JP2004233696A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数色のトナーを用いて、トナー像を形成し、逐次中間転写媒体上にカラー画像を形成した後に記録媒体上に転写する画像形成装置において、中間転写媒体上のトナーが次に現像するトナー中の混色することを防止した画像形成装置を提供する。
【解決手段】潜像担持体上に静電潜像を形成し、逐次、複数色の現像器を用い、トナー像を形成し、次いで記録媒体上に画像を転写する画像形成装置において、中間転写媒体の仕事関数をいずれのトナーの仕事関数よりも小さいか、等しいものとした画像形成装置。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関するものであり、とくに複数色のトナーを用いて像担持体上にトナーを画像を逐次形成し、転写電圧を印加して画像を中間転写媒体に転写した後に、紙等の記録媒体上に画像を転写する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置として、潜像担持体とし感光体ドラムや感光体ベルト(以下感光体という)を画像形成装置の本体に回転可能に支持し、画像形成動作時には感光体の感光層に静電潜像を形成した後、この潜像を現像装置の現像剤によって可視像化し、次いでコロナ転写、転写ローラ、転写ドラムまたは転写ベルト(以下中間転写媒体という)を用いて記録媒体上に転写を行うことが知られている。
【0003】
そして、フルカラー画像形成装置では複数の感光体や現像装置を用い、中間転写媒体や感光体上の記録媒体、たとえば紙上に複数の色画像を準じ重ね合わせて転写後、定着する方式がタンデム機として知られている。そして、中間転写媒体上に色画像を順次一次転写し、その一次転写画像を一括して転写材に二次転写する中間転写方式が知られている。
【0004】
また、クリーナレスの方式として、感光体上の転写残りトナーを現像時に同時にクリーニングする方式が知られている。
また、転写効率を向上させるために、感光体と転写媒体との間に速度差をつけることで、トナーの剥離がよくなる結果、転写効率が上がることも知られている。 そして、一成分トナーを用いた現像においては、トナーに十分な摩擦電荷を与えるため、現像ローラ上のトナーを規制ブレードでできるだけ均一になるように薄層を形成させ、トナーを現像ローラ表面と規制ブレード端部の表面により負に帯電させている。
【0005】
中間転写媒体を用いた場合に、中間転写媒体のトナーによる汚れ防止が提案されており、トナーの仕事関数Φと転写媒体の表面の仕事関数Φとが、式│Φ−Φ│≦4.0(eV)を満足させることで、転写媒体の表面のトナーによる汚れを防止することが提案されており(例えば、特許文献1)、また、転写効率の向上はかるために、中間転写媒体の表面特性を、水に対する接触角が70度以上でかつ摩擦帯電列がトナーよりも正とすることによりトナーの離型性を高め、中間転写媒体とトナー間のクーロン力を押さえることで画像抜けのない良好な画像を得るとしている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、複数色のトナーを現像、転写する場合において、トナーの混色を防止するには不十分なものであった。
【0006】
また、トナーを小粒径化すると、トナーの流動性が低下することにより、現像ローラ表面や規制ブレードとの摩擦帯電が困難になる結果、充分な電荷を付与できなかった。その為に、トナーに帯電量分布が存在し、負帯電用トナーであっても正に帯電したトナーが生成することは避けきれず、その結果、感光体上の非画像部にカブリを生じた。
また、カブリを抑えるために、非磁性一成分現像においては、規制圧を高くすることが知られているが、トナーが過帯電になり、現像時のトナー濃度が低くなる、あるいは、転写効率が低くなる傾向にあった。そこで、現像ローラ上の規制後の付着トナー量を適正な範囲(w/ρ=0. 2〜0.8、ここに、w;トナー担持体表面1cm あたりのトナーコート量(mg)、ρ;トナー真密度(g/cm))とすることが知られているが(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5)カブリと逆転写トナーの発生を防止することは困難であった。
【0007】
また、小粒径トナーを用い、帯電性と画質の粒状性の向上のため、各色トナーの被記録材に対する最大付着量を5.0g/m 以下の値に制御するフルカラー画像形成方法が提案されている(例えば、特許文献6)。その結果、トナーを均一に熱定着をする低温定着性の向上には効果的であるが、逆転写トナーの発生防止については不十分なものであった。
【0008】
また、画像担持体(感光体)上に形成された静電潜像を、帯電したイエロー、マゼンタ、シアンのカラートナー、及び黒トナーで現像し、得られた各画像を電気抵抗が10〜1012Ω・cmの中間転写媒体に転写した後に、黒トナーによる現像画像を中間転写媒体上に一次転写して重ね合わせてから、他の転写材へ二次転写するフルカラー画像形成方法が提案されている(例えば、特許文献7)。
ここでは、中間転写媒体が一次転写の繰り返しにより帯電することがなく、最後に現像および一次転写される黒トナーの転写効率が高くなることが記載されているが、逆転写トナーの防止については不十分なものであった。
【0009】
また、最初に黒トナーを、次いでイエロー、マゼンタ、シアンのカラートナーで現像することで、黒トナーに他の色トナーが混色することなく、黒色トナーのみのリサイクルを可能としたカラー画像形成装置が提案されているが(例えば、特許文献8)、逆転写トナーの防止については不十分なものであった。
【0010】
また、中間転写媒体を介して転写材の両面にトナー像を形成するとともに、イエロー、マゼンタ、シアン、黒からなるカラートナー象の重ね合わせ順が、最初と最後がシアンと黒、その間がイエローとマゼンタとするカラー画像形成装置が提案されているが(例えば、特許文献9)、複数のトナー層の逆転写トナーの発生防止には不充分なものであった。
【0011】
また、一次転写部に定電圧電源を、二次転写部に定電流電源を用いることが、(例えば、特許文献10)提案されているが、同様に複数のトナー層の転写効率と逆転写トナーの発生防止には不十分であった。
【0012】
また、複数の画像担持体と複数の現像装置を備えたタンデム方式による画像形成装置において、各画像担持体上から回収したクリーニングトナーを各色の現像装置内に戻すトナーリサイクル方式が(例えば、特許文献11、特許文献12)等で知られている。しかしながら、かぶりと逆転写トナーの生成量が大きく不充分なものであった。
【0013】
同様にタンデム方式による画像形成装置において、現像装置で現像と同時クリーニングを同時にことが、提案されている(例えば、特許文献13、特許文献14)。この方式では、画像形成装置の小型化を可能にするものであるが、転写効率を高めて、画像かぶりと逆転写トナーの発生を防止するにはまだ不十分であった。
【0014】
また、球形トナーを用い、非接触現像にてクリーナレスとすることが提案されている(例えば、特許文献15)。
しかしながら、円形度0.96以上のトナーで高い転写効率を実現し、感光体上に残留する微量のトナーを保持ローラに一旦回収し、その後、中間転写媒体に移し、クリーニングを行うものであるが、トナーの混色を保持ローラで防止するので、感光体の周囲に配置される部材を小型化にするには不利となり、画像形成装置としては横幅が大きな装置となる。
【0015】
また、球形トナーとして、円形度0.950〜0.995のトナーとシリカ、アルミナ、チタニアを用い、磁気ブラシ現像と組合せて現像部で現像とクリーニングを同時に行うことが提案されているが(例えば、特許文献16)、逆転写トナーの発生を防止するものではなかった。
【0016】
【特許文献1】
特開平3−62072号公報
【特許文献2】
特開平9−230714号公報
【特許文献3】
特開平6−194943号公報
【特許文献4】
特開平9−62030号公報
【特許文献5】
特開平11−218957号公報
【特許文献6】
特開2002−131973号公報
【特許文献7】
特開平8−248779号公報
【特許文献8】
特開2000−206755号公報
【特許文献9】
特開2002−31933号公報
【特許文献10】
特開2002−116599号公報
【特許文献11】
特開2001−092208号公報
【特許文献12】
特開2002−174934号公報
【特許文献13】
特開平5−53482号公報
【特許文献14】
特開平8−146652号公報
【特許文献15】
特開平11−249452号公報
【特許文献16】
特開2000−075541号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、静電潜像を複数色のトナーで現像した画像を中間転写媒体に転写した後に記録媒体上に画像を転写する画像形成装置において、現像・転写を逐次行い中間転写媒体上にカラートナー画像を形成し、一括して紙などの記録媒体上にに転写し、次いで定着を行うカラー画像形成装置において、感光体上の転写残りトナーを現像部で、現像・同時クリーニングによって回収する際に、回収されるトナーが少なく、また記録媒体上の負に帯電したトナーが正に帯電することを防止し、逆転写トナーに由来するトナーの混色を未然に防ぐ色再現性の高いクリーナレス画像形成装置を提供することをことを課題とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、潜像担持体上に静電潜像を形成し、逐次、複数色の現像器を用い、トナー像を形成し、次いで記録媒体上に画像を転写する画像形成装置において、中間転写媒体の仕事関数をいずれのトナーの仕事関数よりも小さいか、等しいものとした画像形成装置によって解決することができる。
また、潜像担持体上の転写残りトナーを現像部で回収するクリーナレス装置である前記の画像形成装置である。
また、中間転写媒体がベルト状の部材からなる前記の画像形成装置である。
【0019】
このように、現像に使用するトナーと中間転写媒体との仕事関数を、それぞれΦt、ΦTMとした時に、Φt≧ΦTMの関係を満足させることで中間転写媒体上の負に帯電したトナーが正に帯電することを防止し、逆転写トナーに由来するトナーの混色を未然に防ぐものである。
また、転写効率を高めると同時にトナーを常に正に帯電することを防止できるので、中間転写媒体上のトナーが次工程の現像に使用される感光体上に逆転写することが無いので、トナーを再利用が可能となり、クリーナを設けない画像形成装置の提供が可能となる。
