JP4553058B2 - 画像形成装置、画像形成方法 - Google Patents
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Description
特に記録材上に直接転写を行うタンデム方式は画像記録装置を小型化することができ、また高速にカラー画像を形成することが可能であるという特徴を有している。
しかしながら、少なくとも3個の圧力手段を別途設ける必要があり、画像形成装置の大きさが大きくなり、装置の小型化が困難となるという問題点があった。
この方法では、逆帯電トナーの発生そのものを防止することはできず、廃トナーが増加し、そのために容量の大きな廃トナーの収納手段を設ける必要性があり、機器の小型化等をすることはできなかった。
また、最上流側のイエロートナーで最初に現像し、最後に最下流側のブラックトナーで現像するカラー画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献9)。
これらは、いずれもブラックトナーのみで現像する場合のクリーニングブレードの捲くれあがり等の問題点を防止するものであって、カブリと逆転写トナーの発生防止や色ずれ防止には不十分なものであった。
しかし、逆転写トナーの発生防止の対策をしたものではなかった。
また、潜像担持体上に形成した潜像をトナーによって現像し、現像されたトナー像を記録材に転写することで複数色のトナーからなるカラー画像を形成する画像形成方法において、前記複数色のトナーは、トナーの仕事関数がそれぞれ異なっており、前記複数色のトナーのうち、仕事関数の最も大きなトナーが最初に前記記録材に転写されるように前記トナー像形成手段が配置され、先に前記記録材に転写された仕事関数の大きなトナーに該トナーよりも仕事関数の小さなトナーを逐次転写する画像形成方法によって解決することができる。
また、先に前記媒体に転写された仕事関数の大きなトナーに該トナーよりも仕事関数の小さなトナーを接して転写する画像形成装置である。
このようにしたので、記録材として使用した用紙上に先に転写されたトナーが次のトナー像形成手段の感光体に移動する逆転写が起きることを防止することができる。また、各色のトナー層同士の密着性が向上することにより色ずれ防止と色再現性に優れたカラー画像を形成することが可能となる。
このように、潜像担持体上の黒トナーの画像を前記記録材に転写する順番を最初または最後のいずれかとすることによって黒トナーのみで画像を形成する場合には、通常黒トナーによる画像形成比率が高いため、黒トナーのユニットの交換を行い易くするのみならず、端に配置されているので、黒トナーのユニットを他の色のトナーのユニットに比べて大きくすることで、黒を使用したモノクロ画像の形成可能枚数を多くすることができる。その結果、交換頻度を少なくした画像形成装置を提供することができる。
負帯電トナー、および反転現像器を用いた前記の画像形成装置である。
潜像担持体が負帯電の有機感光体である前記の画像形成装置である。
また、潜像担持体上に現像されたトナー量が0.5mg/cm2 以下である前記の画像形成装置である。
このように、潜像担持体上の付着トナー量を0.55mg/cm2以下とすることで、記録材への一次転写電圧を低く押さえることが可能となり、その結果、中間転写媒体と潜像担持体間の1次転写時の非画像部への放電を抑制することができ、転写トナー画像の飛び散りや飛散の防止が可能となる。
この効果は、仕事関数の大きいトナーより順に現像することで1次転写電圧を逐次高くする必要がないため、必然的に高品質のカラートナー像を得ることができる。
このように、潜像担持体上に必要な現像付着トナー量を得るのに、現像部材の周速差を所定の大きさとすることによって、トナーの均一帯電と仕事関数差による電子(電荷)の移動による高い転写特性と色ずれや飛び散りがない高品位なカラートナー像が得られる。
このように、交流電圧の印加により現像ローラ表面と有機感光体表面との間でトナーTが振動する間にトナー粒子相互間で接触帯電が行われ、小粒径の正帯電トナーを負に帯電させることができ、カブリを減少させることができる。
物質の仕事関数(Φ)は、その物質から電子を取り出すために必要なエネルギーとして知られており、仕事関数が小さいほど電子を放出しやすく、大きい程電子を出しにくい。そのため、仕事関数の小さい物質と大きい物質を接触させると、仕事関数の小さい物質は正に、仕事関数の大きい物質は負に帯電する。
仕事関数は下記の測定方法により測定されるものであり、その物質から電子を取り出すためのエネルギー(eV)として数値化され、種々の物質からなるトナーと画像形成装置における種々の部材との接触による帯電性を評価しうるものである。
