JP4274180B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、記録ヘッドの移動をともなわず、記録媒体を移動させることによってその記録媒体に対する記録を完了させるインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノズルからインク滴を吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置における記録速度の高速化の要望から、多数のノズルが記録媒体の幅以上の長さに亘って配列されたライン型の記録ヘッド(以下、ラインヘッドという)を備えたインクジェット記録装置(以下、ラインヘッド型インクジェット記録装置という)が実用化されている。
このラインヘッド型インクジェット記録装置では、記録媒体は、記録される面がラインヘッドのノズルが形成された面に対向して連続的又は間欠的に搬送される。また、ラインヘッドは、搬送されてくる記録媒体の記録される面に向けて、配列された多数のノズルの中から記録すべき情報に基づいて選択的にインク滴を吐出する。つまり、ラインヘッド型インクジェット記録装置は、記録ヘッドの移動をともなわず、記録媒体を一方向に移動させるだけでその記録媒体に対する記録を完了するものである。
【0003】
このラインヘッド型インクジェット記録装置において、従来、例えば、特開平10−202922号公報に記載されているように、一対のローラ間にかけ渡された搬送ベルト上に吸着されて搬送される記録媒体に記録を行う構成が知られている。
また、ライン型に限らず、インクジェット記録装置の記録ヘッドにおいては、インク滴が吐出されるノズルからインクの溶媒が蒸発してノズル内のインクの粘度が上昇してしまい、最悪の場合には固化してしまったり、ノズル内に異物が侵入してしまったりしてノズルの目詰りが発生し、ノズルからインク滴を吐出する性能が低下してしまうことがある。そこで、インクジェット記録装置は、ノズル内のインク粘度の上昇や目詰りによって吐出性能が低下してしまう前に、記録とは関係なくインク滴を吐出して目詰りを予防する目詰り予防吐出を行い、良好な記録品質が維持されるように構成されている。
【0004】
上記ラインヘッド型インクジェット記録装置においては、従来、例えば、特開2001−113690号公報に記載されているように、一対の搬送ローラ間にかけ渡されて記録媒体を搬送する搬送ベルトに複数の穴を形成し、これら複数の穴を通してインク滴を吐出することにより、多数の記録媒体に連続的に記録を行っても、目詰り予防吐出が記録完了までの時間を長期化してしまうことを回避する技術が知られている。
【0005】
また、ライン型に限らず、インクジェット記録装置の記録ヘッドにおいては、インク滴が吐出されるノズルからインクの溶媒が蒸発してノズル内のインクが固化してしまったり、ノズル内に異物が侵入してしまったりしてノズルの目詰りが発生し、ノズルからインク滴を吐出する性能が低下してしまうことがある。そこで、インクジェット記録装置は、ノズル面を覆って保護する保護キャップを備え、溶媒の蒸発、ノズル内への異物の進入等を防ぎ、ノズルの目詰りを防止して良好な記録品質が維持されるように構成されている。
【0006】
上記ラインヘッド型インクジェット記録装置においては、従来、例えば、特開2002−120386号公報に記載されているように、キャップを搬送ベルトの側方に退避させておき、搬送ベルト上に配置される記録ヘッドを上方向に移動させて記録ヘッドと搬送ベルトとの間に隙間を発生させ、その隙間に搬送ベルトの搬送方向に直交する方向からキャップを挿入する技術が知られている。
【0007】
また、インクジェット記録装置の記録ヘッドにおいては、インク滴が吐出されるノズルからインクの溶媒が蒸発してノズル内のインクが固化してしまったり、ノズル内に異物が侵入してしまったりしてノズルの目詰りが発生し、ノズルからインク滴を吐出する性能が低下してしまうことがある。そこで、インクジェット記録装置は、低下した吐出性能を回復させる吐出性能回復装置を備え、良好な記録品質が維持されるように構成されている。
【0008】
上記ラインヘッド型インクジェット記録装置においては、従来、例えば、特開2002−103638号公報に記載されているように、ラインヘッドを記録媒体に平行な平面上で、ノズルが記録媒体に対向しない領域である非記録領域へ回動させて、ラインヘッドの吐出性能を回復させる技術が知られている。
また、上記ラインヘッド型インクジェット記録装置においては、従来、例えば、特開平8−132700号公報に記載されているように、一対の搬送ローラ間にかけ渡される搬送ベルト上に記録媒体を載置して搬送する構成が知られている。そして、搬送中の記録媒体が搬送ベルト上から浮いてしまうことを抑制するために、記録媒体の搬送方向の記録ヘッド間に拍車を設けた構成が知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特開平10−202922号公報に記載されている構成では、搬送ベルトの伸縮により記録媒体の搬送速度が変動したり、搬送ベルトが搬送ローラ間で振動することにより記録ヘッドと記録媒体との間隔が不安定となったりして、インク滴の記録媒体への着弾位置が所定の位置からずれてしまうことがある。これらの現象によるインク滴の着弾位置ずれは、搬送ベルトによる搬送区間が長くなる程、顕著に発生する。つまり、良好な記録品質を維持しながら搬送ベルトによる搬送区間を長くすることが困難であるという未解決の課題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、記録品質を損なうことなく搬送ベルトによる搬送区間を長くしたり、さらなる記録品質の向上、記録速度の高速化を図ったりすることができるインクジェット記録装置を提供することを第1の目的とする。
また、上記特開平10−202922号公報に記載されている構成では、インク滴を吐出する多数のノズルが用紙幅方向にA4短辺寸法にわたって配列形成されている。そして、搬送ベルトは、配列形成された多数のノズルが構成するノズル列の長さより長い幅寸法を有し、そのノズル列を覆うようにノズルに対向して配設されている。
【0010】
従って、A4サイズの記録用紙に縁なし記録を実施させようとすると、記録用紙の記録領域外に出てしまうインクが搬送ベルトを汚してしまう。また、A4サイズより小さいサイズや異形状などの記録用紙に縁なし記録を行うことが困難であるという未解決の課題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、搬送ベルトをインクで汚すことなく、種々の寸法及び形状を有する記録媒体に縁なし記録を可能とするインクジェット記録装置を提供することを第2の目的とする。
【0011】
また、上記特開2001−113690号公報に記載されている従来技術では、記録媒体を搬送する搬送ベルトに穴を形成しなければならず、穴が形成された搬送ベルトに所定の引張り荷重を付与すると、穴近傍の部分は、他の部分に比較して、引張り応力及びひずみが大きくなる。すなわち、形成された穴の影響で、搬送ベルトの全周において、引張り応力及びひずみが不均一に発生することになる。
【0012】
これは、搬送ベルトによって記録媒体を搬送して記録を行うインクジェット記録装置にとっては、記録品質を向上することが困難であるという点で好ましくない。つまり、搬送ベルトによる搬送においては、搬送ベルトの伸縮により記録媒体の搬送速度が変動したり、搬送ベルトが搬送ローラ間で振動することにより記録ヘッドと記録媒体との間隔が不安定となったりして、インク滴の記録媒体への着弾位置が所定の位置からずれてしまう。
【0013】
すなわち、上記特開2001−113690号公報に記載されている従来技術では、搬送ベルトに穴を形成することにより、搬送速度の変動及び搬送ベルトの振動が助長され、記録品質の向上が困難であるという未解決の課題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、記録媒体の搬送速度の変動を抑制し、記録品質及び記録速度の低下を招くことなく目詰り予防吐出を可能とするインクジェット記録装置を提供することを第3の目的とする。
【0014】
また、上記特開2002−120386号公報に記載されている従来技術では、記録ヘッドを上方向に移動させ、さらにキャップを側方から記録ヘッド下へ移動させる構成であるため、保護キャップが記録ヘッドにセットされるまでの時間及び保護キャップを記録ヘッドから外して退避させるまでの時間を短縮することが困難である。また、記録ヘッド及び保護キャップのそれぞれを移動させる機構が必要であり、機構部の高い信頼性を維持したり、構成部品数を低減したりすることが困難であるなどの未解決の課題がある。
【0015】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成で、保護キャップの記録ヘッドへの着脱にかかる時間を短縮できるとともに、高い信頼性を確保することができるインクジェット記録装置を提供することを第4の目的とする。
また、上記特開2002−103638号公報に記載されている従来技術では、ラインヘッドを損傷させることなく回動速度を高速化するには限界があり、吐出性能回復にかかる時間を短縮することが困難であり、回動させる機構や制御が複雑になる。また、非記録領域に吐出性能回復装置を設けなければならないため、小型化が困難であるなどの未解決の課題がある。
【0016】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、吐出性能回復にかかる時間を短縮できるとともに、小型化が容易なインクジェット記録装置を提供することを第5の目的とする。
また、上記特開平8−132700号公報に記載されている従来技術では、記録媒体の搬送中の浮きを抑制する拍車が記録媒体の搬送方向における記録ヘッド間に配設されている。従って、ラベル紙等の剛性の高い記録媒体に対しては拍車によって浮きが抑制されるとともに、記録ヘッドと記録媒体との間隔を良好に保つことができるが、記録用紙等の剛性の高くない記録媒体にインクが染み込んで発生する反り返りに対しては十分な効果を得ることができない。
【0017】
つまり、従来技術における課題を説明する図である図52に示すように、記録用紙Pは、記録ヘッドHDAから吐出されたインクIKが記録面PPに染み込むと、記録面PPのインクIKが染み込んだ部分で、記録面PPとこの記録面PPとは逆の面である搬送面PHとのバランスがくずれて反り返りが発生する(図52(b))。
搬送ベルトV上に載置された記録用紙Pが搬送されて拍車部に到達すると、記録用紙Pは、図52(c)に示すように、拍車SPによって反り返りが矯正される。
【0018】
記録用紙Pが拍車部を通過して記録ヘッドHDBに到達すると、記録用紙Pは、図52(d)に示すように、反り返りを矯正するものがないため、再び反り返りが発生してしまう。すなわち、記録用紙Pの反り返りは、拍車部で一時的に矯正されるものの、拍車部を通過すると再び発生し、記録ヘッドと記録用紙Pとの間隔を適正に保つことが困難であるという未解決の課題がある。
【0019】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、記録媒体の浮きを抑制するとともに、記録媒体と記録ヘッドとの間隔を適正に維持することが可能なインクジェット記録装置を提供することを第6の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
第1の発明は、搬送ベルト上に記録媒体を載置して搬送する記録媒体搬送手段と、該記録媒体搬送手段で搬送される前記記録媒体の搬送面とは反対側の面である記録面に対向して配設され、インク滴を吐出する複数のノズルを前記記録媒体の搬送方向とは交差する方向に配列して記録領域を形成した記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置であって、前記記録媒体搬送手段は、前記記録媒体の搬送方向に連接し、互いに所定間隔を保って複数本の搬送ベルトを並設した上流側の第1の搬送部及び下流側の第2の搬送部を有し、前記第1の搬送部は、前記第2搬送部の搬送ベルト本数に対して1本多い偶数本の搬送ベルト本数に設定され、前記第1の搬送部及び第2の搬送部は、前記搬送ベルトが前記第2の搬送部の中央の前記搬送ベルトを中心にして交互に配設され、前記第1の搬送部における前記記録媒体の前記記録面に対向して配設された前記記録ヘッドは、前記記録媒体の幅と等しい幅間に整列されたノズルを有するイエロー、マゼンタ、シアンの少なくとも3種類のラインヘッドで構成され、前記第2の搬送部における前記記録媒体の前記記録面に対向して配設された前記記録ヘッドは、前記記録媒体の幅と等しい幅間に整列されたノズルを有するブラックのラインヘッドで構成され、前記各ラインヘッドに前記記録媒体の搬送経路を挟んで対向する前記搬送部の搬送ベルト間位置に、該搬送ベルト間に対向する対向ノズルからインクを吸引してインク吐出性能を回復させる吐出性能回復手段を配設するとともに、前記記録ヘッドと前記吐出性能回復手段との相対位置を、前記吐出性能回復手段に対向していない非対向ノズルが当該吐出性能回復手段に対向するように相対移動させる相対移動手段を備えたことを特徴とする。ここで、相対移動手段は、前記記録ヘッドを移動させるヘッド移動手段で構成したり、前記吐出性能回復手段を移動させる吐出性能回復移動手段で構成したりすることができる。
【0021】
上記の構成によれば、記録媒体搬送手段における記録媒体の搬送区間は、第1の搬送部と第2の搬送部とで構成される。従って、同じ搬送区間を1つの搬送部で構成する場合に比較して、第1及び第2の搬送部のそれぞれの搬送ベルトの周長を短く構成することができる。
つまり、同じ張力を付与して、周長が長い搬送ベルトと第1及び第2の搬送部の搬送ベルトとを比較すると、周長が短い第1及び第2の搬送部の搬送ベルトの伸びの方が小さくなる。従って、駆動軸の回転によって発生する搬送ベルトの伸びを低減することができ、搬送ベルトの伸縮による記録媒体の搬送速度の変動や、搬送ベルトの振動によるインク滴の記録媒体への着弾位置のずれを低減することが可能となる。
