JP2005154686A - エピハロヒドリンゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 圧縮永久歪みの小さい架橋成形体を与えることができる、貯蔵安定性に優れたエピハロヒドリンゴム組成物を提供すること。
【解決手段】 (A)エピハロヒドリンゴム100重量部あたり、(B)架橋剤、(C)受酸剤及び(D)炭素数3〜20の鎖状飽和ジカルボン酸0.2〜2.0重量部を含有してなる、ムーニースコーチ時間t5の保持率が50%以上であるエピハロヒドリンゴム組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明はエピハロヒドリンゴム組成物に関し、詳しくは、貯蔵安定性に優れ、しかも圧縮永久歪みの小さな架橋成形体を与えるエピハロヒドリンゴム組成物に関する。
エピハロヒドリンゴムの架橋成形体は、架橋剤、受酸剤などの配合剤の検討選定の進歩により、耐油性、耐候性、耐オゾン性及び抗ガス透過性などの、従来から優れている特性に加えて圧縮永久歪みが改善され、耐熱性、耐熱老化性が向上した。その結果、エピハロヒドリンゴム架橋成形体は、ホース、チューブ、ダイヤフラム、ガスケット、O−リング、タイヤのインナーライナー、電線被覆材などの各種ゴム製品に広範に使用されるようになり、特に自動車用ゴム製品に好適に使われる材料となった。
しかしながら、エピハロヒドリンゴムの加工(架橋成形)においては、改善されてきたとはいえ下記問題が残されている。一つは、諸成分を配合して調製したゴム組成物の架橋成形以前の貯蔵段階に、部分的に架橋が進行するいわゆるスコーチが起きる問題であり、他は、架橋成形体の圧縮永久歪みが未だ十分に低減されていないという問題である。
一般に、スコーチを抑えて貯蔵の安定化を図ろうとしてN−シクロヘキシルチオフタルイミドなどの遅延剤を配合すると、エピハロヒドリンゴムの架橋成形体は圧縮永久歪みが増大する傾向がある。最近、架橋性塩素含有重合体組成物の貯蔵安定性を改善するために、ゼオライト化合物を配合することが提案された(特許文献1参照)。しかし、この架橋性組成物は圧縮永久歪みの大きな架橋物を与える傾向があり、その点を改良するために架橋剤を増量したり架橋促進剤を添加したりすると、スコーチを起こしやすくなるので依然として問題は解決されていない。
特開2000−63685号公報
本発明の目的は、圧縮永久歪みの小さい架橋成形体を与えることができる、貯蔵安定性に優れたエピハロヒドリンゴム組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究した結果、エピハロヒドリンゴムに特定のジカルボン酸化合物を特定量配合してなるゴム組成物で、しかも特定範囲のムーニースコーチ時間t5保持率を有する組成物によって上記目的が達成されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記(1)〜(3)が提供される。
1. (A)エピハロヒドリンゴム、(B)架橋剤、(C)受酸剤及び(D)前記エピハロヒドリンゴム100重量部あたり0.2〜2.0重量部の、炭素数3〜20の鎖状飽和ジカルボン酸を含有してなる、ムーニースコーチ時間t5の保持率が50%以上であるエピハロヒドリンゴム組成物。
2. 炭素数3〜20の鎖状飽和ジカルボン酸が、アジピン酸及びアゼライン酸から選ばれるものである前記1記載のエピハロヒドリンゴム組成物。
3. 上記1又は2記載のエピハロヒドリンゴム組成物を成形機で成形し、成形時の加熱により、又は、成形に続いて行う加熱により100℃以上で1分〜5時間かけて架橋する工程を有するエピハロヒドリンゴム架橋成形体の製造方法。
本発明によれば、圧縮永久歪みの小さい架橋成形体を与えることができる、貯蔵安定性に優れたエピハロヒドリンゴム組成物が提供される。
本発明のエピハロヒドリンゴム組成物は、(A)エピハロヒドリンゴム、(B)架橋剤、(C)受酸剤及び(D)前記エピハロヒドリンゴム100重量部あたり0.2〜2.0重量部の、炭素数3〜20の鎖状飽和ジカルボン酸を含有してなり、ムーニースコーチ時間t5の保持率が50%以上であることを特徴とする。
本発明で使用するエピハロヒドリンゴム(A)は、エピハロヒドリン単量体〔以下、「単量体(a1)」と記すことがある。〕の開環重合体、または、単量体(a1)およびこれと共重合可能な単量体との開環共重合体である。
単量体(a1)としては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、2−メチルエピクロルヒドリンなどが挙げられるが、なかでもエピクロルヒドリンが好ましい。
エピハロヒドリンゴムを構成する全単量体単位に対する単量体(a1)単位含有量は特に限定されないが、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは25〜90モル%、特に好ましくは30〜85モル%である。単量体(a1)単位含有量が少なすぎると架橋物の吸湿性が高くなる場合があり、多すぎると架橋物の耐寒性が劣るおそれがある。
