JP4423689B2 - ノズル付き押出容器及びその製法 - Google Patents

ノズル付き押出容器及びその製法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズル付き押出容器、及びその製法に関するもので、より詳細には、製造が容易であり、しかもキャップの密封性、胴部との密着性及び内容物の保存性に優れたノズル付き押出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
容器胴部と別体に容器用ノズルを形成し、この容器用ノズルを容器胴部に接合することは、チューブ容器やノズル付スタンデイングパウチ等の製造に際して広く用いられている。
【0003】
また、各種樹脂が有する長所を利用し且つその欠点を補う目的で、多層樹脂容器が包装の各分野で使用されている。例えばポリオレフィン樹脂が有する耐湿性及び衛生的特性を利用してこれを内外表面層とし、一方ポリオレフィン樹脂が酸素ガスバリヤー性に劣るのを補うため、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のガスバリヤー性樹脂を中間層とし、これらを積層した容器が広く使用されている。この場合、エチレン−ビニルアルコール共重合体層の両側に設けられたポリオレフィン層は、湿度によるエチレン−ビニルアルコール共重合体のガスバリヤー性低下を防止するような補完作用をも行う。
【0004】
この多層構造を容器用ノズルに適用することについてもいくつかの提案がある。特公昭60−55285号公報には、チューブ容器頭部形成用金型内に配置の不浸透性層を有する予め形成してあるチューブ本体の一端周辺部に、予め形成してある不浸透性材料よりなる障壁部材をその一端周辺部が強固に圧着するように設置し、該チューブ容器頭部形成用金型のうち、上金型内面へは予め形成してある頭部形成用部材を吸引等の方法により設置させておき、上記障壁部材と頭部形成用部材の間に生じさせてある間隙に射出成形方法により樹脂を射出させることにより、不浸透性層を有する三層構成以上の頭部を固着させることを特徴とする不浸透性チューブ容器の製造方法が記載されている。
【0005】
米国特許第5292034号明細書には、上端部を有すると共に少なくとも1個のプラスチックパイプ要素層を有するパイプ要素と、加熱され加圧されたプラスチック素材から前記パイプ要素上に成形され、中央に開口して外側にネジを備えた排出口を形成しているネック部を有する多層チューブヘッドとを備え、多層チューブヘッドの各層はプラスチックからなると共に、パイプ用の上端部に1層ずつ加圧することにより形成され、多層チューブヘッドは外層、内層、及び、外層と内層との間の少なくとも1個の中間層からなり、多層チューブヘッドの少なくとも1層はバリアー層であるチューブ容器が記載されている。また、バリアー層としては、エチレンビニルアルコール共重合体が使用されることも記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記提案にも認められるように、容器胴部に接合させるノズル部にもガスバリアー性樹脂層を設けることにより、フレーバー成分の容器外への揮散が防止され、また容器内への酸素の透過が抑制されるため、内容物の保存性が向上する。
【0007】
しかしながら、公知のプラスチック製多層ノズルは、概して製造手段が複雑であるばかりではなく、ノズル部と胴部との接続部等においてバリアー樹脂が内部に露出する傾向があり、このためガスバリアー性樹脂の吸湿によるガスバリアー性の低下やガスバリアー性樹脂層の剥離等を生じたり、或いはノズルと容器との密着が不十分となったりするという問題がある。
【0008】
従って、本発明の目的は、胴部と接合部を介して一体化される容器用ノズルにおいて、胴部との密着性に優れていると共に、内容物の保存性にも優れ、しかも製造も容易である容器用ノズルを提供するにある。
本発明の他の目的は、キャップとの締結精度が高く、高い密封信頼性を有し、耐環応力境亀裂性にも優れており、生産性にも優れている押出用ノズル、ノズル付き容器及びその製法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、口部に押出用ノズルを備えた押出容器において、該押出容器のノズル及び可撓性胴部が、バリアー樹脂から成るコアと前記コアを完全に覆う内外樹脂層のシェルとから成る団子状パリソンの圧縮成形で形成され、バリアー樹脂層端部は内外層樹脂中に封入されており、前記押出容器がノズルと可撓性胴部とが一体に成形されたものであり、ノズルの口部は閉じられており、胴部の開口端部においては、開口側のバリアー樹脂層端部が内外層の樹脂中に予め封入されていることいることを特徴とする押出容器が提供される。
本発明によればまた、口部に押出用ノズルを備えた押出容器において、該押出容器のノズル及び可撓性胴部が、バリアー樹脂から成る中間層と前記中間層を完全に覆う樹脂の内外層とから成り且つ中間層の端部が内外層間に封入されている筒状パリソンの径を拡げる圧縮成形で形成され、バリアー樹脂層端部は内外層樹脂中に封入されており、前記押出容器がノズルと可撓性胴部とが一体に成形されたものであり、ノズルの口部は開いており、ノズルの開口端部及び胴部の開口端部においては、開口側のバリアー樹脂層端部が内外層の樹脂中に予め封入されていること特徴とする押出容器が提供される。
本発明によれば更に、口部に押出用ノズルを備えた押出容器の製法において、バリアー樹脂から成るコアと前記コアを完全に覆う樹脂層のシェルとから成る団子状パリソンを、ノズル外面及び可撓性胴部外面を規定する雌型とノズル内面及び可撓性胴部外面を規定する雄型との間でノズル及び可撓性胴部を一体に圧縮成形して、ノズルの圧縮成形と同時に胴部の圧縮成形をも同時に行うことを特徴とする押出容器の製法が提供される。
本発明によれば更にまた、口部に押出用ノズルを備えた押出容器の製法において、バリアー樹脂から成る中間層と前記中間層を完全に覆う樹脂の内外層とから成り且つ中間層の端部が内外層間に封入されている筒状パリソンを、ノズル外面及び可撓性胴部外面を規定する雌型とノズル内面及び可撓性胴部外面を規定する雄型との間で圧縮成形することにより、ノズルの圧縮成形と同時に筒状パリソンの径を拡げて可撓性胴部を圧縮成形し、ノズルと可撓性胴部を一体に成形することを特徴とする押出容器の製法が提供される。
また本発明によれば、口部に押出用ノズルを備えた押出容器の製法において、バリアー樹脂から成る中間層と前記中間層を完全に覆う樹脂の内外層とから成り且つ中間層の端部が内外層間に封入されている筒状パリソンを、少なくともノズル外面を規定する雌型と少なくともノズル内面を規定する雄型との間で圧縮成形すると同時に、ノズルとは別体に成形された可撓性胴部を雌型と雄型とで保持してノズルと胴部との接合を行うことを特徴とする押出容器の製法が提供される。
本発明においては、
1.前記バリアー樹脂が、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂及び環状オレフィン系共重合体から成る群より選択された少なくとも1種であること、
2.前記内外層樹脂が、オレフィン系樹脂であること、
3.前記バリアー樹脂と前記内外層樹脂との間に酸変性オレフィン系樹脂が介在していること、
が好ましい。
【0010】
【発明の実施形態】
本発明は、胴部と接合部を介して容器に一体化されるノズルに関するが、バリアー樹脂層を少なくとも接合部からノズル先端にかけて少なくとも1個の中間層として設けると共に、接合部側のバリアー樹脂層端部を内層或いは内外層の樹脂中に予め封入して成ることが特徴であり、これにより胴部との間に気密性と耐衝撃性とに優れた密着接続構造を形成することができると共に、バリアー性樹脂に対する内容物の悪影響を遮断し、内容物に対する保存性を顕著に向上させることができる。
