JP4637760B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤ、詳しくは、カーカスプライの少なくとも一枚及び/又はベルト層の少なくとも一層をスチールコードの層で形成したカーカス及びベルトの少なくとも一方における、スチールコードとそのコーティングゴムとの初期接着性を向上させ、且つ湿熱劣化及び熱劣化を抑制することにより、耐久性を向上させた空気入りタイヤに関するものである。
1940年代後半にミシュラン社によってスチールラジアルタイヤが開発されて以来、カーカス及びベルトの少なくとも一方の補強材料としてスチールコードを用いたスチールコード補強空気入りタイヤは、順調にシェアを伸ばしている。特に近年、ベルテッドバイアスタイヤ、ラジアルタイヤへの移行に伴い、該スチールコード補強空気入りタイヤは、著しくシェアを伸ばしており、トラック用にも急激にシェアを伸ばしている。
一方、近年、自動車用タイヤに要求される性能は益々厳しくなってきており、タイヤの耐久性の更なる改良が望まれている。上記スチールコード補強空気入りタイヤにおいては、スチールコードと該コードを被覆するコーティングゴムとの接着性を確保することが重要であり、この接着性が低下するとカーカス及びベルトの少なくとも一方の耐久性が低下し、ひいてはタイヤの耐久性に問題が生じることが知られている。そのため、これまでスチールコードとコーティングゴムとの接着性を改良して、タイヤを長寿命化するために、様々な検討が行われてきた。
例えば、国際公開第2005/087860号(特許文献1)には、特定のレゾルシン系化合物をコーティングゴム用ゴム組成物に配合することにより、スチールコードとコーティングゴムとの耐湿熱接着性を大幅に改善できることが開示されている。
国際公開第2005/087860号パンフレット
しかしながら、本発明者が検討したところ、国際公開第2005/087860号に開示のレゾルシン系化合物を含むゴム組成物をスチールコードのコーティングゴムに用いた場合、スチールコードとコーティングゴムとの間の耐熱劣化性が不十分であることが分った。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、スチールコードとコーティングゴムとの間の耐湿熱接着性と耐熱接着性とを高度に両立させたスチールコード・ゴム複合体をカーカス及び/又はベルトの少なくとも一部として備える空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、コーティングゴム用ゴム組成物に国際公開第2005/087860号に開示の特定構造の化合物又は該化合物を主成分とする組成物と共に特定の耐水性受酸剤を配合することにより、スチールコードとコーティングゴムとの耐湿熱接着性及び耐熱接着性が大幅に向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の空気入りタイヤは、一枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配設した一枚以上のベルト層からなるベルトとを備え、該カーカス及びベルトの少なくとも一方がコーティングゴムで被覆したスチールコードよりなる層を含む空気入りタイヤにおいて、
前記カーカス及びベルトの少なくとも一方で、スチールコードを被覆するコーティングゴムに、ゴム成分100質量部に対して、硫黄1〜10質量部と、マロン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、コハク酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、フマル酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、マレイン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、リンゴ酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、イタコン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、シトラコン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、アジピン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、酒石酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、アゼライン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、セバシン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、シクロヘキサンジカルボン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、テレフタル酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル及びイソフタル酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステルからなる群から選択される少なくとも一種の化合物0.1〜10質量部と、下記一般式(2):
[Mg(1-x)Alx(OH)2]x+・x/2(CO3)2-・mH2O ・・・ (2)
[式中、xは0.3〜0.5の数を示し、mは0〜5の数を示す]で表される耐水性受酸剤0.1〜10質量部とを配合してなるゴム組成物を用いたことを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤにおいては、前記コーティングゴムに用いるゴム組成物が、更に有機酸コバルト塩を前記ゴム成分100質量部に対しコバルト量として0.03〜1質量部含有することが好ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいては、前記コーティングゴムに用いるゴム組成物のゴム成分が天然ゴム(NR)及びポリイソプレンゴム(IR)の少なくとも一方よりなることが好ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいては、前記コーティングゴムに用いるゴム組成物のゴム成分が50質量%以上の天然ゴム及び残部合成ゴムよりなることが好ましい。
