この発明の第1の局面による表示画面旋回装置は、表示画面部を載置するための台座部を備えた表示画面旋回装置において、台座部の内部に配置された駆動源と、台座部の内部に配置され、駆動源の駆動力が所定値を超えた場合に、駆動源の駆動力を遮断するトルクリミッタを含むとともに、駆動源の駆動軸に設けられたウォームギアを介して駆動源の駆動力を伝達するための伝達ギア部と、水平面内で回動可能でかつ垂直面に対して回動可能に表示画面部を支持するとともに、水平面内の回動中心を通る垂直な線分上に係合部材が設けられた表示画面支持部材と、台座部側に配置され、表示画面支持部材の係合部材が係合される第1係合部と、伝達ギア部と水平方向に噛合するラックギアとを含むラックプレートとをさらに備え、駆動源の正逆回転によりラックプレートが水平面内で往復移動されることに伴い、ラックプレートの第1係合部に係合された表示画面支持部材の係合部材が回動されることによって、表示画面支持部材が垂直面に対して所定の角度前後方向に回動されるように構成され、ラックプレートの第1係合部は、ラックプレートが水平面内で往復動作を行う方向と交差する方向に延びる長孔形状の係合孔を含む。
この第1の局面による表示画面旋回装置では、上記のように、台座部の内部に配置された駆動源と、台座部の内部に配置され、駆動源の駆動力を伝達するための伝達ギア部とを備えるように構成することによって、小型化が困難な伝達ギア部と伝達ギア部の駆動源とを共に台座部の内部に収納することができるので、サイズの大きな伝達ギア部を設計上容易に配置することができる。係合部材が設けられ、水平面内で回動可能でかつ垂直面に対して回動可能に表示画面部を支持する表示画面支持部材と、台座部側に配置され、表示画面支持部材の係合部材が係合される第1係合部と、伝達ギア部と水平方向に噛合するラックギアとを含むラックプレートとを備え、駆動源の正逆回転によりラックプレートが水平面内で往復移動されることに伴い、ラックプレートの第1係合部に係合された表示画面支持部材の係合部材が回動されることによって、表示画面支持部材が垂直面に対して所定の角度前後方向に回動されるように構成することによって、表示画面部の自重は、表示画面部の静止時および旋回動作時に関係なく、表示画面支持部材に加えられる一方、ラックプレートおよびラックギアを介して水平方向に噛合された伝達ギア部へは加えられないので、伝達ギア部による駆動力の伝達を円滑に行うことができる。
また、第1の局面による表示画面旋回装置では、伝達ギア部を、駆動源の駆動力が所定値を超えた場合に、駆動源の駆動力を遮断するトルクリミッタを含むように構成することによって、表示画面部が垂直方向に旋回している際に不意な外力などによって旋回動作が停止された場合や、旋回角度範囲の最大値に到達して旋回動作が停止された場合は、回転が継続されている駆動源の駆動力をトルクリミッタによって遮断することができるので、駆動源の駆動力が伝達ギア部に伝達されない。したがって、駆動源の駆動力が所定のトルク値を超えた場合の無理な回転に伴う伝達ギアの破損を抑制することができる。また、駆動源を、駆動源の駆動軸に設けられたウォームギアを介して駆動源の駆動力を伝達ギア部に伝達するように構成することによって、不意な外力などによって表示画面部が旋回されることに伴って伝達ギア部を構成する各ギアが順次駆動した場合でも、ギアの回転がウォームギアを回転させることはできないので、駆動源以外の駆動力によって駆動源が逆に駆動されてしまうことを抑制することができる。
また、第1の局面による表示画面旋回装置では、係合部材を、表示画面支持部材の水平面内の回動中心を通る垂直な線分上に設けられるように構成することによって、表示画面部が水平面内で回動(旋回)された場合でも、係合部材は表示画面支持部材の水平面内の回動中心上に位置するので、ラックプレートは水平面内での移動方向と交差する方向に動かされることはなく、係合部材とラックプレートの第1係合部との係合状態が継続される。したがって、表示画面部が水平面内で回動(旋回)された状態から、さらにラックプレートを往復移動させた場合でも、表示画面支持部材および表示画面部を垂直面に対して前後方向に回動(旋回)させることができる。また、ラックプレートの第1係合部を、ラックプレートが水平面内で往復動作を行う方向と交差する方向に延びる長孔形状の係合孔を含むように構成することによって、表示画面部が水平面内で回動(旋回)された状態で、表示画面部を垂直面に対して前後方向に回動(旋回)させる場合でも、表示画面支持部材の係合部材がラックプレートの係合孔の内部を移動しながらラックプレートの第1係合部と係合した状態を継続することができるので、容易に、表示画面支持部材を垂直面に対して前後方向に回動(旋回)させることができる。
この発明の第2の局面による表示画面旋回装置は、表示画面部を載置するための台座部と、台座部の内部に配置された駆動源と、台座部の内部に配置され、駆動源の駆動力を伝達するための伝達ギア部と、係合部材が設けられ、水平面内で回動可能でかつ垂直面に対して回動可能に表示画面部を支持する表示画面支持部材と、台座部側に配置され、伝達ギア部と水平方向に噛合するラックギアを含むラックプレートとを備え、駆動源の正逆回転によりラックプレートが水平面内で往復移動されることに伴い、ラックプレートに係合された表示画面支持部材の係合部材が回動されることによって、表示画面支持部材が垂直面に対して所定の角度前後方向に回動されるように構成されている。
この第2の局面による表示画面旋回装置では、上記のように、台座部の内部に配置された駆動源と、台座部の内部に配置され、駆動源の駆動力を伝達するための伝達ギア部とを備えるように構成することによって、小型化が困難な伝達ギア部と伝達ギア部の駆動源とを共に台座部の内部に収納することができるので、サイズの大きな伝達ギア部を設計上容易に配置することができる。また、係合部材が設けられ、水平面内で回動可能でかつ垂直面に対して回動可能に表示画面部を支持する表示画面支持部材と、台座部側に配置され、伝達ギア部と水平方向に噛合するラックギアを含むラックプレートとを備え、駆動源の正逆回転によりラックプレートが水平面内で往復移動されることに伴い、ラックプレートに係合された表示画面支持部材の係合部材が回動されることによって、表示画面支持部材が垂直面に対して所定の角度前後方向に回動されるように構成することによって、表示画面部の自重は、表示画面部の静止時および旋回動作時に関係なく、表示画面支持部材に加えられる一方、ラックプレートおよびラックギアを介して水平方向に噛合された伝達ギア部へは加えられないので、伝達ギア部による駆動力の伝達を円滑に行うことができる。
上記第2の局面による表示画面旋回装置において、好ましくは、伝達ギア部は、駆動源の駆動力が所定値を超えた場合に、駆動源の駆動力を遮断するトルクリミッタを含む。このように構成すれば、表示画面部が垂直方向に旋回している際に不意な外力などによって旋回動作が停止された場合や、旋回角度範囲の最大値に到達して旋回動作が停止された場合は、回転が継続されている駆動源の駆動力をトルクリミッタによって遮断することができるので、駆動源の駆動力が伝達ギア部に伝達されない。したがって、駆動源の駆動力が所定のトルク値を超えた場合の無理な回転に伴う伝達ギアの破損を抑制することができる。
上記第2の局面による表示画面旋回装置において、好ましくは、駆動源は、駆動源の駆動軸に設けられたウォームギアを介して駆動源の駆動力を伝達ギア部に伝達する。このように構成すれば、不意な外力などによって表示画面部が旋回されることに伴って伝達ギア部を構成する各ギアが順次駆動した場合でも、ギアの回転がウォームギアを回転させることはできないので、駆動源以外の駆動力によって駆動源が逆に駆動されてしまうことを抑制することができる。
上記第2の局面による表示画面旋回装置において、好ましくは、係合部材は、表示画面支持部材の水平面内の回動中心を通る垂直な線分上に設けられている。このように構成すれば、表示画面部が水平面内で回動(旋回)された場合でも、係合部材は表示画面支持部材の水平面内の回動中心上に位置するので、ラックプレートは水平面内での移動方向と交差する方向に動かされることはなく、係合部材とラックプレートの第1係合部との係合状態が継続される。したがって、表示画面部が水平面内で回動(旋回)された状態から、さらにラックプレートを往復移動させた場合でも、表示画面支持部材および表示画面部を垂直面に対して前後方向に回動(旋回)させることができる。また、上記第2の局面による表示画面旋回装置において、好ましくは、ラックプレートは、表示画面支持部材の係合部材が回動可能に係合される第1係合部をさらに含む。
上記第2の局面による表示画面旋回装置において、好ましくは、ラックプレートに回動可能に設けられるとともに、表示画面支持部材の係合部材と係合する第2係合部を一体的に含むロックレバーをさらに備え、第2係合部の、表示画面支持部材の係合部材との係合が解除された場合に、表示画面支持部材を水平位置近傍まで回動させることが可能なように構成されている。このように構成すれば、表示装置を所定の収納する場合や、他の場所へ移動させる場合にも、容易に、表示画面部を水平位置近傍まで回動させることができる。
