JP2001257369A - 光電変換素子及びその製造方法 - Google Patents

光電変換素子及びその製造方法

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electrode layer
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Yasue Nagano
尉絵 長野
Hisashi Hayakawa
尚志 早川
Hiroshi Taniguchi
浩 谷口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 裏面金属電極層の反射率と、樹脂フィルムに
対する裏面金属電極層の密着性とを向上させた光電変換
素子を提供すること。 【解決手段】 金属基板1の上に接着させた絶縁性樹脂
フィルム2の上にTi系あるいはSi系層3を形成し、
そのTi系あるいはSi系層3の上に裏面金属電極層
4、下部透明導電膜層5、光電変換層6及び上部透明導
電膜層7を形成した光電変換素子9。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂フィルムある
いは樹脂フィルムが接着された金属基板上に形成された
光電変換素子及びその製造方法に関する。更に詳しくは
裏面金属電極層の反射率と密着性を向上させるための構
造及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、低コストの太陽電池を目指してシリコン系薄膜を用
いた太陽電池が開発されている。このような薄膜太陽電
池では、光が透過するガラス基板を用いるスーパースト
レート型及び不透光性の樹脂フィルムや金属基板等を用
いるサブストレート型太陽電池がある。後者はフレキシ
ブル性が得られるだけでなく、低コスト化も可能という
ことでより有利とされている。具体的には樹脂フィル
ム、又は金属基板上に裏面金属電極層、下部透明導電膜
層、プラズマCVD法による光電変換層及び上部透明導
電膜層を積層させた構造が注目されている。このような
構造は1980年以前には試作され、多くの文献等で既
に公知になっている。
【0003】サブストレート型太陽電池においては、光
電変換層で吸収されなかった光を再び光電変換層に戻
し、変換効率を向上させるためには、裏面金属電極層と
しては反射率の高い金属材料を使用することが望まし
い。最も高い反射率は一般的にAg材料を用いたときに
得られるが、成膜条件が整えばAlもAgと同程度の反
射率を得ることができる(丸善株式会社出版、1982
年度版理科年表P515参照)。そのため、裏面金属電
極層としては一般に、AlやAg等の高い反射率を有す
る金属電極材料が用いられる。
【0004】又、光電変換層よりも基板側にテクスチャ
ー構造(微細な凹凸構造)を持たせることが一般的に行
われている。テクスチャー構造とすることで、入射光を
散乱させると共に反射光を乱反射させ光路長を伸ばし光
電変換層での光吸収量を増加させることができる。その
際、テクスチャーの大きさが可視光線波長の半分付近の
とき、光散乱効果が十分に発揮されるようになり、高い
太陽電池変換効率を得られるようになる。テクスチャー
構造形成方法の一つとして、金属等の基板上に蒸着法や
スパッタリング法で成膜する際に裏面金属電極層自体を
テクスチャー構造とする方法がある (特開平7―263
729号)。この場合、基板温度を250°C以上に上
げることでテクスチャー構造を形成している。一方で、
樹脂フィルムに微粒子を添加することにより、基板に直
接テクスチャー構造を形成する方法が検討されている
(特開平11―135819号公報参照)。
【0005】このように、サブストレート型太陽電池に
おいては、光電変換層自体の性能を上げる以外に、反射
率の高い裏面金属電極層を用いる、テクスチャー構造を
形成する等の方法により変換効率を上げる工夫がなされ
ている。
【0006】不透光性の樹脂フィルムあるいは金属基板
を用いたサブストレート型太陽電池においては、テクス
チャー構造形成技術が確立されておらず、十分な変換効
率が得られていない。テクスチャー構造形成の目的は、
光路長を伸ばし光電変換層での光吸収量の増加にある
が、その大きさ、形状を適切に制御しなければ、リーク
電流発生の原因ともなる。つまり、大きさが適当でなか
ったり、テクスチャー先端が鋭利であったりすると、光
電変換層の被覆が不十分となったり、突き破られたりし
て裏面金属電極層と上部透明導電膜層が直接コンタクト
することにより光電変換素子のリーク電流が大きくなり
テクスチャーで得られた特性向上を損なってしまう。上
述の裏面金属電極層自体をテクスチャー構造とする方法
