JP4224842B2 - ブロー成形容器およびその製造方法ならびに多層押出し成形装置 - Google Patents

ブロー成形容器およびその製造方法ならびに多層押出し成形装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、定形の外殻を形成する外層内に、変形自在な内袋を形成する内層を剥離自在に積層形成し、外観形状を変化させることなく、内容液の注出使用を可能とした積層剥離合成樹脂製のブロー成形容器と、その製造方法ならびに多層押出し成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
定形の外殻を形成する外層内に、変形自在な内袋を形成する内層を剥離自在に積層して構成した、一般にデラミボトルと称されるブロー成形壜体である積層剥離合成樹脂製容器が知られている。
【0003】
このブロー成形された積層剥離合成樹脂製容器は、相溶性の殆どない外層と内層とを共押出しで多層パリソンに押出し成形し、この多層パリソンをブロー成形して得られるが、ブロー割り金型のピンチオフ部で押し潰し成形される底シール部分は、基本的には相溶性の殆どない外層部分と内層部分との積層構造となるため、外層部分に容易に底割れが発生すると云う不満があった。
【0004】
この不満を解消する従来技術として、ブロー割り金型のピンチオフ部により偏平に押し潰されて成形される底シール部を、一対のリブ片を重合圧着してパーティングラインに沿った突条状に成形し、この突条状物に、一対のリブ片の一方から他方に食い込む食い込み部を複数設けて構成した技術がある。
【0005】
この従来技術は、底シール部を高さ幅を有する突条状とすることにより、底シール部における外層と内層との圧着面積を大きくし、また複数の食い込み部を設けることにより、外層と内層との圧着面積をさらに増大させるばかりでなく、圧着面に平行する剪断力に対する抗力を飛躍的に高め、これにより底割れの発生し難い、機械的強度の高い底シール部を得ることを可能としている。
【0006】
また、他の従来技術として、内層の萎み変形の形状を一定の形状に規制するため、外層と内層とを、全高さ範囲に亘って接着する縦帯状の2本接着帯を形成、この2本の接着帯をパーティングラインから90°に位置に配置することにより、底シール部で突合せ状の位置になるようにして、底シール部の強度を改良する技術がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した前者の、従来技術にあっては、容器のブロー成形完了後における底部の経時収縮の影響により、底シール部に底割れが発生する場合があり、特に大型の容器にあっては、内容液を充填した状態で落としたり、大きな衝撃を与えたりすると、底割れが発生する恐れがある、と云う問題があった。
【0008】
それゆえ、この種のブロー成形容器は、金型内で収縮、すなわち冷却収縮を完了させる必要があるが、底シール部は大きな高さ幅と厚みとを有するので、その体積が大きなものとなり、このため冷却に長時間を要し、容器の生産効率をきわめて低いものとしてしまう、と云う問題があった。
【0009】
後者の従来技術においては、底シール部の一部においてのみ外層と内層が接着固定された状態であり、強度が充分でなくなる恐れがある、と云う問題があった。
【0010】
また、接着帯の位置が略パーティングラインから90°の位置に限定されるが、通常、この方向の胴部外表面は、ラベルを貼付したり、印刷したりする、商品の外観上重要な部分であり、より高い平滑性が求められている。
【0011】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、底シール部の体積を増大させることなく、底シール部における内層と外層の強固な結合を達成することを技術的課題とし、もって生産効率を高くし、強度、注出性および経済性に優れた、積層剥離合成樹脂製のブロー成形容器ならびに、その製造方法、ならびに多層押出し成形装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の手段の内、請求項1〜請求項5はブロー成形容器に関わるものであり、請求項1記載の発明の手段は、ブロー成形により、定形の外殻を形成する合成樹脂製の外層を有すること、外層と剥離自在に積層され、内袋を形成する可撓性合成樹脂製の内層を有すること、全長さ範囲に亘り、外層と内層とが底部接着層により接着固定した、ブロー割り金型のピンチオフ部により偏平に押し潰されて成形される底部の底シール部を有すること、外層に、この外層と内層との間に外気を侵入させる吸気孔を形成すること、にある。
