JP4211354B2 - ソレノイドバルブ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油中内に配置されるソレノイドバルブに関し、さらに詳しくは、コイルの励磁で磁界を形成する固定子(固定コア)とヨーク、及び可動子(プランジャ)とを備え、可動子の摺動に対して発生する流体の容積変化を吸収するための呼吸経路を形成するソレノイド部を備えたソレノイドバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、油中内に配置されて呼吸経路を形成したソレノイド部を備えて構成されるソレノイドバルブは、例えば、特開2001−263521に示されるように、ソレノイド部を構成するヨークの後部に配置されたプレートに外部からの油を導入する導入孔を呼吸経路として形成していた。
【0003】
これによると、図9に示すように、ソレノイドバルブ90は、ソレノイド部91とスプール弁部100とを備えて構成されている。ソレノイド部91は、筒状に形成されるコイル92と、コイル92に内蔵される固定コア93、ヨーク94と固定コア93に向かって接近・離隔するようにヨーク94内に摺動可能に配置されるプランジャ95とを備えている。プランジャ95には固定コア93内を挿通するシャフト96が装着され、プランジャ95の摺動とともに軸方向に沿って移動する。
【0004】
一方、スプール弁部100は、シャフト96に連接されて軸方向に摺動可能なスプール101と、スプール101を覆うように配置するケース体としてのスリーブ102とを備えて構成されている。スプール101は軸方向に沿って軸部に対して大径に形成される複数の弁部103a、小径に形成される弁部103bを有し、スリーブ102には、軸方向に沿って並設して形成される複数のポート104が配置されている。そして、スプール101の軸方向への適度な移動によりスプール101の各弁部103aが、スリーブ102の各ポート104の開口量を調整して、ラインに供給する作動油の量を調整可能に構成されている。
【0005】
一方、プランジャ95の摺動によりシャフト96を介してスプール101を軸方向に移動する際、プランジャ95を収納するヨーク94内には、プランジャ95に圧力を付加するための油が貯留されていて、その油が、プランジャ95の摺動により容積変化を起こし圧力が低下することから、ソレノイドバルブ90の外部から油を導入する必要があり、このためにソレノイド部90においては外部から油を導入するための呼吸経路が形成されている。
【0006】
上記の公報に示されるソレノイドバルブ90では、呼吸経路は、ヨーク94の後方でソレノイド部91を塞いでいるプレート97に油の導入孔97aを設けている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−263521公報(図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の公報に示されるソレノイドバルブ90において、プレート97は、ヨーク94の後方でヨーク94・コイル92を覆うケース体98の後端部でカシメられることによってソレノイド部91に一体的に結合されている。さらに、プレート97とプランジャ95との間には油溜まり部99を形成するために、外側に屈曲するように形成されている。このソレノイド部91の構成は、プレート97が別部品に形成され、ケース体98との間でカシメ結合により組みつけられることから、コストが高くなるとともに、プレート97の形状により、ソレノイド部91の外径は大きくなってソレノイド部91の周りのスペースを広くとることとなっていた。
【0009】
従って、コストの低減化と省スペース化を図ることのできるソレノイド部を提供するためには、部品点数を低減させることに加えて呼吸経路の配置位置を再検討しなければならなかった。しかも、呼吸経路を形成するにあたっては、ソレノイド部の構成を見直すとともに、コイルの励磁により発生する磁気効率の低下を招くことなく効率よい磁力を発生させることが必要となっていた。
