JP4224942B2 - ハロゲン含有ゴム組成物およびその加硫物 - Google Patents

ハロゲン含有ゴム組成物およびその加硫物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加硫可能なハロゲン含有ゴム組成物およびそれを加硫してなる加硫物に関するものであり、さらに詳しくは、加硫時にスコーチが起こりにくく、優れた貯蔵安定性を有するハロゲン含有ゴム組成物、およびそれを加硫した熱老化特性に優れた加硫物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン含有ゴムは、耐油性、耐熱老化性、耐候性、耐オゾン性などに優れ、ガス透過性が低く、また圧縮永久ひずみが小さい。このため、ホース、チューブ、ダイヤフラム、ガスケット、O−リング、タイヤのインナーライナー、電線被覆材などの各種ゴム製品の材料として使用されており、特に自動車用ゴム製品の材料として広く使用されている。
【0003】
ハロゲン含有ゴムに、周期律表第2族金属炭酸塩、周期律表第2族金属酸化物または周期律表第12族金属炭酸塩を加硫剤であるトリアジンチオール誘導体と共に配合することにより、加硫性ハロゲン含有ゴム組成物の加硫速度を速め、得られる加硫物の耐熱老化性を改良し、圧縮永久ひずみを小さくすることが提案されている。しかし、この組成物は、貯蔵安定性が実用上十分ではなく、貯蔵中に加硫が進行して粘度が上昇し、加工が困難になるなどの問題を生じることがあった。
【0004】
近時、ハロゲン含有ゴムにゼオライトを配合することにより、貯蔵安定性を改良する手法が提案された(特開2000−63685号公報)。しかし、この組成物は加硫後の圧縮永久ひずみが大きくなりやすく、その点を改良するため加硫剤を増量したり加硫促進剤を添加したりすると、今度はスコーチを起こしやすくなるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、スコーチが起こりにくく、貯蔵安定性に優れたハロゲン含有ゴム組成物および優れた耐熱老化特性を有し、圧縮永久ひずみが小さな加硫物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討の結果、エピハロヒドリン系ゴムに、水酸化アルミニウムゲル化合物を配合することが有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
かくして本発明によれば、エピハロヒドリン系ゴム100重量部、水酸化アルミニウムゲル化合物0.5〜30重量部、および加硫剤含有するハロゲン含有ゴム組成物、並びに該ハロゲン含有ゴム組成物を加硫してなる加硫物が提供される
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に用いるハロゲン含有ゴムは、ハロゲン原子が重合体鎖に結合しているゴムであり、ハロゲン含有量が、好ましくは0.3〜75重量%、より好ましくは10〜45重量%であり、特に好ましくは15〜40重量%のエピハロヒドリン系ゴムである
【0009】
本発明で用いるエピハロヒドリン系ゴムの100℃でのムーニー粘度(ML1+4)は、好ましくは20〜150、より好ましくは30〜120、特に好ましくは35〜100である。このムーニー粘度が低すぎると成形加工時の形状保持性が劣ったり、粘着性が強くなったりする場合があり、高すぎると成形加工時の流動性が劣り、また、寸法安定性も低下する場合がある。
【0010】
ハロゲン含有ゴムとしては、エピハロヒドリン系ゴムが用いられ、特にエピクロロヒドリン系ゴムが好ましい。エピハロヒドリン系ゴムは、エピハロヒドリン単量体(a)の開環重合体または単量体(a)およびこれと共重合可能な単量体との開環共重合体である。
【0011】
エピハロヒドリン単量体(a)としては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリンなどが挙げられるが、なかでもエピクロルヒドリンが好ましい。エピハロヒドリン系ゴムを構成する全単量体単位に対する単量体(a)単位含有量は特に限定されないが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは25〜85、特に好ましくは30〜80モル%である。単量体(a)単位含有量が少なすぎると加硫物の吸湿性が高くなる場合があり、多すぎると加硫物の耐寒性が劣る場合がある。
【0012】
