JP4262850B2 - 合成樹脂製ドアミラーカバー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のドアミラーのミラー外殻部に取り付けて使用する合成樹脂製ドアミラーカバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のドアミラーは、運転者が車体の側部後方を確認するためのミラーと、その前方を覆う外装用のミラー外殻部(自動車メーカーにより予め自動車の一部として組み付けられており、ドアに対して縦軸周りで起立倒伏自在に支持されている。)とを備えている。
【0003】
合成樹脂製ドアミラーカバーは、ミラー外殻部の保護、ボディーカラーとの統一による美観の向上等を目的として使用されるもので、ミラー外殻部に外嵌し、両面テープで接着して固定するように構成されている。
【0004】
ところで、ドアミラーカバーをミラー外殻部よりも前方へ突出した流線形の断面形状とすることは、見栄えがして、美観の向上に役立つのみならず、走行時における風の抵抗を軽減し、ミラー外殻部の空力特性の改善に有効である。この場合、流線形の断面形状としたドアミラーカバーを厚肉の中実構造とするよりも、略均一な肉厚に成形する方が、材料樹脂の節減、成形直後の冷却時における合成樹脂のヒケによる変形の防止、軽量化等の各面で有利である。
【0005】
しかしながら、ドアミラーカバーをミラー外殻部よりも前方へ突出した断面形状で且つ略均一な肉厚に成形すると、次の問題点が生じる。
(1)ドアミラーカバーの開口縁部だけがミラー外殻部に対する接着面となり、ドアミラーカバーとミラー外殻部との間に空間が生じるので、ドアミラーカバーをミラー外殻部に取り付けるべく前方から外嵌する際、ミラー外殻部に対するドアミラーカバーの嵌合深さが規制されず、専ら、作業者の感に委ねられることになるため、ミラー外殻部に対するドアミラーカバーの取付け姿勢を一定にすることが非常に難しい。
(2)ドアミラーカバーが略均一な肉厚であり、ドアミラーカバーとミラー外殻部との間に空間が生じるので、ドアミラーカバーの強度(剛性)が不足する可能性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の考察結果に基づいてなされたものであって、その目的とするところは、ドアミラーカバーをミラー外殻部に取り付ける際、ミラー外殻部に対するドアミラーカバーの嵌合深さを規制できて、ミラー外殻部に対するドアミラーカバーの取付け姿勢を容易に一定にすることができ、しかも、ドアミラーカバーの強度不足を補えるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、ドアミラーのミラー外殻部よりも前方へ突出した断面形状で且つ略均一な肉厚に成形され、ミラー外殻部に外嵌し且つ両面テープで接着して使用するように構成された合成樹脂製ドアミラーカバーにおいて、内部にミラー外殻部と当接する支持材を設けてあり、前記支持材が発泡合成樹脂によってミラー外殻部とドアミラーカバーとの空間を充満する断面形状に成形されていることを特徴としている。
【0008】
【0009】
上記の構成によれば、ドアミラーカバーの内部にミラー外殻部と当接する支持材が設けられているので、ドアミラーカバーをミラー外殻部に取り付ける際、ドアミラーカバーをミラー外殻部に前方から外嵌すると、ドアミラーカバー内部の支持材がミラー外殻部の前面に当接することによって、ミラー外殻部に対するドアミラーカバーの嵌合深さを規制することができる。
【0010】
従って、嵌合深さのバラツキがなくなり、ミラー外殻部に対するドアミラーカバーの取付け姿勢を容易に一定にすることができる。しかも、支持材が補強材としても機能するので、ドアミラーカバーが略均一な肉厚で、ドアミラーカバーとミラー外殻部との間に空間が生じることによるドアミラーカバーの強度不足を補うことができる。
【0011】
殊に、本発明のように、支持材を、発泡合成樹脂によってミラー外殻部とドアミラーカバーとの空間を充満する断面形状に成形することによって、ドアミラーカバーの内面全体を支持材で支持することができ、支持材の素材として発泡合成樹脂を使用するにもかかわらず、支持材による補強効果が大である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明すると、図1〜図4は、本発明に係る合成樹脂製ドアミラーカバーAの一例を示す。1はドアミラーであり、鏡面1aとその前方を覆う外装用のミラー外殻部(自動車メーカーにより予め自動車の一部として組み付けられており、ドアに対して縦軸周りで起立倒伏自在に支持されている。)1bとを備えている。