本発明によれば、マロン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、コハク酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、フマル酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、マレイン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、リンゴ酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、イタコン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、シトラコン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、アジピン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、酒石酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、アゼライン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、セバシン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、シクロヘキサンジカルボン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、テレフタル酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル及びイソフタル酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステルからなる群から選択される少なくとも一種の化合物共に一般式(2)で表される耐水性受酸剤を含有するゴム組成物をコーティングゴムに適用した、スチールコードとコーティングゴムとの間の初期接着性、耐湿熱接着性及び耐熱接着性が高いスチールコード・ゴム複合体をカーカス及び/又はベルトに用いた、優れた耐久性を有する空気入りタイヤを提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。図1は本発明の実施形態を示す横断面図であり、図中、1はトレッド部を、2はトレッド部1の側部から半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部を、そして3はサイドウォール部2の半径方向内端に連なるビード部をそれぞれ示す。
ここでは、タイヤの骨格構造をなし、タイヤの上記各部1,2,3を補強するカーカス4を、一枚以上のカーカスプライにて構成するとともに、それぞれのビード部3に配設したそれぞれのビードコア5間にトロイダルに延びる本体部と、各ビードコア5の周りで、タイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部を有するものとする。図中のカーカス4は、一枚のカーカスプライよりなるが、本発明のタイヤにおいては、カーカスプライの枚数は複数であってもよい。
また、図中6はベルトを示し、ベルト6は、カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配設した一枚以上のベルト層からなる。図中のベルト6は、二枚のベルト層よりなるが、本発明のタイヤにおいては、ベルト層の枚数はこれに限られるものではない。
この空気入りタイヤは、カーカス4及びベルト6の少なくとも一方がコーティングゴムで被覆したスチールコードの層を含む。即ち、カーカス4のカーカスプライの少なくとも一枚及び/又はベルト6のベルト層の少なくとも一層が、スチールコードの層であればよく、一枚以上のカーカスプライ及び一層以上のベルト層がスチールコードの層であってもよい。
そしてここでは、カーカス4及びベルト6の少なくとも一方で、スチールコードを被覆するコーティングゴムに、ゴム成分(A)100質量部に対して、硫黄(B)1〜10質量部と、マロン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、コハク酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、フマル酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、マレイン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、リンゴ酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、イタコン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、シトラコン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、アジピン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、酒石酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、アゼライン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、セバシン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、シクロヘキサンジカルボン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、テレフタル酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル及びイソフタル酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステルからなる群から選択される少なくとも一種の化合物(C)(以下、「特定の化合物(C)」と呼ぶことがある)0.1〜10質量部と、上記一般式(2)で表される耐水性受酸剤0.1〜10質量部とを配合してなるゴム組成物を用いる。
