JP2005187522A - ハロゲン含有ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高度の難燃性を有する架橋成形体を与えることのできる、環境安全性の高い難燃剤を含有するハロゲン含有ゴム組成物を提供すること。
【解決手段】 ハロゲン含有ゴム(A)、架橋剤(B)、及び、前記ハロゲン含有ゴム(A)100重量部あたり0.1〜30重量部の、pH0.1〜6.8の膨張性黒鉛(C)を含有してなるハロゲン含有ゴム組成物。本発明のハロゲン含有ゴム組成物による架橋成形体は、環境安全性の高い難燃剤を含有していて優れた難燃性を有し、しかもゴム弾性及び機械的強度に優れるので、免震材、防振材、断熱材、吸音材、遮音材、電線被覆材等のほか、一般的なゴムの用途である、シール材、緩衝・保護材、ベルト類、ホース類、シート類、ロール類などとして有用である。
【選択図】 なし

Description

本発明はハロゲン含有ゴム組成物に関し、さらに詳しくは、環境安全性が高く、優れた難燃性を有する架橋成形体を提供することのできる、ハロゲン含有ゴム組成物に関する。
ハロゲン含有ゴムの架橋成形体は、耐油性、耐熱老化性、耐候性及び耐オゾン性などに優れ、また、圧縮永久歪みが小さい。そのため、従来からホース、チューブ、ダイヤフラム、ガスケット、タイヤのインナーライナー、電線被覆材などの自動車を含む各種の機器のゴム部品や、防振材、防水材などの建築・土木資材として広く使用されている。
近年、環境汚染防止への取り組みが進むのに伴い、世界各国で環境汚染を起こす疑いのある化学物質の使用について管理や制限がなされるようになってきており、わが国においても平成12年3月に環境汚染物質排出管理改善促進法(PRTR法)が公布され、翌年4月から計435種の指定化学物質につき、その有害性のランクに応じて規定濃度以上の化学物質やその使用物を排出又は移動する場合に、それらの量を報告することが義務づけられている。
エピハロヒドリンゴムなどのハロゲン含有ゴムの加工に関してもこの影響が及んでおり、高い難燃効果を有する難燃剤として広く使用されている三酸化アンチモンなどのアンチモン及びその化合物は、PRTR法により第一種化学物質として使用量、排出量等を年1回自治体に届け出る義務があるものと指定されている。
三酸化アンチモンに代るゴム配合用難燃剤としては、以前より鱗片状又は土塊状の膨張性黒鉛の利用が試みられている。例えば、特許文献1は、ゴム物質にリン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、及び、無機充填剤からなる耐火性ゴム組成物を開示している。しかし、同文献の実施例にあるように、熱膨張性黒鉛がゴム100重量部に対して30〜80重量部と大量に配合されるので、架橋成形体はゴム弾性や機械的強度が大幅に低下してしまう。また、特許文献2は、原料ゴムに膨張性黒鉛粉末を加えた混練ゴムを成形してなる難燃性ゴム成形品を提案している。しかし、原料ゴムとしてハロゲン含有ゴムのネオプレンを用いた実施例では、天然ゴムを用いた実施例の場合と同等に着火、着炎しており、ある程度の燃焼遅延効果が見られたにしても難燃化が不十分であることは明らかである。
そのため、高度の難燃性ハロゲン含有ゴム架橋成形体を与えることのできる、環境安全性の高いハロゲン含有ゴム組成物が求められるようになった。
特開平10−7838号公報 特開2002−69201号公報
以上の事情に鑑み、本発明の目的は、高度の難燃性を有する架橋成形体を与えることのできる、環境安全性の高いハロゲン含有ゴム組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究した結果、従来、難燃剤としての利用が試みられてきた膨張性黒鉛を、特定の状態で用いてハロゲン含有ゴムに配合した組成物により上記目的が達成されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記1〜3が提供される。
1. ハロゲン含有ゴム(A)、架橋剤(B)、及び、前記ハロゲン含有ゴム(A)100重量部あたり0.1〜30重量部の、pH0.1〜6.8の膨張性黒鉛(C)を含有してなるハロゲン含有ゴム組成物。
2. さらに受酸剤(D)を含有してなる上記1記載のハロゲン含有ゴム組成物。
3. 上記1又は2記載のハロゲン含有ゴム組成物を架橋、成形してなるハロゲン含有ゴム架橋成形体。
