JP3288238B2 - 複合強化ピストンの製造方法 - Google Patents

複合強化ピストンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車エン
ジンに用いられるアルミニウム合金製複合強化ピストン
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミニウム合金製の複合強化ピ
ストンは、軽量で且つ比較的強度が高いため近年普及し
ており、このような複合強化ピストンは加圧鋳造法によ
る製造が一般的であるが、例えば特公平5−47304
号公報のように加圧鋳造で複合化したビレットを固体鍛
造で成形する技術も知られている。この技術では、ピス
トンの強度と靭性を向上させるため、鋳造で成形した複
合ビレットを気体圧によって鍛造している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記技術の
ように単なる加圧鋳造法で複合化したビレットを鍛造す
ると、強化材とマトリックス金属の接合状態が強固でな
いため、塑性変形の量が大きくなると強化材とマトリッ
クス金属が剥離して割れ等の原因になりやすいという問
題がある。即ち、鍛造性が悪く、ピストン強度、靭性の
向上にも限界がある。
【0004】そこで、エンジンの高出力化等に伴って、
ピストンの強度等を更に向上させ、また容易に製造でき
る複合強化ピストンが望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明に係る複合強化ピストンの製造方法は、窒化マグ
ネシウム(Mg3N2)の還元作用下でアルミナ強化繊維
又はアルミナ強化粒子の内部にアルミニウム合金を浸透
させビレットを製造する工程と、このビレットを押出し
成形でピストンの概略形状に成形するとともに伸び率を
向上せしめる工程と、この伸び率が向上した素材を鍛造
成形によりピストン形状に成形する工程にて構成され
る。
【0006】この際、窒化マグネシウム(Mg32)の
還元作用下で、例えばアルミナ(Al23)等の強化繊
維、粒子等の内部にアルミニウム合金を浸透させれば、
アルミナ(Al23)等の強化繊維又は強化粒子の表面
は、窒化マグネシウム(Mg32)の還元作用によって
金属化し、この金属化した強化繊維、粒子等の表面は活
性化しているため、マトリックス金属としてのアルミニ
ウム合金溶湯と強固に接合する。すなわち、強化繊維等
とアルミニウム合金溶湯の界面がいわばマイクロクラッ
ドされた状態で化学的に結合し(ケミカルコンタクト状
態)、単なる加圧鋳造の場合の、いわゆるメカニカルコ
ンタクト状態に較べて、結合強度が飛躍的に高まる。
【0007】そしてこのようなケミカルコンタクト状態
の複合材ビレットは、押出し加工用の大型ビレットでも
容易に成形することができ、またこのようなビレットを
押出し成形によって伸び特性を更に良好にした上で鍛造
すれば、容易に鍛造することができる。
【0008】そこで、まず押出し成形によりピストンの
概略形状に成形し、鍛造性を良好にした後、鍛造成形で
最終的なピストン形状に鍛造する。
【0009】また、窒化マグネシウム(Mg32)によ
って強化繊維等の表面を還元化する具体的な手法は、例
えば強化繊維等とアルミ合金を収容するルツボの近傍に
Mgを別設し、窒素ガス雰囲気中で加熱することでMg
を昇華させ、窒化マグネシウム(Mg32)を生成させ
つつ強化繊維等の内部に浸透させて還元させるようにし
ても良く、又はMgを含有する強化繊維等を用いて窒化
マグネシウム(Mg32)を生成し還元化するようにし
ても良く、又はその他の手法によるようにしても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について添付し
た図面に基づき説明する。ここで、図1は本発明の複合
強化ピストンの製造方法を示す工程図、図2は製造した
複合強化ピストンの斜視図である。
【0011】本発明に係る複合強化ピストンは、複合材
ビレットの鍛造性を改良し、鍛造加工による強度等の向
上を図るようにしたものであり、複合化の段階で窒化マ
グネシウム(Mg32)によって強化繊維等の表面を還
元することで、強化繊維等とマトリックス金属としての
アルミニウム合金の接合強度を強固にした後、押出し成
形工程を経て鍛造成形することを特徴としている。
【0012】即ち、この製造工程のパターンの概要は、
図1に示す通りであり、図1(a)に示す活性浸透装置
1によって複合材ビレットBを製造し、このビレットB
を(b)に示すように押出し用形状に加工した後、
(c)に示す押出し成形型2で押出し加工を行い、ピス
トンの概略形状に加工する。次いで、(d)に示すよう
に、押出し加工したビレットBを鍛造用形状に切断した
後、(e)に示すように、鍛造型3によって鍛造し、図
2に示すようなピストンPを製造する。
【0013】図1(a)に示す活性浸透装置1は、雰囲
気ガス導入手段5と減圧手段6が接続される雰囲気炉7
と、この雰囲気炉7内にセットされるルツボ8と、雰囲
気炉7を加熱する加熱手段9を備えており、例えばルツ
ボ8内に純マグネシウム10とアルミナ(Al23)等
の強化繊維等11と、アルミニウム合金12を収容し、
複合化処理するようにしている。
【0014】すなわち、例えば雰囲気ガス導入手段5に
よって雰囲気炉7内をアルゴンガスで置換し、加熱手段
9で所定温度まで加熱することで、ルツボ8内の純マグ
ネシウム10を昇華させ、Mg蒸気を強化繊維等11の
内部に浸透させる。次いで、雰囲気ガス導入手段5によ
るガス導入をアルゴンガスから窒素ガスに切換え、雰囲
気炉7内を窒素ガスで置換し、加熱手段9で更に加熱す
る。
【0015】すると、雰囲気炉7内で窒素ガスとMg蒸
気が反応して窒化マグネシウム(Mg32)が生成され
