JP2011213254A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コートゴム10で被覆したスチールコード11を周方向に巻回したベルトカバー層9を備え、スチールコード11がN本の素線17を撚り合わせたM本のストランド18を素線17と同じ方向に撚り合わせたM×N構造で、Mが3〜5、Nが3〜4、素線17の直径Dが0.05〜0.15mm、ストランド16の撚りピッチが0.5〜1.8mm、コード11の撚りピッチが1〜5mmであり、コートゴム10がジエン系ゴム100重量部に、クレゾール樹脂を0.5〜5重量部、ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテル部分縮合物を1〜5重量部、イオウを4〜7重量部、有機酸コバルト塩をコバルト量として0.1〜0.8重量部配合したゴム組成物からなることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
ベルトカバー用ストリップ材を構成するスチールコードとして、素線の直径(D)を0.11mm、ストランド1本当たりの素線の本数(N)を4本にすることを共通にして、スチールコードの構造、ストランドの撚りピッチ、ストランドの本数、スチールコードの撚りピッチを、表1に示すように異ならせた8種類のスチールコード(コード1〜8)を作成した。なお、後述する比較例1及び5の空気入りタイヤでは、ベルトカバー層を構成するスチールコードとして、型付けした1×5構造のスチールコード(素線径0.15mmで、タイヤ仕様に合わせるように加硫時のリフト率に応じた型付けを行ったもの)をそれぞれ使用した。
天然ゴム:天然ゴム、TSR−20
カーボンブラック:HAF級カーボンブラック、東海カーボン社製シースト300
酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
老化防止剤:フェニレンジアミン系老化防止剤、精工化学社製オゾノン6C
ナフテン酸コバルト:DIC社製ナフテン酸コバルト10%、コバルト含量10重量%
イオウ:四国化成工業社製ミュークロンOT−20
加硫促進剤:大内新興化学工業社製ノクセラーDZ
クレゾール樹脂:住友化学社製スミカノール610
ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部分縮合物:住友化学社製スミカノール507A
ヘキサメトキシメチルメラミンの部分縮合物:CYTEC INDUSTRIES製CYREZ 964RPC
実施例1〜19
図1に示すタイヤ構造において、ベルトカバー層として、ベルトエッジカバー層を配置せずに、ベルトフルカバー層を1層だけ配置すること、及び表3に示すゴム組成物でトレッド部を構成することを共通にし、ベルトカバー層を構成するスチールコードの種類、スチールコードの撚りピッチ(センター領域のコードピッチPc及びショルダー領域のコードピッチPs)、コートゴムの種類を異ならせたストリップ材を使用し、周方向主溝下のスチールコードのエンド数、センター領域のスチールコードのエンド数Ec及びショルダー領域のスチールコードのエンド数Esをそれぞれ所定の値になるようにストリップ材を巻回したベルトカバー層を構成するようにして表4〜7に示す24種類の空気入りタイヤ(実施例1〜19、比較例1〜5)を、それぞれ10本ずつ製作した。ベルトカバー層を構成するコートゴムとしては表2に記載のゴム1〜4、スチールコードとしては表1に記載のコード1〜8をそれぞれ使用した。なお、上述した通り、比較例1及び5の空気入りタイヤでは、ベルトカバー層を構成するスチールコードとして、タイヤ仕様に合わせて加硫時のリフト率に応じて型付けした1×5構造のスチールコード(素線径0.15mm)をそれぞれ使用した。また、表4〜6に示す18種類の空気入りタイヤ(実施例1〜14、比較例1〜4)は、タイヤサイズを245/40R20とし、表7に示す6種類の空気入りタイヤ(実施例15〜19、比較例5)は、タイヤサイズを195/65R14とした。
スチレンブタジエンゴム:乳化重合スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製NIPOL 1712、ガラス転移温度−52℃、SBR100重量部に対しアロマオイル37.5重量部添加の油展品
ブタジエンゴム:日本ゼオン社製NIPOL BR1220
カーボンブラック:昭和キャボット社製ショウブラックN234、窒素吸着比表面積125m2/g
シリカ:ローディア社製Zeosil 1165MP、CTAB吸着比表面積160m2/g
カップリング剤:シランカップリング剤、デグッサ社製Si69
アルマオイル:ジャパンエナジー社製プロセスX−140
酸化防止剤1:フレキシス社製SANTOFLEX 6PPD
酸化防止剤2:フレキシス社製SANTOFLEX 3C
酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸YR
加硫促進剤1:大内新興化学工業社製ノクセラーD−G
加硫促進剤2:大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
イオウ:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
空気入りタイヤの評価
