JP2004226848A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数色のトナーを用いて、トナー像を形成し、逐次中間転写媒体上にカラー画像を形成する画像形成装置において、転写効率の高い画像の形成が可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】潜像担持体上に静電潜像を形成し、複数色の現像器を用いて、画像を形成した後に、逐次、定電圧電源から供給される転写電圧によって、中間転写媒体に転写される画像形成装置において、中間転写媒体がイオン導電性物質を含有するとともに、中間転写媒体の仕事関数が、複数色のトナーのうちいずれのトナーの仕事関数よりも小さい画像形成装置。
【選択図】 図2
【解決手段】潜像担持体上に静電潜像を形成し、複数色の現像器を用いて、画像を形成した後に、逐次、定電圧電源から供給される転写電圧によって、中間転写媒体に転写される画像形成装置において、中間転写媒体がイオン導電性物質を含有するとともに、中間転写媒体の仕事関数が、複数色のトナーのうちいずれのトナーの仕事関数よりも小さい画像形成装置。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関するものであり、感光体上の静電潜像をカラートナーで現像し、次いで、中間転写媒体上へ転写し、中間転写媒体上にカラートナー像を形成させた後に、一括して紙などの記録媒体上に一括して転写してカラー像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー画像を形成する画像形成装置に各種のものが知られているが、潜像担持体上に複数色のトナーによって逐次可視化されたトナー像を形成し、中間転写媒体上に転写電圧を印加して色重ねされたカラー画像を形成した後に、紙等の記録媒体上に一括して転写を行い、加熱、加圧等によってトナーを軟化させて、記録媒体上にトナー像を定着することによってカラー画像を形成する画像形成装置が知られている。
【0003】
トナー像を中間転写媒体上に転写した後に、用紙等の記録媒体上に一括して転写した後にトナー像を定着する方法によってカラー画像を形成する際に、帯電量の小さいトナーから順に現像することによって、画像が虫食い状となる転写不良が生じたり、トナーの散りによる画像の再現性不良を防止することが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、中間転写媒体上に順次形成したトナー像のうち最下層に形成されるトナー像の転写効率を高めることができるように転写電圧を設定して色再現性が良好な画像を形成することが提案されている(例えば、特許文献2)。
両面にカラー像を保持した転写材を一括定着する画像形成装置において、中間転写媒体への現像を、最初と最後がシアンと黒、その間がイエローとマゼンタとすることが提案されており(例えば、特許文献3)、中間転写媒体への現像を、イエロー、シアン、マゼンタの3色重ねを行う際に、シアンとマゼンタの現像順の早い方のトナーの流動化付与剤の添加量を多くするとともに、トナーの帯電量の絶対値を大きくして、転写散り、転写抜け、転写ボソツキ、地かぶりのない画像を得る方法が提案されている(例えば、特許文献4)。
しかしながら、これらの方法は、中間転写媒体からの転写不良等を充分に解決するものではなかった。
【0005】
また、中間転写媒体から記録媒体上へ転写する際に、ニップ部での転写不良を解消するために、感光体上のトナー像を中間転写ベルトの背面に転写バイアスを印加した転写ローラを感光体と中間転写ベルトとの接触領域に近接した下流に配置することが提案されている(例えば、特許文献5)が、3色を重ねたトナー像の転写効率は不十分なものであった。
【0006】
また、中間転写媒体を用いた画像形成装置において、一次転写部には定電圧電源を、二次転写部には定電流電源を用いることで全ての色のトナー像の転写効率を安定化させる画像形成方法が(例えば、特許文献6、特許文献7)として提案されているが、三色のトナーを色重ねした画像の転写効率を高めるにはなお不充分であった。
【0007】
一方、中間転写媒体は、所定の体積固有抵抗を有した導電性のゴム組成物等から形成されており、体積固有抵抗が小さくなると、電流の漏洩、紙汚れなどの画像上の問題が発生する。一方、体積固有抵抗が所定の大きさを超えると、転写効率が悪く、実用に適さなくなる。
【0008】
中間転写媒体は、基材のゴム、プラスチック等の材料に電子導電性付与剤であるカーボンブラックを配合した導電性のゴム組成物から形成された導電性ベルトが、中間転写媒体として用いられていた。
ところが、電子導電性付与剤を添加して導電性を調節した場合には、電子導電性付与剤の配合量のわずかな変化や、電子導電性付与剤の分散状態によって電気抵抗が大きくばらついたり、電子導電性が経時的に不安定になったりするなどの問題があった。
【0009】
また、電子導電性付与剤の添加量が多くなれば、電気抵抗の印加電圧への依存性が大きくなり、一定の電気抵抗を得るために精密な印加電圧制御装置が必要になるという問題や、ゴム組成物の加工性が低下するという問題も生じた。そのため、イオン導電性ポリマーもしくはゴムにイオン導電性付与剤を添加して、ゴムやポリマーの体積固有抵抗を所定の範囲に調整することも提案されている。
【0010】
また、イオン導電性の高分子を不連続層とし、透湿性の少ない高分子を連続層とした海島構造を有するものとした中間転写媒体が電気抵抗のばらつきが少なく環境条件の変動に対しても安定なものとして提案されている(例えば、特許文献8)であったが、色重ねされたトナー画像の転写性を十分に改善するものではなかった。
【0011】
【特許文献1】
特開平10−207164号公報
【特許文献2】
特開平5−27548号公報
【特許文献3】
特開2002−31933号公報
【特許文献4】
特開2002−278159号公報
【特許文献5】
特開平9−152791号公報
【特許文献6】
特開2002−49190号公報
【特許文献7】
特開2002−116599号公報
【特許文献8】
特開平11−181311号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、感光体上に複数色のトナーを用いて、逐次、トナー像を中間転写媒体上に転写電圧を印加して色重ねしてカラー画像を形成させた後に、紙、合成樹脂フィルム等の転写材に一括して転写し、定着工程を経てカラー画像を形成する画像形成装置において、転写効率が高く、感光体上の転写残りトナー量が減少する結果、トナー消費量が低下し、かつ廃トナーとして回収されるトナー量も減少することにより、クリーニング部材の長寿命化と低ランニングコストが達成でき、廃トナー容器も小さくできる画像形成装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、潜像担持体上に静電潜像を形成し、複数色の現像器を用いて、画像を形成した後に、逐次、定電圧電源から供給される転写電圧によって、中間転写媒体に転写される画像形成装置において、中間転写媒体がイオン導電性物質を含有するとともに、中間転写媒体の仕事関数が、複数色のトナーのうちいずれのトナーの仕事関数よりも小さい画像形成装置によって解決することができる。
このように、イオン導電性の中間転写媒体を使用したので、中間転写媒体の特性が安定しており、潜像担持体上から中間点転写媒体への一次転写部において、トナーの仕事関数より小さな仕事関数を有する中間転写媒体を用いることで、感光体から転写した負帯電トナーの電荷を、負から正に変化させることが少なく、その結果、逆転写トナーの発生量を低下させることができるので、転写効率を高めて、転写されない廃トナー量を減少させることができる。
【0014】
また、複数色の現像器を、先に現像されるトナーの現像器のトナーの仕事関数を最大とし、順次トナーの仕事関数を小さくするように配置した前記の画像形成装置である。
第一色目の静電潜像を形成するトナーの仕事関数が少なくとも5.6eV以上である前記の画像形成装置である。
【0015】
イオン導電性の中間転写媒体がベルトであり、中間転写媒体から紙に転写される前記の画像形成装置である。
潜像担持体と中間転写媒体の周速差を0.95〜1.05とした前記の画像形成装置である。
【0016】
また、トナーが非磁性一成分トナーである前記の画像形成装置である。
現像器からのトナーの搬送量が0.5mg/cm2 以下である前記の画像形成装置である。
潜像担持体上の現像されたトナー量が0.55mg/cm2 以下である前記の画像形成装置である。
【0017】
このように、現像による潜像担持体上の付着トナー量を0.55mg/cm2 以下とすることで、転写材への一次転写電圧を低く押さえることが可能となり、その結果、転写材と潜像担持体間の1次転写時の非画像部への放電を抑制することができ、転写トナー画像の飛び散りや飛散の防止が可能となる。この効果は、仕事関数の大きいトナーより順に現像することで1次転写電圧をより低くでき、高品質のカラートナー像を得ることができる。
【0018】
潜像担持体よりも現像器の周速を早くし、その周速比を1.1〜2.5とするとともに、潜像担持体と現像器の回転方向は同方向である前記の画像形成装置である。
潜像担持体上に必要な現像付着トナー量を得るのに、現像部材の周速を早くし、その周速比を少なくとも1.1以上とするとともに、トナーが飛散しない周速とすることによって、トナーの均一帯電と仕事関数差による電子(電荷)の移動による高い転写特性と色ずれや飛び散りがない高品位なカラートナー像が得られる。
【0019】
トナーは、トナー粒子の投影像の測定によって求めたトナー粒子の投影像の周囲長(μm)L1と、トナー粒子の投影像の面積に等しい真円の周囲長(μm)L0との比、L0/L1で表される円形度が0.94以上である前記の画像形成装置である。
個数基準の平均粒子径が4.5〜9μmであるトナーである前記の画像形成装置である。
静電潜像担持体から中間転写媒体への転写に使用される一次転写電源は定電圧電源であり、中間転写媒体から記録媒体への転写に使用される二次転写電源は定電流電源である前記の画像形成装置である。
【0020】
また、複数色の現像器と潜像担持体とを一体化してプロセスカートリッジとし、画像形成装置に取り外し自在とした前記の画像形成装置である。
【0021】
また、潜像担持体上に静電潜像を形成し、複数色の現像器を用いて、画像を形成した後に、逐次、定電圧電源から供給される転写電圧によって、イオン導電性物質を含有する中間転写媒体に転写される画像形成装置に用いるトナーにおいて、複数色のトナーのうちいずれのトナーの仕事関数よりも小さく、トナーの流動化剤に疎水性シリカと疎水性酸化チタンを含有するトナーである。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は、像担持体上の静電潜像を複数色のトナーによって、逐次現像して、定電圧転写電圧によって、中間転写媒体に転写する画像形成装置において、中間転写媒体がイオン導電性物質を含有するとともに、中間転写媒体の仕事関数が、複数色のトナーのうちいずれのトナーの仕事関数よりも小さい画像形成装置によって順に現像することによって、逆帯電トナーの発生を防ぎ、転写効率の大きな画像の形成が可能な画像形成装置を得ることができることを見出したものである。
【0023】
本発明におけるトナー、中間転写媒体の仕事関数について説明する。
物質の仕事関数(Φ)は、その物質から電子を取り出すために必要なエネルギーとして知られており、仕事関数が小さいほど電子を放出しやすく、大きい程電子を出しにくい。そのため、仕事関数の小さい物質と大きい物質を接触させると、仕事関数の小さい物質は正に、仕事関数の大きい物質は負に帯電する。
仕事関数は下記の測定方法により測定されるものであり、その物質から電子を取り出すためのエネルギー(eV)として数値化され、種々の物質からなるトナーと画像形成装置における種々の部材との接触による帯電性を評価しうるものである。
【0024】
仕事関数(Φ)は、表面分析装置(理研計器製 AC−2、低エネルギー電子計数方式)を使用して測定される。本発明にあっては、該装置において、重水素ランプを使用し、照射光量500nWに設定し、分光器により単色光を選択し、照射面積を4mm角とし、エネルギー走査範囲3.4〜6.2eV、測定時間10sec/1個所で試料に照射する。そして、試料表面から放出される光電子を検出して求めたものであり、仕事関数に関しては、繰り返し精度(標準偏差)0.02eVで測定されるものである。なお、データ再現性を確保するための測定環境としては、使用温湿度25℃、55%RHの条件下で、24時間放置品を測定試料とした。
【0025】
図1は、本発明の画像形成装置を説明する図である。
図1は、本発明のトナーを用いた画像形成装置における非接触現像方式の一例を示すものである。
感光体1は直径24〜86mmで表面速度60〜300mm/sで回転する感光体ドラムで、コロナ帯電器2によりその表面が均一に負帯電された後、記録すべき情報に応じた露光3が行なわれることにより、静電潜像が形成される。
現像器10は、一成分現像装置であり、有機感光体上に一成分非磁性トナーTを供給することで有機感光体における静電潜像を反転現像し、可視像化するものである。現像手段には、一成分非磁性トナーTが収納されており、図示のごとく反時計方向で回転するトナー供給ローラ7によりトナーを現像ローラ9に供給する。現像ローラ9は反時計方向に回転し、トナー供給ローラ7により搬送されたトナーTをその表面に保持した状態で有機感光体との接触部に搬送し、有機感光体1上の静電潜像を可視像化する。
【0026】
現像ローラ9は、例えば直径16〜24mmで、金属製管にめっきやブラスト処理したローラ、あるいは中心軸周面にブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等からなる体積抵抗値104〜108Ω・cm、硬度が40〜70°(アスカーA硬度)の導電性弾性体層が形成されたもので、この管の軸等を介して図示しない電源より現像バイアス電圧が印加される。また、現像ローラ9、トナー供給ローラ7、トナー規制ブレード8からなる現像器10は、図示しないばね等の付勢手段により有機感光体に、図示しないギャップコロを介して押圧力19.6〜98.1N/m、好ましくは24.5〜68.6N/mで、ニップが幅1〜3mmとなるように押圧されている。
【0027】
規制ブレード8としてはステンレス、リン青銅、ゴム板、金属薄板にゴムチップの貼り合わせたもの等が使用されるが、現像ローラに対して図示しないばね等の付勢手段により、あるいは弾性体としての反発力を利用して線圧245〜490mN/cmで押圧され、現像ローラ上のトナー層厚を略1層から2層とすると良い。
【0028】
非接触現像方式にあっては、感光体の暗電位としては−500〜−700V、明電位としては−50〜−150V、図示していないが現像バイアス電圧としては−100〜−400Vとすると良く、現像ローラとトナー供給ローラとは同電位とすると良い。
非接触現像方式にあっては、反時計方向に回転する現像ローラの周速を、時計方向に回転する有機感光体に対して1.1〜2.5、好ましくは1.2〜2.2の周速比とするとよく、これにより、小粒径のトナー粒子であっても、有機感光体との帯電を確実にできる。
【0029】
また、規制ブレード、現像ローラにおけるそれぞれの仕事関数と、トナーの仕事関数との関係に格別の制限はないが、好ましくは規制ブレード、現像ローラにおけるそれぞれの仕事関数をトナーの仕事関数より小さくして、規制ブレードと接触するトナーを負に接触帯電させておくことにより、より均一な負帯電トナーとできる。また、規制ブレード8に電圧を印加してブレードに接触するトナーへ電荷注入してトナー帯電量を制御してもよい。
【0030】
次に、本発明の画像形成装置における中間転写媒体について説明する。図1において、中間転写媒体4は、感光体1とバックアップローラ6との間に送られ、電圧が印加されることにより、感光体1上の可視像が中間転写媒体上に転写され、中間転写媒体上にトナー画像が形成される。感光体上に残留するトナーは、クリーニングブレード5により除去され、感光体上の静電荷は消去ランプにより消去され、感光体は再使用に供せられる。本発明の画像形成装置にあっては逆帯電トナーを抑制できるので、感光体上に残留するトナー量を少なくでき、クリーニングトナー容器を小さくできる。
【0031】
中間転写媒体を転写ドラムや転写ベルトとする場合には、その導電性層に一次転写電圧として+250〜+600Vの電圧が印加され、また、紙等の転写材への二次転写に際しては、二次転写電圧として+400〜+2800Vの電圧が印加されるとよい。
【0032】
中間転写媒体として、転写ベルトまたは転写ドラムを用いることができる。
転写ベルトとしては、合成樹脂製の基体からなるフィルムやシート上に転写層を設けるものであり、他方は弾性体の基層上に表層である転写層を設けるものである。また、転写ドラムとしては、感光体が剛性のあるドラム、例えばアルミニウム製のドラム上に有機感光層を設けた場合には、転写媒体としてはアルミニウム等の剛性のあるドラム基体上に弾性の表層である転写層を設けるものである。また、感光体の支持体がベルト状、あるいはゴム等の弾性支持体上に感光層を設けたいわゆる弾性感光体である場合には、転写媒体としてはアルミニウム等の剛性のあるドラム基体上に直接あるいは導電性中間層を介して転写層を設けるとよい。
基体としては、導電性あるいは絶縁性基体が使用可能である。転写ベルトの場合には、体積抵抗104 〜1012Ω・cm、好ましくは106 〜1011Ω・cmの範囲が好ましい。
【0033】
本発明の中間転写媒体に好適な材料は、イオン導電性を有する高分子物質から構成されている。イオン導電性を示す高分子の微細粒子を透湿性の小さい高分子中に分散させるもので、その配合量(重量)の比を前者と後者の間で、85/15〜40/60、好ましくは80/20〜50/50にすると良い。
そして、イオン導電性を有する高分子を透湿性の少ない高分子中に分散させるためには、それらの混練物に前者の高分子を加硫させる薬品を添加し、混練を140℃〜220℃の温度で行いながら後者の高分子中に微分散させる。混練は公知の方法で行うことができ、例えば、オープンロール、バンバアリーミキサー、ニーダ−等の混練装置を用いる。また、イオン導電性の高分子の分散微粒子径をより小さくするために、相溶化剤を添加し、粒子径を調整すしても良い。
【0034】
また、イオン導電性の中間転写媒体の電気抵抗をより低くする場合には、イオン導電性付与剤を別途配合することができる。また、加硫剤の他に、加硫促進剤や加硫促進補助剤を併用することができ、使用するイオン導電性の高分子に適した形で加硫剤と組合せて使用しても良い。