【0010】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、ソレノイド部を小径にして省スペース化を図ってコストの低減を図るとともに、高い磁気効率を維持できるように呼吸経路を形成するソレノイドバルブを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るソレノイドバルブは、上記の課題を解決するために、以下のように構成するものである。すなわち、
請求項1記載の発明では、ソレノイドバルブは、固定子・ヨーク・可動子を有してソレノイド部に呼吸経路を備えるものであって、ヨークはコイルの外周面を覆うとともに可動子との間に油溜まり部を設けるように一端を閉口する筒状に形成され、ソレノイド部の外径を従来のソレノイド部より小径に形成している。
【0012】
一方、可動子の摺動による容積変化を補充するための呼吸経路をソレノイド部の磁気回路の磁束が遮断された低磁区域内に設けることによって、コイルの励磁によって発生する磁気効率を低下することなく、呼吸経路を構成することができる。
【0013】
つまり、コイルを励磁することによって、ヨーク・固定コア・プランジャとの間には磁気回路が形成され、これによってプランジャが固定コアに対して接近する方向に摺動する。プランジャが摺動することによって、ソレノイド部内のプランジャの周りに収納されている油が容積変化を起こすことになり、これによって油の圧力が低下することとなる。この油の圧力はソレノイドバルブが設置されている周りの油を呼吸経路から導入することによって補充される。この呼吸経路を、ソレノイド部における低磁区域内において形成すれば、ソレノイド部内で発生する磁力を低下させることなく、外部の油をそれの移動内に導入することができる。
【0014】
従って、ヨークの一端を、例えば、後端部を閉口する筒状に形成することによって、ケース体を構成し、プランジャとの間に油溜まり部を設けることによって、プランジャに圧力を付加させることができる。その結果、最後端に配置されていた従来のプレートをヨーク自体で構成することができ、コストを低減するとともにケースの外径を小さくして省スペース化を図ることができる。
【0015】
しかも、呼吸経路を、ソレノイド部における低磁区域内に設けることによって、磁気効率に影響を受けずに、高い磁気効率を維持することができる。
【0016】
また、請求項2記載の発明は、ケース体として構成されるヨークには、通常、外部との電気的な接続を行うコネクタ部を配置することに注目し、ヨークには、コネクタ部を配置するための切り欠き部が形成されている。磁気回路を構成するヨークは、切り欠き部において磁気を発生しないことから、ヨークにおける切り欠き部の延長線上の区域は磁気回路の磁束が遮断された低磁区域として形成される。このヨークの切り欠き部の延長線上におけるヨークの内壁面に、切り欠き部から油溜まり部に通じる呼吸溝を形成してプランジャの後方から外部の油を導入できることから、磁気効率に影響を受けずに、高い磁気効率を維持することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
第1の実施形態によるソレノイドバルブ1は、図1に示すように、ソレノイド部10とスプール弁部20とからなり、スプール弁部20の一端にソレノイド部10の一端をカシメ結合することによってソレノイド部10とスプール弁部20とを一体的に結合している。
【0022】
実施形態のソレノイド部10は、前端を開口し後端を閉口する筒状のハウジングを形成する磁性体のヨーク11と、中空状に形成された固定コア12と、ヨーク11に内蔵されて固定コア12の周りを巻装するコイル13と、固定コア12に摺動可能に内蔵されるプランジャ14と、ヨーク11の外周面の一部に外装されるコネクタ部15と、を備えて構成されている。
【0023】
固定コア12は、内部にプランジャ収納部16を形成し、スプール弁部20側の端部にスプール弁部20のソレノイド部10側端面と当接するためのフランジ部12aを形成する。そして、フランジ部12aの外周面をヨーク11から延設されたカシメ部11aに外嵌している。カシメ部11aはスプール弁部10の端面の外周面まで延設され、スプール弁部10の端面の外周面をカシメルことによって、スプール弁部20と一体的に結合している。
【0024】
プランジャ14は、コイル13の励磁によって固定コア12のプランジャ収納部16に摺動可能に配置されるとともに、軸方向に貫通する流体通路14aを形成している。
【0025】
