JP4253907B2 - 酸化インジウム−酸化錫粉末の製造方法 - Google Patents

酸化インジウム−酸化錫粉末の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化インジウム−酸化錫粉末及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、排水中にアンモニア等の窒素負荷を軽減し且つ焼結性に優れたアルカリ金属等の含有量が少ない高純度の酸化インジウム−酸化錫粉末及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化錫を2〜20重量%含有する、酸化インジウム−酸化錫(Indium−Tin−Oxide、以下ITOと略す)薄膜は、高い導電性と優れた透光性を有するために、液晶ディスプレ−用の透明導電性膜として利用されている。
【0003】
ITO薄膜を形成させる方法としては、ITO微粒子を基材に塗布する方法や、ITO原料粉末を成形、焼結して得たITO焼結体ターゲットのスパッタリング法によって、基材面にITO膜を形成させる方法などが挙げら、近年このようなITO焼結体タ−ゲットは純度99.99%以上で、例えば焼結体の相対密度99%以上の高密度品が求められている。
【0004】
ITO粉末の製造方法としては、インジウム塩と錫塩の混合水溶液と沈殿生成剤とを混合し、インジウムと錫を含む沈殿を得て、次いでこれを乾燥して焼成することにより、酸化錫が均一に分布したITO微粉末を製造する方法が特開昭62−7627号公報に開示されている。
【0005】
しかしながら、上記製造方法において、ITO粉末の前駆体として得られるインジウムと錫を含む沈殿はゲル状であるために、濾過等による固液分離が難しく、該沈殿の乾燥物は強固な塊状となり、また該乾燥物を焼成して得られるITO粉末にも、一次粒子が強固に固着した粗大な凝集粒子が多く含まれるために、解砕による微粒子化が容易でない。このようなITO粉末を用いても前述の相対密度99%以上の高密度焼結体を製造することは難しい。
【0006】
更に、上記製造方法において、沈殿生成剤としては一般的にアンモニア水、炭酸アンモニウム、尿素水溶液等のアルカリ水溶液が使用されるが、沈殿生成剤として水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属水溶液を用いた場合にはインジウムと錫を含む沈殿を洗浄しても多量のアルカリ金属が残存し、かつ該沈殿を焼成しても最終的に得られるITO粉末中に多量のアルカリ金属が残留するため、アルカリ金属含有量が少なく、かつ高純度のITO粉末を得ることは困難である。
【0007】
また、近年環境問題から、工業排水中に含まれるアンモニア分の規制が厳しくなり、沈殿生成剤にアンモニア水を用いることは極めて難しいな状況にある。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、インジウム塩と錫塩の混合水溶液と沈殿生成剤とを混合して、インジウムと錫を含む沈殿を得て焼成するITO粉末の製造方法において、排水中にアンモニア等の窒素負荷を軽減し且つ焼結性に優れたアルカリ金属等の含有量が少ない、均一な大きさの一次粒子からなり、かつ一次粒子同士の凝集が比較的弱いく、高密度のITO焼結体を与える焼結性に優れたITO粉末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討の結果、インジウム塩の水溶液と錫塩水溶液とアルカリ水溶液を混合してインジウムと錫を含む沈殿を生成させた後、固液分離、洗浄して得られた沈殿を乾燥した後に、焼成することによる酸化インジウム−酸化錫粉末の製造方法において、アルカリ水溶液として水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属水溶液を採用して、乾燥した後の沈殿のアルカリ金属含有量が200ppm以下として、更に、特定の焼成条件下で焼成した後に水で洗浄することによって、目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の(1を提供する。
(1)インジウム塩の水溶液と錫塩水溶液とアルカリ水溶液を混合してインジウムと錫を含む沈殿を生成させた後、固液分離、洗浄して得られた沈殿を乾燥した後に、焼成することによる酸化インジウム−酸化錫粉末の製造方法において、アルカリ水溶液が水酸化アルカリ金属水溶液であり、乾燥した後の沈殿のアルカリ金属含有量が200ppm以下であり、該焼成をハロゲン化水素ガスまたはハロゲンガスを1体積%以上含有する雰囲気ガス中で600℃以上1300℃以下で行った後に、水で洗浄することを特徴とするアルカリ金属含有量が10ppm以下である酸化インジウム−酸化錫粉末の製造方法
