JP2000274462A - バックプレート及びその製造方法 - Google Patents

バックプレート及びその製造方法

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JP2000274462A
JP2000274462A JP11079405A JP7940599A JP2000274462A JP 2000274462 A JP2000274462 A JP 2000274462A JP 11079405 A JP11079405 A JP 11079405A JP 7940599 A JP7940599 A JP 7940599A JP 2000274462 A JP2000274462 A JP 2000274462A
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aluminum
aluminum alloy
extrusion
billet
back plate
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JP11079405A
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Yasuhiro Nakao
靖宏 中尾
Hiroto Shoji
広人 庄子
Aritoshi Sugaya
有利 菅谷
Takashi Kato
崇 加藤
Takaharu Echigo
隆治 越後
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ディスクブレーキの構成部品の一つであ
るバックプレートにおいて、平板状のアルミニウム基複
合材の両面にアルミニウム合金を貼り合わせたクラッド
材58で構成したバックプレート。アルミニウム基複合
材ビレット45を製造する工程と、押出しプレス50の
ダイス53側にアルミニウム合金ビレット52を納め、
後方にアルミニウム基複合材ビレット45を置き、平板
状のクラッド材58に成形する押出し工程と、押出し後
のクラッド材58からバックプレートを打ち抜く打ち抜
き工程と、バックプレートの両面に平面度を付与する平
面加工工程と、からなるバックプレートの製造方法。 【効果】 成形性のよいアルミニウム合金がダイスに接
触するので、複合材の成形が容易である。アルミニウム
合金を貼り付けたので、両面の加工性がよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディスクブレーキの
構成部品の一つであるバックプレート及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ディスクブレーキは、タイヤに平行した
ディスク(円盤)を左右からパッドではさんで、摩擦で
回転を停止させるブレーキであり、パッドやパッドを作
動させるピストンをキャリパーに収納したものである。
パッドは摩擦材(繊維、充填材、摩擦調整材及び結合材
を攪拌し、熱成形し、研磨したもの)をバックプレート
(裏金)に接着した摩擦板である。バックプレートに
は、パッドからの熱や圧縮力がかかるから、強度が高
く、且つ軽量であることが求められる。最近は、軽量化
を目的に自動車や自動二輪車にアルミニウムを使うこと
が多く、アルミニウムを母材(マトリックス相)とする
金属基複合材料(FRM(繊維強化金属基複合材料)、
MMC(メタルマトリックスコンポジット))の使用量
も多くなりつつある。複合材を「バックプレート」に利
用することも考えられる。
【0003】アルミニウム基複合材をエンジンに利用し
た技術には、例えば、特開昭59−206154号公報
「シリンダーの製造法」に示されたものがある。このシ
リンダーの製造法は、同公報の第2頁左下欄第8行〜第
17行に示される通りである。これらを要約したものを
次に示す。 (a)アルミニウムの溶湯中にSiCのチップを攪拌分
散させ、凝固させる。 (b)凝固したものを約250℃に加熱した状態で引抜
き加工してパイプを作成する。 (c)パイプを切断してスリーブ状にしたものをダイキ
ャスト用の金型に嵌合した後、アルミニウム合金(JI
S−ADC12)で鋳ぐるんでシリンダーを製造する。
また、パイプの作成は、引抜き加工だけではなく、同公
報の第2頁右上欄第8行〜第10行に示される通り、押
出し加工で行ってもよい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の技術で「バ