図1(A)は、コンポジットベタ画像の現像、転写例を示したもので、一列にトナーが並んだ様子を示している。
トナーの仕事関数がΦ(大)からΦ(小)へと大きい順より記録材Rへの現像、転写が行われ、搬送ベルトB上の記録材Rに静電的に付着している。矢印で示す電荷移動方向ELの方向に電子(電荷)が移動し、最上部のトナーの電荷が小さくなるので、斥力でトナーが離れることはなく、重なりが良好となり、かつ転写電界EFの方向と同一になるために、転写効率が高くなると考えられる。
また、表1に示すように一般的に使用されている複写機、プリンター用の用紙の仕事関数は5.6eV前後の値を示し、紙の仕事関数より小さいトナーが転写されるとトナーは正に帯電する傾向となる。
また、1層以下の場合には、現像時に薄層規制いわゆる略1層規制によってトナーの電荷分布が十分に負側に分布していると正トナーに転化する量が無視できるほどになるので、逆転写トナーの発生が問題となることは少ない。
また、本発明では搬送用ベルトとして記録材の仕事関数よりも仕事関数が小さなものを使用したが、これによって転写電界がより有効に作用することとなるので、転写において好ましい結果を得ることができる。
メーカー名 銘柄 仕事関数(eV)
富士ゼロックスオフィスサプライ フルカラー複写機用紙J 5.66
〃 PPC用紙L 5.61
〃 フルカラー複写機用紙JD 5.65
〃 P紙 5.62
NBSリコー マイリサイクルペーパー100 5.61
リコー PPC用紙TYPE6200 5.56
STEINBEIS RECYCLING COPY 5.59
NEENAH Bond White 5.63
Xerox 4024DP 5.71
セイコーエプソン PRPPAN3N 5.61
上質紙135k 5.60
はがき用紙 5.64
図2は、本発明の画像形成装置における接触現像方式の一例を示すものであるが、感光体1は直径24〜86mmで表面速度60〜300mm/sで回転する感光体ドラムで、コロナ帯電器2によりその表面が均一に負帯電された後、記録すべき情報に応じた露光3が行われることにより、静電潜像が形成される。
現像器10は、一成分現像装置であり、有機感光体上に一成分非磁性トナーTを供給することで有機感光体における静電潜像を反転現像し、可視像化するものである。現像手段には、一成分非磁性トナーTが収納されており、図示のごとく反時計方向で回転するトナー供給ローラ7によりトナーを現像ローラ9に供給する。現像ローラ9は反時計方向に回転し、トナー供給ローラ7により搬送されたトナーTをその表面に保持した状態で有機感光体との接触部に搬送し、有機感光体1上の静電潜像を可視像化する。
接触現像方式にあっては、反時計方向に回転する現像ローラの周速を、時計方向に回転する有機感光体に対して1.1〜2.5、好ましくは1.2〜2.2の周速比とするとよく、これにより、小粒径のトナー粒子であっても、有機感光体との接触領域に充分なトナーを供給することができる。
また、記録材11は搬送用ベルト12に載置されて可視像化された感光体1とバックアップローラ6との間に送られて転写される。
また、ベルト基体は、特性の異なる材料、あるいは配合量を変えて製造した複数層を積層して製造したものであっても良い。積層することによって強度と電気的特性の調整が可能となり、特性の優れたものを製造することが可能となる。また、表面に各種の処理を加えて所望の特性の表層を形成しても良い。
紙搬送ベルトの厚みは、0.1mmないし1.5mmの範囲とすることが好ましく、体積抵抗は、108ないし1011Ωcmとすることが好ましく、108Ωcmよりも小さい場合には紙の吸着性能が低下する。また、1011Ωcmよりも大きい場合には、転写電圧や転写電流を大きくする必要があり、容積が大きなもの、となったり、あるいは定格が大きな高圧電源を必要とするので好ましくない。
図4において、本実施形態の画像形成装置101は、ハウジング102と、ハウジング102の上部に形成された排紙トレイ103と、ハウジング102の前面に開閉自在に装着された扉体104を有し、ハウジング102内には、制御ユニット105、電源ユニット106、露光ユニット107、画像形成ユニット108、排気ファン109、転写ユニット110、給紙ユニット111が配設され、扉体104内には紙搬送ユニット112が配設されている。各ユニットは、本体に対して着脱可能な構成であり、メンテナンス時等には一体的に取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