この場合、好ましくは、ロックレバーは、表示画面支持部材を水平位置近傍から垂直方向に回動させる際に、表示画面支持部材に設けられた係合部材の回動とともに、係合部材とロックレバーの第2係合部との係合状態を自動的に回復させるためのガイド部をさらに含む。このように構成すれば、表示画面部を水平位置(収納時など)から垂直方向(視聴時)に回動させる場合に、表示画面支持部材に設けられた係合部材がロックレバーのガイド部に沿いながら回動されて第2係合部まで導かれるので、容易に、係合部材とロックレバーの第2係合部との係合状態を回復させることが可能である。したがって、ユーザが係合状態を回復させるための特別な操作を行うことなく、係合部材とロックレバーの第2係合部との係合状態を自動的に回復させることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による表示画面旋回装置が設けられた液晶テレビジョンの全体構成を示した斜視図である。図2は、図1に示した本発明の第1実施形態による表示画面旋回装置が設けられた液晶テレビジョンの分解斜視図である。図3は、図1に示した本発明の第1実施形態による表示画面旋回装置の平面図である。図4〜図14は、図1に示した本発明の第1実施形態による表示画面旋回装置の詳細構造を示した図である。まず、図1〜図14を参照して、本発明の第1実施形態による表示画面旋回装置20および表示画面旋回装置20が設けられた液晶テレビジョン100の構造について説明する。なお、第1実施形態では、表示装置の一例である液晶テレビジョン表示画面旋回装置に本発明を適用した場合について説明する。
本発明の第1実施形態による表示画面旋回装置20は、図1に示すように、表示画面支持機構80によって支持されている液晶テレビジョン100のディスプレイ本体10を水平面内で左右方向(矢印A方向およびB方向)に所定の角度(第1実施形態では±30度)旋回させるとともに、垂直面に対して前後方向(矢印C方向およびD方向)に所定の角度(第1実施形態では±10度)傾けることを可能とするために設けられている。なお、ディスプレイ本体10は、本発明の「表示画面部」の一例である。
また、表示画面旋回装置20は、図3に示すように、表示画面支持機構80(図2参照)によって支持されているディスプレイ本体10(図2参照)を水平面内で左右方向(図1の矢印A方向およびB方向)に旋回させるための台座部30と、台座部30に配置された後述する旋回板31を左右方向(図1の矢印A方向およびB方向)に旋回させるとともに旋回板31の旋回角度を制御する水平旋回駆動部40と、表示画面支持機構80(図2参照)によって支持されているディスプレイ本体10(図2参照)を垂直面に対して前後方向(図1の矢印C方向およびD方向)に所定の角度だけ旋回させるとともに表示画面支持機構80(図2参照)の旋回角度を制御する垂直旋回駆動部50とから構成されている。
また、台座部30は、図3〜図5に示すように、表示画面支持機構80(図2参照)が取り付けられる板金製の旋回板31と、内部に複数(第1実施形態では12個)の鋼球32(図5参照)を所定の間隔(第1実施形態では30度間隔)で配置するとともに鋼球32(図5参照)を回転可能に保持する樹脂製のガイド部材33(図5参照)と、板金製のベース部材34と、旋回板31をベース部材34上で回動可能に支持する金属製の支持部材(図示せず)と、後述するギア45およびギア55の回動軸が回動可能に挿入されるとともに、後述する垂直旋回駆動部50のラックプレート60が水平面内で往復動可能に挿入される樹脂製のボス部材35と、ボス部材35に挿入されるラックプレート60の抜止用リング部材36とから構成されている。
ここで、第1実施形態では、垂直旋回駆動部50は、図3および図5に示すように、複数のギア部材からなる伝達ギア部51と、伝達ギア部51の駆動源となるステッピングモータ52と、台座部30の旋回板31上に取り付けられた表示画面支持機構80に回動可能に設けられた後述する表示画面支持部材81を垂直面に対して前後方向(図1の矢印C方向およびD方向)に回動させるためのラックプレート60とから構成されている。また、垂直旋回駆動部50は、図3〜図5に示すように、台座部30の内部に配置されるように構成されている。なお、ステッピングモータ52は、本発明の「駆動源」の一例である。
また、第1実施形態では、ラックプレート60は、図5に示すように、板金製のプレート部材61と、樹脂製のラックギア62とから構成されている。また、ラックギア62は、図5に示すように、1つのネジ90によってプレート部材61の下面側に取り付けられている。また、ラックギア62は、図3に示すように、後述するギア55の小径ギア部55bに対して水平方向に噛合するように構成されている。また、プレート部材61は、図5および図8に示すように、プレート部材61の長手方向の両端部近傍に、プレート部材61の長手方向に沿って延びる長孔61aおよび61bがそれぞれ設けられるとともに、プレート部材61の実質的に中央部に、プレート部材61の長孔61aおよび61bの延びる方向と実質的に直交する方向に延びる長孔形状の係合孔61cが設けられている。なお、係合孔61cは、本発明の「第1係合部」の一例である。また、図3および図4に示すように、ラックプレート60が、プレート部材61の長孔61aおよび61bを介してベース部材34に設けられた一対のボス部材35にそれぞれ挿入された際に、ラックプレート60は、矢印P方向および矢印Q方向に往復移動(スライド)可能なように構成されている。したがって、ラックプレート60は、ステッピングモータ52の正逆回転が伝達ギア部51を介してラックギア62まで伝達されることによって、旋回板31上を矢印P方向および矢印Q方向に往復移動することが可能なように構成されている。また、プレート部材61の係合孔61cは、図3および図5に示すように、表示画面支持機構80の後述する係合部材87が係合孔61cに対して上方から係合可能であるとともに、係合部材87が係合孔61cの内部で係合孔61cの延びる方向(左右方向)に移動可能なように構成されている。
また、プレート部材61は、図5および図8に示すように、2つの位置決め孔61dと、ネジ取付孔61eとを含んでいる。また、ラックギア62は、図5および図9に示すように、長手方向の一方側面部に沿ってギア部62aが形成されるとともに、2つのボス62bおよび1つのネジ挿入孔62cが設けられている。したがって、図5に示すように、ラックギア62のボス62bをプレート部材61の位置決め孔61dに嵌め込むとともに、ネジ90をラックギア62のネジ挿入孔62cを介してプレート部材61のネジ取付孔61eに締め込むことによって、ラックギア62をプレート部材61に下方から取り付けることが可能なように構成されている。
また、第1実施形態では、伝達ギア部51は、図3に示すように、樹脂製のギア53と、トルクリミッタ70と、樹脂製のギア54と、樹脂製のギア55とが樹脂製のギアボックス56の内部に配置されるように構成されている。また、トルクリミッタ70は、図3および図6に示すように、樹脂製の従動側ギア71と、樹脂製の原動側ギア72と、金属製のバネ部材73(コイルバネ)とから構成されている。また、トルクリミッタ70は、図3に示すように、ステッピングモータ52の駆動力が所定のトルク値以下の場合に、ステッピングモータ52の駆動力を伝達ギア部51およびラックギア62を介してラックプレート60を矢印P方向および矢印Q方向に往復移動させることが可能であるとともに、ステッピングモータ52の駆動力が所定のトルク値以上となった場合は、ステッピングモータ52の駆動力をラックプレート60の往復動作に伝達させないような機能を有するように構成されている。
また、図3および図6に示すように、樹脂製のギア53は、大径ギア部53aと、小径ギア部53bとを一体的に含んでいる。また、樹脂製のギア54は、大径ギア部54aと、小径ギア部54bとを一体的に含んでいる。さらに、樹脂製のギア55は、大径ギア部55aと、小径ギア部55bとを一体的に含んでいる。
また、第1実施形態では、図3および図5に示すように、ステッピングモータ52の回転軸には、樹脂製のウォームギア57が圧入されている。また、図3および図6に示すように、ウォームギア57は、ギア53の大径ギア部53aに対して回転軸が直交するように噛合されている。したがって、ステッピングモータ52によって発生した駆動力は、ウォームギア57を介してギア53へと伝達される一方、ギア53側およびギア53以降のギア群によって発生した駆動力は、ウォームギア57およびステッピングモータ52を回転させることができないように構成されている。つまり、ウォームギア57によってステッピングモータ52側が発生する駆動力のみが、伝達ギア部51へと伝達されるように構成されている。