上記構成によれば、ベルト数が1本多い上流側の第1の搬送部に高い記録品質を要求される少なくともイエロー、マゼンタ、シアンの3種類のラインヘッドを配置したので、記録媒体の平坦性を高めて、一層記録品質を向上させることができる。
上記の構成によれば、吐出性能回復手段は、搬送ベルトを避けて記録媒体の搬送経路を挟んで記録ヘッドに対向して配設される。また、記録ヘッドは、搬送ベルト間に対向する対向ノズル及び吐出性能回復手段に対向しない非対向ノズルを有し、非対向ノズルの吐出性能を回復させる際に記録ヘッドの吐出性能回復手段に対する相対位置が相対移動手段によって非対向ノズルが吐出性能回復手段に対向するまで移動される。
【0047】
上記により、記録ヘッドの対向ノズルのみならず、非対向ノズルからもインクを吸引し、吐出性能を回復させることが可能となる。また、吐出性能回復手段を記録媒体の搬送面下に収めることが可能となるとともに、吐出性能回復手段の必要数を最小限に留めることが可能となり、インクジェット記録装置の小型化が図られる。
【0022】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記搬送ベルト間の距離が前記搬送ベルトの幅より長く設定され、前記吐出性能回復手段の幅は、前記非対向ノズルが前記吐出性能 回復手段に対向したときに前記対向ノズルの前記非対向ノズルとの境界部のノズル及び前記非対向ノズルを覆うように構成されていることを特徴とする。
【0025】
上記の構成によれば、吐出性能回復手段は、対向ノズル及び非対向ノズルの境界部のノズルから重複してインクを吸引することができる。
上記により、記録ヘッドの全てのノズルから確実にインクを吸引して吐出性能を回復させることができる。
【0026】
また、第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記吐出性能回復手段は、先端が前記記録媒体の搬送経路より下側に退避する退避位置と、吐出性能回復時に前記退避位置から上昇して前記記録ヘッドに当接する吐出性能回復位置との間で移動可能に構成されていることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
第1の実施形態におけるインクジェット記録装置1は、図1に示すように、ゲートローラGRと、静電気付与部ECと、用紙搬送部CVと、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラック各色のインク滴を吐出するイエロー、マゼンタ、シアン及びブラック記録ヘッドHDY、HDM、HDC及びHDKと、排紙部EJとを備えている。
【0054】
ここで、上記の各構成の詳細を説明する。
用紙搬送部CVは、平面図である図2に示すように、搬送部駆動モーターM0から動力が伝達される駆動軸DSと、駆動軸DSに平行且つ駆動軸DSを挟んで互いに反対側に位置する第1及び第2の従動軸FS1、FS2と、駆動軸DS及び第1の従動軸FS1にかけ渡される第1の搬送ベルトV1と、駆動軸DS及び第2の従動軸FS2にかけ渡される第2の搬送ベルトV2と、駆動軸DS並びに第1及び第2の従動軸FS1、FS2のそれぞれを回転可能に図示しない筐体に保持する軸受BRと、を備えている。
【0055】
また、第1及び第2の従動軸FS1、FS2は、図示しないが、駆動軸DSとの間にかけ渡される第1及び第2の搬送ベルトV1、V2に緩みが発生しないように張力を付与するため、駆動軸DSを挟んで互いに反対方向に同等の力が付与されている。
第1及び第2の搬送ベルトV1、V2は、それぞれ4本の搬送ベルトV1a〜V1d、V2a〜V2dで構成されている。また、搬送ベルトV1a〜V1dとV2a〜V2dとは、駆動軸DS上で、記録用紙Pの搬送方向であるX方向と直交する方向であるY方向に交互に隣り合って配設されている。
【0056】
ここで、搬送ベルトV1a〜V1dと搬送ベルトV2a〜V2dとは、駆動軸DS並びに第1及び第2の従動軸FS1、FS2上に設けられたフランジ部FLによって隙間があけられている。つまり、搬送ベルトV1a〜V1d及びV2a〜V2dは、駆動軸DS並びに第1及び第2の従動軸FS1、FS2上での軸方向の移動が規制され、互いに接触しないように配設されている。また、搬送ベルトV1a〜V1dの幅W1と搬送ベルトV2a〜V2dの幅W2とは、同等の幅に設定されている。そして、搬送ベルト幅W1、W2とベルト間隔Hとでは、H>W1、W2となるように設定されている。なお、フランジ部FLの高さは、記録用紙Pの搬送を妨げないように搬送ベルトV1a〜V1d、V2a〜V2dの厚みより薄く構成されている。
【0057】
そして、駆動軸DS、第1の従動軸FS1及び第1の搬送ベルトV1が第1の搬送部CV1を、駆動軸DS、第2の従動軸FS2及び第2の搬送ベルトV2が第2の搬送部CV2を構成している。
そして、搬送部駆動モーターM0が起動すると、搬送部駆動モーターM0の回転軸からの動力が駆動軸DSに伝達され、駆動軸DSが回転される。駆動軸DSが回転されると、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2に動力が伝達され、第1の搬送ベルトV1と第2の搬送ベルトV2とが同等の速度で回転される。記録用紙Pは、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2の外周面上に載せられて、第1の従動軸FS1から第2の従動軸FS2まで搬送される。
【0058】
イエロー、マゼンタ、シアン及びブラック記録ヘッドHDY、HDM、HDC及びHDKは、用紙幅と等しい記録領域を有するラインヘッドであり、図1に示すように、それぞれ用紙搬送部CV上に、インク滴が吐出されるノズルを第1及び第2の搬送ベルトV1、V2側に向けて配設されている。そして、シアン及びブラック記録ヘッドHDC、HDKは、図3に示すように、第1の従動軸FS1と駆動軸DSとの間に、イエロー及びマゼンタ記録ヘッドHDY、HDMは、駆動軸DSと第2の従動軸FS2との間に配設されている。
【0059】
ここで、各色記録ヘッドHDY、HDM、HDC、HDKに設けられているノズルの配列について説明する。
図4は、イエロー記録ヘッドHDYの外観を示す図であり、図4(a)は、図3中のA視方向正面図であり、図4(b)は、底面図である。なお、この図4において、ノズルをわかりやすく示すため、ノズルの大きさを誇張して図示している。
【0060】
イエロー記録ヘッドHDYは、図4(b)に示すように、イエロー色のインクが吐出されるイエローノズルNZYがY方向の同一線上に用紙幅と等しい長さに亘って、ノズル面NZPに配列形成されている。この配列形成されたイエローノズルNZYが1本のノズル列NZYLを構成している。
マゼンタ記録ヘッドHDM、シアン記録ヘッドHDC、ブラック記録ヘッドHDKについては、イエロー記録ヘッドHDYと同様の構成であるため、説明を省略する。なお、これらの各色記録ヘッドHDY、HDM、HDC、HDKとしては、圧電素子、加熱素子等によりインクに圧力を付与してインク滴を吐出する記録ヘッドを採用することができる。
【0061】
ここで、前述したインクジェット記録装置1の各主要部の制御のつながりについて説明する。
インクジェット記録装置1は、前述した主要構成の他に、ブロック図である図5に示すように、記録用紙PをゲートローラGRに給紙する給紙部KSと、第1及び第2の搬送部CV1、CV2上で記録用紙Pを検出する第1及び第2の用紙検出部PK1、PK2とをさらに備えている。第1及び第2の用紙検出部PK1、PK2は、各色記録ヘッドHDY、HDM、HDC、HDKによる記録のタイミングを計るために記録用紙Pを検出するものであり、それぞれ第1の従動軸FS1とブラック記録ヘッドHDKとの間及び駆動軸DSとマゼンタ記録ヘッドHDMとの間に配設され、フォトインタラプタ等のセンサで構成される。
【0062】
また、インクジェット記録装置1は、給紙部KSを制御する給紙制御部KSDと、ゲートローラGRを制御するゲートローラ制御部GRDと、静電気付与部ECを制御する静電気付与制御部ECDと、第1及び第2の用紙検出部PK1、PK2を制御する用紙検出制御部PKDと、搬送部駆動モーターM0を制御するモーター制御部MDと、各色記録ヘッドHDY、HDM、HDC、HDKを制御する記録ヘッド制御部HDDと、外部機器からの記録情報を格納する記録情報格納部BFと、記録情報に基づいて上記の各制御部GRD、ECD、PKD、MD、HDDに動作の指令を出すCPUと、を備えている。
【0063】
次に、インクジェット記録装置1における記録の動作について、以下に説明する。
図1に示すインクジェット記録装置1は、外部機器から記録情報及び記録の指令を受けると、記録の動作を開始する。
記録の動作が開始されると、記録用紙Pは、給紙部KSによって、複数の記録用紙Pを保持しておく図示しない用紙カセットから1枚ずつゲートローラGRへ給紙される。
【0064】
ゲートローラGRに給紙された記録用紙Pは、ゲートローラGRによってX方向に対する傾き、Y方向の位置ずれが矯正され、用紙搬送部CVへ送り出される。
記録用紙Pは、ゲートローラGRから用紙搬送部CVへ送り出される間に、静電気付与部ECによって帯電される。
帯電して搬送ベルトへの吸着力を有した記録用紙Pは、搬送部駆動モーターM0によって駆動軸DSが回転されて、第1の搬送ベルトV1が図1でみて反時計方向に回転されている第1の搬送部CV1上で第1の搬送ベルトV1の外周面に吸着し、搬送部駆動モーターM0からの動力によって搬送され、ブラック記録ヘッドHDK下へ導かれる。
【0065】
記録用紙Pがブラック記録ヘッドHDK下へ到達する前に、第1の用紙検出部PK1が記録用紙Pを検出し、記録用紙Pを検出した旨を示す第1の用紙検出信号をCPUへ送る。
CPUは、第1の用紙検出部PK1からの第1の用紙検出信号に基づいて、ブラック色及びシアン色の記録を開始するタイミングを計り、順次記録ヘッド制御部HDDへブラック色、シアン色の記録指令を送る。
【0066】
記録ヘッド制御部HDDは、まず、ブラック色の記録指令に基づいて、ブラック記録ヘッドHDKを制御し、第1の搬送部CV1によってノズル面NZP下を連続的に移動されてくる記録用紙Pの記録面PPに、記録情報に基づいてブラックノズルNZKから選択的にインク滴を吐出させてブラック色の記録を行う。
次に、ブラック記録ヘッドHDKの制御と並行して、CPUからのシアン色の記録指令に基づいて、記録ヘッド制御部HDDによってシアン記録ヘッドHDCが制御され、シアン色の記録が行われる。
【0067】
ブラック及びシアン色の記録が行われた記録用紙Pは、駆動軸DS上で第1の搬送ベルトV1から第2の搬送ベルトV2へ順次送り渡されて、第2の搬送部CV2によってマゼンタ記録ヘッドHDM下へ導かれる。
記録用紙Pがマゼンタ記録ヘッドHDM下へ到達する前に、第2の用紙検出部PK2が記録用紙Pを検出し、記録用紙Pを検出した旨を示す第2の用紙検出信号をCPUへ送る。
【0068】
CPUは、第2の用紙検出部PK2からの第2の用紙検出信号に基づいて、順次マゼンタ色、イエロー色の記録指令を記録ヘッド制御部HDDへ送る。
記録ヘッド制御部HDDは、順次マゼンタ記録ヘッドHDM、イエロー記録ヘッドHDYを並行して制御し、マゼンタ及びイエロー色の記録を実施させる。
各色の記録が終了すると、1枚の記録用紙Pに対する記録が終了し、その記録用紙Pは、排紙部EJによってインクジェット記録装置1外へ排出される。
【0069】
ここで、記録情報のすべてに対する記録が終了していると、記録動作が終了し、未記録の記録情報が残っていると、新たな記録用紙PをゲートローラGRに給紙して記録情報のすべてに対する記録が完了するまで記録動作を継続する。
第1実施形態のインクジェット記録装置1において、記録用紙Pに記録を行う記録処理について説明する。この記録処理は、ブラック記録ヘッドHDKによるブラック色の記録、シアン記録ヘッドHDCによるシアン色の記録、マゼンタ記録ヘッドHDMによるマゼンタ色の記録及びイエロー記録ヘッドHDYによるイエロー色の記録に分けられ、それぞれの記録ヘッドを個別に制御して行うものである。従って、各色の記録処理ごとに流れを説明する。
【0070】
第1実施形態におけるインクジェット記録装置1は、外部機器から記録情報及び記録の指令を受けて記録用紙PをゲートローラGRに給紙すると、図6に示すブラック色の記録処理を開始する。
まず、ステップS1において、第1の用紙検出部PK1による用紙検出信号を読み込んでステップS2へ移行する。
【0071】
次いで、ステップS2において、第1の用紙検出部PK1からの用紙検出信号に基づいて、第1の用紙検出部PK1が記録用紙Pの先端を検出したか否かを判定し、先端を検出したと判定されると、ステップS3へ移行し、検出していないと判定されると、ステップS1へ移行して用紙検出信号を読み込む。
次いで、ステップS3において、記録用紙Pの先端を検出してからの時間T1を計測するタイマーを起動してステップS4へ移行する。
【0072】
次いで、ステップS4において、タイマーによる計測時間T1が所定時間Ts1に一致したか否かを判定し、一致したと判定されると、ステップS5へ移行し、一致していないと判定されると、一致するまでステップS4を繰り返す。
次いで、ステップS5において、ブラック記録ヘッドHDKによる記録を行ってステップS6へ移行する。
【0073】
次いで、ステップS6において、タイマーをリセットして処理を終了する。
シアン色の記録処理は、図6において、ステップS3、S6のタイマー1をタイマー2とし、ステップS5のブラック記録ヘッドHDKをシアン記録ヘッドHDCとし、ステップS4で、タイマー2による計測時間T2が所定の時間Ts2に一致したか否かを判定する以外はブラック色の記録処理と同様であり、図面及び各処理の内容についての説明を省略する。
【0074】
