JP4235790B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法等を用いた画像形成装置に関し、潜像坦持体上に形成されたトナー可視像を転写材に静電的に転写する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置として、潜像坦持体である感光体ドラムや感光体ベルト等の感光体を画像形成装置の本体に回転可能に支持し、画像形成動作時には感光体における感光層に静電潜像を形成した後、この潜像をトナーによって可視像化し、次いでその可視像をコロナ転写、転写ローラを使用して転写材に直接転写する方式、また、転写ドラムまたは転写ベルト等の中間転写媒体を用いて可視像を一旦転写した後、転写材上に再転写する方式がある。
【0003】
このような方式は、モノクロ画像形成装置に使用されているが、更に、カラー画像形成装置にあっては、複数の感光体や現像機構を用い、転写ベルトや転写ドラム上の可視化像を紙等の転写材上に複数の色画像を順次重ね合わせて転写し、定着する方式が知られている。これらの方式において、ベルトを使用するものはタンデム方式、ドラムを使用するものは転写ドラム方式として分類されている。また、これとは別に中間転写媒体上に色画像を順次一次転写し、その一次転写画像を一括して紙等の転写材上に二次転写する中間転写方式も知られている。また、これらの各転写方式に使用されている感光体には、現像装置により現像されたトナーや転写後の転写残りトナーをクリーニングするためのクリーニング機構が取付けられている。
【0004】
これらの画像形成装置にあって、トナーとしては、一般には、現像剤と磁性キャリアとからなる二成分トナーが知られ、比較的安定した現像を可能とするが、現像剤と磁性キャリアとの混合比の変動が発生しやすく、その維持管理をする必要がある。そのため、一成分磁性トナーが開発されているものの、磁性材料の不透明性から鮮明なカラー画像を得られないという問題がある。他方、カラートナーとして一成分非磁性トナーが開発されているが、高品位の記録画像を得るためには、如何に均一帯電させるかが課題となっている。
【0005】
このような一成分非磁性トナーにおける課題の解決を目的として、例えば特開平3−62072号公報には、現像装置に設けられているトナー層厚規制部材として仕事関数が小さい金属材料を使用して、トナー層厚規制部材にトナー層厚を規制する機能の他にトナー層に積極的に摩擦帯電を生じさせる機能を持たせることにより、帯電を均一化させ、帯電量の不足に起因する現像濃度の局部的なバラツキを回避でき、記録画像の品位の劣化を防止でき、トナー層厚の均一化を可能とすることが記載されている。また、同様の技術として、特開平3−233477号公報には、現像剤搬送部材(現像ローラ)と、現像剤規制手段と現像剤の仕事関数をそれぞれWd、Wb、Wtとしたときに(Wd−Wt)×(Wb−Wt)>0の関係を有するものとすることにより、逆帯電や低帯電トナーを減少させることが開示されている。しかしながら、現像ローラ、トナー層厚規制部材、トナーの3者間の仕事関数の関係を上記の各公報記載のごとくに保ったとしても、トナー粒子は粒径分布を有するために、依然として、非画像部を現像する、所謂「カブリ」現象が依然として生じたり、また、転写効率にしても高めることができないという問題がある。
【0006】
カラー画像形成装置においては、近年、転写効率を向上させるために、粒径が小さく且つ均一で円形度が高いトナーを採用する傾向にあるが、このようなトナーを用いると粒径が小さいためにトナーの流動性が低下し、現像ローラやトナー層厚規制部材との摩擦帯電が困難となり、その結果、充分な電荷を付与することができず、負帯電用トナーとすると、誘起電荷により正に帯電したトナーを生じるという問題がある。
【0007】
特に、負帯電反転現像により作像する画像形成装置においては、トナーと感光体側の問題として、潜像担持体(感光体)の非画像部に正帯電したトナーが「カブリ」となって付着するため、実質的なトナーの消費量が増大すると同時に感光体のクリーニング負荷が増大するという問題を有している。この問題を解消するために、外添剤としてトナーに流動化剤を多量に添加すると、逆に定着性が低下するという問題が生じる。また、中間転写媒体を用いるカラー画像形成装置においては、感光体に正に帯電されたトナーが存在すると、中間転写媒体への転写効率が低下するという問題を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、潜像担持体(感光体)における潜像を負帯電トナーにより現像する画像形成装置において、現像時における感光体の非画像部におけるカブリが少なく、かつ、転写効率を向上させることができる画像形成装置の提供にある。
【0009】
本発明の第2の目的は、潜像坦持体における潜像を負帯電トナーにより現像する現像装置を用い、また、潜像坦持体上に現像された可視像を中間転写媒体に転写するにあたり、潜像担持体に付着する正帯電トナーの帯電量を低減させることにより、中間転写媒体への転写効率を増大させることができる画像形成装置の提供にある。
【0010】
本発明の第3の目的は、トナー消費量を抑制でき、クリーニングトナー量も減少する結果、低ランニングコストでクリーニング容器の容量も小さくできる画像形成装置の提供にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像形成装置は、潜像坦持体と、摩擦帯電を用いてトナーを負極性に帯電させる現像手段とを備え、前記トナーにより潜像担持体上の静電潜像を可視像化し、前記可視像を中間転写媒体に転写する画像形成装置において、前記トナーの仕事関数(Φt )を前記潜像坦持体表面の仕事関数(Φopc および前記中間転写媒体表面の仕事関数(Φ TM より大きくすると共に、前記トナーの仕事関数(Φ t )が5.4〜5.9eV、前記潜像坦持体表面の仕事関数(Φ opc )が5.2〜5.6eV、前記中間転写媒体表面の仕事関数(Φ TM )が4.9〜5.5eVであり、前記トナーの仕事関数(Φ t )と、前記潜像坦持体表面の仕事関数(Φ opc )または前記中間転写媒体表面の仕事関数(Φ TM )との差のいずれかが、少なくとも0.2eVあることを特徴とする。
【0017】
本発明の画像形成装置において、トナーの個数平均粒径が4〜10μmであることを特徴とする。
【0019】
本発明の画像形成装置において、潜像坦持体が負帯電される有機感光体であり、反転現像されるものであることを特徴とする。
【0020】
本発明の画像形成装置において、潜像担持体と現像手段とが接触状態で画像形成装置本体に回転可能に支持されると共に、前記現像手段の周速を潜像坦持体の周速の1.2〜2.5倍とすることを特徴とする。
【0021】
本発明の画像形成装置において、潜像担持体と現像手段とが非接触状態で画像形成装置本体に回転可能に支持されると共に、該潜像担持体に対する中間転写媒体の押圧荷重を20gf/cm〜60gf/cmとすることを特徴とする。
【0022】
本発明の画像形成装置において、現像手段が、現像ローラとトナー層厚規制部材を有し、現像ローラ上のトナー層厚が1.2〜3層に層規制されることを特徴とする。
【0023】
本発明の画像形成装置が、フルカラー画像形成装置であることを特徴とする。
【0024】
本発明の画像形成装置において、潜像坦持体と現像手段を一体化してプロセスカートリッジとし、画像形成装置本体に取り外し自在に支持することを特徴とする。
【0025】
本発明の画像形成装置において、中間転写媒体の周速を潜像担持体の周速の0.95〜1.05倍とすることを特徴とする。
【0026】
本発明の画像形成装置において、中間転写媒体がベルト方式であることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の画像形成装置における接触現像方式の一例を示し、また、図2は本発明の画像形成装置における非接触現像方式の一例を示す。図1、図2において、潜像担持体(有機感光体)1の周囲には、帯電手段2、露光手段3、現像手段4、中間転写媒体5およびクリーニング手段6が配設されている。なお、7はバックアップローラ、8はトナー供給ローラ、9はトナー規制ブレード(トナー層厚規制部材)、10は現像ローラ、Tは一成分非磁性トナーである。図2中、Lは現像ギャップである。
【0028】
本発明の画像形成装置にあっては、トナー、潜像担持体、中間転写媒体に関して、下記の測定方法により測定される仕事関数により評価する。仕事関数(Φ)は、その物質から電子を取り出すために必要なエネルギーとして知られており、仕事関数が小さいほど電子を出しやすく、大きい程電子を出しにくい。そのため、仕事関数の小さい物質と大きい物質を接触させると、仕事関数の小さい物質は正に、仕事関数の大きい物質は負に帯電する。仕事関数は下記の測定方法により測定されるものであり、その物質から電子を取り出すためのエネルギー(eV)として数値化され、種々の物質からなるトナーと画像形成装置における種々の部材との接触による帯電性を評価しうるものである。
【0029】
仕事関数(Φ)は、表面分析装置(理研計器(株)製AC−2、低エネルギー電子計数方式)を使用して測定される。本発明にあっては、該装置において、重水素ランプを使用し、金属メッキを施した現像ローラは照射光量10nWで、それ以外の測定では照射光量500nWに設定し、分光器により単色光を選択し、スポットサイズ4mm角とし、エネルギー走査範囲3.4〜6.2eV、測定時間10sec/1ポイントでサンプルに照射する。そして、サンプル表面から放出される光電子を検知し、仕事関数計ソフトを使用して演算処理され得られるもので、仕事関数に関しては、繰り返し精度(標準偏差)0.02eVで測定されるものである。なお、データ再現性を確保するための測定環境としては、使用温湿度25℃、55%RHの条件下で、24時間放置品を測定サンプルとする。
【0030】
サンプルトナーは、トナー専用測定セルは、図7(a)(b)に示すように、直径13mm、高さ5mmのステンレス製円盤の中央に直径10mmで深さ1mmのトナー収容用凹部を有する形状を有する。セルの凹部内にトナーを秤量サジを使用して突き固めないで入れた後、ナイフエッジを使用して表面を均して平らにした状態で測定に供する。トナーを充填した測定セルをサンプル台の規定位置上に固定した後、照射光量500nWに設定し、スポットサイズ4mm角とし、エネルギー走査範囲4.2〜6.2eVの条件で後述する図8(b)同様にして測定される。
【0031】
また、感光体や現像ローラ等の形状が円筒形状の画像形成装置部材をサンプルとする場合には、円筒形状の画像形成装置部材を1〜1.5cmの幅で切断し、ついで、稜線に沿って横方向に切断して図8(a)に示す形状の測定用試料片を得た後、サンプル台の規定位置上に、図8(b)に示すように、測定光が照射される方向に対して照射面が平滑になるように固定する。これにより、放出される光電子が検知器(光電子倍像管)により効率よく検知される。
【0032】
また、中間転写ベルト、規制ブレード、また、感光体がシート形状の場合は、測定光が上述のように、4mm角のスポットで照射されるので、試料片は少なくとも1cm角の大きさに切り欠いて図8(b)と同様にサンプル台に固定し、同様に測定される。
【0033】
この表面分析においては、単色光の励起エネルギーを低い方から高い方にスキャンするとあるエネルギー値(eV)から光量子放出が始まり、このエネルギー値を仕事関数(eV)という。図9に、本発明におけるトナー(4)について表面分析装置を使用して得られるチャートの1例を示す。図9は励起エネルギー(eV)を横軸とし、規格化光量子収率(単位光量子当りの光電子収率のn乗)を縦軸とするものであり、一定の傾き(Y/eV)が得られる。図9の場合、仕事関数は、その屈曲点(A)における励起エネルギー値(eV)で示される。
【0034】
