JP2003066737A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2003066737A
JP2003066737A JP2001258242A JP2001258242A JP2003066737A JP 2003066737 A JP2003066737 A JP 2003066737A JP 2001258242 A JP2001258242 A JP 2001258242A JP 2001258242 A JP2001258242 A JP 2001258242A JP 2003066737 A JP2003066737 A JP 2003066737A
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JP2001258242A
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Nobuhiro Miyagawa
修宏 宮川
Shinji Yasukawa
信二 安川
Nobumasa Abe
信正 阿部
Mikio Furumizu
幹央 古水
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】中間転写媒体に転写される過帯電トナーの帯電
量を低減させることにより、一次転写部でトナーが中間
転写媒体に強固に付着するのを防止し、二次転写部での
転写効率を向上させる。 【解決手段】潜像坦持体と、トナー層厚規制部材により
トナー担持体上に負帯電トナー層を形成する現像手段と
を備え、前記トナーにより潜像担持体上の静電潜像を可
視像化し、前記可視像を中間転写媒体に転写する画像形
成装置において、前記中間転写媒体表面の仕事関数(Φ
TM )をトナーの仕事関数(Φt )以上とした構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法等を用
いた画像形成装置に関し、潜像坦持体上に形成されたト
ナー可視像を中間転写媒体に静電的に転写する画像形成
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、画像形成装置として、潜像坦持体
である感光体ドラムや感光体ベルト等の感光体を画像形
成装置の本体に回転可能に支持し、画像形成動作時には
感光体における感光層に静電潜像を形成した後、この潜
像をトナーによって可視像化し、次いでその可視像を、
転写ドラムまたは転写ベルト等の中間転写媒体を用いて
可視像を一旦転写(一次転写)した後、転写材上に再転
写(二次転写)する方式がある。
【0003】このような方式は、一般にカラー画像形成
装置に採用され、中間転写媒体上に色画像を順次一次転
写し、その一次転写画像を一括して紙等の転写材上に二
次転写するようにしている。感光体には、現像装置によ
り現像されたトナーや転写後の転写残りトナーをクリー
ニングするためのクリーニング機構が取付けられてい
る。
【0004】この画像形成装置にあって、トナーとして
は一般的には二成分トナーが知られ、比較的安定した現
像を可能とするが、現像剤と磁性キャリアとの混合比の
変動が発生しやすく、その維持管理をする必要がある。
そのため、一成分磁性トナーが開発されているものの、
磁性材料の不透明性から鮮明なカラー画像を得られない
という問題がある。他方、カラートナーとして一成分非
磁性トナーが開発されているが、高品位の記録画像を得
るために、如何に均一に帯電させるかが課題となってい
る。
【0005】このような一成分非磁性トナーにおける課
題の解決を目的として、例えば特開平3−62072号
公報には、現像装置に設けられているトナー層厚規制部
材として仕事関数が小さい金属材料を使用して、トナー
層厚規制部材にトナー層厚を規制する機能の他にトナー
層に積極的に摩擦帯電を生じさせる機能を持たせること
により、帯電を均一化させることができ、帯電量の不足
に起因する現像濃度の局部的なバラツキを回避でき、記
録画像の品位の劣化を防止でき、トナー層厚の均一化を
可能とすることが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、カラー画像
形成装置においては、近年、転写効率を向上させるため
に、粒径が小さく且つ均一で円形度が高いトナーを採用
する傾向にある。ところが、このようなトナーを用いる
とトナーの流動性が低下するため、現像ローラやトナー
層厚規制部材との摩擦帯電が困難になる結果、充分な電
荷を付与することができず、トナーに帯電量分布が存在
し、負帯電用トナーであっても正に帯電したトナーを含
有することが避けられなかった。
【0007】この場合、負帯電反転現像により作像する
画像形成装置においては、潜像担持体(感光体)の非画
像部に正帯電したトナーが「カブリ」となって付着する
ため、実質的なトナーの消費量が増大すると同時に感光
体のクリーニング負荷が増大し、感光体と転写後の残留
トナーをクリーニングするためにクリーニングトナーを
回収し収容する大きな容器を別途設ける必要がある。ま
た、カブリによりトナー使用量が増える結果、消耗品の
ランニングコストが増大するという問題を有している。
この問題を解消するために、トナーの流動性を向上させ
るために、外添剤としてトナーに流動化剤を多量に添加
すると、逆に定着性が低下するという問題が生じる。
【0008】そこで、トナーを均一に負に帯電させるた
めに、トナー層厚規制部材によりトナー担持体上に負帯
電トナー層を薄層規制(2層未満)する方式が知られて
いる。
【0009】しかしながら、トナーを薄層規制すると、
トナー搬送量が低下するためトナーの帯電量が非常に高
くなり、負に大きく帯電されたトナー、所謂過帯電トナ
ーの個数が多くなり、その結果、一次転写部ではトナー
が中間転写媒体に強固に付着してしまい、二次転写部で
の転写効率が低下してしまうという問題を有している。
【0010】また、低温低湿の環境下や低デューティの
カラー原稿を連続印字したりすると、トナーの帯電量が
非常に高くなり、所謂過帯電の状態となり、その結果、
中間調の画質再現性が困難になったり、ベタ画像印字の
場合の飽和濃度が低くなる傾向になるという問題を有し
ている。
【0011】また、トナーの一次転写効率を上げるため
に、感光体と中間転写媒体との間に周速差を付けること
により、トナーの転写効率を向上させているが、低温低
湿と高温高湿の環境下では転写効率の向上には限界があ
った。
【0012】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
であって、トナー層厚規制部材によりトナー担持体上に
負帯電トナー層を形成する現像手段を備え、前記トナー
により潜像担持体上の静電潜像を可視像化し、前記可視
像を中間転写媒体に転写する画像形成装置において、中
間転写媒体に転写される過帯電トナーの帯電量を低減さ
せることにより、一次転写部でトナーが中間転写媒体に
強固に付着するのを防止し、二次転写部での転写効率を
向上させることができる画像形成装置を提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の画像形成装置は、潜像坦持
体と、トナー層厚規制部材によりトナー担持体上に負帯
電トナー層を形成する現像手段とを備え、前記トナーに
より潜像担持体上の静電潜像を可視像化し、前記可視像
を中間転写媒体に転写する画像形成装置において、前記
中間転写媒体表面の仕事関数(ΦTM )をトナーの仕事
関数(Φt )以上とすることを特徴とすし、請求項2記
載の発明は、請求項1において、前記潜像坦持体が負帯
電される有機感光体であり、反転現像されるものである
ことを特徴とし、請求項3記載の発明は、請求項1にお
いて前記潜像担持体の周速に対して中間転写媒体の周速
に周速差を設けることを特徴とし、請求項4記載の発明
は、請求項1において、前記現像手段は、トナー層厚規
制部材によりトナー担持体上のトナー層厚を2層未満に
規制し、トナー搬送量A(mg/cm2)を、トナーの
個数基準の粒子径をD(μm)としたとき、 A=0.058D±0.1 の関係を満足することを特徴とし、請求項5記載の発明
は、請求項4において、前記トナーの円形度が0.94
以上であることを特徴とし、請求項6記載の発明は、請
求項4において、前記トナーの個数基準の平均粒子径が
4.5〜9μmであることを特徴とし、請求項7記載の
発明は、請求項1において、画像形成装置が中間転写媒
体を使用する中間転写方式のフルカラー画像形成装置で
あることを特徴とし、請求項8記載の発明は、請求項7
において、中間転写媒体がベルト方式であることを特徴
とする。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の画像形成装置にお
ける接触現像方式の一例を示し、また、図2は本発明の
画像形成装置における非接触現像方式の一例を示す。な
お、本発明の画像形成装置は一成分非磁性トナーを用い
る現像方式に適用される。
【0015】図1および図2において、潜像担持体(有
機感光体)1の周囲には、帯電手段2、露光手段3、現
像手段4、中間転写ベルト(中間転写媒体)5およびク
リーニン手段6が配設されている。なお、7はバックア
ップローラ、8はトナー供給ローラ、9はトナー規制ブ
レード(トナー層厚規制部材)、10は現像ローラ(ト
ナー担持体)、Tは一成分非磁性トナーである。
【0016】有機感光体1としては、有機単層型でも有
機積層型でもよく、有機積層型感光体としては、導電性
支持体上に、下引き層を介して電荷発生層、電荷輸送層
を順次積層したものである。
【0017】導電性支持体としては、公知の導電性支持
体が使用可能であり、例えば体積抵抗1010Ω・cm以
下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム合金に切削
等の加工を施した管やポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上にアルミニウムを蒸着あるいは導電性塗料により
導電性を付与したもの、導電性ポリイミド樹脂を形成し
てなる管状、ベルト状、板状、シート状支持体等が例示
される。他の例としては、ニッケル電鋳管やステンレス
管などをシームレスにした金属ベルトも好適に使用する
ことができる。
【0018】導電性支持体上に設けられる下引き層とし
ては公知の下引き層が使用可能である。例えば、下引き
層は接着性を向上させ、モワレを防止し、上層の電荷発
生層の塗工性を改良、露光時の残留電位を低減させるな
どの目的で設けられる。下引き層に使用する樹脂はその
上に感光層を塗工する関係上、感光層に使用する溶剤に
対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。使用
可溶な樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイ
ン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、酢酸ビ
ニル、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等の
アルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、
エポキシ樹脂等であり、単独または2種以上の組み合わ
せで使用することができる。また、これらの樹脂に二酸
化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物を含有させてもよ
い。
【0019】電荷発生層における電荷発生顔料として
は、公知の材料が使用可能である。例えば、金属フタロ
シアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン
系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン
顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニ
ルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格
を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するア
ゾ顔料、フルオレン骨格を有するアゾ顔料、オキサジア
ゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有
するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有す
るアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ
顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キ
ノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタンお
よびトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノンおよびナ
フトキノン系顔料、シアニンおよびアゾメチン系顔料、
インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料な
どが挙げられる。これらの電荷発生顔料は、単独または
2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0020】電荷発生層におけるバインダー樹脂として
は、ポリビニルブチラール樹脂、部分アセタール化ポリ
ビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。バイ
ンダー樹脂と前記電荷発生物質の構成比は、重量比でバ
インダー樹脂100部に対して、10〜1000部の範
囲で用いられる。
【0021】電荷輸送層を構成する電荷輸送物質として
は公知の材料が使用可能であり、電子輸送物質と正孔輸
送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロル
アニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメ
タン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、パ
ラジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフト
キノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これ
らの電子輸送物質は、単独または2種以上の組み合わせ
で使用することができる。
【0022】正孔輸送物質としては、オキサゾール化合
物、オキサジアゾール化合物、イミダゾール化合物、ト
リフェニルアミン化合物、ピラゾリン化合物、ヒドラゾ
ン化合物、スチルベン化合物、フェナジン化合物、ベン
ゾフラン化合物、ブタジエン化合物、ベンジジン化合物
およびこれらの化合物の誘導体が挙げられる。これらの
電子供与性物質は単独または2種以上の組み合わせで使
用することができる。
【0023】電荷輸送層中には、これらの物質の劣化防
止のために酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤など
を含有することもできる。
【0024】電荷輸送層におけるバインダー樹脂として
は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、
ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメ
タクリレート、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、シリコーン樹脂などを用いることがで
きるが、電荷輸送物質との相溶性、膜強度、溶解性、塗
料としての安定性の点でポリカーボネートが好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質の構成比は、重量比でバ
インダー樹脂100部に対して25〜300部の範囲で
用いられる。
【0025】電荷発生層、電荷輸送層を形成するために
は、塗布液を使用するとよく、溶剤はバインダー樹脂の
種類によって異なるが、例えばメタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、エチレングリコールモノメチルエーテル類等の
エーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、
クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエチレン、四塩
化炭素、トリクロルエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化
水素、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、モノク
ロルベンゼン等の芳香族類等を用いることができる。
【0026】また、電荷発生顔料の分散には、サンドミ
ル、ボールミル、アトライター、遊星式ミル等の機械式
の方法を用いて分散と混合を行うとよい。
【0027】下引き層、電荷発生層および電荷輸送層の
塗工法としては、浸漬コーティング法、リングコーティ
ング法、スプレーコーティング法、ワイヤーバーコーテ
ィング法、スピンコーティング、ブレードコーティング
法、ローラーコーティング法、エアナイフコーティング
法等の方法を用いる。また、塗工後の乾燥は常温乾燥
後、30〜200℃の温度で30から120分間加熱乾
燥することが好ましい。これらの乾燥後の膜厚は電荷発
生層では、0.05〜10μmの範囲、好ましくは0.
1〜3μmである。また、電荷輸送層では5〜50μm
の範囲、好ましくは10〜40μmである。
【0028】また、単層有機感光体層は、上述した有機
積層型感光体において説明した導電性支持体上に、同様
の下引き層を介して、電荷発生剤、電荷輸送剤、増感剤
等とバインダー、溶媒等からなる単層有機感光層を塗布
形成することにより作製される。有機負帯電単層型感光
体については、例えば特開2000−19746号公報
に準じて作製するとよい。
【0029】単層有機感光層における電荷発生剤として
はフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノン系顔料、
ペリレン系顔料、キノシアトン系顔料、インジゴ系顔
料、ビスベンゾイミダゾール系顔料、キナクリドン系顔
料が挙げられ、好ましくはフタロシアニン系顔料、アゾ
系顔料である。電荷輸送剤としてはヒドラゾン系、スチ
ルベン系、フェニルアミン系、アリールアミン系、ジフ
ェニルブタジエン系、オキサゾール系等の有機正孔輸送
化合物が例示され、また、増感剤としては各種の電子吸
引性有機化合物であって電子輸送剤としても知られてい
るパラジフェノキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、ク
ロラニル等が例示される。バインダーとしてはポリカー
ボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂
等の熱可塑性樹脂が例示される。
【0030】各成分の組成比は、バインダー40〜75
重量%、電荷発生剤0.5〜20重量%、電荷輸送剤1
0〜50重量%、増感剤0.5〜30重量%であり、好
ましくはバインダー45〜65重量%、電荷発生剤1〜
20重量%、電荷輸送剤20〜40重量%、増感剤2〜
25重量%である。溶剤としては、下引き層に対して、
溶解性を有しない溶媒が好ましく、トルエン、メチルエ
チルケトン、テトラヒドロフラン等が例示される。
【0031】各成分は、ホモミキサー、ボールミル、サ
ンドミル、アトライター、ペイントコンディショナー等
の攪拌装置で粉砕・分散混合され、塗布液とされる。塗
布液は、下引き層上にディップコート、リングコート、
スプレーコート等により乾燥後の膜厚15〜40μm、
好ましくは20〜35μmで塗布・乾燥されて単層有機
感光体層とされる。
【0032】次に、一成分非磁性トナー(以下、トナ
ー)としては、粉砕法により得られるトナーを用いる。
粉砕法トナーとしては、樹脂バインダーに顔料、離型
剤、荷電制御剤をヘンシェルミキサーで均一混合した
後、2軸押し出し機で熔融・混練され、冷却後、粗粉砕
−微粉砕工程を経て、分級処理され、さらに、流動性改
良剤が外添されてトナーとされる。
【0033】バインダー樹脂としては、公知のトナー用
樹脂が使用可能であり、例えば、ポリスチレン、ポリ−
α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−
クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビ
ニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレ
ン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル
共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重
合体等のスチレン系樹脂でスチレン又はスチレン置換体
を含む単重合体又は共重合体、ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、シリコーン変成
エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸
樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン
樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重
合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テル
ペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素
樹脂等が単独又は混合して使用できる。特に本発明にお
いては、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレ
ン−メタクリル酸エステル系樹脂、ポリエステル樹脂が
好ましい。本発明にあってはバインダー樹脂としてはガ
ラス転移温度が50〜75℃、フロー軟化温度が100
〜150℃の範囲が好ましい。
【0034】着色剤としては、公知のトナー用着色剤が
使用可能である。例えば、カーボンブラック、ランプブ
ラック、マグネタイト、チタンブラック、クロムイエロ
ー、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フ
タロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン
6G、カルコオイルブルー、キナクリドン、ベンジジン
イエロー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレー
キ、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・レッド4
8:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.
ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レ
ッド122、C.I.ピグメント・レッド184、C.
I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・
イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、
C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベ
ント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー
5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の染料
および顔料を単独あるいは混合して使用できる。
【0035】離型剤としては、公知のトナー用離型剤が
使用可能である。例えば、パラフィンワックス、マイク
ロワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャデリ
ラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、モ
ンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレ
ンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリ
プロピレンワックス等が挙げられる。中でもポリエチレ
ンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナウバワッ
クス、エステルワックス等を使用することが好ましい。
【0036】荷電調整剤としては、公知のトナー用荷電
調整剤が使用可能である。例えば、オイルブラック、オ
イルブラックBY、ボントロンS−22(オリエント化
学工業(株)製)、ボントロンS−34(オリエント化
学工業(株)製)、サリチル酸金属錯体E−81(オリ
エント化学工業(株)製)、チオインジゴ系顔料、銅フ
タロシアニンのスルホニルアミン誘導体、スピロンブラ
ックTRH(保土ヶ谷化学工業(株)製)、カリックス
アレン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アン
モニウム塩系化合物、モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロ
キシルカルボン酸系金属錯体、芳香族ジカルボン酸系金
属錯体、多糖類等が挙げられる。中でもカラートナー用
には無色ないしは白色のものが好ましい。
【0037】粉砕法トナーにおける成分比(重量)とし
ては、バインダー樹脂100部に対して、着色剤は0.