共重合可能な単量体としては、アルキレンオキシド単量体(b)が好ましい。単量体(b)は、エチレンオキシドまたはエチレンオキシドの四つの水素の一つ以上が飽和炭化水素基によって置換された構造を有する化合物である。置換基は、ハロゲンで置換されたものであってもよい。具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシエイコサンなどの直鎖飽和炭化水素基置換エチレンオキシド;1,2−エポキシ−イソブタン、2,3−エポキシ−イソブタンなどの分岐型飽和炭化水素基置換エチレンオキシド;1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロドデカンなどの環状飽和炭化水素基置換エチレンオキシド;2,3−エポキシ−3−クロロメチル−ブタン、1,2−エポキシ−4−クロロペンタンなど、エピハロヒドリン単量体(a)以外のハロゲン含有飽和炭化水素基置換エチレンオキシド;などが挙げられる。これらの中でも、エチレンオキシド、プロピレンオキシドが好ましい。エピハロヒドリン系ゴムを構成する全単量体単位に対する単量体(b)単位含有量は特に限定されないが、好ましくは10〜80モル%、より好ましくは15〜75モル%、特に好ましくは20〜70モル%である。単量体(b)単位含有量が少なすぎると、加硫物の耐寒性に劣る場合があり、多すぎると成型時に加硫物が発泡しやすくなり、また、加硫物の吸湿性が高くなるため、成型方法や使用条件によっては使用できない場合がある。
【0013】
単量体(a)と開環共重合可能であって、かつエチレン性不飽和結合を有する単量体(c)を使用してもよい。単量体(c)としては、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、o−アリルフェニルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル基を有する化合物;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジル−4−ヘプテノエート、グリシジルソルベート、グリシジルリノレート、3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、4−メチル−3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、グリシジル−4−メチル−3−ペンテノエートなどのグリシジルエステル基を有する化合物;ビニルシクロヘキシルエーテル、3,4−エポキシ−1−ブテン、1,2−エポキシ−3−ペンテン、エポキシ−1−ビニルシクロヘキセン、1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカジエンなどの不飽和炭化水素基で置換されたアルキレンオキシド;などが挙げられる。これらの中でも、加硫物が耐オゾン性に優れるアリルグリシジルエーテルが好ましい。エピハロヒドリン系ゴム中の単量体(c)単位含有量は特に限定されないが、好ましくは15モル%以下、より好ましくは12モル%以下、特に好ましくは10モル%以下である。単量体(c)単位含有量が多すぎると、加硫物の破断伸びが低くなりすぎる場合がある。
【0014】
本発明で用いる水酸化アルミニウムゲル化合物は、構造中にAl23とCO2を有する無定型の化合物であり、好ましくは下記一般式1で表されるものである。
【0015】
一般式1:
[M]x・Al23・(CO2y・zH2
(ただし、式中の[M]は周期律表第1族の金属酸化物、周期律表第2族の金属酸化物および/または有機酸を表し、x≧0、y>0、z>0を示す。)
【0016】
[M]で表される周期律表第1族の金属酸化物としては、酸化ナトリウム、酸化カリウムなどが、周期律表第2族の金属酸化物としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどが例示される。有機酸としては酒石酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸などの2価の脂肪族飽和ジカルボン酸類、マレイン酸、フマル酸などの2価の脂肪族不飽和カルボン酸類、フタル酸などの2価芳香族カルボン酸類、クエン酸などの3価有機酸が例示される。これらは数種が混在していてもよい。
【0017】
xは、好ましくは0≦x<2、より好ましくは0≦x<1.5、さらに好ましくは0≦x<1.0である。yは、好ましくは0.1<y≦1であり、より好ましくは0.2<y≦1、さらに好ましくは0.3<y≦1である。zは、好ましくは2≦z<10、より好ましくは2≦z<8、さらに好ましくは2≦≦6ある。
【0018】
本発明で用いられる水酸化アルミニウムゲル化合物の製法は、特に限定されず、公知の方法で製造すればよい。例えば、可溶性アルミニウム化合物の溶液に炭酸イオンの供給源となる可溶性化合物とをpHを調節しながら反応させ、得られた化合物を水洗後、乾燥することにより水酸化アルミニウムゲル化合物を製造することができる。必要により、老化安定性を持たせるため、イオン交換によりアルカリ金属酸化物あるいはアルカリ土類金属酸化物、有機酸が付与される。
【0019】
可溶性アルミニウム化合物は、水および/または低級アルコールに可溶性のアルミニウム化合物であり、好ましくは、塩化アルミニウム、硝酸アルミウム、硫酸アルミニウム、アルミニウム金属、硫酸アルミニウムアンモニウム、臭化アルミニウム、フッ化アルミニウム、硫酸アルミニウム・カリウム、アルミニウム・イソプロポキシド、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、亜硫酸アルミウムナトリウムなどが挙げられる。また、炭酸イオンの供給源可溶性化合物としては、水および/または低級アルコールに可溶性の炭酸イオン供給性化合物であり、好ましくは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムの如きアルカリ金属の炭酸塩類および重炭酸塩類、炭酸ガスなどが挙げられる。
