JP3320037B2 - 鍛造成形品およびその製造方法 - Google Patents

鍛造成形品およびその製造方法

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JP3320037B2
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    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/06Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of magnesium or alloys based thereon

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマグネシウム合金の
鍛造成形品およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】種々の金属筺体の成形方法には、大きく
分けて、プレス加工、鋳造加工、鍛造加工があり、樹脂
筺体の形成方法には射出加工がある。特に、小型の携帯
型電子機器等の筐体は、アルミニウムなどの金属をプレ
ス加工するか、樹脂を射出加工することにより成形され
ていた。
【0003】近年、携帯型電子機器の小型軽量化の要望
が強くなるに従い、その筺体としてはボス、リブ等を有
するものが要望されるようになってきた。つまり、これ
らを有しない筐体では、内部構成部品を取り付けたり、
筐体を取り付けるために、別途フレームが必要になり、
また、リブによる部分的な強化ができないため、製品強
度を確保することができず、小型軽量化に対応すること
が難しくなってきたためである。しかしながら、従来用
いられていたプレス成形ではこのようなボス、リブ等を
有する筐体を得ることは困難であった。
【0004】また、近年、特に実用合金の中で最も軽
く、また、比強度も強いリサイクル容易な金属材料とし
てマグネシウム合金を用いた筐体が使用されるようにな
ってきている。その成形方法としては、鋳造加工である
ダイキャスト法等が採用され、特に、金属を半溶融させ
た状態で鋳造を行ういわゆるチクソキャスト法が採用さ
れている。
【0005】この一例として、特開平6−297127
号公報には、塑性加工性の向上および機械的強度を得る
ためのチクソキャスト法による製造方法が開示されてい
る。一般的に使用されているマグネシウム合金は、hc
p(最密六方)結晶構造のマグネシウムα相(以下α相
と称す)であるため、塑性加工が難しいという問題があ
り、上記公報では、軽合金材料を半溶融状態とした後、
そのまま成型型に注入し、鋳物素材を成形し、その後に
その鋳物素材に塑性加工を施し、成型品を形成して、半
溶融状態でマグネシウム合金を塑性変形させることで、
機械的性質を改善している。
【0006】また、鍛造加工の一例として、特開平6−
81089号公報には、アルミニウム6〜10%、Zn
1%以下、残部がマグネシウムである合金を用い、歪み
速度1〜100/sec、加工温度が200〜350℃
で70%以上の高い加工率が得られるマグネシウム合金
の熱間鍛造方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、携帯型
電子機器の筺体をプレス成形しようした場合、内部構成
部品を搭載し、プレス成形した筐体を取り付けるために
筐体とは別のフレームが必要となる。また、リブ等を形
成するのが困難なため、部分的に強度を上げることがで
きず、薄肉、軽量化を進めていくと、必要強度を保てな
くなるといった問題があった。
【0008】また、ダイキャスト法、チクソキャスト法
などの鋳造の加工方法で厚さ1mm以下の薄肉の筐体を
成形した場合、湯境、湯皺、引け巣等の鋳造欠陥によ
り、製品強度にバラツキが生じたり、製品外観不良が発
生したりするため、後工程でパテ埋め等の修正加工を行
なわなければならないなどの問題があった。
【0009】特に、特開平6−297127号公報に開
示されている方法では、合金を半溶融状態温度(Mgの
場合は500〜600℃)に保たなければならず、加工
に相当なエネルギーを要し、その結果、設備も大型にな
らざるを得なかった。
【0010】また、特開平6−81089号公報に示す
方法で、汎用の展伸性マグネシウム合金(AZ61、A
Z31、ZK60)を用いて種々の条件の鍛造テストを
行なったところ、若干の変形は示すものの薄肉成形や複
雑形状の形成には程遠い結果しか得られなかった。
【0011】ところで、展伸性マグネシウム合金(AZ