これによって、コイル13が通電されると、コイル13からヨーク11・固定コア12・プランジャ14に磁束が流れて磁気回路が形成され、プランジャ14が図1中左側、つまりスプール30を押圧する方向に移動する。
【0026】
また、コイル13が非通電状態であれば、プランジャ14は、図1中右側、つまりスプール30から離れる方向に移動する。それに伴って、スプール30は後述のコイルばね40の付勢力によって右側に摺動することとなる。
【0027】
一方、ヨーク11におけるスプール30側と反対側の端部(図1中右側)に、固定コア12の周りに油溜まり部11bが形成され、油溜まり部11bからヨーク11と固定コア12端面との間に形成された油通路12bを通って固定コア12のプランジャ収納部16に入り、プランジャ14をスプール30側に押圧可能とするとともに、油溜まり部11bはヨーク11に形成された外部との油通路としての呼吸経路17に連通して油の外部との流通を可能とする。
【0028】
呼吸経路17は、ヨーク11内の固定コア12の周りに形成された油溜まり部11bから屈折して形成することによって外部から侵入する異物を除去しやすいようにする。しかもこの呼吸経路17は、固定コア12内に充填されている油の容積変化(縮小分)に相当する長さで形成されることが望ましい。
【0029】
この呼吸経路17は、図2〜3に示すように、ヨーク11のコネクタ切り欠き部111から油溜まり部11bに向かって形成される呼吸溝として形成される。つまり、ヨーク11は、スプール30側の先端部にカシメ部11aとコイルを外装する中間内壁部112と油溜まり部11bを構成する後内壁部113とに形成され、それぞれ肉厚が徐々に厚く形成されている。そして、カシメ部11aと中間内壁部112との一部に、コネクタ15を挿入するための切り欠き部111を形成している。
【0030】
前述の呼吸経路17は、切り欠き部111の後方に向かう延長線上における中間内壁部112と後内壁部113部に呼吸溝を形成することになり、この呼吸経路17によって、ソレノイド部10の外部からの油が呼吸経路17を通って油溜まり部11bに導入可能に構成されることとなる。しかも、呼吸経路17を形成する部位は、コイル13の励磁の際、磁気回路が形成されない部位になることから、ソレノイド部10の磁気効率を影響させることはない。
【0031】
ソレノイド部10とスプール弁部20との間には、2枚のプレート部45が配置されている。2枚のプレート部45は、スプール弁部20側に配置される薄板状の第1のプレート46とソレノイド部10側に配置される厚板状の第2のプレート47とからなり、第1プレート46と第2プレート47間に空間部を有して油溜まり48を形成している。
【0032】
第1のプレート46は、スリーブ21の端面と第2のプレート47の外縁部に挟持されて円板状に形成されるとともに、軸方向の中央部にスプール30側に向かうボス部46aが形成されている。ボス部46aには、内周端からスプール30側に向かって形成される円筒部46bが、スプール30の軸部36にわずかな嵌合隙間を有して嵌合され、さらに、ボス部46aの下部には1箇所又は複数箇所の通し孔46cが設けられている。
【0033】
第2のプレート47は、固定コア12のフランジ部12aと第1のプレート46の外縁部に挟持されて円板状に形成されるとともに、軸方向の中心部にプランジャ14に向かう円筒部47aが軸部36にわずかな嵌合隙間を有して嵌合されている。
【0034】
一方、スプール弁部20は、一端を開口する筒状に形成するとともにスプール30を摺動可能に内蔵するスリーブ21と、スリーブ21のソレノイド部10と反対側の端部でスプール30を付勢するコイルばね40と、スリーブ21の一端でスリーブ21に螺合してコイルばね40を支持する止め栓41と、を備えて構成されている。
【0035】
スリーブ21には、出力ポート22・入力ポート23・フィードバックポート24が、ソレノイド部10側に向かって順に配置されるとともに、フィードバックポート24とソレノイド部10との間に、第1のドレンポート25・第2のドレンポート26が形成され、さらに、出力ポート22のソレノイド部10と反対側には、ソレノイド部10側と反対の方向から順に第3のドレンポート27・第4のドレンポート28が形成されている。
【0036】