【0020】
pH調節は、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性物質を用いて行えばよく、反応温度は特に限定されないが、好ましくは20〜60℃である。乾燥は、好ましくは50〜100℃で、1〜24時間行う。温度が低すぎたり、時間が短すぎると乾燥が不十分となる場合があり、逆に温度が高すぎたり、時間が長すぎると化合物の構造が不安定となる場合がある。
【0021】
本発明のハロゲン含有ゴム組成物は、エピハロヒドリン系ゴム100重量部に対し、水酸化アルミニウムゲル化合物の配合量は、0.5〜30重量部、好ましくは1〜25重量部、特に好ましくは2〜20重量部である。水酸化アルミニウムゲル化合物の配合量が少なすぎると実用的な密度を有する加硫物が得られず、耐熱老化性が劣る場合があり、逆に多すぎるとスコーチを起こしたり引張強さや伸びなどの加硫物の引張特性が劣ったりする場合がある。
【0022】
水酸化アルミニウムゲル化合物は酸受容体として機能するが、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で、水酸化アルミニウムゲル化合物以外の酸受容体を併用しても良い。水酸化アルミニウムゲル化合物以外の酸受容体の具体例としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、硼酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フタル酸カルシウム、亜燐酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、メタホウ酸マグネシウム、メタホウ酸カルシウム、メタホウ酸バリウムなどの周期律表第2族金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、珪酸塩、硼酸塩、亜燐酸塩、メタホウ酸塩など;酸化錫、塩基性炭酸錫、ステアリン酸錫、塩基性亜燐酸錫、塩基性亜硫酸錫、酸化ケイ素、ステアリン酸ケイ素などの周期律表第14族金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜燐酸塩、塩基性亜硫酸塩など;ハイドロタルサイト類;などが挙げられる。これらの中で、加硫速度が適切にしやすい点で、ハイドロタルサイト類、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウムおよびメタホウ酸バリウムが好ましく、ハイドロタルサイト類およびメタホウ酸バリウムがより好ましく、ハイドロタルサイト類が特に好ましい。
【0023】
ハイドロタルサイト類は、特に限定されないが、下記一般式2で表されるものが好ましい。
【0024】
一般式2:
MgxZnyAlz(OH)2(x+y)+3z-2CO3・wH2
(式中、0<x≦10、0≦y≦10、1≦x+y≦10、1≦z≦5、wは正数を表す。)
【0025】
ハイドロタルサイト類としては、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、Mg4.5Al2(OH)13CO3、Mg4Al2(OH)12CO3・3.5H2O、Mg6 2(OH)16CO3・4H2O、Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O、Mg3Al2(OH)10CO3・1.7H2O、Mg3ZnAl2(OH)12CO3などが例示される。
【0026】
ハイドロタルサイト類は、エピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜10重量部配合される。ハイドロタルサイト類が少なすぎると加硫速度が低下し、多すぎると引張強さや伸びなどの加硫物の引張特性が劣る場合がある。
【0027】
本発明のハロゲン含有ゴム組成物は加硫するにあたり、加硫剤を添加する必要がある。用いられる加硫剤は、ハロゲン含有ゴム組成物を加硫できるものであれば、特に限定されず、硫黄、硫黄供与体、チオウレア系化合物、有機過酸化物、ポリオール系化合物、メルカプトキノキサリン系化合物などが挙げられるが、耐熱老化性の点からトリアジンチオール化合物が好ましい。トリアジンチオール化合物としては、1,3,5−トリアジンジチオールおよびその誘導体が例示される。1,3,5−トリアジンジチオールの誘導体としては、1,3,5−トリアジントリチオール、6−アニリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−メチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−エチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジエチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−プロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ヘキシルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−オクチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−デシルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオールなどを挙げることができる。