(特開平7―263729号公報参照)では、テクスチ
ャーを形成することはできるが、局所的な突起物が形成
されやすい。そのため、リーク電流が発生しやすいとい
う問題点があった。特にAlの成膜雰囲気、成膜温度等
の成膜条件や厚膜化によりヒロックと呼ばれる局所的な
突起物が形成されやすい特徴を持っている。又、基板温
度を250°C以上に上げる必要があるため、樹脂等の
耐熱性の低い基板を使用できないという問題点があっ
た。
【0007】上述の基板に直接テクスチャー構造を形成
する方法(特開平11―135817号公報参照)では、
樹脂フィルム上に直接、裏面金属電極層を形成してい
る。この場合、樹脂フィルムからのガス放出の影響によ
り、成膜中の金属に酸素等の不純物が混入され、十分な
反射率が得られないという問題点があった。特に材料と
してAlを用いた場合はガス放出の影響による反射率低
下に加え、局所的凹凸成長が見られ、リーク電流発生の
原因となっていた。又、薄膜太陽電池形成途中で、樹脂
フィルムと裏面金属電極層の間でしばしば剥離が発生
し、樹脂フィルムと裏面金属電極層の間の密着性が課題
となっていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、樹脂フィルム
あるいは樹脂フィルムが接着された金属基板上の樹脂フ
ィルム上にTi系あるいはSi系層が形成されており、
その上に裏面金属電極層、下部透明導電膜層、光電変換
層、上部透明導電膜層が形成されていることを特徴とす
る光電変換素子を提供する。すなわち、本発明は、樹脂
フィルムの上に、直接裏面金属電極層を形成するのでは
なく、Ti系あるいはSi系層を形成し、そのTi系あ
るいはSi系層の上に裏面金属電極層を形成することに
よって、裏面金属電極層の反射率を向上させると共に樹
脂フィルムに対する裏面金属電極層の密着性を向上さ
せ、それによって、高い変換効率と高い歩留まりとが得
られる高品質の光電変換素子を提供しようとするもので
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】(1)本発明において、樹脂フィ
ルムとしては、特に限定されず、通常この分野で使用さ
れるものが使用できるが、その樹脂フィルムの上に成膜
される際の高温度、高圧力などの条件を考慮してポリイ
ミド樹脂が好ましいものとして挙げられる。この樹脂フ
ィルム上に形成されるTi系あるいはSi系層として
は、具体的に次のものが挙げられる。すなわち、Ti系
層としては、Ti(チタン)、TiO(酸化チタン)T
iO 2(二酸化チタン)、TiO3(三酸化チタン)など
のチタン酸化物、TiN(窒化チタン)などの窒化物か
らなる層が挙げられる。
【0010】一方、Si系層としては、Si(珪素)、
SiO2(二酸化珪素)などの酸化物、Si34(窒化
珪素)などの窒化物からなる層が挙げられる。これらの
Ti系あるいはSi系層の成膜方法としては、いずれも
スパッタリング法、プラズマCVD法、蒸着法などを採
用することができ、特に限定されるものではない。
【0011】Ti系あるいはSi系層の上に形成される
裏面金属電極層としては、特に限定されず、通常この分
野で使用されるAl、Ag、Cuなどが使用できるが、
より高い反射率を得ることができる点でAlの使用が好
ましい。上記裏面金属電極層の上に、順に形成される、
下部透明導電膜層、光電変換層及び上部透明導電膜層の
構成、素材及び形成方法は、特に限定されず、通常この
分野で採用されるものが採用できる。
【0012】(2)本発明を、実施の形態として更に具
体的に詳しく説明すれば、樹脂フィルム、あるいは樹脂
フィルムが接着された金属基板の樹脂フィルム上に粗面
化として凹凸が形成されており、Ti系あるいはSi系
層を形成した後、Alの裏面金属電極層を形成する。そ
の上に下部透明導電膜層、光電変換層、上部透明導電膜
層を形成することにより、裏面金属電極層の高反射率化
による高い変換効率が得られると共に、密着性が良く、
高歩留りのサブストレート型薄膜太陽電池を提供するこ
とができる。
【0013】さらに詳しく、それらの手段について記す
と以下のようになる。樹脂フィルムあるいは樹脂フィル
ムが接着された金属基板の樹脂フィルム上にTi系ある
いはSi系層を形成した後、その上に順に裏面金属電極
層、下部透明導電膜層、光電変換層、及び上部透明導電
膜層を形成するが、上記裏面金属電極層としてAlを使
用する。
【0014】上記樹脂フィルムの樹脂中にシリカ微粒子
を分散させることにより樹脂フィルムの表面を粗面化、
すなわちその表面に凹凸を形成する。そして上記樹脂フ
ィルム表面の凹凸が中心面平均粗さRaで20〜50n
m、あるいは表面粗さRmaxでは200〜500nm