【0020】
また、潜像担持体と中間転写媒体の周速差を0.95〜1.05とした前記の画像形成装置である。
また、潜像担持体上に必要な現像付着トナー量を得るのに、現像部材の周速差を所定の大きさとすることによって、トナーの均一帯電と仕事関数差による電子(電荷)の移動による高い転写特性と色ずれや飛び散りがない高品位なカラートナー像が得られる。
【0021】
また、負帯電トナー、および反転現像器を用いた前記の画像形成装置である。
潜像担持体上に現像されたトナー量が0.5mg/cm 以下に規制された非磁性一成分トナーを用いた前記の画像形成装置である。
このように、現像の際に薄層規制してトナー搬送量が0.5mg/cm以下に規制することにより、現像部材上のトナーが略1層に設定可能となる結果、トナー表面を均一に負に帯電させることができ、他色トナー上に色重ねを行う場合に、各色トナーの仕事関数差による電子(電荷)の授受が起こり、トナー層間の帯電が平均化されることにより均一に色重ねを行うことが可能となる。
【0022】
また、潜像担持体から中間転写媒体へ転写に使用される一次転写電源は定電圧電源であり、中間転写媒体から記録媒体への転写に使用される二次転写電源は定電流電源である前記の画像形成装置である。
本発明では、トナー層の帯電特性が平均化されるので、一次転写部の電源とし、定電圧電源を使用することができ、安定した転写が可能となる。
【0023】
また、現像による潜像担持体上の付着トナー量を0.55mg/cm 以下とすることで、転写材への一次転写電圧を低く押さえることが可能となり、その結果、中間転写媒体と潜像担持体間の1次転写時の非画像部への放電を抑制することができ、転写トナー画像の飛び散りや飛散の防止が可能となる。
この効果は、仕事関数の大きいトナーより順に現像することで1次転写電圧を逐次高くする必要がないため、必然的に高品質のカラートナー像を得ることができる。
また、潜像担持体上に必要な現像付着トナー量を得るのに、現像部材の周速を早くし、その周速比を少なくとも1.1以上とし、上限はトナーが飛散しない周速となる。そうすることにより、トナー層の帯電の均一化がはかれ、高い転写特性と色ずれや飛び散りがない高品位なカラートナー像が得られる。
【0024】
各色トナーの転写効率が上がる結果、潜像担持体上の転写残りトナーが激減する。その結果、感光体 上の転写残りトナー量が微量となることにより、現像・同時クリーニングが容易となる。
また、 現像部に回収されるトナー中に他色トナーの混入を防止できるので、長期に渡って色再現性に優れる 画像品質を維持でき、そして、クリーニングの廃トナー収容部を別途設ける必要がないので、画像形成装置を小型化できるものである。
また、回収されたトナー量が非常に微量であるので、未使用トナーと混合使用しても帯電特性が安定しているため、長期に渡って印字画像や画像品質の劣化を生じにくい。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明は、潜像担持体上の静電潜像を複数色のトナーによって、逐次現像して、中間転写媒体に転写する画像形成装置において、中間転写媒体の仕事関数を複数色のトナーのいずれの仕事関数よりも小さいか、等しいものとすることによって、中間転写媒体上のトナーが正トナーとして逆帯電して、次の色の画像形成に使用する感光体上に逆転写することがないので、転写残りトナーを回収して再度使用しても、トナーの混色を防止できるので、クリーナのない画像形成装置とすることができることが可能であることを見出したものである。
【0026】
本発明におけるトナー、潜像担持体の仕事関数について説明する。
物質の仕事関数(Φ)は、その物質から電子を取り出すために必要なエネルギーとして知られており、仕事関数が小さいほど電子を放出しやすく、大きい程電子を出しにくい。そのため、仕事関数の小さい物質と大きい物質を接触させると、仕事関数の小さい物質は正に、仕事関数の大きい物質は負に帯電する。
仕事関数は下記の測定方法により測定されるものであり、その物質から電子を取り出すためのエネルギー(eV)として数値化され、種々の物質からなるトナーと画像形成装置における種々の部材との接触による帯電性を評価しうるものである。
【0027】
仕事関数(Φ)は、表面分析装置(理研計器製 AC−2、低エネルギー電子計数方式)を使用して測定される。本発明にあっては、該装置において、重水素ランプを使用し、照射光量500nWに設定し、分光器により単色光を選択し、照射面積を4mm角とし、エネルギー走査範囲3.4〜6.2eV、測定時間10sec/1個所で試料に照射する。そして、試料表面から放出される光電子を検出して求めたものであり、仕事関数に関しては、繰り返し精度(標準偏差)0.02eVで測定されるものである。なお、データ再現性を確保するための測定環境としては、使用温湿度25℃、55%RHの条件下で、24時間放置品を測定試料とした。
【0028】
図1は、中間転写媒体上のトナーの帯電の様子を説明する図であり、負帯電トナーが正帯電トナーに変化しないことを説明する図である。
図1(A)は、複数色のトナーをコンポジットトナーとしてベタ画像の現像、転写例を示したもので、一列にトナーが並んだ様子を示している。
トナーの仕事関数が大きい順より現像・転写が行われ、いずれのトナーの仕事関数よりも表面の仕事関数が小さい中間転写ベルト上に静電的に付着している。矢印の方向に電子(電荷)が移動し、最上部のトナーの電荷が小さくなるので、斥力でトナーが離れることはなく、重なりが良好となり、かつ定電圧転写において電子(電荷)の流れと転写の向きが同一になる為、転写効率が高くなると考えられ、同時に中間転写ベルトより電子(電荷)が最下層のトナーに移動し、トナーの電荷を負にさせる。負の電荷が増えることはあっても、正になることはないので、逆転写トナーの生成が防止されるものと考えられる。
【0029】
また、図1(B)は中間調画像の現像、転写例を示したもので、トナー同士が隣りあう場合の例である。トナーの仕事関数が大きい順より現像・転写が行われ、中間転写ベルト上に静電的に付着している。
矢印の方向に電子(電荷)が移動し、最上部のトナーの電荷が小さくなるので、斥力でトナーが離れることはなく、重なりが良好となり、定電圧転写において電荷の流れと転写の向きが同一になる為、転写効率が高くなると考えられ、同時に中間転写ベルトより電子(電荷)が最下層のトナーに移動し、トナーの電荷を負にさせる。負の電荷が増えることはあっても、正になることはないので、逆転写トナーの生成が防止できるものと考えられる。
また、図1(C)は、単色の線画像の現像、転写例を示したもので、トナーが中間転写ベルト上に静電的に付着している。中間転写ベルトより電子(電荷)がトナーに移動し、トナーの電荷を負にさせる。負の電荷が増えることはあっても、正になることはないので、逆転写トナーが防止されるものと考えられる。
【0030】
図2は、本発明の画像形成装置を説明する図である。
図2は、本発明の画像形成装置における接触現像方式の一例を示すものであるが、感光体1は直径24〜86mmで表面速度60〜300mm/sで回転する感光体ドラムで、コロナ帯電器2によりその表面が均一に負帯電された後、記録すべき情報に応じた露光3が行なわれることにより、静電潜像が形成される。
現像器10は、一成分現像装置であり、有機感光体上に一成分非磁性トナーTを供給することで有機感光体における静電潜像を反転現像し、可視像化するものである。現像手段には、一成分非磁性トナーTが収納されており、図示のごとく反時計方向で回転するトナー供給ローラ7によりトナーを現像ローラ9に供給する。現像ローラ9は反時計方向に回転し、トナー供給ローラ7により搬送されたトナーTをその表面に保持した状態で有機感光体との接触部に搬送し、有機感光体1上の静電潜像を可視像化する。
【0031】
現像ローラ9は、例えば直径16〜24mmで、金属製管にめっきやブラスト処理したローラ、あるいは中心軸周面にブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等からなる体積抵抗値10〜10Ω・cm、硬度が40〜70°(アスカーA硬度)の導電性弾性体層が形成されたもので、この管の軸等を介して図示しない電源より現像バイアス電圧が印加される。また、現像ローラ9、トナー供給ローラ7、トナー規制ブレード8からなる現像器10は、図示しないばね等の付勢手段により有機感光体に押圧力19.6〜98.1N/m、好ましくは24.5〜68.6N/mで、ニップが幅1〜3mmとなるように圧接されるとよい。
【0032】
規制ブレード8としてはステンレス、リン青銅、ゴム板、金属薄板にゴムチップの貼り合わせたもの等が使用されるが、現像ローラに対して図示しないばね等の付勢手段により、あるいは弾性体としての反発力を利用して線圧245〜490mN/cmで押圧され、現像ローラ上のトナー層厚を略1層から2層とすると良い。
【0033】
接触現像方式にあっては、感光体の暗電位としては−500〜−700V、明電位としては−50〜−150V、図示していないが現像バイアス電圧としては−100〜−400Vとすると良く、現像ローラとトナー供給ローラとは同電位とすると良い。
接触現像方式にあっては、反時計方向に回転する現像ローラの周速を、時計方向に回転する有機感光体に対して1.1〜2.5、好ましくは1.2〜2.2の周速比とするとよく、これにより、小粒径のトナー粒子であっても、有機感光体との接触摩擦帯電を確実にできる。
【0034】
また、規制ブレード、現像ローラにおけるそれぞれの仕事関数と、トナーの仕事関数との関係に格別の制限はないが、好ましくは規制ブレード、現像ローラにおけるそれぞれの仕事関数をトナーの仕事関数より小さくして、規制ブレードと接触するトナーを負に接触帯電させておくことにより、より均一な負帯電トナーとできる。また、規制ブレード8に電圧を印加してブレードに接触するトナーへ電荷注入してトナー帯電量を制御してもよい。
【0035】
次に、本発明の画像形成装置における中間転写媒体について説明する。図2において、中間転写媒体4は、感光体1とバックアップローラ6との間に送られ、電圧が印加されることにより、感光体1上の可視像が中間転写媒体上に転写され、中間転写媒体上にトナー画像が形成される。感光体上に残留するトナーは、クリーニングブレード5により除去され、感光体上の静電荷は消去ランプにより消去され、感光体は再使用に供せられる。本発明の画像形成装置にあっては逆帯電トナーを抑制できるので、感光体上に残留するトナー量を少なくでき、クリーニングトナー容器を小さくできる。