【0028】
加硫剤の配合量は、それぞれの加硫剤の特性、加硫するゴム組成物の特性、加硫物の使用目的などによって決めればよい。例えば、加硫剤として1,3,5−トリアジントリチオールを用いる場合の配合量は、エピハロヒドリン系ゴム100重量部あたり、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.2〜3重量部である。加硫剤が少なすぎると加硫速度や加硫密度が低下することがあり、多すぎるとゴム組成物の貯蔵安定性が低下したり加硫密度が高くなりすぎ加硫物が脆くなったりすることがある。
【0029】
また、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で、他のゴム、エラストマーあるいは樹脂成分、例えば、天然ゴム、アクリルゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどのゴム;オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリシロキサン系エラストマーなどのエラストマー;ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などの樹脂;を配合することができる。
【0030】
このほか、本発明のハロゲン含有ゴム組成物には、必要に応じて、上記各成分以外に、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で、補強材、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、スコーチ防止剤、加硫遅延剤、可塑剤、加工助剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤、発泡剤などの添加剤を配合することができる。
【0031】
ハロゲン含有ゴム組成物を調整する方法も特に限定されず、前記各成分を、ロール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合などの適宜の混合方法により配合することによって調製することができる。
【0032】
本発明のハロゲン含有ゴム組成物の成形方法および加硫方法も、特に限定されない。成形方法、加硫方法、加硫物の形状などの必要に応じて、成形と加硫を同時に行うか、成形後に加硫すればよい。加硫の際の加熱温度は、好ましくは130℃以上、より好ましくは140〜200℃である。また、加硫時間は、加硫方法、加硫温度、形状などにより異なるが、1分以上、5時間以下の範囲が加硫密度と生産効率の面から好ましい。加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱、高周波加熱などのゴムの加硫に用いられる方法を適宜選択すればよい。
【0033】
本発明のゴム組成物の加硫物は、例えば、自動車などの輸送機械、一般機器・装置、電子・電気、建築などの幅広い分野において、シール材、緩衝・保護材、電線被覆材、ベルト類、ホース類、シート類、ロール類などとして有用である。
【0034】
【実施例】
参考例、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。組成に関する部および%は、重量基準である。なお、各測定は、以下のように行った。
【0035】
エピクロルヒドリンゴムのムーニー粘度はJIS K6300に従って、100℃で測定した。
【0036】
エピクロルヒドリンゴム組成物の貯蔵安定性は、ゴム組成物を調製後、温度23℃、湿度55%で24時間放置したもの(環境I)と、温度40℃、湿度80%で24時間放置したもの(環境II)とについてムーニースコーチ試験(L型ローター、試験温度125℃)にてムーニースコーチ時間t5および最低ムーニー粘度Vminを測定し、環境Iに対する環境IIのt5の変化率をΔt5(II−I)、Vminの変化率をΔVmin(II−I)として評価した。Δt5(II−I)とΔVmin(II−I)の絶対値が小さいほど、貯蔵安定性に優れることを意味する。なお、エピクロルヒドリンゴム組成物の物性について、ムーニースコーチ試験、加硫試験はJIS K6300に従って行った。加硫試験の温度条件は160℃で行った。
【0037】
また加硫物の物性について、引張試験はJIS K6251に、硬さ試験はJIS K6253、空気加熱老化試験はJIS K6257、圧縮永久ひずみ試験はJIS K6262に従って測定した。空気加熱老化試験は150℃に72時間の条件で測定した。圧縮永久ひずみは、135℃に72時間の条件で測定した。
