JP4240933B2 - 積層体形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中間層、金属層を積層した積層体の形成方法及び該積層体上に半導体層を形成する工程を有する光起電力素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコン、シリコンゲルマニウム、シリコンカーバイドの非晶質半導体層、あるいはそれらの微結晶、多結晶などからなる結晶相を含む半導体層を有する光起電力素子では、長波長における収集効率を改善するために、半導体層の裏面に反射層を設けたものが利用されてきた。かかる反射層は、半導体材料のバンド端に近くその吸収の小さくなる波長、即ち800nmから1200nmで有効な反射特性を示すのが望ましい。この条件を十分に満たす材料は、金・銀・銅・アルミニウムといった金属やそれらの合金などである。
【0003】
また、所定の波長範囲で、光学的に透明な凹凸層を設け、光閉じ込めを行なうこともなされていて、一般的には前記反射層と半導体層の間に凹凸を有する金属酸化物層を設けて積層体とすることによって、反射光を有効に利用し、短絡電流密度Jscを改善することが試みられている。このような金属酸化物層を設けることにより、シャントパスによる特性低下を防止する。また、入射光を有効に利用して短絡電流を改善するために、半導体の光入射側に凹凸を有する金属酸化物層を設けることで、入射光の半導体層中の光路長を増大させることが試みられている。
【0004】
例えば、”P−IA−15a−SiC/a−Si/a−SiGe Multi−Bandgap Stacked Solar Cells With Bandgap Profiling”Sannnomiya et al.,Technical Digest of the International PVSEC−5,Kyoto,Japan,p387,1990などに、銀原子から構成される凹凸のある反射層と酸化亜鉛層のコンビネーションによって、光閉じ込め効果による短絡電流の増大を達成したことが記載されている。また、特開平8−217443号公報には、亜鉛イオン及び硝酸イオンを含有する水溶液からの電解によって透過率の優れた酸化亜鉛薄膜を均一に作成する方法が開示されている。
【0005】
また、特開平6−204515中には、ステンレス基板/Ti/Ag/ZnO/Siの構成が記載されており、Ti層を「基板との密着性を改善するために用いている」と開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
光起電力素子の特性を従来よりも向上させるために、反射層や金属酸化物層などの特性のさらなる改善が求められている。さらに、光起電力素子を高温下、多湿下、あるいは長期間にわたって使用した場合、これらの光起電力素子を直列化して使用し、その一部にのみ光照射された状態が長時間続いた場合、光の照射されていない部分に通常の光電変換で発生する電位とは逆極性の電位が印加された場合などにおいて、金属層の反射率が低下する、透明導電層の透過率が低下する、あるいは隣接する層との密着力が低下するなどの要因により、光電変換特性及び耐久性を低下させるという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は上記した課題を解決し、さらなる高い特性をもち、高温下、多湿下、あるいは長期間にわたる使用下などにおいても優れた反射特性と密着性を有する積層体の形成方法及び該積層体上に半導体層を形成する工程を有する光起電力素子の製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基体上に10nm以上150nm以下の厚さの中間層を形成する第1の工程と、前記中間層上に前記基体との密着力が前記中間層よりも小さく、反射率が前記中間層よりも大きい金属層を形成する第2の工程を有し、前記第2の工程の開始時点の前記金属層の形成速度を0.3nm/s以上5.0nm/s以下とし、前記第2の工程の途中で前記金属層の形成速度を増加させることを特徴とする積層体形成方法である。
【0009】
前記金属層上に金属酸化物層を形成する第3の工程を有することを特徴とすることが好ましい。
【0010】
前記第2の工程の途中で前記金属層の形成速度を増加させた後に前記金属層の形成速度を0.3nm/s以上5.0nm/s以下に減少させ、前記第3の工程の開始時点での前記金属酸化物層の形成速度を0.03nm/s以上5.0nm/s以下とし、前記第3の工程の途中で前記金属酸化物層の形成速度を増加させることが好ましい。
【0011】
前記中間層の厚さを30nm以上100nm以下とすることが好ましい。前記金属層の形成速度を増加させる前、その形成速度を0.5nm/s以上4.0nm/s以下とすることが好ましい。前記中間層上に前記金属層を1nm以上100nm以下の厚さに形成した時点で、前記金属層の形成速度を増加させることが好ましい。前記金属層の形成速度を減少させることにより、その形成速度を0.5nm/s以上4.0nm/s以下とすることが好ましい。前記金属層の形成速度を減少させた後に、前記金属層を1nm以上100nm以下の厚さに形成して、その上に前記金属酸化物層を形成することが好ましい。前記金属酸化物層の形成速度を増加させる前、その形成速度を0.05nm/s以上3.0nm/s以下とすることが好ましい。前記金属層上に前記金属酸化物層を5nm以上50nm以下の厚さに形成した時点で、前記金属酸化物層の形成速度を増加させることが好ましい。少なくとも前記金属層の形成終了直前及び前記金属酸化物層の形成開始直後、形成雰囲気中に酸素を含有させることが好ましい。前記金属層の形成速度を減少させた後から前記金属酸化物層の形成速度を増加させるまで、形成雰囲気中に酸素を含有させることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、前記いずれかの方法によって積層体を形成した後に、該積層体上に半導体層を形成する工程を有することを特徴とする光起電力素子の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
前述した課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明者は、基体上に中間層を形成する第1の工程と、前記中間層上に前記基体との密着力が前記中間層よりも小さく、反射率が前記中間層よりも大きい金属層を形成する第2の工程を有し、前記第2の工程の途中で前記金属層の形成速度を増加させることを特徴とする積層体形成方法、処理基体上に金属層を形成する第一の工程と、前記金属層上に金属酸化物層を形成する第二の工程を有し、前記第一の工程の途中で前記金属層の形成速度を減少させ、前記第二の工程の途中で前記金属酸化物層の形成速度を増加させることを特徴とする積層体形成方法によって形成された積層体、及び前記積層体を基板として用いた光起電力素子は、高い特性をもち、高温下、多湿下、あるいは長期間にわたる使用下などにおいても優れた反射特性と密着性を有することを見出した。
