JP2001316740A - プーリの製造方法及びプーリ構造 - Google Patents

プーリの製造方法及びプーリ構造

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JP2001316740A
JP2001316740A JP2000137689A JP2000137689A JP2001316740A JP 2001316740 A JP2001316740 A JP 2001316740A JP 2000137689 A JP2000137689 A JP 2000137689A JP 2000137689 A JP2000137689 A JP 2000137689A JP 2001316740 A JP2001316740 A JP 2001316740A
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hub
pulley
extrusion
aluminum
aluminum alloy
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Yasuhiro Nakao
靖宏 中尾
Hiroto Shoji
広人 庄子
Aritoshi Sugaya
有利 菅谷
Takashi Kato
崇 加藤
Takaharu Echigo
隆治 越後
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 アルミナ21、アルミニウム合金31及
び、マグネシウム32を炉内に納め、窒化マグネシウム
34でアルミナを還元し、アルミナにアルミニウム合金
の溶湯を浸透させてアルミニウム基複合材ビレット35
を製造する工程と、ビレットを押出しプレスで筒に成形
する押出し工程と、筒を切断してハブを形成する筒切断
工程と、ハブを鋳造金型のプーリハブの位置にセット
し、この鋳造型にアルミニウム合金の溶湯を注湯し、ハ
ブを鋳包む鋳造工程と、からなる。 【効果】 本発明のアルミニウム基複合材は塑性加工が
容易であり、高押出比による変形によって、内部欠陥の
除去、緻密化を図り、品質を高めることができる。アル
ミニウム基複合材を用いたハブの製造が容易であり、こ
のハブを採用したプーリの生産コストを削減することが
できる。ボルトの締付け力を受けるハブの高強度化、軽
量化を図るこができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム基複合
材を用いたプーリの製造方法及びプーリ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム基複合材を用いて塑性加工
で所望の形状を造る製造方法には、例えば、特開昭59
−206154号公報「シリンダーの製造法」に示され
たものがある。このシリンダーの製造法は、同公報の第
2頁左下欄第8行〜第17行に示される通りである。こ
れらを要約したものを次に示す。 (a)アルミニウムの溶湯中にSiCのチップを攪拌分
散させ、凝固させる。 (b)凝固したものを約250℃に加熱した状態で引抜
き加工してパイプを作成する。 (c)パイプを切断してスリーブ状にしたものをダイキ
ャスト用の金型に嵌合した後、アルミニウム合金(AD
C12)で鋳ぐるんでシリンダーを製造する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のスリーブ状にし
たものは、アルミニウムの溶湯中にSiCのチップを複
合した複合材であり、塑性変形の抵抗が大きく、且つ、
アルミニウムとSiCの界面は機械的な結合状態にある
だけであり、そのため、伸びが小さく、一般的な複合材
と同様、加工性が悪い。その結果、引抜き加工してパイ
プを作成する方法では、成形し難く、パイプの高品質化
及び生産の効率化は難しい。また、このようにしてスリ
ーブ状にしたもの(筒)を部品として用いると、その製
品の生産コストが嵩む。
【0004】そこで、本発明の目的は、生産効率がよ
く、高品質で、生産コストを削減することができるプー
リの製造方法及びプーリ構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、炉内の窒化マグネシウム雰囲気下で金属
酸化物からなる多孔質な強化材を還元し、強化材の少な
くとも一部に金属を露出させ、多孔質にアルミニウム合
金の溶湯を浸透させてアルミニウム基複合材ビレットを
製造するビレット加工工程と、ビレットを押出しプレス
で筒に成形する押出し工程と、筒を所定長さに切断加工
してハブを形成する筒切断工程と、ハブを鋳造金型のプ
ーリハブの位置にセットし、この鋳造型にアルミニウム
合金の溶湯を注湯し、ハブを鋳包む鋳造工程と、からな
る。