イオン導電性を示す高分子の例としては、ポリエピクロルヒドリン、ポリエチレンオキサイド−エピクロルヒドリン共重合体、アリルグリシジルエーテル−エチレンオキサイド−エピクロルヒドリン共重合体、アリルグリシジルエーテル−ポリプロピレンオキサイド−−エピクロルヒドリン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリクロロプレン、アクリルゴム、ウレタンゴム等のゴムやスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびこの水添したもの、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体およびこの水添したもの等の熱可塑性エラストマーが単独または組み合わせて好適に用いられる。
【0035】
また、透湿性の小さい高分子の例としては、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アルキルスチレンとイソブチレンの共重合体の臭素化物、エチレン−プロピレン共重合体およびその変性物、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプレン、ポリノルボネルネンゴム、ポリクロロプレン等のゴム、およびポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ウレタン、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ポリカーボネート、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体およびこの水添物等の熱可塑性樹脂が使用でき、この中でもブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アルキルスチレンとイソブチレンの共重合体の臭素化物、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体が好ましい。
【0036】
また、加硫剤としては、硫黄含有物質、有機過酸化物、トリアジン類等が使用できる。そして、加硫促進剤としては、グアニジン類、チオウレア類、ジチオカルバメート類、チウラム類等が、加硫促進助剤としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ステアリン酸、トリエタノールアミン等が使用できる。
【0037】
また、それ自体がイオン導電性を有しないポリマーの場合には、以上に示したような透湿性が小さな高分子物質にイオン導電性付与剤を添加することによりイオン導電性を有する中間転写媒体用の高分子組成物を得ることができる。
イオン導電性付与剤の例としは、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、硝酸リチウム、チオシアン酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム、トリフルオロメチル硝酸リチウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、トリフルオロメチル硫酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、チオシアン酸カリウム、過塩素酸カリウムや、これらの亜鉛塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等が使用できる。また、高分子型帯電防止剤を併用することができ、具体的には、第4級アンモニウム塩基含有共重合体やポリエーテルエステルアミド系のものがある。
また、これらのイオン導電性物質を、先に挙げたイオン導電性を有する高分子物質と併用しても良い。
【0038】
転写ベルトとするには、混練り機内で加硫した混練物を取り出して、例えば、連続溶融押出成形法、射出成形法、ブロー成形法等の公知の方法により成形することができる。必要により、表面研磨をして所望の表面粗さを有する転写ベルトに仕上げることができる。
【0039】
フィルムまたはシートで基体を作製する場合には、ベルト状とするために端面を超音波溶着を行うことで、ベルトを作製することができ、具体的にはシート、またはフィルム上に導電性層並びに表面層を設けてから、超音波溶着を行うことにより所望の物性を有する転写ベルトを作製することができる。
【0040】
図1で示す現像プロセスをイエローY、シアンC、マゼンタM、ブラックKからなる4色のトナー(現像剤)による現像器と感光体を組み合わせればフルカラー画像を形成することのできる装置となる。
【0041】
次に、本発明の負帯電乾式トナーが適用される画像形成装置について説明する。 図2は4サイクル方式のフルカラープリンターの一例を説明する図である。図2において、100は像担持体ユニットが組み込まれた像担持体カートリッジである。この例では、感光体カートリッジとして構成されていて、感光体と現像部ユニットが個別に装着できるようになっており、電子写真感光体(潜像担持体)140が図示しない適宜の駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動される。感光体140の周りにはその回転方向に沿って、帯電手段として帯電ローラ160、現像手段としての現像器10(Y、M、C、K)、中間転写装置30、およびクリーニング手段170が配置される。
【0042】
帯電ローラ160は、感光体140の外周面に当接してその外周面を一様に帯電させる。一様に帯電した感光体140の外周面には露光ユニット40によって所望の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、この露光L1によって感光体140上に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器10によって現像剤が付与されて現像される。
【0043】
現像器としてイエロー用の現像器10Y、マゼンタ用の現像器10M、シアン用の現像器10C、およびブラック用の現像器10Kが設けられている。これら現像器10Y、10C、10M、10Kはそれぞれ揺動可能に構成されており、選択的に一つの現像器の現像ローラ9のみが感光体140に圧接されるように構成されている。これらの現像器10は、負帯電トナーを現像ローラ上に保持しているものであり、これらの現像器10はイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKのうちのいずれかのトナーを感光体140の表面に付与して感光体140上の静電潜像を現像する。現像ローラ9は硬質のローラ、例えば表面を粗面化した金属ローラで構成されている。現像されたトナー像は、中間転写装置30の中間転写ベルト36上に転写される。クリーニング手段170は、上記転写後に感光体140の外周面に付着しているトナーTを掻き落とすクリーナブレードと、このクリーナブレードによって掻き落とされたトナーを受けるクリーニングトナー回収部とを備えている。
【0044】
中間転写装置30は、駆動ローラ31と、4本の従動ローラ32、33、34、35と、これら各ローラの周りに張架された無端状の中間転写ベルト36とを有している。駆動ローラ31は、その端部に固定された図示しない歯車が感光体140の駆動用歯車とかみ合っていることによって感光体140とほぼ同一の周速で回転駆動され、したがって中間転写ベルト36が感光体140とほぼ同一の周速で図示矢印方向に循環駆動されるようになっている。
【0045】
従動ローラ35は駆動ローラ31との間で中間転写ベルト36がそれ自身の張力によって感光体140に圧接される位置に配置されており、感光体140と中間転写ベルト36との圧接部において、一次転写部T1が形成されている。従動ローラ35は、中間転写ベルトの循環方向上流側において一次転写部T1の近くに配置されている。
【0046】
駆動ローラ31には中間転写ベルト36を介して図示しない電極ローラが配置されており、この電極ローラを介して中間転写ベルト36の導電性層に一次転写電圧が印加される。従動ローラ32は、テンションローラであり、図示しない付勢手段によって中間転写ベルト36をその張り方向に付勢している。従動ローラ33は二次転写部T2を形成するバックアップローラである。このバックアップローラ33には中間転写ベルト36を介して二次転写ローラ38が対向配置されている。二次転写ローラには二次転写電圧が印加され、図示しない間隔調整機構により中間転写ベルト36に対して間隔が調整可能に構成されている。従動ローラ34はベルトクリーナ39のためのバックアップローラである。ベルトクリーナ39は図示しない間隔調整機構により中間転写ベルト36に対して間隔調整可能に構成されている。
【0047】
中間転写ベルト36は、導電層とこの導電層上に形成され、感光体140に圧接される抵抗層とを有する複層ベルトで構成されている。導電層は合成樹脂からなる絶縁性基体の上に形成されており、この導電層に前述した電極ローラを介して一次転写電圧が印加される。なお、ベルト側縁部において、抵抗層が帯状に除去されることによって導電層が帯状に露出し、この露出部に電極ローラが接触するようになっている。
【0048】
中間転写ベルト36が循環駆動される過程で、一次転写部T1において、感光体体140上のトナー像が中間転写ベルト36上に転写され、中間転写ベルト36上に転写されたトナー像は、二次転写部T2において、二次転写ローラ38との間に供給される用紙等の記録媒体Sに転写される。シートSは、給紙装置50から給送され、ゲートローラ対Gによって所定のタイミングで二次転写部T2に供給される。51は給紙カセット、52はピックアップローラである。
【0049】
定着装置60でトナー像が定着され、排紙経路70を通って装置本体の筐体80上に形成されたシート受け部81上に排出される。なお、この画像形成装置は、排紙経路70として互いに独立した2つの排紙経路71、72を有しており、定着装置60を通ったシートはいずれかの排紙経路71又は72を通って排出される。また、この排紙経路71、72はスイッチバック経路をも構成しており、シートの両側に画像を形成する場合には排紙経路71又は72に一旦進入したシートが、返送ローラ73を通って再び二次転写部T2に向けて給紙されるようになっている。
【0050】
以上のような画像形成装置全体の作動の概要は次の通りである。
(1)図示しないパーソナルコンピュータ等から画像情報が画像形成装置の制御部90に送信されると、感光体140、現像器10の各ローラ9、および中間転写ベルト36が回転駆動される。
(2)感光体140の外周面が帯電ローラ160によって一様に帯電される。(3)一様に帯電した感光体140の外周面に、露光ユニット40によって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、イエロー用の静電潜像が形成される。
(4)感光体140には、第1色目の例えばイエロー用の現像器10Yの現像ローラのみが接触し、これによって上記静電潜像が現像され、第1色目のイエローのトナー像が感光体140上に形成される。
【0051】
(5)中間転写ベルト36には、上記トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体140上に形成されたトナー像が一次転写部T1において中間転写ベルト36上に転写される。このとき、二次転写ローラ38およびベルトクリーナ39は中間転写ベルト36から離間している。
(6)感光体140上に残留しているトナーがクリーニング手段170によって除去された後、除去手段41から徐電光L2によって感光体140が除電される。
(7)上記(2)〜(6)の動作に必要に応じて繰り返される。すなわち、上記印字指令信号に応じて第2色目、第3色目、第4色目と繰り返され、上記印字指令信号の内容に応じたトナー像が中間転写ベルト36上において重ね合わされて形成される。
【0052】
(8)所定のタイミングで給紙装置50からシートSが給送され、シートSの先端が二次転写部T2に達する直前あるいは達した後に、すなわちシートS上の所望の位置に、中間転写ベルト36上のトナー像が転写されるタイミングで、二次転写ローラ38が中間転写ベルト36上のトナー像、すなわち4色のトナー像が重ね合わせられたフルカラー画像がシートS上に転写される。また、ベルトクリーナ39が中間転写ベルト36に当接し、二次転写後に中間転写ベルト36上に残留しているトナーが除去される。
(9)記録媒体Sが定着装置60を通過することによってシートS上のトナー像が定着し、その後、シートSが所定の位置に向け(両面印刷でない場合にはシート受け部81に向け、両面印刷の場合にはスイッチバック経路71または72を経て返送ローラ73に向け)搬送される。
【0053】
本発明に係る画像形成装置では、感光体140には現像ローラ9、中間転写媒体36を当接状態としてもよく、また、現像を非接触方式としてもよい。
同様に、本発明に使用するタンデム方式のフルカラープリンターの概略正面図を図3に示す。この場合には、感光体と現像部ユニットが同一のユニットすなわち、プロセスカートリッジとして装着できるように構成されており、現像は接触方式の例であるが、非接触方式も採用できる。
【0054】
この画像形成装置は、駆動ローラ11、従動ローラ12の2本のローラのみ張架されて図示矢印方向(反時計方向)に循環駆動される中間転写ベルト30と、この中間転写ベルト30に対して配置された4個の単色トナー像形成手段20(Y)、20(C)、20(M)、20(K)とを備え、中間転写ベルト30に対して複数個の単色トナー像形成手段20によるトナー像が個別の転写手段13、14、15、16で順次一次転写されるように構成される。それぞれの一次転写部をT1Y、T1C、T1M、T1Kで示す。
【0055】
単色トナー像形成手段は、イエロー用のもの20(Y)と、マゼンタ用のもの20(M)と、シアン用のもの(C)と、ブラック用のもの20(K)とが配置されている。これらの単色トナー像形成手段20(Y)、20(C)、20(M)、20(K)はそれぞれ外周面に感光層を有する感光体21と、この感光体21の外周面を一様に帯電させる帯電手段としての帯電ローラ22と、この帯電ローラ22より一様に帯電させられた外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する露光手段23と、この露光手段23により形成された静電潜像に現像剤あるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像手段としての現像ローラ24と、この現像ローラ24により現像されたトナー像が一次転写対象である中間転写ベルト30に転写された後に感光体21の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレード25とを有している。
【0056】
これら単色トナー像形成手段20(Y)、20(C)、20(M)、20(K)は中間転写ベルト30の弛み側に配置されている。中間転写ベルト30に順次一次転写され、中間転写ベルト30上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写部T2において用紙等の記録媒体Sに二次転写され、定着ローラ対61を通ることで記録媒体S上に定着され、排紙ローラ対62によって所定の場所、すなわち図示しない排紙トレイ上等へ排出される。51は記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、52は給紙カセット51から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ、Gは二次転写部T2への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するゲートローラ対である。
【0057】
また、63は中間転写ベルト30との間で二次転写部T2を形成する二次転写手段としての二次転写ローラ、64は二次転写後に中間転写ベルト30の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードである。二次転写後のクリーニングブレード64は、従動ローラ12にではなく駆動ローラ11への中間転写ベルト30の巻きかけ部において中間転写ベルト30に当接している。
【0058】
次に、トナーの仕事関数の測定に使用する測定セルについて説明する。
図4は、仕事関数測定用の試料測定セルを説明する図を示す。
図4(A)に平面図を示し、図4(B)に側面図を示すように、試料測定セルC1は、直径13mm、高さ5mmのステンレス製円盤の中央に直径10mmで深さ1mmのトナー収容用凹部C2を有する形状を有する。セルの凹部内にトナーを秤量スプーンを使用して突き固めないで入れた後、ナイフエッジを使用して表面を平らにした状態で測定に供する。
トナーを充填した測定セルを試料台の規定位置上に固定した後に、照射光量500nWに設定し、照射面積4mm角とし、エネルギー走査範囲4.2〜6.2eVの条件で測定される。
また、トナーの仕事関数測定時の規格化電子収率が測定光量500nWで8以上が望ましい。
【0059】
図5は、他の形状の試料の仕事関数の測定方法を説明する図である。
中間転写媒体、潜像担持体のように、円筒形状の部材を試料とする場合には、円筒形状の部材を1〜1.5cmの幅で切断し、ついで稜線に沿って横方向に切断して図5(A)に形状を示すように、測定用試料片C3を得た後、図5(B)に示すように、試料台C4の規定位置上に、測定光C5が照射される方向に対して照射面が平行になるように固定する。これにより、放出される光電子C6が検知器C7、すなわち光電子倍像管により効率よく検知される。
【0060】
本発明におけるトナーの現像順序による転写効率の違いは以下のように考えられる。
図6は、本発明の中間転写媒体上に重ね合わされたトナーを説明する図である。
図6(A)は、ベタ画像の転写例を示したもので、一列にトナーが並んだ様子を示している。トナーの仕事関数が大きい順より現像・転写が行われ、中間転写ベルト上に静電的に付着している。矢印の方向に電子(電荷)が移動し、最上部のトナーの電荷が小さくなるので、定電圧転写において電荷の流れと転写の向きが同一になる為、転写効率が高くなると考えられる。
(b)は中間調画像の転写例を示したので、トナー同士が隣りあう場合の例である。トナーの仕事関数が大きい順より現像・転写が行われ、中間転写ベルト上に静電的に付着している。やはり、矢印の方向に電子(電荷)が移動し、最上部のトナーの電荷が小さくなるので、定電圧転写において電荷の流れと転写の向きが同一になる為、転写効率が高くなると考えられる。