【0014】
上記の構成にすることにより、以下の作用がある。
【0015】
中間層を形成することによって、基体上に直接金属層を形成する構成よりも、層間の密着力が向上する。これにより、長時間にわたって使用された場合や、高温多湿下でも、積層体としての機能の低下を抑制することが可能になる。また、前記積層体を光起電力素子の基板として用いた場合に、光起電力素子を直列化し、その一部にのみ光照射された状態が長時間続いた場合などに、光の照射されていない部分に通常の光電変換で発生する電位とは逆極性の電位が印加されるが、このような条件下でも特性の劣化を抑制することが可能になる。
【0016】
中間層を入れることの別の作用としては、金属層や金属酸化物層の表面形状に影響を与えることがあげられる。この効果が発現する原因の詳細は不明であるが、各層間の濡れ性の関係や、界面自由エネルギーの差異などの要因によって、金属層の成長核の発生頻度、発生密度及び成長核からの任意の方向における金属層の成長速度などが変化することなどが関係あるのではないかと思われる。金属層を有する積層体を光起電力素子の基板として用いた場合には、積層体は到達した光を反射して半導体層で再利用させる反射層としての役割を有している。その役割を効果的に発揮するためには、金属層や金属酸化物層の表面に凹凸を有する構成にすることにより、反射光の半導体層内での光路長を伸ばし、再利用できる光の量を増やすことが有効である。ここで、中間層の厚さが不足すると、中間層を入れることに伴う効果が不完全のものとなり、中間層が厚すぎると、金属層や金属酸化物層の表面の凹凸形状の均一性が低下するなどして、光学的に有効な凹凸形状を発達させることが難しくなる。この現象の原因は明らかになっていないが、中間層表面に転移などの不均一領域が発生するためでないかと考えられている。これらを考慮して、中間層の厚さを適切なものとすることによって、金属層や金属酸化物層の表面の凹凸形状を均一で好ましいものにすることが可能になるものと思われる。また、密着性を向上させ、金属層や金属酸化物層の表面の凹凸形状を発達させるための下地とするためには、中間層形成時に形成面の温度を一定温度以上に保ち、表面反応を活発に行なうことが重要であると思われる。
【0017】
以上の点に鑑み、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、中間層の厚さは30nm以上100nm以下とすることが好ましく、中間層の形成面の温度は300℃以上とすることが好ましいことを見出した。
【0018】
中間層上に金属層を形成する途中でその形成速度を増加させることにより、金属層と中間層の密着性を向上し、さらに金属層、金属酸化物層の表面の改善をも可能とする。また、前記中間層上に前記金属層を1nm以上100nm以下の厚さに形成した時点で、前記金属層の形成速度を増加させることが好ましい。
【0019】
前記金属層と中間層の密着性を向上させるという効果の発現のためには、中間層に1nm以上の厚さに金属層を形成した時点で、形成速度を増加させることが好ましい。また、金属層表面の凹凸形状を発達させるという効果の発現および、生産性の観点から考えると、形成速度を増加させる前に形成する金属層の厚さは100nm以下であることが好ましい範囲としてあげられる。
【0020】
前記金属層の増加させる前の形成速度は、4.0nm/s以下とすることが好ましく、生産性を考慮すると0.5nm/s以上が好ましい範囲としてあげられ、前記金属層の形成面の温度は300℃以上であることが好ましい。
【0021】
中間層上に金属層を形成する工程の途中でその形成速度を減少させ、その上に金属酸化物層を形成するのは、金属層と金属酸化物層との密着性が向上するために好ましいものである。特に、形成速度を減少させた後、金属層を形成する雰囲気中に酸素が含有されている場合には、金属層の少なくとも一部が酸化され、金属酸化物層中からの金属原子の拡散の防止などの効果により、界面構造の安定化、ひいては界面での密着性が向上するものと思われる。前記金属層の形成速度を減少させた後、前記金属層を1nm以上100nm以下の厚さに形成し、その上に金属酸化物層を形成するのがさらに好ましい。上記の改善の効果を発揮するためには、前記金属層の形成速度を減少させた後、4.0nm/s以下とすることが好ましく、生産性を考慮すると0.5nm/s以上であることが好ましい範囲としてあげられ、金属層の形成面の温度は300℃以上であることが好ましい。
【0022】
前記金属層と金属酸化物層の密着性を向上させるという効果の発現のためには、形成速度を減少させた後に形成する金属層の厚さは1nm以上であることが好ましい。また、金属層表面の凹凸形状を発達させるという効果の発現および、生産性の観点から考えると、形成速度を減少させた後に形成する金属層の厚さは100nm以下であることが好ましい範囲としてあげられる。
【0023】
金属層上に金属酸化物層を形成する工程の途中でその形成速度を増加させることは、金属層と金属酸化物層との密着性が向上するために好ましいものである。形成速度を増加させる前、金属酸化物層を形成する雰囲気中に酸素を含有させるのは、特に好ましい。金属酸化物層の一例として酸化亜鉛を取り上げて考えてみると、酸化亜鉛は、そのバンドギャップは約3.3eVであるので、可視領域で透明であり、格子間への亜鉛原子の侵入、格子中の酸素原子の空孔などによって亜鉛過剰型の組成を持つように形成した場合は、過剰な亜鉛がドナー準位を形成することにより、適度な導電性をもった透明導電層として機能する。ここで、金属層上に金属酸化物層を形成する途中でその形成速度を増加させることにより、金属層上に金属酸化物層を一定の形成速度で形成する場合と比較して、金属層と金属酸化物層の密着性の向上に寄与するものと思われる。これは、最密構造及びそれに類する構造をとる金属層と、最密構造をとらない金属酸化物層との間の構造の違いによる界面の不整合領域の形成が抑制されるためでないかと思われる。特に、形成速度を増加させる前、金属酸化物層の形成雰囲気中に酸素を含有させた場合には、酸化亜鉛中の酸素量と亜鉛量の比が化学量論比に近づき、酸化亜鉛中の過剰亜鉛、特に格子間に存在する亜鉛イオンが減少するために、金属層との接合領域における酸化亜鉛内の格子のストレスが低減されるためではないかと考えられる。上記効果を発現し、かつ透明導電層としての機能を低下させないという観点から考えると、形成速度を増加させる前に形成された金属酸化物層の厚さとしては、5nm以上50nm以下が好ましい範囲としてあげられる。
【0024】