本発明によれば、高度の難燃性を有する架橋成形体を与えることのできる、環境安全性の高いハロゲン含有ゴム組成物が提供される。
本発明のハロゲン含有ゴム組成物は、ハロゲン含有ゴム(A)、架橋剤(B)、及び、前記ハロゲン含有ゴム(A)100重量部あたり0.1〜30重量部の、pH0.1〜6.8の膨張性黒鉛(C)を含有してなることを特徴とする。
本発明に用いるハロゲン含有ゴムは、重合体鎖にハロゲン原子が結合しているゴムであり、ハロゲン含有量が、好ましくは0.3〜75重量%、より好ましくは10〜45重量%であり、特に好ましくは15〜40重量%のものである。ハロゲン含有ゴムの例としては、ハロゲン化ポリエチレン、エピハロヒドリンゴム、クロロプレンゴム、ハロゲン化天然ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ハロゲン化エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、ハロゲン原子を有するモノマーを共重合したアクリルゴムなどが挙げられる。
好ましいハロゲン含有ゴムとしてエピハロヒドリンゴムが挙げられ、特にエピクロルヒドリンゴムが好ましい。エピハロヒドリンゴムは、エピハロヒドリン単量体〔以下、「単量体(a1)」と記すことがある。〕の開環重合体、または、単量体(a1)およびこれと共重合可能な単量体との開環共重合体である。
単量体(a1)としては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、2−メチルエピクロルヒドリンなどが挙げられるが、なかでもエピクロルヒドリンが好ましい。
エピハロヒドリンゴムを構成する全単量体単位に対する単量体(a1)単位含有量は特に限定されないが、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは25〜90モル%、特に好ましくは30〜85モル%である。単量体(a1)単位含有量が少なすぎると架橋成形体の吸湿性が高くなる場合があり、多すぎると架橋成形体の耐寒性が劣るおそれがある。
単量体(a1)と共重合可能な単量体としては、オキシラン単量体が挙げられ、中でも、アルキレンオキシド〔以下、「単量体(a2)」と記すことがある。〕が好ましい。単量体(a2)の具体例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、1,2−エポキシ−4−クロロペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシエイコサン、1,2−エポキシイソブタン、2,3−エポキシイソブタンなどの、直鎖又は分岐鎖状アルキレンオキシド;1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロドデカンなどの環状アルキレンオキシド;などが挙げられる。これらの中でも直鎖状アルキレンオキシドが好ましく、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドが特に好ましい。上記アルキレンオキシドは、一部の水素原子がハロゲン原子で置換されたもの(エピハロヒドリンを除く)であってもよい。
エピハロヒドリンゴムを構成する全単量体単位に対する単量体(a2)単位含有量は特に限定されないが、好ましくは0〜80モル%、より好ましくは10〜75モル%、特に好ましくは15〜70モル%である。単量体(a2)単位含有量が多すぎると成形時に架橋成形体が発泡しやすくなり、また、架橋成形体の吸湿性が高くなる可能性がある。
エピハロヒドリンゴムは、単量体(a1)と共重合可能なオキシラン単量体の少なくとも一部として、架橋性官能基を有する単量体(a3)を共重合成分として含んでいてもよい。単量体(a3)としては、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、o−アリルフェニルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル基を有する化合物;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジル−4−ヘプテノエート、グリシジルソルベート、グリシジルリノレート、3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、4−メチル−3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、グリシジル−4−メチル−3−ペンテノエートなどのグリシジルエステル基を有する化合物;3,4−エポキシ−1−ブテン、1,2−エポキシ−3−ペンテン、1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカジエンなどのエポキシ基含有不飽和炭化水素;などが挙げられる。これらの中でも、アリルグリシジルエーテルを用いると、架橋成形体が耐オゾン性に優れるので好ましい。