コーティングゴム用ゴム組成物に上記特定の化合物(C)を配合することにより、スチールコードとコーティングゴムとの耐湿熱接着性を向上させることができるが、上記特定の化合物(C)は、加硫接着時に分解して酸を生成するため、スチールコードとコーティングゴムとの耐熱接着性を低下させる傾向がある。一方、上記一般式(2)の耐水性受酸剤は、酸をトラップすることができる。そのため、コーティングゴム用ゴム組成物に上記特定の化合物(C)と共に上記一般式(2)の耐水性受酸剤を配合することで、加硫接着時に上記特定の化合物(C)から生成する酸を一般式(2)の耐水性受酸剤がトラップして、スチールコードとコーティングゴムとの耐湿熱接着性を向上させつつ、耐熱接着性の低下を防止することが可能となる。
上記コーティングゴム用ゴム組成物のゴム成分(A)としては、ゴム弾性を示すものであれば特に制限はないが、天然ゴム(NR)の他;ビニル芳香族炭化水素/共役ジエン共重合体、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム等の合成ゴム等の公知のゴムの総てを用いることができる。該ゴム成分は1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。スチールコードのコーティングゴムには接着性に加えて耐破壊性が要求されるため、接着特性及び破壊特性の観点から、該ゴム成分は、天然ゴム及びポリイソプレンゴムの少なくとも一方よりなるか、50質量%以上の天然ゴムを含み残部が合成ゴムであるのが好ましい。
上記コーティングゴム用ゴム組成物には、加硫剤としての硫黄(B)が上記ゴム成分100質量部に対し1〜10質量部、好ましくは3〜8質量部配合される。硫黄の配合量が1質量部未満では、スチールコードとの接着性が不十分であり、一方、10質量部を超えると、過剰な接着層が形成され接着性が低下する。
上記コーティングゴム用ゴム組成物に配合される化合物(C)として、具体的には、マロン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、コハク酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、フマル酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、マレイン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、リンゴ酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、イタコン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、シトラコン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、アジピン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、酒石酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、アゼライン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、セバシン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、シクロヘキサンジカルボン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、テレフタル酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、イソフタル酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステルを用いるが、特にコハク酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、アジピン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、セバシン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、テレフタル酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、イソフタル酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステルが好ましい。
上記特定の化合物(C)は、国際公開第2005/087860号に開示に従い、例えば、ジカルボン酸ハライドと、カテコール、レゾルシン又はハイドロキノンとを反応させ、公知の方法で単離等することで得られる
上記特定の化合物(C)の配合量は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲であり、0.3〜6質量部の範囲が好ましい。上記特定の化合物(C)の配合量がゴム成分100質量部に対して0.1質量部未満では、耐湿熱接着性を向上させる効果が低く、一方、10質量部を超えると、該化合物がブルームし、接着性が低下する。
上記コーティングゴムに用いられるゴム組成物は、上記一般式(2)で表される耐水性受酸剤を前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部含有する。なお、一般式(2)中のxは0.3〜0.5の数を示し、mは0〜5の数を示す。該耐水性受酸剤は、上記特定の化合物(C)が加硫接着時に分解して生成する酸をトラップする作用を有する。ここで、該耐水性受酸剤として、具体的には、ハイドロタルサイトが好ましい。また、該ハイドロタルサイトの中でも、焼成したハイドロタルサイトが特に好ましい。上記一般式(2)の耐水性受酸剤の配合量が前記ゴム成分100質量部に対して0.1質量部未満では、加硫接着時に生成する酸を十分にトラップできず、スチールコードとコーティングゴムとの耐熱接着性が悪化し、一方、10質量部を超えると、加硫ゴム組成物の耐破壊特性、耐疲労性及び作業性が低下することがある。