本発明の画像形成装置においては、上記の方法で測定されるトナーの仕事関数(Φt )を潜像坦持体(感光体)表面の仕事関数(Φopc )より大きいものとする。トナーの仕事関数(Φt )としては5.4〜5.9eV、好ましくは5.45〜5.85eVとするとよい。トナーの仕事関数が5.4eV未満であると、使用できる潜像担持体や中間転写媒体の使用範囲が狭まるという問題があり、また、5.9eVを超えるとトナー中の着色顔料の含有量が低下することを意味し、着色性が低下するという問題がある。
【0035】
また、潜像坦持体(感光体)表面の仕事関数(Φopc )としては5.2〜5.6eV、好ましくは5.25〜5.5eVとするとよく、5.2eV未満であると、使用可能な電荷輸送剤の選択が困難になるという問題があり、また、5.6eVを超えると使用可能な電荷発生剤の選択が困難になるという問題がある。
【0036】
また、トナーの仕事関数(Φt )は潜像坦持体(感光体)表面の仕事関数(Φopc )より少なくとも0.2eV、好ましくは0.25eV以上大きいものとするとよく、潜像担持体との接触により負帯電トナーへの帯電性に優れるものとできる。
【0037】
一般に、トナー粒子は粒度分布を有するため、現像ローラやトナー層厚規制部材との接触により大粒径のトナー粒子は帯電させられるものの、小粒径の現像剤粒子は現像ローラやトナー層厚規制部材と接触しない状態のままで規制後のトナー層中に混在されるものと考えられる。そのため、接触帯電されない小粒径の現像剤粒子は、接触帯電された負帯電トナーによる誘電分極作用等により逆帯電トナーとなり、正帯電トナーを含んだ状態で潜像坦持体への現像部に到達し、非画像部である領域に付着し、カブリを生じる原因となるものと考えられる。
【0038】
本発明の画像形成装置においては、トナー規制部材により接触帯電されない小粒径の正帯電トナー粒子を、感光体との接触によりトナーを負帯電化することができるので、負帯電された非画像領域に付着することがなく、カブリを低減できるものと考えられる。また、後述するように、転写電圧が同じであるとしても転写効率が向上し、高画質の画像が得られるものと考えられる。また、規制ブレード、現像ローラにおけるそれぞれの仕事関数と、トナーの仕事関数との関係に関しても、格別の制限はないが、好ましくは規制ブレード、現像ローラにおけるそれぞれの仕事関数をトナーの仕事関数より小さいものとしておくとよく、逆帯電トナーの発生をより防止できる。
【0039】
以下、本発明の画像形成装置について、一成分現像方式の場合を中心に説明するが、二成分現像方式としても適用可能である。なお、本明細書において、数値範囲の記載として、例えば「20〜60μm」と記載する場合には「20μm〜60μm」のごとく同一単位を省略するものであり、他の単位における場合も同様である。
【0040】
潜像担持体(有機感光体)としては、有機単層型でも有機積層型でもよく、有機積層型感光体としては、導電性支持体上に、下引き層を介して電荷発生層、電荷輸送層を順次積層したものである。
【0041】
導電性支持体としては、公知の導電性支持体が使用可能であり、例えば体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム合金に切削等の加工を施した20mm〜90mmφの管状支持体、また、ポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムを蒸着あるいは導電性塗料により導電性を付与したものや導電性ポリイミド樹脂を成形してなる20mm〜90mmφの管状、ベルト状、板状、シート状支持体等が例示される。他の例としてはニッケル電鋳管やステンレス管などをシームレスにした金属ベルトも好適に使用することができる。
【0042】
導電性支持体上に設けられる下引き層としては、公知の下引き層が使用可能である。例えば、下引き層は接着性を向上させ、モワレを防止し、上層の電荷発生層の塗工性を改良、露光時の残留電位を低減させるなどの目的で設けられる。下引き層に使用する樹脂はその上に感光層を塗工する関係上、感光層に使用する溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。使用可溶な樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、酢酸ビニル、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等であり、単独または2種以上の組み合わせで使用することができる。また、これらの樹脂に二酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物を含有させてもよい。
【0043】
電荷発生層における電荷発生顔料としては、公知の材料が使用可能である。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタンおよびトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノンおよびナフトキノン系顔料、シアニンおよびアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生顔料は、単独または2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0044】
電荷発生層におけるバインダー樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。バインダー樹脂と前記電荷発生物質の構成比は、重量比でバインダー樹脂100部に対して、10〜1000部の範囲で用いられる。
【0045】
電荷輸送層を構成する電荷輸送物質としては公知の材料が使用可能であり、電子輸送物質と正孔輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、パラジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0046】
正孔輸送物質としては、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、イミダゾール化合物、トリフェニルアミン化合物、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、フェナジン化合物、ベンゾフラン化合物、ブタジエン化合物、ベンジジン化合物およびこれらの化合物の誘導体が挙げられる。これらの電子供与性物質は単独または2種以上の組み合わせで使用することができる。電荷輸送層中には、これらの物質の劣化防止のために酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤などを含有することもできる。
【0047】
電荷輸送層におけるバインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹脂などを用いることができるが、電荷輸送物質との相溶性、膜強度、溶解性、塗料としての安定性の点でポリカーボネートが好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質の構成比は、重量比でバインダー樹脂100部に対して25〜300部の範囲で用いられる。
【0048】
電荷発生層、電荷輸送層を形成するためには、塗布液を使用するとよく、溶剤はバインダー樹脂の種類によって異なるが、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル類等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエチレン、四塩化炭素、トリクロルエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン等の芳香族類等を用いることができる。
【0049】
また、電荷発生顔料の分散には、サンドミル、ボールミル、アトライター、遊星式ミル等の機械式の方法を用いて分散と混合を行うとよい。
【0050】
下引き層、電荷発生層および電荷輸送層の塗工法としては、浸漬コーティング法、リングコーティング法、スプレーコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スピンコーティング、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアナイフコーティング法等の方法を用いる。また、塗工後の乾燥は常温乾燥後、30〜200℃の温度で30から120分間加熱乾燥することが好ましい。これらの乾燥後の膜厚は電荷発生層では、0.05〜10μmの範囲、好ましくは0.1〜3μmである。また、電荷輸送層では5〜50μmの範囲、好ましくは10〜40μmである。
【0051】
また、単層有機感光体層は、上述した有機積層型感光体において説明した導電性支持体上に、同様の下引き層を介して、電荷発生剤、電荷輸送剤、増感剤等とバインダー、溶媒等からなる単層有機感光層を塗布形成することにより作製される。有機負帯電単層型感光体については、例えば特開2000−19746号公報に準じて作製するとよい。
【0052】
単層有機感光層における電荷発生剤としてはフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、キノシアトン系顔料、インジゴ系顔料、ビスベンゾイミダゾール系顔料、キナクリドン系顔料が挙げられ、好ましくはフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料である。電荷輸送剤としてはヒドラゾン系、スチルベン系、フェニルアミン系、アリールアミン系、ジフェニルブタジエン系、オキサゾール系等の有機正孔輸送化合物が例示され、また、増感剤としては各種の電子吸引性有機化合物であって電子輸送剤としても知られているパラジフェノキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、クロラニル等が例示される。バインダーとしてはポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂が例示される。
【0053】
各成分の組成比は、バインダー40〜75重量%、電荷発生剤0.5〜20重量%、電荷輸送剤10〜50重量%、増感剤0.5〜30重量%であり、好ましくはバインダー45〜65重量%、電荷発生剤1〜20重量%、電荷輸送剤20〜40重量%、増感剤2〜25重量%である。溶剤としては、下引き層に対して、溶解性を有しない溶媒が好ましく、トルエン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等が例示される。
【0054】
各成分は、ホモミキサー、ボールミル、サンドミル、アトライター、ペイントコンディショナー等の攪拌装置で粉砕・分散混合され、塗布液とされる。塗布液は、下引き層上にディップコート、リングコート、スプレーコート等により乾燥後の膜厚15〜40μm、好ましくは20〜35μmで塗布され、単層有機感光体層とされる。
【0055】
次に、一成分非磁性トナーとしては、粉砕法および重合法により得られるトナーのいずれでもよい。粉砕法トナーとしては、樹脂バインダーに顔料、離型剤、荷電制御剤をヘンシェルミキサーで均一混合した後、2軸押し出し機で熔融・混練され、冷却後、粗粉砕−微粉砕工程を経て、分級処理され、さらに、流動性改良剤が外添されてトナーとされる。
【0056】
バインダー樹脂としては、公知のトナー用樹脂が使用可能であり、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、シリコーン変成エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂等が単独又は混合して使用できる。特に本発明においては、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル系樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。バインダー樹脂としてはガラス転移温度が50〜75℃、フロー軟化温度が100〜150℃の範囲のものが好ましい。