61、AZ31、ZK60)の場合、鍛造加工が困難と
なるのは、 塑性変形に伴う加工硬化が著しく、加工中
に変形に必要な応力が増加してしまう、 変形による加
圧方向への投影面積が増加(実質加圧面積の増加)する
ため、その結果必要加圧力が増加してしまうといった2
つの要因がある。
【0012】図4に展伸性汎用マグネシウム合金AZ3
1の引張試験結果を示す。図4に示すように、材料を引
張始めると点Aまではフックの法則に従う弾性変形領域
であり直線的な変化を示す。点Aを超えてさらに応力を
加えると、直線性が崩れ、点Bで材料が破断するまで塑
性変形領域であり、おおむね右肩上がりの曲線となる。
また、線分ABが右肩上がりとなるのは、塑性変形によ
り材料が加工硬化するためである。
【0013】次に、鍛造加工時の実質加圧面積の増加に
ついて説明する。試験片を平行な平面金型で押しつぶす
据え込み鍛造について考える。単純化するため材料−金
型面の摩擦を無視した場合、鍛造時の断面積と圧下率の
関係は図5のようになる。据え込み鍛造の場合は、材料
の伸びはすべて加圧方向に直角な方向となるため極端な
例であるが、実際の成形でも特殊な場合を除いて、実質
面積は増える方向となる。
【0014】そこで、本発明は、携帯型電子機器筺体な
どの、軽量、薄肉で、ボス、リブなどの偏肉形成が容易
で、大量生産が可能な金属成形品を得ることを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題の解
決を目的としてなされたものであって、本発明の第1発
明は、少なくともリチウムβ相組識を有するリチウム含
有含有量が6〜10.5重量%で残部がマグネシウムか
らなるマグネシウム合金を100〜250℃に熱せられ
た成形金型に装入して鍛造成形して得られることを特徴
とする。
【0016】
【0017】また、第2発明は、少なくともリチウムβ
相組識を有するリチウム含有量が6〜10.5重量%で
且つ、4重量%以下の亜鉛あるいは6重量%以下のアル
ミニウムのうち少なくともいずれかを含有する残部がマ
グネシウムからなるマグネシウム合金を100〜250
℃に熱せられた成形金型に装入して鍛造成形して得られ
ることを特徴とする。
【0018】また、第発明は、少なくともリチウムβ
相組識を有するリチウム含有量が6〜10.5重量%で
あるマグネシウム合金を100〜250℃に熱せられた
成形金型に装入して鍛造成形することを特徴とする鍛造
成形品の製造方法。
【0019】また、第発明は、成形金型に装入する前
に、前記マグネシウム合金を300℃以下に予熱するこ
とを特徴とする。
【0020】
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図をもとに本発明について
詳細に説明する。
【0022】まず、所望のマグネシウム合金組成となる
ように各材料を秤量し、真空溶解炉に装入する。この
時、溶解炉内を1.0×10-5torrに真空排気後、
アルゴンガスを導入し、ほぼ大気圧のアルゴン雰囲気と
し、材料を加熱溶解する。その後、金型に鋳造し、所望
のマグネシウム合金組成のインゴットを作製する。な
お、溶解には鉄製のルツボを用いた。
【0023】上記方法にて、リチウムを5重量%含むマ
グネシウム合金(L5)、リチウムを6重量%含むマグ
ネシウム合金(L6)、リチウムを9重量%含むマグネ
シウム合金(L9)、リチウムを10.5重量%含むマ
グネシウム合金(L10.5)、リチウムを11重量%
含むマグネシウム合金(L11)のインゴットをそれぞ
れ作製した。
【0024】次に、各インゴットを20mm×20mm
×10mmtに切り出して、試験片とした。
【0025】これらの試験片1を図1(a)に示すよう
に鍛造プレス機2(機械装置全体は図示せず)に装入
し、鍛圧90tで鍛造温度を変化させて据え込み鍛造テ
ストを行なった。これにより、試験片1は鍛造物1´と
なる(図1(b))。
【0026】ここでは、リチウム添加量の違い(L5、
L6、L9、L10.5、L11)による各温度(室
温、60℃、100℃、150℃、200℃、250
℃、300℃)での据え込み鍛造テストの結果を表1〜
7に示す。
【0027】なお、ここでは、試験片の厚みが厚く予熱
していない試験片では、金型からの伝熱で、金型温度に
試料温度が昇温するのに時間がかかるため、金型温度と
同温度に予熱したが、実際の鍛造では、成形前の試料の
形状により、すぐに金型温度まで昇温するような場合に
は、予熱は必要ない。
【0028】なお、金型は、金型側面より電気ヒータを
埋設して昇温し、金型裏面より金型中心部に埋設した熱
電対により測定した。また、試験片は、大気雰囲気の電