5〜15部、好ましくは1〜10部であり、また、離型
剤は1〜10部、好ましくは2.5〜8部であり、ま
た、荷電制御剤は0.1〜7部、好ましくは0.5〜5
部である。
【0038】このようにして得られる粉砕法トナーとし
ては、平均粒径(D50)が5μm〜10μm、好ましく
は6μm〜9μmであり、個数基準で3μm以下が20
%以下、好ましくは10%以下のものである。
【0039】本発明に係わる粉砕法トナーにあっては、
転写効率の向上を目的として、球形化処理されるとよ
く、そのためには、粉砕工程で、比較的丸い球状で粉砕
可能な装置、例えば機械式粉砕機として知られるターボ
ミル(川崎重工(株)製)を使用すれば円形度は0.9
4以上とすることが可能である。
【0040】また、重合法トナーとしては、懸濁重合
法、乳化重合法等がある。懸濁重合法においては、重合
性単量体、着色顔料、離型剤とを必要により更に、染
料、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤
を添加した混合物を溶解又は分散させた単量体組成物
を、懸濁安定剤(水溶性高分子、難水溶性無機物質)を
含む水相中に攪拌しながら添加して造粒し、重合させて
所望の粒子サイズを有する着色重合トナー粒子を形成す
ることがてきる。
【0041】乳化重合法においては、単量体と離型剤を
必要により更に重合開始剤、乳化剤(界面活性剤)など
を水中に分散させて重合を行い、次いで凝集過程で着色
剤、荷電制御剤と凝集剤(電解質)等を添加することに
よって所望の粒子サイズを有する着色トナー粒子を形成
することができる。
【0042】重合法トナー作製に用いられる材料におい
て、着色剤、離型剤、荷電制御剤、流動性改良剤に関し
ては、上記の粉砕トナーと同様の材料が使用できる。
【0043】重合性単量体(モノマー)としては、公知
のビニル系モノマが使用可能であり、例えば、スチレ
ン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチ
レン、p−エチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−
ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−フェ
ニルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、ア
クリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ステアリル、ア
クリル酸2−クロルエチル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n
−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヒド
ロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、
エチレングリコール、プロピレングリコール、無水マレ
イン酸、無水フタル酸、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化
ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、プロピレン酸ビニ
ル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ビニルメ
チルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルケトン、
ビニルヘキシルケトン、ビニルナフタレン等が挙げられ
る。なお、フッ素含有モノマーとしては例えば2,2,
2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3
−テトラフルオロプロピルアクリレート、フッ化ビニリ
デン、三フッ化エチレン、四フッ化エチレン、トリフル
オロプロピレンなどはフッ素原子が負荷電制御に有効で
あるので使用が可能である。
【0044】乳化剤(界面活性剤)としては公知のもの
が使用可能である。例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリ
ウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸
ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナト
リウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウ
ム、オレイン酸カルシウム、ドデシルアンモニウムクロ
ライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルト
リメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウ
ムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブ
ロマイド、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキ
サデシルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオ
キシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリ
オキシエチレンエーテル等がある。
【0045】重合開始剤としては、公知のものが使用可
能である。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、4,4’−アゾ
ビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビス−イソブチ
ロニトリル等がある。
【0046】凝集剤(電解質)としては、公知のものが
使用可能である。例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウ
ム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫
酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アル
ミニウム、硫酸鉄等が挙げられる。
【0047】重合法トナーの円形度の調節法としては、
乳化重合法は2次粒子の凝集過程で温度と時間を制御す
ることで、円形度を自由に変えることができ、その範囲
は0.94〜1.00である。また、懸濁重合法では、
真球のトナーが可能であるため、円形度は0.98〜
1.00の範囲となる。また、円形度を調節するために
トナーのTg温度以上で加熱変形させることで、円形度
を0.94〜0.98まで自由に調節することが可能と
なる。
【0048】重合法トナーは上記の方法以外でも分散重
合法で作ることができ、例えば特開平63−30400
2号公報で作製できる。この場合には形状が真球に近い
形となるため、形状を制御するには、例えばトナーのT
g温度以上で加圧し、所望のトナー形状にすることがで
きる。
【0049】このようにして得られる重合法トナーは、
平均粒径(D50)が4〜9μm、好ましくは4.5〜8
μmであり、個数基準で3μm以下が5%以下であり、
好ましくは3%以下の粒径分布を有する。
【0050】また、本発明におけるトナーとしては、い
ずれの場合においても円形度(球状化係数)は0.94
以上であるとよく、望ましくは、0.95以上である。
円形度は0.97まではクリーニングブレードにより、
それ以上ではブラシクリーニングを併用するとよい。円
形度(球状化係数)が0.94以上であることにより、
転写効率を向上させることができる。
【0051】流動性改良剤としては、公知の無機および
有機のトナー用流動性改良剤が使用可能である。例え
ば、シリカ、二酸化チタン、アルミナ、フッ化マグネシ
ウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジル
コニウム、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウ
ム、マグネタイト、二硫化モリブデン、ステアリン酸ア
ルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸カルシウム、チタン酸金属塩、ケイ
素金属塩の各微粒子を使用することがてきる。これらの
微粒子はシランカップリング剤、チタンカップリング
剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で疎水化処理して
使用することが好ましい。その他の樹脂微粒子の例とし
ては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂等が挙
げられる。流動性改良剤は単独あるいは混合して使用で
き、その使用量はトナーに対して0.1〜5重量%、よ
り好ましくは0.5〜4.0重量%であることが好まし
い。
【0052】トナー粒子に外添される流動性改良剤粒子
としては、一次粒子の平均粒径(D 50)が5〜150n
m、好ましくは7〜100nmであり、BET法による
比表面積が2〜500m2 /g、好ましくは5〜400
2 /gである微粒子を使用するとよい。なお、本発明
におけるトナー粒子等における平均粒径と円形度は、シ
スメックス株式会社製のFPIA2100で測定する値
である。
【0053】本発明の画像形成装置にあっては、潜像坦
持体と、トナー層厚規制部材によりトナー担持体上に負
帯電トナー層を形成する現像手段とを備え、前記トナー
により潜像担持体上の静電潜像を可視像化し、前記可視
像を中間転写媒体に転写する画像形成装置において、前
記中間転写媒体表面の仕事関数(ΦTM )をトナーの仕
事関数(Φt )以上とすることを特徴としている。
【0054】仕事関数(Φ)は、表面分析装置(理研計
器(株)製AC−2)により、照射光量500nWで測
定されるものであり、その物質から電子を取り出すため
に必要なエネルギーてあり、仕事関数が小さいほど電子
を出しやすく、大きい程電子を出しにくい。そのため、
仕事関数の小さい物質と大きい物質を接触させると、仕
事関数の小さい物質は正に、仕事関数の大きい物質は負
に帯電するものであるが、仕事関数自体としてはその物
質から電子を取り出すためのエネルギー(eV)として
数値化されるものである。
【0055】トナーを均一に負に帯電させるために、ト
ナー層厚規制部材によりトナー担持体上に負帯電トナー
層を薄層規制(2層未満)すると、トナー搬送量が低下
するためトナーの帯電量が非常に高くなり、負に大きく
帯電されたトナー、所謂過帯電トナーの個数が多くな
り、その結果、トナーが中間転写媒体に強固に付着して
しまうため、二次転写効率が低下してしまうという問題
を有している。
【0056】本発明においては、中間転写媒体表面の仕
事関数(ΦTM )をトナーの仕事関数(Φt )以上とし
ているため、中間転写媒体に転写される過帯電トナーの
帯電量を低減させることができ、中間転写媒体での二次
転写効率を増大させることができる。
【0057】また、潜像担持体と中間転写媒体との間に
周速差を設けることにより、過帯電トナーの帯電量を低
減させることができる。この場合、潜像担持体と中間転
写媒体との間の周速差を5%以内とすることにより、転
写時のチリを抑えることができ、実質上高画質の画像を
得ることができる。潜像担持体に付着している負帯電ト
ナーは周速差により正に帯電し負帯電量を低減させるこ
とができる。潜像担持体と中間転写媒体との間の周速差
はより好ましくは0.3%〜3%の範囲とする。
【0058】前記現像手段は、トナー層厚規制部材によ
りトナー担持体上のトナー層厚を2層未満に規制し、ト
ナー搬送量A(mg/cm2)を、トナーの個数基準の
粒子径をD(μm)としたとき、 A=0.058D±0.1 の関係を満足するようにする。より好ましくは A=0.058D±0.05 である。
【0059】また、薄層規制である関係上、潜像担持体
と現像ローラとの周速比を1.2〜2.5、好ましくは
1.4〜2.2とし、潜像担持体と現像ローラの回転方
向はその接触面または対向面で同方向とする。
【0060】また、現像剤は負帯電トナーであり、潜像
担持体は負帯電の有機感光体である。負帯電トナーの円
形度は0.94以上であり、負帯電トナーの個数基準の
平均粒子径は4.5〜9μmである。
【0061】図1は、本発明に係わる画像形成装置にお
ける接触現像方式の一例を示すものであるが、感光体1
は直径24〜86mmで表面速度60〜300mm/s
で回転する感光体ドラムで、コロナ帯電器2によりその
表面が均一に負帯電された後、記録すべき情報に応じた
露光3が行なわれることにより、静電潜像が形成され
る。
【0062】現像ローラ10からなる現像手段4は、一
成分現像装置であり、有機感光体上に一成分非磁性トナ
ーTを供給することで有機感光体における静電潜像を反
転現像し、可視像化するものである。現像手段には、一
成分非磁性トナーTが収納されており、図示のごとく反
時計方向で回転するトナー供給ローラ8によりトナーを
現像ローラ10に供給する。現像ローラ10は図示のご
とく反時計方向に回転し、トナー供給ローラ8により搬
送されたトナーTをその表面に吸着した状態で有機感光
体との接触部に搬送し、有機感光体1上の静電潜像を可
視像化する。
【0063】現像ローラ10は、例えば直径16〜24
mmで、金属製のパイプにメッキやブラスト処理したロ
ーラ、あるいは中心軸周面にNBR、SBR、EPD
M、ウレタンゴム、シリコンゴム等からなる体積抵抗値
104 〜108 Ω・cm、硬度が40〜70°(アスカ
ーA硬度)の導電性弾性体層が形成されたもので、この
パイプのシャフトや中心軸を介して図示しない電源より
現像バイアス電圧が印加される。また、現像ローラ1
0、トナー供給ローラ8、トナー規制ブレード9からな
る現像装置全体は、図示しないスプリング等の付勢手段
により有機感光体に押し圧荷重20〜100gf/c
m、好ましくは25〜70gf/cmで、ニップが幅1
〜3mmとなるように圧接されるとよい。
【0064】規制ブレード9としてはSUS、リン青
銅、ゴム板、金属薄板にゴムチップの貼り合わせたもの
等が使用されるが、現像ローラに対して図示しないスプ
リング等の付勢手段により、あるいは弾性体としての反
発力を利用して線圧30〜60gf/cmで押圧され、
現像ローラ上のトナー層厚を2層未満とするとよい。
【0065】接触現像方式にあっては、感光体の暗電位
としては−500〜−700V、明電位としては−50
〜−150V、図示していないが現像バイアスとしては
−100〜−400Vとするとよく、現像ローラとトナ
ー供給ローラとは同電位とするとよい。
【0066】接触現像方式にあっては、反時計方向に回
転する現像ローラの周速を、時計方向に回転する有機感
光体に対して1.2〜2.5、好ましくは1.5〜2.