【0011】
一般的にいって、バリアー樹脂は内容物から分離している状態では優れたバリアー性を示すものであっても、内容物と直接接触している状態では、十分なバリアー性を示さない場合が多い。例えば、エチレンビニルアルコール共重合体やナイロン類のような酸素バリアー性樹脂は、乾燥された状態では優れた酸素バリアー性を示すとしても、内容物と接触し、吸湿された状態では酸素透過性が一桁以上高いオーダーになる場合が多い。
【0012】
更にバリアー樹脂は、容器等の内外層に一般的に使用されるオレフィン系樹脂に対する接着性に劣り、ノズルの接合端部にこれが露出していると、この部分にピンホール状の密着不良部等が発生し、この接合部から内容物成分の漏洩が生じたり、接合部の耐衝撃強度が低下したりするという問題を生じる。
【0013】
本発明においては、器壁を通しての内容物成分の透過或いは外気中の酸素の内部への透過を防止するために、ノズルの接合部から先端部にかけてバリアー樹脂を中間層として設けるが、接合部側のバリアー樹脂層端部を内層或いは内外層の樹脂中に予め封入した。これにより、バリアー層端部が接合部の界面に露出してピンホール状の密封不良部ができるのが防止されると共に、内容物との接触によりバリアー層の物性が劣化するのも防止され、耐衝撃性に優れ、内容物の保存性にも優れたノズル−胴部間の接合部を形成することができる。
【0014】
本発明では、容器用の押出ノズルを単体として製造し、これをチューブやパウチなどの可撓性容器胴部との接合に用いることもできるし、また押出ノズルの成形と同時に別体に形成されたチューブやパウチなどの可撓性容器胴部との接合を行うこともできる。更に、押出ノズルの成形と同時にチューブやパウチなどの可撓性容器胴部の成形をも同時に行うこともできる。
【0015】
これらの押出容器の少なくとも押出用ノズルは、バリアー樹脂から成るコアと前記コアを完全に覆う内外樹脂層のシェルとから成る団子状パリソン或いはバリアー樹脂から成る中間層と前記中間層を完全に覆う樹脂の内外層とから成り且つ中間層の端部が内外層間に封入されている筒状パリソンの圧縮成形で形成されていることが特に好ましい。
即ち、上記の団子状パリソン或いは筒状パリソンを用いることにより、バリアー樹脂中間層の端部が内外層間に封入された前記構造のノズル乃至ノズル付き容器が確実に形成されるという利点が達成される。また、これらのパリソンを圧縮成形でノズルに形成することにより、従来のブロー成形や射出成形に認められない利点が達成される。
【0016】
本発明の圧縮成形では、樹脂の押出成形によりパリソンを形成させるという点ではブロー成形法と共通するところがあるが、ブロー成形法の場合、ノズル部の機械的精度が低く、またバリの発生などがあり、更にノズル部の各部位の肉厚の制御も困難であるという問題がある。これに対して、圧縮成形法では、ノズル部の外面及び内面がキャビティ型及びコア型で規制されて圧縮力により成形が行われるので、ノズル部の機械的精度が高く、またバリの発生などがなく、更にノズル部の各部位の肉厚の制御も容易であるという利点がある。このため、圧縮成形で形成されたノズル部は、キャップとの締結の精度が高く、信頼性のある密封が可能となる。
【0017】
一方、本発明の圧縮成形では、キャビティ型及びコア型で規制された状態で溶融樹脂の成形を行うという点では、射出成形法と共通するところがあるが、射出成形の場合、ゲート部を通して樹脂を射出するため、高剪断力による流動配向の影響があり、押出容器に最も普通に使用されるエチレン系重合体の場合、環境応力亀裂(ESC)等の問題を発生しやすい。更に、樹脂を高温で射出する必要があり、そのため冷却にも長時間を必要とし、型の占有時間が長くなるという問題がある。これに対して、本発明の圧縮成形では、キャビティ型内に挿入されたパリソンをコア型で圧縮することにより成形が行われるため、高剪断力による流動配向の影響が殆どなく、耐環境応力亀裂性に優れているという利点がある。また、パリソンの樹脂温が低くても成形が容易であり、型内の占有時間が短く生産性に優れているという利点がある。
【0018】
更に、本発明では、押出ノズルの成形と同時に別体に形成されたチューブやパウチなどの可撓性容器胴部との接合を行うこともできるし、また押出ノズルの成形と同時にチューブやパウチなどの可撓性容器胴部の成形をも同時に行うこともでき、工程数が少なく、生産性が高く、また押し出されたパリソンが有する熱を有効に利用して各工程を実施できるので、熱経済の点でも優れている。
【0019】
[ノズル]
本発明の多層ノズルの一例を胴部と共に示す図1において、このノズル1は、パイプ状の可撓性胴部2に接合一体化されて、チューブ容器を形成するものであり、筒状ネック部3と、肩部4とからなっている。筒状ネック部3は一端(先端)に排出口5を有し、他端において肩部4に連なっており、その外周にはキャップを締結するための雄ねじ6が設けられている。肩部4は円錐台形の形状をしており、その大径側の端部は接続部7となっている。
【0020】
このノズル1の接続部7から先端部5にかけてバリアー樹脂8が中間層として設けられているが、このバリアー樹脂中間層8の接続部側端部9はノズルを構成する内外層樹脂10、11中に予め封入されている。ノズル1と胴部2との接続は両者の熱接着により行われる。
【0021】
本発明の多層ノズルの他の例を胴部と共に示す図2において、このノズル1は、スタンデイングパウチの胴部2に接合一体化されて、飲み口付きスタンデイングパウチ容器を形成するものであり、前述した図1の肩部4の代わりに筒状ネック部3の下方に短い筒状の接続部7が形成されている以外は図1の場合と同様である。
【0022】
このノズルの好適な断面構造の一例を拡大して示す図3において、このノズル1は、オレフィン系樹脂から成る内層10及び外層11と、バリアー樹脂から成る中間層8と、バリアー樹脂中間層8と内外層10、11との間に設けられた酸変性オレフィン系樹脂層13a、13bとを備えた多層構造を有している。オレフィン系樹脂層とバリアー性樹脂層との間に酸変性オレフィン系樹脂層を介在させることにより、落下等の衝撃が加わったときにも、また内容物中の芳香成分が浸透した場合にも、耐層間剥離性に優れた多層構造を形成することができる。
【0023】
このノズルの好適な断面構造の他の例を拡大して示す図4において、このノズル1は、オレフィン系樹脂から成る内層10及び外層11と、バリアー樹脂から成る中間層8と、バリアー樹脂中間層8と内外層10、11との間に設けられた酸変性オレフィン系樹脂層13a、13bとを備えていることは、図3と同様であるが、このノズルにおいては、目的の異なる第1のバリアー樹脂中間層8aと第2の中間層8bとが設けられている。第1のバリアー中間層8aと第2のバリアー中間層8bとの間にも、酸変性オレフィン系樹脂層13cが設けられている。内層側の第1のバリアー樹脂中間層8aは、例えば水蒸気バリアー性に優れた環状オレフィン系共重合体であり、第2の中間層8bは香味成分や酸素に対するバリアー性に優れたナイロン系重合体やエチレンビニルアルコール共重合体であり、この多層構造は総合的な内容物保存性に優れている。
内層側の第一のバリアー樹脂中間層8aの代わりに、酸素吸収剤配合樹脂層を用いることもできる。
【0024】
ノズルの内外層は、オレフィン系樹脂で形成されているのが好適である。チューブ容器或いはパウチ状容器の胴部の内面は、衛生的特性やヒートシール性の点でオレフィン系樹脂で形成されているのが一般的であり、従って、ノズルの内外層をオレフィン系樹脂で形成させることにより、容器胴部との間に優れた熱接着性乃至ヒートシール性を達成することができる。
【0025】
オレフィン系樹脂としては、一般に、低−、中−、高−密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)等が挙げられる。