【0061】
本発明のトナーとしては、粉砕法および重合法により得られるトナーのいずれでも良いが、円形度が良好な重合法トナーが好ましい。
粉砕法トナーとしては、樹脂バインダーに少なくとも顔料を含有し、離型剤、荷電制御剤等を添加し、ヘンシェルミキサー等で均一混合した後、2軸押し出し機で溶融混練され、冷却後、粗粉砕−微粉砕工程を経て、分級処理され、さらに、外添粒子が付着されてトナー粒子とされる。
【0062】
バインダー樹脂としてはトナー用樹脂として使用されている合成樹脂が使用可能であり、例えばポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、シリコーン変成エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂等が単独又は複合して使用できる。
【0063】
特に本発明においては、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル系樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。バインダー樹脂としてはガラス転移温度が50〜75℃、フロー軟化温度が100〜150℃の範囲が好ましい。
【0064】
着色剤としては、トナー用着色剤が使用可能である。例えばカーボンブラック、ランプブラック、マグネタイト、チタンブラック、クロムイエロー、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレーキ、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の染料および顔料を単独あるいは複合して使用できる。
【0065】
離型剤としては、トナー用離型剤が使用可能である。例えばパラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等が挙げられる。中でもポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、エステルワックス等を使用することが好ましい。
【0066】
荷電調整剤としては、トナー用荷電調整剤が使用可能である。例えば、オイルブラック、オイルブラックBY、ボントロンS−22およびS−34(オリエント化学工業製)、サリチル酸金属錯体E−81、E−84(オリエント化学工業製)、チオインジゴ系顔料、銅フタロシアニンのスルホニルアミン誘導体、スピロンブラックTRH(保土ヶ谷化学工業製)、カリックスアレン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩系化合物、モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシルカルボン酸系金属錯体、芳香族ジカルボン酸系金属錯体、多糖類等が挙げられる。なかでもカラートナー用には無色ないしは白色のものが好ましい。
【0067】
粉砕法トナーにおける成分比としては、バインダー樹脂100重量部に対して、着色剤は0.5〜15重量部、好ましくは1〜10重量部であり、また、離型剤は1〜10重量部、好ましくは2.5〜8重量部であり、また、荷電制御剤は0.1〜7重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
【0068】
本発明の粉砕法トナーにあっては、転写効率の向上を目的とした場合、球形化処理されるとよく、そのためには、粉砕工程で、比較的丸い球状で粉砕可能な装置、例えば機械式粉砕機として知られるターボミル(川崎重工業製)を使用すれば円形度は0.93まで高めることができる。または、粉砕したトナーを熱風球形化装置(日本ニューマチック工業製)を使用することによって円形度を1.00まで高めることができる。
なお、本発明において、トナー粒子の平均粒径と円形度は、粒子像分析装置(シスメックス製 FPIA2100)で測定した値である。
【0069】
また、重合法トナーとしては、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等により得られるトナーが挙げられる。懸濁重合法においては、重合性単量体、着色顔料、離型剤とを必要により更に、染料、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤を添加した複合物を溶解又は分散させた単量体組成物を、懸濁安定剤(水溶性高分子、難水溶性無機物質)を含む水相中に撹拌しながら添加して造粒し、重合させて所望の粒子サイズを有する着色重合トナー粒子を形成することができる。
【0070】
乳化重合法においては、単量体と離型剤を必要により更に重合開始剤、乳化剤(界面活性剤)などを水中に分散させて重合を行い、次いで凝集過程で着色剤、荷電制御剤と凝集剤(電解質)等を添加することによって所望の粒子サイズを有する着色トナー粒子を形成することができる。
重合法トナー作製に用いられる材料において、着色剤、離型剤、荷電制御剤、に関しては、上述した粉砕トナーと同様の材料が使用できる。
【0071】
重合性単量体成分としては、公知のビニル系モノマーが使用可能であり、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、エチレングリコール、プロピレングリコール、無水マレイン酸、無水フタル酸、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、プロピレン酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルナフタレン等が挙げられる。なお、フッ素含有モノマーとしては例えば2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、フッ化ビニリデン、三フッ化エチレン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロプロピレンなどはフッ素原子が負荷電制御に有効であるので使用が可能である。
【0072】
乳化剤(界面活性剤)としては、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル等がある。
【0073】
重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、4,4’−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル等がある。
【0074】
凝集剤(電解質)としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸鉄等が挙げられる。
【0075】
重合法トナーの円形度の調節法としては、乳化重合法は2次粒子の凝集過程で温度と時間を制御することで、円形度を自由に変えることができ、その範囲は0.94〜1.00である。また、懸濁重合法では、真球のトナーが可能であるため、円形度は0.98〜1.00の範囲となる。また、円形度を調節するためにトナーのTg温度以上で加熱変形させることで、円形度を0.94〜0.98まで自由に調節することが可能となる。
また、トナーの個数平均粒径は、9μm以下であることが好ましく、8μm〜4.5μmであることがより好ましい。9μmよりも大きなトナーでは、1200dpi以上の高解像度で潜像を形成しても、その解像度の再現性が小粒子径のトナーに比べて低下し、また4.5μm以下になると、トナーによる隠蔽性が低下するとともに、流動性を高めるために外添剤の使用量が増大し、その結果、定着性能が低下する傾向があるので好ましくない。
【0076】
次に、外添剤について説明する。本発明のトナー粒子には、外添剤として、シリカ粒子と、シリカの表面をチタン、スズ、ジルコニウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物、水酸化物によって修飾した表面修飾シリカ粒子を含み、シリカ粒子に対して表面修飾シリカ粒子が重量比で1.5倍以下の比で含有されている。
【0077】
また、その他の外添剤としては、各種の無機および有機のトナー用流動性改良剤が使用可能である。例えば、正帯電性シリカ、二酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ案、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、マグネタイト、二硫化モリブデン、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム等のチタン酸金属塩、ケイ素金属塩の各微粒子を使用するこるとができる。これらの微粒子は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で疎水化処理して使用することが好ましい。その他の樹脂微粒子の例としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。流動性改良剤は単独あるいは混合して使用でき、その使用量はトナー100重量部に対して0.1ないし5重量部、より好ましくは0.5ないし4.0重量部であることが好ましい。
【0078】
シリカ粒子としては、ケイ素のハロゲン化物等から乾式で作製した粒子、およびケイ素化合物から液中で析出した湿式法によるもののいずれをも用いることができる。
そして、シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径は、7nm〜40nmとすることが好ましく、10nm〜30nmとすることがより好ましい。また、シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径が7nmより小さいと、トナーの母粒子に埋没しやすくなり、また、負に過帯電しやすくなる。そして、40nmを超えるとトナー母粒子の流動性付与効果が悪化し、トナーを均一に負に帯電させることが困難になる結果、逆帯電である正に帯電したトナー量が増加する傾向となる。
【0079】
本発明においては、シリカ粒子として、個数平均粒径分布が異なるシリカを混合して用いることが好ましく、粒径が大きな外添剤を含有することによって、トナー粒子中に外添剤が埋まってしまうことを防止し、小径のシリカ粒子によって好ましい流動性を得ることができる。
具体的には、一方のシリカの個数平均一次粒子径が5nm〜20nmであることが好ましく、7〜16nmであることがより好ましい。また、他方のシリカの個数平均一次粒子径が30nm〜50nmであることが好ましく、30〜40nmである粒子を併用することがより好ましい。
【0080】
なお、本発明における外添剤の粒径は、電子顕微鏡像によって観察して測定したものであり、個数平均粒子径を平均粒子径としている。
【0081】
本発明において外添剤として使用するシリカ粒子は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で疎水化処理して使用することが好ましく、例えばジメチルジクロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−iso −プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t −ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジペンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、(4−t −ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルペンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−iso −プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン等が例示される。
【0082】
また、シリカ粒子と、金属化合物によって表面を修飾したシリカをシリカ粒子に対して所定の量を併用することが好ましい。表面修飾シリカとしては、50〜400m2/gの比表面積を有するシリカ粒子を、チタン、スズ、ジルコニウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一種の水酸化物あるいは酸化物で被覆したものである。
【0083】
これらの配合量は、シリカ粒子100重量部に対し、1〜30重量部のこれらの水酸化物、酸化物で被覆したスラリーとし、引き続いてスラリー中の固形分に対し、アルコキシシランを3〜50重量部を被覆した後、アルカリで中和し、ろ過、洗浄、乾燥及び粉砕を行うことによって得ることができる。表面修飾シリカに使用するシリカ微粒子は、湿式法あるいは気相法で製造されたいずれの粒子を使用することができる。
【0084】
また、シリカ粒子の表面修飾は、チタン、スズ、ジルコニウム、アルミニウムを少なくとも一種を含有する水系の溶液を使用することができ、例えば、硫酸チタン、四塩化チタン、塩化スズ、硫酸第一スズ、オキシ塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム等を挙げることができる。
シリカ粒子をこれらの金属酸化物、水酸化物での表面修飾は、これらの金属化合物の水系溶液によってシリカ粒子のスラリーを処理することによっておこなうことができる。処理温度は、20〜90℃とすることが好ましい。
【0085】
次いで、アルコキシシランによって被覆することによって、疎水化処理を行う。疎水化処理は、スラリーのpHを2〜6、好ましくはpH3〜6に調整した後、少なくとも一種のアルコキシシランをシリカ微粒子100重量部に対して30ないし50重量部を添加し、スラリーの温度を20〜100℃、好ましくは30〜70℃に調整し、加水分解及び縮合反応を行うことによって実現することができる。
【0086】
また、アルコキシシランを添加した後には、スラリーを撹拌した後、pH4〜9、好ましくは5〜7とpHの調整を行って縮合反応を促進することが好ましい。pHの調整は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水、アンモニアガス等を使用することができる。この様な処理を行うことで、均一に疎水化処理された安定な微粒子が得られる。
次いで、スラリーをろ過、水洗後に乾燥を行うことによって表面修飾されたシリカ微粒子を得ることができる。
乾燥は、100〜190℃、好ましくは110〜170℃である。100℃未満だと乾燥効率が悪く疎水化度が低くなるので好ましくない。また、190℃を超えると、炭化水素基の熱分解により変色と疎水化度の低下が起こるので好ましくない。
疎水化処理は、表面修飾シリカ粒子にアルコキシシランを添加した後にヘンシェルミキサー等を用いて被覆することもできる。
【0087】
本発明において、これらの外添剤は、トナー母粒子100重量部に対して0.05〜2重量部とすることが好ましい。
0.05重量部よりも少ない場合には、流動性付与、および過帯電防止に効果がなく、逆に2重量部を超えると、負帯電の電荷量が低下すると同時に、逆極性である正帯電のトナー量が増加し、カブリや逆転写トナー量を増加する結果となる。
【0088】
【実施例】
以下に、実施例を示し本発明を説明する。
(トナー1の製造例)
スチレンモノマー80重量部、アクリル酸ブチル20重量部、およびアクリル酸5重量部からなるモノマー混合物を、水105重量部、ノニオン乳化剤(第一工業製薬製 エマルゲン950)1重量部、アニオン乳化剤(第一工業製薬製 ネオゲンR)1.5重量部、および過硫酸カリウム0.55重量部の水溶液混合物に添加し、窒素気流中下で撹拌を70℃で8時間重合を行った。
重合反応後冷却し、乳白色の粒径0.25μmの樹脂エマルジョンを得た。次に、この樹脂エマルジョン200重量部、ポリエチレンワックスエマルジョン(三洋化成工業製)20重量部およびフタロシアニンブルー7重量部を、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2重量部を含んだ水中へ分散し、ジエチルアミンを添加してpHを5.5に調整後撹拌しながら電解質として硫酸アルミニウム0.3重量部を加え、次いで撹拌装置(TKホモミキサー)で高速撹拌して分散を行った。
【0089】
更に、スチレンモノマー40重量部、アクリル酸ブチル10重量部、サリチル酸亜鉛5重量部を水40重量部と共に添加し、窒素気流下で撹拌しながら同様にして、90℃に加熱し、過酸化水素水を加えて5時間重合し、粒子を成長させた。 重合停止後会合粒子の結合強度を上げるため、pHを5以上に調整しながら95℃に昇温し、5時間保持した。その後得られた粒子を水洗し、45℃で真空乾燥を10時間行った。
【0090】
得られたシアントナーは平均粒径6.8μm、円形度0.98であった。このトナーに対して、重量比で流動性改良剤である平均一次粒子径が12nmの疎水性シリカを1%、平均一次粒子径が約40nmの疎水性シリカを0.7%添加混合し、次いで平均一次粒子径が約20nmの疎水性酸化チタンを0.5%と平均一次粒子径が約30nmの疎水性のシリカをアミノシランで表面処理した正帯電性疎水性シリカを0.4%添加混合しトナー1を得た。得られたトナーの仕事関数を表面分析装置(理研計器製 AC−2型)を用い、照射光量500nWで測定すると5.54eVであった。
【0091】
なお、本実施例において円形度の測定は、フロー式粒子像解析装置(シスメックス株式会社製FPIA2100)を用いて行い、下記式(1)で表現した。
R=L0/L1…(1)
ただし、L1は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長(μm)である。
L0は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい真円の周囲長(μm)である。
また、平均粒径は、電気抵抗法粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製マルチサイザーIIIで測定した体積分布D50で示した。
また、得られたトナーの仕事関数をは、5.54eVであったが、本実施例において仕事関数は、表面分析装置(理研計器製 AC−2型)によって、照射光量500nWで測定した値である。
【0092】
(トナー2の製造例)
