JP4290703B2 - 車両用シート - Google Patents
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Description
また、従来、シリンダ内のピストンの位置を花火により所定位置に保持するようにした構成は、公知である(特許文献2参照)。
また、前記公知例のうち後者のものは、球体をテーパー状の空間に楔のように食込ませることによりロックするため、球体を移動させてロックさせるまでにタイムラグが生じる課題がある。
本願は、車両用シートの構成を工夫することにより、衝突時の着座者の拘束を有効にできるようにしたものである。
本発明は、各ワイヤー57の他端は前記ベルトプリテンショナ装置60のピストン61またはピストンロッド62に接続し、ピストン61またはピストンロッド62には、シートベルト40に荷重が掛かるとシリンダ63の内周面に係合することにより、ピストン31が戻るのを防止するロック体67を設けた車両用シートとしたものである。
本発明は、前記ロック体67は、板バネ材で放射方向に係合凸部68を複数形成し、係合凸部68はワイヤー57側にお椀形状に彎曲させ、通常は、ピストン61をシリンダ63内を自由に移動し、衝突時には、ピストン61の移動によりロック体67の係合凸部68がシリンダ63の内面に係合するように構成した車両用シートとしたものである。
請求項2の発明では、着座者の前方移動によるシートベルト40の引き出しを瞬時にロックできて、着座者の拘束状態を保持でき、着座者の車両用シート1への拘束効果を向上させることができる。
請求項3の発明では、衝突とシートベルト40の拘束とのタイムラグを最小限にすることができるばかりでなく、反力によるアンカープレート41およびインナーラップアンカー44の戻りを確実にロックして、着座者の拘束状態を保持できる。
座席フレーム10は左右一対の縦板部材11を連結部12により連結して構成する。座席フレーム10には座席シート3のクッション座部15を前後移動自在に取付ける。前記座席フレーム10の縦板部材11の後側には後側リンク杆16の上部を取付軸17により回動自在に取付ける。後側リンク杆16の下部には前記クッション座部15の後部を取付軸18により回動自在に取付ける。
クッション座部15は、図3のように、内部にクッションフレーム23を設け、クッションフレーム23にクッション材24等を取付け、クッション材24の外周を表皮25で包囲して形成するが、構成は任意である。
クッション座部15の下面には、プリテンショナ装置30を設ける。プリテンショナ装置30は一例を示すと、ピストン31とシリンダ32と該シリンダ32内に多量のガスを供給するガスジェネレータ33により構成する(図2)。シリンダ32の基部またはピストンロッド34の何れか一方をクッション座部15の下面に取付け、シリンダ32の基部またはピストンロッド34の何れか他方を座席フレーム10の前記連結部12に取付ける。
しかして、前記左右の後側リンク杆16の左右何れか一方には、シートベルト40の一端を係止するアンカープレート41を軸(取付軸18)42により取付け、後側リンク杆16の左右何れか他方には、インナーバックル43を有するインナーラップアンカー44を軸(取付軸18)42により取付ける。
46はシートベルト40の中間部を所定高さに位置させるショルダベルトアンカー、47はベルトリトラクターであり、ベルトリトラクター47は通常時のシートベルト40の引き出しを許容するが、衝撃が掛かったときにはシートベルト40の引き出し(緊張させる)を停止させる機構を内蔵している。
48はガイド軸であり、左右の縦板部材11のガイド溝49に係合させ、後側リンク杆16の回動を案内する。
即ち、後側リンク杆16を所定位置に位置させることにより、アンカープレート41およびインナーラップアンカー44の軸42を斜めに回動させ、略水平のクッション座部15の移動量より大きくし、軸42の移動量S>ガイド軸48の移動量Tにする(なお、後側リンク杆16が所定位置に位置すればよく、その手段は任意であり、実施例に限定されない)。
しかして、背凭シート2は、前記クッション座部15が後方移動できるように、前記座席フレーム10の縦板部材11に回動自在に取付ける。
50は背凭シート2の傾斜角度を調節する公知のリクラインニング装置である。