2の周速比とするとよく、これにより、小粒径のトナー
粒子の薄層規制であっても、有機感光体に必要な現像ト
ナー量を確実に供給できる。
【0067】また、規制ブレード、現像ローラにおける
それぞれの仕事関数と、トナーの仕事関数との関係に格
別の制限はないが、好ましくは規制ブレード、現像ロー
ラにおけるそれぞれの仕事関数をトナーの仕事関数より
小さくして、規制ブレードと接触するトナーを負に接触
帯電させておくことにより、より均一な負帯電トナーと
できる。また、規制ブレード9に電圧を印加してブレー
ドに接触するトナーへ電荷注入してトナー帯電量を制御
してもよい。
【0068】次に、本発明の画像形成装置における中間
転写媒体について説明する。図1において、中間転写媒
体5は、感光体1とバックアップローラ7との間に送ら
れ、電圧が印加されることにより、感光体1上の可視像
が中間転写媒体上に転写され、中間転写媒体上にトナー
画像が形成される。感光体上に残留するトナーは、クリ
ーニングブレード6によりクリーニングされ、感光体上
の静電荷は消去ランプにより消去され、感光体は再使用
に供せられる。本発明の画像形成装置にあっては逆帯電
トナーを抑制できるので、感光体上に残留するトナー量
を少なくでき、クリーニングトナー容器を小さくでき
る。
【0069】中間転写媒体を転写ドラムや転写ベルトと
する場合には、その導電性層に一次転写電圧として+2
50〜+600Vの電圧が印加され、また、紙等の転写
材への二次転写に際しては、二次転写電圧として+40
0〜+2800Vの電圧が印加されるとよい。
【0070】中間転写媒体として、転写ドラムまたは転
写ベルトとする場合について説明する。転写ベルト方式
は2種類の基体を用いるタイプに分けることができる。
1つは樹脂からなるフィルムやシームレスベルト上に表
層である転写層を設けるものであり、他方は弾性体の基
層上に表層である転写層を設けるものである。また、ド
ラム方式の転写媒体も2種類の基体を用いるタイプに分
けることができる。1つは感光体が剛性のあるドラム、
例えばアルミ製のドラム上に有機感光層を設けた場合に
は、転写媒体としてはアルミ等の剛性のあるドラム基体
上に弾性の表層である転写層を設けるものである。ま
た、感光体の支持体がベルト状、あるいはゴム等の弾性
支持体上に感光層を設けた所謂「弾性感光体」である場
合には、転写媒体としてはアルミ等の剛性のあるドラム
基体上に直接あるいは導電性中間層を介して表層である
転写層を設けるとよい。
【0071】基体としては、公知の導電性あるいは絶縁
性基体が使用可能である。転写ベルトの場合には、体積
抵抗104 〜1012Ω・cm、好ましくは106 〜10
11Ω・cmの範囲が好ましい。使用する基体により次の
2種類に分けることができる。
【0072】フィルムおよびシームレスに適する材質と
作製方法としては、変性ポリイミド、熱硬化ポリイミ
ド、ポリカーボネート、エチレンテトラフルオロエチレ
ン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等
のエンジニアリングプラスチックに導電性カーボンブラ
ック、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、導電性シリ
カ等の導電材料を分散した厚さ50〜500μmの半導
電性フィルム基体を押し出し、成形でシームレス基体と
し、その外側にさらに表面エネルギーを下げ、トナーの
フィルミングを防止する表面保護層として厚さ5〜50
μmのフッ素コーティングを行ったシームレスベルトで
ある。塗工方法としては、浸漬コーティング法、リング
コーティング法、スプレーコーティング法その他の方法
を用いることができる。なお、転写ベルトの両端部には
転写ベルトの端部で亀裂や伸びおよび蛇行防止のため
に、膜厚80μmのPETフイルム等のテープやウレタ
ンゴム等のリブを貼り付けて使用する。
【0073】フィルムシートで基体を作製する場合に
は、ベルト状とするために端面を超音波溶着を行うこと
で、ベルトを作製することがてき、具体的にはシートフ
ィルム上に導電性層並びに表面層を設けてから、超音波
溶着を行うことにより所望の物性を有する転写ベルトを
作製することができる。より、具体的には基体に厚さ6
0〜150μmのポリエチレンテレフタレートを絶縁性
基体として用いた場合には、その表面にアルミ等を蒸着
し、必要によりさらにカーボンブラック等の導電材料と
樹脂からなる中間導電性層を塗工し、その上にそれより
高い表面抵抗を有するウレタン樹脂、フッ素樹脂、導電
材料、フッ素系微粒子からなる半導電性表面層を設けて
転写ベルトとすることがてきる。塗工後の乾燥時に熱を
さほど必要としない抵抗層を設けることができる場合に
は、先にアルミ蒸着フィルムを超音波溶着させてから上
記の抵抗層を設け、転写ベルトを作製することも可能で
ある。
【0074】ゴム等の弾性基体に適する材質と作製方法
としては、シリコンゴム、ウレタンゴム、NBR(ニト
リルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等に
上記の導電材料を分散した厚さ0.8〜2.0mmの半
導電性ゴムベルトを押し出し成形で作製後、表面をサン
ドペーパーやポリシャー等の研磨材により所望の表面粗
さに制御する。このときの弾性層をこのままで使用して
もよいが、さらに上記と同じようにして表面保護層を設
けることができる。
【0075】転写ドラムの場合には、体積抵抗104
1012Ω・cm、好ましくは107〜1011Ω・cmの
範囲が好ましい。転写ドラムはアルミ等の金属円筒上に
必要により弾性体の導電性中間層を設けて導電性弾性基
体とし、さらにその上に表面エネルギーを下げ、トナー
のフィルミングを防止する表面保護層として半導電性の
厚さ5〜50μmの、例えばフッ素コーティングを行い
作製することができる。
【0076】導電性弾性基体としては、例えばシリコン
ゴム、ウレタンゴム、NBR(ニトリルゴム)、EPD
M(エチレンプロピレンゴム)、ブタジエンゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレン
ゴム、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴ
ム等のゴム材料に、カーボンブラック、導電性酸化チタ
ン、導電性酸化スズ、導電性シリカ等の導電材料を配
合、混練、分散した導電性ゴム素材を、直径が90〜1
80mmのアルミ円筒に密着成形して、研磨後の厚さが
0.8〜6mmで、体積抵抗が104 〜1010Ω・cm
とするとよい。次いでウレタン樹脂、フッ素樹脂、導電
材料、フッ素系微粒子からなる半導電性の表面層を膜厚
約15〜40μm設けて、所望の体積抵抗107 〜10
11Ω・cmを有する転写ドラムとすることができる。こ
のときの表面粗さは1μmRa以下が好ましい。また、
別の例としては上記のように作製した導電性弾性基体の
上にフッ素樹脂等の半導電性のチューブを被せて、加熱
により収縮させて所望の表面層と電気抵抗を有する転写
ドラムを作製することも可能である。
【0077】次に、図2は、本発明に係わる画像形成装
置における非接触現像方式の一例を示すものである。こ
の方式にあっては、現像ローラ10と感光体1とを現像
ギャップLを介して対向させるものである。現像ギャッ
プとしては100〜350μmとするとよく、また、図
示しないが直流電圧(DC)の現像バイアスとしては−
200〜−500Vであり、これに重畳する交流電圧
(AC)としては1.5〜3.5kHz、P−P電圧1
000〜1800Vの条件とするとよい。また、非接触
現像方式にあって、反時計方向に回転する現像ローラの
周速としては、時計方向に回転する有機感光体に対して
1.0〜2.5、好ましくは1.2〜2.2の周速比と
するとよい。
【0078】現像ローラ10は図示のごとく反時計方向
に回転し、トナー供給ローラ8により搬送されたトナー
Tをその表面に吸着した状態で有機感光体との対向部に
トナーTを搬送するが、有機感光体と現像ローラとの対
向部において、交流電圧を重畳して印加することによ
り、トナーTは現像ローラ表面と有機感光体表面との間
で振動することにより現像される。
【0079】なお、非接触現像方式における上記以外の
事項は、上述した接触現像方式と同様である。
【0080】図1、図2で示す現像プロセスをイエロー
Y、シアンC、マゼンタM、ブラックKからなる4色の
トナー(現像剤)による現像器と感光体を組み合わせれ
ばフルカラー画像を形成することのできる装置となる。
図3および図4はカラー画像形成装置の例を示す模式図
である。
【0081】図3において、100は像担持体ユニット
が組み込まれた像担持体カートリッジである。この例で
は、感光体カートリッジとして構成されていて、感光体
と現像部ユニットが個別に装着できるようになってお
り、負帯電用電子写真感光体(潜像担持体)140が図
