JP2002179845A - ハロゲン含有ゴム組成物およびその加硫物 - Google Patents

ハロゲン含有ゴム組成物およびその加硫物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スコーチが起こりにくく、貯蔵安定性に優れ
たハロゲン含有ゴム組成物および優れた物性を有する加
硫物を提供する。 【解決手段】 ハロゲン含有ゴム100重量部に水酸化
アルミニウムゲル化合物0.5〜30重量部を配合して
ゴム組成物を調整し、加硫する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加硫可能なハロゲ
ン含有ゴム組成物およびそれを加硫してなる加硫物に関
するものであり、さらに詳しくは、加硫時にスコーチが
起こりにくく、優れた貯蔵安定性を有するハロゲン含有
ゴム組成物、およびそれを加硫した熱老化特性に優れた
加硫物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン含有ゴムは、耐油性、耐熱老化
性、耐候性、耐オゾン性などに優れ、ガス透過性が低
く、また圧縮永久ひずみが小さい。このため、ホース、
チューブ、ダイヤフラム、ガスケット、O−リング、タ
イヤのインナーライナー、電線被覆材などの各種ゴム製
品の材料として使用されており、特に自動車用ゴム製品
の材料として広く使用されている。
【0003】ハロゲン含有ゴムに、周期律表第2族金属
炭酸塩、周期律表第2族金属酸化物または周期律表第1
2族金属炭酸塩を加硫剤であるトリアジンチオール誘導
体と共に配合することにより、加硫性ハロゲン含有ゴム
組成物の加硫速度を速め、得られる加硫物の耐熱老化性
を改良し、圧縮永久ひずみを小さくすることが提案され
ている(特開昭56−5646号公報)。しかし、この
組成物は、貯蔵安定性が実用上十分ではなく、貯蔵中に
加硫が進行して粘度が上昇し、加工が困難になるなどの
問題を生じることがあった。
【0004】近時、ハロゲン含有ゴムにゼオライトを配
合することにより、貯蔵安定性を改良する手法が提案さ
れた(特開2000−63685号公報)。しかし、こ
の組成物は加硫後の圧縮永久ひずみが大きくなりやす
く、その点を改良するため加硫剤を増量したり加硫促進
剤を添加したりすると、今度はスコーチを起こしやすく
なるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スコ
ーチが起こりにくく、貯蔵安定性に優れたハロゲン含有
ゴム組成物および優れた耐熱老化特性を有し、圧縮永久
ひずみが小さな加硫物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討の結果、水酸化アルミニウムゲ
ル化合物を配合することが有効であることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0007】かくして本発明によれば、ハロゲン含有ゴ
ム100重量部に水酸化アルミニウムゲル化合物0.5
〜30重量部を配合したハロゲン含有ゴム組成物および
該ハロゲン含有ゴム組成物を加硫してなる加硫物が提供
される
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いるハロゲン含有ゴム
は、ハロゲン原子が重合体鎖に結合しているゴムであ
り、ハロゲン含有量が、好ましくは0.3〜75重量
%、より好ましくは10〜45重量%であり、特に好ま
しくは15〜40重量%のものである。例えば、ハロゲ
ン化ポリエチレン、エピハロヒドリン系ゴム、クロロプ
レンゴム、ハロゲン化天然ゴム、クロロスルホン化ポリ
エチレン、フッ素ゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ハロゲ
ン化EPDM、含ハロゲンモノマーを共重合したアクリ
ルゴムなどが挙げられる。
【0009】本発明で用いるハロゲン含有ゴムの100
℃でのムーニー粘度(ML1+4)は、好ましくは20〜
150、より好ましくは30〜120、特に好ましくは
35〜100である。このムーニー粘度が低すぎると成
形加工時の形状保持性が劣ったり、粘着性が強くなった
りする場合があり、高すぎると成形加工時の流動性が劣
り、また、寸法安定性も低下する場合がある。
【0010】ハロゲン含有ゴムとしては、エピハロヒド
リン系ゴムが好ましく、特にエピクロロヒドリン系ゴム
が好ましい。エピハロヒドリン系ゴムは、エピハロヒド
リン単量体(a)の開環重合体または単量体(a)およ
びこれと共重合可能な単量体との開環共重合体である。
【0011】エピハロヒドリン単量体(a)としては、
エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチル
エピクロルヒドリンなどが挙げられるが、なかでもエピ
クロルヒドリンが好ましい。エピハロヒドリン系ゴムを
構成する全単量体単位に対する単量体(a)単位含有量
は特に限定されないが、好ましくは20〜90モル%、
より好ましくは25〜85、特に好ましくは30〜80
モル%である。単量体(a)単位含有量が少なすぎると
加硫物の吸湿性が高くなる場合があり、多すぎると加硫
物の耐寒性が劣る場合がある。
【0012】共重合可能な単量体としては、アルキレン
オキシド単量体(b)が好ましい。単量体(b)は、エ
チレンオキシドまたはエチレンオキシドの四つの水素の
一つ以上が飽和炭化水素基によって置換された構造を有
する化合物である。置換基は、ハロゲンで置換されたも
のであってもよい。具体的には、エチレンオキシド、プ
ロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、2,3−
エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−
エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−
エポキシテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカ
ン、1,2−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシエ
イコサンなどの直鎖飽和炭化水素基置換エチレンオキシ
ド;1,2−エポキシ−イソブタン、2,3−エポキシ
−イソブタンなどの分岐型飽和炭化水素基置換エチレン
オキシド;1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−
エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロドデ
カンなどの環状飽和炭化水素基置換エチレンオキシド;
2,3−エポキシ−3−クロロメチル−ブタン、1,2
−エポキシ−4−クロロペンタンなど、エピハロヒドリ
ン単量体(a)以外のハロゲン含有飽和炭化水素基置換
エチレンオキシド;などが挙げられる。これらの中で
も、エチレンオキシド、プロピレンオキシドが好まし
い。エピハロヒドリン系ゴムを構成する全単量体単位に
対する単量体(b)単位含有量は特に限定されないが、
好ましくは10〜80モル%、より好ましくは15〜7
5モル%、特に好ましくは20〜70モル%である。単
量体(b)単位含有量が少なすぎると、加硫物の耐寒性
に劣る場合があり、多すぎると成型時に加硫物が発泡し
やすくなり、また、加硫物の吸湿性が高くなるため、成
型方法や使用条件によっては使用できない場合がある。
【0013】単量体(a)と開環共重合可能であって、
かつエチレン性不飽和結合を有する単量体(c)を使用
してもよい。単量体(c)としては、ビニルグリシジル
エーテル、アリルグリシジルエーテル、o−アリルフェ
ニルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル基を
有する化合物;グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジル−
4−ヘプテノエート、グリシジルソルベート、グリシジ
ルリノレート、3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシ
ジルエステル、4−メチル−3−シクロヘキセンカルボ
ン酸のグリシジルエステル、グリシジル−4−メチル−
3−ペンテノエートなどのグリシジルエステル基を有す
る化合物;ビニルシクロヘキシルエーテル、3,4−エ
ポキシ−1−ブテン、1,2−エポキシ−3−ペンテ
ン、エポキシ−1−ビニルシクロヘキセン、1,2−エ
ポキシ−5,9−シクロドデカジエンなどの不飽和炭化
水素基で置換されたアルキレンオキシド;などが挙げら
れる。これらの中でも、加硫物が耐オゾン性に優れるア
リルグリシジルエーテルが好ましい。エピハロヒドリン
系ゴム中の単量体(c)単位含有量は特に限定されない
が、好ましくは15モル%以下、より好ましくは12モ
ル%以下、特に好ましくは10モル%以下である。単量
体(c)単位含有量が多すぎると、加硫物の破断伸びが
低くなりすぎる場合がある。
【0014】本発明で用いる水酸化アルミニウムゲル化
合物は、構造中にAl23とCO2を有する無定型の化
合物であり、好ましくは下記一般式1で表されるもので
ある。