樹脂の成形性や熱接着性の点で、ポリエチレンとしては、メルトインデックス(ASTM D1238 190℃)が0.001乃至2g/10minの範囲にあるものが、またポリプロピレンとしてはメルトインデックス(ASTM D1238 230℃)が0.05乃至5g/10minの範囲にあるものが望ましい。
【0026】
バリヤー性樹脂としては、各種気体に対して低い透過係数を有し且つ熱成形可能な熱可塑性樹脂が使用される。これらのバリアー樹脂は、容器の用途に応じ、適当なものを選択し或いは組み合わせて使用される。
【0027】
水蒸気に対するバリアー性が大きい樹脂としては、環状オレフィン系共重合体、オレフィンと環状オレフィンとの非晶質乃至低結晶性共重合体(COC)が使用される。
【0028】
共重合体を構成するオレフィンとしては、エチレンが好適であるが、他にプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1ーヘキセン、1−オクテン、3ーメチル1−ペンテン、1−デセン等の炭素数3乃至20のα−オレフィンが、単独或いはエチレンとの組み合わせで使用される。
環状オレフィンとしては、基本的には、エチレン系不飽和結合とビシクロ環とを有する脂環族炭化水素化合物、特にビシクロ[2、2、1]ヘプト−2−エン骨格を有する炭化水素化合物、例えばノルボルネン、テトラシクロでデセン等が挙げられる。
【0029】
この共重合体(COC)は、50乃至22モル%、特に40乃至22モル%の環状オレフィン、特に好適にはノルボルネン、テトラシクロドデセンと残余のエチレンとから誘導され且つ200℃以下、特に150乃至60℃のガラス転移点(Tg)を有するのがよい。
【0030】
この共重合体の分子量は、特に制限はないが、デカリン中135℃で測定して、0.1乃至20dl/gの極限粘度[η]を有するのがよく、また、その結晶化度は、X線回折法で測定して、一般に10%以下、特に5%以下である。
【0031】
上記共重合体(COC)は、オレフィンと環状オレフィンとを、それ自体公知のバナジウム系触媒或いはメタロセン系触媒の存在下にランダム重合させることにより得られる。
好適な共重合体(COC)は、三井石油化学株式会社から、APELの商品名で入手しうる。
【0032】
酸素や香気成分に対するバリヤー性樹脂としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体を挙げることができ、例えば、エチレン含有量が20乃至60モル%、特に25乃至50モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が使用される。このエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物は、フイルムを形成し得るに足る分子量を有するべきであり、一般に、フェノール:水の重量比で85:15の混合溶媒中30℃で測定して 0.01dL/g 以上、特に0.05 dL/g 以上の粘度を有することが望ましい。
【0033】
また、前記特性を有するバリヤー性樹脂の他の例としては、炭素数100個当りのアミド基の数が5乃至50個、特に6乃至20個の範囲にあるポリアミド類;例えばナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6/6,6共重合体、メタキシリレンアジパミド、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン13、ヘキサメチレンテレフタラミド/イソフタラミド共重合体、或いはこれらのブレンド物等が使用される。これらのポリアミドもフイルムを形成するに足る分子量を有するべきであり、濃硫酸中1.0g/dl の濃度で且つ30℃の温度で測定した相対粘度(ηrel)が1.1 以上、 特に1.5 以上であることが望ましい。
【0034】
これらのバリアー樹脂は、オレフィン系樹脂に対する接着性が一般になく、従って、バリアー樹脂とオレフィン系樹脂との間には、酸変性オレフィン系樹脂を接着剤として介在させる。
【0035】
ベースとなるオレフィン系樹脂としては、前に例示したものが全て使用できる。
グラフトする不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、または、その誘導体、例えば上記不飽和カルボン酸の酸無水物、イミド、アミド、エステル等を挙げることが出来る。
該誘導体として、具体的には、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、グリシジルマレート等を例示できる。
これらの中では、不飽和カルボン酸またはその酸無水物が好適であり、特に、マレイン酸、ナジック酸、それらの酸無水物がとりわけ好適である。
【0036】
この様な不飽和カルボン酸またはその誘導体から選ばれるグラフトモノマーを前記オレフィン系樹脂にグラフト共重合して変性物を製造するには、従来公知の方法を用いることが出来、オレフィン系樹脂を溶融させグラフトモノマーを添加してグラフト共重合させる溶融変性法、あるいは溶媒に溶解させグラフトモノマーを添加してグラフト共重合させる溶液変性法等を用いることが出来る。
【0037】
オレフィン系樹脂に前記変性用モノマーを効率よくグラフトさせて酸変性物を得るには、ラジカル開始剤の存在下に反応を行うことが好ましく、この場合グラフト化反応は通常60乃至350℃の温度で行われる。ラジカル開始剤の使用割合は、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して通常0.001乃至2重量部の範囲である。
本発明で用いられる酸変性オレフィン系樹脂は、その変性量が、グラフトモノマー重量(ベースポリマー当たり)として0.01乃至10重量%、特に、1乃至5重量%の範囲で変性されることが好ましく、グラフト変性量が前記範囲にある場合は、オレフィン系樹脂以外の樹脂層に対してもすぐれた接着性が得られる。
【0038】
このノズルにおいて、バリアー樹脂中間層の厚みは、一般に5乃至300μm、特に10乃至100μmの厚みにあるのが好ましく、酸変性オレフィン系樹脂層の厚みは一般に2乃至40μm、特に3乃至30μmの範囲にあるのが好ましい。
一方、バリアー樹脂層の接続部側端部での内外層樹脂による被覆幅は、5乃至1000μmの範囲にあることが、内容物のバリアー樹脂への影響を防止すると共に、接続部の耐衝撃性の点で好ましい。
【0039】
[ノズルの製造]
バリアー樹脂中間層が接続部側端部で内外層樹脂中に予め埋め込まれたノズルは、バリアー樹脂から成る中間層と、前記中間層を完全に覆うオレフィン系樹脂から成る内外層と、両層間に介在する酸変性オレフィン系樹脂層とから成り且つ中間層の端部が内外層間に封入されている筒状パリソンを、ノズル外面を規定する雌型とノズル内面を規定する雄型との間で圧縮成形すること(第1の方法)により得られる。
或いは別法として、バリアー樹脂から成るコアと、前記芯を完全に覆うオレフィン系樹脂と、両者間に介在する酸変性オレフィン系樹脂層とから成るシェルとから成る団子状パリソンを、ノズル外面を規定する雌型とノズル内面を規定する雄型との間で押圧成形すること(第2の方法)により得られる。
【0040】
第1の方法を説明するための図5において、このノズルの製造工程は、筒状パリソンの成形工程(A)、筒状パリソンの雌型への挿入工程(B)、雄型の押圧工程(C)及び型からの取り出し工程(D)から成る。
【0041】