【0013】
請求項1の上記構成により、この容器においては、比較的肉厚の外層がその機械的強度を保持する機能を担うが、請求項1の構成は、底シール部の全長さ範囲に亘って、底部接着層により内層と外層を強固に接着させた構成であり、底シール部を境として、互いに反対側に位置する外層同士が底部接着層、内層を介して一体に結合固定しているので、たとえば容器を床に落とした等の厳しい条件下においても、この外力に対抗することができ、底シール部の割れを確実に防止することが可能となる。
【0014】
また、この容器は、通常のピンチオフ部構造を有するブロー金型、すなわちブロー割り金型でブロー成形されるので、底部に形成される喰い切り部である底シール部は、通常のブロー成形品と同様に、低い突出高さの突条状となる。
【0015】
このように、この底シール部の体積は、通常のブロー成形品の底シール部と同様に、充分に小さいので、容器の離型に際しての、底シール部に対する冷却は、速やかにかつ充分に達成できることになる。
【0016】
さらに、内容物の注出に従って内方へ萎み変形する内層の変形は底シール部近傍と口部すなわち、容器の上端部と下端部で、固定され、高さ方向の萎み変形が規制され、内容物の流動通路の閉塞の発生を抑制することができる。
【0017】
請求項2記載の発明の手段は、請求項1記載の発明において、外層と内層とを、全高さ範囲に亘って、縦帯状接着層により接着固定し、かつ吸気孔を避けて位置した縦細帯状の少なくとも1本の、外層(2)と内層(3)と接着層(13)との積層構造である接着帯を形成すること、にある。
【0018】
請求項2の上記構成により、全高さ範囲に亘って形成した接着帯により、内層の萎み変形をさらに規制することができ、内容物の流動通路の閉塞の発生をさらに抑制することができる。
【0019】
請求項3記載の発明の手段は、請求項2記載の発明において、パーティングライン近傍に一対の接着帯を形成することにある。
【0020】
請求項3の上記構成により、全高さ範囲に亘って略軸対称に位置した接着帯は、内層の萎み変形を規制する機能を果たし、接着帯によって、左右略対称に一対の接着されていない内層部分ができるが、この部分の萎み変形を対称的に進行させることが可能となり、内容物の注出をスムーズに達成することができる。
【0021】
また、接着帯が略パーティングライン上に位置するので、パーティングラインから90°の位置近傍の胴部の外面は凸凹のない、平坦な形状であり、たとえば貼付したラベルの表面、印刷面等がスムーズであり、外観が優れた容器製品を提供することが可能となる。
【0022】
請求項4記載の発明の手段は、請求項3の発明において、吸気孔を、容器の中心軸に関して略軸対称に、パーティングラインから90°の位置近傍の2箇所の外層部分に設けること、にある。
【0023】
請求項4の上記構成により、外気がパーティングラインから90°の位置近傍、すなわち一対の接着帯間の中央部に設けられた吸気孔から浸入するので、一対の接着されていない内層部分の萎み変形をより対称的に進行させることが可能となり、内容物の注出をよりスムーズに達成することができる。
【0024】
請求項5記載の発明の手段は、請求項1、2、3または4記載の発明の構成に、吸気孔を、口筒部の外層部分に設けた、ことを加えたものである。
【0025】
請求項5の上記構成により、吸気孔を、キャップで覆われる口筒部に開設するので、この吸気孔が容器の外観を劣化させることがなく、またこの吸気孔を後加工で切り取り成形するに際して、口筒部における内層部分の肉厚が大きいので、この吸気孔の切り取り成形を、内層部分に穴を開けることなく、容易に行うことができる。
【0026】
請求項6または7の発明は、ブロー成形容器の製造方法に関わるものであり、請求項6記載の発明の手段は、少なくとも筒状の外層と、筒状の内層と、この外層と内層の間に間欠的に環状に共押出しされる環状接着層とからなる、多層パリソンを形成し、ブロー割り金型を用いて、この多層パリソンの環状接着層が形成された部分をピンチオフし、ブロー成形することにある。
【0027】
ブロー成形容器の底部の底シール部は、ブロー割金型のピンチオフ部により偏平に押し潰されて形成されるものであり、請求項6の製造方法によりこのピンチオフ部分には外層と、内層の間に環状接着層が形成された部分であるので、当該部分すなわち、底シール部の全長さ範囲に亘って、外層と内層が環状接着層(底部接着層)を介して接着固定された構造となる。
【0028】
請求項7の発明の手段は、請求項6の発明において、外層と内層の間に縦方向に少なくとも1本の共押出しされる縦帯状接着層を有する多層パリソンを形成する、ことにある。
【0029】