また、紙搬送ベルト115の裏面には、後述する画像形成ユニット108を構成する各色毎の単色画像形成ユニットY,M,C,Kの画像担持体120に対向して板バネ電極からなる転写部材121がその弾性力で当接され、転写部材121には転写バイアスが印加されている。
現像ローラ135に供給されたトナーは規制ブレード136により所定厚さに薄層化規制される。薄層化したトナー層は、画像担持体120へと搬送されて現像ローラ135と画像担持体120が近接する現像領域で画像担持体120の静電潜像を現像する。
図5は、仕事関数測定用の試料測定セルを説明する図である。
図5(A)に平面図を示し、図5(B)に側面図を示すように、試料測定セルC1は、直径13mm、高さ5mmのステンレス製円盤の中央に直径10mmで深さ1mmのトナー収容用凹部C2を有する形状を有する。セルの凹部内にトナーを秤量スプーンを使用して突き固めないで入れた後、ナイフエッジを使用して表面を平らにした状態で測定に供する。
トナーを充填した測定セルを試料台の規定位置上に固定した後に、照射面積4mm角とし、エネルギー走査範囲4.2〜6.2eVの条件で測定される。
また、照射光量は、トナーのような絶縁性が大きな材料や半導電性の材料は、照射光量500nWで測定したが、金属材料のような導電性の材料の場合には、照射光量10nWで測定した。
トナーの仕事関数測定時の規格化電子収率は、測定光量500nWで8以上とすることが好ましい。
中間転写媒体、潜像担持体のように、円筒形状の部材を試料とする場合には、円筒形状の部材を1〜1.5cmの幅で切断し、ついで稜線に沿って横方向に切断して図6(A)に形状を示すように、測定用試料片C3を得た後、図6(B)に示すように、試料台C4の規定位置上に、測定光C5が照射される方向に対して照射面が平行になるように固定する。これにより、放出される光電子C6が検知器C7、すなわち光電子倍像管により効率よく検知される。
粉砕法トナーとしては、樹脂バインダーに少なくとも顔料を含有し、離型剤、荷電制御剤等を添加し、ヘンシェルミキサー等で均一混合した後、2軸押し出し機で溶融混練され、冷却後、粗粉砕−微粉砕工程を経て、分級処理され、さらに、外添粒子が付着されてトナー粒子とされる。
なお、本発明において、トナー粒子の平均粒径と円形度は、粒子像分析装置(シスメックス製 FPIA2100)で測定した値である。
重合法トナー作製に用いられる材料において、着色剤、離型剤、荷電制御剤、に関しては、上述した粉砕トナーと同様の材料が使用できる。
また、トナーの個数平均粒径は、9μm以下であることが好ましく、8μm〜4.5μmであることがより好ましい。9μmよりも大きなトナーでは、1200dpi以上の高解像度で潜像を形成しても、その解像度の再現性が小粒子径のトナーに比べて低下し、また4.5μm以下になると、トナーによる隠蔽性が低下するとともに、流動性を高めるために外添剤の使用量が増大し、その結果、定着性能が低下する傾向があるので好ましくない。
そして、シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径は、5nm〜50nmとすることが好ましく、10nm〜40nmとすることがより好ましい。また、シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径が5nmより小さいと、トナーの母粒子に埋没しやすくなり、また、負に過帯電しやすくなる。そして、50nmを超えるとトナー母粒子の流動性付与効果が悪化し、トナーを均一に負に帯電させることが困難になる結果、逆帯電である正に帯電したトナー量が増加する傾向となる。
具体的には、一方のシリカの個数平均一次粒子径が5nm〜20nmであることが好ましく、7〜16nmであることがより好ましい。また、他方のシリカの個数平均一次粒子径が30nm〜50nmであることが好ましく、30〜40nmである粒子を併用することがより好ましい。
シリカ粒子をこれらの金属酸化物、水酸化物での表面修飾は、これらの金属化合物の水系溶液によってシリカ粒子のスラリーを処理することによっておこなうことができる。処理温度は、20〜90℃とすることが好ましい。
次いで、スラリーをろ過、水洗後に乾燥を行うことによって表面修飾されたシリカ微粒子を得ることができる。
乾燥は、100〜190℃、好ましくは110〜170℃である。100℃未満だと乾燥効率が悪く疎水化度が低くなるので好ましくない。また、190℃を超えると、炭化水素基の熱分解により変色と疎水化度の低下が起こるので好ましくない。
疎水化処理は、表面修飾シリカ粒子にアルコキシシランを添加した後にヘンシェルミキサー等を用いて被覆することもできる。
