JP2000248167A - ゴム組成物およびその架橋物 - Google Patents

ゴム組成物およびその架橋物

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JP2000248167A JP5010499A JP5010499A JP2000248167A JP 2000248167 A JP2000248167 A JP 2000248167A JP 5010499 A JP5010499 A JP 5010499A JP 5010499 A JP5010499 A JP 5010499A JP 2000248167 A JP2000248167 A JP 2000248167A
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epihalohydrin
rubber
crosslinking
triazine
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Shigeru Fujita
茂 藤田
Akio Fujino
昭夫 藤野
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵安定性、架橋速度、架橋物の機械的特性
などのバランスに優れたエピハロヒドリン系ゴム組成物
およびその架橋物を提供する。 【解決手段】 (a)エピハロヒドリン系ゴム、(b)
トリアジンチオール化合物、(c)酸受容体および
(d)2価または3価の金属強酸塩を含有するゴム組成
物を調製し、該ゴム組成物を架橋して架橋物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は加硫可能なエピハロ
ヒドリン系ゴム組成物およびそれを架橋してなる架橋物
に関するものであり、更に詳しくは貯蔵安定性と早期加
硫に対して優れた加工安定性を有し、しかも機械的特性
に優れた加硫物を与えるエピハロヒドリン系ゴム組成物
およびそれを架橋してなる架橋物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エピハロヒドリン系ゴムは、エピハロヒ
ドリンを主たる構造単位とするエラストマー状重合体
で、耐油性、耐熱性、耐侯性、耐オゾン性、耐圧縮永久
歪み性などが良好であり、エピハロヒドリン系ゴムを含
有するゴム組成物は、従来からホース、チューブやダイ
アフラムなどの各種成形品として使用されている。
【0003】エピハロヒドリン系ゴムに対する架橋剤と
しては、ポリアミン誘導体(例えば、アメリカ特許30
26270号など)、エチレンチオウレア(例えば、特
公昭43−5758号公報など)、トリアジンチオール
誘導体(例えば、特公昭48−36926号公報など)
などが知られている。しかし、ポリアミン誘導体を用い
る架橋は、スコーチが早く適当な架橋速度のものが得に
くかったり、また耐熱老化性が悪いため実用的ではな
い。エチレンチオウレアを用いる架橋は、酸受容体とし
て鉛化合物を使用すると優れた耐熱老化性が得られる
が、鉛化合物の毒性が懸念される。
【0004】トリアジンチオール化合物を用いるエピハ
ロヒドリン系ゴムの架橋は、迅速に進行し、また得られ
た架橋物は耐熱老化性に優れる。しかし、架橋前の成形
工程などにおいて、部分的な架橋、すなわちスコーチを
起こし、その後の加工に支障を来したり、不良品が発生
したりすることがあり、また、トリアジンチオール化合
物を含有したエピハロヒドリン系ゴム組成物を性能低下
しないように保存することが困難であるという問題もあ
った。
【0005】その問題を解決するために、エピハロヒド
リン系ゴムとトリアジンチオール化合物を含有する架橋
性ゴム組成物に、N−(シクロヘキシルチオ)−フタル
イミドなどのチオイミド化合物(例えば、特公昭54−
25549号公報など)、無水フタル酸などの多価カル
ボン酸化合物(例えば、特開昭59−174626号公
報、特公昭62−185号公報など)などを配合するこ
とにより、架橋速度を制御しやすくすることが提案され
ている。
【0006】しかしながら、これらの化合物を使用した
場合でも、短期貯蔵では問題とならないが、長期貯蔵の
場合は、ゴム組成物中で架橋反応が進行し、組成物粘度
が上昇し、成形不良などの原因となるといった問題があ
った。また、これらの化合物を多量に添加した場合、貯
蔵安定性はさらに改良されるが、その一方で、架橋速度
が低下してしまい、架橋に時間がかかったり、架橋が不
充分な架橋物となったりするため、加工性、架橋物の機
械的物性が問題となることがある。そのため、貯蔵安定
性、架橋速度、架橋物の機械的特性などのバランスのと
れたゴム組成物が得られなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、貯蔵安定
性、架橋速度、架橋物の機械的特性などのバランスに優
れたエピハロヒドリン系ゴム組成物およびその架橋物を
提供することを目的とする。
【0008】本発明者らは、鋭意努力の結果、トリアジ
ンチオール化合物でエピハロヒドリン系ゴムを架橋する
際に2価または3価の金属強酸塩がゴム中に存在すれ
ば、貯蔵安定性が向上することを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、(a)エピハロヒドリン系ゴム、(b)トリアジン
チオール化合物、(c)酸受容体および(d)2価また
は3価の金属強酸塩を含有するゴム組成物、並びにそれ
を架橋した架橋物が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】[(a)エピハロヒドリン系ゴ