また、図5および図6に示すように、ギア53の小径ギア部53bは、トルクリミッタ70の原動側ギア72のギア部72aに回転軸が平行に噛合されている。また、図5および図6に示すように、トルクリミッタ70の従動側ギア71のギア部71aは、ギア54の大径ギア部54aに回転軸が平行に噛合されているとともに、ギア54の小径ギア部54bは、ギア55の大径ギア部55aに回転軸が平行に噛合されている。また、図5および図6に示すように、ギア55の小径ギア部55bは、ラックギア62のギア部62aに水平に噛合されている。したがって、図5および図6に示す上述のギア部材の配置関係から、ステッピングモータ52の駆動力が、ウォームギア57、ギア53、トルクリミッタ70、ギア54、ギア55およびラックギア62を介してラックプレート60へと伝達されるように構成されている。なお、図5および図6では、伝達ギア部51の配置構成を説明するために、伝達ギア部51およびステッピングモータ52を内部に配置するためのギアボックス56(図3参照)を図面から省略している。
また、台座部30の旋回板31は、図5および図10に示すように、上面31aに設けられた4つのネジ取付孔31bと、上面31aの中心部(旋回板31の回動中心点近傍)に設けられた孔31cとを含んでいる。また、図3に示すように、旋回板31は、ベース部材34の実質的に中央部に配置されるとともに、旋回板31を円形状に取り囲むようにベース部材34に設けられた複数の支持部材(図示せず)が、旋回板31の外周面31d(図5参照)と、ガイド部材33(図5参照)の外周面33a(図5参照)とに面接触することによって回動可能に保持されている。
また、表示画面支持機構80は、図2に示すように、台座部30の旋回板31のネジ取付孔31bに4つのネジ90によって固定されており、図1に示すように、ディスプレイ本体10を表示画面旋回装置20の垂直面に対して前後方向(矢印C方向およびD方向)に回動可能とするとともに、ディスプレイ本体10を表示画面旋回装置20の垂直面に対して前後方向(矢印C方向およびD方向)に所定の角度だけ傾斜させた状態で支持することが可能なように構成されている。
また、表示画面支持機構80は、図2および図3に示すように、板金製の表示画面支持部材81と、一対の垂直支持部材82と、板金製の板状の支持軸83と、板金製の抜止部材84と、板金製の圧接板85および86と、ラックプレート60の係合孔61cに係合する係合部材87とから構成されている。また、圧接板85および86には、支持軸83を挿入するための長方形の穴部85aおよび86aがそれぞれ設けられている。また、表示画面支持部材81は、図2に示すように、一対の垂直支持部材82に所定のトルク以上で回動可能となるように取り付けられている。
また、板金製の表示画面支持部材81は、図2に示すように、ディスプレイ本体取付部81aと、一対の回動部81bとを一体的に含んでいる。また、表示画面支持部材81のディスプレイ本体取付部81aには、4つのネジ挿入孔81cが設けられている。また、表示画面支持部材81の一対の回動部81bは、ディスプレイ本体取付部81aの両側端部から、それぞれ、ディスプレイ本体取付部81aの表面に対して垂直方向に延びるように設けられている。また、図10および図12に示すように、一対の回動部81bの回動中心部近傍には、ぞれぞれ、扇形状の穴部81dが設けられている。また、表示画面支持部材81は、図10および図12に示すように、ディスプレイ本体取付部81aから下方向に延びるとともに回動部81bの外周を沿うようにアーム部81eが一体的に形成されている。
ここで、第1実施形態では、図10および図12に示すように、アーム部81eの最下部に位置するとともにアーム部81eの実質的に中央部に、係合部材87を取り付けるための取付孔81fが設けられている。また、係合部材87は、図10に示すように、表示画面支持部材81の水平面内の左右方向(矢印G1方向および矢印G2方向)の回動中心(旋回板31の回動中心を示す)を通る垂直な線分300(1点鎖線)上に配置されるように、取付孔81fにかしめ加工によって取り付けられている。
また、扇形状の穴部81dは、図10および図11に示すように、板状の支持軸83を挿入するために設けられている。また、扇形状の穴部81dは、図12に示すように、円心側の根元部81gが上側に位置するように配置されているとともに、円心側の根元部81gが支持軸83の上面と当接される。これにより、扇形状の穴部81dの根元部81gが表示画面支持部材81を介してディスプレイ本体10の垂直荷重を受けるように構成されている。また、扇形状の穴部81dは、図11および図12に示すように、垂直方向から一方に開く角度α1(45度)の中心角と他方に開く角度β1(5度)の中心角とを有する。また、表示画面支持部材81は、板状の支持軸83に支持された扇形状の穴部81dの根元部81gを中心にして、支持軸83に対して扇形状の角度範囲(第1実施形態では、α1+β1=50度)で回動可能に構成されている。すなわち、板状の支持軸83は、表示画面支持部材81の回動軸として機能する。
また、一対の垂直支持部材82は、図10および図13に示すように、それぞれ、旋回板取付部82aと、回動部取付部82bとを含んでいる。また、垂直支持部材82の旋回板取付部82aには、4つのネジ取付孔82c(図3参照)が設けられている。また、垂直支持部材82の回動部取付部82bは、旋回板取付部82aの一方端部から旋回板取付部82aの表面に対して垂直方向の上方に延びるように設けられている。
また、図13に示すように、垂直支持部材82の回動部取付部82bには、扇形状の穴部82dが設けられている。また、扇形状の穴部82dは、図10および図11に示すように、板状の支持軸83を挿入するために設けられている。また、扇形状の穴部82dは、図13に示すように、円心側の根元部82eが下側に位置するように配置されているとともに、支持軸83の下面と当接される。これにより、扇形状の穴部82dの根元部82eが、表示画面支持部材81および支持軸83を介してディスプレイ本体10の垂直荷重を受けるように構成されている。つまり、第1実施形態では、表示画面支持部材81の穴部81dの根元部81gと、垂直支持部材82の穴部82dの根元部82eとによってディスプレイ本体10の垂直荷重を受けるように構成されている。また、扇形状の穴部82dは、図10および図12に示すように、垂直方向から一方に開く角度α2(45度)の中心角と他方に開く角度β2(5度)の中心角とを有する。また、支持軸83は、扇形状の穴部82dの根元部82eを中心にして、垂直支持部材82に対して扇形状の角度範囲(第1実施形態では、α2+β2=50度)で回動可能に構成されている。
また、板金製の板状の支持軸83は、図10に示すように、一対の当接部83aと、長方形状の穴部83bとを含んでいる。支持軸83の一対の当接部83aは、支持軸83の長手方向に延びる両側面の後端部に突出するように設けられている。この当接部83aは、図2および図10に示すように、表示画面支持部材81側の圧接板86と当接させるために設けられている。また、支持軸83の長方形状の穴部83bは、図2および図10に示すように、抜止部材84を挿入するために設けられている。
また、図14に示すように、板金製の抜止部材84はテーパ形状の端面部84aと端面部84bとを含むように形成されているとともに、長手方向に延びる一方側面84cに設けられた面取部84dと、長手方向に延びる他方側面84eに設けられた面取部84fとを含むように形成されている。また、図8に示すように、抜止部材84の一方側面84cの長さL1は、他方側面84eの長さL2より短く設けられ、端面部84aと端面部84bとの距離(抜止部材84の厚み方向H1と直交する方向H2の長さ)が、L1からL2へ直線的に変化するように構成されている。このように抜止部材84がテーパ形状(クサビ形状)に形成されていることによって、図2に示すように、抜止部材84が、板状の支持軸83に設けられた長方形状の穴部83b(図10参照)に挿入した際に、容易に抜け落ちることを抑制するために設けられている。また、面取部84bは、抜止部材84を支持軸83に設けられた長方形状の穴部83b(図10参照)に挿入しやすくするために設けられている。
また、水平旋回駆動部40は、図3および図5に示すように、台座部30上の旋回板31を水平面内で左右方向(図1の矢印A方向およびB方向)に回動させるための伝達ギア部41と、伝達ギア部41の駆動源となるステッピングモータ42とから構成されている。また、水平旋回駆動部40は、図3および図4に示すように、台座部30の内部に配置されるように構成されている。また、伝達ギア部41は、図3に示すように、樹脂製のギア43と、トルクリミッタ75と、樹脂製のギア44と、樹脂製のギア45とが樹脂製のギアボックス46に配置されるように構成されている。