ックプレート」を製造することは考えられる。しかし、
上記公報の複合材はアルミニウムの溶湯中にSiCのチ
ップを複合したもので、塑性変形の抵抗が大きく、押出
しで複合材を管や板に加工するのは容易ではない。ま
た、複合材は、アルミニウムとSiCの界面が機械的な
結合状態にあるだけであり、そのため、伸びが小さく、
一般的な複合材と同様、成形の加工性が悪い。その結
果、押出しなどの成形で形状を造る製造方法では、成形
し難く、生産の効率化は難しい。一方、複合材を切削し
て形状を作る製造方法では、複合材は硬いセラミックス
(SiC)を混合しているため、切削や研削など機械加
工の加工性が悪く、生産コストが嵩む。
【0005】そこで、本発明の目的は、成形が容易で、
低コストなバックプレート及びその製造方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、ディスクブレーキの構成部品の一つであ
るバックプレートにおいて、このバックプレートを、平
板状のアルミニウム基複合材の両面にアルミニウム合金
を貼り合わせたクラッド材で構成したことを特徴とす
る。アルミニウム基複合材の両面にアルミニウム合金を
貼り合わせると、平面度を確保する際、加工性のよいア
ルミニウム合金を研削するから、アルミニウム基複合材
を研削するのに較べ、生産効率が向上する。クラッド材
のアルミニウム合金にディスクブレーキの構成部品であ
るパッドを接着するので、アルミニウム基複合材に接着
するのに較べ、接着強度が向上する。アルミニウム基複
合材によって板材の強度を高めたので、アルミニウム合
金のみの板に較べ、バックプレートの板厚を薄くでき
る。
【0007】請求項2は、ディスクブレーキの構成部品
の一つであるバックプレートの製造方法であって、窒化
マグネシウムの存在下、還元作用で酸化物系セラミック
スからなる多孔質成形体にアルミニウム合金溶湯を浸透
させてアルミニウム基複合材ビレットを製造する工程
と、押出しプレスのダイス側にアルミニウム合金ビレッ
トを納め、このアルミニウム合金ビレットの後方にアル
ミニウム基複合材ビレットを置き、押出しでアルミニウ
ム基複合材の表面にアルミニウム合金を積層しつつ、平
板状のクラッド材に成形する押出し工程と、押出し後の
クラッド材からバックプレートを打ち抜く打ち抜き工程
と、バックプレートの両面に平面度を付与する平面加工
工程と、からなることを特徴とする。
【0008】酸化物系セラミックスを還元することによ
り、多孔質の表面を金属化して酸化物系セラミックスと
アルミニウム合金溶湯との濡れ性をよくする。こうして
得られたアルミニウム基複合材はアルミニウムと強化材
の界面がケミカルコンタクトによって強固に結合され、
成形性に優れたアルミニウム基複合材であり、後工程で
の、押出しが容易となり、押出比を高めることができ、
高押出比による変形を加えることができる。この結果、
内部欠陥の除去、緻密化を図ることができ、品質を高め
ることができる。
【0009】また、ダイス側にアルミニウム合金ビレッ
トを納め、このアルミニウム合金ビレットの後方にアル
ミニウム基複合材ビレットを置き、押出すと、ダイスを
通過する際、アルミニウム基複合材は中央部を通過し、
アルミニウム合金はアルミニウム基複合材を覆うように
表層部を通過する。その結果、アルミニウム基複合材に
アルミニウム合金を貼り付けつつ板状に連続成形でき、
クラッド材の成形が容易である。さらに、ダイスと接触
する表層部に成形性のよいアルミニウム合金を積層した
ので、アルミニウム基複合材の押出し成形がより容易で
ある。その上、ダイスと接触する表層部に硬度の低いア
ルミニウム合金を積層したので、ダイスの摩耗量が小さ
い。平面加工工程では、加工性のよいアルミニウム合金
を研削するので、砥石の寿命が延びる。
【0010】請求項3は、押出し前のビレットの断面積
を押出し後の板の断面積で割った値を押出比とするとき
に、押出し工程での押出比を10〜100に設定するこ
とを特徴とする。押出比が10未満であれば、得られた
板に十分な引張り強さ及び耐力を付与することができな
い。押出比が大きいと、1回の押出しで比較的多くの製
品を成形できるから、生産性がよくなり、押出比は大き
い方が望ましい。しかし、押出比が100を超えると、
押出し力が大きくなり、設備が大規模なものとなり、設
備費が嵩む。その結果、アルミニウム基複合材の機械的