0.05重量部よりも少ない場合には、流動性付与、および過帯電防止に効果がなく、逆に2重量部を超えると、負帯電の電荷量が低下すると同時に、逆極性である正帯電のトナー量が増加し、カブリや逆転写トナー量を増加する結果となる。
(トナー1の製造例)
スチレンモノマー80重量部、アクリル酸ブチル20重量部、およびアクリル酸5重量部からなるモノマー混合物を、水105重量部、ノニオン乳化剤(第一工業製薬製エマルゲン950)1重量部、アニオン乳化剤(第一工業製薬製ネオゲンR)1.5重量部、および過硫酸カリウム0.55重量部の水溶液混合物に添加し、窒素気流中下で撹拌を行いながら70℃で8時間重合を行った。重合反応後冷却し、乳白色の粒径0.25μmの樹脂エマルジョンを得た。
その後得られた粒子を水洗し、45℃で真空乾燥を10時間行った。平均粒径6.8μmの円形度0.98のシアントナーを得た。
なお、本実施例において円形度の測定は、フロー式粒子像解析装置(シスメックス株式会社製FPIA2100)を用いて行い、下記式(1)で表現した。
R=L0/L1…(1)
ただし、L1は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長(μm)である。
L0は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい真円の周囲長(μm)である。
また、得られたトナーの仕事関数は、5.54eVであったが、本実施例において仕事関数は、表面分析装置(理研計器製 AC−2型)によって、照射光量500nWで測定した値である。
トナー1の製造例において、顔料のフタロシアニンブルーに代えてキナクリドンを用いた点を除き、トナーの製造例1と同様にして、二次粒子の会合と造膜結合強度を上げる温度を90℃において行い、トナー2を作製した。得られたマゼンタトナーの円形度は0.972で仕事関数は5.63eVであった。このトナーの個数基準の平均粒径は6.9μmであった。
トナー2の製造例において、顔料をピグメントイエロー180とカーボンブラックに変えた以外はトナー2の製造例と同様にして重合を行い、流動性改良剤を添加し、円形度0.972、仕事関数5.58eV、平均粒径7.0μmのイエロートナー3と、円形度0.973、仕事関数5.48eV、平均粒径6.9μmのブラックトナー4を作製した。
芳香族ジカルボン酸とアルキレンエーテル化ビスフェノールAとの重縮合ポリエステルと該重合ポリエステルの多価金属化合物による一部架橋物の50:50(重量比)混合物(三洋化成工業製 ハイマーES)100重量部、シアン顔料のピグメントブルー15:1を5重量部、離型剤として融点が152℃、重量平均分子量Mwが4000のポリプロピレン1重量部、および荷電制御剤としてのサリチル酸金属錯体E−81(オリエント化学工業製)4重量部をヘンシェルミキサーを用い、均一混合した後、内温130℃の二軸押し出し機で混練し、冷却した。
トナー5において、顔料をナフトールAS系の6Bに変えた以外はトナー5と同様にして粉砕、分級、熱処理、再分級および表面処理を行い、平均粒径6.5μmで円形度0.942のマゼンタトナー6を得た。このトナー6の仕事関数を測定したところ、5.53eVであった。
同様にして、トナー7(イエロートナーとしてピグメントイエロー93を使用)およびトナー8(ブラックトナーとしてカーボンブラックを使用)を作製した。得られたトナーの平均粒径と円形度はほぼトナー6と同じ値を示し、またそれぞれのトナーの仕事関数は、5.57eV(イエロー)および5.63eV(ブラック)であった。
直径30mmのアルミニウム製の導電性支持体に、下引き層として、アルコール可溶性ナイロン(東レ製 CM8000)の6重量部とアミノシラン処理された酸化チタン微粒子4重量部をメタノール100重量部に溶解、分散させてなる塗工液を、リングコーティング法で塗工し、温度100℃で40分乾燥させ、膜厚1.5〜2μmの下引き層を形成した。
得られた顔料の分散液を、上記で作製した支持体を用いて、リングコーティング法で塗工し、80℃で20分間乾燥させ、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
この電荷発生層上に、下記構造式(1)のジスチリル化合物の電荷輸送物質40重量部とポリカカーボネート樹脂(帝人化成製 パンライトTS)60重量部をトルエン400重量部に溶解させ、乾燥膜厚が22μmになるように浸漬コーティング法で塗工、乾燥させて電荷輸送層を形成し、2層からなる感光層を有する有機感光体(OPC1)を作製した。
得られた有機感光体の一部を切り欠いて試料片とし、その仕事関数を表面分析装置(理研計器製 AC−2型)を用い、照射光量500nWで測定したところ、5.50eVを示した。