上記コーティングゴムに用いられるゴム組成物は、更に接着促進剤として有機酸コバルト塩を前記ゴム成分100質量部に対しコバルト量として0.03〜1質量部配合してなることが好ましい。有機酸コバルト塩の配合量がコバルト量として0.03質量部未満では、コーティングゴムとスチールコードとの接着性が充分でなく、1質量部を超えると、コーティングゴムの老化特性が悪化し過ぎる。該有機酸コバルト塩としては、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト等が挙げられる。該有機酸コバルト塩は、有機酸の一部をホウ酸等で置き換えた複合塩でもよい。具体的には、マノボンド(商標:OMG製)が挙げられる。
上記コーティングゴム用ゴム組成物には、上記ゴム成分、硫黄、特定構造の化合物、該化合物を主成分とする組成物、耐水性受酸剤、有機酸コバルト塩の他、カーボンブラック及びシリカ等の充填剤、アロマオイル等の軟化剤、ヘキサメチレンテトラミン、ペンタメトキシメチルメラミン、ヘキサメチレンメチルメラミン等のメトキシメチル化メラミン等のメチレン供与体、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤等のゴム業界で通常使用される配合剤を通常の配合量で適宜配合することができる。
上記コーティングゴム用ゴム組成物の調製方法に特に制限はなく、例えば、バンバリーミキサーやロール等を用いて、ゴム成分に、上記特定構造の化合物、該化合物を主成分とする組成物、耐水性受酸剤、硫黄、有機酸コバルト塩及び各種配合剤を練りこんで調製することができる。混練りされたゴム組成物は、シート状に加工され、更に加工されたゴムシート2枚がスチールコードを挟んだ状態に成形加工されて、カーカスプライやベルト層が形成される。形成されたベルト層は常法に従ってカーカスのタイヤ半径方向外側に積層され、その他の部材と共に本発明の空気入りタイヤを構成する。本発明の空気入りタイヤのトレッド踏面部、サイドウォール部及びビード部等には、通常のタイヤのそれらの部分に使用される材料、形状、配置を適宜採用することができる。また、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
本発明の空気入りタイヤのカーカス及びベルトの少なくとも一方に用いられゴム組成物と接着されるスチールコードは、ゴムとの接着を良好にするために黄銅、亜鉛或いはこれらにニッケルやコバルトを含有する金属でメッキ処理されているのが好ましく、黄銅メッキ処理されているのが特に好ましい。また、該コードのサイズ、撚り数、撚り条件等は、タイヤの要求性能に応じて適宜選択される。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
レゾルシン 330.6g(3.0mol)をピリジン 600.0gに溶解した溶液を氷浴上で15℃以下に保ちながら、これに塩化アジポイル 54.9g(0.30mol)を徐々に滴下した。滴下終了後、得られた反応混合物を室温まで昇温し、一昼夜放置して反応を完結させた。反応混合物から、ピリジンを減圧下に留去し、残留物に水 1200gを加えて氷冷すると沈殿が析出した。析出した沈殿をろ過、水洗し、得られた湿体を減圧乾燥して、白色〜淡黄色の粉体 84gを得た。この粉体を分取用装置を備えた液体クロマトグラフィーで下記の条件で処理し、主たる成分を含む溶離液を分取した。この溶離液を濃縮し、析出した結晶をろ過して回収し、減圧乾燥して融点140〜143℃の結晶を得た。分析の結果、この結晶はアジピン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステルであった。
分取用のHPLC条件は下記の通りである。
カラム :Shim-pack PREP−ODS(島津製作所製)
カラム温度 :25℃
溶離液 :メタノール/水混合溶剤(85/15(w/w%))
溶離液の流速:流量3ml/分
検出器 :UV検出器(254nm)
尚、アジピン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステルの同定データは下記の通りである。
MSスペクトルデータ
EI(Pos.) m/z=330
IRスペクトルデータ
3436cm-1 : 水酸基
2936cm-1 : アルキル
1739cm-1 : エステル
NMRスペクトルデータを表1−1および表1−2に示した。
Figure 0004637760
(実施例1〜2及び比較例1〜3)
2200mLのバンバリーミキサーを使用して、表2に示す配合処方で混練り混合して、未加硫のゴム組成物を調製した。次に、得られたゴム組成物でスチールコードを被覆してベルト層を形成し、該ベルト層を備えた、サイズ185/70 R14のラジアルタイヤを常法により試作し、該タイヤのベルト層におけるスチールコードとコーティングゴムとの接着性を下記の方法で評価した。使用したゴム組成物の配合と共に、結果を表2に示す。
(i)初期接着性
供試タイヤを、通常の半分の加硫時間で加硫した後、タイヤからベルト層を取り出し、ベルト層中のスチールコードを引張試験機により50mm/minの速度で引張り、露出したスチールコードのゴムの被覆状態を目視で観察し、その被覆率を0〜100%で表示して、初期接着性の指標とした。数値が大きい程、初期接着性が高く良好であることを示す。
(ii)耐湿熱接着性
供試タイヤを、100℃、95%RHに保持した恒温恒湿槽中に5週間放置した後、タイヤからベルト層を取り出し、ベルト層中のスチールコードを引張試験機により50mm/minの速度で引張り、露出したスチールコードのゴムの被覆状態を目視で観察し、その被覆率を0〜100%で表示して、耐湿熱接着性の指標とした。数値が大きい程、耐湿熱接着性が高く良好であることを示す。
(iii)耐熱接着性
供試タイヤを、100℃に保持した恒温恒湿槽中に5週間放置した後、タイヤからベルト層を取り出し、ベルト層中のスチールコードを引張試験機により50mm/minの速度で引張り、露出したスチールコードのゴムの被覆状態を目視で観察し、その被覆率を0〜100%で表示して、耐熱接着性の指標とした。数値が大きい程、耐熱接着性が高く良好であることを示す。
Figure 0004637760
*1 N,N'-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド, 大内新興化学工業(株)製, 商品名:ノクセラーDZ.