筒状パリソンの成形工程(A)においては、内層10、第1のバリアー樹脂中間層8a、第2のバリアー樹脂中間層8b、外層11から成る筒状パリソン20を押出により成形する。この筒状パリソン20には、第1及び第2の中間層が一定の長さで存在する部分と、これらの中間層が欠如されている部分21とが存在する。中間層が欠如されている部分21の中央でカッター22でパリソンを切断することにより、バリアー樹脂中間層8a、8bが接続部側端部で内外層樹脂中に予め埋め込まれたノズル形成用パリソン20’が得られる。
【0042】
上記の中間層が断続している筒状パリソンは、同軸状に配置された内層樹脂押出通路、中間層樹脂押出通路及び外層樹脂押出通路、これらの各樹脂の合流部、合流部からオリフィスに至る多層樹脂通路、中間層樹脂押出通路の合流部への出口に設けられ且つ中間層樹脂通路を開閉する可動スリーブを備えた多層押出用ダイを使用し、可動スリーブにより、中間層樹脂通路を断続的に開閉することにより製造される。
【0043】
バリアー樹脂の両側に酸変性オレフィン系樹脂の接着剤層を設ける場合、酸変性オレフィン系樹脂/バリアー樹脂/酸変性オレフィン系樹脂の積層体を中間層樹脂通路に供給して、可動スリーブで一挙に閉鎖することもできるし、またこれらの樹脂通路を独立に設けて、各通路を可動スリーブで閉鎖することもできる。これは、バリアー樹脂として複数種のものを使用する場合についても同様である。
【0044】
この多層押出装置の一例を示す図6において、ダイ40の内部には、オレフィン系樹脂等の外層樹脂押出通路41、酸変性オレフィン系樹脂等の第一の押出通路42、エチレンビニルアルコール共重合体等の酸素バリアー樹脂の押出通路43、酸変性オレフィン系樹脂等の接着剤の第二の押出通路44、環状オレフィン系共重合体等の水蒸気バリアー樹脂の押出通路45、酸変性オレフィン系樹脂等の接着剤の第三の押出通路46、オレフィン系樹脂等の内層押出通路47、これらの各樹脂のオリフィスに至る多層樹脂通路48が設けられている。
【0045】
外層樹脂押出通路41はオレフィン系樹脂押出機49に接続されると共に、分岐チャンネル50により内層樹脂押出通路47に接続されている。酸変性オレフィン系樹脂の第一の押出通路42は酸変性オレフィン系樹脂押出機51に接続されると共に、分岐チャンネル52により第二の押出通路44及び第三の押出通路46に接続されている。また、酸素バリアー樹脂押出通路43はエチレンビニルアルコール共重合体押出機53に接続され、水蒸気バリアー樹脂押出通路45は環状オレフィン系共重合体押出機54に接続されている。
【0046】
上記各中間層の押出通路には、樹脂流を遮断するための可動スリーブが配置される。即ち、酸変性オレフィン系樹脂等の第一の押出通路42には可動スリーブ55が、エチレンビニルアルコール共重合体等の酸素バリアー樹脂の押出通路43には可動スリーブ56が、環状オレフィン系共重合体等の水蒸気バリアー樹脂の押出通路45には可動スリーブ57が、それぞれ配置される。尚、可動スリーブ55による押出通路42の閉鎖位置は分岐チャンネル52よりも上流側にあるので、可動スリーブ55が下降すると、第一の通路42のみならず、第二の通路44及び第三の通路45も同時に閉鎖されることになる。
【0047】
図6には、各可動スリーブ55、56及び57が上昇し、対応する樹脂通路が開いている状態を示しているが、多層パリソンの成形に際しては、先ず各可動スリーブ55、56及び57を下降させ、外層樹脂及び内層樹脂のみを押し出す。次いで可動スリーブ55、56及び57を上昇させて、外層樹脂及び内層樹脂間に、酸変性オレフィン系樹脂/エチレンビニルアルコール共重合体/酸変性オレフィン系樹脂/環状オレフィン系共重合体/酸変性オレフィン系樹脂から成る中間層を押し出し、最後に、各可動スリーブ55、56及び57を下降させて中間層を遮断し、外層樹脂及び内層樹脂を押し出す。
【0048】
再び図5に戻って、樹脂の成形温度に維持されているノズル形成用パリソン20’は、(B)に示されるとおり、ノズル外面を規定する雌型22内に挿入され、保持される。雌型22は、ネジ形成部23、肩形成部24及び接続部形成部25を備えている。一方、ノズル内面を規定する雄型26は、首部内面形成部27及び肩部内面形成部28を備えている。
雌型22と雄型26とが、(C)に示すとおり、パリソン20’を間に挟んで係合することにより、ノズル1が圧縮成形される。成形されたノズル1は、図5(D)に示すとおり、型22及び26が開くことにより取り出される。
パウチ用ノズルの成形は、肩部形成用部分を備えていない型を用いる以外は上記と同様にして得られる。
この筒状パリソンを用いて得られるノズルでは、排出口(押出口)5は開口していることが理解されるべきである。
【0049】
第2の方法を説明するための図7において、このノズルの製造工程は、団子状パリソンの成形工程(A)、団子状パリソンの雌型への挿入工程(B)、雄型の押圧工程(C)、型からの取り出し工程(D)からなり、所望により、排出口ディスクの打ち抜き工程(E)及び打ち抜き型からの取り出し工程(F)や、排出口の仕上げ工程(G)及び仕上げ工程からの取り出し工程(H)を付加することができる。
【0050】
団子状パリソンの成形工程(A)においては、ノズルの中間層8となるコア31と、コア31を完全に被覆し且つノズルの内層及び外層となるシェル32とから成る団子状パリソン30を、ダイス乃至オリフィス34を通して押し出し、押出物をカッター22等で切断する。
【0051】
この団子状パリソンの成形には、図6に示した多層多重ダイス40が若干の変更を加えて使用される。即ち、図6に示す内層樹脂押出通路41及び外層樹脂押出通路43を環状の樹脂押出通路とし、中間層樹脂押出通路42を中実流押出通路とし、オリフィスを中実流押出通路とすることにより、団子状パリソンが形成される。
【0052】
図7において用いる雌型22及び雄型26は、基本的に図5のものと実質的に同一である。団子状パリソン30’は、(B)に示すとおり雌型22上に置かれ、雌型22と雄型26とが、(C)に示すとおり、パリソン30’を間に挟んで係合することにより、ノズル1が圧縮成形される。成形されたノズル1は、図7(D)に示すとおり、型22及び26が開くことにより取り出される。型から取り出されたノズル1の排出口部5には、樹脂のデイスク33が残存していて閉じている。
厳密な密封性能が要求される押出容器の場合、樹脂デイスク33をそのまま残留させることもでき、排出口部の開封は、例えばノズルから取り外したキャップを、逆さまとし、ねじの反対側に設けられた開封用突起部を樹脂デイスクに突き刺すことにより、行うことができる。
【0053】
勿論、ノズルの排出口が開いているものも製造することができ、この場合図7(D)に示すノズル1を、排出口ディスクの打ち抜き工程(E)において、ノズルの支持型61と打ち抜き型62とを用いて、ディスク33を打ち抜くことにより、排出口5が開口した容器用ノズルが得られる。
【0054】
打ち抜き型からの取り出された排出口開口ノズルは、排出口の仕上げ工程(G)において、ノズルを支持型63で支持すると共に、加熱されたプランジャー64をノズル排出口に挿入することにより、排出口の内面を部分的に溶融し、滑らかで所望の形状及び寸法に仕上げすることができる。
【0055】
パウチ用ノズルの成形は、肩部形成用部分を備えていない型を用いる以外は上記と同様にして得られる。
【0056】
[容器胴部]
本発明において、容器胴部がノズルと別体に成形されている場合、容器胴部は任意の可撓性素材が使用される。
この可撓性材料としては、ヒートシール性を与えるためのオレフィン樹脂、機械的強度や耐熱性等を付与するための延伸プラスチックフィルム、酸素等に対するガスバリアー性を付与するための金属箔乃至ガスバリアー性樹脂等が複数の組み合わせで、ラミネートの形で使用される。
【0057】