トナー1において、フタロシアニンブルーの顔料をキナクリドンに変更し、また二次粒子の会合と造膜結合強度を上げる温度を90℃のままで行い、トナー2を作製したところ、このマゼンタトナーの円形度は0.972で仕事関数は5.63eVであった。このトナーの個数基準の平均粒径は6.9μmであった。
【0093】
(トナー3,4の製造例)
トナー2において、顔料をピグメントイエロー180とカーボンブラックに変えた以外はトナー2と同様にして重合を行い、流動性改良剤を添加し、円形度0.972、仕事関数5.58eV、平均粒径7.0μmのイエロートナー3と、円形度0.973、仕事関数5.48eV、平均粒径6.9μmのブラックトナー4を作製した。
【0094】
(トナー5の製造例)
芳香族ジカルボン酸とアルキレンエーテル化ビスフェノールAとの重縮合ポリエステルと該重合ポリエステルの多価金属化合物による一部架橋物の50:50(重量比)混合物(三洋化成工業製)100重量部、シアン顔料のピグメントブルー15:1を5重量部、離型剤として融点が152℃、重量平均分子量(Mw)が4000のポリプロピレン1重量部、および荷電制御剤としてのサリチル酸金属錯体(オリエント化学工業製 E−81)4重量部をヘンシェルミキサーを用い、均一混合した後、内温130℃の二軸押し出し機で混練し、冷却した。
【0095】
冷却物を2mm角以下に粗粉砕し、次いでジェットミルで微粉砕し、ローター回転による分級装置により分級し、平均粒径6.2μmで、円形度0.905の分級トナーを得た。分級したトナーに対し、重量比で0.2%の疎水性シリカ(平均一次粒子径7nm、比表面積250m2/g)を加え表面処理を行った後、熱風球形化装置(日本ニューマチック工業製 SFS−3型)を用い、熱処理温度200℃に設定し、部分的に球形化処理を行った後、同様にして再度分級し平均粒径6.3μm、円形度0.940のシアントナー5の母粒子を得た。このトナー母粒子に対し、トナー1と同様にして流動性改良剤を添加混合し、トナー5を作製した。得られたトナーの仕事関数を同様な方法で測定すると5.48eVであった。
【0096】
(トナー6,7,8の製造例)
トナー5において、顔料をナフトールAS系の6Bに変えた以外はトナー5と同様にして粉砕、分級、熱処理、再分級および表面処理を行い、平均粒径6.5μmで円形度0.942のマゼンタトナー6を得た。
【0097】
このトナー6の仕事関数を測定したところ、5.53eVであった。同様にして、イエロートナーとしてピグメントイエロー93を使用したトナー7、およびブラックトナーとしてカーボンブラックを使用したトナー8を作製した。
得られたトナーの平均粒径と円形度はほぼトナー6と同じ値を示し、またそれぞれのトナーの仕事関数は、5.57eV(イエロー)および5.63eV(ブラック)であった。
【0098】
(有機感光体(OPC1)の製造例)
直径85.5mmの感光体ドラム形成用アルミニウム製管を支持体として、下引き層として、アルコール可溶性ナイロン(東レ製 CM8000)の6重量部とアミノシラン処理された酸化チタン微粒子4重量部をメタノール100重量部に溶解、分散させてなる塗工液を、リングコーティング法で塗工し、温度100℃で40分乾燥させ、膜厚1.5〜2μmの下引き層を形成した。
【0099】
この下引き層上に、電荷発生顔料のオキシチタニルフタロシアニン1重量部とブチラール樹脂(積水化学製 BX−1)1重量部とジクロルエタン100重量部とを、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで8時間分散させた。
得られた顔料の分散液を、先に作製した支持体上に、リングコーティング法で塗工し、80℃で20分間乾燥させ、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0100】
この電荷発生層上に、下記構造式(1)のスチリル化合物の電荷輸送物質40重量部とポリカカーボネート樹脂(帝人化成製 パンライトTS)60重量部をトルエン400重量部に溶解させ、乾燥膜厚が22μmになるように浸漬コーティング法で塗工、乾燥させて電荷輸送層を形成し、2層からなる感光層を有する有機感光体(OPC1)を作製した。
得られた有機感光体の一部を切り欠いて試料片とし、その仕事関数を市販の表面分析装置(AC−2型、理研計器(株)製)を用い、照射光量500nWで測定したところ、5.47eVを示した。
【0101】
【化1】
【0102】
(有機感光体(OPC2)の製造例)
有機感光体(OPC1)において、導電性支持体として直径30mmのアルミニウム製管を用い、電荷発生顔料としてチタニルフタロシアニン、電荷輸送物質に下記構造式(2)のジスチリル化合物に変えた以外は同様にして有機感光体(OPC2)を作製した。
この有機感光体の仕事関数を同様にして測定すると、5.50eVであった。
【0103】
【化2】
【0104】
(現像ローラの作製)
直径18mmのアルミニウム管の表面に、厚さ10μmのニッケルめっき層を形成し、表面粗さ(Rz)4μmの表面を得た。この現像ローラ表面の仕事関数を測定したところ、4.58eVであった。
【0105】
(規制ブレードの作製)
厚さ80μmのステンレス板に厚さ1.5mmの導電性ウレタンチップを導電性接着剤で貼り付けており、ウレタン部の仕事関数を約5eVとした。
【0106】
(中間転写媒体の製造例)
また、中間転写媒体として、転写ベルトまたは転写ドラムを用いることができるが、転写ベルトの例で示す。
中間転写ベルト用の各種配合剤を表1に示す配合量で配合した。配合量の単位は重量部である。
先ず、混練り機の設定温度を180℃にして、イオン導電性高分子を含むマスターバッチAと低透湿性高分子を含むマスターバッチBを混練りしながら、イオン導電性高分子のみを加硫させる配合剤Cを添加して、イオン導電性高分子を先に加硫させた。
【0107】
その後、次工程用の配合剤Dを添加して、100℃で混練りしたものを混練り機から取り出し、環状ダイスを有する一軸押出し機により90℃にて内径170mm、厚さ2mmのチューブ状に押出した。次に押出しチューブを、環状ダイスと同じ軸線上に支持している冷却インサイドマンドレルにより内径を規制し、冷却固化させてシームレスチューブを作製した。規定寸法に切断し、外径172mm、幅383mm、厚さ150μmのシームレスベルトを得た。更に、転写ベルトとして用いるために、ゴム厚を0.50±0.05mmとなるように研磨した。 得られた転写ベルトの体積抵抗と仕事関数の測定値を表2に示した。
【0108】
【表1】
【0109】
表1において、それぞれの材料は、下記のとおりである。
アリルグリシジルエーテルエチレンオキサイド−エピクロルヒドリン共重合体…ダイソー製のエピクロマーCG102
過塩素酸リチウム…関東化学製
過塩素酸ナトリウム…関東化学製
塩素化ポリエチレン…ダイソー製ダイソラックRA140
塩化アルミニウムマグネシウムカーボネートハイドレート…協和化学製DHT −4A−2
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体…住友化学製エスプレン553
テトラメチルチウラムモノスルフィド…大内新興化学工業製ノクセラーTS
2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン…ダイソー製 OF−100
高分子型帯電防止剤…三洋化成工業製ペレスタット
亜鉛華…東邦亜鉛製亜鉛華1号
ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛…大内新興化学工業製ノクセラーBZ
粉末硫黄…鶴見化学製
【0110】
【表2】
【0111】
実施例1
有機感光体(OPC1)を用い、現像ローラと規制ブレードを装着した図2に示す中間転写媒体方式の4サイクルカラープリンターを用いて、作製したトナー1(5.54eV)を用い、製造した転写ベルト1、および転写ベルト2とを組合わせて、非接触一成分現像方式による画像形成試験を行った。
なお、画像形成に際しては、有機感光体の周速を180mm/s、現像ローラの周速は有機感光体に対して周速比1.6とし、また、有機感光体と中間転写媒体である転写ベルトとの周速差を転写ベルトが3%早くなるように設定した。
3%以上とすると転写画像に散りが発生した。そこで、3%を上限とした。
【0112】
トナー規制ブレードの規制条件を変えて現像ローラ上のトナー搬送量を0.4mg/cm2となるように設定した。
画像形成条件は現像ローラと感光体の間隙をギャップコロで210μmに調整し、直流電圧の現像バイアス−200Vに重畳する交流周波数2.5kHz、P−P電圧1400Vの設定で、現像ローラと供給ローラは同電位とした。一次転写部には定電圧電源を、二次転写部には定電流電源を使用している。
【0113】
そして、5%原稿を2枚印字した後に現像器を取り外し、現像ローラ(DR)を取り出して現像ローラ上に付着したトナーの帯電特性と、中間転写ベルト(TB)を取り外し、中間転写ベルト上に付着したトナーの帯電特性を、粒度および帯電量測定器(ホソカワミクロン製 イースパートアナライザ E−SPART)を使用して測定し、その結果を表3に示す。
【0114】
【表3】
【0115】
また、ベタ画像を印字し、定着後の画像濃度(反射濃度)と感光体上の非画像部に粘着テープ(住友スリーエム製メンディングテープ)を貼り付けトナーを剥離し、そのテープを白紙上に貼り付け、テープの反射濃度を差し引いた反射濃度値で求めるテープ転写法によってカブリ濃度を測定した。
また、ベタ画像を形成した後に感光体上に戻るいわゆる逆転写トナー濃度も同様にテープ転写法で求めて、表4に示す。
【0116】
【表4】
【0117】
比較例1
仕事関数が異なる比較ベルト1、比較ベルト2を使用した点を除き、実施例1と同様に画像形成を行い、実施例1と同様に評価を行った。
【0118】
表4に示すように、トナーの仕事関数より大きい中間転写ベルトを用いた比較比較例1と比較例2においては、現像ローラから中間転写ベルトにトナーが転写された段階で、トナーの電荷量が減少し、同時に正帯電トナー量が増大することが分かった。その結果、かぶりや逆転写トナー量も増大することとなった。これは、転写時にトナーの極性と逆の正電圧を印加するので、中間転写ベルトにトナーの電子(電荷)が移動しやすくなり、帯電量の低下と逆極性のトナーの発生になったものと考えられる。
【0119】
実施例2
実施例1において用いたトナー1に代えて、トナー5(5.48eV)を用いて同様にして画像形成試験を行い、その結果を表5と表6に示す。
【0120】
比較例2
実施例2において用いた転写ベルト1に代えて、比較ベルト1および比較ベルト2を用いた点を除き、同様にして画像形成試験を行い、その結果を表5と表6に示す。
【0121】
【表5】
【0122】
【表6】
【0123】
以上の結果から、トナーの仕事関数より大きい中間転写ベルトを用いた比較例2においては、現像ローラから中間転写ベルトにトナーが転写された段階で、トナーの電荷量が減少し、同時に正帯電トナー量が増大するものと考えられる。
【0124】
実施例3ないし4
実施例1と同様にして図2に示した画像形成装置を用い、転写ベルト1の中間転写媒体とトナー1〜トナー4を用いて画像形成試験を行った。
この時の画像形成条件は、トナー規制ブレードの規制条件を現像ローラ上のトナー搬送量が0.38mg/cm2〜0.40mg/cm2の範囲に入るように調整し、使用するトナーは、シアントナー1(略記号C1、仕事関数:5.54eV)、マゼンタトナー2(略記号M2、仕事関数:5.63eV)、イエロートナー3(略記号Y3、仕事関数:5.58eV)およびブラックトナー4(略記号BK4、仕事関数:5.48eV)である。それらのトナーを画像形成装置の現像ユニットに現像器の上流側からトナーの仕事関数の大きい順として配置し、各色5%カラー原稿に相当する文字原稿を10000枚連続して画像形成を行った。
そして、10000枚連続画像形成後の感光体と中間転写媒体からのクリーニングによって回収されたトナー量を合計し、その結果を表7に示した。
【0125】
比較例3ないし5
トナーの現像順序を表7に記載の順に変えた点を除き、実施例3と同様にして、画像形成試験を行い、結果を表7に示す。なお、現像転写順を変更した場合には、その都度画像データ処理の順序を変更して連続印字を行った。
【0126】
比較例6
実施例3において、中間転写ベルトとして、転写ベルト1に代えて、比較ベルト1を用いた点を除き、実施例3と同様にして、画像形成試験を行い、その結果を表7に示す。
【表7】
【0127】
以上のように、クリーニング量が最も少なかったのは、トナーの仕事関数より小さな仕事関数を有するイオン導電性を有する物質を含有した中間転写ベルトを使用するとともに、現像をトナーの仕事関数の大きい順より行うことで、クリーニング量を最少にすることが可能であることが明かとなった。
また、イオン導電性を有する物質を含有した転写ベルトとして仕事関数を使用するトナーより大きくした場合では、現像順をトナーの仕事関数の順に大きくしても逆にクリーニング量が増大することが示された。イオン導電性を有する物質を含有する中間転写ベルトを使用する際には、トナーの仕事関数より小さな中間転写ベルトを採用するとともに、現像を上流側からトナーの仕事関数の大きい順にすることにより、より転写効率を高めることができ、その結果、クリーニングトナー量の減少させることが可能となるので、装置を小型化するうえでは有利となる。
【0128】
実施例5ないし6
トナー5〜トナー8を、図3に示すタンデム方式の感光体一体型のプロセスカートリッジを有するフルカラープリンターの各色の現像部に装填し、非接触1成分現像方式による画像形成試験を行った。
使用するトナーは、シアントナー5(仕事関数:5.48eV)、マゼンタトナー6(仕事関数:5.53eV)、イエロートナー7(仕事関数:5.57eV)およびブラックトナー8(仕事関数:5.63eV)である。現像、転写順は、仕事関数の大きい順に、ブラックトナー8(K8)、イエロートナー7(Y7)、マゼンタトナー6(M6)そしてシアントナー5(C5)となるように、各プロセスカートリッジを装着した。
【0129】
なお、有機感光体としてはOPC2を用い、現像ローラと規制ブレードの構成は実施例1と同様とし、また中間転写ベルトは転写ベルト1を使用し、各色トナーの搬送量が0.4mg/cm2〜0.43mg/cm2の範囲となるように規制ブレードの条件を設定した。
画像形成は直流の現像バイアス−200Vに重畳する交流周波数2.5kHz、P−P電圧1400Vの条件で電圧を印加し、一次転写部は定電圧制御とし、また二次転写部は定電流制御として、各色5%カラー原稿に相当する文字原稿を10000枚連続して画像形成を行い、その後4本の感光体と中間転写ベルトのクリーニングトナー量を合わせて計測した。その結果を表8に示す。
【0130】
比較例7ないし8
トナーの現像順序を表8に記載の順に変えた点を除き、実施例5と同様にして、画像形成試験を行い、結果を表8に示す。なお、画像転写順を変更した場合には、その都度画像データ処理の順番を変更して連続印字を行った。
【0131】
【表8】
【0132】
これらの実施例、比較例の結果からは、クリーニングトナー量は、現像、転写順を考慮しても、トナーより仕事関数の大きいイオン導電性物質を含有した中間転写ベルトを使用すると、転写効率が低下することを示した。クリーニングトナーの総量を少なくできるには、廃トナーボックスをより小さくできるので、フルカラープリンターを小型化できるものである。
また、比較例7と8でトナーの現像順を仕事関数を考慮せずに、(M6−K8−Y7)と(C5−Y7−M6)の条件で連続印字した時のクリーニング量は95gであった。
【0133】
【発明の効果】
本発明においては、イオン導電性物質を含有した中間転写媒体に、複数色のトナーによって順次静電潜像を現像して転写したトナー像を、記録媒体に転写する画像形成装置において、中間転写媒体の仕事関数とトナーの仕事関数に所定の関係を持って画像形成を行ったので、転写効率が向上し、感光体上の転写残りトナー量が減少する結果、画像形成に使用されないトナー量が減少するので、クリーニングトナー量が減少し、クリーニング部材の長寿命化とクリーニングトナー容器が小さな画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の画像形成装置を説明する図である。
【図2】図2は、本発明の画像形成装置を説明する図である。
【図3】図3は、本発明の他の例の画像形成装置を説明する図である。
【図4】図4は、仕事関数の測定に使用する試料測定セルを説明する図である。
【図5】図5は、仕事関数の測定方法を説明する図である。
【図6】図6は、本発明の中間転写媒体上に重ね合わされたトナーを説明する図である。
【符号の説明】
1…感光体、2…コロナ帯電器、3…露光、4…中間転写媒体、5…クリーニングブレード、6…バックアップローラ、7…トナー供給ローラ、8…規制ブレード、9…現像ローラ、10…現像器、10(Y),10(M),10(C)、10(K)…現像器、11…駆動ローラ、12…従動ローラ、20(Y),20(C),20(M),20(K)…単色トナー像形成手段、30…中間転写装置、40…露光ユニット、L1…露光、50…給紙装置、100…像担持体カートリッジ、140…感光体、160…帯電ローラ、170…クリーニング手段、T…トナー、50…給紙装置、C1…試料測定セル、C2…トナー収容用凹部、C3…測定用試料片、C4…試料台、C5…測定光、C6…光電子、C7…検知器
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関するものであり、感光体上の静電潜像をカラートナーで現像し、次いで、中間転写媒体上へ転写し、中間転写媒体上にカラートナー像を形成させた後に、一括して紙などの記録媒体上に一括して転写してカラー像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー画像を形成する画像形成装置に各種のものが知られているが、潜像担持体上に複数色のトナーによって逐次可視化されたトナー像を形成し、中間転写媒体上に転写電圧を印加して色重ねされたカラー画像を形成した後に、紙等の記録媒体上に一括して転写を行い、加熱、加圧等によってトナーを軟化させて、記録媒体上にトナー像を定着することによってカラー画像を形成する画像形成装置が知られている。
【0003】
トナー像を中間転写媒体上に転写した後に、用紙等の記録媒体上に一括して転写した後にトナー像を定着する方法によってカラー画像を形成する際に、帯電量の小さいトナーから順に現像することによって、画像が虫食い状となる転写不良が生じたり、トナーの散りによる画像の再現性不良を防止することが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、中間転写媒体上に順次形成したトナー像のうち最下層に形成されるトナー像の転写効率を高めることができるように転写電圧を設定して色再現性が良好な画像を形成することが提案されている(例えば、特許文献2)。
