JP4276092B2 - 集積回路装置 - Google Patents

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Description

本発明は、集積回路装置、遅延同期ループ集積回路、クロック遅延回路、遅延同期ループ集積回路を動作させる方法に関する。
集積回路装置では、内部動作のタイミングを同期させるために内部クロック発生器が利用されることが多い。多様な応用分野において、内部クロック発生器は、集積回路装置の外部から受信するクロック信号(すなわち、外部クロック信号)に内部クロック信号を同期させる遅延同期ループ(DLL:Delay Locked Loops)(または、位相同期ループ)を利用する。
図1に、従来のDLL集積回路10が示されている。このDLL集積回路10は、同期式DRAM(SDRAM)装置のようなメモリ装置だけでなく、同期動作を要求する種々の集積回路装置において利用されうる。図1のDLL集積回路10は、位相検出器14、DLL制御ブロック16、DLLアナログブロック18、及び補償遅延器12を備える。位相検出器14は、外部クロック信号などの主クロック信号CLKと、フィードバッククロック信号FCLKとに応答する。位相検出器14は、主クロック信号CLKとフィードバッククロック信号FCLKとの間のポジティブまたはネガティブ位相差の検出に応答してアップ/ダウン制御信号UP/DNを発生する。アップ/ダウン制御信号UP/DNは、マルチビットデジタル信号であることもあり、またはアナログ信号であることもある。DLL制御ブロック16は、アップ/ダウン制御信号UP/DNと駆動クロック信号DCLKとに応答する。駆動クロック信号DCLKは、主クロック信号CLKと同じ周期を有するクロック信号であり、DLL集積回路10と関連したオンチップ回路(図示せず)を利用して主クロック信号CLKから生成されうる。
DLL制御ブロック16は、駆動クロック信号DCLKとアップ/ダウン制御信号UP/DNとに応答してマルチビットデジタル制御信号CONを発生する。制御信号CONは、駆動クロック信号DCLKに同期され、ポジティブ(ネガティブ)アップ/ダウン制御信号UP/DNに応答して増加し、ネガティブ(ポジティブ)アップ/ダウン制御信号UP/DNに応答して減少する2進値を有する。制御信号CONは、駆動クロック信号DCLKに同期されるため、駆動クロック信号DCLKの周波数が変更されれば制御信号CONが新しい値に更新される。
DLLアナログブロック18は、可変の長さを有する従来の遅延ラインを含む。可変の長さは、制御信号CONの値によってセットされる。遅延ラインは、固定の長さを有することもあり、この場合には、制御信号CONは遅延ライン内のそれぞれの遅延器の遅延時間を調整する。この遅延ラインは、遅延ラインの入力で受信される主クロック信号CLKに応答して内部クロック信号ICLKを発生するように構成される。固定長の遅延ラインを含みうる補償遅延器12は、DLL集積回路10のフィードバック経路に提供される。補償遅延器12は、内部クロック信号ICLKに応答してフィードバッククロック信号FCLKを発生する。したがって、内部クロック信号ICLKの位相変化は、フィードバッククロック信号FCLKの位相に同様の変化として反映される。補償遅延器12は、DLL集積回路に含まれないこともある。
フィードバッククロック信号FCLKまたは主クロック信号CLKが雑音または他の瞬間的な外乱の結果として過度な位相ジッタに直面すれば、このような過度な位相ジッタは、アップ/ダウン制御信号UP/DN値の深刻な変化または制御信号CON値の深刻な変化として現れうる。これら制御信号値の大きい変化は、内部クロック信号ICLKの位相に深刻に影響を及ぼすことがあり、また同期式構成要素の動作と関連したタイミングマージンを減少させることによって集積回路装置内でタイミングエラーを誘発しうる。
クロック信号に過度な位相ジッタを誘発しうる種々の要素がある。例えば、図2は、集積回路メモリ装置内でアクティブ命令(ACTIVE)、読み出し命令(READ)及び/又は書き込み命令(WRITE)が突発的な電源電圧変動(すなわち、電源電圧雑音)を誘発することを示している。このような電源電圧変動は、図1に示された補償遅延器12及び/又はDLLアナログブロック18によって提供される有効な遅延を変化させうる。この遅延の変化は、主クロック信号CLK(すなわち、外部クロック信号)とフィードバッククロック信号FCLKとの間に大きな一時的な位相差を招きうる。
