JP4209072B2 - 全波整流回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アナログ集積回路を用いて入力信号を全波整流する全波整流回路に関するもので、特に入力振幅に対する出力振幅のリニアリティーがよい全波整流回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の全波整流回路について図面を参照しながら説明する。
【0003】
従来の全波整流回路は、図8に示すように、差動交流信号VINが入力される正側の第1の差動入力端子1と負側の第2の差動入力端子2とが設けられている。第1の差動入力端子1は第1の差動NPNトランジスタ4のベースに接続され、第2の差動入力端子2は、第2の差動NPNトランジスタ5のベースに接続されている。第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5は、コレクタが共通接続されて電源VCCに接続され、エミッタが共通接続され電流源8を介してグラウンドGNDに接続されている。そして、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5の共通接続されたエミッタに全波整流信号を出力する出力端子3が設けられている。
【0004】
以上のように構成された、従来の全波整流回路について以下その動作を説明する。
【0005】
まず、第1および第2の差動入力端子1,2から差動交流信号VINが入力され、この差動交流信号VINの入力レベルにより第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5が両方動作の状態またはどちらか一方が動作する状態が存在する。このため、電源VCCから動作している第1または第2の差動NPNトランジスタ4,5により、電流源8に電流が供給される。ここで、第1および第2のトランジスタ4,5のエミッタ電圧すなわち、出力電圧VOUT は以下のように表される。
【0006】
トランジスタ4に流れる電流をIPO、トランジスタ5に流れる電流をINOとし、電流源8に流れる電流を2Iとすると、電流IPO,INOは、それぞれ
【0007】
【数1】
PO=2I・[1−1/{1+exp(VIN・q/k・T)}]
【0008】
【数2】
NO=2I/{1+exp(VIN・q/k・T)}
となる。ただし、T=273+t(絶対温度)、k=1.38×10-23 (ボルツマン定数)、q=1.6×10-19 (電子の電荷量)、tは摂氏で表記された温度である。
【0009】
つぎに、第1および第2のトランジスタ4,5のエミッタ電圧すなわち、出力電圧VOUT は、
【0010】
【数3】
OUT =V4 −VBE4 =V5 −VBE5
=V4 −(kT/q)・ln(IPO/IS
=V5 −(kT/q)・ln(INO/IS
で表される。ただし、IS は各トランジスタ4,5の飽和電流である。VBE4 ,VBE5 は第1および第2のトランジスタ4,5のベース・エミッタ間電圧である。
【0011】
この結果、出力端子3からは差動入力端子1,2に加えられる差動交流信号VINを全波整流した全波整流信号が出力電圧VOUT として出力される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来例の構成では、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5のベースへの入力である差動交流信号VINが、Tを絶対温度、kをボルツマン定数、qを電子の電荷量としたときに、
IN=4・kT/q
で与えられるダイナミックレンジの範囲内のレベルであると、第1および第2のNPNトランジスタ4,5が両方動作の状態にある。このため、差動交流信号VINの入力レベルが変化すると、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5のエミッタに流れる電流IPO,INOの値は、前述の数式のように表され、変化するため、各々のベース・エミッタ間電圧VBE4 ,VBE5 が一定にはならない。
【0013】
一方、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5のベースへの入力である差動交流信号VINが、
IN=4・kT/q