るようになり、強化繊維等11の内部に浸透したMg蒸
気が窒化マグネシウム(Mg32)に変化し、アルミナ
(Al23)繊維等の表面を還元させて金属(Al)化
する。またアルミニウム合金12は加熱過程において所
定温度以上になると溶融している。
【0016】また還元されたAl金属は、マトリックス
金属との濡れ性が向上して、極めて活性な性質を有する
ため、窒化マグネシウム(Mg32)によって還元がな
されると同時に、溶融したアルミニウム合金溶湯が強化
繊維等11の内部に浸透して複合化が行われる。
【0017】この時、窒化マグネシウム(Mg32)の
還元作用によって、強化繊維等11とアルミニウム合金
溶湯との濡れ性が改善されると、複合化が迅速に行われ
るばかりでなく、強化繊維等11とアルミニウム合金の
界面がケミカルコンタクト状態となって強固に結合する
ようになり、その後の加工でマトリックス金属が大きく
塑性変形しても、界面が剥離するような不具合を抑制で
きる。因みに、このような活性浸透装置1によると、比
較的大型のビレットでも容易に製造できる。
【0018】このような複合化処理によって、複合材ビ
レットBが製造されると、(b)に示すように押出し加
工形状に加工した後、(c)に示すように押出し成形型
2によって押出し加工が行われる。
【0019】この押出し加工によって、ビレットBの材
料特性として、伸び性が向上するとともに、鍛造性が向
上する。即ち、以下の(表1)は、押出し加工する前の
ビレットBと、押出し加工を行った後のビレットBの伸
び性を測定した結果を示し、加工後の伸び性が向上して
いることが分る。
【0020】
【表1】
【0021】次いで、この押出し加工したビレットB
を、(d)に示すように鍛造用形状に加工し、(e)に
示すように、鍛造型3で鍛造してピストンP形状に仕上
げる。この際、押出し加工によってビレットBの伸び性
が向上しているため、ピストンPの最終形状まで鍛造し
ても、割れ等の不具合が発生せず、鍛造性は良好であ
る。
【0022】以上のような方法で製造したピストンの引
張り強さと、従来の加圧鋳造で製造したピストンの引張
り強さを比較したところ、本案のピストンが強度的に優
れていることが分った。
【0023】そしてこのような方法で製造した複合強化
ピストンは、ピストンの全体を複合化できるとともに、
鍛造加工によって大きな強度と靭性を持たせることがで
きるため、高出力化に対応した強靭で軽量なピストンを
容易に製造することができる。
【0024】尚、窒化マグネシウム(Mg32)の還元
作用下で、強化繊維等の内部にアルミニウム合金を浸透
させる具体的方法は、図1(a)のような方法以外に、
例えばマグネシウム成分を含有する強化繊維等を用いて
窒化マグネシウム(Mg32)を生成するようにしても
よく、又はそれ以外の方法でもよい。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明の複合強化ピストン
の製造方法は、窒化マグネシウム(Mg32)の還元作
用下で、強化繊維又は強化粒子の内部にアルミニウム合
金を浸透させビレットを製造し、このビレットを押出し
成形を経て鍛造成形によりピストン形状に成形するよう
にしたため、強度的に優れた軽量のピストンを容易に製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合強化ピストンの製造方法を示す工
程図
【図2】製造した複合強化ピストンの斜視図
【符号の説明】
1…活性浸透装置、2…押出し成形型、3…鍛造型、B
…ビレット、P…ピストン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B22D 19/14 B22D 19/14 B C22C 47/08 C22C 1/09 A (72)発明者 小林 正 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホ ンダエンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−191654(JP,A) 特開 昭64−22464(JP,A) 特開 昭63−132743(JP,A) 特開 平8−47766(JP,A) 特開 平8−157982(JP,A) 特開 平5−104188(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21J 1/00 - 13/14 B21J 17/00 - 19/04 B21K 1/00 - 31/00 B21C 23/00 B22D 19/00 B22D 19/14 C22C 1/09

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化マグネシウム(Mg3N2)の還元作
    用下でアルミナ強化繊維又はアルミナ強化粒子の内部に
    アルミニウム合金を浸透させビレットを製造する工程
    と、このビレットを押出し成形でピストンの概略形状に
    成形するとともに伸び率を向上せしめる工程と、この
    び率が向上した素材を鍛造成形によりピストン形状に成
    形する工程からなることを特徴とする複合強化ピストン
    の製造方法。
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CN100453261C (zh) * 2007-01-27 2009-01-21 山西锦恒汽车部件有限公司 铸造铝合金零件复合塑性成型方法
CN113751642B (zh) * 2021-08-25 2023-12-26 安庆中船柴油机有限公司 一种高韧性船用柴油机活塞杆的锻造方法

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