金属層と金属酸化物層の不整合領域の形成の抑制という効果の発現のためには、形成速度を増加させる前に形成された金属酸化物層の厚さとしては5nm以上あることが好ましい。生産性の観点から、形成速度を増加させる前に形成する金属酸化物層の厚さは小さい方が好ましい。また、形成速度を増加させる前に酸素を含有した条件下で金属酸化物層を形成した場合には、酸素含有率が大きくなることから、金属酸化物層の抵抗率が大きくなり、形成速度を増加させる前に形成された金属酸化物層が厚くなりすぎると、抵抗率としても無視できないものとなる。以上のことを鑑みると、形成速度を増加させる前に形成された金属酸化物層の厚さとしては50nm以下が好ましい範囲としてあげられる。
【0025】
増加させる前の金属酸化物層の形成速度は、上記の改善の効果を発揮するためには、3.0nm/s以下が好ましく、生産性を考慮すると0.05nm/s以上が好ましい範囲としてあげられ、金属酸化物層の形成面の温度は、200℃以上であることが好ましい。特に、金属酸化物層の形成を、金属層の形成面の温度よりも低い形成面の温度で行なった場合には、積層体形成後の内部ストレスがより軽減されるので、好ましいものである。
【0026】
次に本発明の積層体を基板として用いた光起電力素子の構成要素について説明する。
【0027】
図1、図2は本発明の基板及び光起電力素子の一例を示す模式的な断面図である。図中101は基板、102は半導体層、103は透明導電層、104は集電電極である。また、101−1は基体、101−2は中間層、101−3は金属層、101−4は金属酸化物層である。これらは基板101の構成部材である。
【0028】
(基体)
基体101−1としては、金属、樹脂、ガラス、セラミックス、半導体等からなる板状部材やシート状部材が好適に用いられる。その表面には微細な凸凹を有していてもよい。また、基体を長尺の形状とすることによってロール・ツー・ロール法を用いた連続成膜を行うことができる。特にステンレス、ポリイミド等の可撓性を有する材料は基体101−1の材料として好適である。
【0029】
(中間層)
本発明の構成要素である中間層101−2は、基体との密着力が、基体と金属層との密着力よりも大きく、中間層と金属層との密着力も良好である材質が選ばれる。また、中間層は、この上に形成される金属層の表面形状に影響を与えることが可能である。上記条件を満たす適切な材料と厚さをもつ中間層を選ぶことで、反射率を維持し、金属層や金属酸化物層の表面に、適度な凹凸形状を均一に形成することが可能になる。中間層の材料としては、遷移金属、金属酸化物から上記条件を満たすものが選ばれ、ニッケル、クロム、チタン、ZnO、SnO、In、ITO(In+SnO)などが好適に用いられる。その形成方法としては、蒸着、スパッタ、電析の方法が好適である。
【0030】
(金属層)
金属層101−3は電極としての役割と、半導体層102で吸収されなかった光を反射して半導体層102で再利用させる反射層としての役割とを有する。その材料としては、Al、Cu、Ag、Au、CuMg、AlSi等を好適に用いることができる。その形成方法としては、蒸着、スパッタ、電析等の方法が好適である。金属層101−3は、その表面に凹凸を有することが好ましい。それにより反射光の半導体層102内での光路長を伸ばし、短絡電流を増大させることができる。金属層を形成する場合には、中間層および/または金属酸化物層と接する領域では、金属層の形成速度を小さくする方法が好ましいものである。また、金属酸化物層と接する領域では、形成雰囲気中に酸素を含有させることも好ましいものである。
【0031】
(金属酸化物層)
金属酸化物層101−4は、入射光及び反射光の乱反射を増大し、半導体層102内での光路長を伸ばす役割を有する。また、中間層101−2、金属層101−3の元素が半導体層102へ拡散あるいはマイグレーションを起こし、光起電力素子がシャントすることを防止する役割を有する。さらに、適度な抵抗をもつことにより、半導体層のピンホール等の欠陥によるショートを防止する役割を有する。さらに、金属酸化物層101−4は、金属層101−3と同様にその表面に凹凸を有していることが望ましい。金属酸化物層101−4は、ZnO、ITO等の導電性酸化物からなることが好ましく、蒸着、スパッタ、CVD、電析等の方法を用いて形成されることが好ましい。またこれらの形成方法を組み合わせて行なうことも適宜行なわれる。これらの導電性酸化物に導電率を変化させる物質を添加してもよい。金属酸化物層を形成する場合には、金属層と接する領域では、金属酸化物層の形成速度を小さくする方法が好ましいものである。また、金属層と接する領域では、形成雰囲気中に酸素を含有させることも好ましいものである。
【0032】
スパッタ法によって金属層、金属酸化物層を形成する条件は、方法やガスの種類と流量、内圧、投入電力、形成速度、形成面の温度等が大きく影響を及ぼす。例えばDCマグネトロンスパッタ法で、酸化亜鉛ターゲットを用いて酸化亜鉛膜を形成する場合には、ガスの種類としてはAr、Ne、Kr、Xe、Hg、Oなどがあげられ、流量は、装置の大きさと排気速度によって異なるが、例えば成膜空間の容積が20リットルの場合、1cm/min(normal)から100cm/min(normal)が望ましい。また成膜時の内圧は10mPaから10Paが望ましい。
【0033】
また電析法によって酸化亜鉛からなる金属酸化物層を形成する条件は、耐腐食性容器内に、硝酸イオン、亜鉛イオンを含んだ水溶液を用いるのが好ましい。硝酸イオン、亜鉛イオンの濃度は、0.001mol/lから1.0mol/lの範囲にあるのが望ましく、0.01mol/lから0.5mol/lの範囲にあるのがより望ましく、0.1mol/lから0.25mol/lの範囲にあるのがさらに望ましい。硝酸イオン、亜鉛イオンの供給源としては特に限定するものではなく、両方のイオンの供給源である硝酸亜鉛でもよいし、硝酸イオンの供給源である硝酸アンモニウムなどの水溶性の硝酸塩と、亜鉛イオンの供給源である硫酸亜鉛などの亜鉛塩の混合物であってもよい。さらに、これらの水溶液に、異常成長を抑制したり密着性を向上させるために、炭水化物を加えることも好ましいものである。炭水化物の種類は特に限定されるものではないが、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)などの単糖類、マルトース(麦芽糖)、サッカロース(ショ糖)などの二糖類、デキストリン、デンプンなどの多糖類などや、これらを混合したものを用いることができる。水溶液中の炭水化物の量は、炭水化物の種類にもよるが概ね、0.001g/lから300g/lの範囲にあるのが望ましく、0.005g/lから100g/lの範囲にあるのがより望ましく、0.01g/lから60g/lの範囲にあることがさらに望ましい。電析法により酸化亜鉛からなる金属酸化物層を形成する場合には、前記の水溶液中に金属酸化物層を形成する基体を陰極にし、亜鉛、白金、炭素などを陽極とするのが好ましい。このとき負荷抵抗を通して流れる電流密度は、10mA/dmから10A/dmであることが好ましい。
【0034】
(基板)