で与えられるダイナミックレンジを超えるレベルとなると、第1または第2の差動NPNトランジスタ4または5のどちらか一方が動作の状態となり、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5のエミッタに流れる電流IPO,INOは差動交流信号VINの入力レベルに依存せず一定である。このときには、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5が両方とも動作状態のときと比較すると、最大2倍の電流が1つの差動NPNトランジスタ4または5に流れることになる。
【0014】
この結果、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5のベースへ入力される差動交流信号VINが、
IN=4・kT/q
で与えられるダイナミックレンジ以内であると、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5のエミッタに流れる電流IPO,INOは入力レベルにより変化し、これらの電流IPO,INOの変化によって、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5のベース−エミッタ間電圧(VBE4 ,VBE5 )、特に電流が多く流れる方のトランジスタのベース・エミッタ間電圧が変化するために、出力レベルが変化する。このため、入力レベルと出力レベルのリニアリティーが悪くなるという欠点を有していた。
【0015】
ここで、第1の差動NPNトランジスタ4に流れる電流IPOと第2の差動NPNトランジスタ5に流れる電流INOの変化を図9に示す。この電流IPOと電流INOの変化の曲線は、上記数1および数2の計算式を基にして作成したものである。図9において、横軸には差動交流信号VINの入力レベルをとり、縦軸には第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5に流れる電流IPO,INOの値をとっている。
【0016】
上記の構成において、ダイナミックレンジである4・kT/qは、室温を27℃とすると、図9のグラフでは、
4・kT/q=0.1040(V)
の位置になる。
【0017】
したがって、本発明の目的は、差動入力レベルに対する出力レベルのリニアリティー(直線性)を改善することができる全波整流回路を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の全波整流回路は、差動交流信号を入力する第1および第2の差動入力端子(1,2)と、第1および第2の差動入力端子(1,2)がそれぞれベースに接続されるとともにエミッタが共通接続された第1および第2の差動トランジスタ(4,5)と、第1および第2の差動トランジスタ(4,5)のエミッタに接続された第1の電流源(8)と、第1および第2の差動トランジスタ(4,5)のエミッタに接続された出力端子(3)と、第1および第2の差動入力端子(1,2)に加わる差動交流信号に応じた電流を第1の電流源(8)に流すことにより第1および第2の差動トランジスタ(4,5)に流れる電流を差動交流信号のレベルに係わらず一定にする第1および第2のトランスコンダクタ(6,7)とを備えている。
【0019】
この構成によれば、第1および第2のトランスコンダクタ(6,7)を設けて、第1および第2の差動入力端子(1,2)に加わる差動交流信号に応じた電流を第1の電流源(8)に流すので、第1および第2の差動トランジスタ(4,5)に流れる電流を差動交流信号のレベルに係わらず一定にすることができる。その結果、差動交流信号のレベルによって第1および第2の差動トランジスタのベース−エミッタ間電圧が変化することがないようにでき、差動入力レベルに対する全波整流回路の出力レベルのリニアリティー(直線性)を改善することができる。
【0020】
本発明の請求項2記載の全波整流回路は、請求項1記載の全波整流回路において、第1および第2のトランスコンダクタ(6,7)がそれぞれ以下のような構成である。すなわち、第1のトランスコンダクタ(6)は、第1および第2の差動入力端子(1,2)がそれぞれベースに接続されるとともにエミッタが共通接続された第3および第4の差動トランジスタ(11,12)と、第3および第4の差動トランジスタ(11,12)のエミッタに接続された第2の電流源(13)と、第3の差動トランジスタ(11)のコレクタにコレクタおよびベースが接続されて入力側素子となる第1のカレントミラートランジスタ(9)と、第4の差動トランジスタ(12)のコレクタおよび第1および第2の差動トランジスタ(4,5)のエミッタにコレクタが接続され第3の差動トランジスタ(11)のコレクタにベースが接続されて出力側素子となる第2のカレントミラートランジスタ(10)とで構成されている。
【0021】