また、アンカープレート41およびインナーラップアンカー44はワイヤー57の一端に係止し、ワイヤー57の中間部は前記取付軸55に設けたローラー(プーリ)58に掛け回し、ワイヤー57の他端は縦板部材11に係止する。
ロック体67の取付構成は任意であるが、ピストン61に突起部70を設け、突起部70にロック体67の挿入孔71を挿入し、突起部70の先端を潰して固定している。72はシールリングである。
着座者は座席シート3に腰を下ろし、車両用シート1全体をスライドレール5により車体6に対して前後させて前後位置調節を行い、背中を背凭シート2に当てて、リクラインニング装置50により背凭シート2の傾斜角度を調節し、シートベルト40のタングプレート45をインナーバックル43に係合させて、シートベルト40を装着する。
この状態で、走行し、走行中に前方から衝突されると、車体は衝突により前進を阻止されて減速荷重が直ちに発生し、車体の減速荷重の反力が着座者に作用し、着座者は車両用シート1から前方に移動しようとするが、シートベルト40があるため、着座者は車両用シート1に拘束される。
すると、衝突とシートベルト40による拘束との間に所謂タイムラグが生じ、着座者の移動量が大きくなる現象が生じる。
しかして、クッション座部15の後部は後側リンク杆16により、クッション座部15の前部は前側リンク杆20により夫々座席フレーム10に回動自在に取付け、後側リンク杆16はその上部を座席フレーム10の後側に、前側リンク杆20はその下部を座席フレーム10の前側に、夫々取付けているから、座席シート3のクッション座部15の後部は略水平に移動するように案内され、一方、クッション座部15の前部は前側リンク杆20により後方移動しながら上動する。
この場合、アンカープレート41およびインナーラップアンカー44は軸42により夫々後側リンク杆16に取付けられているから、軸42は取付軸17を支点に円弧状に移動するため、クッション座部15の実質後方移動量Tに対して軸42の移動量Sは大きくなり、その結果、シートベルト40を牽引して、一層、着座者の車両用シート1への拘束効果を向上させる。
このロック体67とシリンダ63の内面との係合は、接触抵抗の変化により行うので、衝突時の加速を受けると、ロック体67の係合凸部68がシリンダ63の内面に係合してロックする。
しかし、通常時は、加速を受けないので、ロック体67の係合凸部68がシリンダ63の内面に係合せず、シリンダ63内を自由に移動する。
なお、図6、図7、図10および図11では、理解を容易にするために本来手前側に存在している縦板部材11を省略し、クッション座部15に細点を図示しているが、これにより本願の構成が限定されるものではない。
Claims (3)
- 背凭シート2と座席シート3を有してシートベルト40により衝突時の着座者を拘束しうる車両用シートにおいて、前記座席シート3は車体側に取付けた座席フレーム10と、該座席フレーム10に対して前後移動自在のクッション座部15とを有して構成し、該クッション座部15は、前記背凭シート2を元の位置に残したまま、車体が受けた衝撃により作動するプリテンショナ装置30により後方移動するように構成し、前記シートベルト40のアンカープレート41およびインナーラップアンカー44は、ワイヤー57の一端に夫々取付け、該夫々のワイヤー57の他端は前記座席フレーム10に別途設けたベルトプリテンショナ装置60に接続し、該各ベルトプリテンショナ装置60は、衝突時のアンカープレート41およびインナーラップアンカー44を、前記クッション座部15の移動量Tより大きく牽引するように構成した車両用シート。
- 請求項1において、各ワイヤー57の他端は前記ベルトプリテンショナ装置60のピストン61またはピストンロッド62に接続し、ピストン61またはピストンロッド62には、シートベルト40に荷重が掛かるとシリンダ63の内周面に係合することにより、ピストン31が戻るのを防止するロック体67を設けた車両用シート。
- 請求項2において、前記ロック体67は、板バネ材で放射方向に係合凸部68を複数形成し、係合凸部68はワイヤー57側にお椀形状に彎曲させ、通常は、ピストン61をシリンダ63内を自由に移動し、衝突時には、ピストン61の移動によりロック体67の係合凸部68がシリンダ63の内面に係合するように構成した車両用シート。
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