【0057】
着色剤としては、公知のトナー用着色剤が使用可能である。例えば、カーボンブラック、ランプブラック、マグネタイト、チタンブラック、クロムイエロー、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレーキ、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の染料および顔料を単独あるいは混合して使用できる。
【0058】
離型剤としては、公知のトナー用離型剤が使用可能である。例えば、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等が挙げられる。中でもポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、エステルワックス等を使用することが好ましい。
【0059】
荷電調整剤としては、公知のトナー用荷電調整剤が使用可能である。例えば、オイルブラック、オイルブラックBY、ボントロンS−22(オリエント化学工業(株)製)、ボントロンS−34(オリエント化学工業(株)製)、サリチル酸金属錯体E−81(オリエント化学工業(株)製)、チオインジゴ系顔料、銅フタロシアニンのスルホニルアミン誘導体、スピロンブラックTRH(保土ヶ谷化学工業(株)製)、カリックスアレン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩系化合物、モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシルカルボン酸系金属錯体、芳香族ジカルボン酸系金属錯体、多糖類等が挙げられる。中でもカラートナー用には無色ないしは白色のものが好ましい。
【0060】
粉砕法トナーにおける成分比(重量)としては、バインダー樹脂100部に対して、着色剤は0.5〜15部、好ましくは1〜10部であり、また、離型剤は1〜10部、好ましくは2.5〜8部であり、また、荷電制御剤は0.1〜7部、好ましくは0.5〜5部である。
【0061】
本発明の粉砕法トナーにあっては、転写効率の向上を目的として、球形化処理されるとよく、そのためには、粉砕工程で、トナーを比較的丸い球状に粉砕することが可能な装置、例えば機械式粉砕機として知られるターボミル(川崎重工(株)製)を使用すれば円形度は0.94まで可能である。または、粉砕したトナーを市販の熱風球形化装置サーフュージングシステムSFS−3型(日本ニューマチック工業(株)製)により処理すれば円形度は1.00まで可能である。
【0062】
また、重合法トナーとしては、懸濁重合法、乳化重合法等がある。懸濁重合法においては、重合性単量体に着色顔料、離型剤、必要により染料、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤を溶解又は分散させた単量体組成物を、懸濁安定剤(水溶性高分子、難水溶性無機物質)を含む水相中に攪拌しながら添加して重合、造粒し、所望の粒子サイズを有する重合トナー粒子を形成することがてきる。
【0063】
乳化重合法においては、単量体、離型剤、必要により重合開始剤、乳化剤(界面活性剤)等を水中に分散させて重合させ、次いで凝集過程で着色剤、荷電制御剤と凝集剤(電解質)等を添加することによって所望の粒子サイズを有する重合トナー粒子を形成することができる。
【0064】
重合法トナー作製に用いられる材料において、着色剤、離型剤、荷電制御剤、流動性改良剤に関しては、上記の粉砕トナーと同様の材料が使用できる。
【0065】
重合性単量体としては、公知のビニル系モノマが使用可能であり、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、エチレングリコール、プロピレングリコール、無水マレイン酸、無水フタル酸、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、プロピレン酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルナフタレン等が挙げられる。なお、フッ素含有モノマーとしては、例えば2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、フッ化ビニリデン、三フッ化エチレン、四フッ化エチレン、トリフルオロプロピレンなどはフッ素原子が負荷電制御に有効であるので使用が可能である。
【0066】
乳化剤(界面活性剤)としては公知のものが使用可能である。例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル等がある。
【0067】
重合開始剤としては、公知のものが使用可能である。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、4,4’−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル等がある。
【0068】
凝集剤(電解質)としては、公知のものが使用可能である。例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸鉄等が挙げられる。
【0069】
重合法トナーの円形度の調節法としては、乳化重合法は2次粒子の凝集過程で温度と時間を制御することで、円形度を自由に変えることができ、その範囲は0.94〜1.00である。また、懸濁重合法では、真球のトナーが可能であるため、円形度は0.98〜1.00の範囲となる。また、円形度を調節するためにトナーのTg温度以上で加熱変形させることで、円形度を0.94〜0.98まで自由に調節することが可能となる。
【0070】
重合法トナーは上記の方法以外でも分散重合法で作ることができ、例えば特開平63−304002号公報で作製できる。この場合には形状が真球に近い形となるため、形状を制御するには、例えばトナーのTg温度以上で加圧し、所望のトナー形状にすることができる。
【0071】
本発明における粉砕トナー、重合法トナーのいずれにあっても、ガラス転移温度が50〜100℃、好ましくは55〜90℃、フロー軟化温度が70〜130℃、好ましくは75〜120℃とするとよい。
【0072】
また、粉砕トナー、重合トナーのいずれにあっても、トナーの個数平均粒径が4〜10μmとするとよいが、粉砕トナーにあっては、個数平均粒径(D50)が5μm〜10μm、好ましくは6μm〜9μmであり、個数基準で3μm以下が20%以下、好ましくは10%以下のものである。また、重合法トナーにあっては、個数平均粒径(D50)が4〜9μm、好ましくは4.5〜8μmであり、個数基準で3μm以下が5%以下であり、好ましくは3%以下の粒径分布を有するものである。
【0073】
また、粉砕トナー、重合法トナーのいずれにあっても、円形度(球状化係数)は0.91以上とするとよく、転写効率を向上させることができるが、円形度が0.91〜0.94であると正帯電トナーが生じるので、望ましくは、0.95以上である。円形度は0.97まではクリーニングブレードにより、それ以上ではブラシクリーニングを併用するとよい。
【0074】
流動性改良剤としては、公知の無機および有機のトナー用流動性改良剤が使用可能である。例えば、シリカ、二酸化チタン、アルミナ、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム、マグネタイト、二硫化モリブデン、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、チタン酸金属塩、ケイ素金属塩の各微粒子を使用することができる。
【0075】
これらの微粒子はシランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で疎水化処理して使用することが好ましい。その他の樹脂微粒子の例としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。流動性改良剤は単独あるいは混合して使用でき、その使用量はトナーに対して0.1〜5重量%、より好ましくは0.5〜4.0重量%であることが好ましい。
【0076】
トナー粒子に外添される流動性改良剤粒子としては、一次粒子の平均粒径(D50)が5〜150nm、好ましくは7〜100nmであり、BET法による比表面積が2〜500m2 /g、好ましくは5〜400m2 /gである微粒子を使用するとよい。
【0077】
なお、本発明におけるトナー粒子における個数平均粒径と円形度は、シスメックス株式会社製のFPIA2100で測定する値であり、また、流動性改良剤粒子の粒径は電子顕微鏡法によるものである。
【0078】
図1は、本発明の画像形成装置における接触現像方式の一例を示すものである。有機感光体1は直径24〜86mmで表面速度60〜300mm/sで回転する感光体ドラムで、コロナ帯電器2によりその表面が均一に負帯電された後、記録すべき情報に応じた露光3が行なわれることにより静電潜像が形成される。
【0079】
現像ローラ10からなる現像装置は、一成分現像装置であり、有機感光体上に上述した一成分非磁性トナーTを供給することで有機感光体における静電潜像を反転現像し、可視像化するものである。現像装置には、一成分非磁性トナーTが収納されており、図示のごとく反時計方向で回転する供給ローラ8によりトナーを現像ローラに供給する。現像ローラ10は図示のごとく反時計方向に回転し、供給ローラ8により搬送されたトナーTをその表面に吸着した状態で有機感光体との接触部に搬送し、有機感光体1上の静電潜像を可視像化する。
【0080】
現像ローラ10は、例えば直径16〜24mmの金属製のパイプの表面をメッキやブラスト処理したローラ、あるいは中心軸周面にNBR、SBR、EPDM、ウレタンゴム、シリコンゴム等からなる体積抵抗値104 〜108 Ω・cm、硬度が40〜70°(アスカーA硬度)の導電性弾性体層が形成されたものが使用できる。現像ローラのパイプのシャフトや中心軸を介して現像バイアス電圧が印加される。また、現像ローラ、供給ローラ、トナー規制ブレード9からなる現像装置全体は、図示しないスプリング等の付勢手段により有機感光体1に押圧荷重20〜100gf/cm、好ましくは25〜70gf/cmで、ニップが幅1〜3mmとなるように圧接されるとよい。なお、押圧荷重は、現像ローラ10を有機感光体1に圧接した状態で、ニップ幅に直交する方向での圧接幅単位長当りの押圧荷重である。以下、同様である。
【0081】
規制ブレード9としてはSUS、リン青銅、ゴム板、金属薄板にゴムチップの貼り合わせたもの等が使用され、そのトナー接触面における仕事関数としては、4.8〜5.4eVとするとよく、トナーの仕事関数より小さいものとするとよい。規制ブレードは、現像ローラに対して図示しないスプリング等の付勢手段により、あるいは弾性体としての反発力を利用して線圧25〜50gf/cmで押圧され、現像ローラ上のトナー層厚を10〜30μm、好ましくは13〜25μm、トナー粒子の積層形態としては1.2〜3層、好ましくは1.5〜2.5層とされるとよい。なお、現像ローラ上のトナー層厚を2層以上(トナー搬送量0.5mg/cm2 )に規制すると、トナー粒子の中で小粒径のトナーはトナー層規制部材と接触しない状態で通過し、正帯電トナー化し、規制後のトナー層中に混在しやすくなる。また、規制ブレード9に電圧を印加してブレードに接触するトナーへ電荷注入してトナー帯電量を制御してもよい。
【0082】
接触現像方式にあっては、感光体の暗電位としては−500〜−700V、明電位としては−50〜−150V、図示していないが現像バイアスとしては−100〜−400Vとするとよく、現像ローラと供給ローラとは同電位とするとよい。また、反時計方向に回転する現像ローラの周速を、時計方向に回転する有機感光体に対して1.2〜2.5、好ましくは1.5〜2.2の周速比とするとよい。これにより、小粒径のトナー粒子であっても、有機感光体との接触摩擦帯電を確実にできる。