また、第2のトランスコンダクタ(7)は、第2および第1の差動入力端子(2,1)がそれぞれベースに接続されるとともにエミッタが共通接続された第5および第6の差動トランジスタ(23,22)と、第5および第6の差動トランジスタ(23,22)のエミッタに接続された第3の電流源(24)と、第5の差動トランジスタ(23)のコレクタにコレクタおよびベースが接続されて入力側素子となる第3のカレントミラートランジスタ(21)と、第6の差動トランジスタ(22)のコレクタおよび第1および第2の差動トランジスタ(4,5)のエミッタにコレクタが接続され第5の差動トランジスタ(23)のコレクタにベースが接続されて出力側素子となる第4のカレントミラートランジスタ(20)とで構成されている。
【0022】
この構成によれば、請求項1記載の全波整流回路と同様の作用を有する。
【0023】
本発明の請求項3記載の全波整流回路は、請求項2記載の全波整流回路において、第2および第3の電流源(24)の電流は第1の電流源(8)の電流の1/2に設定されている。
【0024】
この構成によれば、請求項2記載の全波整流回路と同様の作用を有する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1に本発明の実施の形態の全波整流回路のブロック図を示す。この全波整流回路は、図1に示すように、差動交流信号VINが入力される正側の第1の差動入力端子1と負側の第2の差動入力端子2とが設けられている。第1の差動入力端子1は第1の差動NPNトランジスタ4のベースに接続され、第2の差動入力端子2は、第2の差動NPNトランジスタ5のベースに接続されている。第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5は、コレクタが共通接続されて電源VCCに接続され、エミッタが共通接続され第1の電流源8を介してグラウンドGNDに接続されている。
【0027】
そして、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5の共通接続されたエミッタに全波整流信号を出力する出力端子3が設けられている。
【0028】
また、第1および第2の差動入力端子1,2に加えられる差動交流信号VIN(電圧)に応じた電流を第1の電流源8に流すことにより第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5のうち電流が多く流れる方の電流値を差動交流信号VINのレベルに係わらず略一定にする第1および第2のトランスコンダクタ(電圧−電流変換回路)6,7を上記の構成に追加している。
【0029】
第1のトランスコンダクタ6は、具体的には、一対の電圧入力端子6a,6bが第1および第2の差動入力端子1,2にそれぞれ接続され、電流出力端子6cが第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5の共通接続されたエミッタに接続され、さらに電源端子6dと接地端子6eが電源VCCとグラウンドGNDとにそれぞれ接続されている。
【0030】
第2のトランスコンダクタ7も、同様に、一対の電圧入力端子7a,7bが第1および第2の差動入力端子2,1にそれぞれ接続され、電流出力端子7cが第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5の共通接続されたエミッタに接続され、さらに電源端子7dと接地端子7eが電源VCCとグラウンドGNDとにそれぞれ接続されている。
【0031】
上記第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5および第1の電流源8の構成、すなわち、符号25を付した破線で囲った部分は従来例(図8)の全波整流回路と同じである。
【0032】
以上のように構成された、従来の全波整流回路について以下その動作を説明する。
【0033】
この全波整流回路は、第1および第2の差動入力端子1,2に加えられる差動交流信号VINのレベルが変化したときに、それに応じて第1および第2のトランスコンダクタ6,7から第1の電流源8へ流れ込む電流が変化することになる。その結果、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5に流れる電流IP ,IN を、第1および第2のトランスコンダクタ6,7に流れる電流で補正することができる。したがって、差動交流信号VINのレベルの変化にかかわらず、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5に流れる電流IP ,IN 、特に電流が多く流れる方の電流値を略一定にすることが可能となる。これによって、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5のベース−エミッタ間電圧VBE4 ,VBE5 が差動交流信号VINのレベルが変化しても変化することがないようにできる。