気炉を用いて予熱した。金型温度と試験片予熱温度が等
しい場合には、その温度を鍛造温度と記すこととする。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】 鍛造テストの結果から、鍛造温度が100℃より低い場
合(表1および2参照)には、リチウム添加量が6重量
%より少ない場合(比較例1、6)は全く塑性加工でき
ない。また、リチウム添加量が6重量%以上の場合でも
(比較例2〜5、7〜10)の場合では、破綻無く加工
できるが、端部の粗れが生じ、また、鍛造後の厚みも厚
いため、薄肉成形には用いることができない。ただし、
比較的厚肉で、加工率のそれ程大きくない成形には、用
いることができる。
【0036】次に、鍛造温度が100〜250℃の場合
(表3〜6参照)、リチウム添加量が6重量%より少な
い場合(比較例11〜14)には、加工温度の上昇に伴
い、加工時の破綻は無くなり、塑性加工可能となるが、
加工時の端部の粗れが大きいため、薄肉の成形には適さ
ない。また、リチウム添加量が6重量%以上の場合(実
施例1〜16)には、鍛造後の厚みも薄くなり、また、
加工時の端部粗れも無く良好に成形できる。
【0037】さらに、鍛造温度が300℃の場合(表7
参照)には、リチウム添加量が6重量%より少ない場合
(比較例15)には、端部の粗れが生じることから薄肉
の成形には適さない。また、リチウム添加量が6重量%
以上の場合(比較例16〜18)には、成形後の厚みは
薄く良好に成形できるが、部分的に金型と接着(抱き着
き)し、また、材料の軟化が激しいため、離型時に変形
してしまった。さらに、リチウム添加量が11重量%の
場合(比較例19)には、材料予熱中に表面が酸化し黒
変してしまった。
【0038】以上の結果から、6重量%以上のリチウム
を含有し、残部がマグネシウムからなるマグネシウム合
金が薄肉の鍛造成形に適していること、その鍛造温度は
100〜250℃が適していることが分かる。
【0039】上記結果を踏まえ、6重量%以上のリチウ
ムを含有し、残部がマグネシウムからなるマグネシウム
合金が薄肉の鍛造成形に適していることを以下に考察す
る。
【0040】マグネシウムにリチウムを添加したマグネ
シウム合金は、その添加量が6重量%より少ないとα相
であり、その添加量が6重量%以上でbcc(体心立
方)結晶構造のリチウムβ相(以下β相と称す)が晶出
し始め、10.5重量%まではα相とβ相の共晶組織と
なる。さらに10.5重量%を超えてリチウムを添加す
るとβ相単相の均一固溶体となることが知られている。
【0041】ここでは、α相のマグネシウム合金として
L5を、α+β相のマグネシウム合金としてL9を、β
相のマグネシウム合金としてL11を用いて、各相のマ
グネシウム合金の引張試験を行なった。その結果を図2
に示す。
【0042】図2から明らかなように、α相単相、α+
β共相、β相単相のいずれの場合も、材料の引張始めは
フックの法則に従う弾性変形領域であり、直線的な変化
を示す。その後、さらに応力を加えると、直線性が崩
れ、材料が破断するまで塑性変形領域となる。ここで、
α相単相のものは、塑性変形領域で、おおむね右肩上が
りの曲線となる。これは塑性変形により材料が加工硬化
するためである。一方、α+β共相、β相単相のもの
は、塑性変形領域で、右肩下がりの曲線となる。このこ
とから、α+β共相、β相単相のものは塑性変形により
材料がほとんど加工硬化を示さないことがわかる。つま
り、加工硬化を示さないということは、加工が進んでも
変形に必要な応力は増加しないため、良好に鍛造加工で
きるということである。
【0043】上記より、リチウムβ相を含む結晶構造を
有するマグネシウム合金、つまり、6重量%以上のリチ
ウムを含有し、残部がマグネシウムからなるマグネシウ
ム合金が薄肉の鍛造成形に適していることが分かる。
【0044】次に、各合金組成(L5、L6、L9、L
10.5、L11)での耐食性を調べるため、それらの
試験片に対して、1重量%の食塩水に24時間浸漬して
耐食性テストを実施した。各合金組成の耐食性テストの
結果を表8に示す。
【0045】
【表8】 耐食テストの結果から、リチウム添加量が11重量%を
超えると耐食性が劣化することがわかる。
【0046】上記表1〜7の据え込み鍛造テストの結果
と、表8の耐食性テストの結果を総合的に判断するた
め、表9にまとめる。
【0047】
【表9】 表9から明らかなように、マグネシウム合金のうち6〜
10.5重量%のリチウムを含有するものは、薄肉の鍛
造成形に適しているばかりでなく、耐食性に優れるた