以上の方法により、基体101−1上に必要に応じて、中間層101−2、金属層101−3、金属酸化物層101−4を積層して基板101を形成する。また、素子の集積化を容易にするために、基板101に絶縁層を設けてもよい。
【0035】
(半導体層)
本発明のシリコン系半導体及び半導体層102の主たる材料としては、非晶質相あるいは結晶相、さらにはこれらの混相系のSiが用いられる。Siに代えて、SiとC又はGeとの合金を用いても構わない。半導体層102には同時に、水素及び/又はハロゲン原子が含有される。その好ましい含有量は0.1〜40原子%である。さらに半導体層102は、酸素、窒素などを含有してもよい。半導体層をp型半導体層とするにはIII属元素、n型半導体層とするにはV属元素を含有する。p型層及びn型層の電気特性としては、活性化エネルギーが0.2eV以下のものが好ましく、0.1eV以下のものが最適である。また比抵抗としては100Ωcm以下が好ましく、1Ωcm以下が最適である。スタックセル(pin接合を複数有する光起電力素子)の場合、光入射側に近いpin接合のi型半導体層はバンドギャップが広く、遠いpin接合になるに随いバンドギャップが狭くなるのが好ましい。また、i層内部ではその膜厚方向の中心よりもp層寄りにバンドギャップの極小値があるのが好ましい。光入射側のドープ層(p型層もしくはn型層)は光吸収の少ない結晶性の半導体か、又はバンドギャップの広い半導体が適している。pin接合を2組積層したスタックセルの例としては、i型シリコン系半導体層の組み合わせとして、光入射側から(アモルファス半導体層、結晶相を含む半導体層)、(結晶相を含む半導体層、結晶相を含む半導体層)となるものがあげられる。また、pin接合を3組積層した光起電力素子の例としてはi型シリコン系半導体層の組み合わせとして、光入射側から(アモルファス半導体層、アモルファス半導体層、結晶相を含む半導体層)、(アモルファス、結晶相を含む半導体層、結晶相を含む半導体層)、(結晶相を含む半導体層、結晶相を含む半導体層、結晶相を含む半導体層)となるものがあげられる。i型半導体層としては光(630nm)の吸収係数(α)が5000cm−1以上、ソーラーシミュレーター(AM1.5、100mW/cm)による擬似太陽光照射下の光伝導度(σp)が10×10−5S/cm以上、暗伝導度(σd)が10×10−6S/cm以下、コンスタントフォトカレントメソッド(CPM)によるアーバックエナジーが55meV以下であるのが好ましい。i型半導体層としては、わずかにp型、n型になっているものでも使用することができる。
【0036】
本発明の構成要素である半導体層102についてさらに説明を加えると、図5は本発明の半導体層の一例として、一組のpin接合をもつ半導体層102を示す模式的な断面図である。図中102−1は非晶質n型半導体層であり、さらに、結晶相を含むi型半導体層102−2、結晶相を含むp型半導体層102−3を積層する。pin接合を複数持つ半導体層においては、そのなかのうちの少なくとも一つが前記の構成であることが好ましい。
【0037】
(半導体層の形成方法)
本発明のシリコン系半導体、及び上述の半導体層102を形成するには、高周波プラズマCVD法が適している。以下、高周波プラズマCVD法によって半導体層102を形成する手順の好適な例を示す。
(1)減圧状態にできる形成室(真空チャンバー)内を所定の圧力に減圧する。
(2)形成室内に原料ガス、希釈ガス等の材料ガスを導入し、形成室内を真空ポンプによって排気しつつ、形成室内を所定の圧力に設定する。
(3)基板101をヒーターによって所定の温度に設定する。
(4)高周波電源によって発振された高周波を前記形成室に導入する。前記形成室への導入方法は、高周波を導波管によって導き、アルミナセラミックスなどの誘電体窓を介して形成室内に導入したり、高周波を同軸ケーブルによって導き、金属電極を介して形成室内に導入したりする方法がある。
(5)形成室内にプラズマを生起させて原料ガスを分解し、形成室内に配置された基板101上に半導体層を形成する。この手順を必要に応じて複数回繰り返して半導体層102を形成する。
【0038】
本発明のシリコン系半導体、及び上述の半導体層102の形成条件としては、形成室内の形成面の温度は100〜450℃、圧力は50mPa〜1500Pa、高周波パワーは0.001〜1W/cmが好適な条件としてあげられる。
【0039】
本発明のシリコン系半導体、及び上述の半導体層102の形成に適した原料ガスとしては、SiH、Si、SiF等のシリコン原子を含有したガス化しうる化合物があげられる。合金系にする場合にはさらに、GeHやCHなどのようにGeやCを含有したガス化しうる化合物を原料ガスに添加することが望ましい。原料ガスは、希釈ガスで希釈して形成室内に導入することが望ましい。希釈ガスとしては、HやHeなどがあげられる。さらに窒素、酸素等を含有したガス化しうる化合物を原料ガス乃至希釈ガスとして添加してもよい。半導体層をp型層とするためのドーパントガスとしてはB、BF等が用いられる。また、半導体層をn型層とするためのドーパントガスとしては、PH、PF等が用いられる。結晶相の薄膜や、SiC等の光吸収が少ないかバンドギャップの広い層を形成する場合には、原料ガスに対する希釈ガスの割合を増やし、比較的高いパワーの高周波を導入するのが好ましい。
【0040】
(透明導電層)
透明導電層103は、光入射側の電極であるとともに、その厚さを適当に設定することにより反射防止膜の役割をかねることができる。透明導電層103は、半導体層102の吸収可能な波長領域において高い透過率を有することと、抵抗率が低いことが要求される。好ましくは550nmにおける透過率が80%以上、より好ましくは85%以上であることが望ましい透明導電層103の材料としては、ITO、ZnO、In等を好適に用いることができる。その形成方法としては、蒸着、CVD、スプレー、スピンオン、浸漬などの方法が好適である。これらの材料に導電率を変化させる物質を添加してもよい。
【0041】
(集電電極)
集電電極104は集電効率を向上するために透明電極103上に設けられる。その形成方法として、マスクを用いてスパッタによって電極パターンの金属を形成する方法や、導電性ペーストあるいは半田ペーストを印刷する方法、金属線を導電性ペーストで固着する方法などが好適である。
【0042】
なお、必要に応じて光起電力素子の両面に保護層を形成することがある。同時に光起電力素子の裏面(光入射側と反射側)などに鋼板等の補教材を併用してもよい。
【0043】
【実施例】
以下の実施例では、光起電力素子として太陽電池を例に挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の内容を何ら限定するものではない。
【0044】
(実施例1)
ステンレス(SUS430BA)からなる帯状の基体304(幅40cm、長さ200m、厚さ0.125mm)を十分に脱脂、洗浄した後、図3の金属・金属酸化物層形成装置301を用いて、中間層101−2、金属層(A)101−3A、金属層(B)101−3B、金属層(C)101−3C、金属酸化物層(A)101−4A、金属酸化物層(B)101−4Bからなる基板を形成した。