【0015】一般式1: [M]x・Al23・(CO2y・zH2O (ただし、式中の[M]は周期律表第1族の金属酸化
物、周期律表第2族の金属酸化物および/または有機酸
を表し、x≧0、y>0、z>0を示す。)
【0016】[M]で表される周期律表第1族の金属酸
化物としては、酸化ナトリウム、酸化カリウムなどが、
周期律表第2族の金属酸化物としては、酸化マグネシウ
ム、酸化カルシウムなどが例示される。有機酸としては
酒石酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸などの2価の脂
肪族飽和ジカルボン酸類、マレイン酸、フマル酸などの
2価の脂肪族不飽和カルボン酸類、フタル酸などの2価
芳香族カルボン酸類、クエン酸などの3価有機酸が例示
される。これらは数種が混在していてもよい。
【0017】好ましくは0≦x<2、より好ましくは0
≦x<1.5、さらに好ましくは0≦x<1.0であ
り、好ましくは0.1<y≦1であり、より好ましくは
0.2<y≦1、さらに好ましくは0.3<y≦1であ
り、好ましくは2≦z<10、より好ましくは2≦z<
8、さらに好ましくは2≦y≦6ある。
【0018】本発明で用いられる水酸化アルミニウムゲ
ル化合物の製法は、特に限定されず、公知の方法で製造
すればよい。例えば、可溶性アルミニウム化合物の溶液
に炭酸イオンの供給源となる可溶性化合物とをpHを調
節しながら反応させ、得られた化合物を水洗後、乾燥す
ることにより水酸化アルミニウムゲル化合物を製造する
ことができる。必要により、老化安定性を持たせるた
め、イオン交換によりアルカリ金属酸化物あるいはアル
カリ土類金属酸化物、有機酸が付与される。
【0019】可溶性アルミニウム化合物は、水および/
または低級アルコールに可溶性のアルミニウム化合物で
あり、好ましくは、塩化アルミニウム、硝酸アルミウ
ム、硫酸アルミニウム、アルミニウム金属、硫酸アルミ
ニウムアンモニウム、臭化アルミニウム、フッ化アルミ
ニウム、硫酸アルミニウム・カリウム、アルミニウム・
イソプロポキシド、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸
カリウム、亜硫酸アルミウムナトリウムなどが挙げられ
る。また、炭酸イオンの供給源可溶性化合物としては、
水および/または低級アルコールに可溶性の炭酸イオン
供給性化合物であり、好ましくは、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムの如き
アルカリ金属の炭酸塩類および重炭酸塩類、炭酸ガスな
どが挙げられる。
【0020】pH調節は、アンモニア、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなどのアルカリ性物質を用いて行え
ばよく、反応温度は特に限定されないが、好ましくは2
0〜60℃である。乾燥は、好ましくは50〜100℃
で、1〜24時間行う。温度が低すぎたり、時間が短す
ぎると乾燥が不十分となる場合があり、逆に温度が高す
ぎたり、時間が長すぎると化合物の構造が不安定となる
場合がある。
【0021】本発明のハロゲン含有ゴム組成物は、ハロ
ゲン含有ゴム100重量部に対し、水酸化アルミニウム
ゲル化合物の配合量は、好ましくは0.5〜30重量
部、より好ましくは1〜25重量部、特に好ましくは2
〜20重量部である。水酸化アルミニウムゲル化合物の
配合量が少なすぎると実用的な密度を有する加硫物が得
られず、耐熱老化性が劣る場合があり、逆に多すぎると
スコーチを起こしたり引張強さや伸びなどの加硫物の引
張特性が劣ったりする場合がある。
【0022】水酸化アルミニウムゲル化合物は酸受容体
として機能するが、本発明の効果を実質的に阻害しない
範囲で、水酸化アルミニウムゲル化合物以外の酸受容体
を併用しても良い。水酸化アルミニウムゲル化合物以外
の酸受容体の具体例としては、酸化マグネシウム、酸化
カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭
酸カルシウム、硼酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フ
タル酸カルシウム、亜燐酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ
酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウ
ム、メタホウ酸マグネシウム、メタホウ酸カルシウム、
メタホウ酸バリウムなどの周期律表第2族金属の酸化
物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、珪酸塩、硼酸