【0034】
図2に、図1に示した全波整流回路の具体的な回路図を示す。この図は、第1および第2のトランスコンダクタ6,7の回路構成を具体的に示すものである。
【0035】
第1のトランスコンダクタ6は、第3および第4の差動NPNトランジスタ11,12と、第2の電流源13と、第1および第2のカレントミラーPNPトランジスタ9,10と、NPNトランジスタ14と、ダイオード15と、電流源16とで構成されている。
【0036】
第3および第4の差動NPNトランジスタ11,12は、第1および第2の差動入力端子1,2がそれぞれベースに接続されるとともにエミッタが共通接続されている。第2の電流源13は、第3および第4の差動NPNトランジスタ11,12のエミッタに一端が接続され他端がグラウンドGNDに接続されている。第1のカレントミラーPNPトランジスタ9は、第3の差動NPNトランジスタ11のコレクタにコレクタおよびベースが接続されるとともに電源VCCにエミッタが接続されて入力側素子となる。第2のカレントミラーPNPトランジスタ10は、第4の差動NPNトランジスタ12のコレクタおよび第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5のエミッタにコレクタが接続され第3の差動NPNトランジスタ11のコレクタにベースが接続され電源VCCにエミッタが接続されて出力側素子となる。NPNトランジスタ14は、電源VCCにコレクタが接続され第4の差動NPNトランジスタ12のコレクタにエミッタが接続されベースがダイオード15を介して電源VCCに接続されるとともに電流源16を介してグラウンドGNDに接続されている。
【0037】
第2のトランスコンダクタ7は、第5および第6の差動NPNトランジスタ23,22と、第3の電流源24と、第3および第4のカレントミラーPNPトランジスタ21,20と、NPNトランジスタ18と、ダイオード17と、電流源19とで構成されている。
【0038】
第5および第6の差動NPNトランジスタ23,22は、第2および第1の差動入力端子2,1がそれぞれベースに接続されるとともにエミッタが共通接続されている。第3の電流源24は、第5および第6の差動NPNトランジスタ23,22のエミッタに一端が接続され他端がグラウンドGNDに接続されている。第3のカレントミラーPNPトランジスタ21は、第5の差動NPNトランジスタ23のコレクタにコレクタおよびベースが接続されるとともに電源VCCにエミッタが接続されて入力側素子となる。第4のカレントミラーPNPトランジスタ20は、第6の差動NPNトランジスタ22のコレクタおよび第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5のエミッタにコレクタが接続され第5の差動NPNトランジスタ23のコレクタにベースが接続され電源VCCにエミッタが接続されて出力側素子となる。NPNトランジスタ18は、電源VCCにコレクタが接続され第6の差動NPNトランジスタ22のコレクタにエミッタが接続されベースがダイオード17を介して電源VCCに接続されるとともに電流源19を介してグラウンドGNDに接続されている。
【0039】
上記した図2の全波整流回路においては、差動交流信号VINの入力レベルが
IN=4・kT/q
で与えられるダイナミックレンジ以上のとき、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5のどちらか一方が動作状態である。このとき、全波整流のための第1の電流源8と第1および第2のトランスコンダクタ6,7に内蔵の第2および第3の電流源13,24の電流比は2:1であり、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5に流れる電流は第1の電流源8の電流の略1/2の電流が流れている。
【0040】
このように電流比を設定しているのは、トランジスタ4とトランジスタ5が両方オンのときと、片方かがオンのときとでは、電流比が2:1であるからである。つまり、第1の電流源8と第2および第3の電流源13,24の電流比が2:1に設定することにより、電圧VINが0のところで電流IP ,IN が等しくなる位置を、例えば、第1の電流源8の電流の略1/2の電流(例えば、25μA)にする。
【0041】
具体的には、差動交流信号VINの入力レベルが
IN=4・kT/q