単量体(a1)と共重合可能な単量体としては、オキシラン単量体が挙げられ、中でも、アルキレンオキシド〔以下、「単量体(a2)」と記すことがある。〕が好ましい。単量体(a2)の具体例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、1,2−エポキシ−4−クロロペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシエイコサン、1,2−エポキシイソブタン、2,3−エポキシイソブタンなどの、直鎖又は分岐鎖状アルキレンオキシド;1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロドデカンなどの環状アルキレンオキシド;などが挙げられる。これらの中でも直鎖状アルキレンオキシドが好ましく、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドが特に好ましい。上記アルキレンオキシドは、水素の一部がハロゲンで置換されたものであってもよい。
エピハロヒドリンゴムを構成する全単量体単位に対する単量体(a2)単位含有量は特に限定されないが、好ましくは0〜80モル%、より好ましくは10〜75モル%、特に好ましくは15〜70モル%である。単量体(a2)単位含有量が多すぎると成形時に架橋物が発泡しやすくなり、また、架橋物の吸湿性が高くなる可能性がある。
(A)成分のエピハロヒドリンゴムは、単量体(a1)と共重合可能なオキシラン単量体の少なくとも一部として、架橋性官能基を有する単量体(a3)を共重合成分として含んでいてもよい。単量体(a3)としては、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、o−アリルフェニルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル基を有する化合物;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジル−4−ヘプテノエート、グリシジルソルベート、グリシジルリノレート、3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、4−メチル−3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、グリシジル−4−メチル−3−ペンテノエートなどのグリシジルエステル基を有する化合物;3,4−エポキシ−1−ブテン、1,2−エポキシ−3−ペンテン、1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカジエンなどのエポキシ基含有不飽和炭化水素;などが挙げられる。これらの中でも、アリルグリシジルエーテルを用いると、架橋物が耐オゾン性に優れるので好ましい。
エピハロヒドリンゴム中の単量体(a3)単位含有量は特に限定されないが、好ましくは15モル%以下、より好ましくは10モル%以下である。単量体(a3)単位含有量が多すぎると、架橋物の破断伸びが低くなりすぎる場合がある。
エピハロヒドリンゴム(A)のムーニー粘度ML1+4 (100℃)は、通常、30〜160、好ましくは40〜120である。ムーニー粘度が低すぎても高すぎても配合剤との混練加工性が低下するので好ましくない。
本発明組成物が含有する架橋剤(B)としては、一般にエピハロヒドリンゴムの架橋に使用されるものであれば特に限定されず、硫黄、硫黄供与体、ジアジンチオール化合物、トリアジンチオール化合物、チアジアゾール化合物、チオウレア系化合物、有機過酸化物、ポリオール系化合物、メルカプトキノキサリン系化合物などが挙げられる。これらの中でも、耐熱老化性の観点からジアジンチオール化合物及びトリアジンチオール化合物が好ましい。
ジアジンチオール化合物の例としては、1,2−ジアジン−3,6−ジチオール、1,3−ジアジン−2,5−ジチオール、1,4−ジアジン−2,3−ジチオール、6−メチルアミノ−1,4−ジアジン−2,3−ジチオール、S,S−6−メチルキノキサリン−2,3−ジイルジチオカーボネートなどが挙げられ、1種単独で又は2種以上併せて使用される。
トリアジンチオール化合物としては、1,3,5−トリアジンジチオール及びその誘導体が例示される。1,3,5−トリアジンジチオールの誘導体としては、1,3,5−トリアジントリチオール、6−アニリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−メチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−エチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジエチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−プロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ヘキシルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−オクチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−デシルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオールなどを挙げることができ、1種単独でまたは2種以上併せて使用される。