両面にカラー像を保持した転写材を一括定着する画像形成装置において、中間転写媒体への現像を、最初と最後がシアンと黒、その間がイエローとマゼンタとすることが提案されており(例えば、特許文献3)、中間転写媒体への現像を、イエロー、シアン、マゼンタの3色重ねを行う際に、シアンとマゼンタの現像順の早い方のトナーの流動化付与剤の添加量を多くするとともに、トナーの帯電量の絶対値を大きくして、転写散り、転写抜け、転写ボソツキ、地かぶりのない画像を得る方法が提案されている(例えば、特許文献4)。
しかしながら、これらの方法は、中間転写媒体からの転写不良等を充分に解決するものではなかった。
【0005】
また、中間転写媒体から記録媒体上へ転写する際に、ニップ部での転写不良を解消するために、感光体上のトナー像を中間転写ベルトの背面に転写バイアスを印加した転写ローラを感光体と中間転写ベルトとの接触領域に近接した下流に配置することが提案されている(例えば、特許文献5)が、3色を重ねたトナー像の転写効率は不十分なものであった。
【0006】
また、中間転写媒体を用いた画像形成装置において、一次転写部には定電圧電源を、二次転写部には定電流電源を用いることで全ての色のトナー像の転写効率を安定化させる画像形成方法が(例えば、特許文献6、特許文献7)として提案されているが、三色のトナーを色重ねした画像の転写効率を高めるにはなお不充分であった。
【0007】
一方、中間転写媒体は、所定の体積固有抵抗を有した導電性のゴム組成物等から形成されており、体積固有抵抗が小さくなると、電流の漏洩、紙汚れなどの画像上の問題が発生する。一方、体積固有抵抗が所定の大きさを超えると、転写効率が悪く、実用に適さなくなる。
【0008】
中間転写媒体は、基材のゴム、プラスチック等の材料に電子導電性付与剤であるカーボンブラックを配合した導電性のゴム組成物から形成された導電性ベルトが、中間転写媒体として用いられていた。
ところが、電子導電性付与剤を添加して導電性を調節した場合には、電子導電性付与剤の配合量のわずかな変化や、電子導電性付与剤の分散状態によって電気抵抗が大きくばらついたり、電子導電性が経時的に不安定になったりするなどの問題があった。
【0009】
また、電子導電性付与剤の添加量が多くなれば、電気抵抗の印加電圧への依存性が大きくなり、一定の電気抵抗を得るために精密な印加電圧制御装置が必要になるという問題や、ゴム組成物の加工性が低下するという問題も生じた。そのため、イオン導電性ポリマーもしくはゴムにイオン導電性付与剤を添加して、ゴムやポリマーの体積固有抵抗を所定の範囲に調整することも提案されている。
【0010】
また、イオン導電性の高分子を不連続層とし、透湿性の少ない高分子を連続層とした海島構造を有するものとした中間転写媒体が電気抵抗のばらつきが少なく環境条件の変動に対しても安定なものとして提案されている(例えば、特許文献8)であったが、色重ねされたトナー画像の転写性を十分に改善するものではなかった。
【0011】
【特許文献1】
特開平10−207164号公報
【特許文献2】
特開平5−27548号公報
【特許文献3】
特開2002−31933号公報
【特許文献4】
特開2002−278159号公報
【特許文献5】
特開平9−152791号公報
【特許文献6】
特開2002−49190号公報
【特許文献7】
特開2002−116599号公報
【特許文献8】
特開平11−181311号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、感光体上に複数色のトナーを用いて、逐次、トナー像を中間転写媒体上に転写電圧を印加して色重ねしてカラー画像を形成させた後に、紙、合成樹脂フィルム等の転写材に一括して転写し、定着工程を経てカラー画像を形成する画像形成装置において、転写効率が高く、感光体上の転写残りトナー量が減少する結果、トナー消費量が低下し、かつ廃トナーとして回収されるトナー量も減少することにより、クリーニング部材の長寿命化と低ランニングコストが達成でき、廃トナー容器も小さくできる画像形成装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、潜像担持体上に静電潜像を形成し、複数色の現像器を用いて、画像を形成した後に、逐次、定電圧電源から供給される転写電圧によって、中間転写媒体に転写される画像形成装置において、中間転写媒体がイオン導電性物質を含有するとともに、中間転写媒体の仕事関数が、複数色のトナーのうちいずれのトナーの仕事関数よりも小さい画像形成装置によって解決することができる。
このように、イオン導電性の中間転写媒体を使用したので、中間転写媒体の特性が安定しており、潜像担持体上から中間点転写媒体への一次転写部において、トナーの仕事関数より小さな仕事関数を有する中間転写媒体を用いることで、感光体から転写した負帯電トナーの電荷を、負から正に変化させることが少なく、その結果、逆転写トナーの発生量を低下させることができるので、転写効率を高めて、転写されない廃トナー量を減少させることができる。
【0014】
また、複数色の現像器を、先に現像されるトナーの現像器のトナーの仕事関数を最大とし、順次トナーの仕事関数を小さくするように配置した前記の画像形成装置である。
第一色目の静電潜像を形成するトナーの仕事関数が少なくとも5.6eV以上である前記の画像形成装置である。
【0015】
イオン導電性の中間転写媒体がベルトであり、中間転写媒体から紙に転写される前記の画像形成装置である。
潜像担持体と中間転写媒体の周速差を0.95〜1.05とした前記の画像形成装置である。
【0016】
また、トナーが非磁性一成分トナーである前記の画像形成装置である。
現像器からのトナーの搬送量が0.5mg/cm2 以下である前記の画像形成装置である。
潜像担持体上の現像されたトナー量が0.55mg/cm2 以下である前記の画像形成装置である。
【0017】
このように、現像による潜像担持体上の付着トナー量を0.55mg/cm2 以下とすることで、転写材への一次転写電圧を低く押さえることが可能となり、その結果、転写材と潜像担持体間の1次転写時の非画像部への放電を抑制することができ、転写トナー画像の飛び散りや飛散の防止が可能となる。この効果は、仕事関数の大きいトナーより順に現像することで1次転写電圧をより低くでき、高品質のカラートナー像を得ることができる。
【0018】
潜像担持体よりも現像器の周速を早くし、その周速比を1.1〜2.5とするとともに、潜像担持体と現像器の回転方向は同方向である前記の画像形成装置である。
潜像担持体上に必要な現像付着トナー量を得るのに、現像部材の周速を早くし、その周速比を少なくとも1.1以上とするとともに、トナーが飛散しない周速とすることによって、トナーの均一帯電と仕事関数差による電子(電荷)の移動による高い転写特性と色ずれや飛び散りがない高品位なカラートナー像が得られる。
【0019】
トナーは、トナー粒子の投影像の測定によって求めたトナー粒子の投影像の周囲長(μm)L1と、トナー粒子の投影像の面積に等しい真円の周囲長(μm)L0との比、L0/L1で表される円形度が0.94以上である前記の画像形成装置である。
個数基準の平均粒子径が4.5〜9μmであるトナーである前記の画像形成装置である。
静電潜像担持体から中間転写媒体への転写に使用される一次転写電源は定電圧電源であり、中間転写媒体から記録媒体への転写に使用される二次転写電源は定電流電源である前記の画像形成装置である。
【0020】
また、複数色の現像器と潜像担持体とを一体化してプロセスカートリッジとし、画像形成装置に取り外し自在とした前記の画像形成装置である。
【0021】
また、潜像担持体上に静電潜像を形成し、複数色の現像器を用いて、画像を形成した後に、逐次、定電圧電源から供給される転写電圧によって、イオン導電性物質を含有する中間転写媒体に転写される画像形成装置に用いるトナーにおいて、複数色のトナーのうちいずれのトナーの仕事関数よりも小さく、トナーの流動化剤に疎水性シリカと疎水性酸化チタンを含有するトナーである。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は、像担持体上の静電潜像を複数色のトナーによって、逐次現像して、定電圧転写電圧によって、中間転写媒体に転写する画像形成装置において、中間転写媒体がイオン導電性物質を含有するとともに、中間転写媒体の仕事関数が、複数色のトナーのうちいずれのトナーの仕事関数よりも小さい画像形成装置によって順に現像することによって、逆帯電トナーの発生を防ぎ、転写効率の大きな画像の形成が可能な画像形成装置を得ることができることを見出したものである。
【0023】
本発明におけるトナー、中間転写媒体の仕事関数について説明する。
物質の仕事関数(Φ)は、その物質から電子を取り出すために必要なエネルギーとして知られており、仕事関数が小さいほど電子を放出しやすく、大きい程電子を出しにくい。そのため、仕事関数の小さい物質と大きい物質を接触させると、仕事関数の小さい物質は正に、仕事関数の大きい物質は負に帯電する。
仕事関数は下記の測定方法により測定されるものであり、その物質から電子を取り出すためのエネルギー(eV)として数値化され、種々の物質からなるトナーと画像形成装置における種々の部材との接触による帯電性を評価しうるものである。
【0024】
仕事関数(Φ)は、表面分析装置(理研計器製 AC−2、低エネルギー電子計数方式)を使用して測定される。本発明にあっては、該装置において、重水素ランプを使用し、照射光量500nWに設定し、分光器により単色光を選択し、照射面積を4mm角とし、エネルギー走査範囲3.4〜6.2eV、測定時間10sec/1個所で試料に照射する。そして、試料表面から放出される光電子を検出して求めたものであり、仕事関数に関しては、繰り返し精度(標準偏差)0.02eVで測定されるものである。なお、データ再現性を確保するための測定環境としては、使用温湿度25℃、55%RHの条件下で、24時間放置品を測定試料とした。
【0025】
図1は、本発明の画像形成装置を説明する図である。
図1は、本発明のトナーを用いた画像形成装置における非接触現像方式の一例を示すものである。
感光体1は直径24〜86mmで表面速度60〜300mm/sで回転する感光体ドラムで、コロナ帯電器2によりその表面が均一に負帯電された後、記録すべき情報に応じた露光3が行なわれることにより、静電潜像が形成される。
現像器10は、一成分現像装置であり、有機感光体上に一成分非磁性トナーTを供給することで有機感光体における静電潜像を反転現像し、可視像化するものである。現像手段には、一成分非磁性トナーTが収納されており、図示のごとく反時計方向で回転するトナー供給ローラ7によりトナーを現像ローラ9に供給する。現像ローラ9は反時計方向に回転し、トナー供給ローラ7により搬送されたトナーTをその表面に保持した状態で有機感光体との接触部に搬送し、有機感光体1上の静電潜像を可視像化する。
【0026】
現像ローラ9は、例えば直径16〜24mmで、金属製管にめっきやブラスト処理したローラ、あるいは中心軸周面にブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等からなる体積抵抗値104〜108Ω・cm、硬度が40〜70°(アスカーA硬度)の導電性弾性体層が形成されたもので、この管の軸等を介して図示しない電源より現像バイアス電圧が印加される。また、現像ローラ9、トナー供給ローラ7、トナー規制ブレード8からなる現像器10は、図示しないばね等の付勢手段により有機感光体に、図示しないギャップコロを介して押圧力19.6〜98.1N/m、好ましくは24.5〜68.6N/mで、ニップが幅1〜3mmとなるように押圧されている。
【0027】
規制ブレード8としてはステンレス、リン青銅、ゴム板、金属薄板にゴムチップの貼り合わせたもの等が使用されるが、現像ローラに対して図示しないばね等の付勢手段により、あるいは弾性体としての反発力を利用して線圧245〜490mN/cmで押圧され、現像ローラ上のトナー層厚を略1層から2層とすると良い。
【0028】
非接触現像方式にあっては、感光体の暗電位としては−500〜−700V、明電位としては−50〜−150V、図示していないが現像バイアス電圧としては−100〜−400Vとすると良く、現像ローラとトナー供給ローラとは同電位とすると良い。
非接触現像方式にあっては、反時計方向に回転する現像ローラの周速を、時計方向に回転する有機感光体に対して1.1〜2.5、好ましくは1.2〜2.2の周速比とするとよく、これにより、小粒径のトナー粒子であっても、有機感光体との帯電を確実にできる。
【0029】
また、規制ブレード、現像ローラにおけるそれぞれの仕事関数と、トナーの仕事関数との関係に格別の制限はないが、好ましくは規制ブレード、現像ローラにおけるそれぞれの仕事関数をトナーの仕事関数より小さくして、規制ブレードと接触するトナーを負に接触帯電させておくことにより、より均一な負帯電トナーとできる。また、規制ブレード8に電圧を印加してブレードに接触するトナーへ電荷注入してトナー帯電量を制御してもよい。
【0030】
次に、本発明の画像形成装置における中間転写媒体について説明する。図1において、中間転写媒体4は、感光体1とバックアップローラ6との間に送られ、電圧が印加されることにより、感光体1上の可視像が中間転写媒体上に転写され、中間転写媒体上にトナー画像が形成される。感光体上に残留するトナーは、クリーニングブレード5により除去され、感光体上の静電荷は消去ランプにより消去され、感光体は再使用に供せられる。本発明の画像形成装置にあっては逆帯電トナーを抑制できるので、感光体上に残留するトナー量を少なくでき、クリーニングトナー容器を小さくできる。
【0031】
中間転写媒体を転写ドラムや転写ベルトとする場合には、その導電性層に一次転写電圧として+250〜+600Vの電圧が印加され、また、紙等の転写材への二次転写に際しては、二次転写電圧として+400〜+2800Vの電圧が印加されるとよい。
【0032】
中間転写媒体として、転写ベルトまたは転写ドラムを用いることができる。
転写ベルトとしては、合成樹脂製の基体からなるフィルムやシート上に転写層を設けるものであり、他方は弾性体の基層上に表層である転写層を設けるものである。また、転写ドラムとしては、感光体が剛性のあるドラム、例えばアルミニウム製のドラム上に有機感光層を設けた場合には、転写媒体としてはアルミニウム等の剛性のあるドラム基体上に弾性の表層である転写層を設けるものである。また、感光体の支持体がベルト状、あるいはゴム等の弾性支持体上に感光層を設けたいわゆる弾性感光体である場合には、転写媒体としてはアルミニウム等の剛性のあるドラム基体上に直接あるいは導電性中間層を介して転写層を設けるとよい。
基体としては、導電性あるいは絶縁性基体が使用可能である。転写ベルトの場合には、体積抵抗104 〜1012Ω・cm、好ましくは106 〜1011Ω・cmの範囲が好ましい。
【0033】
本発明の中間転写媒体に好適な材料は、イオン導電性を有する高分子物質から構成されている。イオン導電性を示す高分子の微細粒子を透湿性の小さい高分子中に分散させるもので、その配合量(重量)の比を前者と後者の間で、85/15〜40/60、好ましくは80/20〜50/50にすると良い。
そして、イオン導電性を有する高分子を透湿性の少ない高分子中に分散させるためには、それらの混練物に前者の高分子を加硫させる薬品を添加し、混練を140℃〜220℃の温度で行いながら後者の高分子中に微分散させる。混練は公知の方法で行うことができ、例えば、オープンロール、バンバアリーミキサー、ニーダ−等の混練装置を用いる。また、イオン導電性の高分子の分散微粒子径をより小さくするために、相溶化剤を添加し、粒子径を調整すしても良い。
【0034】
また、イオン導電性の中間転写媒体の電気抵抗をより低くする場合には、イオン導電性付与剤を別途配合することができる。また、加硫剤の他に、加硫促進剤や加硫促進補助剤を併用することができ、使用するイオン導電性の高分子に適した形で加硫剤と組合せて使用しても良い。
イオン導電性を示す高分子の例としては、ポリエピクロルヒドリン、ポリエチレンオキサイド−エピクロルヒドリン共重合体、アリルグリシジルエーテル−エチレンオキサイド−エピクロルヒドリン共重合体、アリルグリシジルエーテル−ポリプロピレンオキサイド−−エピクロルヒドリン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリクロロプレン、アクリルゴム、ウレタンゴム等のゴムやスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびこの水添したもの、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体およびこの水添したもの等の熱可塑性エラストマーが単独または組み合わせて好適に用いられる。
【0035】
また、透湿性の小さい高分子の例としては、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アルキルスチレンとイソブチレンの共重合体の臭素化物、エチレン−プロピレン共重合体およびその変性物、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプレン、ポリノルボネルネンゴム、ポリクロロプレン等のゴム、およびポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ウレタン、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ポリカーボネート、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体およびこの水添物等の熱可塑性樹脂が使用でき、この中でもブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アルキルスチレンとイソブチレンの共重合体の臭素化物、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体が好ましい。
【0036】
また、加硫剤としては、硫黄含有物質、有機過酸化物、トリアジン類等が使用できる。そして、加硫促進剤としては、グアニジン類、チオウレア類、ジチオカルバメート類、チウラム類等が、加硫促進助剤としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ステアリン酸、トリエタノールアミン等が使用できる。