塩、亜燐酸塩、メタホウ酸塩など;酸化錫、塩基性炭酸
錫、ステアリン酸錫、塩基性亜燐酸錫、塩基性亜硫酸
錫、酸化ケイ素、ステアリン酸ケイ素などの周期律表第
14族金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸
塩、塩基性亜燐酸塩、塩基性亜硫酸塩など;ハイドロタ
ルサイト類;などが挙げられる。これらの中で、加硫速
度が適切にしやすい点で、ハイドロタルサイト類、酸化
マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウムおよび
メタホウ酸バリウムが好ましく、ハイドロタルサイト類
およびメタホウ酸バリウムがより好ましく、ハイドロタ
ルサイト類が特に好ましい。
【0023】ハイドロタルサイト類は、特に限定されな
いが、下記一般式2で表されるものが好ましい。
【0024】一般式2: MgxZnyAlz(OH)2(x+y)+3z-2CO3・wH2O (式中、0<x≦10、0≦y≦10、1≦x+y≦1
0、1≦z≦5、wは正数を表す。)
【0025】ハイドロタルサイト類としては、Mg4.5
Al2(OH)13CO3・3.5H2O、Mg4.5Al
2(OH)13CO3、Mg4Al2(OH)12CO3・3.
5H2O、Mg6l2(OH)16CO3・4H2O、Mg5
Al2(OH)14CO3・4H2O、Mg3Al2(OH)
10CO3・1.7H2O、Mg3ZnAl2(OH)12CO
3などが例示される。
【0026】ハイドロタルサイト類は、ハロゲン含有ゴ
ム100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、
より好ましくは2〜10重量部配合される。ハイドロタ
ルサイト類が少なすぎると加硫速度が低下し、多すぎる
と引張強さや伸びなどの加硫物の引張特性が劣る場合が
ある。
【0027】本発明のハロゲン含有ゴム組成物は加硫す
るにあたり、加硫剤を添加する必要がある。用いられる
加硫剤は、ハロゲン含有ゴム組成物を加硫できるもので
あれば、特に限定されず、硫黄、硫黄供与体、チオウレ
ア系化合物、有機過酸化物、ポリオール系化合物、メル
カプトキノキサリン系化合物などが挙げられるが、耐熱
老化性の点からトリアジンチオール化合物が好ましい。
トリアジンチオール化合物としては、1,3,5−トリ
アジンジチオールおよびその誘導体が例示される。1,
3,5−トリアジンジチオールの誘導体としては、1,
3,5−トリアジントリチオール、6−アニリノ−1,
3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−メチル
アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオー
ル、6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジチオール、6−エチルアミノ−1,3,5−
トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジエチルアミノ
−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−
プロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジ
チオール、6−ジプロピルアミノ−1,3,5−トリア
ジン−2,4−ジチオール、6−ブチルアミノ−1,
3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジブチ
ルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオー
ル、6−ヘキシルアミノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジチオール、6−オクチルアミノ−1,3,5
−トリアジン−2,4−ジチオール、6−デシルアミノ
−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオールなどを
挙げることができる。
【0028】加硫剤の配合量は、それぞれの加硫剤の特
性、加硫するゴム組成物の特性、加硫物の使用目的など
によって決めればよい。例えば、加硫剤として1,3,
5−トリアジントリチオールを用いる場合の配合量は、
エピハロヒドリン系ゴム100重量部あたり、好ましく
は0.1〜5重量部、より好ましくは0.2〜3重量部
である。加硫剤が少なすぎると加硫速度や加硫密度が低
下することがあり、多すぎるとゴム組成物の貯蔵安定性
が低下したり加硫密度が高くなりすぎ加硫物が脆くなっ