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳しく説明する。
本発明で使用されるインジウム塩の水溶液としては、例えば、水溶性のインジウム塩[塩化インジウム(InCl3)、硝酸インジウム(In(NO33)、硫酸インジウム(In2(SO43)等]の水溶性のインジウム塩を水に溶解させたもの、あるいは金属インジウムを塩酸水溶液や硝酸水溶液等に溶解させたもの等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0011】
本発明で使用される錫塩の水溶液としては、例えば、塩化錫[SnCl4、SnCl2、硫酸錫(SnSO4)等]の水溶性の錫塩を水に溶解させたもの、あるいは金属錫を塩酸水溶液等に溶解させたもの等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0012】
インジウム塩の水溶液およびインジウム塩と錫塩の混合水溶液中のインジウム濃度は、特に限定はされないが、20〜400g/l程度の範囲のものが好ましい。インジウム濃度が20g/l未満では得られるITO粉末の生産性が低下して、工業的な製造方法としては好ましくない。
【0013】
また、インジウム塩と錫塩の混合水溶液中の錫濃度としては、最終的に得ようとするITO粉末に含有される酸化錫量に対応して、インジウム濃度との関係で決定すれば良い。ITOの導電性を考慮して、最終的に得られるITO粉末中の酸化錫含有量が2〜20重量%となるように、インジウム塩と錫塩の濃度の比率を選ぶことが好ましい。
【0014】
次いで、インジウム塩と錫塩の混合水溶液とアルカリ水溶液とを混合してインジウムと錫を含む沈殿を生成させる。
【0015】
インジウム塩と錫塩の混合水溶液とアルカリ水溶液とを混合してインジウムと錫を含む沈殿を生成させる方法としては、インジウム塩と錫塩の混合水溶液及びアルカリ水溶液を、40℃以上100℃未満の水中に、反応中のpHが4以上7以下、好ましくは5以上6以下の範囲に維持されるよう供給することが好ましい。
【0016】
本発明において用いるアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属水溶液を使用する。以下、アルカリ水溶液として水酸化ナトリウム水溶液を用いる方法を主体に説明するが、水酸化カリウム水溶液を用いる方法も、水酸化ナトリウム水溶液を用いる方法に準じて採用できる。
【0017】
使用する水酸化ナトリウム水溶液中の水酸化ナトリウムの濃度としては特に限定されないが、10〜50重量%程度の範囲のものが好ましい。水酸化ナトリウム濃度が10重量%未満では得られるITO粉末の生産性が低下して、工業的な製造方法としては好ましくない。
【0018】
反応方法としては例えば、まず反応槽に所定量、所定温度、所定pHの水(蒸留水あるいはイオン交換水等)を入れて撹拌する。次いで、撹拌を行いながら水中にインジウム塩と錫塩の混合水溶液およに水酸化ナトリウム水溶液の供給を開始する。インジウム塩と錫塩の混合水溶液の供給により、反応系のpHが低下するので、反応中のpHが4以上7以下の範囲に維持されるよう、必要量の水酸化ナトリウム水溶液を供給する。
【0019】
所定のpHを維持する方法としては、例えばpHコントローラーと水酸化ナトリウム水溶液を供給するポンプとを連動させ、所定のpH値を下回った時にポンプが作動するようにする方法等で達成できる。
【0020】
また、反応に用いるインジウム塩と錫塩の混合水溶液は強酸性を呈するため、該混合水溶液に水酸化ナトリウムを予め添加して、該水溶液のpHを、インジウムおよび錫の沈殿が生じない程度、例えばpH=0〜2程度に調整しておくことも、反応中のpHを4以上7以下の範囲に維持するために好ましい方法の一つとして挙げられる。
【0021】
反応槽に入れる水の温度は40℃以上100℃未満である。水温が40℃未満の場合、得られる沈殿の濾過性および乾燥後の解砕性が極度に悪化するために好ましくない。
【0022】
インジウム塩と錫塩の混合水溶液の供給速度は、工業的に有利な速度で供給することができる。供給速度としては、インジウムと錫を含む沈殿を析出させるスケールにより異なるが、インジウム塩と錫塩の混合水溶液の全量を供給する時間として、好ましくは10分以上300分以下、より好ましくは20分以上200分以下である。インジウム塩と錫塩の混合水溶液の供給速度が300分を超えると、最終的に得られるITO粉末中の一次粒子同士の凝集が強くなる場合がある。
