JP4290850B2 - アルミニウム基複合材製円盤状部品のプレス成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアルミニウム基複合材製円盤状部品のプレス成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム基複合材を用いて塑性加工で所望の形状を造る製造方法には、例えば、特開昭59−206154号公報「シリンダーの製造法」に示されたものがある。このシリンダーの製造法は、同公報の第2頁左下欄第8行〜第17行に示される通りである。これらを要約したものを次に示す。
(a)アルミニウムの溶湯中にSiCのチップを攪拌分散させ、凝固させる。
(b)凝固したものを約250℃に加熱した状態で引抜き加工してパイプを作成する。
(c)パイプを切断してスリーブ状にしたものをダイキャスト用の金型に嵌合した後、アルミニウム合金(ADC12)で鋳ぐるんでシリンダーを製造する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のスリーブ状にしたものは、アルミニウムの溶湯中にSiCのチップを複合した複合材であり、塑性変形の抵抗が大きく、且つ、アルミニウムとSiCの界面は機械的な結合状態にあるだけであり、そのため、伸びが小さく、一般的な複合材と同様、加工性が悪い。その結果、引抜き加工などの塑性加工がし難く、成形品の高品質化及び生産コストの削減は難しい。
例えば、プレス成形で複合材製の円盤状部品を造ることもできるが、塑性変形の抵抗が大きく、生産コストが嵩み、且つ品質の向上を図り難い。
【0004】
そこで、本発明の目的は、生産コストを削減することができ、高品質なアルミニウム基複合材製円盤状部品のプレス成形方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、円柱状のインナパンチ部及びこのインナパンチ部を囲う円筒状のアウタパンチ部からなる二重構造のパンチを準備するとともに、ダイを準備するプレス型の準備工程と、準備したダイにアルミニウム基複合材のブランク材を載せるセット工程と、このブランク材の中央にインナパンチ部を圧下し、圧下状態を保持するとともに、中央の形状を完成させる第1成形工程と、中央を保持したブランク材の残部にアウタパンチ部を圧下し、残部の形状を完成させる第2成形工程と、からなる。
【0006】
アルミニウム基複合材のブランク材を二重構造のパンチで円盤状部品に成形する。
第1成形工程では、ブランク材の中央にインナパンチ部を圧下し、押し込むことで、ブランク材の中央の形状のみを成形するとともに、ブランク材の中心から均等にアルミニウム基複合材を延す。その結果、ブランク材の中央の成形精度を高めることができる。
同時に、圧下状態を保持することで、ブランク材の中央を押えながら型の閉塞を実施し、次工程での品質向上を図る。
【0007】
第2成形工程では、アウタパンチ部を圧下し、押し込むことで、ブランク材の残部を閉塞した型内に延し(流動させ)、アルミニウム基複合材をニアネットシェイプに成形する。その結果、成形後に必要な機械加工の工程数が減少し、生産コストを低減させることができる。
また、閉塞した型内にアウタパンチ部を押し込むことで、閉塞した型内でアルミニウム基複合材を圧縮し、アルミニウム基複合材の外面に大きさが等しく、面に対して直角方向の圧縮力を作用させ、成形中の表面引張り応力を緩和させ、表面の割れ防止を図る。
さらに、閉塞した型内にアウタパンチ部を押し込むことで、閉塞した型内でアルミニウム基複合材を圧縮し、内部欠陥の除去、緻密化を図ることができ、アルミニウム基複合材の品質を向上させることができる。
【0008】
請求項2は、アルミニウム基複合材は、炉内の窒化マグネシウム雰囲気下で金属酸化物からなる多孔質な強化材を還元し、強化材の少なくとも一部に金属を露出させ、多孔質な強化材にアルミニウム合金の溶湯を浸透させて製造したものであることを特徴とする。
【0009】
金属酸化物を還元することにより、多孔質の表面を金属化して金属酸化物とアルミニウム合金溶湯との濡れ性をよくする。こうして得られたアルミニウム基複合材はアルミニウムと強化材の界面がケミカルコンタクトによって強固に結合され、成形性に優れたアルミニウム基複合材である。その結果、塑性加工がより容易となり、生産コストの削減が図れる。