ム]本発明において用いられるエピハロヒドリン系ゴム
としては、エピハロヒドリンの単独重合体、2種以上の
エピハロヒドリンの共重合体、エピハロヒドリンと共重
合可能な単量体との共重合体などが挙げられる。該共重
合可能な単量体は特に限定されないが、アルキレンオキ
シド、不飽和エポキシドなどが用いられる。すなわち、
本質的にエピハロヒドリンを含む共重合体であればそれ
らに対して本発明方法を適用することができる。
【0011】エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒ
ドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒ
ドリンなどが挙げられるが、中でもエピクロルヒドリン
が好ましい。
【0012】アルキレンオキシドとしては、エチレンオ
キシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタ
ン、1,2−エポキシ−イソブタン、2,3−エポキシ
ブタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシ
オクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシ
テトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2
−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシエイコサ
ン、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキ
シシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロドデカン、
スチレンオキシドなどが挙げられる。これらの中でもエ
チレンオキシド、プロピレンオキシドなどが好ましい。
【0013】不飽和エポキシドとしては、不飽和グリシ
ジルエーテル類、ジエンまたはポリエンのモノエポキシ
ド類、エチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエステ
ル類などが挙げられる。不飽和グリシジルエーテル類と
しては、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジル
エーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル、o−アリル
フェニルグリシジルエーテルなどが挙げられる。ジエン
またはポリエンのモノエポキシド類としては、ブタジエ
ンモノエポキシド、クロロプレンモネポキシド、4,5
−エポキシ−2−ペンテン、エポキシ−1−ビニルシク
ロヘキセン、1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカ
ジエンなどが挙げられる。エチレン性不飽和カルボン酸
のグリシジルエステル類としては、グリシジルアクリレ
ート、グリシジルメタクリレート、グリシジルクロトネ
ート、グリシジル−4−ヘプテノエート、グリシジルソ
ルベート、グリシジルリノレート、3−シクロヘキセン
カルボン酸もしくは4−メチル−3−シクロヘキセンカ
ルボン酸のグリシジルエステル、グリシジル4−メチル
−3−ペンテノエートなどが挙げられる。これらの中で
もアリルグリシジルエーテルが好ましい。
【0014】本発明で用いるエピハロヒドリン系ゴム中
のエピハロヒドリン単位含有量は、下限が好ましくは1
0モル%、より好ましくは20モル%、特に好ましくは
40モル%、上限は100モル%である。また、エピハ
ロヒドリン系ゴムのムーニー粘度(ML1+4、100
℃)の下限が、好ましくは20、より好ましくは30で
あり、上限が好ましくは200、より好ましくは150
である。小さすぎると機械的特性に劣り、大きすぎると
加工性が悪い場合がある。
【0015】エピハロヒドリン系ゴムは複数種を併用し
てもよい。
【0016】[(b)トリアジンチオール化合物]本発
明で用いるトリアジンチオール化合物は、エピハロヒド
リン系ゴムに対する架橋剤として作用するものである。
このようなトリアジンチオール化合物としては、1,
3,5−トリアジンジチオールあるいはその誘導体、
1,3,5−トリアジントリチオールなどを挙げること
ができる。1,3,5−トリアジンジチオールの誘導体
としては、6−アニリノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジチオール、6−メチルアミノ−1,3,5−
トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジメチルアミノ
−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−
エチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチ
オール、6−ジエチルアミノ−1,3,5−トリアジン
−2,4−ジチオール、6−プロピルアミノ−1,3,
5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジプロピル
アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオー
ル、6−ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,