【0045】
図3は、本発明の光起電力素子の基板を製造する金属・金属酸化物層形成装置の一例を示す模式的な断面図である。図3に示す金属・金属酸化物層形成装置301は、基板送り出し容器302、中間層形成用真空容器311、金属層(A)形成用真空容器312、金属層(B)形成用真空容器313、金属層(C)形成用真空容器314、金属酸化物層(A)形成用真空容器315、金属酸化物層(B)形成用真空容器316、基板巻き取り容器303がガスゲートを介して結合することによって構成されている。この半導体層形成装置301には、各形成用真空容器を貫いて帯状の基体304がセットされる。帯状の基体304は、基板送り出し容器302に設置されたボビンから巻き出され、基板巻き取り容器303で別のボビンに巻き取られる。
【0046】
各形成用真空容器には、ターゲットがカソード電極341〜346として設置されていて、直流電源351〜356にてスパッタして、基体上に中間層101−2、金属層(A)101−3A、金属層(B)101−3B、金属層(C)101−3C、金属酸化物層(A)101−4A、金属酸化物層(B)101−4Bを形成できるようになっている。また各形成用真空容器には、スパッタガスを導入するためのガス導入管331〜336が接続されている。
【0047】
図3に示した金属・金属酸化物層形成装置301は、形成用真空容器を6個具備しているが、以下の実施例においては、すべての形成用真空容器で成膜を行なう必要はなく、製造する基板の層構成にあわせて各形成用真空容器での形成の有無を選択することができる。また、各形成用真空容器には、基体304と放電空間との接触面積を調整するための、不図示の成膜領域調整板が設けられており、これを調整することによって各形成用真空容器で形成される半導体層の厚さを調整することができるようになっている。
【0048】
基体304を金属・金属酸化物層形成装置301に設置し、各形成用器内の圧力が1.0mPa以下になるまで排気した。
【0049】
次に、真空排気系を作動させつつ、ガス導入管331〜336からスパッタガスを供給した。同時に不図示の各ゲートガス供給管から、各ガスゲートにゲートガスとして50cm/min(normal)のArガスを供給した。この状態で真空排気系の排気能力を調整して、各形成用真空容器内の圧力を所定の圧力に調整した。形成条件は表1に示す通りである。
【0050】
各形成用真空容器内の圧力が安定したところで、基板送り出し容器302から基板巻き取り容器303の方向に、基体304の移動を開始した。基体304を移動させながら、各形成用真空容器内の赤外線ランプヒーターを作動させ、基体304の形成面の温度が、表1に示す値になるように調整した。カソード電極341には、純度99.99重量%のチタンのターゲットを使用し、カソード電極342〜344には純度99.99重量%の銀のターゲットを使用し、カソード電極345、346には純度99.99重量%の酸化亜鉛のターゲットを使用し、各カソード電極に表1に示すスパッタ電力を投入して、基体304上にチタンからなる中間層101−2(厚さ50nm、形成速度1.5nm/s)、銀からなる金属層(A)101−3A(厚さ50nm、形成速度1.5nm/s)、金属層(B)101−3B(厚さ750nm、形成速度8.0nm/s)、金属層(C)101−3C(厚さ50nm、形成速度1.5nm/s)、酸化亜鉛からなる金属酸化物層(A)101−4A(厚さ10nm、形成速度1.0nm/s)、金属酸化物層(B)101−4B(厚さ2000nm、形成速度10.0nm/s)を形成し、帯状の基板を形成した(実施例1−1)。
【0051】
次に図4に示した半導体層形成装置201を用い、以下の手順で図5に示したpin型光起電力素子を形成した。図5は本発明のシリコン系半導体を有する光起電力素子の一例を示す模式的な断面図である。図中、図1と同様の部材には同じ符号を付して説明を省略する。この光起電力素子の半導体層は、非晶質n型半導体層102−1と、結晶相を含むi型半導体層102−2と結晶相を含むp型半導体層102−3とからなっている。すなわち、この光起電力素子はいわゆるpin型シングルセル光起電力素子である。
【0052】
図4は、本発明のシリコン系半導体及び光起電力素子を製造する半導体層形成装置の一例を示す模式的な断面図である。図4に示す半導体層形成装置201は、基板送り出し容器202、半導体形成用真空容器211〜218、基板巻き取り容器203が、ガスゲートを介して結合することによって構成されている。この半導体層形成装置201には、各容器及び各ガスゲートを貫いて帯状の基板204がセットされる。帯状の基板204は、基板送り出し容器202に設置されたボビンから巻き出され、基板巻き取り容器203で別のボビンに巻き取られる。
【0053】
半導体形成用真空容器211〜218は、それぞれ形成室を有しており、該放電室内の放電電極241〜248に高周波電源251〜258から高周波電力を印加することによってグロー放電を生起させ、それによって原料ガスを分解し基板204上に半導体層を形成させる。また、各半導体形成用真空容器211〜218には、原料ガスや希釈ガスを導入するためのガス導入管231〜238が接続されている。
【0054】
図4に示した半導体層形成装置201は、半導体形成用真空装置を8個具備しているが、以下の実施例においては、すべての半導体形成用真空容器でグロー放電を生起させる必要はなく、製造する光起電力素子の層構成にあわせて各容器でのグロー放電の有無を選択することができる。また、各半導体形成装置には、各形成室内での基板204と放電空間との接触面積を調整するための、不図示の成膜領域調整板が設けられており、これを調整することによって各容器で形成される各半導体層の厚さを調整することができるようになっている。
【0055】
次に基板送り出し容器202に、基板204を巻いたボビンを装着し、基板204を搬入側のガスゲート、半導層形成用真空容器211〜218、搬出側のガスゲートを介し、基板巻き取り容器203まで通し、帯状の基板204がたるまないように張力調整を行った。そして、基板送り出し容器202、半導体層形成用真空容器211〜218、基板巻き取り容器203を不図示の真空ポンプからなる真空排気系により、1.0mPa以下まで真空排気した。
【0056】
次に、真空排気系を作動させつつ、半導体層形成用真空容器211〜215へガス導入管231〜235から原料ガス及び希釈ガスを供給した。
【0057】
また、半導体層形成用真空容器211〜215以外の半導体層形成用真空容器にはガス導入管から200cm/min(normal)のHガスを供給し、同時に不図示の各ゲートガス供給管から、各ガスゲートにゲートガスとして500cm/min(normal)のHガスを供給した。この状態で真空排気系の排気能力を調整して、半導体層形成用真空容器211〜215内の圧力を所望の圧力に調整した。形成条件は表2に示す通りである。