【0023】
また、同時に供給する水酸化ナトリウム水溶液の供給速度は、反応中のpHが4以上7以下に維持できるように供給すれば良く特に限定されない。
【0024】
反応中のpHは4以上7以下、好ましくは5以上6以下の範囲で一定に維持することが好ましい。このpH範囲でpHを一定に維持して反応させることで、均一な粒径で、かつ濾過性および乾燥後の解砕性が良好なインジウムと錫を含む沈殿を得ることができる。
【0025】
反応中のpHが7を越えた範囲に維持して反応させた場合、微細なインジウムと錫を含む沈殿が得られるために、濾過が困難となるばかりでなく、乾燥後には強固な塊状となるために解砕性が悪化する。また、4未満の範囲に維持して反応させた場合、沈殿とならずに溶液中に溶解しているインジウム量が多くなり、最終的な収率が低下する。
【0026】
反応中のpH変動の程度は、上記のpH範囲において、好ましくは±1.0以内、さらに好ましくは±0.5以内におさまるように制御する。
【0027】
なお、反応の初期段階において、pHが4以上7以下の範囲外に振れる場合がある。特にインジウム塩と錫塩の混合水溶液の供給を開始した直後の急激なpH低下と、その後の水酸化ナトリウム水溶液の供給による急激なpHの上昇を生じる場合もあるが、この現象が反応の初期のみであれば、得られるインジウムと錫を含む沈殿の濾過性や乾燥後の解砕性および焼成により得られるITO粉末の特性に支障をきたすことはない。
【0028】
従って、この反応初期段階における急激なpH変動は許容できるものである。反応初期段階における急激なpH変動は、好ましくは全反応時間の10%以内の時間、さらに好ましくは5%以内の時間になるように反応させる。また、反応系において、局所的にあるいは瞬間的に上記範囲外にpHが振れる場合もありうるが、本発明の主旨を逸脱せず、本願発明の目的を達成できるかぎりにおいては、多少の振れは許容できるものである。
【0029】
インジウム塩と錫塩の混合水溶液の供給が終了した後は、生成したインジウムと錫を含む沈殿を熟成することが好ましい。熟成の方法としては、生成したインジウムと錫を含む沈殿を含有する懸濁液を撹拌または静置する方法等が採用できる。熟成の温度としては、反応温度と同じ40℃以上100℃未満が好ましい。この熟成を行うことによって、粒子径の均一化が生じて、沈殿の濾過性や該沈殿の乾燥物の解砕性が一層向上する。
【0030】
次いで、濾過等による固液分離を行って、熟成後のインジウムと錫を含む沈殿を採取する。濾過の方法は特に限定されず、吸引濾過、遠心分離、フィルタープレス等の方法が挙げられる。
【0031】
また、濾過による固液分離後のインジウムと錫を含む沈殿には、インジウムおよび錫塩が水酸化ナトリウム水溶液と反応して副生成した塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム等の塩類が付着しているため、該沈殿を洗浄してこれら塩類をある程度除去することが必要である。
【0032】
洗浄液としては、蒸留水やイオン交換水等の水、あるいはアンモニア水等を用いることができる。洗浄液にアンモニア水を用いた場合、洗浄時間の短縮効果がる等から好ましい。この場合、アンモニア水のpHとしては、好ましくは8以上12以下、より好ましくはpH9.5以上10.5以下である。pHが12を超えるアンモニア水を用いて洗浄を行った場合、インジウムと錫を含む沈殿が再溶解する傾向があるのみならず、洗浄排水中のアンモニア濃度が高くなり、環境問題上好ましくない。
【0033】
洗浄の程度としては、排水中のナトリウムイオン濃度が好ましくは200mg/L以下、より好ましくは100mg/L以下、更に好ましくは50mg/Lとなるまで洗浄する。これによって後述するインジウムと錫を含む沈殿のナトリウム含有量が200ppm以下、好ましくは100ppm以下となる。
【0034】
次いで、固液分離、洗浄後のインジウムと錫を含む沈殿を乾燥する。乾燥温度は特に限定されず、沈殿物に付着した水分を除去できる程度の温度、例えば90〜200℃程度で行えば良い。
【0035】
このようにして得られたインジウムと錫を含む沈殿の乾燥物は、凝集が非常に弱いものであって解砕は容易である。また、まったく解砕を行わなくても、最終的に得られるITO粉末の凝集の程度には、ほとんど影響しない。
【0036】
また、得られるインジウムと錫を含む沈殿の乾燥物のナトリウム含有量を200ppm以下、好ましくは100ppm以下とすることが必要である。インジウムと錫を含む沈殿の乾燥物のナトリウム含有量が200ppmを超える場合、後述の焼成によって得られるITO粉末中の一次粒子同士は強固に凝集した構造となり、一次粒子同士のの凝集が弱く、焼結性に優れたITO粉末が得られない。