一方、スプール30には出力ポート22・入力ポート23に対向して各口径量を調整する大径の第1の弁部32とフィードバックポート24のソレノイド部10側に配置される小径の第2の弁部33とを有して形成されている。第2の弁部33には、ソレノイド部10側に向かって、順に第1の摺動部34と第2の摺動部35とが分割して配置され、第2の摺動部35のソレノイド部10側の端部には、プランジャ14の端面に当接する軸部36が形成されている。
【0037】
そして、第1の摺動部34と第2の摺動部35の間に対向する位置に前述の第1のドレンポート25が配置されるとともに、第2の摺動部35とプランジャ14との間に前述の第2のドレンポート26が配置されている。
【0038】
また、スプール30は、第4のドレンポート28を開閉する位置に大径の第3の弁部37が形成され、第3の弁部37がスプール30の移動により第4のドレンポート28を徐々に開くように移動すると、入力ポート23から出力ポート22に流れる油量を少なくして第4のドレンポート28に流れる油量を多くし、逆に第3の弁部37が第4のドレンポート28を閉じる方向に移動すると、入力ポート23から出力ポート22に流れる油量を多くすることになる。さらに、第3の弁部37の反ソレノイド部10側端部には、突出軸部38が形成されて前述のコイルばね40が外装される。
【0039】
入力ポート23は、図示しないタンクから供給される作動油が流入されて出力ポート22に排出可能とするとともに、排出ポート22は、外部においてフィードバックポート24に連通して、排出された作動油の一部をフィードバックポート24からフィードバック室29に導入するようになっている。フィードバック室29は大径の第1の弁部32と小径の第1の摺動部34との間に形成されることになるので、フィードバック室29に導入された作動油は、大径の弁部32と小径の第1の摺動部34との面積差により、大径の弁部32側、つまりソレノイド部10側と反対の方向を押圧することになる。
【0040】
従って、スプール30は、コイルばね40の付勢力と、ソレノイド部10におけるプランジャ14が吸引されてスプール30を押圧する力及びフィードバック室29の油圧でスプール30を押圧する力と、がつり合う位置で静止することとなる。
【0041】
一方、ソレノイド部10とスプール弁部20との間には、前述のように、第1のプレート46と第2のプレート47とが並設するように配置され、第1のプレート46と第2のプレート47との間に油溜まり48を形成している。そして第1のプレート46には、下部の1箇所又は複数箇所に通し孔46cを形成して、油溜まり48に流入した一部の異物を通し孔46cから第2のドレンポート26に向かって排出させる。
【0042】
又、ソレノイド部10側の右側端部の油溜まり部11Bには、外部の油が、ヨーク11に設けられた屈折状態の呼吸経路17を通って油溜まり部11b内に流入すると、油溜まり部11bから固定コア12の右端部先端に設けられた油通路12bを通って固定コア12のプランジャ収納部16に流入してプランジャ14を押圧可能に構成している。
【0043】
従って、この形態のソレノイドバルブ1では、フィードバックポート24から流入した作動油の一部は、異物とともに第2の弁部33の第1の摺動部34の外周隙間から第2の摺動部35側に向かって浸入する。異物は第1のドレンポート25から排出されるものの、一部がソレノイド部10側に侵入しようとするが、第1のプレート46に阻まれて第2のドレンポート26から排出される。
【0044】
一方、ソレノイド部10の外部から導入される油は、コネクタ部15の周りからヨーク11の切り欠き部111内に入り、呼吸経路17を通って、ヨーク11の後部113内に設けられた油溜まり部11b内に導入するとともに、油とともに浸入しようとする異物は、呼吸経路17中の屈折した経路に阻まれて沈殿し、油だけが油溜まり部11bを通って固定コア12内に流入することができ、異物は油溜まり部11bに達することができない。
【0045】
次に上記のように構成されたソレノイドバルブ1の作用について説明する。
【0046】