め、種々の電子機器の筐体に用いた場合にたいへん有効
であることがわかる。
【0048】次に、合金強化元素として有効な、亜鉛、
アルミニウムを添加した場合の実験を行った。
【0049】まず、上記、L5〜L11のマグネシウム
合金と同様の方法で、リチウムを9重量%、亜鉛を3重
量%含むマグネシウム合金(LZ93)、リチウムを9
重量%、アルミニウムを3重量%含むマグネシウム合金
(LA93)のインゴットをそれぞれ作製した。
【0050】そして、各マグネシウム合金組成での耐食
性を調べるため、それらの試験片に対して、1重量%の
食塩水に24時間浸漬して耐食性テストを実施した結
果、いずれのマグネシウム合金も良好であった。
【0051】また、各L5〜L11のマグネシウム合金
と同様の方法で、各マグネシウム合金組成の据え込み鍛
造テストを行った。その結果を表10に示す。
【0052】
【表10】 表10より明らかなように、強化元素として亜鉛3%あ
るいはアルミニウム3%を添加した場合において、リチ
ウムのみを鍛造した場合に比べ、いずれの場合も加工性
の面では若干劣化するが、成形端部の粗れも生じること
なく鍛造成形が可能であった。したがって、亜鉛3%程
度あるいはアルミニウム3%程度の添加でも、鍛造温度
100〜250℃の条件での鍛造成形が可能であること
がわかった。
【0053】なお、合金強化元素の含有量としては、亜
鉛は4重量%以下、アルミニウムは6重量%以下が最適
である。これについて、引張試験を行って、これらの上
限値以上に含有量が増えると、塑性加工性が劣化するこ
とを確認した。
【0054】次に、結晶粒微細化剤としてカルシウムを
添加した場合の実験を行った。
【0055】まず、上記、L5〜L11のマグネシウム
合金と同様の方法で、カルシウムを1重量%含むマグネ
シウム合金(LC91)、リチウムを9重量%、亜鉛を
3重量%、カルシウムを1重量%含むマグネシウム合金
(LZC931)、リチウムを9重量%、アルミニウム
を3重量%、カルシウムを1重量%含むマグネシウム合
金(LAC931)のインゴットをそれぞれ作製した。
【0056】そして、各マグネシウム合金組成での耐食
性を調べるため、それらの試験片に対して、1重量%の
食塩水に24時間浸漬して耐食性テストを実施した結
果、各マグネシウム合金も良好であった。
【0057】また、各L5〜L11のマグネシウム合金
と同様の方法で、各マグネシウム合金組成の据え込み鍛
造テストを行った。その結果を表11に示す。
【0058】
【表11】 表11より明らかなように、微細化剤を添加した場合に
は、添加しないものに比べて同等あるいはそれ以上の加
工性を示すことが分かる。
【0059】なお、結晶粒微細化剤の含有量としては、
0.5〜2重量%が最適である。これは、0.5重量%
以下では効果が得られず、2重量%以上では、その効果
が飽和してしまい、また、溶解時に鋳造欠陥を生じるか
らである。
【0060】また、ここでは、カルシウムを添加した場
合について実施例を記載したが、ジルコニウム、珪素等
他の微細化剤を用いた場合も同様の結果が得られた。
【0061】次に、リチウムを9重量%、亜鉛を3重量
%含むマグネシウム合金(LZ93)を用い、150℃
の金型温度において、成型時に金型温度以上に材料温度
を保持した場合、すなわち材料予熱の効果について実験
を行った。その結果を、表12に示す。
【0062】
【表12】 上記表12の結果より、以下の3つのことがわかった。
【0063】鍛造圧力が高い90tの場合、実施例1
9、37を比較すると、成形後の厚さが薄い時には、材
料温度を上昇させても、成形性向上の効果はほとんど見
られない。これは、成形後の厚みが薄くなった場合に
は、加圧成形中に、金型に温度を奪われ、成形終了時に
は、材料温度が金型温度と同等になってしまうためと、
金型−材料間の摩擦の影響が大きくなるためと考えられ
る。
【0064】鍛造圧力が低い40tの場合、実施例3
8、39を比較すると、実施例39の方が成形後の厚さ
が3.1mmと薄く成形できているため、材料予熱を行
なうことで成形性を向上させることが可能である。これ
は、材料変形に要する時間が短く予熱の効果が残った状
態で成形を終了できたこと、また、金型−材料間の摩擦
の影響がそれ程支配的でない厚みだったことが考えられ
る。
【0065】比較例20に示したように、材料予熱温度
を300℃を超えて行なうと、予熱中に材料表面が酸化
し、かえって成形性は劣化してしまう。加熱雰囲気を不
活性ガス等の防酸化雰囲気とすることで、300℃を超
えた予熱も可能となることは容易に推測できるが、コス
ト等が上昇するわりに、効果は期待できない。