【0036】
中間転写媒体を転写ドラムや転写ベルトとする場合には、その導電性層に一次転写電圧として+250〜+600Vの電圧が印加され、また、紙等の転写材への二次転写に際しては、二次転写電圧として+400〜+2800Vの電圧が印加されるとよい。
【0037】
中間転写媒体として、転写ベルトまたは転写ドラムを用いることができる。
転写ベルトとしては、合成樹脂製の基体からなるフィルムやシート上に転写層を設けるものであり、他方は弾性体の基層上に表層である転写層を設けるものである。また、転写ドラムとしては、感光体が剛性のあるドラム、例えばアルミニウム製のドラム上に有機感光層を設けた場合には、転写媒体としてはアルミニウム等の剛性のあるドラム基体上に弾性の表層である転写層を設けるものである。また、感光体の支持体がベルト状、あるいはゴム等の弾性支持体上に感光層を設けたいわゆる弾性感光体である場合には、転写媒体としてはアルミニウム等の剛性のあるドラム基体上に直接あるいは導電性中間層を介して転写層を設けるとよい。
基体としては、導電性あるいは絶縁性基体が使用可能である。転写ベルトの場合には、体積抵抗10 〜1012Ω・cm、好ましくは10 〜1011Ω・cmの範囲が好ましい。
【0038】
フィルムおよびシートに適する材質と作製方法としては、変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、ポリカーボネート、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電性カーボンブラック、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、導電性シリカ等の導電材料を分散した厚さ50〜500μmの半導電性フィルム基体を押し出し、あるいは成形でシームレス基体とし、その外側にさらに表面エネルギーを下げ、トナーのフィルミングを防止する表面保護層として厚さ5〜50μmのフッ素樹脂被覆を行ったシームレスベルトである。
【0039】
表面保護層の形成方法としては、浸漬コーティング法、リングコーティング法、スプレーコーティング法等を用いることができる。なお、転写ベルトの両端部には転写ベルトの端部での亀裂や伸び、および蛇行防止のために、膜厚80μmのポリエチレンテレフタレートフイルム等のテープやウレタンゴム等のリブを貼り付けて使用する。
【0040】
フィルムまたはシートで基体を作製する場合には、ベルト状とするために端面を超音波溶着を行うことで、ベルトを作製することができ、具体的にはシート、またはフィルム上に導電性層並びに表面層を設けてから、超音波溶着を行うことにより所望の物性を有する転写ベルトを作製することができる。より具体的には基体に厚さ60〜150μmのポリエチレンテレフタレートを絶縁性基体として用いた場合には、その表面にアルミニウム等を蒸着し、あるいはさらにカーボンブラック等の導電材料と樹脂からなる中間導電性層を塗工し、その上にそれより高い表面抵抗を有するウレタン樹脂、フッ素樹脂、導電性材料からなる半導電性表面層を設けて転写ベルトとすることができる。塗工後の乾燥時に熱をさほど必要としない抵抗層を設けることができる場合には、先にアルミニウム蒸着フィルムを超音波溶着させてから上記の抵抗層を設け、転写ベルトを作製することも可能である。
【0041】
ゴム等の弾性基体に適する材質と作製方法としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム等に上記の導電材料を分散した厚さ0.8〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを押出し成形で作製後、表面をサンドペーパーやポリシャー等の研磨材により所望の表面粗さに制御する。このときの弾性層をこのままで使用してもよいが、さらに上記と同じようにして表面保護層を設けることができる。
【0042】
転写ドラムの場合には、体積抵抗10 〜1012Ω・cm、好ましくは10 〜1011Ω・cmの範囲が好ましい。転写ドラムはアルミニウム等の金属円筒上に必要により弾性体の導電性中間層を設けて導電性弾性基体とし、さらにその上に表面エネルギーを下げ、トナーのフィルミングを防止する表面保護層として半導電性の厚さ5〜50μmの、例えばフッ素樹脂被覆を形成して作製することができる。
【0043】
導電性弾性基体としては、例えばシリコンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴム等のゴム材料に、カーボンブラック、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、導電性シリカ等の導電材料を配合、混練、分散した導電性ゴム素材を、直径が90〜180mmのアルミニウム円筒に密着成形して、研磨後の厚さが0.8〜6mmで、体積抵抗が10 〜1010Ω・cmとするとよい。次いでウレタン樹脂、フッ素樹脂、導電材料、フッ素系樹脂微粒子からなる半導電性の表面層を膜厚約15〜40μm設けて、所望の体積抵抗10 〜1011Ω・cmを有する転写ドラムとすることができる。このときの表面粗さは1μm(Ra)以下が好ましい。また、別の例としては上記のように作製した導電性弾性基体の上にフッ素樹脂等の半導電性のチューブを被せて、加熱により収縮させて所望の表面層と電気抵抗を有する転写ドラムを作製することも可能である。
【0044】
次に、図3は、本発明の画像形成装置における非接触現像方式の一例を示すものである。この方式にあっては、現像ローラ9と感光体1とを現像ギャップdを介して対向させるものである。現像ギャップとしては100〜350μmとすると良く、また、図示しないが直流電圧の現像バイアスとしては−200〜−500Vであり、これに重畳する交流電圧としては1.5〜3.5kHz、P−P電圧1000〜1800Vの条件とすると良い。また、非接触現像方式にあって、反時計方向に回転する現像ローラの周速としては、時計方向に回転する有機感光体に対して1.1〜2.5、好ましくは1.2〜2.2の周速比とするとよい。
【0045】
現像ローラ9は図示のごとく反時計方向に回転し、トナー供給ローラ7により搬送されたトナーTをその表面に吸着した状態で有機感光体との対向部にトナーTを搬送するが、有機感光体と現像ローラとの対向部において、交流電圧を重畳して印加することにより、トナーTは現像ローラ表面と有機感光体表面との間で振動することにより現像される。本発明にあっては、交流電圧の印加により現像ローラ表面と有機感光体表面との間でトナーTが振動する間にトナー粒子相互間で接触帯電が行われ、小粒径の正帯電トナーを負に帯電させることができ、カブリを減少させることができるものと考えられる。
【0046】
また、中間転写媒体は、可視像化された感光体1とバックアップローラ6との間に送られるが、バックアップローラ6による感光体1への押圧力を、18〜45N/m、好ましくは26〜38N/mとすると良い。
【0047】
これにより、トナー粒子と感光体との接触を確実なものとすることができ、トナー粒子をより負帯電化して転写効率を向上できる。
なお、非接触現像方式における上記以外の事項は、上述した接触現像方式と同様である。
【0048】
図2、図3で示す現像プロセスをイエローY、シアンC、マゼンタM、ブラックKからなる4色のトナー(現像剤)による現像器と感光体を組み合わせればフルカラー画像を形成することのできる装置となる。
【0049】
次に、本発明の負帯電乾式トナーが適用される画像形成装置について説明する。 図4は4サイクル方式のフルカラープリンターの一例を説明する図である。
図4において、100は像担持体ユニットが組み込まれた像担持体カートリッジである。この例では、感光体カートリッジとして構成されていて、感光体と現像部ユニットが個別に装着できるようになっており、電子写真感光体(潜像担持体)140が図示しない適宜の駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動される。感光体140の周りにはその回転方向に沿って、帯電手段として帯電ローラ160、現像手段としての現像器10(Y、M、C、K)、中間転写装置30、およびクリーニング手段170が配置される。
なお、本発明の画像形成装置においては、クリーニング手段170は不要であるが、以下の実施例、比較例における説明のためにクリーニング手段を設けた例について説明をした。
【0050】
帯電ローラ160は、感光体140の外周面に当接してその外周面を一様に帯電させる。一様に帯電した感光体140の外周面には露光ユニット40によって所望の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、この露光L1によって感光体140上に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器10によって現像剤が付与されて現像される。
【0051】
現像器としてイエロー用の現像器10Y、マゼンタ用の現像器10M、シアン用の現像器10C、およびブラック用の現像器10Kが設けられている。これら現像器10Y、10C、10M、10Kはそれぞれ揺動可能に構成されており、選択的に一つの現像器の現像ローラ9のみが感光体140に圧接されるように構成されている。これらの現像器10は、負帯電トナーを現像ローラ上に保持しているものであり、これらの現像器10はイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKのうちのいずれかのトナーを感光体140の表面に付与して感光体140上の静電潜像を現像する。現像ローラ9は硬質のローラ、例えば表面を粗面化した金属ローラで構成されている。現像されたトナー像は、中間転写装置30の中間転写ベルト36上に転写される。クリーニング手段170は、上記転写後に感光体140の外周面に付着しているトナーTを掻き落とすクリーナブレードと、このクリーナブレードによって掻き落とされたトナーを受けるクリーニングトナー回収部とを備えている。
【0052】
中間転写装置30は、駆動ローラ31と、4本の従動ローラ32、33、34、35と、これら各ローラの周りに張架された無端状の中間転写ベルト36とを有している。駆動ローラ31は、その端部に固定された図示しない歯車が感光体140の駆動用歯車とかみ合っていることによって感光体140とほぼ同一の周速で回転駆動され、したがって中間転写ベルト36が感光体140とほぼ同一の周速で図示矢印方向に循環駆動されるようになっている。