4−ジチオール、6−ジブチルアミノ−1,3,5−ト
リアジン−2,4−ジチオール、6−ヘキシルアミノ−
1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−オ
クチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチ
オール、6−デシルアミノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジチオールなどを挙げることができる。本発明
のゴム組成物には、架橋速度の調整、架橋物の機械的特
性向上などのために、必要に応じて、トリアジンチオー
ル化合物を二種類以上を併用して配合してもよい。
【0017】(a)エピハロヒドリン系ゴム100重量
部あたりの(b)トリアジンチオール化合物の配合量は
下限が好ましくは0.1重量部、より好ましくは0.2
重量部、上限が好ましくは5重量部、より好ましくは3
重量部である。(b)トリアジンチオール化合物が少な
すぎると架橋速度や架橋密度が低下することがあり、多
すぎるとゴム組成物の貯蔵安定性が低下したり、架橋密
度が高くなりすぎて架橋物が脆くなることがある。
【0018】[(c)酸受容体]本発明で用いる酸受容
体は、エピハロヒドリン系ゴムのトリアジンチオール架
橋に対して活性剤として作用するものであり、トリアジ
ンチオール化合物の性能を発揮させるために、必要なも
のである。
【0019】無機の酸受容体としては、例えば、周期律
表第II族金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン
酸塩、ホウ酸塩、亜燐酸塩、周期律表第IVA族金属の
酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜
燐酸塩、塩基性亜硫酸塩などが例示される。具体例とし
ては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化
バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化カル
シウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、
鉛丹、二塩基性フタル酸鉛、二塩基性亜燐酸鉛、ハイド
ロタルサイト類などが挙げられる。また、有機の酸受容
体としては、エポキシ化合物、ビニル化合物などが例示
される。具体的な例としては、エピクロルヒドリンとビ
スフェノールAとの重合物、ビニルシクロヘキセンなど
が挙げられる。本発明のゴム組成物には、架橋速度の調
整、架橋物の機械的特性の向上などのために、必要に応
じて、酸受容体を二種類以上を併用して配合してもよ
い。
【0020】(a)エピクロルヒドリン系ゴム100重
量部に対する(c)酸受容体の配合量は下限が好ましく
は0.1重量部、より好ましくは0.5重量部、特に好
ましくは1重量部、上限が好ましくは50重量部、より
好ましくは30重量部である。(c)酸受容体の配合量
が少なすぎると、実用的な架橋密度を有する架橋物が得
られず、目的とする機械的特性に優れた架橋物が得られ
ない場合がある。(c)酸受容体の配合量が多すぎる
と、架橋物の機械的特性が劣る場合がある。
【0021】なお、酸受容体には炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウムなどのように、補強剤や充填剤などとして
使用されるものもある。そのようなものを配合する場合
には、酸受容体としての機能とそれ以外の機能の両方を
考慮して量を決める必要がある。例えば、炭酸カルシウ
ムを配合する場合、炭酸カルシウムの配合量が上記上限
を超えていたとしても、必ずしも酸受容体を好ましい範
囲を超えて多量に配合したことにはならない。
【0022】[(d )2価または3価の金属強酸塩]
本発明において用いられる2価または3価の金属強酸塩
は、ブレーンステズ酸性の強い無機化合物と2価または
3価の金属との塩である。ブレーンステズ酸性の強いと
は、水溶液系での酸解離指数pKaが3以下であること
をいう。
【0023】また、金属強酸塩の温度25℃での水への
溶解度(飽和溶液100g中に含まれる無水物の質量を
g単位で表した数値であり、飽和溶液の濃度を質量%で
表した数値)の下限が好ましくは10、より好ましくは
20、上限が好ましくは80、より好ましくは50であ
る。溶解度が小さすぎると、高湿度下での保存において
スコーチによるゴム組成物の粘度上昇の抑制に対する効
果が少ない場合がある。溶解度が大きすぎると、ゴム組
成物が吸湿しやすいため、架橋物が機械的物性が不充分
なものとなる場合がある。
【0024】ブレーンステズ酸性の強い無機化合物とし
ては、硫酸、硝酸、塩酸、過塩素酸などが挙げられる。
また、2価または3価の金属としては、アルミニウム、
バリウム、カルシウム、コバルト、銅、鉄、マグネシウ
ム、ニッケル、鉛、亜鉛などが挙げられる。
【0025】このような金属強酸塩としては、硫酸ベリ
リウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マ
ンガン、硫酸第一鉄、硫酸コバルト、硫酸ニッケル、硫
酸亜鉛、硫酸カドミウムなどの金属硫酸塩;塩化マグネ
シウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化バリ
ウム、塩化マグネシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩
化コバルト、塩化ニッケル、塩化銅、塩化亜鉛、塩化カ
ドミウムなどの金属塩酸塩;硝酸ベリリウム、硝酸マグ
ネシウム、硝酸アルミニウム、硝酸カルシウム、硝酸ス
トロンチウム、硝酸マンガン、硝酸第一鉄、硝酸第二
鉄、硝酸コバルト、硝酸ニッケル、硝酸銅、硝酸亜鉛、
硝酸カドミウムなどの金属硝酸塩;などが挙げられる。
【0026】高湿度下での保存後におけるゴム組成物の
粘度の上昇の抑制効果の高さ、入手の容易性、安全性な
どの点から、金属としてはマグネシウム、アルミニウ
ム、ニッケルなどの金属塩が好ましく、マグネシウムが
特に好ましい。ブレーンステズ酸性の強い無機化合物と
しては、硫酸、硝酸、塩酸が好ましく、硫酸がより好ま
しい。すなわち、特に好ましい金属強酸塩は、硫酸マグ
ネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸ニッケルなどであ
り、中でも硫酸マグネシウムが好ましい。
【0027】金属強酸塩は複数種を併用してもよい。
【0028】(a)エピクロルヒドリン系ゴム100重
量部に対する(d)金属強酸塩の配合量は、下限が好ま
しくは0.1重量部、より好ましくは0.3重量部、上
限が好ましくは10重量部、より好ましくは5重量部で
ある。(d)金属強酸塩の量が少なすぎると高湿度下で
の保存後におけるゴム組成物の粘度上昇を効果的に抑制
することができず、多すぎると強度特性が不充分となる
場合がある。
【0029】(その他の配合剤)本発明のゴム組成物に
は、必要に応じて、前記(a)〜(d)以外に、補強
材、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、スコ
ーチ防止剤、架橋遅延剤、可塑剤、加工助剤、滑剤、粘
着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤な
どの添加剤をさらに配合することができる。また、本発
明のゴム組成物の特性を損なわない限り、他のゴム・エ
ラストマーあるいは樹脂成分、例えばアクリルゴム、オ
レフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、塩
化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマ
ー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラス
トマー、ポリシロキサン系エラストマー、天然ゴム、ポ
リブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブ
タジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ク
ロロプレンゴムなどを配合することもできる。
【0030】[エピハロヒドリン系ゴム組成物]本発明
のゴム組成物は、(a)エピハロヒドリン系ゴム、
(b)トリアジンチオール化合物、(c)酸受容体およ
び(d)2価または3価の金属強酸塩を含有し、さらに
必要に応じてその他の配合剤を含有する。
【0031】本発明のゴム組成物は、前記各成分を、ロ
ール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合
などの適宜の混合方法により配合することによって調製
することができる。調整については、特に限定されない
が、熱で分解しにくい成分(例えば、(a)エピハロヒ
ドリン系ゴム、(c)酸受容体、(d)2価または3価
の金属強酸塩および補強剤など)を充分に混合した後、
熱で分解しやすい成分(例えば(b)トリアジンチオー
ル化合物など)を分解温度以下でなるべく短時間に混合
すればよい。
【0032】(成形および架橋)本発明のゴム組成物の
成形方法および架橋方法は、特に限定されない。成形方
法、架橋方法、架橋物の形状などの必要に応じて、成形
と架橋を同時に行うか、成形後に架橋すればよい。
【0033】また、本発明のゴム組成物は、加熱するこ
とにより架橋しうるものであるが、その際の加熱温度
は、下限が好ましくは130℃、より好ましくは140
℃であり、上限が好ましくは200℃である。温度が低
すぎると架橋時間が長時間必要となったり、架橋密度が
低くなる場合がある。温度が高すぎる場合は、架橋が短
時間で進行し目的とする形状にならない成形不良になる
場合がある。
【0034】また全架橋時間は、架橋方法、架橋温度、
形状などにより異なるが、1分以上、5時間以下の範囲
が架橋密度と生産効率の面から好ましい。
【0035】加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加
熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いら
れる方法を適宜選択すればよい。
【0036】(架橋物)本発明のゴム組成物の架橋物
は、例えば自動車などの輸送機械、一般機器・装置、電
子・電気、建築などの幅広い分野において、シール材、
緩衝・保護材、電線被覆材、工業用ベルト類、ホース
類、シート類、ロール類などとして有用である。
【0037】(態様)本発明の態様としては、(1)
(a)エピハロヒドリン系ゴム、(b)トリアジンチオ
ール化合物、(c)酸受容体および(d)2価または3
価の金属強酸塩を含有するゴム組成物、(2) (a)
エピハロヒドリン系ゴム100重量部、(b)トリアジ
ンチオール化合物0.1〜5重量部、(c)酸受容体
0.1〜50重量部および(d)2価または3価の金属
強酸塩10〜80重量部を含有する(1)記載のゴム組
成物