【0006】金属酸化物を還元することにより、多孔質
の表面を金属化して金属酸化物とアルミニウム合金溶湯
との濡れ性をよくする。こうして得られたアルミニウム
基複合材はアルミニウムと強化材の界面がケミカルコン
タクトによって強固に結合され、成形性に優れたアルミ
ニウム基複合材であり、後工程での、押出しが容易とな
り、押出比を高めることができ、高押出比による変形を
加えることができる。この結果、内部欠陥の除去、緻密
化を図ることができ、品質を高めることができる。押出
し工程では、成形性に優れたアルミニウム基複合材を用
いるので、筒の生産効率が向上し、プーリの生産コスト
削減に繋がる。
【0007】請求項2は、押出し前のビレットの断面積
を押出し後の筒の断面積で割った値を押出比とするとき
に、押出し工程での押出比を10〜40に設定すること
を特徴とする。
【0008】押出比が10未満であれば、得られた筒に
十分な引張り強さ及び耐力を付与することができない。
押出比が大きいと、1回の押出しで比較的多くの製品を
成形できるから、生産性がよくなり、押出比は大きい方
が望ましい。しかし、押出比が40を超えると、押出し
力が大きくなり、設備が大規模なものとなり、設備費が
嵩む。その結果、アルミニウム基複合材の機械的性質の
観点から下限を10とし、設備能力(押出しプレス出
力)の観点から上限を40とする。
【0009】請求項3は、ベルトを掛ける溝部と、この
溝部を保持するディスクと、このディスクの中心に形成
したハブとを備えたプーリ構造おいて、ディスクが、ア
ルミニウム合金であり、ハブが、金属酸化物からなる多
孔質にアルミニウム合金の溶湯を浸透させたアルミニウ
ム基複合材であることを特徴とする。プーリのハブをア
ルミニウム基複合材で形成し、ハブの強度を高めるとと
もに、軽量化を図る。また、ディスクにアルミニウム合
金を用い、軽量化を図る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係るプーリの製造方法のフ
ローチャートであり、STはステップを示す。 ST01:アルミニウム基複合材でビレットを製造す
る。 ST02:ビレットを押出しプレスで筒に成形する。 ST03:筒を切断し、ハブを形成する。 ST04:ハブを鋳造金型にセットし、アルミニウム合
金で鋳包む。 次に、ST01〜ST04を具体的に説明する。
【0011】図2は本発明に係るアルミニウム基複合材
の製造装置の概要構造図であり、アルミニウム基複合材
製造装置1は、雰囲気炉2と、この雰囲気炉2に付属し
た加熱装置3と、雰囲気炉2に不活性ガスを供給するガ
ス供給装置6と、雰囲気炉2内を減圧する真空ポンプ7
とからなる。8及び9は坩堝(るつぼ)である。詳しく
は、加熱装置3は、例えば、制御装置11と、温度セン
サ12と、加熱コイル13とからなり、ガス供給装置6
は、アルゴンガス(Ar)14のボンベ15と、窒素ガ
ス(N2)16のボンベ17と、これらのボンベ15,
17のガスを雰囲気炉2へ供給する管18と、この管1
8に設けた圧力ゲージ19,19とからなる。
【0012】坩堝8は金属酸化物からなる多孔質な強化
材であるところの多孔質アルミナ(Al23)21及び
アルミニウム合金31を入れる容器であり、坩堝9はマ
グネシウム(Mg)32を入れる容器である。アルミニ
ウム合金31は、例えば、Al−Mg−Si系合金の一
種であるJIS−A6061(以下、A6061と略記
する。)である。マグネシウム(Mg)32はマグネシ
ウム合金でもよい。
【0013】図3(a)〜(d)は本発明に係るアルミ
ニウム基複合材ビレットの製造要領図であり、(a)〜
(c)は浸透までの過程を模式的に示す。 (a):まず、金属酸化物であるアルミナ(Al23
21とともに、アルミニウム合金31及びマグネシウム
(Mg)32を炉内に納める。具体的には、坩堝8にア
ルミナ21を入れ、アルミナ21にアルミニウム合金3
1を載せ、坩堝9にマグネシウム32を入れる。
【0014】次に、雰囲気炉2内の酸素を除去するため
に雰囲気炉2内を真空ポンプ7で真空引きし、一定の真
空度に達したら、真空ポンプ7を止め、ボンベ15から
雰囲気炉2にアルゴンガス(Ar)14を矢印の如く
供給し、加熱コイル13で矢印の如く多孔質アルミナ
21、アルミニウム合金31及びマグネシウム32の加
熱を開始する。
【0015】雰囲気炉2内の温度を温度センサ12で検
出しつつ昇温(自動)させる。所定温度(例えば、約7
50℃〜約900℃)に達する過程で、アルミニウム合
金31は溶解する。同時に、マグネシウム(Mg)32
は矢印の如く蒸発する。その際、雰囲気炉2内はアル
ゴンガス(Ar)14の雰囲気下にあるので、アルミニ
ウム合金31及びマグネシウム(Mg)32が酸化する
ことはない。
【0016】(b):次に、雰囲気炉2内を窒素ガス1