また、図5に示すように、ステッピングモータ42の回転軸には、樹脂製のウォームギア47が圧入されている。また、図5および図7に示すように、ギア43は、大径ギア部43aと、小径ギア部43bとを一体的に含んでいる。また、ギア44は、大径ギア部44aと、小径ギア部44bとを一体的に含んでいる。さらに、ギア45は、大径ギア部45aと、小径ギア部45bとを一体的に含んでいる。また、図3および図5に示すように、台座部30の旋回板31の上面31aには、樹脂製の旋回ギア部材48が、4つのネジ90によって固定されている。なお、図5および図7では、伝達ギア部41の配置構成を説明するために、伝達ギア部41およびステッピングモータ42を内部に配置するためのギアボックス46(図3参照)を図面から省略している。
また、図5および図7に示すように、ウォームギア47は、ギア43の大径ギア部43aに対して回転軸が直交するように噛合されているとともに、ギア43の小径ギア部43bは、トルクリミッタ75の原動側ギア77のギア部77aに回転軸が平行に噛合されている。また、図5および図7に示すように、トルクリミッタ75の従動側ギア76のギア部76aは、ギア44の大径ギア部44aに回転軸が平行に噛合されているとともに、ギア44の小径ギア部44bは、ギア45の大径ギア部45aに回転軸が平行に噛合されている。また、図5および図7に示すように、ギア45の小径ギア部45bは、旋回ギア部材48の旋回ギア部48aに回転軸が平行に噛合されている。したがって、図5および図7に示す上述のギア部材の配置関係から、ステッピングモータ42の駆動力が、ウォームギア47、ギア43、トルクリミッタ75、ギア44、ギア45および旋回ギア部材48を介して旋回板31へと伝達されるように構成されている。
また、トルクリミッタ75は、図3および図7に示すように、樹脂製の従動側ギア76と、樹脂製の原動側ギア77と、金属製のバネ部材78(コイルバネ)とから構成されている。また、トルクリミッタ75は、図3に示すように、ステッピングモータ42の駆動力が所定のトルク値以下の場合に、ステッピングモータ42の駆動力を伝達ギア部41を介して台座部30の旋回板31に伝達することによって旋回板31を表示画面旋回装置20の内部で旋回させることが可能であるとともに、ステッピングモータ42の駆動力が所定のトルク値以上となった場合は、ステッピングモータ42の駆動力を台座部30の旋回板31に伝達させないような機能を有するように構成されている。
また、図1および図2に示すように、ディスプレイ本体10は、樹脂製のフロントキャビネット11と、樹脂製のリアキャビネット12とから構成されている。また、ディスプレイ本体10の内部には、液晶パネル13(図4参照)が取り付けられた液晶モジュール14(図4参照)が、フロントキャビネット11およびリアキャビネット12とによって取り囲まれるように構成されている。また、ディスプレイ本体10は、表示画面支持部材81のネジ挿入孔81aを介して、リアキャビネット12のネジ取付孔(図示せず)にネジ90が締め付けられることにより、表示画面支持部材81に取り付けられている。また、リアキャビネット12には、表示画面支持部材81を覆い隠して配置するための切欠部12aが一体的に設けられている。また、リアキャビネット12の外周部には、複数のネジ挿入孔12b(第1実施形態では7個所)が設けられ、ネジ91によってフロントキャビネット11に取り付けられるように構成されている。また、リアキャビネット12の側面部12cには、図2に示すように、短形状の凹部12dが形成されており、その凹部12dには、複数の貫通孔12eが形成されている。この複数の貫通孔12eは、液晶モジュール13を制御するための制御基板(図示せず)に接続されたAV端子(図示せず)からケーブル類をディスプレイ本体10の外部機器に接続するために設けられている。
また、表示画面旋回装置20には、図1および図4に示すように、樹脂製のカバー部材21が、台座部30のベース部材34の下面側から挿入されたネジ(図示せず)によってベース部材34に取り付けられている。また、図1および図4に示すように、樹脂製のカバー部材22が上方から台座部30を覆うとともに、台座部30の旋回板31と一体的に水平方向(図1の矢印A方向およびB方向)に旋回することが可能なように旋回板31の上面31aにネジ(図示せず)によって取り付けられている。また、図2および図4に示すように、樹脂製のカバー部材22には、表示画面支持機構80(表示画面支持部材81)を前後方向(図1の矢印C方向およびD方向)に回動可能に配置するための切欠部22aが設けられている。
図15〜図25は、図1に示した本発明の第1実施形態による表示画面旋回装置の垂直方向および水平方向の旋回動作を説明するための図である。次に、図1、図3、図4、図6、図7、図10、図11および図15〜図25を参照して、第1実施形態による表示画面旋回装置20の前後方向および左右方向の旋回動作について説明する。
なお、図4に示すように、表示画面旋回装置20が表示画面支持機構80を垂直面に対して前後方向(矢印C方向および矢印D方向)に回動させた場合、ディスプレイ本体10の液晶パネル13は、上向き方向(上方向)および下向き方向(下方向)に回動されるので、以降の動作説明では、前後方向を上下方向として記述する。
まず、表示画面旋回装置20の上下方向(図1の矢印C方向および矢印D方向)の旋回動作について説明する。
図3に示すように、表示画面支持部材81が台座部30上の旋回板31に対して垂直であるとともに正面を向いた状態(旋回ギア部材48の旋回ギア部48aの中央部がギア45の小径ギア部45bと噛合している状態)から、ユーザが付属リモコン(図示せず)の上方向チルトボタン(図示せず)を押圧することによって、ディスプレイ本体10(図1参照)を上方向(図1の矢印C方向)に旋回させる信号がディスプレイ本体10の制御回路部(図示せず)に送信される。この信号に基づいて、表示画面旋回装置20のステッピングモータ52が駆動される。具体的には、図3に示すように、ステッピングモータ52が駆動するのに伴って、ステッピングモータ52に取り付けられたウォームギア57が矢印E1方向(図6参照)に回転するとともに、ギア53を介してトルクリミッタ70の原動側ギア72が矢印E3方向に回転する。そして、図3に示すように、トルクリミッタ70の従動側ギア71が同じく矢印E3方向に回転するとともに、ギア54を介してギア55が矢印E5方向に回転する。
ここで、第1実施形態では、図3に示すように、ギア55の矢印E5方向への回転に伴い、ギア55に対して水平方向に噛合するラックギア62とともにラックプレート60のプレート部材61が矢印P方向に移動を開始する。これにより、図4に示すように、プレート部材61の係合孔61cに係合された表示画面支持部材81の係合部材87が、矢印C方向に回動を開始するので、表示画面支持部材81に取り付けられたディスプレイ本体10は、上方向(矢印C方向)へ旋回を開始する。
その際、図11に示すように、表示画面支持部材81の扇状の穴部81dの根元部81gと支持軸83の上面とが当接しながら、表示画面支持部材81と支持軸83とが一体的に垂直支持部材82の扇状の穴部82dの根元部82eを回動中心として、矢印C方向に回動する。そして、ステッピングモータ52(図3参照)の駆動に伴って、図16に示すように、ディスプレイ本体10が取り付けられた表示画面支持部材81が所定の旋回速度で矢印C方向への旋回を継続する。
そして、ディスプレイ本体10が、ユーザが所望する角度まで図4の矢印C方向に旋回された場合、ユーザは付属リモコン(図示せず)の上方向チルトボタン(図示せず)の押圧を解除することによって、ディスプレイ本体10(図1参照)を上方向(図4の矢印C方向)に旋回させる信号がディスプレイ本体10の制御回路部(図示せず)に送信されなくなる。したがって、ステッピングモータ52の駆動が停止される。これにより、表示画面支持部材81は、図16に示すような位置で矢印C方向への旋回を停止するとともに静止される。
また、ディスプレイ本体10(図16参照)の上方向(図16の矢印C方向)への旋回動作がユーザによって継続されている状態において、図15に示すように、ラックプレート60が矢印P方向にスライドされるとともに、プレート部材61の長孔61aおよび61bの内側面の一方端部がボス部材35の側面にそれぞれ当接することによって、ラックプレート60は、矢印P方向へのスライドが抑制される。この際、図17に示すように、表示画面支持部材81は所定の旋回角度(第1実施形態では10度)に到達される。したがって、ディスプレイ本体10は、図17に示すような位置で矢印C方向への旋回を停止するとともに、この位置で静止される。この際、ステッピングモータ52(図15参照)は駆動を継続しているので、ステッピングモータ52(図15参照)から伝達される駆動トルクがウォームギア57(図15参照)およびギア53(図15参照)を介して、トルクリミッタ70(図15参照)の原動側ギア72(図15参照)まで伝達される。
