JP2810706B2 - 金型の製造方法 - Google Patents

金型の製造方法

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JP2810706B2
JP2810706B2 JP1174103A JP17410389A JP2810706B2 JP 2810706 B2 JP2810706 B2 JP 2810706B2 JP 1174103 A JP1174103 A JP 1174103A JP 17410389 A JP17410389 A JP 17410389A JP 2810706 B2 JP2810706 B2 JP 2810706B2
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威雄 中川
達也 富岡
時雄 雨宮
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  • Mounting, Exchange, And Manufacturing Of Dies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は金型の製造方法に関し、更に詳しくは、内面
(型面)を構成する材料のみを任意に選択することがで
きる金型を、極めて簡単に製造する方法に関する。
(従来の技術) 粉末治金の分野またはプラスチックスの成形分野には
各種の金型が使用されている。そして、一般に、金型用
型材には、切削性,研削性などの機械加工性が優れてい
て精密加工が可能な材料であること、型の内面の鏡面仕
上げ加工が良好に行なえる材料であること、硬度が大き
く耐摩耗性,靭性などの機械的特性が優れている材料で
あること、更には寸法の経年変化が小さく、耐食性も優
れ、かつ市場性の大きい材料であること、などの性質が
要求される。現在では、例えば、S55C鋼材,折出硬化系
のステンレス鋼,SKD11系またはSKD12系の焼入鋼などが
広く用いられている。
現在、金型の製作は概ね次のようにして行なわれてい
る。すなわち、先ず上記したような鋼種の素材ブロック
を選定し、これに対し機械加工を施して所定形状の型と
する。ついで、得られた型に焼入,焼戻しを行ない型面
にガス窒化処理、PVD処理のような表面処理を施して表
面硬化せしめ、その後、表面を鏡面に仕上げている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記した金型用型材はいずれもその硬
度が大きく、その素材ブロックの切削加工は非常に困難
である。また、鏡面仕上げ加工も、作業者の高度の熟練
や慎重かつ長時間の作業を必要とする。このため、一般
に、金型の製作における生産性は低くならざるを得ず、
その結果、製作された金型は極めて高価なものとなって
しまう。
型材として軟質の材料を用いれば、金型の製作工程に
おける上記した問題は解消されるが、しかし、得られた
金型は、使用時における変形,摩耗が激しく、工業的に
不適格なものになる。
ところで、金型の機能について考えると、金型にとっ
ては、その内面(型面)が硬質で耐摩耗性等の性質に優
れている材料で構成されていればよく、その他の個所
は、金型を確実に型据するために、その機械的固定手段
による型据力に耐えうる程度の強度ならびに靭性を備え
た材料で構成されていればよいことになる。
しかしながら、現在までのところ、上記したようなハ
イブリッド形式の金型は知られていない。
本発明は内面とその他の個所における別種の必要機能
を兼備している金型を簡単に製造する方法の提供を目的
とする。
(課題を解決するための手段) 上記した目的を達成するために、本発明においては、
軟質で低融点の金属または合金から成る材料の素材ブロ
ックに機械加工を施して、外表面が目的造形物と同一形
状をしているダミー型を造形する工程(以下、第1工程
という);前記ダミー型の外表面に前記材料より硬質で
高融点の無機材料の粉末をプラズマ溶射することにより
溶射被覆層を形成して被覆ダミー型を造形する工程(以
下第2工程という);前記被覆ダミー型の内部から前記
ダミー型を除去してその内面に前記ダミー型の外面形状
が転写されている中空型を造形する工程(以下、第3工
程という);および、前記中空型を型容器内に配置し、
前記中空型の外表面と前記型容器との間に型材料の粉末
を充填したのち高温静水圧成形を行って前記中空型と前
記型材料を一体化する工程(以下、第4工程という);
を備えていることを特徴とする金型の製造方法が提供さ
れる。
(作用) 第1工程では目的造成物と同一形状をしたダミー型が