図3は、過度な位相ジッタが発生しうる他の例を表す。特に、図3は、同期クロック信号CLKを発生するメモリコントローラ22及びクロック信号CLKを受信して内部動作を受信クロック信号CLKに同期させるメモリ装置24を含むシステムボード20を示している。高周波数で動作する時、メモリコントローラ22が発生するクロック信号CLKは、メモリコントローラ22の出力ピンからメモリ装置24の入力ピンまで通過する際の突発ジッタに敏感である。したがって、この突発ジッタに応答して、図1に示された位相検出器14は、アップ/ダウン制御信号UP/DN値に対して過度に大きい変化を生じさせうる。
DLL及びPLL集積回路における位相ジッタエラーを扱うために様々な試みがあった。例えば、Stockmanらに付与された米国特許(特許文献1)は、PLL集積回路の動作を改善する位相ジッタ除去器を開示している。Limに付与された米国特許(特許文献2)は、高速動作を支援するために一対のフィードバッククロック信号を発生するDLL集積回路を開示している。
高性能DLL及びPLL集積回路装置を開発するための前記試みにも拘わらず、位相ジッタに影響されにくい改善されたDLL及びPLL集積回路に対する要求が依然としてある。
米国特許6,133,783号公報 米国特許6,434,083号公報
本発明が解決しようとする課題は、クロック信号または他の周期的な制御信号と関連した過度な位相ジッタが前記クロック信号または前記周期的な制御信号によって制御される回路の動作に不利な影響を及ぼすことを防止することである。
前記課題を達成するために本発明は、少なくとも一つの遅延要素及び第1クロック信号CLKに応答して前記少なくとも一つの遅延要素の遅延を周期的に調整する制御回路を備える集積回路装置を提供する。前記第1クロック信号は、例えば、前記集積回路装置によって受信される外部クロック信号のようなクロック信号でありうる。前記制御回路は、前記第1クロック信号での過度なジッタ(所定量を越えたジッタ)の検出に応答して前記遅延要素の遅延の少なくとも一周期の調整を遮断する。言い換えれば、前記制御回路は、前記第1クロック信号で過度なジッタが検出される場合には、前記遅延要素の遅延の少なくとも一周期の調整を遮断する。
前記少なくとも一つの遅延要素と前記制御回路とは、例えばDLLを構成しうる。前記DLLは、例えば、前記第1クロック信号CLKと内部クロック信号ICLKから生成されるフィードバッククロック信号FCLKとの間で過度な位相差の検出に応答して前記内部クロック信号ICLKの位相に対して少なくとも一周期の調整を遮断する。
前記周期調整は、例えば、駆動クロック信号DCLKのリーディングエッジに応答してトリガされる前記内部クロック信号ICLKの位相に対して少なくとも一周期の調整を停止させることによって遮断されうる。前記駆動クロック信号DCLKは、前記第1クロック信号CLKと同じ周期を有し、前記第1クロック信号CLKから生成されうる。前記制御回路は、前記過度な位相差のない場合には前記遅延要素の遅延が前記駆動クロック信号の周波数と同じ周波数で調整されるように構成されうる。
本発明の他の構成例によれば、前記少なくとも一つの遅延素子及び前記制御回路は所定パーセントのクロック(例えば、20%のクロック)を遅延させるクロック遅延回路を構成しうる。前記クロック遅延回路は、例えば、マスター遅延ラインとスレーブ遅延ラインとを使用して構成されうる。前記スレーブ遅延ラインは、例えば、主クロック信号の所定パーセントに想到する量だけ時間が遅延される周期信号を受信する。または、前記スレーブ遅延ラインは、前記主クロック信号を受信し、前記最初クロック信号に対して所定パーセントのクロック遅延を提供するように構成されうる。
本発明のさらに他の構成例では、DLLは、入力クロック信号と内部クロック信号から生成されるフィードバッククロック信号との間における過度な位相差の検出に応答して前記内部クロック信号の位相に対して少なくとも一周期の調整を遮断する。また、持続的に維持される過度位相のために応答して、前記DLLは前記入力クロック信号と前記フィードバッククロック信号との間の位相差が許容可能なレベルに戻る時まで前記内部クロック信号の位相に対する周期調整を再び始める。