【0058】
半導体層形成用真空容器211〜215内の圧力が安定したところで、基板送り出し容器202から基板巻き取り容器203の方向に、基板204の移動を開始した。
【0059】
次に、半導体層形成用真空容器211〜215内の放電電極241〜245に高周波電源251〜255より高周波を導入し、半導体層形成用真空容器211〜215内の形成室内にグロー放電を生起し、基板204上に非晶質n型半導体層(厚さ50nm)、結晶相を含むi型半導体層(厚さ1.5μm)、結晶相を含むp型半導体層(厚さ10nm)を形成し光起電力素子を形成した(実施例1−2)。
【0060】
ここで、半導体形成用真空容器211には周波数13.56MHz、パワー密度5mW/cmの高周波電力を、半導体層形成用真空容器212〜214には周波数60MHZ、パワー密度300mW/cmの高周波電力を、半導体層形成用真空容器215には周波数13.56MHz、パワー密度30mW/cmの高周波電力を導入した。次に不図示の連続モジュール化装置を用いて、形成した帯状の光起電力素子を36cm×22cmの太陽電池モジュールに加工した(実施例1−3)。
【0061】
(実施例2)
次に、金属層(C)101−3C及び金属酸化物層(A)101−4Aを形成する際に、酸素を導入しなかったこと以外は実施例1と同様の手順により、基板、光起電力素子、太陽電池モジュールを作成した(実施例2−1、実施例2−2、実施例2−3)。
【0062】
参考実施例3)
次に、金属層(A)101−3Aを形成しなかったこと以外は実施例1と同様の手順により、基板、光起電力素子、太陽電池モジュールを作成した(参考実施例3−1、参考実施例3−2、参考実施例3−3)。
【0063】
(実施例4)
次に、金属層(C)101−3Cを形成しなかったこと以外は実施例1と同様の手順により、基板、光起電力素子、太陽電池モジュールを作成した(実施例4−1、実施例4−2、実施例4−3)。
【0064】
(実施例5)
次に、金属酸化物層(A)101−4Aを形成しなかったこと以外は実施例1と同様の手順により、基板、光起電力素子、太陽電池モジュールを作成した(実施例5−1、実施例5−2、実施例5−3)。
【0065】
(比較例1)
次に、中間層101−2を形成しなかったこと以外は実施例1と同様の手順により、基板、光起電力素子、太陽電池モジュールを作成した(比較例1−1、比較例1−2、比較例1−3)。
【0066】
(比較例2)
次に、金属層(A)101−3A及び金属層(C)101−3Cの形成速度を金属層(B)101−3Bと同一にし、さらに金属酸化物層(A)101−4Aの形成速度を金属酸化物層(B)101−4Bと同一にした以外は実施例1と同様の手順により、基板、光起電力素子、太陽電磁モジュールを作成した(比較例2−1、比較例2−2、比較例2−3)。
【0067】
まず、実施例、参考実施例および比較例で作成した基板の反射率の測定を800nmの光に対して行ない、次に碁盤目テープ法(切り傷の隙間間隔1mm、ます目の数100)を用いて基体と金属層、金属酸化物層との密着性を調べた。さらに、実施例、参考実施例および比較例で作成した光起電力素子上に、1cmの大きさの透明電極を100個と、集電電極を作成してサブセルを形成し、それぞれのサブセルの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM1.5、100mW/cm)を用いて測定し、光電変換効率の平均値と均一性を調べた。さらに、実施例、参考実施例および比較例で作成した太陽電池モジュールの光電変換効率をまず測定し、温度85℃、湿度85%の暗所に設置し、同時に逆方向バイアスを10V印加させながら500時間経過後に再度光電変換効率を測定し、高温多湿度下での逆バイアス印加による光電変換効率の変化を調べた。以上の結果を表3に示す。
【0068】
表3に示すように、本発明の実施例1、2,4、5、参考実施例3の基板、光起電力素子及び太陽電池モジュールは、比較例のものと比較して、優れていることがわかる。また、比較例1の基板の碁盤目テープ法で剥がれた部分の様子のSEM観察を行なったところ、ステンレスの基体と、銀の金属層の間で剥離が起こっていることが確認できた。以上のことより本発明の積層体を用いた基板、光起電力素子、及びそれを含む太陽電池モジュールは優れた特質を持つことが分かる。特に、実施例1のものは、各項目において優れていた。
【0069】
(実施例6)
中間層101−2の厚さを10nm、30nm、80nm、100nm、150nmと変化させた以外は、実施例1と同様に基板及び太陽電池モジュールを作成した(実施例6−1〜6−5)。作成した基板の800nmの光に対する反射率と、碁盤目テープ法によって密着性を確認し、太陽電池モジュールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM1.5、100mW/cm)を用いて測定した。以上の結果を中間層を形成していない条件で作成した比較例1のものとあわせて表4に示す。
【0070】
表4に示すように、本発明の積層体を用いた基板、光起電力素子、及びそれを含む太陽電池モジュールは優れた特質を持つことが分かる。特に、中間層の厚さが、30nm以上100nm以下のものは、反射率、密着性、光電変換効率においても優れた特徴をもつことがわかる。
【0071】
(実施例7)
金属層(A)101−3Aの形成速度を0.3nm/s、0.5nm/s、1.0nm/s、2.0nm/s、4.0nm/s、5.0nm/sと変化させた以外は、実施例1と同様に基板及び太陽電池モジュールを作成した(実施例7−1〜7−6)。作成した基板の800nmの光に対する反射率を測定し、太陽電池モジュールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM1.5、100mW/cm)を用いて測定した。さらに、それぞれの太陽電池モジュールを温度85℃、湿度85%の暗所に設置し、同時に逆方向バイアスを10V印加させながら500時間経過後に再度光電変換効率を測定し、温湿度下での逆バイアス印加による光電変換効率の変化を調べた。以上の結果を表5に示す。
【0072】
表5に示すように、本発明の積層体を用いた基板、光起電力素子、及びそれを含む太陽電池モジュールは優れた特質を持つことが分かる。特に、金属層(A)の形成速度が、4.0nm/s以下のものは、反射率、光電変換効率、高温多湿逆バイアス印加試験においても特にすぐれた特質をもつことがわかる。また金属層(A)の形成速度が0.5nm/s以上のものは、金属層(B)よりも形成時間を短くすることができるために、生産性の点からも特に優れていた。
【0073】
(実施例8)