成形加工で製造されるが、その際に用いる素材ブロック
は軟質の材料から成るため、切削,研削等の機械加工は
極めて容易である。そのため、ダミー型の外面形状を精
密に造形することができるようになる。
第2工程において、ダミー型の外表面にプラズマ溶射
によって形成された溶射被覆層は、ダミー型の構成材料
よりも硬質の無機材料から成る溶射層であるため、その
溶射層におけるダミー型の外表面との界面、すなわち溶
射層の内面は硬質材料で構成されることになる。この場
合、溶射被覆層の形成にはプラズマ溶射法が適用される
ので、無機材料としては、難削性の材料、例えばセラミ
ックスや超硬合金のようなものであっても使用すること
ができるようになる。
第3工程においては、第2工程で得られた被覆ダミー
型からその内部を構成するダミー型のみが除去されるの
で、硬質の溶射被覆層から成る中空型が得られる。そし
てこの中空型の内面は除去されたダミー型の外表面が転
写された面になっている。
第4工程においては、前記中空型を所定の型容器の中
に配置し、両者間に型材料の粉末を充填したのち高温静
水圧成形を行って全体を一体化するので、この型材料と
して強度および靭性に優れた材料を用いれば、中空型の
内面すなわち型面は硬質材料から成り、他の型据用の部
分は靭性の高い材料から成るハイブリッドの一体物が得
られる。
なお、必要により、この一体物を型容器から脱型すれ
ば、内面は目的造形物と同一の外表面をしていて、その
他の個所は靭性材料から成る金型が得られる。
(実施例) 以下に、添付図面に基づいて本発明方法を更に詳細に
説明する。
まず、第1工程においては、第1図に示したように、
仮想線で示した素材ブロック1を例えばバイトのような
工作治具2を用いて切削加工することにより、ダミー型
3が造形される。ここで、ダミー型3の形状は目的造形
物と同一の形状になっている。
素材ブロック1の材料としては、軟質で低融点の金属
または合金が用いられる。例えば、銅,アルミニウムな
どは、被削性も良好で表面の精密加工ができるので好適
である。また、素材ブロック1の材料として、衝撃力の
ような外力を加えると簡単に破砕してしまうような材
料、例えば、セラミックス材を用いてもよい。更には、
低融点の金属もしくは合金の粉末や、上記したセラミッ
クス材の粉末に所定量の低融点または脆性なバインダを
配合し、それを例えばプレス成形して製造した複合材料
は好適である。
ついで、第2工程においては、第2図(a)に示した
ように、所定の外面形状に加工されたダミー型3の該外
表面に、プラズマトーチ4から無機材料粉末の溶融ビー
ド5を溶射して溶射被覆層6を形成して、被覆ダミー型
7が造形される。
この場合、ダミー型3とプラズマトーチ4の電極がそ
れぞれプラズマ電源装置に接続され、両者間にプラズマ
柱を発生させ、ここに無機材料の粉末を供給することに
より、溶融ビード5が形成される。
用いる無機材料としては、プラズマで溶融して溶融ビ
ードを形成し、かつダミー型3の構成材料よりも硬質で
かつ高融点の材料であり、例えば、前記した各種の鋼材
やセラミックスをあげることができる。
また、プラズマトーチ4としては、プラズマ溶射法や
プラズマ溶接法で従来から使用されているものであれば
よい。
なお、この工程では、溶射被覆層6の厚み,形状に関
するデータを予めコンピュータ制御装置に記憶または演
算せしめておき、このデータに基づいて、プラズマトー
チ4もしくはダミー型3のいずれか一方または双方を相
対移動させながら、プラズマトーチ4からダミー型3の
表面に溶融ビード5を溶射せしめることもできる。
なお、ダミー型3が前記した複合材料で構成されてい
る場合は、第2工程の溶射時にダミー型3の外表面に溶
射される高温の溶融ビートによって複合材料中のバイン
ダ成分が熱分解して気化し、その結果、溶射被覆層6に
ブローを生ずることがあるので、このような問題を解消
するために、溶射時には、第2図(b)に示したように
ダミー型3の内部に孔3aを穿設し、この孔3aからフィル
タ3cを介して真空ポンプなどの吸引機器3bを用いて吸引
処理を施すことが好ましい。このようにすれば、ダミー
型3から発生するガス成分は内部の孔3aから吸引され、
溶射被覆層6にブローの発生は起こらなくなる。
第3工程においては、第2工程で造形された被覆ダミ
ー型7からダミー型3を除去する。
ダミー型の除去に関しては、ダミー型3の構成材料は
溶射被覆層6の構成材料よりも低融点であるので、被覆
ダミー型7を外部から加熱して、内部のダミー型の構成
材料のみを溶融し、しかるのちに、第3図に示したよう
に、その融液を流去すればよい。また、ダミー型3の構