【0053】
従動ローラ35は駆動ローラ31との間で中間転写ベルト36がそれ自身の張力によって感光体140に圧接される位置に配置されており、感光体140と中間転写ベルト36との圧接部において、一次転写部T1が形成されている。従動ローラ35は、中間転写ベルトの循環方向上流側において一次転写部T1の近くに配置されている。
【0054】
駆動ローラ31には中間転写ベルト36を介して図示しない電極ローラが配置されており、この電極ローラを介して中間転写ベルト36の導電性層に一次転写電圧が印加される。従動ローラ32は、テンションローラであり、図示しない付勢手段によって中間転写ベルト36をその張り方向に付勢している。従動ローラ33は二次転写部T2を形成するバックアップローラである。このバックアップローラ33には中間転写ベルト36を介して二次転写ローラ38が対向配置されている。二次転写ローラには二次転写電圧が印加され、図示しない間隔調整機構により中間転写ベルト36に対して間隔が調整可能に構成されている。従動ローラ34はベルトクリーナ39のためのバックアップローラである。ベルトクリーナ39は図示しない間隔調整機構により中間転写ベルト36に対して間隔調整可能に構成されている。
【0055】
中間転写ベルト36は、導電層とこの導電層上に形成され、感光体140に圧接される抵抗層とを有する複層ベルトで構成されている。導電層は合成樹脂からなる絶縁性基体の上に形成されており、この導電層に前述した電極ローラを介して一次転写電圧が印加される。なお、ベルト側縁部において、抵抗層が帯状に除去されることによって導電層が帯状に露出し、この露出部に電極ローラが接触するようになっている。
【0056】
中間転写ベルト36が循環駆動される過程で、一次転写部T1において、感光体体140上のトナー像が中間転写ベルト36上に転写され、中間転写ベルト36上に転写されたトナー像は、二次転写部T2において、二次転写ローラ38との間に供給される用紙等の記録媒体Sに転写される。シートSは、給紙装置50から給送され、ゲートローラ対Gによって所定のタイミングで二次転写部T2に供給される。51は給紙カセット、52はピックアップローラである。
【0057】
定着装置60でトナー像が定着され、排紙経路70を通って装置本体の筐体80上に形成されたシート受け部81上に排出される。なお、この画像形成装置は、排紙経路70として互いに独立した2つの排紙経路71、72を有しており、定着装置60を通ったシートはいずれかの排紙経路71又は72を通って排出される。また、この排紙経路71、72はスイッチバック経路をも構成しており、シートの両側に画像を形成する場合には排紙経路71又は72に一旦進入したシートが、返送ローラ73を通って再び二次転写部T2に向けて給紙されるようになっている。
【0058】
以上のような画像形成装置全体の作動の概要は次の通りである。
(1)図示しないパーソナルコンピュータ等から画像情報が画像形成装置の制御部90に送信されると、感光体140、現像器10の各ローラ9、および中間転写ベルト36が回転駆動される。
(2)感光体140の外周面が帯電ローラ160によって一様に帯電される。(3)一様に帯電した感光体140の外周面に、露光ユニット40によって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、イエロー用の静電潜像が形成される。
(4)感光体140には、第1色目の例えばイエロー用の現像器10Yの現像ローラのみが接触し、これによって上記静電潜像が現像され、第1色目のイエローのトナー像が感光体140上に形成される。
【0059】
(5)中間転写ベルト36には、上記トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体140上に形成されたトナー像が一次転写部T1において中間転写ベルト36上に転写される。このとき、二次転写ローラ38およびベルトクリーナ39は中間転写ベルト36から離間している。
(6)感光体140上に残留しているトナーがクリーニング手段170によって除去された後、除去手段41から徐電光L2によって感光体140が除電される。
(7)上記(2)〜(6)の動作に必要に応じて繰り返される。すなわち、上記印字指令信号に応じて第2色目、第3色目、第4色目と繰り返され、上記印字指令信号の内容に応じたトナー像が中間転写ベルト36上において重ね合わされて形成される。
【0060】
(8)所定のタイミングで給紙装置50からシートSが給送され、シートSの先端が二次転写部T2に達する直前あるいは達した後に、すなわちシートS上の所望の位置に、中間転写ベルト36上のトナー像が転写されるタイミングで、二次転写ローラ38が中間転写ベルト36上のトナー像、すなわち4色のトナー像が重ね合わせられたフルカラー画像がシートS上に転写される。また、ベルトクリーナ39が中間転写ベルト36に当接し、二次転写後に中間転写ベルト36上に残留しているトナーが除去される。
(9)記録媒体Sが定着装置60を通過することによってシートS上のトナー像が定着し、その後、シートSが所定の位置に向け(両面印刷でない場合にはシート受け部81に向け、両面印刷の場合にはスイッチバック経路71または72を経て返送ローラ73に向け)搬送される。
【0061】
本発明に係る画像形成装置では、感光体140には現像ローラ9、中間転写媒体36を当接状態としてもよく、また、現像を非接触方式としてもよい。
【0062】
同様に、本発明に使用するタンデム方式のフルカラープリンターの概略正面図を図5に示す。
図5において、本実施形態の画像形成装置201は、ハウジング202と、ハウジング202の上部に形成された排紙トレイ203と、ハウジング202の前面に開閉自在に装着された扉体204を有し、ハウジング202内には、制御ユニット205、電源ユニット206、露光ユニット207、画像形成ユニット208、排気ファン209、転写ユニット210、給紙ユニット211が配設され、扉体204内には紙搬送ユニット212が配設されている。各ユニットは、本体に対して着脱可能な構成であり、メンテナンス時等には一体的に取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
【0063】
転写ユニット210は、ハウジング202の下方に配設され図示しない駆動源により回転駆動される駆動ローラ213と、駆動ローラ213の斜め上方に配設される従動ローラ214と、この2本のローラのみで間に張架されて図示矢印方向(反時計方向)へ循環駆動される中間転写ベルト215と、中間転写ベルト215の表面に当接するクリーニング手段216とを備え、従動ローラ214および中間転写ベルト215が駆動ローラ213に対して図で左側に傾斜する方向に配設されている。これにより中間転写ベルト215駆動時のベルト張り側(駆動ローラ213により引っ張られる側)217が下方に位置し、ベルト弛み側218が上方に位置するようにされている。
【0064】
駆動ローラ213は、後述する2次転写ローラ219のバックアップローラを兼ねている。駆動ローラ213の周面には、厚さ3mm程度、体積抵抗率が1×10 Ω・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、2次転写ローラ219を介して供給される2次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラ213に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層を設けることにより、2次転写部へ記録媒体が進入する際の衝撃が中間転写ベルト215に伝達しにくく、画質の劣化を防止することができる。
【0065】
また、本発明においては、駆動ローラ213の径を従動ローラ214の径より小さくしている。これにより、2次転写後の記録紙が記録紙自身の弾性力で剥離し易くすることができる。
【0066】
クリーニング手段216は、ベルト張り側217に設けられている。
また、中間転写ベルト215の裏面には、後述する画像形成ユニット208を構成する各色毎の単色画像形成ユニットY,M,C,Kの画像担持体220に対向して板バネ電極からなる1次転写部材221がその弾性力で当接され、1次転写部材221には転写バイアスが印加されている。
【0067】
画像形成ユニット208は、複数(本実施形態では4つ)の異なる色の画像を形成する単色画像形成ユニットY(イエロー用),M(マゼンタ用),C(シアン用),K(ブラック用)を備え、各単色画像形成ユニットY,M,C,Kにはそれぞれ、有機感光層、無機感光層を形成した感光体からなる画像担持体220と、画像担持体220の周囲に配設された、コロナ帯電器または帯電ローラからなる帯電手段222および現像手段223を有している。
【0068】
各単色画像形成ユニットY,M,C,Kの画像担持体220が中間転写ベルト215のベルト張り側217に当接されるようにされ、その結果、各単色画像形成ユニットY,M,C,Kも駆動ローラ213に対して図で左側に傾斜する方向に配設される。画像担持体220は、図示矢印に示すように、中間転写ベルト215と逆方向に回転駆動される。
【0069】
露光ユニット207は、画像形成ユニット208の斜め下方に配設され、内部にポリゴンミラーモータ224、ポリゴンミラー225、f−θレンズ226、反射ミラー227、折り返しミラー228を有し、ポリゴンミラー225から各色に対応した画像信号が共通のデータクロック周波数に基づいて変調形成されて射出され、f−θレンズ226、反射ミラー227、折り返しミラー228を経て、各単色画像形成ユニットY,M,C,Kの画像担持体220に照射され、潜像を形成する。なお、各単色画像形成ユニットY,M,C,Kの画像担持体220への光路長は折り返しミラー228の作用によって実質的に同一の長さにされている。
【0070】
次に、現像手段223について、単色画像形成ユニットYを代表して説明する。本実施態様においては、各単色画像形成ユニットY,M,C,Kが図で左側に傾斜する方向に配設されているので、トナー収納容器229が斜め下方に傾斜して配置されている。
【0071】