本発明のさらに他の構成例では、DLLは、入力クロック信号に応答して出力クロック信号を発生するように構成される。前記DLLは、前記入力クロック信号の位相と前記出力クロック信号から生成されるフィードバッククロック信号の位相とを比較する位相検出器を備える。また、前記DLLは、第1時間可変制御信号(例えば、マルチビット制御信号)及び前記入力クロック信号に応答して前記出力クロック信号を発生する可変遅延要素(例えば、可変遅延ライン)を備える。また前記DLLは、制御回路を備える。前記制御回路は、前記入力クロック信号と前記フィードバッククロック信号とに応答して、前記入力クロック信号と前記フィードバッククロック信号との間における過度な位相差の検出に応答して前記可変遅延要素によって提供される遅延の少なくとも一周期の更新を遮断するアクティブ停止信号を発生する手段として動作する。
本発明によれば、例えば、位相ジッタ免疫性を向上させる遮断回路を備えることによって位相ジッタに対して鈍感にすることができる。したがって、本発明によれば、クロック信号または他の周期的な制御信号と関連した過度な位相ジッタが前記クロック信号または前記周期的な制御信号によって制御される回路の動作に不利な影響を及ぼすことを防止することができる。
以下、添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図4において、3組のロッキング状態及び信号エッジの図面が示されている。これら図面は、主クロック信号CLKの一連の連続的な3サイクル間におけるDLL集積回路の動作を示している。主クロック信号CLKは、例えば、DLL集積回路が受信する外部クロック信号である。図4の左側に正常ロッキング状態の条件が示されている。この正常ロッキング状態で、フィードバッククロック信号FCLKと主クロック信号CLKとの間の位相差が△dとして示される。△dは、許容可能な位相差範囲△内である。フィードバッククロック信号FCLKと主クロック信号CLKとの間の位相差が許容可能な位相差範囲△内にあるか否かの決定は、主クロック信号CLK、遅延された主クロック信号CLKD、フィードバッククロック信号FCLK、及び遅延されたフィードバッククロック信号FCLKDのリーディングエッジを評価することによってなされうる。図4の左側にある信号エッジ図面によって示されたように、主クロック信号CLKと遅延された主クロック信号CLKDとは、1/2△だけ位相がずれており、フィードバッククロック信号FCLKと遅延されたフィードバッククロック信号FCLKDとについても、1/2△だけ位相がずれている。
図4の中央に、所望しない“アンロック”状態が示されている。過度な位相ジッタ(所定量を越えたジッタ)から引き起こされるこのような所望しない状態では、フィードバッククロック信号FCLKと主クロック信号CLKとの間の位相差が許容可能な位相差範囲△から外れる。しかし、図4の右側に示されたように、このような過度な位相ジッタが短い期間の一時的な現象であれば、DLL集積回路は、次のクロックサイクルで正常ロッキング状態を回復する。このような正常ロッキング状態の即時の回復は、フィードバッククロック信号FCLKの位相を調節することによってDLL集積回路の動作特性を変更させることなくなされうる。言い換えれば、図4の中央にロッキング状態及び信号エッジ図面に示された過度なクロックジッタは、ジッタが十分に短い期間の一時的な現象であれば、DLL集積回路によって無視されうる。
図4に示された短期間のクロックジッタを無視できるDLL集積回路の構成例が図5A、図5Bに示されている。特に、図5Aは、主クロック信号CLKに応答して内部クロック信号ICLKを発生するDLL集積回路50を示している。この主クロック信号CLKは、例えば、DLL集積回路50を含む集積回路チップが受信する外部クロック信号である。DLL集積回路50は、位相検出器51、内部クロック発生回路53、及び突発ジッタ検出及び遮断回路55を備える。図5Aに示す構成例では、内部クロック信号ICLKに固定遅延を与えるために補償遅延器57が設けられている。図5Bに示す構成例では、補償遅延器57が設けられていない。