架橋剤(B)の含有量は、それぞれの架橋剤の特性によって決めればよい。例えば、架橋剤としてジアジンチオール化合物又はトリアジンチオール化合物を用いる場合の含有量は、エピハロヒドリンゴム(A)100重量部あたり、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.2〜3重量部である。架橋剤が少なすぎると架橋速度や架橋密度が低下するおそれがあり、多すぎるとゴム組成物の貯蔵安定性が低下したり架橋密度が高くなりすぎて架橋成形体が脆くなる可能性がある。
本発明組成物は、架橋反応の際に副生する塩化水素などのハロゲン化水素を捕捉するために受酸剤(C)を含有する。受酸剤(C)としては、一般にエピハロヒドリンゴムの成形架橋時に受酸剤として使用されるものであれば特に限定されない。かかる受酸剤の例としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、硼酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フタル酸カルシウム、亜燐酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、メタホウ酸マグネシウム、メタホウ酸カルシウム、メタホウ酸バリウムなどの周期律表第2族金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、珪酸塩、硼酸塩、亜燐酸塩、メタホウ酸塩など;酸化錫、塩基性炭酸錫、ステアリン酸錫、塩基性亜燐酸錫、塩基性亜硫酸錫、酸化ケイ素、ステアリン酸ケイ素などの周期律表第14族金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜燐酸塩、塩基性亜硫酸塩など;ハイドロタルサイト類;特開平2002−179845号公報記載の水酸化アルミニウムゲル化合物;などが挙げられる。これらの中で、架橋速度を適切に調整しやすい点で、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、メタホウ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム(特に無定形が好ましい)、ハイドロタルサイト類及び水酸化アルミニウムゲル化合物が好ましい。
架橋剤によってより好ましい受酸剤があるので、それを主要成分として活用することが好ましい。例えば、トリアジンチオール化合物に対しては酸化マグネシウム及び炭酸カルシウムを、ジアジンチオール化合物〔ダイソネットXL−21:S,S−メチルキノクサリン−2,3−ジイルジチオカーボネート(ダイソー社製)など〕に対しては炭酸カルシウム及び水酸化カルシウムを、ポリチオール系化合物に対しては炭酸バリウムをそれぞれ主要成分とし、適宜、これにケイ酸マグネシウム(無定形)、ハイドロタルサイト類、水酸化アルミニウムゲル化合物などを併用すると好ましい。
受酸剤(C)の含有量は、エピハロヒドリンゴム(A)100重量部あたり、好ましくは0.5〜30重量部、より好ましくは1〜25重量部である。受酸剤が少なすぎると架橋密度が小さくなったり、耐熱老化性が低下したりするおそれがあり、多すぎるとゴム組成物の貯蔵安定性が低下したり、架橋成形体の引張強さや伸びが不十分になったりする可能性がある。
本発明のエピハロヒドリンゴム組成物は、スコーチを防止し、かつ、圧縮永久歪みの小さな架橋成形体を与える目的で炭素数3〜20の鎖状飽和ジカルボン酸(D)を含有する。炭素数3〜20の鎖状飽和ジカルボン酸としては、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの直鎖状飽和ジカルボン酸;メチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、2−メチル−3−プロピルアジピン酸などの分岐鎖状飽和ジカルボン酸が挙げられる。これらのジカルボン酸の炭素数が小さすぎると圧縮永久歪みが増大するおそれがあり、逆に、大きすぎると架橋遅延効果が得られない可能性がある。該ジカルボン酸は1種単独で、又は2種以上併せて用いることができる。これらの中でもアジピン酸及びアゼライン酸から選ばれるものが好ましい。
本発明組成物において、炭素数3〜20の鎖状飽和ジカルボン酸(D)は、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、スルホン酸基などの極性基を含有しない方が好ましい。
