JP3714411B2 - 負帯電乾式トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法により潜像坦持体上に形成されたトナー可視像を転写材に転写する画像形成装置に使用される負帯電乾式トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置として、潜像坦持体である感光体ドラムや感光体ベルト等の感光体を画像形成装置の本体に回転可能に支持し、画像形成動作時には感光体における感光層に静電潜像を形成した後、この潜像をトナーによって可視像化し、次いでその可視像をコロナ転写、転写ローラを使用して転写媒体に直接転写する、また、転写ドラムまたは転写ベルト等の中間転写媒体を用いて可視像を一旦転写した後、転写材上に再転写する方式がある。
【0003】
このような方式は、モノクロ画像形成装置に使用されているが、更に、カラー画像形成装置にあっては、複数の感光体や現像機構を用い、転写ベルトや転写ドラム上の可視化像を紙等の転写材上に複数の色画像を順次重ね合わせて転写し、定着する方式が知られている。これらの方式において、ベルトを使用するものはタンデム方式、ドラムを使用するものは転写ドラム方式として分類されている。また、これとは別に中間転写媒体上に色画像を順次一次転写し、その一次転写画像を一括して紙等の転写材上に二次転写する中間転写方式も知られている。また、これらの各転写方式に使用されている感光体には、現像装置により現像されたトナーや転写後の転写残りトナーをクリーニングするためのクリーニング機構が取付けられている。
【0004】
これらの画像形成装置にあって、トナーとしては一般的には二成分トナーが知られ、比較的安定した現像を可能とするが、現像剤と磁性キャリアとの複合比の変動が発生しやすく、その維持管理をする必要がある。そのため、一成分磁性トナーが開発されているが、磁性材料の不透明性から鮮明なカラー画像を得られないという問題がある。他方、カラートナーとして一成分非磁性トナーが開発されているが、高品位の記録画像を得るために、如何に均一帯電させるかが課題となっている。
【0005】
しかしながら、一般に、一成分非磁性トナー粒子は、粒度分布を有するために規制ブレードによる接触帯電に際して接触しないトナー粒子が生じ、外添粒子を添加したとしても帯電量分布が生じ、負帯電乾式トナーであっても正に帯電したトナー粒子を含有することが避けきれない。その結果、負帯電反転現像で作像する画像形成装置にあっては、潜像担持体(感光体)の非画像部にトナーが付着し、また、印字枚数を増すに従い、トナー劣化も相まってカブリ付着トナーが増加するという問題がある。また、トナー劣化の防止を目的としてSiO2 粒子を多量に添加してトナーの流動性を維持しようとしても定着性を損なうという問題がある。
【0006】
また、トナー粒子の負帯電能力を上げるために、トナー極性と反対の正帯電性のAl2 3 粒子を若干添加し、トナーの負帯電の早期立ち上げ能力を高めているが、Al2 3 粒子の一次粒子径が小さいと印字中にトナー粒子中に埋没し、所望の効果を発揮させることが困難であった。また、Al2 3 粒子の一次粒子径を大きいものとすると、印字枚数が増加するに従い、感光体表面を研磨し過ぎ、感光体の膜厚を減少させ寿命を短縮するという問題が生じる。
【0007】
また、トナーの負帯電能力が高くなりすぎると印字画像濃度が低下するので、その防止を目的として比較的低電気抵抗の酸化チタン粒子が添加されているが、一般に、酸化チタン粒子は一次粒子径が小さく、印字枚数が増加するとトナー粒子中に埋没し、所望の効果を発揮させることが困難であった。
【0008】
一方、特開2000−181130号公報には、焔内加水分解法により得られる酸化アルミニウム−二酸化珪素複合酸化物粒子からなるトナー粒子が開示され、トナー粉末の良好な流動性と安定な電荷挙動(迅速な電荷保持性と高い電荷が得られ、また、時間経過後の一定な電荷)が得られることを開示するが、この酸化アルミニウム−二酸化珪素複合酸化物粒子を外添粒子として負帯電乾式トナーとする場合、酸化アルミニウム成分が正帯電サイトとして機能することから、逆転写トナーが生じてカブリが増大し、ひいては転写効率も低下するという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、トナー母粒子に焔内加水分解法により得られる酸化アルミニウム−二酸化珪素複合酸化物粒子を外添した負帯電乾式トナーにあって、トナー粒子の帯電電荷の均一性に優れると共に、カブリが少なく、かつ、転写効率を向上させることができる負帯電乾式トナーの提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の負帯電乾式トナーは、トナー母粒子に、焔内加水分解法により得られる酸化アルミニウム−二酸化珪素複合酸化物粒子および二酸化珪素微粒子を外添すると共に、前記複合酸化物粒子が、5.0〜5.4の範囲の第1の仕事関数と、5.4〜5.7の範囲の第2の仕事関数の2種類の仕事関数を示し、かつ、トナー母粒子の仕事関数が5.3〜5.65であって、前記複合酸化物粒子の第1の仕事関数より大きく、また、複合酸化物粒子の第2の仕事関数より小さいものであることを特徴とする。
【0012】
上記のトナー母粒子に対して、酸化アルミニウム−二酸化珪素複合酸化物粒子を0.1〜3重量%の割合で添加することを特徴とする。
【0013】
上記のトナー母粒子がポリエステル樹脂からなることを特徴とする。
【0014】
上記のトナー母粒子がスチレン−アクリル系共重合樹脂からなることを特徴とする。
【0015】
上記の負帯電乾式トナーの円形度が0.94以上であることを特徴とする。
【0016】
上記のトナー母粒子が重合法トナーであって、かつ、負帯電乾式トナーの個数50%粒子径が8μm以下であることを特徴とする。
【0017】
上記の負帯電乾式トナーがフルカラートナーであることを特徴とする。
【0018】
上記の負帯電乾式トナーが反転現像されるものであることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の負帯電乾式トナーは一成分非磁性トナーであり、トナー母粒子とその外添粒子である「焔内加水分解法により得られる酸化アルミニウム−二酸化珪素複合酸化物粒子」(以下、複合酸化物粒子)と二酸化珪素(SiO2 )粒子とからなる。なお、本発明にあって、数値範囲として、例えば7〜80nmと記載する場合には、7nm〜80nmと同一単位とする場合における前者の単位を省略するものであり、他の単位を使用した数値範囲の記載にあっても同様である。
【0020】
トナー母粒子としては、粉砕法および重合法により得られるトナー母粒子のいずれでもよいが、フルカラーの場合には好ましくは重合法によるものである。まず、粉砕法トナーとしては、樹脂バインダーに少なくとも顔料を含有し、場合によって離型剤、荷電制御剤を添加し、ヘンシェルミキサーで均一複合した後、2軸押し出し機で熔融・混練され、冷却後、粗粉砕−微粉砕工程を経て、分級処理され、さらに、外添粒子が付着されてトナー粒子とされる。
【0021】