エピハロヒドリンゴム中の単量体(a3)単位含有量は特に限定されないが、好ましくは15モル%以下、より好ましくは10モル%以下である。単量体(a3)単位含有量が多すぎると、架橋成形体の破断伸びが低くなりすぎる場合がある。
本発明に用いるハロゲン含有ゴムの100℃でのムーニー粘度(ML1+4)は、好ましくは20〜150、より好ましくは30〜120、特に好ましくは35〜100である。このムーニー粘度が低すぎると成形加工時の形状保持性が劣ったり、粘着性が強くなったりするおそれがあり、高すぎると成形加工時の流動性が劣ったり、寸法安定性が低下したりする可能性がある。
本発明組成物が含有する架橋剤(B)としては、ハロゲン含有ゴム組成物を架橋できるものであれば、特に限定されず、硫黄、硫黄供与体、チオウレア系化合物、有機過酸化物、ポリオール系化合物、ポリチオール系化合物、メルカプトアジン系化合物などが挙げられるが、耐熱老化性の点からメルカプトアジン系化合物が好ましい。
メルカプトアジン系化合物の例としては、1,2−ジアジン−3,6−ジチオール、1,3−ジアジン−2,5−ジチオール、1,4−ジアジン−2,3−ジチオール、6−メチルアミノ−1,4−ジアジン−2,3−ジチオール、S,S−6−メチルキノキサリン−2,3−ジイルジチオカーボネートなどのジアジンチオール系化合物;1,3,5−トリアジンジチオール、1,3,5−トリアジントリチオール、6−アニリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−メチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−エチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジエチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−プロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ヘキシルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−オクチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−デシルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオールなどのトリアジンチオール系化合物;を挙げることができ、1種単独でまたは2種以上併せて使用される。
架橋剤(B)の含有量は、それぞれの架橋剤の特性、架橋するゴム組成物の特性、架橋成形体の使用目的などによって決めればよい。例えば、架橋剤(B)として1,3,5−トリアジントリチオールを用いる場合の含有量は、ハロゲン含有ゴム100重量部あたり、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.2〜3重量部である。架橋剤が少なすぎると架橋速度や架橋密度が低下するおそれがあり、多すぎるとゴム組成物がスコーチを起こしやすく、また、架橋密度が高くなりすぎて架橋成形体が脆くなる可能性がある。
本発明に用いる膨張性黒鉛(C)は、その1gの粉末を100mlの水に添加し、撹拌、分散させた分散水の23℃におけるpHが0.1〜6.8、好ましくは0.5〜6.5、より好ましくは1〜5のものである。前記pHが高すぎると難燃剤としての効果が低下する可能性がある。
また、本発明に用いる膨張性黒鉛(C)は、鱗片状又は土塊状の形態を有するものが好ましく、その平均粒径は、通常、60〜400μmであるのが好ましい。