すなわち、現像手段223は、トナーを収納するトナー収納容器229と、このトナー収納容器229内に形成されたトナー貯蔵部230(図のハッチング部)と、トナー貯蔵部230内に配設されたトナー攪拌部材231と、トナー貯蔵部230の上部に区画形成された仕切部材232と、仕切部材232の上方に配設されたトナー供給ローラ233と、仕切部材232に設けられトナー供給ローラ233に当接される帯電ブレード234と、トナー供給ローラ233および画像担持体220に近接するように配設される現像ローラ235と、現像ローラ235に当接される規制ブレード236とから構成されている。
【0072】
現像ローラ235およびトナー供給ローラ233は、図示矢印に示すように、画像担持体220の回転方向とは逆方向に回転駆動され、一方、攪拌部材231は供給ローラ233の回転方向とは逆方向に回転駆動される。トナー貯蔵部230において攪拌部材231により攪拌、運び上げられたトナーは、仕切部材232の上面に沿ってトナー供給ローラ233に供給され、供給されたトナーは可撓性材料によって作製された帯電ブレード234と摺擦して供給ローラ233の表面の凹凸部への機械的付着力と摩擦帯電力による付着力によって、現像ローラ235の表面に供給される。
現像ローラ235に供給されたトナーは規制ブレード236により所定厚さに薄層化規制される。薄層化したトナー層は、画像担持体220へと搬送されて現像ローラ235と画像担持体220が近接する現像領域で画像担持体220の静電潜像を現像する。
【0073】
また、画像形成時には、給紙ユニット211は、記録媒体Pの複数枚が積層保持されている給紙カセット238と、給紙カセット238から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ239を備えている。
【0074】
紙搬送ユニット212は、二次転写部への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するゲートローラ対240(一方のローラはハウジング202側に設けられている)と、駆動ローラ213および中間転写ベルト215に圧接される二次転写手段としての二次転写ローラ219と、主記録媒体搬送路241と、定着手段242と、排紙ローラ対243と、両面プリント用搬送路244を備えている。定着手段242は、少なくも一方にハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵した回転自在な定着ローラ対245と、この定着ローラ対245の少なくも一方側のローラを他方側に押圧付勢してシート材に2次転写された2次画像を記録媒体Pに押圧する押圧手段を有し、記録媒体に2次転写された2次画像は、定着ローラ対245の形成するニップ部で所定の温度で記録媒体に定着される。
【0075】
本発明においては、中間転写ベルト215が駆動ローラ213に対して図で左側に傾斜する方向に配設されているため、右側に広い空間が生じその空間に定着手段242を配設することができ、画像形成装置の小型化を実現することができると共に、定着手段242で発生する熱が、左側に位置する露光ユニット207、中間転写ベルト215および各単色画像形成ユニットY,M,C,Kへ悪影響をおよぼすことを防止することができる。
【0076】
次に、トナーの仕事関数の測定に使用する測定セルについて説明する。
図6は、仕事関数測定用の試料測定セルを説明する図である。
図6(A)に平面図を示し、図6(B)に側面図を示すように、試料測定セルC1は、直径13mm、高さ5mmのステンレス製円盤の中央に直径10mmで深さ1mmのトナー収容用凹部C2を有する形状を有する。セルの凹部内にトナーを秤量スプーンを使用して突き固めないで入れた後、ナイフエッジを使用して表面を平らにした状態で測定に供する。
トナーを充填した測定セルを試料台の規定位置上に固定した後に、照射面積4mm角とし、エネルギー走査範囲4.2〜6.2eVの条件で測定される。
また、照射光量は、トナーのような絶縁性が大きな材料や半導電性の材料は、照射光量500nWで測定したが、金属材料のような導電性の材料の場合には、照射光量10nWで測定した。
トナーの仕事関数測定時の規格化電子収率は、測定光量500nWで8以上とすることが好ましい。
【0077】
図7は、他の形状の試料の仕事関数の測定方法を説明する図である。
中間転写媒体、潜像担持体のように、円筒形状の部材を試料とする場合には、円筒形状の部材を1〜1.5cmの幅で切断し、ついで稜線に沿って横方向に切断して図7(A)に形状を示すように、測定用試料片C3を得た後、図7(B)に示すように、試料台C4の規定位置上に、測定光C5が照射される方向に対して照射面が平行になるように固定する。これにより、放出される光電子C6が検知器C7、すなわち光電子倍像管により効率よく検知される。
【0078】
本発明のトナーとしては、粉砕法および重合法により得られるトナーのいずれでも良いが、円形度が良好な重合法トナーが好ましい。
粉砕法トナーとしては、樹脂バインダーに少なくとも顔料を含有し、離型剤、荷電制御剤等を添加し、ヘンシェルミキサー等で均一混合した後、2軸押し出し機で溶融混練され、冷却後、粗粉砕−微粉砕工程を経て、分級処理され、さらに、外添粒子が付着されてトナー粒子とされる。
【0079】
バインダー樹脂としてはトナー用樹脂として使用されている合成樹脂が使用可能であり、例えばポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、シリコーン変成エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂等が単独又は複合して使用できる。
【0080】
特に本発明においては、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル系樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。バインダー樹脂としてはガラス転移温度が50〜75℃、フロー軟化温度が100〜150℃の範囲が好ましい。
【0081】
着色剤としては、トナー用着色剤が使用可能である。例えばカーボンブラック、ランプブラック、マグネタイト、チタンブラック、クロムイエロー、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレーキ、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の染料および顔料を単独あるいは複合して使用できる。
【0082】
離型剤としては、トナー用離型剤が使用可能である。例えばパラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等が挙げられる。中でもポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、エステルワックス等を使用することが好ましい。
【0083】
荷電調整剤としては、トナー用荷電調整剤が使用可能である。例えば、オイルブラック、オイルブラックBY、ボントロンS−22およびS−34(オリエント化学工業製)、サリチル酸金属錯体E−81、E−84(オリエント化学工業製)、チオインジゴ系顔料、銅フタロシアニンのスルホニルアミン誘導体、スピロンブラックTRH(保土ヶ谷化学工業製)、カリックスアレン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩系化合物、モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシルカルボン酸系金属錯体、芳香族ジカルボン酸系金属錯体、多糖類等が挙げられる。なかでもカラートナー用には無色ないしは白色のものが好ましい。
【0084】
粉砕法トナーにおける成分比としては、バインダー樹脂100重量部に対して、着色剤は0.5〜15重量部、好ましくは1〜10重量部であり、また、離型剤は1〜10重量部、好ましくは2.5〜8重量部であり、また、荷電制御剤は0.1〜7重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
【0085】
本発明の粉砕法トナーにあっては、転写効率の向上を目的とした場合、球形化処理されるとよく、そのためには、粉砕工程で、比較的丸い球状で粉砕可能な装置、例えば機械式粉砕機として知られるターボミル(川崎重工業製)を使用すれば円形度は0.93まで高めることができる。または、粉砕したトナーを熱風球形化装置(日本ニューマチック工業製)を使用することによって円形度を1.00まで高めることができる。
なお、本発明において、トナー粒子の平均粒径と円形度は、粒子像分析装置(シスメックス製 FPIA2100)で測定した値である。
【0086】
また、重合法トナーとしては、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等により得られるトナーが挙げられる。懸濁重合法においては、重合性単量体、着色顔料、離型剤とを必要により更に、染料、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤を添加した複合物を溶解又は分散させた単量体組成物を、懸濁安定剤(水溶性高分子、難水溶性無機物質)を含む水相中に撹拌しながら添加して造粒し、重合させて所望の粒子サイズを有する着色重合トナー粒子を形成することができる。
【0087】
乳化重合法においては、単量体と離型剤を必要により更に重合開始剤、乳化剤(界面活性剤)などを水中に分散させて重合を行い、次いで凝集過程で着色剤、荷電制御剤と凝集剤(電解質)等を添加することによって所望の粒子サイズを有する着色トナー粒子を形成することができる。
重合法トナー作製に用いられる材料において、着色剤、離型剤、荷電制御剤、に関しては、上述した粉砕トナーと同様の材料が使用できる。
【0088】
重合性単量体成分としては、公知のビニル系モノマーが使用可能であり、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、エチレングリコール、プロピレングリコール、無水マレイン酸、無水フタル酸、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、プロピレン酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルナフタレン等が挙げられる。なお、フッ素含有モノマーとしては例えば2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、フッ化ビニリデン、三フッ化エチレン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロプロピレンなどはフッ素原子が負荷電制御に有効であるので使用が可能である。