また、マゼンタ及びイエロー色の記録処理は、図6において、ステップS1の第1の用紙検出部PK1を第2の用紙検出部PK2とし、タイマー1、計測時間T1、所定の時間Ts1をそれぞれタイマー3及び4、計測時間T3及びT4、所定の時間Ts3及びTs4とする以外はブラック色及びシアン色の記録処理と同様であるため、詳細説明を省略する。
【0075】
なお、図1において、記録用紙Pが記録媒体に対応している。
第1実施形態によれば、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2が共通の駆動軸DSによって同一速度で回転されるので、記録媒体は、第1の搬送ベルトV1上と第2の搬送ベルトV2上とで同一速度で搬送される。
さらに、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2は、第1の従動軸FS1から第2の従動軸FS2までの同じ搬送距離を1つの搬送ベルトで構成する場合に比較して、周長を短く構成することができる。つまり、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2より周長が長い搬送ベルトと第1及び第2の搬送ベルトV1、V2とに同じ張力を付与して比較すると、周長が短い第1及び第2の搬送ベルトV1、V2の伸びの方が小さくなる。従って、駆動軸DSの回転によって発生する搬送ベルトの伸びを低減することができる。
【0076】
また、同じ張力が付与されている場合、かけ渡される軸同士間での搬送ベルトのたわみ量を比較すると、周長が長い搬送ベルトよりも軸同士間の距離が短い第1及び第2の搬送ベルトV1、V2の方が小さくなる。すなわち、このたわみ量を抑制するために搬送ベルトに付与される張力を低減することができる。従って、駆動軸DS並びに第1及び第2の従動軸FS1、FS2は、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2から受ける力による軸のたわみが低減される。
【0077】
また、第1の搬送ベルトV1の本数と第2の搬送ベルトV2の本数とは同数であるため、第1及び第2の従動軸FS1、FS2に駆動軸DSを挟んで互いに反対方向に同等の力を付与して第1及び第2の搬送ベルトV1、V2に張力を与えれば、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2の張力同士が駆動軸DSにかかる力を打ち消し合い、駆動軸DSのたわみを低減することができる。
【0078】
上記により、搬送ベルトの伸縮による記録媒体の搬送速度の変動や、駆動軸及び従動軸間での搬送ベルトの振動、搬送ベルトの張力による駆動軸及び従動軸のたわみ等を抑制することができ、記録品質のさらなる向上が図られるとともに、記録品質を損なうことなく記録媒体の搬送区間を長くすることが可能となる。
なお、第1実施形態では、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2において、搬送ベルトV1a〜V1dの幅W1と搬送ベルトV2a〜V2dの幅W2とを同等にし、搬送ベルト幅W1、W2とベルト間隔Hとの関係がH>W1、W2となるようにしたが、これに限定されるものではなく、幅W1及びW2のいずれか一方の幅を他方の幅より広くするようにしてもよい。すなわち、用紙搬送部CVを、図7に示すように、W2>W1となるように構成することで第2の搬送部CV2におけるベルト間隔H2を前述したHより狭くすることができる。
【0079】
そして、この用紙搬送部CVを備えたインクジェット記録装置1は、図8に示すように、各色記録ヘッドHDY、HDM、HDC、HDKのうちカラー記録ヘッドであるイエロー、マゼンタ及びシアン記録ヘッドHDY、HDM、HDCが第2の搬送部CV2上に配設される。また、ブラック記録ヘッドHDKは、第1の搬送部CV1上に配設される。
上記の構成によれば、文書の作成等で文字を記録することが多いブラック色の記録より高い記録品質を要求されるカラーの記録において、カラー記録ヘッドHDY、HDM、HDC下での記録用紙Pの平坦性を高めることができ、一層記録品質を向上させることが可能となる。
【0080】
なお、第1実施形態では、記録媒体として記録用紙Pを例に説明をしたが、これに限定されず、紙以外の記録媒体にも適用できる。例えば、材料としては、樹脂や金属など、形状としては、円形や異形の形状など、その他、可撓性の高いものや低いものなど種々の性質を有するものに適用できる。
また、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2をそれぞれ4本の搬送ベルトV1a〜V1d、V2a〜V2dで構成するようにしたが、これに限定されず、最低1本ずつで構成されてもよい。記録用紙Pの記録面PPを可能な限り平坦に安定して搬送し、良好な記録結果を得るという観点から、複数本ずつで構成されるのが好ましい。
【0081】
また、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2を駆動軸DS並びに第1及び第2の従動軸FS1、FS2に直接かけ渡す構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2をタイミングベルトとし、駆動軸DS並びに第1及び第2の従動軸FS1、FS2にタイミングベルト用滑車を設け、このタイミングベルト用滑車を介して第1及び第2の搬送ベルトV1、V2に動力を伝達するように構成してもよい。
【0082】
また、本実施形態では、第1及び第2の搬送ベルトV1及びV2を、それぞれ同本数の4本の搬送ベルトV1a〜V1d、V2a〜V2dで構成するようにしたが、これに限定されず、図10に示すように、第1の搬送ベルトV1を3本の搬送ベルトV1a〜V1cで構成し、第2の搬送ベルトV2を4本の搬送ベルトV2a〜V2dで構成するようにしてもよい。
【0083】
この場合、第1の搬送ベルトV1と第2の搬送ベルトV2とは、奇数本の搬送ベルトV1a〜V1cの中央である搬送ベルトV1bを中心に、駆動軸DS上で交互に配設される。
図10に示す構成を有する用紙搬送部CVを備えるインクジェット記録装置10は、図9に示すように、カラーの記録での記録用紙Pの平坦性を高めることができる理由から、カラー記録ヘッドHDY、HDM、HDCが、4本の搬送ベルトV2a〜V2dを備える第2の搬送部CV2上に配設され、ブラック記録ヘッドHDKが第1の搬送部CV1上に配設されている。
【0084】
上記により、第1及び第2の従動軸FS1、FS2に駆動軸DSを挟んで互いに反対方向に同等の力を付与して第1及び第2の搬送ベルトV1、V2に張力を与えれば、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2の張力同士が駆動軸DSにかかる力を打ち消し合うとともに、第1の搬送ベルトV1の張力の合力及び第2の搬送ベルトV2の張力の合力の作用点を結ぶ方向と合力の方向とが駆動軸DS上で一致して偶力の発生も抑制し、駆動軸DSのたわみをさらに抑制することができる。
【0085】
なお、搬送ベルトの本数は、第1の搬送ベルトV1の3本及び第2の搬送ベルトV2の4本に限定されず、第1の搬送ベルトV1及び第2の搬送ベルトV2のいずれか一方が他方より1本多くなるように設定されればよい。
本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
第2実施形態におけるインクジェット記録装置100は、図11に示すように、用紙搬送部CVが、第1の搬送部CV1と、この第1の搬送部CV1から独立して駆動される第2の搬送部CV2とを備えて構成され、記録ヘッドが、第1の搬送部CV1上に配設される第1の記録ヘッド群HD1と第2の搬送部CV2上に配設される第2の記録ヘッド群HD2とで構成され、且つ用紙搬送部CV下にインク吸収部PDが配設されていることを除いては第1実施形態と同様の構成を有している。
【0086】
従って、第1実施形態との対応部分については、同一符号を付して説明を省略する。
用紙搬送部CVは、平面図である図12に示すように、第2の搬送部CV2が、第2の駆動軸DS2及び第2の搬送部駆動モーターM2を備え、第1の搬送部CV1から独立して構成されている。なお、本実施形態では、第1の搬送部CV1が備える駆動軸及び搬送部駆動モーターを、それぞれ第1の駆動軸DS1及び第1の搬送部駆動モーターM1と呼び、第2の搬送部CV2における駆動軸及び搬送部駆動モーターとの区別を図る。
【0087】
また、第1及び第2の従動軸FS1、FS2は、図示しないが、第1及び第2の駆動軸DS1、DS2との間にかけ渡される第1及び第2の搬送ベルトV1、V2に緩みが発生しないように張力を付与するため、それぞれ上流方向に力が付与されている。
第1及び第2の搬送ベルトV1、V2は、それぞれ4本の搬送ベルトV1a〜V1d、V2a〜V2dで構成されている。また、搬送ベルトV1a〜V1dとV2a〜V2dとは、記録用紙Pの搬送方向であるX方向で重ならないように、X方向と直交する方向であるY方向に交互に配設されている。また、第1及び第2の搬送部CV1、CV2は、図11に示す記録用紙Pの記録面PPとは反対側の面である搬送面が第1の搬送ベルトV1上と第2の搬送ベルトV2上とで同一平面となるように設定されている。
【0088】
上記の構成を有する用紙搬送部CVは、第1の搬送部駆動モーターM1が起動すると、第1の搬送部駆動モーターM1の回転軸からの動力が第1の駆動軸DS1に伝達され、第1の駆動軸DS1が回転される。第1の駆動軸DS1が回転されると、第1の搬送ベルトV1に動力が伝達され、記録用紙Pは、第1の搬送ベルトV1の外周面上に載せられて、第1の従動軸FS1から第1の駆動軸DS1まで搬送される。
【0089】
第1の駆動軸DS1まで搬送された記録用紙Pは、第1の搬送部駆動モーターM1と同期して駆動される第2の搬送部駆動モーターM2の動力によって回転される第2の搬送ベルトV2の外周面上に送り出され、第2の従動軸FS2から第2の駆動軸DS2まで搬送される。
第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2は、インクジェット記録装置100の平面図である図13に示すように、それぞれ第1及び第2の搬送部CV1、CV2上に配設される記録ヘッドHD1a〜HD1c、HD3a及びHD2a〜HD2c、HD3bから構成されている。そして、第1の記録ヘッド群HD1のうち記録ヘッドHD1a〜HD1cは、第1の従動軸FS1と第1の駆動軸DS1との間で搬送ベルトV1a〜V1dの搬送ベルト間に対向する位置に配設されている。記録ヘッドHD3aは、搬送ベルトV1dを挟んで記録ヘッドHD1cに隣り合って整列して配設されている。また、第2の記録ヘッド群HD2のうち記録ヘッドHD2a〜HD2cは、第2の従動軸FS2と第2の駆動軸DS2との間で搬送ベルトV2a〜V2dの搬送ベルト間に対向する位置に配設されている。記録ヘッドHD3bは、搬送ベルトV2aを挟んで記録ヘッドHD2aに隣り合って整列して配設されている。
【0090】
ここで、記録ヘッドHD1a〜HD1c、HD2a〜HD2c、HD3a,HD3bに設けられているノズルの配列について説明する。
図14は、記録ヘッドHD1aの外観を示す図であり、図14(a)は、図13中のB視方向正面図であり、図14(b)は、底面図である。なお、この図14において、ノズルをわかりやすく示すため、ノズルの大きさを誇張し、且つ個数を減じて図示している。
【0091】
記録ヘッドHD1a〜HD1c、HD2a〜HD2c、HD3a、HD3bは、図14(b)に示すように、イエロー色のインクが吐出されるイエローノズルNZY、マゼンタ色のインクが吐出されるマゼンタノズルNZM、シアン色のインクが吐出されるシアンノズルNZC及びブラック色のインクが吐出されるブラックノズルNZKを備えている。
各色のノズルNZY、NZM、NZC、NZKは、記録用紙Pの搬送方向であるX方向に配列形成されるとともに、搬送方向に直交する方向であるY方向に配列形成されてイエローノズル列NZYL、マゼンタノズル列NZML、シアンノズル列NZCL及びブラックノズル列NZKLを構成する。
【0092】
すなわち、図13に示す第1の記録ヘッド群HD1をX方向に平行移動し、第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2を整列させると、記録ヘッドHD1a〜HD1c及びHD3aと記録ヘッドHD2a〜HD2c及びHD3bとのイエローノズルNZY、マゼンタノズルNZM、シアンノズルNZC、ブラックノズルNZKは、第1の記録ヘッド群HD1と第2の記録ヘッド群HD2とのY方向の幅に亘って等間隔で配列され、各色1本のノズル列を構成する。
【0093】
なお、第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2としては、圧電素子、加熱素子等によりインクに圧力を付与してインク滴を吐出する記録ヘッドを採用することができる。
また、第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2のそれぞれは、図16に示すように、記録ヘッド制御部HDDによって駆動が制御される。
インク吸収部PDは、図13中のC−C断面を模式的に示す図である図15(a)に示すように、搬送ベルトV1a〜V1d、V2a〜V2dの下側に、記録用紙Pの搬送経路PCを挟んで記録ヘッドHD1a〜HD1c、HD2a〜HD2c、HD3a、HD3bに対向して配設されている。このインク吸収部PDは、フェルト、スポンジ等の液体を吸収する能力が高い材料から構成され、後述する縁なし記録の際に、記録ヘッドHD1a〜HD1c、HD2a〜HD2c、HD3a、HD3bから記録用紙Pの記録面PPの領域外に吐出されたインクを吸収する。なお、この図15では、構成をわかりやすくするため、第1の駆動軸DS1から下流側を省略して図示している。
【0094】