まず、ソレノイド部10におけるコイル13が非通電状態であれば、プランジャ14は、スプール30を押圧する力がないため、スプール30は、コイルばね40の付勢力と、フィードバック室29における作動油のスプール30を押圧する力と、がつり合った位置で静止する。つまり、この状態では、入力ポート23と出力ポート22とが連通する位置にあり、入力ポート23から流入した作動油が出力ポート22に流れる流量は増加するとともに、第4のドレンポート28は第3の弁部37によって閉鎖されることから、出力ポート22からライン(例えば、車両における自動変速機)側に流れる油量が最大となる。
【0047】
一方、フィードバック室29において、ライン側から流入する作動油には、例えば、自動変速機で作動されたギヤの磨耗粉等の異物が混入されている。フィードバック室29は高い圧力になっていることから、作動油の一部は異物とともに第2の弁部33における第1の摺動部34側に流れる。
【0048】
第1の摺動部34とスリーブ21の内周面との間には第1摺動部34が摺動するための、僅かな嵌合隙間を有していることから、異物を伴った作動油の一部がこの嵌合隙間を通って流れ込む。しかし、第1の摺動部34と第2の摺動部35との間には、スリーブ21に形成された第1のドレンポート25が形成されていることから、第1摺動部34の嵌合隙間を通った異物のほとんどは、第1のドレンポート25から外部に排出される。
【0049】
さらに、第1のドレンポート25から排出されない作動油の一部は、第2の摺動部35の外周部を通り、第2の摺動部35とソレノイド部10との間に形成された第2のドレンポート26から外部に排出されることとなって、ソレノイド部10内には到達しない。また、作動油に含まれる異物の一部が、例え、第2の摺動部35を通ったとしても、異物は同様に第2のドレンポート26から外部に排出されて、ソレノイド部10内には到達しない。
【0050】
コイル13が通電されると、ヨーク11・固定コア12・プランジャ14に磁束が流れて磁気回路が形成される。これによってプランジャ14は固定コア12に対して、図1中左方向に移動してスプール30をコイルばね40の付勢力に抗して左方向に移動させる。
【0051】
但し、この際、ヨーク11の切り欠き部111及びヨーク11の切り欠き部111の延長線上における中間部112・後部113の内壁部には、磁束が遮断されて極めて僅かかあるいは流れず、それによって磁気回路は低磁区域として形成される。
【0052】
スプール30は、コイルばね40の付勢力と、フィードバック室29における油圧のスプール30への押圧力及びソレノイド部10における磁気吸引力によるプランジャ14のスプール30への押圧力と、のつり合った位置で静止する。
【0053】
この位置では、第1の弁部32が入力ポート23から流れる作動油の量を低減させ、第4のドレンポート28から排出する作動油の量を多くするように働くことから、出力ポート22からライン側に流れる作動油の量を低減することとなる。
【0054】
一方、フィードバック室29に流入した油は、一部が第1の摺動部34に流れて異物を第1のドレンポート25から排出させ、さらに一部の油は第2の摺動部35を通って第2のドレンポート26から外部に排出される。
【0055】
同時にソレノイド部10におけるヨーク11の外部の周りに貯留されている油がプランジャ14の左方向への移動により、プランジャ収納部16内の容積変化を発生して圧力低下を起こし、それによって外部の油がヨーク11の切り欠き部111から呼吸経路17を通って油溜まり部11bに導入してプランジャ収納部16内に補充される。
【0056】
ソレノイド部10の入り切りによる油の呼吸経路17からのソレノイド部10内への浸入の際、異物は呼吸経路17の屈折された経路中で下方に沈み込むことによって、ヨーク11内の油溜まり部11b内には侵入することができない。
【0057】
上記のように、実施形態のソレノイドバルブ1は、コイル13を励磁することによって、ヨーク11・固定コア12・プランジャ14との間には磁気回路が形成され、これによってプランジャ14が固定コア12に対して接近する方向に摺動する。プランジャ14が摺動することによって、プランジャ収納部16内に貯留されている油が体積変化を起こすことになり、これによって油の圧力が低下することとなる。この油の圧力はソレノイドバルブ1が設置されている周りの油を呼吸経路17から導入することによって補充される。この呼吸経路17を、ソレノイド部10における低磁区域内、実施形態では、ヨーク11の切り欠き部111の延長線上におけるヨーク11の内壁面に、切り欠き部111から油溜まり部11bに通じる呼吸溝として形成してプランジャ14の後方から外部の油を導入している。