上記により製造された24種類の空気入りタイヤ(実施例1〜19、比較例1〜5)の加硫故障、高速耐久性、ロードノイズ、吸湿耐久性、高負荷低空気圧時の耐久性を、以下の試験方法により評価した。
上記により製造された空気入りタイヤの各10本について、目視によりベルトカバー層に起因する加硫故障のタイヤ(形状歪みが発生したタイヤ)の発生の本数を調べ、その結果を◎、○、△、×の4段階で評価した。◎は加硫故障が発生したタイヤの本数が0本、○は加硫故障が発生したタイヤの本数が1〜2本、△は加硫故障の発生したタイヤの本数が3〜4本、×は加硫故障が発生したタイヤの本数が5本以上を意味する。得られた結果を表4〜7に示した。
加硫故障がないタイヤを選択し、そのタイヤを標準リムに組み付け、JIS D4230に準拠する室内ドラム試験機(ドラム径1707mm)に取り付け、JIS D4230の「6.4高速性能試験A」に記載される高速耐久性の試験に準拠して高速耐久性試験を実施し、タイヤ故障を起こすまでの走行距離を測定した。得られた結果は、表4〜6では比較例1を100、表7では比較例5を100とする指数として、それぞれ表4〜7の「高速耐久性」の欄に示した。この値が大きい程、高速耐久性が優れていることを意味する。
加硫故障がないタイヤを選択し、そのタイヤを標準リムに組み付け、排気量3600ccの車両に取り付け、テストコースにおいて実車走行した際の車内騒音をテストドライバーによりフィーリング評価した。その評価結果を、表4〜6では比較例1を100、表7では比較例5を100とする指数として、それぞれ表4〜7の「ロードノイズ」の欄に示した。この値が大きい程、ロードノイズが低く、騒音性能が優れていることを意味する。
加硫故障がないタイヤを選択し、そのタイヤを温度70℃、湿度95%の条件下にて30日間放置することにより、吸湿劣化の促進処理を行った。吸湿劣化促進処理を施したタイヤを標準リムに組み付け、JIS D4230に準拠する室内ドラム試験機(ドラム径1707mm)に取り付け、JIS D4230に記載される「6.4高速性能試験A」の試験に準拠して高速耐久性試験を実施し、タイヤ故障を起こすまでの走行距離を測定した。得られた結果は、表4〜6では比較例1を100、表7では比較例5を100とする指数として、それぞれ表4〜7の「吸湿耐久性」の欄に示した。この値が大きい程、吸湿劣化促進処理後の耐久性が優れていることを意味する。
加硫故障がないタイヤを選択し、そのタイヤを標準リムに組み付け、JIS D4230に準拠する室内ドラム試験機(ドラム径1707mm)に取り付け、負荷を250kN、空気圧を180kPaにしたこと以外は、JIS D4230に記載される「6.3耐久性能試験」の試験に準拠して耐久性試験を実施し、タイヤ故障を起こすまでの走行距離を測定した。得られた結果は、表4〜6では比較例1を100、表7では比較例5を100とする指数として、それぞれ表4〜7の「高負荷低空気圧時の耐久性」の欄に示した。この値が大きい程、高負荷低空気圧時の耐久性が優れていることを意味する。
9 ベルトカバー層
10 コートゴム
11 スチールコード
16 ストリップ材
17 素線
18 ストランド
D 直径
Claims (4)
- トレッド部のベルト層の外周側にスチールコードをコートゴムで被覆したストリップ材をタイヤ周方向に巻回したベルトカバー層を備えた空気入りタイヤであって、
前記スチールコードが、N本の素線を撚り合わせてなるM本のストランドを素線と同じ方向に撚り合わせたM×N構造であり、前記Mが3〜5、前記Nが3〜4、前記素線の直径が0.05〜0.15mm、前記ストランドの撚りピッチが0.5〜1.8mm、前記コードの撚りピッチが1.0〜5.0mmであると共に、前記コートゴムがジエン系ゴム100重量部に対し、クレゾール樹脂を0.5〜5.0重量部、ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部分縮合物を1.0〜5.0重量部、イオウを4〜7重量部、有機酸コバルト塩をコバルト量として0.1〜0.8重量部配合したゴム組成物で構成された空気入りタイヤ。 - 前記トレッド部にタイヤ周方向に延長する少なくとも1本の周方向主溝を有し、この周方向主溝下に配置された前記スチールコードのエンド数を20本/50mm以下にすると共に、前記周方向主溝下におけるスチールコードのエンド数をそれ以外の領域におけるスチールコードのエンド数より小さくした請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ベルトカバー層を前記ベルト層の全体を覆う1層のベルトフルカバー層で構成し、前記スチールコードのエンド数が前記トレッド部のセンター領域とショルダー領域とで異なり、前記ショルダー領域におけるスチールコードのエンド数を前記センター領域におけるスチールコードのエンド数の60〜80%にした請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ベルトカバー層を前記ベルト層の全体を覆う1層のベルトフルカバー層で構成し、前記スチールコードの撚りピッチが前記トレッド部のセンター領域とショルダー領域とで異なり、前記ショルダー領域におけるコードの撚りピッチを前記センター領域におけるコードの撚りピッチの50〜90%にした請求項1,2又は3に記載の空気入りタイヤ。
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