の範囲であるよう構成する。上記Ti系あるいはSi系
層が50〜300nmの厚さであるように構成する。上
記裏面金属電極層を300〜600nmに構成する。上
記光電変換層としてアモルファスシリコン、あるいは、
微結晶シリコンを用いる。上記Ti系あるいはSi系
層、裏面金属電極層、下部透明導電膜層を連続して成膜
し光電変換素子を形成する。
【0015】以上のごとく、樹脂フィルムあるいは樹脂
フィルムが接着された金属基板の樹脂フィルム上に直接
裏面金属電極層を形成するのではなくTi系あるいはS
i系層を形成した後、裏面金属電極成膜を行うことで、
反射率が高く、基板との密着性が良く、局所的突起物の
ない裏面金属電極層を得ることが本発明の要点である。
【0016】Ti系あるいはSi系層を形成することに
より、樹脂フィルム表面はTi系あるいはSi系層で被
覆される。Alが基板表面と直接接することはなくなる
ため、基板からのガス放出の影響に酸素等の不純物とA
lの反応率低下を防ぐことができる。表1に樹脂フィル
ムが接着された金属基板上に直接Alを成膜した場合の
膜厚と波長550nmにおける反射率の関係、及び膜厚
100nmのTiを成膜した上にAlを成膜した場合の
膜厚と反射率の関係を示す。
【0017】
【表1】
【0018】樹脂フィルム付金属基板上に直接Alを成
膜した場合は膜厚1000nm以上成膜を行わなければ
十分な反射率が得られない。しかし、Ti層を入れるこ
とで膜厚300nm程度のAlでも高い反射率を得るこ
とができることがわかる。TiではなくSiを用いた場
合も同様の結果を得ることができる。又、樹脂フィルム
が接着された金属基板上に直接膜厚500nmのAlを
成膜した場合と、膜厚100nmのTiを成膜した上に
膜厚500nmのAlを成膜した場合について、セロハ
ンテープを用いたテープテストを各10回行った。直接
Alを成膜した場合は6回剥離が発生したが、Ti上に
Alを成膜した場合は剥離は発生しなかった。樹脂フィ
ルム上にTiを形成し、その上にAlを成膜することで
密着性を向上させることができることがわかる。Siの
場合も同様の結果が得られた。
【0019】樹脂フィルム上に直接膜厚500nmのA
gを成膜した場合の波長550nmにおける反射率は7
3.0%である。Agを用いた場合よりも、反応性の高
いAlを用いた場合の方が反射率低下が大きい。Agの
場合も同様の効果を得ることができるが、Tiあるいは
Si層を樹脂フィルム上に形成した場合の反射率向上効
果はAlの方が顕著である。
【0020】樹脂フィルムにシリカ微粒子を分散させる
ことにより樹脂表面に凹凸を形成した。テクスチャー構
造による光閉じ込め構造を得ることができる。又、シリ
カ微粒子は絶縁物であるため、基板の絶縁性を保持する
ことができる。シリカ樹脂フィルム表面の凹凸は中心平
均粗さRaで20〜50nm、あるいは表面粗さRma
xでは200〜500nmの範囲となるようにした。こ
れより凹凸が小さいと十分な光閉じ込め効果が得られ
ず、大きいとリーク電流が発生するためである。
【0021】TiあるいはSi層の膜厚としては50〜
300nmが望ましい。凹凸形状の基板を使用した場
合、完全に基板表面を被覆するためには50nmの膜厚
が必要である。300nm以上成膜を行うと凹凸形状が
なまり、十分な光閉じ込め構造が得られなくなる。
【0022】金属電極層の膜厚としては300〜600
nmが望ましい。表1より、300nmより薄いと十分
な反射率が得られないことがわかる。又、600nmよ
り厚膜化すると逆に反射率が低下していることがわか
る。表面形状をSEMにより観察したところ局所的凹凸
の成長が観察された。局所的凹凸の成長により光りの多
重反射が発生し、見かけ上、膜の光吸収量が増加するた
め反射率が低下している。局所的凹凸は光電変換素子の
リーク電流の原因となるため600nm以下が望まし
い。光電変換層をアモルファスシリコン、あるいは、微
結晶シリコンである時に十分な効果が得られるように、
上述の数値設計を行っている。
【0023】TiあるいはSi層、裏面金属電極層、下
部透明導電膜層は、連続して成膜を行うことが望まし
い。別の真空装置を用いると、大気中にだすことになる
ため、酸化物界面が形成されやすい。真空化で連続成膜
を行うことによりより高い電極特性を得ることができ
る。
【0024】(3)樹脂フィルムあるいは樹脂フィルム
が接着された金属基板上にSiあるいはTiを成膜した
後Al等の裏面金属電極を形成した光電変換素子と、A
lを樹脂フィルム上に直接成膜した場合の光電変換素子
の変換効率比較を行い、その効果を明らかにすることを
目的とした場合の具体的な実験内容及び結果について以
下に述べる。
【0025】