【0083】
次に、図2は、非接触現像方式の一例を示すものである。この方式にあっては、現像ローラ10と感光体1とを現像ギャップLを介して対向させるものである。現像ギャップとしては100〜350μmとするとよい。また、図示しないが直流電圧(DC)の現像バイアスとしては−200〜−500Vであり、これに重畳する交流電圧(AC)としては1.5〜3.5kHz、P−P電圧1000〜1800Vの条件とするとよい。また、反時計方向に回転する現像ローラの周速としては、時計方向に回転する有機感光体に対して1.0〜2.5、好ましくは1.2〜2.2の周速比とするとよい。
【0084】
現像ローラ10は図示のごとく反時計方向に回転し、供給ローラ8により搬送されたトナーTをその表面に吸着した状態で有機感光体との対向部にトナーTを搬送する。そして、有機感光体と現像ローラとの対向部において、交流電圧を重畳して電圧印加することにより、トナーTは現像ローラ表面と有機感光体表面との間で振動することにより現像されるが、トナー粒子と感光体とは、現像ローラ表面と有機感光体表面との間でトナー8が振動する間に接触し、正帯電トナーが負帯電化するものと考えられる。
【0085】
次に、図1、図2の画像形成装置において、転写媒体5が紙、OHPシート等の転写材である場合について説明する。転写材は、有機感光体1とバックアップローラ(転写ローラ)7との間に送られる。転写ローラは、転写材を感光体に圧接させると共にトナーとは逆極性の電圧が印加される。
【0086】
転写ローラは、直径10〜20mmの金属シャフトの周表面に弾性層、導電層、抵抗性表面層の順で積層した構造を有する。抵抗性表面層はフッ素樹脂、ポリビニルブチラール等の樹脂、ポリウレタン等のゴムに導電性カーボン等の導電性微粒子を分散させた可撓性に優れた抵抗性シートを使用することができ、表面が平滑であることが好ましく、体積抵抗値107 〜1011Ω・cm、好ましくは108 〜1010Ω・cmのものであり、膜厚は0.02〜2mmである。
【0087】
導電層としては、ポリエステル樹脂等に導電性カーボン等の導電性微粒子を分散させた導電性樹脂、金属シート、また、導電性接着剤から選ばれるとよく、体積抵抗値が105 Ω・cm以下のものである。弾性層は、転写ローラが有機感光体に圧接して用いられる際にその圧接時に柔軟に変形し、圧接開放時にはすみやかに原形に復帰することが必要であり、発泡ゴムスポンジ等の弾性体を用いて形成される。発泡構造としては、連続発泡(通泡)構造、独立気泡構造のいずれてもよく、ゴム硬度(アスカーC硬度)30〜80のものとするとよく、膜厚は1〜5mmである。転写ローラの弾性変形により、有機感光体と転写材は幅広いニップ幅で密着させることができる。
【0088】
図1に示す接触現像方式の場合には、転写ローラによる転写材の有機感光体への押圧荷重としては20〜40gf/cm、ニップは幅1〜8mmとするとよく、有機感光体と現像ローラとの接触により小粒径トナー含め殆ど負帯電トナーとできる。また、転写ローラには、トナーの帯電電圧とは逆極性の+200〜+600Vの転写電圧が印加されるとよい。
【0089】
図2に示す非接触現像方式を採用する場合には、転写ローラによる転写材の有機感光体への押圧荷重は、接触現像方式に比して3割程度高くし、25〜60gf/cm、好ましくは35〜50gf/cmとするとよい。これにより、トナー粒子と有機感光体との接触を確実なものとでき、トナー粒子をより負帯電化して転写効率を向上できるものと考えられる。
【0090】
図1、図2に示す画像形成装置において、有機感光体から転写材へトナーが転写された後、有機感光体上に残留するトナーは、クリーニングブレード4によりクリーニングされると共に、感光体上の静電荷は消去ランプにより消去され、有機感光体は再使用に供せられる。本発明の画像形成装置にあっては逆帯電トナーを抑制できるので、有機感光体上に残留するトナー量を少なくでき、クリーニングトナー容器を小さくできる。
【0091】
次に、図1、2において、転写媒体5が中間転写媒体である場合について説明する。
【0092】
本発明の画像形成装置において、転写媒体5が中間転写媒体である場合には、トナーの仕事関数(Φt )を前記中間転写媒体表面の仕事関数(ΦTM)より大きくするとよい。トナーの仕事関数(Φt )としては、上述したように、5.4〜5.9eV、好ましくは5.45〜5.85eVとするとよいが、これに対して、中間転写媒体表面の仕事関数(ΦTM)としては、4.9〜5.5eV、好ましくは4.95〜5.45eVとするとよい。中間転写媒体表面の仕事関数(ΦTM)が5.5eVより大きいと、トナーとしての材料設計が困難となるので好ましくなく、また、4.9eVより小さいと中間転写媒体中の導電剤の量が多くなりすぎ、中間転写媒体の機械的強度が低下するという問題がある。
【0093】
また、トナーの仕事関数(Φt )と中間転写媒体表面の仕事関数(ΦTM)との差が、少なくとも0.2eV、好ましくは0.25eV以上大きいものとするとよく、潜像担持体の画像部に負帯電トナーと共に付着している正帯電トナーを負帯電トナー化させることができ、潜像担持体から中間転写媒体への転写効率を高めることができる。この画像形成装置は、特に、非接触現像方式の場合に有効である。
【0094】
また、本発明の画像形成装置において、潜像担持体表面の仕事関数(ΦOPC)、トナーの仕事関数(Φt )、中間転写媒体表面の仕事関数(ΦTM)が Φt >ΦOPC>ΦTM の関係を満足するものとするとよい。
【0095】
潜像担持体表面の仕事関数(ΦOPC)、トナーの仕事関数(Φt )、中間転写媒体表面の仕事関数(ΦTM)のそれぞれの仕事関数の差が、少なくとも0.2eV、好ましくは0.25eV以上大きいものとするとよい。これにより、トナーと潜像担持体との接触、また、潜像担持体上におけるトナーと中間転写媒体との接触のいずれにおいてもトナーをより負帯電化できるので、転写効率をより高めることができ、最も好ましい。
【0096】
中間転写媒体としては転写ドラムや転写ベルトが例示される。まず、転写ベルト方式の転写媒体は2種類の基体を用いるタイプに分けることができる。1つは樹脂からなるフィルムやシームレスベルト上に表層である転写層を設けるものであり、他方は弾性体の基層上に表層である転写層を設けるものである。
【0097】
また、ドラム方式の転写媒体も2種類の基体を用いるタイプに分けることができる。1つは感光体が剛性のあるドラム、例えばアルミ製のドラム上に有機感光層を設けた場合には、転写媒体としてはアルミ等の剛性のあるドラム基体上に弾性の表層である転写層を設けるものである。また、感光体の支持体がベルト状、あるいはゴム等の弾性支持体上に感光層を設けた所謂「弾性感光体」である場合には、転写媒体としてはアルミ等の剛性のあるドラム基体上に直接あるいは導電性中間層を介して表層である転写層を設けるとよい。
【0098】
基体としては、公知の導電性あるいは絶縁性基体が使用可能である。転写ベルトの場合には、体積抵抗104 〜1012Ω・cm、好ましくは106 〜1011Ω・cmの範囲が好ましい。使用する基体により次の2種類に分けることができる。
【0099】
フィルムおよびシームレスに適する材質と作製方法としては、変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、ポリカーボネート、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに、導電性カーボンブラック、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、導電性シリカ等の導電材料を分散した厚さ50〜500μmの半導電性フィルム基体を押し出し、成形でシームレス基体とする。そして、その外側にさらに表面エネルギーを下げ、トナーのフィルミングを防止する表面保護層として厚さ5〜50μmのフッ素コーティングを行ったシームレスベルトが挙げられる。塗工方法としては、浸漬コーティング法、リングコーティング法、スプレーコーティング法その他の方法を用いることができる。なお、転写ベルトの両端部には転写ベルトの端部で亀裂や伸びおよび蛇行防止のために、膜厚80μmのPETフイルム等のテープやウレタンゴム等のリブを貼り付けて使用する。
【0100】
フィルムシートで基体を作製する場合には、ベルト状とするために端面を超音波溶着を行うことで、ベルトを作製することがてきる。具体的にはシートフィルム上に導電性層並びに表面層を設けてから、超音波溶着を行うことにより所望の物性を有する転写ベルトを作製することができる。より、具体的には、基体として厚さ60〜150μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを絶縁性基体として用いた場合には、その表面にアルミ等を蒸着し、必要によりさらにカーボンブラック等の導電材料と樹脂からなる中間導電性層を塗工し、その上にそれより高い表面抵抗を有するウレタン樹脂、フッ素樹脂、導電材料、フッ素系微粒子からなる半導電性表面層を設けて転写ベルトとすることができる。塗工後の乾燥時に熱をさほど必要としない抵抗層を設けることができる場合には、先にアルミ蒸着フィルムを超音波溶着させてから上記の抵抗層を設け、転写ベルトとすることも可能である。
【0101】
ゴム等の弾性基体に適する材質と作製方法としては、シリコンゴム、ウレタンゴム、NBR(ニトリルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等に上記の導電材料を分散した厚さ0.8〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを押し出し成形で作製後、表面をサンドペーパーやポリシャー等の研磨材により所望の表面粗さに制御する。このときの弾性層をこのままで使用してもよいが、さらに上記と同じようにして表面保護層を設けることができる。
【0102】
転写ドラムの場合には、体積抵抗104 〜1012Ω・cm、好ましくは107 〜1011Ω・cmの範囲が好ましい。転写ドラムはアルミ等の金属円筒上に必要により弾性体の導電性中間層を設けて導電性弾性基体とし、さらにその上に表面エネルギーを下げ、トナーのフィルミングを防止する表面保護層として半導電性の厚さ5〜50μmの、例えばフッ素コーティングを行い作製することができる。
【0103】
導電性弾性基体としては、例えばシリコンゴム、ウレタンゴム、NBR(ニトリルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴム等のゴム材料に、カーボンブラック、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、導電性シリカ等の導電材料を配合、混練、分散した導電性ゴム素材を、直径が90〜180mmのアルミ円筒に密着成形して、研磨後の厚さが0.8〜6mmで、体積抵抗が104 〜1010Ω・cmとするとよい。
【0104】
次いでウレタン樹脂、フッ素樹脂、導電材料、フッ素系微粒子からなる半導電性の表面層を膜厚約15〜40μm設けて、所望の体積抵抗107 〜1011Ω・cmを有する転写ドラムとすることができる。このときの表面粗さは1μmRa以下が好ましい。また、別の例としては上記のように作製した導電性弾性基体の上にフッ素樹脂等の半導電性のチューブを被せて、加熱により収縮させて所望の表面層と電気抵抗を有する転写ドラムを作製することも可能である。
【0105】
転写ドラムや転写ベルトにおける導電性層には、一次転写電圧として+250〜+600Vの電圧が印加され、また、紙等の転写材への二次転写に際しては、二次転写電圧として+400〜+2800Vの電圧が印加されるとよい。
【0106】
図1、図2で示す現像プロセスをイエローY、シアンC、マゼンタM、ブラックKからなる4色のトナー(現像剤)による現像器と感光体を組み合わせればフルカラー画像を形成することのできる装置となる。図3にロータリー方式のフルカラープリンターの一例を、また、図4にタンデム方式の一例を示す。
【0107】