炭素数3〜20の鎖状飽和ジカルボン酸(D)の含有量は、エピハロヒドリンゴム(A)100重量部あたり、0.2〜2.0重量部、好ましくは0.5〜1.5重量部である。炭素数3〜20の鎖状飽和ジカルボン酸(D)の含有量が前記範囲にあると、ゴム組成物の貯蔵安定性に優れ、圧縮永久歪みが小さくなる。
本発明のエピハロヒドリンゴム組成物には、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、架橋促進剤、補強材、充填剤、老化防止剤、光安定剤、可塑剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤などの添加剤を配合してもよい。
また、上記エピハロヒドリンゴム組成物には、必要に応じて、エピハロヒドリンゴム以外のゴム、エラストマー、樹脂などをさらに配合してもよい。例えば、天然ゴム、アクリルゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどのゴム;オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリシロキサン系エラストマーなどのエラストマー;ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂などの樹脂;などを配合することができる。
上記エピハロヒドリンゴム組成物の調製には、ロール、バンバリーミキサ、スクリュー混合機などの混合機を適宜採用できる。ゴム成分及びその他の配合剤の配合順序は特に限定されないが、先ず、熱によって他成分と反応したり分解したりしにくい成分をバンバリーミキサ等で十分に混ぜ合わせた後、熱によって他成分と反応したり分解したりし易い成分をロール等により反応や分解を起こさない温度で短時間で混合するという手順を採るのが好ましい。
本発明において、上記のようにして調製されたエピハロヒドリンゴム組成物のムーニースコーチ時間t5の保持率が50%以上であることが必要である。
ここで、ムーニースコーチ時間t5の保持率は、エピハロヒドリンゴム組成物を調製後、温度23℃、相対湿度55%の雰囲気(環境I)に24時間置いたものと、温度40℃、相対湿度80%の雰囲気(環境II)に24時間置いたものとをJIS K6300に従い、125℃でLローターを使って測定したムーニースコーチ時間(t5)につき、環境IIにおける値の環境Iにおける値に対する百分率である。t5保持率が50%未満であると、エピハロヒドリンゴム組成物は貯蔵安定性が不十分である。
本発明のエピハロヒドリンゴム組成物は、成形機で成形し、成形時の加熱により、又は、成形に続いて行う加熱により架橋成形体とすることができる。前記加熱は100℃以上で1分〜5時間かけて行うのが好ましい。すなわち、本発明のエピハロヒドリンゴム架橋成形体の製造方法は、本発明のエピハロヒドリンゴム組成物を成形機で成形し、成形時の加熱により、又は、成形に続いて行う加熱により100℃以上で1分〜5時間かけて架橋する工程を有することを特徴とする。
エピハロヒドリンゴム組成物を架橋する際には、前記工程を一次架橋工程とし、必要に応じて、一次架橋物を100〜220℃で0.5〜48時間加熱して二次架橋する工程をさらに加えてもよい。
一次架橋の方法としては、押出機を使用して上記エピハロヒドリンゴム組成物を押出す時の加熱又は押出しに続く加熱により一次架橋する方法;射出成形機、押出ブロー成形機、トランスファー成形機、プレス成形機などによって金型を使用して成形し、成形時の加熱又は成形に続く加熱により一次架橋する方法;などが挙げられる。成形方法、一次架橋方法、成形と一次架橋を同時に行うか、成形後に一次架橋するかは適宜選択することができる。
成形における温度は100℃以上、好ましくは120〜200℃である。一次架橋の条件は、100℃以上、好ましくは120℃〜250℃で、1分〜5時間、好ましくは5分〜2時間の加熱である。一次架橋の温度が低すぎると架橋時間が長時間必要となったり、架橋密度が低くなったりするおそれがある。逆に、温度が高すぎると架橋が短時間で進行し、成形不良を起こす可能性がある。
一次架橋成形品に対して必要に応じて行う二次架橋の条件は、100〜220℃、好ましくは130〜200℃、より好ましくは150〜180℃で、0.5〜48時間、好ましくは0.7〜24時間、より好ましくは1〜12時間加熱する。二次架橋を行うことにより、架橋ゴムの圧縮永久歪みがより小さくなる。二次架橋の温度が低すぎると、ブルームが発生するおそれがあり、逆に、高すぎると得られる架橋物の表面に粘着が生じる可能性がある。
本発明のエピハロヒドリンゴム組成物は貯蔵安定性が高く、しかもその架橋成形体は圧縮永久歪みが極めて小さいので、自動車等輸送機械、一般機器・装置、電子・電気機器、建築などの幅広い用途で、シール材、緩衝・保護材、電線被覆材、ベルト類、ホース類、シート類、ロール類などとして有用である。
