JP2001011241A - ゴム組成物およびその架橋物 - Google Patents

ゴム組成物およびその架橋物

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metaborate
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Shigeru Fujita
茂 藤田
Akio Fujino
昭夫 藤野
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵安定性、架橋速度、架橋物の機械的特性
などのバランスに優れたエピハロヒドリン系ゴム組成物
およびその架橋物を提供することを目的とする。 【解決手段】 エピハロヒドリン系ゴム(a)、トリア
ジンチオール化合物(b)および周期律表第II族金属
のメタホウ酸塩(c)を含有するゴム組成物を調製し、
該ゴム組成物を架橋して架橋物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は架橋可能なエピハロ
ヒドリン系ゴム組成物およびそれを架橋してなる架橋物
に関するものであり、さらに詳しくは早期架橋が起こり
にくく、優れた加工安定性と貯蔵安定性を有するエピハ
ロヒドリン系ゴム組成物およびそれを架橋して選られる
機械的特性に優れた架橋物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エピハロヒドリン系ゴムは、エピハロヒ
ドリンを主たる構造単位とする重合体ゴムであり、耐油
性、耐熱性、耐候性、耐オゾン性、耐圧縮永久歪み性な
どに優れる。エピハロヒドリン系ゴムは、従来からホー
ス、チューブ、ダイアフラムなどの各種成形品の材料と
して広く使用されている。
【0003】エピハロヒドリン系ゴムに対する架橋剤と
しては、ポリアミン誘導体(例えば、アメリカ特許30
26270号など)、エチレンチオウレア(例えば、特
公昭43−5758号公報など)、トリアジンチオール
誘導体(例えば、特公昭48−36926号公報など)
などが知られている。しかし、ポリアミン誘導体を用い
る架橋は、スコーチが早く、適当な架橋速度に調節する
ことが困難であり、また、耐熱老化性に劣る。エチレン
チオウレアを用いる架橋は、一般的には耐熱老化性に問
題がある。酸受容体として鉛化合物をエチレンチオウレ
アと併用することにより耐熱老化性が改良されるが、鉛
化合物は毒性を有し、使用が制限される。
【0004】エピハロヒドリン系ゴムにおいては、トリ
アジンチオール誘導体を使用し、周期律表第II族また
は第IV族金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、芳香族ま
たは脂肪族カルボン酸塩、リン酸塩などを併用して架橋
速度を調節して架橋することが知られている(特公昭4
8−36926号公報など)。トリアジンチオール誘導
体を用いる架橋は、架橋速度が早い一方、長期間貯蔵し
たトリアジンチオール化合物含有エピハロヒドリン系ゴ
ム組成物を架橋すると、加工に支障を来たしたり、不良
品が発生したりすることがあった。その原因は、貯蔵中
にゴム組成物の粘度が上昇したり、架橋前の成形工程な
どにおいて、部分的な架橋、すなわちスコーチを起こし
たりすることにあった。そのため、トリアジンチオール
化合物含有エピハロヒドリン系ゴム組成物を長期間貯蔵
することは困難であった。
【0005】この問題を解決するため、トリアジンチオ
ール化合物含有エピハロヒドリン系ゴム組成物に周期律
表第II族金属の炭酸塩および周期律表第IIA族金属
の酸化物を配合することが提案されている(特公昭56
−5464号公報)。この組成物は、迅速な架橋が可能
となり、貯蔵安定性が改良され、得られる架橋物は、耐
熱老化性に優れ、良好な圧縮永久ひずみ値を示すことが
知られている。しかし、この組成物も十分な貯蔵安定性
を有しているわけではなく、保存中に架橋が進行して粘
度が上昇し、加工が困難になるなどの問題を生じること
があった。また、スコーチを起こすことがあった。
【0006】これらの問題を解決するために、トリアジ
ンチオール化合物含有エピハロヒドリン系ゴム組成物
に、N−(シクロヘキシルチオ)−フタルイミドなどの
チオイミド化合物(例えば、特公昭54−25549号
公報など)、無水フタル酸などの多価カルボン酸化合物
(例えば、特開昭59−174626号公報、特公昭6
2−185号公報など)などを配合することにより、架
橋速度を制御しやすくすることが提案されている。
【0007】しかしながら、これらの化合物を配合した
場合でも、改良効果は不十分であり、長期貯蔵の場合
は、ゴム組成物中で架橋反応が進行し、組成物粘度が上
昇し、成形不良などの原因となることがあった。また、
これらの化合物を多量に添加した場合、貯蔵安定性はさ
らに改良される一方、架橋速度が低下してしまい、架橋
に時間がかかったり、架橋が不充分な架橋物となったり
して、加工性、架橋物の機械的物性が問題となることが