図3において、100は像担持体ユニットが組み込まれた像担持体カートリッジである。この例では、感光体カートリッジとして構成されていて、感光体と現像部ユニットが個別に装着できるようになっており、本発明の相対関係にある仕事関数を有する負帯電用電子写真感光体(潜像担持体)140が図示しない適宜の駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動される。感光体140の周りにはその回転方向に沿って、帯電手段として帯電ローラ160、現像手段としての現像器10(Y、M、C、K)、中間転写装置30、およびクリーニング手段170が配置される。
【0108】
帯電ローラ160は、感光体140の外周面に当接してその外周面を一様に帯電させる。一様に帯電した感光体140の外周面には露光ユニット40によって所望の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、この露光L1によって感光体140上に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器10によって現像剤が付与されて現像される。
【0109】
現像器としてイエロー用の現像器10Y、マゼンタ用の現像器10M、シアン用の現像器10C、およびブラック用の現像器10Kが設けられている。これら現像器10Y、10C、10M、10Kはそれぞれ揺動可能に構成されており、選択的に一つの現像器の現像ローラ(現像剤担持体)11のみが感光体140に圧接し得るようになっている。これらの現像器10は、感光体における仕事関数と相対関係にある仕事関数を有する負帯電トナーを現像ローラ上に保持しているものであり、これらの現像器10はイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKのうちのいずれかのトナーを感光体140の表面に付与して感光体140上の静電潜像を現像する。現像ローラ11は硬質のローラ、例えば表面を粗面化した金属ローラで構成されている。現像されたトナー像は、中間転写装置30の中間転写ベルト36上に転写される。クリーニング手段170は、上記転写後に感光体140の外周面に付着しているトナーTを掻き落とすクリーナブレードと、このクリーナブレードによって掻き落とされたトナーを受けるクリーニングトナー回収部とを備えている。
【0110】
中間転写装置30は、駆動ローラ31と、4本の従動ローラ32、33、34、35と、これら各ローラの周りに張架された無端状の中間転写ベルト36とを有している。駆動ローラ31は、その端部に固定された図示しない歯車が感光体140の駆動用歯車とかみ合っていることによって感光体140と略同一の周速で回転駆動され、したがって中間転写ベルト36が感光体140と略同一の周速で図示矢印方向に循環駆動されるようになっている。
【0111】
従動ローラ35は駆動ローラ31との間で中間転写ベルト36がそれ自身の張力によって感光体140に圧接される位置に配置されており、感光体140と中間転写ベルト36との圧接部において、一次転写部T1が形成されている。従動ローラ35は、中間転写ベルトの循環方向上流側において一次転写部T1の近くに配置されている。
【0112】
駆動ローラ31には中間転写ベルト36を介して図示しない電極ローラが配置されており、この電極ローラを介して中間転写ベルト36の導電性層に一次転写電圧が印加される。従動ローラ32は、テンションローラであり、図示しない付勢手段によって中間転写ベルト36をその張り方向に付勢している。従動ローラ33は二次転写部T2を形成するバックアップローラである。このバックアップローラ33には中間転写ベルト36を介して二次転写ローラ38が対向配置されている。二次転写ローラには二次転写電圧が印加され、図示しない剥離機構により中間転写ベルト36に対して接離可能になっている。従動ローラ34はベルトクリーナ39のためのバックアップローラである。ベルトクリーナ39は図示しない接離機構により中間転写ベルト36に対して接離可能になっている。
【0113】
中間転写ベルト36は、導電層と、この導電層上に形成され、感光体140に圧接される抵抗層とを有する複層ベルトで構成されている。導電層は合成樹脂からなる絶縁性基体の上に形成されており、この導電層に前述した電極ローラを介して一次転写電圧が印加される。なお、ベルト側縁部において、抵抗層が帯状に除去されることによって導電層が帯状に露出し、この露出部に電極ローラが接触するようになっている。
【0114】
中間転写ベルト36が循環駆動される過程で、一次転写部T1において、感光体体140上のトナー像が中間転写ベルト36上に転写され、中間転写ベルト36上に転写されたトナー像は、二次転写部T2において、二次転写ローラ38との間に供給される用紙等のシート(記録材)Sに転写される。シートSは、給紙装置502から給送され、ゲートローラ対Gによって所定のタイミングで二次転写部T2に供給される。51は給紙カセット、52はピックアップローラである。
【0115】
定着装置60でトナー像が定着され、排紙経路70を通って装置本体のケース80上に形成されたシート受け部81上に排出される。なお、この画像形成装置は、排紙経路70として互いに独立した2つの排紙経路71、72を有しており、定着装置60を通ったシートはいずれかの排紙経路71又は72を通って排出される。また、この排紙経路71、72はスイッチバック経路をも構成しており、シートの両側に画像を形成する場合には排紙経路71又は72に一旦進入したシートが、返送ローラ73を通って再び二次転写部T2に向けて給紙されるようになっている。
【0116】
以上のような画像形成装置全体の作動の概要は次の通りである。
(1) 図示しないホストコンピュータ等(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が画像形成装置の制御部90に入力されると、感光体140、現像器10の各ローラ11、および中間転写ベルト36が回転駆動される。
(2) 感光体140の外周面が帯電ローラ160によって一様に帯電される。
(3) 一様に帯電した感光体140の外周面に、露光ユニット40によって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、イエロー用の静電潜像が形成される。
(4) 感光体140には、第1色目の例えばイエロー用の現像器10Yの現像ローラのみが接触し、これによって上記静電潜像が現像され、第1色目のイエローのトナー像が感光体140上に形成される。
(5) 中間転写ベルト36には、上記トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体140上に形成されたトナー像が一次転写部T1において中間転写ベルト36上に転写される。このとき、二次転写ローラ38およびベルトクリーナ39は中間転写ベルト36から離間している。
(6) 感光体140上に残留しているトナーがクリーニング手段170によって除去された後、除去手段41から徐電光L2によって感光体140が除電される。
(7) 上記(2)〜(6)の動作に必要に応じて繰り返される。すなわち、上記印字指令信号に応じて第2色目、第3色目、第4色目と繰り返され、上記印字指令信号の内容に応じたトナー像が中間転写ベルト36上において重ね合わされて形成される。
(8) 所定のタイミングで給紙装置50からシートSが給送され、シートSの先端が二次転写部T2に達する直前あるいは達した後に(要するにシートS上の所望の位置に、中間転写ベルト36上のトナー像が転写されるタイミングで)二次転写ローラ38が中間転写ベルト36上のトナー像(基本的には4色のトナー像が重ね合わせられたフルカラー画像)がシートS上に転写される。また、ベルトクリーナ39が中間転写ベルト36に当接し、二次転写後に中間転写ベルト36上に残留しているトナーが除去される。
(9) シートSが定着装置60を通過することによってシートS上のトナー像が定着し、その後、シートSが所定の位置に向け(両面印刷でない場合にはシート受け部81に向け、両面印刷の場合にはスイッチバック経路71または72を経て返送ローラ73に向け)搬送される。
【0117】
本発明に係る画像形成装置では、感光体140には現像ローラ11、中間転写媒体36が当接状態とされているが、現像を非接触のジャンピング方式も採用できる。
【0118】
同様に、本発明に使用するタンデム方式のフルカラープリンターの概略正面図を図4に示す。この場合には、感光体と現像部ユニットが同一のユニットすなわち、プロセスカートリッジとして装着できるようになっており、現像は接触方式の例であるが、もちろん非接触方式も採用できる。
【0119】
この画像形成装置は、駆動ローラ10、従動ローラ20の2本のローラのみ張架されて図示矢印方向(反時計方向)HW循環駆動される中間転写ベルト30と、この中間転写ベルト30に対して複数個(4個)配置された単色トナー像形成手段40(Y、C、M、K)とを備え、中間転写ベルト30に対して複数個の単色トナー像形成手段40によるトナー像が個別の転写手段51、52、53、54で順次一次転写されるようになっている。それぞれの一次転写部をT1Y、T1C、T1M、T1Kで示す。
【0120】
単色トナー像形成手段は、イエロー用のもの40(Y)と、マゼンタ用のもの40(M)と、シアン用のもの(C)と、ブラック用のもの40(K)とが配置されている。これらの単色トナー像形成手段40(Y、C、M、K)はそれぞれ外周面に感光層を有する感光体41とこの感光体41の外周面を一様に帯電させる帯電手段としての帯電ローラ42と、この帯電ローラ42より一様に帯電させられた外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する露光手段43と、この露光手段43により形成された静電潜像に現像剤あるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像手段としての現像ローラ44と、この現像ローラ44により現像されたトナー像が一次転写対象である中間転写ベルト30に転写された後に感光体41の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレード45とを有している。
【0121】
これら単色トナー像形成手段40(Y、C、M、K)は中間転写ベルト30の弛み側に配置されている。中間転写ベルト30に順次一次転写され、中間転写ベルト30上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写部T2において用紙当の記録媒体Pに二次転写され、定着ローラ対61を通ることで記録媒体P上に定着され、排紙ローラ対62によって所定の場所(図示しない排紙トレイ上等)へ排出される。63は記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、64は給紙カセット63から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ、65は二次転写部T2への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するゲートローラ対である。
【0122】
また、66は中間転写ベルト30との間で二次転写部T2を形成する二次転写手段としての二次転写ローラ、67は二次転写後に中間転写ベルト30の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードである。二次転写後のクリーニングブレード67は、従動ローラ20にではなく駆動ローラ10への中間転写ベルト30の巻きかけ部において中間転写ベルト30に当接している。
【0123】