性質の観点から下限を10とし、設備能力(押出しプレ
ス出力)の観点から上限を100とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係るアルミニウム基複合材
の製造装置の概要構造図であり、アルミニウム基複合材
製造装置10は、雰囲気炉11と、この雰囲気炉11に
付属した加熱装置12と、雰囲気炉11に不活性ガスを
供給するガス供給装置13と、雰囲気炉11内を減圧す
る真空ポンプ14とからなる。15及び16は坩堝(る
つぼ)である。詳しくは、加熱装置12は、例えば、制
御装置21と、温度センサ22と、加熱コイル23とか
らなり、ガス供給装置13は、アルゴンガス(Ar)2
4のボンベ25と、窒素ガス(N2)26のボンベ27
と、これらのボンベ25,27のガスを雰囲気炉11へ
供給する管28と、この管28に設けた圧力ゲージ29
とからなる。
【0012】坩堝15は酸化物系セラミックスであると
ころの多孔質アルミナ(Al23)31及びアルミニウ
ム合金41を入れる容器であり、坩堝16はマグネシウ
ム(Mg)42を入れる容器である。アルミニウム合金
41は、例えばA6061である。マグネシウム(M
g)42はマグネシウム合金でもよい。
【0013】図2(a)〜(d)は本発明に係るアルミ
ニウム基複合材ビレットの製造要領図であり、(a)〜
(c)は浸透までの過程を模式的に示す。 (a):まず、酸化物系セラミックスであるアルミナ
(Al23)31とともに、アルミニウム合金41及び
マグネシウム(Mg)42を炉内に納める。具体的に
は、坩堝15にアルミナ31を入れ、アルミナ31にア
ルミニウム合金41を載せ、坩堝16にマグネシウム4
2を入れる。
【0014】次に、雰囲気炉11内の酸素を除去するた
めに雰囲気炉11内を真空引きし、一定の真空度に達し
たら、真空ポンプ14を止め、雰囲気炉11にアルゴン
ガス(Ar)24を矢印の如く供給し、加熱コイル2
3で矢印の如く多孔質アルミナ31、アルミニウム合
金41及びマグネシウム42の加熱を開始する。
【0015】雰囲気炉11内の温度を温度センサ22で
検出しつつ昇温(自動)する。所定温度(例えば、約7
50℃〜約900℃)に達する過程で、アルミニウム合
金41は溶解する。同時に、マグネシウム(Mg)42
は矢印の如く蒸発する。その際、雰囲気炉11内はア
ルゴンガス(Ar)24の雰囲気下にあるので、アルミ
ニウム合金41及びマグネシウム(Mg)42が酸化す
ることはない。
【0016】(b):次に、雰囲気炉11内を加圧し、
窒化マグネシウム44の作用でアルミナ(Al23)3
1を還元し、アルミナ31の多孔質にアルミニウム合金
41の溶湯を浸透させてアルミニウム基複合材ビレット
45を製造する。具体的には、雰囲気炉11に窒素ガス
(N2)26を矢印の如く供給しつつ加圧(例えば、
大気圧+約0.5kg/cm2)し、雰囲気炉11内の
雰囲気を窒素ガス(N2)26に置換する。
【0017】雰囲気炉11内が窒素ガス(N2)26の
雰囲気になると、窒素ガス26は、マグネシウム(M
g)42と反応して窒化マグネシウム(Mg32)44
を生成する。この窒化マグネシウム44はアルミナ(A
23)31を還元するので、アルミナ31は濡れ性が
よくなる。その結果、アルミナ31の多孔質にアルミニ
ウム合金41の溶湯が浸透する。アルミニウム合金41
が凝固してアルミニウム基複合材ビレット45が完成す
る。浸透過程において、雰囲気炉11内を加圧雰囲気下
にすると、浸透が速くなり、短時間でアルミニウム基複
合材ビレット45を製造することができる。なお、雰囲
気炉11内を真空ポンプ14で減圧し、減圧窒素雰囲気
下でも短時間で浸透させることができる。
【0018】(c):アルミニウム基複合材ビレット4
5(以下「ビレット45」と略記する。)は、酸化物系
セラミックスであるアルミナ31にアルミニウム合金4
1が浸透したもので、成形性に優れ、塑性変形がしやす
い複合材料である。 (d):最後に、ビレット45をNC(数値制御)旋盤
46で所定寸法に切削加工する。寸法は次工程の押出し
プレスに合せる。
【0019】図3(a)〜(c)は本発明に係る押出し
工程の説明図である。 (a):押出しプレス50のコンテナ51にアルミニウ
ム合金ビレット52を入れてダイス53側に納め、この
アルミニウム合金ビレット52の後方にアルミニウム基
複合材ビレット45を置く。アルミニウム合金ビレット
52は、耐食性のよいアルミニウム合金(例えば、A3