あり、貯蔵安定性、架橋速度、架橋物の機械的特性など
のバランスのとれたゴム組成物が得ることは困難であっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、貯蔵安定
性、架橋速度、架橋物の機械的特性などのバランスに優
れたエピハロヒドリン系ゴム組成物およびその架橋物を
提供することを目的とする。
【0009】本発明者らは、鋭意努力の結果、トリアジ
ンチオール化合物(b)を架橋剤として用いたエピハロ
ヒドリン系ゴム(a)組成物に、受酸剤として周期律表
第II族金属のメタホウ酸塩(c)を配合しておけば、
貯蔵安定性が向上することを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、エピハロヒドリン系ゴム(a)、トリアジンチオー
ル化合物(b)および周期律表第II族金属のメタホウ
酸塩(c)を含有するゴム組成物とそれを架橋した架橋
物が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】[エピハロヒドリン系ゴム
(a)]本発明において用いられるエピハロヒドリン系
ゴムとしては、エピハロヒドリンの単独重合体、二種以
上のエピハロヒドリンの共重合体、エピハロヒドリンと
共重合可能な単量体との共重合体などが挙げられる。共
重合可能な単量体は、特に限定されないが、アルキレン
オキシド、不飽和エポキシドなどが例示される。
【0012】エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒ
ドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒ
ドリンなどが挙げられるが、中でもエピクロルヒドリン
が好ましい。
【0013】アルキレンオキシドとしては、エチレンオ
キシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタ
ン、1,2−エポキシ−イソブタン、2,3−エポキシ
ブタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシ
オクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシ
テトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2
−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシエイコサ
ン、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキ
シシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロドデカン、
スチレンオキシドなどが挙げられる。これらの中でもエ
チレンオキシド、プロピレンオキシドなどが好ましい。
【0014】不飽和エポキシドとしては、不飽和グリシ
ジルエーテル類、ジエンまたはポリエンのモノエポキシ
ド類、エチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエステ
ル類などが挙げられる。不飽和グリシジルエーテル類と
しては、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジル
エーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル、o−アリル
フェニルグリシジルエーテルなどが挙げられる。ジエン
またはポリエンのモノエポキシド類としては、ブタジエ
ンモノエポキシド、クロロプレンモノエポキシド、4,
5−エポキシ−2−ペンテン、エポキシ−1−ビニルシ
クロヘキセン、1,2−エポキシ−5,9−シクロドデ
カジエンなどが挙げられる。エチレン性不飽和カルボン
酸のグリシジルエステル類としては、グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレート、グリシジルクロト
ネート、グリシジル−4−ヘプテノエート、グリシジル
ソルベート、グリシジルリノレート、3−シクロヘキセ
ンカルボン酸のグリシジルエステル、4−メチル−3−
シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、グリ
シジル4−メチル−3−ペンテノエートなどが挙げられ
る。これらの中でもアリルグリシジルエーテルが好まし
い。
【0015】本発明で用いるエピハロヒドリン系ゴム中
のエピハロヒドリン単位量の下限は、好ましくは10モ
ル%、より好ましくは20モル%、特に好ましくは40
モル%、上限は、100モル%である。また、エピハロ
ヒドリン系ゴムのムーニー粘度(ML1+4、100℃)
の下限は、好ましくは20、より好ましくは30であ
り、上限は、好ましくは200、より好ましくは150
である。小さすぎると機械的特性に劣り、大きすぎると