【0066】また、今回用いたプレス機は、油圧式のも
ののため、成形速度は比較的低速であったが、メカ式等
高速のプレス機を用いた場合には、より成形性向上効果
が期待できる。
【0067】次に、LZ93を用いて、金型温度250
℃、材料予熱温度250℃、鍛圧120tにて、図3に
示すような、携帯型電子機器筐体成形品を鍛造した。結
果良好に成形できた。ここでは、LZ93を用いて、金
型温度250℃、材料予熱温度250℃の条件で成形し
たが、本発明の合金範囲、成形条件では、何れも良好に
成形できた。
【0068】
【発明の効果】上述したように、本発明の第1の効果
は、加工硬化をほとんど示さないβ相組識を有するリチ
ウム含有量が6〜10.5重量%であるマグネシウム合
金を用いた鍛造成形品であるので、軽量、薄肉で、ボ
ス、リブなどの偏肉構造を有することが可能となる。
【0069】
【0070】第の効果は、4重量%以下の亜鉛あるい
は6重量%以下のアルミニウムのうち少なくともいずれ
かを含有したリチウム含有マグネシウム合金を用いた鍛
造成形品であるので、強度向上が可能となる。
【0071】第の効果は、加工硬化をほとんど示さな
いβ相組識を有するリチウム含有量が6〜10.5重量
%であるマグネシウム合金を用いて、100〜250℃
に熱せられた成形金型に装入して鍛造成形するので、軽
量、薄肉で、ボス、リブなどの偏肉構造を有する鍛造成
形品を得ることができる。
【0072】第の効果は、成形金型に装入する前に、
前記マグネシウム合金を300℃以下に予熱するので、
材料装入後すぐに成形できるようになり、また、成形性
の向上も期待できる。
【0073】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による据え込み鍛造テストを示す模式図
である。
【図2】本発明の合金の引張試験結果である。
【図3】本発明の鍛造により成形した鍛造成形品を示す
模式図である。
【図4】汎用展伸性マグネシウム合金の引張試験結果で
ある。
【図5】据え込み鍛造による圧下率と加圧面積の増加を
説明するための図である。
【符号の説明】
1 マグネシウム合金鍛造試験片 2 据え込みテスト用平坦金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−176839(JP,A) 特開 平9−41066(JP,A) 特開 平3−236452(JP,A) 特開 昭57−104641(JP,A) Kaibyshev,O.A.ら,M echanical properti es of the Alloy IM V−2 after superpla stic deformation,I zv.Vyssh.Uchebn.Za ved.,Tsvetn.Metal l.,ロシア,4,P.78−82 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 23/00 - 23/06 B21J 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともリチウムβ相組識を有するリ
    チウム含有量が6〜10.5重量%で残部がマグネシウ
    ムからなるマグネシウム合金を100〜250℃に熱せ
    られた成形金型に装入して鍛造成形して得られることを
    特徴とする鍛造成形品。
  2. 【請求項2】 少なくともリチウムβ相組識を有するリ
    チウム含有量が6〜10.5重量%で且つ、4重量%以
    下の亜鉛あるいは6重量%以下のアルミニウムのうち少
    なくともいずれかを含有する残部がマグネシウムからな
    マグネシウム合金を100〜250℃に熱せられた成
    形金型に装入して鍛造成形して得られることを特徴とす
    る鍛造成形品。
  3. 【請求項3】 少なくともリチウムβ相組識を有するリ
    チウム含有量が6〜10.5重量%であるマグネシウム
    合金を100〜250℃に熱せられた成形金型に装入し
    て鍛造成形することを特徴とする鍛造成形品の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 成形金型に装入する前に、前記マグネシ
    ウム合金を300℃以下に予熱することを特徴とする請
    求項3記載の鍛造成形品の製造方法。
JP19688399A 1999-07-12 1999-07-12 鍛造成形品およびその製造方法 Ceased JP3320037B2 (ja)

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