バインダー樹脂としては公知のトナー用樹脂が使用可能であり、例えばポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、シリコーン変成エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂等が単独又は複合して使用できる。特に本発明においては、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル系樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。バインダー樹脂としてはガラス転移温度が50〜75℃、フロー軟化温度が100〜150℃の範囲が好ましい。
【0022】
着色剤としては、公知のトナー用着色剤が使用可能である。例えばカーボンブラック、ランプブラック、マグネタイト、チタンブラック、クロムイエロー、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレーキ、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の染料および顔料を単独あるいは複合して使用できる。
【0023】
離型剤としては、公知のトナー用離型剤が使用可能である。例えばパラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等が挙げられる。中でもポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、エステルワックス等を使用することが好ましい。
【0024】
荷電調整剤としては、公知のトナー用荷電調整剤が使用可能である。例えば、オイルブラック、オイルブラックBY、ボントロンS−22(オリエント化学工業(株)製)、ボントロンS−34(オリエント化学工業(株)製)、サリチル酸金属錯体E−81、E−84(オリエント化学工業(株)製)、チオインジゴ系顔料、銅フタロシアニンのスルホニルアミン誘導体、スピロンブラックTRH(保土ヶ谷化学工業(株)製)、カリックスアレン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩系化合物、モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシルカルボン酸系金属錯体、芳香族ジカルボン酸系金属錯体、多糖類等が挙げられる。中でもカラートナー用には無色ないしは白色のものが好ましい。
【0025】
粉砕法トナーにおける成分比(重量)としては、バインダー樹脂100部に対して、着色剤は0.5〜15部、好ましくは1〜10部であり、また、離型剤は1〜10部、好ましくは2.5〜8部であり、また、荷電制御剤は0.1〜7部、好ましくは0.5〜5部である。
【0026】
本発明の粉砕法トナーにあっては、転写効率の向上を目的とした場合、球形化処理されるとよく、そのためには、粉砕工程で、比較的丸い球状で粉砕可能な装置、例えば機械式粉砕機として知られるターボミル(川崎重工(株)製)を使用すれば円形度は0.93まで可能である。または、粉砕したトナーを市販の熱風球形化装置サーフュージングシステムSFS−3型(日本ニューマチック工業(株)製)を使用すれば円形度は1.00まで可能である。
【0027】
また、重合法トナーとしては、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等により得られるトナーが挙げられる。まず、懸濁重合法においては、重合性単量体、着色顔料、離型剤とを必要により更に、染料、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤を添加した複合物を溶解又は分散させた単量体組成物を、懸濁安定剤(水溶性高分子、難水溶性無機物質)を含む水相中に攪拌しながら添加して造粒し、重合させて所望の粒子サイズを有する着色重合トナー粒子を形成することができる。
【0028】
乳化重合法においては、単量体と離型剤を必要により更に重合開始剤、乳化剤(界面活性剤)などを水中に分散させて重合を行い、次いで凝集過程で着色剤、荷電制御剤と凝集剤(電解質)等を添加することによって所望の粒子サイズを有する着色トナー粒子を形成することができる。
【0029】
重合法トナー作製に用いられる材料において、着色剤、離型剤、荷電制御剤、流動性改良剤に関しては、上述した粉砕トナーと同様の材料が使用できる。
【0030】
重合性単量体(モノマー)としては、公知のビニル系モノマーが使用可能であり、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、エチレングリコール、プロピレングリコール、無水マレイン酸、無水フタル酸、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、プロピレン酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルナフタレン等が挙げられる。なお、フッ素含有モノマーとしては例えば2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、フッ化ビニリデン、三フッ化エチレン、四フッ化エチレン、トリフルオロプロピレンなどはフッ素原子が負荷電制御に有効であるので使用が可能である。
【0031】
乳化剤(界面活性剤)としては公知のものが使用可能である。例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル等がある。
【0032】
重合開始剤としては、公知のものが使用可能である。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、4,4’−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル等がある。
【0033】
凝集剤(電解質)としては、公知のものが使用可能である。例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸鉄等が挙げられる。
【0034】
重合法トナーの円形度の調節法としては、乳化重合法は2次粒子の凝集過程で温度と時間を制御することで、円形度を自由に変えることができ、その範囲は0.94〜1.00である。また、懸濁重合法では、真球のトナーが可能であるため、円形度は0.98〜1.00の範囲となる。また、円形度を調節するためにトナーのTg温度以上で加熱変形させることで、円形度を0.94〜0.98まで自由に調節することが可能となる。
【0035】
重合法トナーは上記の方法以外でも分散重合法で作ることができ、例えば特開昭63−304002号公報で作製できる。この場合には形状が真球に近い形となるため、形状を制御するには、例えばトナーのTg温度以上で加圧し、所望のトナー形状にすることができる。
【0036】
外添粒子としては、乾式トナーにおける帯電特性の安定化、流動性改良を目的とするものであり、本発明の乾式トナーにあっては、外添粒子として複合酸化物粒子を使用するものである。複合酸化物粒子は、特許第2533067号公報に記載される珪素−アルミニウム複合酸化物微粉末の製法により作製されるもので、下記の作製工程よりなる。
(1) 珪素ハロゲン化物およびアルミニウムハロゲン化物を蒸発させ、それぞれの蒸気をキャリアガスと共に複合ユニット中で空気、酸素および水素と均一複合する。