位相検出器51は、主クロック信号CLK及びフィードバッククロック信号FCLKに応答する。位相検出器51は、主クロック信号CLKとフィードバッククロック信号FCLKとの間のポジティブまたはネガティブ位相差の検出に応答してアップ/ダウン制御信号UP/DNを発生する。アップ/ダウン制御信号UP/DNは、マルチビットデジタル信号またはアナログ信号でありうる。内部クロック発生回路53は、DLLアナログブロック533及びDLL制御ブロック531を含む。位相検出器51、突発ジッタ検出及び遮断回路55、並びに、DLL制御ブロック531は、DLL集積回路50の各構成要素の動作を行わせるDLL制御回路54を形成する。
DLL制御ブロック531は、内部システムクロック信号ISCLK及びアップ/ダウン制御信号UP/DNに応答してマルチビットデジタル制御信号CONを発生する。制御信号CON値の変化は、内部システムクロック信号ISCLKに同期される。制御信号CON値は、ポジティブ(ネガティブ)アップ/ダウン制御信号UP/DNに応答して増加し、ネガティブ(ポジティブ)アップ/ダウン制御信号UP/DNに応答して減少する。内部システムクロック信号ISCLKは、AND演算を行うゲート532を利用して、周期的な駆動クロック信号DCLKをアクティブローの停止信号HALTBと論理的に組み合わせることによって発生する。
したがって、停止信号HALTBが論理1レベルに非活性化される時は、内部システムクロック信号ISCLKは駆動クロック信号DCLKと同一である。しかし、停止信号HALTBが論理0レベルに活性化される時は、駆動クロック信号DCLKは遮断され、内部システムクロック信号ISCLKは論理0レベルにロックされる。DLLアナログブロック533は、制御信号CON値によってセットされる可変長を有するか、または固定長を有する従来の遅延ラインを含む。遅延ラインが固定長を有する場合には、制御信号CONは、遅延ライン内のそれぞれの遅延要素によって提供され遅延値をセットさせる。このDLLアナログブロック533は、主クロック信号CLKに応答して内部クロック信号ICLKを発生する。
突発ジッタ検出及び遮断回路55は、フィードバッククロック信号FCLKと主クロック信号CLKとの間で過度な位相差が検出される度に停止信号HALTBをローレベルに活性化させる。この過度な位相差は、フィードバッククロック信号FCLKに短期間の位相過度現象を生じさせるオンチップ電源電圧雑音によって齎されたり、主クロック信号CLKの位相変化によって齎されたりしうる。突発ジッタ検出及び遮断回路55は、位相ウィンドー検出回路551及び突発ジッタ判断回路553を含む。位相ウィンドー検出回路551は、図7によってさらに説明され、突発ジッタ判断回路553は、図8によってさらに説明される。
図7を参照すれば、位相ウィンドー検出回路551は、Dフリップフロップ73〜76、2つの遅延要素71,72、2つのXORゲート77,78、及びNORゲート79を含む。遅延要素71,72は、1/2△に想到する遅延を提供するように構成される。△は、フィードバッククロック信号FCLKと主クロック信号CLKとの間の許容可能な位相差である。すなわち、△は、FCLKのリーディングエッジがCLKの対応するリーディングエッジを遅れることができる最大時間を表す。フリップフロップ73は、フィードバッククロック信号FCLKを受信し、フリップフロップ74は遅延要素71が発生する遅延されたフィードバッククロック信号FCLKDを受信する。フリップフロップ73,74は、主クロック信号CLKに応答するクロック入力を有する。フリップフロップ75は、主クロック信号CLKを受信し、フリップフロップ76は遅延要素72が発生する遅延された最初クロック信号CLKDを受信する。フリップフロップ75,76は、フィードバッククロック信号FCLKDに応答するクロック入力を有する。
フリップフロップ73〜76の出力A,B,C,Dは、XORゲート77,78の入力に提供される。XORゲート77の出力は、入力A,Bが相異なる値を有する時に論理1レベルにセットされ、XORゲート78の出力は入力C,Dが相異なる値を有する時論理1レベルにセットされる。NORゲート79は、XORゲート77,78の2つの出力が全て論理0レベルになる時、アクティブハイのウィンドー信号OUT−OF−WINを発生する。したがって、ウィンドー信号OUT−OF−WINの値は、次の数式で表現されうる。
Figure 0004276092