【0058】
従って、磁気回路を構成するヨーク11は、切り欠き部111において磁気を発生しないことから、磁気効率に影響を受けずに、高い磁気効率を維持することができる。
【0059】
しかも、ヨーク11は後端部を閉口する筒状に形成することによって、ケース体を構成し、プランジャ14との間に油溜まり部11bを設けることによって、プランジャに圧力を付加させることができる。その結果、最後端に配置されていた従来のプレートをヨーク11自体で構成することができ、コストを低減するとともにケースの外径を小さくして省スペース化を図ることができる。
【0060】
次に、第2の形態のソレノイドバルブ7について、図4に基づいて説明する。
【0061】
この形態のソレノイドバルブ7は、ソレノイド部60と、スプール弁部50とを備えて構成されている。ソレノイド部60は、ヨーク61、フランジ部62aを有する固定コア62、固定コア62を外装するコイル63、固定コア62内を摺動可能に配置するプランジャ64、ヨーク61に一体的に装着するコネクタ部65と、を備えている。
【0062】
ヨーク61は、第1の形態と同様に、スプール60側の先端部にカシメ部61aとコイル63を外装する中間内壁部612と油溜まり部61bを構成する後内壁部613とを有してそれぞれ肉厚が徐々に厚く形成されるとともに、前方を開口し後方を閉口して筒状に形成されている。そして、前述の形態と同様に、カシメ部61aと中間内壁部612との一部に、コネクタ75を挿入するための切り欠き部611を形成している。
【0063】
固定コア62は、図5〜6に示すように、内部を貫通するプランジャ収納部62cを有して筒状に形成され、下部に軸方向と平行な切り欠き平面部62bを形成するとともに、フランジ部62aに軸心と直行する方向に内部呼吸経路68となる呼吸溝部を形成している。
【0064】
一方、コネクタ部65は、図7〜8に示すように、外部との電気接続する接続部66と固定コア装着部67とを備え、固定コア装着部67には、固定コア62の切り欠き平面部62bに対向する対向面67aと、固定コア62に形成された内部呼吸経路68に連通する外部呼吸経路69としての溝部が、対向面67aの両側に一対形成されている。しかも、呼吸経路を形成する部位は、コイル13の励磁の際、磁気回路が形成されない部位になることから、ソレノイド部60の磁気効率を影響させることはない。
【0065】
スプール弁部50の構成は、大径に形成された複数の弁部52及び小径に形成された弁部53を備えるスプール51と、スプール51を内部で摺動可能に構成して書くポート56を備えるスリーブ55とを有して形成されるとともに、ダイヤフラム71の前方直前に配置されたドレンポート57を有して、ほぼ第1の形態のスプール弁部20と同様に構成されている。従って、更なる詳細の説明、スプール51の作用説明については省略する。
【0066】
上記のように構成された第2の形態のソレノイドバルブ7では、コイル63の励磁によってプランジャ64が、図中、左方向に摺動してスプール51を押圧すると、固定コア12のプランジャ収納部16内の油が流動して容積変化を発生する。これによって、外部からの油が固定コアの前部に形成された呼吸経路68を通ってプランジャ収納部66内に補充される。
【0067】
一方、内部呼吸経路68と外部呼吸経路69とは、固定コア62のフランジ部62aの外端部と固定コア装着部67のヨーク61との対向面67a後端部との間で形成される絞り部70を介して連通することから、ソレノイド部60の呼吸によって、外部後方及び外部側方からソレノイド部60側に流入する油に含まれる異物は絞り部70で妨げられて外部呼吸経路69の下部に沈殿することとなる。
【0068】
なお、ソレノイド部60とスプール弁部50との間にはダイヤフラム71を配置して、スプール弁部50からの異物がソレノイド部60側に侵入することを防止している。
【0069】
従って、第2の形態のソレノイドバルブ7では、呼吸経路68を、ヨーク61の切り欠き部611の延長線上における、固定コア62のフランジ部62aにおいて形成することから、第1の形態と同様、磁気回路を構成するヨーク61が、切り欠き部611において磁気を発生しないことによって、磁気効率に影響を受けずに、高い磁気効率を維持することができる。