なお、図6に示すように、原動側ギア72は、バネ部材73によって予め設定された付勢力で従動側ギア71に圧接されているために、バネ部材73の圧接力に伴う原動側ギア72の内周面と、従動側ギア71の外周面との摩擦力以上の駆動トルクが原動側ギア72に対して発生した場合は、原動側ギア72の内周面と、従動側ギア71の外周面とがスリップを起こすことによって、原動側ギア72の駆動トルクが従動側ギア71に伝達されない。つまり、図15に示すように、ラックプレート60の矢印P方向への移動(スライド)が停止した場合、従動側ギア71、ギア54およびギア55は、原動側ギア72の回転に関係なく回転が停止される。
また、図3に示すように、表示画面支持部材81が台座部30上の旋回板31に対して垂直であるとともに正面を向いた状態から、ユーザが付属リモコン(図示せず)の下方向チルトボタン(図示せず)を押圧することによって、ディスプレイ本体10(図1参照)を下方向(図1の矢印D方向)に旋回させる信号がディスプレイ本体10の制御回路部(図示せず)に送信されるとともに、表示画面旋回装置20のステッピングモータ52が駆動される。具体的には、図3に示すように、ステッピングモータ52が駆動するのに伴って、ステッピングモータ52に取り付けられたウォームギア57が矢印F1方向(図6参照)に回転するとともに、ギア53を介してトルクリミッタ70の原動側ギア72が矢印F3方向に回転する。そして、図3に示すように、トルクリミッタ70の従動側ギア71が矢印F3方向に回転するとともに、ギア54を介してギア55が矢印F5方向に回転する。そして、図3に示すように、ラックギア62とともにラックプレート60が矢印Q方向に移動する。これにより、図4に示すように、ラックプレート60の係合孔61cに係合された係合部材87が矢印D方向に回動を開始するので、表示画面支持部材81に取り付けられたディスプレイ本体10は、所定の回転速度で下方向(矢印D方向)へ旋回を開始する。
その際、図11に示すように、表示画面支持部材81の扇状の穴部81dの根元部81gと支持軸83の上面とが当接しながら、表示画面支持部材81と支持軸83とが一体的に垂直支持部材82の扇状の穴部82dの根元部82eを回動中心として、矢印D方向に回動を開始する。また、表示画面支持部材81と支持軸83とが5度(図11の角度β2)回動されると、図19に示すように、支持軸83は、垂直支持部材82の扇形状の穴部82dの他方縁に当接する。この状態で、表示画面支持部材81が矢印D方向に更に回動されると、図19に示すように、表示画面支持部材81が、扇状の穴部81dの根元部81eを回動中心として支持軸83に対して矢印D方向への回動をさらに継続する。
そして、ディスプレイ本体10が、ユーザが所望する角度まで図4の矢印D方向に旋回された場合、ユーザは付属リモコン(図示せず)の下方向チルトボタン(図示せず)の押圧を解除することによって、ディスプレイ本体10(図4参照)を下方向(図4の矢印D方向)に旋回させる信号がディスプレイ本体10の制御回路部(図示せず)に送信されなくなり、ステッピングモータ52の駆動が停止される。これにより、表示画面支持部材81は、図19に示すような位置で矢印D方向への旋回を停止するとともに静止される。
また、ディスプレイ本体10(図19参照)の矢印D方向(図19参照)への旋回動作がユーザによって継続されている状態において、図20に示すように、支持軸83が、表示画面支持部材81の扇状の穴部81dの他方縁に当接することによって、表示画面支持部材81は所定の旋回角度(第1実施形態では10度)に到達されるとともに、矢印D方向への回動が規制される。また、この際、図18に示すように、矢印Q方向にスライドされたラックプレート60が、プレート部材61の長孔61aおよび61bの内側面の他方端部がボス部材35の側面にそれぞれ当接されることによって、ラックプレート60は、矢印Q方向へのスライドが抑制される。したがって、ディスプレイ本体10は、図20に示すような位置で矢印D方向への旋回を停止するとともに、この位置で静止される。この際、ステッピングモータ52(図18参照)は駆動を継続しているので、ステッピングモータ52(図18参照)から伝達される駆動トルクがウォームギア57(図18参照)およびギア53(図18参照)を介して、トルクリミッタ70(図18参照)の原動側ギア72(図18参照)まで伝達される。
なお、図6に示すように、ディスプレイ本体10(図16参照)が上方向(図16の矢印C方向)で旋回動作を停止された場合と同様に、原動側ギア72は、バネ部材73によって予め設定された付勢力で従動側ギア71に圧接されているために、バネ部材73の圧接力に伴う原動側ギア72の内周面と、従動側ギア71の外周面との摩擦力以上の駆動トルクが原動側ギア72に対して発生した場合は、原動側ギア72の内周面と、従動側ギア71の外周面とがスリップを起こすことによって、原動側ギア72の駆動トルクが従動側ギア71に伝達されない。つまり、図18に示すように、ラックプレート60の矢印Q方向への移動(スライド)が停止した場合、従動側ギア71、ギア54およびギア55は、原動側ギア72の回転に関係なく回転が停止される。
次に、表示画面旋回装置20の水平面内における左右方向の旋回動作について説明する。
まず、図3および図4に示すように、表示画面支持部材81が台座部30上の旋回板31に対して垂直であるとともに正面を向いた状態から、ユーザが付属リモコン(図示せず)の水平ターンボタン(図示せず)を押圧することによって、ディスプレイ本体10(図1参照)を右方向(図1の矢印A方向)に旋回させる信号がディスプレイ本体10の制御回路部(図示せず)に送信されるとともに、表示画面旋回装置20のステッピングモータ42が駆動される。具体的には、図3に示すように、ステッピングモータ42が駆動するのに伴って、ステッピングモータ42に取り付けられたウォームギア47が矢印E6方向(図7参照)に回転するとともに、ギア43を介してトルクリミッタ75の原動側ギア77が矢印E8方向に回転する。そして、トルクリミッタ75の従動側ギア76が矢印E8方向に回転するとともに、ギア44およびギア45を介して、旋回ギア部材48が矢印E11方向に回転する。これにより、図3に示すように、表示画面支持部材81が取り付けられた台座部30上の旋回板31が矢印G1方向に旋回を開始するので、ディスプレイ本体10(図1参照)は、右方向(図1の矢印A方向)へ旋回を開始する。
そして、図21に示すように、ディスプレイ本体10(図1参照)が載置された台座部30上の旋回板31が所定の回転速度で右方向(図1の矢印A方向)への旋回を継続する。なお、図21では、旋回板31の水平方向の旋回動作を説明するために、垂直旋回駆動部50(図3参照)を図面から省略している。
ここで、第1実施形態では、図10に示すように、表示画面支持部材81の係合部材87は、旋回板31および表示画面支持部材81の左右方向(矢印G1方向および矢印G2方向)の回動中心上に位置しているので、係合部材87は、旋回板31の旋回動作に関係なく回動中心上を移動されない。したがって、図23に示すように、係合部材87に係合されたラックプレート60も、矢印P方向および矢印Q方向への直線的な移動(スライド)が行われない。
そして、ディスプレイ本体10が、ユーザが所望する角度まで旋回された場合、ユーザは付属リモコン(図示せず)の水平ターンボタン(図示せず)の押圧を解除することによって、ディスプレイ本体10(図1参照)を右方向(図1の矢印A方向)に旋回させる信号がディスプレイ本体10の制御回路部(図示せず)に送信されなくなり、ステッピングモータ42の駆動が停止される。これにより、台座部30は、図21に示すような位置で矢印G1方向への旋回を停止するとともに静止される。
また、ディスプレイ本体10(図1参照)の右方向(図1の矢印A方向)への旋回動作がユーザによって継続されている状態において、台座部30の旋回角度が最大(第1実施形態では30度)となった場合は、旋回板31は台座部30の内部に設けられたストッパ部材(図示せず)に当接することによって、矢印A方向(図1参照)への旋回動作が規制される。したがって、台座部30は、図22に示すような位置で矢印G1方向への旋回を停止するとともに静止される。この際、ステッピングモータ42(図22参照)は駆動を継続しているので、ステッピングモータ42(図22参照)から伝達される駆動トルクがウォームギア47(図22参照)およびギア43(図22参照)を介して、トルクリミッタ75(図22参照)の原動側ギア77(図22参照)まで伝達される。
なお、図7に示すように、原動側ギア77は、バネ部材78によって予め設定された付勢力で従動側ギア76に圧接されているために、バネ部材78の圧接力に伴う原動側ギア77の内周面と、従動側ギア76の外周面との摩擦力以上の駆動トルクが原動側ギア77に対して発生した場合は、原動側ギア77の内周面と、従動側ギア76の外周面とがスリップを起こすことによって、原動側ギア77の駆動トルクが従動側ギア76に伝達されない。つまり、旋回板31がストッパ部材(図示せず)に当接した場合は、従動側ギア76、ギア44、ギア45および旋回ギア部材48は、原動側ギア77の回転に関係なく回転が停止される。なお、図22では、図21と同様に旋回板31の水平方向の旋回動作を説明するために、垂直旋回駆動部50(図3参照)を図面から省略している。