膨張性黒鉛は、天然鉱山で採掘され、強酸洗浄後高温化アルカリ中で焼結されて99%以上の純度になってから、濃硫酸、硝酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩等の酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成せしめてなる結晶化合物である。
樹脂やゴム等に従来用いられている膨張性黒鉛は、前記化学処理の後、中和、洗浄を経て乾燥してなるものであり、そのpHは一般的には前記範囲外のものである。従って、本発明の膨張性黒鉛(C)を調製するには、前記中和処理をせずに乾燥したものを用いてもよいし、前記の従来用いられてきた中和、乾燥品を再度硫酸、塩酸等の酸で処理して乾燥したものを用いてもよい。また、形態の異なる膨張性黒鉛を数種類混合して使用してもよい。
膨張性黒鉛は、公知のように、火炎等によって常温から800〜1,000℃に急速加熱されると、発泡セルを形成しつつ100〜300倍に膨張する性質を有しており、この発泡セルが空気及び熱を遮断することにより難燃剤として作用する。しかしながら黒鉛自体は酸化雰囲気では500℃以上の温度になれば燃焼するものであるので、従来の膨張性黒鉛配合ゴムは難燃化が不十分であった。本発明組成物による架橋成形体が著しく難燃性に優れる理由は必ずしも明確ではないが、火炎によってハロゲン含有ゴムから発生するハロゲンガスを、酸性である膨張性黒鉛がハロゲン化水素の形で吸着して、その表面が酸化雰囲気になるのを阻止するため、黒鉛の燃焼が防止されるものと推測される。
膨張性黒鉛はPRTR法の指定物質ではなく、環境安全性の高いものである。
膨張性黒鉛(C)の含有量は、ハロゲン含有ゴム(A)100重量部あたり
0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜28重量部、より好ましくは1〜26重量部である。膨張性黒鉛(C)の含有量が少なすぎると架橋成形体は難燃性に劣るおそれがあり、多すぎると架橋成形体のゴム弾性及び機械的強度を損なう可能性がある。
本発明組成物は、架橋反応の際に副生する塩化水素などのハロゲン化水素を捕捉するために受酸剤(D)を含有することが好ましい。受酸剤(D)としては、一般にエピハロヒドリンゴムの成形架橋時に受酸剤として使用されるものであれば特に限定されない。かかる受酸剤(D)の例としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、硼酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フタル酸カルシウム、亜燐酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、メタホウ酸マグネシウム、メタホウ酸カルシウム、メタホウ酸バリウムなどの周期律表第2族金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、珪酸塩、硼酸塩、亜燐酸塩、メタホウ酸塩など;酸化錫、塩基性炭酸錫、ステアリン酸錫、塩基性亜燐酸錫、塩基性亜硫酸錫、酸化ケイ素、ステアリン酸ケイ素などの周期律表第14族金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜燐酸塩、塩基性亜硫酸塩など;ハイドロタルサイト類;水酸化アルミニウムゲル化合物;などが挙げられる。これらの中で、架橋速度を適切に調整しやすい点で、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、メタホウ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム(特に無定形が好ましい)、ハイドロタルサイト類及び水酸化アルミニウムゲル化合物(特に特開平2002−179845号公報記載のものが好ましい)が好ましい。
使用する架橋剤によってより好ましい受酸剤があるので、それらを組み合わせて使用することが好ましい。例えば、トリアジンチオール化合物に対しては酸化マグネシウム及び炭酸カルシウムを、ジアジンチオール化合物〔ダイソネットXL−21:S,S−メチルキノキサリン−2,3−ジイルジチオカーボネート(ダイソー社製)など〕に対しては炭酸カルシウム及び水酸化カルシウムを、ポリチオール系化合物に対しては炭酸バリウムをそれぞれ主要成分とし、適宜、これにケイ酸マグネシウム(無定形)、ハイドロタルサイト類、水酸化アルミニウムゲル化合物などを併用すると好ましい。