【0013】
前記ドアミラーカバーAは、ミラー外殻部1bよりも前方へ突出した流線形の断面形状とされ且つ略均一な肉厚に成形され、後方が開口している。そして、ミラー外殻部1bに前方から外嵌させて、開口縁部を両面テープ(図示せず)でミラー外殻部1bに接着するように構成されている。ドアミラーカバーAの内部には、ミラー外殻部1bと当接する複数枚のリブからなる支持材2が一体成形によって設けられている。
【0014】
上記の構成によれば、ドアミラーカバーAの内部にミラー外殻部1bと当接する支持材2が設けられているので、ドアミラーカバーAをミラー外殻部1bに取り付ける際、ドアミラーカバーAをミラー外殻部1bに前方から外嵌すると、ドアミラーカバーA内部の支持材2がミラー外殻部1bの前面に当接することによって、ミラー外殻部1bに対するドアミラーカバーAの嵌合深さを規制することができる。
【0015】
従って、誰が作業しても、嵌合深さのバラツキがなくなり、ミラー外殻部1bに対するドアミラーカバーAの取付け姿勢を容易に一定にすることができる。しかも、支持材2が補強材としても機能するので、ドアミラーカバーAが略均一な肉厚で、ドアミラーカバーAとミラー外殻部1bとの間に空間が生じることによるドアミラーカバーAの強度不足を補うことができる。
【0016】
図5、図6は、他の実施の形態を示す。この実施の形態は、前記支持材2をドアミラーカバーA内面から突出した前後方向の棒状(図面上では、2本であるが、1本でもよく、3本以上でもよい。)に形成した点に特徴がある。その他の構成及び作用は、図1〜図4で説明した実施の形態と同じであるから説明を省略する。
【0017】
図7、図8は、他の実施の形態を示す。この実施の形態は、前記支持材2を、発泡ウレタン、発泡スチロール等の発泡合成樹脂によってミラー外殻部1bとドアミラーカバーAとの空間を充満する断面形状に成形した点に特徴がある。この構成によれば、ドアミラーカバーAの内面全体を支持材2で支持することができ、支持材2の素材として発泡合成樹脂を使用するにもかかわらず、支持材2による補強効果が大である。その他の構成及び作用は、図1〜図4で説明した実施の形態と同じであるから説明を省略する。
【0018】
【発明の効果】
本発明は上述した構成よりなり、ドアミラーカバーをミラー外殻部に取り付ける際、ミラー外殻部に対するドアミラーカバーの嵌合深さを規制できて、ミラー外殻部に対するドアミラーカバーの取付け姿勢を容易に一定にすることができ、しかも、ドアミラーカバーの強度不足を補える等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る合成樹脂製ドアミラーカバーの説明図である。
【図2】 ドアミラーカバーをドアミラーに装着した状態における斜視図である。
【図3】 ドアミラーカバーをドアミラーに装着した状態における一部切欠き平面図である。
【図4】 ドアミラーカバーをドアミラーに装着した状態における縦断側面図である。
【図5】 他の実施の形態を示し、ドアミラーカバーをドアミラーに装着した状態における一部切欠き平面図である。
【図6】 縦断側面である。
【図7】 他の実施の形態を示し、ドアミラーカバーをドアミラーに装着した状態における一部切欠き平面図である。
【図8】 縦断側面である。
【符号の説明】
A…合成樹脂製ドアミラーカバー、1…ドアミラー、1b…ミラー外殻部、2…支持材。
Claims (1)
- ドアミラーのミラー外殻部よりも前方へ突出した断面形状で且つ略均一な肉厚に成形され、ミラー外殻部に外嵌し且つ両面テープで接着して使用するように構成された合成樹脂製ドアミラーカバーであって、内部にミラー外殻部と当接する支持材を設けてあり、前記支持材が発泡合成樹脂によってミラー外殻部とドアミラーカバーとの空間を充満する断面形状に成形されていることを特徴とする合成樹脂製ドアミラーカバー。
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