ここで、記録ヘッドHD3a、HD3bは、図15(b)に示すように、搬送ベルト間に対向する記録ヘッドHD1a〜HD1c、HD2a〜HD2cよりも広い幅を有している。そして、記録ヘッドHD1a〜HD1c、HD2a〜HD2c、HD3a、HD3bは、図15(b)に示すように、記録用紙Pを横切って記録用紙PのY方向の幅より長い距離に亘って配設されている。つまり、記録ヘッドHD1a〜HD1c及びHD2a〜HD2cによって構成されるY方向の総記録領域は、記録用紙PのY方向の幅よりも狭く設定され、記録ヘッドHD3a及びHD3bによって延長されている。そして、記録ヘッドHD3a、HD3bによって延長された総記録領域は、記録用紙Pを横切るように記録用紙PのY方向の幅より長い距離に設定されている。
【0095】
また、ベルト間隔Hは、図15(a)に示すように、搬送ベルト間に対向する記録ヘッドHD1a〜HD1c、HD2a〜HD2cの幅よりも広く設定されている。従って、搬送経路PC上に記録用紙Pが存在しないときに搬送ベルト間に対向する記録ヘッドHD1a〜HD1c、HD2a〜HD2cからインク滴が吐出されても、そのインク滴が搬送ベルトV1a〜V1d、V2a〜V2dに付着することなく、確実にインク吸収部PDに到達できるように構成されている。
【0096】
上記の構成を有するインクジェット記録装置100は、外部機器から記録情報及び記録の指令を受けると、記録の動作を開始し、前述した第1実施形態と同様に、第1の搬送部CV1が記録用紙Pを第1の記録ヘッド群HD1下へ導く。
このとき、CPUは、第1の用紙検出部PK1から出力された第1の用紙検出信号に基づいて、記録開始のタイミングを計り、記録ヘッド制御部HDDに第1の記録ヘッド群HD1を制御させ、各色のノズルNZY、NZM、NZC、NZKからインク滴を吐出させて記録情報に基づく第1の記録を実施させる。
【0097】
そして、第1の記録が行われた記録用紙Pは、第2の搬送部CV2によって第2の記録ヘッド群HD2下へ導かれ、第1の記録と同様に、第2の用紙検出部PK1からの第2の用紙検出信号に基づくタイミングで、第2の記録ヘッド群HD2によって第2の記録が実施される。
このインクジェット記録装置100において、記録用紙Pに未記録の部分である縁を残さずに記録面PPの全域に亘って記録を行う縁なし記録の処理について説明する。この縁なし記録処理は、第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2をそれぞれ個別に制御して行うものである。従って、第1の記録ヘッド群HD1の処理と第2の記録ヘッド群HD2の処理とに分けて流れを説明する。
【0098】
第2実施形態におけるインクジェット記録装置100は、外部機器から縁なし記録の指令を受けると、CPUが図17に示す第1の記録ヘッド群HD1による第1の縁なし記録処理を開始する。
この第1の縁なし記録処理では、まず、ステップS201において、外部機器からの記録情報及び縁なし記録の指令に基づいて、ノズルNZY、NZM、NZC、NZKからのインク滴の吐出によって形成される画像の大きさが、指定されたサイズの記録用紙Pの記録面PPの大きさより大きくなるように記録サイズを最適化してステップS202へ移行する。ここで、画像の大きさを記録用紙Pの記録面PPの大きさより大きくするのは、記録用紙PがX方向にわずかに傾きを有して搬送されてきても、画像の大きさがその傾きを含めて記録面PPの全域に記録が行われるようにするためである。
【0099】
次いで、ステップS202において、指定されたサイズの記録用紙Pを、この記録用紙PのY方向の幅の中央部がステップS201で最適化された画像のY方向の幅の略中央部に位置するように、ゲートローラGRに給紙してステップS203へ移行する。
次いで、ステップS203において、第1の用紙検出部PK1による用紙検出信号を読み込んでステップS204へ移行する。
【0100】
次いで、ステップS204において、第1の用紙検出部PK1からの用紙検出信号に基づいて、第1の用紙検出部PK1が記録用紙Pの先端を検出したか否かを判定し、先端を検出したと判定されると、ステップS205へ移行し、検出していないと判定されると、ステップS203へ移行して用紙検出信号を読み込む。
次いで、ステップS205において、記録用紙Pの先端を検出してからの時間T1を計測するタイマーを起動してステップS206へ移行する。
【0101】
次いで、ステップS206において、タイマーによる計測時間T1が所定時間Ts1に一致したか否かを判定し、一致したと判定されると、ステップS207へ移行し、一致していないと判定されると、一致するまでステップS206を繰り返す。
次いで、ステップS207において、ステップS201で最適化された記録サイズに基づいて、記録ヘッド制御部HDDが第1の記録ヘッド群HD1を制御し、ノズルNZY、NZM、NZC、NZKから選択的にインク滴を吐出して第1の記録を行い、ステップS208へ移行する。
【0102】
次いで、ステップS208において、タイマーをリセットして処理を終了する。
第2の記録ヘッド群HD2による第2の縁なし記録処理は、図18に示すように、第1の記録ヘッド群HD1による第1の縁なし記録処理において、ステップS201及びS202が省略された構成となっており、各処理の内容は、第1の縁なし記録処理と同様であるため、説明を省略する。
【0103】
第1及び第2の縁なし記録処理を終了すると、記録用紙Pの記録面PPへの未記録の部分である縁のない縁なし記録が完了する。
本実施形態において、記録用紙Pが記録媒体に対応し、第1の記録ヘッド群HD1及び図17のステップS207の処理が第1のヘッド群に対応し、第2の記録ヘッド群HD2及び図18のステップS225の処理が第2のヘッド群に対応し、記録ヘッドHD1a〜HD1cが第1のヘッドに対応し、記録ヘッドHD2a〜HD2cが第2のヘッドに対応し、記録ヘッドHD3a、HD3bが第3のヘッドに対応し、搬送ベルトV1d及びV2aが最外側の搬送ベルトに対応している。
【0104】
上記により、第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2が記録用紙Pに記録用紙Pの幅より長い距離に亘ってインク滴を吐出することにより、未記録の部分である縁を残さずに記録面PPの全域に亘る縁なし記録を行うことができる。また、この縁なし記録を行う際に、記録面PPより外に吐出されたインク滴が搬送ベルトV1a〜V1d、V2a〜V2d上に付着することを確実に避けることができる。
【0105】
また、用紙搬送部CVを長さの短い第1及び第2の搬送部CV1、CV2で構成することにより、搬送途中のベルトのたるみを防止して記録媒体を平坦面に沿って正確に搬送することができる。
第2実施形態のインクジェット記録装置100において、異なる記録用紙Pに連続で記録を行う際に、これらの異なる記録用紙P間で第1及び第2の記録ヘッドHD1、HD2から記録とは無関係にインク滴を吐出して目詰りを予防する紙間目詰り予防吐出処理について説明する。この紙間目詰り予防吐出処理は、第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2をそれぞれ個別に制御して行うものであり、それぞれの制御の流れは同様である。従って、第1の記録ヘッド群HD1の処理の流れについてのみ詳細を説明する。
【0106】
第2実施形態におけるインクジェット記録装置100は、第1の記録ヘッド群HD1が記録を開始すると、図19に示す紙間目詰り予防吐出処理を開始する。
この紙間目詰り予防吐出処理では、まず、ステップS241において、第1の用紙検出部PK1による用紙検出信号を読み込んでステップS242へ移行する。
次いで、ステップS242において、第1の用紙検出部PK1からの用紙検出信号に基づいて、第1の用紙検出部PK1が記録用紙Pの後端を検出したか否かを判定し、後端を検出したと判定されると、ステップS243へ移行し、検出していないと判定されると、ステップS241へ移行して用紙検出信号を読み込む。
【0107】
次いで、ステップS243において、記録用紙Pの後端を検出してからの時間を計測するタイマーを起動してステップS244へ移行する。
次いで、ステップS244において、タイマーによる計測時間Tが所定時間Tsに一致したか否かを判定し、一致したと判定されると、ステップS245へ移行し、一致していないと判定されると、一致するまでステップS244を繰り返す。
【0108】
次いで、ステップS245において、第1の記録ヘッド群HD1から記録とは無関係にインク滴を吐出して目詰りを予防してステップS246へ移行する。
次いで、ステップS246において、第1の用紙検出部PK1による用紙検出信号を読み込んでステップS247へ移行する。
次いで、ステップS247において、第1の用紙検出部PK1からの用紙検出信号に基づいて、第1の用紙検出部PK1が新たな記録用紙Pの先端を検出したか否かを判定し、先端を検出したと判定されると、ステップS248へ移行し、検出していないと判定されると、ステップS245へ移行する。
【0109】
次いで、ステップS248において、タイマーをリセットして処理を終了する。
この図19において、ステップS245の処理が第1のヘッドに対応している。
また、図12及び図15において、ベルト間隔Hが搬送ベルト間の距離に対応している。
上記により、記録媒体が搬送ベルト上に存在していない場合に、記録ヘッドが記録とは無関係にインク滴を吐出する目詰り予防吐出を行っても吐出されたインク滴が搬送ベルト上に付着することを確実に避けることができる。また、記録ヘッドが記録を行う場合と目詰り予防吐出を行う場合とで、記録ヘッドの位置を変化させる必要がなく、短時間で目詰り予防吐出を完了することができる。
【0110】
また、記録を行う際も、吐出性能回復処理を行う際も、記録ヘッドを一切移動させる必要がないので、記録ヘッドを移動させるのに必要な機構部品や複雑な制御を不要とし、信頼性の問題を解消することができる。
なお、第2実施形態では、記録媒体として記録用紙Pを例に説明をしたが、これに限定されず、紙以外の記録媒体にも適用できる。例えば、材料としては、樹脂や金属など、形状としては、円形や異形の形状など、その他、可撓性の高いものや低いものなど種々の性質を有するものにも適用できる。
【0111】
また、第2実施形態では、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2をそれぞれ4本の搬送ベルトV1a〜V1d、V2a〜V2dで構成するようにしたが、これに限定されず、最低1本ずつで構成されてもよい。記録用紙Pの記録面PPを可能な限り平坦に安定して搬送し、良好な記録結果を得るという観点から、複数本ずつで構成されるのが好ましい。
また、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2を第1及び第2の駆動軸DS1、DS2並びに第1及び第2の従動軸FS1、FS2に直接かけ渡す構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2をタイミングベルトとし、第1及び第2の駆動軸DS1、DS2並びに第1及び第2の従動軸FS1、FS2にタイミングベルト用滑車を設け、このタイミングベルト用滑車を介して第1及び第2の搬送ベルトV1、V2に動力を伝達するように構成してもよい。
【0112】
また、インク吸収部PDは、搬送経路PCより下側で記録用紙Pの搬送を妨げない位置であれば搬送ベルトV1a〜V1d、V2a〜V2dの輪の内側に配設するようにしてもよい。この場合、インク吸収部PDを第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2のノズル面NZPに一層接近させることができる。従って、例えば、ノズル面NZPに紙粉等の異物が付着してインク滴の飛行経路が曲げられてしまった場合などでも、インク滴が搬送ベルトV1a〜V1d、V2a〜V2dの内周面に到達する前に確実にインク滴を受け止めることができる。
【0113】
また、第2実施形態では、用紙搬送部CVを第1及び第2の搬送部CV1、CV2で構成し、それぞれを第1及び第2の搬送部駆動モーターM1、M2により独立して駆動するように構成したが、これに限定されるものではなく、第1及び第2の駆動軸DS1、DS2の一方をモーターで駆動し、その回転力を他方にチェーン及びスプロケット、タイミングベルト及びタイミングベルト用滑車等で構成される動力伝達機構を介して伝達するようにしてもよい。
【0114】
また、第2実施形態では、第1の搬送ベルトV1と第2の搬送ベルトV2との搬送ベルトの本数を同数に設定するようにしたが、これに限定されず、いずれか一方の本数を他方の本数より1本少なく設定してもよい。すなわち、図20に示すように、第2の搬送部CV2を4本の搬送ベルトで構成し、第1の搬送部CV1を第2の搬送部CV2より1本少ない3本の搬送ベルトで構成することができる。この場合、第1の搬送ベルトV1と第2の搬送ベルトV2とは、奇数本である第1の搬送ベルトV1の中央の搬送ベルトを中心にして、X方向で重ならないようにY方向に交互に配設されている。
【0115】
第1の記録ヘッド群HD1は、図21に示すように、第1の従動軸FS1及び駆動軸DS1の間で、第1の搬送ベルトV1の搬送ベルト間に対向する位置に配設される記録ヘッドHD1a、HD1bと、第1の搬送ベルトV1の最外側の搬送ベルトV1a及びV1cを挟んで搬送ベルト間の外側にそれぞれ記録ヘッドHD1a、HD1bに整列して配設される記録ヘッドHD3a、HD3bとで構成される。また、第2の記録ヘッド群HD2は、第2の従動軸FS2及び駆動軸DS2の間で第2の搬送ベルトV2の搬送ベルト間に対向する位置に、記録ヘッドHD2a〜HD2cが配設された構成を有している。
【0116】
なお、図20及び図21において、搬送ベルトV1a及びV1cが最外側の搬送ベルトに対応している。
また、図21において、記録ヘッドHD1a、HD1bが第1のヘッドに対応し、記録ヘッドHD2a〜HD2cが第2のヘッドに対応し、記録ヘッドHD3a、HD3bが第3のヘッドに対応し、第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2が第1及び第2のヘッド群に対応している。
【0117】
上記により、前述した図13に示すインクジェット記録装置100に比較して、記録ヘッドを構成する記録ヘッドの数及び搬送ベルトの本数を削減することができる。