で与えられるダイナミックレンジ以上でかつ第1の差動入力端子1の入力レベルが正のときは第3の差動NPNトランジスタ11が動作の状態となる。このとき、第1のトランスコンダクタ6は、第3の差動NPNトランジスタ11に電流が流れており、この電流はカレントミラー回路を構成する第1および第2のカレントミラーPNPトランジスタ9,10を介して第1の電流源8に補正電流として供給される。
【0042】
このときの、第2のトランスコンダクタ7の動作は、第6の差動NPNトランジスタ22が動作の状態となり、電流は電源VCCからトランジスタ18および第6の差動NPNトランジスタ22を介して第3の電流源24に流れる。よって、第2のトランスコンダクタ7から第1の電流源8には電流は供給されない。
【0043】
また、差動交流信号の入力レベルが
IN=4・kT/q
で与えられるダイナミックレンジ以上でかつ第1の差動入力端子1の入力レベルが負のときは第5の差動NPNトランジスタ23が動作の状態となる。このとき、第2のトランスコンダクタ7は、第5の差動NPNトランジスタ23に電流が流れており、この電流はカレントミラー回路を構成する第3および第4のカレントミラーPNPトランジスタ20,21を介して第1の電流源8に補正電流として供給される。
【0044】
このときの、第1のトランスコンダクタ6の動作は、第4の差動NPNトランジスタ12が動作の状態となり、電流は電源VCCからトランジスタ14および第4の差動NPNトランジスタ12を介して第2の電流源13に流れる。よって、第1のトランスコンダクタ6から第1の電流源8には電流が供給されない。
【0045】
また、上記した図2の全波整流回路においては、差動交流信号VINの入力レベルが
IN=4・kT/q
で与えられるダイナミックレンジ以内のとき、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5の両方が動作状態である。このとき、全波整流のための第1の電流源8と第1および第2のトランスコンダクタ6,7に内蔵の第2および第3の電流源13,24の電流比は2:1であり、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5のうちの電流の多い方に流れる電流値は第1の電流源8の電流の略1/2の電流が流れている。
【0046】
具体的には、差動交流信号VINの入力レベルが
IN=4・kT/q
で与えられるダイナミックレンジ以内でかつ第1の差動入力端子1の入力レベルが正のときは第3の差動NPNトランジスタ11が動作の状態となる。このとき、第1のトランスコンダクタ6は、第3の差動NPNトランジスタ11に電流が流れており、この電流はカレントミラー回路を構成する第1および第2のカレントミラーPNPトランジスタ9,10を介して第1の電流源8に補正電流として供給される。一方、第4の差動NPNトランジスタ12の方も、オン状態にあり電流が流れるが、その値は第3の差動NPNトランジスタ11よりも少ない。
【0047】
このときの、第2のトランスコンダクタ7の動作は、第6の差動NPNトランジスタ22が動作の状態となり、電流は電源VCCからトランジスタ18および第6の差動NPNトランジスタ22を介して第3の電流源24に流れる。よって、第2のトランスコンダクタ7から第1の電流源8には電流は供給されない。一方、第5の差動NPNトランジスタ23の方も、オン状態にあり電流が流れるが、その値は第6の差動NPNトランジスタ22よりも少ない。
【0048】
また、差動交流信号VINの入力レベルが
IN=4・kT/q
で与えられるダイナミックレンジ以内でかつ第1の差動入力端子1の入力レベルが負のときは第5の差動NPNトランジスタ23が動作の状態となる。このとき、第2のトランスコンダクタ7は、第5の差動NPNトランジスタ23に電流が流れており、この電流はカレントミラー回路を構成する第3および第4のカレントミラーPNPトランジスタ20,21を介して第1の電流源8に補正電流として供給される。一方、第6の差動NPNトランジスタ22の方も、オン状態にあり電流が流れるが、その値は第5の差動NPNトランジスタ23よりも少ない。
【0049】
このときの、第1のトランスコンダクタ6の動作は、第4の差動NPNトランジスタ12が動作の状態となり、電流は電源VCCからトランジスタ14および第4の差動NPNトランジスタ12を介して第2の電流源13に流れる。よって、第1のトランスコンダクタ6から第1の電流源8には電流が供給されない。一方、第3の差動NPNトランジスタ11の方も、オン状態にあり電流が流れるが、その値は第4の差動NPNトランジスタ12よりも少ない。
【0050】
このときの、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5に流れる電流IP ,IN の計算値は以下のようになる。