示しない適宜の駆動手段によって図示矢印方向に回転駆
動される。感光体140の周りにはその回転方向に沿っ
て、帯電手段として帯電ローラ160、現像手段として
の現像器10(Y、M、C、K)、中間転写装置30、
およびクリーニング手段170が配置される。
【0082】帯電ローラ160は、感光体140の外周
面に当接してその外周面を一様に帯電させる。一様に帯
電した感光体140の外周面には露光ユニット40によ
って所望の画像情報に応じた選択的な露光L1がなさ
れ、この露光L1によって感光体140上に静電潜像が
形成される。この静電潜像は現像器10によって現像剤
が付与されて現像される。
【0083】現像器としてイエロー用の現像器10Y、
マゼンタ用の現像器10M、シアン用の現像器10C、
およびブラック用の現像器10Kが設けられている。こ
れら現像器10Y、10C、10M、10Kはそれぞれ
揺動可能に構成されており、選択的に一つの現像器の現
像ローラ(現像剤担持体)11のみが感光体140に圧
接し得るようになっている。これらの現像器10は、負
帯電トナーを現像ローラ上に保持しているものであり、
これらの現像器10はイエローY、マゼンタM、シアン
C、ブラックKのうちのいずれかのトナーを感光体14
0の表面に付与して感光体140上の静電潜像を現像す
る。現像ローラ11は硬質のローラ、例えば表面を粗面
化した金属ローラで構成されている。
【0084】現像されたトナー像は、中間転写装置30
の中間転写ベルト(中間転写媒体)36上に転写され
る。クリーニング手段170は、上記転写後に感光体1
40の外周面に付着しているトナーTを掻き落とすクリ
ーナブレードと、このクリーナブレードによって掻き落
とされたトナーを受けるクリーニングトナー回収部とを
備えている。
【0085】中間転写装置30は、駆動ローラ31と、
4本の従動ローラ32、33、34、35と、これら各
ローラの周りに張架された無端状の中間転写ベルト36
とを有している。従動ローラ35は駆動ローラ31との
間で中間転写ベルト36がそれ自身の張力によって感光
体140に圧接される位置に配置されており、感光体1
40と中間転写ベルト36との圧接部において、一次転
写部T1が形成されている。従動ローラ35は、中間転
写ベルトの循環方向上流側において一次転写部T1の近
くに配置されている。
【0086】駆動ローラ31には中間転写ベルト36を
介して図示しない電極ローラが配置されており、この電
極ローラを介して中間転写ベルト36の導電性層に一次
転写電圧が印加される。従動ローラ32は、テンション
ローラであり、図示しない付勢手段によって中間転写ベ
ルト36をその張り方向に付勢している。従動ローラ3
3は二次転写部T2を形成するバックアップローラであ
る。このバックアップローラ33には中間転写ベルト3
6を介して二次転写ローラ38が対向配置されている。
二次転写ローラには二次転写電圧が印加され、図示しな
い接離機構により中間転写ベルト36に対して接離可能
になっている。従動ローラ34はベルトクリーナ39の
ためのバックアップローラである。ベルトクリーナ39
は図示しない接離機構により中間転写ベルト36に対し
て接離可能になっている。
【0087】中間転写ベルト36は、導電層と、この導
電層上に形成され、感光体140に圧接される抵抗層と
を有する複層ベルトで構成されている。導電層は合成樹
脂からなる絶縁性基体の上に形成されており、この導電
層に前述した電極ローラを介して一次転写電圧が印加さ
れる。なお、ベルト側縁部において、抵抗層が帯状に除
去されることによって導電層が帯状に露出し、この露出
部に電極ローラが接触するようになっている。
【0088】中間転写ベルト36が循環駆動される過程
で、一次転写部T1において、感光体体140上のトナ
ー像が中間転写ベルト36上に転写され、中間転写ベル
ト36上に転写されたトナー像は、二次転写部T2にお
いて、二次転写ローラ38との間に供給される用紙等の
シート(記録材)Sに転写される。シートSは、給紙装
置502から給送され、ゲートローラ対Gによって所定
のタイミングで二次転写部T2に供給される。51は給
紙カセット、52はピックアップローラである。
【0089】定着装置60でトナー像が定着され、排紙
経路70を通って装置本体のケース80上に形成された
シート受け部81上に排出される。なお、この画像形成
装置は、排紙経路70として互いに独立した2つの排紙
経路71、72を有しており、定着装置60を通ったシ
ートはいずれかの排紙経路71又は72を通って排出さ
れる。また、この排紙経路71、72はスイッチバック
経路をも構成しており、シートの両側に画像を形成する
場合には排紙経路71又は72に一旦進入したシート
が、返送ローラ73を通って再び二次転写部T2に向け
て給紙されるようになっている。
【0090】以上のような画像形成装置全体の作動の概
要は次の通りである。 (1)図示しないホストコンピュータ等(パーソナルコ
ンピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が
画像形成装置の制御部90に入力されると、感光体14
0、現像器10の各ローラ11、および中間転写ベルト
36が回転駆動される。 (2)感光体140の外周面が帯電ローラ160によっ
て一様に帯電される、 (3)一様に帯電した感光体140の外周面に、露光ユ
ニット40によって第1色目(例えばイエロー)の画像
情報に応じた選択的な露光L1がなされ、イエロー用の
静電潜像が形成される。 (4)感光体140には、第1色目の例えばイエロー用
の現像器10Yの現像ローラのみが接触し、これによっ
て上記静電潜像が現像され、第1色目のイエローのトナ
ー像が感光体140上に形成される。 (5)中間転写ベルト36には、上記トナーの帯電極性
と逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体140上に
形成されたトナー像が一次転写部T1において中間転写
ベルト36上に転写される。このとき、二次転写ローラ
38およびベルトクリーナ39は中間転写ベルト36か
ら離間している。 (6)感光体140上に残留しているトナーがクリーニ
ング手段170によって除去された後、除去手段41か
ら徐電光L2によって感光体140が除電される。 (7)上記(2)〜(6)の動作に必要に応じて繰り返
される。すなわち、上記印字指令信号に応じて第2色
目、第3色目、第4色目と繰り返され、上記印字指令信
号の内容に応じたトナー像が中間転写ベルト36上にお
いて重ね合わされて形成される。 (8)所定のタイミングで給紙装置50からシートSが
給送され、シートSの先端が二次転写部T2に達する直
前あるいは達した後に(要するにシートS上の所望の位
置に、中間転写ベルト36上のトナー像が転写されるタ
イミングで)二次転写ローラ38が中間転写ベルト36
上のトナー像(基本的には4色のトナー像が重ね合わせ
られたフルカラー画像)がシートS上に転写される。ま
た、ベルトクリーナ39が中間転写ベルト36に当接
し、二次転写後に中間転写ベルト36上に残留している
トナーが除去される。 (9)シートSが定着装置60を通過することによって
シートS上のトナー像が定着し、その後、シートSが所
定の位置に向け(両面印刷でない場合にはシート受け部
81に向け、両面印刷の場合にはスイッチバック経路7
1または72を経て返送ローラ73に向け)搬送され
る。
【0091】本発明に係る画像形成装置では、感光体1
40には現像ローラ11、中間転写媒体36が当接状態
とされているが、現像を非接触のジャンピング方式も採
用できる。
【0092】同様に、本発明に使用するタンデム方式の
フルカラープリンターの概略正面図を図4に示す。この
場合には、感光体と現像部ユニットが同一のユニットす
なわち、プロセスカートリッジとして装着できるように
なっており、現像は接触方式の例であるが、もちろん非
接触方式も採用できる。
【0093】この画像形成装置は、駆動ローラ10、従
動ローラ20の2本のローラのみ張架されて図示矢印方
向(反時計方向)へ循環駆動される中間転写ベルト30
と、この中間転写ベルト30に対して複数個(4個)配
置された単色トナー像形成手段40(Y、C、M、K)
とを備え、中間転写ベルト30に対して複数個の単色ト
ナー像形成手段40によるトナー像が個別の転写手段5
1、52、53、54で順次一次転写されるようになっ
ている。それぞれの一次転写部をT1Y、T1C、T1
M、T1Kで示す。
【0094】単色トナー像形成手段は、イエロー用のも
の40(Y)と、マゼンタ用のもの40(M)と、シア
ン用のもの40(C)と、ブラック用のもの40(K)
とが配置されている。これらの単色トナー像形成手段4
0(Y、C、M、K)はそれぞれ外周面に感光層を有す
る感光体41とこの感光体41の外周面を一様に帯電さ
せる帯電手段としての帯電ローラ42と、この帯電ロー