また、本実施形態では、第1の搬送部CV1と、この第1の搬送部CV1から独立して駆動される第2の搬送部CV2とで構成される用紙搬送部CVを例に説明したが、これに限定されず、第1実施形態の図2に示す用紙搬送部CVを用いてもよい。
【0118】
すなわち、第1実施形態の図2に示す用紙搬送部CVを備えたインクジェット記録装置110は、図22に示すように、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2が共通の搬送部駆動モーターM0及び駆動軸DSによって駆動される。
このインクジェット記録装置110によれば、インクジェット記録装置100と同様の効果を有するばかりでなく、インクジェット記録装置100に比較して、用紙搬送部CVの構成を簡素化することができる。さらに、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2が共通の搬送部駆動モーターM0及び駆動軸DSによって駆動されるため、記録用紙Pが第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2下を同一速度で搬送され、第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2による記録品質の差異を抑制することが可能となる。
【0119】
なお、このインクジェット記録装置110では、第1の搬送ベルトV1と第2の搬送ベルトV2との搬送ベルトの本数を同数に設定するようにしたが、これに限定されず、いずれか一方の本数を他方の本数より1本少なく設定してもよい。すなわち、第1実施形態の図10に示す用紙搬送部CVを備えて構成するようにしてもよい。図10に示す用紙搬送部CVを備えたインクジェット記録装置111は、図23に示すように、用紙搬送部CVの構成以外は図21の構成と同様であり、図21との対応部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0120】
上記により、第1及び第2の従動軸FS1、FS2に駆動軸DSを挟んで互いに反対方向に同等の力を付与して第1及び第2の搬送ベルトV1、V2に張力を与えれば、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2の張力同士が駆動軸DSにかかる力を打ち消し合うとともに、第1の搬送ベルトV1の張力の合力及び第2の搬送ベルトV2の張力の合力の作用点を結ぶ方向と合力の方向とが駆動軸DS上で一致して偶力の発生も抑制し、駆動軸DSのたわみをさらに抑制することができ、さらなる記録品質の向上が図られる。
【0121】
本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
第3実施形態におけるインクジェット記録装置1000は、第2実施形態の図22に示すインクジェット記録装置110における記録ヘッドHD3a及びHD3bのY方向の幅が、それぞれ記録ヘッドHD1a〜HD1c及びHD2a〜HD2cと同等に設定され、且つインク吸収部PDが省略され、図24に示すように、第1及び第2の吐出性能回復キャップCA1及びCA2を備えていることを除いてはインクジェット記録装置110と同様の構成を有している。
【0122】
従って、インクジェット記録装置110との対応部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2は、図25に示すように、それぞれ第1及び第2の搬送部CV1、CV2上に配設される記録ヘッドHD1a〜HD1d及びHD2a〜HD2dから構成されている。そして、記録ヘッドHD1a〜HD1dのうち記録ヘッドHD1a〜HD1cは、第1の従動軸FS1と駆動軸DSとの間で搬送ベルトV1a〜V1dの搬送ベルト間に対向する位置に配設されている。記録ヘッドHD1dは、搬送ベルトV1dを挟んで記録ヘッドHD1cに隣り合って整列して配設されている。また、記録ヘッドHD2a〜HD2dのうち記録ヘッドHD2b〜HD2dは、駆動軸DSと第2の従動軸FS2との間で搬送ベルトV2a〜V2dの搬送ベルト間に対向する位置に配設されている。記録ヘッドHD2aは、搬送ベルトV2aを挟んで記録ヘッドHD2bに隣り合って整列して配設されている。
【0123】
次に、第1及び第2の吐出性能回復キャップCA1、CA2について詳細を説明する。
図26は、図25中のD−D断面を模式的に示す図であり、図26(a)は、第1の吐出性能回復キャップCA1が退避位置にある状態を示し、図26(b)は、第1の吐出性能回復キャップCA1が上昇して記録ヘッドHD1a〜HD1dに当接している状態を示している。なお、この図26では、構成をわかりやすくするため、第2の搬送部CV2を省略して図示している。
【0124】
第1の吐出性能回復キャップCA1は、図26(a)に示すように、第1の記録ヘッド群HD1の記録ヘッドHD1a〜HD1dのそれぞれに記録用紙の搬送経路PCを挟んで対向する分割キャップCA1a〜CA1dを備えている。第2の吐出性能回復キャップCA2は、第1の吐出性能回復キャップCA1と同様な配置構成であるため図面を省略するが、記録ヘッドHD2a〜HD2dのそれぞれに搬送経路PCを挟んで対向する分割キャップCA2a〜CA2dを備えている。
【0125】
すなわち、分割キャップCA1a〜CA1dのうち分割キャップCA1a〜CA1cは、第1の従動軸FS1と駆動軸DSとの間の搬送ベルトV1a〜V1dの搬送ベルト間位置に、搬送経路PCを挟んで記録ヘッドHD1a〜HD1cに対向して配設されている。分割キャップCA1dは、搬送ベルトV1dを挟んで分割キャップCA1cに隣り合って整列し、搬送経路PCを挟んで記録ヘッドHD1dに対向する位置に配設されている。
【0126】
また、分割キャップCA2a〜CA2dのうち分割キャップCA2b〜CA2dは、駆動軸DSと第2の従動軸FS2との間の搬送ベルトV2a〜V2dの搬送ベルト間位置に、搬送経路PCを挟んで記録ヘッドHD2b〜HD2dに対向して配設されている。分割キャップCA2aは、搬送ベルトV2aを挟んで分割キャップCA2bに隣り合って整列し、搬送経路PCを挟んで記録ヘッドHD2aに対向する位置に配設されている。
【0127】
ここで、分割キャップCA1a〜CA1dの幅は、図26(b)に示すように、記録ヘッドHD1a〜HD1dの幅よりも広く設定されており、後述するキャップ昇降部によって上昇されると記録ヘッドHD1a〜HD1dのノズルを全て覆うことができる。
また、分割キャップCA1a〜CA1d、CA2a〜CA2dは、キャップ支持部SJに支持され、吸引ポンプPUにチューブTBで接続されている。
【0128】
また、分割キャップCA1a〜CA1d、CA2a〜CA2dは、図26(a)中のE−E断面を模式的に示す図である図27に示すように、記録ヘッドHD1aのノズルNZY、NZM、NZC、NZKが形成されたノズル面NZPに端部を接触させることによってノズルNZY、NZM、NZC、NZKを覆う少なくとも上部が弾性体で構成されたキャップ部CPと、キャップ支持部SJに固定されてキャップ部CPを支持する支持枠SFと、キャップ部CP内に備えられてインクを吸収するインク吸収体CTと、を備えている。そして、一方の端部が吸引ポンプPUに接続されるチューブTBは、支持枠SF内及びキャップ支持部SJを介して他方の端部がキャップ部CPに接続されている。
【0129】
キャップ部CPは、後述するキャップ昇降部によって上昇され、キャップ部CPの端部がノズル面NZPに接触し、ノズルNZY、NZM、NZC、NZKを覆う。そして、キャップ部CP内は、チューブTBを介して吸引ポンプPUによって減圧される。従って、ノズルの目詰りの要因となる固化したインク、侵入した異物等がキャップ部CP内に吸い出されて目詰りが解消される。
【0130】
次に、第1及び第2の吐出性能回復キャップCA1、CA2を上昇させ、下降させるキャップ昇降部について、詳細を説明する。
キャップ昇降部UDは、インクジェット記録装置1000の正面図である図28に示すように、キャップ支持部SJの底面に外周を接触させて回転軸RSを中心に回転される第1及び第2の昇降カムCM1、CM2と、図示しない動力伝達機構を介して第1及び第2の昇降カムCM1、CM2のそれぞれに伝達される動力を発生する第1及び第2のカム駆動モーターM3、M4と、キャップ支持部SJの昇降をガイドする図示しない昇降ガイド部とを備えている。なお、この図28は、第1及び第2の吐出性能回復キャップCA1、CA2が第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2のノズル面から離隔されて退避位置にある状態を示している。
【0131】
第1及び第2の昇降カムCM1、CM2は、第1及び第2のカム駆動モーターM3、M4によって、それぞれ独立して駆動される。また、第1及び第2のカム駆動モーターM3、M4としては、オープン制御が可能なステッピングモーター等を採用することができる。
なお、これら第1及び第2のカム駆動モーターM3、M4は、ブロック図である図30に示すように、モーター制御部MDによって駆動が制御される。
【0132】
そして、第1及び第2のカム駆動モーターM3、M4が起動すると、図29に示すように、第1及び第2の昇降カムCM1、CM2が回転され、第1及び第2の昇降カムCM1、CM2の外周に沿ってキャップ支持部SJが上昇され、第1及び第2の吐出性能回復キャップCA1、CA2がノズル面に接触した状態となる。
上記の構成を有するインクジェット記録装置1000は、外部機器から記録情報及び記録の指令を受けると、記録の動作を開始し、前述した第1実施形態と同様に、第1の搬送部CV1が記録用紙Pを第1の記録ヘッド群HD1下へ導く。
【0133】
このとき、CPUは、第1の用紙検出部PK1から出力された第1の用紙検出信号に基づいて、記録開始のタイミングを計り、記録ヘッド制御部HDDに第1の記録ヘッド群HD1を制御させ、各色のノズルNZY、NZM、NZC、NZKからインク滴を吐出させて記録情報に基づく第1の記録を実施させる。
そして、第1の記録が行われた記録用紙Pは、第2の搬送部CV2によって第2の記録ヘッド群HD2下へ導かれ、第1の記録と同様に、第2の用紙検出部PK1からの第2の用紙検出信号に基づくタイミングで、第2の記録ヘッド群HD2によって第2の記録が実施される。
【0134】
第3実施形態のインクジェット記録装置1000において、異なる記録用紙Pに連続で記録を行う際に、これらの異なる記録用紙P間で第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2のインク滴を吐出する性能を回復させる紙間吐出性能回復処理について説明する。なお、第3実施形態における紙間吐出性能回復処理は、第1及び第2の吐出性能回復キャップCA1、CA2をそれぞれ個別に制御して行うものであり、それぞれの制御の流れは同様である。従って、第1の吐出性能回復キャップCA1の処理の流れについてのみ詳細を説明する。
【0135】
第3実施形態におけるインクジェット記録装置1000は、第1の記録ヘッド群HD1が記録を開始すると、CPUが図31に示す紙間吐出性能回復処理を開始する。
まず、ステップS301において、第1の用紙検出部PK1による用紙検出信号を読み込んでステップS302へ移行する。
次いで、ステップS302において、第1の用紙検出部PK1からの用紙検出信号に基づいて、第1の用紙検出部PK1が記録用紙Pの後端を検出したか否かを判定し、後端を検出したと判定されると、ステップS303へ移行し、検出していないと判定されると、ステップS301へ移行して用紙検出信号を読み込む。
【0136】
次いで、ステップS303において、記録用紙Pの後端を検出してからの時間を計測するタイマーを起動してステップS304へ移行する。
次いで、ステップS304において、タイマーによる計測時間Tが所定時間Tsに一致したか否かを判定し、一致したと判定されると、ステップS305へ移行し、一致していないと判定されると、一致するまでステップS304を繰り返す。
【0137】
次いで、ステップS305において、第1のカム駆動モーターM3を駆動して第1の吐出性能回復キャップCA1のキャップ部CPを第1の記録ヘッド群HD1のノズル面NZPに当接させてステップS306へ移行する。
次いで、ステップS306において、吸引ポンプPUを駆動して各色のノズルNZY、NZM、NZC、NZKからインクを吸引し、インク吐出性能を回復させてステップS307へ移行する。
【0138】
次いで、ステップS307において、第1のカム駆動モーターM3を駆動して第1の吐出性能回復キャップCA1を退避位置に退避させてステップS308へ移行する。
次いで、ステップS308において、タイマーをリセットして処理を終了する。
なお、本実施形態において、記録用紙Pが記録媒体に対応し、第1及び第2の記録ヘッド群HD1及びHD2が第1及び第2のヘッドに対応し、第1及び第2の吐出性能回復キャップCA1及びCA2並びに図31におけるステップS305〜S307の処理が吐出性能回復手段に対応している。
【0139】
上記により、吐出性能回復手段を記録用紙Pの搬送面下に収めることが可能となり、インクジェット記録装置の小型化が図られるとともに、記録用紙Pへの記録が行われている場合には記録用紙Pの搬送を妨げることがない。さらに、吐出性能回復手段が第1及び第2のヘッドに対向しているので、記録が行われていない場合にはわずかに上昇させることでヘッドの吐出性能を迅速に回復させることが可能となる。
【0140】
また、記録を行う際も、吐出性能回復処理を行う際も、ヘッドを一切移動させる必要がない。従って、ヘッドを移動させるのに必要な機構部品や複雑な制御を不要とし、信頼性の問題を解消することができる。また、移動によるヘッドの記録位置からのずれが発生してしまうことを解消し、良好な記録品質を維持することができる。
また、異なる記録用紙Pに連続で記録を行う際に、1つの記録用紙Pへの記録が終了し、次の記録用紙Pが搬送されてくるまでの間隔を利用して、記録を中断することなく、吐出性能を回復させることが可能となり、連続する記録のすべてにおける記録品質を良好に維持することが可能となる。