6で加圧し、窒化マグネシウム34の作用でアルミナ
(Al23)21を還元し、アルミナ21の多孔質にア
ルミニウム合金31の溶湯を浸透させてアルミニウム基
複合材ビレット35を製造する。具体的には、真空ポン
プ7でアルゴンガス14を抜きながら窒素ガス16を流
し込み、雰囲気炉2に窒素ガス(N2)16を矢印の
如く供給しつつ加圧(例えば、大気圧+約0.5kg/
cm2)し、雰囲気炉2内の雰囲気を窒素ガス(N2)1
6に置換する。
【0017】雰囲気炉2内が窒素ガス(N2)16の雰
囲気になると、窒素ガス16は、マグネシウム(Mg)
32と反応して窒化マグネシウム(Mg32)34を生
成する。この窒化マグネシウム34はアルミナ(Al2
3)21を還元するので、アルミナ21は濡れ性がよ
くなる。その結果、アルミナ21の多孔質にアルミニウ
ム合金31の溶湯が浸透する。アルミニウム合金31が
凝固してアルミニウム基複合材ビレット35が完成す
る。浸透過程において、雰囲気炉2内を加圧雰囲気下に
すると、浸透が早くなり、短時間でアルミニウム基複合
材ビレット35を製造することができる。なお、雰囲気
炉2内を真空ポンプ7で減圧し、減圧窒素雰囲気下でも
短時間で浸透させることができる。
【0018】(c):アルミニウム基複合材ビレット3
5(以下「ビレット35」と略記する。)は、金属酸化
物であるアルミナ21にアルミニウム合金31が浸透し
たもので、成形性に優れ、塑性変形がしやすい複合材料
である。 (d):最後に、ビレット35をNC(数値制御)旋盤
36で所定の外径寸法に切削加工する。寸法は次工程の
押出しプレスに合せる。
【0019】図4は本発明に係る押出し工程の説明図で
あり、アルミニウム基複合材のビレット35を押出しプ
レス40のコンテナ41に挿入し、ラム42で押出すこ
とにより、ダイス43とマンドレル44の間を通して、
筒45に成形する。押出し前のビレット35の断面積を
A0とし、押出し後の筒45の断面積をA1とする。
【0020】ビレット35は、アルミニウムと強化材の
界面がケミカルコンタクトによって強固に結合された複
合材なので、成形性がよく、その結果、筒45の押出し
は容易である。また、高押出比による変形を加えること
で、内部欠陥の除去、緻密化を図ることができ、品質を
高めることができる。
【0021】ここで、押出比Rは、R=A0/A1と定
義する。すなわち、押出比Rは、押出し前のビレット3
5の断面積A0を押出し後の筒45の断面積A1で割っ
た値である。
【0022】図5は本発明に係る押出比と引張り強さ・
耐力の関係を示したグラフであり、横軸を押出比Rと
し、縦軸を引張り強さσB及び耐力σ0.2としたものであ
る。なお、σ0.2は0.2%耐力の略号である。押出比
Rが10未満では、引張り強さσBは押出比Rに比例す
る。従って、押出比Rによって引張り強さσBを大きく
することができる。同様に、耐力σ0.2も大きくするこ
とができる。押出比Rが10以上では、押出比Rの増加
に対して引張り強さσBの増加は極めて僅かであり、ほ
ぼ一定となる。同様に、耐力σ0.2もほぼ一定となる。
押出比が大きいと、生産性がよくなるから、押出比は大
きい方が望ましい。しかし、押出比が40を超えると、
押出し力が大きくなり、大型の設備が新たに必要とな
る。その結果、アルミニウム基複合材の機械的性質の観
点から下限を10とし、設備能力(押出しプレス出力)
の観点から上限を40とする。
【0023】図6は本発明に係る筒切断工程の説明図で
ある。押出し後の筒45を所定長さL1に切断し、アル
ミニウム基複合材のハブ46・・・(・・・は複数を示す。以
下同様。)を形成する。長さL1は定寸であり、ハブ4
6のハブ面47,47をカッタ48で切断すると同時に
仕上げる。筒45を切断することで、連続的にハブ46
を得ることができ、生産コストを削減することができ
る。完成したハブ46・・・を下流の鋳造工程へ流す。
【0024】図7は本発明に係る鋳造工程(前半)の説
明図であり、鋳造の一例を示す。鋳造金型50は、下型
51と上型52とからダイキャスト用の金型である。下
型51のプーリハブの位置にハブ46を矢印の如く仮
想線に示すようにセットする。そして、下型51に上型
52を矢印の如く密着させる。53は湯口である。な
お、位置決めピンや押し湯など鋳造金型に必要なものの
構成は任意であり、具体的な説明は省略する。
【0025】図8(a)〜(c)は本発明に係る鋳造工
程(後半)の説明図である。 (a):下型51と上型52とを密着させることで、鋳
造型であるところのキャビティ54を形成する。 (b):続けて、キャビティ54にアルミニウム合金5
5の溶湯を湯口53から充填する。
【0026】(c):アルミニウム合金55の溶湯が凝
固した後、白抜き矢印の如く型開きを行い、鋳物56を