たりすることがある。
【0029】また、本発明の効果を実質的に阻害しない
範囲で、他のゴム、エラストマーあるいは樹脂成分、例
えば、天然ゴム、アクリルゴム、ポリブタジエンゴム、
ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アク
リロニトリル−ブタジエンゴムなどのゴム;オレフィン
系エラストマー、スチレン系エラストマー、塩化ビニル
系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリア
ミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポ
リシロキサン系エラストマーなどのエラストマー;ポリ
オレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル
系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などの樹脂;を配合す
ることができる。
【0030】このほか、本発明のハロゲン含有ゴム組成
物には、必要に応じて、上記各成分以外に、本発明の効
果を実質的に阻害しない範囲で、補強材、充填剤、老化
防止剤、酸化防止剤、光安定剤、スコーチ防止剤、加硫
遅延剤、可塑剤、加工助剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難
燃剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤、発泡剤などの添加
剤を配合することができる。
【0031】ハロゲン含有ゴム組成物を調整する方法も
特に限定されず、前記各成分を、ロール混合、バンバリ
ー混合、スクリュー混合、溶液混合などの適宜の混合方
法により配合することによって調製することができる。
【0032】本発明のハロゲン含有ゴム組成物の成形方
法および加硫方法も、特に限定されない。成形方法、加
硫方法、加硫物の形状などの必要に応じて、成形と加硫
を同時に行うか、成形後に加硫すればよい。加硫の際の
加熱温度は、好ましくは130℃以上、より好ましくは
140〜200℃である。また、加硫時間は、加硫方
法、加硫温度、形状などにより異なるが、1分以上、5
時間以下の範囲が加硫密度と生産効率の面から好まし
い。加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブ
ン加熱、熱風加熱、高周波加熱などのゴムの加硫に用い
られる方法を適宜選択すればよい。
【0033】本発明のゴム組成物の加硫物は、例えば、
自動車などの輸送機械、一般機器・装置、電子・電気、
建築などの幅広い分野において、シール材、緩衝・保護
材、電線被覆材、ベルト類、ホース類、シート類、ロー
ル類などとして有用である。
【0034】
【実施例】参考例、実施例および比較例を挙げて、本発
明をさらに具体的に説明する。組成に関する部および%
は、重量基準である。なお、各測定は、以下のように行
った。
【0035】エピクロルヒドリンゴムのムーニー粘度は
JIS K6300に従って、100℃で測定した。
【0036】エピクロルヒドリンゴム組成物の貯蔵安定
性は、ゴム組成物を調製後、温度23℃、湿度55%で
24時間放置したもの(環境I)と、温度40℃、湿度
80%で24時間放置したもの(環境II)とについて
ムーニースコーチ試験(L型ローター、試験温度125
℃)にてムーニースコーチ時間t5および最低ムーニー
粘度Vminを測定し、環境Iに対する環境IIのt5
の変化率をΔt5(II−I)、Vminの変化率をΔ
Vmin(II−I)として評価した。Δt5(II−
I)とΔVmin(II−I)の絶対値が小さいほど、
貯蔵安定性に優れることを意味する。なお、エピクロル
ヒドリンゴム組成物の物性について、ムーニースコーチ
試験、加硫試験はJIS K6300に従って行った。
加硫試験の温度条件は160℃で行った。
【0037】また加硫物の物性について、引張試験はJ
IS K6251に、硬さ試験はJIS K6253、
空気加熱老化試験はJIS K6257、圧縮永久ひず
み試験はJIS K6262に従って測定した。空気加
熱老化試験は150℃に72時間の条件で測定した。圧
縮永久ひずみは、135℃に72時間の条件で測定し
た。
【0038】参考例1 0.9Mの硫酸アルミニウム水溶液と0.6Mの炭酸ナ
トリウムを容積比4:3になるように混合し、2Mの水
酸化ナトリウムでpH7.5に調製し、30℃に保っ
た。1リットルの反応槽に水0.5リットルを入れ、強
く攪拌しながら、30℃に保った中に、上記混合液を
0.2リットル/分の流量で加えて、オーバーフローさ