なお、上記の旋回動作は、台座部30を図21および図22に示す矢印G1方向に旋回させる際について説明したが、矢印G1方向とは反対の矢印G2方向へ旋回板31を旋回させる旋回動作の際も、水平旋回駆動部40によって上記と同様の旋回動作が行われるために、旋回板31が矢印G2方向へ旋回されることによって、ディスプレイ本体10(図1参照)は左方向(図1の矢印B方向)に旋回される。
次に、図4に示すように、台座部30上に垂直に載置されたディスプレイ本体10が左右方向(図1の矢印A方向および矢印B方向)に所定の角度だけ旋回された状態で、さらに、ディスプレイ本体10(図1参照)が上下方向(図1の矢印C方向および矢印D方向)に旋回される場合の旋回動作について説明する。
まず、図23に示すように、ユーザによって台座部30上の旋回板31が右方向(矢印G1方向)に所定の角度旋回されるとともにその位置で旋回動作が停止された状態において、付属リモコン(図示せず)の上方向チルトボタン(図示せず)を押圧することによって、上述と同様に、垂直旋回駆動部50(図3参照)が駆動を開始する。つまり、ラックプレート60は、図23に示した位置から図24に示すように、矢印P方向に移動(スライド)を開始する。なお、図23および図24では、ラックプレート60および表示画面支持機構80の係合部材87の動作を説明するために、水平旋回駆動部40(図3参照)および垂直旋回駆動部50(図3参照)の一部を除いて図面から省略している。
ここで、第1実施形態では、図24に示すように、ラックプレート60の矢印P方向への移動に伴って、係合部材87も位置R(ディスプレイ本体10が垂直に載置されたときの係合部材87の位置を2点鎖線(想像線)の外形形状として示している)から徐々に矢印S方向に移動(回動)される。したがって、図16に示すように、ラックプレート60の係合孔61cに係合された係合部材87は矢印C方向に回動されるので、表示画面支持部材81に取り付けられたディスプレイ本体10は、上方向(矢印C方向)へ旋回を開始する。
その際、前述と同様に、図11に示すように、表示画面支持部材81の扇状の穴部81dの根元部81gと支持軸83の上面とが当接しながら、表示画面支持部材81と支持軸83とが一体的に垂直支持部材82の扇状の穴部82dの根元部82eを回動中心として、矢印C方向に回動する。そして、ステッピングモータ52(図3参照)の駆動に伴って、図16に示すように、ディスプレイ本体10が取り付けられた表示画面支持部材81が所定の旋回速度で矢印C方向への旋回を継続する。
そして、ディスプレイ本体10が、ユーザが所望する角度まで図4の矢印C方向に旋回された場合、ユーザは付属リモコン(図示せず)の上方向チルトボタン(図示せず)の押圧を解除することによって、ディスプレイ本体10(図1参照)を上方向(図4の矢印C方向)に旋回させる信号がディスプレイ本体10の制御回路部(図示せず)に送信されなくなる。したがって、ステッピングモータ52の駆動が停止される。これにより、表示画面支持部材81は、図16に示すような位置で矢印C方向への旋回を停止するとともに静止される。
また、ディスプレイ本体10(図16参照)の上方向(図16の矢印C方向)への旋回動作がユーザによって継続されている状態において、図24に示すように、ラックプレート60が矢印P方向にスライドされるとともに、プレート部材61の長孔61aおよび61bの内側面の一方端部がボス部材35の側面にそれぞれ当接することによって、ラックプレート60は、矢印P方向へのスライドが抑制される。この際、図17に示すように、表示画面支持部材81は所定の旋回角度(第1実施形態では10度)に到達される。したがって、ディスプレイ本体10は、図17に示すような位置で矢印C方向への旋回を停止するとともに静止される。この際、ステッピングモータ52(図15参照)は駆動を継続しているので、ステッピングモータ52(図15参照)から伝達される駆動トルクがウォームギア57(図15参照)およびギア53(図15参照)を介して、トルクリミッタ70(図15参照)の原動側ギア72(図15参照)まで伝達されるが、トルクリミッタ70(図15参照)によって従動側ギア71(図15参照)には伝達されない。つまり、図15に示すように、ラックプレート60の矢印Q方向への移動(スライド)が停止した場合、従動側ギア71、ギア54およびギア55は、原動側ギア72の回転に関係なく回転が停止される。
また、図22に示すように、ユーザによって台座部30上の旋回板31が右方向(矢印G1方向)に所定の角度旋回されるとともにその位置で旋回動作が停止された状態で、付属リモコン(図示せず)の下方向チルトボタン(図示せず)を押圧することによって、上述と同様に、垂直旋回駆動部50が駆動を開始する。つまり、ラックプレート60は、図25に示すように、矢印Q方向にスライドを開始する。なお、図25では、図24と同様に、ラックプレート60および表示画面支持機構80の係合部材87の動作を説明するために、水平旋回駆動部40(図3参照)および垂直旋回駆動部50(図3参照)の一部を除いて図面から省略している。
ここで、第1実施形態では、図25に示すように、ラックプレート60の矢印Q方向への移動に伴って、係合部材87も位置R(ディスプレイ本体10が垂直に載置されたときの係合部材87の位置を2点鎖線(想像線)の外形形状として示している)から徐々に矢印T方向に移動(回動)される。したがって、図19に示すように、ラックプレート60の係合孔61cに係合された係合部材87が矢印D方向に回動されるので、表示画面支持部材81に取り付けられたディスプレイ本体10は、下方向(矢印D方向)へ旋回を開始する。
その際、図11に示すように、表示画面支持部材81の扇状の穴部81dの根元部81gと支持軸83の上面とが当接しながら、表示画面支持部材81と支持軸83とが一体的に垂直支持部材82の扇状の穴部82dの根元部82eを回動中心として、矢印D方向に回動を開始する。また、表示画面支持部材81と支持軸83とが5度(図11の角度β2)回動されると、図19に示すように、支持軸83は、垂直支持部材82の扇形状の穴部82dの他方縁に当接する。この状態で、表示画面支持部材81が矢印D方向に更に回動されると、図19に示すように、表示画面支持部材81が、扇状の穴部81dの根元部81eを回動中心として支持軸83に対して矢印D方向への回動をさらに継続する。
そして、ディスプレイ本体10が、ユーザが所望する角度まで図4の矢印D方向に旋回された場合、ユーザは付属リモコン(図示せず)の下方向チルトボタン(図示せず)の押圧を解除することによって、ディスプレイ本体10(図4参照)を下方向(図4の矢印D方向)に旋回させる信号がディスプレイ本体10の制御回路部(図示せず)に送信されなくなり、ステッピングモータ52の駆動が停止される。これにより、表示画面支持部材81は、図19に示すような位置で矢印D方向への旋回を停止するとともに静止される。
また、旋回動作が継続されている状態において、図20に示すように、支持軸83が、表示画面支持部材81の扇状の穴部81dの他方縁に当接することによって、表示画面支持部材81は所定の旋回角度(第1実施形態では10度)に到達されるとともに、矢印D方向への回動が規制される。また、この際、図18に示すように、矢印Q方向にスライドされたラックプレート60が、プレート部材61の長孔61aおよび61bの内側面の他方端部がボス部材35の側面にそれぞれ当接されることによって、ラックプレート60は、矢印Q方向へのスライドが抑制される。したがって、ディスプレイ本体10は、図20に示すような位置で矢印D方向への旋回を停止するとともに静止される。また、この際、前述と同様にステッピングモータ52(図18参照)は駆動を継続しているので、ステッピングモータ52(図18参照)から伝達される駆動トルクがウォームギア57(図18参照)およびギア53(図18参照)を介して、トルクリミッタ70(図18参照)の原動側ギア72(図18参照)まで伝達されるが、トルクリミッタ70(図18参照)によって従動側ギア71(図18参照)には伝達されない。つまり、図18に示すように、ラックプレート60の矢印Q方向への移動(スライド)が停止した場合、従動側ギア71、ギア54およびギア55は、原動側ギア72の回転に関係なく回転が停止される。
なお、上記の表示画面支持部材81の垂直旋回動作は、旋回部31を図24および図25に示す矢印G1方向に所定の角度旋回させた状態における垂直旋回動作ついて説明したが、旋回部31を矢印G1方向とは反対の矢印G2方向に所定の角度旋回させた状態においても、表示画面支持部材81は垂直旋回駆動部50によって上記と同様の旋回動作が行われることによって、ディスプレイ本体10(図1参照)は矢印D方向(図1参照)に旋回される。