*2 N-フェニル-N'-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン, 大内新興化学工業(株)製, 商品名:ノクラック6C.
*3 OMG製, 商品名:マノボンドC22.5, コバルト含有率=22.5質量%.
*4 協和化学工業製, KW−2200, 上記一般式(2)で表され、xが0.315で、それを焼成して結晶水を取り除いたハイドロタルサイト.
*5 上記製造例1で製造した化合物.
実施例1及び実施例2の結果から、上記特定の化合物(C)と上記一般式(2)の耐水性受酸剤を配合したゴム組成物をコーティングゴムに用いることで、スチールコードとコーティングゴムとの耐湿熱接着性及び耐熱接着性を高度に両立できることが分る。
一方、比較例1及び比較例2の結果から、上記特定の化合物(C)を含まないゴム組成物をコーティングゴムに用いた場合、スチールコードとコーティングゴムとの耐湿熱接着性が実施例に比べて大幅に劣ることが分る。また、比較例1及び比較例3のから、上記一般式(2)の耐水性受酸剤を含まないゴム組成物をコーティングゴムに用いた場合、スチールコードとコーティングゴムとの耐熱接着性が実施例に比べて大幅に劣ることが分る。
本発明の空気入りタイヤの一例の断面図である。
符号の説明
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス
5 ビードコア
6 ベルト

Claims (5)

  1. 一枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配設した一枚以上のベルト層からなるベルトとを備え、該カーカス及びベルトの少なくとも一方がコーティングゴムで被覆したスチールコードよりなる層を含む空気入りタイヤにおいて、
    前記カーカス及びベルトの少なくとも一方で、スチールコードを被覆するコーティングゴムに、ゴム成分100質量部に対して、硫黄1〜10質量部と、マロン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、コハク酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、フマル酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、マレイン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、リンゴ酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、イタコン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、シトラコン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、アジピン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、酒石酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、アゼライン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、セバシン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、シクロヘキサンジカルボン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、テレフタル酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル及びイソフタル酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステルからなる群から選択される少なくとも一種の化合物0.1〜10質量部と、下記一般式(2):
    [Mg(1-x)Alx(OH)2]x+・x/2(CO3)2-・mH2O ・・・ (2)
    [式中、xは0.3〜0.5の数を示し、mは0〜5の数を示す]で表される耐水性受酸剤0.1〜10質量部とを配合してなるゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記一般式(2)で表わされる耐水性受酸剤がハイドロタルサイトであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ゴム組成物が、更に有機酸コバルト塩を前記ゴム成分100質量部に対しコバルト量として0.03〜1質量部含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ゴム成分が、天然ゴム及びポリイソプレンゴムの少なくとも一方よりなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ゴム成分が、50質量%以上の天然ゴム及び残部合成ゴムよりなる請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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