ラ42より一様に帯電させられた外周面を選択的に露光
して静電潜像を形成する露光手段43と、この露光手段
43により形成された静電潜像に現像剤であるトナーを
付与して可視像(トナー像)とする現像手段としての現
像ローラ44と、この現像ローラ44により現像された
トナー像が一次転写対象である中間転写ベルト30に転
写された後に感光体41の表面に残留しているトナーを
除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレー
ド45とを有している。
【0095】これら単色トナー像形成手段40(Y、
C、M、K)は中間転写ベルト30の弛み側に配置され
ている。中間転写ベルト30に順次一次転写され、中間
転写ベルト30上で順次重ね合わされてフルカラーとな
ったトナー像は、二次転写部T2において用紙等の記録
媒体Pに二次転写され、定着ローラ対61を通ることで
記録媒体P上に定着され、排紙ローラ対62によって所
定の場所(図示しない排紙トレイ上等)へ排出される。
63は記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、
64は給紙カセット63から記録媒体Pを一枚ずつ給送
するピックアップローラ、65は二次転写部T2への記
録媒体Pの給紙タイミングを規定するゲートローラ対で
ある。
【0096】また、66は中間転写ベルト30との間で
二次転写部T2を形成する二次転写手段としての二次転
写ローラ、67は二次転写後に中間転写ベルト30の表
面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段と
してのクリーニングブレードである。二次転写後のクリ
ーニングブレード67は、従動ローラ20にではなく駆
動ローラ10への中間転写ベルト30の巻きかけ部にお
いて中間転写ベルト30に当接している。
【0097】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に
説明する。まず、下記の実施例で使用したトナー、有機
感光体、現像ローラ、中間転写媒体の製造例を示す。 (トナー1の製造例)スチレンモノマー80重量部、ア
クリル酸ブチル20重量部、およびアクリル酸5重量部
からなるモノマー混合物を、水105重量部、ノニオン
乳化剤1.5重量部、アニオン乳化剤1.5重量部、お
よび過硫酸カリウム0.55重量部の水溶液混合物に添
加し、窒素気流中下で撹拌を70℃で8時間重合を行っ
た。重合反応後冷却し、乳白色の粒径0.25μmの樹
脂エマルジョンを得た。次に、この樹脂エマルジョン2
00重量部、ポリエチレンワックスエマルジョン(三洋
化成工業(株)製)20重量部、およびフタロシアニン
ブルー7重量部を界面活性剤のドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.2重量部を含んだ水中へ分散し、ジ
エチルアミンを添加してpHを5.5に調整後撹拌しな
がら電解質の硫酸アンモニウム0.3重量部を加え、次
いでTKホモミキサーで高速撹拌し分散を行った。更
に、スチレンモノマー40重量部、アクリル酸ブチル1
0重量部、サリチル酸亜鉛5重量部を水40重量部とと
もに追加し、窒素気流下で撹拌しながら同様にして、9
0℃に加熱し、過酸化水素を加えて5時間重合し粒子を
成長させた。重合停止後会合粒子の結合強度を上げるた
め、pHを5以上に調整しながら95℃に昇温し、5時
間保持した。その後、得られた粒子を水洗し45℃で真
空乾燥を10時間行った。得られたシアントナーは平均
粒径6.8μm、円形度0.980であった。このトナ
ーに対して、重量比で流動性改良剤である平均一次粒子
径が約12nmの疎水性シリカを1%、平均一次粒子径
が約40nmの疎水性シリカを0.7%添加混合し、次
いで平均一次粒子径が約20nmの疎水性酸化チタンを
0.5%と平均一次粒子径が約13nmの酸化アルミニ
ウムを0.2%添加混合しトナー1を得た。得られたト
ナーの仕事関数を市販の表面分析装置(AC−2型、理
研計器(株)製)を用い、照射光量500nWで測定す
ると5.55eVであった。 (トナー2の製造例)トナー1において、同様にしてフ
タロシアニンブルーの顔料をキナクリドンに変更し、ま
た二次粒子の会合と造膜結合強度を上げる温度を90℃
のままで行い、トナー2を作製したところ、このマゼン
タトナーの円形度は0.972で仕事関数は5.64e
Vでった。また、このトナーの個数基準の平均粒径は
6.9μmであった。 (トナー3、4の製造例)トナー2において、顔料をピ
グメントイエロー180とカーボンブラックに変えた以
外はトナー2と同様にして重合を行い、流動性改良剤を
添加し、円形度0.972、仕事関数5.60eV、平
均粒径7.0μmのイエロートナー3と、円形度0.9
73、仕事関数5.49eV、平均粒径6.9μmのブ
ラックトナー4を作製した。 (トナー5の製造例)芳香族ジカルボン酸とアルキレン
エーテル化ビスフェノールAとの重縮合ポリエステルと
該重縮合ポリエステルの多価金属化合物による一部架橋
物の50:50(重量比)混合物(三洋化成工業(株)
製)100重量部、シアン顔料のフタロシアニンブルー
5重量部、離型剤として融点が152℃、Mwが400
0のポリプロピレン1重量部、および荷電制御剤として
のサリチル酸金属錯体E−81(オリエント化学工業
(株)製)4重量部をヘンシェルミキサーを用い、均一
混合した後、内温130℃の二軸押し出し機で混練し、
冷却した。冷却物を2mm角以下に粗粉砕し、次いでジ
ェットミルで微粉砕し、ローター回転による分級装置に
より分級し、平均粒径6.2μmで、円形度0.905
の分級トナーを得た。分級したトナーに対し、重量比で
0.2%の疎水性シリカ(平均一次粒子径7nm、比表
面積250m2/g)を加え表面処理を行った後、熱風
球形化装置サーフュージングシステムを用い、熱処理温
度を200℃に設定し、部分的に球形化処理を行った
後、同様にして再度分級し平均粒径6.3μm、円形度
0.940のトナーの母粒子を得た。このトナーの母粒
子に対し、トナー1と同様にして流動性改良剤を添加混
合し、トナー5を作製した。得られたトナーの仕事関数
を同様の方法で測定すると5.43eVであった。 (トナー6、7、8の製造例)トナー5において、顔料
をナフトールAS系の6Bに変えた以外はトナー5と同
様にして粉砕、分級、熱処理、再分級および表面処理を
行い、平均粒径6.5μmで円形度0.942のマゼン
タトナー6を得た。このトナー6の仕事関数を測定した
ところ5.55eVであった。同様にして、トナー7
(イェロートナーとしてピグメントイェロー93を使
用)およびトナー8(ブラックトナーとしてカーボンブ
ラックを使用)を作製した。得られたトナーの平均粒径
と円形度はほぼトナー6と同じ値を示し、またそれぞれ
のトナーの仕事関数は、5.58eV(イェロー)およ
び5.64eV(ブラック)であった。 {有機感光体(OPC1)の製造例}直径85.5mm
のアルミ素管の導電性支持体周面に、下引き層としてア
ルコール可溶性ナイロン{東レ(株)製「CM800
0」}6重量部とアミノシラン処理された酸化チタン微
粒子4重量部とをメタノール100重量部に溶解、分散
させてなる塗工液をリングコーティング法で塗工し、温
度100℃で40分乾燥させ、膜厚1.5〜2μmの下
引き層を形成した。
【0098】この下引き層上に、電荷発生顔料としての
オキシチタニルフタロシアニン1重量部とブチラール樹
脂{BX−1、積水化学(株)製}1重量部とジクロル
エタン100重量部とを、φ1mmのガラスビーズを用
いたサンドミルで8時間分散させた。得られた顔料の分
散液を上記で作製した各支持体を用いて、リングコーテ
ィング法で塗工し、80℃で20分間乾燥させ、膜厚
0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0099】この電荷発生層上に、下記構造式(1)の
スチリル化合物の電荷輸送物質40重量部とポリカーボ
ネート樹脂(パンライトTS、帝人化成(株)製)60
重量部をトルエン400重量部に溶解させ、乾燥膜厚が
22μmになるように浸漬コーティング法で塗工、乾燥
させて電荷輸送層を形成し、2層からなる感光層を有す
る有機感光体(OPC1)を作製した。
【0100】得られた有機感光体の一部を切り欠き、試
料片としては仕事関数を市販の表面分析装置(AC−2
型、理研計器(株)製)を用い、照射光量500nWで
測定したところ、5.47eVを示した。 {有機感光体(OPC2)の製造例}有機感光体(OP
C1)において、導電性支持体としてアルミ素管の代わ
りにシームレスの厚さ40μmで直径85.5mmのニ
ッケル電鋳管、電荷発生顔料としてチタニルフタロシニ
アン、電荷輸送物質に下記構造式(2)のジスチリル化
合物に代えた以外は同様にして有機感光体(OPC2)
を作製した。この有機感光体の仕事関数を同様に測定す