取り出す。鋳物56の湯道57等を切断し、跡の手入れ
を行い、ハブ46に取付けたディスク61が仕上がる。 このように、ディスク61を鋳造する際の1工程で同時
にハブ46にディスク61を取付けることができ、生産
コストを削減することができる。
【0027】図9は本発明に係る鋳造工程後のハブ及び
ディスクの斜視図であり、断面を示す。ハブ46の軸穴
62にキー溝63を切削加工で形成する。最後に、ディ
スク61の外面64に緩衝部材を介してベルトを掛ける
溝部を取付け、プーリが完成する。
【0028】図10は本発明に係るプーリの斜視図であ
り、プーリ70は、クランクダンパープーリ(以下「ク
ランクダンパープーリ70」とする。)であり、中央に
ハブ71を設け、このハブ71にディスク72を連続的
に形成し、ディスク72に緩衝部材73を取付け、この
緩衝部材73の外方に溝部74を嵌合したものである。
【0029】ハブ71は、中央に直径Dの軸穴75を形
成し、軸穴75にキー溝76を設け、両端にハブ面7
7,77を形成したものである。ハブ71の材質はアル
ミニウム基複合材であり、図3に示す製造方法で製造す
る。ディスク72の材質はアルミニウム合金である。ハ
ブ面77は、軸に取付けるボルトの力(荷重)を受ける
面、すなわち、座面である。
【0030】上記に述べたプーリ構造の作用を次に説明
する。図11は本発明に係るプーリ構造の作用図であ
る。クランクダンパープーリ70をクランクシャフト7
8の副出力側79に他のプーリ81(タイミングベルト
ドライブプーリ82、バランサベルトプーリ83)を介
してプーリボルト84で取付ける。85はワッシャであ
る。
【0031】プーリボルト84を所定の締付けトルクT
(Kgf・m)で締めると、プーリボルト84の軸力F
1(Kgf)によってハブ71のハブ面(座面)77,
77に大きな面圧P(Kg/cm2)が発生する。ハブ
71にアルミニウム基複合材を用いたので、ディスク7
2のアルミニウム合金に較べハブ71の機械的強度は高
く、プーリボルト84を所定の締付けトルクTで締めて
も、ハブ71のハブ面(座面)77,77が塑性変形す
ることはない。その結果、クランクシャフト78にクラ
ンクダンパープーリ70を確実に取付けることができ
る。従って、プーリの品質を高めることができる。
【0032】また、ハブ71の材質はアルミニウム基複
合材なので、比重が小さく、軽量化を図ることができ
る。同様に、ディスク72並びに溝部74の材質もアル
ミニウム合金なので、比重が小さく、軽量化を図ること
ができる。従って、クランクダンパープーリ70の慣性
モーメント(GD2)は極めて小さく、振動を低減する
ことげできる。
【0033】尚、本発明の実施の形態に示した図3
(b)の窒化マグネシウム(Mg32)34の生成で
は、マグネシウム(Mg)を坩堝に入れたけれども、こ
れは一例であって、これに限定するものではない。例え
ば、予め多孔質成形体にマグネシウムを含有させておい
て、窒化マグネシウムを生成させるようにしてもよい。
【0034】図9のハブ46にキー溝63を切削加工で
形成したが、前工程(図4)の押出し工程でダイス4
3、マンドレル44を交換し、筒の成形と同時にキー溝
63を造ることも可能である。また、図9のディスク6
1は板であるが、板を複数のスポークに替えることも可
能である。ハブ46をクランクダンパープーリに用いた
が、クランクダンパープーリのみに限定するものではな
い。
【0035】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1では、窒化マグネシウムの作用で金属酸
化物を還元する。金属酸化物であるアルミナ(Al
23)を還元して金属化すると、濡れがよくなり、アル
ミニウム合金と結合することができる。金属酸化物の多
孔質にアルミニウム合金の溶湯を浸透させる。アルミニ
ウム合金は還元された金属酸化物の多孔質に容易に浸透
するとともに、金属酸化物と化学的に強固に結合する。
その結果、塑性変形がしやすく、成形性に優れたアルミ
ニウム基複合材を得ることができ、後工程での、押出し
が容易となる。従って、生産効率の向上を図ることがで
きる。
【0036】押出し工程では、成形性に優れたアルミニ
ウム基複合材を用いるので、筒の成形が容易である。そ
の結果、筒の生産効率を向上させることができ、この筒
を用いたプーリの生産コストを削減することができる。
また、高押出比による変形を加えることで、内部欠陥の
除去、緻密化を図ることができ、品質を高めることがで
きる。
【0037】請求項2では、押出し工程の押出比を10
〜40に設定する。押出比が10以上になると、アルミ
ニウム基複合材の引張り強さ及び耐力はほぼ一定とな
る。押出比が大きいと、生産性がよくなるから、押出比
は大きい方が望ましい。しかし、押出比が40を超える