受酸剤(D)の含有量は、ハロゲン含有ゴム(A)100重量部あたり、好ましくは0.5〜30重量部、より好ましくは1〜25重量部である。受酸剤が少なすぎると架橋密度が小さくなったり、耐熱老化性が低下したりするおそれがあり、多すぎるとゴム組成物の貯蔵安定性が低下したり、架橋成形体の引張強さや伸びが不十分になったりする可能性がある。
本発明のハロゲン含有ゴム組成物には、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、遅延剤、架橋促進剤、補強材、充填剤、老化防止剤、光安定剤、加工助剤、可塑剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤などの添加剤を配合してもよい。
また、上記ハロゲン含有ゴム組成物には、必要に応じて、ハロゲン含有ゴム以外のゴム、エラストマー、樹脂などをさらに配合してもよい。例えば、当該ハロゲン含有ゴム以外のハロゲン含有ゴム、天然ゴム、アクリルゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどのゴム;オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリシロキサン系エラストマーなどのエラストマー;ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂などの樹脂;などを配合することができる。
上記ハロゲン含有ゴム組成物の調製には、ロール、バンバリーミキサ、スクリュー混合機などの混合機を適宜採用できる。ゴム成分及びその他の配合剤の配合順序は特に限定されないが、先ず、熱によって他成分と反応したり分解したりしにくい成分をバンバリーミキサ等で十分に混ぜ合わせた後、熱によって他成分と反応したり分解したりし易い成分をロール等により反応や分解を起こさない温度で短時間で混合するという手順を採るのが好ましい。
本発明のハロゲン含有ゴム組成物は、成形機で成形し、成形時の加熱により、又は、成形に続いて行う加熱により架橋成形体とすることができる。前記加熱は加熱温度が、通常、100℃以上、好ましくは120〜250℃で、加熱時間が、通常、1分〜5時間、好ましくは5分〜2時間である。すなわち、本発明のハロゲン含有ゴム架橋成形体は、本発明のハロゲン含有ゴム組成物を成形機で成形し、成形時の加熱により、又は、成形に続いて行う加熱により前記加熱条件により架橋する工程を持つことによって得られる。
前記成形機としては、押出機、射出成形機、押出ブロー成形機、トランスファー成形機、プレス成形機などが挙げられる。
ハロゲン含有ゴム組成物を架橋する際には、前記工程を一次架橋工程とし、必要に応じて、該工程で得られた一次架橋成形体をさらに加熱する二次架橋工程を加えてもよい。
一次架橋成形体に対して必要に応じて行う二次架橋の条件は、加熱温度が、通常、100〜220℃、好ましくは130〜200℃、より好ましくは150〜180℃で、加熱時間が、通常、0.5〜48時間、好ましくは0.7〜24時間、より好ましくは1〜12時間である。二次架橋を行うことにより、架橋ゴムの圧縮永久歪みがより小さくなる。二次架橋の温度が低すぎると、ブルームが発生するおそれがあり、逆に、高すぎると得られる架橋成形体の表面に粘着が生じる可能性がある。
本発明のハロゲン含有ゴム架橋成形体は、環境安全性の高い難燃剤を含有していて優れた難燃性を有し、しかもゴム弾性及び機械的強度に優れるので、免震材、防振材、断熱材、吸音材、遮音材、電線被覆材等のほか、一般的なゴムの用途である、シール材、緩衝・保護材、ベルト類、ホース類、シート類、ロール類などとして有用である。
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。ただし本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。以下において、〔部〕及び〔%〕は、特に断わりのない限り重量基準である。
試験法は下記によった。
(1)膨張性黒鉛のpH
膨張性黒鉛1gを100mlの水に添加し、攪拌して分散させた後、その分散水の23℃におけるpHを測定した。
(2)架橋試験
架橋試験は、組成物調製後、温度23℃、相対湿度55%の雰囲気に24時間置いたハロゲン含有ゴム組成物についてJIS K6300に従い、キュラストメーター(日合商事社製)を用いて160℃における最大トルク(MH)及び最小トルク(ML)を測定した。