【0037】
更に、従来の水酸化ナトリウムを用いる方法においては、ナトリウム含有量が10ppm以下のITO粉末を製造するために、インジウムと錫を含む沈殿のナトリウム含有量も、少なくとも10ppm未満にまで低減させておくことが必要であったが、本願発明においてはインジウムと錫を含む沈殿のナトリウム含有量を200ppm程度に低減しておけば、後述の焼成と水洗を組み合わせることによって、ナトリウム含有量が10ppm以下の高純度のITO粉末を得ることが可能となる。
【0038】
次に、上記方法で得られたインジウムと錫を含む沈殿の乾燥物を焼成することによってITO粉末とする。
【0039】
焼成温度は600℃以上1300℃未満であることが必要である。好ましくは800℃以上1200℃以下である。焼成温度が600℃未満では、結晶化が十分でない。また焼成温度が1300℃を越える場合には、一次粒子が結晶成長し一部が凝集して、焼結性が良好なITO粉末が得られない場合がある。
【0040】
焼成の雰囲気ガスとしては、空気、酸素、窒素あるいは塩化水素、臭化水素、沃化水素等のハロゲン化水素ガス、または塩素、臭素、要素等のハロゲンガス等を用いることができるが、ハロゲンら水素ガスまたはハロゲンガスを含有する雰囲気中での焼成が好ましく、塩化水素ガスを含有する雰囲気ガス中での焼成によって、最も凝集性の弱く、高純度なITO粉末を得ることができる。
【0041】
ハロゲン化水素ガスあるいはハロゲンガス、特に塩化水素ガスを含有する雰囲気中で焼成する場合、雰囲気ガスの全体積に対して、該ガスを好ましくは1体積%以上、より好ましくは5体積%、さらに好ましくは10体積%以上含有する雰囲気ガス中にて焼成する。ハロゲン化水素ガスの濃度の上限は特に限定されないが、工業的な生産性の面から、好ましくは70体積%以下、より好ましくは50体積%以下、さらに好ましくは40体積%以下である。該ガスの希釈ガスとしてはアルゴン等の不活性ガス、窒素、酸素あるいは空気またはこれらの混合ガスを用いることができる。
【0042】
ハロゲン化水素ガスあるいはハロゲンガスを含有する雰囲気ガス、特に塩化水素ガスを含有する雰囲気ガスは、600℃以上で導入することが好ましい。600℃未満の温度から、塩化水素ガスを含有する雰囲気ガスを導入すると、ITOの揮発損失が多くなり、収率が低下する等の問題が生ずる場合がある。また、所定温度で所定時間焼成した後は、塩化水素ガスを含有する雰囲気ガスの供給を止め、アルゴン等の不活性ガス、窒素、酸素あるいは空気またはこれらの混合ガスを含有する雰囲気ガスを供給し、冷却することが好ましい。
【0043】
焼成における雰囲気ガスの圧力は特に限定されず、工業的に用いられる範囲において任意に選ぶことができる。
【0044】
適切な焼成の時間は雰囲気ガスの濃度や焼成の温度にも依存するので必ずしも限定されないが、好ましくは1分以上、より好ましくは10分以上である。
【0045】
雰囲気ガスの供給源や供給方法は特に限定されない。原料であるインジウムと錫を含む原料が存在する反応系に上記の雰囲気ガスを導入することができれば良い。
【0046】
焼成装置は必ずしも限定されず、いわゆる焼成炉を用いることができる。特に、ハロゲン化水素ガスまたはハロゲンガスを用いる場合、焼成炉はハロゲン化水素ガスまたはハロゲンガスに腐食されない材質で構成されていることが好ましい。さらに雰囲気を調製できる構造を備えていることが望ましい。また、ハロゲン化水素ガスまたはハロゲンガスという腐食性ガスを用いるので、焼成炉は気密性があることが望ましい。
【0047】
工業的には連続方法で焼成することが好ましく、例えば、トンネル炉等を用いることができる。腐食性ガス雰囲気中での焼成の場合、焼成工程で用いられる装置、坩堝やボ−トは、アルミナ性、石英性、耐酸レンガあるいはグラファイト製であることが好ましい。
【0048】
上記の製造方法により製造されたITO粉末はBET比表面積径(ITO粉末のBET比表面積とITOの理論密度から求めた値)が、好ましくは0.05μm以下1μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上0.5μm以下の均一な一次粒子から構成される。またこれら一次粒子同士の凝集は比較的弱い。
【0049】
また、上記の製造方法により製造されたITO粉末には、原料であるインジウムと錫を含む沈殿の乾燥物に含まれるナトリウム分が塩化物としてITO粒子表面に残留している場合があり、焼成後にITO粉末を水で洗浄することによって、ナトリウム含有量が10ppm以下で、純度99.99%以上のITO粉末を得ることができる。また、ナトリウム含有量は1ppm以下も可能である。