【0010】
請求項3では、円盤状部品は、第1成形工程のインナパンチ部の圧下でクランクダンパープーリのハブを筒状に成形したもであることを特徴とする。
インナパンチ部の型面としてクランクダンパープーリのハブを成形する型面を用いる。アルミニウム基複合材を採用したクランクダンパープーリのハブをプレス型で容易に成形することができ、アルミニウム基複合材製のハブの生産性を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るアルミニウム基複合材製円盤状部品のプレス成形方法のフローチャートであり、STはステップを示す。
ST01:ダイ及び二重構造のパンチ(インナパンチ部、アウタパンチ部)、ストリッパを準備する。
ST02:ダイにアルミニウム基複合材のブランク材をセットする。
ST03:ストリッパで縁側を保持したブランク材の中央の形状をインナパンチ部で完成させる。
ST04:ブランク材の残部の形状をアウタパンチ部で残部を型の隅にまで流動させることで完成させる。
次に、ST01〜ST04を具体的に説明する。
【0012】
図2は本発明に係るアルミニウム基複合材の製造装置の概要構造図であり、アルミニウム基複合材製造装置1は、雰囲気炉2と、この雰囲気炉2に付属した加熱装置3と、雰囲気炉2に不活性ガスを供給するガス供給装置6と、雰囲気炉2内を減圧する真空ポンプ7とからなる。8及び9は坩堝(るつぼ)である。
詳しくは、加熱装置3は、例えば、制御装置11と、温度センサ12と、加熱コイル13とからなり、ガス供給装置6は、アルゴンガス(Ar)14のボンベ15と、窒素ガス(N2)16のボンベ17と、これらのボンベ15,17のガスを雰囲気炉2へ供給する管18と、この管18に設けた圧力ゲージ19,19とからなる。
【0013】
坩堝8は金属酸化物からなる多孔質な強化材であるところの多孔質アルミナ(Al2O3)21及びアルミニウム合金31を入れる容器であり、坩堝9はマグネシウム(Mg)32を入れる容器である。アルミニウム合金31は、例えば、Al−Mg−Si系合金の一種であるJIS−A6061(以下、A6061と略記する。)である。マグネシウム(Mg)32はマグネシウム合金でもよい。
【0014】
図3(a)〜(d)は本発明に係るアルミニウム基複合材の製造要領図であり、(a)〜(c)は浸透までの過程を模式的に示す。
(a):まず、金属酸化物であるアルミナ(Al2O3)21とともに、アルミニウム合金31及びマグネシウム(Mg)32を炉内に納める。具体的には、坩堝8にアルミナ21を入れ、アルミナ21にアルミニウム合金31を載せ、坩堝9にマグネシウム32を入れる。
【0015】
次に、雰囲気炉2内の酸素を除去するために雰囲気炉2内を真空ポンプ7で真空引きし、一定の真空度に達したら、真空ポンプ7を止め、ボンベ15から雰囲気炉2にアルゴンガス(Ar)14を矢印▲1▼の如く供給し、加熱コイル13で矢印▲2▼の如く多孔質アルミナ21、アルミニウム合金31及びマグネシウム32の加熱を開始する。
【0016】
雰囲気炉2内の温度を温度センサ12で検出しつつ昇温(自動)させる。所定温度(例えば、約750℃〜約900℃)に達する過程で、アルミニウム合金31は溶解する。同時に、マグネシウム(Mg)32は矢印▲3▼の如く蒸発する。その際、雰囲気炉2内はアルゴンガス(Ar)14の雰囲気下にあるので、アルミニウム合金31及びマグネシウム(Mg)32が酸化することはない。
【0017】
(b):次に、雰囲気炉2内を窒素ガス16で加圧し、窒化マグネシウム34の作用でアルミナ(Al2O3)21を還元し、アルミナ21の多孔質にアルミニウム合金31の溶湯を浸透させてアルミニウム基複合材35を製造する。具体的には、真空ポンプ7でアルゴンガス14を抜きながら窒素ガス16を流し込み、雰囲気炉2に窒素ガス(N2)16を矢印▲4▼の如く供給しつつ加圧(例えば、大気圧+約0.5kg/cm2)し、雰囲気炉2内の雰囲気を窒素ガス(N2)16に置換する。
【0018】