有機感光体(OPC1)において、導電性支持体として直径40mmのアルミニウム製管を用いた点を除き同様にして有機感光体(OPC2)を作製した。
この有機感光体の仕事関数を同様に測定したところ、5.48eVであった。
厚さ80μmのステンレス板に厚さ1.5mmの導電性ウレタンチップを導電性接着剤で貼り付けて、ウレタン部の仕事関数を5eVとした。
ポリブチレンテレフタレート85重量部、ポリカーボネート15重量部およびアセチレンブラック(電気化学工業製)15重量部を、窒素ガス雰囲気下でミキサーにより予備混合し、得られた混合物を引き続き窒素ガス雰囲気下で二軸押出し機により混練し、ペレットを得た。このペレットを、環状ダイスを有する1軸押出し機により260℃にて外径170mm、厚さ160μmのチューブ状フィルムに押出した。次に押出した溶融チューブを、環状ダイスと同じ軸線上に支持している冷却インサイドマンドレルにより内径を規制し、冷却固化させてシームレスチューブを作製した。規定寸法に切断し、外径172mm、幅342mm、厚さ150μmのシームレスベルトを得た。この紙搬送ベルトの体積抵抗は3.2×108Ω−cmであった。また、仕事関数は5.19、規格化光電子収率10.88を示した。
先に作製した有機感光体(OPC1)、現像ローラ、規制ブレード、紙搬送ベルト(1)を装着した図4に示すタンデム方式のカラープリンターを用いて、前述したトナー1〜トナー4を装填した各トナー像形成手段を装着して、非接触1成分現像方式による画像形成試験を行った。
なお、画像形成に際しては、有機感光体の周速を180mm/s、現像ローラの周速は有機感光体に対して周速比1.6とし、また、標準の作像条件を、感光体の暗電位は−600V、明電位は−80V、現像ローラと感光体のギャップを210μmとし(ギャップコロで隙間を調整)、直流現像バイアス−200Vに重畳する交流は周波数2.5kHz、P−P電圧1400Vの設定で、現像ローラと供給ローラは同電位とした。
また、前述のトナー規制ブレードの規制条件を変えて現像ローラ上のトナー搬送量を0.4mg/cm2〜0.43mg/cm2となるように設定した。
画像形成条件は、感光体の暗電位を−600V、明電位を−80V、現像バイアスを−200Vとし、現像ローラと供給ローラとは同電位とした。なお、一次転写部の電源には、直流の定電流電源を使用し、転写電流は1色目と4色目で電流値を制御し、1色目は8μA、2色目以降は2μAずつ電流値を増加させて転写を行った。
また、画像形成手段は、紙搬送ベルトの移動方向の上流側からトナーの仕事関数が大きいものから小さいものへと順に、逐次トナーの仕事関数の小さいトナー像形成手段を配置した。
この場合、出力印字画像の初期品質を、5%カラー原稿は10000枚後の色ずれを、また、自然画像であるN−2Aの出力印字画像では、全体の色ずれの変化を目視で確認した。
その結果を表2に示す。
(実験例)
(現像、転写順) 混色により色ずれが目視された枚数
5%原稿 N−2A原稿
実験例1 (M2-Y3-C1-BK4) 10000枚 4700枚
比較実験例1(C1-M2-Y3-BK4) 7200枚 2700枚
比較実験例2(Y3-C1-M2-BK4) 5700枚 2200枚
比較実験例3(BK4-C1-M2-Y3) 5800枚 2000枚
この特性は、トナーを均一に負に帯電可能とし、かつ、有機感光体上の現像されたベタ印字時のトナー付着量を出来るだけ各トナー層間で均一に接触できる量以下にすることが必要である事を示すものである。
有機感光体としてOPC2を用い、クリーニング手段が取付けれるようにした点を除き実施例1と同様にして画像形成試験を行った。トナーには、シアントナー5(記号C5、仕事関数:5.48eV)、マゼンタトナー6(記号M6、仕事関数:5.53eV)、イエロートナー7(記号Y7、仕事関数:5.57eV)およびブラックトナー8(記号BK8、仕事関数:5.63eV)を用い、記録材には電子写真用紙(富士ゼロックスサプライ製 PPC用紙L)を用いて同様な印字試験評価を行った。
また、現像ローラと規制ブレードの構成は前述の通りとし、各色トナーの搬送量が0.4mg/cm2〜43mg/cm2の範囲となるように規制ブレードの条件を設定した。なお、転写部の電源は定電流電源とし、14μAの定電流で一定とし連続印字を行った。
その結果を表3に示す。優は画像に問題がないもの、良は実用上許容できる範囲のもの、不良は色ずれが認められ画像品質が劣るものを示している。
(実験例)
(現像、転写順) 色ずれ発生状況
初期 2000枚 4000枚 6000枚 8000枚 10000枚
実験例2 (BK8-Y7-M6-C5) 優 優 優 優 優 優