なお、ITO粉末のアルカリ金属の含有量は原子吸光法により測定した場合、ITO粉末が塩酸、りん酸、硫酸等の分析試薬に溶解し難いことや、これら分析試薬の純度の問題からその定量下限が10ppmの場合もあるが、グロー放電質量分析法(GDMS法)を用いてアルカリ金属の含有量を測定すると10ppm以下も測定可能である。
【0050】
焼成後のITO粉末を水で洗浄する方法としては、焼成後のITO粉末を所定量の水に添加して、攪拌して分散させスラリー化させた後に、濾過等の固液分離等を行った後、水で洗浄する方法を採用することができる。濾過の方法は特に限定されず、吸引濾過、遠心分離、フィルタープレス等の方法が挙げられる。また、焼成後のITO粉末を所定量の水に添加して、攪拌して分散させた後に、該ITOスラリーのpHを好ましくは6以上9以下、更に好ましくは7以上8以下に調整する方法により、濾過性が改善され短時間で濾過洗浄が終了する。またこの際添加するアンモニア水量は極微量であるので、濾過洗浄による生ずる排水中のアンモニア濃度は問題とはならない。
【0051】
また、焼成し、水にて洗浄した後のITO粉末の累積粒度分布の50%径(平均凝集粒子径)は、インジウムと錫を含む沈殿を析出させる条件によって異なるが、約1μm以上となり、相対密度95%以上、好ましくは99%以上の高密度のITO焼結体が得られない場合があるが、このような場合にはITO粉末を解砕することが好ましい。
【0052】
ITO粉末解砕方法としては特に限定されるものではなく、例えば通常工業的に用いられる、振動ミル、ボールミルやジェットミル等による解砕方法が挙げられるが、本願発明のITO粉末の解砕方法としては、ITO粉末中の一次粒子同士の凝集は弱いため、軽度の解砕、例えばボールミルやジェットミル等による程度の解砕を利用し得る。またボールミル解砕に際しては、乾式解砕または湿式解砕、またはこれらの組み合わせのいずれの方法も用いることができる。
【0053】
ITO粉末の解砕に用いられる粉砕容器やボールとしては、粉砕容器としてはアルミナ製や樹脂製等のものを用いることができ、粉砕用のボールとしてはアルミナ製、ジルコニア製や樹脂製等のものをもちいることができるが、ボールミル粉砕の際に粉砕容器やボールからの汚染が少ない、粉砕容器としては樹脂製で、粉砕用ボールとしては耐摩耗性の高いジルコニアボールを用いることが好ましく、更にボールミル解砕条件、例えば回転数、粉砕時間等を最適化することで高純度のITO粉末を得ることができる。
【0054】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0055】
なお、本発明における各種測定は次のようにして行った。
1.焼成後のITO粉末の累積粒度分布とBET比表面積の測定
(1)レーザー散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置(島津製作所社製、SALD−2000A型)を用いて測定した。
【0056】
(2)フローソーブII、2300型(島津製作所社製)を用いてBET比表面積を測定した。
また次式によってBET比表面積径(DBET)を算出し、一次粒子径の目安とした。
DBET(μm)=6/(S*ρ)
S=BET比表面積(m2/g)
ρ=ITO比重(g/cm3
【0057】
2.インジウムと錫を含む沈殿物およびITO粉末中の不純物含有量の測定
インジウムと錫を含む沈殿の乾燥物のナトリウム含有量は、該乾燥物を塩酸溶解した後に原子吸光分析により、ITO粉末のナトリウム含有量はリン酸と硫酸で溶解した後に原子吸光法により測定した。これら測定方法における定量下限が10ppmであったことから、一部のITO粉末に関してはグロー放電質量分析法(GDMS法)によりナトリウムを含めた17元素(ナトリム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、カドミウム、アンチモン、鉛、ビスマス)の含有量を測定し、純度を測定した。
【0058】
インジウム塩と錫塩の混合水溶液は、以下に示す2種類の方法で調整した。
(1)インジウム塩と錫塩の混合水溶液A
金属インジウム(純度99.999%)120g全量を35重量%塩酸水溶液約402gに溶解した後、別途、金属錫(純度99.995%)19.05kgを35重量%塩酸水溶液に溶解して49.00kgとした錫塩水溶液から57.1gを採取して混合して、インジウム塩と錫塩の混合水溶液を調整した。インジウム塩と錫塩の混合水溶液のSnO2/(In23+SnO2)=10重量%とした。次いで20重量%の水酸化ナトリウムを添加してインジウム塩と錫塩混合水溶液のpHを0.5±0.1に調整した。