ヒートシール性樹脂フィルムとしては、一般に、低−、中−、高−密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、エチレン系不飽和カルボン酸乃至その無水物でグラフト変性されたオレフィン樹脂等の変性オレフィン系樹脂;比較的低融点乃至低軟化点のポリアミド乃至コポリアミド樹脂;比較的低融点乃至低軟化点のポリエステル乃至コポリエステル樹脂;の1種或いは2種以上の組み合わせからなるものが使用される。これらのフィルムは15乃至100μmの厚みを有するのがよい。
【0058】
また、ヒートシール性樹脂以外のフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステルフィルム:ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12、等のポリアミドフィルム:プロピレン系重合体フィルム:ポリ塩化ビニルフィルム:ポリ塩化ビニリデンフィルム:エチレンビニルアルコール共重合体フィルム等を挙げることができる。これらのフィルムは未延伸のものでも、一軸延伸或いは二軸延伸のものでもよい。その厚みは、一般に3乃至50μm、特に5乃至40μmの範囲にあることが望ましい。
【0059】
ガスバリアー性を付与するために使用される金属箔としては、各種表面処理鋼箔やアルミニウム等の軽金属箔が使用される。表面処理鋼箔としては、冷圧延鋼箔に、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の一種叉は二種以上行なったものや、最終圧延に先立って前記メッキ処理を行い、次いで冷間圧延処理を行って得られる表面処理鋼箔を用いることができる。軽金属箔としては、所謂純アルミニウム箔の他にアルミニウム合金箔が使用される。これらの金属箔は、厚さが150μm以下、特に5乃至120μmのものを使用する。
【0060】
金属箔の一方の表面には、ラミネート以外の方法による保護被覆が設けられていてもよい。保護被覆の形成は、保護塗料を設けることにより行われる。保護塗料としては、熱硬化性及び熱可塑性樹脂からなる任意の保護塗料:例えばフェノール−エポキシ塗料、アミノ−エポキシ塗料等の変性エポキシ塗料:例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エポキシ変性−、エポキシアミノ変性−或はエポキシフェノール変性−ビニル塗料等のビニルまたは変性ビニル塗料:アクリル樹脂系塗料:スチレン−ブタジエン系共重合体等の合成ゴム系塗料等の単独または2種以上の組合せが使用される。
これらの塗料は、エナメル或はラッカー等の有機溶媒溶液の形で、或は水性分散液または水溶液の形で、ローラ塗装、スプレー塗装、浸漬塗装、静電塗装、電気泳動塗装等の形で金属素材に施す。勿論、前記樹脂塗料が熱硬化性の場合には、必要により塗料を焼付ける。保護塗膜は、耐腐食性と加工性との見地から、一般に2乃至30μm、特に3乃至20μmの厚み(乾燥状態)を有することが望ましい。
【0061】
ガスバリヤー性樹脂としては、ノズルに関して既に例示した任意の材料が使用される。
これらのガスバリアー性樹脂は、5乃至300μm、特に10乃至100μmの厚さで使用される。
【0062】
積層体の適当な例は、オレフィン系樹脂ヒートシール層/一軸延伸ポリプロピレンフィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール層/二軸延伸ナイロンフィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール層/二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール層/アルミニウム箔/二軸延伸ポリプロピレンフィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール層/アルミニウム箔/二軸延伸ナイロンフィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール層/アルミニウム箔/二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール層/エチレンビニルアルコール共重合体/二軸延伸ポリエステルフィルムフィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール層/非晶質芳香族ポリアミド/二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール層/金属蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム等であるが、この例に限定されない。ラミネートの全体の厚みは、100乃至1000μm、特に200乃至900μmの範囲にあることが好ましい。
【0063】
積層体の製造は、ドライラミネーション、サンドイッチラミネーション、押出コート、共押出等のそれ自体公知の任意の手段で行うことができる。各層の間に十分な接着性が得られない場合には、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、酸変性オレフィン系樹脂接着剤等の接着剤樹脂を用いることができる。
【0064】
また、サンドイッチラミネーションに際しては、任意の樹脂をフィルム間或いはフィルムと金属箔の間に押し出すことにより行われ、また、押出コートに際しては、任意の樹脂をフィルム或いは金属箔の上に押し出すことにより行われる。押し出す樹脂としては、一般に、低−、中−、高−密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、エチレン系不飽和カルボン酸乃至その無水物でグラフト変性されたオレフィン樹脂等の変性オレフィン樹脂;比較的低融点乃至低軟化点のポリアミド乃至コポリアミド樹脂;比較的低融点乃至低軟化点のポリエステル乃至コポリエステル樹脂;前記した樹脂の1種乃至2種以上とおよびまたは公知の充填剤とからなるブレンド樹脂;などが単層押出乃至共押出されて使用される。押出樹脂層を施す表面には、ウレタン系、チタネート系等のアンカー剤を施しておくことができる。
【0065】
チューブ容器の胴部の成形は、前記積層体のシートをラップ接合することにより製造することができ、或いは樹脂積層体をリング状ダイを通して共押出することにより製造することができる。
また、パウチの製造は、前述した積層体をそれ自体公知の製袋手段で成形することにより得られる。
【0066】
[ノズル付き容器の製造]
本発明の一つの態様においては、ノズルを熱接着により容器胴部と一体化することにより、ノズル付き容器が製造される。
例えば、ノズルの容器胴部に対する熱接着は、予め形成したノズルの接合部を、外層樹脂の軟化温度以上の温度に加熱し、これを予め別体に形成された胴部に押圧してヒートシールことにより製造できる。
しかしながら、本発明では、押出容器の胴部がノズルとは別体に成形された可撓性胴部であり、この胴部を雌型と雄型とで保持して、ノズルの圧縮成形と同時にノズルと胴部との接合とを同時に行うことが好ましい。
【0067】
このノズル付き容器の製法を説明するための図8において、この製法は、筒状パリソンの成形及び雌型への挿入工程(A)、胴部の雄型での支持工程(B)、雄型による圧縮成形及び接合工程(C)及び型からの取り出し工程(D)から成る。
【0068】
樹脂の成形温度に維持されているノズル形成用パリソン20’は、図8(A)に示されるとおり、ノズル外面を規定する雌型22内に挿入され、保持される。雌型22は、ネジ形成部23、肩形成部24及び接続部形成部25を備えている点で図5に示したものと同様であるが、胴部の端部が挿入される分だけ、接続部形成部25の内径が大きくなっている。
【0069】