【0037】
また、それ自体がイオン導電性を有しないポリマーの場合には、以上に示したような透湿性が小さな高分子物質にイオン導電性付与剤を添加することによりイオン導電性を有する中間転写媒体用の高分子組成物を得ることができる。
イオン導電性付与剤の例としは、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、硝酸リチウム、チオシアン酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム、トリフルオロメチル硝酸リチウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、トリフルオロメチル硫酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、チオシアン酸カリウム、過塩素酸カリウムや、これらの亜鉛塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等が使用できる。また、高分子型帯電防止剤を併用することができ、具体的には、第4級アンモニウム塩基含有共重合体やポリエーテルエステルアミド系のものがある。
また、これらのイオン導電性物質を、先に挙げたイオン導電性を有する高分子物質と併用しても良い。
【0038】
転写ベルトとするには、混練り機内で加硫した混練物を取り出して、例えば、連続溶融押出成形法、射出成形法、ブロー成形法等の公知の方法により成形することができる。必要により、表面研磨をして所望の表面粗さを有する転写ベルトに仕上げることができる。
【0039】
フィルムまたはシートで基体を作製する場合には、ベルト状とするために端面を超音波溶着を行うことで、ベルトを作製することができ、具体的にはシート、またはフィルム上に導電性層並びに表面層を設けてから、超音波溶着を行うことにより所望の物性を有する転写ベルトを作製することができる。
【0040】
図1で示す現像プロセスをイエローY、シアンC、マゼンタM、ブラックKからなる4色のトナー(現像剤)による現像器と感光体を組み合わせればフルカラー画像を形成することのできる装置となる。
【0041】
次に、本発明の負帯電乾式トナーが適用される画像形成装置について説明する。 図2は4サイクル方式のフルカラープリンターの一例を説明する図である。図2において、100は像担持体ユニットが組み込まれた像担持体カートリッジである。この例では、感光体カートリッジとして構成されていて、感光体と現像部ユニットが個別に装着できるようになっており、電子写真感光体(潜像担持体)140が図示しない適宜の駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動される。感光体140の周りにはその回転方向に沿って、帯電手段として帯電ローラ160、現像手段としての現像器10(Y、M、C、K)、中間転写装置30、およびクリーニング手段170が配置される。
【0042】
帯電ローラ160は、感光体140の外周面に当接してその外周面を一様に帯電させる。一様に帯電した感光体140の外周面には露光ユニット40によって所望の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、この露光L1によって感光体140上に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器10によって現像剤が付与されて現像される。
【0043】
現像器としてイエロー用の現像器10Y、マゼンタ用の現像器10M、シアン用の現像器10C、およびブラック用の現像器10Kが設けられている。これら現像器10Y、10C、10M、10Kはそれぞれ揺動可能に構成されており、選択的に一つの現像器の現像ローラ9のみが感光体140に圧接されるように構成されている。これらの現像器10は、負帯電トナーを現像ローラ上に保持しているものであり、これらの現像器10はイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKのうちのいずれかのトナーを感光体140の表面に付与して感光体140上の静電潜像を現像する。現像ローラ9は硬質のローラ、例えば表面を粗面化した金属ローラで構成されている。現像されたトナー像は、中間転写装置30の中間転写ベルト36上に転写される。クリーニング手段170は、上記転写後に感光体140の外周面に付着しているトナーTを掻き落とすクリーナブレードと、このクリーナブレードによって掻き落とされたトナーを受けるクリーニングトナー回収部とを備えている。
【0044】
中間転写装置30は、駆動ローラ31と、4本の従動ローラ32、33、34、35と、これら各ローラの周りに張架された無端状の中間転写ベルト36とを有している。駆動ローラ31は、その端部に固定された図示しない歯車が感光体140の駆動用歯車とかみ合っていることによって感光体140とほぼ同一の周速で回転駆動され、したがって中間転写ベルト36が感光体140とほぼ同一の周速で図示矢印方向に循環駆動されるようになっている。
【0045】
従動ローラ35は駆動ローラ31との間で中間転写ベルト36がそれ自身の張力によって感光体140に圧接される位置に配置されており、感光体140と中間転写ベルト36との圧接部において、一次転写部T1が形成されている。従動ローラ35は、中間転写ベルトの循環方向上流側において一次転写部T1の近くに配置されている。
【0046】
駆動ローラ31には中間転写ベルト36を介して図示しない電極ローラが配置されており、この電極ローラを介して中間転写ベルト36の導電性層に一次転写電圧が印加される。従動ローラ32は、テンションローラであり、図示しない付勢手段によって中間転写ベルト36をその張り方向に付勢している。従動ローラ33は二次転写部T2を形成するバックアップローラである。このバックアップローラ33には中間転写ベルト36を介して二次転写ローラ38が対向配置されている。二次転写ローラには二次転写電圧が印加され、図示しない間隔調整機構により中間転写ベルト36に対して間隔が調整可能に構成されている。従動ローラ34はベルトクリーナ39のためのバックアップローラである。ベルトクリーナ39は図示しない間隔調整機構により中間転写ベルト36に対して間隔調整可能に構成されている。
【0047】
中間転写ベルト36は、導電層とこの導電層上に形成され、感光体140に圧接される抵抗層とを有する複層ベルトで構成されている。導電層は合成樹脂からなる絶縁性基体の上に形成されており、この導電層に前述した電極ローラを介して一次転写電圧が印加される。なお、ベルト側縁部において、抵抗層が帯状に除去されることによって導電層が帯状に露出し、この露出部に電極ローラが接触するようになっている。
【0048】
中間転写ベルト36が循環駆動される過程で、一次転写部T1において、感光体体140上のトナー像が中間転写ベルト36上に転写され、中間転写ベルト36上に転写されたトナー像は、二次転写部T2において、二次転写ローラ38との間に供給される用紙等の記録媒体Sに転写される。シートSは、給紙装置50から給送され、ゲートローラ対Gによって所定のタイミングで二次転写部T2に供給される。51は給紙カセット、52はピックアップローラである。
【0049】
定着装置60でトナー像が定着され、排紙経路70を通って装置本体の筐体80上に形成されたシート受け部81上に排出される。なお、この画像形成装置は、排紙経路70として互いに独立した2つの排紙経路71、72を有しており、定着装置60を通ったシートはいずれかの排紙経路71又は72を通って排出される。また、この排紙経路71、72はスイッチバック経路をも構成しており、シートの両側に画像を形成する場合には排紙経路71又は72に一旦進入したシートが、返送ローラ73を通って再び二次転写部T2に向けて給紙されるようになっている。
【0050】
以上のような画像形成装置全体の作動の概要は次の通りである。
(1)図示しないパーソナルコンピュータ等から画像情報が画像形成装置の制御部90に送信されると、感光体140、現像器10の各ローラ9、および中間転写ベルト36が回転駆動される。
(2)感光体140の外周面が帯電ローラ160によって一様に帯電される。(3)一様に帯電した感光体140の外周面に、露光ユニット40によって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、イエロー用の静電潜像が形成される。
(4)感光体140には、第1色目の例えばイエロー用の現像器10Yの現像ローラのみが接触し、これによって上記静電潜像が現像され、第1色目のイエローのトナー像が感光体140上に形成される。
【0051】
(5)中間転写ベルト36には、上記トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体140上に形成されたトナー像が一次転写部T1において中間転写ベルト36上に転写される。このとき、二次転写ローラ38およびベルトクリーナ39は中間転写ベルト36から離間している。
(6)感光体140上に残留しているトナーがクリーニング手段170によって除去された後、除去手段41から徐電光L2によって感光体140が除電される。
(7)上記(2)〜(6)の動作に必要に応じて繰り返される。すなわち、上記印字指令信号に応じて第2色目、第3色目、第4色目と繰り返され、上記印字指令信号の内容に応じたトナー像が中間転写ベルト36上において重ね合わされて形成される。
【0052】
(8)所定のタイミングで給紙装置50からシートSが給送され、シートSの先端が二次転写部T2に達する直前あるいは達した後に、すなわちシートS上の所望の位置に、中間転写ベルト36上のトナー像が転写されるタイミングで、二次転写ローラ38が中間転写ベルト36上のトナー像、すなわち4色のトナー像が重ね合わせられたフルカラー画像がシートS上に転写される。また、ベルトクリーナ39が中間転写ベルト36に当接し、二次転写後に中間転写ベルト36上に残留しているトナーが除去される。
(9)記録媒体Sが定着装置60を通過することによってシートS上のトナー像が定着し、その後、シートSが所定の位置に向け(両面印刷でない場合にはシート受け部81に向け、両面印刷の場合にはスイッチバック経路71または72を経て返送ローラ73に向け)搬送される。
【0053】
本発明に係る画像形成装置では、感光体140には現像ローラ9、中間転写媒体36を当接状態としてもよく、また、現像を非接触方式としてもよい。
同様に、本発明に使用するタンデム方式のフルカラープリンターの概略正面図を図3に示す。この場合には、感光体と現像部ユニットが同一のユニットすなわち、プロセスカートリッジとして装着できるように構成されており、現像は接触方式の例であるが、非接触方式も採用できる。
【0054】
この画像形成装置は、駆動ローラ11、従動ローラ12の2本のローラのみ張架されて図示矢印方向(反時計方向)に循環駆動される中間転写ベルト30と、この中間転写ベルト30に対して配置された4個の単色トナー像形成手段20(Y)、20(C)、20(M)、20(K)とを備え、中間転写ベルト30に対して複数個の単色トナー像形成手段20によるトナー像が個別の転写手段13、14、15、16で順次一次転写されるように構成される。それぞれの一次転写部をT1Y、T1C、T1M、T1Kで示す。
【0055】
単色トナー像形成手段は、イエロー用のもの20(Y)と、マゼンタ用のもの20(M)と、シアン用のもの(C)と、ブラック用のもの20(K)とが配置されている。これらの単色トナー像形成手段20(Y)、20(C)、20(M)、20(K)はそれぞれ外周面に感光層を有する感光体21と、この感光体21の外周面を一様に帯電させる帯電手段としての帯電ローラ22と、この帯電ローラ22より一様に帯電させられた外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する露光手段23と、この露光手段23により形成された静電潜像に現像剤あるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像手段としての現像ローラ24と、この現像ローラ24により現像されたトナー像が一次転写対象である中間転写ベルト30に転写された後に感光体21の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレード25とを有している。
【0056】
これら単色トナー像形成手段20(Y)、20(C)、20(M)、20(K)は中間転写ベルト30の弛み側に配置されている。中間転写ベルト30に順次一次転写され、中間転写ベルト30上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写部T2において用紙等の記録媒体Sに二次転写され、定着ローラ対61を通ることで記録媒体S上に定着され、排紙ローラ対62によって所定の場所、すなわち図示しない排紙トレイ上等へ排出される。51は記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、52は給紙カセット51から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ、Gは二次転写部T2への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するゲートローラ対である。
【0057】
また、63は中間転写ベルト30との間で二次転写部T2を形成する二次転写手段としての二次転写ローラ、64は二次転写後に中間転写ベルト30の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードである。二次転写後のクリーニングブレード64は、従動ローラ12にではなく駆動ローラ11への中間転写ベルト30の巻きかけ部において中間転写ベルト30に当接している。
【0058】
次に、トナーの仕事関数の測定に使用する測定セルについて説明する。
図4は、仕事関数測定用の試料測定セルを説明する図を示す。
図4(A)に平面図を示し、図4(B)に側面図を示すように、試料測定セルC1は、直径13mm、高さ5mmのステンレス製円盤の中央に直径10mmで深さ1mmのトナー収容用凹部C2を有する形状を有する。セルの凹部内にトナーを秤量スプーンを使用して突き固めないで入れた後、ナイフエッジを使用して表面を平らにした状態で測定に供する。
トナーを充填した測定セルを試料台の規定位置上に固定した後に、照射光量500nWに設定し、照射面積4mm角とし、エネルギー走査範囲4.2〜6.2eVの条件で測定される。
また、トナーの仕事関数測定時の規格化電子収率が測定光量500nWで8以上が望ましい。
【0059】
図5は、他の形状の試料の仕事関数の測定方法を説明する図である。
中間転写媒体、潜像担持体のように、円筒形状の部材を試料とする場合には、円筒形状の部材を1〜1.5cmの幅で切断し、ついで稜線に沿って横方向に切断して図5(A)に形状を示すように、測定用試料片C3を得た後、図5(B)に示すように、試料台C4の規定位置上に、測定光C5が照射される方向に対して照射面が平行になるように固定する。これにより、放出される光電子C6が検知器C7、すなわち光電子倍像管により効率よく検知される。
【0060】
本発明におけるトナーの現像順序による転写効率の違いは以下のように考えられる。
図6は、本発明の中間転写媒体上に重ね合わされたトナーを説明する図である。
図6(A)は、ベタ画像の転写例を示したもので、一列にトナーが並んだ様子を示している。トナーの仕事関数が大きい順より現像・転写が行われ、中間転写ベルト上に静電的に付着している。矢印の方向に電子(電荷)が移動し、最上部のトナーの電荷が小さくなるので、定電圧転写において電荷の流れと転写の向きが同一になる為、転写効率が高くなると考えられる。
(b)は中間調画像の転写例を示したので、トナー同士が隣りあう場合の例である。トナーの仕事関数が大きい順より現像・転写が行われ、中間転写ベルト上に静電的に付着している。やはり、矢印の方向に電子(電荷)が移動し、最上部のトナーの電荷が小さくなるので、定電圧転写において電荷の流れと転写の向きが同一になる為、転写効率が高くなると考えられる。
【0061】
本発明のトナーとしては、粉砕法および重合法により得られるトナーのいずれでも良いが、円形度が良好な重合法トナーが好ましい。
粉砕法トナーとしては、樹脂バインダーに少なくとも顔料を含有し、離型剤、荷電制御剤等を添加し、ヘンシェルミキサー等で均一混合した後、2軸押し出し機で溶融混練され、冷却後、粗粉砕−微粉砕工程を経て、分級処理され、さらに、外添粒子が付着されてトナー粒子とされる。
【0062】
バインダー樹脂としてはトナー用樹脂として使用されている合成樹脂が使用可能であり、例えばポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、シリコーン変成エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂等が単独又は複合して使用できる。
【0063】
特に本発明においては、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル系樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。バインダー樹脂としてはガラス転移温度が50〜75℃、フロー軟化温度が100〜150℃の範囲が好ましい。
【0064】
着色剤としては、トナー用着色剤が使用可能である。例えばカーボンブラック、ランプブラック、マグネタイト、チタンブラック、クロムイエロー、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレーキ、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の染料および顔料を単独あるいは複合して使用できる。
【0065】
離型剤としては、トナー用離型剤が使用可能である。例えばパラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等が挙げられる。中でもポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、エステルワックス等を使用することが好ましい。
【0066】