従来例では、トナーは規制ブレードを使用して負帯電させられるが、トナーに粒度分布があるために規制ブレードに接触しないトナー粒子が多く存在し、その結果、現像ローラ上に付着したトナー層に帯電量分布を生じ、正に帯電したトナーを含んだ状態で現像部に到達するため、カブリを生ずる原因となるものと考えられる。しかしながら、本発明ではたとえトナーに粒度分布があったとしても、トナーが感光体と接触現像される時に、搬送トナー中の正のトナーは感光体との摩擦で負に帯電するため、負に帯電している非画像部に現像されることなく、画像領域部に現像される。その結果カブリのない高画質な均一なトナー像を感光体上に形成することができる。また、現像されたトナー像は負に帯電しているので、転写材や転写媒体への転写効率が上がり、転写残りのトナー量が極端に少なくなる結果、クリーニング部へ負荷も現象し、クリーニングの廃トナー容器も小さくでき、かつ、トナー消費量も低減することで低ランニングコストにつながるものである。
【0124】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明する。まず、下記の各実施例で使用した有機感光体、トナー、転写媒体、、トナー層規制ブレード、中間転写媒体等の作製例を示す。
【0125】
有機感光体{OPC(1)}の作製例
直径30mmのアルミ引き抜き管を表面研磨した導電性支持体周面に、下引き層としてアルコール可溶性ナイロン{東レ(株)製「CM8000」}6重量部とアミノシラン処理された酸化チタン微粒子4重量部とをメタノール100重量部に溶解、分散させてなる塗工液をリングコーティング法で塗工し、温度100℃で40分乾燥させ、膜厚1.5〜2μmの下引き層を形成した。
【0126】
この下引き層上に、電荷発生顔料としてのオキシチタニルフタロシアニン顔料1重量部とブチラール樹脂{BX−1、積水化学(株)製}1重量部とジクロルエタン100重量部とを、φ1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで8時間分散させて得られる顔料分散液をリングコーティング法で塗工し、80℃で20分間乾燥させ、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0127】
この電荷発生層上に、下記構造式(1)のスチリル化合物の電荷輸送物質40重量部とポリカーボネート樹脂(パンライトTS、帝人化成(株)製)60重量部をトルエン400重量部に溶解させ、乾燥膜厚が22μmになるように浸漬コーティング法で塗工、乾燥させて電荷輸送層を形成し、積層型の有機感光体{OPC(1)}を作製した。
【0128】
構造式(1)
【0129】
【化1】
Figure 0004235790
【0130】
得られた有機感光体の仕事関数は、5.48eVを示した。
【0131】
上記の作製例において、導電性支持体として、直径85.5mmのアルミ素管とし、また、電荷輸送物質として、下記構造式(2)のブタジエン化合物を使用した以外は、OPC(1)と同様にして有機感光体{OPC(2)}を作製した。得られた有機感光体の一部を切り欠き、同様に仕事関数を測定したところ、5.27eVを示した。
【0132】
構造式(2)
【0133】
【化2】
Figure 0004235790
【0134】
有機感光体{OPC(2)}の作製例において、導電性支持体としてシームレスの厚さ40μmで直径85.5mmのニッケル電鋳管とした以外は、OPC(2)と同様にして有機感光体{OPC(3)}を作製した。この有機感光体の仕事関数は、5.26eVであった。
【0135】
有機感光体{OPC(4)}の作製例
有機感光体{OPC(1)}の作製に際して、電荷輸送物質を上記構造式(2)のブタジエン化合物に代えた以外は同様にして有機感光体{OPC(4)}を作製した。この有機感光体の仕事関数は、5.27eVであった。
【0136】
有機感光体{OPC(5)}の作製例
有機感光体{OPC(1)}の作製に際して、電荷輸送物質を下記構造式(3)のベンジジン化合物に代えた以外は同様にして有機感光体{OPC(5)}を作製した。この有機感光体の仕事関数は、5.72eVであった。
【0137】
構造式(3)
【0138】
【化3】
Figure 0004235790
【0139】
有機感光体{OPC(6)}の作製例
有機感光体{OPC(3)}の作製に際して、電荷発生顔料をチタニルフタロシアニンに代え、また、電荷輸送物質を上記の構造式(2)のブタジエン化合物に替えた以外は同様にして有機感光体{OPC(6)}を作製した。この有機感光体の仕事関数を測定したところ5.27eVであった。
【0140】
有機感光体{OPC(7)}の作製例
有機感光体{OPC(3)}の作製に際して、電荷発生顔料をチタニルフタロシアニンに代え、電荷輸送物質を上記構造式(3)のベンジジン化合物に代えた以外は同様にして有機感光体{OPC(7)}を作製した。この有機感光体の仕事関数を同様に測定すると5.72eVであった。
【0141】
有機感光体{OPC(8)}の作製
有機感光体{OPC(2)}の作製に際して、電荷発生顔料をチタニルフタロシアニンに代え、電荷輸送物質を上記構造式(2)のブタジエン化合物に代えた以外は同様にして有機感光体{OPC(8)}を作製した。この有機感光体の仕事関数は、5.27eVであった。
【0142】
トナー(1)の作製例
芳香族ジカルボン酸とアルキレンエーテル化ビスフェノールAとの重縮合ポリエステルと、該重縮合ポリエステルの多価金属化合物による一部架橋物の50:50(重量比)混合物(三洋化成工業(株)製)100重量部、シアン顔料のフタロシアニンブルー5重量部、離型剤として融点が152℃、Mwが4000のポリプロピレン3重量部、および荷電制御剤としてのサリチル酸金属錯体E−81(オリエント化学工業(株)製)4重量部をヘンシェルミキサーを用い、均一混合した後、内温150℃の二軸押し出し機で混練し、冷却した。冷却物を2mm角以下に粗粉砕し、次いでターボミルで微粉砕し、ローター回転による分級装置により分級し、平均粒径7.5μmで、円形度0.925のトナー母粒子を得た。
【0143】
次いで、トナー母粒子に対して、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)により表面処理した疎水性シリカ(平均粒径12nm、比表面積140m2 /g)を1重量%、シランカップリング剤により表面処理した酸化チタン(平均粒径20nm、比表面積90m2 /g)を0.4重量%の割合で添加してシアントナー(1)を作製した。
【0144】
このトナーの仕事関数を測定すると5.42eVであった。
【0145】
また、このトナー(1)における粒径分布を、シスメックス株式会社製のFPIA2100により測定したところ、個数基準で3μm以下が25%の粒径分布を有するものであった。
【0146】
また、トナー(1)で作製した粗粉砕トナーを、ターボミルからジェットミルに代えて微粉砕し、同じくローター回転による分級装置により分級し、平均粒径7.6μmで、円形度0.911のトナー母粒子を得た。このトナー母粒子をトナー(1)と同様に表面処理し、トナー(2)を作製した。このトナーの仕事関数は、5.42eVであった。
【0147】
また、上記のトナー(2)の作製におけるトナー母粒子に対し、0.2重量%の疎水性シリカ(平均粒径7nm、比表面積250m2 /g)を加えて表面処理した後、熱風球形化装置サーフュージングシステム(SFS−3型(日本ニューマチック工業(株)製)を使用し、熱処理温度を200℃に設定し、部分的に球形化処理を行ない、同様に分級し、平均粒径7.6μm、円形度0.940のトナー母粒子を得た。
【0148】
このトナー母粒子に、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)により表面処理した疎水性シリカ(平均粒径12nm、比表面積140m2 /g)を1重量%、シランカップリング剤により表面処理した酸化チタン(平均粒径20nm、比表面積90m2 /g)を0.4重量%の割合で添加して、トナー(3)を得た。このトナーの仕事関数は、5.43eVであった。
【0149】
トナー(4)の作製例
トナー(1)の作製における顔料をキナクリドンに代えた以外は同様にして、平均粒径7.6μmで、円形度0.926のトナー母粒子を作製した。
【0150】
得られたトナー母粒子をトナー(1)と同様に外添処理し、マゼンタトナー(4)を作製した。このトナーの仕事関数は、5.64eVであり、また、粒径分布を測定したところ個数基準で3μm以下が24%の粒径分布を有するものであった。
【0151】
トナー(5)の作製例
トナー(1)の作製における顔料をピグメントイエロー180に代えた以外は同様にして、イエロートナー(5)を作製した。イエロートナーの仕事関数は5.61eVであった。また、得られたトナーの平均粒径と円形度はトナー(2)と同様の値をもつものであった。
【0152】
トナー(6)の作製例
トナー(1)の作製における顔料をカーボンブラックに代えた以外は同様にして、ブラックトナー(6)を作製した。ブラックトナーの仕事関数は5.71eVであった。また、得られたトナーの平均粒径と円形度はトナー(2)と同様の値をもつものであった。
【0153】
トナー(7)の作製例
スチレンモノマー80重量部、アクリル酸ブチル20重量部、およびアクリル酸5重量部からなるモノマー混合物を、
・水 105重量部
・ノニオン乳化剤 1重量部
・アニオン乳化剤 1.5重量部
・過硫酸カリウム 0.55重量部
からなる水溶性混合物に添加し、窒素気流中下で攪拌を70℃で8時間行った。重合反応後冷却し、乳白色の粒径0.25μmの樹脂エマルジョンを得た。
【0154】
次に、
・この樹脂エマルジョン 200重量部
・ポリエチレンワックスエマルジョン(三洋化成工業(株)製)20重量部
・フタロシアニンブルー 7重量部
を、界面活性剤のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2重量部を含んだ水中へ分散し、ジエチルアミンを添加してpHを5.5に調整後攪拌しながら電解質の硫酸アルミニウムを0.3重量部を加え、ついでTKホモミキサーで高速攪拌し、分散を行った。
【0155】
更に、スチレンモノマー40重量部、アクリル酸ブチル10重量部、サリチル酸亜鉛5重量部を水40重量部と共に追加し、窒素気流下で攪拌しながら同様にして90℃に加熱し、過酸化水素を加えて5時間重合させ粒子を成長させた。
【0156】
重合停止後、会合粒子の結合強度を挙げるため、pHを5以上に調整しなから95℃に昇温し、5時間保持した。その後得られた粒子を水洗いし、45℃で真空乾燥を10時間行った。平均粒径6.8μm、円形度0.98のトナー母粒子を得た。
【0157】
このトナー母粒子に対し、ヘキサメチルシラザン(HMDS)により表面処理した疎水性シリカ(平均粒径12nm、比表面積140m2 /g)を1重量%、シランカップリング剤により表面処理した酸化チタン(平均粒径20nm、比表面積90m2 /g)を0.8重量%添加し、シアントナー(7)を作製した。このトナーの仕事関数は、5.65eVであった。
【0158】
このトナーにおける粒径分布を、測定したところ、個数基準で3μm以下が11%の粒径分布を有するものであった。
【0159】
トナー(8)の作製例
トナー(7)の作製において、顔料をキナクリドンに代え、また、二次粒子の会合と造膜結合強度をあげる温度を90℃のままで行い、マゼンタトナー(8)を同様に作製した。このトナーの平均粒径は6.9μmであり、円形度は0.97、仕事関数は5.56であった。
【0160】
また、このトナーにおける粒径分布を測定したところ、個数基準で3μm以下が10%の粒径分布を有するものであった。
【0161】
現像ローラ(1)の作製例
直径18mmのアルミパイプ表面に、導電性シリコンゴム(硬度JIS−A、63度、シートでの体積抵抗3.5×106 Ω・cm)チューブを、研磨後の厚さが2mmとなるように貼り付けて作製した。表面粗さ(Ra)は5μmであり、仕事関数は5.08eVであった。
【0162】
現像ローラ(2)の作製例
直径18mmのアルミパイプ表面に、ニッケルメッキ(厚さ23μm)を施し、表面粗さ(Ra)は4μmであった。この現像ローラ表面の仕事関数を測定したところ4.58eVであった。
【0163】
規制ブレードの作製例