一方、ノズル内面を規定する雄型26は、首部内面形成部27及び肩部内面形成部28を備えている点では図5に示したものと同様であるが、胴部2が挿入される筒部70と胴部2の外径よりも大きい径の支持端部71とを備えている。胴部2のノズルと接続する側の端部29はノズルとの接続代の分だけ外方に突出している。この雄型26により、胴部2が図8(B)に示されるとおり、支持され、圧縮成形及び接合の準備が行われる。
【0070】
雌型22と雄型26とが、図8(C)に示すとおり、パリソン20’を間に挟んで係合することにより、ノズル1が圧縮成形されると共に、胴部端部へのノズルの接合も行われる。成形されたノズル1は、図8(D)に示すとおり、型22及び26が開くことにより取り出される。
【0071】
図9は、団子状パリソンを使用して、ノズルの圧縮成形と胴部への接合を同時に行う例を示しており、図9の工程(A)(B)(C)及び(D)は、団子状パリソン30を用いている以外は図8の場合と全く同様である。
この方法では、形成されるノズルの排出口は樹脂ディスク33で閉じている。
この方法では、図7の場合と同様に、所望により、排出口ディスクの打ち抜き工程(E)及び打ち抜き型からの取り出し工程(F)や、排出口の仕上げ工程(G)及び仕上げ工程からの取り出し工程(H)を付加することができる。
【0072】
本発明の他の好適な態様では、押出容器がノズルと可撓性胴部とが一体に成形されたものであり、ノズルの圧縮成形と同時に胴部の圧縮成形をも同時に行う。
【0073】
このノズル付き容器の製法を説明するための図10において、この製法は、筒状パリソンの成形工程(A)、筒状パリソンの雌型への挿入工程(B)、雄型によるノズル及び胴部の一体圧縮成形工程(C)、型からの取り出し工程(D)から成る。所望により、成形されたノズル付き容器の底部トリミング工程(E)が付加されてもよい。
【0074】
樹脂の成形温度に維持されている容器形成用の筒状パリソン20”は、図10(B)に示されるとおり、容器外面を規定する雌型22内に挿入され、保持される。この筒状パリソン20”はノズルのみならず胴部をも形成するものであり、その分、軸方向の寸法が大きくなっている。雌型22は、ネジ形成部23、肩形成部24及び接続部形成部25を備えている点で図5に示したものと同様であるが、胴部形成用部分72を有する分だけ、軸方向寸法が大きくなっている。
【0075】
一方、ノズル内面を規定する雄型26は、首部内面形成部27及び肩部内面形成部28を備えている点では図5に示したものと同様であるが、胴部2を形成するための筒部70と胴部2の外径よりも大きい径の支持端部71とを備えている。
【0076】
雌型22と雄型26とが、図10(C)に示すとおり、パリソン20”を間に挟んで係合することにより、ノズル1及び胴部2が一体に圧縮成形される。この場合、ノズル1及び胴部2の各層は連続しており、両者の間に切れ目は存在しない。成形されたノズル1は、図10(D)に示すとおり、型22及び26が開くことにより取り出される。
図10(E)に示されるとおり、形成される胴部2の底側端部75を切断してトリミングを行うことも可能である。
【0077】
図11は、団子状パリソン30”を使用して、ノズルの圧縮成形と胴部への接合を同時に行う例を示しており、図11の工程(A)(B)(C)及び(D)は、団子状パリソン30を用いている以外は図10の場合と全く同様である。
この方法では、形成されるノズルの排出口は樹脂ディスク33で閉じている。
この方法では、図7の場合と同様に、所望により、排出口ディスクの打ち抜き工程(E)及び打ち抜き型からの取り出し工程(F)や、排出口の仕上げ工程(G)及び仕上げ工程からの取り出し工程(H)を付加することができる。
【0078】
【実施例】
本発明を次の例で更に説明する。
【0079】
(実施例1)
押し出しチューブを供試容器とした。胴部は3台の押し出し機からなるIKG社多層押し出しパイプ成形機を用い、内外層に日本ユニカー社製造LDPEDND2450、バリア層に三井化学社製造APEL8008、接着層にVLDPE系酸変性樹脂を用いた3種5層の全肉厚450μm、外径30φmmパイプを成形した。チューブ長は200mm長とした。
ノズル部は、パイプ同様の層構成からなる3種5層の積層体を使用し、図7に示す団子状押し出し成形機と押し出した団子を圧縮成形する押し出し圧縮一体成形試作機を用い、ねじ部を有した多層ノズルを成形した。特に、3種5層の団子形状押し出しにおいて、ダイヘッド内樹脂合流部にてバリア層の流動を一部カットする手法(図6)を用い、多層団子を成形した。
図1中のa部外径寸法を30φmとし、b部口部外径は8mmφ、口部内径を6mmφとした。次に、この多層ノズルと多層押し出しパイプをノズル接合試作機にて、接合部のみ200℃に再加熱後、溶着した。接合部を5mmとした。
本チューブ口部をアルミ多層フィルムにてヒートシールした後、底部からL−Menthol 1000ppmエタノール溶液を70ml充填した。標準液充填後、ヒートシラーにて底シールした。次に、1350ml容積のガスタイトガラス容器にノズル部を下にして充填した。37℃に4週間保存後、ガラス容器よりチューブを取り出し、チューブ容器外壁のL−menthol臭を官能試験した。評点はチューブ外壁にL−menthol臭が感知された場合、L−mentholの透過があるとし、評点を×とした。無臭であった場合、L−mentholバリア性ありと判断し、評点を○とした。又、内容液を一部絞り出し、手の甲に塗布することで、清涼感を評価した。評点は標準液に比べ同等の清涼感があるチューブを○とした。又、清涼感が落ちている場合×とした。
本実施例チューブの場合、チューブ外壁におけるL−menthol臭は認められず、臭気官能試験結果は○であった。又、内容品の清涼感試験においてもL−menthol由来の清涼感が標準液と同等の感覚であったためその評点を○とした。
本チューブ口部をアルミ多層フィルムにてヒートシールした後、底部から蒸留水100充填し、底をヒートシールした。その後、ステンレス製造噛み締め器具にて底シール部を機械的に押さえつけた。5℃に一晩保存後、200mmφの2m塩ビパイプを用い、高さ2mから10本10回ノズル部を下にして倒立落下した。落下時におけるノズル部とパイプ部接合部の破損を確認した。このチューブの場合、10本の全てのチューブにおいてノズル部と胴部接合部位は形態を保持していた。落下試験による接合部強度評点を○とした。
【0080】
(実施例2)
スパウト付スタンデングパウチを供試容器形態とした。胴部は2台の押し出し機からなるIKG社多層シート成形機を用い、内外層に住友化学社製FZ251、バリア層に7μm厚のアルミ箔を用い、接着層にLDPE系酸変性樹脂を用いた3種5層からなる全肉厚200μmのシートを成形した。次にヒートシーラーにて3枚の多層シートから縦200mm、横10mmのスタンデングパウチ形態としノズル接合部と底部の内容物充填口を除きシールし製袋した。
スパウト部は実施例1記載の3種5層団子状押し出し成形機と押し出した団子を圧縮成形する押し出し圧縮一体成形試作機を用い、ねじ部を有した円筒形パイプを成形した。特に、3種5層の団子状形状の押し出しにおいて、ダイヘッド内バリア層の樹脂合流部にてバリア層の流動を一部カットする手法を用い、多層団子を成形した(図7)。図2中のc部外径寸法を10φmmとし、d部口部外径は10mmφ、口部内径は8mmφとした。次に、この多層スパウト部と上記多層スタンデング製袋を試作ノズル接合機にて、接合部のみ200℃に再加熱後、溶着した。接合部を5mmとした。
本スパウト口部をアルミ多層フィルムにてヒートシールした後、底部からL−Menthol 1000ppmエタノール溶液を70ml充填した。標準液充填後、ヒートシラーにて底シールした。官能試験評価は実施例1法に準じた。
本スタンデングパウチの場合、パウチ外壁におけるL−menthol臭は認められず、臭気官能試験結果は○であった。又、内容品の清涼感試験においてもL−menthol由来の清涼感が標準液と同等の感覚であったためその評点を○とした。