(2) 次いで、得られた複合蒸気をバーナーに供給し、燃焼室内で焔内反応させ、得られたガスおよび固体を熱交換ユニット中で冷却する。
(3) ガスを固体から分離し、生成物に付着しているハロゲン化物残分を湿った空気を用いた熱処理により除去し、複合酸化物粒子が得られる。
【0037】
複合酸化物粒子中のAl2 3 とSiO2 の割合は、珪素ハロゲン化物およびアルミニウムハロゲン化物の供給量、水素供給量、空気供給量等の反応条件により適宜調整される。
【0038】
複合酸化物粒子におけるAl2 3 とSiO2 との重量比は、Al2 3 の含有量が55重量%〜85重量%、SiO2 の含有量は45重量%〜15重量%の範囲とできる。また、複合酸化物粒子は焔内中で粒子化されることにより非晶質構造で、十分な微粒状性を有し、BET法による比表面積が20〜200m2 /gのものとなる。複合酸化物粒子の一次粒子径は7〜80nm、好ましくは10〜40nmであり、個数基準で20nm以上が30%以上である。また、複合酸化物粒子はトナー母粒子に対して、0.1〜3重量%、好ましくは0.2〜2重量%の割合で添加するとよい。複合酸化物粒子はブロードな粒径分布を有するので、少量の添加でも連続印字における外添粒子のトナー粒子中への埋没を生じ難いものとできる。また、大粒子径部分により転写効率を向上させることができ、また、その大粒子径部分は大きすぎることがないので、感光体表面の異常な偏磨耗を防止できる。
【0039】
また、本発明の負帯電乾式トナーは、その複合酸化物粒子が、5.0〜5.4の範囲の第1の仕事関数と5.4〜5.7の範囲の第2の仕事関数の2種類の仕事関数を示すと共に、トナー母粒子の仕事関数が5.3〜5.65であって、前記複合酸化物粒子の第1の仕事関数より大きく、また、複合酸化物粒子の第2の仕事関数より小さいものである。
【0040】
仕事関数は、その物質から電子を取り出すために必要なエネルギーであり、仕事関数が小さいほど電子を出しやすく、大きい程電子を出しにくい。そのため、仕事関数の小さい物質と大きい物質を接触させると、仕事関数の小さい物質は正に、仕事関数の大きい物質は負に帯電するものであるが、仕事関数自体としてはその物質から電子を取り出すためのエネルギー(eV)として数値化される。
【0041】
詳細は実施例1で記載するが、仕事関数について、表面分析装置(理研計器(株)製AC−2、照射光量500nW)を使用して得られるデータにより説明する。
【0042】
本発明における複合酸化物粒子に関するデータを図1、図2に示す。また、SiO2 粒子(平均粒径12nm)、SiO2 粒子(平均粒径40nm)、Al2 3 粒子のそれぞれ単独の場合のデータをそれぞれ図3〜図5に示す。また、SiO2 粒子とAl2 3 粒子とを単に混合した混合酸化物粒子におけるデータを、図6〜図9に示す。なお、図1と図2、また、図6と図7、図8と図9はそれぞれ同一の測定図で説明のために再録した。
【0043】
表面分析装置においては単色光の励起エネルギーを低い方から高い方にスキャンし、光電子放出が始まるエネルギー(仕事関数)を測定するもので、データとしては、励起エネルギー( Phton Energy )(横軸)と規格化光電子収率( Emmission Yield )との関係から得られる。例えば、図3を例に説明すると、SiO2 粒子の仕事関数(WF)は、屈曲点(A)における励起エネルギー5.22eVである。また、傾き(Slope、規格化光電子収率/eV)は、その値が大きいと電子を放出しやすい状態であることを示す。
【0044】
複合酸化物粒子を同様に測定すると、図1に示すように、光電子エネルギーと光電子収量との関係として、屈曲点(A)における5.18eVと、図2に示すように屈曲点(B)における5.62eVの2種の励起エネルギーを有することがわかる。また、同様に、混合酸化物粒子について測定すると、例えば図6、図7に示すように、5.22eVと5.52eVの2種の励起エネルギーを有することがわかる。後述する表1から明らかなように、複合酸化物粒子は単なる混合酸化物粒子に比して仕事関数の差が大きく、トナー母粒子に外添されると混合酸化酸化物粒子と比べて正と負の二つの摩擦帯電サイトを与えやすいものであることが判明する。その詳細な理由は不明であるが、複合酸化物粒子はSiO2 粒子とAl2 3 粒子との単なる混合体ではないものと考えられる。
【0045】
このような複合酸化物粒子における正の摩擦帯電サイトにトナー粒子が接触すると、混合酸化物粒子に比してトナー粒子を負に確実に帯電して正帯電トナーを減少させることができ、また、トナー粒子が負の摩擦帯電サイトに接触するとトナー粒子の過剰な負帯電性を制御できるので、安定した負帯電乾式トナーとできる。
【0046】
本発明における複合酸化物粒子は、珪素ハロゲン化物およびアルミニウムハロゲン化物を蒸発させ、それぞれの蒸発量を目的に応じて変化させ、キャリアガスと一緒に混合ユニット中で空気、酸素、および水素と均一に混合し、焔内加水分解することにより得られるが、その製造条件を制御することにより、第1と第2の仕事関数を制御でき、5.0〜5.4の範囲の第1の仕事関数と、5.4〜5.7の範囲の第2の仕事関数の2種類の仕事関数を示すものとできる。
【0047】
次に、外添粒子として複合酸化物粒子と共にSiO2 粒子が添加されるとよい。SiO2 粒子は、本発明におけるトナーを負帯電乾式トナーとすると共に、複合酸化物粒子を外添粒子として使用する際に生じる正帯電トナー化を防止することができる。複合酸化物粒子単独を外添粒子として負帯電乾式トナーとすると、複合酸化物粒子における酸化アルミニウム成分が正帯電サイトとして機能することから逆転写トナーが生じてカブリが増大し、ひいては転写効率も低下するが、負帯電性のSiO2 粒子を複合酸化物粒子と共に添加することにより、トナー粒子の正帯電トナー化を防止できる。また、複合酸化物粒子とSiO2 粒子とを併用すると、従来のSiO2 粒子単独の場合に比較してSiO2 粒子の使用量を低減でき、定着性を低下させることがない。
【0048】
また、本発明における外添粒子の系には、必要に応じて他の外添剤を添加してもよく、例えば、二酸化チタン、アルミナ、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム、マグネタイト、二硫化モリブデン、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等のチタン酸金属塩、ケイ素金属塩の各微粒子が例示される。複合酸化物粒子と共に添加される外添粒子の一次粒子の平均粒径は、1〜500nm、好ましくは5〜200nmである。
【0049】
本発明における外添粒子は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で疎水化処理して使用することが好ましく、例えばジメチルジクロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−iso −プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t −ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジペンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、(4−t −ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルペンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−iso −プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン等が例示される。