【0051】
ここで、第1および第2のトランスコンダクタ6,7から補正される電流をIFWR とし、、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5の差動入力である差動交流信号をVIN(=V4 −V5 )とし、第1の電流源8の電流を2Iとし、第2および第3の電流源13,24の電流をIとする。
【0052】
【数4】
FWR =I・[−1+2/{1+exp(VIN・q/k・T)}]
【0053】
【数5】
P =[(2・I+IFWR )/{1+exp(VIN・q/k・T)}]
・exp(VIN・q/k・T)
【0054】
【数6】
N =(2・I+IFWR )/{1+exp(VIN・q/k・T)}
ただし、T=273+t(絶対温度)、k=1.38×10-23 (ボルツマン定数)、q=1.6×10-19 (電子の電荷量)、tは摂氏で表記された温度である。
【0055】
ここで、第1の差動NPNトランジスタ4に流れる電流IP と第2の差動NPNトランジスタ5に流れる電流IN の変化を図3に示す。この電流IP とIN の変化の曲線は、上記数4、数5および数6の計算式を基にして作成したものである。図3において、横軸には差動交流信号VINの入力レベルをとり、縦軸には第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5に流れる電流IP ,IN をとっている。
【0056】
ここで、上記の実施の形態における電流変化(電流が多い方のトランジスタ)は、トランスコンダクタ6,7を設けたことにより変化している。具体的には、上記のトランスコンダクタ6,7を追加したことにより、第1および第2のトランジスタ4,5に流れる電流IP ,IN のピーク点(傾きが0の位置)が図3にけるセンターの位置(VIN=0)からずれる。さらに、差動交流信号VINの入力レベルが0のときに、第1および第2のトランジスタ4,5にそれぞれ25μA(図3の電流IP ,IN の交点)流れるようにするために、第1および第2のトランジスタ4,5に流れる電流IP ,IN のピーク点を差動交流信号VINの入力レベルが0の位置からずらしている。また、トランジスタ4,5のうち電流が少ない方に流れる電流も変化しているのは、流れる電流の勾配を変化させているからである。
【0057】
図4には、第1および第2のトランジスタ4,5に流れる電流IP ,IN と 電流IP ,IN の和である電流IT を示している。このときに条件は、バイアス電流Iが25×10-6(A)であり、絶対温度Tが(273+50)度である。電流IT は次式で表される。
【0058】
【数7】
T =2I−|I−2I/{1+exp(q・VIN/k・T)}|
図5には、第1および第2のトランジスタ4,5に流れる電流IP ,IN を横軸を拡大して示している。また、図6には第1および第2のトランジスタ4,5に流れる電流IP ,IN の勾配、すなわち電流IP ,IN の微分を差動交流信号VINの入力レベルを横軸にとって示している。また、図7には、実施の形態における出力電圧VOUT と従来例における出力電圧VOUTOとを差動交流信号VINの入力レベルを横軸にとって示している。図7から、実施の形態の方がリニアリティが向上していることが明らかである。
【0059】
この構成によれば、第1および第2のトランスコンダクタ6,7を設けて、第1および第2の差動入力端子1,2に加わる差動交流信号VINに応じた電流を電流源8に流すので、第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5に流れる電流を差動交流信号のレベルに係わらず略一定にすることができる。その結果、差動交流信号VINのレベルによって第1および第2の差動NPNトランジスタ4,5のベース−エミッタ間電圧が変化することがないようにでき、差動入力レベルに対する全波整流回路の出力レベルのリニアリティー(直線性)を改善することができる。
【0060】
【発明の効果】
この発明の全波整流回路によれば、第1および第2のトランスコンダクタを設けて、第1および第2の差動入力端子に加わる差動交流信号に応じた電流を第1の電流源に流すので、第1および第2の差動NPNトランジスタに流れる電流を差動交流信号のレベルに係わらず一定にすることができる。その結果、差動交流信号のレベルによって第1および第2の差動トランジスタのベース−エミッタ間電圧が変化することがないようにでき、差動入力レベルに対する全波整流回路の出力レベルのリニアリティー(直線性)を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の全波整流回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の全波整流回路の具体的な回路を示す回路図である。