したがって、位相ウィンドー検出回路551の構成に基づいて、ウィンドー信号OUT−OF−WINは、フィードバッククロック信号FCLKと主クロック信号CLKとが過度な量だけ互いに位相がずれる度にハイレバルにセットされる。この過度な位相差は、図4の中央に示されたロッキング状態及び信号エッジダイヤグラムによって表現されうる。
図5A、図5B及び図8において、突発ジッタ判断回路553は、ウィンドー信号OUT−OF−WINに応答して停止信号HALTBを発生する。突発ジッタ判断回路553は、一対のフリップフロップ81,82及び一対のNANDゲート86,87を含む。また、分離回路がフリップフロップ81,82間に提供される。この分離回路は、インバータ85、伝送ゲート83、及びPMOSプルアップトランジスタ84を含む。これらは、各々制御信号CNTに応答する。ある構成例では、DLL集積回路50がSDRAM装置に内蔵される場合には、制御信号CNTが従来のMRS信号(命令)から生成されることもあり、またはヒューズ情報信号から生成されることもある。制御信号CNTが論理1レベルにセットされる時、伝送ゲート83はターンオンされ、PMOSプルアップトランジスタ84はディセーブルされる。したがって、第2フリップフロップ82のデータ入力は、第1フリップフロップ81のデータ出力に電気的に連結される。しかし、制御信号CNTが論理0レベルにセットされる時、伝送ゲート83はターンオフされ、PMOSプルアップトランジスタ84は活性化される。このような条件下で、第2フリップフロップ82のデータ入力は、ハイレバルに固定され、第1フリップフロップ81の出力の変化によって影響を受けない。2つのフリップフロップ81,82は、駆動クロック信号DCLKに応答するクロック入力端を有する。また、フリップフロップ81,82は、アクティブハイリセット信号RESETを受信する。
図8の突発ジッタ判断回路553は、比較的短期間の間だけアクティブされるウィンドー信号OUT−OF−WINについてはFCLKの位相とCLKの位相との間の短期間の一時的な過度現象であると見なされて無視されるように構成される。一方、比較的長期間にわたってアクティブにされるウィンドー信号OUT−OF−WINは、DLLアナログブロック533によって提供される遅延における変化を要求するものとして見なされる。前記遅延における変化は、DLL集積回路50によって新しい遅延ロッキングを得られるように内部クロック信号ICLKとフィードバッククロック信号FCLKの位相を調節する。
表1及び表2を参照すれば、制御信号CNTの値は、過度位相ジッタが無視される間には周期区間をセットする。表1は、制御信号CNTが論理1レベルにセットされた時における図8の信号の状態を表す。“REn”(nは、正の整数)は、駆動クロック信号DCLKの上昇エッジを表す。“+”は、駆動クロック信号DCLKのリーディングエッジ(すなわち、上昇エッジ)直後の時点を表し、“−”は、駆動クロック信号DCLKのリーディングエッジ直前の時点を表す。
表1は、アクティブなウィンドー信号OUT−OF−WINが存在する時におけるDLLアナログブロック533の状態を表す。制御信号CNTが論理1レベルにセットされた時におけるDLLアナログブロック533の状態変化は、駆動クロック信号DCLKの連続的な2つのサイクル間にわたって遮断される(表1では、”UPDATE BLOCKED”と標記されている)。しかし、ウィンドー信号OUT−OF−WINが比較的長期間にわたってアクティブにされた場合には、図8の突発ジッタ判断回路553は、フィードバッククロック信号FCLKと主クロック信号CLKとの間の過度な位相差を無視することができる短期間の一時的な過度現象とは見なさない。このような場合には、DLLアナログブロック533によって提供される遅延が、2つの遮断サイクルの後に、ウィンドー信号OUT−OF−WINが論理1レベルにアクティブにされても更新される。
Figure 0004276092
一方、表2に示されたように、制御信号CNTが論理0レベルにセットされた場合には、DLLアナログブロック533の状態に対する更新は駆動クロック信号DCLKの一サイクルの間だけ遮断される。このような方式で、制御信号CNTを論理0レベルにセットすることによって、DLL集積回路50がフィードバッククロック信号FCLKと主クロック信号CLKとの間の位相差を訂正し易くなる。過度ジッタがさらに頻繁に現れる雑音環境では、制御信号CNTを論理1レベルにセットすることによってDLL集積回路50が内部クロック信号とフィードバッククロック信号の位相に対して不要に訂正することが防止される。