加工性が悪い場合がある。
【0016】エピハロヒドリン系ゴムは二種以上を併用
してもよい。
【0017】[トリアジンチオール化合物(b)]本発
明で用いるトリアジンチオール化合物は、エピハロヒド
リン系ゴムに対する架橋剤として作用するものである。
このようなトリアジンチオール化合物としては、1,
3,5−トリアジンジチオールあるいはその誘導体、
1,3,5−トリアジントリチオールなどを挙げること
ができる。1,3,5−トリアジンジチオールの誘導体
としては、6−アニリノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジチオール、6−メチルアミノ−1,3,5−
トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジメチルアミノ
−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−
エチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチ
オール、6−ジエチルアミノ−1,3,5−トリアジン
−2,4−ジチオール、6−プロピルアミノ−1,3,
5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジプロピル
アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオー
ル、6−ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,
4−ジチオール、6−ジブチルアミノ−1,3,5−ト
リアジン−2,4−ジチオール、6−ヘキシルアミノ−
1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−オ
クチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチ
オール、6−デシルアミノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジチオールなどを挙げることができる。本発明
のゴム組成物には、架橋速度の調整、架橋物の機械的特
性向上などのために、必要に応じて、トリアジンチオー
ル化合物を二種類以上併用して配合してもよい。
【0018】エピハロヒドリン系ゴム(a)100重量
部あたりのトリアジンチオール化合物(b)の配合量の
下限は、好ましくは0.1重量部、より好ましくは0.
2重量部、上限は、好ましくは5重量部、より好ましく
は3重量部である。トリアジンチオール化合物(b)が
少なすぎると架橋速度や架橋密度が低下することがあ
り、多すぎるとゴム組成物の貯蔵安定性が低下したり、
架橋密度が高くなりすぎて架橋物が脆くなることがあ
る。
【0019】[周期律表第II族金属のメタホウ酸塩
(c)]本発明で用いる周期律表第II族選ばれた金属
のメタホウ酸塩(c)は、本発明のゴム組成物中では、
酸受容体として機能するものである。本発明において
は、エピハロヒドリン系ゴムのトリアジンチオール架橋
に対して活性剤として作用し、トリアジンチオール化合
物の性能を発揮させるために、必要なものであるが、通
常は、高分子材料の難燃剤として使用されるものであ
る。メタホウ酸塩(c)としては、メタホウ酸マグネシ
ウム、メタホウ酸カルシウム、メタホウ酸バリウムなど
が挙げられ、入手が容易で効果も大きいことから、メタ
ホウ酸バリウムが好ましい。メタホウ酸塩(c)は、単
独で、または2種以上を混合して使用することが出来
る。
【0020】エピハロヒドリン系ゴム(a)100重量
部に対するメタホウ酸塩(c)の配合量の下限は、好ま
しくは1重量部、より好ましくは2重量部、特に好まし
くは3重量部、上限は、好ましくは20重量部、より好
ましくは15重量部、特に好ましくは10重量部であ
る。メタホウ酸塩(c)の配合量が少なすぎると、実用
的な架橋密度を有する架橋物が得られず、目的とする機
械的特性に優れた架橋物が得られない場合がある。メタ
ホウ酸塩(c)の配合量が多すぎると、架橋物の機械的
特性が劣る場合がある。
【0021】[ハイドロタルサイト類(d)]本発明に
おいては、さらにハイドロタルサイト類(d)を配合す
ることが好ましい。ハイドロタルサイト類(d)も、上
記メタホウ酸塩(c)と同様に、本発明のゴム組成物中
では、酸受容体として機能するものである。
【0022】ハイドロタルサイト類(d)は、一般に、
下記一般式1で表される化合物および該化合物の焼成物
である。化合物の焼成は、好ましくは300〜800℃
で行う。
【0023】一般式1:
【化1】 M2+ xAl2(OH)2x+6-nz(An-z・mH2
【0024】(ただし式中、M2+は、マグネシウムイオ
ンおよび/または亜鉛イオン、An-はn価のアニオンを
示し、nはアニオンの価数を示し、x、z、mは、それ
ぞれ、x≧2、z≦2、mは正の数を満足する数を示
す。)
【0025】An-の好ましい例として、炭酸イオン、シ