(3)架橋成形体の常態物性
ハロゲン含有ゴム組成物を160℃、30分間のプレスによって成形、一次架橋して縦15cm×横15cm×厚み2mmのシートを得、これをJIS3号ダンベル形状の試験片を作製した。この試験片4枚を用いて引張強度、100%、200%及び300%引張応力並びに破断伸び(伸び)をJIS K6251に従って、また、硬さ試験をJIS K6253に従って測定して平均値を求め、常態物性とした。
(4)燃焼試験
燃焼試験は、JIS D1201「自動車室内用有機資材の燃焼性試験方法」に準じて測定した。試験片はハロゲン含有ゴム組成物を160℃、30分間のプレスによって成形、一次架橋して縦36cm×横10cm×厚み2mmのシートを5枚作製し、これを前記燃焼性試験方法でその燃焼特性を測定した。測定機器はMVSS燃焼性試験器「MVSS−2型」を用いた。
試験片に着炎しても間もなく消炎し、炎が最初の測定点に到達しない場合は「自消性」と評価した。また、炎が最初の測定点に到達する場合で燃焼速度が10cm/min未満の場合は「遅燃性」と評価した。
実施例1
バンバリーミキサに、エピクロルヒドリンゴム〔エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合体;日本ゼオン株式会社製、Gechron3105(塩素含量中心値27.5%、ムーニー粘度76.5)〕100部、加工助剤のソルビタンモノステアレート(スプレンダーR300、花王社製)3部、老化防止剤ジメチルカルバミン酸ニッケル(ノクラックNBC、大内新興化学社製)1部、難燃剤の膨張性黒鉛1(SFF,中越黒鉛工業所社製、pH3、粒度:20〜42メッシュ20%,42〜80メッシュ70%,−80メッシュ10%)5部、受酸剤の酸化マグネシウム(MgO100、協和化学社製)3部、補強剤のカーボンブラック(旭60、旭カーボン社製)3部及び炭酸カルシウム(白艶華CC、白石工業社製、約2%のステアリン酸カルシウムで表面処理、平均粒径0.04μm)5部を入れ、50℃で混練した。次に、この混練物に架橋剤の1,3,5−トリアジントリチオール0.9部及び遅延剤N−シクロヘキシルチオフタルイミド(サントガードPVI、三菱化学エムケーブイ社製)1部を添加し、ロールを用いて混練してエピクロルヒドリンゴム組成物を調製した。このゴム組成物を用いて架橋試験、架橋成形体の常態物性及び燃焼試験を試験、評価した結果を表1に示す。
実施例2〜3、比較例1〜2
表1に示す成分および部数の配合で、実施例1と同様にしてエピクロルヒドリンゴム組成物を調製し、実施例1と同様にして試験、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2005187522

*1:膨張性黒鉛2(SMF、中越黒鉛工業所社製、pH3、粒度:20〜42メッシュ40%,42〜80メッシュ50%,−80メッシュ10%)
*2:膨張性黒鉛3(SS−3N、住金エア・ウォーター・ケミカル製、pH7.9、粒度:60メッシュ91.2%)
*3:三酸化アンチモン(日本化学産業製)
表1が示すように、環境安全性の高い膨張性黒鉛を難燃剤に用いたエピクロルヒドリンゴム組成物の架橋成形体は、膨張性黒鉛のpHが3の場合(実施例1、2)はいずれの架橋成形体試料も難燃性が著しく高くて燃焼せず、かつ、架橋試験及び常態物性は従来の難燃剤の三酸化アンチモンを用いた場合(比較例2)に勝るとも劣らなかった。従来より公知の、中和処理された膨張性黒鉛を用いた場合は(比較例1)、常態物性(引張強さ、伸び並びに100、200および300%引張応力)および難燃性に劣る架橋成形体を与えた。

Claims (3)

  1. ハロゲン含有ゴム(A)、架橋剤(B)、及び、前記ハロゲン含有ゴム(A)100重量部あたり0.1〜30重量部の、pH0.1〜6.8の膨張性黒鉛(C)を含有してなるハロゲン含有ゴム組成物。
  2. さらに受酸剤(D)を含有してなる請求項1記載のハロゲン含有ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2記載のハロゲン含有ゴム組成物を架橋、成形してなるハロゲン含有ゴム架橋成形体。

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