請求項7の製造方法により、この多層パリソンをブロー成形することにより、外層と内層を全高さ範囲に亘り接着固定した接着帯を容器に形成することができ、また目的や必要性に応じて、縦帯状接着層の本数を決めることができる。
【0030】
なお、上記した請求項6または7に記載のあるブロー成形容器の製造方法では以下に説明する多層押出し成形装置を使用することができる。
樹脂供給部およびダイスからなる多層成形装置であり、ダイスには、ダイスハウジング内に分割された複数のマンドレルを内挿し、少なくとも、外側から外層、環状接着層、内層用樹脂の3つの環状の樹脂通路を同軸状に形成し、各樹脂通路に樹脂を供給する樹脂供給部のうち、少なくとも環状接着層用の樹脂の樹脂供給部に、外層と内層の間に間欠的に、環状接着層を共押出しするプランジャを有した、アキュムレータを付設した成形装置を使用する
【0031】
上記の成形装置を使用することにより、環状接着層用の樹脂を供給するアキュムレータのプランジャを介して樹脂に圧力をかけない状態では、外層と内層のみが共押出しされ、筒状の外層とその内側に積層する筒状の内層からなる筒状の多層パリソンが形成され、プランジャへの予め定めた時間長さの加圧動作、その後の除圧動作に対応して、環状接着層が外層と内層の間に共押出しされ、多層パリソンは、一部に一定高さ幅の環状接着層を位置させた、連続筒状の構造となる。
【0032】
また、上記の成形装置において、環状接着層用の樹脂の樹脂通路にこの樹脂通路の開閉のための通路開閉リングを付設した成形装置を使用する
【0033】
外層、内層、環状接着層の、3つの層を形成する樹脂の粘度の組合せ等によっては、プランジャの加圧状態を解除しても、残留した圧力により、環状接着層用樹脂の流動が完全には停止せず、環状接着層の形成高さの精度の確保が容易でなくなる場合があるが、プランジャの除圧動作に合わせて、上記の通路開閉リングを閉状態にすることにより、樹脂流動を効果的に停止させ、環状接着帯の形成高さをより精度高く設定することができる。
【0034】
また、さらに上記の成形装置において、ダイス内に少なくとも1本の縦帯状接着層用樹脂の矩形スリット状の樹脂通路を形成した成形装置を使用する
【0035】
この縦帯状接着層用樹脂の矩形スリット状の樹脂通路により、多層パリソンの全高さ範囲に亘り、外層と内層の間に縦帯状接着層を形成することができ、このようにして得られた多層パリソンをブロー成形することにより、容器の全高さ範囲に亘って、外層と内層とを接着固定した縦帯状の接着帯が形成される。目的、必要に応じて形成する縦帯状接着層の通路の本数をきめることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1ないし図6は、本発明によるブロー成形容器1の一実施例を示すもので、この容器1は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂材料で、必要とする自己形状保持能力を持たせた外殻体として成形された外層2と、ナイロン、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート等の外層2に対して相溶性の低い合成樹脂材料で、撓み変形が自在な袋状に成形された内層3と、外層2および内層3に対して充分な接着性を発揮する接着性樹脂で成形される接着層(縦帯状接着層13、底部接着層14a)とを積層させたブロー成形容器である。
【0037】
この容器1の胴部6は円筒形状をしており、胴部6の上端に起立連設され、外周面に螺条を刻設した口筒部7の左右のパーティングライン5から略90°の位置の外層2部分には、外気を外層2と内層3との間に導入するための一対の吸気孔9が開設されている。
【0038】
左右のパーティングライン5上の位置には一対の、外層2と内層3が縦帯状接着層13により接着固定された、縦帯状の接着帯4が位置している。
【0039】
胴部6の下端には、球弧状に陥没した底壁を有する底部8が連設されており、この底部8(図3、図4参照)は、底壁の周囲に、容器1の脚部を形成し、この底壁の下面中央に、パーティングライン5上に位置して底壁を略横断する、ブロー割り金型のピンチオフ部で押し潰し喰い切り成形された、底シール部10を形成した構成となっている。
【0040】
この底シール部10において、外層2と内層3とは、底部接着層14aにより接着固定されており、底シール部10を境として互いに反対側に位置する外層2同士が、底部接着層14aおよび内層3を介して一体化されている。(図5、図6参照)なお、底部接着層14aは底シール部10の周辺、底部8の一部に若干の広がりをもって形成されている(図3参照)。
【0041】