000系、A5000系)が望ましい。 (b):ラム54でビレット45を押出すことにより、
アルミニウム合金ビレット52が先にダイス53を通
り、アルミニウム合金のみの厚板55を成形する。アル
ミニウム合金ビレット52の中央が抜けてくると、その
中央を埋めるようにアルミニウム基複合材のビレット4
5が移動を開始する。
【0020】(c):さらにラム54でビレット45を
押出すことにより、ダイス53を通して、アルミニウム
基複合材の平板56を成形すると同時に、平板56の表
面を覆うようにアルミニウム合金の薄板57を積層しつ
つ、平板状のクラッド材58を成形する。薄板57は、
厚さがtであり、この厚さtが0.2mmを超えるよう
に押出し成形したものである。厚さtが0.2mm以下
になると、アルミニウム基複合材からアルミニウム合金
が剥離しやすくなる。
【0021】アルミニウム合金が厚さtでダイス53に
接触し、成形性のよいアルミニウム合金によってアルミ
ニウム基複合材の摩擦抵抗が発生しないので、押出し速
度が向上するとともに、押出し力が低減する。また、ダ
イス53と接触する表層部に硬度の低いアルミニウム合
金の薄板57を積層したので、ダイス53の摩耗量は小
さく、ダイス53の寿命が延びる。
【0022】ビレット45は、アルミニウムと強化材の
界面がケミカルコンタクトによって強固に結合された複
合材なので、成形性がよく、その結果、クラッド材58
の押出しは容易である。また、ダイス53と接触する表
層部に成形性のよいアルミニウム合金を積層したので、
アルミニウム基複合材の押出し成形がより容易である。
高押出比による変形を加えることで、内部欠陥の除去、
緻密化を図ることができ、品質を高めることができる。
【0023】押出し前のビレット45の断面積をA0と
し、押出し後のクラッド材58の断面積をA1とする。
ここで、押出比Rは、R=A0/A1と定義する。すな
わち、押出比Rは、押出し前のビレット45の断面積A
0を押出し後のクラッド材58の断面積A1で割った値
である。
【0024】図4は本発明に係る押出比と引張り強さ・
耐力の関係を示したグラフであり、横軸を押出比Rと
し、縦軸を引張り強さσB及び耐力σ0.2としたものであ
る。なお、σ0.2は0.2%耐力の略号である。押出比
Rが10未満では、引張り強さσBは押出比Rに比例す
る。従って、押出比Rによって引張り強さσBを大きく
することができる。同様に、耐力σ0.2も大きくするこ
とができる。押出比Rが10以上では、押出比Rの増加
に対して引張り強さσBの増加は極めて僅かであり、ほ
ぼ一定となる。同様に、耐力σ0.2もほぼ一定となる。
押出比が大きいと、生産性がよくなるから、押出比は大
きい方が望ましい。しかし、押出比が100を超える
と、押出し力が大きくなり、大型の設備が新たに必要と
なる。その結果、アルミニウム基複合材の機械的性質の
観点から下限を10とし、設備能力(押出しプレス出
力)の観点から上限を100とする。
【0025】図5は本発明に係る打ち抜き工程の説明図
であり、クラッド材58をプレス60にセットし、ポン
チ61を下降することにより、ポンチ61とダイス62
とでクラッド材58を打ち抜き、クラッド材58からバ
ックプレート63を得る。バックプレート63は、アル
ミニウム基複合材の平板56の両方の面64,64にア
ルミニウム合金の薄板57,57を貼り合わせたクラッ
ド材58で構成したものである。
【0026】図6は本発明に係る平面加工工程の説明図
であり、バックプレート63・・・(・・・は複数を示す。以
下同様。)を研削盤70のテーブル71にセットし、砥
石72でバックプレート63の両方の面64,64に所
定の平面度を付与する。同時に、接着性を考慮した所望
の表面粗さを確保する。面64,64は、アルミニウム
合金の表面であり、アルミニウム合金は加工性がよいの
で、バックプレート63の研削は容易である。また、バ
ックプレート63は加工性がよいので、砥石72の寿命
が延びる。
【0027】図7(a),(b)は本発明に係るバック
プレートの組立て工程の説明図である。 (a):バックプレート63を清浄後、バックプレート
63にパッド75を仮想線の如く接着する。本バックプ
レート63に接着すると、(b)に示す如くアルミニウ
ム合金の薄板57に接着剤76が結合するので、アルミ
ニウム基複合材の平板56に直接結合するのに較べ、接
着性(接着強度)が向上する。また、アルミニウム合金
により所望の表面粗さを確保することができるから、接