【0050】
本発明の負帯電乾式トナーにあっては、トナー母粒子に対する複合酸化物粒子の添加量は0.1〜3重量%、好ましくは0.2〜2重量%である。また、トナー母粒子に対するSiO2 粒子の添加量は0.3〜3重量%、好ましくは0.5〜2重量%である。また、トナー母粒子に対する全外添粒子の添加量は0.5〜5重量%、好ましくは1〜4重量%の割合とするとよい。
【0051】
本発明の負帯電乾式トナーは、トナー母粒子に複合酸化物粒子を外添したトナー粒子において、トナー母粒子をその仕事関数が5.3〜5.65eV、好ましくは5.35〜5.6eVのものとするとよく、かつ、トナー母粒子の仕事関数が複合酸化物粒子の第1の仕事関数より大きく、また、複合酸化物粒子の第2の仕事関数より小さいものと設定することを特徴とするものであり、これにより、カブリをより低減でき、転写効率をより向上させることができることが判明した。トナー母粒子の仕事関数が複合酸化物粒子の2種類の仕事関数の間にないと、間にある場合に比較し、後述する実施例4で説明するように、クリーニングトナー量が増大する。
【0052】
トナー母粒子と外添粒子とは、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、反転ミキサー、ハイスピードミキサー、サイクロミックス、アキシャルミキサー等の公知の複合機に投入し、トナー母粒子に対して外添粒子が付着処理され、本発明における負帯電乾式トナーとされる。
【0053】
このようにして得られる負帯電乾式トナーの仕事関数としては、5.3〜5.7eV、好ましくは5.4〜5.65eVとされる。なお、感光体表面の仕事関数より負帯電乾式トナーの仕事関数を大きくすることにより、実施例で記載するように、カブリをより低減でき、転写効率をより向上させることができる。また、感光体表面の仕事関数より負帯電乾式トナーの仕事関数を小さくすれば、トナー規制部材による現像ローラへのトナーの薄層規制に際して、帯電量が非常に高くなる「過帯電」の現象を生じることがあるが、その現象を抑制することができる。
【0054】
また、本発明の負帯電乾式トナーは、粉砕法トナーにあっては個数基準の平均粒径が5μm〜10μm、好ましくは6μm〜9μmであり、また、重合法トナーは、個数50%粒子径が、8μm以下、好ましくは4.5〜8μmであり、3μm以下が10%以下であり、好ましくは5%以下の粒径分布を有するものである。
【0055】
一般に、粉砕法トナーと重合法トナーを問わず、トナー粒子径を小さくすると、SiO2 粒子の添加量を増す必要があり、そのためトナーの帯電量が初期では大きくなりすぎるという問題がある。また、印字が進むにつれ、埋没または飛散によりSiO2 粒子の有効表面量が減少し、トナーの帯電量が低下し、画像濃度変動やカブリ量が増大してトナー消費量が増加する傾向があり、トナーとしては使用しにくいという問題がある。これに対して、複合酸化物粒子を外添粒子とすると、その粒度分布がブロードであり、外添粒子の埋没等の問題を抑制できるものであり、また、第1と第2の仕事関数の差を大とできるので、印字期間を通じ安定した負帯電乾式トナーとできる。
【0056】
また、本発明の負帯電乾式トナーとしては、粉砕法、重合法のいずれの場合においても、円形度(球状化係数)を0.94以上とするとよく、望ましくは、0.95以上である。円形度(球状化係数)0.97まではクリーニングブレードにより、それ以上ではブラシクリーニングを併用するとよい。円形度(球状化係数)が0.94以上とすることにより、転写効率を向上させることができる。
【0057】
なお、本発明においては、トナー母粒子やトナー粒子の平均粒径と円形度(球状化係数)は、シスメックス(株)製「FPIA2100」で測定する値である。また、複合酸化物粒子等の外添粒子における平均粒径は電子顕微鏡法により測定する値である。
【0058】
次に、本発明の負帯電乾式トナーが適用される画像形成装置について説明する。図10は、4サイクル方式のフルカラープリンターの一例を示す。なお、ロータリー方式やタンデム方式としてもよい。
【0059】
図10において、100は像担持体ユニットが組み込まれた像担持体カートリッジである。この例では、感光体カートリッジとして構成されていて、感光体と現像部ユニットが個別に装着できるようになっており、電子写真感光体(潜像担持体)140が図示しない適宜の駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動される。感光体140の周りにはその回転方向に沿って、帯電手段として帯電ローラ160、現像手段としての現像器10(Y、M、C、K)、中間転写装置30、およびクリーニング手段170が配置される。
【0060】
帯電ローラ160は、感光体140の外周面に当接してその外周面を一様に帯電させる。一様に帯電した感光体140の外周面には露光ユニット40によって所望の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、この露光L1によって感光体140上に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器10によって現像剤が付与されて現像される。
【0061】
現像器としてイエロー用の現像器10Y、マゼンタ用の現像器10M、シアン用の現像器10C、およびブラック用の現像器10Kが設けられている。これら現像器10Y、10C、10M、10Kはそれぞれ揺動可能に構成されており、選択的に一つの現像器の現像ローラ(現像剤担持体)11のみが感光体140に圧接し得るようになっている。これらの現像器10は、負帯電トナーを現像ローラ上に保持しているものであり、これらの現像器10はイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKのうちのいずれかのトナーを感光体140の表面に付与して感光体140上の静電潜像を現像する。現像ローラ11は硬質のローラ、例えば表面を粗面化した金属ローラで構成されている。現像されたトナー像は、中間転写装置30の中間転写ベルト36上に転写される。クリーニング手段170は、上記転写後に感光体140の外周面に付着しているトナーTを掻き落とすクリーナブレードと、このクリーナブレードによって掻き落とされたトナーを受けるクリーニングトナー回収部とを備えている。
【0062】
中間転写装置30は、駆動ローラ31と、4本の従動ローラ32、33、34、35と、これら各ローラの周りに張架された無端状の中間転写ベルト36とを有している。駆動ローラ31は、その端部に固定された図示しない歯車が感光体140の駆動用歯車とかみ合っていることによって感光体140と略同一の周速で回転駆動され、したがって中間転写ベルト36が感光体140と略同一の周速で図示矢印方向に循環駆動されるようになっている。