【0059】
(2)インジウム塩と錫塩の混合水溶液B
金属インジウム(純度99.995%)160g全量を35重量%塩酸水溶液603gに溶解した後、別途、金属錫(純度99.995%)19.05kgを35重量%塩酸水溶液に溶解して49.00kgとした錫塩水溶液から85.6gを採取して混合して、インジウム塩と錫塩の混合水溶液を調整した。インジウム塩と錫塩の混合水溶液のSnO2/(In23+SnO2)=10重量%とした。次いで40重量%の水酸化ナトリウムを添加してインジウム塩と錫塩混合水溶液のpHを0.5±0.1に調整した。
【0060】
塩化水素ガスは鶴見ソーダ(株)製のボンベ塩化水素(純度99.9%)を用いた。
焼成手順は以下のとおり行った。原料であるインジウムと錫を含む沈殿物を乾燥して、石英製のボートに充填した。充填量は約100g、充填深さは約15mm程度とした。焼成は石英製炉芯管(直径58mm、長さ1200mm)を用いた管状炉(株式会社モトヤマ製、MS電気炉)で行った。昇温速度は800℃までは10℃/分、1100℃までは5℃/分とした。
【0061】
雰囲気ガスとしては、室温から1000℃までは空気のみを流し、それ以降は所定濃度の塩化水素ガ スを流した。雰囲気ガス濃度の調整は、流量計によりガス流量の調整により行った。雰囲気ガスである塩化水素ガスの希釈ガスとしては、空気を使用した。
【0062】
所定の温度に至った後はその温度にて所定の時間保持した。所定の保持時間の経過後、空気のみを流して冷却し、目的とするITO粉末を、最初に原料としてのインジウムと錫を含む沈殿の乾燥物を充填した石英ボート中に得た。
【0063】
焼成により得たITO粉末は、水洗後に乾燥した。水洗方法は、焼成後のITO粉末約80gをイオン交換水約80gに投入し、30分撹拌の後に、アンモニア水を添加してpH=8に調整した後、吸引濾過し、洗浄後の排水中の塩素イオン濃度が1mg/L以下となるまでイオン交換水にて洗浄し、130℃にて乾燥した。
【0064】
また、焼成後、洗浄により得たITO粉末については、湿式解砕を行った。湿式解砕は、ITO粉末25gと、エタノール100gと、直径5mmジルコニアボール1000gをポリエチレン製500mlポットに入れ、回転数100rpmにて6時間ボールミル解砕した後、減圧下にて乾燥し、解砕ITO粉末を得た。
【0065】
また、解砕ITO粉末については、成形後、焼結を行った。
成形は、100kg/cm2にて一軸加圧成形後、2.5ton/cm2の圧力にてCIP成形をおこなった。焼結は常圧の酸素雰囲気中、1600℃にて10時間焼結してITO焼結体を得た。得られた焼結体は、アルキメデス法にて焼結体の密度測定を行った。
【0066】
実施例1
2Lセパラブルフラスコ中にイオン交換水600mlを入れて55℃に保持した。この55℃のイオン交換水を撹拌しながら、インジウム塩と錫塩の混合水溶液A(インジウム濃度=297.8g/L、錫濃度=31.6g/L)と20%水酸化ナトリウム水溶液を、反応中のpHを5.5に維持するように、104分かけて同時に供給した。
反応終了後、55℃にて30分撹拌の後に、20%水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8に調整した。
次に、得られた沈澱を吸引濾過後、アンモニア水にてpH=10に調整したイオン交換水約570mlにて5回洗浄した。洗浄5回目の洗浄排水のナトリウムイオン濃度は2mg/Lであった。
次いで、この沈殿を130℃にて乾燥した。乾燥した沈殿のナトリウム含有量は18ppmであった。
次に、上記乾燥物を1000℃から20体積%の塩化水素ガスを流しながら、1100℃で40分間焼成した後に水洗してITO粉末を得た。
得られたITO粉末のナトリウム含有量は10ppm以下であった。またGDMS分析の結果、ナトリウム含有量は0.5ppm、珪素含有量は9ppm、鉄含有量は2ppmで、その他元素の含有量はすべて2ppm未満であり、ITO粉末の純度としては99.99%以上であった。
更に、該粉末はBET比表面積が3.7m2/gでBET比表面積径が0. 23μm、累積粒度分布の50%径が4.2μm、であった。また該ITO粉末を走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製:JSM−T220型)で観察したところ、一次粒子が約0.1〜0.2μmで、一次粒子同士の凝集が弱いITO粉末であった。