【0141】
なお、第3実施形態では、記録媒体として記録用紙Pを例に説明をしたが、これに限定されず、紙以外の記録媒体にも適用できる。例えば、材料としては、樹脂や金属など、形状としては、円形や異形の形状など、その他、可撓性の高いものや低いものなど種々の性質を有するものに適用できる。
なお、本実施形態では、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2をそれぞれ4本の搬送ベルトV1a〜V1d、V2a〜V2dで構成するようにしたが、これに限定されず、最低1本ずつで構成されてもよい。記録用紙Pの記録面PPを可能な限り平坦に安定して搬送し、良好な記録結果を得るという観点から、複数本ずつで構成されるのが好ましい。
【0142】
また、第1の搬送ベルトV1を構成する搬送ベルトの本数と第2の搬送ベルトV2を構成する搬送ベルトの本数とは、同数でなくてもよく、例えば、一方が1本で、他方が2本という構成でもよい。記録用紙Pの搬送速度の変動を抑制し、良好な記録品質を得るという観点から、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2のそれぞれを構成する搬送ベルトの本数を同数とし、第1及び第2の従動軸FS1、FS2に付与される力の大きさを同等にすることで、駆動軸DSに発生する反力を相殺し、且つすべての搬送ベルトにおいて、1本当りの張力を等しくすることが好ましい。
【0143】
また、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2を駆動軸DS並びに第1及び第2の従動軸FS1、FS2に直接かけ渡す構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2をタイミングベルトとし、駆動軸DS並びに第1及び第2の従動軸FS1、FS2にタイミングベルト用滑車を設け、このタイミングベルト用滑車を介して第1及び第2の搬送ベルトV1、V2に動力を伝達するように構成してもよい。
【0144】
また、第3実施形態における紙間吐出性能回復処理では、第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2が1枚の記録用紙Pに記録を終了するごとに、吐出性能を回復させるようにしたが、複数枚への記録を終了するごとに回復させるようにしてもよい。
また、第1及び第2の吐出性能回復キャップCA1及びCA2を、記録ヘッドHD1a〜HD1d及びHD2a〜HD2dにおけるインク吐出性能を回復させる吐出性能回復手段として構成したが、記録ヘッドHD1a〜HD1d及びHD2a〜HD2dのノズル面NZPを保護するヘッド保護手段として構成することもできる。
【0145】
この場合、分割キャップCA1a〜CA1d及びCA2a〜CA2dは、図32に示すように、乾燥を防止する湿潤剤が満たされた湿潤剤タンクTAにチューブTBによって接続される。また、キャップ部CP内には、インク吸収体CTに代えて、湿潤剤を吸収する湿潤剤吸収体CTが配設される。
キャップ部CPの端部がノズル面NZPに当接すると、キャップ部CP内は、湿潤剤吸収体CTがチューブTBを介して湿潤剤タンクTAから湿潤剤を吸収しているため、湿潤環境が保たれる。従って、ノズルNZY、NZM、NZC、NZKからインクの溶媒が蒸発し、ノズル内でインクの粘度が上昇し、最悪の場合、固化してしまうということを遅延させることができる。また、インクの粘度上昇を遅延させるだけでなく、例えば、記録用紙Pを構成する紙繊維が離脱して発生する紙粉等のノズル面NZPへの付着やノズル内への侵入を防止することができる。
【0146】
ヘッド保護手段としての第1及び第2のヘッド保護キャップCA1及びCA2を備えるインクジェット記録装置1000において、異なる記録用紙Pに連続で記録を行う際に、これらの異なる記録用紙P間で第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2のインク滴を吐出する性能を維持させる紙間ヘッド保護処理について説明する。なお、この紙間ヘッド保護処理は、第1及び第2のヘッド保護キャップCA1、CA2をそれぞれ個別に制御して行うものであり、それぞれの制御の流れは同様である。従って、第1のヘッド保護キャップCA1の処理の流れについてのみ詳細を説明する。
【0147】
第1及び第2のヘッド保護キャップCA1、CA2を備えるインクジェット記録装置1000は、第1の記録ヘッド群HD1が記録を開始すると、CPUが図33に示す紙間ヘッド保護処理を開始する。
この紙間ヘッド保護処理では、まず、ステップS321において、第1の用紙検出部PK1による用紙検出信号を読み込んでステップS322へ移行する。
【0148】
次いで、ステップS322において、第1の用紙検出部PK1からの用紙検出信号に基づいて、第1の用紙検出部PK1が記録用紙Pの後端を検出したか否かを判定し、後端を検出したと判定されると、ステップS323へ移行し、検出していないと判定されると、ステップS321へ移行して用紙検出信号を読み込む。
次いで、ステップS323において、記録用紙Pの後端を検出してからの時間Tを計測するタイマーを起動してステップS324へ移行する。
【0149】
次いで、ステップS324において、タイマーによる計測時間Tが所定時間Tsに一致したか否かを判定し、一致したと判定されると、ステップS325へ移行し、一致していないと判定されると、一致するまでステップS324を繰り返す。
次いで、ステップS325において、第1のカム駆動モーターM3を駆動して第1のヘッド保護キャップCA1のキャップ部CPを第1の記録ヘッド群HD1のノズル面NZPに当接させてステップS326へ移行する。
【0150】
次いで、ステップS326において、第1の用紙検出部PK1による用紙検出信号を読み込んでステップS327へ移行する。
次いで、ステップS327において、第1の用紙検出部PK1からの用紙検出信号に基づいて、第1の用紙検出部PK1が新たな記録用紙Pの先端を検出したか否かを判定し、先端を検出したと判定されると、ステップS328へ移行し、検出していないと判定されると、ステップS326へ移行して用紙検出信号を読み込む。
【0151】
次いで、ステップS328において、第1のカム駆動モーターM3を駆動して第1のヘッド保護キャップCA1を退避位置に退避させてステップS329へ移行する。
次いで、ステップS329において、タイマーをリセットして処理を終了する。
この図33において、ステップS325、S328の処理がヘッド保護手段に対応している。
【0152】
上記により、ヘッド保護手段を記録用紙Pの搬送面下に収めることが可能となり、インクジェット記録装置の小型化が図られるとともに、記録用紙Pへの記録が行われている場合には記録用紙Pの搬送を妨げることがない。さらに、ヘッド保護手段が第1及び第2のヘッドに対向しているので、記録が行われていない場合にはわずかに上昇及び下降させることで記録ヘッドへのヘッド保護手段の着脱を迅速に行うことが可能となる。
【0153】
また、記録ヘッドHD1a〜HD1d及びHD2a〜HD2dとヘッド保護手段との対向間隔を記録媒体の搬送を妨げない範囲で可能な限り小さくすることで、わずかな時間でも記録ヘッドを保護することが可能となる。つまり、外部機器から記録情報が送られて記録を開始する際、給紙された記録用紙Pが記録ヘッドHD1a〜HD1d及びHD2a〜HD2d下へ到達し、これら記録ヘッドHD1a〜HD1d及びHD2a〜HD2dからインク滴が吐出される間際までヘッドを保護しておくことができる。従って、浮遊する紙粉等の異物がノズル面NZPに付着したり、ノズル内に侵入したりするおそれを極めて低く抑制することができる。
【0154】
また、記録を行う際も、ヘッド保護処理を行う際も、記録ヘッドHD1a〜HD1d及びHD2a〜HD2dを一切移動させる必要がない。従って、記録ヘッドHD1a〜HD1d及びHD2a〜HD2dを移動させるのに必要な機構部品や複雑な制御を不要とし、信頼性の問題を解消することができる。また、移動による記録ヘッドHD1a〜HD1d及びHD2a〜HD2dの記録位置からのずれが発生してしまうことを解消し、良好な記録品質を維持することができる。
【0155】
また、異なる記録用紙Pに連続で記録を行う際に、1つの記録用紙Pへの記録の終了から新たな記録用紙Pが搬送されてくるまで、記録ヘッドHD1a〜HD1d及びHD2a〜HD2dを保護しておくことが可能となる。従って、連続する記録が完了するまでの時間を遅延させることなく記録ヘッドの保護の頻度を高めることができ、記録が完了するまでインクの粘度上昇による記録品質の低下を抑制することが可能となる。
【0156】
また、図33に示す紙間ヘッド保護処理では、第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2が1枚の記録用紙Pに記録を終了するごとに、記録ヘッドHD1a〜HD1d及びHD2a〜HD2dを保護するようにしたが、複数枚への記録を終了するごとに保護するようにしてもよい。
【0157】
本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。
第4実施形態におけるインクジェット記録装置1100は、図34に示すように、用紙搬送部CVが、前述した第3実施形態における第2の搬送部CV2が省略され、且つ図35に示す搬送ベルト幅W3とベルト間隔Lとが、L>W3となるように設定されていることを除いては第1の搬送部CV1と同様の構成を有し、図24との対応部分には同一符号を付してその説明はこれを省略する。
【0158】
また、このインクジェット記録装置1100は、図34(a)及び図36に示すように、ソレノイドSL及びソレノイドSLを制御するソレノイド制御部SLDをさらに備えている。
また、記録ヘッドとして用紙幅と等しい記録領域を有するラインヘッドHDが通用されている。この記録ヘッドHDは、図37(b)に示すように、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色の各色ノズルNZY、NZM、NZC、NZKがX方向に配列形成されるとともに、Y方向の同一線上に配列形成されて各色1本ずつのノズル列NZYL、NZML、NZCL、NZKLを構成している。
【0159】
そして、記録ヘッドHDは、図34(a)に示すように、従動軸FSと駆動軸DSとの中央部で、各色ノズル列NZYL、NZML、NZCL、NZKLが搬送ベルトVa、Vb、Vc、Vdを横切って記録面PPにおける記録領域の幅方向全域に亘るように配設されている。すなわち、各色ノズル列NZYL、NZML、NZCL、NZKLは、図37(b)に示すように、搬送ベルトVa〜Vdの搬送ベルト間に対向するベルト非対向ノズルNTVと、搬送ベルトVa〜Vdに個別に対向するベルト対向ノズルTVa〜TVdと、搬送ベルトVdを挟んで搬送ベルト間の外側に対向する外対向ノズルSTVと、を有している。
【0160】
この記録ヘッドHDは、図38に示すヘッド移動機構TMCを介して伝達されるソレノイドSLからの動力により、ベルト対向ノズルTVa〜TVdが搬送ベルトVa〜Vdに対向する記録位置兼第1吐出性能回復位置とこれより幅方向に移動してベルト非対向ノズルNTVが搬送ベルトVa〜Vdに対向する第2吐出性能回復位置との間で移動される。
このヘッド移動機構TMCは、記録ヘッド支持部HDBに固定されたリニアガイドLGが記録ヘッドHDの腕部ARMを支持する構成を有している。このリニアガイドLGは、ソレノイド連結部SLCを介してソレノイドSLの動力が記録ヘッドHDに伝達されると、記録ヘッドHDを円滑にガイドする。このソレノイドSLは、図36に示すように、ソレノイド制御部SLDによって駆動が制御される。
【0161】
ここで、吐出性能回復キャップCAと記録ヘッドHDとの配置構成について説明する。
図39は、図34(a)中のF−F断面を模式的に示す図であり、記録ヘッドHDと吐出性能回復キャップCAとの配置構成を説明する図である。
吐出性能回復キャップCAは、図39(a)に示すように、4つの分割キャップCAa〜CAdを備えている。分割キャップCAa〜CAdのうちCAa〜CAcは、搬送ベルトVa〜Vdの搬送ベルト間位置に、記録用紙Pの搬送経路PCを挟んで記録ヘッドHDのベルト非対向ノズルNTVに対向して配設されている。また、分割キャップCAdは、搬送ベルトVdを挟んで分割キャップCAcに隣り合って整列し、搬送経路PCを挟んで記録ヘッドHDの外対向ノズルSTVに対向する位置に配設されている。
【0162】
そして、分割キャップCAa〜CAdの幅は、ベルト対向ノズルTVa〜TVdの幅より広く設定されている。
上記の構成を有するインクジェット記録装置1100では、記録の動作が開始されると、記録用紙Pは、図34(b)に示すように、第1の実施形態と同様に、記録ヘッドHD下へ導かれ、記録ヘッド制御部HDDによって記録ヘッドHDが制御され、記録面PPに記録が行われる。
【0163】
また、記録用紙Pに記録が行われている際、図39(a)に示すように、記録ヘッドHDは、ベルト対向ノズルTVa〜TVdが搬送ベルトVa〜Vdに対向する記録位置兼第1吐出性能回復位置に、分割キャップCAa〜CAdは、キャップ部CPの先端が搬送経路PCより下側の位置にある退避位置にある。
吐出性能回復キャップCA及びキャップ昇降部UDの構成は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略し、吐出性能回復動作について説明する。
【0164】
第4実施形態における吐出性能回復動作は、ベルト非対向ノズルNTV及び外対向ノズルSTVからインクを吸引する第1吐出性能回復動作と、ベルト対向ノズルTVa〜TVdからインクを吸引する第2吐出性能回復動作とに大別される。