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。ただし本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。以下において、〔部〕及び〔%〕は、特に断わりのない限り重量基準である。
試験法は下記によった。
(1)貯蔵安定性(スコーチ試験)
ムーニースコーチ試験は、エピクロルヒドリンゴム組成物を調製後、温度23℃、相対湿度55%の雰囲気(環境I)に24時間置いたものと、温度40℃、相対湿度80%の雰囲気(環境II)に24時間置いたものについて、JIS K6300に従い、125℃でLローターを使ってムーニースコーチ時間(t5)及びムーニー粘度〔ML1+4 (100℃)〕の最低値(Vmin)を測定した。
又、環境IIにおけるt5の環境Iにおけるt5に対する百分率をt5保持率として求めた。この値が大きいほど温度に対する貯蔵安定性が大きいことを示す。
(2)架橋物の常態物性
エピクロルヒドリンゴム組成物を160℃、20分間のプレスによって成形、一次架橋して縦15cm×横15cm×厚み2mmのシートを得、これを150℃のオーブン内に1時間置いて二次架橋してからJIS 3号ダンベル形状の試験片を作製した。この試験片5枚を用いて引張強度、100%引張応力及び破断伸び(伸び)をJIS K6251に従って、また、硬さ試験をJIS K6253に従ってそれぞれ測定して平均値を求め、常態物性とした。
(3)圧縮永久歪み
圧縮永久歪みは、上記(2)と同様にして作製したシートを160℃のオーブン内に30分置いて二次架橋してから、圧縮永久ひずみをJIS K6262に従って135℃、72時間の条件で測定した。
(実施例1)
バンバリーミキサで、エピクロルヒドリンゴム(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合体:日本ゼオン株式会社製、Gechron3105〔塩素含量中心値27.5wt%、ムーニー粘度76.5〕)100部、加工助剤のソルビタンモノステアレート(スプレンダーR300、花王社製)3部及び補強材のカーボンブラック(旭60、旭カーボン社製)40部、受酸剤の酸化マグネシウム(MgO100、協和化学社製)3部及び炭酸カルシウム(白艶華CC、白石工業社製、約2%のステアリン酸カルシウムで表面処理、平均粒径0.04μm)5部、アジピン酸(関東電化社製)1部及び老化防止剤ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(ノクラックNBC、大内新興化学社製)1.0部をバンバリーミキサで50℃で混練した。次に、この混練物に架橋剤の1,3,5−トリアジントリチオール0.9部、貯蔵安定剤のN−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド(サントガードPVI、三菱モンサント化成社製)1.0部を添加し、ロールを用いて混練してエピクロルヒドリンゴム組成物を調製した。このゴム組成物を用いて貯蔵安定性、架橋物の常態物性及び圧縮永久歪みを試験、評価した結果を表1に示す。
(実施例2〜4、比較例1〜4)
表1に示す成分および部数の配合で、実施例1と同様にしてエピクロルヒドリンゴム組成物を調製し、実施例1と同様にして試験、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2005154686
表1が示すように、本発明の要件を満たすエピクルヒドリンゴム組成物はいずれも、貯蔵安定性に優れ、圧縮永久歪みが小さかった(実施例1〜4)。
一方、(D)成分である炭素数3〜20の鎖状飽和ジカルボン酸の含有量が本発明規定の範囲に満たない場合には(比較例1)、スコーチ試験において、環境(I)及び環境(II)のいずれにおいてもスコーチ時間(t5)が短く貯蔵安定性に劣り、鎖状飽和ジカルボン酸の代わりに芳香族ジカルボン酸である無水フタル酸を用いた場合(比較例2)、その他の化合物を用いた場合(比較例3及び比較例4)には、エピクロルヒドリンゴム組成物は貯蔵安定性に劣り、圧縮永久歪みも大きかった。

Claims (3)

  1. (A)エピハロヒドリンゴム、(B)架橋剤、(C)受酸剤及び(D)前記エピハロヒドリンゴム100重量部あたり0.2〜2.0重量部の、炭素数3〜20の鎖状飽和ジカルボン酸を含有してなる、ムーニースコーチ時間t5の保持率が50%以上であるエピハロヒドリンゴム組成物。
  2. 炭素数3〜20の鎖状飽和ジカルボン酸が、アジピン酸及びアゼライン酸から選ばれるものである請求項1記載のエピハロヒドリンゴム組成物。
  3. 請求項1又は2記載のエピハロヒドリンゴム組成物を成形機で成形し、成形時の加熱により、又は、成形に続いて行う加熱により100℃以上で1分〜5時間かけて架橋する工程を有するエピハロヒドリンゴム架橋成形体の製造方法。

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