチルナフタレンから2−メチル−1−ナフト
−ルへの変換が特異的に行われ高収率のメナジオンを製
造し得る。
ナフタレンから高収率にメナジオンを製造し得る。特
に、2−メチルナフタレンから2−メチル−1−ナフト
−ルへの変換が特異的に行われ高収率のメナジオンを製
造し得る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01)
Claims (8)
- 【請求項1】2−メチル−ナフタレンを、微生物Rhodoc
occus sp.(ロドコッカス・エスピー) M192を用いて
変換せしめ、メナジオンを生産することを特徴とするメ
ナジオンの製造方法。 - 【請求項2】微生物Rhodococcus sp.(ロドコッカス・エ
スピー) M192を用いて、2−メチルナフタレンを2
−メチル−1−ナフトールに変換する方法。 - 【請求項3】前記微生物Rhodococcus sp.(ロドコッカス
・エスピー) M192が、メチルエチルケトン、1−プ
ロパノール、2−プロパノール、2−ブタノール、エタ
ノールの中から選択された少なくとも1種の物質を炭素
源として培養された菌体である請求項1または2に記載
の方法。 - 【請求項4】前記2−メチルナフタレンを変換する際
に、1−プロパノール、メチルエチルケトン、エタノー
ル、2−プロパノール、2−ブタノールの中から選択さ
れた少なくとも1種の物質を反応補助炭素源として使用
する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項5】前記2−メチルナフタレンを変換する際
に、N,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩
3水和物またはエチルキサントゲン酸カリウムを添加し
て行う請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】請求項2で得られた2−メチル−1−ナフ
トールを酸化させることを特徴とするメナジオンの製造
方法。 - 【請求項7】前記微生物Rhodococcus sp.(ロドコッカス
・エスピー) M192が、休止菌体反応を行う請求項2
〜6のいずれかに記載の方法。 - 【請求項8】Rhodococcus sp.(ロドコッカス・エスピ
ー)M192であることを特徴とする微生物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17817192A JPH0622775A (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 微生物によるメナジオンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17817192A JPH0622775A (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 微生物によるメナジオンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0622775A true JPH0622775A (ja) | 1994-02-01 |
Family
ID=16043854
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17817192A Withdrawn JPH0622775A (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 微生物によるメナジオンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0622775A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2231040A1 (es) * | 2003-10-31 | 2005-05-01 | Institut Univ De Ciencia I Tecnologia | Procedimiento microbiologico para la preparacion de menadiona. |
WO2005078112A1 (es) * | 2004-02-11 | 2005-08-25 | Institut Univ De Ciència I Tecnologia | Procedimiento de preparación de menadiona con un microorganismo recombinante |
-
1992
- 1992-07-06 JP JP17817192A patent/JPH0622775A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2231040A1 (es) * | 2003-10-31 | 2005-05-01 | Institut Univ De Ciencia I Tecnologia | Procedimiento microbiologico para la preparacion de menadiona. |
WO2005042755A1 (es) * | 2003-10-31 | 2005-05-12 | Institut Univ De Ciència I Tecnologia | Procedimiento microbiológico para la preparación de menadiona |
WO2005078112A1 (es) * | 2004-02-11 | 2005-08-25 | Institut Univ De Ciència I Tecnologia | Procedimiento de preparación de menadiona con un microorganismo recombinante |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0278447B1 (en) | Fermentation process for producing 2-keto-l-gulonic acid | |
USRE30872E (en) | Process for producing 2-keto-L-gulonic acid | |
JPH067157A (ja) | シュードグルコノバクター属酸化菌 | |
US3998697A (en) | Process for preparing 2-keto-L-gulonic acid | |
EP0213591B1 (en) | Process for the manufacture of keto gulonic acid | |
US3959076A (en) | Process for producing 2-keto-L-gulonic acid | |
US4738924A (en) | Method for the production of 6-hydroxynicotinic acid | |
JPH0634704B2 (ja) | 微生物ハイホジーマ・ロセオニガー | |
US5541108A (en) | Gluconobacter oxydans strains | |
US4859592A (en) | Production of picolinic acid and pyridine products via pseudomonas | |
US5182197A (en) | Microbiological process for the production of 6-hydroxypicolinic acid | |
EP0146239A2 (en) | Bioconversion production of ascorbic acid | |
JPH0622775A (ja) | 微生物によるメナジオンの製造方法 | |
JP2579595B2 (ja) | 新規微生物および該微生物を用いた2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法 | |
US4217416A (en) | Biotransformation preparation of 2,3-dihydroxybenzoic acid | |
US4673646A (en) | Production of 2-hydroxymuconic semialdehyde | |
JP2579588B2 (ja) | 新規微生物及び該微生物を用いた2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法 | |
US4666841A (en) | Production of picolinic acid and pyridine products | |
JPS5953838B2 (ja) | β−ヒドロキシ吉草酸の製造方法 | |
US5238830A (en) | Microbiological process for the production of 6-hydroxypicolinic acid | |
JP4266296B2 (ja) | サリチル酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、またはγ−レゾルシン酸の製造方法 | |
US4617156A (en) | 2-hydroxymuconic semialdehyde bisulfite adduct | |
JPH099956A (ja) | 変異微生物及び該微生物を用いた2,6− ナフタレンジカルボン酸の製造法 | |
JPS5953839B2 (ja) | (−)−α−ヒドロキシメチル酪酸の製造方法 | |
JPH01120292A (ja) | 芳香族縮合環炭化水素の微生物酸化方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19991005 |