第1吐出性能回復動作において、吐出性能回復キャップCAは、退避位置にある図39(a)に示す状態から、図34(b)に図示しているキャップ昇降部UDによって上昇され、図39(b)に示すように、記録ヘッドHDに当接する。そして、分割キャップCAa〜CAc及びCAdのキャップ部CPがベルト非対向ノズルNTV及び外対向ノズルSTVを覆って、第1の実施形態と同様に、吸引ポンプPUによってインクが吸引される。インクが吸引された後、吐出性能回復キャップCAは、図39(a)に示す退避位置にもどる。これで第1吐出性能回復動作が終了する。
【0165】
次に、第2吐出性能回復動作について説明する。
図40は、ベルト対向ノズルTVa〜TVdの吐出性能回復動作を説明する図であり、図40(a)は、吐出性能回復キャップCAが退避位置にある状態を示し、図40(b)は、吐出性能回復キャップCAが上昇した状態を示している。
第1吐出性能回復動作を終了し、吐出性能回復キャップCAが図39(a)に示す退避位置にもどると、記録ヘッドHDは、図40(a)に示すように、ヘッド移動機構TMCを介してソレノイドSLによってベルト対向ノズルTVa〜TVdが分割キャップCAa〜CAdに対向する位置まで移動される。
【0166】
そして、吐出性能回復キャップCAが上昇されると、図40(b)に示すように、分割キャップCAa〜CAdのキャップ部CPがベルト対向ノズルTVa〜TVdとベルト非対向ノズルNTV及び外対向ノズルSTVの一部とを覆い、吸引ポンプPUによってインクが吸引される。すなわち、ベルト非対向ノズルNTV及び外対向ノズルSTVのベルト対向ノズルTVa〜TVdとの境界部のノズルから重複してインクを吸引することになる。
【0167】
そして、ベルト対向ノズルTVa〜TVdとベルト非対向ノズルNTV及び外対向ノズルSTVの一部とからのインクの吸引が終了すると、図39(a)に示すように、吐出性能回復キャップCAを退避位置に、記録ヘッドHDを記録位置に移動させる。これで第2吐出性能回復動作が終了する。この第2吐出性能回復動作の終了によって、記録ヘッドHDの全てのノズルからのインクの吸引が終了し、吐出性能回復動作が完了する。
【0168】
第4実施形態のインクジェット記録装置1100において、異なる記録用紙Pに連続で記録を行う際に、これらの異なる記録用紙P間で記録ヘッドHDのインク滴を吐出する性能を回復させる紙間吐出性能回復処理について説明する。
インクジェット記録装置1100は、記録ヘッドHDが記録を開始すると、CPUが図41に示す紙間吐出性能回復処理を開始する。
【0169】
まず、ステップS401において、用紙検出部PK1による用紙検出信号を読み込んでステップS402へ移行する。
次いで、ステップS402において、用紙検出部PK1からの用紙検出信号に基づいて、用紙検出部PK1が記録用紙Pの後端を検出したか否かを判定し、後端を検出したと判定されると、ステップS403へ移行し、検出していないと判定されると、ステップS401へ移行して用紙検出信号を読み込む。
【0170】
次いで、ステップS403において、記録用紙Pの後端を検出してからの時間を計測するタイマーを起動してステップS404へ移行する。
次いで、ステップS404において、タイマーによる計測時間Tが所定時間Tsに一致したか否かを判定し、一致したと判定されると、ステップS405へ移行し、一致していないと判定されると、一致するまでステップS404を繰り返す。
【0171】
次いで、ステップS405において、カム駆動モーターM3を駆動して吐出性能回復キャップCAのキャップ部CPを記録ヘッドHDのノズル面NZPに当接させてステップS406へ移行する。
次いで、ステップS406において、吸引ポンプPUを駆動してベルト非対向ノズルNTV及び外対向ノズルSTVからインクを吸引し、インク吐出性能を回復させてステップS407へ移行する。
【0172】
次いで、ステップS407において、カム駆動モーターM3を駆動して吐出性能回復キャップCAを退避位置に退避させてステップS408へ移行する。
次いで、ステップS408において、記録ヘッドHDを第2吐出性能回復位置まで移動させてステップS409へ移行する。
次いで、ステップS409において、カム駆動モーターM3を駆動して吐出性能回復キャップCAのキャップ部CPを記録ヘッドHDのノズル面NZPに当接させてステップS410へ移行する。
【0173】
次いで、ステップS410において、吸引ポンプPUを駆動してベルト対向ノズルTVa〜TVdとベルト非対向ノズルNTV及び外対向ノズルSTVの一部とからインクを吸引し、インク吐出性能を回復させてステップS411へ移行する。
次いで、ステップS411において、カム駆動モーターM3を駆動して吐出性能回復キャップCAを退避位置に退避させてステップS412へ移行する。
【0174】
次いで、ステップS412において、記録ヘッドHDを記録位置まで移動させてステップS413へ移行する。
次いで、ステップS413において、タイマーをリセットして処理を終了する。
なお、この第4実施形態において、図41のステップS405〜S407及びステップS409〜S411の処理が吐出性能回復手段に対応し、ステップS408、S412の処理がヘッド移動手段に対応している。
【0175】
また、吐出性能回復キャップCAが吐出性能回復手段に対応し、ソレノイドSL及びヘッド移動機構TMCがヘッド移動手段に対応し、ベルト非対向ノズルNTVが対向ノズルに対応し、ベルト対向ノズルTVa〜TVdが非対向ノズルに対応している。
上記により、第3実施形態に比較して、用紙搬送部CV及び吐出性能回復キャップCAの構成を簡素化し、記録ヘッドの個数より少ない吐出性能回復キャップでインク吐出性能を回復することができ、さらに吐出性能回復手段を記録用紙Pの搬送面下に収めることが可能となる。従って、ヘッドの吐出性能回復が可能なインクジェット記録装置のさらなる小型化が図られる。
【0176】
なお、第4実施形態における記録ヘッドHDは、一体で必要な大きさを構成しても、複数に分割された別体のヘッドを必要な大きさになるように並べて構成してもよい。複数の分割されたヘッドで構成されると、例えば、記録ヘッドHDの一部のノズルが損傷した場合、損傷したノズルを有するヘッドのみを交換することで、交換にかかる費用を低く抑えることができる。
【0177】
また、記録ヘッドHDを移動させるヘッド移動機構TMCは、ソレノイドSLに代えてモーターの回転軸にボールねじを連結し、記録ヘッドHDに固定したボールナットを介して記録ヘッドHDに動力を伝達するように構成してもよい。
また、第4実施形態における紙間吐出性能回復処理では、記録ヘッドHDが1枚の記録用紙Pに記録を終了するごとに、吐出性能を回復させるようにしたが、複数枚への記録を終了するごとに回復させるようにしてもよい。
【0178】
また、第4実施形態では、ヘッド移動手段が記録ヘッドHDを移動させて記録ヘッドHDの吐出性能回復キャップCAに対する相対位置を変化させるようにしたが、これに限定されるものではなく、図42(a)に示すキャップ移動機構TCA及びシリンダーCLによって吐出性能回復キャップCAを幅方向に移動させるようにしてもよい。
このキャップ移動機構TCAは、筐体の基部に固定されたリニアガイドLGが搬送支持部CVBを支持している。また、搬送支持部CVBは、用紙搬送部CV並びに吐出性能回復キャップCA及びキャップ昇降部UDを支持し、シリンダーCLの駆動軸が接続されている。シリンダーCLは、流体に圧力を付与してピストンを往復運動させることにより動力を発生する。
【0179】
そして、吐出性能回復キャップCAは、図42(b)に示すように、用紙搬送部CV及びキャップ昇降部UDとともに、キャップ移動機構TCAを介してシリンダーCLからの動力により、第1吐出性能回復位置と第2吐出性能回復位置との間で移動される。なお、この図42において、シリンダーCL及びキャップ移動機構TCAが吐出性能回復移動手段に対応している。
【0180】
なお、この図42に示す構成において、キャップ移動機構TCAをシリンダーCLの動力によって移動させるようにしたが、これに限定されるものではなく、ボールねじ及びナット等の回転運動を直進運動に変換する機構を介してモーターの動力により、移動させるようにしてもよい。
【0181】
本発明の第5実施形態を図面に基づいて説明する。
第5実施形態におけるインクジェット記録装置1200は、平面図である図43に示すように、第1の記録ヘッド群HD1を構成する記録ヘッドHD1a〜HD1d間に第1の拍車群SP1を配設し、第2の記録ヘッド群HD2を構成する記録ヘッドHD2a〜HD2d間に第2の拍車群SP2を配設した構成を有している。
また、用紙搬送部CVは、図45に示すように、図2に示す第1及び第2の従動軸FS1及びFS2間の搬送区間が、従動軸FS及び駆動軸DSで構成され、これら従動軸FS及び駆動軸DS間に1本の搬送ベルトVをかけ渡した構成を有している。
【0182】
つまり、インクジェット記録装置1200は、第3実施形態におけるインクジェット記録装置1000において、第1及び第2の吐出性能回復キャップCA1及びCA2が省略され、且つ用紙搬送部CVの構成が異なることを除いてはインクジェット記録装置1000と同様の構成を有している。
従って、インクジェット記録装置1000との対応部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0183】
第1及び第2の拍車群SP1、SP2は、図43に示すように、それぞれ拍車SP1a〜SP1d及びSP2a〜SP2dで構成されている。また、拍車SP1a〜SP1d及びSP2a〜SP2dのそれぞれは、図43中のG−G断面を模式的に示す図である図46に示すように、外周面が記録用紙Pの搬送経路PCを挟んで搬送ベルトV上に接触するように配設されている。なお、この図46では、構成をわかりやすくするため、駆動軸DSから下流側を省略して図示している。これら拍車SP1a〜SP1d及びSP2a〜SP2dのそれぞれは、図44に示すように、拍車回転軸JKを中心に回転可能なローラーの外周面上に放射状に突起部が設けられており、この突起部の頂部と搬送ベルトVとが記録用紙Pを挟んで記録用紙Pの浮きを規制するものである。
【0184】
第1の拍車群SP1のうち拍車SP1b〜SP1dは、図43に示すように、それぞれ第1の記録ヘッド群HD1の記録ヘッドHD1a〜HD1d同士間のY方向の略中央部に配設され、且つ回転中心が記録ヘッドHD1a〜HD1dのX方向の長さの略中央部に位置するように設定されている。拍車SP1aは、記録ヘッドHD1aを挟んで拍車SP1bに整列して配設されている。また、第2の拍車群SP2のうち拍車SP2a〜SP2cは、第1の拍車群SP1と同様に、記録ヘッドHD2a〜HD2d同士間に配設され、拍車SP2dは記録ヘッドHD2dを挟んで拍車SP2cに整列して配設されている。
【0185】
ここで、第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2並びに第1及び第2の拍車群SP1、SP2は、図43中(7)J−J断面図である図47(a)に示すように、図示しない筐体に固定された支持板SBによって支持されている。
記録ヘッドHD1a〜HD1d、HD2a〜HD2dは、支持板SBを貫通してノズルが形成されている面であるノズル面NZPが搬送経路PCに対向するように支持板SBに固定されている。
【0186】
拍車SP1a〜SP1d及びSP2a〜SP2dのそれぞれは、図47(a)中のQ部詳細を示す図である図47(b)に示すように、支持板SBを貫通して外周面が搬送経路PCに接触し、支持板SB内に挿入された拍車回転軸JKによって回転可能に支持されている。
上記の構成を有するインクジェット記録装置1200は、外部機器から記録情報及び記録の指令を受けると、記録の動作を開始する。
【0187】
記録の動作が開始されると、記録用紙Pは、図48に示す給紙部KSによって、複数の記録用紙Pを保持しておく図示しない用紙カセットから1枚ずつゲートローラGRへ給紙される。
ゲートローラGRに給紙された記録用紙Pは、ゲートローラGRによってX方向に対する傾き、Y方向の位置ずれが矯正され、用紙搬送部CVへ送り出される。
【0188】
記録用紙Pは、ゲートローラGRから用紙搬送部CVへ送り出される間に、静電気付与部ECによって帯電される。
帯電して搬送ベルトVへの吸着力を有した記録用紙Pは、搬送部駆動モーターM0によって駆動軸DSが回転されて、搬送ベルトVが図2でみて反時計方向に回転されている搬送ベルトVの外周面に吸着し、搬送部駆動モーターM0からの動力によって搬送され、第1の記録ヘッド群HD1下へ導かれる。
【0189】
記録用紙Pが第1の記録ヘッド群HD1下へ到達する前に、図48に示す第1の用紙検出部PK1が記録用紙Pを検出し、記録用紙Pを検出した旨を示す第1の用紙検出信号をCPUへ送る。
CPUは、第1の用紙検出部PK1からの第1の用紙検出信号に基づいて、記録を開始するタイミングを計り、図48に示す記録ヘッド制御部HDDへ第1の記録指令を送る。
【0190】
記録ヘッド制御部HDDは、第1の記録指令に基づいて、第1の記録ヘッド群HD1を制御し、搬送ベルトVによってノズル面NZP下を連続的に移動されてくる記録用紙Pの記録面PPに、記録情報に基づいて各色のノズルNZY、NZM、NZC、NZKから選択的にインク滴を吐出させて第1の記録を行う。
第1の記録が行われた記録用紙Pは、搬送ベルトVによってさらに搬送され、第2の記録ヘッド群HD2下へ導かれる。
【0191】
記録用紙Pが第2の記録ヘッド群HD2下へ到達する前に、図48に示す第2の用紙検出部PK2が記録用紙Pを検出し、記録用紙Pを検出した旨を示す第2の用紙検出信号をCPUへ送る。
CPUは、第2の用紙検出部PK2からの第2の用紙検出信号に基づいて、記録を開始するタイミングを計り、図48に示す記録ヘッド制御部HDDへ第2の記録指令を送る。
【0192】
記録ヘッド制御部HDDは、第2の記録指令に基づいて、第2の記録ヘッド群HD2を制御し、搬送部ベルトVによってノズル面NZP下を連続的に移動されてくる記録用紙Pの記録面PPに、記録情報に基づいて各色のノズルNZY、NZM、NZC、NZKから選択的にインク滴を吐出させて第2の記録を行う。