雰囲気炉2内が窒素ガス(N2)16の雰囲気になると、窒素ガス16は、マグネシウム(Mg)32と反応して窒化マグネシウム(Mg3N2)34を生成する。この窒化マグネシウム34はアルミナ(Al2O3)21を還元するので、アルミナ21は濡れ性がよくなる。その結果、アルミナ21の多孔質にアルミニウム合金31の溶湯が浸透する。アルミニウム合金31が凝固してアルミニウム基複合材35が完成する。浸透過程において、雰囲気炉2内を加圧雰囲気下にすると、浸透が早くなり、短時間でアルミニウム基複合材35を製造することができる。なお、雰囲気炉2内を真空ポンプ7で減圧し、減圧窒素雰囲気下でも短時間で浸透させることができる。
【0019】
(c):アルミニウム基複合材35は、金属酸化物であるアルミナ21にアルミニウム合金31が浸透したもので、成形性に優れ、塑性変形がしやすい複合材料である。
(d):最後に、アルミニウム基複合材35をNC(数値制御)旋盤36で所定の外径寸法に切削加工する。
【0020】
図4は本発明に係るアルミニウム基複合材のブランク材の製造要領図である。
外径を仕上げたアルミニウム基複合材35をカッタ41で所定の厚さtに切断し、アルミニウム基複合材35のブランク材42を形成する。
【0021】
図5は本発明に係るプレス型の準備工程、及びセット工程の説明図である。
予めプレス型50を準備する。プレス型50は、上方のパンチ51と、このパンチ51を囲う円筒状のストリッパ52と、パンチ51に対向させたダイ53と、からなる金型である。
【0022】
パンチ51は、中央に設けた円柱状のインナパンチ部54と、このインナパンチ部54を囲う円筒状のアウタパンチ部55と、からなる二重構造のパンチである。
また、インナパンチ部54の先端に型面56を形成し、アウタパンチ部55の先端に型面57を形成した。
【0023】
ストリッパ52は型面58を有し、ダイ53は型面59と突出しロッド61とを有する。
このようなプレス型50を準備し、ダイ53の型面59の中心に位置決め治具を介してブランク材42をセットする。
【0024】
図6(a)〜(c)は本発明に係る第1成形工程、及び第2成形工程の説明図であり、(a)、(b)は第1成形工程、(c)は第2成形工程を示す。
(a):まず、ストリッパ52のみを下降させる。ストリッパ52の型面58でブランク材42の縁側を保持することで、ブランク材42の移動を防止するとともに、型の閉塞を開始することができる。
【0025】
(b):その次に、中央のインナパンチ部54の圧下を開始する。インナパンチ部54を所定の成形条件(ストローク量、速度、圧力等)で制御し、ブランク材42の中央を型面56で押し込んで成形する。成形後、インナパンチ部54を静止させて、ブランク材42を押える。
【0026】
第1成形工程では、インナパンチ部54の圧下でブランク材42の中央を押し込むので、ブランク材42の中心から均等にブランク材42の体積を配分することができ、成形精度の向上を図ることができる。
また、インナパンチ部54でブランク材42の中央のみを圧縮するので、アルミニウム基複合材35が延びやすく(流動しやすく)、成形が容易である。
さらに、インナパンチ部54の型面56で狭い範囲を圧縮するので、面圧が大きくなり、図3のアルミニウム基複合材35からなるブランク材42の塑性加工はより容易になる。
【0027】
(c):続けて、アウタパンチ部55の圧下を開始する。アウタパンチ部55を所定の成形条件(ストローク量、速度、圧力等)で制御し、ブランク材42の残部を成形して円盤状部品62を得る。
【0028】
第2成形工程では、ダイ53の型面59、ストリッパ52の型面58、インナパンチ部54の型面56で閉塞した型内にアウタパンチ部55を圧下し、型面57を押し込むので、図3のアルミニウム基複合材35からなるブランク材42は型の隅にまで延びる(流動する)とともに、アルミニウム基複合材35の外面に大きさが等しく、面に対して直角方向の圧縮力が作用し、成形中の表面引張り応力を緩和させることができ、表面の割れ防止を図ることができる。従って、品質を高めることができる。
【0029】
また、ストリッパ52、ダイ53、インナパンチ部54で閉塞した型内にアウタパンチ部55を圧下し、型面57を押し込むので、図3のアルミニウム基複合材35からなるブランク材42は型の隅にまで延び(流動し)、完成形状に近い形状(ニアネットシェイプ)に成形することができる。その結果、切削や研削などの機械加工の工程数を減らすことができ、生産コストを削減することができる。同時に、ニアネットシェイプによって、材料の歩留りを向上させることができ、機械加工の際の取り代を大幅に少なくすることができ、生産コストを削減することができる。