【0038】
参考例1
0.9Mの硫酸アルミニウム水溶液と0.6Mの炭酸ナトリウムを容積比4:3になるように混合し、2Mの水酸化ナトリウムでpH7.5に調製し、30℃に保った。1リットルの反応槽に水0.5リットルを入れ、強く攪拌しながら、30℃に保った中に、上記混合液を0.2リットル/分の流量で加えて、オーバーフローさせながら1時間反応させた。オーバーフローして得られたサスペンジョンを、減圧脱水して固形状にした後、0.05Mの塩化カルシウム水溶液を用いて十分に洗浄してイオン交換し、さらに十分に水洗した後、約70℃で20時間乾燥させた。
【0039】
得られた水酸化アルミニウムゲル化合物は、化学分析の結果、(CaO)0.1Al23(CO20.64.7H2Oで示される構造を有していることがわかった。また、この化合物は、X線回折では、無定型であった。
【0040】
実施例1〜3および比較例1〜5
エピクロルヒドリンゴム(エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン単位45モル%、エチレンオキサイド単位50モル%、アリルグリシジルエーテル単位5モル%、ムーニー粘度75)100部、FEFカーボンブラック(旭カーボン社製、旭#60)40部、加工助剤(ソルビタンモノステアレート)3部、老化防止剤(ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル)1部、さらに参考例1で得た水酸化アルミニウムゲル化合物、ハイドロタルサイト(協和化学工業社製、KW−2200)、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、ゼオライト(水澤化学工業社製、ミズカライザーDS)、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムを表1記載の量添加し、バンバリーで混練して本発明のゴム組成物を得た。さらに、これらのゴム組成物に、1,3,5−トリアジントリチオール0.9部およびN−シクロヘキシルチオフタルイミド1部を添加し、ロールを用いて混練して、加硫性ゴム組成物を調製した。このゴム組成物をサンプルとして、ムーニースコーチ試験および加硫試験によりt5、Vm、MH、MLを測定した。なお、比較例3および4においては、加硫が進行せず、ムーニースコーチ試験を行うことができなかった。
【0041】
加硫性ゴム組成物をテストロールから厚さ2.2±0.1mmのシートとして取出し、160℃、13MPaで30分間プレス加硫して、150mm×150mm×厚さ2mmの加硫ゴムシート試験片を製造し、各測定をおこなった。これらの測定値を表1に示す。なお、比較例3および4においては、加硫が進行せず、加硫物が得られなかった。
【0042】
【表1】
Figure 0004224942
【0043】
本発明のハロゲン含有ゴム組成物は、貯蔵安定性は十分に実用になる範囲のもので、ムーニースコーチ時間t5が長く、得られる加硫物は、熱老化試験後の伸び変化率、硬さ変化、圧縮永久ひずみが小さく優れていることがわかる。特に、ハイドロタルサイトを併用したものの特性が優れている。
【0044】
それに対し、酸化マグネシウムと炭酸カルシウムを含有する比較例1のハロゲン含有ゴム組成物は、Δt5(II−I)、ΔVmin(II−I)の絶対値が大きく、貯蔵安定性に問題がある。ゼオライトを含有する比較例2のゴム組成物は、ムーニースコーチ時間t5が短く、加硫物の熱老化試験後の伸び変化および圧縮永久ひずみが大きいという問題がある。また、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムをそれぞれ含有する比較例3、4のゴム組成物は、加硫試験でMLとMHの差が無いことからも加硫が進行しないことが分かる。ハイドロタルサイトのみを含有する比較例5のゴム組成物は、比較例1のものと同様に貯蔵安定性に問題がある。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、エピハロヒドリン系ゴムに水酸化アルミニウムゲル化合物を配合することにより、ハロゲン含有ゴム組成物のスコーチ時間を長く、また貯蔵安定性を大幅に改善すること出来る。このハロゲン含有ゴム組成物を加硫することにより耐熱老化特性、圧縮永久ひずみに優れた加硫物を得ることが可能となる。

Claims (4)

  1. エピハロヒドリン系ゴム100重量部、水酸化アルミニウムゲル化合物0.5〜30重量部、および加硫剤含有するハロゲン含有ゴム組成物。
  2. 該加硫剤が、トリアジンチオール化合物である請求項1記載のハロゲン含有ゴム組成物。
  3. 該トリアジンチオール化合物が、1,3,5−トリアジントリチオールであり、かつ、その配合量が、該エピハロヒドリン系ゴム100重量部あたり、0.1〜5重量部である請求項2記載のハロゲン含有ゴム組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のハロゲン含有ゴム組成物を加硫してなる加硫物。
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