金属層(C)101−3Cの形成速度を0.3nm/s、0.5nm/s、1.0nm/s、2.0nm/s、4.0nm/s、5.0nm/sと変化させた以外は、実施例1と同様に基板及び太陽電池モジュールを作成した(実施例8−1〜8−6)。作成した基板の800nmの光に対する反射率を測定し、太陽電池モジュールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM1.5、100mW/cm)を用いて測定した。さらに、それぞれの太陽電池モジュールを温度85℃、湿度85%の暗所に設置し、同時に逆方向バイアスを10V印加させながら500時間経過後に再度光電変換効率を測定し、高温多湿下での逆バイアス印加による光電変換効率の変化を調べた。以上の結果を表6に示す。
【0074】
表6に示すように、本発明の積層体を用いた基板、光起電力素子、及びそれを含む太陽電池モジュールは優れた特質を持つことが分かる。特に、金属層(C)101−3Cの形成速度が、4.0nm/s以下のものは、反射率、光電変換効率、高温多湿逆バイアス印加試験においても特にすぐれた特徴をもつことがわかる。また金属層(C)101−3Cの形成速度が0.5nm/s以上のものは、金属層(B)101−3Bよりも形成時間を短くすることができるために、生産性の点からも特に優れていた。
【0075】
(実施例9)
金属酸化物層(A)101−4Aの形成速度を0.03nm/s、0.05nm/s、3.0nm/s、5.0nm/sと変化させた以外は、実施例1と同様に基板及び太陽電池モジュールを作成した(実施例9−1〜9−4)。作成した基板の800nmの光に対する反射率を測定し、太陽電池モジュールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM1.5、100mW/cm)を用いて測定した。さらに、それぞれの太陽電池モジュールを温度85℃、湿度85%の暗所に設置し、同時に逆方向バイアスを10V印加させながら500時間経過後に再度光電変換効率を測定し、温湿度下での逆バイアス印加による光電変換効率の変化を調べた。以上の結果を表7に示す。
【0076】
表7に示すように、本発明の積層体を用いた基板、光起電力素子、及びそれを含む太陽電池モジュールは優れた特質を持つことが分かる。特に、金属酸化物層(A)101−4Aの形成速度が、3.0nm/s以下のものは、反射率、光電変換効率、高温多湿逆バイアス印加試験においても特にすぐれた特質をもつことがわかる。また金属酸化物層(A)101−4Aの形成速度が0.05nm/s以上のものは、金属酸化物層(B)101−4Bよりも形成時間を短くすることができるために、生産性の点からも特に優れていた。
【0077】
(実施例10)
図2に示した半導体層形成装置201を用い、以下の手順で図6に示した光起電力素子を形成した。図6は本発明のシリコン系薄膜を有する光起電力素子の一例を示す模式的な断面図である。図中、図1と同様の部材には同じ符号を付して説明を省略する。この光起電力素子の半導体層は、非晶質n型半導体層102−1、102−4、結晶相を含むi型半導体層102−2、非晶質i型半導体層102−5と結晶相を含むp型半導体層102−3、102−6とからなっている。すなわち、この光起電力素子はいわゆるpinpin型ダブルセル光起電力素子である。
【0078】
実施例1と同様に、基板204を作成し、半導体層形成装置201に装着し、基板送り出し容器202、半導体形成用真空容器211〜218、基板巻き取り容器203を不図示の真空ポンプからなる真空排気系により、1.0mPa以下まで真空排気した。
【0079】
次に、真空排気系を作動させつつ、半導体形成用真空容器211〜218へガス導入管231〜238から原料ガス及び希釈ガスを供給した。また不図示の各ゲートガス供給管から、各ガスゲートにゲートガスとして500cm/min(normal)のHガスを供給した。この状態で真空排気系の排気能力を調整して、半導体形成用真空容器211〜218内の圧力を所定の圧力に調整した。形成条件は半導体形成用真空容器211〜215に関しては実施例1と同様の方法で行い、半導体形成用真空容器216〜218に関しては表8に示す通りである。
【0080】
半導体形成用真空容器211〜218内の圧力が安定したところで、基板送り出し容器202から基板巻き取り容器203の方向に、導電性基板204の移動を開始した。
【0081】
次に、半導体形成用真空容器211〜218内の高周波導入部241〜248に高周波電源251〜258より高周波を導入し、半導体形成用真空容器211〜218内の形成室内にグロー放電を生起し、導電性基板204上に、非晶質n型半導体層(厚さ50nm)、結晶相を含むi型半導体層(厚さ1.5μm)、結晶相を含むp型半導体層(厚さ10nm)、非晶質n型半導体層(厚さ30nm)、非晶質i型半導体層(厚さ300nm)、結晶相を含むp型半導体層(厚さ10nm)を形成し光起電力素子を形成した。
【0082】
ここで、半導体形成用真空容器211、216には周波数13.56MHz、パワー密度5mW/cmの高周波電力を、半導体形成用真空容器212〜214には、周波数60MHz、パワー密度300mW/cmの高周波電力を、半導体形成用真空容器215、218には、周波数13.56MHz、パワー密度30mW/cmの高周波電力を、半導体形成用真空容器217には、周波数60MHz、パワー密度50mW/cmの高周波電力を導入した。次に不図示の連続モジュール化装置を用いて、形成した帯状の光起電力素子を36cm×22cmの太陽電池モジュールに加工した(実施例10)。
【0083】
以上のようにして作成した太陽電池モジュールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM1.5、100mW/cm)を用いて測定したところ、実施例1におけるシングルの太陽電池モジュールに比べて光電変換効率の値は1.15倍を示した。またはがれ試験、温湿度試験においても良好な結果を示した。以上のことより本発明の積層体を用いた基板、光起電力素子、及びそれを含む太陽電池モジュールは優れた特質を持つことが分かる。
【0084】
(実施例11)
まず、図3の金属・金属酸化物層形成装置を用い、実施例1と同様に中間層101−2、金属層(A)101−3A、金属層(B)101−3B、金属層(C)101−3C、金属酸化物層(A)101−4Aを形成し、そのあとで図7の金属酸化物層形成装置を用いて、金属酸化物層(B)101−4Bを形成し、基板を作成した。
【0085】
図7は、本発明の光起電力素子の基板を製造する金属酸化物層形成装置の一例を示す模式的な断面図である。図7に示す金属酸化物層形成装置701には、送り出しローラー702、金属酸化物層形成容器711、水洗容器713、乾燥容器715、巻き取りローラー703から構成されている。この金属酸化物層形成装置701には、各容器を貫いて帯状の基体704がセットされる。帯状の基体704は、送り出しローラー702に設置されたボビンから巻き出され、巻き取りローラー703で別のボビンに巻き取られる。金属酸化物層形成容器711内には亜鉛の対向電極721が備えられており、この対向電極721は不図示の負荷抵抗および電源731と接続されている。また不図示のヒーターと熱電対を用いて、温度をモニターしながら金属酸化物層形成容器711内の水溶液の温度調整を行なえるようになっている。また水洗容器713で基板表面の水溶液を、不図示の超音波装置を用いながら洗い流し、水洗容器の出口側では純水シャワー714により純水洗浄を行ない、乾燥容器715では、赤外線ヒーター716を用いて基板表面を乾燥できるようになっている。