と、押出し力が大きくなり、大型の設備が新たに必要と
なる。その結果、押出比を10〜40に設定すること
で、アルミニウム基複合材の引張り強さ及び耐力を大き
くすることができ、且つ、既存の設備を用いて生産コス
トの削減を図ることができる。また、本アルミニウム基
複合材は成形性がよいから、押出比を40に上げて成形
することができ、生産性の向上を図ることができる。
【0038】請求項3では、プーリのハブに、金属酸化
物からなる多孔質にアルミニウム合金の溶湯を浸透させ
たアルミニウム基複合材を用いたので、ハブの強度は高
まり、ハブに通した取付けボルトに所望の締付け力を付
与することができる。その結果、ハブの座面に所望の面
圧を作用させることができ、プーリの品質を高めること
ができる。また、ハブにアルミニウム基複合材を用い、
プーリのディスクにアルミニウム合金を用いたので、プ
ーリの軽量化を図ることができる。その結果、プーリの
慣性モーメント(GD2)は極めて小さくなり、振動を
低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプーリの製造方法のフローチャー
【図2】本発明に係るアルミニウム基複合材の製造装置
の概要構造図
【図3】本発明に係るアルミニウム基複合材ビレットの
製造要領図
【図4】本発明に係る押出し工程の説明図
【図5】本発明に係る押出比と引張り強さ・耐力の関係
を示したグラフ
【図6】本発明に係る筒切断工程の説明図
【図7】本発明に係る鋳造工程(前半)の説明図
【図8】本発明に係る鋳造工程(後半)の説明図
【図9】本発明に係る鋳造工程後のハブ及びディスクの
斜視図
【図10】本発明に係るプーリの斜視図
【図11】本発明に係るプーリ構造の作用図
【符号の説明】
1…アルミニウム基複合材製造装置、2…炉(雰囲気
炉)、21…強化材(アルミナ)、31…アルミニウム
合金、32…マグネシウム、34…窒化マグネシウム、
35…アルミニウム基複合材ビレット、40…押出しプ
レス、45…筒、46…ハブ、54…鋳造型(キャビテ
ィ)、55…鋳造のアルミニウム合金、70…プーリ
(クランクダンパープーリ)、71…ハブ、72…ディ
スク、74…溝部、A0…押出し前のビレットの断面
積、A1…押出し後の筒の断面積、L1…所定の長さ、
R…押出比。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23P 15/00 B23P 15/00 C C22C 21/00 C22C 21/00 E F16H 55/36 F16H 55/36 Z (72)発明者 菅谷 有利 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 加藤 崇 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 越後 隆治 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3J031 BC02 BC10 CA03 4K018 AA15 DA14 FA32 HA04 JA16 JA32 KA01 4K020 AC01 BB05 BB32 BC03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内の窒化マグネシウム雰囲気下で金属
    酸化物からなる多孔質な強化材を還元し、強化材の少な
    くとも一部に金属を露出させ、多孔質にアルミニウム合
    金の溶湯を浸透させてアルミニウム基複合材ビレットを
    製造するビレット加工工程と、 前記ビレットを押出しプレスで筒に成形する押出し工程
    と、 前記筒を所定長さに切断加工してハブを形成する筒切断
    工程と、 前記ハブを鋳造金型のプーリハブの位置にセットし、こ
    の鋳造型にアルミニウム合金の溶湯を注湯し、ハブを鋳
    包む鋳造工程と、からなることを特徴とするプーリの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 押出し前のビレットの断面積を押出し後
    の筒の断面積で割った値を押出比とするときに、前記押
    出し工程での押出比を10〜40に設定することを特徴
    とする請求項1記載のプーリの製造方法。
  3. 【請求項3】 ベルトを掛ける溝部と、この溝部を保持
    するディスクと、このディスクの中心に形成したハブと
    を備えたプーリ構造おいて、 前記ディスクは、アルミニウム合金であり、 前記ハブは、金属酸化物からなる多孔質にアルミニウム
    合金の溶湯を浸透させたアルミニウム基複合材であるこ
    とを特徴とするプーリ構造。
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