【0038】(3) (a)エピハロヒドリン系ゴム
が、エピハロヒドリン単位含有量が10モル%以上であ
る(1)または(2)記載のゴム組成物、(4)
(a)エピハロヒドリン系ゴムが、ムーニー粘度(ML
1+4、100℃)が20〜200である(1)〜(3)
のいずれかに記載のゴム組成物、(5) (b)トリア
ジンチオール化合物が、1,3,5−トリアジンジチオ
ール、その誘導体、または1,3,5−トリアジントリ
チオールである(1)〜(4)のいずれかに記載のゴム
組成物、(6) (c)酸受容体が、周期律表第II族
金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、ホウ
酸塩、亜燐酸塩;周期律表第IVA族金属の酸化物、塩
基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜燐酸塩、塩
基性亜硫酸塩;エポキシ化合物;およびビニル化合物か
ら選ばれたものである(1)〜(5)のいずれかに記載
のゴム組成物、(7) (d)2価または3価の金属強
酸塩が、酸解離指数pKaが3以下であるブレーンステ
ズ酸性無機化合物と2価または3価の金属との塩である
(1)〜(6)のいずれかに記載のゴム組成物、(8)
(d)2価または3価の金属強酸塩が、温度25℃で
の水への溶解度が10〜80のものである(7)記載の
ゴム組成物、(9) (1)〜(8)のいずれかに記載
のゴム組成物を架橋してなる架橋物、などが挙げられ
る。
【0039】
【発明の効果】本発明のゴム組成物は、各成分を混練後
早期に架橋すると優れた加工安定性を示すだけではな
く、混練後貯蔵されてから架橋されても加工安定性など
の変化が少ないという優れた貯蔵安定性を示し、得られ
た架橋物が機械的特性に優れ、圧縮永久歪みが小さい。
【0040】
【実施例】以下実施例および比較例を挙げて、本発明を
さらに具体的に説明する。
【0041】実施例1〜4および比較例1〜3 (a)エピクロルヒドリンゴム(エピクロルヒドリン単
位70重量%、エチレンオキシド単位20重量%、アリ
ルグリシジルエーテル単位10重量%、ムーニー粘度
(ML1+4、100℃)70)100重量部、FEFカ
ーボンブラック(旭カーボン製、旭#60)40重量
部、加工助剤(ステアリン酸)2重量部、ジチオカルバ
ミン塩系老化防止剤(ジブチルジチオカルバミン酸ニッ
ケル、大内新興化学工業製、ノクラックNBC)1重量
部、酸化マグネシウム(協和化学製、キョウワマグ10
0)1.5重量部をバンバリーミキサーで混練した後、
表1に示すように各成分を配合、オープンロールで混練
して、本発明のゴム組成物を調製した。
【0042】ゴム組成物を160℃の架橋プレスで30
分間加熱成形し、厚さ2mm、縦15cm、横15cm
のシート状、および高さ12.5mm、直径29mmの
円柱状の架橋物を製造した。
【0043】これらエピクロルヒドリンゴム組成物の物
性および架橋物の架橋物性を、JIS K−6301に
準拠して評価した。貯蔵安定性は、ゴム組成物を、混練
後、温度23℃、湿度50%で24時間放置したもの
(環境I)と、温度50℃、湿度90%で24時間放置
したもの(環境II)の、ムーニースコーチ試験のムー
ニースコーチ時間t5および最低ムーニー粘度Vmin
を測定した。ムーニースコーチ試験はL形ローターを使
用し、試験温度125℃で実施した。表1には環境Iに
対する環境IIのt5の変化をΔt5(II−I)、V
minの変化をΔVmin(II−I)として記載し
た。Δt5(II−I)とΔVmin(II−I)の各
絶対値が小さいほど、貯蔵安定性に優れることを意味す
る。
【0044】
【表1】
【0045】表中、比較例2において、温度50℃、湿
度90%で24時間放置したもののVminの値が「焼
け」と記載されているのは、架橋において焼けが発生し
たため、最低ムーニー粘度Vminの値が測定できなか
ったことを示す。そのため、比較例2では、△Vmin
(II−I)も測定できなかった。
【0046】(d)2価または3価の金属強酸塩を配合
しない比較例に比較して本発明の実施例では、△t5
(II−I)と△Vmin(II−I)の絶対値も大き
い。なお、1価の金属強酸塩を配合した比較例2ではス
コーチのおきやすい環境IIの貯蔵をしたものは、上記
のように焼けを生じてしまっており、貯蔵安定性に問題
があることがわかる。これらのことから、(d)2価ま
たは3価の金属強酸塩を配合した本願発明のゴム組成物
は貯蔵安定性に優れていることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA52 AC14 AC16 AC19 AC20 AC32 AC50 AE08 GA06 4J002 CD052 CH041 DD048 DE067 DE077 DE087 DE107 DE157 DE237 DE287 DF038 DG048 EA027 EV026

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)エピハロヒドリン系ゴム、(b)
    トリアジンチオール化合物、(c)酸受容体および
    (d)2価または3価の金属強酸塩を含有するゴム組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のゴム組成物を架橋してな
    る架橋物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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