比較実験例4(BK8-M6-C5-Y7) 優 優 優 優 優 良
比較実験例5(BK8-C5-M6-Y7) 優 優 優 優 優 良
比較実験例6(BK8-C5-Y7-M6) 優 優 優 優 優 良
比較実験例7(M6-C5-Y7-BK8) 優 優 優 優 良 不良
比較実験例8(Y7-M6-C5-BK8) 優 優 優 優 良 不良
比較実験例9(M6-BK8-C5-Y7) 優 優 優 優 良 不良
比較実験例10(Y7-C5-M6-BK8) 優 優 優 優 良 不良
比較実験例11(C5-M6-Y7-BK8) 優 優 優 優 良 不良
また、表3の結果から、本発明のようにトナーを、仕事関数が5.6eV前後と比較的大きい転写材に転写を直接行う場合には、トナー像形成手段の内、トナーの仕事関数の大きいトナー像形成手段を1段目に配置し、逐次トナーの仕事関数が小さくなるトナー像形成手段を配置することが好ましいことが分かる。
しかし、この時に有機感光体上の現像された1色のベタ画像の現像付着トナー量を0.6mg/cm2以上に設定すると、転写効率が悪くなり、クリーニングトナー量の増大につながり、トナー量当たりの印字枚数が少なくなる結果、効率が悪いカラー画像形成装置となる。
また、実験例2では、クリーニングトナー量は各色5%原稿でA4版10000枚印字で30gであったが、他の比較実験例では、クリーニング量は50g〜80gの範囲であった。
また、トナー同士の密着性が向上することによって、トナー飛散が無くなるので画像形成装置内の汚染防止となるだけでなく、搬送ベルト表面を汚すこともないので、紙の裏面汚れの防止も可能となる。
Claims (10)
- 静電潜像が形成される潜像担持体と、該潜像担持体に形成された前記静電潜像をトナーによって現像するトナー像形成手段と、該トナー像形成手段により現像されたトナー像を記録材に転写する転写手段とを備え、複数色のトナーからなるカラー画像を形成する画像形成装置において、
前記複数色のトナーは、トナーの仕事関数がそれぞれ異なっており、
前記複数色のトナーのうち、仕事関数の最も大きなトナーが最初に前記記録材に転写されるように前記トナー像形成手段が配置され、先に前記記録材に転写された仕事関数の大きなトナーに該トナーよりも仕事関数の小さなトナーを逐次転写することを特徴とする画像形成装置。 - 先に前記記録材に転写された仕事関数の大きなトナーに該トナーよりも仕事関数の小さなトナーを接して転写することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記潜像担持体上の黒トナーの画像を前記記録材に転写する順番が最初または最後のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- トナーが非磁性一成分トナーであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 負帯電トナー、および反転現像器を用いたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記潜像担持体が負帯電の有機感光体であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記潜像担持体上に現像されたトナー量が0.5mg/cm2 以下であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記潜像担持体の回転方向とは逆に回転する現像ロールの周速が前記潜像担持体の周速に対して1.1〜2.5の周速比であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項記載の画像形成装置。
- 前記現像は現像バイアスとして交流電圧を印加する非接触現像方式であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項記載の画像形成装置。
- 潜像担持体上に形成した潜像をトナーによって現像し、現像されたトナー像を記録材に転写することで複数色のトナーからなるカラー画像を形成する画像形成方法において、
前記複数色のトナーは、トナーの仕事関数がそれぞれ異なっており、
前記複数色のトナーのうち、仕事関数の最も大きなトナーが最初に前記記録材に転写されるように前記トナー像形成手段が配置され、先に前記記録材に転写された仕事関数の大きなトナーに該トナーよりも仕事関数の小さなトナーを逐次転写することを特徴とする画像形成方法。
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