【0089】
乳化剤(界面活性剤)としては、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル等がある。
【0090】
重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、4,4’−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル等がある。
【0091】
凝集剤(電解質)としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸鉄等が挙げられる。
【0092】
重合法トナーの円形度の調節法としては、乳化重合法は2次粒子の凝集過程で温度と時間を制御することで、円形度を自由に変えることができ、その範囲は0.94〜1.00である。また、懸濁重合法では、真球のトナーが可能であるため、円形度は0.98〜1.00の範囲となる。また、円形度を調節するためにトナーのTg温度以上で加熱変形させることで、円形度を0.94〜0.98まで自由に調節することが可能となる。
また、トナーの個数平均粒径は、9μm以下であることが好ましく、8μm〜4.5μmであることがより好ましい。9μmよりも大きなトナーでは、1200dpi以上の高解像度で潜像を形成しても、その解像度の再現性が小粒子径のトナーに比べて低下し、また4.5μm以下になると、トナーによる隠蔽性が低下するとともに、流動性を高めるために外添剤の使用量が増大し、その結果、定着性能が低下する傾向があるので好ましくない。
【0093】
次に、外添剤について説明する。本発明のトナー粒子には、外添剤として、シリカ粒子と、シリカの表面をチタン、スズ、ジルコニウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物、水酸化物によって修飾した表面修飾シリカ粒子を含み、シリカ粒子に対して表面修飾シリカ粒子が重量比で1.5倍以下の比で含有されている。
【0094】
また、その他の外添剤としては、各種の無機および有機のトナー用流動性改良剤が使用可能である。例えば、正帯電性シリカ、二酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、マグネタイト、酸化亜鉛、炭酸カルシム、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ案、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム、二硫化モリブデン、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム等のチタン酸金属塩、ケイ素金属塩の各微粒子を使用するこるとができる。これらの微粒子は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で疎水化処理して使用することが好ましい。その他の樹脂微粒子の例としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。流動性改良剤は単独あるいは混合して使用でき、その使用量はトナー100重量部に対して0.1ないし5重量部、より好ましくは0.5ないし4.0重量部であることが好ましい。
【0095】
シリカ粒子としては、ケイ素のハロゲン化物等から乾式で作製した粒子、およびケイ素化合物から液中で析出した湿式法によるもののいずれをも用いることができる。
そして、シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径は、7nm〜40nmとすることが好ましく、10nm〜30nmとすることがより好ましい。また、シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径が7nmより小さいと、トナーの母粒子に埋没しやすくなり、また、負に過帯電しやすくなる。そして、40nmを超えるとトナー母粒子の流動性付与効果が悪化し、トナーを均一に負に帯電させることが困難になる結果、逆帯電である正に帯電したトナー量が増加する傾向となる。
【0096】
本発明においては、シリカ粒子として、個数平均粒径分布が異なるシリカを混合して用いることが好ましく、粒径が大きな外添剤を含有することによって、トナー粒子中に外添剤が埋まってしまうことを防止し、小径のシリカ粒子によって好ましい流動性を得ることができる。
具体的には、一方のシリカの個数平均一次粒子径が5nm〜20nmであることが好ましく、7〜16nmであることがより好ましい。また、他方のシリカの個数平均一次粒子径が30nm〜50nmであることが好ましく、30〜40nmである粒子を併用することがより好ましい。
【0097】
なお、本発明における外添剤の粒径は、電子顕微鏡像によって観察して測定したものであり、個数平均粒子径を平均粒子径としている。
【0098】
本発明において外添剤として使用するシリカ粒子は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で疎水化処理して使用することが好ましく、例えばジメチルジクロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−iso −プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t −ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジペンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、(4−t −ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルペンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−iso −プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン等が例示される。
【0099】
また、シリカ粒子と、金属化合物によって表面を修飾したシリカをシリカ粒子に対して所定の量を併用することが好ましい。表面修飾シリカとしては、50〜400m/gの比表面積を有するシリカ粒子を、チタン、スズ、ジルコニウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一種の水酸化物あるいは酸化物で被覆したものである。
【0100】
これらの配合量は、シリカ粒子100重量部に対し、1〜30重量部のこれらの水酸化物、酸化物で被覆したスラリーとし、引き続いてスラリー中の固形分に対し、アルコキシシランを3〜50重量部を被覆した後、アルカリで中和し、ろ過、洗浄、乾燥及び粉砕を行うことによって得ることができる。表面修飾シリカに使用するシリカ微粒子は、湿式法あるいは気相法で製造されたいずれの粒子を使用することができる。
【0101】
また、シリカ粒子の表面修飾は、チタン、スズ、ジルコニウム、アルミニウムを少なくとも一種を含有する水系の溶液を使用することができ、例えば、硫酸チタン、四塩化チタン、塩化スズ、硫酸第一スズ、オキシ塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム等を挙げることができる。
シリカ粒子をこれらの金属酸化物、水酸化物での表面修飾は、これらの金属化合物の水系溶液によってシリカ粒子のスラリーを処理することによっておこなうことができる。処理温度は、20〜90℃とすることが好ましい。
【0102】
次いで、アルコキシシランによって被覆することによって、疎水化処理を行う。疎水化処理は、スラリーのpHを2〜6、好ましくはpH3〜6に調整した後、少なくとも一種のアルコキシシランをシリカ微粒子100重量部に対して30ないし50重量部を添加し、スラリーの温度を20〜100℃、好ましくは30〜70℃に調整し、加水分解及び縮合反応を行うことによって実現することができる。
【0103】
また、アルコキシシランを添加した後には、スラリーを撹拌した後、pH4〜9、好ましくは5〜7とpHの調整を行って縮合反応を促進することが好ましい。pHの調整は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水、アンモニアガス等を使用することができる。この様な処理を行うことで、均一に疎水化処理された安定な微粒子が得られる。
次いで、スラリーをろ過、水洗後に乾燥を行うことによって表面修飾されたシリカ微粒子を得ることができる。
乾燥は、100〜190℃、好ましくは110〜170℃である。100℃未満だと乾燥効率が悪く疎水化度が低くなるので好ましくない。また、190℃を超えると、炭化水素基の熱分解により変色と疎水化度の低下が起こるので好ましくない。
疎水化処理は、表面修飾シリカ粒子にアルコキシシランを添加した後にヘンシェルミキサー等を用いて被覆することもできる。
【0104】
本発明において、これらの外添剤は、トナー母粒子100重量部に対して0.05〜2重量部とすることが好ましい。
0.05重量部よりも少ない場合には、流動性付与、および過帯電防止に効果がなく、逆に2重量部を超えると、負帯電の電荷量が低下すると同時に、逆極性である正帯電のトナー量が増加し、カブリや逆転写トナー量を増加する結果となる。
【0105】
【実施例】
以下に、実施例を示し本発明を説明する。
(トナー1の製造例)
スチレンモノマー80重量部、アクリル酸ブチル20重量部、およびアクリル酸5重量部からなるモノマー混合物を、水105重量部、ノニオン乳化剤(第一工業製薬製エマルゲン950)1重量部、アニオン乳化剤(第一工業製薬製ネオゲンR)1.5重量部、および過硫酸カリウム0.55重量部の水溶液混合物に添加し、窒素気流中下で撹拌を行いながら70℃で8時間重合を行った。重合反応後冷却し、乳白色の粒径0.25μmの樹脂エマルジョンを得た。
【0106】
次に、この樹脂エマルジョン200重量部、ポリエチレンワックスエマルジョン(三洋化成工業製)20重量部およびフタロシアニンブルー7重量部を界面活性剤のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2重量部を含んだ水中へ分散し、ジエチルアミンを添加してpHを5.5に調整後撹拌しながら硫酸アルミニウム0.3重量部を電解質として加え、次いで撹拌装置(TKホモミキサー)で高速撹拌して分散を行った。