Figure 0004276092
表2に示された結果が図6のタイミング図によって説明される。図6は、クロック信号CLKとフィードバッククロック信号FCLKとの間に過度なジッタが発生したことを表している。過度なジッタに応答して、停止信号HALTBがアクティブレベルであるローレベルに遷移し、内部システムクロック信号ISCLKの周期的な特性がインターラプトされる(ISCLK=HALTB×DCLK)。ISCLKのインターラプトに応答して、制御信号CON値の変化に応答して発生する位相更新が一時的に遮断される。なお、図1のDLL集積回路10では位相更新が遮断されない。
図5AのDLL集積回路50は、周期的な信号に所定パーセントのクロック遅延を発生させようとする構成に適用されうる。図5Bは、内部クロック発生回路53'とスレーブ遅延ライン59とを含むDLL集積回路50’を表す。内部クロック発生回路53'は、マスター遅延ライン533’とDLL制御ブロック531'とを含む。遅延させようとする所定パーセントが20%である場合には、マスター遅延ライン533’内の遅延要素の数に対するスレーブ遅延ライン59内の遅延要素の数の比率が0.2である。スレーブ遅延ライン59は、周期的な入力信号INに対して0.2Tだけ遅延した出力信号OUTを発生する。ここで、Tは、主クロック信号CLKの周期を表す。入力信号INは、例えば、主クロック信号CLKとすることができる。
DLL制御ブロック531'は、ウィンドー信号OUT−OF−WINがハイレバルにアクティブされる時、マスター及びスレーブ制御信号CON1,CON2に対して少なくとも一周期の更新を停止させるように動作する。ここで、マスター遅延ライン533’及びスレーブ遅延ライン59は、固定長を有し、制御信号CON1,CON2は固定長遅延ライン内の遅延要素の遅延をセットさせる。DLL集積回路50'の動作は、図5AのDLL集積回路50と類似である。位相検出器51、突発ジッタ検出及び遮断回路55及びDLL制御ブロック531’は、DLL集積回路50'の構成要素の動作を行わせるDLL制御ブロック54’を形成する。
本発明のさらに他の適用例では、過度位相ジッタを検出し、過度位相ジッタが検出されたときに所定時間だけ内部の電圧制御発進器(Voltage Controlled Oscillator:VCO)を停止させる制御回路を含む位相同期ループ(PLL)を備えうる。PLLに関する追加情報は、J.Rabaeyによって執筆された“Digital Integrated Circuits:A Design Perspective”という名称の文献(Prentice−Hall,Inc.,(1996),pp.540−543)のセクション9.5.2に記載されている。
以上、図面と明細書で最適の実施形態が開示された。ここで、特定の用語が使われたが、これは単に本発明を説明するための目的から使われたものであり、意味限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使われたものではない。したがって、当業者であれば、これから多様な変形及び均等な他の実施形式の採用が可能であることが分かる。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されるべきである。
本発明は、クロック発生回路を備える集積回路装置に利用されうる。
従来技術によるDLL集積回路装置のブロック図である。 メモリ命令(すなわち、アクティブ、読み出し及び書き込み)が突発的な電源電圧雑音を誘発することを表すタイミング図である。 クロック信号と関連した突発ジッタを発生するメモリシステムのタイミング図及びブロック図である。 DLL集積回路の正常的なロッキング状態が主クロック信号CLKとフィードバッククロック信号FCLKとの間に過度な位相ジッタの出現によって一時的にインターラプトを受けることを示す、一連のクロックサイクルと関連したロッキング状態及び信号エッジを示す図である。 本発明の一適用例に係るDLL集積回路を示す図である。 本発明の他の適用例に係るDLL集積回路を示す図である。 過度な位相ジッタに対する図1のDLL集積回路の動作と図5AのDLL集積回路の動作との比較を示すタイミング図である。 本発明の一構成例としての位相ウィンドー検出回路の回路図である。 本発明の一構成例としての突発ジッタ判断回路の回路図である。