【0070】
さらに、ダイヤフラム71をソレノイド部60とスプール弁部50との間に配置したもので構成し、固定コア62とコネクタ部65との間に内部呼吸経路68及び外部呼吸経路69を形成して、内部呼吸経路68と外部呼吸経路69との間に絞り部70を設けることによって、ソレノイド部60の外部からの油をソレノイド部60の前方から供給する際に、異物を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の形態を示すソレノイドバルブの正面断面図である。
【図2】図1におけるヨークの側面断面図である。
【図3】図2におけるIII−III断面図である。
【図4】本発明の第2の形態によるソレノイドバルブの正面断面図である。
【図5】図4における固定コアを示す正面断面図である。
【図6】同固定コアを示す斜視図である。
【図7】同ソレノイド部を示す簡略左側面図ある。
【図8】同ソレノイドバルブを示す簡略斜視図であるである
【図9】従来のソレノイドバルブを示す断面図である。
【符号の説明】
1、7 ソレノイドバルブ
10(60) ソレノイド部
11(61) ヨーク
11b 油溜まり部
111(611) ヨーク切り欠き部
12(62) 固定コア
13(63) コイル
14(64) プランジャ
16(66) プランジャ収納部
17 呼吸経路
20(50) スプール弁部
21(55) スリーブ
22 出力ポート
23 入力ポート
24 フィードバックポート
25 第1のドレンポート
26(54) 第2のドレンポート
30(51) スプール
45 プレート部
67 固定コア装着部
67a 対向面
68 内部呼吸経路
69 外部呼吸経路
70 絞り部

Claims (2)

  1. 流体の流量を制御するスプール弁部と、前記スプール弁部を駆動するソレノイド部と、を備えるソレノイドバルブにおいて、
    前記スプール弁部と前記ソレノイド部との間には、前記スプール弁部側から前記ソレノイド部側への異物の侵入を阻むプレートが配置され、
    前記ソレノイド部は、コイルの励磁で磁気回路を形成する固定子及びヨークと、前記コイルの励磁で摺動可能に配置される可動子と、前記可動子の摺動に対して発生する流体の容積変化を吸収するための呼吸経路と、を備え、
    前記ヨークは、前記コイルの外周面を覆って一方を閉口する筒状に形成され、この筒状に形成されたヨークの閉口する底部内壁には前記可動子との間に油溜まり部を形成するとともに、前記筒状に形成されたヨークの開口する端部側に磁気回路の磁束を遮断する切り欠き部を形成し、
    前記ヨークの内壁には、前記切り欠き部から前記油溜まり部に向かって形成される溝からなる呼吸溝が形成されており、この呼吸溝は前記ソレノイド部の外部と前記油溜まり部とを連結する前記呼吸経路として形成されていることを特徴とするソレノイドバルブ。
  2. 流体の流量を制御するスプール弁部と、前記スプール弁部を駆動するソレノイド部と、を備えるソレノイドバルブにおいて、
    前記スプール弁部と前記ソレノイド部との間には、前記スプール弁部側から前記ソレノイド部側への異物の侵入を阻むダイヤフラムが配置され、
    前記ソレノイド部は、コイルの励磁で磁気回路を形成する固定子及びヨークと、前記コイルの励磁で摺動可能に配置される可動子と、前記可動子の摺動に対して発生する流体の容積変化を吸収するための呼吸経路と、を備え、
    前記ヨークは、前記コイルの外周面を覆って一方を閉口する筒状に形成され、この筒状に形成されたヨークの閉口する底部内壁には前記可動子との間に油溜まり部を形成するとともに、前記筒状に形成されたヨークの開口する端部側に磁気回路の磁束を遮断し、且つ外部との電気的な接続を行うコネクタ部が配置される切り欠き部を形成し、
    前記ヨークの内壁には、前記切り欠き部から前記油溜まり部に向かって形成される溝からなる呼吸溝が形成されており、この呼吸溝は前記ソレノイド部の外部と前記油溜まり部とを連結する前記呼吸経路として形成されていることを特徴とするソレノイドバルブ。
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