ュウ酸イオンなどを例示することができる。また、 M
2+ としてはマグネシウムイオンが好ましい。xは、好
ましくは8≧x≧3、より好ましくは6≧x≧4であ
る。
【0026】ハイドロタルサイト類(d)としては、例
えば、Mg4.5Al2(OH)13CO 3・3.5H2O、M
4.5Al2(OH)13CO3、Mg4Al2(OH)12
3・3.5H2O、Mg6Al2(OH)16CO3・4H2
O、Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O、Mg3Al2
(OH)10CO3・1.7H2Oなどが挙げられる。これ
らのハイドロタルサイト類は、単独で、または二種以上
を混合して使用することができる。
【0027】また、エピハロヒドリン系ゴム(a)10
0重量部に対するハイドロタルサイト類(d)の配合量
の下限は、好ましくは1重量部、より好ましくは2重量
部、特に好ましくは3重量部、上限は、好ましくは20
重量部、より好ましくは10重量部、特に好ましくは7
重量部である。ハイドロタルサイト類が少なすぎると、
架橋が不十分になる場合があり、多すぎると、破断伸び
が小さくなるなどの問題となる場合がある。
【0028】なお、架橋速度の調整のため、酸受容体と
して、本発明の効果や目的を阻害しない範囲で、メタホ
ウ酸塩(c)、ハイドロタルサイト類(d)以外の金属
化合物を併用してもよい。そのような金属化合物として
は、周期律表第II族および第IV族の金属の酸化物、
水酸化物、炭酸塩、塩基性塩などがある。具体的な例と
しては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸
化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化カ
ルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸
カルシウム、ステアリン酸カルシウム、フタル酸カルシ
ウム、亜燐酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉛、
ステアリン酸錫、塩基性亜燐酸鉛、塩基性亜燐酸錫など
を挙げることができる。
【0029】(その他の配合剤)本発明のゴム組成物に
は、必要に応じて、上記各成分以外に、本発明の効果、
目的を阻害しない範囲で、補強材、充填剤、老化防止
剤、酸化防止剤、光安定剤、スコーチ防止剤、架橋遅延
剤、可塑剤、加工助剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃
剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤などの添加剤をさらに
配合することができる。
【0030】また、本発明のゴム組成物の特性を損なわ
ない限り、他のゴム、エラストマーあるいは樹脂成分、
例えばアクリルゴム、オレフィン系エラストマー、スチ
レン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリ
エステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、
ポリウレタン系エラストマー、ポリシロキサン系エラス
トマー、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレ
ンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル
−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどを配合するこ
ともできる。
【0031】[エピハロヒドリン系ゴム組成物]本発明
のゴム組成物は、エピハロヒドリン系ゴム(a)、トリ
アジンチオール化合物(b)および周期律表第II族金
属のメタホウ酸塩(c)を含有し、さらに必要に応じて
その他の配合剤を含有する。
【0032】本発明のゴム組成物は、前記各成分を、ロ
ール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合
などの適宜の混合方法により配合することによって調製
することができる。配合順序は、特に限定されないが、
熱で分解しにくい成分(例えば、エピハロヒドリン系ゴ
ム(a)、周期律表第II族金属のメタホウ酸塩(c)
など)を充分に混合した後、熱で反応や分解しやすい成
分(例えばトリアジンチオール化合物(b)など)をな
るべく短時間に混合すればよい。
【0033】(成形および架橋)本発明のゴム組成物の
成形方法および架橋方法は、特に限定されない。成形方
法、架橋方法、架橋物の形状などの必要に応じて、成形
と架橋を同時に行うか、成形後に架橋すればよい。
【0034】また、本発明のゴム組成物は、加熱するこ
とにより架橋しうるものであるが、その際の加熱温度の
下限は、好ましくは130℃、より好ましくは140℃
であり、上限は、好ましくは200℃である。温度が低