厚さ80μmのSUS板に厚さ1.5mmの導電性ウレタンゴムチップを導電性接着剤で貼り付けた。ウレタンゴム面の仕事関数は5.0eVであった。
【0164】
中間転写媒体(1)の作製例
アルミニウムを蒸着した厚さ130μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム上に、
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 ・・・ 30重量部
・導電性カーボンブラック ・・・ 10重量部
・メチルアルコール ・・・ 70重量部
からなる均一分散液を、厚さが20μmになるようにロールコーティング法にて塗工乾燥し、中間導電性層を形成した。
【0165】
次いで、中間導電性層上に
・ノニオン系水系ウレタン樹脂(固形分62重量%)・・ 55重量部
・ポリテトラフルオロエチレンエマルジョン樹脂(固形分60重量%)
・・11.6重量部
・導電性酸化スズ ・・ 25重量部
・ポリテトラフルオロエチレン微粒子(max粒子系0.3μm以下)
・・ 34重量部
・ポリエチレンエマルジョン(固形分35重量%) ・・ 5重量部
・イオン交換水 ・・ 20重量部
の組成を混合分散してなる塗工液を厚さ10μmとなるようにロールコーティング法にて同様に塗工乾燥し、転写層を形成した。
【0166】
この塗工シートを長さ540mmに裁断し、塗工面を上にして端部を合わせ、超音波溶着を行うことにより中間転写媒体(転写ベルト)を作製した。この転写ベルトの体積抵抗は2.5×1010Ω・cmであった。また、仕事関数は5.37、規格化光電子収率6.90を示した。
【0167】
中間転写媒体(2)の作製例
中間転写媒体(1)の作製において、転写層組成における導電性酸化スズ25重量部に代えて、導電性酸化チタン5重量部、導電性酸化スズ25重量部を使用した以外は同様にして転写ベルトを作製した。この転写ベルトの体積抵抗は8.8×109 Ω・cmであった。また、仕事関数は5.69、規格化光電子収率7.39を示した。
【0168】
中間転写媒体(3)の作製例
ポリエチレンテレフタレート85重量部、ポリカーボネート15重量部およびアセチレンブラック15重量部を、窒素ガス雰囲気下でミキサーにより予備混合した。得られた混合物を引き続き窒素ガス雰囲気下で二軸押出機により混練しペレットを得た。
【0169】
このペレットを、環状ダイスを有する一軸押出機により260℃にて外径160mm、厚さ160μmのチューブ状フィルムに押し出した。次に、押し出した溶融チューブを、環状ダイスと同じ軸線上に支持している冷却インサイドマンドレルにより内径を規制し、冷却固化させてシームレスチューブを作製した。
【0170】
これを規定寸法に切断し、外径172mm、幅383mm、厚さ150μmのシームレス転写ベルトを得た。この転写ベルトの体積抵抗は3.2×108Ω・cmであった。また、仕事関数は5.19、規格化光電子収率は10.88を示した。
【0171】
(実施例1)
上記で作製したトナー(1)、トナー(4)および有機感光体{OPC(1)}、OPC(4)、OPC(5)}を、下記表1に示す組合わせで用い、図1に示す接触1成分現像プロセスに適用した。
【0172】
その際、有機感光体の周速を180mm/sとし、上記で作製した現像ローラ(1)を使用し、その周速を有機感光体に対して周速比2とした。また、現像ローラは有機感光体に押圧荷重40gf/cm、ニップが幅1.5mmとなるように押圧した。
【0173】
また、トナー規制ブレードとしては80μm厚のSUS板を使用し、その端部を10°の角度で曲げ、突き出し長さを0.6mmとした。仕事関数は5.01eVであった。この規制ブレードを使用し、現像ローラ上のトナー層厚が15μm、トナー粒子の積層形態として2層となるように線圧33gf/cmで現像ローラに押圧した。
【0174】
感光体の暗電位としては−600V、明電位を−100V、現像バイアスとしては−200Vとし、現像ローラと供給ローラとは同電位とした。
【0175】
また、転写媒体としては上記で得た中間転写ベルト(1)を使用し、転写ローラによる有機感光体への押圧荷重15gf/cm、ニップは3mmとした。また、転写ローラには+300V印加し、また、図示しないが二次転写ローラには+800Vを印加し、押圧加重35gf/cmとした。
【0176】
この画像形成装置により、A4サイズの白ベタを1000枚印字した。1000枚印字後において、有機感光体におけるクリーニング部に掻き採られるカブリトナーの量を、クリーニングユニット重量を計測することにより計量した。結果を下記表1に示す。
【0177】
また、同じ条件で10mm幅のベタ印字を行い、感光体上の現像されたトナー量(W1 )と転写後の感光体上に残る転写残りトナー量(W2 )をそれぞれテープ転写法で求め、転写効率(W1 −W2 /W1 )を計算し、その結果を同じく表1に示す。
【0178】
なお、テープ転写法とはトナー上にテープを貼り付け、テープの貼り付け前後のテープ重量差を求め、トナー量(mg/cm2 )を計算する方法である。
【0179】
また、トナー規制ブレードを通過した状態で現像ローラ表面に付着したトナー層について、トナー(4)を使用した場合における帯電分布特性を、ホソカワミクロン(株)製「E−SPART III」を使用して測定した。結果を図5に示す。図における縦軸は重量比率であり、横軸は帯電電荷量(μc/g)である。
【0180】
図からわかるように、トナー規制ブレードを通過した状態で負帯電トナー粒子は91.4%であり、正帯電トナー粒子は8.6%存在することかわかる。
【0181】
【表1】
Figure 0004235790
【0182】
表1からわかるように、作像例2、4、5のごとく、トナーの仕事関数を有機感光体表面の仕事関数より大きくすると、トナーの仕事関数が有機感光体表面の仕事関数より小さい作像例1、3、6に比して、カブリトナー量を低くでき、また、高い転写効率が得られることがわかる。
【0183】
また、上記で作製した重合トナー(7)をOPC(1)、OPC(4)、OPC(5)と組み合わせ、同様に作像したところ、上記作像例4〜6と同様の結果が得られたが、OPC(1)との組み合わせの場合に98.3%とトナー(4)に比して、高い転写効率を示した。
【0184】
また、上記で作製した重合トナー(8)について、OPC(1)、OPC(4)、OPC(5)と組み合わせ、同様に作像したところ、OPC(1)、OPC(4)との組み合わせた場合にカブリ低減の効果を奏し、また、OPC(1)との組み合わせの場合に98.5%と、トナー(1)に比して高い転写効率を示した。
【0185】
また、上記で作製したOPC(5)は、その仕事関数が5.72eVであり、トナー(1)、トナー(4)、トナー(7)、トナー(8)のいずれよりも仕事関数が大きく、本発明における効果は得られないものであった。
【0186】
(実施例2)
上記で得られたトナー(1)、トナー(4)および有機感光体{OPC(1)、OPC(4)、OPC(5)}を下記表2に示す組合わせで用い、図2に示す非接触1成分現像プロセスにおいて実施した。
【0187】
その際、有機感光体の周速を180mm/sとし、また、現像ローラ(1)を使用し、その周速を有機感光体に対して周速比2とした。また、現像ギャップLは210μm(ギャップコロで間隔を調整)とし、DCの現像バイアス−200Vに重畳するACは周波数2.5kHz、P−P電圧1500Vの条件で印加した。
【0188】
また、トナー規制ブレードとして実施例1同様にSUS80μm厚の規制ブレードを用い、現像ローラ上のトナー層厚が18μm、トナー粒子の積層形態としては2.5層となるように線圧28gf/cmで押圧した。
【0189】
また、感光体の暗電位としては−600V、明電位を−100V、現像バイアスとしては−200Vとし、現像ローラと供給ローラとは同電位とした。
【0190】
また、転写媒体としては、上記で得た中間転写ベルト(1)を使用し、転写ローラによる有機感光体への押圧荷重21gf/cm、ニップは3mmとした。また、転写ローラには+300V印加し、また、図示しないが二次転写ローラには+800Vを印加し、押圧加重35gf/cmとした。
【0191】
この画像形成装置により、A4サイズの白ベタを1000枚印字した。1000枚印字後におけるカブリトナーの量を測定すると共に、実施例1と同様に転写効率を求めた結果を下記表2に示す。
【0192】
【表2】
Figure 0004235790
【0193】
表2からわかるように、作像例8、10、11のごとく、トナーの仕事関数を有機感光体表面の仕事関数より大きくすることにより、作像例7、9、12のごとく、トナーの仕事関数が有機感光体表面の仕事関数より小さい場合に比較して、カブリトナー量を低くでき、また、高い転写効率が得られることがわかる。
【0194】
(実施例3)
上記でそれぞれ作製したシアントナー(1)、マゼンタトナー(4)、イエロートナー(5)およびブラックトナー(6)の4色トナーと、上記で作製した有機感光体{OPC(4)}とを組み合わせてフルカラーの作像を行った。作像機として、図3に示す4サイクル方式の非接触現像を行うカラープリンター(但しこの場合の有機感光体{OPC(4)}のアルミ素管の径を85.5mmとした)を組み立てた。また、同様に図4に示すタンデム方式で、接触現像方式のカラープリンター(但しこの場合の有機感光体{OPC(4)}のアルミ素管の径を40mmとした)を組み立てた。
【0195】
いずれにおいても均一なフルカラー画像を得ることができた。また、各色5%カラー原稿に相当する文字画像を10000枚連続してプリントを行った後の4色合わせた感光体部のクリーニング量は、図3に示す4サイクル方式のカラープリンターでは120gであり、また、図4に示すタンデム方式のカラープリンターでは135gであり、それぞれ、予定していた感光体部のクリーニングトナー容量の約1/2の量までで評価を終えることができた。
【0196】
(実施例4)
有機感光体としては上記で作製したOPC(3)を弾性感光体に用い、現像ローラとしては上記で作製した現像ローラ(2)、規制ブレードとしては上記の作製例で作製したウレタンチップを貼着した規制ブレードをそれぞれ使用した。また、中間転写ベルトとしては、上記で作製した中間転写ベルト(1)と中間転写ベルト(2)のいずれかを使用し、また、トナー(1)〜トナー(3)を使用し、下記の表3のように組合せ、図3に示す中間転写媒体方式の4サイクルカラープリンタを接触一成分現像方式として組み立てた。
【0197】
作像に際しては、有機感光体の周速を180mm/sとし、現像ローラの周速は感光体に対して周速比2とした。また、現像ローラは有機感光体に押圧荷重40gf/cm、ニップが幅1.5mmとなるように押圧した。感光体の暗電位としては−600V、明電位を−100V、現像バイアスとしては−200Vとし、現像ローラと供給ローラとは同電位とした。
【0198】
また、現像ローラ上のトナー層厚が16μmでトナー粒子の積層形態として2.1層となるように、トナー規制ブレードを線圧32gf/cmで現像ローラに押圧した。このときのトナー搬送量は約0.53mg/cm2であった。
【0199】
また、有機感光体と転写ベルトとの周速差は、転写ベルトが3%早くなるように設定した。3%を越えると、予備実験で転写画像にチリの発生を確認しているため3%を上限とした。また、バックアップローラによる転写ベルトの有機感光体への押圧荷重を15gf/cm、ニップ幅は3mmとした。バックアップローラである1次転写ローラには+300V印加し、また、二次転写ローラには+800Vを印加し、押圧荷重を35gf/cmとした。
【0200】
そして、図3のフルカラープリンタのシアン現像器に、上記で作製したトナー(1)、トナー(2)、トナー(3)のいずれかを入れ、モノカラー印字として試験できるように設定し、A4サイズの白ベタを1000枚印字した。
【0201】
1000枚印字後において、有機感光体におけるクリーニング部にかき取られるカブリトナーの量を、クリーニングユニット重量として計測することにより計量した。結果を表3に示す。