符号の説明
50 DLL集積回路
51 位相検出器
53 内部クロック発生回路
54 DLL制御回路
55 突発ジッタ及び遮断回路
57 補償遅延器
531 DLL制御ブロック
532 NAND動作を行うゲート
533 DLLアナログブロック
551 位相ウィンドー検出回路
553 突発ジッタ判断回路
FCLK フィードバッククロック信号
ICLK 内部クロック信号
OUT-OF-WIN ウィンドー信号
HALTB 停止信号
CON 制御信号
ISCLK 内部システムクロック信号
DCLK 駆動クロック信号
CLK 最初クロック信号
UP/DN アップ/ダウン制御信号

Claims (15)

  1. 遅延同期ループを有する集積回路装置であって、
    前記遅延同期ループは、
    第1クロック信号を遅延させる遅延要素と、
    前記遅延要素による遅延を通して生成されるフィードバッククロック信号と前記第1クロック信号との位相差に応じて前記遅延要素の遅延を周期的に調整するとともに、前記第1クロック信号の過度なジッタの検出に応答して前記遅延要素の遅延の当該調整を少なくとも一周期の間だけ遮断する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、
    前記フィードバッククロック信号と前記第1クロック信号とに応答してアップ/ダウン制御信号を発生する位相検出器と、
    前記フィードバッククロック信号と前記第1クロック信号との間の過度な位相差の検出に応答してアクティブウィンドー信号を発生する位相ウィンドー検出回路と、
    前記アクティブウィンドー信号に応答してアクティブ停止信号を発生する突発ジッタ判断回路と、
    を備えることを特徴とする集積回路装置。
  2. 前記突発ジッタ判断回路は、
    前記位相ウィンドー検出回路の出力に電気的に連結される入力を有する第1フリップフロップと、
    第2フリップフロップと、
    前記第1フリップフロップの出力と前記第2フリップフロップの入力との間に電気的に連結される分離回路と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の集積回路装置。
  3. 前記分離回路は、MRS命令信号及びヒューズ情報信号の何れか一つの制御信号に応答することを特徴とする請求項2に記載の集積回路装置。
  4. 前記分離回路は、前記遅延要素の遅延が調整されない間に前記制御信号の値が遮断周期の長さをセットするように構成されることを特徴とする請求項3に記載の集積回路装置。
  5. 主クロック信号に応答して出力クロック信号を発生する遅延同期ループを備え、前記遅延同期ループは、
    前記主クロック信号の位相と前記出力クロック信号から生成されたフィードバッククロック信号の位相とを比較する位相検出器と、
    第1時間可変制御信号及び前記主クロック信号に応答して前記出力クロック信号を発生する可変遅延要素と、
    前記主クロック信号と前記フィードバッククロック信号とに応答して動作するように構成され、前記主クロック信号と前記フィードバッククロック信号との間における過度な位相差の検出に応答して前記可変遅延要素によって提供される遅延の更新を少なくとも一周期だけ遮断するアクティブ停止信号を発生する手段と、
    を備えることを特徴とする集積回路装置。
  6. 入力で第1クロック信号を受信するマスター遅延ラインと、
    スレーブ遅延ラインと、
    前記マスター遅延ライン及び前記スレーブ遅延ラインに電気的に連結され、前記第1クロック信号における過度でないジッタの検出に応答して前記マスター及びスレーブ遅延ラインに対して周期的な遅延調整を行い、前記第1クロック信号における過度なジッタの検出に応答して前記マスター及びスレーブ遅延ラインに対する周期的な遅延調整を一時的に停止させる制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、