荷電調整剤としては、トナー用荷電調整剤が使用可能である。例えば、オイルブラック、オイルブラックBY、ボントロンS−22およびS−34(オリエント化学工業製)、サリチル酸金属錯体E−81、E−84(オリエント化学工業製)、チオインジゴ系顔料、銅フタロシアニンのスルホニルアミン誘導体、スピロンブラックTRH(保土ヶ谷化学工業製)、カリックスアレン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩系化合物、モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシルカルボン酸系金属錯体、芳香族ジカルボン酸系金属錯体、多糖類等が挙げられる。なかでもカラートナー用には無色ないしは白色のものが好ましい。
【0067】
粉砕法トナーにおける成分比としては、バインダー樹脂100重量部に対して、着色剤は0.5〜15重量部、好ましくは1〜10重量部であり、また、離型剤は1〜10重量部、好ましくは2.5〜8重量部であり、また、荷電制御剤は0.1〜7重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
【0068】
本発明の粉砕法トナーにあっては、転写効率の向上を目的とした場合、球形化処理されるとよく、そのためには、粉砕工程で、比較的丸い球状で粉砕可能な装置、例えば機械式粉砕機として知られるターボミル(川崎重工業製)を使用すれば円形度は0.93まで高めることができる。または、粉砕したトナーを熱風球形化装置(日本ニューマチック工業製)を使用することによって円形度を1.00まで高めることができる。
なお、本発明において、トナー粒子の平均粒径と円形度は、粒子像分析装置(シスメックス製 FPIA2100)で測定した値である。
【0069】
また、重合法トナーとしては、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等により得られるトナーが挙げられる。懸濁重合法においては、重合性単量体、着色顔料、離型剤とを必要により更に、染料、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤を添加した複合物を溶解又は分散させた単量体組成物を、懸濁安定剤(水溶性高分子、難水溶性無機物質)を含む水相中に撹拌しながら添加して造粒し、重合させて所望の粒子サイズを有する着色重合トナー粒子を形成することができる。
【0070】
乳化重合法においては、単量体と離型剤を必要により更に重合開始剤、乳化剤(界面活性剤)などを水中に分散させて重合を行い、次いで凝集過程で着色剤、荷電制御剤と凝集剤(電解質)等を添加することによって所望の粒子サイズを有する着色トナー粒子を形成することができる。
重合法トナー作製に用いられる材料において、着色剤、離型剤、荷電制御剤、に関しては、上述した粉砕トナーと同様の材料が使用できる。
【0071】
重合性単量体成分としては、公知のビニル系モノマーが使用可能であり、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、エチレングリコール、プロピレングリコール、無水マレイン酸、無水フタル酸、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、プロピレン酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルナフタレン等が挙げられる。なお、フッ素含有モノマーとしては例えば2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、フッ化ビニリデン、三フッ化エチレン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロプロピレンなどはフッ素原子が負荷電制御に有効であるので使用が可能である。
【0072】
乳化剤(界面活性剤)としては、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル等がある。
【0073】
重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、4,4’−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル等がある。
【0074】
凝集剤(電解質)としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸鉄等が挙げられる。
【0075】
重合法トナーの円形度の調節法としては、乳化重合法は2次粒子の凝集過程で温度と時間を制御することで、円形度を自由に変えることができ、その範囲は0.94〜1.00である。また、懸濁重合法では、真球のトナーが可能であるため、円形度は0.98〜1.00の範囲となる。また、円形度を調節するためにトナーのTg温度以上で加熱変形させることで、円形度を0.94〜0.98まで自由に調節することが可能となる。
また、トナーの個数平均粒径は、9μm以下であることが好ましく、8μm〜4.5μmであることがより好ましい。9μmよりも大きなトナーでは、1200dpi以上の高解像度で潜像を形成しても、その解像度の再現性が小粒子径のトナーに比べて低下し、また4.5μm以下になると、トナーによる隠蔽性が低下するとともに、流動性を高めるために外添剤の使用量が増大し、その結果、定着性能が低下する傾向があるので好ましくない。
【0076】
次に、外添剤について説明する。本発明のトナー粒子には、外添剤として、シリカ粒子と、シリカの表面をチタン、スズ、ジルコニウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物、水酸化物によって修飾した表面修飾シリカ粒子を含み、シリカ粒子に対して表面修飾シリカ粒子が重量比で1.5倍以下の比で含有されている。
【0077】
また、その他の外添剤としては、各種の無機および有機のトナー用流動性改良剤が使用可能である。例えば、正帯電性シリカ、二酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ案、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、マグネタイト、二硫化モリブデン、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム等のチタン酸金属塩、ケイ素金属塩の各微粒子を使用するこるとができる。これらの微粒子は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で疎水化処理して使用することが好ましい。その他の樹脂微粒子の例としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。流動性改良剤は単独あるいは混合して使用でき、その使用量はトナー100重量部に対して0.1ないし5重量部、より好ましくは0.5ないし4.0重量部であることが好ましい。
【0078】
シリカ粒子としては、ケイ素のハロゲン化物等から乾式で作製した粒子、およびケイ素化合物から液中で析出した湿式法によるもののいずれをも用いることができる。
そして、シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径は、7nm〜40nmとすることが好ましく、10nm〜30nmとすることがより好ましい。また、シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径が7nmより小さいと、トナーの母粒子に埋没しやすくなり、また、負に過帯電しやすくなる。そして、40nmを超えるとトナー母粒子の流動性付与効果が悪化し、トナーを均一に負に帯電させることが困難になる結果、逆帯電である正に帯電したトナー量が増加する傾向となる。
【0079】
本発明においては、シリカ粒子として、個数平均粒径分布が異なるシリカを混合して用いることが好ましく、粒径が大きな外添剤を含有することによって、トナー粒子中に外添剤が埋まってしまうことを防止し、小径のシリカ粒子によって好ましい流動性を得ることができる。
具体的には、一方のシリカの個数平均一次粒子径が5nm〜20nmであることが好ましく、7〜16nmであることがより好ましい。また、他方のシリカの個数平均一次粒子径が30nm〜50nmであることが好ましく、30〜40nmである粒子を併用することがより好ましい。
【0080】
なお、本発明における外添剤の粒径は、電子顕微鏡像によって観察して測定したものであり、個数平均粒子径を平均粒子径としている。
【0081】
本発明において外添剤として使用するシリカ粒子は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で疎水化処理して使用することが好ましく、例えばジメチルジクロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−iso −プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t −ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジペンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、(4−t −ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルペンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−iso −プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン等が例示される。
【0082】
また、シリカ粒子と、金属化合物によって表面を修飾したシリカをシリカ粒子に対して所定の量を併用することが好ましい。表面修飾シリカとしては、50〜400m2/gの比表面積を有するシリカ粒子を、チタン、スズ、ジルコニウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一種の水酸化物あるいは酸化物で被覆したものである。
【0083】
これらの配合量は、シリカ粒子100重量部に対し、1〜30重量部のこれらの水酸化物、酸化物で被覆したスラリーとし、引き続いてスラリー中の固形分に対し、アルコキシシランを3〜50重量部を被覆した後、アルカリで中和し、ろ過、洗浄、乾燥及び粉砕を行うことによって得ることができる。表面修飾シリカに使用するシリカ微粒子は、湿式法あるいは気相法で製造されたいずれの粒子を使用することができる。
【0084】
また、シリカ粒子の表面修飾は、チタン、スズ、ジルコニウム、アルミニウムを少なくとも一種を含有する水系の溶液を使用することができ、例えば、硫酸チタン、四塩化チタン、塩化スズ、硫酸第一スズ、オキシ塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム等を挙げることができる。
シリカ粒子をこれらの金属酸化物、水酸化物での表面修飾は、これらの金属化合物の水系溶液によってシリカ粒子のスラリーを処理することによっておこなうことができる。処理温度は、20〜90℃とすることが好ましい。
【0085】
次いで、アルコキシシランによって被覆することによって、疎水化処理を行う。疎水化処理は、スラリーのpHを2〜6、好ましくはpH3〜6に調整した後、少なくとも一種のアルコキシシランをシリカ微粒子100重量部に対して30ないし50重量部を添加し、スラリーの温度を20〜100℃、好ましくは30〜70℃に調整し、加水分解及び縮合反応を行うことによって実現することができる。
【0086】
また、アルコキシシランを添加した後には、スラリーを撹拌した後、pH4〜9、好ましくは5〜7とpHの調整を行って縮合反応を促進することが好ましい。pHの調整は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水、アンモニアガス等を使用することができる。この様な処理を行うことで、均一に疎水化処理された安定な微粒子が得られる。
次いで、スラリーをろ過、水洗後に乾燥を行うことによって表面修飾されたシリカ微粒子を得ることができる。
乾燥は、100〜190℃、好ましくは110〜170℃である。100℃未満だと乾燥効率が悪く疎水化度が低くなるので好ましくない。また、190℃を超えると、炭化水素基の熱分解により変色と疎水化度の低下が起こるので好ましくない。
疎水化処理は、表面修飾シリカ粒子にアルコキシシランを添加した後にヘンシェルミキサー等を用いて被覆することもできる。
【0087】
本発明において、これらの外添剤は、トナー母粒子100重量部に対して0.05〜2重量部とすることが好ましい。
0.05重量部よりも少ない場合には、流動性付与、および過帯電防止に効果がなく、逆に2重量部を超えると、負帯電の電荷量が低下すると同時に、逆極性である正帯電のトナー量が増加し、カブリや逆転写トナー量を増加する結果となる。
【0088】
【実施例】
以下に、実施例を示し本発明を説明する。
(トナー1の製造例)
スチレンモノマー80重量部、アクリル酸ブチル20重量部、およびアクリル酸5重量部からなるモノマー混合物を、水105重量部、ノニオン乳化剤(第一工業製薬製 エマルゲン950)1重量部、アニオン乳化剤(第一工業製薬製 ネオゲンR)1.5重量部、および過硫酸カリウム0.55重量部の水溶液混合物に添加し、窒素気流中下で撹拌を70℃で8時間重合を行った。
重合反応後冷却し、乳白色の粒径0.25μmの樹脂エマルジョンを得た。次に、この樹脂エマルジョン200重量部、ポリエチレンワックスエマルジョン(三洋化成工業製)20重量部およびフタロシアニンブルー7重量部を、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2重量部を含んだ水中へ分散し、ジエチルアミンを添加してpHを5.5に調整後撹拌しながら電解質として硫酸アルミニウム0.3重量部を加え、次いで撹拌装置(TKホモミキサー)で高速撹拌して分散を行った。
【0089】
更に、スチレンモノマー40重量部、アクリル酸ブチル10重量部、サリチル酸亜鉛5重量部を水40重量部と共に添加し、窒素気流下で撹拌しながら同様にして、90℃に加熱し、過酸化水素水を加えて5時間重合し、粒子を成長させた。 重合停止後会合粒子の結合強度を上げるため、pHを5以上に調整しながら95℃に昇温し、5時間保持した。その後得られた粒子を水洗し、45℃で真空乾燥を10時間行った。
【0090】
得られたシアントナーは平均粒径6.8μm、円形度0.98であった。このトナーに対して、重量比で流動性改良剤である平均一次粒子径が12nmの疎水性シリカを1%、平均一次粒子径が約40nmの疎水性シリカを0.7%添加混合し、次いで平均一次粒子径が約20nmの疎水性酸化チタンを0.5%と平均一次粒子径が約30nmの疎水性のシリカをアミノシランで表面処理した正帯電性疎水性シリカを0.4%添加混合しトナー1を得た。得られたトナーの仕事関数を表面分析装置(理研計器製 AC−2型)を用い、照射光量500nWで測定すると5.54eVであった。
【0091】
なお、本実施例において円形度の測定は、フロー式粒子像解析装置(シスメックス株式会社製FPIA2100)を用いて行い、下記式(1)で表現した。
R=L0/L1…(1)
ただし、L1は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長(μm)である。
L0は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい真円の周囲長(μm)である。
また、平均粒径は、電気抵抗法粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製マルチサイザーIIIで測定した体積分布D50で示した。
また、得られたトナーの仕事関数をは、5.54eVであったが、本実施例において仕事関数は、表面分析装置(理研計器製 AC−2型)によって、照射光量500nWで測定した値である。
【0092】
(トナー2の製造例)
トナー1において、フタロシアニンブルーの顔料をキナクリドンに変更し、また二次粒子の会合と造膜結合強度を上げる温度を90℃のままで行い、トナー2を作製したところ、このマゼンタトナーの円形度は0.972で仕事関数は5.63eVであった。このトナーの個数基準の平均粒径は6.9μmであった。
【0093】
(トナー3,4の製造例)
トナー2において、顔料をピグメントイエロー180とカーボンブラックに変えた以外はトナー2と同様にして重合を行い、流動性改良剤を添加し、円形度0.972、仕事関数5.58eV、平均粒径7.0μmのイエロートナー3と、円形度0.973、仕事関数5.48eV、平均粒径6.9μmのブラックトナー4を作製した。
【0094】
(トナー5の製造例)
芳香族ジカルボン酸とアルキレンエーテル化ビスフェノールAとの重縮合ポリエステルと該重合ポリエステルの多価金属化合物による一部架橋物の50:50(重量比)混合物(三洋化成工業製)100重量部、シアン顔料のピグメントブルー15:1を5重量部、離型剤として融点が152℃、重量平均分子量(Mw)が4000のポリプロピレン1重量部、および荷電制御剤としてのサリチル酸金属錯体(オリエント化学工業製 E−81)4重量部をヘンシェルミキサーを用い、均一混合した後、内温130℃の二軸押し出し機で混練し、冷却した。
【0095】
冷却物を2mm角以下に粗粉砕し、次いでジェットミルで微粉砕し、ローター回転による分級装置により分級し、平均粒径6.2μmで、円形度0.905の分級トナーを得た。分級したトナーに対し、重量比で0.2%の疎水性シリカ(平均一次粒子径7nm、比表面積250m2/g)を加え表面処理を行った後、熱風球形化装置(日本ニューマチック工業製 SFS−3型)を用い、熱処理温度200℃に設定し、部分的に球形化処理を行った後、同様にして再度分級し平均粒径6.3μm、円形度0.940のシアントナー5の母粒子を得た。このトナー母粒子に対し、トナー1と同様にして流動性改良剤を添加混合し、トナー5を作製した。得られたトナーの仕事関数を同様な方法で測定すると5.48eVであった。
【0096】
(トナー6,7,8の製造例)
トナー5において、顔料をナフトールAS系の6Bに変えた以外はトナー5と同様にして粉砕、分級、熱処理、再分級および表面処理を行い、平均粒径6.5μmで円形度0.942のマゼンタトナー6を得た。
【0097】
このトナー6の仕事関数を測定したところ、5.53eVであった。同様にして、イエロートナーとしてピグメントイエロー93を使用したトナー7、およびブラックトナーとしてカーボンブラックを使用したトナー8を作製した。