【実施例】樹脂基板として、金属基板に樹脂フィルムよ
りなる樹脂層を接着したものを用いて、光電変換素子を
作製した。なお樹脂基板を樹脂フィルムのみで構成して
もよい。さて、図1は、得られた光電変換素子の概略断
面図である。図1において、光電変換素子9は、金属基
板1に樹脂層としての絶縁性樹脂フィルム2を接着させ
た樹脂基板と、絶縁性樹脂フィルム3の上に形成された
TiあるいはSiよりなる中間層3と、この中間層の上
に順に形成された裏面金属電極層4、下部透明導電膜層
5、光電変換層6及び上部透明導電膜層7とからなる。
なお、8は上部透明導電膜層7の上に形成された櫛形集
電極であり、このように櫛形集電極8を光電変換素子9
に取り付けてサブストレート型薄膜太陽電池10として
使用する。
【0026】本実施例においては、非集積構造で変換効
率を評価したが、薄膜型光電変換素子に長所の一つに集
積構造形成により電流、電圧に自由度を持たせることが
できるという点がある。集積構造形式のためには基板に
絶縁性を持たせる必要があるため、金属基板をそのまま
使用するのではなく、金属基板上に絶縁性樹脂フィルム
を接着した状態で使用することが望ましい。
【0027】金属基板1上に平均粒径0.3μmのシリ
カ微粒子を含有するポリイミド樹脂をダイコート法によ
り塗布し硬化させて、粗面化させた、すなわち微細な凹
凸を有する絶縁性樹脂フィルム2を得た。絶縁性樹脂フ
ィルム2表面の凹凸は中心平均粗さRaで20〜50n
m,あるいは表面粗さRmaxでは200〜500nm
の範囲となるように設計されている。
【0028】次に、TiあるいはSiからなる中間層3
を形成する。本実施例においては、DCスパッタリング
法により膜厚:100nmのTiからなる中間層3を形
成した。基板温度150°C、パワー0.4W/c
2、圧力4.5mTorr,ガス流量はAr100s
ccmである。Siからなる中間層3に関しては、プラ
ズマCVD法を用いて成膜を行った。基板温度150
℃、パワー0.4W/cm2、圧力0.1mTorr,
ガス流量SiH4 150sccm,H2 300scc
mで膜厚:250nmとした。
【0029】本実施例においては、Tiはスパッタリン
グ法、SiはプラズマCVD法を用いた場合について述
べたが、いずれもスパッタリング法、蒸着法、CVD法
で成膜は可能である。その後、スパッタリング法により
裏面金属電極層4としてAlの成膜を行った。裏面金属
電極層4としてAgを使用することも可能であるが、A
lを用いた場合の方がより顕著な効果を得ることができ
る。Al層を形成する場合の成膜条件は基板温度150
℃、パワー0.5W/cm2、圧力5mTorr、ガス
流量Ar100sccmである。その上に下部透明導電
膜層5を形成した。本実施例においてはDCスパッタリ
ング法を用いて、膜厚100nmのZnOを形成した。
【0030】更にこの上にプラズマCVD法によりn
層、i層、p層の順番に光電変換層6を形成する。条件
は、n層はパワー0.5W/cm2、圧力0.2Tor
r,ガス流量SiH4 100sccm,H2 300sc
cm,PH3 20sccm,i層はパワー0.4W/
cm2、圧力0.1Torr,ガス流量SiH4 150
sccm,H2 300sccm,p層は、パワー0.5
W/cm2、圧力0.2Torr,ガス流量SiH4
0sccm,H2 20sccm,B26 100scc
mで行った。基板温度はいずれも170℃であり、膜厚
は、n層では30nm,i層では400nm,p層では
10nmである。この成膜条件ではアモルファスシリコ
ンが形成されるが、微結晶シリコンの場合も同等の効果
が得られる。次に表面電極として、スパッタリング法に
より上部透光性透明導電膜層7としてITOを60nm
形成し、最後に櫛形集電極8としてAgを500nm蒸
着法により形成した。
【0031】図2は従来の方法で形成した光電変換素子
を比較例として示す概略断面図である。図2において、
光電変換素子19は、裏面金属電極層4が絶縁性樹脂フ
ィルム2の上に直接形成されている以外は、図1の実施
例の光電変換素子9と同様の構成であり、同様の方法で
形成された。なお、20は薄型太陽電池である。
【0032】図1に示す光電変換素子9を10サンプル
形成したが、剥離の発生はなかった。しかし図2の光電
変換素子19の10サンプルでは、光電変換層形成後に
樹脂フィルム2と裏面金属電極層4の間で3サンプルに
剥離が見られた。これにより図1の光電変換素子9にお
いて、Tiよりなる中間層3を形成することで密着性が
向上したことが分かる。
【0033】この太陽電池をソーラーシミュレーターに
よりAM―1.5,100mW/cm2の擬似太陽光を