また、上記の動作説明では、台座部30上に垂直に載置されたディスプレイ本体10がまず左右方向(図1の矢印A方向および矢印B方向)に所定の角度だけ旋回された状態にあり、次にディスプレイ本体10(図1参照)が上下方向(図1の矢印C方向および矢印D方向)に旋回される場合の旋回動作を説明しているが、これとは反対に、先にディスプレイ本体10(図1参照)が上下方向(図1の矢印C方向および矢印D方向)に旋回された状態で、次に左右方向(図1の矢印A方向および矢印B方向)に所定の角度だけ旋回される場合についても、水平旋回駆動部40(図3参照)および垂直旋回駆動部50(図3参照)は上記と同様の動作によって、ディスプレイ本体10をユーザの所望する位置に旋回させることが可能である。
第1実施形態では、上記のように、台座部30の内部に配置されたステッピングモータ52と、台座部30の内部に配置され、ステッピングモータ52の駆動力を伝達するための伝達ギア部51とを備えるように構成することによって、小型化が困難な伝達ギア部51と伝達ギア部51の駆動源であるステッピングモータ52とを共に台座部30の外部に配置する場合と異なり、伝達ギア部51と伝達ギア部51の駆動源であるステッピングモータ52とを共に台座部30の内部に収納することができるので、サイズの大きな伝達ギア部51を設計上容易に配置することができる。
また、第1実施形態では、係合部材87が設けられ、水平面内で回動可能でかつ垂直面に対して回動可能にディスプレイ本体10を支持する表示画面支持部材81と、台座部30側に配置され、表示画面支持部材81の係合部材87が係合される係合孔61cと、伝達ギア部51のギア55と水平方向に噛合するラックギア62とを含むラックプレート60とを備えるとともに、ステッピングモータ52の正逆回転(図6の矢印E1方向および矢印F1方向の回転)によりラックプレート60が水平面内で矢印P方向および矢印Q方向(図3参照)に往復移動されることに伴い、ラックプレート60の係合孔61cに係合された表示画面支持部材81の係合部材87が矢印C方向(図4参照)および矢印D方向(図4参照)回動されることにより、表示画面支持部材81が垂直面に対して所定の角度上下方向(図1の矢印C方向および矢印D方向)に回動されるように構成することによって、ディスプレイ本体10の自重は、ディスプレイ本体10の静止時および旋回動作時に関係なく、表示画面支持部材81を介して旋回板31に加えられる一方、ラックプレート60およびラックギア62を介して水平方向に噛合されたギア部55を含めた伝達ギア部51へは加えられないので、伝達ギア部51によるステッピングモータ52の駆動力の伝達を円滑に行うことができる。
また、第1実施形態では、伝達ギア部51を、ステッピングモータ52の駆動力が所定値を超えた場合に、ステッピングモータ52の駆動力を遮断するトルクリミッタ70を含むように構成することによって、ディスプレイ本体10が垂直方向に旋回している際に不意な外力などによって旋回動作が阻止された場合や、ディスプレイ本体10が旋回角度範囲の最大値に到達して旋回動作が停止された場合は、回転が継続されているステッピングモータ52の駆動力をトルクリミッタ70によって遮断することができるので、ステッピングモータ52の駆動力が伝達ギア部51に伝達されない。したがって、ステッピングモータ52の駆動力が所定のトルク値を超えた場合の無理な回転に伴う伝達ギア51の破損を抑制することができる。
また、第1実施形態では、ステッピングモータ52を、ステッピングモータ52の駆動軸に圧入されたウォームギア57を介してステッピングモータ52の駆動力を伝達ギア部51に伝達するように構成することによって、不意な外力などによってディスプレイ本体10が回動されることに伴い伝達ギア部51が、ギア55、ギア54、トルクリミッタ70およびギア53の順に順次駆動された場合でも、ギア55、ギア54、トルクリミッタ70およびギア53の回転がウォームギア57を回転させることはできないので、ステッピングモータ52以外の駆動力によってステッピングモータ52が逆に駆動されてしまうことを抑制することができる。
また、第1実施形態では、係合部材87を、表示画面支持部材81の水平面内での回動方向(図3の矢印G1方向および矢印G2方向)の回動中心を通る垂直な線分300(図4の1点鎖線)上に設けられるように構成することによって、ディスプレイ本体10が水平面内で左右方向(図1の矢印A方向および矢印B方向)に旋回された場合でも、係合部材87は表示画面支持部材81の水平面内の回動中心上に位置するので、ラックプレート60は水平面内での移動方向(図3の矢印P方向および矢印Q方向)と交差する方向に動かされることはなく、係合部材87とラックプレート60の係合孔61cとの係合状態が継続される。したがって、ディスプレイ本体10が水平面内で左右方向(図1の矢印A方向および矢印B方向)に旋回された状態から、さらにラックプレート60を図3の矢印P方向および矢印Q方向に往復移動させた場合でも、表示画面支持部材81およびディスプレイ本体10を垂直面に対して前後方向(図4の矢印C方向および矢印D方向)に旋回させることができる。
また、第1実施形態では、ラックプレート60を、表示画面支持部材81の係合部材が回動可能に係合される係合孔61cを含むように構成するとともに、ラックプレート60の係合孔61cを、ラックプレート60が水平面内で往復動作を行う方向(図3の矢印P方向および矢印Q方向)と直交する方向に延びる長孔形状に形成するように構成することによって、ディスプレイ本体10が水平面内で左右方向(図1の矢印A方向および矢印B方向)に旋回された状態で、ディスプレイ本体10を垂直面に対して前後方向(図1の矢印C方向および矢印D方向)に旋回させる場合でも、表示画面支持部材81の係合部材87がラックプレート60の係合孔61cの内部を、図24および図25に示すように横方向に移動しながらラックプレート60の係合孔61cと係合した状態を継続することができるので、容易に、表示画面支持部材81を垂直面に対して前後方向(図4の矢印C方向および矢印D方向)に旋回させることができる。
(第2実施形態)
図26は、本発明の第2実施形態による表示画面旋回装置の分解斜視図である。図27〜図29は、本発明の第2実施形態による垂直旋回駆動部のラックプレートの構造を説明するための図である。まず、図26〜図29を参照して、この第2実施形態では、第1実施形態と異なる構造を有する、垂直旋回駆動部50のラックプレート100の構造について説明する。なお、この第2実施形態の垂直旋回駆動部50のラックプレート100以外の構造は、上記第1実施形態の構造と同様であるのでその説明を省略する。
この第2実施形態では、図26に示すように、垂直旋回駆動部50のラックプレート100は、板金製のプレート部材101と、樹脂製のラックギア62と、板金製のロックレバー102と、バネ部材103と、ピン部材104とから構成されている。また図26および図28に示すように、ラックプレート100は、プレート部材101の上部からピン部材104をロックレバー102の孔102aおよびプレート部材101の孔101fの順に挿入した上で、ロックレバー102をプレート部材101に水平方向に回動可能に取り付けられている。また、図28に示すように、バネ部材103を、ロックレバー102のフック部102bと、プレート部材101のフック部101hとに係合させるように構成されている。したがって、ロックレバー102は、バネ部材103の引張力によって通常の状態では図28に示すような位置に静止されている。その際、図28に示すように、ロックレバー102のフック部102bが、プレート部材101の孔101gの内部を移動(回動)することが可能なように構成されている。
また、第2実施形態では、ロックレバー102は、図26および図27に示すように、表示画面支持機構80(図26参照)の係合部材87(図26参照)が係合可能な係合部102cを一体的に有している。したがって、第1実施形態と同様に、図29に示すように、ラックプレート100が矢印P方向および矢印Q方向に往復移動(スライド)するのに伴って、ロックレバー102もラックプレート100と一体的に往復移動されるために、表示画面支持機構80(図26参照)の表示画面支持部材81(図26参照)が、係合部材87(図26参照)とともに上下方向(矢印C方向および矢印D方向)に回動することが可能なように構成されている。なお、係合部102cは、本発明の「第2係合部」の一例である。
また、第2実施形態では、ロックレバー102は、図27に示すように、孔102aと係合部102cを結ぶ線分400(1点鎖線)を斜めに横断するように設けられたガイド部102dを有している。このガイド部102dは、係合部材87(図26参照)と係合部102cとの係合状態を回復させる際に、係合部材87(図26参照)が斜め上方から回動されて徐々に降下する動作に伴って、係合部材87(図26参照)の側面がガイド部102dと当接することによって、ロックレバー102がピン部材104を中心に水平面内で左右方向(図29の矢印U1方向および矢印U2方向)に回動されるとともに、係合部材87(図26参照)を容易に係合部102cへ導くことを可能とするために設けられている。