また、該ITO粉末を湿式解砕することによって、、BET比表面積が6.0m2/gでBET比表面積径が0.14μm、累積粒度分布の50%径が0.9μmのITO粉末となった。
【0067】
実施例2
インジウム塩と錫塩の混合水溶液A(インジウム濃度=250.0g/L、錫濃度=26.6g/L)と20%水酸化ナトリウム水溶液を、反応中のpHを5.5に維持するように、115分かけて同時に供給し、インジウムと錫を含んだ沈殿を吸引濾過後、アンモニア水にてpH=10に調整したイオン交換水570gにて3回洗浄した以外は、実施例1と同様な方法でITO粉末を得た。
洗浄3回目の洗浄排水のナトリウムイオン濃度は54mg/Lであり、この沈殿を130℃にて乾燥した。乾燥した沈殿のナトリウム含有量は104ppmであった。得られたITO粉末のナトリウム含有量は10ppm以下であり、BET比表面積が4.1m2/gでBET比表面積径が0.20μm、累積粒度分布の50%径が5.2μm、であった。また該ITO粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子が約0.1〜0.2μmで、一次粒子同士の凝集が弱いITO粉末であった。
また、該ITO粉末を湿式解砕することによって、、BET比表面積が5.6m2/gでBET比表面積径が0.15μm、累積粒度分布の50%径が0.5μmのITO粉末となった。
【0068】
実施例3
インジウム塩と錫塩の混合水溶液A(インジウム濃度=279.7g/L、錫濃度=29.8g/L)と20%水酸化ナトリウム水溶液を、反応中のpHを5.0に維持するように、103分かけて同時に供給した以外は、実施例1と同様な方法でITO粉末を得た。
洗浄5回目の洗浄排水のナトリウムイオン濃度は12mg/Lであり、この沈殿を130℃にて乾燥した。乾燥した沈殿のナトリウム含有量は6ppmであった。得られたITO粉末のナトリウム含有量は10ppm以下であり、BET比表面積が4.8m2/gでBET比表面積径が0.17μm、累積粒度分布の50%径が4.9μm、であった。また該ITO粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子が約0.1〜0.2μmで、一次粒子同士の凝集が弱いITO粉末であった。
また、該ITO粉末を湿式解砕することによって、、BET比表面積が6.6m2/gでBET比表面積径が0.13μm、累積粒度分布の50%径が0.8μmのITO粉末となった。
【0069】
実施例4
2Lセパラブルフラスコ中にイオン交換水600mlを入れて55℃に保持した。この55℃のイオン交換水を撹拌しながら、インジウム塩と錫塩の混合水溶液B(インジウム濃度=286.6g/L、錫濃度=30.4g/L )と40%水酸化ナトリウム水溶液を、反応中のpHを5.5に維持するように、126分かけて同時に供給した。
反応終了後、55℃にて30分撹拌の後に、40%水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8に調整した。
次に、得られた沈澱を吸引濾過後、アンモニア水にてpH=10に調整したイオン交換水約850mlにて5回洗浄した。洗浄5回目の洗浄排水のナトリウムイオン濃度は2mg/L未満であった。
次いで、この沈殿を130℃にて乾燥した。乾燥した沈殿のナトリウム含有量は29ppmであった。
次に、上記乾燥物を1000℃から20体積%の塩化水素ガスを流しながら、1100℃で40分間焼成した後に水洗してITO粉末を得た。
得られたITO粉末のナトリウム含有量は10ppm以下であり、BET比表面積が4.9m2/gでBET比表面積径が0.17μm、累積粒度分布の50%径が4.1μm、であった。
また、該ITO粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子が約0.1〜0.2μmで、一次粒子同士の凝集が弱いITO粉末であった。また、該ITO粉末を湿式解砕することによって、、BET比表面積が6.3m2/gでBET比表面積径が0.13μm、累積粒度分布の50%径が0.8μmのITO粉末となった。
【0070】
参考例1
実施例1で得られた、解砕ITO粉末を成形し、1600℃に10時間て焼結した結果、焼結体密度7.145g/cm3で、理論密度の99.8%にまで緻密化したITO焼結体が得られた。
【0071】
参考例2
実施例2で得られた、解砕ITO粉末を成形し、1600℃に10時間て焼結した結果、焼結体密度7.137g/cm3で、理論密度の99.7%にまで緻密化したITO焼結体が得られた。
【0072】