成材料のみを適当な酸液で溶解せしめ、その溶解液を流
去してもよい。
かくして、内部が中空で、内面はダミー型3の外面形
状が転写され、シェルは溶射被覆層6から成る中空型8
が得られる。
第4工程においては、第3工程で得られた中空型8
を、第4図に示したように、所定材料から成る型容器9
の中に配置し、この型容器9と中空型8の外表面との間
の空間に型材料10の粉末を充填したのち高温静水圧成形
を行って全体が一体化される。
型材料10の粉末としては、この部分で全体の金型が型
据されるので、強度,靭性等の高い材料の粉末であるこ
とが好ましく、例えば、炭素鋼をはじめとする、構造用
鋼,熱間ダイス鋼または超耐熱合金,セラミックスなど
の粉末、使用条件に応じて幅広く材料の粉末を選定する
ことができる。
最後に、第5工程においては、中空型8と型材料10を
一体化したのちに、その一体物を型容器9から脱型す
る。かくして、第5図に示したように、本発明の金型11
が得られる。
この金型11においては、中空型8の内面はダミー型の
外面形状が転写されている硬質な面であり、中空型8の
外側の型材料10は靭性に優れた材料となっていて、この
両者は強固に一体化している。
(発明の効果) 以上の説明で明らかなように、本発明方法において
は、切削性,研削性が良好で表面の精密加工が可能な軟
質材料でダミー型を造形し、その外表面に硬質な無機材
料のプラズマ溶射層を形成して溶射層の内面に前記ダミ
ー型の外面形状を転写せしめるので、その型面は硬質,
耐摩耗性,熱変形小などの性質を備えることができる。
また、この中空型以外の部分は靭性の高い材料で構成さ
れるため、金型固定手段による型据も確実に行なうこと
ができる。
更には、溶射被覆層の形成はプラズマ溶射で行なわれ
るため、広範囲な無機材料を用いることができ、金型の
内面構成材料の選択の自由度は増し、用途分野を拡大す
ることができるのみならず、ダミー型の造形が容易であ
ることからして、極めて簡単に必要型面の金型を製造す
ることができ、粉末成形用金型,各種の熱間または冷間
ダイスの製造に適用してその工業的価値は極めて大であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図から第5図は本発明方法の各工程例を示す図で、
第1図はダミー型を造形する第1工程の概略図、第2図
は被覆ダミー型を造形する第2工程の概略図、第3図は
中空型と造形する第3工程の概略図、第4図は中空型と
型材料の粉末を一体化する第4工程の概略図、第5図は
得られた金型の断面図である。 1……軟質・低融点素材ブロック、2……工作治具、3
……ダミー型、4……プラズマトーチ、5……溶融ビー
ド、6……溶射被覆層、7……被覆ダミー型、8……中
空型、9……型容器、10……型材料、11……金型。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雨宮 時雄 千葉県柏市松葉町5丁目1番13棟106号 (56)参考文献 特公 昭63−6327(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21D 37/20 B29C 33/38 B29C 33/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟質で低融点の金属もしくは合金または脆
    性材料から成る素材ブロックに成形加工を施して、外表
    面が目的造形物と同一形状をしているダミー型を造形す
    る工程;前記ダミー型の外表面に前記材料より硬質で高
    融点の無機材料の粉末をプラズマ溶射することにより溶
    射被覆層を形成して被覆ダミー型を造形する工程;前記
    被覆ダミー型の内部から前記ダミー型を除去してその内
    面に前記ダミー型の外面形状が転写されている中空型を
    造形する工程;および、前記中空型を型容器内に配置
    し、前記中空型の外表面と前記型容器との間に型材料の
    粉末を充填したのち高温静水圧成形を行って前記中空型
    と前記型材料を一体化する工程;を備えていることを特
    徴とする金型の製造方法。
  2. 【請求項2】前記ダミー型の除去が、外部からの加熱に
    よるダミー型材料の溶融除去または酸液による融解除去
    である請求項1記載の金型の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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