【0063】
従動ローラ35は駆動ローラ31との間で中間転写ベルト36がそれ自身の張力によって感光体140に圧接される位置に配置されており、感光体140と中間転写ベルト36との圧接部において、一次転写部T1が形成されている。従動ローラ35は、中間転写ベルトの循環方向上流側において一次転写部T1の近くに配置されている。
【0064】
駆動ローラ31には中間転写ベルト36を介して図示しない電極ローラが配置されており、この電極ローラを介して中間転写ベルト36の導電性層に一次転写電圧が印加される。従動ローラ32は、テンションローラであり、図示しない付勢手段によって中間転写ベルト36をその張り方向に付勢している。従動ローラ33は二次転写部T2を形成するバックアップローラである。このバックアップローラ33には中間転写ベルト36を介して二次転写ローラ38が対向配置されている。二次転写ローラには二次転写電圧が印加され、図示しない剥離機構により中間転写ベルト36に対して接離可能になっている。従動ローラ34はベルトクリーナ39のためのバックアップローラである。ベルトクリーナ39は図示しない接離機構により中間転写ベルト36に対して接離可能になっている。
【0065】
中間転写ベルト36は、導電層と、この導電層上に形成され、感光体140に圧接される抵抗層とを有する複層ベルトで構成されている。導電層は合成樹脂からなる絶縁性基体の上に形成されており、この導電層に前述した電極ローラを介して一次転写電圧が印加される。なお、ベルト側縁部において、抵抗層が帯状に除去されることによって導電層が帯状に露出し、この露出部に電極ローラが接触するようになっている。
【0066】
中間転写ベルト36が循環駆動される過程で、一次転写部T1において、感光体体140上のトナー像が中間転写ベルト36上に転写され、中間転写ベルト36上に転写されたトナー像は、二次転写部T2において、二次転写ローラ38との間に供給される用紙等のシート(記録材)Sに転写される。シートSは給紙装置50から給送され、ゲートローラ対Gによって所定のタイミングで二次転写部T2に供給される。51は給紙カセット、52はピックアップローラである。
【0067】
2次転写部T2でトナー像が定着され、排紙経路70を通って装置本体のケース80上に形成されたシート受け部81上に排出される。なお、この画像形成装置は、排紙経路70として互いに独立した2つの排紙経路71、72を有しており、定着装置60を通ったシートはいずれかの排紙経路71又は72を通って排出される。また、この排紙経路71、72はスイッチバック経路をも構成しており、シートの両側に画像を形成する場合には排紙経路71又は72に一旦進入したシートが、返送ローラ73を通って再び二次転写部T2に向けて給紙されるようになっている。
【0068】
以上のような画像形成装置全体の作動の概要は次の通りである。
(1) 図示しないホストコンピュータ等(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が画像形成装置の制御部90に入力されると、感光体140、現像器10の各ローラ11、および中間転写ベルト36が回転駆動される。
(2) 感光体140の外周面が帯電ローラ160によって一様に帯電される。
(3) 一様に帯電した感光体140の外周面に、露光ユニット40によって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、イエロー用の静電潜像が形成される。
(4) 感光体140には、第1色目の例えばイエロー用の現像器10Yの現像ローラのみが接触し、これによって上記静電潜像が現像され、第1色目のイエローのトナー像が感光体140上に形成される。
(5) 中間転写ベルト36には、上記トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体140上に形成されたトナー像が一次転写部T1において中間転写ベルト36上に転写される。このとき、二次転写ローラ38およびベルトクリーナ39は中間転写ベルト36から離間している。
(6) 感光体140上に残留しているトナーがクリーニング手段170によって除去された後、除去手段41から徐電光L2によって感光体140が除電される。
(7) 上記(2)〜(6)の動作に必要に応じて繰り返される。すなわち、上記印字指令信号に応じて第2色目、第3色目、第4色目と繰り返され、上記印字指令信号の内容に応じたトナー像が中間転写ベルト36上において重ね合わされて形成される。
(8) 所定のタイミングで給紙装置50からシートSが給送され、シートSの先端が二次転写部T2に達する直前あるいは達した後に(要するにシートS上の所望の位置に、中間転写ベルト36上のトナー像が転写されるタイミングで)二次転写ローラ38が中間転写ベルト36上のトナー像(基本的には4色のトナー像が重ね合わせられたフルカラー画像)がシートS上に転写される。また、ベルトクリーナ39が中間転写ベルト36に当接し、二次転写後に中間転写ベルト36上に残留しているトナーが除去される。
(9) シートSが定着装置60を通過することによってシートS上のトナー像が定着し、その後、シートSが所定の位置に向け(両面印刷でない場合にはシート受け部81に向け、両面印刷の場合にはスイッチバック経路71または72を経て返送ローラ73に向け)搬送される。
【0069】
本発明に係る画像形成装置では、感光体140には現像ローラ11、中間転写媒体36を当接状態としてもよく、また、現像を非接触のジャンピング方式としてもよい。
【0070】
本発明のトナー粒子は、安定した負帯電乾式トナーとできるので、カブリのない高画質な均一なトナー像を感光体上に形成することができる、また、転写材や転写媒体への転写効率が上がり、転写残りのトナー量が極端に少なくなる。また、クリーニング部へ負荷も減少し、クリーニングの廃トナー容器も小さくでき、かつ、トナー消費量も低減することで低ランニングコストとできる。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明する。
【0071】
【実施例】
下記の実施例1で使用する複合酸化物粒子等の外添粒子の製造方法および仕事関数について説明する。
【0072】
(複合酸化物粒子の製造)
図11は複合酸化物粒子を製造するためのバーナー装置である。図中1は燃焼室、2は二重ジャケット管、3は環状ダイヤフラム、4は内側管、5は外側管、6は水冷焔管である。燃焼室1には二重ジャケット管2が突出させられ、二重ジャケット管2の内側管4からは水素1.4Nm3 /h、空気5.5Nm3 /hおよび予め蒸発させたガス状SiCl4 1.30kg/hの割合で混合した200℃の熱混合蒸気が導入され、次いで、この熱混合蒸気に予め300℃で蒸発させたガス状AlCl3 が2.34kg/hの割合で付加供給されて炎管中に導入されると共に付加的に空気12Nm3 /hが供給されて燃焼させられる。この際、燃焼室には空気が導入され、また、環状ダイヤフラム3から付加的に空気が導入される。焔中では、生成する水と塩化物との急激な反応が生じ、複合酸化物粒子が形成される。炎管通過後に、生じた粉末はフィルターまたはサイクロンを使用して分離され、また、粉末に付着した塩酸分が除去される。得られる複合酸化物粒子の組成はAl2 3 65重量%、SiO2 35重量%であり、一次粒子の平均粒径は14nm、BET比表面積74m2 /g、体積抵抗率1012Ω・cmである。得られた複合酸化物粒子をジメチルシラン(DMS)により疎水処理した。