着部の機械的強度が向上する。なお、アルミニウム合金
の表面処理工程の有無は任意である。
【0028】図8は本発明に係るバックプレートを構成
部品としたディスクブレーキの分解斜視図であり、主要
部のみを示す。ディスクブレーキ80は、ディスク81
と、このディスク81に接触して抵抗で回転を制動する
パッド75と、このパッド75を取付けたバックプレー
ト63,63とを有する。バックプレート63はアルミ
ニウム基複合材(母材)にアルミニウム合金を貼り合わ
せたクラッド材なので、軽量で、引張り強さが大きく、
且つ、パッド75との接着強度(環境、機械的)に優れ
ている。従って、泥水など悪い環境に耐え、同時に、大
きい力(引張り、せん断)に耐え得る接着強度が求めら
れるディスクブレーキの部品に好適である。
【0029】尚、本発明の実施の形態に示した図2
(b)の窒化マグネシウム(Mg32)44の生成で
は、マグネシウム(Mg)を坩堝に入れたけれども、こ
れは一例であって、これに限定するものではない。例え
ば、予め多孔質成形体にマグネシウムを含有させておい
て、窒化マグネシウムを生成させるようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1では、バックプレートを、平板状のアル
ミニウム基複合材の両面にアルミニウム合金を貼り合わ
せたクラッド材で構成した。アルミニウム基複合材の両
面にアルミニウム合金を貼り合わせると、平面度を確保
する際、加工性のよいアルミニウム合金を研削するか
ら、アルミニウム基複合材を研削するのに較べ、生産効
率が向上する。その結果、生産コストを低減できる。ク
ラッド材のアルミニウム合金にディスクブレーキの構成
部品であるパッドを接着するので、アルミニウム基複合
材に接着するのに較べ、接着強度が向上する。アルミニ
ウム基複合材によって板材の強度を高めたので、アルミ
ニウム合金のみの板に較べ、バックプレートの板厚を薄
くできる。その結果、バックプレートの軽量化を図るこ
とができる。
【0031】請求項2では、窒化マグネシウムの作用で
酸化物系セラミックスを還元する。酸化物系セラミック
スであるアルミナ(Al23)を還元して金属化する
と、濡れがよくなり、アルミニウム合金と結合すること
ができる。酸化物系セラミックスの多孔質にアルミニウ
ム合金の溶湯を浸透させる。アルミニウム合金は還元さ
れた酸化物系セラミックスの多孔質に容易に浸透すると
ともに、酸化物系セラミックスと化学的に強固に結合す
る。その結果、塑性変形がしやすく、成形性に優れたア
ルミニウム基複合材を得ることができ、後工程での、押
出しが容易となる。
【0032】アルミニウム合金ビレット並びにアルミニ
ウム合金ビレットを平板状のクラッド材に成形する。ダ
イスを通過する際、アルミニウム基複合材は中央部を通
過し、アルミニウム合金はアルミニウム基複合材を覆う
ように表層部を通過する。その結果、アルミニウム基複
合材にアルミニウム合金を貼り付けつつ板状に連続成形
でき、クラッド材の成形が容易である。また、ダイスと
接触する表層部に成形性のよいアルミニウム合金を積層
したので、アルミニウム基複合材の押出し成形がより容
易である。さらに、アルミニウム合金がダイスに接触
し、成形性のよいアルミニウム合金によってアルミニウ
ム基複合材の摩擦抵抗が発生しないので、押出し速度が
向上するとともに、押出し力が低減する。その結果、生
産効率が向上する。その上、ダイスと接触する表層部に
硬度の低いアルミニウム合金を積層したので、ダイスの
摩耗量が小さく、バックプレートの低コスト化を図るこ
とができる。平面加工工程では、加工性のよいアルミニ
ウム合金を研削するので、砥石の寿命が延び、バックプ
レートの低コスト化を図ることができる。
【0033】請求項3では、押出し工程の押出比を10
〜100に設定する。押出比が10以上になると、アル
ミニウム基複合材の引張り強さ及び耐力はほぼ一定とな
る。押出比が大きいと、生産性がよくなるから、押出比
は大きい方が望ましい。しかし、押出比が100を超え
ると、押出し力が大きくなり、大型の設備が新たに必要
となる。その結果、押出比を10〜100に設定するこ
とで、アルミニウム基複合材の引張り強さ及び耐力を大
きくすることができ、且つ、既存の設備を用いて生産コ
ストの低減を図ることができる。また、本アルミニウム
基複合材は成形性がよいから、押出比を100に上げて
クラッド材を成形することができ、バックプレートの生