参考例3
実施例3で得られた、解砕ITO粉末を成形し、1600℃に10時間て焼結した結果、焼結体密度7.131g/cm3で、理論密度の99.6%にまで緻密化したITO焼結体が得られた。
【0073】
参考例4
実施例4で得られた、解砕ITO粉末を成形し、1600℃に10時間て焼結した結果、焼結体密度7.149g/cm3で、理論密度の99.8%にまで緻密化したITO焼結体が得られた。
【0074】
比較例1
インジウム塩と錫塩の混合水溶液Bと25%アンモニア水溶液を、反応中のpHを5.0に維持するように、150分かけて同時に供給し、得られた沈澱を濾過後、アンモニア水にてpH=10に調整したイオン交換水にて3回洗浄した以外は、実施例5とほぼ同様な方法でITO粉末を得た。
130℃にて乾燥した沈殿物のナトリウム含有量は10ppm以下であり、また、得られたITO粉末のナトリウム含有量も10ppm以下であり、BET比表面積が3.0m2/gでBET比表面積径が0.28μm、累積粒度分布の50%径が7.6μm、であった。また該ITO粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子が約0.2μmで、一次粒子同士の凝集が弱いITO粉末であった。
次いで、この130℃にて乾燥した沈殿物に塩化ナトリウム水溶液を含浸した後に乾燥して、ナトリウム含有量が2.2重量%の沈殿物とした後に、1000℃から20体積%の塩化水素ガスを流しながら、1100℃で40分間焼成した後に水洗してITO粉末を得た。得られたITO粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子が約0.1μm程度であったが、一次粒子同士が強固に凝集したITO粉末であった。
【0075】
本発明のITO粉末は、ITO焼結体製造用の原料粉末として使用する場合には、高密度のITO焼結体が得られ、本焼結体をスパッタリングターゲットとして用いた場合、スパッタリング効率等を向上させることが期待できる。また、本発明で得られる微粒子からなるITO粉末は、透明導電性のフィラー用途としても適している。
【0076】
【発明の効果】
本発明の方法を用いることにより、高純度、具体的にはナトリウム含有量が10ppm以下で、純度が99.99%以上ので、均一で微細な一次粒子からなり、かつ一次粒子同士の凝集が比較的弱く、好ましくは理論密度の95%以上、さらに好ましくは99%以上にまで緻密化した高密度の焼結体を与える焼結性に優れたITO粉末を製造することができる。

Claims (8)

  1. インジウム塩の水溶液と錫塩水溶液とアルカリ水溶液を混合してインジウムと錫を含む沈殿を生成させた後、固液分離、洗浄して得られた沈殿を乾燥した後に、焼成することによる酸化インジウム−酸化錫粉末の製造方法において、アルカリ水溶液が水酸化アルカリ金属水溶液であり、乾燥した後の沈殿のアルカリ金属含有量が200ppm以下であり、該焼成をハロゲン化水素ガスまたはハロゲンガスを1体積%以上含有する雰囲気ガス中で600℃以上1300℃以下で行った後に、水で洗浄することを特徴とするアルカリ金属含有量が10ppm以下である酸化インジウム−酸化錫粉末の製造方法。
  2. 乾燥後の沈殿のアルカリ金属含有量が100ppm以下である請求項1記載の製造方法。
  3. インジウム塩の水溶液と錫塩水溶液とアルカリ水溶液を混合する方法が、インジウム塩と錫塩の混合水溶液及び水酸化アルカリ金属水溶液を、40℃以上100℃未満の水中に、反応中のpHが4以上7以下の範囲に維持されるよう供給する請求項1または2記載の製造方法。
  4. 反応中のpHが5以上6以下の範囲に維持されるよう供給する請求項3記載の製造方法。
  5. 800℃以上1200℃以下で焼成する請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 焼成し、水で洗浄した後に解砕する請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. アルカリ金属含有量が1ppm以下である請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 水酸化アルカリ金属水溶液が水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液である請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
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