図30〜図33は、本発明の第2実施形態による表示画面旋回装置の垂直方向の旋回動作を説明するための図である。図11、図21、図22、図26および図29〜図33を参照して、第2実施形態による表示画面旋回装置の垂直方向の旋回動作について説明する。なお、表示画面旋回装置の水平方向の旋回動作については、第1実施形態と同様なので、説明を省略する。
まず、図30に示すように、ディスプレイ本体10が表示画面旋回装置20に垂直に載置された状態において、ユーザが、台座部30の裏側から、ベース部材34の中心部に設けられた孔34aと、旋回部31の孔31cを介して指を差し込むことによって、ロックレバー102を矢印U1方向(図29参照)に移動(回動)させる。このとき、ロックレバー102は、図29に示すように、外形形状が2点鎖線で示された位置から実線で示された位置へと回動する。
ここで、第2実施形態では、図29に示すように、ロックレバー102の係合部102cが表示画面支持機構80(図26参照)の係合部材87(図26参照)から外れることによって、表示画面支持部材81と、ラックプレート100との係合状態が解除される。また、係合部材87は、プレート部材101の孔101cによってプレート部材101に干渉することなく自由に回動することが可能な状態となっている。
そして、ユーザが、図30に示した表示画面支持部材81が表示画面旋回装置20に対して垂直に支持されている状態から、表示画面支持部材81により支持されるディスプレイ本体10を矢印C方向に押圧する。その場合、図11に示すように、表示画面支持部材81の扇状の穴部81dの根元部81gと支持軸83の上面とが当接しながら、表示画面支持部材81と支持軸83とが一体的に垂直支持部材82の扇状の穴部82dの根元部82eを回動中心として、矢印C方向に回動を開始する。そして、表示画面支持部材81と支持軸83とが45度(図11の角度α2)回動されると、図31に示すように、支持軸83の側面は、垂直支持部材82の扇形状の穴部82dの一方縁に当接する。この状態で、ユーザがディスプレイ本体10を矢印C方向に更に押圧すると、図31に示すように、表示画面支持部材81が、扇状の穴部81dの根元部81gを回動中心として支持軸83に対して矢印C方向への回動を継続する。そして、表示画面支持部材81が、矢印C方向に更に45度(図11の角度α1)回動されると、図32に示すように、支持軸83は、表示画面支持部材81の扇状の穴部81dの一方縁に当接するとともに、矢印C方向への回動が終了する。このように、第2実施形態では、図30に示したディスプレイ本体10が表示画面支持部材81によって表示画面旋回装置20に対して垂直に支持されている状態(視聴時)から、図32に示すように、上方向(矢印C方向)に90度まで回動させることが可能である。なお、上記の動作中は、ロックレバー102はバネ部材103の引張力によって、図28に示すようなもとの位置に戻されている。
また、図32に示すように、ディスプレイ本体10が表示画面旋回装置20に対して平行な位置(水平位置)まで回動された状態から、ユーザによって、ディスプレイ本体10を矢印D方向に押圧すると、上述と反対の回動動作によって、図30に示したディスプレイ本体10が表示画面支持部材81によって表示画面旋回装置20に対して垂直に支持されている状態(視聴時)まで回動可能である。
ここで、第2実施形態では、図31に示すように、ユーザによってディスプレイ本体10が水平位置から矢印D方向に所定の角度(第2実施形態では約80度)まで回動された際、表示画面支持部材81の係合部材87が、ロックレバー102のガイド部102dに斜め上方から降下する動作に伴って、係合部材87の側面部がロックレバー102のガイド部102dに徐々に当接を開始する。このとき、図33に示すように、係合部材87は、ガイド部102dに沿いながら、矢印Q方向に移動(回動)されるとともに、ロックレバー102はもとの位置(図28参照)から矢印U1方向に若干角度回動される。この状態で、図30に示すように、ディスプレイ本体10は、ディスプレイ本体10が表示画面旋回装置20に対して垂直に支持されている状態まで残りの約10度を矢印D方向に回動される。そして、図29に示すように、係合部材87は、ロックレバー102のガイド部102dを矢印Q方向に通り越して係合部102cまで到達するとともに、バネ部材103の引張力によって、ロックレバー102は矢印U2方向に回動される。つまりロックレバー102は、外形形状を2点鎖線で示した位置に戻る。この結果、図29に示すように、係合部材87は、係合部102cとの係合状態が回復される。したがって、ディスプレイ本体10は、図29に示すように、垂直旋回駆動部50ラックプレート100の水平面内での往復移動(矢印P方向および矢印Q方向への移動)に伴い、垂直面に対して上下方向(図30の矢印C方向および矢印D方向)の旋回動作が可能な状態となる。
また、上記の上下方向(図30の矢印C方向および矢印D方向)の旋回動作は、図33に示すように、表示画面支持部材81が台座部30上の旋回板31に対して垂直であるとともに正面を向いた状態(旋回ギア部材48の旋回ギア部48aの中央部がギア45の小径ギア部45bと噛合している状態)における動作であるが、図21および図22に示すように、旋回部31を水平方向(矢印G1方向および矢印G2方向)に所定の角度旋回させた状態においても、ユーザは上記と同様に、ロックレバー102の操作を行うことによって、手動で、表示画面支持部材81の上下方向(図30の矢印C方向および矢印D方向)の旋回動作を行うことが可能である。
なお、ロックレバー102が係合部材87に係合した状態における表示画面支持部材81の垂直旋回動作は、上記説明した第1実施形態の垂直旋回動作と同様である。
第2実施形態では、上記のように、ラックプレート100に回動可能に設けられるとともに、表示画面支持部材81の係合部材87と係合する係合部102cを一体的に含むロックレバー102を備えるとともに、係合部102cの、表示画面支持部材81の係合部材87との係合が解除された場合に、表示画面支持部材81を図32に示すように水平位置まで回動させることが可能なように構成することによって、液晶テレビジョン100を所定の場所に収納する場合や、他の場所へ移動させる場合にも、容易に、ディスプレイ本体10を水平位置まで回動させることができる。
また、第2実施形態では、ロックレバー102は、表示画面支持部材81を水平位置から垂直方向に回動させる際に、表示画面支持部材81に設けられた係合部材87の回動とともに、係合部材87とロックレバー102の係合部102cとの係合状態を自動的に回復させるためのガイド部102dを含むように構成することによって、ディスプレイ本体10を水平位置(収納時など)から垂直方向(視聴時)に回動させる場合に、表示画面支持部材81に設けられた係合部材87がロックレバー102のガイド部102dに沿いながら回動されて係合部102cまで導かれるので、容易に、係合部材87とロックレバー102の係合部102cとの係合状態を回復させることが可能である。したがって、ユーザが係合状態を回復させるための特別な操作を行うことなく、係合部材87とロックレバー102の係合部102cとの係合状態を自動的に回復させることができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、表示装置の一例としての液晶テレビジョンに表示画面旋回装置を設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、有機ELパネルなどの液晶パネル以外の表示画面部(表示パネル)を有する表示装置に表示画面旋回装置を設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、係合部材87を別部材として表示画面支持部材81のアーム部81eに設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、係合部を表示画面支持部材のアーム部に一体的に設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、水平旋回駆動部40および垂直旋回駆動部50の駆動源としてステッピングモータ42および52をそれぞれ設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、1つの駆動源によって水平旋回駆動部および垂直旋回駆動部の両方を駆動させるようにしてもよい。
また、第1実施形態では、ラックプレート60を板金製のプレート部材61に樹脂製のラックギア62をネジ90によって取り付ける例を示したが、本発明はこれに限らず、板金加工または樹脂成形などによって、プレート部とラックギア部とが一体的に形成されたラックプレートを適用するようにしてもよい。