すぎると架橋時間が長時間必要となったり、架橋密度が
低くなる場合がある。温度が高すぎる場合は、架橋が短
時間で進行し、成形不良を起こす場合がある。
【0035】また、架橋時間は、架橋方法、架橋温度、
形状などにより異なるが、1分以上、5時間以下の範囲
が架橋密度と生産効率の面から好ましい。
【0036】加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加
熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いら
れる方法を適宜選択すればよい。
【0037】(架橋物)本発明のゴム組成物の架橋物
は、例えば、自動車などの輸送機械、一般機器・装置、
電子・電気、建築などの幅広い分野において、シール
材、緩衝・保護材、電線被覆材、工業用ベルト類、ホー
ス類、シート類、ロール類などとして有用である。
【0038】
【実施例】実施例および比較例を挙げて、本発明をさら
に具体的に説明する。
【0039】実施例1〜3および比較例4〜5 エピクロルヒドリンゴム(a)(エピクロルヒドリン−
エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合
体、エピクロルヒドリン単位60重量%、エチレンオキ
シド単位36重量%、アリルグリシジルエーテル単位4
重量%、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)70)1
00重量部、FEFカーボンブラック(旭カーボン製、
旭#60)40重量部、加工助剤(ステアリン酸)2重
量部、ジチオカルバミン塩系老化防止剤(ジブチルジチ
オカルバミン酸ニッケル、大内新興化学工業製、ノクラ
ックNBC)1重量部、メタホウ酸バリウムを表1記載
の量、酸化マグネシウム(協和化学製、キョウワマグ1
00)を表1記載の量、炭酸カルシウム(白石カルシウ
ム製、白艶華CC)を表1記載の量、ハイドロタルサイ
ト(協和化学製、KW−2200)を表1記載の量をバ
ンバリーミキサーで混練した後、2,4,6−トリメル
カプト−s−トリアジン0.9重量部およびN−シクロ
ヘキシルチオフタルイミド1重量部を配合し、オープン
ロールで混練して、本発明のゴム組成物を調製した。
【0040】ゴム組成物を160℃の架橋プレスで30
分間加熱成形し、厚さ2mm、縦15cm、横15cm
のシート状、および高さ12.5mm、直径29mmの
円柱状の架橋物を製造した。
【0041】エピクロルヒドリンゴム組成物の物性およ
び架橋物の架橋物性を、JIS K−6301に準拠し
て評価した。貯蔵安定性は、ゴム組成物を、混練後、温
度23℃、湿度50%で24時間放置したもの(環境
I)と、温度50℃、湿度90%で24時間放置したも
の(環境II)の、ムーニースコーチ試験のムーニース
コーチ時間t5、t35および最低ムーニー粘度Vmi
nを測定した。ムーニースコーチ試験はL形ローターを
使用し、試験温度125℃で実施した。表1には環境I
に対する環境IIのt5の変化をΔt5(II−I)、
Vminの変化をΔVmin(II−I)として記載し
た。Δt5(II−I)とΔVmin(II−I)の各
絶対値が小さいほど、貯蔵安定性に優れることを意味す
る。
【0042】
【表1】
【0043】メタホウ酸塩を含有せず、代わりに酸化マ
グネシウムを含有する比較例1の組成物(特公昭48−
36926号公報に記載の技術)に比べると、本願発明
である実施例1〜3の組成物は、Δt5(II−I)と
ΔVmin(II−I)の各絶対値が小さく、貯蔵安定
性に優れている。また、メタホウ酸塩を含有せず、代わ
りに酸化マグネシウムと炭酸カルシウムを含有する比較
例2の組成物(特公昭56−5464号公報に記載の技
術)では、焼けが生じている。焼けとは、スコーチの発
生した結果であり、比較例2においては、そのために、
ΔVmin(II)およびΔVmin(II−I)が測
定できなくなった。また、本願発明である実施例1〜3
の架橋物は、従来技術である比較例1、2の架橋物と同
等である優れた機械的強度、圧縮永久ひずみ、耐熱老化
性などを示す。
【0044】
【発明の効果】本発明のゴム組成物は、各成分を混練
後、優れた加工安定性を示すだけではなく、混練後、長
期間貯蔵されてから架橋されても加工安定性などの変化
が少ないという優れた貯蔵安定性を示し、得られた架橋
物が機械的特性に優れ、圧縮永久歪みが小さい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エピハロヒドリン系ゴム(a)、トリア
    ジンチオール化合物(b)および周期律表第II族金属
    のメタホウ酸塩(c)を含有するゴム組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のゴム組成物を架橋してな
    る架橋物。
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