【0030】
さらに、ストリッパ52、ダイ53、インナパンチ部54で閉塞した型内にアウタパンチ部55を圧下し、型面57を押し込むので、図3のアルミニウム基複合材35からなるブランク材42は型の隅にまで延び(流動し)、アルミニウム基複合材35の内部欠陥の除去、緻密化を図ることができ、品質を高めることができるとともに、検査工程を省き、生産コストを削減することができる。
【0031】
成形完了後、まず、パンチ51を上昇させ、その次にストリッパ52を上昇させ、最後に突出しロッド61を突出して型面59から円盤状部品62を離型する。円盤状部品62をプレス型50から取り出してアルミニウム基複合材製円盤状部品のプレス成形が完了する。
【0032】
図7(a),(b)は本発明に係るアルミニウム基複合材製円盤状部品の加工説明図であり、断面を示す。
(a)において、円盤状部品62は、プーリの部品であり、プーリを軸に取付けるためのハブ63と、このハブ63に取付けたディスク64とからなり、ハブ63は完成形状に仕上がっていないものである。
【0033】
(b)において、ハブ63に軸穴65を開け、この軸穴65にキー溝66を形成し、プーリ部品67が完成する。完成したプーリ部品67をまとめて次工程のプーリ組立に搬送する。なお、軸穴65をプレス成形で打ち抜かずに、後工程で加工すると、軸穴の直径(呼び径)をある範囲内で変更することができ、同一の型で数種類の軸穴の直径に対応することができ、プレス型の生産コストを低減することができる。
【0034】
図8は本発明に係る円盤状部品を用いたクランクダンパープーリの斜視図であり、クランクダンパープーリ70は、プーリ部品67(円盤状部品)に緩衝部材71を取付け、この緩衝部材71に溝部材72を嵌合したプーリである。すなわち、上記図6の第1成形工程で使用するインナパンチ部の型面の一例として、クランクダンパープーリ70のハブ63を成形する型面を用いた。
【0035】
アルミニウム基複合材を採用したクランクダンパープーリ70のハブ63をプレス型で容易に成形することができ、ハブ63の生産コストを削減することができる。
【0036】
尚、本発明の実施の形態に示した図5のパンチ51は二重構造に限定するものではなく、三重構造又はそれ以上の多重構造であってもよい。
また、パンチ51、ストリッパ52及びダイ53の型面の形状は一例であって、型の形状は任意である。
図3(b)の窒化マグネシウム(Mg3N2)34の生成方法では、マグネシウム(Mg)を坩堝9に入れたが、これに限定するものではない。例えば、予め多孔質成形体にマグネシウムを含有させておいて、窒化マグネシウムを生成させるようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、ダイにアルミニウム基複合材のブランク材を載せるセット工程後、ブランク材にストリッパを下降させて、ストリッパの型面でブランク材の縁側を保持することで、ブランク材の移動を防止するとともに、型を閉塞し、保持したブランク材の中央にインナパンチ部を圧下し、圧下状態を保持するとともに、中央の形状を完成させる第1成形工程では、ストリッパの型面でブランク材の縁側を保持することで、ブランク材の移動を防止するとともに、型の閉塞を開始することができる。
第1成形工程では、その次に、ブランク材の中央にインナパンチ部を圧下することで、中央の形状を成形するとともに、ブランク材の中心から均等にブランク材の体積を延す(流動させる)ことができる。従って、成形精度の向上を図ることができる。
また、中央の成形完了と同時に、インナパンチ部を静止させ、ブランク材の中央を保持するとともに、型の閉塞を実施することで、アルミニウム基複合材製円盤状部品の成形精度の向上を図ることができる。
【0038】
第2成形工程では、ブランク材の残部にアウタパンチ部を圧下することで、第1成形工程のストリッパによって閉塞した型内にアウタパンチ部を押し込み、閉塞した型内にアルミニウム基複合材の残部を延し(流動させ)、圧縮し、ニアネットシェイプに成形することができる。その結果、機械加工の工程数が減少し、生産コストを削減することができる。同時に、ニアネットシェイプによって、機械加工の取り代が小さくなり、機械加工の加工時間を短縮することができ、生産コストを削減することができる。