【0073】
得られた複合酸化物粒子の仕事関数を表面分析装置(理研計器(株)製AC−2)を使用し照射光量500nWで測定したデータを、図1、図2に示す。図1、図2は、2種類の仕事関数が得られることを説明するための図で、同一測定データである。
【0074】
(SiO2 粒子−1)
気相法シリカ粒子(平均粒子径12nm)をヘキサメチルジシラザン(HMDS)により疎水処理した。表面分析装置を使用して同様に測定したデータを図3に示す。
【0075】
(SiO2 粒子−2)
気相法シリカ粒子(平均粒子径40nm)をヘキサメチルジシラザン(HMDS)により疎水処理した。表面分析装置により同様に測定したデータを図4に示す。
【0076】
(Al2 3 粒子)
気相法アルミナ粒子(平均粒子径13nm)。表面分析装置により同様に測定したデータを図5に示す。
【0077】
(SiO2 粒子とAl2 3 粒子との混合品、混合酸化物粒子−1)
気相法アルミナ粒子(平均粒子径13nm)と気相法シリカ粒子(平均粒子径12nm)のヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理品とを65:35(重量比)で乾式混合した後、室温25℃、湿度55%で24時間放置品について、表面分析装置により同様に測定したデータを図6、図7に示す。図6、図7は2種類の仕事関数が得られることを説明するための図で、同一測定データである。
【0078】
(SiO2 粒子とAl2 3 粒子との混合品、混合酸化物粒子−2)
気相法アルミナ粒子(平均粒子径13nm)と気相法シリカ粒子(平均粒子径40nm)のヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理品とを65:35(重量比)で乾式混合した後、室温25℃、湿度55%で24時間放置品について、表面分析装置により同様に測定したデータを図8、図9に示す。図8、図9は2種類の仕事関数が得られることを説明するための図で、同一測定データである。
【0079】
図1〜図9から得られる各外添粒子の仕事関数を、下記表1にまとめる。
【0080】
【表1】
Figure 0003714411
【0081】
SiO2 粒子−1、SiO2 粒子−2、Al2 3 粒子は1種類の仕事関数しか示さないが、混合酸化物粒子−1、混合酸化物粒子−2、複合酸化物粒子の場合には、2種類の仕事関数を有し、また、複合酸化物粒子における仕事関数の差は、混合酸化物粒子における仕事関数の差よりも大きいことがわかる。
【0082】
次に、本実施例等で使用するトナー1、有機感光体、現像ローラ、転写媒体の製造例または作製方法を示す。なお、実施例中「部」は重量部を示す。
【0083】
(トナー1の製造例)
スチレンモノマー80部、アクリル酸ブチル20部、およびアクリル酸5部からなるモノマー混合物を、水105部、ノニオン乳化剤1部、アニオン乳化剤1.5部、および過硫酸カリウム0.55部の水溶液混合物に添加し、窒素気流中下で攪拌し70℃で8時間重合を行った。重合反応後冷却し、乳白色の粒径0.25μmの樹脂エマルジョンを得た。
【0084】
次に、この樹脂エマルジョン200部、ポリエチレンワックスエマルジョン(三洋化成工業(株)製)20部、フタロシアニンブルー7部、界面活性剤のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を含んだ水中へ分散し、ジエチルアミンを添加してpHを5.5に調整後攪拌しながら電解質の硫酸アルミニウム0.3部を加え、次いでTKホモミキサーで高速攪拌し分散を行った。
【0085】
更に、スチレンモノマー40部、アクリル酸ブチル10部、サリチル酸亜鉛5部を水40部と共に追加し、窒素気流下で攪拌しながら同様にして90℃に加熱し、過酸化水素を加えて5時間重合し、粒子を成長させた。重合停止後、会合粒子の結合強度を上げるためpHを5以上に調整しながら95℃に昇温し、6時間保持した。その後、得られた粒子を水洗いし、45℃で真空乾燥を10時間行った。得られたシアントナー母粒子は平均粒径6.8μm、円形度0.98であった。得られたシアントナー母粒子の仕事関数を表面分析装置(AC−2型、理研計器(株)製)を用い、照射光量500nWで測定すると、5.57eVであった。
【0086】
このトナー母粒子に対し、重量比でヘキサメチルジシラン(HMDS)により表面処理した疎水性シリカ(平均粒径12nm、比表面積140/m2 /g)を0.5重量%、同じ処理を施した疎水性シリカ(平均粒径40nm、比表面積45m2 /g)を0.5重量%添加してトナー1を作製した。得られたトナー1の仕事関数は、5.58eVであった。
【0087】
(有機感光体(OPC1)の製造例)
導電性支持体としてシームレスの厚さ40μmで径85.5mmのニッケル電鋳管に、下引き層としてアルコール可溶性ナイロン(東レ(株)製「CM8000」)の6重量部とアミノシラン処理された酸化チタン微粒子4重量部をメタノール100重量部に溶解、分散させてなる塗工液をリングコーティング法で塗工し、温度100℃で40分乾燥させ、膜厚1.5〜2μmの下引き層を形成した。この下引き層上に電荷発生顔料のオキシチタニウムフタロシアニン1重量部、ブチラール樹脂(BX−1、積水化学(株)製)1重量部およびジクロルエタン100重量部とを、φ1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで8時間分散させた。得られた顔料の分散液をリングコーティング法で塗工し、80℃で20分間乾燥させ、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。この電荷発生層上に下記構造式(1)のスチリル化合物の電荷輸送物質40重量部とポリカーボネート樹脂(パンライトTS、帝人化成(株)製)60重量部をトルエン400重量部に溶解させ、乾燥膜厚が22μmになるように浸漬コーティング法で塗工、乾燥させて電荷輸送層を形成して、2層からなる感光層を有する有機感光体(OPC1)を作製した。得られた有機感光体の一部を切り欠き、試料片とし、その仕事関数を表面分析装置(AC−2型、理研計器(株)製)を用い、照射光量500nWで測定すると、5.48eVを示した。
【0088】
【化1】
Figure 0003714411
【0089】
(現像ローラの作製)
直径18mmのアルミパイプ表面にニッケルメッキ(厚さ23μm)を施し、表面粗さ(Ra)4μmの表面を得た。この現像ローラ表面の仕事関数を測定したところ、4.58eVであった。
【0090】
(転写媒体の製造例)