【図3】実施の形態において、差動交流信号のレベルと第1および第2の差動NPNトランジスタに流れる電流との関係を示すグラフである。
【図4】実施の形態において、差動交流信号のレベルと第1および第2の差動NPNトランジスタに流れる電流およびそれらの電流の和の電流との関係を示すグラフである。
【図5】実施の形態において、差動交流信号のレベルと第1および第2の差動NPNトランジスタに流れる電流との関係を示すグラフである。
【図6】実施の形態において、差動交流信号のレベルと第1および第2の差動NPNトランジスタに流れる電流の微分との関係を示すグラフである。
【図7】実施の形態において、差動交流信号のレベルと出力電圧のレベルとの関係を示すグラフである。
【図8】従来の全波整流回路の構成を示す回路図である。
【図9】従来例において、差動交流信号のレベルと第1および第2の差動NPNトランジスタに流れる電流との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 第1の差動入力端子
2 第2の差動入力端子
3 出力端子
4 第1の差動NPNトランジスタ
5 第2の差動NPNトランジスタ
6 第1のトランスコンダクタ
7 第2のトランスコンダクタ
8 第1の電流源
9 第1のカレントミラーPNPトランジスタ
10 第2のカレントミラーPNPトランジスタ
11 第3の差動NPNトランジスタ
12 第4の差動NPNトランジスタ
13 第2の電流源
14 トランジスタ
15 ダイオード
16 電流源
17 ダイオード
18 トランジスタ
19 電流源
20 第4のカレントミラーPNPトランジスタ
21 第3のカレントミラーPNPトランジスタ
22 第6の差動NPNトランジスタ
23 第5の差動NPNトランジスタ
24 第3の電流源

Claims (3)

  1. 差動交流信号を入力する第1および第2の差動入力端子(1,2)と、前記第1および第2の差動入力端子(1,2)がそれぞれベースに接続されるとともにエミッタが共通接続された第1および第2の差動トランジスタ(4,5)と、前記第1および第2の差動トランジスタ(4,5)のエミッタに接続された第1の電流源(8)と、前記第1および第2の差動トランジスタ(4,5)のエミッタに接続された出力端子(3)と、前記第1および第2の差動入力端子(1,2)に加わる前記差動交流信号に応じた電流を前記第1の電流源(8)に流すことにより前記第1および第2の差動トランジスタ(4,5)に流れる電流を前記差動交流信号のレベルに係わらず一定にする第1および第2のトランスコンダクタ(6,7)とを備えた全波整流回路。
  2. 第1のトランスコンダクタ(6)は、第1および第2の差動入力端子(1,2)がそれぞれベースに接続されるとともにエミッタが共通接続された第3および第4の差動トランジスタ(11,12)と、前記第3および第4の差動トランジスタ(11,12)のエミッタに接続された第2の電流源(13)と、前記第3の差動トランジスタ(11)のコレクタにコレクタおよびベースが接続されて入力側素子となる第1のカレントミラートランジスタ(9)と、前記第4の差動トランジスタ(12)のコレクタおよび前記第1および第2の差動トランジスタ(4,5)のエミッタにコレクタが接続され前記第3の差動トランジスタ(11)のコレクタにベースが接続されて出力側素子となる第2のカレントミラートランジスタ(10)とで構成され、
    第2のトランスコンダクタ(7)は、前記第2および第1の差動入力端子(2,1)がそれぞれベースに接続されるとともにエミッタが共通接続された第5および第6の差動トランジスタ(23,22)と、前記第5および第6の差動トランジスタ(23,22)のエミッタに接続された第3の電流源(24)と、前記第5の差動トランジスタ(23)のコレクタにコレクタおよびベースが接続されて入力側素子となる第3のカレントミラートランジスタ(21)と、前記第6の差動トランジスタ(22)のコレクタおよび前記第1および第2の差動トランジスタ(4,5)のエミッタにコレクタが接続され前記第5の差動トランジスタ(23)のコレクタにベースが接続されて出力側素子となる第4のカレントミラートランジスタ(20)とで構成されている請求項1記載の全波整流回路。
  3. 第2および第3の電流源(24)の電流は第1の電流源(8)の電流の1/2に設定されている請求項2記載の全波整流回路。
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