ると5.50eVであった。
【0101】
【化1】 (現像ローラの作製)直径18mmのアルミパイプ表面
に、ニッケルメッキ(厚さ23μm)を施し、表面粗さ
(Ra)4μmの表面を得た。この現像ローラ表面の仕
事関数を測定したところ4.58eVであった。 (規制ブレードの作製)厚さ80μmのSUS板に厚さ
1.5mmの導電性ウレタンゴムチップを導電性接着剤
で貼り付けており、ウレタン部の仕事関数を約5eVと
した。 {中間転写ベルト(1)の製造例}アルミニウムを蒸着
した厚さ130μmのポリエチレンテレフタレート樹脂
フィルム上に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体30重
量部、導電性カーボンブラック10重量部およびメチル
アルコール70重量部からなる均一分散液を、厚さが2
0μmになるようにロールコーティング法にて塗工乾燥
し、中間導電性層を形成した。次いで、中間導電性層上
に、ノニオン系水系ウレタン樹脂(固形分62重量%)
55重量部、ポリテトラフルオロエチレンエマルジョン
樹脂(固形分60重量%)11.6重量部、導電性酸化
チタン5重量部、導電性酸化スズ25重量部、ポリテト
ラフルオロエチレン微粒子(max粒子系0.3μm以
下)34重量部、ポリエチレンエマルジョン(固形分3
5重量%)5重量部、およびイオン交換水20重量部の
組成を混合分散してなる塗工液を厚さ10μmとなるよ
うにロールコーティング法にて同様に塗工乾燥し、転写
層を形成した。この塗工シートを長さ540mmに裁断
し、塗工面を上にして端部を合わせ、超音波溶着を行う
ことにより転写ベルトを作製した。この転写ベルトの体
積抵抗は8.8×109Ω・cmであった。また、仕事
関数は5.69eV、規格化光電子収率は7.39を示
した。 {中間転写ベルト(2)の製造例}ポリエチレンテレフ
タレート85重量部、ポリカーボネート15重量部およ
びアセチレンブラック15重量部を、窒素ガス雰囲気下
でミキサーにより予備混合し、得られた混合物を引き続
き窒素ガス雰囲気下で二軸押出機により混練しペレット
を得た。このペレットを、環状ダイスを有する一軸押出
機により260℃にて外径160mm、厚さ160μm
のチューブ状フィルムに押し出した。次に、押し出した
溶融チューブを、環状ダイスと同じ軸線上に支持してい
る冷却インサイドマンドレルにより内径を規制し、冷却
固化させてシームレスチューブを作製した。これを規定
寸法に切断し、外径172mm、幅383mm、厚さ1
50μmのシームレスベルトを得た。この転写ベルトの
体積抵抗は3.2×108Ω・cmであった。また、仕
事関数は5.19eV、規格化光電子収率は10.88
を示した。
【0102】(実施例1)有機感光体(OPC1)を用
い、前述の現像ローラと規制ブレードを装着した図3に
示す中間転写媒体方式の4サイクルカラープリンタを用
いて、上記で得られたトナー1を上記の中間転写ベルト
(1)と組み合わせて、非接触一成分現像方式による作
像試験を行った。
【0103】なお、作像に際しては、有機感光体の周速
を180mm/sとし、現像ローラの周速は感光体に対
して周速比2と、また、有機感光体と中間転写媒体であ
る転写ベルトとの周速差を転写ベルトが3%早くなるよ
うに設定している。3%を越えると、予備実験で転写画
像にチリの発生を確認しているため3%を上限とした。
そして、前述のトナー規制ブレードの規制条件を変えて
現像ローラ上のトナー搬送量を0.285mg/cm2
〜0.421mg/cm2まで振り、5%原稿を2枚印
字した後の現像ローラ上のトナーの帯電特性を市販の帯
電量分布測定器(ホソカワミクロン(株)製「E−SP
ARTIII」)を使用して求め、その結果を図5に示
す。
【0104】作像条件は、現像ローラと感光体のギャッ
プを210μmとし(ギャップコロで隙間を調整)、D
Cの現像バイアス−200Vに重畳するACは周波数を
2.5kHz、P−P電圧1400Vの設定で、現像ロ
ーラと供給ローラとは同電位とした。
【0105】次に、図3の4サイクルフルカラープリン
タでベタ画像を印字し、ベタ画像の濃度と感光体上のカ
ブリトナー濃度および逆転写トナー濃度を測定した。な
お、一次転写部における転写電圧は+350Vを印加し
た。画像濃度は市販のマクベス反射式濃度計で、各トナ
ー濃度は市販の住友3M製のメンディングテープを感光
体上のトナーに張り付けトナーを剥離し、そのテープを
白紙上に張り付け、テープの反射濃度を差し引いた反射
濃度値で求めた。また、転写前後の感光体上のトナー量
をテープ転写法で求め転写効率を求めた。なお、テープ
転写法とはトナー上にテープを貼り付け、テープの貼り
付け前後のテープ重量を求め、その差をトナー量(mg
/cm2 )として計算する方法である。その結果を図6
に示す。
【0106】また、トナー規制ブレードを通過した状態
で現像ローラ表面に付着したトナー層について、トナー
1を使用した場合における帯電分布特性を、前述の帯電
量分布測定器を使用して測定した結果を図7に示す。縦
軸は個数比率であり、横軸は帯電量(フェムトクーロ
ン)である。
【0107】図中、×印は搬送量0.295mg/cm
2のトナーを、○印は搬送量0.340mg/cm2のト
ナーを、■印は搬送量0.431mg/cm2のトナー
の場合を示している。このトナーの平均粒子径は6.8
μmであり、図5、図6および図7の結果から、本発明
で搬送量を規定する次式の範囲を満足することで、転写
効率が高くカブリも殆ど無く、かつ逆転写トナーも非常
に少なくできることが分かった。
【0108】搬送量A=0.058D±0.1 ここで、Dはトナーの平均粒子径(μm)である。
【0109】実施例トナー1の粒子径の値6.8を代入
した関係式の下限0.294mg/cm2以下では、ト
ナーの薄層密度が粗となり、帯電電荷量も高くなりす
ぎ、かつベタ画像印字における現像トナー量の供給が追
いつかず、その結果、印字画像濃度は薄くなる。また、
関係式の上限0.494mg/cm2に近づくに従い、
印字画像濃度は満足できるにもかかわらず、逆帯電トナ
ー量が増大する結果、印字部周辺にチリの発生が見ら
れ、かつ、カブリと逆転写トナー量が増加する傾向にあ
り、従って、連続印字におけるクリーニングトナー量も
増大する傾向にあった。 (実施例2)トナー1〜トナー4を、実施例1の作像条
件で図3の中間転写媒体方式の4サイクルフルカラープ
リンタの各色現像カートリッジに装填し、非接触1成分
現像方式による作像試験を行った。作像はDCの現像バ
イアス−200Vに重畳するACは周波数2.5kH
z、P−P電圧1400Vの条件で引加した。
【0110】有機感光体(OPC1)のハード感光体と
本発明の転写ベルト(1)および比較例の転写ベルト
(2)の組み合わせで、各色5%カラー原稿に相当する
文字原稿を10000枚連続してプリントを行い、感光
体と中間転写ベルトのクリーニング量の合計を求めた結
果を図8に示す。なお、トナー搬送量は、各色におい
て、0.310mg/cm2〜0.400mg/cm2
範囲となるように規制ブレードを設定した。
【0111】図8の結果によると、転写ベルトの仕事関
数をトナーの仕事関数より大きくすることで、クリーニ
ングトナー量を低く抑えられることが分かった。これ
は、トナーの薄層化の結果、過帯電気味のトナーが転写
ベルトと接触することで転写されやすい帯電量まで制御
されたものと考えられる。逆に、転写ベルトの仕事関数
をトナーの仕事関数より小さくした場合、トナーの帯電
量は増えることはあっても減ることはなく転写効率が低
下し、クリーニング量が増えたものと考えられる。
【0112】(実施例3)有機感光体(OPC2)の弾
性感光体を用い、前述の現像ローラと規制ブレードを装
着した図3に示す中間転写媒体方式の4サイクルカラー
プリンタを用いて、上記で得られたトナー5を上記の転
写ベルト(1)と組み合わせて、接触一成分現像方式に
よる作像試験を行った。
【0113】なお、作像に際しては、有機感光体の周速
を180mm/sとし、現像ローラの周速は感光体に対
して周速比2とし、また、有機感光体と中間転写媒体で
ある転写ベルトとの周速差を転写ベルトが3%早くなる
ように設定している。3%を越えると、予備実験で転写
画像にチリの発生を確認しているため3%を上限とし
た。そして、前述のトナー規制ブレードの規制条件を変
えて現像ローラ上のトナー搬送量を0.294mg/c
2〜0.436mg/cm2まで振り、5%原稿を2枚
印字した後の現像ローラ上のトナーの帯電特性を市販の
帯電量分布測定器(ホソカワミクロン(株)製「E−S
PARTIII」)を使用して求め、その結果を図9に示
す。作像条件は、感光体の暗電位を−600V、明電位
を−60V、現像バイアスを−200Vとし、現像ロー
ラと供給ローラとは同電位とした。なお、一次転写部に
おける転写電圧は+350Vとした。
【0114】次に上記の4サイクルフルカラープリンタ