得られたトナーの平均粒径と円形度はほぼトナー6と同じ値を示し、またそれぞれのトナーの仕事関数は、5.57eV(イエロー)および5.63eV(ブラック)であった。
【0098】
(有機感光体(OPC1)の製造例)
直径85.5mmの感光体ドラム形成用アルミニウム製管を支持体として、下引き層として、アルコール可溶性ナイロン(東レ製 CM8000)の6重量部とアミノシラン処理された酸化チタン微粒子4重量部をメタノール100重量部に溶解、分散させてなる塗工液を、リングコーティング法で塗工し、温度100℃で40分乾燥させ、膜厚1.5〜2μmの下引き層を形成した。
【0099】
この下引き層上に、電荷発生顔料のオキシチタニルフタロシアニン1重量部とブチラール樹脂(積水化学製 BX−1)1重量部とジクロルエタン100重量部とを、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで8時間分散させた。
得られた顔料の分散液を、先に作製した支持体上に、リングコーティング法で塗工し、80℃で20分間乾燥させ、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0100】
この電荷発生層上に、下記構造式(1)のスチリル化合物の電荷輸送物質40重量部とポリカカーボネート樹脂(帝人化成製 パンライトTS)60重量部をトルエン400重量部に溶解させ、乾燥膜厚が22μmになるように浸漬コーティング法で塗工、乾燥させて電荷輸送層を形成し、2層からなる感光層を有する有機感光体(OPC1)を作製した。
得られた有機感光体の一部を切り欠いて試料片とし、その仕事関数を市販の表面分析装置(AC−2型、理研計器(株)製)を用い、照射光量500nWで測定したところ、5.47eVを示した。
【0101】
【化1】
【0102】
(有機感光体(OPC2)の製造例)
有機感光体(OPC1)において、導電性支持体として直径30mmのアルミニウム製管を用い、電荷発生顔料としてチタニルフタロシアニン、電荷輸送物質に下記構造式(2)のジスチリル化合物に変えた以外は同様にして有機感光体(OPC2)を作製した。
この有機感光体の仕事関数を同様にして測定すると、5.50eVであった。
【0103】
【化2】
【0104】
(現像ローラの作製)
直径18mmのアルミニウム管の表面に、厚さ10μmのニッケルめっき層を形成し、表面粗さ(Rz)4μmの表面を得た。この現像ローラ表面の仕事関数を測定したところ、4.58eVであった。
【0105】
(規制ブレードの作製)
厚さ80μmのステンレス板に厚さ1.5mmの導電性ウレタンチップを導電性接着剤で貼り付けており、ウレタン部の仕事関数を約5eVとした。
【0106】
(中間転写媒体の製造例)
また、中間転写媒体として、転写ベルトまたは転写ドラムを用いることができるが、転写ベルトの例で示す。
中間転写ベルト用の各種配合剤を表1に示す配合量で配合した。配合量の単位は重量部である。
先ず、混練り機の設定温度を180℃にして、イオン導電性高分子を含むマスターバッチAと低透湿性高分子を含むマスターバッチBを混練りしながら、イオン導電性高分子のみを加硫させる配合剤Cを添加して、イオン導電性高分子を先に加硫させた。
【0107】
その後、次工程用の配合剤Dを添加して、100℃で混練りしたものを混練り機から取り出し、環状ダイスを有する一軸押出し機により90℃にて内径170mm、厚さ2mmのチューブ状に押出した。次に押出しチューブを、環状ダイスと同じ軸線上に支持している冷却インサイドマンドレルにより内径を規制し、冷却固化させてシームレスチューブを作製した。規定寸法に切断し、外径172mm、幅383mm、厚さ150μmのシームレスベルトを得た。更に、転写ベルトとして用いるために、ゴム厚を0.50±0.05mmとなるように研磨した。 得られた転写ベルトの体積抵抗と仕事関数の測定値を表2に示した。
【0108】
【表1】
【0109】
表1において、それぞれの材料は、下記のとおりである。
アリルグリシジルエーテルエチレンオキサイド−エピクロルヒドリン共重合体…ダイソー製のエピクロマーCG102
過塩素酸リチウム…関東化学製
過塩素酸ナトリウム…関東化学製
塩素化ポリエチレン…ダイソー製ダイソラックRA140
塩化アルミニウムマグネシウムカーボネートハイドレート…協和化学製DHT −4A−2
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体…住友化学製エスプレン553
テトラメチルチウラムモノスルフィド…大内新興化学工業製ノクセラーTS
2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン…ダイソー製 OF−100
高分子型帯電防止剤…三洋化成工業製ペレスタット
亜鉛華…東邦亜鉛製亜鉛華1号
ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛…大内新興化学工業製ノクセラーBZ
粉末硫黄…鶴見化学製
【0110】
【表2】
【0111】
実施例1
有機感光体(OPC1)を用い、現像ローラと規制ブレードを装着した図2に示す中間転写媒体方式の4サイクルカラープリンターを用いて、作製したトナー1(5.54eV)を用い、製造した転写ベルト1、および転写ベルト2とを組合わせて、非接触一成分現像方式による画像形成試験を行った。
なお、画像形成に際しては、有機感光体の周速を180mm/s、現像ローラの周速は有機感光体に対して周速比1.6とし、また、有機感光体と中間転写媒体である転写ベルトとの周速差を転写ベルトが3%早くなるように設定した。
3%以上とすると転写画像に散りが発生した。そこで、3%を上限とした。
【0112】
トナー規制ブレードの規制条件を変えて現像ローラ上のトナー搬送量を0.4mg/cm2となるように設定した。
画像形成条件は現像ローラと感光体の間隙をギャップコロで210μmに調整し、直流電圧の現像バイアス−200Vに重畳する交流周波数2.5kHz、P−P電圧1400Vの設定で、現像ローラと供給ローラは同電位とした。一次転写部には定電圧電源を、二次転写部には定電流電源を使用している。
【0113】
そして、5%原稿を2枚印字した後に現像器を取り外し、現像ローラ(DR)を取り出して現像ローラ上に付着したトナーの帯電特性と、中間転写ベルト(TB)を取り外し、中間転写ベルト上に付着したトナーの帯電特性を、粒度および帯電量測定器(ホソカワミクロン製 イースパートアナライザ E−SPART)を使用して測定し、その結果を表3に示す。
【0114】
【表3】
【0115】
また、ベタ画像を印字し、定着後の画像濃度(反射濃度)と感光体上の非画像部に粘着テープ(住友スリーエム製メンディングテープ)を貼り付けトナーを剥離し、そのテープを白紙上に貼り付け、テープの反射濃度を差し引いた反射濃度値で求めるテープ転写法によってカブリ濃度を測定した。
また、ベタ画像を形成した後に感光体上に戻るいわゆる逆転写トナー濃度も同様にテープ転写法で求めて、表4に示す。
【0116】
【表4】
【0117】
比較例1
仕事関数が異なる比較ベルト1、比較ベルト2を使用した点を除き、実施例1と同様に画像形成を行い、実施例1と同様に評価を行った。
【0118】
表4に示すように、トナーの仕事関数より大きい中間転写ベルトを用いた比較比較例1と比較例2においては、現像ローラから中間転写ベルトにトナーが転写された段階で、トナーの電荷量が減少し、同時に正帯電トナー量が増大することが分かった。その結果、かぶりや逆転写トナー量も増大することとなった。これは、転写時にトナーの極性と逆の正電圧を印加するので、中間転写ベルトにトナーの電子(電荷)が移動しやすくなり、帯電量の低下と逆極性のトナーの発生になったものと考えられる。
【0119】
実施例2
実施例1において用いたトナー1に代えて、トナー5(5.48eV)を用いて同様にして画像形成試験を行い、その結果を表5と表6に示す。
【0120】
比較例2
実施例2において用いた転写ベルト1に代えて、比較ベルト1および比較ベルト2を用いた点を除き、同様にして画像形成試験を行い、その結果を表5と表6に示す。
【0121】
【表5】
【0122】
【表6】
【0123】
以上の結果から、トナーの仕事関数より大きい中間転写ベルトを用いた比較例2においては、現像ローラから中間転写ベルトにトナーが転写された段階で、トナーの電荷量が減少し、同時に正帯電トナー量が増大するものと考えられる。
【0124】
実施例3ないし4
実施例1と同様にして図2に示した画像形成装置を用い、転写ベルト1の中間転写媒体とトナー1〜トナー4を用いて画像形成試験を行った。
この時の画像形成条件は、トナー規制ブレードの規制条件を現像ローラ上のトナー搬送量が0.38mg/cm2〜0.40mg/cm2の範囲に入るように調整し、使用するトナーは、シアントナー1(略記号C1、仕事関数:5.54eV)、マゼンタトナー2(略記号M2、仕事関数:5.63eV)、イエロートナー3(略記号Y3、仕事関数:5.58eV)およびブラックトナー4(略記号BK4、仕事関数:5.48eV)である。それらのトナーを画像形成装置の現像ユニットに現像器の上流側からトナーの仕事関数の大きい順として配置し、各色5%カラー原稿に相当する文字原稿を10000枚連続して画像形成を行った。
そして、10000枚連続画像形成後の感光体と中間転写媒体からのクリーニングによって回収されたトナー量を合計し、その結果を表7に示した。
【0125】
比較例3ないし5
トナーの現像順序を表7に記載の順に変えた点を除き、実施例3と同様にして、画像形成試験を行い、結果を表7に示す。なお、現像転写順を変更した場合には、その都度画像データ処理の順序を変更して連続印字を行った。
【0126】
比較例6
実施例3において、中間転写ベルトとして、転写ベルト1に代えて、比較ベルト1を用いた点を除き、実施例3と同様にして、画像形成試験を行い、その結果を表7に示す。
【表7】
【0127】
以上のように、クリーニング量が最も少なかったのは、トナーの仕事関数より小さな仕事関数を有するイオン導電性を有する物質を含有した中間転写ベルトを使用するとともに、現像をトナーの仕事関数の大きい順より行うことで、クリーニング量を最少にすることが可能であることが明かとなった。
また、イオン導電性を有する物質を含有した転写ベルトとして仕事関数を使用するトナーより大きくした場合では、現像順をトナーの仕事関数の順に大きくしても逆にクリーニング量が増大することが示された。イオン導電性を有する物質を含有する中間転写ベルトを使用する際には、トナーの仕事関数より小さな中間転写ベルトを採用するとともに、現像を上流側からトナーの仕事関数の大きい順にすることにより、より転写効率を高めることができ、その結果、クリーニングトナー量の減少させることが可能となるので、装置を小型化するうえでは有利となる。
【0128】
実施例5ないし6
トナー5〜トナー8を、図3に示すタンデム方式の感光体一体型のプロセスカートリッジを有するフルカラープリンターの各色の現像部に装填し、非接触1成分現像方式による画像形成試験を行った。
使用するトナーは、シアントナー5(仕事関数:5.48eV)、マゼンタトナー6(仕事関数:5.53eV)、イエロートナー7(仕事関数:5.57eV)およびブラックトナー8(仕事関数:5.63eV)である。現像、転写順は、仕事関数の大きい順に、ブラックトナー8(K8)、イエロートナー7(Y7)、マゼンタトナー6(M6)そしてシアントナー5(C5)となるように、各プロセスカートリッジを装着した。
【0129】
なお、有機感光体としてはOPC2を用い、現像ローラと規制ブレードの構成は実施例1と同様とし、また中間転写ベルトは転写ベルト1を使用し、各色トナーの搬送量が0.4mg/cm2〜0.43mg/cm2の範囲となるように規制ブレードの条件を設定した。
画像形成は直流の現像バイアス−200Vに重畳する交流周波数2.5kHz、P−P電圧1400Vの条件で電圧を印加し、一次転写部は定電圧制御とし、また二次転写部は定電流制御として、各色5%カラー原稿に相当する文字原稿を10000枚連続して画像形成を行い、その後4本の感光体と中間転写ベルトのクリーニングトナー量を合わせて計測した。その結果を表8に示す。
【0130】
比較例7ないし8
トナーの現像順序を表8に記載の順に変えた点を除き、実施例5と同様にして、画像形成試験を行い、結果を表8に示す。なお、画像転写順を変更した場合には、その都度画像データ処理の順番を変更して連続印字を行った。
【0131】
【表8】
【0132】
これらの実施例、比較例の結果からは、クリーニングトナー量は、現像、転写順を考慮しても、トナーより仕事関数の大きいイオン導電性物質を含有した中間転写ベルトを使用すると、転写効率が低下することを示した。クリーニングトナーの総量を少なくできるには、廃トナーボックスをより小さくできるので、フルカラープリンターを小型化できるものである。
また、比較例7と8でトナーの現像順を仕事関数を考慮せずに、(M6−K8−Y7)と(C5−Y7−M6)の条件で連続印字した時のクリーニング量は95gであった。
【0133】
【発明の効果】
本発明においては、イオン導電性物質を含有した中間転写媒体に、複数色のトナーによって順次静電潜像を現像して転写したトナー像を、記録媒体に転写する画像形成装置において、中間転写媒体の仕事関数とトナーの仕事関数に所定の関係を持って画像形成を行ったので、転写効率が向上し、感光体上の転写残りトナー量が減少する結果、画像形成に使用されないトナー量が減少するので、クリーニングトナー量が減少し、クリーニング部材の長寿命化とクリーニングトナー容器が小さな画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の画像形成装置を説明する図である。
【図2】図2は、本発明の画像形成装置を説明する図である。
【図3】図3は、本発明の他の例の画像形成装置を説明する図である。
【図4】図4は、仕事関数の測定に使用する試料測定セルを説明する図である。
【図5】図5は、仕事関数の測定方法を説明する図である。
【図6】図6は、本発明の中間転写媒体上に重ね合わされたトナーを説明する図である。
【符号の説明】
1…感光体、2…コロナ帯電器、3…露光、4…中間転写媒体、5…クリーニングブレード、6…バックアップローラ、7…トナー供給ローラ、8…規制ブレード、9…現像ローラ、10…現像器、10(Y),10(M),10(C)、10(K)…現像器、11…駆動ローラ、12…従動ローラ、20(Y),20(C),20(M),20(K)…単色トナー像形成手段、30…中間転写装置、40…露光ユニット、L1…露光、50…給紙装置、100…像担持体カートリッジ、140…感光体、160…帯電ローラ、170…クリーニング手段、T…トナー、50…給紙装置、C1…試料測定セル、C2…トナー収容用凹部、C3…測定用試料片、C4…試料台、C5…測定光、C6…光電子、C7…検知器
Claims (14)
- 潜像担持体上に静電潜像を形成し、複数色トナーを備えた現像器を用いて、画像を形成した後に、逐次、定電圧電源から供給される転写電圧によって、中間転写媒体に転写される画像形成装置において、中間転写媒体がイオン導電性物質を含有するとともに、中間転写媒体の仕事関数が、複数色のトナーのうちいずれのトナーの仕事関数よりも小さいことを特徴とする画像形成装置。
- 複数色の現像器を、先に現像されるトナーの現像器のトナーの仕事関数を最大とし、順次トナーの仕事関数を小さくするように配置したことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 第一色目の静電潜像を形成するトナーの仕事関数が少なくとも5.6eV以上であることを特徴とする請求項1ないし2のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- イオン導電性の中間転写媒体がベルトであり、中間転写媒体から紙に転写されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 潜像担持体と中間転写媒体の周速差を0.95〜1.05としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- トナーが非磁性一成分トナーであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 現像器からのトナーの搬送量が0.5mg/cm2 以下であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 潜像担持体上の現像されたトナー量が0.55mg/cm2 以下であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 潜像担持体よりも現像器の周速を早くし、その周速比を1.1〜2.5とするとともに、潜像担持体と現像器の回転方向は同方向であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- トナーは、トナー粒子の投影像の測定によって求めたトナー粒子の投影像の周囲長(μm)L1と、トナー粒子の投影像の面積に等しい真円の周囲長(μm)L0との比、L0/L1で表される円形度が0.94以上であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 個数基準の平均粒子径が4.5〜9μmであるトナーであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 静電潜像担持体から中間転写媒体への転写に使用される一次転写電源は定電圧電源であり、中間転写媒体から記録媒体への転写に使用される二次転写電源は定電流電源であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 複数色の現像器と潜像担持体とを一体化してプロセスカートリッジとし、画像形成装置に取り外し自在としたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 潜像担持体上に静電潜像を形成し、複数色の現像器を用いて、画像を形成した後に、逐次、定電圧電源から供給される転写電圧によって、イオン導電性物質を含有する中間転写媒体に転写される画像形成装置に用いるトナーにおいて、複数色のトナーのうちいずれのトナーの仕事関数よりも小さく、トナーの流動化剤に疎水性シリカと疎水性酸化チタンを含有することを特徴とするトナー。
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2003
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