【0081】
[比較例1]
押し出しチューブを供試容器形態とした。胴部は3台の押し出し機からなるIKG社多層押し出しパイプ成形機を用い、内外層に日本ユニカー社製造LDPE2450、バリア層に三井化学社製造APEL8008、更に、接着層にVLDPE系酸変性樹脂を用いた3種5層の全肉厚450μm、外径30φmmパイプを成形した。チューブ長は200mm長とした。
ノズル部は日本ユニカー社製 DND2450単一樹脂からなり単層団子押し出し成形機と押し出した団子を圧縮成形する押し出し圧縮一体成形試作を用い、ねじ部を有したノズル形状を成形した。図1中のa部外径寸法を30φmとし、b部口部外径は8mmφ、口部内径は6mmφとした。次に、この単層ノズルと多層押し出しパイプをノズル接合試作機にて、接合部のみ200℃に再加熱後、溶着した。接合部を5mmとした。
ノズル部の層構成を単層にする以外は実施例1同様に試験した。
本比較例チューブの場合、チューブ外壁におけるL−menthol臭が認められ、臭気官能試験結果は×であった。又、内容品の清涼感試験においてもL−menthol由来の清涼感が標準液に比べて低下していた為、内容液塗布試験も×とした。落下試験結果は○であった。
【0082】
[比較例2]
スパウト付にスタンデングパウチを供試容器形態とした。胴部は2台の押し出し機からなるIKG社多層シート成形機を用い、内外層に住友化学社製FZ251、バリア層に7μm厚のアルミ箔を用い、接着層にLDPE系酸変性樹脂を用いた3種5層からなる全肉厚200μmのシートを成形した。次にヒートシーラーにて3枚の多層シートから縦200mm、横10mmのスタンデングパウチ形態としノズル接合部と底部の内容物充填口を除きシールし製袋した。
スパウト部は実施例1記載の3種5層団子状押し出し成形機と押し出した団子の押し出し圧縮一体成形を行い、ねじ部を有したFZ251単層の円筒形状を成形した。図2中のc部外径寸法を10φmmとし、d部内径は8mmφとした。次に、この多層スパウト部と上記多層スタンデング製袋を試作ノズル接合機にて、接合部のみ200℃に再加熱後、溶着した。接合部を5mmとした。
本スパウト口部を樹脂単層から成形する以外は実施例2同様の試験をした。
本スタンデングパウチの場合、パウチ外壁におけるL−menthol臭が認められ、臭気官能試験結果は×であった。又、内容品の清涼感試験においてもL−menthol由来の清涼感は標準液と比較し若干低下しており、評点を△とした。
【0083】
[比較例3]
押し出しチューブを供試容器とした。胴部は3台の押し出し機からなるIKG社多層押し出しパイプ成形機を用い、内外層に日本ユニカー社製造LDPEDND2450、バリア層に三井化学社製造APEL8008、接着層にVLDPE系酸変性樹脂を用いた3種5層の全肉厚450μm、外径30φmmパイプを成形した。チューブ長は200mm長とした。
ノズル部はパイプ同様の層構成からなる3種5層シートを作成後、金型圧縮成形機を用い、ねじ部を有した多層ノズルを成形した。この場合、ノズル部の胴部接合部端面にカットエッジ部はバリア層が剥き出しの状態であった。ノズルのa部外径寸法を30φmとし、b部口部外径は8mmφ、口部内径は6mmφとした。次に、この多層ノズルと多層押し出しパイプをノズル接合試作機にて、接合部のみ200℃に再加熱後、溶着した。溶着部位はノズル内外層が胴部に接合する形態であった。又、バリア層の端部も胴部に接合する形態をとっていた。接合部を5mmとした。
本チューブ口部をアルミ多層フィルムにてヒートシール後、底部から蒸留水100充填し、底をヒートシールした。その後、ステンレス製造噛み締め器具にて底シール部を機械的に押さえつけた。
5℃に一晩保存後、200mmφの2m塩ビパイプを用い、高さ2mから10本10回ノズル部を下にして倒立落下した。落下時におけるノズル部とパイプ部接合部の破損を確認した。このチューブの場合、10本中3本のチューブにてノズル部と胴部接合部位に剥離が生じた。落下試験による接合部強度評点を×とした。
【0084】
[実施例3]
押し出しチューブを供試容器とした。胴部は4台の押し出し機からなるIKG社多層押し出しパイプ成形機を用い、内外層に日本ユニカー社製造LDPEDND2450、第1のバリア層に三井化学社製造APEL8008、第2のバリア層に三井化学社製FRナイロン6、接着層にVLDPE系酸変性樹脂を用いた4種7層からなる全肉厚450μm、外径30φmmパイプを成形した。チューブ長は200mm長とした。
ノズル部はパイプ同様の層構成からなる4種7層とし、多層リング状パリソン成形と押し出しパリソンを圧縮成形する押し出し圧縮一体成形試作機を用い、ねじ部を有したノズル形状を成形した。特に、4種7層のパリソン押し出し時において、ダイヘッド内の樹脂合流部にてバリア層の流動を一部カットする手法(図6)を用い、リング状パリソンを成形した。図1中のa部外径寸法を30φmとし、b部口部外径は8mmφ、口部内径は6mmφとした。次に、この多層ノズルと多層押し出しパイプをノズル接合試作機にて、接合部のみ200℃に再加熱後、溶着した。接合部を5mmとした。
本チューブノズル部をアルミ多層フィルムにてヒートシール後、底部から花王社製ニベアハンドクリームを60g充填した。ハンドクリーム充填後、ヒートシラーにて底シールした。次に、1350ml容積のガスタイトガラス容器に充填した。ノズル部を下にして50℃に4週間保存後、ガラス容器よりチューブを取り出し、チューブ容器外壁の油臭を官能試験にて判断した。評点はチューブ外壁にて充填内用品の油臭するチューブを×とし、無臭チューブを○とした。又チューブ外壁に油状ペースト皮膜を形成したチューブを油溶出チューブと判断し、評点を×とし、油状ペースト皮膜を形成しないチューブを油保存性の高いチューブとし○にした。
このチューブの場合、チューブ外壁での油臭は全くせず、評点は○であった。又、外観上に油の溶出による油膜の形成はなく、この評点も○とした。更に、実施例1同様の落下試験を行った結果、接合部強度評点は○であった。
【0085】
[比較例4]
押し出しチューブを供試容器形態とした。胴部は4台の押し出し機からなるIKG社多層押し出しパイプ成形機を用い、内外層に日本ユニカー社製造LDPEDND2450、第1のバリア層に三井化学社製造APEL8008、第2のバリア層に三井化学社製FRナイロン6、接着層にVLDPE系酸変性樹脂を用いた4種7層からなる全肉厚450μm、外径30φmmパイプを成形した。チューブ長は200mm長とした。
ノズル部は内外層に日本ユニカー社製造LDPE DND2450、第1のバリア層に三井化学社製造APEL8008、接着層にVLDPE系酸変性樹脂を用いた3種5層からなる、多層リング状パリソン成形と押し出しパリソンを圧縮成形する成形機から構成された押し出し圧縮一体成形試作機を用い、ねじ部を有したノズル形状を成形した。特に、3種5層パリソン押し出し時において、ダイヘッド内の樹脂合流部にてバリア層の流動を一部カットする手法(図6)を用い、リング状パリソンの多層団子を成形した。a部外径寸法を30φmとし、b部口部外径は8mmφ、口部内径は6mmφとした。次に、この多層ノズルと多層押し出しパイプをノズル接合試作機にて、接合部のみ200℃に再加熱後、溶着した。接合部を5mmとした。
本チューブの場合、チューブ外壁で油臭がし、評点は×であった。又、外観上に油膜の形成が認められ、評点を×とした。更に、実施例1同様の落下試験を行った結果、接合部強度評点は○であった。
【0086】
得られた結果を下記表1、2及び3に示す。
【0087】
【表1】
Figure 0004423689
【0088】
【表2】
Figure 0004423689
【0089】
【表3】
Figure 0004423689