せながら1時間反応させた。オーバーフローして得られ
たサスペンジョンを、減圧脱水して固形状にした後、
0.05Mの塩化カルシウム水溶液を用いて十分に洗浄
してイオン交換し、さらに十分に水洗した後、約70℃
で20時間乾燥させた。
【0039】得られた水酸化アルミニウムゲル化合物
は、化学分析の結果、(CaO)0.1Al23(CO2
0.64.7H2Oで示される構造を有していることがわか
った。また、この化合物は、X線回折では、無定型であ
った。
【0040】実施例1〜3および比較例1〜5 エピクロルヒドリンゴム(エピクロルヒドリン−エチレ
ンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エ
ピクロルヒドリン単位45モル%、エチレンオキサイド
単位50モル%、アリルグリシジルエーテル単位5モル
%、ムーニー粘度75)100部、FEFカーボンブラ
ック(旭カーボン社製、旭#60)40部、加工助剤
(ソルビタンモノステアレート)3部、老化防止剤(ジ
ブチルジチオカルバミン酸ニッケル)1部、さらに参考
例1で得た水酸化アルミニウムゲル化合物、ハイドロタ
ルサイト(協和化学工業社製、KW−2200)、酸化
マグネシウム、炭酸カルシウム、ゼオライト(水澤化学
工業社製、ミズカライザーDS)、酸化アルミニウム、
水酸化アルミニウムを表1記載の量添加し、バンバリー
で混練して本発明のゴム組成物を得た。さらに、これら
のゴム組成物に、1,3,5−トリアジントリチオール
0.9部およびN−シクロヘキシルチオフタルイミド1
部を添加し、ロールを用いて混練して、加硫性ゴム組成
物を調製した。このゴム組成物をサンプルとして、ムー
ニースコーチ試験および加硫試験によりt5、Vm、M
H、MLを測定した。なお、比較例3および4において
は、加硫が進行せず、ムーニースコーチ試験を行うこと
ができなかった。
【0041】加硫性ゴム組成物をテストロールから厚さ
2.2±0.1mmのシートとして取出し、160℃、
13MPaで30分間プレス加硫して、150mm×1
50mm×厚さ2mmの加硫ゴムシート試験片を製造
し、各測定をおこなった。これらの測定値を表1に示
す。なお、比較例3および4においては、加硫が進行せ
ず、加硫物が得られなかった。
【0042】
【表1】
【0043】本発明のハロゲン含有ゴム組成物は、貯蔵
安定性は十分に実用になる範囲のもので、ムーニースコ
ーチ時間t5が長く、得られる加硫物は、熱老化試験後
の伸び変化率、硬さ変化、圧縮永久ひずみが小さく優れ
ていることがわかる。特に、ハイドロタルサイトを併用
したものの特性が優れている。
【0044】それに対し、酸化マグネシウムと炭酸カル
シウムを含有する比較例1のハロゲン含有ゴム組成物
は、Δt5(II−I)、ΔVmin(II−I)の絶
対値が大きく、貯蔵安定性に問題がある。ゼオライトを
含有する比較例2のゴム組成物は、ムーニースコーチ時
間t5が短く、加硫物の熱老化試験後の伸び変化および
圧縮永久ひずみが大きいという問題がある。また、酸化
アルミニウム、水酸化アルミニウムをそれぞれ含有する
比較例3、4のゴム組成物は、加硫試験でMLとMHの
差が無いことからも加硫が進行しないことが分かる。ハ
イドロタルサイトのみを含有する比較例5のゴム組成物
は、比較例1のものと同様に貯蔵安定性に問題がある。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、ハロゲン含有ゴムに水
酸化アルミニウムゲル化合物を配合することにより、ハ
ロゲン含有ゴム組成物のスコーチ時間を長く、また貯蔵
安定性を大幅に改善すること出来る。またこのハロゲン
含有ゴム組成物を加硫することにより耐熱老化特性、圧
縮永久ひずみに優れた加硫物を得ることが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AC091 AC111 BB241 BB271 BD121 BG081 CH041 DA047 DE146 EK007 EV087 EV127 FD147 FD206 GG02 GJ02 GM01 GN00 GQ01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン含有ゴム100重量部に水酸化
    アルミニウムゲル化合物0.5〜30重量部を配合した
    ハロゲン含有ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のハロゲン含有ゴム組成物
    を加硫してなる加硫物。
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