このように、底シール部10の全長さ範囲に亘り、外層2と内層3が強固に接着固定されているので、大きな外力に対しても充分対抗することができ、外層2と内層3とを剥離自在な合成樹脂材料で成形したことによる、底シール部10の機械的強度の低下を確実に防止することができる。
【0042】
一対の接着帯4は、略パーティングライン上に位置しているので、パーティングラインから略90°位置近傍の胴部6の外表面はスムーズな面に構成することができ、ラベルの貼付、印刷等による外観上の商品性の向上を達成することができる。
【0043】
また、本実施例では、一対の吸気孔9を、軸対称に、口筒部7のパーティングライン5から90°に位置させており、内圧の減少、あるいは内容物の減少等による内層3の萎み変形は、接着帯4が変形を規制する機能を果たしながら、対称的に進行するので、内容物の流動通路を確保しスムーズな注出性を保持しながら、内容物を略使い切ることが可能となる。
【0044】
つぎに、図7、図8は、上記した、本発明のブロー成形容器の製造方法の一実施例を示したものであり、まず、容器1のブロー成形は、円筒状の外層2と、外層2の内側に位置する円筒状の内層3と、外層2と内層3との間に、全高さ範囲に亘って軸対称位置に形成された一対の縦帯状接着層13と、同じく外層2と内層との間に形成された円環状の環状接着層14とを、多層成形用のダイスから共押出しして、多層パリソン40を成形する。
【0045】
連続して共押出し成形されている外層2と内層3と一対の縦帯状接着層13に対して、環状接着層14は、環状接着層14用の樹脂供給部30dに付設したアキュムレータ32の加圧および除圧の制御により、連続することなく一部に共押出し成形される。
【0046】
このように、形成された多層パリソン40をブロー割金型41でピンチオフして(図7(c)参照)、ブロー成形することにより、この環状接着層14が本発明のブロー成形容器の一実施例の説明において記述した、底部接着層14aを形成することとなる。
【0047】
また、この多層パリソン40の形成に際して、一対の縦帯状接着層13が略ブロー割金型41のパーティングライン上に位置するように、多層パリソン40のブロー割り金型41に対する姿勢が設定されており(図7、8(a)参照)、ブロー成形後の容器1では接着帯4が、容器1の略パーティングライン5上に形成される。
【0048】
上記した、本発明のブロー成形容器の製造方法を達成するための多層押出し成形装置は、樹脂供給部30およびダイス20からなるが、図9および図10は、成形装置の一実施例の装置要部の断面図である。
【0049】
なお、樹脂供給部30、後述する押出機31、マンドレル22、マニホールド24、樹脂導入通路25、樹脂通路26、合流部27はそれぞれ、各層用の樹脂に対応して4ケづつ図示してあるが、各層別にはa(外層)、b(内層)、c(縦帯状接着層)およびd(環状接着層)の符号で区別する。
【0050】
外層2、内層3、縦帯状接着層13用の樹脂を供給する、樹脂供給部30a、30b、30cはそれぞれ押出機31a、30b、30cを有し、環状接着層14用の樹脂を供給する樹脂供給部30dは、押出機31dの下流にアキュムレータ32を付設した構成である。
【0051】
このアキュムレータ32は、プランジャ33を内挿したもので、このプランジャ33を樹脂を加圧する方向に動作することにより、環状接着層14用の樹脂を樹脂導入通路25dに供給するが、この際、予め定めたタイミングで樹脂の加圧、そして除圧ができるように、制御が可能な構成としている。
【0052】
ダイス20のダイスハウジング21内には、内側から4ケのマンドレル22b,22d、22c、22aが挿入され、ダイス20内に樹脂の通路となる樹脂導入通路25、マニホールド24、樹脂通路26、合流部27、多層樹脂通路28を形成している。
【0053】
外層2、内層3および環状接着層14は、いずれも最終的にはダイス20内で環状の樹脂流動状態を形成し、各合流部27a、27b、27dで合流して共押出しされるが、この合流部までの外層2、内層3および環状接着層14の樹脂の通路は略同一の構成であるので、内層3についてのみ説明する。
【0054】
樹脂供給部30bから供給された内層3用の樹脂は、樹脂導入通路25bからダイス20内に導入され、マンドレル22bの全周に亘って樹脂を分配し、均一性の高い円環状流動を達成するための機能を有したマニホールド24bを流動しながら、樹脂通路26bで円環状の流動を形成し、合流部27bに至る。
【0055】