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、胴部と接合部を介して容器に一体化されるノズルにおいて、バリア樹脂層を少なくとも接合部からノズル先端にかけて少なくとも1個の中間層として設けると共に、接合部側のバリアー樹脂層端部を内層或いは内外層の樹脂中に予め封入することにより、胴部との密着性に優れていると共に、内容物の保存性にも優れ、しかも製造も容易である容器用ノズルを提供することができる。
また、本発明によれば、押出容器の少なくとも押出用ノズルは、バリアー樹脂から成るコアと前記コアを完全に覆う内外樹脂層のシェルとから成る団子状パリソン或いはバリアー樹脂から成る中間層と前記中間層を完全に覆う樹脂の内外層とから成り且つ中間層の端部が内外層間に封入されている筒状パリソンの圧縮成形で形成することにより、バリアー樹脂中間層の端部が内外層間に封入された前記構造のノズル乃至ノズル付き容器が確実に形成されるという利点が達成されると共に、従来のブロー成形や射出成形に認められない利点が達成される。
即ち、上記パリソンの圧縮成形法では、ノズル部の外面及び内面がキャビティ型及びコア型で規制されて圧縮力により成形が行われるので、ノズル部の機械的精度が高く、またバリの発生などがなく、更にノズル部の各部位の肉厚の制御も容易であるという利点がある。このため、圧縮成形で形成されたノズル部は、キャップとの締結の精度が高く、信頼性のある密封が可能となる。
また、本発明の圧縮成形では、キャビティ型内に挿入されたパリソンをコア型で圧縮することにより成形が行われるため、高剪断力による流動配向の影響が殆どなく、耐環境応力亀裂性に優れているという利点がある。また、パリソンの樹脂温が低くても成形が容易であり、型内の占有時間が短く生産性に優れているという利点がある。
更に、本発明では、押出ノズルの成形と同時に別体に形成されたチューブやパウチなどの可撓性容器胴部との接合を行うこともできるし、また押出ノズルの成形と同時にチューブやパウチなどの可撓性容器胴部の成形をも同時に行うこともでき、工程数が少なく、生産性が高く、また押し出されたパリソンが有する熱を有効に利用して各工程を実施できるので、熱経済の点でも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器用ノズルの一例を容器胴部と共に示す側断面図である。
【図2】本発明の容器用ノズルの他の例を容器胴部と共に示す一部断面側面図である。
【図3】本発明の容器用ノズルの断面構造の一例を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の容器用ノズルの断面構造の他の例を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の容器用ノズルの製造工程の一例(筒状パリソン法)を示す説明図である。
【図6】本発明の容器用ノズルを製造するためのダイスの構造を示す断面図である。
【図7】本発明の容器用ノズルの製造工程の他の例(団子状パリソン法)を示す説明図である。
【図8】本発明のノズル付き容器の製造工程の一例(筒状パリソン法)を示す説明図である。
【図9】本発明のノズル付き容器の他の例(団子状パリソン法)を示す説明図である。
【図10】本発明のノズル一体型容器の製造工程の他の例(筒状パリソン法)を示す説明図である。
【図11】本発明のノズル一体型容器の製造工程の他の例(団子状パリソン法)を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ノズル
2 パイプ状の胴部
3 筒状ネック部
4 肩部
5 排出口
6 雄ねじ
7 接続部
8 バリアー樹脂
9 接続部側端部
10、11 内外層樹脂
13a、13b、13c 酸変性オレフィン系樹脂層
20’ノズル形成用パリソン
22 雌型
23 ネジ形成部
24 肩形成部
25 接続部形成部
26 雄型
27 首部内面形成部
28 型部内面形成部
40 ダイ
41 外層樹脂押出通路
42 第一の押出通路
43 酸素バリアー樹脂の押出通路
44 接着剤の第二の押出通路
45 水蒸気バリアー樹脂の押出通路
46 接着剤の第三の押出通路
47 内層押出通路
48 多層樹脂通路
49 オレフィン系樹脂押出機
50 分岐チャンネル
51 酸変性オレフィン系樹脂押出機
52 分岐チャンネル
53 エチレンビニルアルコール共重合体押出機
54 環状オレフィン系共重合体押出機
55 可動スリーブ
56 可動スリーブ
57 可動スリーブ

Claims (8)

  1. 口部に押出用ノズルを備えた押出容器において、該押出容器のノズル及び可撓性胴部が、バリアー樹脂から成るコアと前記コアを完全に覆う内外樹脂層のシェルとから成る団子状パリソンの圧縮成形で形成され、バリアー樹脂層端部は内外層樹脂中に封入されており、前記押出容器がノズルと可撓性胴部とが一体に成形されたものであり、ノズルの口部は閉じられており、胴部の開口端部においては、開口側のバリアー樹脂層端部が内外層の樹脂中に予め封入されていることいることを特徴とする押出容器。
  2. 口部に押出用ノズルを備えた押出容器において、該押出容器のノズル及び可撓性胴部が、バリアー樹脂から成る中間層と前記中間層を完全に覆う樹脂の内外層とから成り且つ中間層の端部が内外層間に封入されている筒状パリソンの径を拡げる圧縮成形で形成され、バリアー樹脂層端部は内外層樹脂中に封入されており、前記押出容器がノズルと可撓性胴部とが一体に成形されたものであり、ノズルの口部は開いており、ノズルの開口端部及び胴部の開口端部においては、開口側のバリアー樹脂層端部が内外層の樹脂中に予め封入されていること特徴とする押出容器。
  3. 前記バリアー樹脂が、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂及び環状オレフィン系共重合体から成る群より選択された少なくとも1種である請求項1又は2記載の押出容器。
  4. 前記内外層樹脂が、オレフィン系樹脂である請求項1乃至3の何れかに記載の押出容器。
  5. 前記バリアー樹脂と前記内外層樹脂との間に酸変性オレフィン系樹脂が介在していることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の押出容器。
  6. 口部に押出用ノズルを備えた押出容器の製法において、バリアー樹脂から成るコアと前記コアを完全に覆う樹脂層のシェルとから成る団子状パリソンを、ノズル外面及び可撓性胴部外面を規定する雌型とノズル内面及び可撓性胴部外面を規定する雄型との間でノズル及び可撓性胴部を一体に圧縮成形して、ノズルの圧縮成形と同時に胴部の圧縮成形をも同時に行うことを特徴とする押出容器の製法。
  7. 口部に押出用ノズルを備えた押出容器の製法において、バリアー樹脂から成る中間層と前記中間層を完全に覆う樹脂の内外層とから成り且つ中間層の端部が内外層間に封入されている筒状パリソンを、ノズル外面及び可撓性胴部外面を規定する雌型とノズル内面及び可撓性胴部外面を規定する雄型との間で圧縮成形することにより、ノズルの圧縮成形と同時に筒状パリソンの径を拡げて可撓性胴部を圧縮成形し、ノズルと可撓性胴部を一体に成形することを特徴とする押出容器の製法。
  8. 口部に押出用ノズルを備えた押出容器の製法において、バリアー樹脂から成る中間層と前記中間層を完全に覆う樹脂の内外層とから成り且つ中間層の端部が内外層間に封入されている筒状パリソンを、少なくともノズル外面を規定する雌型と少なくともノズル内面を規定する雄型との間で圧縮成形すると同時に、ノズルとは別体に成形された可撓性胴部を雌型と雄型とで保持してノズルと胴部との接合を行うことを特徴とする押出容器の製法
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