【0107】
更に、スチレンモノマー40重量部、アクリル酸ブチル10重量部、サリチル酸亜鉛5重量部を水40重量部と共に追加し、窒素気流下で撹拌しなが同様にして、90℃に加熱し、過酸化水素水を加えて5時間重合し、粒子を成長させた。重合停止後会合粒子の結合強度を上げるため、pHを5以上に調整しながら95℃に昇温し、5時間保持した。
その後得られた粒子を水洗し、45℃で真空乾燥を10時間行った。平均粒径6.8μmの円形度0.98のシアントナーを得た。
なお、本実施例において円形度の測定は、フロー式粒子像解析装置(シスメックス株式会社製FPIA2100)を用いて行い、下記式(1)で表現した。
R=L/L…(1)
ただし、Lは、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長(μm)である。
は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい真円の周囲長(μm)である。
【0108】
得られたトナーに対して、重量比で流動性改良剤である平均一次粒子径が12nmの疎水性シリカを1%、平均一次粒子径が40nmの疎水性シリカを0.7%添加混合し、次いで平均一次粒子径が約20nmの疎水性酸化チタンを0.5%と平均一次粒子径が約30nmの疎水性のシリカをアミノシランで表面処理した正帯電性疎水性シリカを0.4%添加混合しトナー1を得た。
【0109】
なお、平均粒径は、電気抵抗法粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製マルチサイザーIIIで測定した体積分布D50で示した。
また、得られたトナーの仕事関数をは、5.54eVであったが、本実施例において仕事関数は、表面分析装置(理研計器製 AC−2型)によって、照射光量500nWで測定した値である。
【0110】
(トナー2の製造例)
トナー1の製造例において、顔料のフタロシアニンブルーに代えてキナクリドンを用いた点を除き、トナーの製造例1と同様にして、二次粒子の会合と造膜結合強度を上げる温度を90℃において行い、トナー2を作製した。得られたマゼンタトナーの円形度は0.972で仕事関数は5.63eVであった。このトナーの個数基準の平均粒径は6.9μmであった。
【0111】
(トナー3、4の製造例)
トナー2の製造例において、顔料をピグメントイエロー180とカーボンブラックに変えた以外はトナー2の製造例と同様にして重合を行い、流動性改良剤を添加し、円形度0.972、仕事関数5.58eV、平均粒径7.0μmのイエロートナー3と、円形度0.973、仕事関数5.48eV、平均粒径6.9μmのブラックトナー4を作製した。
【0112】
(有機感光体(OPC1)の製造例)
厚さ40μmでニッケル電鋳被覆した直径85.5mmの導電性支持体に、下引き層として、アルコール可溶性ナイロン(東レ製 CM8000)の6重量部とアミノシラン処理された酸化チタン微粒子4重量部をメタノール100重量部に溶解、分散させてなる塗工液を、リングコーティング法で塗工し、温度100℃で40分間乾燥させ、膜厚1.5μmの下引き層を形成した。
【0113】
この下引き層上に、電荷発生剤のオキシチタニルフタロシアニン1重量部とブチラール樹脂(積水化学製 BX−1)1重量部とジクロルエタン100重量部とを、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで8時間分散させた。
得られた顔料の分散液を、上記の支持体を用いて、リングコーティング法で塗工し、80℃で20分間乾燥させ、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0114】
この電荷発生層上に、下記構造式(1)のスチリル化合物の電荷輸送物質40重量部とポリカカーボネート樹脂(帝人化成製 パンライトTS)60重量部をトルエン400重量部に溶解させ、乾燥膜厚が22μmになるように浸漬コーティング法で塗工、乾燥させて電荷輸送層を形成し、2層からなる感光層を有する有機感光体(OPC1)を作製した。
得られた有機感光体の一部を切り欠いて試料片とし、その仕事関数を表面分析装置(理研計器製 AC−2型)を用い、照射光量500nWで測定したところ、5.47eVを示した。
【0115】
【化1】
Figure 2004233696
【0116】
(有機感光体(OPC2)の製造例)
有機感光体(OPC1)において、導電性支持体として直径30mmのアルミニウム製管を用い、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン、電荷輸送物質に下記構造式(2)のジスチリル化合物に変えた点を除いて同様にして有機感光体(OPC2)を作製した。
この有機感光体の仕事関数を同様に測定したところ、5.50eVであった。
【0117】
【化2】
Figure 2004233696
【0118】
(現像ローラの作製)
直径18mmのアルミニウム管の表面に、厚さ10μmのニッケルメッキ層を施し、表面粗さ(Rz)4μmの表面を得た。この現像ローラ表面の仕事関数を測定したところ、4.58eVであった。
【0119】
(規制ブレードの作製)
厚さ80μmのステンレス板に厚さ1.5mmの導電性ウレタンチップを導電性接着剤で貼り付けて、ウレタン部の仕事関数を5eVとした。
【0120】
(中間転写ベルト(1)の製造例)
アルミニウムを蒸着した厚さ130μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム上に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体30重量部、導電性カーボンブラック10重量部およびメチルアルコール70重量部の均一分散液を、中間導電性層の厚さが20μmになるようにロールコーティング法にて塗工乾燥した。次いでその上に、ノニオン系水系ウレタン樹脂(固形分62%)55重量部、ポリテトラフルオロエチレンエマルジョン樹脂(固形分60%)11.6重量部、導電性酸化すず25重量部、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(最大粒子径0.3μm以下)34重量部、ポリエチレンエマルジョン(固形分35%)5重量部およびイオン交換水20重量部を混合分散してなる塗工液を厚さ10μmとなるようにロールコーティング法にて同様に塗工乾燥した。
【0121】
この塗工シートを長さ540mmに断裁し、塗工面を上にして端部を合わせ、超音波溶着を行うことにより転写ベルトを作製した。この転写ベルトの体積抵抗は2.5×1010Ω・cmであった。また、仕事関数は5.37eV、規格化光電子収率6.90を示した。
【0122】
(中間転写ベルト(2)の製造例)
ポリブチレンテレフタレート85重量部、ポリカーボネート15重量部およびアセチレンブラック15重量部を、窒素雰囲気下でミキサーにより予備混合し、得られた混合物を引き続き窒素雰囲気下で二軸押出し機により混練し、ペレットを得た。
得られてペレットを、環状ダイスを有する一軸押出し機により260℃にて外径170mm、厚さ160μmのチューブ状フィルムに押出した。次に押出した溶融チューブを、環状ダイスと同じ軸線上に支持している冷却インサイドマンドレルにより内径を規制し、冷却固化させてシームレスチューブを作製した。
【0123】
規定寸法に切断し、外径172mm、幅342mm、厚さ150μmのシームレスベルトを得た。この中間転写ベルトの体積抵抗は3.2×10 Ω・cmであった。また、仕事関数は5.19eV、規格化光電子収率10.88を示した。
【0124】
(比較中間転写ベルト(3)の製造例)
中間転写ベルト(1)において、中間導電性層上に、導電性酸化チタン5重量部、導電性酸化スズ25重量部を用いた点を除き、他は同様にして転写ベルトを作製した。この転写ベルトの体積抵抗は8.8×10Ω・cmであり、仕事関数は5.69eV、規格化光電子収率は7.39を示した。
【0125】
実施例1〜4、比較例1〜4
有機感光体(OPC1)を用い、前述の現像ローラと規制ブレードを装着した図4に示す中間転写媒体方式の4サイクルカラープリンターを用いて、前述したトナー1〜トナー4の入った各現像カートリッジを装着し、前述の転写ベルト(1)と組合わせて、接触1成分現像方式による作像試験を行った。
作像条件は、有機感光体の周速を180mm/s、現像ローラの周速は有機感光体に対して周速比1.6とし、また、有機感光体と中間転写媒体である転写ベルトとの周速差を転写ベルトが3%早くなるように設定した。3%を超えると、転写画像に散りの発生が生じることがあるので、3%とした。また、トナー規制ブレードの規制条件を調整して現像ローラ上のトナー搬送量を0.4mg/cm
となるように設定した。
【0126】
作像条件は、感光体の暗電位を−600V、明電位を−80V、現像バイアスを−200Vとし、現像ローラと供給ローラとは同電位とした。なお、一次転写部の電源は定電圧とし転写電圧は+500Vとした。
そして、各色5%カラー原稿に相当する文字原稿とJIS X 9201−1995準拠の標準画像データのN−2A「カフェテリア」の画像を用いて、図4のカラープリンターを用いそれぞれ10000枚と5000枚の連続印字を行い、その出力印字画像の初期品質を、5%カラー原稿は10000枚後の色ずれを、また、自然画像であるN−2Aの出力印字画像では、全体の色ずれの変化を目視で確認した。
【0127】
混色により色ずれが明らかに生じた時点で、現像器内のトナーの寿命と判断した。すなわち、転写効率が低い場合や逆転写トナー量が多いと、他色のトナーが次の現像器内のトナーに混入し、その結果混色が起こり純粋な色の再現が困難となるので、混色による色ずれ等が生じることとなる。
【0128】
その結果を、図4中のクリーニング部(170)を設けた場合と取り外した場合について、表1に示す。また、比較例として、前述の転写ベルト(3)を用い、同様にクリーニング部(170)を取り外して連続印字を行い、結果を表1に示す。
使用するトナーは、シアントナー1(略記号C1、仕事関数:5.54eV)、マゼンタトナー2(略記号M2、仕事関数:5.63eV)、イエロートナー3(略記号Y3、仕事関数:5.58eV)およびブラックトナー4(略記号BK4、仕事関数:5.48eV)である。