本実施例のマニホールド24bは、半円断面状の通路を形成しており、樹脂導入通路25bから樹脂流入口24b1に供給された樹脂を先ず、マンドレル22bの周方向左右に分岐し、通路の断面積を所定の割合で徐々に減少させつつ所定の曲率で、押出し方向に湾曲しながら、樹脂流入口24b1から略180°の樹脂流動端部24b2で合流するように構成されている。
【0056】
なお、図9では、各層用の樹脂供給部30、樹脂導入通路25等をすべて同一平面内に位置させているが、樹脂供給部30の配置のし易さ、ダイス20内における樹脂の流動通路の配置のし易さ等から、各構成要素の配置位置をきめることができる。
【0057】
一方、縦帯状接着層13用の樹脂は、樹脂導入路25cをから、マンドレル22cに円環状に形成されたマニホールド24c流動し、このマニホールド24cから互いに180°に位置に配置された一対の矩形スリット状の樹脂通路26cに配分され、合流部27cに至り、外層3と内層2の間に共押出しされる。
【0058】
このように構成された各樹脂の通路から、常時には内層3用樹脂が合流部27bにおいて、縦帯状接着層13用の樹脂が合流部27cにおいて、外層2用の樹脂が合流部27aにおいて、多層樹脂通路28に合流し、円筒状の外層3の内側に、円筒状の内層3を積層し、この外層2と内層2の間に一対の縦帯状接着層13が形成した多層パリソン40を押出し成形する。
【0059】
この多層パリソン40の押出し成形状態において、アキュムレータ32のプランジャ33を加圧方向に動作させ、予め定められた時間長さ分だけ加圧し、その後除圧することにより、合流部27dから環状接着層14用樹脂が流入して、多層パリソン40の外層3と内層2の間に一定の高さ分の環状接着層14が形成される。
【0060】
予め加圧および除圧のタイミングを設定し、アキュムレータ32の動作を制御することにより、多層パリソン40のブロー割り金型41に対して一定の位置に、一定の高さ分の環状接着層14を形成することが可能となる。
【0061】
また上記、成形装置の一実施例においては、押出機30の下流にアキュムレータ32を敷設する構成としたが、環状接着層14用の樹脂は常時供給することなく間欠的に供給するので、シリンダ内に前進、後退可能なスクリューを有し、樹脂の溶融と射出の機能、すなわち押出機30と、アキュムレータ32の機能を併せ持った射出成形用の押出機を樹脂供給部として使用することもできる。
【0062】
図11は、図10に示したダイス20の環状接着層14用の樹脂の樹脂通路26dに通路開閉リング50を付設した例であり、シリンダ51によりロッド52を介して、この通路開閉リング50を押し下げ、樹脂通路26dを閉鎖することができる構成であり、アキュムレータ32の制御に組み合わせてこの通路開閉リング50使用することにより、特に環状接着層14の高をより精度高く形成することが可能となる。
【0063】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成としたので、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、底シール部の全長さ範囲に亘って、外層と内層とを、接着層で強固に結合しており、外層と内層とを剥離自在な合成樹脂材料で成形したことによる、底シール部の機械的強度の低下を確実に防止することができる。
【0064】
また、通常のブロー成形法で製造でき、容器の底部の底シール部に対する冷却を、速やかにかつ充分に達成でき、容器の生産サイクルを、通常のブロー成形製品と同程度まで高めることができる。
【0065】
また、金型冷却効率を考慮した、特殊な金型を用いる必要がなく、通常の金型を使用することができるので、設備費の大幅な低減を達成できる。
【0066】
また、内層の変形が底シール部近傍と口部で規制され、内容物の流動通路の閉塞の発生を抑制することができる。
【0067】
請求項2記載の発明にあっては、全高さ範囲に亘って形成した接着帯により、内層の萎み変形をさらに規制することができ、内容物の流動通路の閉塞の発生をさらに抑制することができる。
【0068】
請求項3記載の発明にあっては、パーティングライン近傍に一対の接着帯を形成することにより、接着帯によって、左右略対称に一対の接着されていない内層部分ができるが、この部分の萎み変形を対称的に進行させることが可能となり、内容物の注出をスムーズに達成することができる。
【0069】
また、接着帯が略パーティングライン上に位置するので、貼付したラベルの表面、印刷面等がスムーズにできる。外観が優れたが容器製品を提供することが可能となる。
【0070】
請求項4記載の発明においては、外気がパーティングラインから90°の位置近傍に設けられた吸気孔から浸入するので、内層の萎み変形をより対称的に進行させることが可能となり、内容物の注出をよりスムーズに達成することができる。