第2の記録が終了すると、1枚の記録用紙Pに対する記録が終了し、その記録用紙Pは、排紙部EJによってインクジェット記録装置1外へ排出される。
【0193】
ここで、記録情報のすべてに対する記録が終了していると、記録動作が終了し、未記録の記録情報が残っていると、新たな記録用紙PをゲートローラGRに給紙して記録情報のすべてに対する記録が完了するまで記録動作を継続する。
このインクジェット記録装置1200において、第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2が第1及び第2のヘッド群に対応し、記録用紙Pが記録媒体に対応し、拍車SP1a〜SP1d、SP2a〜SP2dが記録媒体浮き規制手段としてのローラーに対応している。
【0194】
上記により、記録が行われてインクIKが染み込んだ記録面PPに伸びが発生し、記録用紙Pに反り返りが発生しても拍車SP1a〜SP1d及びSP2a〜SP2dによって、記録ヘッドHD1a〜HD1d、HD2a〜HD2d下における記録用紙Pの反り返りが矯正されるため、記録面PPと記録ヘッドHD1a〜HD1d、HD2a〜HD2dとの間隔は適正に維持され、良好な記録品質を得ることができる。
【0195】
なお、第5実施形態では、記録媒体として記録用紙Pを例に説明をしたが、これに限定されず、紙以外の記録媒体にも適用できる。例えば、樹脂などの材料で構成され、円形や異形状などの種々の形状、寸法を有するフィルム等にも適用できる。
また、搬送ベルトVを駆動軸DS及び従動軸FSに直接かけ渡す構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、搬送ベルトVをタイミングベルトとし、駆動軸DS及び従動軸FSにタイミングベルト用滑車を設け、このタイミングベルト用滑車を介して搬送ベルトVに動力を伝達するように構成してもよい。
【0196】
また、第5実施形態においては、記録ヘッド同士の間に1つの拍車を配設する構成としたが、二つ以上の拍車を配設する構成としてもよい。この場合、記録ヘッドのX方向の長さに亘って一層広い範囲で記録媒体の浮きが規制されるため好適である。
また、拍車SP1a〜SP1d及びSP2a〜SP2dの搬送ベルトVからの高さを、拍車SP1a〜SP1d及びSP2a〜SP2dと搬送ベルトVとの間に記録用紙Pが存在しない場合に、拍車SP1a〜SP1d、SP2a〜SP2dの突起部の頂部が搬送ベルトVに接触するように設定したが、これに限定されるものではなく、所定の隙間を有するように設定してもよい。この場合、所定の隙間は、記録用紙Pが搬送ベルトVから所定量浮いたとき、つまり、記録品質が損なわれない限界を超えた場合に頂部が記録面PPに接触する距離に設定される。従って、記録用紙Pの搬送ベルトVからの浮きが所定量未満の場合、拍車SP1a〜SP1d及びSP2a〜SP2dが記録面PPに接触しないため、拍車SP1a〜SP1d及びSP2a〜SP2dの接触による記録品質の損傷を抑制することができる。
【0197】
また、拍車SP1a〜SP1d及びSP2a〜SP2dの記録ヘッドHD1a〜HD1d、HD2a〜HD2dに対するX方向の位置を、各拍車SP1a〜SP1d及びSP2a〜SP2dと記録用紙Pとの接点部が記録ヘッドHD1a〜HD1d、HD2a〜HD2dのX方向の長さの略中央部に位置するように設定したが、これに限定されるものではなく、図49に示すように、記録ヘッド同士間における最内側のノズルNU同士を結んだ線NUL上に接点部が位置するように設定してもよい。この場合、各ノズルNZY、NZM、NZC、NZK下における記録用紙Pの浮きを一層効果的に規制することができる点で好ましい。
【0198】
なお、第5実施形態では、用紙搬送部CVを従動軸FS及び駆動軸DS間に1本の搬送ベルトVをかけ渡した構成としたが、これに限定されず、第1実施形態の図2に示す用紙搬送部CVを用いてもよい。
すなわち、第1実施形態の図2に示す用紙搬送部CVを備えたインクジェット記録装置1210は、平面図である図50及び正面図である図51に示すように、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2が共通の搬送部駆動モーターM0及び駆動軸DSによって駆動される。
【0199】
なお、この図50及び図51において、構成をわかりやすく示すため、記録ヘッドHD1a〜HD1d、HD2a〜HD2d及び拍車SP1a〜SP1d及びSP2a〜SP2dを支持する支持板SBを省略して図示している。
このインクジェット記録装置1210によれば、インクジェット記録装置1200と同様の効果を有するばかりでなく、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2が共通の搬送部駆動モーターM0及び駆動軸DSによって駆動されるため、記録用紙Pが第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2下を同一速度で搬送され、第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2による記録品質の差異を抑制することが可能となる。
【0200】
また、このインクジェット記録装置1210の用紙搬送部CVと同等の搬送区間を1つの搬送ベルトで構成する場合に比較して、第1及び第2の搬送部CV1、CV2を構成する搬送ベルトV1a〜V1d、V2a〜V2dの周長を短くすることができ、伸縮による搬送ベルトの振動の振幅を低減することが可能となる。従って、記録ヘッドと記録媒体の記録面との間隔の変動を一層抑制することが可能となる。
【0201】
また、用紙搬送部CVを長さの短い第1及び第2の搬送部CV1、CV2で構成することにより、搬送途中のベルトのたるみを防止して記録媒体を平坦面に沿って正確に搬送することができる。
なお、インクジェット記録装置1210では、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2をそれぞれ4本の搬送ベルトV1a〜V1d、V2a〜V2dで構成するようにしたが、これに限定されず、最低1本ずつで構成されてもよい。記録用紙Pの記録面PPを可能な限り平坦に安定して搬送し、良好な記録結果を得るという観点から、複数本ずつで構成されるのが好ましい。
【0202】
また、インクジェット記録装置1210において、第1の搬送ベルトV1と第2の搬送ベルトV2との搬送ベルトの本数を同数としたが、これに限定されるものではない。つまり、例えば、一方の搬送ベルトを1本で、他方の搬送ベルトを2本で構成してもよい。記録用紙Pの搬送速度の変動を抑制し、良好な記録品質を得るという観点から、第1及び第2の搬送ベルトV1、V2のそれぞれを構成する搬送ベルトの本数を同数とし、第1及び第2の従動軸FS1、FS2に付与される力の大きさを同等にすることで、駆動軸DSに発生する反力を相殺し、且つすべての搬送ベルトにおいて、1本当りの張力を等しくすることができる点で好ましい。
【0203】
また、第5実施形態において、第1及び第2の記録ヘッド群HD1、HD2を、それぞれ個別の記録ヘッドHD1a〜HD1d、HD2a〜HD2dを配設した構成としたが、これに限定されず、各拍車SP1a〜SP1d及びSP2a〜SP2dを配設する空間が確保されれば、一体で構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】第1実施形態におけるインクジェット記録装置の主要構成を示す外観図。
【図2】第1実施形態における用紙搬送部の平面図。
【図3】第1実施形態におけるインクジェット記録装置の主要構成を示す平面図。
【図4】第1実施形態における記録ヘッドの外観を示す図。
【図5】第1実施形態におけるインクジェット記録装置の主要部の制御のつながりを示すブロック図。
【図6】第1実施形態におけるインクジェット記録装置の記録処理の流れを示す図。
【図7】第1実施形態における他の用紙搬送部を示す平面図。
【図8】第1実施形態における他のインクジェット記録装置を示す平面図。
【図9】第1実施形態におけるさらに他のインクジェット記録装置を示す平面図。
【図10】第1実施形態におけるさらに他の用紙搬送部を示す平面図。
【図11】第2実施形態におけるインクジェット記録装置の主要構成を示す外観図。
【図12】第2実施形態における用紙搬送部の平面図。
【図13】第2実施形態におけるインクジェット記録装置の主要構成を示す平面図。
【図14】第2実施形態における記録ヘッドの外観を示す図。
【図15】図13中のC−C断面を模式的に示す図。
【図16】第2実施形態におけるインクジェット記録装置の主要部の制御のつながりを示すブロック図。
【図17】第2実施形態における第1の縁なし記録処理の流れを示す図。
【図18】第2実施形態における第2の縁なし記録処理の流れを示す図。
【図19】第2実施形態における紙間目詰り予防吐出処理の流れを示す図。
【図20】第2実施形態における他の用紙搬送部を示す平面図。
【図21】第2実施形態における他のインクジェット記録装置を示す平面図。
【図22】第2実施形態におけるさらに他のインクジェット記録装置を示す平面図。
【図23】第2実施形態における別のインクジェット記録装置を示す平面図。
【図24】第3実施形態におけるインクジェット記録装置の主要構成を示す外観図。
【図25】第3実施形態におけるインクジェット記録装置の主要構成を示す平面図。
【図26】図25中のD−D断面を模式的に示す図。
【図27】図26中のE−E断面を模式的に示す図。
【図28】第3実施形態におけるインクジェット記録装置の正面図。
【図29】第3実施形態における第1及び第2の吐出性能回復キャップがノズル面に接触した状態を示す図。
【図30】第3実施形態におけるインクジェット記録装置の主要部の制御のつながりを示すブロック図。
【図31】第3実施形態における紙間吐出性能回復処理の流れを示す図。
【図32】第1及び第2のヘッド保護キャップの構成を説明する図。
【図33】第3実施形態における紙間ヘッド保護処理の流れを示す図。
【図34】第4実施形態におけるインクジェット記録装置の主要構成を示す外観図。
【図35】第4実施形態における用紙搬送部の平面図。
【図36】第4実施形態におけるインクジェット記録装置の主要部の制御のつながりを示すブロック図。
【図37】第4実施形態における記録ヘッドの外観を示す図。
【図38】ヘッド移動機構の構成を説明する図。
【図39】図34中のF−F断面を模式的に示す図。
【図40】第4実施形態におけるベルト対向ノズルの吐出性能回復動作を説明する図。
【図41】第4実施形態における紙間吐出性能回復処理の流れを示す図。
【図42】キャップ移動機構の構成を説明する図。
【図43】第5実施形態におけるインクジェット記録装置の主要構成を示す平面図。
【図44】第5実施形態におけるインクジェット記録装置の主要構成を示す正面図。
【図45】第5実施形態におけるインクジェット記録装置の用紙搬送部を示す平面図。
【図46】図43中のG−G断面を模式的に示す図。
【図47】図43中のJ−J断面を示す図。
【図48】第5実施形態におけるインクジェット記録装置の主要部の制御のつながりを示すブロック図。
【図49】第1の記録ヘッド群の底面図。
【図50】第5実施形態におけるインクジェット記録装置の他の構成を示す平面図。
【図51】第5実施形態におけるインクジェット記録装置の他の構成を示す正面図。
【図52】従来技術における課題を説明する図。

Claims (3)

  1. 搬送ベルト上に記録媒体を載置して搬送する記録媒体搬送手段と、該記録媒体搬送手段で搬送される前記記録媒体の搬送面とは反対側の面である記録面に対向して配設され、インク滴を吐出する複数のノズルを前記記録媒体の搬送方向とは交差する方向に配列して記録領域を形成した記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置であって、
    前記記録媒体搬送手段は、前記記録媒体の搬送方向に連接し、互いに所定間隔を保って複数本の搬送ベルトを並設した上流側の第1の搬送部及び下流側の第2の搬送部を有し、前記第1の搬送部は、前記第2搬送部の搬送ベルト本数に対して1本多い偶数本の搬送ベルト本数に設定され、
    前記第1の搬送部及び第2の搬送部は、前記搬送ベルトが前記第2の搬送部の中央の前記搬送ベルトを中心にして交互に配設され、
    前記第1の搬送部における前記記録媒体の前記記録面に対向して配設された前記記録ヘッドは、前記記録媒体の幅と等しい幅間に整列されたノズルを有するイエロー、マゼンタ、シアンの少なくとも3種類のラインヘッドで構成され、
    前記第2の搬送部における前記記録媒体の前記記録面に対向して配設された前記記録ヘッドは、前記記録媒体の幅と等しい幅間に整列されたノズルを有するブラックのラインヘッドで構成され、
    前記各ラインヘッドに前記記録媒体の搬送経路を挟んで対向する前記搬送部の搬送ベルト間位置に、該搬送ベルト間に対向する対向ノズルからインクを吸引してインク吐出性能を回復させる吐出性能回復手段を配設するとともに、前記記録ヘッドと前記吐出性能回復手段との相対位置を、前記吐出性能回復手段に対向していない非対向ノズルが当該吐出性能回復手段に対向するように相対移動させる相対移動手段を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記搬送ベルト間の距離が前記搬送ベルトの幅より長く設定され、前記吐出性能回復手段の幅は、前記非対向ノズルが前記吐出性能回復手段に対向したときに前記対向ノズルの前記非対向ノズルとの境界部のノズル及び前記非対向ノズルを覆うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記吐出性能回復手段は、先端が前記記録媒体の搬送経路より下側に退避する退避位置と、吐出性能回復時に前記退避位置から上昇して前記記録ヘッドに当接する吐出性能回復位置との間で移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
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