【0039】
また、アウタパンチ部を圧下することで、閉塞した型内にアルミニウム基複合材を延し(流動させ)、圧縮し、アルミニウム基複合材の外面に大きさが等しく、面に対して直角方向の圧縮力を作用させて、成形中の表面引張り応力を緩和ることができ、表面の割れ防止を図ることができる。従って、品質を高めることができる。
【0040】
さらに、アウタパンチ部を圧下することで、閉塞した型内にアルミニウム基複合材を延し(流動させ)、圧縮し、内部欠陥の除去、緻密化を図ることができ、品質を高めることができる。
【0041】
請求項2では、炉内の窒化マグネシウム雰囲気下で金属酸化物を還元し、多孔質の一部に金属を露出させ、濡れ性をよくし、多孔質にアルミニウム合金の溶湯を浸透させてアルミニウム基複合材を製造したので、アルミニウム基複合材はアルミニウムと強化材の界面がケミカルコンタクトによって強固に結合され、成形性に優れたアルミニウム基複合材である。その結果、塑性加工が容易となり、生産コストを削減することができる。
【0042】
請求項3では、第1成形工程のインナパンチ部の圧下でクランクダンパープーリのハブを筒状に成形したので、アルミニウム基複合材を用いたクランクダンパープーリのハブをプレス型で連続して造ることができ、ハブの生産性を向上させることができる。従って、アルミニウム基複合材製のハブの生産コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアルミニウム基複合材製円盤状部品のプレス成形方法のフローチャート
【図2】本発明に係るアルミニウム基複合材の製造装置の概要構造図
【図3】本発明に係るアルミニウム基複合材の製造要領図
【図4】本発明に係るアルミニウム基複合材のブランク材の製造要領図
【図5】本発明に係るプレス型の準備工程、及びセット工程の説明図
【図6】本発明に係る第1成形工程、及び第2成形工程の説明図
【図7】本発明に係るアルミニウム基複合材製円盤状部品の加工説明図
【図8】本発明に係る円盤状部品を用いたクランクダンパープーリの斜視図
【符号の説明】
1…アルミニウム基複合材製造装置、2…炉(雰囲気炉)、21…強化材(アルミナ)、31…アルミニウム合金、32…マグネシウム、34…窒化マグネシウム、35…アルミニウム基複合材、42…ブランク材、50…プレス型、51…パンチ、53…ダイ、54…インナパンチ部、55…アウタパンチ部、62…円盤状部品、63…ハブ、70…クランクダンパープーリ。
Claims (3)
- 円柱状のインナパンチ部及びこのインナパンチ部を囲う円筒状のアウタパンチ部からなる二重構造のパンチと、該パンチを囲う円筒状のストリッパとを準備するとともに、ダイを準備するプレス型の準備工程と、
準備したダイにアルミニウム基複合材のブランク材を載せるセット工程と、
前記ブランク材に前記ストリッパを下降させて、ストリッパの型面でブランク材の縁側を保持することで、ブランク材の移動を防止するとともに、型を閉塞し、保持したブランク材の中央に前記インナパンチ部を圧下し、圧下状態を保持するとともに、中央の形状を完成させる第1成形工程と、
前記中央及び縁側を保持したブランク材の残部に前記アウタパンチ部を圧下し、ブランク材の残部を閉塞した型の隅にまで流動させることで残部の形状を完成させる第2成形工程と、
からなることを特徴とするアルミニウム基複合材製円盤状部品のプレス成形方法。 - 前記アルミニウム基複合材は、炉内の窒化マグネシウム雰囲気下で金属酸化物からなる多孔質な強化材を還元し、強化材の少なくとも一部に金属を露出させ、多孔質な強化材にアルミニウム合金の溶湯を浸透させて製造したものであることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム基複合材製円盤状部品のプレス成形方法。
- 前記円盤状部品は、前記第1成形工程のインナパンチ部の圧下でクランクダンパープーリのハブを筒状に成形したもであることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム基複合材製円盤状部品のプレス成形方法。
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