【0071】
請求項5記載の発明においては、吸気孔を、口筒部の外層部分に設けることにより、吸気孔が容器の外観を劣化させることがなく、またこの吸気孔の切り取り成形を、内層部分に穴を開けることなく、容易に行うことができる。
【0072】
請求項6記載の発明おいては、ブロー割り金型を用いて、多層パリソンの環状接着層が形成された部分をピンチオフし、ブロー成形する製造方法により、底シール部の全長さ範囲に亘って、外層と内層が接着層を介して接着固定された容器を提供することができる。
【0073】
請求項7記載の発明においては、全高さ範囲に亘り、縦帯状の接着帯が形成された容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブロー成形容器の一実施例を示す、一部破断した全体斜視図。
【図2】図1に示した実施例の、平断面図。
【図3】図1に示した実施例の、底面図。
【図4】図1に示した実施例の、底部拡大縦断面図。
【図5】図4中の、底シール部の拡大図。
【図6】図3中の、底シール部の拡大図。
【図7】本発明のブロー成形容器の製造法の一実施例の、ブロー成形の型締め工程を示した、説明図。
【図8】図7中の多層パリソンをA−A線、およびB−B線に沿って示した平断面図。
【図9】 本発明の多層押出し成形装置の一実施例を示す、断面構成図。
【図10】図9において、環状接着層用の樹脂の樹脂通路に、通路シャッターリングを付設した状態を示す、断面構成図。
【符号の説明】
1 ; 容器
2 : 外層
3 ; 内層
4 ; 接着帯
5 ; パーティングライン
6 ; 胴部
7 ; 口筒部
8 ; 底部
9 ; 吸気孔
10; 底シール部
13; 縦帯状接着層
14; 環状接着層
14a; 底部接着層
20; ダイス
21; ダイスハウジング
22、22a、22b、22c、22d; マンドレル
24、24a、24b、24c、24d; マニホールド
24a1、24b1、24c1、24d1; 樹脂流入口
24a2、24b2、24c2、24d2; 樹脂流端部
25、25a、25b、25c、25d; 樹脂導入通路
26、26a、26b、26c、26d; 樹脂通路
27、27a、27b、27c、27d; 合流部
28; 多層樹脂通路
29; ダイヘッド
30、30a、30b、30c、30d; 樹脂供給部
31、31a、31b、31c、31d; 押出機
32; アキュムレータ
33; プランジャ
40; 多層パリソン
41; ブロー割金型
42; ピンチオフ部
50; 通路開閉リング
51; シリンダ
52; ロッド

Claims (7)

  1. ブロー成形により、定形の外殻を形成する合成樹脂製の外層(2)と、該外層(2)と剥離自在に積層され、内袋を形成する可撓性合成樹脂製の内層(3)と、全長さ範囲に亘り、前記外層(2)と内層(3)とが底部接着層(14a)により接着固定した、ブロー割り金型(41)のピンチオフ部(42)により偏平に押し潰されて成形される底部(8)の底シール部(10)とを有し、前記外層(2)に該外層(2)と内層(3)との間に外気を侵入させる吸気孔(9)を形成する構成とした、ブロー成形容器。
  2. 外層(2)と内層(3)とを、全高さ範囲に亘って、縦帯状接着層(13)により接着固定し、かつ吸気孔(9)を避けて位置した縦帯状の少なくとも1本の、前記外層(2)と内層(3)と接着層(13)との積層構造である接着帯(4)を形成した、請求項1のブロー成形容器。
  3. パーティングライン(5)近傍に一対の接着帯(4)を形成した請求項2記載のブロー成形容器。
  4. 吸気孔(9)を、容器(1)の中心軸に関して略軸対称に、パーティングライン(5)から90°の位置近傍の2箇所の外層(2)部分に設けた請求項3記載のブロー成形容器。
  5. 吸気孔(9)を、口筒部(7)の外層(2)部分に設けた請求項1、2、3または4記載のブロー成形容器。
  6. 少なくとも筒状の外層(2)と、筒状の内層(3)と、該外層(2)と内層(3)の間に間欠的に環状に共押出しされる環状接着層(14)とからなる、多層パリソン(40)を形成し、ブロー割り金型(41)を用いて、前記多層パリソン(40)の環状接着層(14)が形成された部分をピンチオフし、ブロー成形する、ブロー成形容器の製造方法。
  7. 外層(2)と内層(3)の間に縦方向に少なくとも1本の共押出しされる縦帯状接着層(13)を有する多層パリソン(40)を形成する、請求項6記載のブロー成形容器の製造方法。
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