なお、現像転写順を変更した場合には、その都度画像データ処理の順番を変更して連続印字を行った。
【0129】
【表1】
Figure 2004233696
【0130】
表1の結果から、本発明のようにトナーの仕事関数より表面の仕事関数が小さい中間転写ベルトを使用すると、その逆の大きい転写ベルトを使用した時に比し、高い転写効率が得らることが示された。この結果によると、中間転写ベルト上のトナーにおいて、帯電特性の変化が予想されたので、実際に現像ローラ上のトナーと中間転写ベルト上のトナーの帯電特性を、帯電量測定器(ホソカワミクロン製 イースパートアナライザ E−SPART)を使用して測定し、その結果を表2に示す。
【0131】
【表2】
Figure 2004233696
【0132】
表2の結果によると、本発明の画像形成装置である、仕事関数が中間転写ベルトより大きい場合は何れも、正帯電トナー量を比較すると現像ローラ上のトナー個数%に比し、少なくなる傾向にあるが、逆に比較例である中間転写ベルト表面の仕事関数がトナーより大きくなると、正帯電トナー量が増加する傾向を示した。このことは、逆転写トナー量の増加を示し、クリーニング部材を設けないと混色の度合いが増えることを意味している。
なお、図4のカラープリンタの1次転写部には、直流の定電圧電源を用い、2次転写部には定電流電源を用いているが、直流の定電圧電源が使用できることは、トナーの散りや飛散に有利であり、また、2次転写部で定電流の直流電源を使用することは、紙種を選ばずに安定した転写特性を得ることができるので有利である。
【0133】
実施例5〜8
有機感光体(OPC2)を用い、現像ローラと規制ブレードを装着した図5に示す中間転写媒体方式のタンデムカラープリンターを用いて、トナー1〜トナー4を使用した各現像カートリッジを装着し、中間転写ベルト(2)と組合わせて、非接触一成分現像方式による連続印字試験を行った。
なお、作像に際しては、標準の作像条件を、感光体の暗電位は−600V、明電位は−80V、現像ローラと感光体のギャップをギャップコロで210μmに調整し、直流電流の現像バイアス−200Vに重畳する交流電流は周波数2.5kHz、P−P電圧1400Vの設定で、現像ローラと供給ローラは同電位とした。
また、各色トナーのベタ印字時の感光体上の現像されたトナー付着量を最大0.53mg/cm 以下となるように制御しながら印字した。
【0134】
トナー規制ブレードの規制条件を変えて現像ローラ上のトナー搬送量を0.4mg/cm〜0.43mg/cmとなるように設定した。
【0135】
図5に示すタンデム方式のカラープリンターは、感光体の周囲にクリーニング部材を有しないいわゆるクリーナレスプリンターである。実施例1と同様に各色5%カラー原稿に相当する文字原稿とJIS X 9201−1995準拠の標準画像データのN−2A「カフェテリア」の画像をそれぞれ10000枚と5000枚の連続印字した結果を表3に示す。なお、図5のタンデム方式のカラープリンターの1次転写部の電源には、直流の定電圧電源を、また、2次転写部の電源には直流の定電流電源を使用した。
そして、標準条件は現像転写順をトナーの仕事関数の大きい順とし、その順序を変更した時には、その都度画像データ処理の順番を変えて印字した。
表3に初期の印字品質から明らかに色ずれが生じたと思われるその時の印字枚数を示した。
【0136】
また、表3に、中間転写ベルト(3)と同様に製造した仕事関数の大きい中間転写ベルトを装着し、同様に連続印字して画像評価を行い、その時の色ずれが生じたときの印字枚数も示した。
【0137】
【表3】
Figure 2004233696
【0138】
表3に示すように、本発明のトナーより仕事関数の小さい中間転写ベルトを使用した画像形成装置においては、トナーの混色が少なくなる結果、仕事関数の大きい中間転写ベルトを使用する場合よりも、同一のトナーカートリッジを使用した場合には、印字枚数を多くすることができることが明かとなった。
一方、有機感光体上の現像された1色のベタ画像の現像付着トナー量を最大0.6mg/cm 近くに設定すると、定電圧方式の一次転写電圧では現像付着量の少ない作像条件に比し転写効率が低下する傾向にあり、その結果、混色を生じない枚数が2500枚以下になってしまうことが示された。この特性は、転写電界強度が不利になるためであり、1色当たりの現像付着トナー量は0.55mg/cm 以下が好ましいと判断できた。
また、本発明のように円形度が高いトナーと共に、いずれのトナーよりも仕事関数の小さい中間転写ベルトを使用すると、クリーナーレスの画像形成装置が提供することができる。
【0139】
【発明の効果】
本発明において、中間転写媒体表面の仕事関数を、いずれの色のトナーの仕事関数と同一もしくはそれよりも小さくしたので、中間転写ベルトより電子(電荷)がトナーに移動し、トナーの電荷を負にさせることとなり、トナーの負の電荷が増えることはあっても、正になることはないので、逆転写トナーの発生が抑制される。
その結果、中間転写媒体上に複数色のトナーを色重ねした後に、紙等の記録媒体に転写する画像形成装置において、逆帯電トナーによる混色を防止することができるので、品質の優れた画像を形成することができるので、廃トナーの発生を防止した画像形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、中間転写媒体上のトナーの帯電の様子を説明する図である。
【図2】図2は、本発明の画像形成装置を説明する図である。
【図3】図3は、本発明の画像形成装置を説明する図である。
【図4】図4は、本発明の4サイクル方式のフルカラープリンターの一例を説明する図である。
【図5】図5は、本発明のタンデム方式のフルカラープリンターの一例を説明する図である。
【図6】図6は、仕事関数の測定に使用する試料測定セルを説明する図である。
【図7】図7は、仕事関数の測定方法を説明する図である。
【符号の説明】
1…感光体、2…コロナ帯電器、3…露光、4…中間転写媒体、5…クリーニングブレード、6…バックアップローラ、7…トナー供給ローラ、8…規制ブレード、9…現像ローラ、10…現像器、10(Y),10(M),10(C)、10(K)…現像器、T…トナー、11…駆動ローラ、12…従動ローラ、30…中間転写装置、40…露光ユニット、L1…露光、50…給紙装置、100…像担持体カートリッジ、140…感光体、160…帯電ローラ、170…クリーニング手段、201…画像形成装置、202…ハウジング、203…排紙トレイ、204…扉体、205…制御ユニット、206…電源ユニット、207…露光ユニット、208…画像形成ユニット、209…排気ファン、210…転写ユニット、211…給紙ユニット、212…紙搬送ユニット、213…駆動ローラ、214…従動ローラ、215…中間転写ベルト、216…クリーニング手段、217…ベルト張り側、218…ベルト弛み側、219…2次転写ローラ、220…画像担持体、221…1次転写部材、222…帯電手段、223…現像手段、224…ポリゴンミラーモータ、225…ポリゴンミラー、226…f−θレンズ、227…反射ミラー、228…折り返しミラー、229…トナー収納容器、230…トナー貯蔵部、231…トナー攪拌部材、232…仕切部材、233…トナー供給ローラ、234…帯電ブレード、235…現像ローラ、236…規制ブレード、238…給紙カセット、239…ピックアップローラ、240…ゲートローラ対、241…主記録媒体搬送路、242…定着手段、243…排紙ローラ対、244…両面プリント用搬送路、245…定着ローラ対、C1…試料測定セル、C2…トナー収容用凹部、C3…測定用試料片、C4…試料台、C5…測定光、C6…光電子、C7…検知器

Claims (11)

  1. 潜像担持体上に静電潜像を形成し、逐次、複数色の現像器を用い、トナー像を形成し、次いで記録媒体上に画像を転写する画像形成装置において、中間転写媒体の仕事関数をいずれのトナーの仕事関数よりも小さいか、等しいものとしたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 潜像担持体上の転写残りトナーを現像部で回収するクリーナレス装置であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 潜像担持体と中間転写媒体の周速差を0.95〜1.05とすることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. トナーが非磁性一成分トナーであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 負帯電トナー、および反転現像器を用いたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 潜像担持体上に現像されたトナー量が0.5mg/cm 以下に規制された非磁性一成分トナーを用いたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 潜像担持体から中間転写媒体へ転写に使用される一次転写電源は定電圧電源であり、中間転写媒体から記録媒体への転写に使用される二次転写電源は定電流電源であることを特徴とする請求項1ないし6記載の画像形成装置。
  8. 潜像担持体上に静電潜像を形成し、逐次、複数色の現像器を用い、トナー像を形成し、次いで記録媒体上に画像を形成する、潜像担持体上の転写残りトナーを現像部で回収する画像形成装置に用いるトナーにおいて、中間転写媒体の仕事関数は、いずれのトナーの仕事関数よりも小さいか、等しいものとし、少なくとも疎水性の二酸化ケイ素粒子と疎水性二酸化チタンを流動性改良剤として含有することを特徴とするトナー。
  9. トナーは、トナー粒子の投影像の測定によって求めたトナー粒子の投影像の周囲長(μm)Lと、トナー粒子の投影像の面積に等しい真円の周囲長(μm)Lとの比、L/Lで表される円形度が0.94以上であることを特徴とする請求項8記載のトナー。
  10. 個数基準の平均粒子径が4.5〜9μmであるトナーであることを特徴とする請求項8または9記載のトナー。
  11. トナーは重合性有機化合物のモノマー、オリゴマーの少なくともいずれかを、着色剤を含有させて重合をすることによって形成したものであることを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載のトナー。
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