照射し、短絡電流密度Jsc(mA/cm2)、開放電
圧Voc(V)、曲線因子F.F.,変換効率η(%)
の測定を行った。発電領域面積は1cm2である。得ら
れた結果を表2に示す。各数値は、実施例及び比較例共
に10サンプルを形成し、図1の構造では10サンプル
の平均値、図2の構造では剥離しなかった7サンプルの
平均値を示している。これにより、図1の構造の方が高
い変換効率を得られることがわかる。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂フィルムの上に、
直接裏面金属電極層を形成するのではなく、Ti系ある
いはSi系層を形成し、そのTi系あるいはSi系層の
上に裏面金属電極層を形成することによって、裏面金属
電極層の反射率を向上させると共に樹脂基層に対する裏
面金属電極層の密着性を向上させ、それによって、高い
変換効率と高い歩留まりとを得ることができる高品質の
光電変換素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光電変換素子の実施の形態を示
す、断面による模式図である。
【図2】図1の実施の形態に対する比較例を示す図1相
当図である。
【符号の説明】
1 金属基板 2 絶縁性樹脂フィルム 3 TiあるいはSi層よりなる中間層 4 裏面金属電極層 5 下部透明導電膜層 6 光電変換層 7 上部透明導電膜層 8 櫛形集電極 9 光電変換素子 10 サブストレート型薄型太陽電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 浩 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA04 AA05 CA16 CB12 CB14 CB15 FA03 FA06 FA14 FA18 FA19 FA23 GA06 GA16

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂フィルムあるいは樹脂フィルムが接
    着された金属基板上の樹脂フィルム上にTi系あるいは
    Si系層が形成されており、その上に裏面金属電極層、
    下部透明導電膜層、光電変換層、上部透明導電膜層が形
    成されていることを特徴とする光電変換素子。
  2. 【請求項2】 上記裏面金属電極層がAlであることを
    特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 【請求項3】 上記樹脂フィルムが、樹脂中にシリカ微
    粒子を分散させることにより樹脂表面に凹凸が形成され
    たことを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素
    子。
  4. 【請求項4】 上記樹脂フィルム表面の凹凸が中心面平
    均粗さRaで20〜50nm、あるいは表面粗さRma
    xでは200〜500nmの範囲であることを特徴とす
    る請求項3に記載の光電変換素子。
  5. 【請求項5】 上記Ti系あるいはSi系層が50〜3
    00nmの厚さであることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか一つに記載の光電変換素子。
  6. 【請求項6】 上記裏面金属電極層が300〜600n
    mであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つ
    に記載の光電変換素子。
  7. 【請求項7】 上記光電変換層がアモルファスシリコ
    ン、あるいは、微結晶シリコンであることを特徴とする
    請求項1〜6のいずれか一つに記載の光電変換素子。
  8. 【請求項8】 樹脂フィルムあるいは樹脂フィルムが接
    着された金属基板上の樹脂フィルム上に、順に裏面金属
    電極層、下部透明導電膜層、光電変換層及び上部透明導
    電膜層を備えた光電変換素子の上記樹脂フィルムの上に
    上記裏面金属電極層を形成するに際して、予め上記樹脂
    フィルムの上にTi系あるいはSi系層を形成し、次い
    で上記Ti系あるいはSi系層の上に上記裏面金属電極
    層を形成することを特徴とする光電変換素子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 上記Ti系あるいはSi系層、裏面金属
    電極層、下部透明導電膜層を連続して成膜することを特
    徴とする請求項8記載の光電変換素子の製造方法。
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