    前記マスター遅延ラインによって得られるフィードバッククロック信号と前記第1クロック信号とに応答してアップ/ダウン制御信号を発生する位相検出器と、
    前記フィードバッククロック信号と前記第1クロック信号との間での過度な位相差の検出に応答してアクティブウィンドー信号を発生する位相ウィンドー検出回路と、
    前記アクティブウィンドー信号に応答してアクティブ停止信号を発生する突発ジッタ判断回路と、
    を備えることを特徴とするクロック遅延回路。
  7. 前記突発ジッタ判断回路は、
    前記位相ウィンドー検出回路の出力に電気的に連結される入力を有する第1フリップフロップと、
    第2フリップフロップと、
    前記第1フリップフロップの出力と前記第2フリップフロップの入力との間に電気的に連結される分離回路と、
    を備えることを特徴とする請求項6に記載のクロック遅延回路。
  8. 前記分離回路は、MRS命令信号及びヒューズ情報信号の何れか一つの制御信号に応答することを特徴とするクロック請求項7に記載のクロック遅延回路。
  9. 遅延同期ループ集積回路を動作させる方法において、
    主クロック信号における過度な位相ジッタの検出に応答して、前記主クロック信号を受信する遅延ラインによって提供される遅延の周期的な更新を遮断する段階を備え、
    前記主クロック信号に過度な位相ジッタが存在する場合に、前記遅延ラインによって提供される前記遅延の周期的な更新を再び始める段階をさらに備えることを特徴とする方法。
  10. 前記遮断する段階は、前記過度な位相ジッタが検出された場合にアクティブの停止信号を発生させ、該停止信号の発生に応答して前記更新を遮断し、前記周期的な更新を再び始める段階は、前記過度な位相ジッタが検出されないことによって前記停止信号が非活性化された時に行われることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 遅延同期ループ集積回路を動作させる方法において、
    主クロック信号における過度な位相ジッタの検出に応答して、前記主クロック信号を受信する遅延ラインによって提供される遅延の周期的な更新を遮断する段階を備え、
    前記遅延の周期的な更新は、前記主クロック信号の周期と同じ周期を有する駆動クロック信号と同期され、
    前記主クロック信号に過度な位相ジッタが存在する場合に、前記遅延ラインによって提供される前記遅延の周期的な更新を再び始める段階をさらに備えることを特徴とする方法。
  12. 前記遮断する段階は、前記過度な位相ジッタが検出された場合にアクティブの停止信号を発生させ、該停止信号の発生に応答して前記更新を遮断し、前記周期的な更新を再び始める段階は、前記過度な位相ジッタが検出されないことによって前記停止信号が非活性化された時に行われることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 遅延同期ループ集積回路を動作させる方法において、
    主クロック信号における過度な位相ジッタの検出に応答して、前記主クロック信号を受信する遅延ラインによって提供される遅延の周期的な更新を遮断する段階を備え、
    前記主クロック信号と前記遅延ラインによって得られるフィードバッククロック信号との間での過度な位相差の検出に応答してアクティブウィンドー信号を発生する段階と、
    前記アクティブウィンドー信号に応答して、前記主クロック信号から生成される駆動クロック信号と同期されるアクティブ停止信号とを発生する段階と、
    をさらに備えることを特徴とする方法。
  14. 前記主クロック信号に過度な位相ジッタが存在する場合に、前記遅延ラインによって提供される前記遅延の周期的な更新を再び始める段階をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記遮断する段階は、前記過度な位相ジッタが検出された場合にアクティブの停止信号を発生させ、該停止信号の発生に応答して前記更新を遮断し、前記周期的な更新を再び始める段階は、前記アクティブウィンドー信号がアクティブ状態を維持する間に非活性停止信号の発生に応答して行われることを特徴とする請求項14に記載の方法。
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