アルミニウムを蒸着した厚さ130μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム上に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体30重量部、導電性カーボンブラック10重量部およびメチルアルコール70重量部の均一分散液を厚さが20μmになるようにロールコーティング法にて塗工乾燥し、中間導電性層を形成した。ついで、中間導電性層上に、ノニオン系水系ウレタン樹脂(固形分62%)55重量部、ポリテトラフルオロエチレンエマルジョン樹脂(固形分60%)11.6部、導電性酸化スズ25重量部、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(max粒子径0.3μm以下)34重量部、ポリエチレンエマルジョン(固形分35%)5重量部およびイオン交換水20重量部を混合分散した塗工液を厚さ10μmとなるようにロールコーティング法にて同様に塗工乾燥し、転写層を形成した。この塗工シートを長さ540mmに断裁し、塗工面を上にして端部を合わせ、超音波溶着を行うことにより転写ベルトを作製した。この転写ベルトの体積抵抗は、2.5×1010Ω・cmであった。また、仕事関数は5.37、規格化光電子収率6.90を示した。
【0091】
(実施例1)
上記で得たトナー1に対して、上記で作製した外添粒子のSiO2 粒子−1 、SiO2 粒子−2、Al2 3 粒子、混合酸化物粒子−1、混合酸化物粒子−2、複合酸化物粒子を、それぞれ0.5重量%ずつ市販のブレンダーを使用して添加混合し、トナー1−1〜トナー1−6をそれぞれ作製した。
【0092】
図10に示すフルカラープリンターとして、上記で作製した現像ローラ、有機感光体および転写媒体を装着し、接触現像式とし、また、シアン現像器に各トナーをそれぞれ入れ、ベタ画像濃度が約1.3となるように作像した。作像条件は、暗電位−600V、明電位−100V、現像バイアス−200V、供給ローラと現像ローラは同電位、一次転写電圧+300Vとした。
【0093】
感光体への転写効率および感光体上のカブリ量をテープ転写法でもとめ、表2を示す。また、1色目を同様にベタ画像を作像し、次いで2色目の白ベタ画像を作像させた時に、白ベタ画像に相当する非画像部となる感光体上に逆転写された1色目のシアントナーを逆転写トナー濃度としてテープ転写法でもとめ、同様に表2に示す。
【0094】
テープ転写法は、住友3M製のメンディングテープを感光体等上に存在するトナー上に貼り付け、貼り付け前後のテープを白紙に貼り、反射濃度を測定し、その値よりテープの反射濃度を差し引き、得られる値をカブリおよび逆転写トナーの反射濃度とした。また、転写効率は転写前後の感光体上に存在するトナーにテープを貼り付け、テープの重量を測定し、その重量差より計算して求めた。
【0095】
【表2】
Figure 0003714411
【0096】
トナー1−1〜トナー1−3のごとく、外添粒子としてシリカ粒子単独や、また、トナー母粒子にシリカ粒子を外添したトナー粒子にアルミナ粒子をさらに外添したトナー粒子より、トナー1−4、トナー1−5のごとく、トナー母粒子にシリカ粒子を外添したトナー粒子にアルミナ粒子とシリカ粒子を事前に乾式混合した外添剤粒子をさらに外添したトナー粒子の方がカブリが少なくなることが示されたが、逆転写トナーはシリカ単独のトナーよりも多いことが示された。これに対して、本発明のトナー1−6は、カブリも逆転写トナーも共に減少し、それと同時に転写効率も向上することができた。
【0097】
また、トナー1 におけるトナー母粒子の仕事関数は5.57eVであり、複合酸化物粒子の第1の仕事関数5.18eVと第2の仕事関数5.62eVとの間にあり、カブリも逆転写トナーも共に減少し、それと同時に転写効率も向上するものであることがわかる。
【0098】
(実施例2)
実施例1で作製したトナー1に対して、ジメチルシラン(DMS)により疎水処理した複合酸化物粒子(Al2 3 65重量%、SiO2 35重量%、一次粒子の平均粒径は17nm、BET比表面積110m2 /g)を、下記表3の割合でそれぞれ外添し、トナー粒子を作製した。それぞれのトナー粒子の仕事関数を測定すると共に、実施例1同様に図10に示すフルカラープリンターのシアン現像器に各トナーを装填し、5%デューティの印字を10枚行い、ついで現像ローラを取り外して、現像ローラ上のトナーの帯電分布量特性をホソカワミクロン(株)製「E−SPARTIII 」を使用して測定した結果を同時に示す。
【0099】
【表3】
Figure 0003714411
【0100】
本発明の外添剤を添加するにしたがい、平均帯電量は大きくなるか、さほど変わらないが、正帯電トナー量は減少することが分かる。これはカブリが低減されやすくなると同時に逆転写トナー量も減少させやすいことを示している。
【0101】
(実施例3)
(トナー2の製造例)
トナー1における顔料をカーミン6Bに変更し、また、二次粒子の会合と造膜結合強度をあげる温度を90℃のままで行い、トナー母粒子を同様に作製した。このマゼンタトナーは平均粒径6.9μmであり、円形度は0.97であり、また、仕事関数は5.56eVであった。このトナー母粒子に対してトナー1と同じ種類と量の外添剤を添加し、さらに同様に複合酸化物粒子を0.5%添加混合し、トナー2を作製した。トナー2の仕事関数を測定したところ、5.60eVであった。
【0102】
(有機感光体(OPC2)の製造例)
有機感光体(OPC1)において、導電性支持体として径85.5mmのアルミ素管、電荷発生顔料としてチタニルフタロシアニン、電荷輸送物質に下記構造式(2)のジスチリル化合物(2)に変えた以外は同様にして有機感光体(2)を作製した。この有機感光体の仕事関数を測定すると5.50eVであった。
【0103】
【化2】
Figure 0003714411
【0104】
図10に示すフルカラープリンターとして、実施例1で作製した現像ローラ、および転写媒体を装着し、接触現像式とする場合にはOPC1を、また、非接触現像方式の場合にはOPC2を装着し、また、マゼンタ現像器にトナー2を入れ、接触現像方式、非接触現像方式でそれぞれベタ画像濃度が約1.3となるように作像した。作像条件は、接触現像方式の場合には暗電位−600V、明電位−100V、現像バイアス−200V、供給ローラと現像ローラは同電位、一次転写電圧+300Vとし、非接触現像方式の場合には現像ギャップを210μmとなるようにギャップコロを現像ローラ両端部に取付け、DCの現像バイアス−350Vに重畳するACはP−P電圧1400Vの条件で印加し、その他は接触現像方式と同じとした。
【0105】
接触現像方式の場合について、実施例1同様に、カブリOD値、逆転写トナーOD値、転写効率(%)を同様に測定した結果を表4に示す。非接触現像方式の場合について、同様に、表5に示す。
【0106】
【表4】
Figure 0003714411
【0107】
【表5】
Figure 0003714411
【0108】
表4、5からわかるように、本発明の外添粒子を添加するにしたがい、カブリと逆転写トナーが減少し、転写効率が向上することがわかる。
【0109】
また、トナー2におけるトナー母粒子の仕事関数は5.56eVであり、複合酸化物粒子の第1の仕事関数5.18eVと第2の仕事関数5.62eVとの間にあり、カブリも逆転写トナーも共に減少し、それと同時に転写効率も向上するものであることがわかる。
【0110】
(実施例4)
(トナー3の製造例)