【0086】
金属酸化物層形成容器711内の水溶液を、亜鉛イオン濃度0.2mol/l、PH=5.0、水溶液温度80℃、デキストリン濃度0.05g/lにしたところで基体の搬送を開始し、酸化亜鉛からなる金属酸化物層(B)の形成を行なった。このとき、対向電極721に流れる電流密度は200mA/dmであり、酸化亜鉛の形成速度は、10nm/sであった。
【0087】
形成した帯状の基板を用いて、実施例10と同様にpinpin型ダブルセルの太陽電池モジュールを作成した(実施例11)。
【0088】
実施例11で作成した太陽電池モジュールは、密着性、初期変換効率、温湿度試験や高温多湿逆バイアス印加試験に対する耐久性に優れていた。以上のことより本発明の積層体を用いた基板、光起電力素子、及びそれを含む太陽電池モジュールは優れた特質を持つことが分かる。
【0089】
【表1】
Figure 0004240933
【0090】
【表2】
Figure 0004240933
【0091】
【表3】
Figure 0004240933
【0092】
【表4】
Figure 0004240933
【0093】
【表5】
Figure 0004240933
【0094】
【表6】
Figure 0004240933
【0095】
【表7】
Figure 0004240933
【0096】
【表8】
Figure 0004240933
【0097】
【発明の効果】
以上のように、基体上に10nm以上150nm以下の厚さの中間層を形成する第1の工程と、前記中間層上に前記基体との密着力が前記中間層よりも小さく、反射率が前記中間層よりも大きい金属層を形成する第2の工程を有し、前記第2の工程の開始時点の前記金属層の形成速度を0.3nm/s以上5.0nm/s以下とし、前記第2の工程の途中で前記金属層の形成速度を増加させることを特徴とする積層体形成方法によって形成された積層体、及び前記積層体を基板として用いた光起電力素子は、高い特性をもち、高温下、多湿下、あるいは長期間にわたる使用下などにおいても優れた反射特性と密着性を有することを見出した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板の一例を示す模式的な断面図
【図2】発明の光起電力素子の一例を示す模式的な断面図
【図3】本発明の基板を製造する金属・金属酸化物層形成装置の一例を示す模式的な断面図
【図4】本発明の光起電力素子を製造する半導体層形成装置の一例を示す模式的な断面図
【図5】本発明の光起電力素子の一例を示す模式的な断面図
【図6】本発明の光起電力素子の一例を示す模式的な断面図
【図7】本発明の光起電力素子の基板を製造する金属酸化物層形成装置の一例を示す模式的な断面図
【符号の説明】
101 基板
101−1 基体
101−2 中間層
101−3 金属層
101−3A 金属層(A)
101−3B 金属層(B)
101−3C 金属層(C)
101−4 金属酸化物層
101−4A 金属酸化物層(A)
101−4B 金属酸化物層(B)
102 半導体層
102−1 非晶質n型半導体層
102−2 結晶相を含むi型半導体層
102−3 結晶相を含むp型半導体層
102−4 非晶質n型半導体層
102−5 非晶質i型半導体層
102−6 結晶相を含むp型半導体層
103 透明導電層
104 集電電極
201 金属・金属酸化物層形成装置
202 基板送り出し容器
203 基板巻き取り容器
204 基板
211〜218 半導体層形成用真空容器
231〜238 ガス導入管
241〜248 放電電極
251〜258 高周波電源
301 半導体層形成装置
302 基板送り出し容器
303 基板巻き取り容器
304 基体
311 中間層形成用真空容器
312 金属層(A)形成用真空容器
313 金属層(B)形成用真空容器
314 金属層(C)形成用真空容器
315 金属酸化物層(A)形成用真空容器
316 金属酸化物層(B)形成用真空容器
331〜336 ガス導入管
341〜346 カソード電極
351〜356 直流電源
701 金属酸化物層形成装置
702 送り出しローラー
703 巻き取りローラー
704 基体
711 金属酸化物層形成用容器
713 水洗容器
714 純水シャワー
715 乾燥容器
716 赤外線ヒーター
721 対向電極
731 電源

Claims (7)

  1. 基体上に10nm以上150nm以下の厚さの中間層を形成する第1の工程と、前記中間層上に前記基体との密着力が前記中間層よりも小さく、反射率が前記中間層よりも大きい金属層を形成する第2の工程を有し、前記第2の工程の開始時点の前記金属層の形成速度を0.3nm/s以上5.0nm/s以下とし、前記第2の工程の途中で前記金属層の形成速度を増加させることを特徴とする積層体形成方法。
  2. 前記基体上に前記中間層を30nm以上100nm以下の厚さに形成することを特徴とする請求項1に記載の積層体形成方法。
  3. 前記金属層の形成速度を増加させる前、その形成速度を0.5nm/s以上4.0nm/s以下とすることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体形成方法。
  4. 前記中間層上に前記金属層を1nm以上100nm以下の厚さに形成した時点で、前記金属層の形成速度を増加させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の積層体形成方法。
  5. 前記金属層上に金属酸化物層を形成する第3の工程を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の積層体形成方法。
  6. 前記第2の工程の途中で前記金属層の形成速度を増加させた後に前記金属層の形成速度を0.3nm/s以上5.0nm/s以下に減少させ、前記第3の工程の開始時点での前記金属酸化物層の形成速度を0.03nm/s以上5.0nm/s以下とし、前記第3の工程の途中で前記金属酸化物層の形成速度を増加させることを特徴とする請求項5に記載の積層体形成方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の方法によって積層体を形成した後に、該積層体上に半導体層を形成する工程を有することを特徴とする光起電力素子の製造方法。
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