【0202】
また、同じ条件で10mm幅のベタ印字を行い、感光体上の現像されたトナー量(W1 )と転写後の感光体上に残る転写残りトナー量(W2 )をそれぞれテープ転写法で求め、転写効率(W1 −W2 /W1 )を計算し、その結果を同じく表3に示す。
【0203】
【表3】
Figure 0004235790
【0204】
表3の結果によると、作像例13〜15のごとく、中間転写ベルトの仕事関数をトナーのそれよりも小さくすることで、カブリが少なくなり、かつ転写効率が向上することが分かる。また、トナーの円形度を高くすると、作像例14、13、15の順でカブリが低減し、また、転写効率も高くなることがわかる。
【0205】
また、トナー規制ブレードを通過した状態で現像ローラ表面に付着したトナー層について、トナー(2)を使用した場合における帯電分布特性を、ホソカワミクロン(株)製「E−SPART III」を使用して測定した結果を図6に示す。縦軸は重量比率であり、横軸は帯電電荷量(μC/g)である。
【0206】
図中、無印の実線は、本発明のトナー(2)を使用した場合であり、正極性に帯電しているトナーは約10%存在することが分かる。なお、△印はトナー規制ブレードの線圧を約70gf/cmで現像ローラに押圧することによりトナー(2)を過帯電させた場合であり、また、×印はトナー規制ブレードの線圧を約10gf/cmで現像ローラに押圧することによりトナー(2)を帯電不良とする場合であり、いずれにしても、負帯電トナーにあって、正極性に帯電しているトナーが存在することがわかる。
【0207】
(実施例5)
有機感光体として上記で作製したOPC(2)のハード感光体を用い、現像ローラとして上記で作製した現像ローラ(2)を用い、中間転写ベルトとして上記で作製した中間転写ベルト(1)を用いた。また、トナーとしては上記で作製したトナー(1)、トナー(4)〜(6)の4色トナーを図3に示す中間転写媒体方式の4サイクルカラープリンタの各色の現像器に装填し、非接触一成分現像方式による作像試験を行なった。なお、作像条件は実施例2と同様である。
【0208】
作像試験としては、各色5%カラー原稿に相当する文字原稿を10000枚連続してプリントを行ったところ、クリーニング量は4色合わせて約110gであり、予定していた感光体部のクリーニングトナー容量の約1/2の量まで低減させることができた。
【0209】
(実施例6)
有機感光体として上記で作製した有機感光体{OPC(6)}を弾性感光体として用い、上記で作製した現像ローラ(2)と上記の作製例で作製したウレタンチップを貼着した規制ブレードを装着し、また、中間転写ベルトとしては、上記で作製した中間転写ベルト(2)または中間転写ベルト(3)を使用し、下記に示すトナーとともに、下記表4の組合せで、図3に示す中間転写媒体方式の4サイクルカラープリンタを接触一成分現像方式として組み立てた。
【0210】
作像に際しては、有機感光体の周速を180mm/sとし、現像ローラの周速を感光体に対して周速比2とした。また、現像ローラは有機感光体に押圧荷重40gf/cm、ニップが幅1.5mmとなるように押圧した。感光体の暗電位としては−600V、明電位を−100V、現像バイアスとしては−200Vとし、現像ローラと供給ローラとは同電位とした。
【0211】
また、現像ローラ上のトナー層厚が16μmでトナー粒子の積層形態として2.1層となるように、トナー規制ブレードを線圧32gf/cmで現像ローラに押圧した。このときのトナー搬送量は約0.53mg/cm2であった。
【0212】
また、有機感光体と転写ベルトとの周速差は、転写ベルトが3%早くなるように設定した。3%を越えると予備実験で転写画像にチリの発生を確認しているため3%を上限とした。また、バックアップローラによる転写ベルトの有機感光体への押圧荷重を15gf/cm、ニップ幅は3mmとした。バックアップローラである1次転写ローラには+300V印加し、また、二次転写ローラには+800Vを印加し、押圧荷重を35gf/cmとした。
【0213】
そして、図3のフルカラープリンタのシアン現像器に、上記で作製したトナー(1)、トナー(2)、トナー(3)のいずれかを入れて、同様に作像した。
【0214】
1000枚印字後において、有機感光体におけるクリーニング部にかき取られるカブリトナーの量を、クリーニングユニット重量として計測することにより計量した。結果を表5に示す。
【0215】
また、同じ条件で10mm幅のベタ印字を行い、感光体上の現像されたトナー量(W1 )と転写後の感光体上に残る転写残りトナー量(W2 )をそれぞれテープ転写法で求め、転写効率(W1 −W2 /W1 )を計算し、その結果を同じく表5に示す。なお、有機感光体{OPC(7)}を使用する場合について同時に示す。
【0216】
【表4】
Figure 0004235790
【0217】
【表5】
Figure 0004235790
【0218】
表4、5からわかるように、Φt >ΦOPC>ΦTM の関係を満足する作像例19〜21は、カブリトナー量が少なく、また、転写効率に優れることがわかる。また、円形度が高くなると作像例20、19、21の順でカブリトナー量が少なく、また、転写効率に優れることがわかる。これに対して、作像例22〜24においては、カブリトナー量が多く、転写効率も低いことがわかる。
【0219】
また、本実施例と同様に、トナー(3)、OPC(6)、転写ベルト(2)の組み合わせ、およびトナー(3)、OPC(7)、転写ベルト(3)の組み合わせとして、同様に印字試験を2回行ったが、ともにカブリトナー量は、6g/1000枚〜7g/1000枚を上回り、転写効率は96.8%の値以下であった。
【0220】
(実施例7)
有機感光体として上記で作製したOPC(7)のハード感光体を用い、現像ローラとして上記で作製した現像ローラ(2)を用いて現像ローラと感光体のギャップを210μm(ギャップコロで間隔を調整)とした。また、中間転写ベルトとしては、上記で作製した中間転写ベルト(3)を用いた。また、トナーとしては上記で作製したトナー(1)、トナー(4)〜(6)の4色トナーを図3に示す中間転写媒体方式の4サイクルカラープリンタの各色の現像器に装填し、非接触一成分現像方式による作像試験を行なった。DCの現像バイアス−200Vに重畳するACは、周波数2.5kHz、P−P電圧1500Vの条件で現像した。
【0221】
各色5%カラー原稿に相当する文字原稿を10000枚連続してプリントを行ったところクリーニング量は4色合わせて約105gであり、予定していた感光体部のクリーニングトナー容量の約1/2の量まで低減させることができた。
【0222】
【発明の効果】
本発明は、潜像坦持体における潜像を負帯電トナーにより現像する画像形成装置において、現像時における感光体上のトナーによる非画像部のカブリが少なくでき、転写効率を向上させることができる。また、本発明は、潜像担持体に付着している正帯電トナーを中間転写媒体との接触により負帯電化できるため、潜像担持体から中間転写媒体への転写効率を向上させることができる。また、本発明は、トナーと潜像担持体との接触、また、潜像担持体上におけるトナーと中間転写媒体との接触において、トナーをより負帯電化できるので、負帯電化が不充分であっても負帯電化でき、転写効率をより高めることができる。
【0223】
さらに、現像時における感光体上のトナーによる非画像部のカブリが少なくできると共に、転写効率を向上させることができるので、トナー消費量を抑制することができた。また、かつクリーニングトナー量が減少するので低ランニングコストで、クリーニングトナー容器を小さくできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の画像形成装置における接触現像方式の一例を示す説明図である。
【図2】 図2は、本発明の画像形成装置における非接触現像方式の一例を示す説明図である。
【図3】 図3は、本発明の画像形成装置におけるフルカラープリンターの一例を示す説明図である。
【図4】 図4は、本発明の画像形成装置におけるタンデム方式の一例を示す説明図である。
【図5】 図5は、本発明の画像形成装置で使用したトナーの帯電分布特性を示す図である。
【図6】 図6は、本発明の画像形成装置で使用したトナーの帯電分布特性を示す図である。
【図7】 図7は、トナーの仕事関数を測定するために使用される測定セルを示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図8】 図8は、円筒形状の画像形成装置部材の仕事関数を測定する方法を説明する図であり、(a)は測定試料片の形状を示す斜視図、(b)は測定状態を示す図である。
【図9】 図9は、本発明におけるトナー(4)の仕事関数を表面分析装置を使用して測定したチャートである。
【符号の説明】
1は潜像担持体、5は中間転写媒体、9はトナー層厚規制部材、10は現像ローラ

Claims (10)

  1. 潜像坦持体と、摩擦帯電を用いてトナーを負極性に帯電させる現像手段とを備え、前記トナーにより潜像担持体上の静電潜像を可視像化し、前記可視像を中間転写媒体に転写する画像形成装置において、前記トナーの仕事関数(Φt )を前記潜像坦持体表面の仕事関数(Φopc および前記中間転写媒体表面の仕事関数(Φ TM より大きくすると共に、前記トナーの仕事関数(Φ t )が5.4〜5.9eV、前記潜像坦持体表面の仕事関数(Φ opc )が5.2〜5.6eV、前記中間転写媒体表面の仕事関数(Φ TM )が4.9〜5.5eVであり、前記トナーの仕事関数(Φ t )と、前記潜像坦持体表面の仕事関数(Φ opc )または前記中間転写媒体表面の仕事関数(Φ TM )との差のいずれかが、少なくとも0.2eVあることを特徴とする画像形成装置。
  2. トナーの個数平均粒径が4〜10μmであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 潜像坦持体が負帯電される有機感光体であり、反転現像されるものであることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 潜像担持体と現像手段とが接触状態で画像形成装置本体に回転可能に支持されると共に、前記現像手段の周速を潜像坦持体の周速の1.2〜2.5倍とすることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 潜像担持体と現像手段とが非接触状態で画像形成装置本体に回転可能に支持されると共に、該潜像担持体に対する中間転写媒体の押圧荷重を20gf/cm〜60gf/cmとすることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の画像形成装置。
  6. 現像手段が、現像ローラとトナー層厚規制部材を有し、現像ローラ上のトナー層厚が1.2〜3層に層規制されることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の画像形成装置。
  7. 画像形成装置が、フルカラー画像形成装置であることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の画像形成装置。
  8. 潜像坦持体と現像手段を一体化してプロセスカートリッジとし、画像形成装置本体に取り外し自在に支持することを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の画像形成装置。
  9. 中間転写媒体の周速を潜像担持体の周速の0.95〜1.05倍とすることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の画像形成装置。
  10. 中間転写媒体がベルト方式であることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の画像形成装置。
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