重縮合ポリエステル樹脂(三洋化成工業(株)製、ハイマーES−801、非架橋成分と架橋成分の重量比率45/55)100部にシアン顔料のフタロシアニンブルー5部、離型剤として融点が152℃、Mwが4000のポリプロピレン3部、および荷電制御剤としてのサリチル酸金属錯体E−81(オリエント化学工業(株)製)4部をヘンシェルミキサーを用い均一混合した後、内温150℃の二軸押し出し機で混練、冷却物を2mm角以下に粗粉砕し、次いでターボミルで微粉砕し、ローター回転による分級装置により分級し平均粒径7.4μmの円形度、0.925、仕事関数5.38eVのシアントナー母粒子を得た。このトナー母粒子に対し、トナー1で使用した二種類の疎水性シリカを各0.5%添加し、さらに疎水性処理した複合酸化微粒子を0.5%添加混合し、トナー3を作製した。トナー3の仕事関数を測定したところ、5.43eVであった。
【0111】
(トナー4、5、6の製造例)
トナー3の製造例に従い、同様にしてトナー4(マゼンタトナー顔料としてカーミン6Bを使用)、トナー5(イエロートナー顔料としてピグメントイエロー93を使用)およびトナー6(ブラックトナー顔料としてカーボンブラックを使用)を作製した。製作したトナー母粒子の平均粒径と円形度はほぼトナー3と同じ値を示し、またそれぞれのトナーの仕事関数は5.42eV(マゼンタ)、5.55eV(イエロー)および5.60eV(ブラック)であった。
【0112】
(トナー7、8、9の製造例)
トナー3の製造例において、ポリエステル樹脂を芳香族ジカルボン酸とアルキレンエーテル化ビスフェノールAとの重縮合ポリエステルと該重縮合ポリエステルの多価金属化合物による一部架橋物の50:50(重量比)混合物に代え、また、またマゼンタ顔料としてキナクリドンを使用した以外は同様にしてトナー7を、また、トナー7のマゼンタ顔料にかえてイエロー顔料としてピクメントイエロー180を使用した以外は同様にしてトナー8を、また、トナー7のマゼンタ顔料にかえてブラック顔料としてカーボンブラックを使用した以外は同様にしてトナー9を作製した。製作したトナーの仕事関数は5.66eV(マゼンタ)、5.63eV(イエロー)および5.72eV(ブラック)であった。 前述のトナー3(シアン)、4(マゼンタ)、5(イエロー)および6(ブラック)の4色トナーと、比較としてトナー3(シアン)、トナー7(マゼンタ)、8(イエロー)、および9(ブラック)の4色トナーを用い、実施例3のカラープリンターを使用し、接触現像方式でフルカラー原稿(各色カラーデューティ5%)を10000枚印字し、1枚目と10000枚目を比較した。
【0113】
トナー3〜トナー6の組み合わせの場合には、画質の劣化および機内のトナー飛散もなく、安定したトナーの帯電特性を与えていることが示された。また、クリーニングトナーの収容する容器内の総重量を測定したところ、総クリーニングトナー量は80gであり、クリーニングされるトナー量が各色で少ないことが確認できた。また、この回収総重量は予定していた感光体部のクリーニングトナー容量の28%であった。
【0114】
これに対して、トナー母粒子の仕事関数が複合酸化物粒子の第2の仕事関数より大きいトナー7〜トナー9を有するトナー3、トナー7〜トナー9の組み合わせでは、総クリーニングトナー量は96gであり、クリーニングされるトナー量が多く、回収総重量は予定していた感光体部のクリーニングトナー容量の34%であった。
【0115】
【発明の効果】
本発明の負帯電乾式トナーは、トナー母粒子に焔内加水分解法により得られる酸化アルミニウム−二酸化珪素複合酸化物粒子を外添した負帯電乾式トナーにあって、トナー粒子の帯電電荷の均一性に優れると共に、カブリが少なく、かつ、転写効率を向上させることができるものであり、また、転写材や転写媒体への転写効率が上がり、転写残りのトナー量が極端に少なくなる。また、クリーニング部へ負荷も減少し、クリーニングの廃トナー容器も小さくでき、かつ、トナー消費量も低減することで低ランニングコストとできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における複合酸化物粒子を表面分析装置を使用し測定したデータで、2種類の仕事関数が得られることを説明するための図である。
【図2】 図1と同一データで、2種類の仕事関数が得られることを説明するための図である。
【図3】 外添粒子であるSiO2 粒子(平均粒径12nm)を表面分析装置を使用し測定したデータである。
【図4】 外添粒子であるSiO2 粒子(平均粒径40nm)を表面分析装置を使用し測定したデータである。
【図5】 外添粒子である、Al2 3 粒子を表面分析装置を使用し測定したデータである。
【図6】 外添粒子であるSiO2 粒子とAl2 3 粒子との混合品である混合酸化物粒子−1を表面分析装置を使用し測定したデータである。
【図7】 図6と同一データで、2種類の仕事関数が得られることを説明するための図である。
【図8】 外添粒子であるSiO2 粒子とAl2 3 粒子との混合品である混合酸化物粒子−2を表面分析装置を使用し測定したデータである。
【図9】 図8と同一データで、2種類の仕事関数が得られることを説明するための図である。
【図10】 本発明で使用するロータリー方式のフルカラープリンターの一例を示す説明図である。
【図11】 本発明における複合酸化物粒子を製造するためのバーナー装置である。
【符号の説明】
1は燃焼室、2は二重ジャケット管、3は環状ダイヤフラム、4は内側管、5は外側管、6は水冷焔管、10は現像器、30は中間転写装置、40は露光ユニット、50は給紙装置、60は定着装置、70は排紙経路、100は像担持体カートリッジ、140は電子写真感光体(潜像担持体)、160は帯電ローラ、170はクリーニング手段

Claims (8)

  1. トナー母粒子に、焔内加水分解法により得られる酸化アルミニウム−二酸化珪素複合酸化物粒子および二酸化珪素微粒子を外添すると共に、前記複合酸化物粒子が、5.0〜5.4の範囲の第1の仕事関数と、5.4〜5.7の範囲の第2の仕事関数の2種類の仕事関数を示し、かつ、トナー母粒子の仕事関数が5.3〜5.65であって、前記複合酸化物粒子の第1の仕事関数より大きく、また、複合酸化物粒子の第2の仕事関数より小さいものであることを特徴とする負帯電乾式トナー。
  2. トナー母粒子に対して、酸化アルミニウム−二酸化珪素複合酸化物粒子を0.1〜3重量%の割合で添加することを特徴とする請求項1記載の負帯電乾式トナー。
  3. トナー母粒子がポリエステル樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の負帯電乾式トナー。
  4. トナー母粒子がスチレン−アクリル系共重合樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の負帯電乾式トナー。
  5. 負帯電乾式トナーの円形度が0.94以上であることを特徴とする請求項1記載の負帯電乾式トナー。
  6. トナー母粒子が重合法トナーであって、かつ、負帯電乾式トナーの個数50%粒子径が8μm以下であることを特徴とする請求項5記載の負帯電乾式トナー。
  7. 負帯電乾式トナーがフルカラートナーであることを特徴とする請求項1記載の負帯電乾式トナー。
  8. 負帯電乾式トナーが反転現像されるものであることを特徴とする請求項1記載の負帯電乾式トナー。
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