でベタ画像を印字し、ベタ画像の濃度と感光体上のカブ
リトナー濃度および逆転写トナー濃度を測定した。画像
濃度、カブリトナー濃度および逆転写トナー濃度の測定
は実施例1に準じて測定した。その結果を図10に示
す。
【0115】本発明においてトナー搬送量を規定する前
記式に、トナー5の粒子径の値6.3を代入した範囲を
満足することで、転写効率が高くカブリも逆転写トナー
も少なくなることが分かった。 (実施例4)トナー5〜トナー8を、実施例3の作像条
件で図3の中間転写媒体方式の4サイクルフルカラープ
リンタの各色現像カートリッジに装填し、接触1成分現
像方式による作像試験を行った。作像条件は実施例3に
準じた。また、トナー搬送量は各色において、0.30
0mg/cm2〜0.400mg/cm2の範囲となるよ
うに規制ブレードを設定した。
【0116】有機感光体(OPC2)の弾性感光体と本
発明の転写ベルト(1)および比較例の転写ベルト
(2)の組み合わせで、各色5%カラー原稿に相当する
文字原稿を10000枚連続してプリントを行い、感光
体と中間転写ベルトのクリーニング量の合計を求めた結
果を図11に示す。
【0117】図11の結果によると、転写ベルトの仕事
関数をトナーの仕事関数より大きくすることで、クリー
ニングトナー量を低く抑えられることが分かった。これ
は、トナーと転写ベルトとの間で電荷の交換があり、転
写に効果的な帯電量が存在し、その値に近づける転写ベ
ルトは、トナーより仕事関数が大きい方が有利であるこ
とが示された。 (実施例5)トナー1〜トナー4を、図4のタンデム方
式のフルカラープリンタの各色現像カートリッジに装填
し、非接触1成分現像方式による作像試験を行った。な
お、有機感光体としては直径30mmのアルミ素管を導
電性支持体に用い、有機感光体(OPC1)と同様にし
て感光体を製造した。現像ローラと規制ブレードの構成
は前述の通りとし、また、中間転写媒体は転写ベルト
(1)の製造例に準じたものを採用した。また、トナー
搬送量は、各色において、0.300mg/cm 2
0.400mg/cm2の範囲となるように規制ブレー
ドを設定した。
【0118】作像はDCの現像バイアス−200Vに重
畳するACは周波数2.5kHz、P−P電圧1400
Vの条件で引加し、各色5%カラー原稿に相当する文字
原稿を10000枚連続してプリントを行い、4本の感
光体と中間転写ベルトのクリーニング量の合計を計測し
たところ、約40gであった。この量は予定していたク
リーニングトナー回収容器に収容する量に対して、約1
/3の量であった。この結果からも分かるごとく、中間
転写ベルトの仕事関数をトナーの仕事関数と略同一以上
の値にすることにより、転写効率を向上させ、その結果
クリーニングトナー量を少なくできることが分かった。
【0119】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、トナー層厚規制部材によりトナー担持体上に
負帯電トナー層を形成する現像手段とを備え、前記トナ
ーにより潜像担持体上の静電潜像を可視像化し、前記可
視像を中間転写媒体に転写する画像形成装置において、
前記中間転写媒体表面の仕事関数(ΦTM )をトナーの
仕事関数(Φt )以上としているため、一次転写部では
潜像担持体から中間転写媒体への転写率が中間転写媒体
とトナー間の接触でトナーの帯電電荷量が抑制されるこ
とで、薄層規制によるトナーの過帯電を緩和することが
できる。また、中間転写媒体の二次転写部では、中間転
写媒体から転写材(紙等)への転写率がトナーの中間転
写媒体への静電気力が抑制されることで転写効率を上げ
ることができる。その結果、潜像担持体や中間転写媒体
上に残るトナー量が殆ど無く、クリーニング負荷の軽減
とクリーニングトナー量が減少することによるクリーニ
ングトナーを収容する容器の容量を従来の1/2以下に
することができ、画像形成装置自体の小型化が可能にな
るとともに、転写効率が向上するため、潜像担持体上の
残留トナーが減少し、その結果、クリーニング部材によ
るクリーニング負荷の低減につながり部材の耐久性を向
上させることができる。
【0120】また、薄層規制することにより、トナーが
均一に帯電し、その結果、逆極性に帯電している正トナ
ー量を減少させるのとあいまってカブリトナー量を減少
させることができる。
【0121】また、トナーを均一帯電するために薄層規
制した一成分現像であっても、中間転写媒体表面の仕事
関数(ΦTM )をトナーの仕事関数(Φt )以上として
いるため、トナーが中間転写媒体との接触部で更に帯電
するのを防止することができ、その結果、薄層規制であ
っても、定電圧電源を利用するときに、より転写効率を
上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置における接触現像方式の
一例を示す説明図である。
【図2】本発明の画像形成装置における非接触現像方式
の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の画像形成装置におけるフルカラープリ
ンターの一例を示す説明図である。
【図4】本発明の画像形成装置におけるタンデム方式の
一例を示す説明図である。
【図5】本発明に係わる実験結果を示す図である。
【図6】本発明に係わる実験結果を示す図である。
【図7】本発明の画像形成装置で使用したトナーの帯電
分布特性を示す図である。
【図8】本発明に係わる実験結果を示す図である。
【図9】本発明に係わる実験結果を示す図である。
【図10】本発明に係わる実験結果を示す図である。
【図11】本発明に係わる実験結果を示す図である。
【符号の説明】
1…潜像担持体 5…中間転写媒体 9…トナー層厚規制部材 10…現像剤担持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 信正 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 古水 幹央 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 AA15 AA21 DA02 EA05 EA10 FC01 2H030 AB02 AD01 BB22 BB24 BB42 BB43 BB46 BB71 2H077 AD06 AD13 AD17 GA13 GA17 2H200 GA16 GA23 GA29 GA44 GA47 GA59 HA01 HA12 JA01 JC03 JC13 JC15 JC16 JC19 LC01 LC03 MA02 MB04 PA11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】潜像坦持体と、トナー層厚規制部材により
    トナー担持体上に負帯電トナー層を形成する現像手段と
    を備え、前記トナーにより潜像担持体上の静電潜像を可
    視像化し、前記可視像を中間転写媒体に転写する画像形
    成装置において、前記中間転写媒体表面の仕事関数(Φ
    TM )をトナーの仕事関数(Φt )以上とすることを特
    徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】前記潜像坦持体が負帯電される有機感光体
    であり、反転現像されるものであることを特徴とする請
    求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】前記潜像担持体の周速に対して中間転写媒
    体の周速に周速差を設けることを特徴とする請求項1記
    載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】前記現像手段は、トナー層厚規制部材によ
    りトナー担持体上のトナー層厚を2層未満に規制し、ト
    ナー搬送量A(mg/cm2)を、トナーの個数基準の
    粒子径をD(μm)としたとき、 A=0.058D±0.1 の関係を満足することを特徴とする請求項1記載の画像
    形成装置。
  5. 【請求項5】前記トナーの円形度が0.94以上である
    ことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】前記トナーの個数基準の平均粒子径が4.
    5〜9μmであることを特徴とする請求項4記載の画像
    形成装置。
  7. 【請求項7】画像形成装置が中間転写媒体を使用する中
    間転写方式のフルカラー画像形成装置であることを特徴
    とする請求項1記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】中間転写媒体がベルト方式であることを特
    徴とする請求項7記載の画像形成装置。
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