産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアルミニウム基複合材の製造装置
の概要構造図
【図2】本発明に係るアルミニウム基複合材ビレットの
製造要領図
【図3】本発明に係る押出し工程の説明図
【図4】本発明に係る押出比と引張り強さ・耐力の関係
を示したグラフ
【図5】本発明に係る打ち抜き工程の説明図
【図6】本発明に係る平面加工工程の説明図
【図7】本発明に係るバックプレートの組立て工程の説
明図
【図8】本発明に係るバックプレートを構成部品とした
ディスクブレーキの分解斜視図
【符号の説明】 10…アルミニウム基複合材製造装置、31…酸化物系
セラミックス(アルミナ)、41…アルミニウム合金、
42…マグネシウム、44…窒化マグネシウム、45…
アルミニウム基複合材ビレット、50…押出しプレス、
52…アルミニウム合金ビレット、53…ダイス、56
…平板、57…薄板、58…クラッド材、63…プレー
ト(バックプレート)、80…ディスクブレーキ、A0
…押出し前のビレットの断面積、A1…押出し後のクラ
ッド材の断面積、R…押出比。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅谷 有利 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 加藤 崇 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 越後 隆治 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3J058 AA41 BA46 BA61 BA68 CA47 EA08 EA22 EA39 FA01 4E087 AA10 BA04 BA11 BA14 BA22 BA26 CA21 CA22 CB01 CB12 DB04 DB05 EC17 EC37 EC50 HA00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクブレーキの構成部品の一つであ
    るバックプレートにおいて、 このバックプレートは、平板状のアルミニウム基複合材
    の両面にアルミニウム合金を貼り合わせたクラッド材で
    構成したことを特徴とするバックプレート。
  2. 【請求項2】 ディスクブレーキの構成部品の一つであ
    るバックプレートの製造方法であって、 窒化マグネシウムの存在下、還元作用で酸化物系セラミ
    ックスからなる多孔質成形体にアルミニウム合金溶湯を
    浸透させてアルミニウム基複合材ビレットを製造する工
    程と、 押出しプレスのダイス側にアルミニウム合金ビレットを
    納め、このアルミニウム合金ビレットの後方に前記アル
    ミニウム基複合材ビレットを置き、押出しでアルミニウ
    ム基複合材の表面にアルミニウム合金を積層しつつ、平
    板状のクラッド材に成形する押出し工程と、 前記押出し後のクラッド材からバックプレートを打ち抜
    く打ち抜き工程と、 前記バックプレートの両面に平面度を付与する平面加工
    工程と、からなることを特徴とするバックプレートの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 押出し前のビレットの断面積を押出し後
    の板の断面積で割った値を押出比とするときに、前記押
    出し工程での押出比を10〜100に設定することを特
    徴とする請求項2記載のバックプレートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7784594B2 (en) 2007-10-02 2010-08-31 Shimano Inc. Brake pad assembly for a bicycle disc brake
JP2013126672A (ja) * 2011-12-16 2013-06-27 Furukawa-Sky Aluminum Corp アルミニウム合金複合材及びその製造方法、アルミニウム合金鍛造品
CN113523005A (zh) * 2021-07-12 2021-10-22 福建祥鑫股份有限公司 一种低体积分数陶瓷颗粒增强铝基复合材料棒材的挤压方法

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